JP6804172B1 - 電子式電力量計の配線接続状態判別コンピュータプログラム - Google Patents

電子式電力量計の配線接続状態判別コンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易に、電子式電力量計に接続される配線の誤結線の有無を判定することができる手段を提供する。【解決手段】 計測値入力手段21は、電子式電力量計2から各種の計測データを計測値として入力する。負荷値入力手段22は模擬負荷3の定格容量と位相角を負荷値として入力する。基礎データ取得手段23は、模擬負荷3の定格容量と位相角に基づいて求まる皮相電力値PI1,PI3と位相差θ1,θ3を基礎データとして取得する。理論値演算手段24は、基礎データから、配線の各接続状態における、所定の2組みの各相間についての有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3を理論値として演算する。テーブル作成手段25は、理論値と配線の各接続状態との関係を規定するテーブルを作成する。比較手段26は計測値と理論値とを比較し、判別手段27は、計測値に最も近い値を持つ理論値に応じた配線の接続状態を特定する。【選択図】 図2

Description

本発明は、電子式電力量計に接続される配線の接続状態を判別するコンピュータプログラムに関するものである。
従来、電子式電力量計に接続される配線の接続状態を判別する装置として、例えば、特許文献1に開示された正常計量確認装置がある。この正常計量確認装置は、模擬電力供給装置と電力量計誤差測定器とを組み合わせることで、需要家新設時の負荷がまだ稼働していない状態でも、計器故障や計量装置の誤結線を判定する。模擬電力供給装置は、計器およびVCT間に接続されるテストSW1に嵌合するテストプラグと、降圧型のTrで形成される模擬負荷回路とを備える。正常計量確認装置は、予め記憶された誤差の閾値に基づき、電力量計誤差測定器が算出した誤差が閾値以下の場合に「誤結線無し」及び「計器の故障無し」と判定し、電力量計誤差測定器が算出した誤差が閾値を超過した場合に、「誤結線有り」または「計器の故障有り」と判定する。
特許第6373019号公報
しかしながら、上記従来の正常計量確認装置では、電力量計における誤結線の有無を判定するのに、模擬電力供給装置と電力量計誤差測定器とを必要とする。このため、電力量計における誤結線の有無を判定するのに、これら装置を用意する必要があると共に、各装置間を結線等したりする煩雑な作業が必要とされて、簡易に誤結線の有無を判定することができなかった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
コンピュータを、
三相電源の所定の2組みの各相間について電子式電力量計によって計測される有効電力値と無効電力値を計測値として入力する計測値入力手段と、電子式電力量計に接続する模擬負荷の定格容量と位相角を入力する負荷値入力手段と、負荷値入力手段に入力される模擬負荷の定格容量と位相角に基づいて求まる所定の2組みの各相間についての皮相電力値と相間電圧に対する線電流の位相差を基礎データとして取得する基礎データ取得手段と、基礎データ取得手段によって取得される基礎データから、電子式電力量計に接続される配線の各接続状態における、所定の2組みの各相間についての有効電力値と無効電力値を理論値として演算する理論値演算手段と、理論値演算手段によって演算される理論値と配線の各接続状態との関係を規定するテーブルを作成するテーブル作成手段と、計測値入力手段によって入力される計測値とテーブル作成手段によって作成されたテーブルに規定される理論値とを比較する比較手段と、計測値に最も近い値を持つ理論値を比較手段の比較結果から判別し、判別した理論値に応じた配線の接続状態を特定する判別手段と
して機能させるためのプログラムを構成した。
また、コンピュータを、
三相電源の所定の2組みの各相間についてコンピュータと別個に設けられる電子式電力量計によって計測され、電子式電力量計の外部通信ポートから出力される有効電力値と無効電力値を計測値としてセンサを介して外部通信ポートから入力する計測値入力手段と、所定の2組みの各相間についての皮相電力値と相間電圧に対する線電流の位相差を基礎データとして取得する基礎データ取得手段と、基礎データ取得手段によって取得される基礎データから、電子式電力量計の端子部に接続される配線の正常接続状態および誤接続状態を含む各接続状態における、所定の2組みの各相間についての有効電力値と無効電力値を理論値として演算する理論値演算手段と、理論値演算手段によって演算される理論値と配線の各接続状態との関係を規定するテーブルを作成するテーブル作成手段と、計測値入力手段によって入力される計測値とテーブル作成手段によって作成されたテーブルに規定される理論値とを比較する比較手段と、計測値に最も近い値を持つ理論値を比較手段の比較結果から判別し、判別した理論値に応じて、電子式電力量計の設置時に端子部に接続された配線の接続状態を正常接続状態か誤接続状態かのいずれかに特定する判別手段と
して機能させるための、電子式電力量計の配線接続状態判別プログラムを構成した。
本構成によれば、基礎データ取得手段により、電子式電力量計に接続される配線の各接続状態における、三相電源の所定の2組みの各相間についての皮相電力値と相間電圧に対する線電流の位相差が、基礎データとして取得される。理論値演算手段は、取得された基礎データから、配線の各接続状態における、所定の2組みの各相間についての有効電力値と無効電力値を理論値として演算する。演算された理論値は、配線の各接続状態との関係が、テーブル作成手段によって作成されるテーブルに規定される。テーブル作成手段によって作成されたテーブルに規定される理論値と、計測値入力手段によって入力された計測値とは比較手段によって比較され、比較手段の比較結果から、判別手段により、計測値に最も近い値を持つ理論値が判別される。電子式電力量計の配線の接続状態は、判別されたその理論値に対してテーブルに規定された配線の接続状態として特定される。
したがって、コンピュータを上記各手段として機能させるプログラムをコンピュータに実行させることで、電子式電力量計に接続される配線の接続状態を判別することができるようになる。このため、従来のように特別の装置を用意する必要なく、また、各装置間の結線等を行ったりする煩雑な作業をすることなく、簡易に、電子式電力量計に接続される配線の誤結線の有無を判定することが可能となる。
また、電子式電力量計の配線接続状態は、基礎データ取得手段によって所定の2組みの各相間についての皮相電力値と線電流の位相差が基礎データとして取得され、取得された基礎データに基づいて理論値演算手段によって理論値が演算されて、比較手段で理論値と計測値とが比較されることで、判別される。すなわち、電子式電力量計の配線接続状態は、理論値に有効電力値を用いることなく判別される。このため、比較手段における計測値との比較に用いられる理論値を得る際に、有効電力値を求めるために抵抗負荷に実際に電流を流す必要はなく、電力を消費して電気料金がかかることはない。また、抵抗負荷に電流を流さないので、発熱の問題が生じることもなく、また、抵抗負荷を用いることで模擬負荷が大型化することもない。
また、電子式電力量計に接続する模擬負荷の定格容量と位相角を入力する負荷値入力手段を備える構成によれば、模擬負荷として容量性負荷を用い、その定格容量と位相角を負荷値入力手段によって入力することで、皮相電力値の理論値は容量性負荷の定格容量として、位相差の理論値は容量性負荷の位相角として、基礎データ取得手段によって直ちに取得される。
また、本発明は、基礎データ取得手段が、配線の各接続状態で計測値入力手段によって入力される模擬負荷または実負荷の計測値から基礎データを演算して取得することを特徴とする。
本構成によれば、配線の各接続状態で計測値入力手段によって入力される模擬負荷または実負荷の計測値から、基礎データ取得手段の演算により、基礎データが取得される。このため、負荷値入力手段を備える必要がなく、コンピュータによって構成される機能手段が簡素化される。
また、本発明は、計測値入力手段が、所定の2組みの相間電圧間の電圧位相差を電子式電力量計から入力し、
比較手段が、さらに、計測値入力手段によって入力される電圧位相差と所定の電圧位相差とを比較し、
判別手段が、電圧位相差と所定の電圧位相差とについての比較手段の比較結果をさらに参照して、配線の接続状態を特定することを特徴とする。
本構成によれば、電子式電力量計から計測値入力手段によって入力される所定の2組みの相間電圧間の電圧位相差と所定の電圧位相差とが、比較手段によってさらに比較される。配線の接続状態は、判別手段によってその比較結果がさらに参照されて特定される。このため、理論値と計測値との比較だけでは判別することのできない配線の接続状態が特定されるようになり、配線の接続状態をより詳しく特定することが可能となる。
本発明によれば、簡易に、電子式電力量計に接続される配線の誤結線の有無を判定できる手段を提供することができる。
本発明の一実施の形態によるコンピュータプログラムが適用されるパーソナルコンピュータと電子式電力量計との接続図である。 図1に示すパーソナルコンピュータの内部構成を示すブロック図である。 一実施の形態によるコンピュータプログラムによって作成されるテーブルと電子式電力量計から入力される計測値とを対比して示す第1の表図である。 一実施の形態によるコンピュータプログラムによって作成されるテーブルと電子式電力量計から入力される計測値とを対比して示す第2の表図である。 一実施の形態によるコンピュータプログラムによって作成されるテーブルと電子式電力量計から入力される計測値とを対比して示す第3の表図である。 図5に示す第3の表図に続く表図である。
次に、本発明による電子式電力量計の配線接続状態判別コンピュータプログラムを実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による電子式電力量計の配線接続状態判別コンピュータプログラムがアプリケーションとして適用されるパーソナルコンピュータ(以下、PCと記す)1と、電子式電力量計2との接続図である。
電子式電力量計2は、直方体状をした筐体に電子回路基板等の部品が内蔵されて構成されている。電子式電力量計2は、その正面に計測値を表示する表示部2aを備え、その下方に各配線が接続される端子部2bを備える。本実施形態における電子式電力量計2は三相3線式で、三相電源の1相、2相および3相の電源配線からVT(電圧変換器)を介して、端子部2bのP1端子、P2端子およびP3端子の各電源端子に電源電圧が印加される。P1端子はVTの出力端子1uに接続され、P2端子は接地される出力端子1v,3u、P3端子は出力端子3vに接続される。
VTの出力端子1u,1v間には三相電源の1相,2相間の相間電圧が現れ、出力端子3u,3v間には三相電源の2相,3相間の相間電圧が現れる。したがって、P1端子,P2端子間には三相電源の1相,2相間の1側の相間電圧が印加され、P3端子,P2端子間には三相電源の3相,2相間の3側の相間電圧が印加される。ここで、1相,2相間および2相,3相間は、三相電源の所定の2組みの各相間を構成する。また、1側の相間電圧および3側の相間電圧は、三相電源の所定の2組みの相間電圧を構成する。
電子式電力量計2の配線接続状態の確認時、三相電源に実負荷6が接続されていないときには三相電源に模擬負荷3が接続される。三相電源に実負荷6が接続されているときには、模擬負荷3が接続されなくてもよいが、模擬負荷3が実負荷6と共に三相電源に接続されてもよい。本実施形態では、後述する理論値の取得時に三相電源に模擬負荷3が接続され、電子式電力量計2の配線接続状態の確認時に三相電源に実負荷6が接続される。
模擬負荷3は、電子式電力量計2の設置時におけるその配線接続確認用の負荷であり、予め負荷容量は分かっている。本実施形態では、模擬負荷3に100[μF]の進相コンデンサが用いられ、その定格容量は726[VA](定格電圧200[V],定格電流3.63[A])であり、力率角である負荷の位相角は90°である。実負荷6の接続により三相電源の1相、3相にはそれぞれ実負荷6の負荷容量に応じた線電流が流れる。三相電源の1相に流れる線電流は、1相の電源配線からCT(電流変換器)の出力端子1K,1Lを介して、端子部2bの1S端子,1L端子間に検出され、3相に流れる線電流は、3相の電源配線からCTの出力端子3K,3Lを介して、端子部2bの3S,3L端子間に検出される。1L端子,3L端子はP2端子と共に接地される。
電子式電力量計2は、P1端子,P2端子間に印加される1側の相間電圧P1と1S端子,1L端子間に検出される1側の線電流I1とを乗算することで、符号付きの1側有効電力値W1および1側無効電力値var1を演算する。また、P3端子,P2端子間に印加される3側の相間電圧P3と3S端子,3L端子間に検出される3側の線電流I3とを乗算することで、符号付きの3側有効電力値W3および3側無効電力値var3を演算する。そして、1側有効電力値W1および3側有効電力値W3の合算有効電力値ΣW、並びに、1側無効電力値var1および3側無効電力値var3の合算無効電力値Σvarを演算する。また、電子式電力量計2は、1側の相間電圧P1と3側の相間電圧P3との間の電圧位相差θp1-p3を演算する。
電子式電力量計2は、その正面に図示しない赤外線通信ポートおよび計量パルス出力ポートを持っている。この赤外線通信ポートからは、電子式電力量計2で計測される各種の計測データが電子式電力量計2の外部へ赤外線で出力される。本実施形態では、この計測データとして、有効電力量Wh、無効電力量varh、有効電力(合算有効電力ΣW)、および無効電力(合算無効電力Σvar)等が出力される。また、赤外線通信ポートからは、電子式電力量計2の計器情報、および、電子式電力量計2に設定される設定情報も出力される。本実施形態では、この計器情報として、電子式電力量計2の製造番号および製造年を識別する計器ID、電子式電力量計2の相線式、定格電圧および定格電流が出力される。また、設定情報として、表示部2aの表示値に対する乗率、VT・CTの変成比定数、計量パルス出力ポートから出力される計量パルスのパルス種類、パルス定数およびパルス幅が出力される。
PC1は、赤外線通信ポートから出力される赤外線をセンサ4で検出し、ケーブル5を介して、電子式電力量計2で計測される各種の計測データを、その計器情報および設定情報と共に入力する。なお、本実施形態では、電子式電力量計2およびPC1間の通信を赤外線通信で行っているが、RS485といったシリアル通信方式やカレントループ通信方式、無線通信方式といったその他の通信方式によっても、同様に行うことができる。
図2は、PC1内の概略構成を表わすブロック図である。PC1では、ROM(読み出し専用メモリ)11に記憶されたプログラムにしたがい、RAM(読み書き可能メモリ)12を一時記憶作業領域として、CPU(中央演算処理装置)13が種々の演算を行う。ROM11に記憶されたプログラムにしたがうこの演算により、CPU13は、コンピュータであるPC1を、計測値入力手段21,負荷値入力手段22,基礎データ取得手段23,理論値演算手段24,テーブル作成手段25,比較手段26,判別手段27,情報入力手段28およびデータ出力手段29として、機能させる。
計測値入力手段21は、電子式電力量計2からセンサ4およびケーブル5を介して、所定の2組みの各相間について電子式電力量計2によって計測される有効電力値と無効電力値を始めとする各種の計測データを計測値として入力する。負荷値入力手段22は、PC1のキーボード14等から、電子式電力量計2に接続する模擬負荷3の定格容量と位相角を負荷値として入力する。基礎データ取得手段23は、所定の2組みの各相間についての皮相電力値PI1,PI3と相間電圧P1,P3に対する線電流I1,I3の位相差θ1,θ3を基礎データとして取得する。本実施形態では、基礎データ取得手段23は、負荷値入力手段22に入力される模擬負荷3の定格容量と位相角に基づいて求まる皮相電力値PI1,PI3と位相差θ1,θ3を基礎データとして取得する。
本実施形態では、模擬負荷3として三相平衡負荷を採用するため、1側および3側の各皮相電力値PI1,PI3と各位相差θ1,θ3の理論値は、それぞれ等しくなり、模擬負荷3の負荷値から次の(1)式と(2)式に表わされる。
PI1=PI3=200[V]×3.63[A]=726[VA] …(1)
θ1=θ3=90° …(2)
理論値演算手段24は、基礎データ取得手段23によって取得される基礎データから、電子式電力量計2に接続される配線の各接続状態における、所定の2組みの各相間についての有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3を理論値として、後述する計算式によって演算する。テーブル作成手段25は、理論値演算手段24によって演算される理論値と、配線の各接続状態との関係を規定するテーブルを作成する。比較手段26は、計測値入力手段21によって入力される計測値と、テーブル作成手段25によって作成されたテーブルに規定される理論値とを比較する。判別手段27は、計測値に最も近い値を持つ理論値を比較手段26の比較結果から判別し、判別した理論値に応じた配線の接続状態を特定する。
本実施形態においては、計測値入力手段21は、所定の2組みの相間電圧間である、1側の相間電圧P1と3側の相間電圧P3との間の電圧位相差θp1-p3を電子式電力量計2から入力する。比較手段26は、さらに、計測値入力手段21によって入力される電圧位相差θp1-p3と、所定の電圧位相差である、1側の相間電圧P1と3側の相間電圧P3との間の電圧位相差300°とを比較する。判別手段27は、電圧位相差θp1-p3と所定の電圧位相差300°とについての比較手段26の比較結果をさらに参照して、配線の接続状態を特定する。
情報入力手段28は、電子式電力量計2からセンサ4およびケーブル5を介して、電子式電力量計2の計器情報と、電子式電力量計2に設定される設定情報を入力する。データ出力手段29は、判別手段27によって特定される配線の接続状態の情報を、情報入力手段28によって入力される計器情報と設定情報と共にデータとして出力する。このデータ出力は、PC1に設けられたUSBポート15からUSB規格にしたがって行われてPDFデータや表データとして出力されたり、プリンタ16へ行われて紙に出力されたりする。
図3〜図6には、テーブル作成手段25によって作成されるテーブルの一部が表わされている。このテーブルには、電子式電力量計2に接続される配線の各接続状態を表す接続図と、接続図に対応して各端子間の接続関係を表す接続端子対応表と、配線の各接続状態に対応する理論値の計算式およびベクトル図とが表されている。ベクトル図は、配線の各接続状態における、所定の2組みの相間電圧P1,P3と線電流I1,I3との相対位相の関係を表わしている。理論値の計算式は、理論値演算手段24における有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の理論値の算出に用いられ、その計算式で算出される図示しない計算結果は、理論値として、配線の各接続状態に対応してテーブルに規定される。
テーブルに規定される理論値の各値は、計測値入力手段21によって入力される計測値の各値と、比較手段26によって比較される。テーブルに並んで同図に記載される測定結果は、並んでいるテーブルに示される配線の接続状態時に計測値入力手段21によって入力された計測値等の値を示す。測定結果に表わされるこれらの各計測値は、実負荷6としての模擬負荷が、ドライヤーなどの力率1.0の純抵抗のR負荷である場合と、進相コンデンサなどの力率0.0のコンデンサのC負荷である場合について、得られた値である
電子式電力量計2に接続される配線の接続状態の特定には、測定結果に表わされる、1側有効電力値W1[W]および1側無効電力値var1[var]、並びに、3側有効電力値W3[W]および3側無効電力値var3[var]と、電圧位相差θp1-p3との計測値だけが参照される。つまり、合算有効電力値ΣW[W]および合算無効電力値Σvar[var]と、1側電圧V1[V]および3側電圧V3[V]との計測値は、配線の接続状態の特定に際して参照されない。1側電圧V1および3側電圧V3の値は、三相電源配線が電子式電力量計2に接続されていることを確認する程度に用いられる。
図3の上段に示すテーブルには、電子式電力量計2に接続される配線の正常接続時における接続図および接続端子対応表並びに理論値計算式およびベクトル図が示されている。配線の正常接続時における有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の理論値は、基礎データである皮相電力PI1,PI3と位相差θ1,θ3に基づいて、同テーブルに示す次の(3-1)〜(3-4)式を用いて算出される。これら各式によって算出される理論値は、テーブル作成手段25によって配線の正常接続に対応してテーブルに記憶される。
W1=PI1cos(θ1+30°) …(3-1)
var1=PI1sin(θ1+30°) …(3-2)
W3=PI3cos(θ3−30°) …(3-3)
var3=PI3sin(θ3−30°) …(3-4)
配線の正常接続時におけるテーブルに並ぶ測定結果は、配線の正常接続時に計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された実負荷6についての計測値であるこれら計測値の有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の値は、テーブル作成手段25によって作成されたテーブルで配線の正常接続状態に対して規定される、(3-1)〜(3-4)式で計算される図示しない理論値に最も近い値となっている。したがって、判別手段27により、計測値に最も近い値を持つその理論値が比較手段26の比較結果から判別され、判別された理論値に応じた配線の接続状態として、正常接続状態が特定される。
また、図3のテーブルNo.E1には、電圧回路配線のみの誤接続時における接続図および接続端子対応表並びに理論値計算式およびベクトル図が示されている。電圧回路配線のみの誤接続時における接続図および接続端子対応表並びに理論値計算式およびベクトル図は、図示するテーブルNoE1以外にも、それに続くテーブルが存在するが、それらの図示は省略する。
テーブルNo.E1には、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続に誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、P1端子がVTの出力端子1uに接続されるべきところ出力端子1vに誤接続され、P2端子がVTの出力端子1v,3uおよびG(グランド・接地)に接続されるべきところ出力端子1u,3uおよびGに誤接続されている。
この配線の誤接続時における有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の理論値は、基礎データである皮相電力PI1,PI3と位相差θ1,θ3に基づいて、同テーブルに示す次の(4-1)〜(4-4)式を用いて算出される。これら各式によって算出される理論値は、テーブル作成手段25によって配線の上記誤接続に対応してテーブルに記憶される。
W1=PI1cos(θ1−150°) …(4-1)
var1=PI1sin(θ1−150°) …(4-2)
W3=PI3cos(θ3−30°) …(4-3)
var3=PI3sin(θ3−30°) …(4-4)
テーブルNo.E1に並ぶ測定結果は、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続に上記誤接続がある時に計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された実負荷6についての計測値である。これら計測値の有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の値は、テーブル作成手段25によって作成されたテーブルで配線の上記誤接続状態に対して規定される、(4-1)〜(4-4)式で計算される図示しない理論値に最も近い値となっている。したがって、判別手段27により、計測値に最も近い値を持つその理論値が比較手段26の比較結果から判別され、判別された理論値に応じた配線の接続状態として、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続に上記誤接続がある誤接続状態が特定される。
また、図4のテーブルNo.A1およびNo.A2には、電流回路配線のみの誤接続時における接続図および接続端子対応表並びに理論値計算式およびベクトル図が示されている。電流回路配線のみの誤接続時における接続図および接続端子対応表並びに理論値計算式およびベクトル図は、図示するテーブルNo.A1およびNo.A2以外にも、それに続くテーブルが存在するが、それらの図示は省略する。
テーブルNo.A1には、1S端子と1L端子との配線接続に誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、1S端子がCTの出力端子1Kに接続されるべきところ出力端子1LおよびGに誤接続され、1L端子がCTの出力端子1LおよびGに接続されるべきところ出力端子1Kに誤接続されている。この配線の誤接続時における有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の理論値は、基礎データである皮相電力PI1,PI3と位相差θ1,θ3に基づいて、同テーブルに示す次の(5-1)〜(5-4)式を用いて算出される。これら各式によって算出される理論値は、テーブル作成手段25によって配線の上記誤接続に対応してテーブルに記憶される。
W1=PI1cos(θ1+210°) …(5-1)
var1=PI1sin(θ1+210°) …(5-2)
W3=PI3cos(θ3+330°) …(5-3)
var3=PI3sin(θ3+330°) …(5-4)
テーブルNo.A1に並ぶ測定結果は、1S端子と1L端子との配線接続に上記誤接続がある時に計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された実負荷6についての計測値である。これら計測値の有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の値は、テーブル作成手段25によって作成されたテーブルで配線の上記誤接続状態に対して規定される、(5-1)〜(5-4)式で計算される図示しない理論値に最も近い値となっている。したがって、判別手段27により、計測値に最も近い値を持つその理論値が比較手段26の比較結果から判別され、判別された理論値に応じた配線の接続状態として、1S端子と1L端子との配線接続に上記誤接続がある誤接続状態が特定される。
テーブルNo.A2には、3S端子と3L端子との配線接続に誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、3S端子がCTの出力端子3Kに接続されるべきところ出力端子3LおよびGに誤接続され、3L端子がCTの出力端子3LおよびGに接続されるべきところ出力端子3Kに誤接続されている。この配線の誤接続時における有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の理論値は、基礎データである皮相電力PI1,PI3と位相差θ1,θ3に基づいて、同テーブルに示す次の(6-1)〜(6-4)式を用いて算出される。これら各式によって算出される理論値は、テーブル作成手段25によって配線の上記誤接続に対応してテーブルに記憶される。
W1=PI1cos(θ1+30°) …(6-1)
var1=PI1sin(θ1+30°) …(6-2)
W3=PI3cos(θ3+150°) …(6-3)
var3=PI3sin(θ3+150°) …(6-4)
テーブルNo.A2に並ぶ測定結果は、3S端子と3L端子との配線接続に上記誤接続がある時に計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された実負荷6についての計測値である。これら計測値の有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の値は、テーブル作成手段25によって作成されたテーブルで配線の上記誤接続状態に対して規定される、(6-1)〜(6-4)式で計算される図示しない理論値に最も近い値となっている。したがって、判別手段27により、計測値に最も近い値を持つその理論値が比較手段26の比較結果から判別され、判別された理論値に応じた配線の接続状態として、3S端子と3L端子との配線接続に上記誤接続がある誤接続状態が特定される。
また、図5のテーブルNo.EA1、No.EA2および図6のテーブルNo.EA3には、電圧回路配線と電流回路配線との組み合わせ誤接続時における接続図および接続端子対応表並びに理論値計算式およびベクトル図が示されている。これら誤接続時における接続図および接続端子対応表並びに理論値計算式およびベクトル図は、図示するテーブルNo.EA1、No.EA2およびNo.EA3以外にも、それに続くテーブルが存在するが、それらの図示は省略する。
テーブルNo.EA1には、1相側と3相側の配線を入れ替えて逆相接続状態になり、1相側のP1端子と3相側のP3端子との配線接続に誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、P1端子がVTの出力端子1uに接続されるべきところ出力端子3vに誤接続され、P3端子がVTの出力端子3vに接続されるべきところ出力端子1uに誤接続されている。この電圧回路配線の誤接続により、1S端子がCTの出力端子1Kに接続されるべきところ出力端子3Kに誤接続され、1L端子がCTの出力端子1LおよびGに接続されるべきところ出力端子3LおよびGに誤接続されている。また、3S端子がCTの出力端子3Kに接続されるべきところ出力端子1Kに誤接続され、3L端子がCTの出力端子3LおよびGに接続されるべきところ出力端子1LおよびGに誤接続されている。
この配線の誤接続時における有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の理論値は、基礎データである皮相電力PI1,PI3と位相差θ1,θ3に基づいて、同テーブルに示す次の(7-1)〜(7-4)式を用いて算出される。これら各式によって算出される理論値は、テーブル作成手段25によって配線の上記誤接続に対応してテーブルに記憶される。
W1=PI3cos(θ3−30°) …(7-1)
var1=PI3sin(θ3−30°) …(7-2)
W3=PI1cos(θ1+30°) …(7-3)
var3=PI1sin(θ1+30°) …(7-4)
テーブルNo.EA1に並ぶ測定結果は、1相側のP1端子と3相側のP3端子との配線接続に上記誤接続がある時に計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された実負荷6についての計測値である。これら計測値の有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の値は、テーブル作成手段25によって作成されたテーブルで配線の上記誤接続状態に対して規定される、(7-1)〜(7-4)式で計算される図示しない理論値に最も近い値となっている。したがって、判別手段27により、計測値に最も近い値を持つその理論値が比較手段26の比較結果から判別され、判別された理論値に応じた配線の接続状態として、1相側のP1端子と3相側のP3端子との配線接続に上記誤接続がある誤接続状態が特定される。
テーブルNo.EA2には、テーブルNo.E1に規定されている電圧回路配線についての誤接続と、テーブルNo.A1に規定されている電流回路配線についての誤接続とが組み合わされた誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続が入れ替わり、P1端子がVTの出力端子1uに接続されるべきところ出力端子1vに誤接続され、P2端子がVTの出力端子1v,3uおよびGに接続されるべきところ出力端子1u,3uおよびGに誤接続されている。さらに、1S端子と1L端子との配線接続が入れ替わり、1S端子がCTの出力端子1Kに接続されるべきところ出力端子1LおよびGに誤接続され、1L端子がCTの出力端子1LおよびGに接続されるべきところ出力端子1Kに誤接続されている。
この配線の誤接続時における有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の理論値は、基礎データである皮相電力PI1,PI3と位相差θ1,θ3に基づいて、同テーブルに示す次の(8-1)〜(8-4)式を用いて算出される。これら各式によって算出される理論値は、テーブル作成手段25によって配線の上記誤接続に対応してテーブルに記憶される。
W1=PI1cos(θ1+30°) …(8-1)
var1=PI1sin(θ1+30°) …(8-2)
W3=PI3cos(θ3+330°) …(8-3)
var3=PI3sin(θ3+330°) …(8-4)
テーブルNo.EA2に並ぶ測定結果は、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続、および、1S端子と1L端子との配線接続に上記誤接続がある時に、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された実負荷6についての計測値である。これら計測値の有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の値は、図3に示す配線の正常接続状態時に計測値入力手段21によって入力される計測値と同じ値となり、テーブル作成手段25によって作成されたテーブルで配線の上記誤接続状態に対して規定される(8-1)〜(8-4)式で計算される図示しない理論値と最も近い値になると同時に、図3に示す配線の正常接続状態に対して規定される(3-1)〜(3-4)式で計算される図示しない理論値にも最も近い値となってしまう。
これは、上記の(8-3)式および(8-4)式の右辺における余弦および正弦の位相であるθ3+330°=θ3−30°となり、(8-3)式および(8-4)式に示される有効電力値W3と無効電力値var3の値が(3-3)式および(3-4)式に示される正常接続状態時の値と同じになってしまうからである。したがって、判別手段27により、配線の上記誤接続状態時における計測値に最も近い値を持つ理論値が、比較手段26の比較結果から2つ判別されてしまい、配線の接続状態が上記誤接続状態であるのか、正常接続状態であるのか、特定されなくなる。
このため、本実施形態では、比較手段26は、配線の上記誤接続状態時に計測値入力手段21によって入力される電圧位相差θp1-p3と、所定の電圧位相差である300°とをさらに比較する。判別手段27は、電圧位相差θp1-p3と所定の電圧位相差300°とについての比較手段26の比較結果をさらに参照して、配線の接続状態を特定する。電圧位相差θp1-p3が所定の電圧位相差である300°に一致しない場合には、その電圧位相差θp1-p3と共に計測される計測値は配線の誤接続状態時に計測されたものと、判別手段27によって判別される。
配線の正常接続状態時に計測値入力手段21によって入力される電圧位相差θp1-p3は、配線の正常接続状態時のテーブルに並ぶ測定結果(図3参照)に示されるように300°であり、所定の電圧位相差300°に一致する。一方、配線の上記誤接続状態時に計測値入力手段21によって入力される電圧位相差θp1-p3は、テーブルNo.EA2に並ぶ測定結果に示されるように120°であり、所定の電圧位相差300°に一致しない。このため、120°の電圧位相差θp1-p3と共に計測される有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の計測値は、配線の誤接続状態時に計測されたものと判別手段27によって判別され、配線の接続状態は、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続、および、1S端子と1L端子との配線接続に上記誤接続がある誤接続状態であると特定される。
なお、配線の接続状態確認時、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力される計測値は、上記のように、配線の各誤接続状態に対してテーブルに規定される2つの理論値と同時に最も近い値になる場合がある。この場合、必ずしも、上記の誤接続時におけるように、電圧位相差θp1-p3と所定の電圧位相差300°とを比較することによっても、配線の誤接続状態を特定できないことがある。しかし、電圧位相差θp1-p3が所定の電圧位相差300°に一致しないことから、配線接続に誤接続があること、および、計測値が最も近い値となる2つの理論値に対応する2つの誤接続状態のいずれかであることは分かる。したがって、そのような場合、2つの誤接続状態に絞って配線状態を調査し、確認する必要がある。
図6に示すテーブルNo.EA3には、テーブルNo.E1に規定されている電圧回路配線についての誤接続と、テーブルNo.A2に規定されている電流回路配線についての誤接続とが組み合わされた誤接続がある場合が規定されている。つまり、接続図に破線で示される配線、および、接続端子対応表に斜体の太字で示されるように、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続が入れ替わり、P1端子がVTの出力端子1uに接続されるべきところ出力端子1vに誤接続され、P2端子がVTの出力端子1v,3uおよびGに接続されるべきところ出力端子1u,3uおよびGに誤接続されている。さらに、3S端子と3L端子との配線接続が入れ替わり、3S端子がCTの出力端子3Kに接続されるべきところ出力端子3LおよびGに誤接続され、3L端子がCTの出力端子3LおよびGに接続されるべきところ出力端子3Kに誤接続されている。
この配線の誤接続時における有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の理論値は、基礎データである皮相電力PI1,PI3と位相差θ1,θ3に基づいて、同テーブルに示す次の(9-1)〜(9-4)式を用いて算出される。これら各式によって算出される理論値は、テーブル作成手段25によって配線の上記誤接続に対応してテーブルに記憶される。
W1=PI1cos(θ1+210°) …(9-1)
var1=PI1sin(θ1+210°) …(9-2)
W3=PI3cos(θ3+150°) …(9-3)
var3=PI3sin(θ3+150°) …(9-4)
テーブルNo.EA3に並ぶ測定結果は、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続、および、3S端子と3L端子との配線接続に上記誤接続がある時に、計測値入力手段21によって電子式電力量計2から入力された実負荷6についての計測値である。これら計測値の有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3の値は、テーブル作成手段25によって作成されたテーブルで配線の上記誤接続状態に対して規定される、(9-1)〜(9-4)式で計算される図示しない理論値に最も近い値となっている。したがって、判別手段27により、計測値に最も近い値を持つその理論値が比較手段26の比較結果から判別され、判別された理論値に応じた配線の接続状態として、VTの出力端子1uと出力端子1vとの配線接続、および、3S端子と3L端子との配線接続に上記誤接続がある誤接続状態が特定される。
このような本実施形態による電子式電力量計2の配線接続状態判別コンピュータプログラムによれば、上記のように、基礎データ取得手段23により、電子式電力量計2に接続される配線の各接続状態における、三相電源の所定の2組みの各相間についての皮相電力値PI1,PI3と相間電圧P1,P3に対する線電流I1,I3の位相差θ1,θ3が、基礎データとして取得される。理論値演算手段24は、取得された基礎データから、配線の各接続状態における、所定の2組みの各相間についての有効電力値W1,W3と無効電力値var1,var3を理論値として演算する。演算された理論値は、配線の各接続状態との関係が、テーブル作成手段25によって作成されるテーブルに規定される。テーブル作成手段25によって作成されたテーブルに規定される理論値と、計測値入力手段21によって入力された計測値とは比較手段26によって比較され、比較手段26の比較結果から、判別手段27により、計測値に最も近い値を持つ理論値が判別される。電子式電力量計2の配線の接続状態は、判別されたその理論値に対してテーブルに規定された配線の接続状態として特定される。
したがって、コンピュータを上記各手段として機能させるプログラムをPC1に実行させることで、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態を判別することができるようになる。このため、従来のように特別の装置を用意する必要なく、また、各装置間の結線等を行ったりする煩雑な作業をすることなく、簡易に、電子式電力量計2に接続される配線の誤結線の有無を判定することが可能となる。
また、電子式電力量計2の配線接続状態は、基礎データ取得手段23によって皮相電力値PI1,PI3と線電流I1,I3の位相差θ1,θ3が基礎データとして取得され、取得された基礎データに基づいて理論値演算手段24によって理論値が演算されて、比較手段26で理論値と計測値とが比較されることで、判別される。すなわち、電子式電力量計2の配線接続状態は、理論値に有効電力値を用いることなく判別される。このため、比較手段26における計測値との比較に用いられる理論値を得る際に、有効電力値を求めるために抵抗負荷Rに実際に電流を流す必要はなく、電力を消費して電気料金がかかることはない。また、抵抗負荷Rに電流を流さないので、発熱の問題が生じることもなく、また、抵抗負荷Rを用いることで模擬負荷3が大型化することもない。
また、本実施形態による電子式電力量計2の配線接続状態判別コンピュータプログラムによれば、模擬負荷3として容量性負荷である進相コンデンサを用い、その定格容量と位相角を負荷値入力手段22によって入力することで、皮相電力値PI1,PI3の理論値は進相コンデンサの定格容量として、位相差θ1,θ3の理論値は進相コンデンサの位相角として、基礎データ取得手段23によって直ちに取得される。
また、本実施形態による電子式電力量計2の配線接続状態判別コンピュータプログラムによれば、電子式電力量計2から計測値入力手段21によって入力される所定の2組みの相間電圧P1,P3間の電圧位相差θp1-p3と所定の電圧位相差300°とが、比較手段26によってさらに比較される。配線の接続状態は、判別手段27によってその比較結果がさらに参照されて特定される。このため、理論値と計測値との比較だけでは判別することのできない配線の接続状態が特定されるようになり、配線の接続状態をより詳しく特定することが可能となる。
また、本実施形態では、PC1を、電子式電力量計2の計器情報、および、電子式電力量計2に設定される設定情報を入力する情報入力手段28と、判別手段27によって特定される配線の接続状態の情報を、情報入力手段28によって入力される計器情報および設定情報と共にデータとして出力するデータ出力手段29としても、機能させる。したがって、電子式電力量計2の配線接続状態確認時に、計測値入力手段21によって入力された模擬負荷3または実負荷6の計測値をテーブルに規定された理論値と比較することで、電子式電力量計2に接続される配線の接続状態と共に電子式電力量計2の計器情報および設定情報をデータとして得ることができる。したがって、電子式電力量計2の設置状態を正確に把握することができると共に、その設置状態を客観的に第三者に正確に伝達することが可能になる。
なお、上記の実施形態では、基礎データ取得手段23が、負荷値入力手段22に入力される模擬負荷3の定格容量と位相角に基づいて求まる皮相電力値PI1,PI3と位相差θ1,θ3を基礎データとして取得した場合について、説明した。しかし、基礎データ取得手段23は、配線の各接続状態で計測値入力手段21によって入力される模擬負荷3または実負荷6の計測値から基礎データを演算して取得するように構成してもよい。
この場合、基礎データ取得手段23は、電子式電力量計2によって計測される1側および3側有効電力値W1,W3と1側および3側無効電力値var1,var3から、所定の2組みの各相間についての皮相電力値PI1,PI3と位相差θ1,θ3の基礎データを次のように演算する。すなわち、皮相電力値PI1,PI3の基礎データは、計測値から次の(10-1)式,(10-2)式によって演算される。
PI1=(W1+var11/2 …(10-1)
PI3=(W3+var31/2 …(10-2)
また、各位相差θ1,θ3の基礎データは、三相3線における30°の位相ズレを考慮して、次の(11-1)式,(11-2)式から演算される。
θ1=cos−1(W1/PI1)−30° …(11-1)
θ3=cos−1(W3/PI3)+30° …(11-2)
ただし、電子式電力量計2によって計測されたvar1,var3の符号が−(マイナス)の場合、各位相差θ1,θ3の基礎データは、次の(12-1)式,(12-2)式から演算される。
θ1=−cos−1(W1/PI1)−30° …(12-1)
θ3=−cos−1(W3/PI3)+30° …(12-2)
本構成によれば、配線の各接続状態で計測値入力手段21によって入力される模擬負荷3または実負荷6の計測値から、基礎データ取得手段23の演算により、基礎データが取得される。このため、負荷値入力手段22を備える必要がなくなり、PC1によって構成される機能手段が簡素化される。
1…パーソナルコンピュータ(PC)
2…電子式電力量計
2a…表示部
2b…端子部
3…模擬負荷
4…センサ
5…ケーブル
6…実負荷
11…ROM
12…RAM
13…CPU

Claims (4)

  1. コンピュータを、
    三相電源の所定の2組みの各相間について電子式電力量計によって計測される有効電力値と無効電力値を計測値として入力する計測値入力手段と、電子式電力量計に接続する模擬負荷の定格容量と位相角を入力する負荷値入力手段と、前記負荷値入力手段に入力される前記模擬負荷の定格容量と位相角に基づいて求まる前記所定の2組みの各相間についての皮相電力値と相間電圧に対する線電流の位相差を基礎データとして取得する基礎データ取得手段と、前記基礎データ取得手段によって取得される前記基礎データから、電子式電力量計に接続される配線の各接続状態における、前記所定の2組みの各相間についての前記有効電力値と前記無効電力値を理論値として演算する理論値演算手段と、前記理論値演算手段によって演算される前記理論値と前記配線の各接続状態との関係を規定するテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記計測値入力手段によって入力される前記計測値と前記テーブル作成手段によって作成されたテーブルに規定される前記理論値とを比較する比較手段と、前記計測値に最も近い値を持つ前記理論値を前記比較手段の比較結果から判別し、判別した前記理論値に応じた前記配線の接続状態を特定する判別手段と
    して機能させるためのプログラム。
  2. コンピュータを、
    三相電源の所定の2組みの各相間について前記コンピュータと別個に設けられる電子式電力量計によって計測され、前記電子式電力量計の外部通信ポートから出力される有効電力値と無効電力値を計測値としてセンサを介して前記外部通信ポートから入力する計測値入力手段と、前記所定の2組みの各相間についての皮相電力値と相間電圧に対する線電流の位相差を基礎データとして取得する基礎データ取得手段と、前記基礎データ取得手段によって取得される前記基礎データから、前記電子式電力量計の端子部に接続される配線の正常接続状態および誤接続状態を含む各接続状態における、前記所定の2組みの各相間についての前記有効電力値と前記無効電力値を理論値として演算する理論値演算手段と、前記理論値演算手段によって演算される前記理論値と前記配線の前記各接続状態との関係を規定するテーブルを作成するテーブル作成手段と、前記計測値入力手段によって入力される前記計測値と前記テーブル作成手段によって作成されたテーブルに規定される前記理論値とを比較する比較手段と、前記計測値に最も近い値を持つ前記理論値を前記比較手段の比較結果から判別し、判別した前記理論値に応じて、前記電子式電力量計の設置時に前記端子部に接続された前記配線の接続状態を正常接続状態か誤接続状態かのいずれかに特定する判別手段と
    して機能させるための、電子式電力量計の配線接続状態判別プログラム。
  3. 前記基礎データ取得手段は、前記配線の前記各接続状態で前記計測値入力手段によって入力される模擬負荷または実負荷の前記計測値から前記基礎データを演算して取得することを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
  4. 前記計測値入力手段は、前記所定の2組みの相間電圧間の電圧位相差を電子式電力量計から入力し、
    前記比較手段は、さらに、前記計測値入力手段によって入力される前記電圧位相差と所定の電圧位相差とを比較し、
    前記判別手段は、前記電圧位相差と前記所定の電圧位相差とについての前記比較手段の比較結果をさらに参照して、前記配線の接続状態を特定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラム。
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