以下に図面を参照して、この発明にかかる出金制御装置、出金制御方法、および出金制御プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(出金制御システムのシステム構成)
まず、実施の形態にかかる出金制御システム100のシステム構成例について説明する。図1は、実施の形態にかかる出金制御システム100のシステム構成例を示す説明図である。図1において、出金制御システム100は、カード会社サーバ111と、第1国端末121と、第2国端末131と、を有する。
カード会社サーバ111は、たとえば、クレジットカードのカード会社110に設けられるサーバであり、出金制御装置の一例である。カード会社サーバ111は、利用者120が有するクレジットカードのカード情報を管理するパーソナルコンピュータなどの汎用的なコンピュータ装置である。カード会社サーバ111は、CPU(Central Processing Unit)やメモリやインタフェースなどを有する。
また、カード会社サーバ111は、カード情報データベース(DB)112と、利用者識別情報データベース(DB)113と、変更利用者識別情報データベース(DB)114と、渡航情報データベース(DB)115とを有する。各種DB112〜115の記憶内容については、図3A〜図3Dを用いて後述する。
第1国端末121は、たとえば、渡航前の第1国の所定の店舗に設けられるコンピュータ装置である。第1国は、たとえば、利用者120の自国(国籍国)であり、本実施の形態においては日本国とする。所定の店舗は、たとえば、旅行代理店の店舗や、カード会社サーバ111やその他の金融機関の店舗などである。第1国端末121には、たとえば、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット型PCなどの各種PCを用いることが可能である。
ただし、第1国端末121は、所定の店舗に設けられるコンピュータ装置に限らず、利用者120が有するスマートフォン、各種PC、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)とすることも可能であるし、ATM(Automated Teller Machine)とすることも可能である。第1国端末121は、CPUやメモリやインタフェースなどを有する。
第2国端末131は、たとえば、渡航先の第2国の所定の店舗に設けられるコンピュータ装置である。第2国は、たとえば、自国を除いた国である。所定の店舗は、たとえば、旅行代理店の店舗や、金融機関の店舗などである。第2国端末131には、たとえば、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PCなどの各種PCを用いることが可能である。
ただし、第2国端末131は、所定の店舗に設けられるコンピュータ装置に限らず、利用者120が有するスマートフォン、各種PC、携帯電話機、PHSなどとすることも可能であるし、ATMとすることも可能である。第2国端末131は、CPUやメモリやインタフェースなどを有する。
出金制御システム100において、カード会社サーバ111と、第1国端末121と、第2国端末131とは、有線または無線のネットワーク140を介して接続される。ネットワーク140は、たとえば、インターネット、移動体通信網などである。ただし、ネットワーク140は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などであってもよい。
カード会社サーバ111には、この発明にかかる出金制御プログラムがインストールされている。カード会社サーバ111は、第1国端末121や第2国端末131からの各種要求に応じた処理をおこなって、第1国端末121や第2国端末131に対して各種処理結果を出力する。
ここで、本実施の形態にかかる出金制御方法について説明する。以下に示す括弧書きの番号は、図1の括弧書きに示す番号と対応するものとする。図1の(1)に示すように、第1国端末121は、利用者120からの申告や入力に基づいて、カード会社サーバ111に登録する出金情報の入力を受け付ける。出金情報は、利用者識別情報と、現金の入手先に関する情報と、を含む。利用者識別情報は、パスポート122の情報と、パスポート122の情報に対応付けられる認証情報とを含む。
パスポート122の情報は、パスポート122に固有の情報であり、たとえば、パスポート122のパスポート番号である。認証情報は、生体認証やパスワード認証などの各認証における登録情報である。現金の入手先に関する情報は、たとえば、現金の借入先の情報や引出先の情報である。第1国端末121は、受け付けた出金情報をカード会社サーバ111へ送信する。
(2)カード会社サーバ111は、第1国端末121から送信された出金情報を受信すると、利用者識別情報DB113などに、受信した出金情報を利用者120ごとに登録する。
自国において出金情報の登録が完了した後、利用者120が、旅行等により第2国に渡航したとする。利用者120は、たとえば、パスポート122をバックパック132に収納する。パスポート122は、入出国の審査に用いられ、利用者120にとって非常に重要なものである。そのため、パスポート122は、パスポート122によって厳重に管理され、たとえば、バックパック132の底部分に収納され、南京錠が掛けられる。
ここで、利用者120は、第2国において現金が必要になったとする。ところが、第2国において、利用者120は、たとえば、クレジットカードの盗難被害に遭い、クレジットカードを所持していないものとする。また、利用者120は、渡航先において利用可能な銀行口座もないものとする。
(3)そこで、本実施の形態において、第2国端末131は、利用者120からの申告や入力に基づいて、パスポート122の情報と認証情報とを含む提示情報を受け付ける。第2国端末131は、受け付けた提示情報をカード会社サーバ111へ送信する。
(4)カード会社サーバ111は、第2国端末131から提示情報を受信すると、受信した提示情報に含まれるパスポート122の情報および認証情報と、登録した利用者識別情報に含まれるパスポート122の情報および認証情報と、を用いた認証をおこなう。
(5)認証に成功すると、カード会社サーバ111は、あらかじめ登録した現金の入手先から、利用者120が所望する金額の出金を許可する。出金される通貨は、渡航先の通貨とする。認証に失敗すると、カード会社サーバ111は、利用者120が所望する金額の出金を許可しないこととする。
以上のように、カード会社サーバ111は、あらかじめ登録したパスポート122の情報と認証情報とを用いた認証を行って、認証に成功すると、あらかじめ登録した現金の入手先から所望の金額の出金を許可することとした。したがって、カード会社サーバ111によれば、利用者120がクレジットカードを所持していなくても、パスポート122の情報と認証情報とにより所望の金額を出金することができる。
(カード会社サーバ111のハードウエア構成の一例)
つぎに、カード会社サーバ111について、その具体的な構成の一例を説明する。図2Aは、カード会社サーバ111のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2Aにおいて、カード会社サーバ111を実現するコンピュータ装置は、CPU211と、メモリ212と、通信IF(Interface)213と、を備える。コンピュータ装置が備える各部211〜213は、バス210によってそれぞれ接続されている。CPU211は、コンピュータ装置の全体の制御をつかさどる。
メモリ212は、ブートプログラムなどのプログラムや、各種のデータベースのデータなどを記憶する。また、メモリ212は、出金制御プログラムや各種データベースの一部のデータなど、本実施の形態の出金制御方法にかかる各種のプログラムやデータを記憶する。
また、メモリ212は、CPU211のワークエリアとして使用される。メモリ212は、たとえば、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)およびHD(Hard Disc)などによって実現することができる。
通信IF213は、ネットワーク140に接続され、コンピュータ装置の内部と、第1国端末121や第2国端末131などの外部装置とのインタフェースをつかさどる。具体的には、通信IF213は、コンピュータ装置の内部と外部装置との間におけるデータの入出力を制御する。
(第1国端末121および第2国端末131のハードウエア構成の一例)
つぎに、第1国端末121および第2国端末131のハードウエア構成の一例を説明する。図2Bは、第1国端末121および第2国端末131のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。なお、第1国端末121および第2国端末131は、いずれも同様の構成であるため、以下においては、第1国端末121について説明することとし、第2国端末131についての説明を省略することとする。
図2Bにおいて、第1国端末121は、CPU221と、メモリ222と、出力デバイス223と、入力デバイス224と、通信IF225と、を備える。また、第1国端末121が備える各部221〜225は、バス220によってそれぞれ接続されている。
CPU221は、第1国端末121の全体の制御をつかさどる。CPU221は、メモリ222が記憶する各種のプログラムやデータを用いて、第1国端末121の全体の制御をつかさどる。メモリ222は、ハードディスクやフラッシュメモリなどによって実現することができる。
出力デバイス223は、たとえば、ディスプレイ、スピーカ、音声出力端子などを含む。ディスプレイは、操作内容や、ユーザに対する案内情報などを表示する。ディスプレイは、出金制御サービスにかかる各種の操作画面を表示する。ディスプレイは、たとえば、主に液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどによって実現することができる。
また、スピーカは、音声、アラーム音などを出力する。音声出力端子は、ヘッドフォーンなどを接続する端子であり、スピーカと同様に、音声、アラーム音などを接続されたヘッドフォーンなどに出力する。
入力デバイス224は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。入力デバイス224は、たとえば、タッチパネルやキーボードなどによって実現することができる。タッチパネルやキーボードなどによって実現される入力デバイス224は、当該入力デバイス224に対する入力操作に応じた信号をCPU221に対して出力する。
入力デバイス224をタッチパネルによって実現する場合、当該タッチパネルは、ディスプレイの表示面側に積層される。タッチパネルは、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。タッチパネルは、たとえば抵抗膜方式や静電容量方式、音響パルス認識方式、超音波表面弾性波方式、赤外遮光方式、画像認識方式など公知の各種の方式のものを用いることができる。
また、入力デバイス224は、カメラを含む。カメラは、静止画や動画を撮像する。具体的には、たとえば、カメラは、CPU221によって制御されて撮像対象を撮像し、画像データを生成したり、バーコードやQRコード(登録商標)といった二次元コードを撮影して入力したり、OCR(Optical Character Reader)機能を用いて撮影した文字をデータ化して入力することができる。
また、入力デバイス224は、マイクを含む。マイクは、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。マイクを用いることにより、ユーザは、第1国端末121を介して、タッチパネルやキーボードを用いる代わりに、文字などの入力をおこなうことができる。
通信IF225は、第1国端末121の内部と、カード会社サーバ111や第2国端末131などの外部装置とのインタフェースをつかさどる。また、通信IF225は、電話回線網に接続され、音声通信に際して用いられることとしてもよい。
(各種DB112〜115の記憶内容)
つぎに、図3A〜図3Dを用いて、図1に示したカード会社サーバ111が有する各種データベース(DB)112〜115の記憶内容について説明する。各種DB112〜115は、たとえば、メモリなどの記憶部により実現される。
図3Aは、カード情報データベース(DB)112の記憶内容の一例を示す説明図である。図3Aにおいて、カード情報DB112は、ユーザID(Identification)、氏名、住所、カード番号、カード限度額、キャッシング限度額、有効期限、および有効/無効のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、カード情報(たとえば、カード情報300−1〜300−3)のレコードが記憶される。
ユーザIDは、利用者120ごとに付される識別情報を示す。氏名は、クレジットカードの名義人の氏名を示し、具体的には、利用者120の氏名を示す。住所は、カード名義人の住所を示す。カード番号は、クレジットカードの識別番号である。カード限度額は、利用者120が月々にクレジットカードによって商品を購入することのできる、上限の金額を示す。
キャッシング限度額は、利用者120がカード会社から借り入れることのできる上限の金額を示す。有効期限は、クレジットカードが利用できる期限を示す。有効/無効は、クレジットカードが利用可能な状態であるか否かを示し、紛失等の届け出があった場合や、有効期限の経過により、無効となる。
たとえば、カード情報300−1は、ユーザID「U001」、氏名「総研総太郎」、住所「東京都…」、カード番号「1234…」、カード限度額「50万円」、キャッシング限度額「100万円」、有効期限「2021年9月」、有効/無効「有効」を示す。また、カード情報300−1以外のカード情報300−2,300−3についても、同様に、カード情報DB112に記憶される。
なお、カード情報DB112において、利用者120の電話番号、メールアドレス、利用履歴などの各フィールドを有し、各フィールドに対応する情報が設定されることとしてもよい。
図3Bは、利用者識別情報データベース(DB)113の記憶内容の一例を示す説明図である。図3Bにおいて、利用者識別情報DB113は、ユーザID、パスポートの情報、認証情報、および有効/無効のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、利用者識別情報(たとえば、利用者識別情報310−1〜310−3)のレコードが記憶される。
ユーザIDは、利用者120ごとに付される識別情報を示し、カード情報DB112(図3A参照)に記憶されるユーザIDと同一である。そのため、利用者識別情報310は、カード情報DB112のカード情報300に対応する。パスポートの情報は、たとえば、パスポートごとに付される識別番号を示す。認証情報は、生体認証やパスワード認証などの情報である。また、有効/無効は、対応するパスポートの情報が有効であるか否かを示す。
たとえば、利用者識別情報310−1は、ユーザID「U001」、パスポートの情報「XS0123456」、認証情報「データ○○」、有効/無効「有効」を示す。また、利用者識別情報310−1以外の利用者識別情報310−2,310−3についても、同様に、利用者識別情報DB113に記憶される。
図3Cは、変更利用者識別情報データベース(DB)114の記憶内容の一例を示す説明図である。図3Cにおいて、変更利用者識別情報DB114は、ユーザID、渡航書の情報、および認証情報のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、変更利用者識別情報(たとえば、変更利用者識別情報320−1〜320−3)のレコードが記憶される。
ユーザIDは、利用者120ごとに付される識別情報を示し、カード情報DB112(図3A参照)や利用者識別情報DB113(図3B)に記憶されるユーザIDと同一である。そのため、変更利用者識別情報320は、カード情報DB112のカード情報300や、利用者識別情報DB113の利用者識別情報310に対応する。
渡航書は、渡航先の所定の機関によって発行され、パスポートの代わりとなる証明書である。渡航書の情報は、渡航書ごとに付される識別番号を示し、パスポートの情報に対応付けられる番号である。変更利用者識別情報DB114に渡航書の情報が登録されると、利用者識別情報DB113(図3B参照)の対応する利用者識別情報310(パスポートの情報)の「有効/無効」のフィールドは、無効に設定される。
たとえば、変更利用者識別情報320−1は、ユーザID「U001」、渡航書の情報「TD2345678」、認証情報「データ○○」を示す。変更利用者識別情報DB114において、変更利用者識別情報320−1が登録されると、利用者識別情報DB113(図3B参照)の利用者識別情報310−1の「有効/無効」のフィールドは、無効に設定される。パスポートの情報が渡航書の情報に書き換えられた変更利用者識別情報320−1以外の変更利用者識別情報320−2,320−3についても、同様に、変更利用者識別情報DB114に記憶される。
図3Dは、渡航情報データベース(DB)115の記憶内容の一例を示す説明図である。図3Dにおいて、渡航情報DB115は、ユーザID、渡航先、滞在期間、上限金額、入国有無、出国有無、および出金可否のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、渡航情報(たとえば、渡航情報330−1〜330−3)のレコードが記憶される。
ユーザIDは、利用者120ごとに付される識別情報を示し、カード情報DB112(図3A参照)や利用者識別情報DB113(図3B)や変更利用者識別情報DB114(図3C)に記憶されるユーザIDと同一である。そのため、渡航情報330は、カード情報DB112のカード情報300や、利用者識別情報DB113の利用者識別情報310や、変更利用者識別情報DB114の変更利用者識別情報320に対応する。
渡航先は、利用者120が渡航する行き先を示す。滞在期間は、渡航先での滞在期間を示す。上限金額は、渡航先において出金可能な上限額を示す。入国有無は、渡航先に入国したか否かを示す。出国有無は、渡航先から出国したか否かを示す。出金可否は、出金が可能な状態であるか否かを示す。
たとえば、渡航情報330−1は、ユーザID「U001」、渡航先「韓国」、滞在期間「2017年8月10〜11日」、上限期間「¥10万」、入国有無「あり」、出国有無「あり」、出金可否「不可」を示す。入国有無「あり」、および出国有無「あり」は、韓国に入国して出国した旨(滞在していない旨)を示していることから、出金可否が「不可」となる。
また、たとえば、渡航情報330−2は、ユーザID「U001」、渡航先「ドバイ」、滞在期間「2017年8月11〜14日」、上限期間「¥30万」、入国有無「あり」、出国有無「なし」、出金可否「可」を示す。入国有無「あり」、および出国有無「なし」は、ドバイに入国して出国していない旨(滞在している旨)を示していることから、出金可否が「可」となる。
たとえば、渡航情報330−3は、ユーザID「U001」、渡航先「ヨルダン」、滞在期間「2017年8月14〜16日」、上限期間「¥10万」、入国有無「なし」、出国有無「なし」、出金可否「不可」を示す。入国有無「なし」、および出国有無「なし」は、ヨルダンに未だ入国していない旨(滞在していない旨)を示していることから、出金可否が「不可」となる。
(カード会社サーバ111の機能的構成)
図4は、カード会社サーバ111の機能的構成を示す説明図である。図4において、カード会社サーバ111は、登録部401と、第1取得部402と、許可部403と、第2取得部404と、を備える。各部401〜404は、たとえば、カード会社サーバ111のメモリ212(図2A参照)に記憶されたプログラムをCPU211に実行させることにより、その機能を実現する。
登録部401は、あらかじめ利用者120ごとに、出金情報を登録する。出金情報は、利用者識別情報および現金の入手先に関する情報を含む。利用者識別情報は、パスポートの情報と、当該パスポートの情報に対応付けられる認証情報とを含む。パスポートの情報は、パスポートごとに固有の情報であり、たとえば、パスポート番号である。ただし、パスポートの情報は、パスポート番号のみではなく、セキュリティ上の観点からすると、パスポートに内蔵されるIC(Integrated Circuit)チップに記憶される情報(たとえば、顔の画像情報)などを含むことが望ましい。
認証情報は、生体認証やパスワード認証などの情報である。生体認証は、顔認証や、指紋認証や、血管認証や、網膜認証や、掌形認証などである。パスワード認証は、所定の文字列の一致判定をおこなうことによる認証である。また、現金の入手先に関する情報は、たとえば、現金の借入先の情報や引出先の情報であり、具体的には、カード会社110や銀行などの金融機関の情報である。
登録部401は、所定の端末装置を介して取得した出金情報を登録する。所定の端末装置は、渡航前の第1国における所定の店舗に設けられるPCであり、たとえば、第1国端末121である。
第1取得部402は、利用者120から提示される提示情報を取得する。提示情報は、パスポートの情報と認証情報とを含む。第1取得部402は、所定の端末装置を介して、提示情報を取得する。所定の端末装置は、渡航先の第2国における所定の店舗に設けられるPCであり、たとえば、第2国端末131である。
許可部403は、第1取得部402によって取得された提示情報と、登録部401に登録された利用者識別情報と、を用いた認証をおこなう。具体的には、許可部403は、提示情報に含まれるパスポートの情報とこれに対応する認証情報とが、あらかじめ登録部401に登録された、パスポートの情報とこれに対応する認証情報とに一致するか否かの認証をおこなう。
許可部403は、認証結果に応じて、登録部401に登録された現金の入手先から、利用者120が所望する金額の出金を許可する。許可部403は、認証に成功すると、たとえば、クレジットカードのキャッシングの範囲内や、利用者120の銀行口座に預けている金額の範囲内で、所望の金額の出金を許可する。銀行は、利用者120が渡航先において利用できる銀行である。出金する通貨は、提示情報が提示された国の通貨である。
許可部403による出金を許可する際に、第2国端末131が設けられる所定の店舗において店舗スタッフが目視等によりパスポートが本物であるか否かの確認を要することとしてもよい。具体的には、カード会社サーバ111が店舗スタッフからの確認を受け付けるようにし、許可部403は、認証に成功した場合でも、確認を受け付けた場合に出金を許可することとしてもよい。
また、本実施の形態において、現金の入手先に関する情報は、所定のカードに対応する入手先に関する情報を含む。所定のカードは、たとえば、カード会社110のクレジットカードや、銀行のキャッシュカードである。所定のカードに対応する入手先に関する情報は、たとえば、クレジットカードに対応するカード会社110からのキャッシングの情報や、キャッシュカードに対応する銀行口座の預金の情報である。
第1取得部402は、利用者120が有する所定のカードのカード情報を取得する。カード情報は、クレジットカードのカード番号や、キャッシュカードのカード番号である。許可部403は、上述した認証結果に応じて、または、第1取得部402によって取得されたカード情報に応じて、所望の金額の出金を許可する。
これにより、利用者120は、所定のカードを用いて現金を入手することもできるし、パスポートの情報および認証情報を用いて現金を入手することもできる。
また、本実施の形態において、許可部403は、所定のカードの利用が可能な状態である場合に、認証結果に応じた出金を許可しないこととする。一方で、許可部403は、所定のカードの利用が不可能な状態である場合に、認証結果に応じた出金を許可する。
所定のカードの利用が可能な状態とは、クレジットカードのキャッシングが利用可能な状態や、キャッシュカードによる現金の引き出しが可能な状態であり、たとえば、平常時である。所定のカードの利用が可能な状態は、具体的には、カード情報DB112(図3A)において「有効」と設定された状態である。
一方で、所定のカードの利用が不可能な状態である場合とは、所定のカードが盗難されたり、破損したりした場合であり、たとえば、異常時や緊急時である。所定のカードの利用が不可能な状態である場合は、具体的には、カード情報DB112(図3A)において「無効」と設定された状態である。たとえば、カード会社サーバ111は、利用者120から所定のカードを紛失した旨の通知を受けた場合に、所定のカードの利用が可能を不可能(無効)とし、認証結果に応じた出金を不可能とする。
第2取得部404は、渡航先の所定の機関によって発行され、パスポートの代わりとなる渡航書の情報を取得する。所定の機関は、たとえば、大使館、領事館、入国管理局などの機関である。渡航書は、パスポートの紛失時などに発行され、パスポートの代わりとなる証明書である。渡航書の情報は、紛失したパスポートの情報に対応付けられた情報である。渡航書の情報は、渡航書ごとに固有の情報であり、たとえば、渡航書番号である。第2取得部404は、所定の端末装置(たとえば第2国端末131)を介して、提示情報を取得する。
登録部401は、あらかじめ登録したパスポートの情報のうち、第2取得部404によって取得された渡航書の情報に対応するパスポートの情報を、渡航書の情報に書き換えて利用者識別情報を登録する。登録部401は、渡航書の情報を登録すると、パスポートの情報については無効とし、具体的には、利用者識別情報DB113(図3B参照)の利用者識別情報310が「無効」に設定される。
第1取得部402は、利用者120から提示される渡航書の情報と、認証情報とを含む提示情報を取得する。許可部403は、提示情報に含まれる渡航書の情報および認証情報と、利用者識別情報に含まれる渡航書の情報および認証情報とを用いた認証をおこなう。具体的には、許可部403は、提示情報に含まれる渡航書の情報とこれに対応する認証情報とが、登録部401に登録された、渡航書の情報とこれに対応する認証情報とに一致するか否かの認証をおこなう。
ここで、許可部403は、第1国(自国:日本国)においても、認証結果に応じた出金を許可することが可能であるが、第2国(渡航先:外国)において、認証結果に応じた出金を許可することが可能である。これについて、具体的に説明する。
登録部401は、利用者120が指定した渡航先を示す情報を登録する。渡航先を示す情報は、たとえば、渡航先の都市や国名を示す情報である。登録部401は、たとえば、渡航先(第2国)に渡航する前の国(第1国)で、出金情報を登録可能とする。ここで、第1国は、自国ではない国とすることも可能である。具体的には、たとえば、登録部401は、日本人が韓国からドバイに渡航する場合に、韓国において、ドバイにおける出金情報を登録可能とする。
第1取得部402は、利用者120の所在地を示す情報を取得する。利用者120の所在地を示す情報は、利用者120によって提示情報が提示された場所である。また、提示情報が提示された場所は、たとえば、第2国端末131が設けられる場所(国)である。また、利用者120の所在地を示す情報は、たとえば、渡航先に入国した旨の情報としてもよい。
渡航先に入国した旨の情報は、たとえば、入国審査において入国が認められた場合に入国管理局の端末装置から取得されるものとしてもよい。なお、第2国端末131を利用者120が有するスマートフォンとした場合には、利用者120の所在地を示す情報は、スマートフォンの位置情報としてもよい。
許可部403は、利用者120の所在地が、登録された渡航先に該当する場合に、利用者120の所在地において認証結果に応じた出金を許可する。言い換えれば、許可部403は、利用者120の所在地が、登録された渡航先に該当しない場合(たとえば、登録されていない渡航先の場合)に、利用者120の所在地において認証結果に応じた出金を許可しないこととする。
また、本実施の形態において、登録部401は、渡航先ごとの上限の金額を示す情報を登録する。渡航先ごとの上限の金額とは、渡航先ごとに出金可能な上限の金額である。
第1取得部402は、出金額を示す情報を取得する。許可部403は、所望の出金額が渡航先ごとの上限の金額の範囲内である場合に、認証結果に応じた出金を許可する。たとえば、許可部403は、所望の出金額が渡航先ごとの上限の金額の範囲を超える場合には、出金を許可しないこととする。
また、本実施の形態において、登録部401は、渡航先の滞在期間を示す情報を登録する。また、登録部401は、提示情報が提示された日時を示す情報を取得する。提示情報が提示された日時は、具体的には、利用者120が所在地にいる日時である。
許可部403は、提示情報が提示された日時が滞在期間に該当する場合に、認証結果に応じた出金を許可する。言い換えれば、許可部403は、提示情報が提示された日時が、登録された滞在期間に該当しない場合(たとえば、滞在期間の開始前や滞在期間の経過後)に、渡航先において認証結果に応じた出金を許可しないこととする。
また、許可部403は、たとえば、利用者120の所在地が自国(第1国)の場合には、自国においては常時、認証結果に応じた出金を許可することとしてもよい。また、許可部403は、利用者120の所在地が自国の場合であっても、登録された渡航先(第2国)の滞在期間に該当する場合には、自国において認証結果に応じた出金を許可しないこととしてもよい。また、許可部403は、第1取得部402によって渡航先(第2国)に入国した旨の情報が取得された場合に、自国において認証結果に応じた出金を許可しないこととしてもよい。
また、本実施の形態において、第1取得部402は、渡航先から利用者120が出国した旨の出国情報を取得する。出国情報は、利用者120の申告に基づいて第2国端末131によって取得される。ただし、出国情報は、たとえば、入国審査において出国が認められた場合に入国管理局の端末装置によって取得されるものとしてもよい。
また、たとえば、利用者120が有するスマートフォンにより、出国が認められた旨の情報を読取機能等により取得できる場合には、出国情報は、当該スマートフォンによって取得されるものとしてもよい。また、出国情報は、利用者120が有するスマートフォンの位置情報に基づいて当該スマートフォンによって取得されるものとしてもよい。
許可部403は、第1取得部402によって出国情報が取得された場合、渡航先において認証結果に応じた出金を許可しないこととする。具体的には、許可部403は、登録部401に登録された情報にかかわらず、出金を許可しないこととしてもよいし、第1取得部402によって取得された出国情報に応じて登録部401に登録される渡航先の滞在期間を示す情報が変更されることにより、出金を許可しないこととしてもよい。
(第1国端末121および第2国端末131の表示画面の一例)
つぎに、図5A〜図6Cを用いて、第1国端末121および第2国端末131の表示画面の一例について説明する。図5Aは、第1国端末121に表示される出金情報受付画面の一例を示す説明図である。図5Aの出金情報受付画面500は、パスポート欄501と、認証選択欄502と、渡航先欄503と、登録ボタン504と、を示す。
パスポート欄501には、パスポートの情報が入力される。認証選択欄502は、表示した複数の認証方法の中から一または複数の認証方法の選択を受け付ける。認証方法が選択されると、不図示であるが、認証に用いられる顔画像の情報やパスワードなどの登録がおこなわれる。
渡航先欄503には、渡航先ごとに行き先の国名と、滞在期間と、上限金額とが入力される。登録ボタン504は、出金情報受付画面500の各欄501〜503の内容で登録することを示す確認用のボタンである。登録ボタン504が選択されると、各欄501〜503の内容がカード会社サーバ111に送信されて、カード会社サーバ111において各欄501〜503の内容が出金情報として登録される。
図5Bは、第2国端末131に表示される利用者識別情報変更画面の一例を示す説明図である。図5Bの利用者識別情報変更画面510は、パスポート欄511と、渡航書欄512と、認証選択欄513と、変更ボタン514と、を示す。
パスポート欄511には、パスポートの情報が入力される。渡航書欄512には、渡航書の情報が入力される。認証選択欄513は、複数の認証方法の中から一または複数の認証方法の選択を受け付けるとともに、選択された認証方法により認証をおこなうための認証情報の入力を受け付ける。変更ボタン514は、利用者識別情報変更画面510のパスポート欄511のパスポートの情報に代えて、渡航書欄512の渡航書の情報に変更することを示す確認用のボタンである。
変更ボタン514が選択され、認証に成功すると、各欄511〜513の内容がカード会社サーバ111に送信される。この送信を受けて、カード会社サーバ111は、パスポートの情報に代えて、渡航書の情報を認証情報に対応付けて登録する。
図6Aは、第2国端末131に表示される提示情報入力画面の一例を示す説明図である。図6Aの提示情報入力画面600は、パスポート欄601、認証選択欄602と、金額欄603と、出金ボタン604と、を示す。
パスポート欄601には、パスポートの情報が入力される。なお、パスポートの情報に代えて渡航書の情報が認証情報に対応付けられて登録されている場合には、パスポート欄601または不図示の渡航書欄を設けて、渡航書の情報の入力を受け付けることとすればよい。
認証選択欄602は、表示した複数の認証方法の中から一または複数の認証方法の選択を受け付けるとともに、選択された認証方法により認証をおこなうための認証情報の入力を受け付ける。金額欄603は、利用者120が所望する出金額の入力を受け付ける。出金ボタン604は、提示情報入力画面600の各欄601〜603の内容で出金の要求をおこなうことを示す確認用のボタンである。
出金ボタン604が選択されると、各欄601〜603の内容がカード会社サーバ111に送信される。なお、この送信時には、利用者120の所在地を示す情報として、第2国端末131が設置されている国の情報(図示では「ドバイ」を示す情報)や、提示情報が提示された日時の情報としての送信時刻の情報も送信される。
この送信を受けて、カード会社サーバ111は、パスポートの情報および認証情報を用いた認証をおこなうとともに、金額欄603に入力された金額の出金が可能であるか否を判定する。この判定の結果、出金が可能であれば、図6Bに示す出金可能画面610に遷移し、出金が不可能であれば、図6Cに示す出金エラー画面620に遷移する。
図6Bは、第2国端末131に表示される出金可能画面の一例を示す説明図である。図6Bの出金可能画面610は、出金を許可する旨の通知を示す。具体的には、出金可能画面610は、利用者120が所望する額の出金が許可された旨を示す。これにより、利用者120は、カード会社110等の所定の入手先から、キャッシング等により所望の額の現金を入手することができる。
利用者120は、第2国端末131が設けられる所定の店舗の窓口から現金を入手することができる。ただし、第2国端末131をATMとした場合には、ATMの現金払出口から、現金を入手することができる。
図6Cは、第2国端末131に表示される出金エラー画面の一例を示す説明図である。図6Cの出金エラー画面620は、出金不可通知621と、コード説明欄622とを示す。出金不可通知621は、出金が認められない旨の通知を示す。また、出金不可通知621は、出金が認められない理由であるエラーコードを示す。
コード説明欄622は、エラーコードの説明を示す。たとえば、エラーコード「E1」は、認証のエラーを示し、たとえば、パスポートの情報および認証情報を用いた認証に失敗したことを示す。また、エラーコード「E2」は、滞在先のエラーを示し、たとえば、渡航先が登録されていない場合や渡航期間が一致しないことを示す。
また、エラーコード「E3」は、上限金額のエラーを示し、たとえば、利用者120が所望する金額が、登録されている上限金額を超えていることを示す。このような通知により、利用者120は、該当するエラーの箇所について、再度入力することにより、現金を入手することが可能である。
(第1国端末121がおこなう出金情報受付処理手順の一例)
つぎに、図7を用いて、第1国端末121がおこなう処理手順の一例について説明する。図7は、第1国端末121がおこなう出金情報受付処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7において、第1国端末121は、出金情報の登録開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS701)。第1国端末121は、出金情報の登録開始を受け付けるまで待つ(ステップS701:No)。第1国端末121は、出金情報の登録開始を受け付けると(ステップS701:Yes)、パスポートの情報を受け付ける(ステップS702)。
第1国端末121は、たとえば、図5Aのパスポート欄501からパスポートの情報を受け付ける。そして、第1国端末121は、出金時におこなう認証方法および認証情報を受け付ける(ステップS703)。第1国端末121は、たとえば、図5Aの認証選択欄502から認証方法および認証情報を受け付ける。
つぎに、第1国端末121は、渡航先の国名や滞在期間などの渡航先の情報を受け付ける(ステップS704)。そして、第1国端末121は、渡航先ごとに出金可能な上限の金額を受け付ける(ステップS705)。第1国端末121は、たとえば、図5Aの渡航先欄503から渡航先の情報および上限の金額を受け付ける。
そして、第1国端末121は、受付が完了したか否かを判断する(ステップS706)。受付が完了したか否かは、たとえば、図5Aの登録ボタン504が選択されたか否かに相当する。第1国端末121は、受付完了ではない場合(ステップS706:No)、ステップS702に戻り、各種情報を受け付ける。第1国端末121は、受付完了である場合(ステップS706:Yes)、受け付けた情報をカード会社サーバ111へ送信し(ステップS707)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
上述した処理により、第1国端末121は、利用者120が渡航する前の第1国において、渡航先(第2国)において出金するための出金情報を利用者120から受け付けることができるとともに、受け付けた出金情報をカード会社サーバ111に登録させることができる。
(カード会社サーバ111がおこなう登録処理手順の一例)
つぎに、図8を用いて、カード会社サーバ111がおこなう処理手順の一例について説明する。図8は、カード会社サーバ111がおこなう登録処理手順の一例を示すフローチャートである。図8において、カード会社サーバ111は、第1国端末121または第2国端末131から登録に関する情報を受信したか否かを判断する(ステップS801)。登録に関する情報とは、渡航前における登録用の各種情報や、渡航後における渡航書への変更を受け付ける情報や、出国した旨を示す出国情報である。
カード会社サーバ111は、登録に関する情報を受信するまで待機する(ステップS801:No)。カード会社サーバ111は、登録に関する情報を受信すると(ステップS801:Yes)、受信した登録に関する情報が渡航前の出金情報(図7において受け付けた各種情報)であるか否かを判断する(ステップS802)。
カード会社サーバ111は、受信した登録に関する情報が渡航前の出金情報である場合(ステップS802:Yes)、利用者識別情報DB113(図3B参照)や渡航情報DB115(図3D参照)に、受信した出金情報を登録する(ステップS803)。カード会社サーバ111は、受信した登録に関する情報が渡航前の出金情報ではない場合(ステップS802:No)、受信した登録に関する情報が、パスポートの情報を渡航書の情報へ変更する変更情報であるか否かを判断する(ステップS804)。
カード会社サーバ111は、受信した登録に関する情報が渡航書の情報へ変更する変更情報である場合(ステップS804:Yes)、変更利用者識別情報DB114(図3C参照)に示すように、パスポートの情報に代えて渡航書の情報を登録する(ステップS805)。
カード会社サーバ111は、受信した登録に関する情報が渡航書の情報へ変更する変更情報ではない場合(ステップS804:No)、すなわち、受信した登録に関する情報が出国した旨を示す出国情報である場合、渡航情報DB115(図3D参照)の出金可否フィールドの出金を「不可」に設定し(ステップS806)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
上述した処理により、カード会社サーバ111は、各種DB113〜115(図3B〜3D参照)に、各種情報の登録および変更をおこなうことができる。
(第2国端末131がおこなう出金手続受付理手順の一例)
つぎに、図9を用いて、第2国端末131がおこなう処理手順の一例について説明する。図9は、第2国端末131がおこなう出金手続処理手順の一例を示すフローチャートである。図9において、第2国端末131は、出金手続の開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS901)。第2国端末131は、出金手続の開始を受け付けるまで待つ(ステップS901:No)。第2国端末131は、出金手続の開始を受け付けると(ステップS901:Yes)、パスポートの情報を受け付ける(ステップS902)。
第2国端末131は、たとえば、図6Aのパスポート欄601からパスポートの情報を受け付ける。そして、第2国端末131は、認証方法および認証情報を受け付ける(ステップS903)。第2国端末131は、たとえば、図6Aの認証選択欄602からパスポートの情報を受け付ける。
つぎに、第2国端末131は、所在地の情報(第2国端末131が設けられる国の情報)を取得する(ステップS904)。そして、第2国端末131は、所望の出金額を受け付ける(ステップS905)。第2国端末131は、たとえば、図6Aの金額欄603から出金額を受け付ける。
そして、第2国端末131は、受付が完了したか否かを判断する(ステップS906)。受付が完了したか否かは、たとえば、図6Aの出金ボタン604が選択されたか否かに相当する。第2国端末131は、受付完了ではない場合(ステップS906:No)、ステップS902に戻り、各種情報を受け付ける。第2国端末131は、受付完了である場合(ステップS906:Yes)、受け付けた出金手続に関する情報をカード会社サーバ111へ送信し(ステップS907)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
上述した処理により、第2国端末131は、渡航先(第2国)において出金手続に関する情報を受け付けることができるとともに、受け付けた出金手続に関する情報をカード会社サーバ111に送信することができる。
(カード会社サーバ111がおこなう出金判定処理手順の一例)
図10は、カード会社サーバ111がおこなう出金判定処理手順の一例を示すフローチャートである。図10において、カード会社サーバ111は、第2国端末131から出金手続に関する情報(図9において受け付けた情報)を受信したか否かを判断する(ステップS1001)。
カード会社サーバ111は、出金に関する情報を受信するまで待機する(ステップS1001:No)。カード会社サーバ111は、出金に関する情報を受信すると(ステップS1001:Yes)、利用者識別情報DB113(図3B参照)に登録されているパスポートの情報および認証情報を参照する(ステップS1002)。
そして、カード会社サーバ111は、出金に関する情報に含まれるパスポートの情報および認証情報を用いて、認証に成功したか否かを判断する(ステップS1003)。カード会社サーバ111は、認証に失敗した場合(ステップS1003:No)、エラーメッセージを送信して(ステップS1004)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
カード会社サーバ111は、認証に成功した場合(ステップS1003:Yes)、渡航情報DB115(図3D参照)を参照し、現在日時における渡航先を特定する(ステップS1005)。
カード会社サーバ111は、出金に関する情報に含まれる所在地の情報を用いて、特定した渡航先と利用者120の所在地が一致するか否かを判断する(ステップS1006)。そして、カード会社サーバ111は、渡航先と利用者120の所在地が一致しない場合(ステップS1006:No)、ステップS1004に移行する。
カード会社サーバ111は、渡航先と利用者120の所在地が一致する場合(ステップS1006:Yes)、渡航情報DB115(図3D参照)を参照し、渡航先の上限金額を特定する(ステップS1007)。そして、カード会社サーバ111は、出金に関する情報に含まれる出金額を示す情報を用いて、所望の出金額が上限金額の範囲内であるか否かを判断する(ステップS1008)。
カード会社サーバ111は、所望の出金額が上限金額の範囲内である場合(ステップS1008:Yes)、出金を許可し(ステップS1009)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。カード会社サーバ111は、所望の出金額が上限金額の範囲内でない場合(ステップS1008:No)、ステップS1004に移行する。
上述した処理により、カード会社サーバ111は、渡航先(第2国)において、第1国であらかじめ登録した上限の範囲内で出金を許可することができる。
以上説明したように、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、あらかじめ登録したパスポートの情報と認証情報とを用いた認証を行って、認証に成功すると、あらかじめ登録した現金の入手先から所望の金額の出金を許可することとした。これにより、カード会社サーバ111によれば、パスポートの情報と認証情報とにより所望の金額を出金することができる。したがって、利用者120は、所定のカードや通帳等を所持していなくても、知人等に頼らずに利用者120が1人で、迅速且つ簡単に現金を入手することができる。
特に、利用者120は、たとえば財布(各種カードを収納)については衣服のポケットなど取り出しやすい場所に保管していることから、海外の治安の悪い地域では、盗難被害に遭いやすい。一方で、利用者120は、パスポートについては細心の注意を払っていることから、財布に比べると盗難被害に遭いにくい。このため、本実施の形態では、利用者120は、財布が盗難被害に遭った場合でも、盗難被害に遭いにくいパスポートの情報を用いて迅速且つ簡単に現金を入手することができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、認証結果に応じて出金を許可することのほかにも、利用者120が有する所定のカードのカード情報に応じて出金を許可することとした。したがって、カード会社サーバ111によれば、所定のカードを提示することによっても所望の金額を出金することができる。
これにより、利用者120は、所定のカードを用いて現金を入手することもできるし、パスポートの情報および認証情報を用いて、現金を入手することもできる。また、利用者120は、現金を入手する際にいちいちパスポートを取り出して提示する必要がないため、パスポートの収納場所を第三者に知られる機会を抑えることができ、パスポートの盗難を抑えることができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、所定のカードの利用が可能な状態である場合に認証結果に応じた出金を許可しないこととし、所定のカードの利用が不可能な状態である場合に認証結果に応じた出金を許可することとした。これにより、カード会社サーバ111によれば、所定のカードが盗難、紛失、破損など利用不可能な緊急時に限って、パスポートの情報と認証情報とにより所望の金額を出金することができる。これにより、利用者120は、所定のカードを利用することができない緊急時に、迅速且つ簡単に現金を入手することができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、パスポートの情報を渡航書の情報に代えた利用者識別情報を登録できることとした。したがって、カード会社サーバ111によれば、渡航先において、パスポートを紛失した場合など、パスポートの情報を得ることができない、渡航書の情報と認証情報とにより所望の金額を出金することができる。これにより、利用者120は、たとえば、盗難被害などに遭いやすい治安の悪い渡航先において、万が一、盗難被害などによりパスポートを紛失した場合でも、現金を迅速且つ簡単に入手することができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、利用者120の所在地があらかじめ登録した渡航先に該当する場合に、渡航先において認証結果に応じた出金を許可することとした。したがって、カード会社サーバ111によれば、あらかじめ登録した渡航先において、パスポートの情報と認証情報とにより所望の金額を出金することができる。これにより、利用者120は、渡航先において、所定のカードや通帳等を所持していなくても、迅速且つ簡単に現金を入手できる。
一方で、カード会社サーバ111は、利用者120の所在地があらかじめ登録した渡航先に該当しない場合には、認証結果に応じた出金を許可しないこととした。したがって、カード会社サーバ111によれば、あらかじめ登録した渡航先以外では出金を許可しないようにすることができる。これにより、あらかじめ登録した渡航先を除いた場所で、パスポート(パスポートの情報)や認証情報が盗まれたとしても、第三者による不正な出金を抑制することができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、あらかじめ登録した渡航先ごとの上限の金額の範囲内で、認証結果に応じた出金を許可することとした。これにより、利用者120は、渡航先ごとに、渡航先の治安に応じた上限の金額や、渡航先の物価に応じた上限の金額を登録して、渡航先の治安や渡航先の物価に応じた現金を入手することができる。また、万が一、あらかじめ登録した渡航先において、パスポートの情報や認証情報が盗まれたとしても、当該渡航先における被害金額を最小限に(被害場所における上限の金額に)に抑えることができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、提示情報が提示された日時(利用者120が所在地にいる日時)があらかじめ登録した滞在期間に該当する場合に、認証結果に応じた出金を許可することとした。このため、カード会社サーバ111によれば、あらかじめ登録した渡航先の滞在期間に、パスポートの情報と認証情報とにより所望の金額を出金することができる。これにより、利用者120は、あらかじめ登録した渡航先の滞在期間において、所定のカードや通帳等を所持していなくても、渡航先で現金を迅速且つ簡単に入手できる。
一方で、カード会社サーバ111は、提示情報が提示された日時があらかじめ登録した滞在期間に該当しない場合に、認証結果に応じた出金を許可しないこととした。したがって、カード会社サーバ111によれば、あらかじめ登録した渡航先であったとしても、あらかじめ登録した渡航先の滞在期間以外の期間では、出金を許可しないようにすることができる。これにより、あらかじめ登録した渡航先で、パスポートの情報や認証情報が盗まれたとしても、当該渡航先で第三者による不正な出金を抑制することができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、利用者120が渡航先から出国した旨の出国情報を取得した場合、渡航先において認証結果に応じた出金を許可しないこととした。したがって、カード会社サーバ111によれば、あらかじめ登録した渡航先の滞在期間であったとしても、利用者120が出国した後は、出金を許可しないようにすることができる。これにより、あらかじめ登録した渡航先の滞在期間を除いた期間にパスポート(パスポートの情報)や認証情報が渡航先で盗まれたとしても、当該渡航先で第三者による不正な出金を抑制することができる。
また、本実施の形態では、日本人が外国に渡航する場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、外国人が日本に来る場合についても同様にこの発明を適用することができる。具体的には、たとえば、外国人が日本に入国する前に、カード会社サーバ111に、パスポートの情報、認証情報、現金の入手先の情報などの出金情報をあらかじめ登録しておけばよい。
そして、当該外国人が、日本において現金が必要になった場合に、あらかじめ登録したパスポートの情報と認証情報とを用いた認証を行って、認証に成功すると、あらかじめ登録した現金の入手先から所望の金額の出金を許可することとすればよい。これにより、外国人が日本に来る場合においても、当該外国人は、所定のカードや通帳等を所持していなくても、知人等に頼らずに当該外国が1人で、日本において迅速且つ簡単に現金を入手することができる。
また、この発明の出金制御装置を、カード会社110のカード会社サーバ111に適用した場合について説明したが、これに限らない。たとえば、銀行のサーバによっても、この発明の出金制御装置を実現することも可能である。また、クレジットカードのAPI(Application Programming Interface)を用いて、異業種間でも各種情報を共有することが可能となる場合には、カード会社110以外の他のサーバ(たとえば、保険会社のサーバ)によっても、この発明の出金制御装置を実現することも可能である。
なお、本実施の形態で説明した出金制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。
出金制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM(Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶され、コンピュータによって記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、出金制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。