以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1は、投影装置10の外観斜視図である。なお、本実施形態において、投影装置10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とは投影装置10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
投影装置10の筐体は、図1に示すように、略直方体形状であって、正面パネル12、背面パネル13、右側パネル14及び左側パネル15からなる側面パネルと、上面パネル11と下面パネル16とにより形成されている。投影装置10は、正面パネル12の左側方に投影部を有する。更に、正面パネル12には、複数の吸排気孔17が設けられている。そして、投影装置10は、図示しないが、リモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
また、上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられる。このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源装置や表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
更に、背面パネル13には、図示しないUSB端子やアナログRGB映像信号が入力される映像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子、音声出力端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子が設けられている。また、背面パネル13には、複数の吸気孔が形成されている。
次に、投影装置10の投影装置制御部について図2の機能ブロック図を用いて述べる。投影装置制御部は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。
この制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPU、各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
そして、この投影装置制御部により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜のフレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動する。投影装置10は、光源装置60から出射された光線束を、光源側光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像(画像光)を形成し、投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体であるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。
更に、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行う。
筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御しており、この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源装置60から出射されるように、光源装置60の赤色、緑色及び青色の波長帯域光を発光させる個別の制御を行う。
制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等により投影装置本体の電源オフ後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によっては投影装置10本体の電源をオフにする等の制御も行う。
次に、この投影装置10の内部構造について図3に基づいて述べる。図3は、投影装置10の内部構造を示す平面模式図である。投影装置10は、左側パネル15の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備える。制御回路基板241の右側パネル14側には、表示素子51や、この表示素子51を冷却する放熱装置とされるヒートシンク190を備える電子装置である表示素子装置300が配置される。本実施形態では、表示素子51として、DMDを用いている。また、投影装置10は、投影装置10筐体の前方右寄りに光源装置60を備えている。更に、光源装置60と背面パネル13との間には、光源側光学系170が配置される。投影装置10の左側パネル15側には、投影側光学系220が配置されている。
光源装置60は、励起光照射装置70と、赤色光源装置120と、緑色光源装置80とを備える。励起光照射装置70は、青色波長帯域光の光源(青色光源装置)であるとともに励起光源でもある。赤色光源装置120は、赤色波長帯域光の光源である。緑色光源装置80は、緑色波長帯域光の光源であり、励起光照射装置70と蛍光板装置100とにより構成される。
光源装置60には、導光光学系140が設けられている。導光光学系140は、励起光照射装置70、赤色光源装置120、緑色光源装置80から出射された、青、赤、緑の各色波長帯域の光を導光し、光源側光学系170へ出射する。
励起光照射装置70は、投影装置10の筐体における前側略中央部分の正面パネル12の近傍に配置される。励起光照射装置70は、右側パネル14及び左側パネル15と光軸が平行になるよう配置された複数の半導体発光素子である青色レーザダイオード71が設けられる。青色レーザダイオード71の正面パネル12側には、ヒートシンク81を備える。また、各青色レーザダイオード71の光軸上には、各青色レーザダイオード71からの出射光を、指向性を高めるように平行光に変換する複数のコリメータレンズ73が配置されている。なお、本実施形態で、励起光照射装置70には、2行4列の合計8個の青色レーザダイオード71及びコリメータレンズ73が配置される。
赤色光源装置120は、励起光照射装置70の右側に並設されている。赤色光源121は、青色レーザダイオード71の出射光と光軸が平行となるように配置される。赤色光源121は、赤色波長帯域の光を発する半導体発光素子である赤色発光ダイオードである。集光レンズ群125は、赤色光源121から出射された赤色波長帯域光を集光する。赤色光源装置120が出射する赤色波長帯域光の光軸は、励起光照射装置70から出射されて、その後に第一反射ミラー141で反射された青色波長帯域光の光軸と交差する。赤色光源装置120は、赤色光源121と集光レンズ群125を備える。
赤色光源装置120は、赤色光源121の正面パネル12側にヒートシンク130を備える。一方、励起光照射装置70の左側には冷却ファン261が配置されている。この冷却ファン261からの冷却風は、励起光照射装置70のヒートシンク81や赤色光源装置120のヒートシンク130に送風される。よって、青色レーザダイオード71及び赤色光源121は、それぞれのヒートシンク81,130により冷却される。
緑色光源装置80を構成する蛍光板装置100は、右側パネル14の近傍に配置される。蛍光板装置100は、励起光照射装置70から出射されて、その後に第一反射ミラー141で反射された励起光の光路上に配置される。
ここで、蛍光板装置100は、蛍光板101、モータ110、集光レンズ群111、集光レンズ115を備える。蛍光板101は、蛍光ホイールであり右側パネル14と平行となるように、つまり、励起光照射装置70の出射光の光軸と平行となるように配置される。
モータ110は、この蛍光板101を回転駆動する。集光レンズ群111は、励起光照射装置70から出射されて第一反射ミラー141により反射された励起光の光線束を蛍光板101に集光するとともに、蛍光板101から左側パネル15方向に出射される光線束を集光する。集光レンズ115は、蛍光板101で透過又は拡散透過した光線束を集光する。モータ110の右側パネル14側には冷却ファン262が配置されており、この冷却ファン262によって蛍光板装置100等が冷却される。
蛍光板101には、蛍光発光領域と透過領域とが周方向に連続して設けられている。蛍光発光領域は、励起光照射装置70から集光レンズ群111を介して照射された光を励起光として受けて、緑色波長帯域の蛍光光を出射する。透過領域は、励起光照射装置70から出射された励起光を透過又は拡散透過させる。
蛍光板101の基材には銅やアルミニウム等からなる金属基材を用いることができる。この基材の励起光照射装置70側の表面には、環状の溝が形成される。また、この溝の底部は、銀蒸着等によってミラー加工がされており、その底部には緑色蛍光体の層が敷設されている。更に、透過領域には基材の切抜き透光部に透光性を有する透明基材が嵌入される。また、透過領域として、励起光を拡散透過する領域が配置される場合には表面をサンドブラスト等で微細凹凸を形成した透明基材が嵌入される。
蛍光板101の緑色蛍光体層は、励起光照射装置70から出射された青色波長帯域光が照射されると、緑色蛍光体が励起され、全方位にその緑色波長帯域光を出射する。蛍光発光された緑色波長帯域光は、左側パネル15側へ出射され、集光レンズ群111に入射する。一方、透過領域に入射した励起光照射装置70から出射された青色波長帯域光は、蛍光板101を透過又は拡散透過し、蛍光板101の背面側(換言すれば、右側パネル14側)に配置された集光レンズ115に入射する。
導光光学系140は、青色波長帯域、赤色波長帯域及び緑色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸に導光する反射ミラーやダイクロイックミラー等を備える。具体的に、導光光学系140は、第一反射ミラー141、集光レンズ151、拡散板152、第一ダイクロイックミラー142、第二反射ミラー143、集光レンズ146、第三反射ミラー149、集光レンズ147、集光レンズ145、第二ダイクロイックミラー148からなる。
第一反射ミラー141は、励起光照射装置70の背面パネル13側に配置される。この第一反射ミラー141は、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光の光軸を右側パネル14方向に90度変換する。
集光レンズ151は、第一反射ミラー141の右側パネル14側に配置される。拡散板152は、集光レンズ151の右側パネル14側に配置される。第一反射ミラー141により反射された励起光は、集光レンズ151により集光されて、拡散板152により拡散される。
第一ダイクロイックミラー142は、拡散板152を拡散透過した青色波長帯域光と、蛍光板101から出射される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から出射される赤色波長帯域光とが交差する位置に配置されている。第一ダイクロイックミラー142は、青色波長帯域光及び赤色波長帯域光を透過させ、緑色波長帯域光を反射する。緑色波長帯域光の光軸は、背面パネル13方向に90度変換される。
また、第二反射ミラー143は、集光レンズ115と右側パネル14との間に配置されている。第二反射ミラー143は、青色波長帯域光を反射してこの青色波長帯域光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する。第二反射ミラー143の背面パネル13側には、集光レンズ146が配置される。更にこの集光レンズ146の背面パネル13側には、第三反射ミラー149が配置されている。第三反射ミラー149は、第二反射ミラー143により反射されて集光レンズ146を介して入射される青色波長帯域光の光軸を、左側パネル15側に90度変換する。第三反射ミラー149の左側パネル15側には、集光レンズ147が配置されている。
一方、第一ダイクロイックミラー142の背面パネル13側には、集光レンズ145が配置されている。第一ダイクロイックミラー142を透過した赤色波長帯域光と、この赤色波長帯域光の光軸と一致するように第一ダイクロイックミラー142により反射された緑色波長帯域光は、集光レンズ145に入射する。
また、集光レンズ145の背面パネル13側であって、集光レンズ147の左側パネル15側の位置には、第二ダイクロイックミラー148が配置されている。第二ダイクロイックミラー148は、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光を反射して左側パネル15側に90度光軸を変換し、集光レンズ147を介して入射される青色波長帯域光を透過させる。集光レンズ145を透過した赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148により反射され、光源側光学系170の集光レンズ173に入射する。
一方、集光レンズ147を透過した青色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148を透過して、集光レンズ173に入射する。よって、青色波長帯域光、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光の光軸は、第二ダイクロイックミラー148で透過又は反射することで一致する。
光源側光学系170は、集光レンズ173、ライトトンネル175、集光レンズ178、集光レンズ179、照射ミラー185、コンデンサレンズ195を備える。なお、コンデンサレンズ195は、コンデンサレンズ195の背面パネル13側に配置される表示素子51から出射された画像光を固定レンズ群225及び可動レンズ群235に向けて出射するので、投影側光学系220の一部ともされている。
集光レンズ173は、ライトトンネル175と第二ダイクロイックミラー148の間に配置されている。集光レンズ173は、ライトトンネル175の入射口に光源光を集光する。集光レンズ173により集光された、青色波長帯域光、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光は、ライトトンネル175に入射する。ライトトンネル175に入射した光線束は、ライトトンネル175により均一な強度分布となる。
集光レンズ178,179は、ライトトンネル175の左側パネル15側の光軸上に配置される。ライトトンネル175から出射された光線束は、集光レンズ178,179を介して照射ミラー185に照射され、照射ミラー185によりコンデンサレンズ195に反射する。照射ミラー185で反射された光線束は、コンデンサレンズ195を介して表示素子51に所定の角度で照射される。表示素子51は、背面パネル13側に設けられたヒートシンク190により冷却される。表示素子装置300は、表示素子51、ヒートシンク190、コンデンサレンズ195、集光レンズ179、照射ミラー185及び投影側光学系220等の光学部品を、保持部材310により保持している。
光源側光学系170により表示素子51の画像形成面に照射された光源光である光線束は、表示素子51の画像形成面で反射され、投影光として投影側光学系220を介してスクリーンに投影される。
ここで、投影側光学系220は、コンデンサレンズ195、可動レンズ群235、固定レンズ群225等により構成されている。可動レンズ群235は、レンズモータにより移動可能に形成される。また、可動レンズ群235及び固定レンズ群225は、固定鏡筒に内蔵される。よって、投影側光学系220は、ズーム調節やフォーカス調節が可能な可変焦点型レンズとして構成される。
このように投影装置10を構成することで、蛍光板101を回転させるとともに励起光照射装置70及び赤色光源装置120から異なるタイミングで光を出射すると、青色、赤色及び緑色の各波長帯域光は、導光光学系140を介して光源側光学系170の集光レンズ173及びライトトンネル175に順次入射し、更に表示素子51に入射する。そのため、投影装置10の表示素子51であるDMDが表示させるデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を投影することができる。
次に、電子装置である表示素子装置300について説明する。図4に示すように、表示素子装置300には、電子部品である表示素子51と、放熱装置であるヒートシンク190の他、コンデンサレンズ195、集光レンズ179、照射ミラー185、投影側光学系220を、保持部材310により一体的に保持している。なお、図4では、保持部材310が表示素子51及びヒートシンク190を保持する部分のみを断面図で示している。
保持部材310の中央には、光路空間312が形成されている。この光路空間312には、コンデンサレンズ195が保持されている。一方、保持部材310の後端面には、基板320が設けられている。そして、基板320の中央には、左右方向に長い長矩形形状の第一開口部321が形成されている(図7も参照)。基板320の一方面側である図3における背面パネル13側(即ち背面側)には、ヒートシンク190が配置されている。基板320の第一開口部321における他方面側である図3における正面パネル12側(即ち正面側)には、表示素子51が配置されている。表示素子51の正面には、マイクロミラーが配置され、背面には放熱面が設けられている。
表示素子51は、表示素子51の正面側の縁部の当接面がコンデンサレンズ195の背面側における光路空間312に形成される正面視枠状の段部314に当接することで前面支持される。表示素子51は、背面側の縁部において、正面視枠状に形成される表示素子51用のソケット52と複数の半田パッドを介して接続されている。ソケット52は、基板320の第一開口部321の正面側の縁部に配置される。ソケット52の背面からは、接続端子52aが突出している。この接続端子52aは基板320と電気的に接続されている。従って、この接続端子52aの長さ分により、ソケット52の背面は基板320の正面側の面と所定の間隙だけ離間している。このようにして、ソケット52は、表示素子51が基板320と電気的に接続されるための電子部品の接続部として機能する。また、ソケット52の前面と表示素子51の背面との間は半田パッドの高さ分だけ間隙となって離間している。
段部314と基板320との間における表示素子51及びソケット52の外周には、枠状のクッション53が設けられている。クッション53は、樹脂、ラバー、不織布等の弾性材料を用いることができる。クッション53は、基板320の正面側から段部314の背面側に亘って配置される。
基板320の背面側には、アルミニウム等の金属や樹脂により形成される押え板330が設けられている。押え板330の背面側には、板金部材340が設けられている。この板金部材340と、押え板330及び基板320には、それぞれのボルト用の孔部にボルト350が挿通される。そして、保持部材310に形成される左右2箇所の雌ねじ部316に2つのボルト350が螺合する。従って、板金部材340と、押え板330及び基板320は、保持部材310に固定される。また、押え板330及び板金部材340の中央部には、基板320の第一開口部321と同一形状の第二開口部331,開口部341がそれぞれ形成されている。
放熱装置であるヒートシンク190は、背面に放熱部とされる複数の放熱フィン191を有する。放熱フィン191は、図4においては、手前から奥側に向かう方向に複数配置されている。従って、複数の放熱フィン191は、図4の左右方向を長手方向として形成される。また、放熱フィン191間に形成される複数の溝は、図4の左右方向に形成される。
ヒートシンク190の正面側には、突起状の熱伝達部192が形成されている。熱伝達部192の正面視における断面は、図7で示されるように、長矩形形状である。図4に示すように、熱伝達部192は、第一開口部321,第二開口部331,開口部341に挿入可能な大きさに形成されている。なお、ヒートシンク190は、押し出し成形で形成することができる。
板金部材340には、左右それぞれに板バネ部342が形成されている。各板バネ部342には、それぞれ雌ねじ部343が形成されている。ヒートシンク190の左右2箇所のボルト孔193には、それぞれボルト360が挿通される。このボルト360は、板バネ部342の雌ねじ部343と螺合する。これにより、ヒートシンク190は、板金部材340に対して固定されるとともに、付勢手段として機能する板バネ部342の付勢力により正面側の表示素子51に向けて付勢される。
ボルト360の先端部は、押え板330の孔部332内に位置される。これにより、ボルト360の先端と基板320の背面との干渉が防止される。
次に、図5及び図6を用いて、封止部材370について説明する。図5は封止部材370を図4の上方から見た図であり、図6は封止部材370の図5のVI−VI断面図である。以下、封止部材370の説明において、ヒートシンク190が配置される側である図5の手前側を裏面とし、その反対側を正面とする。
封止部材370は、耐熱性のあるゴム等の可撓性のある材質により、全体が筒状に形成される。封止部材370は、平面視(図5参照)略矩形状の角筒状に形成された筒部371を有する。筒部371のヒートシンク190側の一端側の外周には、外側に向かって立設する環状の外側平板部(第一平板部)372が形成される。外側平板部372は、その外形が平面視略矩形状に形成される。また、筒部371の放熱面側の他端側の内周には、内側に向かって立設する環状の内側平板部(第二平板部)373が形成される。内側平板部373は、筒部371の端部371aよりもやや背面側に配置される。内側平板部373は、平面視(図5参照)に示すよう、中央側に略矩形状の第三開口部374を有する。
外側平板部372は、基板320側である正面側に、筒部371の周囲を囲うように配置された環状の突起部372aを有する。突起部372aは、図6に示す断面形状が凸円弧状となるように形成される。
また、内側平板部373は、表示素子51の放熱面側である背面側に、第三開口部374の周囲を囲うように配置された環状の突起部373aを有する。突起部373aも、図6の断面形状が凸円弧状となるように形成される。
封止部材370の筒部371は、図4に示すように、熱伝達部192の外周と、第一開口部321及び第二開口部331の内周との間に配置される。外側平板部372は、基板320と押え板330とにより挟持される。また、内側平板部373は、熱伝達部192と表示素子51の放熱面とにより挟持される。
熱伝達部192の先端面と表示素子51の背面と第三開口部374の内面374aとの間には、熱伝導性パテ等の熱伝導性部材380が設けられている。本実施形態においては、熱伝導性部材380の端部381は、第三開口部374の内面374aと接している。
熱伝導性部材380は、熱伝導性、難燃性、電気絶縁性等を有し、主にシリコンからなる硬度の低い粘土状の材料である。従って、熱伝導性部材380は、低い荷重で容易に塑性変形させることができるとともに、密着性も高い。熱伝達部192の先端面と表示素子51の背面との間は、熱伝導性部材380を介して密着されている。
表示素子装置300の表示素子51は、投影装置10が駆動されると発熱する。すると、表示素子51により発生した熱は、表示素子51の裏面側の放熱面から熱伝導性部材380を介して熱伝達部192に伝達される。そして、熱伝達部192に伝達された熱は、ヒートシンク190の複数の放熱フィン191により放熱される。
次に、本実施形態の表示素子装置300の防塵機能について説明する。投影装置10の起動は、冷却ファン261,262(図3参照)により取り込まれた外部空気は、投影装置10の内部を流通し、排気される。このとき、通常の使用環境であっても、投影装置10に取り込まれる外部空気には粉塵が混入している。
通常、光路空間312は、ヒートシンク190の放熱フィン191側の空間から遮蔽されており、外部空間が侵入しないことが望ましいが、基板320や押え板330等の部材同士を密着接続させても、境界面にある僅かな隙間により、空気の流入が発生してしまう。本実施形態では、封止部材370を設けたことにより、光路空間312と放熱フィン191側の空間との遮蔽度合を向上させることができる。
図4で具体的に示すように、外部空気は、ヒートシンク190と板金部材340との間隙aから侵入することが想定される。間隙aから侵入した外部空気は、開口部341と熱伝達部192との間隙、及び第二開口部331と熱伝達部192との間隙に達するが、途中から熱伝達部192の外周と基板320の第一開口部321の内周との間の間隙は封止部材370により封止されている。そのため、外部空気はそれ以降の侵入が防止される。なお、封止部材370と熱伝達部192との間に間隙が設けられる構成であっても、外部空気は、内側平板部373により以降の侵入が防止される。
また、外部空気は、基板320と押え板330との境界bから侵入することが想定される。境界bから侵入した外部空気は、基板320及び押え板330の面方向に沿って移動して基板320の第一開口部321側へ達するが、途中で封止部材370の外側平板部372により封止されているため、それ以降の侵入が防止される。
更に、外部空気は、保持部材310と基板320との境界cから侵入することが想定される。境界cから侵入した外部空気は、保持部材310と基板320の面方向に沿って移動するが、保持部材310と基板320との間に設けられたクッション53によって封止されているため、それ以降の侵入が防止される。従って、ヒートシンク190、押え板330、基板320及び保持部材310との間に形成される間隙a及び境界b,cによって、外部空気が侵入したとしても、封止部材370又はクッション53により、光路空間312へ外部空気に含まれる粉塵が侵入することを有効に防止することができる。
よって、表示素子51の正面側の縁部と段部314の背面との間は、シーリングされていないが、外部空気の粉塵が、表示素子51の外周から、表示素子51と段部314との間を介して、表示素子51の正面側の複数のマイクロミラーに付着してしまうことはない。
なお、保持部材310は表示素子51に比べて十分大きいので、保持部材310は、表示素子51の発熱による変形はほとんどない。従って、クッション53と保持部材310及び基板320は密着されて、クッション53の外側からの粉塵の侵入は防止されている。
次に、図8及び図4により、表示素子装置300の製造方法について説明する。この製造方法は、第一開口部321を有する基板320と、基板320に配置された枠状の接続部であるソケット52を介して接続される電子部品である表示素子51の放熱面と、を対向させて配置固定する工程と、その放熱面に、一端側に外側平板部372を有し他端側に内側平板部373を有する筒状の封止部材370を載置する工程と、第二開口部331を有する押え板330を載置して、外側平板部372を押え板330と基板320とにより挟持する工程と、放熱装置であるヒートシンク190の突起状の熱伝達部192を第一開口部321,第二開口部331に挿入して、封止部材370を熱伝達部192の外周に配置させるとともに、内側平板部373を熱伝達部192と上述の放熱面とにより挟持させる工程と、を含む。
具体的には、以下の通りである。まず、図8で、保持部材310の段部314に表示素子51を載置する。このとき、表示素子51は、背面側の放熱面がヒートシンク190側になるよう段部314に載置する。次に、基板320の第一開口部321の正面側の縁部にソケット52が接続され、ソケット52の外周にクッション53が配置された基板320を、保持部材310の後端に配置する。その後、封止部材370を基板320の裏面側から載置する。押え板330を基板320の背面側に配置し、板金部材340を押え板330の背面側に配置する。そして、ボルト350を保持部材310の雌ねじ部316に螺合させて、板金部材340、押え板330及び基板320を保持部材310に固定する。
次に、シート状に形成された熱伝導性部材380を表示素子51の放熱面に載置する。その後、ヒートシンク190の熱伝達部192を基板320、押え板330、板金部材340の第一開口部321,第二開口部331,開口部341に挿入して、熱伝達部192の先端面と熱伝導性部材380とを当接させる。このとき、熱伝達部192の外周は、筒部371の内周でガイドされる。そして、ヒートシンク190のボルト孔193にボルト360を挿通させて、ボルト360と、板金部材340の板バネ部342における雌ねじ部343と、を螺合させる。
ボルト360を締め込むと、ヒートシンク190は、板バネ部342により正面側に向けて付勢されつつ正面側に移動する。すると、熱伝達部192により熱伝導性部材380に荷重が加えられて、熱伝導性部材380は塑性変形される。熱伝導性部材380の塑性変形により、熱伝達部192の先端面と表示素子51の放熱面との間の熱伝導性部材380は押し潰されて薄くなり、その分、図4に示すように、表示素子51の放熱面と熱伝達部192と内側平板部373との間の隙間に熱伝導性部材380が充填され始める。そして、更にボルト360を締め込むことにより、表示素子51の放熱面と熱伝達部192と内側平板部373との間が熱伝導性部材380で充填される。
基板320と押え板330との間は、封止部材370の外側平板部372により封止される。外側平板部372の突起部372aは、基板320と押え板330との間隔が閉じられることにより潰され、封止構造を強固なものとすることができる。また、表示素子51の放熱面と熱伝達部192も封止部材370の内側平板部373により封止される。内側平板部373の突起部373aは、熱伝達部192と表示素子51の放熱面との間隔が狭められることにより例えば1/3程度が潰され、封止構造を強固なものとすることができる。従って、筒部371の端部371aは熱伝達部192の押圧によって潰されない材料で形成されているため、端部371aの長さは、突起部373aの長さの2/3程度になっている(図6参照)。筒部371の周方向に直交する方向の端部371aの厚さは、筒部371の厚さより厚く形成されているので、熱伝達部192の押圧の際に、ストッパーの役割を果たすことができる。なお、端部371aは突起部373aの外周側に設けられているが、内周側にも突部を設けることで、より確実にストッパーの役割を果たすことができる。このように、内側平板部(第二平板部)373には、内側平板部373に形成された環状の突起部373aの内側に突起部373aより長さが短い突部が設けられている。この際、突起部373aと突起部373aの外周側に形成された端部371aとの間、は所定の間隙を有している。また、突起部373aと突起部373aの内周側に形成された突部との間にも、所定の間隙がある。従って、突起部373aが潰された際の逃げのスペースが確保されている。
なお、上記の製造方法では、表示素子51を保持部材310に載置して、基板320等を保持部材310に配置して固定した後に熱伝導性部材380を表示素子51の放熱面に載置したが、基板320を保持部材310に配置する前に、ソケット52に表示素子51を接続しておけば、表示素子51の放熱面に熱伝導性部材380を載置した後、基板320等を保持部材310に配置して固定するようにしても良い。
以上、本実施形態の電子装置について説明したが、ヒートシンク190の熱伝達部192について、熱伝導性部材380との接触面を他の構成としてもよい。例えば、熱伝達部192は、熱伝導性部材380との接触面に溝部を設けてもよい。熱伝達部192の、熱伝導性部材380との接触面に設けた溝部は、熱伝達部192の外周近傍において円形状や四角形状の環状に形成することができる。このような構成にすることで、充填される熱伝導性部材380の量が多少多い場合であっても、ボルト360を締め込んだ際、熱伝導性部材380が、表示素子51の放熱面と熱伝達部192との間だけでなく、環状の溝部に入り込むことができるので、表示素子51の放熱面と熱伝達部192と内側平板部373との間で常に収まり、そこから溢れることない。なお、溝部は、直線状に複数設けたり、複数の方向に設けてもよい。更に、溝部の断面形状は、凹湾曲状としたり、凹矩形状としてもよい。このような溝部の形状や深さは、熱伝達部192の熱伝導性部材380との接触面における位置によって、変化させる構成としてもよい。
このように本発明の実施形態においては、電子装置として表示素子装置300の例を示したが、本発明は他の電子部品を備える電子装置とすることもできる。例えば、発光ダイオードやレーザダイオード等の半導体発光素子を備える電子装置とすることもできる。この場合、電子部品の放熱面の形状に合わせて、熱伝達部を円柱状等、他の形状とすることもできる。
なお、放熱装置190の熱伝達部192として1つの突起部を設けた構造としたが、この構成に限らない。熱伝達部192の突起部を、2段構造としても良い。具体的には、熱伝達部192として第1の突状部を設け、更に第1の突状部における表示素子51側に、外周の長さが第1の突状部より小さい第2の突状部を設ける。第1の突状部の周側面は筒部371の内側に配置され、第1の突状部の第2の突状部側の面は内側平板部373と接触する。そして、第2の突状部の周側面は、内側平板部373の内周側に位置する。
このような構造にすることで、まず、放熱装置190の熱伝達部192の第2の突状部によって熱伝導性部材380が押し潰されて拡がる。その後更に、放熱装置190が押されることでこの圧力により熱伝達部192の第1の突状部が内側平板部373と接触し、封止部材370の突起部373aが潰される。従って、熱伝導性部材380が最初に熱伝達部192の第2の突状部によって押し潰されて確実に広がることで、熱伝達部192の第2の突状部と表示素子51とが熱伝導性部材380によって確実に接触するので、表示素子51から発生する熱を効率良く放熱できる。
更には、熱伝達部192の底面及び底面から各側面に亘って溝部が形成された構造としても良い。まず、放熱装置190の熱伝達部192によって熱伝導性部材380が押し潰されて拡がる。その後更に、放熱装置190が押圧されることでこの圧力により熱伝達部192が内側平板部373と接触する。この状態になると、放熱装置190の熱伝達部192、封止部材370及び表示素子51によって、放熱装置190の熱伝達部192と表示素子51との間の空間が密閉される。更に、放熱装置190を押圧すると、突起部373aが所定量押し潰される。この際、突起部373aが押し潰された分だけ密閉空間の空気が圧縮されるため、熱伝達部の底面及び底面から各側面に亘って溝部が形成された構造にしておくことで、突起部373aが押し潰されたことによる空気の体積分だけ密閉空間から外部に逃がすことができる。
また、ヒートシンク190を正面側に付勢する付勢手段として、本実施形態においては板金部材340に板バネ部342を形成したが、これに限られず、ボルト360に巻回されるコイルバネ等とすることもできる。
また、封止部材370と、押え板330等のその他の部材とは、二色成形により形成した一体の部材としてもよい。これにより、封止部材370の組み立て工程を簡易なものとすることができる。
また、基板320の第一開口部321の周縁には、封止部材370の外側平板部372に設けられた突起部372aの当接位置に対応する箇所に、環状の凹溝を設けるようにしてもよい。そうすることで、封止部材370が基板320と押え板330との挟持状態から脱落することを防止することができる。
以上、本発明の実施形態によれば、電子装置(表示素子装置300)は、筒部371、外側平板部372及び内側平板部373を有する封止部材370を備える。筒部371は、第一開口部321,第二開口部331において、ヒートシンク190の熱伝達部192の外周に配置され、筒部371の一端側に形成された外側平板部372は、基板320と押え板330とにより挟持され、筒部371の他端側に形成された内側平板部373は、ヒートシンク190の熱伝達部192と表示素子51の放熱面とにより挟持される。従って、封止部材370によって、基板320と押え板330との間が熱伝達部192の外周に沿って環状に封止されるとともに、熱伝達部192と表示素子51の放熱面との間が第一開口部321,第二開口部331内において環状に封止される。また、筒部371の側面方向と熱伝達部192の突出方向とが略同じ方向となるため、熱伝達部192が第一開口部321,第二開口部331への挿入方向にずれても筒部371が追随し、封止構造が崩れることが無い。そのため、外部空気が表示素子51側に侵入することを防ぎ、光路空間312に配置される電子部品への粉塵の付着を低減することができる。
また、外側平板部372が第一開口部321,第二開口部331の外側に向かって形成され、内側平板部373が第一開口部321,第二開口部331の内側に向かって形成される電子装置は、突起状の熱伝達部192に沿って、熱伝達部192の外周側及び熱源である表示素子51側において封止構造を形成することができる。よって、熱伝達部192が第一開口部321,第二開口部331内において表示素子51の面方向における多少の位置ずれがあったとしても、外側平板部372及び内側平板部373が追随し、封止構造が崩れることがなく、外部空気の侵入をより確実に防ぐことができる。
また、外側平板部372が、基板320側の面に環状の突起部372aを有し、内側平板部373が、前記放熱面側の面に環状の突起部を有するので、電子装置(表示素子装置300)は、外側平板部372による基板320と押え板330との間の封止、及び内側平板部373による熱伝達部192と表示素子51の放熱面との間の封止を、より確実に行うことができる。
また、内側平板部373が、放熱面側の他端よりも外側平板部372の有る一端側の位置に形成される電子装置(表示素子装置300)は、表示素子51の放熱面側の面に更に環状の突起部を形成することができる。よって、内側平板部373は、環状の突起部を二つ有して二重シール構造を形成するため、外部空気の侵入の防止をより確実に行うことができる。
また、放熱装置(ヒートシンク190)の熱伝達部192と、電子部品である表示素子51の放熱面と、内側平板部373との間に熱伝導性部材380を更に備える電子装置は、熱伝達部192の周囲を強固に封止しつつ、表示素子51等の電子部品から放熱装置への熱伝導を効率的に行うことができる。また、放熱装置(ヒートシンク190)の熱伝達部192と、電子部品である表示素子51の放熱面と、内側平板部373との間は、密閉空間となるために、熱伝導性部材380が周囲の部材へ流出することを防止することができる。
また、放熱装置が、付勢手段により電子部品側に向けて付勢される電子装置は、熱伝達部192を第一開口部321,第二開口部331内に確実に固定し、表示素子51からの熱伝導を効率的に行うとともに、内側平板部373による封止を確実に行うことができる。
また、上記付勢手段が、放熱装置をボルトにより固定する雌ねじ部を有する板バネである電子装置は、付勢手段を容易に構成することができる。
また、押え板330と封止部材370とが、一体に形成される電子装置は、封止部材370の作成を他の部材の作成とともに行うことができるため、封止部材370の作成する工程時間を短くすることができる。よって、低い工程負荷により封止部材370を作成することができる。
投影装置10は、上述した電子装置(表示素子装置300)と、赤色光源装置120と緑色光源装置80と青色光源装置(励起光照射装置70)とを含む光源装置60と、光源装置60からの光を表示素子51である電子部品に導光する光源側光学系170と、電子部品から出射された画像を投影する投影側光学系220と、光源装置60や電子部品を制御する制御部38と、を備える。従って、熱伝達部192が第一開口部321,第二開口部331への挿入方向にずれても筒部371が追随し、封止構造が崩れることが無い。また、外部空気が表示素子51側に侵入することを防ぎ、光路空間312に配置される電子部品の粉塵の付着を低減することができる。
電子装置(表示素子装置300)の製造方法は、第一開口部321を有する基板320と、基板320に配置された枠状の接続部であるソケット52を介して接続される電子部品である表示素子51の放熱面と、を対向させて配置固定する工程と、放熱面に、一端側に外側平板部372を有し他端側に内側平板部373を有する筒状の封止部材370を載置する工程と、第二開口部331を有する押え板330を載置して、外側平板部372を押え板330と基板320とにより挟持する工程と、放熱装置であるヒートシンク190の突起状の熱伝達部192を第一開口部321,第二開口部331に挿入して、封止部材370を熱伝達部192の外周に配置させるとともに、内側平板部373を熱伝達部192と表示素子51の放熱面とにより挟持させる工程と、を含む。従って、熱伝達部192が第一開口部321,第二開口部331への挿入方向にずれても筒部371が追随し、封止構造が崩れることが無く、外部空気が表示素子51側に侵入することを防ぎ、光路空間312に配置される電子部品の粉塵の付着を低減することができる電子装置を形成することができる。
また、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 熱伝達部を有する放熱装置と、
前記放熱装置の前記熱伝達部が挿入される第一開口部が形成される板状部材の基板と、
前記基板の前記第一開口部側に放熱面が位置するように前記基板の他方面側に配置された電子部品と、
前記放熱装置の前記熱伝達部の外周に配置される筒部と、前記筒部の一端側に設けられる環状の第一平板部と、前記筒部の他端側に設けられ、前記放熱装置の前記熱伝達部と前記電子部品の前記放熱面とにより挟持される環状の第二平板部と、を有する封止部材と、
を備えることを特徴とする電子装置。
[2] 前記放熱装置と前記基板との間に配置され、前記熱伝達部が挿入される第二開口部が形成される押え板を更に備え、
前記熱伝達部は突起状に形成され、
前記基板の一方面側に前記放熱装置が配置され、
前記電子部品は、前記基板に配置された枠状の接続部を介して接続され、
前記封止部材の前記筒部は、前記第一開口部及び前記第二開口部に配置される、
ことを特徴とする上記[1]に記載の電子装置。
[3] 前記第一平板部は、前記第一開口部及び前記第二開口部の外側に向かって形成され、
前記第二平板部は、前記第一開口部及び前記第二開口部の内側に向かって形成される、
ことを特徴とする上記[2]に記載の電子装置。
[4] 前記押え板と前記封止部材とは、一体に形成されることを特徴とする上記[2]又は上記[3]の何れかに記載の電子装置。
[5] 前記第一平板部は、前記基板側の面に環状の突起部を有し、
前記第二平板部は、前記電子部品の前記放熱面側の面に環状の突起部を有する、
ことを特徴とする上記[1]乃至上記[4]の何れかに記載の電子装置。
[6] 前記第二平板部は、前記放熱面側の前記他端よりも前記一端側の位置に形成されることを特徴とする上記[1]乃至上記[5]の何れかに記載の電子装置。
[7] 前記放熱装置の前記熱伝達部と、前記電子部品の前記放熱面と、前記第二平板部との間に熱伝導性部材を更に備えることを特徴とする上記[1]乃至上記[6]の何れかに記載の電子装置。
[8] 前記放熱装置は、付勢手段により前記電子部品側に向けて付勢されることを特徴とする上記[1]乃至上記[7]の何れかに記載の電子装置。
[9] 前記付勢手段は、前記放熱装置をボルトにより固定する雌ねじ部を有する板バネであることを特徴とする上記[8]の何れかに記載の電子装置。
[10] 前記放熱装置の前記熱伝達部は、第1の突状部と、外周の長さが前記第1の突状部より小さい第2の突状部を含むことを特徴とする上記[1]乃至上記[9]の何れかに記載の電子装置。
[11] 前記放熱装置の前記熱伝達部の底面及び底面から各側面に亘って溝部が形成されることを特徴とする上記[1]乃至上記[9]の何れかに記載の電子装置。
[12] 前記第二平板部には、前記第二平板部に形成された前記環状の突起部の内側に前記環状の突起部より長さが短い突部が設けられたことを特徴とする上記[5]に記載の電子装置。
[13] 上記[1]乃至上記[12]の何れかに記載の電子装置と、
赤色光源装置と緑色光源装置と青色光源装置とを含む光源装置と、
前記光源装置からの光を表示素子である前記電子部品に導光する光源側光学系と、
前記電子部品から出射された画像を投影する投影側光学系と、
前記光源装置や前記電子部品を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする投影装置。
[14] 第一開口部を有する基板と、前記基板に配置された枠状の接続部を介して接続される電子部品の放熱面と、を対向させて配置固定する工程と、
前記放熱面に、一端側に環状の第一平板部を有し他端側に環状の第二平板部を有する筒状の封止部材を載置する工程と、
第二開口部を有する押え板を載置して、前記第一平板部を前記押え板と前記基板とにより挟持する工程と、
放熱装置の突起状の熱伝達部を前記第一開口部及び前記第二開口部に挿入して、前記封止部材を前記熱伝達部の外周に配置させるとともに、前記第二平板部を前記熱伝達部と前記放熱面とにより挟持させる工程と、
を含むことを特徴とする電子装置の製造方法。