JP6804869B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 - Google Patents
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Description
有機EL素子は、自発光型素子としての利点を活かし、高発光効率、高画質、低消費電力さらには薄型のデザイン性に優れた発光素子として期待されている。発光層を、ホストにドーパントとして発光材料をドーピングしたホスト/ドーパント発光層にすることが知られている。
ホスト/ドーパント発光層では、ホストに注入された電荷から効率よく励起子を生成することができる。そして、生成された励起子のエネルギーをドーパントに移動させ、ドーパントから高効率の発光を得ることができる。
近年では有機EL素子の性能向上を果たすべく、ホスト/ドーパントシステムに関してもさらなる研究が行われており、好適なホスト材料及びその他の有機EL素子用材料の探索が続いている(例えば、特許文献1及び2)。
[1]陰極、陽極、及び該陰極と該陽極の間に一層以上の有機薄膜層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記一層以上の有機薄膜層が発光層を含む層であり、前記一層以上の有機薄膜層の少なくとも1層が下記一般式(I)で表される化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[式(I)中、R1は、それぞれ独立に、水素原子、−COOR(Rは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基又はアミノ基)、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基(アルキル基の炭素数は1〜10)、−CN、−SO3H、−CHO、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2、又は−NH2を表す。2つのR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基を表す。2つのR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Xは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の芳香族複素環である。2つのXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
[2]前記一般式(I)に記載の化合物からなる、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
[3]前記有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器。
また、本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表すものであり、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。
本明細書中において、「ヘテロアリール基」、「ヘテロアリーレン基」及び「複素環基」は、環形成原子として、少なくとも1つのヘテロ原子を含む基であり、該へテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子及びセレン原子から選ばれる1種以上であることが好ましい。
及び上記の基に対して、さらに任意の置換基を有する置換カルバゾリル基を表す。
なお、当該置換カルバゾリル基は、任意の置換基同士が互いに結合して縮環してもよく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子及びセレン原子等のヘテロ原子を含んでもよく、また、結合位置は1位〜9位のいずれであってもよい。このような置換カルバゾリル基の具体例として、例えば、下記に示す基が挙げられる。
及び上記の基に対して、さらに任意の置換基を有する置換ジベンゾフラニル基及び置換ジベンゾチオフェニル基を表す。
なお、当該置換ジベンゾフラニル基及び置換ジベンゾチオフェニル基は、任意の置換基同士が互いに結合して縮環してもよく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子及びセレン原子等のヘテロ原子を含んでもよく、また、結合位置は1位〜8位のいずれであってもよい。
このような置換ジベンゾフラニル基及び置換ジベンゾチオフェニル基の具体例として、例えば、下記に示す基が挙げられる。
[上記式中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Yは酸素原子、硫黄原子、NH、NRa(Raはアルキル基又はアリール基である。)、CH2、又は、CRb 2(Rbはアルキル基又はアリール基である。)を表す。]
これらの置換基は、さらに上述の任意の置換基により置換されていてもよい。また、これらの置換基は、複数の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。
また、「置換もしくは無置換のZZ基」との記載における「無置換のZZ基」とは、ZZ基の水素原子がこれらの置換基で置換されていないことを意味する。
本発明の一態様においては、下記一般式(I)で表される化合物[化合物(I)と略称することがある。]を有機エレクトロルミネッセンス素子の材料として用いる。当該化合物は有機EL素子に好適な化合物であり、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として有用である。
R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基を表す。2つのR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Xは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の芳香族複素環である。2つのXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
前記R1及びR2の炭素数1〜50のアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状であってもよい。該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(異性体を含む)、ヘキシル基(異性体を含む)、ヘプチル基(異性体を含む)、オクチル基(異性体を含む)、ノニル基(異性体を含む)、デシル基(異性体を含む)、ウンデシル基(異性体を含む)、及びドデシル基(異性体を含む)、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、テトラコサニル基、テトラコンタニル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基が好ましい。該アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、特に好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。
該芳香族炭化水素環の環形成炭素数としては、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18、さらに好ましくは6〜9である。
該芳香族複素環の好ましい環形成原子数としては、好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13、さらに好ましくは6〜9である。
前記式(I)において、2つのR1、2つのR2、2つのXが、それぞれ同一であることにより、化合物構造が対称となる事で、材料の発光スペクトルをより好適な形状にすることができる。
また、前記式(I)のR1が、いずれも水素原子であるか、いずれも−CNであると好ましい。
前記式(I)のXが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素環であると好ましく、ベンゼン、又はインデンであるとより好ましい。
式(III)のR3と式(IV)のR4は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基である。該アルキル基の具体例や好ましい炭素数は、前記式(I)のR及びR2と同じである。
式(III)において、複数のR3は同一でも異なっていてもよい。式(IV)において、2つのR4は同一でも異なっていてもよい。
(1)化合物A0の合成
(式中、R1、R2及びXは、前記式(I)と同じである)
次に、本発明の一態様の有機EL素子について説明する。
有機EL素子は、陰極、陽極、及び該陰極と該陽極の間に一層以上の有機薄膜層を有する。この一層以上の有機薄膜層は発光層を含み、有機薄膜層の少なくとも1層が本発明の前記化合物(前記化合物(I)や、それに包含される下位概念の前記各化合物(II)〜(VI))を含む。
本発明の前記化合物が含まれる有機薄膜層の例としては、陽極と発光層との間に設けられる陽極側有機薄膜層(正孔輸送層、正孔注入層等)、発光層、陰極と発光層との間に設けられる陰極側有機薄膜層(電子輸送層、電子注入層等)、スペース層、障壁層等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記化合物(I)は、上記いずれの層に含まれていてもよい。特に、蛍光発光ユニットの発光層が本発明の前記化合物を含むことが好ましく、その場合、本発明の前記化合物はドーパント材料として機能し得る。
(1)陽極/発光ユニット/陰極
また、上記発光ユニットは、蛍光発光層のみならず燐光発光層を有する積層型であってもよく、その場合、各発光層の間に、燐光発光層で生成された励起子が蛍光発光層に拡散することを防ぐ目的で、スペース層を有していてもよい。発光ユニットの代表的な層構成を以下に示す。
(a)正孔輸送層/発光層(/電子輸送層)
(b)正孔輸送層/第一蛍光発光層/第二蛍光発光層(/電子輸送層)
(c)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(d)正孔輸送層/第一燐光発光層/第二燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(e)正孔輸送層/第一燐光発光層/スペース層/第二燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(f)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/第一蛍光発光層/第二蛍光発光層(/電子輸送層)
(g)正孔輸送層/電子障壁層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(h)正孔輸送層/蛍光発光層/正孔障壁層(/電子輸送層)
(i)正孔輸送層/蛍光発光層/トリプレット障壁層(/電子輸送層)
なお、各発光層と正孔輸送層あるいはスペース層との間には、適宜、電子障壁層を設けてもよい。また、各発光層と電子輸送層との間には、適宜、正孔障壁層を設けてもよい。電子障壁層や正孔障壁層を設けることで、電子又は正孔を発光層内に閉じ込めて、発光層における電荷の再結合確率を高め、発光効率を向上させることができる。
(2)陽極/第一発光ユニット/中間層/第二発光ユニット/陰極
ここで、上記第一発光ユニット及び第二発光ユニットとしては、例えば、それぞれ独立に上述の発光ユニットと同様のものを選択することができる。
上記中間層は、一般的に、中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層とも呼ばれ、第一発光ユニットに電子を、第二発光ユニットに正孔を供給する、公知の材料構成を用いることができる。
なお、蛍光ドーパント材料(蛍光発光材料)と組み合わされたホスト材料を蛍光ホスト材料と称する。
基板は、発光素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、プラスチックなどを用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルからなるプラスチック基板等が挙げられる。
基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)等、並びに希土類金属およびこれを含む合金等が挙げられる。
発光層は、発光性の高い物質を含む層であり、種々の材料を用いることができる。例えば、発光性の高い物質としては、蛍光を発光する蛍光性化合物を用いることができ、少なくとも前記化合物(I)を用いることが好ましい。蛍光性化合物は一重項励起状態から発光可能な化合物である。
また、緑色系の蛍光発光材料として、芳香族アミン誘導体等を使用できる。具体的には、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1'−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N',N'−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1'−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N',N'−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1'−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。
また、赤色系の蛍光発光材料として、テトラセン誘導体、ジアミン誘導体等が使用できる。具体的には、N,N,N',N'−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N',N'−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
発光層としては、上述した発光性の高い物質(ドーパント材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成としてもよい。発光性の高い物質を分散させるための物質としては、各種のものを用いることができ、発光性の高い物質よりも最低空軌道準位(LUMO準位)が高く、最高被占有軌道準位(HOMO準位)が低い物質を用いることが好ましい。
発光性の高い物質を分散させるための物質(ホスト材料)としては、例えば、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、若しくは亜鉛錯体等の金属錯体、2)オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、若しくはフェナントロリン誘導体等の複素環化合物、3)カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、若しくはクリセン誘導体等の縮合芳香族化合物、4)トリアリールアミン誘導体、若しくは縮合多環芳香族アミン誘導体等の芳香族アミン化合物を使用できる。より具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2',2''−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物や、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9'−ビアントリル(略称:BANT)、9,9'−(スチルベン−3,3'−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9'−(スチルベン−4,4'−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3',3''−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセンなどの縮合芳香族化合物、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、NPB(またはα−NPD)、TPD、DFLDPBi、BSPBなどの芳香族アミン化合物などを用いることができる。また、発光性の高い物質(ドーパント材料)を分散させるための物質(ホスト材料)は複数種用いることができる。
なお、前記ホスト材料の三重項励起準位[T1(H)]は、化合物(I)の三重項励起準位[T1(D)]よりも小さいことが好ましい。これにより、三重項励起子が発光層内のホスト材料に閉じ込められTTF(Triplet-Triplet-Fusion)現象を効率的に起こして蛍光素子の高効率化に寄与するからである(WO2011/086941等参照)。
上記縮合多環芳香族化合物の環形成炭素数の合計は、好ましくは30〜70、より好ましくは30〜60、さらに好ましくは30〜50、特に好ましくは30〜40である。縮合多環ヘテロ芳香族化合物の環形成原子数の合計は、好ましくは30〜70、より好ましくは30〜60、さらに好ましくは30〜55、特に好ましくは30〜45である。
[一般式(1)中、Ar1a及びAr2aは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリーレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリーレン基を表す。
Ar1b及びAr2bは、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリーレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリーレン基を表す。
Ar1c及びAr2cは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリール基を表す。
R101〜R108は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリール基であるか、又は、前記非縮合アリール基、前記非縮合ヘテロアリール基、前記縮合アリール基及び前記縮合ヘテロアリール基から選択される少なくとも2つの組み合わせからなる基であるか、又は、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、環形成炭素数6〜50のアリール基を有する置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、シリル基であるか、又は、
炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50の非縮合アリール基及び環形成炭素数10〜50の縮合アリール基から選択される置換基を有する、モノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基である。]
非縮合ヘテロアリーレン基の環形成原子数は、有機EL素子の高性能化の観点から、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10である。
縮合アリーレン基の環形成炭素数は、有機EL素子の高性能化の観点から、好ましくは10〜30、より好ましくは10〜20、さらに好ましくは10〜14である。縮合アリーレン基としては、有機EL素子の高性能化の観点から、1,4−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基などのナフチレン基が好ましい。
縮合ヘテロアリーレン基の環形成原子数は、有機EL素子の高性能化の観点から、好ましくは8〜30、より好ましくは8〜20、さらに好ましくは8〜13である。
Ar1a及びAr2aのうちの一方が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリーレン基であり、他方が、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリーレン基であるのも好ましい。
Ar1a及びAr2aがいずれも、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリーレン基であるのも好ましい。
Ar1a及びAr2aがいずれも、置換もしくは無置換のフェニレン基であるのも好ましい。
Ar1aが置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリーレン基であり、Ar2aが無置換のフェニレン基であるのも好ましい。
Ar1aが置換もしくは無置換のフェニレン基であり、Ar2aが無置換のフェニレン基であるのも好ましい。
Ar1aが置換もしくは無置換のナフチレン基であり、Ar1bが置換もしくは無置換のフェニレン基であるのも好ましい。
Ar2aが、カルバゾール、ジベンゾフラン又はジベンゾチオフェンの二価の基(該2価の基は置換基を有していてもよい)であるのも好ましい。
Ar2cが、置換もしくは無置換のN−カルバゾリル基、置換もしくは無置換のC−カルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基又は置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基であるのも好ましい。
非縮合ヘテロアリール基の環形成原子数は、有機EL素子の高性能化の観点から、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10である。
縮合アリール基の環形成炭素数は、有機EL素子の高性能化の観点から、好ましくは10〜30、より好ましくは10〜20、さらに好ましくは10〜14である。縮合アリール基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基などのナフチル基;9−フェナントリル基などのフェナントリル基;2−トリフェニレニル基などのトリフェニレニル基が好ましく、ナフチル基、フェナントリル基がより好ましい。
縮合ヘテロアリール基の環形成原子数は、有機EL素子の高性能化の観点から、好ましくは8〜30、より好ましくは8〜20、さらに好ましくは8〜13である。縮合ヘテロアリール基としては、2−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基などのジベンゾフラニル基;2−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基などのジベンゾチオフェニル基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜3である。シクロアルキル基の環形成炭素数は、好ましくは3〜30、より好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜6である。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜3である。環形成炭素数6〜50のアリール基を有する置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基については、アリール基の好ましい環形成炭素数は、有機EL素子の高性能化の観点から、好ましくは6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜14、特に好ましくは6〜12であり、そのとき、アラルキル基の炭素数は、好ましくは7〜31、より好ましくは7〜21、さらに好ましくは7〜15、特に好ましくは7〜13である。アリールオキシ基の環形成炭素数は、有機EL素子の高性能化の観点から、好ましくは6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜14、特に好ましくは6〜12である。
モノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基としては、トリ置換シリル基が好ましく、トリアルキルシリル基(アルキル基の炭素数は1〜50、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜3)がより好ましい。トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基が好ましい。
なお、R101〜R108としては、それぞれ独立に、水素原子、前記アルキル基、又は、前記モノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基であることが好ましく、水素原子、無置換のアルキル基、又はトリ置換シリル基であることがより好ましく、いずれも水素原子であることがさらに好ましい。
[一般式(2)中、Ar1a、Ar2a、Ar1b、Ar1c及びR101〜R108は、前記一般式(1)中の定義の通りであり、好ましいものも同じである。但し、Ar1bは単結合ではなく、且つAr1cは水素原子ではない。]
[一般式(3)中、Ar1a、Ar2a、Ar1c、Ar2c及びR101〜R108は、前記一般式(1)中の定義の通りであり、好ましいものも同じである。但し、Ar1c及びAr2cは、いずれも水素原子ではない。]
[一般式(4)中、Ar1a、Ar2a、Ar1c及びR101〜R108は、前記一般式(1)中の定義の通りであり、好ましいものも同じである。但し、Ar1cは水素原子ではない。]
[一般式(5)中、Ar1a、Ar2a及びR101〜R108は、前記一般式(1)中の定義の通りであり、好ましいものも同じである。]
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。
なお、電子注入層と電子輸送層とを併せて電子輸送領域と称することがある。
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、芳香族アミン化合物、又は高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)等も使用できる。
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
なお、正孔注入層と正孔輸送層とを併せて正孔輸送領域と称することがある。本発明においては、一層以上の有機薄膜層が、発光層と陽極との間に正孔輸送領域を有しており、該正孔輸送領域が前記化合物(I)を含有するのも好ましい。
また、前記化合物(I)を含有する層以外の各層の形成方法は特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。本発明の一実施態様である有機EL素子に用いる、本発明の他の実施態様である化合物を含有する有機薄膜層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)、あるいは当該化合物を溶媒に解かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
本発明の化合物を用いて得られる有機EL素子は、有機ELパネルモジュール等の表示部品、テレビ、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の表示装置、及び、照明、車両用灯具の発光装置等の電子機器に使用できる。つまり、本発明は、前記有機EL素子を搭載した電子機器をも提供する。
(1)化合物Aの合成
環流冷却器とマグネティックスターラーを備えた25mlの丸底フラスコに、4−tert−ブチルアニリン6mmol、4−ホルミル−3−フェニルベンゾニトリル6mmol、及びTsOH 0.6mmolを入れた後、氷酢酸を追加し、その混合物を90℃で30分間攪拌した。その後、ブタン−2,3−ジオン 3mmolをシリンジを介してよりゆっくりと添加し、その混合物を90℃で3時間攪拌した後、室温まで冷却した。得られた沈殿物を濾過し、冷却した氷酢酸で洗浄し、AcOEtから再結晶させ、減圧乾燥して高純度の生成物を得た。
得られた生成物は、1HNMR分析及びHEMS分析により、下記化合物A(2,5-Bis(5-cyano-[1,1’-biphenyl]-2-yl)-1,4-bis(4-tert-butylphenyl)-1,4-dihydropyrrolo[3,2-b]pyrrole)であることを確認した。収率は41%であった。
アルゴン気流下で、環流冷却器とマグネティックスターラーを備えた50mlの丸底フラスコに、乾燥塩化メチレン12mlと化合物A 1mmolを入れた。その後、ニトロメタン中に溶解した塩化第2鉄をシリンジを介して添加し、室温で30分間反応させた。その後、15mlの水を添加し、生成物を15分間攪拌した。2層に分かれたため、水層を塩化メチレン10mlで3回抽出した。有機層を混合、乾燥して、溶媒を蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した。
得られた生成物は、HEMS分析により、下記化合物7(3,12-Dicyano-9,18-bis(4-tert-butylphenyl)-9,18-dihydrodibenzo[e,g]-dibenzo[4,5:6,7]indolo[3,2-b]indole)であることを確認した。収率は70%であった。
25mm×25mm×厚さ1.1mmのITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行った後、UVオゾン洗浄を5分間行った。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして下記化合物(HI−1)を蒸着して膜厚60nmのHI−1膜を成膜し、正孔注入層を形成した。次に、この正孔注入層上に、正孔輸送材料として上記化合物(HT−1)を蒸着して膜厚20nmのHT−1膜を成膜し、正孔輸送層を形成した。こうして、正孔輸送領域を形成した。
さらに、このHT−1膜上に膜厚40nmで、ホスト材料として上記化合物(BH−1)と、ドーパント材料として前記化合物7とを化合物7が重量比で5%含まれるように共蒸着により成膜し、発光層とした。
次に、下記化合物(ET−1)を膜厚20nmで蒸着し、電子輸送層とした。その上に、弗化リチウムを膜厚1nmで蒸着し、次いでアルミニウムを膜厚80nmで蒸着した。このアルミニウム/弗化リチウムは陰極として働く。このようにして蛍光発光性の有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子において、色度[CIE色度座標(x,y)]及び色純度[発光ピーク波長λp(単位:nm)]を測定した。また、電流密度50mA/cm2において駆動した際に輝度が初期輝度の80%となるまでの時間(LT80)を測定した。それらの結果を表1に示す。
実施例1において、化合物7の代わりに下記構造の比較化合物1、2を用いた以外は同様にして有機EL素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
3 陽極
4 陰極
5 発光層
6 陽極側有機薄膜層
7 陰極側有機薄膜層
10 発光ユニット
Claims (31)
- 陰極、陽極、及び該陰極と該陽極の間に一層以上の有機薄膜層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記一層以上の有機薄膜層が発光層を含む層であり、前記発光層が下記式(I)で表される化合物と、ホスト材料とを含み、
前記ホスト材料が、下記一般式(1)で表される縮合多環芳香族化合物又は縮合多環ヘテロ芳香族化合物である、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[式(I)中、R1は、それぞれ独立に、水素原子、−COOR(Rは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基又はアミノ基)、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基(アルキル基の炭素数は1〜10)、−CN、−SO3H、−CHO、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2、又は−NH2を表す。2つのR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基を表す。2つのR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Xは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の芳香族複素環である。2つのXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
[一般式(1)中、Ar 1a 及びAr 2a は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリーレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリーレン基を表す。
Ar 1b 及びAr 2b は、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリーレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリーレン基を表す。
Ar 1c 及びAr 2c は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリール基を表す。
R 101 〜R 108 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリール基であるか、又は、前記非縮合アリール基、前記非縮合ヘテロアリール基、前記縮合アリール基及び前記縮合ヘテロアリール基から選択される少なくとも2つの組み合わせからなる基であるか、又は、
置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、環形成炭素数6〜50のアリール基を有する置換もしくは無置換の炭素数7〜51のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、シリル基であるか、又は、
炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50の非縮合アリール基及び環形成炭素数10〜50の縮合アリール基から選択される置換基を有する、モノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基である。] - 前記式(I)において、2つのR1が同一である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)において、2つのR2が同一である、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)において、2つのXが同一である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)のR1が、それぞれ独立に、水素原子、−CN、−COOCH3、−COOC2H5、−SO3H、−CHO、−F、−Cl、−Br、−I、−NO2、−OCH3、−NH2又は−N(CH3)2である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)のR1が、それぞれ独立に、水素原子又は−CNである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)のR1が、いずれも水素原子である請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)のR1が、いずれも−CNである請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)のR2が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)のR2が、それぞれ独立に、t−ブチル基又はn−オクチル基である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)のXが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素環である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)のXが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンゼン、置換もしくは無置換のインデン、置換もしくは無置換のチオフェン、又は置換もしくは無置換のベンゾチオフェンである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記式(I)が、下記式(II)〜(VI)のいずれかで表されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記化合物の少なくとも1つが以下の化合物1〜7の群から選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記化合物とホスト材料との含有比率(前記化合物/ホスト材料)が、質量比で、1/99〜20/80である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記ホスト材料の三重項励起準位[T1(H)]が、前記化合物の三重項励起準位[T1(D)]よりも小さい、請求項1〜15のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記ホスト材料が、下記一般式(2)で表される縮合多環芳香族化合物又は縮合多環ヘテロ芳香族化合物である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[一般式(2)中、Ar1a、Ar2a、Ar1b、Ar1c及びR101〜R108は、前記定義の通りである。但し、Ar1bは単結合ではなく、且つAr1cは水素原子ではない。] - 前記ホスト材料が、下記一般式(3)で表される縮合多環芳香族化合物又は縮合多環ヘテロ芳香族化合物である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[一般式(3)中、Ar1a、Ar2a、Ar1c、Ar2c及びR101〜R108は、前記定義の通りである。但し、Ar1c及びAr2cは、いずれも水素原子ではない。] - 前記ホスト材料が、下記一般式(4)で表される縮合多環芳香族化合物又は縮合多環ヘテロ芳香族化合物である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[一般式(4)中、Ar1a、Ar2a、Ar1c及びR101〜R108は、前記定義の通りである。但し、Ar1cは水素原子ではない。] - 前記ホスト材料が、下記一般式(5)で表される縮合多環芳香族化合物又は縮合多環ヘテロ芳香族化合物である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[一般式(5)中、Ar1a、Ar2a及びR101〜R108は、前記定義の通りである。] - Ar1a及びAr2aが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリーレン基である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- Ar1a及びAr2aのうちの一方が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリーレン基であり、他方が、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリーレン基である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- Ar1a及びAr2aがいずれも、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の非縮合アリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の非縮合ヘテロアリーレン基である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- Ar1a及びAr2aがいずれも、置換もしくは無置換のフェニレン基である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- Ar1aが置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合ヘテロアリーレン基であり、Ar2aが無置換のフェニレン基である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- Ar1aが置換もしくは無置換のフェニレン基であり、Ar2aが無置換のフェニレン基である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- Ar1aが置換もしくは無置換のナフチレン基であり、Ar1bが置換もしくは無置換のフェニレン基である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- Ar2aが、カルバゾール、ジベンゾフラン又はジベンゾチオフェンの二価の基であり、該2価の基は置換基を有していてもよい、請求項1〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- Ar2cが、置換もしくは無置換のN−カルバゾリル基、置換もしくは無置換のC−カルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基又は置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基である、請求項1〜16、及び18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 一層以上の有機薄膜層が、発光層と陽極との間に正孔輸送領域を有しており、該正孔輸送領域が前記化合物を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜30のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器。
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