JP6811858B2 - ねじ締結部品構成およびそのためのワッシャアセンブリ - Google Patents

Description

本発明は、リング状のワッシャ接触面を有する頭部、および軸部を備えるねじ締結部品と、ねじ締結部品の軸部上の少なくとも１つのワッシャとを含む、ねじ締結部品構成に関する。さらに、本発明は、ねじ締結部品のためのワッシャアセンブリに関する。

締結部品は２つ以上の対象物を互いに締め付けるために使用され、例えばねじ締結部品の場合、ひいてはねじおよびナットの場合のように、典型的には２つの締結部品が互いに相補的になるように設計される。ねじ頭部の下面（締め付けられる対象物に面しているナットの面にも同じことが当てはまる）から、締め付けられる部品または複数の部品への力の導入を向上させるために、多くの場合、ねじ頭部と、ねじ頭部が締め付けられる対象物表面との間にワッシャが挿入される。このようなワッシャは平ワッシャでもロックワッシャでもよい。ロックワッシャは、そのようなねじ締結部品の望ましくない緩みを防止する必要がある場合に使用される。

現場でのねじ締結部品の組み立てを簡略化するために、および、複数の締結部品の締め付け時に作業者がワッシャを（平ワッシャでもロックワッシャでも）ねじ頭部の下に配置し忘れる事態を防ぐために、ねじ軸部上に取り外し不能に保持されたワッシャを有するねじが開発されている。これは、ねじ頭部の下に配置されるワッシャを、ねじ山構造が転造されていないねじ軸部に嵌合した上で、ねじ山を転造することで達成される。転造されたねじ山の外径はワッシャ開口部の直径よりも大きく、ワッシャは、ねじ山によって、ねじ頭部の下の軸部上に配置され、締結部品に取り外し不能に連結される。

この設計の欠点は、ねじ転造工程時にワッシャがねじ軸部上にあることである。これらのワッシャがロックワッシャである場合、転造プレート間でのねじ山の転造時にワッシャの固定要素が損傷する危険性がある。平ワッシャの場合、溝または他の種類の損傷が起きる可能性があり、この方法で提供される接触面は減少する。さらに、ワッシャが連結されたそのようなねじの製造は、十分に多数のねじが製造される場合にのみ経済的に実行可能である。全く同一の呼び径を持つねじがさまざまな長さで製造されることにも留意すべきである。これは、製造業者が対応数量のさまざまな長さのねじを、そこに連結された対応数量のワッシャと共に製造し、在庫しなければならないことを意味する。コスト上の理由で、この既知のコンセプトは少量バッチでは採用することができなかった。

この説明した従来技術から出発して、本発明の目的は、締結部品に連結され、開口部を有する少なくとも１つのワッシャを備えた締結部品を提案し、その締結部品によって上述した従来技術のデメリットを少なくとも大部分回避することである。

この目的は、本発明によれば、軸部が通過する少なくとも１つのワッシャの開口部にカップリングスリーブが存在し、カップリングスリーブが互いに間隔をあけて半径方向外向きに突出した２つのフランジによって形成された、半径方向外向きに開くＵ字型外形を有しており、カップリングスリーブがフランジによってワッシャ開口部の長手方向軸の向きで少なくとも１つのワッシャと連動するように保持されており、このカップリングスリーブが半径方向内向きに突出した、カップリングスリーブの内壁に対して長手方向軸の向きで弾性的に調整可能な複数のクランプキャッチを有し、それらが自由端を用いて、カップリングスリーブに対して長手方向軸の向きで機能するねじ締結部品の逃げ溝に係合する、前述の一般的なタイプの締結部品によって達成される。

このねじ締結部品の少なくとも１つのワッシャは、長手方向で少なくとも１つのワッシャに連動するように保持されるカップリングスリーブを備える。カップリングスリーブは、半径方向内向きに突出した複数のクランプキャッチを有する。これらのキャッチは、カップリングスリーブの内壁に対してカップリングスリーブの長手方向で弾性的に調整可能である。クランプキャッチの調整機能は、典型的には、カップリングスリーブの製造に使用される材料により生じる。ワッシャを締結部品に連結するために、これらのクランプキャッチは、締結部品の長手方向軸の向きで機能する逃げ溝に係合する。それらは、例えば、ねじ締結部品の軸部の２つの隣接するねじ山のピッチの谷であってもよい。ねじ締結部品の逃げ溝での係合時に、クランプキャッチはラッチとして機能する。クランプキャッチの弾性調整機能の結果として、そのようなワッシャは、ねじ山が転造された後に、ねじの軸部上に押し込むことができる。クランプキャッチがそのような溝、例えばねじ山で固定される場合の締め付け力は十分に高く、ねじ締結部品の通常の取扱い中にワッシャを取り外すことはできない。ワッシャを締結部品、例えばねじ軸部から、何らかの力を用いて再び引き抜くことができるようにカップリングスリーブを設計することも言うまでもなく可能である。好ましい実施形態によれば、クランプキャッチは、ねじ締結部品としてのねじの軸部で嵌合方向とは反対に傾斜して、長手方向軸の向きで機能する逃げ溝で返しのように係合する。その場合、ワッシャをねじ山付き軸部に嵌合するために必要な力はより小さく、典型的にはねじ軸部から再びワッシャを取り外すために加えなければならない力よりもかなり小さい。これは、いずれにせよ通常は必要ない。傾斜したクランプキャッチの設計では、半径方向の長さが非常に長くなる可能性があり、ワッシャとカップリングスリーブとからなるワッシャアセンブリの取り外しは、クランプキャッチの塑性変形または破壊によってのみ可能である。

そのようなワッシャは、このワッシャがワッシャ接触面に沿った円周方向の溝を有する場合、例えばナットとして設計されたねじ締結部品に嵌合することもできる。その場合には、クランプキャッチはこの溝に係合する。

この設計の特別な利点は、ねじ軸部上に位置するワッシャを考慮に入れることなく、完全に独立にねじ山付きのねじを製造できることである。さらに、この設計では、そのような取り外し可能なワッシャを備えるべきねじだけがワッシャを備える。したがって、カップリングスリーブを有するそのようなロックワッシャは、保持されたワッシャを有する締結部品を少量バッチで作るためにも特に適している。

カップリングスリーブは、ワッシャの開口部の長手方向でフランジによって少なくとも１つのワッシャの周りを囲む。結果として、カップリングスリーブは前述の方向で連動するようにワッシャに連結される。

最終的には、そのようなカップリングスリーブによって任意のワッシャを締結部品に連結することができる。これには最も種類が多様なロックワッシャも含まれる。好ましい例示的な実施形態では、少なくとも１つのワッシャの周囲は、半径方向外向きに突出したカップリングスリーブのフランジによって、一対のウェッジロックの２つのワッシャを一体に保持するために使用される。多くの場合、そのようなウェッジロックワッシャは、これらのワッシャが確実に互いの面を正しく向き合わせて組み立てられるようにするため、一体に接着されて一対のウェッジロックワッシャを形成する。これは、上述のカップリングスリーブが使用されれば、どのような場合も互いに反対側を向くワッシャ表面上に突出したカップリングスリーブのフランジによって２つのウェッジロックワッシャが一体に保持されるため、必要ない。

原則として、クランプキャッチは、カップリングスリーブの高さまたは長手方向の範囲に関してさまざまな位置に配置することができる。例示的な実施形態によれば、これらのキャッチは、カップリングスリーブの上端部、すなわち締結部品のワッシャ接触面に面する端部に配置される。締結部品がねじである場合、そのような実施形態では、クランプキャッチは不完全ねじ部に、したがってねじ頭部の下面とねじ山の始端との間の空間に係合する。そのような構成は、クランプキャッチが締結部品に連結するための嵌合動作方向とは反対に傾斜している場合に有利である。さらに、カップリングスリーブ片側端のクランプキャッチ配置は、同時に規格を構成し、単数または複数のワッシャおよびカップリングスリーブが締結部品に嵌合されるべき配置がどちら側かを示す。嵌合の規格は、別の方法で提供されてもよい。

クランプキャッチの締め付け機能は、典型的にはどのような場合も互いに対して同じ角度間隔で円周方向に配置されるクランプキャッチの数、カップリングスリーブの材料、ひいては、典型的にはさらにクランプキャッチの材料、カップリングスリーブの他の構成要素に対するクランプキャッチの連結形態によって、および／または各クランプキャッチが延在する範囲の角度値によって、調整することができる。この角度値が大きいほど、クランプキャッチはカップリングスリーブ開口部の長手方向の向きでの調整機能に関して、より剛体的に反応し、ワッシャを締結部品から取り外すことができるまで動かすためには、より多くの力を加えなければならない。カップリングスリーブの他の構成要素へのクランプキャッチの連結形態は、要求される調整機能を実現するために、例えば溝によって提供することができる。

典型的には、クランプキャッチがカップリングスリーブの高さと同一の高さに配置されている場合でさえ、キャッチをさまざまな高さに、したがってカップリングスリーブの長手方向範囲のさまざまな位置に配置することは可能である。これは、カップリングスリーブが、カップリングスリーブの長手方向範囲のさまざまな高さで、対応する逃げ溝を有するねじ締結部品に連結されることを前提とする。ねじ締結部品としてのねじの場合、ねじ山が一定の長手方向範囲にわたって延在しているため、これが当てはまる。

半径方向では、クランプキャッチは、そのような逃げ溝を形成している締結部品の溝の基部まで延在することが好ましく、これはねじの場合には、ねじ芯部となる。そのようなクランプキャッチによる締め付けは、それらがさらに嵌合方向に逆らう返しのように傾斜している場合に特に有効である。ワッシャを取り外すためのクランプキャッチの調整は、その時点で溝の基部によって阻止されるため、損傷や破壊なしに締結部品からカップリングスリーブ付きのワッシャを取り外すことはできない。カップリングスリーブのそのような構成はまた、嵌合方向と反対方向の調整機能を実現するために、クランプキャッチの根元領域での溝の導入を可能にする。

カップリングスリーブは、好ましくは金属製またはプラスチック製である。カップリングスリーブ付きのワッシャを形成するために、カップリングスリーブは、１つまたは複数の締結部品の材料に、および締め付けられる対象物に適した材料で作られる。

カップリングスリーブを備えたそのようなワッシャまたはそのようなマルチワッシャ構成、例えば一対のウェッジロックワッシャなどの特別な利点は、カップリングスリーブを同時にシールとして使用できることである。そのような場合、締結部品が締め付けられていない状態でのカップリングスリーブの高さは、少なくとも１つのワッシャの厚さを上回るため、長手方向の向きで互いに反対側を向いているフランジの外面は、一方では締結部品のワッシャ接触面に、他方では締め付けられる対象物の表面に押し付けられる。締め付けられた締結部品の場合、ワッシャ接触面は当接部に直接作用し、この当接部に対して締め付けられる。この点に関して、シール面の押圧力は、シールおよび／またはカップリングスリーブの弾性復元力により生じる。シール機能を有するカップリングスリーブのそのような構成は、締結部品のねじ山とねじ穴との封入を可能にし、その結果、その内部に導入された潤滑剤は永久にそこに残留し、洗い流されない。この理由から、そのような、カップリングスリーブが同時にシールを形成するワッシャアセンブリは、そこに含まれる潤滑剤が漏出しない、または、例えば洗浄液によって洗い流されないように、ねじ山を封入しなければならないような用途に使用することもできる。したがって、これらは食品を加工するプラントで使用することもできる。そのような締結部品はまた、何年も経過した後でも問題なく再び緩めることができる。

説明されたカップリングスリーブのシール機能によって、第一にワッシャアセンブリ、例えば一対のウェッジロックワッシャとして配置される２つのウェッジロックワッシャは、そのような一対のウェッジロックワッシャを緩めるために、特に軸方向でも必要な、互いに対するウェッジロックワッシャの可動性を制限することなく、締め付けてシールすることができる。

そのようなカップリングスリーブのシール効果は、カップリングスリーブ自体の材料から生じ得る。カップリングスリーブが金属製であれば、金属製シールを形成することも可能である。そのような場合、典型的にはカップリングスリーブの材料は、隣接する締結部品のワッシャ接触面および締め付けられる対象物の材料よりも柔らかい。さまざまな材料、例えばシリコーン製のシールリング（シリコーンビード）をカップリングスリーブのフランジの関連する前面に適用することも、あるいは好ましくはカップリングスリーブによって保持される別個のシールリングを提供することさえも、言うまでもなく可能である。

カップリングスリーブが同時にシールとして機能する場合、半径方向外向きに突出したフランジは円周状になるように構成される。カップリングスリーブがシール機能を有さない場合には、フランジは、互いに間隔をあけた複数のフランジセグメントによって提供されてもよい。

本発明は、添付の図面を参照して、以下でより詳細に説明される。

カップリングスリーブによって内側で一体に保持された一対のウェッジロックワッシャの斜視図である。 図１に示される構成の断面図である。 カップリングスリーブによって一体に保持され、ねじに取り付けられた一対のウェッジロックワッシャを示す図である。 本発明のさらなる実施形態によるカップリングスリーブによって一体に保持された一対のウェッジロックワッシャを示す図である。 図４の例示的な実施形態に対応するが異なる実施形態である、本発明の実施形態によるカップリングスリーブによって一体に保持された一対のウェッジロックワッシャを示す図である。

２つのウェッジロックワッシャ１、１．１は、一対のウェッジロックワッシャを構成する。２つのウェッジロックワッシャ１、１．１は、互いに向き合っている面に、特定の角度で傾斜したウェッジ形リブを有する。それぞれの当接部との締め付けのために互いに反対側を向いている面には、典型的には鋸歯状の構成で、それぞれの当接部と相互作用するラジアルリブが設けられる。図示した例示的な実施形態では、ねじ締結部品のワッシャ接触面上に支持されるラジアルリブを有する、図１で見られる上面２が提供される。ウェッジロックワッシャ１、１．１のウェッジ形リブのウェッジ面のウェッジ面角度は、予張力を生じさせるために使用される、ねじ締結部品のねじ山のピッチ角度よりも大きい。

２つのウェッジロックワッシャ１、１．１は、カップリングスリーブ３によって一体に保持される。図示した例示的な実施形態では、カップリングスリーブ３は射出成形法によって製造されたプラスチック部品である。カップリングスリーブ３は、ウェッジロックワッシャ１、１．１の中央開口部４を貫通する。カップリングスリーブ３は円筒形の内周面を有し、差込口５の周りを囲む。差込口５は、軸部、特にねじとして設計されたねじ締結部品のねじ山付き軸部を通す機能を果たす。ウェッジロックワッシャ１、１．１は、どのような場合でも互いに反対側を向いているそれらの上面に、上面２に関して図１で見られるように、開口部４に面している端部に段差部６を有する。この段差部６によって、各ウェッジロックワッシャ１、１．１の有効厚さが穴の周縁領域で減少する。カップリングスリーブ３の第１の環状フランジ７は、この段差部６の上に係合する。図２からわかるように、カップリングスリーブ３は、円周方向外向きに突出したフランジ７．１を下側にも同様に有する。互いに間隔をあけた２つのフランジ７、７．１によって、半径方向外向きに開いたＵ字型外形が形成され、段差部６、６．１によって形成されたウェッジロックワッシャ１、１．１の半径方向内向きの突起部６′、６．１′が係合するレセプタクルを提供する。

このようにして、２つのウェッジロックワッシャ１、１．１は、カップリングスリーブ３によって一体に保持される。図に示される配置では、ウェッジロックワッシャ１、１．１は、ウェッジ面を支持する側で互いに接着されていない。

図示した例示的な実施形態でねじとして設定されているねじ締結部品に一対のウェッジロックワッシャを連結するために、図示した例示的な実施形態で互いに等しい角度間隔で配置されている複数のクランプキャッチ８がカップリングスリーブ３の内周面Ｍに形成される。これらのキャッチは、図１に示される左側のクランプキャッチ８、および図２に示される右側のクランプキャッチ８のように、カップリングスリーブ３の上端に、内向きに突出して形成される。さらに、クランプキャッチ８は、長手方向軸の向きで差込口５とは反対側のカップリングスリーブ３の端部に向かう方向に傾斜する。クランプキャッチ８は、カップリングスリーブ３と連結された一対のウェッジロックワッシャからねじ締結部品への嵌合方向とは反対に傾斜する。クランプキャッチ８は、カップリングスリーブ３がねじ締結部品に連結される場合に返しのように機能し、クランプキャッチ８は、長手方向軸の向きの有効な逃げ溝で機能して、逃げ溝に正しく係合する。クランプキャッチ８は、カップリングスリーブ３の差込口５の長手方向軸の向きで弾性的に調整可能である。図示した例示的な実施形態では、この弾性調整機能は、カップリングスリーブ３の製造に使用された材料により生じる。クランプキャッチ８の厚さは、一対のウェッジロックワッシャを有するカップリングリング３が連結される長手方向軸の向きで機能する、ねじ締結部品の逃げ溝に係合するように適合される。図示した例示的な実施形態では、ねじのねじ山付き軸部の不完全ねじ部の後ろに係合するクランプキャッチ８が提供される。

図２の断面図は、カップリングスリーブ３の２つのフランジ７、７．１の互いからの距離に関連してウェッジロックワッシャ１、１．１の段差部６、６．１および、その結果形成された突起部６′、６．１′の構成を示す。フランジ７に面している突起部６′の面とフランジ７．１に面している突起部６．１′の面との間には、２つのウェッジロックワッシャ１、１．１がウェッジ面で互いに対して回転可能であるように十分なフリースペースがあり、それにより一対のウェッジロックワッシャの有効高さは図面の例に対して増加する。図示した例示的な実施形態では、このように２つのウェッジロックワッシャ１、１．１をそれ以上の動作なしに互いに回転させ得ることが保証され、この一対のウェッジロックワッシャの有効厚さの増大は、突起部６′、６．１′の上に突出したフランジ７、７．１によって妨げられない。

図３は、ねじ１０のねじ山付き軸部９に嵌合されたカップリングスリーブ３付きウェッジロックワッシャ１、１．１から形成された一対のウェッジロックワッシャを示す。クランプキャッチ８は、ねじ山付き軸部９の長手方向で、ねじ軸部９の２つの隣接するねじ山の間のピッチの谷に係合し、カップリングスリーブ８を、ねじ頭部１１の下面によって形成されるワッシャ接触面１２に隣接する一対のウェッジロックワッシャと共に保持する。クランプキャッチ８の半径方向の長さは、ねじ軸部９上のカップリングスリーブ３の嵌合位置で、クランプキャッチがねじ芯部１３上に支持されるか、または当接するように寸法決めされる。一対のウェッジロックワッシャをねじ頭部１１から離す必要がある場合、ねじ頭部１１へ向かう方向でのクランプキャッチ８の付随する枢動運動は、ねじ芯部１３上の支持によって阻止される。クランプキャッチ８の半径方向外向きの押し込みは、それぞれの開口部の周りを囲むウェッジロックワッシャ１、１．１の前面のカップリングスリーブ３の支持によって防止される。このようにして、カップリングスリーブ３付きの一対のウェッジロックワッシャは、力の増強によってのみ、ねじ１０から取り外すことができる。

説明された例示的な実施形態とは無関係に、カップリングスリーブの円筒形部分に対するクランプキャッチの可動性が、例えば使用された材料、材料の厚さ、円周方向の広がり等を個々に、または互いに組み合わせるなどのさまざまな手段によって調整可能であることは、一般に適用できる。これにより、カップリングスリーブ付きワッシャをねじ締結部品から、すなわち、例えばボルトのねじ山付き軸部から取り外すために必要な力の調整が可能になる。カップリングスリーブ付きワッシャアセンブリの取り外しがクランプキャッチの損傷または破壊によってのみ可能であるようにクランプキャッチを設計することは言うまでもなく可能である。少なくとも１つのワッシャとカップリングスリーブとからなるワッシャアセンブリが取り外し可能でなければならない別の実施形態では、保持力はそれに応じてより低く設定される。

図４は、原則として前述の図面のカップリングスリーブ３と同様に構成されたカップリングスリーブ３．１を示す。したがって、それに関してなされた説明は、カップリングスリーブ３．１にも同様に当てはまる。カップリングスリーブ３．１は、ねじ溝をシールするために付加的なシール機能を有する点でカップリングスリーブ３と異なる。この目的のために、図示した例示的な実施形態では、互いに反対側を向くカップリングスリーブ３．１のフランジ７．２、７．３の前面には、シール材として円周状のシリコーンビード１４、１４．１が備えられる。フランジ７．２に適用されたシリコーンビード１４は、ねじ頭部１１の下面に対して機能する。カップリングスリーブ３．１のフランジ７．３に接するシリコーンビード１４．１は、締め付け当接部（図示せず）の上面に対して機能する。これにより、ねじ１０のねじ軸部９が係合するねじ溝が効果的にシールされる。

図５は、原則としてカップリングスリーブ３．１と同様に構成されたカップリングスリーブ３．２を示し、したがって同様にシール機能を有する。図５による例示的な実施形態のカップリングスリーブ３．２は、ＴＰＥ材料（熱可塑性エラストマー材料）製である。この材料は、シールの提供に適している。形状保持も同様に十分であるため、カップリングスリーブはワッシャまたはワッシャアセンブリへの連結の設定要件を満たす。図４による例示的な実施形態のカップリングスリーブ３．１とは異なり、カップリングスリーブ３．２のシール機能を実現するために付加的なシリコーンビード等は適用されないが、シールリップ１５、１５．１が互いに反対側を向くカップリングスリーブ３．２のフランジ上に形成される。カップリングスリーブ３．２のシールリップ１５、１５．１の効果は、図４による例示的な実施形態のシリコーンビード１４、１４．１の効果に相当する。

このシール機能、ひいてはシリコーンビード１４、１４．１への必要な圧力を可能にするために、カップリングスリーブ３．１の高さは、ねじ締結部品が一対のウェッジロックワッシャと共に締め付けられる前の一対のウェッジロックワッシャの厚さよりも上回ることが理解されよう。締め付け力がシリコーンビード１４、１４．１によって作用する円筒形部分の領域では、カップリングスリーブ３．１が効果的な当接部を提供する。フランジ７．２、７．３の間に位置する円筒形環状部分の外向きの座屈は、半径方向内側を向いているウェッジロックワッシャ１、１．１の前面にカップリングスリーブ３．１のこの部分が密着することによって防止される。ねじ軸部へ向かう方向での発散は、カップリングスリーブ３の内径が、ねじ軸部の導入のために必要なクリアランスだけその外径よりも大きいことで防止される。半径方向外向きに突出したカップリングスリーブ３．１のフランジ７．２、７．３の間のクリアランスは、シール機能および当接部へのねじ締結部品の正しい締め付けのために使用される。カップリングスリーブ３．１は緊張力によって圧縮される。圧縮によってカップリングスリーブ３．１に誘起される弾性復元力は、シリコーンビード１４、１４．１が相補的なシール面に対して作用する力となる。したがって、ねじ締結部品のワッシャ接触面が隣接するウェッジロックワッシャの表面に直接作用し、他方のウェッジロックワッシャの反対側の表面が締め付け当接部に対して作用する正しい締め付けは、シール機能の提供にもかかわらず妨げられない。カップリングスリーブ３．１のシール機能に関する前述の説明は、図５による例示的な実施形態のカップリングスリーブ３．２にも同様に当てはまる。

本発明を特定の例示的な実施形態の図面を参照して説明した。適用可能な特許請求の範囲から逸脱することなく本発明を実施するための多数のさらなる実施形態は、当業者には明らかである。

１，１．１ ウェッジロックワッシャ
２ 上面
３，３．１，３．２ カップリングスリーブ
４ 開口部
５ 差込口
６，６．１ 段差部
６’，６．１’ 突起部
７，７．１，７．２，７．３ フランジ
８ クランプキャッチ
９ ねじ山付き軸部
１０ ねじ
１１ 頭部
１２ ワッシャ接触面
１３ ねじ芯部
１４，１４．１ シリコーンビード
１５，１５．１ シールリップ
Ｍ 周面

Claims (9)

1. ねじ締結部品（１０）の雄ねじが通過するための開口である、少なくとも１つのワッシャ（１、１．１）の開口部（４）で、カップリングスリーブ（３、３．１、３．２）が互いに間隔をあけて半径方向外向きに突出した２つのフランジ（７、７．１；７．２、７．３）によって形成された、半径方向外向きに開くＵ字型外形を有し、前記カップリングスリーブ（３、３．１、３．２）が前記開口部（４）の長手方向軸の向きで前記フランジ（７、７．１；７．２、７．３）によって前記少なくとも１つのワッシャ（１、１．１）と連動するように保持されている、ねじ締結部品用のワッシャアセンブリであって、前記カップリングスリーブ（３．１、３．２）の高さが前記少なくとも１つのワッシャ（１、１．１）の厚さを上回り、前記少なくとも１つのワッシャ（１、１．１）の厚さの上に突出する前記カップリングスリーブ（３．１）の突出部がねじ締結部品（１０）の締め付け時にシールを提供するために変形可能であり、前記カップリングスリーブ（３、３．１、３．２）が半径方向内向きに突出し、前記カップリングスリーブの長手方向範囲の向きで弾性的に調整可能な複数のクランプキャッチ（８）を有し、前記クランプキャッチ（８）が自由端を用いて、前記カップリングスリーブ（３、３．１、３．２）に対して半径方向に切られた前記ねじ締結部品（１０）の締め付け溝に係合することを特徴とする、ワッシャアセンブリ。
2. 前記クランプキャッチ（８）が前記ねじ締結部品（１０）のワッシャ接触面（１２）に面している前記カップリングスリーブ（３、３．１、３．２）の端部領域に配置されることを特徴とする、請求項１に記載のワッシャアセンブリ。
3. 前記クランプキャッチ（８）が前記カップリングスリーブ（３、３．１、３．２）上の根元から自由端まで傾斜し、かつ前記ねじ締結部品（１０）のワッシャ接触面（１２）とは反対側を向くことを特徴とする、請求項１または２に記載のワッシャアセンブリ。
4. 前記カップリングスリーブ（３．１、３．２）の前記突出部がシールリップ（１５、１５．１）として設計されることを特徴とする、請求項１に記載のワッシャアセンブリ。
5. 前記カップリングスリーブ（３、３．１、３．２）がプラスチック部品であることを特徴とする、請求項１から４のいずれか一項に記載のワッシャアセンブリ。
6. ねじ締結部品がリング状のワッシャ接触面（１２）を有する頭部（１１）およびねじ軸部（９）を備え、前記ねじ締結部品の前記ねじ軸部（９）上に、請求項１から５のいずれか一項に記載のワッシャアセンブリが配された、ねじ締結部品構成。
7. 前記カップリングスリーブ（３、３．１）の内壁径がカップリングスリーブの差込口（５）、または前記ねじ締結部品と相互作用する相補的なねじ締結部品の差込口（５）を通過する前記ねじ締結部品（１０）の雄ねじの外径に相当することを特徴とする、請求項６に記載のねじ締結部品構成。
8. 前記ねじ締結部品がねじ（１０）であり、前記カップリングスリーブ（３、３．１、３．２）の前記クランプキャッチ（８）が前記ねじ締結部品（１０）上の前記少なくとも１つのワッシャ（１、１．１）を保持するために、前記ねじ軸部（９）のねじ山および／または不完全ねじ部に係合することを特徴とする、請求項６または７に記載のねじ締結部品構成。
9. クランプキャッチ領域での前記カップリングスリーブ（３、３．１、３．２）の調整されていない直径が前記ねじ締結部品（１０）の前記ねじ軸部（９）の芯部直径に相当する、請求項８に記載のねじ締結部品構成。

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