JP6811139B2 - 回転電機及び回転電機のステータ - Google Patents

回転電機及び回転電機のステータ Download PDF

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Description

本発明は、電気自動車、ハイブリッド自動車等に搭載可能な回転電機及び回転電機のステータに関する。
回転電機は、作動に伴って温度上昇することで性能が低下するため、冷却油などの冷媒をポンプで供給して冷却するなどの対策が検討されている。冷媒による冷却は、ステータコイルに冷媒を滴下して冷却する方式が一般的に採用されている(例えば、技術文献1)。
特許第5207084号公報
回転電機の温度上昇は、比較的回転速度が遅い領域では、ステータコイルからの発熱量が大きく、即ち銅損が支配的である。一方、比較的回転速度が速い領域では、ステータコアからの発熱量が大きくなり、即ち鉄損が支配的となる。従って、回転電機の性能低下を効果的に抑制するためには、回転電機の運転状況に応じて、主要な発熱部分を冷却することが望ましい。
しかしながら、特許文献1に記載のステータの冷却構造によると、複数の冷媒吐出用開口に対して、所望の分配割合で冷媒を分配してステータコイルに滴下しているが、冷却対象部は銅損が大きいコイルエンド部であり、ステータコアの冷却に関しては考慮されていなかった。このため、高速回転領域での冷却が不十分となって連続運転領域が狭められる課題があった。
本発明の目的は、冷媒の供給先を回転電機の運転状況に応じて自動的に変化させて、回転速度が遅い領域から速い領域までの広い範囲の運転領域にわたって効率的に冷却することができる回転電機、及び回転電機のステータを提供することである。
また、請求項に記載の発明は、
複数のスロット(例えば、後述の実施形態でのスロット23)を有するステータコア(例えば、後述の実施形態でのステータコア21)と、
セグメント化された複数相のコイル(例えば、後述の実施形態でのU相コイル50U、V相コイル50V、及びW相コイル50W)と、を備え、
前記セグメント化された複数相のコイルは、前記ステータコアの複数のスロットにそれぞれ挿入され、略直線状に延びる複数のスロットコイル(例えば、後述の実施形態でのスロットコイル25)と、同相の前記スロットコイル同士を接続して渡り部を構成する複数の接続コイル(例えば、後述の実施形態での接続コイル40)と、を有する、回転電機のステータ(例えば、後述の実施形態でのステータ10)であって、
前記ステータコアの両側には、前記接続コイルを収容する絶縁プレート(例えば、後述の実施形態での絶縁プレート31L、31R)が設けられ、
前記絶縁プレートには、冷媒の低流量時に冷媒を前記ステータコアよりも前記コイルのコイルエンド(例えば、後述の実施形態でのコイルエンド11)に積極的に供給し、冷媒の高流量時に冷媒を前記コイルエンドよりも前記ステータコアに積極的に供給する冷媒分配部(例えば、後述の実施形態での冷媒分配部70)を備える。
また、請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、
前記冷媒分配部は、前記絶縁プレートの外周面に設けられた複数の突起(例えば、後述の実施形態での第1突起部71、第2突起部72)の組み合わせからなる。
また、請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、
前記冷媒分配部は、
周方向に沿った冷媒の流れ方向において上流側から下流側に向かうに従い、前記ステータコアから離間するように傾斜する第1突起部(例えば、後述の実施形態での第1突起部71)と、
該第1突起部の下流側に設けられ、冷媒の流れ方向において上流側から下流側に向かうに従い、前記ステータコアに近接するように傾斜する第2突起部(例えば、後述の実施形態での第2突起部72)と、を備え、
前記第1突起部の高さ(例えば、後述の実施形態での高さH1)は、前記第2突起部の高さより(例えば、後述の実施形態での高さH2)も低い。
また、請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、
前記第2突起部には、前記ステータコアに近接するように傾斜する傾斜部(例えば、後述の実施形態での傾斜部73)と、該傾斜部の前記ステータコア側の端部から周方向に沿って延びる延設部(例えば、後述の実施形態での延設部74)とが一体に形成されている。
また、請求項に記載の発明では、請求項のいずれか1項に記載の発明において、
前記ステータコアの両側には、それぞれ各スロットに挿入される前記スロットコイルと同数の前記絶縁プレートが設けられ、
前記スロット内において同じ径方向位置に位置する前記スロットコイル同士が前記接続コイルに接続され、且つ、各スロット内において同じ径方向位置に位置する前記スロットコイル同士を接続する前記接続コイルは、前記ステータコアの両側に配置された同じ絶縁プレートに配置されることで分布巻きされており、
前記冷媒分配部は、前記ステータコア側に位置する前記絶縁プレート(例えば、後述の実施形態での第3絶縁プレート313L、313R)に設けられている。
請求項に記載の発明によれば、回転電機の低速回転時、即ち銅損支配領域と、回転電機の高速回転時、即ち鉄損支配領域とに基づいて冷媒の流量を変更し、低流量時にはコイルエンドに積極的に冷媒を供給し、高流量時にはステータコアに積極的に冷媒を供給することで、発熱による回転電機の性能低下を抑制することができる。
請求項に記載の発明によれば、冷媒分配部が絶縁プレートの外周面に設けられた複数の突起であるので、冷媒分配部を容易に形成できる。
請求項に記載の発明によれば、冷媒は、低流量時には第1突起部によりステータコアから離れる方向に案内されてコイルエンドに積極的に供給され、高流量時には第1突起部を乗り越え、第2突起部によりステータコアに近づく方向に案内されてステータコアに積極的に供給される。これにより、低流量時にはコイルエンドを積極的に冷却し、高流量時にはステータコアを積極的に冷却することができる。
請求項に記載の発明によれば、確実にステータコア側に冷媒を供給してステータコアを効果的に冷却できる。
請求項に記載の発明によれば、スロットコイルの数を任意に設定できる。また、ステータコアに一番近い絶縁プレートに冷媒分配部が設けられているので、高流量時にはステータコアに確実に冷媒を供給することができる。
本発明に係る一実施形態の回転電機の外観斜視図である。 図1に示す回転電機のステータの分解斜視図である。 ステータコアの各スロットに挿入された3本のスロットコイルの斜視図である。 第1絶縁プレートの内側面溝に配置される内側接続コイル、及び外側面溝に配置される外側接続コイルの要部分解斜視図である。 同相のスロットコイル(内径側スロットコイル)同士が外側接続コイルと内側接続コイルとで接合された接合状態を抜き出して示す斜視図である。 3本のスロットコイルが、それぞれ外側接続コイル及び内側接続コイルと接合された接合状態を示す要部断面図である。 U相の外径側スロットコイルの接続構造を抜き出して示す模式図である。 第2絶縁プレート組立体上に第1絶縁プレート組立体が積層されて第1絶縁プレート組立体の内側接続コイル及び外側接続コイルが内径側スロットコイルと接合される状態を示す要部斜視図である。 U相コイルの斜視図である。 図2の回転電機のステータにおける、U相、V相、W相のコイルの結線態様を示す模式図である。 絶縁プレートの外周面に設けられた冷媒分配部の斜視図である。 図11に示す冷媒分配部の平面図である。 回転電機の回転数とトルクとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る回転電機の分解斜視図、図2は、回転電機のステータの分解斜視図である。
[回転電機]
図1に示すように、回転電機1は、ロータ2と、ステータ10とを備える。ロータ2は、複数の電磁鋼板が積層されてなるロータコア3と、その中心を貫通して不図示のハウジングにより両端が回転自在に支持された回転軸4と、を備え、ステータ10の内周側に回転自在に配設されている。そして、ロータ2は、ステータ10のコイルに通電することにより回転するように構成されている。
回転軸4には、冷却油などの冷媒を供給する冷媒ポンプ5が連結されており、回転軸4の回転速度に応じて回転して冷媒を供給する。即ち、冷媒ポンプ5の冷媒送出能力は、ロータ2の回転数と比例的な関係にあり、低速回転領域では冷媒の流量が少なく、高速回転領域では冷媒の流量が多くなる。
冷媒ポンプ5は、後述するステータ10のコイルエンド11を構成する絶縁プレート組立体30L、30Rの上方に配置された冷媒供給部6に接続されて、冷媒を冷媒供給部6から絶縁プレート組立体30L、30Rに滴下させて回転電機1を冷却するように構成されている。
[ステータ]
図2に示すように、ステータ10は、ステータコア組立体20と、一対の絶縁プレート組立体30L、30Rと、を備え、絶縁プレート組立体30L、30Rが、ステータコア組立体20の両側に配置されて組み付けられている。
[1 ステータコア組立体]
ステータコア組立体20は、ステータコア21と、複数のスロットコイル25と、を備える。
[1−1 ステータコア]
ステータコア21は、例えば、プレス抜きされた複数枚の珪素鋼板が積層されて構成され、その径方向内側に、複数のティース22と、隣接するティース22間に形成される複数のスロット23とを備える。スロット23は、ステータコア21の軸方向に貫通して形成され、軸方向から見てステータコア21の径方向に長い略長円形状に形成され、開口部24がステータコア21の内周面に開口している。なお、ステータコア21の外周部には、ステータコア21を不図示のハウジングに締結する複数の締結部15が設けられている。
[1−2 スロットコイル]
各スロット23に挿入されるスロットコイル25は、図3及び図6も参照して、断面長方形状の板状導体である外径側スロットコイル26と中間スロットコイル27と内径側スロットコイル28とを有し、各スロットコイル26,27,28の周囲が射出成形された樹脂などで絶縁されている。
外径側スロットコイル26、中間スロットコイル27、及び内径側スロットコイル28は、この順で長く設定されている。具体的には、外径側スロットコイル26は、ステータコア21の軸方向幅L1(図1参照)と、後述する接続コイル40の3枚分の軸方向幅(3×L2)の和と略等しい長さ(L1+3×L2)に設定され、中間スロットコイル27は、ステータコア21の軸方向幅L1と、接続コイル40の7枚分の軸方向幅(7×L2)の和と略等しい長さ(L1+7×L2)に設定され、内径側スロットコイル28は、ステータコア21の軸方向幅L1と、接続コイル40の11枚分の軸方向幅(11×L2)の和と略等しい長さ(L1+11×L2)に設定されている。
図6に示すように、外径側スロットコイル26、中間スロットコイル27、及び内径側スロットコイル28は、この順でスロット23の外径側から径方向内側に向かって配置される。即ち、外径側スロットコイル26は、スロット23の外径側に挿入され、内径側スロットコイル28は、スロット23の内径側に挿入され、中間スロットコイル27は、外径側スロットコイル26と内径側スロットコイル28との間(中間)に挿入される。
また、外径側スロットコイル26は、ステータコア21の一方の端面21aから接続コイル40の2枚分の軸方向幅(2×L2)だけ突出するように、従って、ステータコア21の他方の端面21bからは接続コイル40の1枚分の軸方向幅(L2)だけ突出するようにスロット23に挿入されている。以後、この挿入状態の外径側スロットコイル26を凸状態の外径側スロットコイル26とも言う。
さらに、該スロット23と周方向で隣接するスロット23には、ステータコア21の一方の端面21aから接続コイル40の1枚分の軸方向幅(L2)だけ突出するように、従って、ステータコア21の他方の端面21bからは接続コイル40の2枚分の軸方向幅(2×L2)だけ突出するようにスロット23に挿入されている。以後、この挿入状態の外径側スロットコイル26を凹状態の外径側スロットコイル26とも言う。
この凸状態、及び凹状態の外径側スロットコイル26は、ステータコア21の周方向に交互に配置されている。即ち、スロット23に挿入された外径側スロットコイル26は、ステータコア21の周方向に凸状態と凹状態とが、交互に配置される。
凸状態の外径側スロットコイル26が挿入されたスロット23には、外径側スロットコイル26の内径側に中間スロットコイル27が挿入される。該中間スロットコイル27は、ステータコア21の一方の端面21aから接続コイル40の3枚分の軸方向幅(3×L2)だけ突出するように、従って、ステータコア21の他方の端面21bからは接続コイル40の4枚分の軸方向幅(4×L2)だけ突出するようにスロット23に挿入されている。以後、この挿入状態の中間スロットコイル27を凹状態の中間スロットコイル27とも言う。
また、該スロット23に周方向で隣接し、凹状態の外径側スロットコイル26が挿入されたスロット23に挿入される中間スロットコイル27は、ステータコア21の一方の端面21aから接続コイル40の4枚分の軸方向幅(4×L2)だけ突出するように、従って、ステータコア21の他方の端面21bからは接続コイル40の3枚分の軸方向幅(3×L2)だけ突出するようにスロット23に挿入されている。以後、この挿入状態の中間スロットコイル27を凸状態の中間スロットコイル27とも言う。
そして、外径側スロットコイル26の内径側でスロット23に挿入された中間スロットコイル27は、ステータコア21の周方向に凹状態と凸状態とが、交互に配置される。
凸状態の外径側スロットコイル26、及び凹状態の中間スロットコイル27が挿入されたスロット23には、中間スロットコイル27の内径側に内径側スロットコイル28が挿入される。該内径側スロットコイル28は、ステータコア21の一方の端面21aから接続コイル40の6枚分の軸方向幅(6×L2)だけ突出するように、従って、ステータコア21の他方の端面21bからは接続コイル40の5枚分の軸方向幅(5×L2)だけ突出するようにスロット23に挿入されている。以後、この挿入状態の内径側スロットコイル28を凸状態の内径側スロットコイル28とも言う。
従って、このスロット23には、径方向外側から凸状態の外径側スロットコイル26、凹状態の中間スロットコイル27、及び凸状態の内径側スロットコイル28が径方向に配列されている。
また、該スロット23に周方向で隣接し、凹状態の外径側スロットコイル26、及び凸状態の中間スロットコイル27が挿入されたスロット23には、中間スロットコイル27の内径側に内径側スロットコイル28が挿入される。該内径側スロットコイル28は、ステータコア21の一方の端面21aから接続コイル40の5枚分の軸方向幅(5×L2)だけ突出するように、従って、ステータコア21の他方の端面21bからは接続コイル40の6枚分の軸方向幅(6×L2)だけ突出するようにスロット23に挿入されている。以後、この挿入状態のスロットコイル25を凹状態の内径側スロットコイル28とも言う。
このように、各スロットコイル25(外径側スロットコイル26、中間スロットコイル27、及び内径側スロットコイル28)は、ステータコア21の複数のスロット23に、周方向及び径方向で、凸状態及び凹状態で交互に挿入されてステータコア21の周方向及び径方向に並べられ、ステータコア組立体20を構成する。
また、外径側スロットコイル26、中間スロットコイル27、及び内径側スロットコイル28と、ステータコア21のスロット23との間は、各スロットコイル26、27、28を被覆する絶縁材によりステータコア21との絶縁が確保されている。
[2 絶縁プレート組立体]
ステータコア組立体20の両側にそれぞれ配置される絶縁プレート組立体30L、30Rは、それぞれ絶縁プレート31L、31Rと、複数の接続コイル40と、を備える。詳細には、絶縁プレート組立体30L、30Rは、軸方向外側から順に、第1絶縁プレート組立体301L、301Rと、第2絶縁プレート組立体302L、302Rと、第3絶縁プレート組立体303L、303Rと、を備える。各絶縁プレート組立体301L、301R、302L、302R、303L、303Rは、それぞれ略円環状の第1絶縁プレート311L、311R、第2絶縁プレート312L、312R、及び第3絶縁プレート313L、313Rと、複数の接続コイル40を有し、略同一構造を有する。
第1絶縁プレート311L、311R、第2絶縁プレート312L、312R、及び第3絶縁プレート313L、313Rは、略円環状部材であり、外径がこの順で次第に大きく形成されている(図6参照)。
[2−1 絶縁プレート]
図6に示すように、第1絶縁プレート311R、第2絶縁プレート312R、及び第3絶縁プレート313Rは、絶縁性を有する樹脂(非磁性材)等によって成形された略円環状部材である。第1絶縁プレート311R、第2絶縁プレート312R、及び第3絶縁プレート313Rの内径は、スロット23に挿入された内径側スロットコイル28の内周側をつなぐ仮想円の直径よりわずかに小さくなっている。なお、各絶縁プレート311L、311R、312L、312R、313L、313Rは略同一の構成を有するので、以下では、主として第1絶縁プレート311Rを例に説明する。
図4に示すように、第1絶縁プレート311Rの内径側には、外側面35と内側面36とを連通する複数の貫通孔32が形成されている。この複数の貫通孔32は、スロット23と略同一形状を有し、スロット23に対応して、同一円周上に等間隔に形成されている。
図6に示すように、第1絶縁プレート311Rの貫通孔32は、後述する外側接続コイル41に接合される凸状態の内径側スロットコイル28が軸方向に貫通する孔であるとともに、後述する内側接続コイル42と凹状態の内径側スロットコイル28とを接合するための接合作業孔である。第2絶縁プレート312Rの貫通孔32は、後述する外側接続コイル41に接合される凸状態の中間スロットコイル27と中間スロットコイル27よりも内径側に位置する内径側スロットコイル28とが軸方向に貫通する孔であるとともに、後述する内側接続コイル42と凹状態の中間スロットコイル27とを接合するための接合作業孔である。第3絶縁プレート313Rの貫通孔32は、後述する外側接続コイル41に接合される凸状態の外径側スロットコイル26と外径側スロットコイル26よりも内径側に位置する内径側スロットコイル28及び中間スロットコイル27とが軸方向に貫通する孔であるとともに、後述する内側接続コイル42と凹状態の外径側スロットコイル26とを接合するための接合作業孔である。
また、第1絶縁プレート311Rの外径側には、外側面35と内側面36とを連通する複数の接続コイル接合孔34が等間隔に形成されている。接続コイル接合孔34は、外側接続コイル41の外径側端部43と内側接続コイル42の外径側端部44とをレーザー溶接などで接合するための貫通孔である。
外側面35及び内側面36には、図4及び図6に示すように、それぞれ外側面35及び内側面36に開口する断面略コの字型の複数の外側面溝37及び内側面溝38が円周方向に近接して形成されている。
図4に示すように、各内側面溝38は、正面視において、接続コイル接合孔34と、この接続コイル接合孔34から反時計方向に所定の角度離間した貫通孔32とを接続するように、略S字形状に形成されている。また、各外側面溝37は、接続コイル接合孔34と、この接続コイル接合孔34から時計方向に所定の角度離間した貫通孔32とを接続するように略S字形状に形成されている(図示せず)。即ち、第1絶縁プレート311Rにおいては、凸状態の内径側スロットコイル28が貫通する貫通孔32と該貫通孔32と周方向に離間した凹状体の内径側スロットコイル28が位置する貫通孔32とは、外側面溝37及び内側面溝38が共通に連続する接続コイル接合孔34を介して接続されている。
内側面溝38の深さH1は、内側接続コイル42の厚さH2(図5に示す軸方向幅L2と同じ)より深く、外側面溝37の深さH3は、外側接続コイル41の厚さH4(図5に示す軸方向幅L2と同じ)より深くなっている。
互いに隣接する各外側面溝37、37間、及び各内側面溝38、38間は、隔壁31bによって絶縁され、また、軸方向において対向する外側面溝37と内側面溝38とは中間壁31cによって絶縁される。
[2−2 接続コイル]
図4〜図6に示すように、接続コイル40は、銅などの導電材料によって板状に形成されており、外側面溝37にそれぞれ挿入される外側接続コイル41と、内側面溝38にそれぞれ挿入される内側接続コイル42とに分けることができる。外側接続コイル41及び内側接続コイル42は同一の板厚を有する。なお、ここで言う外側接続コイル41とは、ステータコア組立体20と絶縁プレート組立体30L、30Rとが組み付けられたとき、ステータ10の軸方向外側となる接続コイル40のことであり、内側接続コイル42とは、ステータ10の軸方向内側となる接続コイル40のことである。
図5も参照して、外側接続コイル41は、一様厚(L2)を有する断面長方形状の板状導体であって、矩形部41aと矩形部41aから一体に延設された延設部41bとを有し、外側面溝37と同一形状の略S字形状に形成されている。なお、第1絶縁プレート311L、311Rと第2絶縁プレート312L、312Rと第3絶縁プレート313L、313Rとに配置される外側接続コイル41は、基本的に同一の構成を有するが、接続されるスロットコイル25の位置に応じて矩形部41aの大きさ(径方向幅)が異なっている。ここでも、第1絶縁プレート311Rに接続される外側接続コイル41を例に説明すると、外側接続コイル41が外側面溝37に挿入されたとき、貫通孔32に対応する矩形部41aの角部は、内側部分の厚さが略半分削除されて内径側スロットコイル28との接合部41cが形成されている。また、延設部41bは、その先端の内側部分の厚さが略半分削除されて、内側接続コイル42との接合部41dが形成されている。
内側接続コイル42は、一様厚(L2)を有する断面長方形状の板状導体であって、矩形部42aと矩形部42aから一体に延設された延設部42bとを有し、内側面溝38と同一形状の略S字形状に形成されている。なお、第1絶縁プレート311L、311Rと第2絶縁プレート312L、312Rと第3絶縁プレート313L、313Rとに配置される内側接続コイル42は、基本的に同一の構成を有するが、接続されるスロットコイル25の位置に応じて矩形部42aの大きさ(径方向幅)が異なっている。ここでも、第1絶縁プレート311Rに接続される内側接続コイル42を例に説明すると、内側接続コイル42が内側面溝38に挿入されたとき、貫通孔32に対応する矩形部42aの角部は、内側部分の厚さが略半分削除されて内径側スロットコイル28との接合部42cが形成されている。また、延設部42bは、その先端が外面側に向かってクランク状に屈曲形成され、外側接続コイル41との接合部42dが形成されている。
外側接続コイル41及び内側接続コイル42は、所定の板厚を有する金属板(例えば銅板)からプレス打抜等の加工を行うことにより、所望の軸方向幅及び所望の平面形状に形成することができる。
図4に示すように、内側接続コイル42は、第1絶縁プレート311Rの内側面溝38に挿入される。内側接続コイル42の接合部42cは、貫通孔32に対応して配置される。これにより、第2絶縁プレート組立体302R上に第3絶縁プレート組立体303Rを組み付ける際、ステータコア21のスロット23に挿入されて貫通孔32(図中左側の貫通孔32)に位置する凹状態の内径側スロットコイル28と当接する。
外側接続コイル41が第1絶縁プレート311Rの外側面溝37に挿入されると、外側接続コイル41の接合部41cは貫通孔32に対応して配置される。これにより、第2絶縁プレート組立体302R上に第3絶縁プレート組立体303Rを組み付ける際、ステータコア21のスロット23に挿入されて貫通孔32を貫通して突出する凸状態の内径側スロットコイル28と当接する。
外側接続コイル41の接合部41dと内側接続コイル42の接合部42dとは、図4に示すように、いずれも接続コイル接合孔34に対応して配置され、図5に示すように対応する外側接続コイル41の接合部41dの下面と内側接続コイル42の接合部42dの上面とが、全面に亘って当接する。
[3 接合]
互いに当接する、外側接続コイル41の接合部41cと凸状態の内径側スロットコイル28、内側接続コイル42の接合部42cと凹状態の内径側スロットコイル28、及び、外側接続コイル41の接合部41dと内側接続コイル42の接合部42dは、いずれも板厚方向に対して交差する平面状の板表面同士が溶接により、好ましくはレーザー溶接により接合される。このとき、いずれの接合部も、第1絶縁プレート組立体301Rの外面側に露出しているので、容易に接合することができる。このことは、第1絶縁プレート組立体301L、第2絶縁プレート組立体302L、302R、及び第3絶縁プレート組立体303L、303Rでも同様である。
複数の外側接続コイル41及び内側接続コイル42がそれぞれ第3絶縁プレート313Rの外側面溝37及び内側面溝38に組み込まれた第3絶縁プレート組立体303Rを、各スロット23にそれぞれ外径側スロットコイル26、中間スロットコイル27、及び内径側スロットコイル28が挿入されたステータコア組立体20の側面に配置すると、図6に示すように、各外側接続コイル41の接合部41cと各凸状態の外径側スロットコイル26の端面とが当接すると共に、各内側接続コイル42の接合部42cと各凹状態の外径側スロットコイル26の端面とが当接する。また同時に、外側接続コイル41の接合部41dと内側接続コイル42の接合部42dとが当接する。
このとき、外径側スロットコイル26は、凸状態と凹状態とが周方向に交互に配置されているので、外側接続コイル41の接合部41cに当接する外径側スロットコイル26が凸状態とすると、内側接続コイル42の接合部42cに当接する外径側スロットコイル26は凹状態となる。
第3絶縁プレート組立体303Rがステータコア組立体20の側面に配置されたとき、内側接続コイル42の接合部42cの外側面は、第3絶縁プレート313Rの貫通孔32、及び外側接続コイル41の切欠き部41eを介して外側面に露出している(図8も参照)。
従って、第3絶縁プレート組立体303Rの外側面から接合部にレーザーを照射することが可能となる。これにより、外側接続コイル41の接合部41cと凸状態の外径側スロットコイル26、内側接続コイル42の接合部42cと凹状態の外径側スロットコイル26、及び外側接続コイル41の接合部41dと内側接続コイル42の接合部42dを外側面からレーザー溶接することができる。
第3絶縁プレート組立体303Rがステータコア組立体20に組み付けられたとき、中間スロットコイル27及び内径側スロットコイル28は、第3絶縁プレート313Rの貫通孔32を通って軸方向に突出している。
図7は、6ターン、72スロットのステータ10における、外側接続コイル41、内側接続コイル42、及び外径側スロットコイル26のU相コイルを抜き出してその接続状態を模式的に示す図であり、第3絶縁プレート組立体303Rの外側接続コイル41(理解を容易にするためここでは図7では41Aとする。)及び内側接続コイル42(理解を容易にするためここでは図7では42Aとする。)の接続を実線で、第3絶縁プレート組立体303Lの外側接続コイル41(理解を容易にするためここでは図7では41Bとする。)及び内側接続コイル42(理解を容易にするためここでは図7では42Bとする。)の接続を一点鎖線で示している。また、図7では、U相、V相、W相のうち同一の相の外径側スロットコイル26、中間スロットコイル27、及び内径側スロットコイル28には同じハッチングを付している。
第3絶縁プレート組立体303Rの第3絶縁プレート313Rでは、図中実線で示すように、凸状態の外径側スロットコイル26に接合された外側接続コイル41Aと、該外径側スロットコイル26と同一円周上に配置され、且つ該外径側スロットコイル26から周方向に7個離間した凹状態の外径側スロットコイル26に接合された内側接続コイル42Aとが、外側接続コイル41Aの外径側端部43と内側接続コイル42Aの外径側端部44とで接合されている。即ち、第3絶縁プレート組立体303Rでは、同一円周上に配置された外径側スロットコイル26同士が、接続ピッチP1で接続されている。
また、第3絶縁プレート組立体303Lの第3絶縁プレート313Lでは、図中一点鎖線で示すように、凹状態(第3絶縁プレート組立体303L側では凸状態)の外径側スロットコイル26に外側接続コイル41Bが接合し、該外径側スロットコイル26と同一円周上に配置され、且つ該外径側スロットコイル26からさらに5個離間した凸状態(第3絶縁プレート組立体303L側では凹状態)の外径側スロットコイル26に接合された内側接続コイル42Bとが、外側接続コイル41Bの外径側端部43と内側接続コイル42Bの外径側端部44とで接合されている。即ち、第3絶縁プレート組立体303Lでは、同一円周上に配置された外径側スロットコイル26同士が、接続ピッチP2で接続されている。
このように第3絶縁プレート組立体303Rの第3絶縁プレート313Rにおける接続ピッチP1と、第3絶縁プレート組立体303Lの第3絶縁プレート313Lにおける接続ピッチP2とは、異なるピッチに設定されている。
ステータコア組立体20の両側面に第3絶縁プレート組立体303R,303Lが組み付けられた後、第3絶縁プレート組立体303Rと同様に、第2絶縁プレート312R,312Lの外側面溝37に外側接続コイル41が挿入され、内側面溝38に内側接続コイル42が挿入された第2絶縁プレート組立体302R,302Lが、第3絶縁プレート組立体303R,303L上に重ね合わされて、各外側接続コイル41の接合部41cと各凸状態の中間スロットコイル27の端面、各内側接続コイル42の接合部42cと各凹状態の中間スロットコイル27の端面、及び各外側接続コイル41の外径側端部43と各内側接続コイル42の外径側端部44とが、レーザー溶接などで接合される。中間スロットコイル27は、第3絶縁プレート313R,313Lの貫通孔32から軸方向に突出しているので、第2絶縁プレート組立体302R,302Lを容易に中間スロットコイル27に接合できる。
このように第2絶縁プレート組立体302R,302Lが組み付けられた後、さらに、図8に示すように、第1絶縁プレート311R,311Lの外側面溝37に外側接続コイル41が挿入され、内側面溝38に内側接続コイル42が挿入された第1絶縁プレート組立体301R,301Lが、それぞれ第2絶縁プレート組立体302R、302Lに重ね合わされて、各外側接続コイル41の接合部41cと各凸状態の内径側スロットコイル28の端面、各内側接続コイル42の接合部42cと各凹状態の内径側スロットコイル28の端面、及び各外側接続コイル41の外径側端部43と内側接続コイル42の外径側端部44とが、レーザー溶接などで接合されてステータ10が組み付けられる。このときも、内径側スロットコイル28は、第2絶縁プレート312R,312Lの内径側から軸方向に突出しているので、第1絶縁プレート組立体301R,301Lを容易に内径側スロットコイル28に接合できる。
このように接合することで、ステータコア21のスロット23に挿入された外径側スロットコイル26、中間スロットコイル27、及び内径側スロットコイル28が、外側接続コイル41及び内側接続コイル42を介して電気的に接続された状態で、ステータコア組立体20に第3絶縁プレート組立体303L、303Rと、第2絶縁プレート組立体302L、302Rと、第1絶縁プレート組立体301L、301Rとが、軸方向内側からこの順で組み付けられる。第1、第2、及び第3絶縁プレート組立体301L、301R、302L、302R、303L、303Rの各外側接続コイル41及び内側接続コイル42は、同一円周上に配置された同相(例えば、U相)のスロットコイル25同士を接続してコイルの渡り部を構成する。
続いて、上記したように構成された回転電機のステータ10のコイル50の接続について図10を参照しながらより具体的に説明する。
U相の内径側スロットコイル28同士は第1絶縁プレート組立体301L、301RのU相の外側接続コイル41及び内側接続コイル42を介して直列に接続されて第1U相コイル51Uを形成し、U相の中間スロットコイル27同士は第2絶縁プレート組立体302L、302RのU相の外側接続コイル41及び内側接続コイル42を介して直列に接続されて第2U相コイル52Uを形成し、U相の外径側スロットコイル26同士は第3絶縁プレート組立体303L、303RのU相の外側接続コイル41及び内側接続コイル42を介して直列に接続されて第3U相コイル53Uを形成する。そして、第1〜第3U相コイル51U〜53Uが直列に接続されることでU相コイル50Uが形成される。なお、図9は、U相接続コイル50Uの斜視図である。
同様に、V相の内径側スロットコイル28同士は第1絶縁プレート組立体301L、301RのV相の外側接続コイル41及び内側接続コイル42を介して直列に接続されて第1V相コイル51Vを形成し、V相の中間スロットコイル27同士は第2絶縁プレート組立体302L、302RのV相の外側接続コイル41及び内側接続コイル42を介して直列に接続されて第2V相コイル52Vを形成し、V相の外径側スロットコイル26同士は第3絶縁プレート組立体303L、303RのV相の外側接続コイル41及び内側接続コイル42を介して直列に接続されて第3V相コイル53Vを形成する。そして、第1〜第3V相コイル51V〜53Vが直列に接続されることでV相コイル50Vが形成される。
同様に、W相の内径側スロットコイル28同士は第1絶縁プレート組立体301L、301RのW相の外側接続コイル41及び内側接続コイル42を介して直列に接続されて第1W相コイル51Wを形成し、W相の中間スロットコイル27同士は第2絶縁プレート組立体302L、302RのW相の外側接続コイル41及び内側接続コイル42を介して直列に接続されて第2W相コイル52Wを形成し、W相の外径側スロットコイル26同士は第3絶縁プレート組立体303L、303RのW相の外側接続コイル41及び内側接続コイル42を介して直列に接続されて第3W相コイル53Wを形成する。そして、第1〜第3W相コイル51W〜53Wが直列に接続されることでW相コイル50Wが形成される。
このように接続されたU相コイル50U、V相コイル50V、及びW相コイル50Wは、一端がそれぞれU相接続端子61U、V相接続端子61V、W相接続端子61Wに接続され、他端が中点62でスター結線されている。
[4 冷媒分配部]
以下、本発明の特徴である冷媒分配部70について説明する。なお、冷媒分配部70は、絶縁プレート31L、31Rの外周面に設けられているが、絶縁プレート31Lに設けられた冷媒分配部70も絶縁プレート31Rに設けられた冷媒分配部70も同一の構成を有するので、ここでは絶縁プレート31Rに設けられた冷媒分配部70について説明する。
図11及び図12に示すように、絶縁プレート31Rの外周面には、冷媒分配部70が設けられている。冷媒分配部70は、冷媒供給部6から供給(滴下)された周方向に沿った冷媒の流れ方向(A方向)において、上流側に設けられた第1突起部71と、該第1突起部71の下流側に設けられた第2突起部72と、を備える。第1突起部71は、ステータコア21に隣接する第3絶縁プレート313Rの外周面に設けられ、第2突起部72は、第1絶縁プレート311R、第2絶縁プレート312R、及び第3絶縁プレート313Rの外周面に分割して設けられている。
第1突起部71は、周方向に沿った冷媒の流れ方向(A方向)において、上流側から下流側に向かうに従い、ステータコア21から離間するように第3絶縁プレート313Rの外周面に形成されている。第1突起部71は、高さH1が例えば、3mm程度の矩形突起部であり、第3絶縁プレート313Rの外周面の幅方向に対して斜めに配置されて、外周面の全幅に亘って突出形成されている。
第2突起部72は、平面視において、第1絶縁プレート311R、第2絶縁プレート312R、及び第3絶縁プレート313Rに亘って略への字形に形成された突起部であり、第1絶縁プレート311R、第2絶縁プレート312R、及び第3絶縁プレート313Rに分割して形成された傾斜部73と、第3絶縁プレート313Rの傾斜部73のステータコア21側の端部から周方向に沿って延びる延設部74と、を備える。
傾斜部73は、周方向に沿った冷媒の流れ方向(A方向)において、上流側から下流側に向かうに従い、ステータコア21に近接するように、即ち、第1突起部71の傾斜方向と逆方向に傾斜して形成されている。第1絶縁プレート311R、第2絶縁プレート312R、及び第3絶縁プレート313Rの傾斜部73は、各絶縁プレート311R、312R、及び313Rの外周面の幅方向に対して斜めの同一線上に整列して形成されている。特に、第3絶縁プレート313Rの傾斜部73は、冷媒の流れ方向において第1突起部71の下流側に設けられ、上流側から下流側に向かうに従い、ステータコア21に近接するように形成されている。
延設部74は、第3絶縁プレート313Rの傾斜部73と一体に形成された突起部であり、傾斜部73のステータコア21側の端部から下流側に向かって周方向に沿って延びる。第2突起部72の高さH2は、例えば、6mm程度に形成されている。即ち、第1突起部71の高さH1は、第2突起部72の高さH2より低く形成されている(H1<H2)。
[回転電機の冷却]
このような構成を有する回転電機1が回転すると、図1に示すように、回転軸4に連結された冷媒ポンプ5が作動して、冷媒を冷媒供給部6から絶縁プレート組立体30L、30Rに滴下させる。冷媒ポンプ5の冷媒吐出流量は、回転速度と比例関係にあるので、冷媒ポンプ5の回転が低速度の間は冷媒の流量が少ない。従って、第3絶縁プレート313L,313Rの外周面に供給された冷媒は、第3絶縁プレート313L,313Rの外周面の円弧面に沿って流下する。
やがて、流下する冷媒が第1突起部71に達すると、冷媒は、上流側から下流側に向かうに従ってステータコア21から離間するように傾斜する第1突起部71の傾斜に案内されて第2絶縁プレート312R方向に流れ、第3絶縁プレート313Rと第2絶縁プレート312Rとの間から径方向内側に流れ込んで、主にコイルエンド11を冷却する。第1絶縁プレート311R、第2絶縁プレート312Rの外周面に供給された冷媒も、それぞれ傾斜部73の傾斜に案内されて第3絶縁プレート313Rと第2絶縁プレート312Rとの間及び第2絶縁プレート312Rと第1絶縁プレート311Rとの間から径方向内側に流れ込んで、主にコイルエンド11を冷却する。
また、回転電機1が高速回転すると、冷媒ポンプ5から供給される冷媒の流量が多くなり、第3絶縁プレート313L,313Rの外周面の円弧面に沿って流下する冷媒は、高さが低い第1突起部71を乗り越えてさらに下流側に配設された第2突起部72の傾斜部73に到達する。冷媒は、上流側から下流側に向かうに従ってステータコア21に近接するように傾斜する傾斜部73の傾斜に案内されてステータコア21に向かって流れ、さらに、傾斜部73のステータコア21側に設けられた延設部74によりステータコア21側に確実に案内されて、主にステータコア21を冷却する。なお、第1絶縁プレート311R、第2絶縁プレート312Rの外周面に供給された冷媒は、それぞれ傾斜部73の傾斜に案内されて第3絶縁プレート313Rと第2絶縁プレート312Rとの間及び第2絶縁プレート312Rと第1絶縁プレート311Rとの間から径方向内側に流れ込んで、主にコイルエンド11を冷却する。
このように、冷媒ポンプ5から供給される冷媒は、回転電機1が低速回転する銅損が支配的な領域、即ち、冷媒の流量が少ない領域では、第1突起部71により冷媒をコイルエンド11に誘導して主にコイルエンド11を冷却する。また、回転電機1が高速回転する鉄損が支配的な領域、即ち、冷媒の流量が多い領域では、第1突起部71を乗り越えて流下する冷媒を、第2突起部72よりステータコア21に誘導して主にステータコア21を冷却する。
これにより、図13に示すように、従来、銅損が支配的な低速領域に限定されていた回転電機1の連続運転領域(領域I)を、鉄損が支配的な高速領域(領域II)まで拡大することができ、回転電機1を高速化、小型化することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る回転電機1によれば、ロータ2の低速回転時に冷媒をステータコア21よりもコイルエンド11に積極的に供給し、ロータ2の高速回転時には冷媒をコイルエンド11よりもステータコア21に積極的に供給する冷媒分配部70を備えるので、回転電機1の低速回転時、即ち銅損支配領域ではコイルエンド11に積極的に冷媒を供給し、回転電機1の高速回転時、即ち鉄損支配領域ではステータコア21に積極的に冷媒を供給することで、発熱による回転電機1の性能低下を抑制することができ、これにより回転電機1の連続回転領域を広げることができる。
また、回転電機のステータ10によれば、ステータコア21の両側には、接続コイル40を収容する絶縁プレート31L、31Rが設けられ、絶縁プレート31L、31Rには、冷媒の低流量時に冷媒をステータコア21よりもコイルエンド11に積極的に供給し、冷媒の高流量時に冷媒をコイルエンド11よりもステータコア21に積極的に供給する冷媒分配部70を備えるので、回転電機1の低速回転時、即ち銅損支配領域と、回転電機1の高速回転時、即ち鉄損支配領域とに基づいて冷媒の流量を変更して、低流量時にはコイルエンド11に積極的に冷媒を供給し、高流量時にはステータコア21に積極的に冷媒を供給することで、発熱による回転電機1の性能低下を抑制することができる。
また、冷媒分配部70は、絶縁プレート31L、31Rの外周面に設けられた複数の突起(第1突起部71及び第2突起部72)の組み合わせからなるので、冷媒分配部70を容易に形成できる。
また、冷媒分配部70は、冷媒の流れ方向において上流側から下流側に向かうに従い、ステータコア21から離間するように傾斜する第1突起部71と、第1突起部71の下流側に設けられ、冷媒の流れ方向において上流側から下流側に向かうに従い、ステータコア21に近接するように傾斜する第2突起部72と、を備え、第1突起部71の高さH1は、第2突起部72の高さH2よりも低いので、冷媒は、低流量時には第1突起部71によりステータコア21から離れる方向に案内されてコイルエンド11に積極的に供給され、高流量時には第1突起部71を乗り越え、第2突起部72によりステータコア21に近づく方向に案内されてステータコア21に積極的に供給される。これにより、低流量時にはコイルエンド11を積極的に冷却し、高流量時にはステータコア21を積極的に冷却することができる。
また、第2突起部72には、傾斜部73のステータコア21側の端部から周方向に沿って延びる延設部74が一体に形成されているので、確実にステータコア21側に冷媒を供給してステータコア21を効果的に冷却できる。
また、ステータコア21の両側には、それぞれ各スロット23に挿入されるスロットコイル25と同数の絶縁プレート31L、31Rが設けられ、スロット23内において同じ径方向位置に位置するスロットコイル25同士が接続コイル40に接続され、且つ、各スロット23内において同じ径方向位置に位置するスロットコイル25同士を接続する接続コイル40は、ステータコア21の両側に配置された同じ絶縁プレート31L、31Rに配置されることで分布巻きされており、冷媒分配部70は、ステータコア21側に位置する第3絶縁プレート313L,313Rに設けられているので、スロットコイル25の数を任意に設定できる。また、ステータコア21に一番近い第3絶縁プレート313L,313Rに冷媒分配部70が設けられているので、高流量時にはステータコア21に確実に冷媒を供給することができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、冷媒分配部70は、上記実施形態で説明した第1突起部71及び第2突起部72の形状に限定されず、回転電機1が低速回転するときには主にコイルエンド11を冷却し、高速回転するときには主にステータコア21を冷却可能であれば、任意の形状が可能である。
また、上記実施形態では、冷媒送出能力がロータ2の回転数と比例的な関係にあり、低速回転領域では冷媒の流量が少なく、高速回転領域では冷媒の流量が多くなる冷媒ポンプ5を用いたが、これに限定されず、常時一定量の冷媒を送出する冷媒ポンプでもよく、冷媒の送出能力を自由に設定可能な電動オイルポンプ等でもよい。
1 回転電機
2 ロータ
5 冷媒ポンプ
6 冷媒供給部
10 ステータ
11,11L,11R コイルエンド
21 ステータコア
23 スロット
25 スロットコイル
26 外径側スロットコイル
27 中間スロットコイル
28 内径側スロットコイル
31L,31R 絶縁プレート
40 接続コイル
41 外側接続コイル
42 内側接続コイル
50 コイル
50U U相コイル(コイル)
50V V相コイル(コイル)
50W W相コイル(コイル)
70 冷媒分配部
71 第1突起部(突起)
72 第2突起部(突起)
73 傾斜部
74 延設部
H1 第1突起部の高さ
H2 第2突起部の高さ

Claims (5)

  1. 複数のスロットを有するステータコアと、
    セグメント化された複数相のコイルと、を備え、
    前記セグメント化された複数相のコイルは、前記ステータコアの複数のスロットにそれぞれ挿入され、略直線状に延びる複数のスロットコイルと、同相の前記スロットコイル同士を接続して渡り部を構成する複数の接続コイルと、を有する、回転電機のステータであって、
    前記ステータコアの両側には、前記接続コイルを収容する絶縁プレートが設けられ、
    前記絶縁プレートには、冷媒の低流量時に冷媒を前記ステータコアよりも前記コイルのコイルエンドに積極的に供給し、冷媒の高流量時に冷媒を前記コイルエンドよりも前記ステータコアに積極的に供給する冷媒分配部を備える、回転電機のステータ。
  2. 請求項に記載の回転電機のステータであって、
    前記冷媒分配部は、前記絶縁プレートの外周面に設けられた複数の突起の組み合わせからなる、回転電機のステータ。
  3. 請求項に記載の回転電機のステータであって、
    前記冷媒分配部は、
    周方向に沿った冷媒の流れ方向において上流側から下流側に向かうに従い、前記ステータコアから離間するように傾斜する第1突起部と、
    該第1突起部の下流側に設けられ、冷媒の流れ方向において上流側から下流側に向かうに従い、前記ステータコアに近接するように傾斜する第2突起部と、を備え、
    前記第1突起部の高さは、前記第2突起部の高さよりも低い、回転電機のステータ。
  4. 請求項に記載の回転電機のステータであって、
    前記第2突起部には、前記ステータコアに近接するように傾斜する傾斜部と、該傾斜部の前記ステータコア側の端部から周方向に沿って延びる延設部とが一体に形成されている、回転電機のステータ。
  5. 請求項のいずれか1項に記載の回転電機のステータであって、
    前記ステータコアの両側には、それぞれ各スロットに挿入される前記スロットコイルと同数の前記絶縁プレートが設けられ、
    前記スロット内において同じ径方向位置に位置する前記スロットコイル同士が前記接続コイルに接続され、且つ、各スロット内において同じ径方向位置に位置する前記スロットコイル同士を接続する前記接続コイルは、前記ステータコアの両側に配置された同じ絶縁プレートに配置されることで分布巻きされており、
    前記冷媒分配部は、前記ステータコア側に位置する前記絶縁プレートに設けられている、回転電機のステータ。
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