JP6804113B2 - エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法、古典コンピュータ、量子コンピュータ、量子情報処理プログラム、及びハイブリッドシステム - Google Patents

エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法、古典コンピュータ、量子コンピュータ、量子情報処理プログラム、及びハイブリッドシステム Download PDF

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Description

開示の技術は、エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法、古典コンピュータ、量子コンピュータ、量子情報処理プログラム、及びデータ構造に関する。
従来、変分量子固有値計算(VQE : Variational-Quantum-Eigensolver)(以下、単に「VQE」と称する。)が知られている(例えば、非特許文献1を参照。)。VQEは、量子回路のパラメータを変分的に更新することにより、ハミルトニアンの最小の固有値を近似的に計算する。ハミルトニアンの最小の固有値に対応するエネルギーの情報は、例えば、量子化学計算の際の有用な情報である。
量子化学計算において、時間に依存しない多くの物理的性質又は化学的性質は、エネルギーの導関数を用いて定義されることが多い。この点、量子コンピュータによる量子計算を用いて量子位相推定を行うことにより、エネルギーの導関数を計算する技術が知られている(例えば、非特許文献2を参照。)
A. Peruzzo, J. McClean, P. Shadbolt, M.-H. Yung, X.-Q. Zhou, P. J. Love, A. Aspuru-Guzik and J. L.O’Brien, "A variational eigenvalue solver on a photonic quantum processor," Nature Communications,5, article number: 4213, 2014. I. Kassal and A. Aspuru-Guzik, "Quantum algorithm for molecular properties and geometry optimization", J. Chem. Phys. 131, 224102 (2009);
しかし、上記非特許文献1に開示されているVQEは、エネルギーの導関数の導出については考慮されていない。また、上記非特許文献2に開示されている技術は、エネルギーの導関数を計算する際に量子位相推定を利用しており、VQEを用いてエネルギーを計算する際にエネルギーの導関数を計算することは開示されていない。
開示の技術は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、VQEを用いて系のエネルギーを量子計算する際に、エネルギーの導関数を得ることができる、エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法、古典コンピュータ、量子コンピュータ、量子情報処理プログラム、及びデータ構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本開示の第1態様のエネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法は、古典コンピュータと量子コンピュータとを含むハイブリッドシステムが実行する量子情報処理方法であって、前記古典コンピュータが、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とを出力し、前記量子コンピュータが、前記古典コンピュータから出力された、前記ハミルトニアンと前記初期情報とに応じて、VQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算を実行し、エネルギーを計算するための第1の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第1の量子回路を表すパラメータを出力し、前記古典コンピュータが、前記量子コンピュータから出力された前記第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、前記量子コンピュータが、前記古典コンピュータから出力された前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算を実行し、前記量子計算の測定結果を出力し、前記古典コンピュータが、前記量子コンピュータから出力された前記測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を計算し、前記エネルギーの導関数を出力する、処理を含む。
本開示の第2態様は、エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法であって、前記ハミルトニアンは、物質のハミルトニアンである。
本開示の第3態様は、エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法であって、前記古典コンピュータは、前記第1の量子回路に含まれる複数のユニタリゲートの間に、前記回転ゲートを挿入することにより、前記第2の量子回路を表すパラメータを生成する。
本開示の第4態様は、エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法であって、前記古典コンピュータは、基底状態のエネルギーの前記導関数を計算する場合に、以下の式(1)によって表される回転ゲートR± a,μを、前記第1の量子回路に含まれる複数のユニタリゲートの間に挿入する。



(1)
ここで、aは量子回路のパラメータベクトルθの要素を識別するためのインデックスa,b,c,・・・であり、μはパウリ演算子を識別するためのインデックスである。
本開示の第5態様は、エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法であって、前記古典コンピュータは、励起状態のエネルギーの前記導関数を計算する場合に、以下の式(2)によって表される回転ゲートR(s),± a,μを、前記第1の量子回路に含まれる複数のユニタリゲートの間に挿入する。



(2)
ここで、aは量子回路のパラメータベクトルθの要素を識別するためのインデックスa,b,c,・・・であり、μはパウリ演算子を識別するためのインデックスであり、sは励起状態を表すインデックスである。
本開示の第6態様は、エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法であって、前記古典コンピュータと前記量子コンピュータとはコンピュータネットワークを介して接続されており、前記古典コンピュータと前記量子コンピュータとは、前記コンピュータネットワークを介して情報の送受信を行う。
本開示の第7態様は、エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法であって、古典コンピュータが、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とを出力し、量子コンピュータから出力された、前記ハミルトニアンと前記初期情報とに基づきVQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算により生成された第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、前記量子コンピュータから出力された、前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算の測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を生成し、前記エネルギーの導関数を出力する、処理を実行する古典コンピュータによる量子情報処理方法である。
本開示の第8態様は、エネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法であって、量子コンピュータが、古典コンピュータから出力された、ハミルトニアンHと量子回路を表すパラメータの初期情報とに応じて、VQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算を実行し、第1の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第1の量子回路を表すパラメータを出力し、前記古典コンピュータから出力された、前記第1の量子回路を表すパラメータに応じた回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータに基づいて、量子計算を実行し、前記量子計算の測定結果を出力する、処理を実行する量子コンピュータによる量子情報処理方法である。
本開示の第9態様は、古典コンピュータであって、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とを出力し、量子コンピュータから出力された、前記ハミルトニアンと前記初期情報とに基づきVQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算により生成された第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、前記量子コンピュータから出力された、前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算の測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を生成し、前記エネルギーの導関数を出力する、処理を実行する古典コンピュータである。
本開示の第10態様は、量子コンピュータであって、古典コンピュータから出力された、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とに応じて、VQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算を実行し、エネルギーを計算するための第1の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第1の量子回路を表すパラメータを出力し、前記古典コンピュータから出力された、前記第1の量子回路を表すパラメータに応じた回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータに基づいて、量子計算を実行し、前記量子計算の測定結果を出力する、処理を実行する量子コンピュータである。
本開示の第11態様は、量子情報処理プログラムであって、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とを出力し、量子コンピュータから出力された、前記ハミルトニアンと前記初期情報とに基づきVQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算により生成された、エネルギーを計算するための第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、前記量子コンピュータから出力された、前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算の測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を生成し、前記エネルギーの導関数を出力する、処理を古典コンピュータに実行させるための量子情報処理プログラムである。
本開示の第12態様は、量子情報処理プログラムであって、古典コンピュータから出力された、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とに応じて、VQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算を実行し、エネルギーを計算するための第1の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第1の量子回路を表すパラメータを出力し、前記古典コンピュータから出力された、前記第1の量子回路を表すパラメータに応じた回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータに基づいて、量子計算を実行し、前記量子計算の測定結果を出力する、処理を量子コンピュータに実行させるための量子情報プログラムである。
本開示の第13態様は、量子コンピュータの量子計算に用いられるデータ構造であって、ハミルトニアンと、量子回路を表すパラメータの初期情報と、を含み、前記ハミルトニアンと前記初期情報とに基づくVQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた前記量子コンピュータによる量子計算によって、基底状態又は励起状態のエネルギーを計算するための第1の量子回路のパラメータを生成する処理に用いられる、データ構造である。
本開示の第14態様は、量子コンピュータの量子計算に用いられる量子回路の構成に関するデータ構造であって、複数のユニタリゲートと、複数のユニタリゲートの間に挿入された回転ゲートと、を含み、前記複数のユニタリゲートと前記回転ゲートとを含む量子回路に基づく前記量子コンピュータによる量子計算によって、前記量子計算の測定結果を測定する処理に用いられる、データ構造である。
開示の技術によれば、VQEを用いて系のエネルギーを量子計算する際に、エネルギーの導関数を得ることができる、という効果が得られる。
本実施形態のハイブリッドシステム100の概略構成の一例を示す図である。 古典コンピュータ110、制御装置121、及びユーザ端末130として機能するコンピュータの概略ブロック図である。 第2の量子回路の一例を模式的に示す図である。 第2の量子回路の一例を模式的に示す図である。 系の状態を表すパラメータによるエネルギーの導関数の計算処理の一例を示す図である。 シミュレーションに用いられる仮の量子回路を示す図である。 シミュレーション結果の一例を示す図である。
以下、図面を参照して開示の技術の実施形態を詳細に説明する。
<第1実施形態に係るハイブリッドシステム100>
図1に、第1実施形態に係るハイブリッドシステム100を示す。本実施形態のハイブリッドシステム100は、古典コンピュータ110と量子コンピュータ120とユーザ端末130とを備える。古典コンピュータ110と量子コンピュータ120とユーザ端末130とは、図1に示されるように、一例としてIPネットワークなどのコンピュータネットワークを介して接続されている。
本実施形態のハイブリッドシステム100においては、量子コンピュータ120が古典コンピュータ110からの要求に応じて所定の量子計算を行い、当該量子計算の計算結果を古典コンピュータ110へ出力する。古典コンピュータ110はユーザ端末130へ量子計算に応じた計算結果を出力する。これにより、ハイブリッドシステム100全体として所定の計算処理が実行される。
古典コンピュータ110は、通信インターフェース等の通信部111と、プロセッサ、CPU(Central processing unit)等の処理部112と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置又は記憶媒体を含む情報記憶部113とを備え、各処理を行うためのプログラムを実行することによって構成されている。なお、古典コンピュータ110は1又は複数の装置ないしサーバを含むことがある。また、当該プログラムは1又は複数のプログラムを含むことがあり、また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して非一過性のプログラムプロダクトとすることできる。
量子コンピュータ120は、一例として、古典コンピュータ110から送信される情報に基づいて量子ビット群123のうちの少なくとも何れかの量子ビットへ照射するための電磁波を生成する。そして、量子コンピュータ120は、生成された電磁波を、量子ビット群123のうちの少なくとも何れかの量子ビットへ照射することにより、量子回路を実行する。
図1の例では、量子コンピュータ120は、古典コンピュータ110と通信を行う制御装置121と、制御装置121からの要求に応じて電磁波を生成する電磁波生成装置122と、電磁波生成装置122からの電磁波照射を受ける量子ビット群123とを備える。なお、本実施形態において「量子コンピュータ」とは、古典ビットによる演算を一切行わないことを意味するものではなく、量子ビットによる演算を含むコンピュータをいう。
制御装置121は、古典ビットにより演算を行う古典コンピュータであり、古典コンピュータ110において行うものとして本明細書にて説明する処理の一部又は全部を代替的に行う。例えば、制御装置121は、量子回路を予め記憶又は決定しておき、量子回路U(θ)のパラメータθを受信したことに応じて、量子ビット群123において量子回路U(θ)を実行するための量子ゲート情報を生成してもよい。
ユーザ端末130は、古典ビットにより演算を行う古典コンピュータである。ユーザ端末130は、ユーザから入力された情報を受け付け、当該情報に応じた処理を実行する。
古典コンピュータ110、制御装置121、及びユーザ端末130は、例えば、図2に示すコンピュータ50で実現することができる。コンピュータ50はCPU51、一時記憶領域としてのメモリ52、及び不揮発性の記憶部53を備える。また、コンピュータ50は、外部装置及び出力装置等が接続される入出力interface(I/F)54、及び記録媒体59に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するread/write(R/W)部55を備える。また、コンピュータ50は、インターネット等のネットワークに接続されるネットワークI/F56を備える。CPU51、メモリ52、記憶部53、入出力I/F54、R/W部55、及びネットワークI/F56は、バス57を介して互いに接続される。
第1実施形態のハイブリッドシステム100は、基底状態のエネルギーの導関数を算出する。以下、前提となる事項について説明する。
[VQEについて]
まず、VQEのアルゴリズムについて簡単に説明する。
量子コンピュータは、量子回路U(θ)に基づいて量子計算を実行する。量子回路U(θ)と量子状態|ψ(θ)>との間の関係は、次式によって表される。なお、ψ(θ)は波動関数を表す。
なお、次式の項は、初期化されたn[qubit]の状態を表す。
θは、次式に示されるように、量子回路を表すN次元のパラメータベクトルである。また、以下において、θ(p=a,b,c,・・・)は、量子回路U(θ)のパラメータベクトルθの要素を表す。量子回路U(θ)のパラメータθは、量子回路の構成を表す情報である。このため、量子コンピュータは、量子回路U(θ)のパラメータθに応じて量子計算を実行する。
VQEは、与えられたハミルトニアンHに対応するエネルギーE(θ)=<ψ(θ)|H|ψ(θ)>が最小となるように、量子回路U(θ)のパラメータθを最適化する。なお、最適な量子回路U(θ)のパラメータθにおいては、全てのaについて、以下の式(1)が成立する。

(1)
ここで、量子回路U(θ)の最適なパラメータをθ*とする。以下の式(2)の表現が採用された場合、上記式(1)は、以下の式(3)によって表される。

(2)

(3)
また、量子回路U(θ)のパラメータθによる波動関数ψ(θ)の高次の偏導関数は、以下の式(4)によって表される。

(4)
時間に依存しない物理的特性又は化学的特性の多くは、系の状態を表すパラメータxによるエネルギーの導関数に基づき計算される。系の状態を表すパラメータxは、例えば、系における電場、磁場、及び原子核の位置座標等を表すパラメータである。本実施形態においては、以下の式に示されるように、系の状態を表すパラメータxがM次元ベクトルによって表される。なお、x(q=i,j,k,・・・)は、系の状態を表すパラメータベクトルxの要素を表す。
ハミルトニアンH及び量子回路U(θ)の最適なパラメータθ*は、系の状態を表すパラメータxの関数である。そのため、ハミルトニアンHは、H(x)と表される。また、量子回路U(θ)の最適なパラメータθ*は、θ*(x)と表される。このため、系のエネルギーEは以下の式(5)によって表される。

(5)
ここで、基底状態のエネルギーをE*(x)とする場合、E*(x)=E*(θ*(x),x)と表される。本実施形態では、次式に示されるような、系の状態を表すパラメータxによるE*(θ*(x),x)の導関数を算出する。
,
,
[導関数の解析的な表現について]
次に、エネルギーの導関数の解析的な表現について以下説明する。基底状態のエネルギーの導関数は、以下の式(6)〜(8)によって表される。

(6)

(7)

(8)
なお、上記式(6)〜(8)においては、次式が仮定される。
また、最適なパラメータθ(x)のパラメータxによる偏導関数は、以下の式(9)〜(10)を解くことによって求められる。

(9)

(10)
なお、上記式(10)におけるγは、以下の式(11)によって表される。

(11)
[基底状態における導関数の計算と測定について]
本実施形態のハイブリッドシステム100は、n[qubit]で動作するものとする。また、ハミルトニアンHは、次式に示されるパウリ演算子の集合に含まれるパウリ演算子I,X,Y,Zの和へ分解される。
このため、ハミルトニアンHは、以下の式(12)によって表される。

(12)
なお、上記式(12)におけるh(x)は、次式に示される係数である。
エネルギーの導関数を計算するためには、以下の式(13)に示されるような、ハミルトニアンHの導関数を計算する必要がある。
,
,

(13)
上記式(13)に示されるようなハミルトニアンHの導関数は、古典コンピュータによって計算可能である。なお、上記式(13)の計算は、上記式(12)におけるh(x)の導関数に相当する。
[量子回路の表現形式]
次に、量子回路の表現形式について説明する。なお、本実施形態では、量子回路U(θ)は、以下の式(14)に示されるように、ユニタリ行列の積によって表されるとする。

(14)
また、各ユニタリ行列U(θ)は、次式に示される生成子Gによって生成される。なお、iは虚数を表す。
上記の生成子Gは、以下の式(15)によって表される。


(15)
[2階偏導関数の測定]
次に、量子回路U(θ)のパラメータθによるエネルギーEの2階偏導関数の測定について説明する。
系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数を求めるためには、次式に示されるような、量子回路U(θ)のパラメータθによるエネルギーEの導関数に関する情報を得る必要がある。

なお、次式に示されるような、量子回路U(θ)のパラメータθによるエネルギーEの1階偏導関数は、参考文献1(Y. Li and S. C. Benjamin, "Efficient Variational Quantum Simulator Incorporating Active Error Minimization ", Phys. Rev. X 7, 021050 (2017).)及び参考文献2(K Mitarai, M Negoro, M Kitagawa, K Fujii, "Quantum circuit learning", Physical Review A 98, 032309, 2018)に開示されている技術によって計算可能である。
そのため、次式に示されるような、量子回路U(θ)のパラメータθによるエネルギーEの2階偏導関数の計算について以下説明する。
上記の2階偏導関数は、以下の式(16)によって表される。

(16)
上記式(16)における|∂ψ(θ)>は、以下の式(17)によって表される。

(17)
また、上記式(16)における|∂ψ(θ)>は、以下の式(18)によって表される。

(18)
なお、ここでは、以下の式(19)に示されるような定義をおく。

(19)
ここで、以下の式(20)が成立する。

(20)
図3に、本実施形態の量子回路を説明するための説明図を示す。図3に示される量子回路は、上記式(20)に示される、量子回路U(θ)のパラメータθによるエネルギーEの2階偏導関数を計算するための量子回路である。
なお、図3に示される量子回路のうちのUについては、次式が成立する。
また、図3に示されるR± a,μ及びR± b,νは回転ゲートを表す。回転ゲートR± a,μ及びR± b,νは、以下の式(21)によって表される。なお、次式において添え字として出現する「±」は、パリティに応じて決定される符号である。


(21)
なお、上記式(21)におけるa,bは上記式(15)等に示されるように、量子回路U(θ)のパラメータθの要素を識別するためのインデックスである。また、上記式(21)におけるμは上記式(15)等に示されるように、ユニタリUを生成する生成子に関するインデックスであり、予め設定される。
本実施形態では、量子コンピュータ120が、図3に示される量子回路に基づいて、次式に示される量を測定する。
このため、上記式(20)に含まれる次式の項は、量子コンピュータ120によって量子計算され、その計算結果が測定される。

(22)
したがって、上記式(22)の量子計算の計算結果に基づき、上記式(20)に示されるエネルギーEの2階偏導関数が得られる。
[3階偏導関数の測定]
次に、量子回路U(θ)のパラメータθによるエネルギーEの3階偏導関数の測定について説明する。
量子回路U(θ)のパラメータθによるエネルギーEの3階偏導関数は、以下の式(23)によって表される。

(23)
図4に、量子回路U(θ)のパラメータθによるエネルギーEの3階偏導関数を算出するための量子回路を示す。なお、図4に示されるR± c,ρは、次式によって表される。
本実施形態では、量子コンピュータ120が、図4に示される量子回路に基づいて、次式に示される量を測定する。
このため、上記式(23)に含まれる次式の項は、量子コンピュータ120によって量子計算され、その計算結果が測定される。

(24)
したがって、上記式(24)の量子計算の計算結果に基づき、上記式(23)に示されるエネルギーEの3階偏導関数が得られる。
[その他の偏導関数の測定]
次に、エネルギーEのより高次な偏導関数の計算について説明する。次式(25A)に示されるエネルギーEの導関数は、上述した手続きと同様の手続きによって計算される。

(25A)
上記式(25A)に示される導関数は、系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数が含まれている。ここで、パラメータxによるエネルギーEの導関数については、例えば、上記式(20)及び上記式(23)に示されるhに、次式に示されるような導関数を代入することにより、上記式(25A)の導関数を計算することができる。なお、次式は、ハミルトニアンの導関数に相当するため、古典コンピュータ110により計算可能である。
また、例えば、上記式(8)に出現するような次式(25B)のような導関数も、同様の手続きによって計算することができる。

(25B)
[本実施形態のハイブリッドシステム100の動作の概要]
本実施形態のハイブリッドシステム100は、古典コンピュータ110と量子コンピュータ120とによって、上記の各計算処理を実行する。具体的には、ハイブリッドシステム100は、以下の手順(A)〜(F)に従って、エネルギーEの導関数を算出する。
(A)ハイブリッドシステム100の量子コンピュータ120が、VQEを実行し、量子回路U(θ)の最適なパラメータθ*(x)を得る。
(B)ハイブリッドシステム100の古典コンピュータ110が、上記式(13)に示されるようなハミルトニアンHの導関数を計算する。
(C)ハイブリッドシステム100の古典コンピュータ110が、上記式(6)〜(8)に従って、系の状態を表すパラメータxについてのエネルギーEの導関数を設定する。
(D)ハイブリッドシステム100の量子コンピュータ120が、量子回路U(θ)のパラメータθによるエネルギーEの導関数を求める。
(E)ハイブリッドシステム100の古典コンピュータ110が、上記式(9)、(10)、及び(11)に従って、次式に示されるような、系の状態を表すパラメータxによる量子回路U(θ)の最適なパラメータθの導関数を求める。
なお、上記式(9)、(10)、及び(11)に含まれる次式の項は、上記(D)において求められる。このため、上記(D)において求められた次式の項を、上記式(9)、(10)、及び(11)へ代入することにより、系の状態を表すパラメータxによる量子回路U(θ)のパラメータθの導関数が計算される。
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,
,
,
(F)ハイブリッドシステム100の古典コンピュータ110が、上記(A)〜(E)において計算された各項を上記式(6)〜(8)へ代入することにより、系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数を得る。
[第1実施形態のハイブリッドシステム100の動作]
次に、第1実施形態のハイブリッドシステム100の具体的な動作について説明する。ハイブリッドシステム100の各装置において、図5に示される各処理が実行される。
まず、ステップS100において、ユーザ端末130は、ユーザから入力された問題情報を、古典コンピュータ110へ送信する。問題情報は、量子計算によって解かれる問題に関する情報であり、例えば、解析対象の物質に関する情報と当該物質の物性値に関する情報とが含まれている。解析対象の物質に関する情報の一例としては物質の分子パラメータ等が挙げられ、物性値に関する情報の一例としては解析対象の分子の誘電率等が挙げられる。
次に、ステップS102において、古典コンピュータ110は、ユーザ端末130から送信された問題情報を受信する。そして、ステップS102において、古典コンピュータ110は、受信した問題情報のうちの物質の分子に関する情報に基づいて、上記式(12)に従って、当該分子の系のエネルギー状態を表すハミルトニアンHを計算する。なお、上記式(12)におけるhP(x)は、解析対象の物質の分子に関する情報に応じて設定される。
ステップS104において、古典コンピュータ110は、上記ステップS102で計算されたハミルトニアンHに基づいて、ハミルトニアンHの微分を計算する。具体的には、古典コンピュータ110は、既存の量子化学計算のライブラリソフトウェアにより、上記式(13)に示されるハミルトニアンHの微分を計算する。
ステップS106において、古典コンピュータ110は、上記ステップS102で計算されたハミルトニアンH及び量子回路を表すパラメータθの初期情報を出力する。具体的には、上記ステップS102で計算されたハミルトニアンH、量子回路U(θ)を表すパラメータの初期情報、及び最適化手法を、量子コンピュータ120へ送信する。最適化手法としては、例えば、Nelder−Mead法等が挙げられる。
ステップS106において、古典コンピュータ110から量子コンピュータ120へ送信されるデータは、量子コンピュータの量子計算に用いられるデータ構造であって、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とを含む。このデータ構造は、ハミルトニアンと初期情報とに基づくVQEを用いた量子計算によって、基底状態又は励起状態のエネルギーを計算するための第1の量子回路のパラメータを生成する処理に用いられる。
ステップS108において、制御装置121は、上記ステップS106で古典コンピュータから送信された、ハミルトニアンHと初期情報と最適化手法とを受信する。そして、制御装置121は、ハミルトニアンHと初期情報と最適化手法とに応じて、VQEを用いた量子計算を量子コンピュータ120に実行させる。
具体的には、量子コンピュータ120は、制御装置121の制御に応じて、量子ビット群123のうちの少なくとも何れかの量子ビットへ照射するための電磁波を生成する。そして、量子コンピュータ120は、生成された電磁波を、量子ビット群123のうちの少なくとも何れかの量子ビットへ照射し、初期情報に応じた量子回路を実行することにより、最適な量子回路である第1の量子回路を表すパラメータθを生成する。量子回路に含まれる各量子ゲートのゲート操作は対応する電磁波波形へと変換され、生成された電磁波が電磁波生成装置122によって量子ビット群123に照射される。そして、量子コンピュータ120は、第1の量子回路を表すパラメータθを出力する。
ステップS110において、制御装置121は、上記ステップS108で得られた第1の量子回路を表すパラメータθを、古典コンピュータ110へ送信する。
ステップS112において、古典コンピュータ110は、上記ステップS110で制御装置121から送信された第1の量子回路を表すパラメータθを受信する。そして、古典コンピュータ110は、第1の量子回路を表すパラメータθに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成する。
具体的には、古典コンピュータ110は、第1の量子回路を表すパラメータθに応じて、図3及び図4に示されるような第2の量子回路を生成する。第2の量子回路は、最適なパラメータθに対応する第1の量子回路に含まれる複数のユニタリゲートの間に、上記式(21)に示される回転ゲートが挿入された量子回路である。
第1の量子回路に含まれる複数のユニタリゲートの間に回転ゲートが挿入されることにより、エネルギーEの導関数を算出するための第2の量子回路が生成される。量子コンピュータ120によって、第2の量子回路が実行されることにより、上記式(22)及び上記式(24)に示される量が計算される。
ステップS114において、古典コンピュータ110は、上記ステップS112で生成された第2の量子回路を表すパラメータを量子コンピュータ120へ送信する。
ステップS114において、古典コンピュータ110から量子コンピュータ120へ送信されるデータは、量子コンピュータ120の量子計算に用いられる量子回路の構成に関するデータ構造であり、複数のユニタリゲートと、複数のユニタリゲートの間に挿入された回転ゲートとを含む。このデータ構造は、複数のユニタリゲートと回転ゲートとを含む量子回路に基づく量子計算によって、量子計算の測定結果を測定する処理に用いられる。
ステップS116において、制御装置121は、上記ステップS114で古典コンピュータから送信された、第2の量子回路を表すパラメータを受信する。そして、制御装置121は、第2の量子回路に応じた量子計算を量子コンピュータ120に実行させる。量子コンピュータ120は、第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算を実行する。
具体的には、量子コンピュータ120は、制御装置121の制御に応じて、量子ビット群123のうちの少なくとも何れかの量子ビットへ照射するための電磁波を生成する。そして、量子コンピュータ120は、生成された電磁波を、量子ビット群123のうちの少なくとも何れかの量子ビットへ照射することにより、第2の量子回路を実行することにより観測される情報を測定する。そして、量子コンピュータ120は、量子計算により得られた測定結果を出力する。
例えば、以下の表に示すようなビット列が測定結果として得られる。以下の表では、ある量子回路が実行された際に得られるサンプル数が示されている。以下の表では、量子回路が実行された際に、「0000」の情報が「10」回、「0001」の情報が「50」回、「0010」の情報が「14」回、「0011」の情報が「12」回、「0100」の情報が「85」回得られていることが、一例として示されている。
ステップS118において、制御装置121は、上記ステップS116で得られた測定結果を、古典コンピュータ110へ送信する。
ステップS120において、古典コンピュータ110は、上記ステップS118で制御装置121から送信された測定結果を受信する。そして、古典コンピュータ110は、測定結果を統計処理することにより、上記式(20)に示されるパラメータθによるエネルギーEの2階偏導関数と、上記式(23)に示されるパラメータθによるエネルギーEの3階偏導関数とを計算する。具体的には、古典コンピュータ110は、得られたビット列を統計処理することにより偏導関数の期待値を計算する。また、古典コンピュータ110は、上記参考文献1に開示の技術を用いて、パラメータθによるエネルギーEの1階偏導関数を計算する。また、古典コンピュータ110は、上記式(25A)及び上記式(25B)に示されるような導関数を計算する。
ステップS122において、古典コンピュータ110は、上記ステップS104で計算されたハミルトニアンHの導関数と、上記ステップS120で得られた、量子計算の測定結果に応じたパラメータθによるエネルギーEの導関数の各々とに応じて、ハミルトニアンHに対応する、系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数を計算する。
具体的には、ステップS122において、古典コンピュータ110は、上記ステップS102で計算されたハミルトニアンHと、上記ステップS104で計算されたハミルトニアンHの導関数と、上記ステップS120で計算された各導関数とを、上記式(6)、上記式(7)、及び上記式(8)へ代入して、系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数の各々を計算する。
ステップS124において、古典コンピュータ110は、上記ステップS122で得られた、系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数の各々に基づいて、上記ステップS102で受信した問題情報のうちの物性値を計算する。これにより、ユーザ端末130から送信された問題情報に応じた物質の分子の物性値が得られる。
ステップS126において、古典コンピュータ110は、上記ステップS124で得られた物性値の計算結果をユーザ端末130へ送信する。
ステップS128において、ユーザ端末130は、上記ステップS124で古典コンピュータ110から送信された物性値の計算結果を受信する。
以上説明したように、第1実施形態のハイブリッドシステムは、古典コンピュータが、ハミルトニアンHと量子回路を表すパラメータの初期情報とを出力する。そして、量子コンピュータが、古典コンピュータから出力された、ハミルトニアンと初期情報とに応じて、VQEを用いた量子計算を実行し、基底状態のエネルギーを計算するための第1の量子回路を表すパラメータを生成し、第1の量子回路を表すパラメータを出力する。そして、古典コンピュータが、量子コンピュータから出力された第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、第2の量子回路を表すパラメータを出力する。そして、量子コンピュータが、古典コンピュータから出力された第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算を実行し、量子計算の測定結果を出力する。そして、古典コンピュータが、量子コンピュータから出力された測定結果と、ハミルトニアンの導関数とに応じて、ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を計算し、エネルギーの導関数を出力する。これにより、VQEを用いて系のエネルギーを量子計算する際に、エネルギーの導関数を得ることができる。
また、古典コンピュータと量子コンピュータとの間の適切な役割分担により、VQEを用いて系のエネルギーを量子計算する際に、系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数を効率的に得ることができる。
具体的には、古典コンピュータが、ハミルトニアンHとハミルトニアンHの導関数とを計算し、量子コンピュータがVQEと量子回路のパラメータθによるエネルギーEの導関数とを量子計算する。これにより、系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数を効率的に得ることができる。
また、本実施形態では、図3及び図4に示されるような、浅い量子回路を用いて、系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数を計算する。このような浅い量子回路は、NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum Computer)デバイスを用いる際に有用である。このため、本実施形態によれば、量子計算の誤りを抑制しつつ、系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数を効率的に得ることができる。
<第2実施形態に係るハイブリッドシステム100>
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態に係るハイブリッドシステムの構成は、第1実施形態と同様の構成となるため、同一符号を付して説明を省略する。
第2実施形態のハイブリッドシステム100は、励起状態のエネルギーの導関数を算出する。
VQEを用いて励起状態のエネルギーを計算する手法は、以下の参考文献3〜参考文献6に開示されている。
参考文献3:K. M. Nakanishi, K. Mitarai, and K. Fujii, “Subspace-search variational quantum eigensolver for excited states”, (2018), arXiv:1810.09434.
参考文献4:S. Endo, T. Jones, S. McArdle, X. Yuan, and S. Benjamin, “Variational quantum algorithms for discovering Hamiltonian spectra”, (2018), arXiv:1806.05707.
参考文献5:O. Higgott, D. Wang, and S. Brierley, “Variational Quantum Computation of Excited States”, (2018), arXiv:1805.08138.
参考文献6:J. R. McClean, M. E. Kimchi-Schwartz, J. Carter, and W. A. de Jong, “Hybrid quantum-classical hierarchy for mitigation of decoherence and determination of excited states”, Phys. Rev. A 95, 042308 (2017).
第2実施形態では、参考文献4又は参考文献5に開示されている技術を用いて、励起状態のエネルギーの導関数を計算する場合を例に説明する。
与えられたハミルトニアンの基底状態をH(x)とする場合、r番目の励起状態のハミルトニアンH(x)は、以下の式(26)によって表される。なお、以下の式(26)では、βが十分に大きい場合を想定する。また、励起状態を表すインデックスr=1,2,・・・である。

(26)
上記式(26)において、基底状態は次式によって表される。
上記式におけるθ(0)(x)は、基底状態における量子回路U(θ)の最適なパラメータを表す。第1実施形態では、基底状態における量子回路U(θ)の最適なパラメータはθ(x)によって表されたが、第2実施形態においては、基底状態における量子回路U(θ)の最適なパラメータがθ(0)(x)によって表される。また、第2実施形態では、次式が成立するものとする。なお、次式のU(r)(θ)は、第1実施形態のU(θ)と同様の構造である。
第2実施形態のハイブリッドシステム100の量子コンピュータ120は、2つの量子状態の内積を計算する必要がある。このため、第2実施形態の量子コンピュータ120は、2つの量子状態の内積を計算することが可能な量子コンピュータである。
ハミルトニアンH(x)の状態|ψ(r)(θ)>における期待値は、次式によって表される。
また、r番目の励起状態における最適なエネルギーは次式によって定義される。
第2実施形態のハイブリッドシステム100は、系の状態を表すパラメータxによる励起状態のエネルギーEの導関数を計算する。なお、r番目の励起状態のハミルトニアンHにとっては、r番目の励起状態のエネルギーE は基底状態のエネルギーに対応する。このため、上記式(6)、(7)、及び(8)は、励起状態のエネルギーEの導関数を計算する際にも適用可能である。
上記式(6)は、系の状態を表すパラメータxによるr番目の励起状態のエネルギーEの1階偏導関数に対応する。また、上記式(7)は、系の状態を表すパラメータxによるr番目の励起状態のエネルギーEの2階偏導関数に対応する。r番目の励起状態のエネルギーEの1階偏導関数と、r番目の励起状態のエネルギーEの2階偏導関数とは、次式によって表される。
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しかし、古典コンピュータ110は、励起状態のハミルトニアンHの導関数を計算することができない。励起状態のハミルトニアンHの導関数は、以下の式(27)によって表される。

(27)
上記式(6)に対して上記式(27)式を代入した場合には、次式が出現する。第2実施形態のハイブリッドシステム100の量子コンピュータ120は、次式を量子計算する。
[内積の測定]
次式に示されるような量子状態の内積は、以下の式(28)に示される形式に展開される。

(28)
上記式(28)におけるφ(s) (a,μ)は、上記式(19)に従う。上記式(28)におけるΣ内の各項は、以下の関係式によって計算される。

(29)
第2実施形態の量子コンピュータ120は、上記式(29)の左辺と、上記式(29)の右辺における第1項及び第2項とを量子計算する。また、第2実施形態の古典コンピュータ110は、上記式(29)の左辺と右辺における第1項及び第2項との量子計算の計算結果に基づき、上記式(29)の右辺における第3項を計算する。
なお、上記式(29)の左辺を計算するためには、次式の量子状態を計算する必要がある。
上記式によって表される量子状態は、以下の式(30A)に示される量子回路によって表され、簡易に生成することができる。

(30A)
上記式(30A)は、例えば、複数のユニタリゲートの間に回転ゲートを挿入することに相当する。例えば、次式に示される回転ゲートR(s),+ a,μは、a番目のユニタリゲートとa−1番目のユニタリゲートとの間に挿入される。


(30B)
量子コンピュータ120によって、複数のユニタリゲートの間に回転ゲートが挿入された量子回路が実行されることにより、上記式(29)の左辺が測定される。
上記の方法は、他の項にも拡張可能である。例えば、上記式(6)に対応する以下の式(31)を展開すると、以下の式(32)のような項が現れる。

(31)

(32)
上記式(32)を量子計算する際には、以下の式(33)が用いられる。

(33)
上記式(33)の右辺の全ての項を量子コンピュータ120を用いて計算することにより、上記式(32)の計算をすることができる。
上記各式の量子状態を計算するため、第2実施形態においては、次式に示される回転ゲートR(s),± a,μ及びR(r),± a,μがユニタリゲートの間に挿入される。
[第2実施形態のハイブリッドシステム100の動作]
次に、第2実施形態のハイブリッドシステム100の具体的な動作について説明する。第1実施形態と同様に、第2実施形態のハイブリッドシステム100の各装置において、上記図5に示される各処理が実行される。
ステップS100〜ステップS110の各処理は、第1実施形態と同様に実行される。
ステップS112において、第2実施形態の古典コンピュータ110は、第1の量子回路を表すパラメータθに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成する。
具体的には、第2実施形態の古典コンピュータ110は、最適なパラメータθに対応する第1の量子回路に含まれる複数のユニタリゲートの間に、上記式(30B)に示される回転ゲートを挿入して、第2の量子回路を生成する。
なお、ステップS114〜ステップS126の各処理は、第1実施形態と同様に実行される。
以上説明したように、第2実施形態のハイブリッドシステムは、古典コンピュータが、励起状態のエネルギーの導関数を計算する場合に、励起状態sに応じた回転ゲートを、第1の量子回路に含まれる複数のユニタリゲートの間に挿入する。これにより、VQEを用いて系のエネルギーを量子計算する際に、励起状態のエネルギーの導関数を得ることができる。
次に、実施例を説明する。本実施例では、水素分子の電子ハミルトニアンを用いて数値シミュレーションを行った。本実施例では、既存のオープンソースライブラリであるPySCF(参考文献6(Q. Sun, T. C. Berkelbach, N. S. Blunt, G. H. Booth, S. Guo, Z. Li, J. Liu, J. D. McClain, E. R. Sayfutyarova, S. Sharma, S.Wouters, and G. K. Chan, Wiley Interdisciplinary Reviews: Computational Molecular Science 8, e1340 (2017).)を参照。)とOpenFermion(参考文献7(J. R. McClean, K. J. Sung, I. D. Kivlichan, Y. Cao, C. Dai, E. S. Fried, C. Gidney, B. Gimby, P. Gokhale, T. Hner, T. Hardikar, V. Havlek, O. Higgott, C. Huang, J. Izaac, Z. Jiang, X. Liu, S. McArdle, M. Neeley, T. O'Brien, B. O'Gorman, I. Ozdan, M. D. Radin, J. Romero, N. Rubin, N. P. D. Sawaya, K. Setia, S. Sim, D. S. Steiger, M. Steudtner, Q. Sun, W. Sun, D. Wang, F. Zhang, and R. Babbush, (2017), arXiv:1710.07629.を参照。)を用いてハミルトニアンを計算した。また、量子回路のシミュレーションは、Qulacs(Qulacs," https://github.com/qulacs/qulacs. ")を用いて実施した。
図6は数値シミュレーションに用いた量子回路である。Ry,Rxはそれぞれy軸回転ゲート、x軸回転ゲートを表している。図7は、図6の量子回路と水素分子のハミルトニアンを用いて、ハミルトニアンのパラメータxとして水素原子間の距離として本手法を数値シミュレーションし、エネルギーの2次微分及び3次微分を求め、エネルギー曲線の2次の近似曲線及び3次の近似曲線を描いたものである。なお、図7の「Full CI」は理論値を表し、「Harmonic approx.」は2次の近似曲線を表し、「3rd-oder approx.」は3次の近似曲線を表し、「Enegy minimum」はエネルギーの最小値を表す。図7に示されるように、近似曲線が精度良く求められていることがわかる。
なお、本開示の技術は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上記各実施形態において、古典コンピュータ110と量子コンピュータ120との間の情報の送受信はどのようになされてもよい。例えば、古典コンピュータ110と量子コンピュータ120との間における、量子回路を表すパラメータの送受信及び測定結果の送受信等は、所定の計算が完了する毎に逐次送受信が行われてもよいし、全ての計算が完了した後に送受信が行われてもよい。
また、上記各実施形態では、ユーザ端末130から古典コンピュータ110へ問題情報が送信され、古典コンピュータ110が問題情報に応じたハミルトニアンHを計算する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザ端末130を操作するユーザにおいて、ハミルトニアンとして当該問題を表現できる場合には、古典コンピュータ110は、ハミルトニアンHを問題情報として受信してもよい。ユーザ端末130は、IPネットワークなどのコンピュータネットワークを介して古典コンピュータ110又は古典コンピュータ110がアクセス可能な記憶媒体又は記憶装置に問題情報を送信してもよいが、記憶媒体又は記憶装置に記憶して古典コンピュータ110の運営者に渡し、当該運営者が古典コンピュータ110に当該記憶媒体又は記憶装置を用いて問題情報を入力するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、解析対象の物質に関する情報と当該物質の物性値に関する情報とが問題情報に含まれており、解析対象の物質に応じたエネルギーEの導関数に基づき物性値が計算される場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、所定の最適化問題に関する情報が問題情報として与えられても良い。この場合には、ハイブリッドシステム100によって、与えられた最適化問題についての系の状態を表すパラメータxによるエネルギーEの導関数が計算される。例えば、最適化問題の一例である巡回セールスマン問題が問題情報として与えられた場合には、巡回対象の場所間の距離の総和を表すコスト関数がエネルギー関数Eとして設定され、巡回対象となる場所間の距離を表すパラメータxによるコスト関数の導関数が計算される。
また、上記各実施形態では、上記式(21)及び上記式(30B)に示されるように、回転ゲートの角度がπ/4である場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、どのような角度であってもよい。例えば、回転ゲートの角度はπ/3であってもよい。なお、回転ゲートの角度を変更する場合には、回転ゲートの角度に応じた適切な形式に上記式(21)及び上記式(30B)が変形される。
また、上記各実施形態では、電磁波の照射によって量子回路が実行される場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、異なる方式によって量子回路が実行されてもよい。
また、上記各実施形態では、異なる組織によって古典コンピュータ110及び量子コンピュータ120が管理されている場合を想定しているが、古典コンピュータ110及び量子コンピュータ120は同一の組織によって一体として管理されていてもよい。この場合には、量子計算情報の古典コンピュータ110から量子コンピュータ120への送信及び量子コンピュータ120から古典コンピュータ110への測定結果の送信は不要となる。また、この場合には、量子コンピュータ120の制御装置121において上述の説明における古典コンピュータ110の役割を担うことが考えられる。
なお、上記各実施形態においては、「××のみに基づいて」、「××のみに応じて」、「××のみの場合」というように「のみ」との記載がなければ、本明細書においては、付加的な情報も考慮し得ることが想定されていることに留意されたい。一例として、「aの場合にbする」という記載は、明示した場合を除き、「aの場合に常にbする」ことを必ずしも意味しない。
また、何らかの方法、プログラム、端末、装置、サーバ又はシステム(以下「方法等」)において、本明細書で記述された動作と異なる動作を行う側面があるとしても、開示の技術の各態様は、本明細書で記述された動作のいずれかと同一の動作を対象とするものであり、本明細書で記述された動作と異なる動作が存在することは、当該方法等を本開示の技術の各態様の範囲外とするものではない。
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
100 ハイブリッドシステム
110 古典コンピュータ
111 通信部
112 処理部
113 情報記憶部
120 量子コンピュータ
121 制御装置
122 電磁波生成装置
123 量子ビット群
130 ユーザ端末

Claims (16)

  1. 古典コンピュータと量子コンピュータとを含むハイブリッドシステムが実行する量子情報処理方法であって、
    典コンピュータが、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とを出力し、
    子コンピュータが、古典コンピュータから出力された、前記ハミルトニアンと前記初期情報とに応じて、VQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算を実行し、エネルギーを計算するための第1の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第1の量子回路を表すパラメータを出力し、
    典コンピュータが、量子コンピュータから出力された前記第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、
    子コンピュータが、古典コンピュータから出力された前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算を実行し、前記量子計算の測定結果を出力し、
    典コンピュータが、量子コンピュータから出力された前記測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を計算し、前記エネルギーの導関数を出力する、
    処理を含むエネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法。
  2. 前記ハミルトニアンは、物質のハミルトニアンである、
    請求項1に記載のエネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法。
  3. 典コンピュータは、前記第1の量子回路に含まれる複数のユニタリゲートの間に、前記回転ゲートを挿入することにより、前記第2の量子回路を表すパラメータを生成する、
    請求項1又は請求項2に記載のエネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法。
  4. 典コンピュータは、基底状態のエネルギーの前記導関数を計算する場合に、以下の式(1)によって表される回転ゲートR± a,μを、前記第1の量子回路に含まれる複数のユニタリゲートの間に挿入する、
    請求項3に記載のエネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法。






    (1)
    ここで、aは量子回路のパラメータベクトルθの要素を識別するためのインデックスa,b,c,・・・であり、μはパウリ演算子を識別するためのインデックスである。
  5. 典コンピュータは、励起状態のエネルギーの前記導関数を計算する場合に、以下の式(2)によって表される回転ゲートR(s),± a,μを、前記第1の量子回路に含まれる複数のユニタリゲートの間に挿入する、
    請求項3に記載のエネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法。






    (2)
    ここで、aは量子回路のパラメータベクトルθの要素を識別するためのインデックスa,b,c,・・・であり、μはパウリ演算子を識別するためのインデックスであり、sは励起状態を表すインデックスである。
  6. 典コンピュータと量子コンピュータとはコンピュータネットワークを介して接続されており、
    典コンピュータと量子コンピュータとは、前記コンピュータネットワークを介して情報の送受信を行う、
    請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のエネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法。
  7. 古典コンピュータが、
    ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とを出力し、
    量子コンピュータから出力された、前記ハミルトニアンと前記初期情報とに基づきVQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算により生成された第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、
    子コンピュータから出力された、前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算の測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を生成し、前記エネルギーの導関数を出力する、
    処理を実行するエネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法。
  8. 量子コンピュータが、
    古典コンピュータから出力された、ハミルトニアンHと量子回路を表すパラメータの初期情報とに応じて、VQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算を実行し、第1の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第1の量子回路を表すパラメータを出力し、
    典コンピュータから出力された、前記第1の量子回路を表すパラメータに応じた回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータに基づいて、量子計算を実行し、前記量子計算の測定結果を出力する、
    処理を実行するエネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法。
  9. ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とを出力し、
    量子コンピュータから出力された、前記ハミルトニアンと前記初期情報とに基づきVQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算により生成された第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、
    子コンピュータから出力された、前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算の測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を生成し、前記エネルギーの導関数を出力する、
    処理を実行する古典コンピュータ。
  10. 古典コンピュータから出力された、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とに応じて、VQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算を実行し、エネルギーを計算するための第1の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第1の量子回路を表すパラメータを出力し、
    典コンピュータから出力された、前記第1の量子回路を表すパラメータに応じた回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータに基づいて、量子計算を実行し、前記量子計算の測定結果を出力する、
    処理を実行する量子コンピュータ。
  11. ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とを出力し、
    量子コンピュータから出力された、前記ハミルトニアンと前記初期情報とに基づきVQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算により生成された、エネルギーを計算するための第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、
    子コンピュータから出力された、前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算の測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を生成し、前記エネルギーの導関数を出力する、
    処理を古典コンピュータに実行させるための量子情報処理プログラム。
  12. 古典コンピュータから出力された、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とに応じて、VQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算を実行し、エネルギーを計算するための第1の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第1の量子回路を表すパラメータを出力し、
    典コンピュータから出力された、前記第1の量子回路を表すパラメータに応じた回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータに基づいて、量子計算を実行し、前記量子計算の測定結果を出力する、
    処理を量子コンピュータに実行させるための量子情報プログラム。
  13. 請求項9に記載の古典コンピュータと請求項10に記載の量子コンピュータとを含むハイブリッドシステム。
  14. 古典コンピュータが、
    量子コンピュータから出力された、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とに基づきVQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算により生成された第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、
    子コンピュータから出力された、前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算の測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を生成し、前記エネルギーの導関数を出力する、
    処理を実行するエネルギーの微分を求めるための量子情報処理方法。
  15. 量子コンピュータから出力された、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とに基づきVQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算により生成された第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、
    子コンピュータから出力された、前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算の測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を生成し、前記エネルギーの導関数を出力する、
    処理を実行する古典コンピュータ。
  16. 量子コンピュータから出力された、ハミルトニアンと量子回路を表すパラメータの初期情報とに基づきVQE(Variational-Quantum-Eigensolver)を用いた量子計算により生成された、エネルギーを計算するための第1の量子回路を表すパラメータに応じて、回転ゲートを含む第2の量子回路を表すパラメータを生成し、前記第2の量子回路を表すパラメータを出力し、
    子コンピュータから出力された、前記第2の量子回路を表すパラメータに応じた量子計算の測定結果と、前記ハミルトニアンと、前記ハミルトニアンの導関数とに応じて、前記ハミルトニアンに対応するエネルギーの導関数を生成し、前記エネルギーの導関数を出力する、
    処理を古典コンピュータに実行させるための量子情報処理プログラム。
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