JP6806348B2 - 発声補助装置及び発声補助方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、空気供給手段が供給する空気に振動を付与し、振動を付与された空気をチューブで口腔内に導くことが記載されている。喉頭摘出を受けた疾病者は、この空気を用いて発声を行う。
図1は、本発明の実施形態に係る発声補助装置の構成を示す概略構成図である。図1に示すように、発声補助装置100は、コンプレッサ110と、風船120と、送入管130と、電磁弁140と、遮断制御スイッチ141と、動作検出部142と、状態検出部143と、遮断制御部144と、空気流出部150と、マスク管151と、リード160と、電源210と、主電源スイッチ220と、膨張検出センサ230と、コンプレッサ制御スイッチ240と、筐体300とを備える。
以下では、喉頭摘出を受けた疾病者を、単に疾病者、あるはユーザと称する。
風船120は、コンプレッサ110から送出される空気を一時的に蓄え、蓄えた空気を、送入管130を介してユーザの側へ供給する。
具体的には、風船120は、コンプレッサ110から送出される空気が風船120内に流入することで膨張する。そして、風船120は、膨張したことで生じる張力によって元に戻ろうとして、風船120内部の空気を押し出す。
発声補助装置100が備える空気供給部はコンプレッサ110と風船120との組み合わせに限らずいろいろな組み合わせとすることができる。例えば、発声補助装置100が、風船120を備えていない構成としてもよい。この場合、コンプレッサ110が単独で空気供給部の例に該当する。
別法として、発声補助装置100が、空気供給部として手動式のポンプ又は空気ボンベを備えるようにしてもよい。
動作検出部142は、ユーザの動作を検出する。動作検出部142が検出する動作は、遮断制御部144による電磁弁140の制御に用いられる。ここで、遮断制御スイッチ141を操作することをユーザが煩雑に感じる可能性がある。また、ユーザが手で作業を行っている場合、遮断制御スイッチ141を操作するために作業を中断しなければならないことが考えられる。そこで、動作検出部142が所定の動作を検出した場合に、遮断制御部144が電磁弁140の開閉を制御する。
動作検出部142が、ユーザの画像を撮影するカメラを備え、撮影した画像を解析することによってユーザの動作を検出するようにしてもよい。
例えば、ユーザが所定時間以上口を閉じていることを動作検出部142が検出した場合、遮断制御部144が電磁弁140を閉じさせるようにしてもよい。別の例として、ユーザが所定時間以上口を開いていることを動作検出部142が検出した場合、遮断制御部144が電磁弁140を開かせるようにしてもよい。
状態検出部143が、ユーザの画像を撮影するカメラを備え、撮影した画像を解析することよってユーザの身体の物理的状態を検出するようにしてもよい。
具体的には上記のように、遮断制御部144は、遮断制御スイッチ141に対するユーザ操作、動作検出部142によるユーザの動作の検出結果、及び又は、状態検出部143によるユーザの身体の物理的状態の検出結果に基づいて、電磁弁140の開閉(電磁弁140による空気の遮断の有無)を制御する。
発声補助装置100が動作検出部142及び状態検出部143の両方を備える場合、動作検出部142と状態検出部143とが1つの装置として構成されていてもよいし、それらが別々の装置として構成されていてもよい。
マスク管151は、空気流出部150からの空気の流出量を変化させる。例えば、マスク管151は、空気流出部150として送入管130に設けられた穴を覆うスライドカバーとして構成される。マスク管151がスライドすることで、開口する穴の数又は大きさ、或いはそれら両方を変化させて、空気の流出量を変化させる。
図3の例における開口部分の合計面積が図2の場合よりも小さい。これにより、図3の例における空気の流出量が図2の場合よりも少ない。
空気の流出量が大きいほどユーザの口腔内に入る空気の量がより少なくなり、その結果、声がより小さくなる。逆に、空気の流出量が小さいほどユーザの口腔内に入る空気の量がより多くなり、その結果、声がより大きくなる。ユーザが行いたい発声の音量が決まっている場合、その音量に合わせて穴の数又は大きさ、或いはそれら両方を調整することで、所望の音量となるように空気の流出量を調整することができる。
ユーザの発話中にマスク管151が空気の流出量を変化させるようにしてもよい。これにより、ユーザは発話中に声の大きさを調整することができる。
発声補助装置100の試作機で、送入管130に空気流出部150を設けずに試運用したところ、送入管130に空気が流れている状態で空気の流れを停止させた場合、空気の流れを再開させても直ちにはリード160の振動が再開せず、声を発することができなくなる(リード160の振動による原音が生成されなくなる)という現象が見受けられた。
ここでいう原音は、振動付与部(図1の例ではリード160)が生成する音である。
送入管130の空気の流れを停止させる場合として、ユーザが意図的に送入管130の先端を口腔内で舌等を使って塞ぐ場合や、口を閉じて発音する言葉の一例である、ひらがなの「ん(n)」を発する場合が挙げられる。
これに対し、空気流出部150を設けておくことで、送入管130の先端が塞がれた場合でもリード160が振動しない状態になることを回避できる。
空気流出部150の穴の数及び形状は特定のものに限定されない。例えば、送入管130の長手方向に細長い1つの穴が設けられていてもよい。
発声補助装置100が、複数のリード160を備えるようにしてもよい。
図4は、複数のリード160の配置例を示す図である。図4の例では、送入管130が5つに分岐し、分岐した送入管130毎に音階の異なるリード160が設けられている。
図4では、これら5つのリード160に符号160a〜160eを付して区別している。
電磁弁161の開閉によって振動させるリード160を切り替えることで、ユーザが発する声の音階を変えることができる。電磁弁161は、選択部(切替部)の例に該当する。
このように、発声補助装置100が、複数のリード160と電磁弁161とを備えるようにしてもよい。複数のリード160は、それぞれ異なる周波数の振動を空気に与える。すなわち、複数のリード160は、それぞれ異なる固有振動数を有し、その固有振動数で振動する。その結果、各リード160は、その固有振動数に応じた振動を空気に与える。電磁弁161は、開閉状態を切り替ることにより、複数のリード160のうち、送入管130がコンプレッサ110及び風船120からユーザの口腔内へ送入する空気を経由させる少なくとも一つのリード160を選択する。
このように、発声補助装置100が、それぞれ異なる周波数の振動を空気に与える複数のリード160を備えてもよい。また、送入管130が、コンプレッサ110及び風船120が供給する空気を、複数のリード160の各々を経由してユーザの口腔内に送入するようにしてもよい。
膨張検出センサ230は、風船120が所定程度以上に膨張したことを検出する。例えば、膨張検出センサ230として、接触を検知するセンサを風船120の周囲に設置しておく。コンプレッサ110からの空気で風船120が膨張して膨張検出センサ230に接触すると、膨張検出センサ230は風船120との接触を検知する。膨張検出センサ230は風船120との接触を検知した場合に、風船120が所定程度以上に膨張したことを検知する。
図5は、ユーザ操作及び発声補助装置100の動作の例を示す図である。
図5の処理で、ユーザは、主電源スイッチ220をONにして発声補助装置100を起動させる(シーケンスS101)。また、ユーザは、送入管130の先端を口腔内へ挿入する(シーケンスS102)。
膨張検出センサ230が風船120の膨張を検出していない場合(シーケンスS111:非検出)、コンプレッサ110は、風船120へ空気を供給する(シーケンスS112)。
一方、膨張検出センサ230が風船120の膨張を検出した場合(シーケンスS111:検出)、コンプレッサ制御スイッチ240がコンプレッサ110を一時的に停止させ、コンプレッサ110は、風船120への空気の供給を一時的に停止する(シーケンスS113)。
シーケンスS113の後、処理がシーケンスS111へ戻る。
ユーザは、遮断制御スイッチ141に対して空気の供給を要求するユーザ操作を行う(シーケンスS131)。このユーザ操作に従って、遮断制御部144が電磁弁140を開かせる(シーケンスS141)。
この状態でユーザが口腔及び舌を動かすことで、例えば「おはよう(ohayou)」のように声を発することができる(「おはよう(ohayou)」は、日本における挨拶の言葉である)。
ユーザが行いたい発声の音量が決まっている場合、その音量に合わせて穴の数又は大きさ、或いはそれら両方を調整することで、所望の音量となるように空気の流出量を調整することができる。
マスク管151が空気流出部150からの空気の流出量を変化させることで、空気の流出量の調整が容易になり、声の大きさの調整を容易に行うことができる。
ユーザの発話中にマスク管151が空気の流出量を変化させるようにしてもよい。これにより、ユーザは発話中に声の大きさを調整することができる。
このように複数のリード160を振動させることで、和音を生じさせることができる。発声補助装置100がユーザに供給する音として和音を用いることで、音に重みをもたせることができ、また、より人間の声に近い音質を得ることができる。
このように振動させるリード160を切り替えることで、ユーザが発する声の音階を変えることができる。
ユーザが発話を意図していない場合、電磁弁140が電磁弁140自らを閉じて送入管130を流れる空気を遮断することで、ユーザの口腔内から音が聞こえることを解消できる。
これにより、ユーザが遮断制御スイッチ141を操作しなくても、電磁弁140の開閉を制御することができる。
これにより、ユーザが遮断制御スイッチ141を操作しなくても、電磁弁140の開閉を制御することができる。
図6は、本発明の実施形態に係る発声補助装置の構成の例を示す。図6に示す発声補助装置10は、空気供給部11と、送入管12と、振動付与部13と、空気流出部14とを備える。
かかる構成にて、空気供給部11は空気を供給する。送入管12は、空気供給部11が供給する空気を口腔内に送入する。振動付与部13は、送入管12が口腔内に送入する空気に振動を与える。空気流出部14は、送入管12に設けられて送入管12の内部から送入管12の外部かつ口腔の外部へ空気を流出させる。
110 コンプレッサ
120 風船
130 送入管
140 電磁弁
141 遮断制御スイッチ
142 動作検出部
143 状態検出部
144 遮断制御部
150 空気流出部
151 マスク管
160 リード
210 電源
220 主電源スイッチ
230 膨張検出センサ
240 コンプレッサ制御スイッチ
300 筐体
Claims (7)
- 空気を供給する空気供給部と、
前記空気に振動を与える振動付与部と、
前記振動が与えられた空気を口腔内に送入する送入管と、
前記送入管に設けられ、前記送入管の内部から前記送入管の外部かつ前記口腔の外部へ前記供給された空気を流出させる空気流出部と、
前記送入管を流れる空気を遮断する空気遮断部と、
ユーザの動作を検出する動作検出部、または、前記ユーザの身体の物理的状態を検出する状態検出部の少なくとも何れかと、
前記ユーザの動作の検出結果、または、前記ユーザの身体の物理的状態の検出結果の少なくとも何れかに基づいて、前記空気遮断部によって空気を遮断するか否かを制御する遮断制御部と、
を備える発声補助装置。 - 前記空気流出部から流出する空気の量を変化させる空気流出量調整部をさらに備える
請求項1に記載の発声補助装置。 - 前記振動付与部は、それぞれ異なる周波数の振動を前記供給された空気に与える複数の振動付与部を備え、
前記送入管は、前記供給された空気を、前記複数の振動付与部の各々を経由して前記口腔内に送入する
請求項1又は請求項2に記載の発声補助装置。 - 前記振動付与部は、それぞれ異なる周波数の振動を前記供給された空気に与える複数の振動付与部を備え、
前記複数の振動付与部から、前記送入管によって前記口腔内へ送入される空気が経由する少なくとも一つの振動付与部を選択する選択部、
を備える請求項1又は請求項2に記載の発声補助装置。 - 前記動作検出部を備え、
前記遮断制御部は、前記ユーザの動作の検出結果に基づいて、前記空気遮断部によって空気を遮断するか否かを制御する、
請求項1から4の何れか一項に記載の発声補助装置。 - 前記状態検出部を備え、
前記遮断制御部は、前記ユーザの身体の物理的状態の検出結果に基づいて、前記空気遮断部によって空気を遮断するか否かを制御する、
請求項1から5の何れか一項に記載の発声補助装置。 - 空気を供給することと、
前記空気に振動を与えることと、
送入管によって、前記振動が与えられた空気を、口腔内に送入することと、
前記送入管に設けられた空気流出部によって、前記送入管の内部から前記送入管の外部かつ前記口腔の外部へ空気を流出させることと、
ユーザの動作、または、前記ユーザの身体の物理的状態の少なくとも何れかを検出することと、
前記ユーザの動作の検出結果、または、前記ユーザの身体の物理的状態の検出結果の少なくとも何れかに基づいて、前記送入管を流れる空気を遮断するか否かを制御することと、
を含む発声補助方法。
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