JP6815118B2 - 放射性物質汚染土壌の除染方法 - Google Patents

放射性物質汚染土壌の除染方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6815118B2
JP6815118B2 JP2016145300A JP2016145300A JP6815118B2 JP 6815118 B2 JP6815118 B2 JP 6815118B2 JP 2016145300 A JP2016145300 A JP 2016145300A JP 2016145300 A JP2016145300 A JP 2016145300A JP 6815118 B2 JP6815118 B2 JP 6815118B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
decontamination method
contaminated
chemical solution
radioactive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016145300A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018017510A (ja
Inventor
敬道 副島
敬道 副島
昌範 根岸
昌範 根岸
陽 高畑
陽 高畑
斎藤 祐二
祐二 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2016145300A priority Critical patent/JP6815118B2/ja
Publication of JP2018017510A publication Critical patent/JP2018017510A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6815118B2 publication Critical patent/JP6815118B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は放射性セシウムに汚染された土壌の除染方法に関する。
東京電力福島第1原子力発電所での事故により、大量の放射性物質が環境中に放出された。特に、放射性セシウムは、セシウム134の半減期が2.06年、セシウム137の半減期が30.2年と長く、長期に亘って土壌中に残留する。そのため、居住地や耕作地を中心に表層土壌や汚泥等を取り除く作業が行われ、莫大な量の放射性物質汚染土壌が回収されている。回収された放射性物質汚染土壌は、現在、自治体の仮置き場等に保管されており、これらを最終処分されるまで安全に保管するための中間貯蔵施設の建設が計画されている。中間貯蔵施設では、放射性物質汚染土壌の減容化処理が行われる予定である。特許文献1には、放射性セシウムを含む土壌をアルカリ水で洗浄したのち、分級し、粘土粒子を含む汚泥に放射性セシウムを濃縮して減容する除染方法が提案されている。
ここで、セシウムは、周期表で第1族に属し、周期表の第1族に属する元素であるカリウムと類似の化学的性質を有する。カリウムは植物にとって必須の栄養素であるが、植物は、化学的性質が類似するセシウムとカリウムとを厳密に区別することができないため、カリウムと間違えてセシウムを吸収する。また、セシウムは、植物の細胞壁の主原料の一つであるリグニンに吸着する。土壌中のセシウムは、植物に吸収され、吸着されることにより、植物に高濃度に蓄積するため、除染時には表層土壌だけでなく雑草、落ち葉等を回収する必要がある。
放射性物質汚染土壌とともに回収される放射性セシウムを含む植物について、特許文献2には、汚染土壌に含まれる植物を除去する植物除去工程を有する土壌除染処理方法が提案されている。しかし、特許文献2には、土壌から除去した放射性セシウムを含む植物の処理、保管について、記載されていない。また、特許文献3には、予め植物を枯らした後、枯れた植物とともに表層土を除去する除染方法が提案されており、枯れた植物を回収し、さらにコンポスト化することにより、減容化する方法が記載されている。
特開2014−178157号公報 特開2013−178177号公報 特開2014−62736号公報
本発明は、植物由来の有機物を含む放射性物質汚染土壌の効率的な除染方法を提供することを課題とする。
1.植物由来の有機物を含む放射性物質汚染土壌を、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物と過酸化水素とを含む薬液で洗浄する工程、
洗浄後のスラリーを、粗粒分と、浮泥分を含む汚染水とに分級する工程、
前記汚染水を、固液分離する工程、
を有することを特徴とする除染方法。
2.前記薬液のアルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物濃度が、0.1mol/L以上2.0mol/L以下であることを特徴とする1.に記載の除染方法。
3.前記薬液の過酸化水素濃度が、0.1%以上5%以下であることを特徴とする1.または2.に記載の除染方法。
4.前記放射性物質汚染土壌が、強熱減量9%以上25%以下であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の除染方法。
本発明の除染方法は、植物由来の有機物を多く含む放射性物質汚染土壌の除染に好適に利用することができる。本発明の除染方法は、回収された放射性物質汚染土壌から、放射性物質に汚染された植物由来の有機物を事前に分離することなく、同時に除染することができるため、効率的に除染を行うことができる。除染により、放射性物質は脱水ケーキに濃縮されるため、回収された放射性物質汚染土壌を大幅に減容化することができる。除染された粗粒分のうち、無機物は再利用や適正処分、有機物は焼却処分することができる。
本発明の除染方法の一実施態様を示す図。 土壌Bの除染後に回収した粗粒分の乾燥後の放射線濃度を示す図。 土壌Aの除染後に回収した粗粒分の乾燥後の放射線濃度を示す図。
本発明は、植物由来の有機物を含有する放射性物質汚染土壌の除染方法に関する。本発明の除染方法の一実施態様を図1に示す。
本発明の除染方法は、植物由来の有機物を含む放射性物質汚染土壌1を、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物と過酸化水素とを含む薬液2で洗浄する工程、洗浄後のスラリーを、粗粒分3と、浮泥分を含む汚染水4とに分級する工程、汚染水4を固相5と液相6とに固液分離する工程、を有することを特徴とする。
本発明において除染を行う放射性物質汚染土壌1は、植物由来の有機物を含有する。放射性セシウムは、植物体の生長の早い部分に取り込まれるため、草本の根、茎、葉、木本の落ち葉等に濃縮される。放射性物質汚染土壌1は、105℃で1時間以上乾燥後の土壌を600℃で2時間強熱した際の重量減少(強熱減量)が、9%以上25%以下であることが好ましい。
この放射性物質汚染土壌1を、洗浄装置10を用いて、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物と過酸化水素とを含む薬液2で洗浄する。放射性物質汚染土壌1に対する薬液2の量は、乾燥土壌1重量部に対して2重量部以上10重量部以下の範囲であり、放射性物質汚染土壌1に含まれる粘土粒子の量が多いほど、多くの薬液2が必要である。薬液2のアルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物濃度は、0.1mol/L以上2.0mol/L以下が好ましい。また、過酸化水素濃度は、0.1%以上5%以下が好ましい。アルカリ金属元素の水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。これらの中で、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムがコストの点から好ましい。また、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物は、2種以上を併用することもできる。
放射性物質汚染土壌1は、植物由来の有機物を含有する。リグニンは、アルカリ条件下で可溶化するが、過酸化水素を併用することにより、より効率的に可溶化することができる。放射性物質汚染土壌1を、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物と過酸化水素とを含む薬液2で洗浄することにより、植物由来の有機物のリグニンが効率的に可溶化し、リグニンに吸着していた放射性セシウムを植物由来の有機物から効率的に取り除き、放射性物質汚染土壌1を除染することができる。
洗浄完了後のスラリーを、洗浄篩等の分級装置20にて、粗粒分3と、浮泥分を含む汚染水4とに分級する。放射性セシウムは、主に粒径の小さな浮泥分に吸着しているため、例えば、目開き75μmの篩を用いて分級する。土壌の性質等により、目開き75μmの篩のみによる分級が困難であれば、目開きの違う複数の篩を用いて順次分級することもできる。
分級後の粗粒分3は、砂、石等の無機物と、植物由来の有機物とを含む。粗粒分3は、薬液2を用いた洗浄により放射性セシウムが取り除かれ、放射性線量が少ない。そのため、砂、石等の無機物は、道路資材等に再利用、または適正処分することができ、有機物は、焼却処分することができる。
汚染水4は、放射性セシウムが多く吸着している浮泥分を含む。汚染水4は、オーバー水受槽30にいったん受けいれた後、濁水処理装置40にて沈殿処理を行い、固相5と液相6とに分離する。この際、凝集剤として、ゼオライト、ポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸アルミニウム、ポリグルタミン酸系凝集剤、キトサン系凝集剤等を用いることにより、放射性セシウムが吸着している浮泥分を凝集剤とともに素早く沈殿させ、固相5に移行させることができる。固相5は、フィルタープレス50により水分を絞り、放射性セシウムが濃縮された脱水ケーキ7として回収する。液相6は、必要に応じて放射性セシウムの吸着処理を行ったのち、廃液8として処分する、または、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物と過酸化水素とを加えて薬液2として再利用する。
福島県と栃木県において、放射性物質汚染土壌を採取した。福島県の土壌(以下、土壌Aという。)の放射線濃度は、42000Bq/kg−dry、栃木県の土壌(以下、土壌Bという。)の放射線濃度は、39000Bq/kg−dryであった。また、105℃で1時間乾燥した乾燥土壌を、600℃で2時間強熱した後の強熱減量は、土壌Aが8%、土壌Bが15%であり、土壌Bが、土壌Aよりも有機物を多く含んでいた。ただし、土壌Bは、植物の根、葉、茎等が原型を保った状態で含まれていたが、土壌Aは、これらがほとんど視認できず、細かく分解されていた。
各土壌100gに、下記表1に示す薬液を400ml加え、200rpmで、60分間撹拌して洗浄した。
洗浄後の薬液を、目開き75μmの篩を有する分級装置を用いて、粗粒分と、浮泥分を含む汚染水とに分級した後、汚染水に遠心分離処理を行い、固相と液相とに固液分離した。
洗浄後に回収した粗粒分の乾燥後の放射線濃度を図2、3に示す。
強熱減量15%である土壌Bは、図2に示すように、水酸化カリウムと過酸化水素とを含む薬液で洗浄することにより、洗浄後に回収した粗粒分の放射線濃度が、洗浄前の30%程度まで低くなった。
強熱減量8%である土壌Aは、図3に示すように、水酸化カリウムと過酸化水素とを含む薬液で洗浄しても、水、または、水酸化カリウムのみを含む薬液での洗浄と、洗浄後の沈殿物の放射線濃度がほとんど変わらなかった。これは、土壌Aは、植物由来の有機物が細かく分解されており、セシウムの有機物への吸着が弱く、水による洗浄でも取り除くことができたためであると推測できる。
この結果より、有機物含有量が多い土壌では、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物と過酸化水素とを含む薬剤で洗浄することにより、効率的に除染できることが確認できた。
1 放射性物質汚染土壌
2 薬液
3 粗粒分
4 汚染水
5 固相
6 液相
7 脱水ケーキ
8 廃液

10 洗浄装置
20 分級装置
30 オーバー水受槽
40 濁水処理装置
50 フィルタープレス

Claims (4)

  1. 植物由来の有機物を含む放射性物質汚染土壌を、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物と過酸化水素とを含む薬液で洗浄し、リグニンを可溶化する工程、
    洗浄後のスラリーを、粗粒分と、浮泥分を含む汚染水とに分級する工程、
    前記汚染水を、固液分離する工程、
    を有することを特徴とする除染方法。
  2. 前記薬液のアルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の水酸化物濃度が、0.1mol/L以上2.0mol/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の除染方法。
  3. 前記薬液の過酸化水素濃度が、0.1%以上5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の除染方法。
  4. 前記放射性物質汚染土壌が、強熱減量9%以上25%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の除染方法。
JP2016145300A 2016-07-25 2016-07-25 放射性物質汚染土壌の除染方法 Active JP6815118B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016145300A JP6815118B2 (ja) 2016-07-25 2016-07-25 放射性物質汚染土壌の除染方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016145300A JP6815118B2 (ja) 2016-07-25 2016-07-25 放射性物質汚染土壌の除染方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018017510A JP2018017510A (ja) 2018-02-01
JP6815118B2 true JP6815118B2 (ja) 2021-01-20

Family

ID=61075170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016145300A Active JP6815118B2 (ja) 2016-07-25 2016-07-25 放射性物質汚染土壌の除染方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6815118B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018017510A (ja) 2018-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5925016B2 (ja) 放射性セシウムが付着した可燃物から放射性セシウムを除去する除染方法
JP6009847B2 (ja) 放射性物質に汚染された固形物の除染装置および除染方法
CA2557630A1 (en) Soluble biogenic silica and applications using same
EA032408B1 (ru) Способ переработки жидких радиоактивных отходов и их утилизации
CA2362469C (en) Method for remediating sites contaminated with toxic waste
Nakwanit et al. Management of arsenic-accumulated waste from constructed wetland treatment of mountain tap-water
JP6815118B2 (ja) 放射性物質汚染土壌の除染方法
JP2013231678A (ja) 放射性セシウムのイオン化による土壌と焼却灰の除染方法
JP2013174539A (ja) 土壌の除染方法
KR20180079539A (ko) 우라늄으로 오염된 물질의 세척방법
JP2013178177A (ja) 土壌除染処理方法
JP2008043823A (ja) 残骨灰の無害化方法
JP2012237658A (ja) 汚染土壌の浄化方法
JP6137887B2 (ja) 放射性物質を含む土壌の除染方法
JPH0326999A (ja) 放射性有機物含有廃棄物の処理方法
JP2013068484A (ja) 琉球石灰岩を用いる放射能廃棄物の処理方法
JP6344927B2 (ja) 放射性セシウム134及び137の除去処理方法
US10610912B2 (en) Method for decontaminating soil, and installation for implementing same
JP5834038B2 (ja) 土壌及び木質系廃棄物からの放射性セシウム除去方法
JP2014115254A (ja) 埋設処分場
JP5973932B2 (ja) 生ゴミ及び下水汚泥焼却灰の処理方法及び処理プラント
KR101552043B1 (ko) 방사성 세슘이 포함된 소각재 세척액의 처리 방법
JP2018179896A (ja) 放射性セシウム揮発促進方法
JP2002159952A (ja) ホタテ貝のうろから有害金属を除去する方法
RU2388085C1 (ru) Способ очистки песчаных грунтов от радионуклидов

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160801

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160801

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200629

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6815118

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150