以下に添付図面を参照して、この発明にかかる決済受付装置、コンピュータ・システム、決済受付方法および決済受付プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(コンピュータ・システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態のコンピュータ・システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態のコンピュータ・システムのシステム構成の一例を示す説明図である。
図1において、コンピュータ・システム100は、店舗サーバ101と、決済受付装置102と、カード会社サーバ103と、各種データベース104と、によって構成される。店舗サーバ101、決済受付装置102、カード会社サーバ103および各種データベース104は、それぞれ、インターネットなどのネットワーク105を介して相互に通信可能に接続されている。また、店舗サーバ101と決済受付装置102とが接続されるネットワーク105は、LAN(Local Area Network)やWi−Fi(登録商標)などであってもよい。
また、店舗サーバ101は、ネットワーク105に接続されたカード会社サーバ103との間で通信をおこなう。また、店舗サーバ101は、決済受付装置102との間で通信をおこなう。ただし、決済受付装置102は、直接または店舗サーバ101を介して、ネットワーク105に接続されたカード会社サーバ103との間で通信するようにしてもよい。
店舗サーバ101は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバコンピュータなどの情報処理装置(コンピュータ装置)などによって構成される。また、決済受付装置102は、店舗に設置された端末装置であって、たとえば、レジ端末装置、POSシステム装置、あるいはそれらの装置に接続された情報処理装置(コンピュータ装置)などによって構成される。
カード会社サーバ103は、たとえば、クレジットカードを用いた決済(カード決済)を実現するカード決済システムに用いるクレジットカードを発行するカード発行会社などによって管理されるコンピュータ装置などによって実現することができる。具体的には、カード会社サーバ103は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバコンピュータなどの情報処理装置(コンピュータ装置)などによって構成される。
カード会社サーバ103は、たとえば、カード加盟店からの決済情報の通知を受ける加盟店管理会社(アクワイアラ)によって管理されるコンピュータ装置であってもよい。カード会社サーバ103は、所定の記憶領域に、カード決済の実行にかかる各種の情報を格納している。
各種データベース104は、たとえば、後述する図4Aに示す生体情報データベース110や、後述する図4Bに示す履歴情報データベース120などのデータベースなどによって構成される。
(店舗サーバ101およびカード会社サーバ103のハードウエア構成の一例)
つぎに、店舗サーバ101およびカード会社サーバ103のハードウエア構成の一例について説明する。図2Aは、この発明にかかる実施の形態のコンピュータ・システムを構成する店舗サーバおよびカード会社サーバを実現するコンピュータ装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図2Aにおいて、店舗サーバ101およびカード会社サーバ103を実現するコンピュータ装置は、CPU(Central Processing Unit)211と、メモリ212と、通信IF(Interface)213と、を備えている。コンピュータ装置が備えるCPU211と、メモリ212と、通信IF213は、バス210によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU211は、コンピュータ装置の全体の制御をつかさどる。メモリ212は、CPU211のワークエリアとして使用される。また、メモリ212は、ブートプログラムなどの1プログラムや各種のデータベースを構成するデータなどを記憶している。また、メモリ212は、この発明にかかる実施の形態の決済受付プログラムや各種データベース104など、決済受付処理にかかる各種のプログラムやデータを記憶していてもよい。
メモリ212は、たとえば、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)およびHD(Hard Disc)などの各種メモリ装置(回路)によって実現することができる。
通信IF213は、ネットワーク105に接続され、コンピュータ装置の内部と、互いのサーバや決済受付装置102などの外部装置とのインターフェイスをつかさどる。具体的には、通信IF213は、コンピュータ装置の内部と外部装置との間におけるデータの入出力を制御する。
(決済受付装置102のハードウエア構成の一例)
つぎに、決済受付装置102のハードウエア構成の一例について説明する。図2Bは、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図2Bにおいて、決済受付装置102は、CPU(Central Processing Unit)221と、メモリ222と、出力デバイス223と、入力デバイス224と、通信IF(Interface)225と、を備えている。また。決済受付装置102が備えるCPU221と、メモリ222と、出力デバイス223と、入力デバイス224、通信IF225は、バス220によってそれぞれ接続されている。
CPU221は、決済受付装置102の全体の制御をつかさどる。CPU221は、メモリ222が記憶する各種のプログラムやデータを用いて、決済受付装置102の全体の制御をつかさどる。
メモリ222は、ブートプログラムなどのプログラムや各種のデータベースを構成するデータなどを記憶している。また、メモリ222は、この発明にかかる実施の形態の決済受付プログラムや各種データベース104など、決済受付処理にかかる各種のプログラムやデータを記憶していてもよい。メモリ222は、ハードディスクやフラッシュメモリなどによって実現することができる。
出力デバイス223は、たとえば、主に液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどによって実現することができる。具体的には、たとえば、液晶パネルによって実現されるディスプレイは、透明電極が組み込まれた一対のガラス基板によって液晶材料(液晶分子)を挟み、このガラス基板に偏光フィルタを設けることによって構成されている。
液晶パネルは、電極に電圧を加えて液晶分子の向きを変化させることによって、ガラス基板を透過する光の状態を制御する。また、液晶パネルは、光源として、バックライトを備えている。これにより自らは発光しない液晶分子が表示する画像を照明することができる。
また、出力デバイス223は、レシートなどの記録紙に文字などを印刷するプリンタなどであってもよい。
入力デバイス224は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。入力デバイス224は、たとえば、タッチパネルやキーボードなどによって実現することができる。タッチパネルやキーボードなどによって実現される入力デバイス224は、当該入力デバイス224に対する入力操作に応じた信号をCPU221に対して出力する。
入力デバイス224をタッチパネルによって実現する場合、当該タッチパネルは、ディスプレイの表示面側に積層される。タッチパネルは、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。タッチパネルは、たとえば抵抗膜方式や静電容量方式、音響パルス認識方式、超音波表面弾性波方式、赤外遮光方式、画像認識方式など公知の各種の方式のものを用いることができる。
また、入力デバイス224は、図示を省略するカメラであってもよい。カメラは、CPU221によって制御されて撮像対象を撮像し、画像データを生成したり、バーコードや、たとえばOCR機能などを用いて撮影された文字をデータ化して入力することができる。具体的に、カメラは、利用者が決済受付装置102に対して所定の入力操作をした場合に、決済受付装置102の前にいる利用者を撮像する。カメラによって生成された画像データは、CPU221に出力され、通信IF225を介して店舗サーバ101などへ送信される。
また、入力デバイス224は、図示を省略する、生体情報(たとえば、指紋、血管、網膜、虹彩など(詳細は後述する))を読み取るスキャナやセンサなどの装置であってもよい。
また、入力デバイス224は、図示を省略する、音声などを入力するマイクであってもよい。マイクは、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。マイクを用いることにより、利用者は、決済受付装置102を介して、タッチパネルやキーボードを用いる代わりに、文字などの入力をおこなうことができる。
通信IF225は、決済受付装置102の内部と、決済受付装置102の外部とのインターフェイスをつかさどる。また、通信IF225は、電話回線網に接続され、音声通信に際して用いられてもよい。
(決済受付装置102の機能的構成)
つぎに、決済受付装置102の機能的構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102の機能的構成を示すブロック図である。
図3において、決済受付装置102の機能は、決済受付処理部300と、カード読取部301と、生体決済要求受付部302と、出力部303と、試験処理部304と、生体情報受付部305と、生体情報取得部306と、によって実現することができる。
カード読取部301は、カードからカード情報を読み取る。そして、カード読取部301は、読み取ったカード情報を決済受付処理部300へ送る。この実施の形態においては、図2Bに示した、決済受付装置102を実現するコンピュータ装置が備えるCPU221、入力デバイス224などによって、この発明にかかるカード読取部301の機能を実現することができる。
ここで、カードは、クレジットカードのほか、デビットカード、プリペイドカード、ポイントカードなどの各種カードであってもよい。カードからカード情報を読み取るには、たとえば、カードが備えるICから、当該ICに記憶されているカード情報を読み取り装置を用いて非接触で読み取るようにすればよい。
また、カードが備える磁気ストライプに記憶されているカード情報を磁気リーダを用いて読み取ってもよい。また、カード自体の画像を撮影することによって、カードの表面に印刷などされた英数字あるいは2次元コード(バーコード、QRコード:登録商標)などを読み取ってもよい。
生体決済要求受付部302は、カードの所有者からの生体決済要求の入力を受け付ける。生体決済要求は、カードの所有者において、当該カードによる決済に代えて、所有者の生体情報による決済をしたいとの要求である。そして、生体決済要求受付部302は、入力を受け付けた生体決済要求を決済受付処理部300へ送る。
この実施の形態においては、図2Bに示した、決済受付装置102を実現するコンピュータ装置が備えるCPU221、出力デバイス223、入力デバイス224などによって、この発明にかかる生体決済要求受付部302の機能を実現することができる。
生体情報は、指紋のほか、血管(近赤外光を手のひら、手の甲、指に透過させて得られる静脈パターン)、網膜(目の網膜の毛細血管のパターン)、虹彩(虹彩パターンの濃淡値のヒストグラム)、掌形(手のひらの幅や、指の長さなど)、耳形(耳介などの形状)、音声(声紋など)などである。生体決済は、これらの生体情報の少なくともいずれか一つを用いておこなう。
具体的には、生体決済要求受付部302は、たとえば、生体決済の要求、すなわち、たとえば、カードの所有者のIDを入力し、許可された場合に生体情報を読み取らせるもの(後述する図7のフローチャートにおいて詳細に説明する)であってもよく、またこれらの作業を省略して、生体情報(たとえば、カードの所有者の指紋)を読み取らせるもの(後述する図8のフローチャートにおいて詳細に説明する)であってもよい。
いずれにしても、生体決済要求受付部302は、カードの所有者がカードを用いること、すなわち店員に当該カードを提示・手渡しすることなく、あるいは、店舗の所定の装置に読み取らせることなく、当該カードの代わりに、当該所有者(利用者)の生体情報を用いた決済を要求するものである。
決済受付処理部300は、カード読取部301がカード情報を読み取ったカードにより実行されたカード決済の回数(あるいはカード決済の受付の回数)を記憶し、当該回数が所定回数に達したか否かを判断する。カード決済の回数は、利用状況として、後述する履歴情報データベース120に記憶するようにしてもよい。
また、決済受付処理部300は、生体決済要求受付部302から、生体決済要求が送られた際に、カード決済の回数が所定回数に達している場合には、送られてきた当該生体決済要求にかかる生体情報と、カード情報と関連付けられて、あらかじめ登録されている当該カードの所有者の生体情報とを比較する。
ここで、所定回数とは、たとえば、具体的には、同一店舗やチェーン店において3回あるいは5回など、任意に設定することができる。また、1回の利用の金額に制限を設けてもよい。たとえば、所定回数として、1000円以上のカード決済を3回とすることもできる。また、店舗における特定の商品と結びつけて、特定の商品を購入することを条件としてもよい。このように、所定回数を自由に設定することによって、利用者の店舗への来店の機会を増やし、店舗における販売促進を図ることができる。
そして、決済受付処理部300は、当該比較結果に基づいて、当該生体情報に関連付けられたカード情報を用いる生体決済要求を受け付ける。具体的には、店舗の店員が、利用者からのカードの提示を受け、そのカードを受け取って、カード情報を読み取ることなく(または、店舗の所定の装置が、利用者のカード情報を読み取ることなく)、利用者の生体情報による決済要求を受け付け、当該利用者のカードによる決済を実行する。これにより、生体決済による取引の安全性を確保することができる。
また、その際、決済受付処理部300は、1回の生体決済で可能な決済金額を限定する(たとえば、1000円以下)ことによって、取引の安全性を向上させる(不正取引による被害を少なくする)ことができる。
また、決済受付処理部300は、カード決済の回数が、所定の期間内に所定回数に達した以降に、生体決済要求を受け付けるようにしてもよい。具体的には、たとえば、1ヵ月以内に5回以上の利用があった場合に、生体決済要求を受け付けるようにしてもよい。これにより、利用者の店舗への来店の頻度を増やし、店舗における販売促進を図ることができる。
また、決済受付処理部300は、前回おこなわれた生体決済時から所定期間内に限り、あらたな生体決済要求を受け付けるようにしてもよい。具体的には、たとえば、前回の利用から1ヵ月以内に限り生体決済要求を受け付けるようにすることができる。これによっても、利用者の店舗への来店の頻度を増やし、店舗における販売促進を図ることができる。
この実施の形態においては、図2Bに示した、決済受付装置102を実現するコンピュータ装置が備えるCPU221などによって、この発明にかかる決済受付処理部300の機能を実現することができる。
出力部303は、カード決済がおこなわれる際に、履歴情報に基づいて、生体決済要求の受付の可否に関する情報を出力する。生体決済要求の受付の可否に関する情報とは、利用者からの生体決済の要求を受け付けられるか、受け付けられないかに関する情報であり、具体的には、たとえば、「生体決済ができます。」「生体決済はできません。」、「有効期限が切れているため、できません。」「生体決済は、次回からできます。」、「カード決済をあと何回おこなえばできますよ。」などに関する情報である。
生体決済要求の受付の可否に関する情報の出力は、利用者が確認できるように、たとえば、決済受付装置102の近傍に設けられた所定のディスプレイに表示することによっておこなってもよく、利用者に渡すレシートなどの記録紙に印刷することによっておこなってもよい。また、利用者の携帯端末装置へ送信することによっておこなうようにしてもよい。
この実施の形態においては、図2Bに示した、決済受付装置102を実現するコンピュータ装置が備えるCPU221、出力デバイス223などによって、この発明にかかる出力部303の機能を実現することができる。
試験処理部304は、カードの所有者の生体情報の照合の試験をおこなう。そして、決済受付処理部300は、試験処理部304による試験が完了した後に、生体決済要求を受け付けるようにしてもよい。
この実施の形態においては、図2Bに示した、決済受付装置102を実現するコンピュータ装置が備えるCPU221、入力デバイス224などによって、この発明にかかる試験処理部304の機能を実現することができる。
試験処理部304によって、カードの所有者の生体情報の照合の試験をおこない、試験が完了した後に生体決済要求を受け付けるようにすることによって、生体決済要求を確実に受け付けられるようにすることができる。これにより、取引をより安全におこなうことができ、また、利用者が生体決済要求に失敗し、店舗における商品などの購入ができなくなることをより確実に防止することができる。
生体情報受付部305は、カードの所有者の生体情報の入力を受け付け、入力が受け付けられた生体情報を、カードのカード情報と関連付けて記憶する。生体情報の入力の受付は、カード決済の回数が所定回数に達した際または達した後であってもよい。生体情報受付部305によって、生体情報を登録していない利用者の生体情報の登録を適切な時期におこなうことができる。すなわち、むやみに生体情報の登録をしないようにすることによって、利用者の個人情報の保護を図ることができる。
この実施の形態においては、図2Bに示した、決済受付装置102を実現するコンピュータ装置が備えるCPU221、出力デバイス223、入力デバイス224などによって、この発明にかかる生体情報受付部305の機能を実現することができる。
生体情報取得部306は、たとえば、各種データベース104から、ネットワーク105を介して、カードの所有者の生体情報を取得し、取得された生体情報を、カードのカード情報と関連付けて記憶する。生体情報の取得は、カード決済の回数が所定回数に達した際または達した後であってもよい。生体情報取得部306によって、すでに登録している生体情報を利用することができるので、利用者の生体情報をあらためて登録する手間を省略することができる。
この実施の形態においては、図2Bに示した、決済受付装置102を実現するコンピュータ装置が備えるCPU221、出力デバイス223、入力デバイス224などによって、この発明にかかる生体情報取得部306の機能を実現することができる。
(各種データベースの一例)
つぎに、図1に示した各種データベース104の具体的な内容の一例について説明する。各種データベース104は、たとえば、生体情報データベース110および履歴情報データベース120などのデータベースから構成される。
図4Aは、この発明にかかる実施の形態における生体情報が登録されたデータベース(生体情報データベース110)の一例を示す説明図である。図4Aにおいて、生体情報データベース110は、たとえば、利用者の「利用者ID」と、当該利用者の「カード番号(などのカード情報)」と、当該利用者の「生体情報」と、が関連付けされて記憶されている。
「利用者ID」とは、利用者(カードの所有者)を識別するための識別情報である。「利用者ID」に関する情報は、利用者に個別に設定されたIDに関する情報であり、カード番号などとは異なる情報であることが望ましい。「利用者ID」は、たとえばカード会社ごとにあるいは店舗ごとに設定するようにしてもよい。
「カード番号」とは、利用者のカード番号に関する情報である。「カード番号」には、当該カードのカード番号のほか、当該カードの有効期限や、利用者の氏名などの情報が含まれていてもよい。
「生体情報」とは、利用者の生体情報である。「生体情報」は、あらかじめ利用者から生体情報の登録を受け付けて、受け付けた生体情報を記憶したものであり、具体的には、たとえば、利用者の指紋の画像情報などを所定のファイル形式のデータファイルとして記憶する。
このように、生体情報データベース110は、「カード番号」と「生体情報」とが関連付けされて記憶されている。したがって、生体決済要求の際に受け付けた生体情報と一致する生体情報が検索されれば、検索された「生体情報」から「カード番号」を特定できるようになっている。
図4Bは、この発明にかかる実施の形態における履歴情報が登録されたデータベース(履歴情報データベース120)の一例を示す説明図である。図4Bにおいて、履歴情報データベース120は、たとえば、利用者の「利用者ID」と、当該利用者(カードの所有者)の「カード番号」と、当該利用者の「メールアドレス」と、当該利用者の「自宅住所」と、当該利用者の「勤務先住所」と、当該利用者の「利用状況」と、当該利用者の「生体情報登録状況」と、が記憶されている。
「利用者ID」とは、生体情報データベース110の「利用者ID」と同様に、利用者(カードの所有者)を識別するための識別情報であり、生体情報データベース110の「利用者ID」と同一のIDであってもよく、異なるIDであってもよい。「利用者ID」に関する情報は、利用者に個別に設定されたIDに関する情報であり、カード番号などとは異なる情報であることが望ましい。「利用者ID」は、たとえばカード会社ごとにあるいは店舗ごとに設定するようにしてもよい。
「カード番号」とは、生体情報データベース110の「カード番号」と同様に、利用者のカード番号に関する情報である。「カード番号」には、当該カードのカード番号のほか、当該カードの有効期限や、利用者の氏名などの情報が含まれていてもよい。同一人が複数のカードを所有している場合は、それぞれ別々の情報が記憶される。
利用者の「自宅住所」、「勤務先住所」を記憶することにより、それらの住所に基づいて、生体決済要求を許可する店舗を決定するようにしてもよい。たとえば、利用者の自宅または勤務先の近隣の店舗のみを許可の対象店舗とすることができ、これにより、決済取引の安全性を担保することができる。
「利用状況」とは、利用者(カードの所有者)の当該カード番号にかかるカードの利用の状況に関する情報である。「利用状況」には、利用(カード決済)の日時および決済金額に関する情報が、決済がおこなわれるごとに記憶される。したがって、この「利用状況」をみれば、利用回数がわかる。また、所定期間内に所定回数の利用があったかについてもわかる。
「生体情報登録状況」とは、利用者が生体決済要求をおこなうための登録が完了しているかについて、および、生体決済のための試験(生体情報の照合の試験)が完了しているかについての登録状況に関する情報である。
「生体情報登録状況」において、生体決済要求をおこなうための登録がいまだ完了していない場合は、「登録完了FLG」が『OFF』となっており、生体決済要求をおこなうための登録が完了した場合は、「登録完了FLG」が『ON』となる。
また、「生体情報登録状況」において、生体決済のための試験(生体情報の照合の試験)がいまだ完了していない場合は、「試験完了FLG」が『OFF』となっており、生体決済のための試験が完了した場合は、「試験完了FLG」が『ON』となる。
(決済受付装置102の処理手順)
つぎに、決済受付装置102の処理手順について説明する。図5〜図8は、それぞれ、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5のフローチャートにおいて、まず、決済受付装置102に、利用者からのカード決済の要求があったか否かを判断する(ステップS501)。ここで、カード決済の要求があるのを待って(ステップS501:No)、要求があった場合(ステップS501:Yes)は、決済受付装置102は、当該カードのカード番号およびその他の情報(たとえば、有効期限、カード所有者の氏名など)を取得する(ステップS502)。
そして、取得したカード番号およびその他の情報により、カード決済処理を受け付けられ(ステップS503)、それによって、所定の情報がカード会社サーバ103へ送られ、そこでカード決済処理が実行される。実行されたカード決済処理の結果については、カード会社サーバ103よりフィードバックを受ける。
つぎに、決済受付装置102は、カード決済の回数が所定の回数に達したか否かを判断する(ステップS504)。ここで、カード決済の回数が所定の回数に達していない場合(ステップS504:No)は、ステップS506へ移行する。
一方、ステップS504において、カード決済の回数が所定の回数に達した場合(ステップS504:Yes)は、所定の回数の決済が所定の期間内であったか否かを判断する(ステップS505)。ここで、所定の期間内でない場合(ステップS505:No)は、ステップS506へ移行する。
ステップS506において、所定の期間内におこなわれたカード決済の有効累積回数をカウントする(ステップS506)。したがって、所定期間を経過している累積カウントはリセットし、「1」からカウントし直す。
つぎに、生体決済要求の受付の可否に関する情報を出力する(ステップS507)。この情報は、たとえば、図9に示す内容であってもよい。これにより、一連の処理を終了する。
一方、ステップS505において、所定の回数の決済が所定の期間内であった場合(ステップS505:Yes)は、生体情報登録処理(後述する図6のフローチャートによる処理)を実行し(ステップS508)、これにより、一連の処理を終了する。
図6は、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102の生体情報登録処理(前述の図5のフローチャートのステップS508)の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6のフローチャートにおいて、まず、利用者の生体情報が登録されているか否かを判断する(ステップS601)。この判断は、図示を省略する生体情報登録参照データベースなどのデータベースを参照することによっておこなうことができる。生体情報登録参照データベースは、たとえば、利用者に関する情報と、生体情報の登録状況(各利用者の生体情報が登録されているか、登録されているとすればどこに記憶されているかなど)に関する情報を登録している。
ステップS601において、カード決済をおこなった利用者の生体情報が登録されていない場合(ステップS601:No)は、当該利用者の生体情報の入力受付処理をおこなう(ステップS602)。その後、ステップS605へ移行する。
一方、ステップS601において、カード決済をおこなった利用者の生体情報が登録されている場合(ステップS601:Yes)は、当該生体情報が、自装置(決済受付装置102)または自店舗(店舗サーバ101)内に記憶されているか否かを判断する(ステップS603)。この判断は、上述した、図示を省略する生体情報登録参照データベースなどのデータベースを参照することによっておこなうことができる。
ステップS603において、自装置(または自店舗)内に生体情報が記憶されている場合(ステップS603:Yes)は、何もせずに、ステップS606へ移行する。一方、自装置(または自店舗)内に生体情報が記憶されていない場合(ステップS603:No)は、生体情報が登録されているデータベースから、生体情報を取得する(ステップS604)。
そして、ステップS602において入力受付処理した生体情報、または、ステップS604において取得した生体情報を、自装置(または自店舗)内の所定の記憶領域に記憶する(ステップS605)。
つぎに、生体情報の登録が完了したこと示す登録完了フラグ(FLG)を「ON」に切り替える(ステップS606)。
その後、照合試験を実施する(ステップS607)。照合試験は、実際に、利用者の生体情報の入力を受け付けて、登録された生体情報との照合をおこない、照合の結果一致するか否かを確認するための試験である。照合に失敗した場合は、所定回数だけリトライし、それでも失敗する場合は、図示は省略するが、ステップS602の利用者の生体情報入力受付処理をおこなうようにしてもよい。
そして、照合試験の結果が成功の場合は、照合試験が完了したことを示す試験完了フラグ(FLG)を「ON」に切り替え(ステップS608)、一連の生体情報登録処理を終了する。
なお、照合試験処理(ステップS607およびステップS608)は、省略するようにしてもよい。また、ステップS604に示した生体情報の取得処理をおこなった場合のみ、照合試験処理をおこなってもよく、また、ステップS602に示した生体情報の入力受付処理をおこなった場合のみ、照合試験をおこなってもよい。また、利用者によって、照合試験処理の要否を決めるようにしてもよく、利用者からの要望によって、照合試験処理の要否を決めるようにしてもよい。
つぎに、生体決済の受付処理について説明する。図7および図8は、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置の処理手順の別の一例を示すフローチャートである。
図7のフローチャートにおいて、まず、決済受付装置102に、利用者からの生体決済の要求があったか否かを判断する(ステップS701)。生体決済の要求は、具体的には、当該利用者が、IDや氏名などの入力によっておこなうことができる。利用者が、いきなり当該利用者の生体情報の入力をおこなうのではなく、まず、当該利用者が生体情報による決済ができるかを見極めてから、生体情報の入力を受け付ける。
ステップS701において、生体決済の要求があるのを待って(ステップS701:No)、要求があった場合(ステップS701:Yes)は、決済受付装置102は、当該利用者において、生体情報登録処理が済んでいるか否かを判断する(ステップS702)。
ステップS702において、生体情報登録処理が済んでいない場合(ステップS702:No)は、生体決済要求の受付の可否に関する情報、具体的には、生体情報登録処理が済んでいないので、生体決済することはできない旨の情報を出力する(ステップS703)。この情報は、たとえば、後述する図10に示す内容であってもよい。これにより、一連の処理を終了する。
ステップS702において、生体情報登録処理が済んでいる場合(ステップS702:Yes)は、つぎに、前回の生体決済時から所定期間内であるか否かを判断する(ステップS704)。
ステップS704において、前回の生体決済時から所定期間内でない場合(ステップS704:No)は、生体決済要求の受付の可否に関する情報、具体的には、有効期限が経過しているので、生体決済することはできない旨の情報を出力する(ステップS705)。この情報は、たとえば、後述する図11に示す内容であってもよい。これにより、一連の処理を終了する。
ステップS704において、前回の生体決済時から所定期間内である場合(ステップS704:Yes)は、当該利用者の生体情報の入力を受け付ける(ステップS706)。そして、入力された生体情報と登録されている生体情報とを照合し、両者が一致するか否かを判断する(ステップS707)。
ステップS707における判断の結果、両者の生体情報が一致しない(照合がNGである)場合(ステップS707:No)は、エラー処理をおこない(ステップS708)、一連の処理を終了する。この場合、当該利用者は、生体決済をすることはできない。したがって、図示は省略するが、当該利用者に対して、カードによる決済をしてもらうように通知する。
ステップS707における判断の結果、両者の生体情報が一致する(照合がOKである)場合(ステップS707:Yes)は、カードの提示なしで、当該利用者のカード決済処理を受け付ける(ステップS709)。そして、決済日時を記憶し(ステップS710)、一連の処理を終了する。
図7のフローチャートにおける処理では、まず、利用者からの生体決済要求を受け付けて、生体決済を受け付けられると判断した場合に、当該利用者の生体情報の入力を受け付けるのに対して、図8のフローチャートにおける処理では、いきなり利用者の生体情報の入力を受け付けるようにしている。
図8のフローチャートにおいて、まず、決済受付装置102に、利用者からの生体情報の入力があったか否かを判断する(ステップS801)。ここで、生体情報の入力があるのを待って(ステップS801:No)、入力があった場合(ステップS801:Yes)は、決済受付装置102は、入力された生体情報と登録されている生体情報とを照合し、一致する生体情報があるか否かを判断する(ステップS802)。
ステップS802における判断の結果、一致する生体情報がない(照合がNGである)場合(ステップS802:No)は、エラー処理をおこない(ステップ803)、一連の処理を終了する。この場合、当該利用者は、生体決済をすることはできない。したがって、図示は省略するが、当該利用者に対して、カードによる決済をしてもらうように通知する。
ステップS802における判断の結果、一致する生体情報がある(照合がOKである)場合(ステップS802:Yes)は、当該利用者において、たとえば、図5のフローチャートのステップS508(図6のフローチャート)に示した生体情報登録処理が済んでいるか否かを判断する(ステップS804)。
ステップS804において、生体情報登録処理が済んでいない場合(ステップS804:No)は、生体決済要求の受付の可否に関する情報、具体的には、生体情報登録処理が済んでいないので、生体決済することはできない旨の情報を出力する(ステップS805)。この情報は、たとえば、後述する図10に示す内容であってもよい。これにより、一連の処理を終了する。
ステップS804において、生体情報登録処理が済んでいる場合(ステップS804:Yes)は、つぎに、前回の生体決済時から所定期間内であるか否かを判断する(ステップS806)。
ステップS806において、前回の生体決済時から所定期間内でない場合(ステップS806:No)は、生体決済要求の受付の可否に関する情報、具体的には、有効期限が経過しているので、生体決済することはできない旨の情報を出力する(ステップS807)。この情報は、たとえば、後述する図11に示す内容であってもよい。これにより、一連の処理を終了する。
ステップS806において、前回の生体決済時から所定期間内である場合(ステップS806:Yes)は、カード決済処理を受け付ける(ステップS808)。そして、決済日時を記憶し(ステップS809)、一連の処理を終了する。
(生体決済要求の受付の可否に関する情報の一例)
つぎに、図3に示した出力部303によって出力される生体決済要求の受付の可否に関する情報の一例について説明する。図9〜図11は、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置の生体決済要求の受付の可否に関する情報の一例を示す説明図である。
図9において、レシート900は、決済受付装置102の出力部303が出力(印字)したレシートの一例である。レシート900には、『今回のカード利用が4回目です。5月31日までに、あと1回以上、カードによる決済をしていただきますと、以降「指紋」による決済が可能となります。』と表示(印字)されている。
このレシート900は、たとえば、図5のフローチャートのステップS507の生体決済要求の受付の可否に関する情報の出力処理により、出力されるようにしてもよい。
このように、レシート900の内容が出力されることによって、利用者への生体決済が可能となることの予告をすることができる。また、生体決済が可能となるための条件としてのカード決済の残り利用回数を示すことによって、カード決済の利用の促進、当該店舗における取引の促進を図ることができる。
図10において、レシート1000は、決済受付装置102の出力部303が出力(印字)したレシートの別の一例である。レシート1000には、『お客様は、「指紋」による決済の登録が未だなされておりませんので、「指紋」による決済の登録が未だなされておりませんので、「指紋」による決済はできません。』、『現金かカードによる決済をお願いします。』と表示(印字)されている。このように表示することによって、今回は生体決済ができないことを、できない理由とともに利用者に通知する。
また、レシート1000には、『当店でカード決済を5回以上利用されますと、「指紋」による決済が可能になります。ぜひ、ご利用ください。』と表示されている。このように表示することによって、生体決済か可能となる条件に関する情報を利用者に示している。
このレシート1000は、たとえば、図7のフローチャートのステップS703または図8のフローチャートのステップS805の生体決済要求の受付の可否に関する情報の出力処理により、出力されるようにしてもよい。
このようにレシート1000の内容が出力されることによって、利用者への生体決済をおこなうには登録が必要なことを知らしめることができる。また、生体決済が可能となるための条件を明確に示すことによって、カード決済の利用の促進、当該店舗における取引の促進を図ることができる。
図11において、レシート1100は、決済受付装置102の出力部303が出力(印字)したレシートの別の一例である。レシート1100には、『前回のご利用から有効期限が経過していますので、今回は、「指紋」による決済はできません。』、『現金かカードによる決済をお願いします。』と表示(印字)されている。このように表示することによって、今回は生体決済ができないことを、生体決済ができない理由とともに利用者に通知する。
また、レシート1100には、『「指紋」による決済を希望される場合は、再度の登録が必要です。詳細は店員にお尋ねください。』と表示されている。このように表示することによって、再登録ができることを利用者に示している。
このレシート1100は、たとえば、図7のフローチャートのステップS705または図8のフローチャートのステップS807の生体決済要求の受付の可否に関する情報の出力処理により、出力されるようにしてもよい。
このようにレシート1100の内容が出力されることによって、利用者への生体決済には有効期限があること、有効期限が切れた場合は、再登録が必要なことを知らしめることができる。また、有効期限が切れないようにするためには、頻繁に当該店舗での利用が必要なことにをすことによって、カード決済の利用の促進、当該店舗における取引の促進を図ることができる。
(実施例1)
つぎに、実施例1について説明する。図12は、この発明にかかる実施例1のコンピュータ・システムのシステム構成の一例を示す説明図である。図12において、実施例1のコンピュータ・システムは、店舗サーバ101に、複数の決済受付装置(店舗端末)102A、102B、102Cが接続されている。
そして、店舗サーバ101に、生体情報データベース110と、履歴情報データベース120が接続されている。また、生体情報データベース110と、履歴情報データベース120は、店舗サーバ101内に備えられていてもよい。
このような構成において、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスし、登録を受け付けた利用者の生体情報を、店舗サーバ101を介して、生体情報データベース110へ登録する。また、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスし、店舗サーバ101を介して、生体情報データベース110から利用者の生体情報を取得する。
同様に、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスし、利用者の履歴情報を、店舗サーバ101を介して、生体情報データベース110へ登録する。また、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスし、店舗サーバ101を介して、生体情報データベース110から利用者の履歴情報を取得する。
このように、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cには、生体情報も、履歴情報も記憶していないので、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cが重複して同じデータを有する必要はない。また、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ110を介することなく、直接に生体情報データベース110および履歴情報データベース120にアクセスすることはできない。
したがって、生体情報および履歴情報を、店舗サーバ101が一元管理することによって、データ管理を簡素化できるだけでなく、データ(利用者の個人情報)の漏洩などをより確実に防止でき、データの安全性を確保することができる。
実施例1の構成は、たとえば、複数のレジが設けられたコンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店などで用いるのに適している。
(実施例2)
つぎに、実施例2について説明する。図13は、この発明にかかる実施例2のコンピュータ・システムのシステム構成の一例を示す説明図である。図13において、実施例2のコンピュータ・システムは、店舗サーバ101に、複数の決済受付装置(店舗端末)102A、102B、102Cが接続されている。
そして、各決済受付装置(店舗端末)102A、102B、102Cに、それぞれ、生体情報データベース110A、110B、110Cと、履歴情報データベース120A、120B、120Cが接続されている。また、生体情報データベース110と、履歴情報データベース120は、各決済受付装置(店舗端末)102A、102B、102C内に備えられていてもよい。
そして、生体情報データベース110A、110B、110Cは、図示は省略するが、それぞれ、常に同期しており、決済受付装置(店舗端末)102A、102B、102Cのいずれからでも同じ生体情報を取得することができる。また、履歴情報データベース120A、120B、120Cも、図示は省略するが、それぞれ、常に同期しており、決済受付装置(店舗端末)102A、102B、102Cのいずれからでも同じ履歴情報を取得することができる。
このような構成において、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスすることなく、登録を受け付けた利用者の生体情報を、直接に、生体情報データベース110A〜110Cへ登録する。また、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスすることなく、生体情報データベース110A〜110Cから利用者の生体情報を、直接に、取得する。
同様に、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスすることなく、利用者の履歴情報を、直接に、履歴情報データベース120A〜120Cへ登録する。また、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスすることなく、履歴情報データベース120A〜120Cから利用者の履歴情報を取得する。
このように、生体情報(データベース)も、履歴情報(データベース)も、集中管理せずに、分散管理することによって、ハッキング・改ざんを防ぐことができ、これによって、データの安全性を確保することができる。
実施例2の構成は、たとえば、複数のレジが設けられたコンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店などで用いるのに適している。
(実施例3)
つぎに、実施例3について説明する。図14は、この発明にかかる実施例3のコンピュータ・システムのシステム構成の一例を示す説明図である。図14において、実施例3のコンピュータ・システムは、店舗サーバ101に、複数の決済受付装置(店舗端末)102A、102B、102Cが接続されている。また、店舗サーバ101に、複数のカード会社サーバ103A、103B、103Cが接続されている。
そして、各カード会社サーバ103A、103B、103Cに、それぞれ、生体情報データベース110A、110B、110Cと、履歴情報データベース120A、120B、120Cが接続されている。また、生体情報データベース110と、履歴情報データベース120は、各カード会社サーバ103A、103B、103C内に備えられていてもよい。
店舗サーバ101には、問合先情報データベース130(具体的には、たとえば、後述する図15A〜図15C)が接続されている。また、問合先情報データベース130は、店舗サーバ101内に備えられていてもよい。
このような構成において、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスし、店舗サーバ101に対して、受け付けた生体情報についての問い合わせをおこなう。
生体情報についての問い合わせを受け付けた店舗サーバ101は、当該生体情報と、問合先情報データベース130(たとえば、図15Aに示した問合先情報データベース(その1)130A)に登録されている生体情報と照合し、一致する生体情報があるか否かを確認し、一致する生体情報があった場合は、当該一致する生体情報に対応付けられている問合先に関する情報を取得する。
そして、店舗サーバ101は、取得した問合先に関する情報に基づいて、問合先のカード会社サーバ103(カード会社サーバ103A〜103Cのいずれか)を特定し、当該特定された問合先のカード会社サーバ103に対して、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cから問い合わせがあった生体情報を送信する。
そして、当該特定された問合先のカード会社サーバ103は、当該カード会社サーバ103に接続された生体情報データベース110を用いて、受信した生体情報を照合し、照合の結果、関連つけられている利用者のカード番号を特定し、当該カード番号による決済を実行する。店舗サーバ101は、カード会社サーバ103から決済の結果を受け取り、問い合わせがあった決済受付装置(店舗端末)102に、その結果を渡す。
同様に、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスし、利用者の履歴情報を、店舗サーバ101を介して、当該利用者のカードにかかるカード会社サーバ103(カード会社サーバ103A〜103Cのいずれか)が接続されている履歴情報データベース120へ登録する。
また、各決済受付装置(店舗端末)102A〜102Cは、それぞれ、店舗サーバ101にアクセスし、店舗サーバ101を介して、当該利用者のカードにかかるカード会社サーバ103(カード会社サーバ103A〜103Cのいずれか)が接続されている履歴情報データベース120から利用者の履歴情報を取得する。
その際、店舗サーバ101は、利用者のIDを取得し、問合先情報データベース(たとえば、図15Bに示した問合先情報データベース(その2)130B)に登録されている利用者IDに対応付けられている問合先に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて該当する履歴情報データベース120にアクセスするようにしてもよい。
また、店舗サーバ101は、利用者のカード番号を取得し、問合先情報データベース(たとえば、図15Cに示した問合先情報データベース(その3)130C)に登録されているカード番号に対応付けられている問合先に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて該当する履歴情報データベース120にアクセスするようにしてもよい。
図15A〜図15Cは、この発明にかかる実施例3のコンピュータ・システムを構成する問合先情報データベースの一例を示す説明図である。
図15Aにおいて、問合先情報データベース(その1)130Aは、利用者の生体情報と、問合先である当該利用者のカードにかかるカード会社に関する情報とが関連付けされて登録されている。
利用者の生体情報は、あらかじめ利用者から生体情報の登録を受け付けて、受け付けた生体情報を記憶したものであり、具体的には、たとえば、利用者の指紋の画像情報などをデータファイルとして記憶する。
問合先情報は、たとえば、利用者の生体情報や履歴情報を登録しているカード会社サーバ103に関する情報である。
このように、問合先情報データベース(その1)130Aには、利用者の生体情報と、照合・認証をおこなうカード会社サーバ103に関する情報のみが記憶されているだけなので、この問合先情報データベース(その1)130Aのみからでは、利用者のカード番号を含む個人情報を特定することはできない。
したがって、店舗サーバ101は、問合先情報データベース(その1)130Aを参照しても、利用者個人を特定することができず、これによって、利用者は、安全・安心して生体情報を用いた決済要求をおこなうことが可能となる。
図15Bは、この発明にかかる実施例3のコンピュータ・システムを構成する問合先情報データベースの別の一例(問合先情報データベース(その2)130B)を示す説明図であり、図15Aにかかる問合先情報データベース(その1)130Aとは、そのデータ構成が異なる。
図15Bにおいて、問合先情報データベース(その2)130Bは、利用者IDに関する情報と、問合先である当該利用者のカードにかかるカード会社に関する情報とが関連付けされて登録されている。
利用者IDに関する情報は、利用者に個別に設定されたIDに関する情報であり、利用者のカード番号などとは異なる情報である。
問合先情報は、問合先情報データベース(その1)130Aと同様に、たとえば、利用者の生体情報や履歴情報を登録しているカード会社サーバ103に関する情報である。
このように、問合先情報データベース(その2)130Bには、利用者のIDに関する情報と生体情報と、照合・認証をおこなうカード会社サーバ103に関する情報のみが記憶されているだけなので、この問合先情報データベース(その2)130Bのみからでは、利用者のカード番号を含む個人情報を特定することはできない。
したがって、店舗サーバ101は、問合先情報データベース(その2)130Bを参照しても、利用者のカード番号その他の個人情報を特定することができず、これによって、利用者は、安全に、かつ、安心して生体情報を用いた決済要求をおこなうことが可能となる。
図15Cは、この発明にかかる実施例3のコンピュータ・システムを構成する問合先情報データベースの別の一例(問合先情報データベース(その3)130C)を示す説明図であり、図15Aにかかる問合先情報データベース(その1)130A、問合先情報データベース(その2)130Bとは、そのデータ構成が異なる。
図15Cにおいて、問合先情報データベース(その3)130Cは、利用者のカード番号に関する情報と、問合先である当該利用者のカードにかかるカード会社に関する情報とが関連付けされて登録されている。
利用者のカード番号に関する情報は、カード番号のほか、有効期限、利用者の氏名などが含まれていてもよい。また、カード番号全部でなくてもよく、カード番号の一部のみであってもよい。
問合先情報は、問合先情報データベース(その1)130A、問合先情報データベース(その2)130Bと同様に、たとえば、利用者の生体情報や履歴情報を登録しているカード会社サーバ103に関する情報である。
このように、問合先情報データベース(その3)130Cを用いれば、利用者のカード番号がわかれば、照合・認証をおこなうカード会社サーバ103がわかる。したがって、店舗サーバ101は、利用者の生体情報が記憶されている生体情報データベース110や、利用者の履歴情報が記憶されている履歴情報データベース120へ容易にアクセスすることが可能となる。
店舗サーバ101が参照する問合先情報データベース130は、上述した、問合先情報データベース(その1)130A、問合先情報データベース(その2)130B、問合先情報データベース(その3)130Cのいずれを用いてもよく、また、店舗サーバ101が複数の問合先情報データベース130を備えておいて、それらの中から適宜選択して用いるようにしてもよい。
実施例3では、生体情報(データベース)および履歴情報(データベース)は、各カード会社サーバ103も、決済受付装置102も管理しないので、店舗サーバ101や決済受付装置102が、ハッキング・改ざんを防ぐことができ、これによって、データの安全性を確保することができる。実施例3の構成は、たとえば、小規模の店舗などで用いるのに適している。
(その他の実施例)
生体情報受付部305は、複数回のカード決済の際に、利用者の生体情報(たとえば指紋画像)の一部のみの入力の受付をおこなうようにしてもよい。たとえば、所定回数を3回とした場合に、1回目のカード決済の際に、たとえば1/3の部分のみの指紋画像の入力を受け付け、2回目のカード決済の際に、残りの2/3のうちの1/3の部分のみの指紋画像の入力を受け付け、3回目のカード決済の際に、最後の1/3の部分の指紋画像の入力を受け付け、3回の入力の受付をもって、指紋画像の全部の入力の受付を完了するようにしてもよい。
また、利用者の生体情報について、合計15回の受け付け作業が必要であった場合に、1回目のカード決済の際に、5回だけ受け付け作業をおこなわせ、2回目のカード決済の際に、残りの10回のうち、5回の受け付け作業をおこなわせ、3回目のカード決済の際に、残りの5回の受け付け作業をおこなわせるようにしてもよい。このようにすることで、作業量を分割するようにすることができる。各回数は均等でなくてもよい。たとえば、1回目のカード決済の際に7回の受け付け作業、2回目のカード決済の際に8回の受け付け作業、3回目のカード決済の際に5回の受け付け作業としてもよい。
このようにすることによって、1回あたりの指紋画像の入力の受付処理の時間を短縮させることができ、利用者の便宜を図るとともに、店舗の店員のカード決済の処理の効率化を図ることができる。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102は、カードからカード情報を読み取り、読み取ったカード情報を用いるカード決済要求を受け付ける決済受付装置であって、カードによるカード決済の履歴情報に基づいて、当該カード決済の回数が所定回数に達した以降に、当該カードの所有者の生体情報による当該所有者からの生体決済要求があった場合に、当該決済要求にかかる生体情報と、カード情報と関連付けられた、当該カードの所有者の生体情報とを比較し、当該比較結果に基づいて、当該生体情報に関連付けられたカード情報を用いる生体決済要求を受け付ける決済受付処理部300を備える。
これによって、所定回数以上のカード決済の実績が存在する店舗(利用者が頻繁に利用するいわゆる「なじみの店舗」)のみにおいて、生体情報による決済を許可することができるので、カードを用いることなく生体認証のみでも、より安全な決済をおこなうことができる。したがって、具体的には、たとえば、自宅の近所のコンビニエンスストアへ、財布(カード)も持たずに手ぶらで入店し、生体情報による決済によって商品などを購入することが可能となる。ジョギングや散歩などで、財布を持っていないときでも、気軽に店舗に立ち寄って商品を購入することが可能となり、店舗にとっても、より販売促進を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102は、決済受付処理部300が、カード決済の回数が、「所定の期間内に」所定回数に達した以降に、生体決済要求を受け付ける。また、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102は、決済受付処理部300が、前回おこなわれた前記生体決済時から所定期間内に限り、あらたな前記生体決済要求を受け付ける。
これらによって、利用者の店舗への来店の頻度を増やし、店舗における販売促進を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102は、カード決済がおこなわれる際に、履歴情報に基づいて、生体決済要求の受付の可否に関する情報を出力する出力部303を備える。これによって、利用者に状況に関する情報を正確に伝えることができるとともに、生体決済の利用を宣伝することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102は、カードの所有者の生体情報の照合の試験をおこなう試験処理部304を備え、決済受付処理部300が、試験処理部304による試験が完了した後に、生体決済要求を受け付ける。
これによって、取引をより安全におこなうことができ、また、利用者が生体決済要求に失敗し、店舗における商品などの購入ができなくなることをより確実に防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102は、カード決済の回数が所定回数に達した際または達した後に、カードの所有者の生体情報の入力を受け付け、入力が受け付けられた生体情報を、カードのカード情報と関連付けて記憶する生体情報受付部305を備える。
これによって、生体情報を登録していない利用者の生体情報の登録を適切な時期のおこなうことができる。
また、この発明にかかる実施の形態の決済受付装置102は、カード決済の回数が所定回数に達した際または達した後に、カードの所有者の生体情報を取得し、取得された生体情報を、カードのカード情報と関連付けて記憶する生体情報取得部306を備える。
これによって、すでに登録している生体情報を利用することができるので、利用者の生体情報をあらためて登録する手間を省略することができる。
なお、この実施の形態で説明した決済受付方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。