[第1の実施の形態]
本発明の施工データ管理システムの第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の施工データ管理システム1の概要を示す概念図である。施工データ管理システム1は、本例では地盤改良機である建設機械2、現場端末3、サーバ4等からなる。現場端末3とサーバ4は、通信ネットワークで互いに接続されて、互いにデータの送受信を行う。本例では、通信ネットワークとして、公衆通信網等の第1通信ネットワーク5を例示している。第1通信ネットワーク5は、複数の各地の基地局6を有し、各基地局6はエンドユーザと接続される。
本例では、エンドユーザは、現場端末3、サーバ4等である。建設機械2は、本例では軟弱地盤に地盤改良材を注入して、軟弱地盤と共に攪拌翼でこれを攪拌して地盤を改良する地盤改良機である。しかしながら、この地盤改良機に限定されるものではなく、建設・土木の作業を行う、例えば、杭打ち機、ディーゼルハンマ等の基礎工事用機械をはじめ掘削機等の他の建設機械であってもよい。以下、建設機械2は、地盤改良機を例に説明する。現場端末3は、入力手段、出力手段、中央処理装置、メモリ等を備えた汎用の電子計算機である。
現場端末3は、本例では、タッチ式及び/又はボタン式の入力手段を備えたタブレット端末である。サーバ4は、入力手段、出力手段、中央処理装置、メモリ等を備え、サーバとして機能する電子計算機である。サーバ4は、補助記憶装置であるサーバ補助記憶装置20を備え、このサーバ補助記憶装置20には施工データ管理データベース21が格納される。通常、複数の建設機械2は、複数の現場で同時に稼働しており、図1では、それぞれを第1現場から第n現場と表記している。
それぞれの現場に、建設機械2と現場端末3が備えられ、各現場端末3は近くの基地局6へ接続されて、サーバ4へ施工データを送信する。ここで、施工データとしては、設計図又は仕様図に基づき建造物を建造する際の作業データを意味し、特に、建設機械2の動作に関する機械動作データ、現場の特定や管理に関する現場データ、現場での施工作業に関する現場状況データを含むものとする。
機械動作データは、例えば、建設機械2の各種装置の設定情報、動作の種類、動作開始時間、動作停止時間、動作期間、動作中のエラー、作業者の認証データ、現在位置情報、移動情報等のように建設機械2、それに搭載、又は付属されている機械に関する各種情報である。本例の建設機械2である地盤改良機において、施工データとしては、地盤改良の掘削深度、スイベルヘッドの昇降速度、攪拌軸の回転数、その積算回転数、攪拌翼に供給される地盤改良材の供給量、その積算量、攪拌軸の傾斜角度を、地盤改良機を制御している機器、地盤改良機に搭載されている計測センサーから取得する。
現場データは、例えば、現場の名称、位置情報、範囲情報、現場の作業期間、現場の責任者の氏名、作業者の氏名、作業者の勤務時間、現場状況に関する地質情報、その他の特殊情報等である。現場状況データは、現場の各作業の開始時間、終了時間、作業期間、現場の作業に対する作業者の評価、現場のデータを取得した状況、時間、送信データの種類、数、時間、現場の状況写真、周囲の気温、湿度、雨量、風速度等の天気情報等のような現場管理に必要なデータである。
第1通信ネットワーク5は、本例において、公衆無線通信ネットワークを使用した例で説明する。よって、現場端末3は、内部に無線電話機能を備えたものとする。基地局6は、エンドユーザとは無線通信で接続されるが、互いに又は基幹回線に通常は有線回線で、場合によって無線回線で接続される。サーバ4は、ルータ13やゲートウェイ(図示せず。)、リピータ(図示せず。)等の器機を介して第1通信ネットワーク5へ接続される。
本発明は、通信ネットワークの発明ではないので、通信回線、そのために利用される通信プロトコル等については必要最低限のみを説明をし、その詳細は省略する。サーバ4は、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、他のネットワークに対し非公開のネットワークであるプライベートネットワーク等のデータ通信ネットワークである第2通信ネットワーク7に接続され、タイムスタンプ局8、ユーザ端末9、監視端末10等と接続されてデータ通信を行う。タイムスタンプ局8は、電子データに正確な時刻データを付与するタイムスタンプのためのサービスを行うシステムである。
本例では、サーバ4は、タイムスタンプ局8から取得したタイムスタンプデータを用いて、施工データにタイムスタンプを付与し、タイムスタンプ付与施工データを作成する。タイムスタンプ付与施工データは、サーバ4内に格納されて保存される。例えば、タイムスタンプ付与施工データは、サーバ補助記憶装置20内に電子データとして保存される。詳細は後述する。このように、施工データにタイムスタンプすることは、施工データの存在証明とその施工データが改変されていないことを担保するものである。
タイムスタンプを付与するタイムスタンプ局8は、施工会社、建設機械メーカー、作業者等から独立した第三者機関であるため、タイムスタンプ付与施工データの存在が証明され、それが改ざんされていないこと(非改変性の担保)が証明される。ユーザ端末9は、施工データを利用するユーザであり、例えば、現場のオーナー、現場に関わる建設業者、現場に建造される建造物の発注業者、建造物の発注者、認証機関の関係者等が利用する電子計算機である。監視端末10は、現場の建設作業を監視し、現場の施工又は工事の妥当性を評価する関係者が利用する電子計算機である。
現場の施工データは、現場端末3から直接又はサーバ4を経由して、監視端末10へ送信される。監視端末10では、基本的に現場端末3と同じ施工データが現場端末3と同じように表示されていて、現場の施工データを監視して評価する。また、現場の施工データは、タイムスタンプが付与されてから、サーバ4を経由して、監視端末10へ送信することもできる。その場合、タイムスタンプのデータが表示される。
監視端末10では、現場の生の施工データ又はタイムスタンプ付与施工データに、施工データ毎に、又は所定期間の施工データをまとめて、それを評価した評価値を付与したり、施工状況を確認したことを示す確認情報を付与したりできる。このために、少なくとも施工データを確認又は監視した記録が、施工データ管理システム1に残る。この記録は、任意のデータ形式で保存されるが、現場の要求に応じて、タイムスタンプ付与したり、PDF等の特定のフォーマットに変換したり、暗号化したりして保存することができる。
監視端末10を設けることで、現場以外の関係者が現場から離れた遠隔地にいても監視、施工の確認等を行うことができる。また、監視端末10を捜査して、施工データに監視者のコメントを追加、監視した記録を付加することができる。現場端末3が画面出力を複製する複製機能を備えている場合、この複製機能を利用して、現場端末3の画面出力を複製して監視端末10へ通信回線で転送して、監視端末10の画面に表示する。
監視端末10で現場端末3の画面を複製し表示することで、現場以外の関係者が現場から離れていても現場の感覚で、リアルタイムで監視することができ、何より現場端末3に負荷をかけずに、言い換えると現場端末3の動作、機能を邪魔することなく、施工工事の進捗状況を監視することができる。そして、監視端末10では、画面録画機能を利用して、現場の施工工事の様子を録画して保存することができる。これは、現場の作業者ではなく監視者が行うので、現場の作業者は現場の工事に集中して作業を行うことが可能になる。
また、施工工事の証拠を記録して残すことは第三者が行うことになり、監視という面では信用度が増す。監視端末10で現場端末3の施工データをリアルタイムで監視すると同時に、施工データにタイムスタンプを付与する手順を並行して行ってもよい。この場合は、監視端末10で施工データを監視している作業者の作業記録にも、タイムスタンプを付与することが望ましい。
図1に示す本社又は事業所11は、現場又は現場工事を主催又は監督する又は責任者である組織を意味する。本社11内には、内部の現場又は現場工事を監視し、指令を発する指令端末12を備えることができる。指令端末12は、サーバ4と直接又は第2通信ネットワーク7を介して接続される。指令端末12は、施工データを確認することができ、又、施工データがサーバ4へ格納される状況を確認することができる。必要に応じて、タイムスタンプを施工データに付与するように指令を発することができる。詳細は、後述する。
図2は、タッチパネル型の現場端末3を例示している。図2に示す現場端末3は、筐体に格納された本体30、タッチパネルの画面31、各種の操作ボタンが設置されたボタン領域32、音声出力器33、インターフェースポート34、図示しないが、通信ポート、電源コネクタ、信号入力ポート等からなる。本体30は、図示しないが、中央処理装置(CPU)、RAM、ROM、内蔵補助記憶装置、通信ポート等を備え、電子計算機として機能する。
画面31と、ボタン領域32の各種ボタン36〜42は、現場端末3の入力手段として機能する。画面31は、現場端末3で動作するオペレーティングシステム、そして、施工管理プログラム50(図3を参照。)等の専用ソフトウェアの処理結果を、画面出力するための出力手段である。現場端末3は、この例では、タッチパネル式のタブレット端末であり、一般的なタブレット端末の構造、機能は公知であり、その動作の詳細な説明は省略する。現場端末3の補助記憶装置51には、施工管理プログラム50等が格納されており、現場端末3上に動作する。
施工管理プログラム50は起動されて動作し、現場端末3の各種デバイスや機能を利用して、建設機械2及び、現場端末3の内蔵機器、現場端末3に接続された他の機器からデータを取得し、外部へ送信する。画面31は、作業者が手でその画面を操作し、データを表示して閲覧し、データを入力するものであり、現場端末3の表示手段、入力手段として機能する。画面31には、例えば、図13に例示した画面100が表示され、データの閲覧と入力が行われる。また、図14、図15に例示した画面が表示される。
ボタン領域32には、施工データの記録の開始と終了を施工管理プログラム50に指示するための記録ボタン35、現時点の任意の施工データを表示し記録するよう指示するためのボタン36、工事の掘削の深度をゼロにリセットするよう指示するためのボタン37、施工データの記録中に目標深度と区間目標値を一時的に変更するよう指示するための着底切替ボタン38、多段変速制御の昇降速度設定値等を変更するよう指示するための多段変則ボタン39、杭工事のロッドの掴替を自動で行うよう指示するためのボタン40、フィード又はスライドの昇降を設定深度で自動停止する機能をON/OFFにするよう指示するためのボタン41、回転トルクの自動変速制御をON/OFFにするよう指示するためのボタン42等が設置されている。
本例では、ボタン35〜38は押しボタン式のもので、ボタン39〜42は二択式ボタンになっている。音声出力器33は、音声警報等のように各種の音声信号を出力するための出力手段である。インターフェースポート34は、外部補助記憶装置57(図3を参照。)等の補助記憶装置を、現場端末3に接続するためのポートであり、本例では、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)規格に準拠したUSBポートである。
インターフェースポート34は、現場端末3に設置された接続端子であるが、インターフェースポート34でのデータ通信を制御するのは、図3の説明で上述する第3通信ポート54である。インターフェースポート34に、USBメモリ等の外部補助記憶装置57を接続して、現場端末3のオペレーティングシステムに認識させ、現場端末3の内蔵補助記憶装置に保存された施工データを外部補助記憶装置57に複製又は移動する。
図3は、現場端末3が建設機械2のコントローラユニット60に接続される例を図示した概念図である。現場端末3は、内蔵の補助記憶装置51に現場施工データベース56と、施工管理プログラム50を備えている。施工管理プログラム50は、現場で建設機械2からの施工データ等を取集し、現場端末3に保存又はサーバ4へ送信するためのアプリケーションプログラムである。施工管理プログラム50は、通常は、現場端末3に内蔵されたHDD、SSD等の内蔵の補助記憶装置51に保存されていて、必要なときに起動されて動作するものである。
施工管理プログラム50は、現場端末3の通信機能、特に、第1通信ポート52を利用して建設機械2のコントローラユニット60に接続されて、建設機械2の動作に関するデータを取得する。施工管理プログラム50は、第2通信ポート53を介して、電子データを、第1通信ネットワーク5を介して、サーバ4等へ送信する。施工管理プログラム50は、施工データ等の電子データを、第3通信ポート54を介して、現場端末3に接続された外部補助記憶装置57に保存したり、読み取ったりする。
外部補助記憶装置57は、通常は携帯が容易なフラッシュメモリが好ましく、本例では、USB規格のフラッシュメモリを例に説明する。よって、第3通信ポート54は、USB規格の通信ポートとする。現場端末3のコントローラ55は、特定のデータ処理を行う信号処理部であり、例えば、ActiveX(登録商標)コントローラのようにソフトウェアで実現された処理部、画像処理のようにハードウェアとソフトウェアで実現された画像処理部、データ通信を専用に行う通信処理部等である。
コントローラ55は、図3に1個のみを配置したものを例示しているが、複数の機能をする複数個であってもよい。コントローラユニット60は、建設機械2に搭載され、建設機械2の各構成部の制御器、センサー等からその動作信号を取得し信号処理するものである。コントローラユニット60は、コントローラユニット60自体の全体動作を制御する中央処理装置61、建設機械2のディジタル機器70からデータを取得する高速カウンター63、建設機械2のアナログ機器80からデータを取得するA/D変換器64を有する。
高速カウンター63は、集積回路等で構成され、複数の入力端子を有し、各入力端子はそれぞれディジタル機器70に接続される。本例では、ディジタル機器70としては、攪拌翼(図示せず)を回転駆動するスイベルヘッドの上限の昇降を検知して、地盤改良の掘削深度、昇降速度を検知するめの第1ロータリーエンコーダ71、スイベルヘッドに搭載されている駆動モータで回転駆動される攪拌軸の回転数、その積算回転数を把握するための第2ロータリーエンコーダ72がある。
また、ディジタル機器70としては、スイベルヘッドを上下昇降自在に支えるコラムの移動を検知して、地盤改良の掘削深度、昇降速度を把握するめのリニアエンコーダ73、攪拌翼に供給される地盤改良材の供給を検知してスラリー吐出量、積算されたスラリー量を把握するための電磁流量計74がある。
A/D変換器64は、アナログの電気信号を受信して、それをサンプリングしてディジタル信号に変換し、2値データを出力するためのアナログ・ディジタル(A/D)変換器である。A/D変換器64は、アナログ電気信号の増幅器、閾値回路、アナログ・ディジタル変換回路、集積回路の信号処理回路から構成され、複数のアナログ入力端子を有する。各アナログ入力端子はそれぞれアナログ機器80に接続される。
本例では、アナログ機器80としては、上述した攪拌翼に供給するスラリーの供給圧を検知するための第1圧力センサー81、攪拌軸を回転駆動するための油圧モータに供給する圧油の圧力を検知し、その回転トルクを把握するための第2圧力センサー82、油圧モータに供給する圧油の圧油の供給量から回転トルクを把握するための第3圧力センサー83が搭載されている。また、スイベルヘッドを上下昇降自在に支えるコラムには、その鉛直からの傾斜(前後、左右)を検知するために傾斜センサー84がそれぞれ配置され検知している。
コントローラユニット60は、図示していないが、信号処理しているディジタル信号、信号処理用の命令やプログラム等を格納するためのROM、RAM等のメモリを備える。中央処理装置61は、このメモリから一連の命令やプログラムを読み取りその順番毎に信号処理を行う。よって、コントローラユニット60は、プログラム可能なマイクロコンピュータになっている。コントローラユニット60は、外部へデータを送信するための通信ポートを備える。
本例では、通信ポートとしてコントローラ通信ポート62をコントローラユニット60が備えている。コントローラ通信ポート62はシリアル又はパラレル通信用の有線通信規格に適しものであり、特に、電子計算機と接続し電子データを送受信することが容易に設定できるLAN用のポートであることが好ましい。LAN用のポートは、広く普及しており価格が安く、そして、必ず物理的なコードを接続するので、現場で管理が容易である。
よって、LANケーブル等の通信ケーブル58を、コントローラ通信ポート62に接続するだけで、コントローラユニット60と通信を行うことができる。また、コントローラユニット60は、コントローラ通信ポート62の換わりに、アンテナや無線通信器を備えたBluetooth(BT)(登録商標)やWi−Fi(登録商標)等の無線通信規格に適した通信部を有するものでもよい。
図4は、現場端末3の動作手順の概要を示すフローチャートである。まず、現場端末3は現場の作業者によって操作される。作業者は、現場端末3の電源ボタン等を押下する等の操作で電源を入れ、現場端末3を稼働させる(ステップ1)。作業者は、建設機械2と現場端末3との接続を確認する(ステップ2)。接続されていない場合、作業者は、通信ケーブル58で、現場端末3の第3通信ポート54(インターフェースポート34)と、建設機械2のコントローラユニット60のコントローラ通信ポート62を互いに接続する。
現場端末3が稼働すると、オペレーティングシステムが現場端末3上に起動し、現場端末3の動作を制御する。オペレーティングシステムが起動すると、施工管理プログラム50が自動的に又は作業者の操作で起動する(ステップ3)。施工管理プログラム50は、施工データ管理システム1用に設計されたアプリケーションプログラムであり、現場端末3と建設機械2とのデータ通信を制御し、建設機械2から施工データを取得して、サーバ4へ送信するものである。
施工管理プログラム50は、稼働すると、建設機械2と現場端末3とデータ通信リンクが確立されているか確認し、現場データの入力作業が行われるか、予め入力された現場データの確認が画面31上で行われる(ステップ4)。現場データの種類、その入力について、図12と図13に例示しており、詳しく後述する。この一連の現場データの入力作業又は現場データの確認が終了すると、施工管理プログラム50は、施工データをコントローラユニット60から取得して記録する準備ができる。この一連の準備については、図13に示す画面例で詳しく説明する。
そして、作業者が現場端末3を操作して、施工データの記録が開始される(ステップ5)。施工管理プログラム50は、建設機械2の各センサー70、80から施工データを取得する(ステップ6)。施工管理プログラム50は、施工データの取得が終了すると、作業者は、現場端末3を操作して、施工データの記録を終了させる(ステップ7)。この施工データの記録の開始と終了は、現場端末3に設置された記録用の専用ボタンである記録ボタン35(図2を参照。)等の専用入力手段を操作して行われる。
施工管理プログラム50は、取得した施工データを、現場端末3の補助記憶装置51に記憶又は記録する(ステップ8)。現場端末3の補助記憶装置51としては、現場端末3の内蔵又は外付けのハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ等を利用する。本例では、現場端末3に内蔵されたHDDを採用した。施工管理プログラム50は、保存された施工データをサーバ4へ送信する(ステップ9)。又は、保存された施工データを外部補助記憶装置57に複製又は移動する。
施工管理プログラム50は、施工データを処理し、送信用施工データを作成し、コントローラ通信ポート62等の通信手段を介してサーバ4へ送信する。施工管理プログラム50は、施工データのサーバ4への送信が終了すると、記録の継続を示す指示があるか否かを確認する(ステップ10)。記録の継続を示す指示がある場合、施工管理プログラム50は、上述のステップ6へ移行し、建設機械3から施工データの取得を開始する。記録の継続を示す指示がない場合、施工管理プログラム50は、次の処理へ移行する(ステップ11)。
手動操作としては、作業者が記録ボタン35を押下すると、記録の指示が行われ、再度押下すると記録が終了する。上述のステップ7、8では、施工データの記録終了後、施工データを記録保存しているが、これは、並行して行われてもよい。言い換えると、施工データを記録しながら、施工データを記録保存する。サーバ4への送信は施工データの記録終了後にしているが、設定された所定時間になったとき、設定された時間間隔で、取得した施工データが所定量に達したとき、施工作業が終了したとき等のいずれか又は組み合わせて行うことができる。
また、サーバ4へ施工データを送信せず、外部補助記憶装置57に記録し保存しておいて、施工データが保存された外部補助記憶装置57を、作業者が携帯してサーバ4に接続して、施工データをサーバ4に移動させてもよい。又は、施工データが保存された外部補助記憶装置57を、作業者が別の電子計算機に接続して、その電子計算機からサーバ4に施工データを送信してもよい。以下、建設機械2から施工データを取得する詳細な手順を説明する。
図5は、施工管理プログラム50によって、建設機械2から施工データを取得する手順の例をフローチャートである。施工管理プログラム50は、一連のプログラム、モジュール等が集合したアプリケーションプログラムであり、以下、その機能の概要のみを説明し詳細な説明は省略する。施工管理プログラム50は、一般的なアプリケーションプログラムと同様に、施工管理プログラム50全体を制御するメインスレッドと、このメインスレッドから呼び出されて動作し特定の機能をする複数のサブスレッドからなる。
ここでは、本発明を実現する上で必要なスレッド、サブスレッドの例として、施工データを取得するサンプリングスレッド、取得した施工データを記録するための記録スレッドを説明する。ここでいうメインスレッドは、施工管理プログラム50の中で、施工データを取得する命令を受けて動作するスレッドである。施工管理プログラム50は、起動され、施工データ取得の命令が発行されると、メインスレッドが動作する。メインスレッドは、現場端末3のメインメモリに常駐し、施工データ取得の命令を待機している。
又は、メインスレッドは、施工データ取得の命令が実行し呼び出してもよい。メインスレッドが実行されると、コントローラユニット60との接続を確認し、通信プロトコル上にデータリンクを確立させ、コントローラユニット60との通信を終了させるために設定した周期時間のデバイスアクセスタイミングを設定する。このデバイスアクセスタイミングは、メインスレッドがコントローラユニット60との通信を終了させる命令を監視する、又はコントローラユニット60から施工が終了した旨の信号を確認するためのアクセス時間である。
デバイスアクセスタイミングは、ミリ秒、サブ秒から数秒までと、任意に設定できるが、0.1秒周期のようにサブ秒オーダーが実用的である。その後、メインスレッドは、サブスレッドの初期化処理を行う(ステップ20、21)。初期化処理は、サンプリングスレッドの初期化と、記録スレッドの初期化からなる。サンプリングスレッドの初期化は、コントローラユニット62へアクセスするタイミングの設定等が行われる。また、コントローラユニット62のIPアドレス等の固有アドレスの設定等が行われてもよい。
サンプリングスレッドの初期化で、アクセスタイミングは現場の状況に合わせて任意設定できるが、1秒周期が適当である。設定が終了すると、サンプリングスレッドは、コントローラユニット62の各デバイスからデータが出力されるまでを待機する。サンプリングスレッドは、設定されたアクセスタイミングで、コントローラユニット60を参照し、コントローラユニット60内の所定のメモリアドレス上に施工データがあるか否かを監視し、ある場合は、その施工データを取得する。
又は、コントローラ通信ポート62と通信のデータリンクを確立させ、そこから施工データの送信を取得することもできる。記録スレッドは、コントローラユニット60から取得した施工データを、現場端末3のRAMメモリ上に保存する。詳しくは、初期化のとき指定されたメモリ領域に保存する。記録スレッドの初期化では、補助記憶装置51へアクセスし、取得した施工データを保存する施工データファイルを生成する。この施工データファイルは、施工データを取得する際に行われている施工工毎、又は施工データ取得の指示をして終了するまでの一連の命令毎に生成するとよい。
更に、メインスレッドは、初期化処理で、記録スレッドが補助記憶装置51へアクセスし施工データを保存する周期を設定する。この周期は、記録スレッドが上述のメモリ領域へアクセスし監視する周期である。メモリ領域に施工データがサンプリングスレッドによって記録されると、これを記録スレッドが読みとり、補助記憶装置51の施工データファイルに格納する。記録スレッドのアクセス周期は、任意に設定できるが、0.1秒の周期が適当である。
記録スレッドは、0.1秒毎に、サンプリングスレッドの取得したデータを監視し、取得したデータがあると、これを、補助記憶装置51の施工データファイルに追記する。記録スレッドのアクセス周期が、サンプリング周期のアクセスタイミングより短いため、施工データが記録される上述のメモリ領域が一杯になることはない。ここで、施工データの例として、機械の動作記録を示すログデータを例に詳しく説明する。
メインスレッドの初期化処理が終了後、サンプリングスレッドは、コントローラユニット60にアクセスし(ステップ22)、ログデータがあるか否かを確認する(ステップ23)。ログデータがある場合、サンプリングスレッドがコントローラユニット60からログデータを読み込み取得する(ステップ24)。このログデータは、サンプリングスレッドに割り当たられたメモリ上に格納される。サンプリングスレッドに割り当たられたメモリを記録スレッドが常時監視しているので、記録スレッドがこのログデータを取得して補助記憶装置51の施工データファイルに追記する(ステップ25)。
そして、メインスレッドは施工データの取得を終了する命令を確認し(ステップ26)、終了の命令がない場合、所定時間待機する(ステップ27)。この待機する時間は、例えば1秒である。そして、コントローラユニット60のログデータを確認するステップ23からの処理が行われる。施工データの取得を終了する命令があると、最後に、コントローラユニット60にログデータがあるかを確認し(ステップ28)、ログデータがある場合、上述と同様に、それを取得して、補助記憶装置51の施工データファイルに追記する(ステップ29、30)。
そして、施工データの取得を終了させる終了処理を行う(ステップ31)。この終了処理では、記録スレッドが取得されたログデータを再度確認し、ある場合、施工データファイルに追記する。そして、補助記憶装置51の施工データファイルが記録スレッドによって閉じられ、記録スレッドが終了する。その後、サンプリングスレッドが終了し、最後にメインスレッドが終了する。施工管理プログラム50は、次の処理に移行する(ステップ32)。
図6には、現場端末3からサーバ4へ施工データを送信する手順の概要を図示している。施工管理プログラム50は、施工データが補助記憶装置51に記録されると、施工データが自動的に送信される自動送信設定が有効になっているか否かを確認する(ステップ40、41、42)。自動送信設定が有効ではない場合は、作業者が送信ボタンを押下し指示したら、施工データをサーバ4へ送信する(ステップ43からステップ47)。
自動送信設定が有効である場合は、施工管理プログラム50は、定刻毎に転送する設定になっているかを確認する(ステップ44)。定刻毎に転送する設定になっている場合は、設定の定刻になったことを確認し、定刻になった場合、施工データをサーバ4へ送信する(ステップ45からステップ47)。設定の定刻になっていない場合、所定時間待機するか、施工データの取得を継続して行い、施工データを記録する(ステップ45からステップ46からステップ41)。サーバ4へ施工データを送信したら次の処理に移行する(ステップ48)。
図7は、現場端末3が施工データを外部補助記憶装置57に保存する手順の概要を図示したものである。プログラム50は、施工データが取得されると、施工データが保持記憶装置51内に自動的に保存される。この保持記憶装置51に保存された施工データが、部記憶装置57に自動保存設定が有効になっているか否かを確認する(ステップ60、61、62)。自動保存設定が有効ではない場合は、作業者が保存ボタンを押下し指示をしたら、施工データを外部補助記憶装置57へ保存する(ステップ63からステップ67)。
自動保存設定が有効である場合は、施工管理プログラム50は、定刻毎に保存する設定になっているかを確認する(ステップ64)。定刻毎に保存する設定になっている場合は、設定の定刻になったことを確認し、定刻になった場合、施工データを外部補助記憶装置57へ保存する(ステップ65からステップ67)。設定の定刻になっていない場合、所定時間待機するか、施工データの取得を継続して行う(ステップ65からステップ66からステップ61)。外部補助記憶装置57に施工データを保存したら次の処理に移行する(ステップ68)。
図8のフローチャートには、サーバ4において、施工データにタイムスタンプを付与する手順の例を示している。サーバ4は、現場端末3から送信されてきた施工データを受信する(ステップ80、81)。サーバ4は、受信した施工データをサーバ補助記憶装置20に保存する。サーバ4は、受信した施工データを処理して、タイムスタンプ局8へタイムスタンプ発行を要求するタイムスタンプ発行要求を発行し、タイムスタンプ局8へ送信する(ステップ82)。
タイムスタンプ発行要求は、施工データを一方向関数等を用いて処理して、施工データから一意的に生成される値を所定の手順に従って求めるものである。タイムスタンプ発行要求は、送信先のタイムスタンプ局8のアドレス等のデータを含むことができる。タイムスタンプ局8は、サーバ4から送信されてきたタイムスタンプ発行要求を受信し、タイムスタンプ発行要求に時刻データを追加して、暗号化等の所定の手順のタイムスタンプ処理で処理して、タイムスタンプデータを生成し、これをサーバ4へ返信する。
サーバ4は、タイムスタンプ局8から送信されてきたタイムスタンプデータを受信する(ステップ83)。そして、サーバ補助記憶装置20に保存されている元の施工データにタイムスタンプデータを追加又は関連付けて保存する(ステップ84)。以下、元の施工データにタイムスタンプデータを追加したデータは、タイムスタンプ付与施工データというが、元の施工データにタイムスタンプデータを関連付けたものもこの概念の範囲に入る。
タイムスタンプ付与施工データは、施工データ管理データベース21に登録する(ステップ84)。そして、サーバ4はタイムスタンプ付与施工データを決められた手順で監視端末10、ユーザ端末9、指令端末12等へ送信する(ステップ85)。又は、これらの監視端末10、ユーザ端末9、指令端末12等は、所定の手順でサーバ4からタイムスタンプ付与施工データを取得して画面上に表示し、作業者が閲覧する。監視端末10、ユーザ端末9、指令端末12等では、タイムスタンプ付与施工データを受信すると、これを所定の手順で確認し、施工データが改ざんされたか否かを確認することができる。タイムスタンプ付与施工データは、所定の手順で検証処理を行って、施工データが改ざんされたか否かを確認することができる。
例えば、タイムスタンプデータをタイムスタンプ局8で、タイムスタンプ処理で指定された逆処理、例えば暗号化の場合は復号化処理、を行うと、タイムスタンプ局8が付与した時刻データとタイムスタンプ発行要求を取得できる。そして、このタイムスタンプ発行要求を、元の施工データと比較処理することで、施工データを処理して得られたタイムスタンプ発行要求であるか否かをすることができる。これにより、元の施工データが改ざんされたか否か、かつ、施工データがタイムスタンプ処理された時刻を正確に分かる。
サーバ4において、施工データにタイムスタンプを付与する処理は、タイムスタンプ処理を行うためのタイムスタンプ専用アプリケーションプログラムによって行うことが好ましい。このようなタイムスタンプ専用アプリケーションプログラムは、タイムスタンプ局8が要求する基準を満たすプログラム、例えばタイムスタンプサービス等の規格によって認定されたプログラムであるとよい。
タイムスタンプ専用アプリケーションプログラムは、サーバ4で動作し、施工データを処理するアプリケーションプログラムから呼び出されて、渡された施工データを処理し、上述の通りタイムスタンプ局とやり取りを行って、タイムスタンプデータ又はタイムスタンプ付与施工データをそのアプリケーションプログラムに戻す。以下、タイムスタンプ専用アプリケーションプログラムについては、その基本的な機能をサーバ4の機能として説明する。
図9のフローチャートには、指令端末12から指令を発行して、施工データにタイムスタンプを付与する手順の例を示している。この場合、まず、サーバ4は、現場端末3から送信されてきた施工データを受信する(ステップ90、91)。サーバ4は、施工データを受信した旨を示す施工受信データを指令端末12へ送信する(ステップ92)。施工受信データは、施工データからサーバ4で生成されたタイムスタンプ要求データであっても、指令端末12で生成されてもよい。
指令端末12は、サーバ4から受信したタイムスタンプ要求データをタイムスタンプ局8へ送信する(ステップ93)。タイムスタンプ局8は、指令端末4から送信されてきたタイムスタンプ発行要求を受信し、タイムスタンプを付与しタイムスタンプデータを生成する。タイムスタンプ局8は、これを指令端末12又はサーバ4へ送信する。指令端末12がタイムスタンプデータを受信した場合、これをサーバ4へ転送する。
サーバ4は、タイムスタンプ局8又は指令端末12から送信されてきたタイムスタンプデータを受信する(ステップ94)。そして、サーバ4は、元の施工データにタイムスタンプデータを付与し、タイムスタンプ付与施工データを施工データ管理データベース21に登録する(ステップ95)。そして、サーバ4はタイムスタンプ付与施工データを決められた手順で監視端末10、ユーザ端末9、指令端末12等へ送信する(ステップ96)。又は、これらの監視端末10、ユーザ端末9、指令端末12等は、所定の手順でサーバ4からタイムスタンプ付与施工データを取得して画面上に表示し、作業者が閲覧する。
タイムスタンプ付与施工データは保存されるとき、施工データの現場、施工工事、施工区間、施工日時等のように特定の概念で整理されて、ファイル又はフォルダに格納される。施工データとタイムスタンプ付与施工データは、その量が少ない場合、一つのファイルにまとめて、新規データが追加できるように、保存することができる。しかし、タイムスタンプ付与施工データは施工工事が続く限り、新しく取得されて追加されることになり、それに応じてデータ量も増加する。
場合によって、現場写真等の画像情報、音声情報も追加されることがあり、データ量も多くなる。このような場合は、施工データとタイムスタンプ付与施工データは、フォルダにまとめて保存することが好ましい。例えば、1つの現場について一つのフォルダを作成し、そのフォルダの中で、施工データを取得した日時毎に又は順番毎にサブフォルダを作成してその中で、タイムスタンプ付与施工データを保存する。
このとき、タイムスタンプ付与施工データは、施工データとタイムスタンプデータの別々のファイルとして保存してもよいし、施工データとタイムスタンプデータをタイムスタンプ付与施工データとして纏めて一つのファイルとして保存してもよい。それを利用するとき、施工データとそのタイムスタンプデータを分かりやすくするために連動した名前を付けたりする。また、独立したデータベースを作成し、施工データとそのタイムスタンプデータのファイル名、取得日時等の基本的なデータを格納してもよい。
このように独立したデータベースを作成すると、検索するとき便利である。特に、サーバ4以外の場所から検索する場合、データベースへのアクセス権を利用者に与えれば自由にアクセスできる利点がある。施工データ、タイムスタンプデータ、タイムスタンプ付与施工データは、このように任意に整理して保存することができるので、詳細な説明は省略する。
図10のフローチャートには、現場の補助記憶装置に保存された施工データにタイムスタンプを付与する手順の例を示している。この場合、作業者は、現場の外部補助記憶装置57(図3を参照。)を、サーバ4へ接続し、認識させる(ステップ100、101)。そして、サーバ4で専用のアプリケーションプログラムを起動させ、外部補助記憶装置57に保存されている施工データをサーバ4のサーバ補助記憶装置20へ複製又は移動させる(ステップ102)。
サーバ4では、サーバ補助記憶装置20に施工データが保存されると、これにタイムスタンプ付与する手順を開始する。サーバ4は、上述の例と同様に、タイムスタンプ局8へタイムスタンプ発行を要求するタイムスタンプ発行要求を発行し、タイムスタンプ局8へ送信する(ステップ103)。タイムスタンプ局8は、サーバ4から送信されてきたタイムスタンプ発行要求を受信し、それにタイムスタンプを付与して、タイムスタンプデータを生成して、これをサーバ4へ送信する。
サーバ4は、タイムスタンプ局8から送信されてきたタイムスタンプデータを受信する(ステップ104)。そして、サーバ4、元の施工データにタイムスタンプデータを追加してタイムスタンプ付与施工データを生成し施工データ管理データベース21に登録する(ステップ105)。そして、サーバ4はタイムスタンプ付与施工データを決められた手順で監視端末10、ユーザ端末9、指令端末12等へ送信する(ステップ106)。又は、これらの監視端末10、ユーザ端末9、指令端末12等は、所定の手順でサーバ4からタイムスタンプ付与施工データを取得して画面上に表示し、作業者が閲覧する。
上述の図8〜図10の例では、施工データにタイムスタンプを付与する例を示した。タイムスタンプに関しては、電子データのハッシュ値に時刻データを付与してタイムスタンプ局のディジタル署名(暗号鍵で暗号化)を付けた方式がある。また、タイムスタンプ局が電子データを受信して、それを処理して生成するトークンの中に、電子データのダイジェストと時刻情報を結合するための参照情報を挿入しユーザに返送するアーカービング方式がある。
更に、複数の利用者の電子データのメッセージダイジェストを相互に関連付けるリンク情報を生成し、それまでに発行された全てのタイムスタンプ局に依存する(リンクする)ように生成するリンクトークン方式がある。本実施の形態において、タイムスタンプの方式として、より一般的に利用されているハッシュ値を利用した方式を採用する。この方式は、IETFのRFC3161およびISO/IEC18014-2として標準化されており、かつ、本発明はタイムスタンプ方式の発明ではないので、ここでは、本例に適応した概要のみを説明する。
図11には、本実施の形態の施工データ管理システム1で施工データにタイムスタンプを付与する手順の例を示している。本例では、施工データをハッシュ関数で処理し、そのハッシュ値を生成している利用している。ハッシュ値は、一方向関数のハッシュ関数によって、施工データから割り出された固有の識別番号である。同じハッシュ値をもつ電子ファイルを作成することは困難であるため、この方式が広く普及している。まず、サーバ4は、現場端末3から送信されてきた施工データを受信する(ステップ120、121)。
サーバ4は、受信した施工データをサーバ補助記憶装置20に保存する。サーバ4は、受信した施工データをハッシュ関数で処理して、そのハッシュ値を生成する。そして、サーバ4は、このハッシュ値を含むタイムスタンプ発行要求を発行し、タイムスタンプ局8へ送信する(ステップ122)。タイムスタンプ局8は、このタイムスタンプ発行要求を受信し、タイムスタンプ発行要求の中のハッシュ値に時刻データを追加する。タイムスタンプ局8は、時刻データが追加されたハッシュ値を、タイムスタンプ局8自身の秘密鍵で暗号化し、これをタイムスタンプデータとして、サーバ4へ送信する。
タイムスタンプ局8の秘密鍵とペアの公開鍵は、タイムスタンプ局8より公開されており、だれでも取得して利用することが可能である。サーバ4は、タイムスタンプ局8から送信されてきたタイムスタンプデータを受信する(ステップ123)。そして、サーバ4は、元の施工データにタイムスタンプデータを追加又は関連付けたタイムスタンプ付与施工データをサーバ補助記憶装置20に保存する(ステップ124)。
サーバ4は、このタイムスタンプ付与施工データを監視端末10、ユーザ端末9、指令端末12等へ送信する(ステップ125)。続けて、施工データの検証、特に改ざん検証について説明する。タイムスタンプ付与施工データは、その中のタイムスタンプデータを暗号化した暗号鍵の復号鍵があれば、施工データを検証することができる。タイムスタンプ局8は、暗号鍵の復号鍵を公開しているので、この復号鍵を用いて、タイムスタンプ付与施工データの検証を行う(ステップ126)。
タイムスタンプ付与施工データを受信した利用者は、タイムスタンプ付与施工データから施工データとタイムスタンプデータを取得する。この施工データは、説明の利便性のために、検証用施工データとする。タイムスタンプ局8の公開鍵を用いて、タイムスタンプ付与施工データのタイムスタンプデータを復号し、元のハッシュ値と時刻データを取得する(ステップ127)。元の施工データを処理したハッシュ関数と同じハッシュ関数を利用して、検証用施工データを処理すると、検証用ハッシュ値が生成される(ステップ128)。
この検証用ハッシュ値と元のハッシュ値が同じであれば、検証用施工データが元の施工データと同じであることが証明される(ステップ129からステップ130)。よって、元の施工データが改ざんされていないことも証明される。更に、この検証用ハッシュ値と元のハッシュ値が同じであれば、タイムスタンプ付与施工データを復号化して取得した時刻データが示す時刻に、施工データが存在したことが証明される。検証用ハッシュ値と元のハッシュ値が異なれば、検証用施工データが元の施工データと異なる。
従って、元の施工データが改ざんされたことになる(ステップ129からステップ131)。少なくとも、タイムスタンプ付与施工データを復号化して取得した時刻データが示す時刻以後に、施工データが改ざんされたことになる。正確には、元のハッシュ値が生成された時刻以後に、施工データが改ざんされたことになる。このように、タイムスタンプ付与施工データをタイムスタンプ局8の公開鍵と、ハッシュ関数を用いて処理し、施工データのタイムスタンプ時刻を取得し、改ざんされたか否かを検証することができる。
[現場端末3]
図12は、現場端末3の画面31に表示されるメインメニューを表示するメイン画面100の例である。メイン画面100は、施工データを取得している様子を表示する画面へ遷移すボタンであるモニターボタン101、施工データを送信する送信先を設定する画面へ遷移するボタンである設定ボタン102、施工データが取得された現場の一覧を表示する画面へ遷移するボタンである現場一覧ボタン103、データ記録、機械のインターロック制御等の機能設定を表示する画面へ遷移するボタンである機能ボタン104、各センサーの入出力、エラー状況等を表示する画面へ遷移するボタンであるメンテナンスボタン105等のメニューからなる。
モニターボタン101は、図14と図15に例示しており、その詳細な説明は後述する。設定ボタン102は、施工データをメールで送信するメールアドレス、送信するサーバ4のアドレス等の設定を行う画面へ遷移するためのものである。現場一覧ボタン103は、現場一覧画面へ遷移するもので、現場一覧画面は施工データが取得された各現場の一覧が表示され、その中から1つの現場を選択すると、その現場に関する詳細な情報、その現場の杭一覧とそれぞれの杭のデータが表示される画面である。
この画面の中に、表示されている現場のデータをメール等で送信するための送信ボタン、USBメモリに保存するための保存ボタン、USBメモリを安全に取り外すための取り外しボタン等がある。メイン画面100には、施工データを取得するための各種設定を行う画面へ遷移するための施工準備ボタン106があり、これを押下すると、図13に例示した画面120へ遷移する。メイン画面100の下部に現場端末3の電源を切るためのボタンであるシャットダウン57があり、これを押下すると、現場端末3の電源が切られる。
図13は、現場端末3の画面例である。図13に図示した画面120は、現場端末3で、施工管理プログラム50を起動させ、現場データ等を入力するときの画面例である。画面120には、大きく分けて、メニュー選定領域121、現場情報領域122、記録設定領域123、入力キー領域124等がある。メニュー選定領域121は、各種の設定や情報閲覧のためのメニューを表示するための各種ボタンを表示する。
メニュー選定領域121には、例えば、現場名に関する情報を変更するための現場名変更ボタン131(以下の現場情報領域122の「現場名」に反映される。)、現場での杭工事の杭に関する目標値、管理値等の各種条件を設定するための杭条件設定ボタン132、自動運転設定ボタン133、プリンタ項目設定134等が例示されている。詳しくは、杭条件設定ボタンで132は、深度、スラリー流量、羽根切り回数、回転トルクの目標値を設定する画面へ遷移するためのボタンである。
自動運転設定ボタン133は、自動運転するために必要な杭条件、工程、サイクル、動作等を設定する画面へ遷移するためのボタンである。プリンタ項目設定134は、取得された施工データの中から印刷する項目を設定し、印刷プレビュー等を行うための印刷設定画面(図示せず。)へ遷移するボタンである。ペンレコ記録135は、波型に出力される信号をチャート上に記録するシステムに適した記録計でありこれを作動させるためのボタンである。印刷設定画面で設定された内容が、現場端末3に接続された印刷装置で印刷される。
流量・速度計算ボタン136は、改良材の注入工程における昇降速度基準値(m/min)に対する瞬時流量(L/min)又は瞬時流量基準値(L/min)に対する昇降速度(m/min)を自動計算するためのボタンである。拡張記録設定ボタン137は、以下の記録設定領域123に設定されて条件以外の条件で記録設定するためのボタンである。例えば、施工作業が自動停止するときに記録する自動停止記録、再稼働のときにデータを記録する昇降停止時記録、セメントミルク注入が開始するとき(設定流量L/min以上)にデータを記録する注入開始時記録、チャックの開閉動作時にデータを記録する掴替時記録がある。
これらの場合、記録の有無、記録するタイミング(例えば、自動停止時)等を設定する現場情報領域122は、上述の現場名変更ボタン131を操作したときに表示される領域で、現場に関する各種情報が表示され、入力するための領域である。この例では、現場情報領域122には、現場の名称を確認・変更するための「現場名」、杭の工事の施工方法を示し選択する「工法」、現場内の建造物の棟番号を示す「号棟」、杭に付与した番号を示す「杭番」、工事の計画を示す「計画」、施工データの本数カウントを示す「本数」、杭番号の入力方法を示す「杭番号入力」等を示す領域が表示され、それぞれにデータを入力又は選択する。
この中で特に、現場情報領域122の「本数」の欄には、設定されている現場に記録されている施工データの本数を表示し、この記録が現場作業の後日確認、証拠保存に利用し、言い換えると、現場毎に計画の本数に対してその記録本数を確認することができる。「工法」では、本例では、柱状改良、鋼管杭等を選択できる。柱状改良の場合、柱状改良専用モニターにて施工でき、杭条件では、杭一本当たりの注入量と、区間流量、区間羽根切回数の目標値を自動計算し、柱状改良モニターでは、区間流量や区間羽根切回数(単位長さの攪拌羽根の積算回転数)の管理を行うことができる。
鋼管杭の場合、鋼管杭専用モニターにて施工でき、杭条件では、管理トルクや管理圧入力を設定でき、鋼管杭モニターでは、支持層のトルク、圧入力を管理することができる。また、画面120に、記録設定領域123の下に建設機械2に搭載された傾斜センサー(コラムに搭載)で検知した傾斜角度を示す領域138と領域139がある。領域138と領域139には、傾斜角度、即ち傾斜前後角度と傾斜左右角度が数値でそれぞれ表示される。この角度で、攪拌軸の攪拌角度が分かる。
また、この領域138と領域139を押下すると、建設機械2の攪拌軸の傾斜角度をグラフ又は建設機械2の図で表示する画面(図示せず。)へ遷移する。杭条件設定ボタン132を操作すると、杭条件設定のための画面へ遷移する。この画面では、改良長、空堀深度、杭径、セメント比重、セメント添加量、配合比、羽根きり回数、羽根枚数、管理トルク等の値を入力すると、これらの値を自動的に処理し、目標深度、杭1本当たりの積算流量、1m当たりの流量値、区間流量、区間羽根切回数等が自動計算出力されて表示される。
ここで、各値の基準を業界で利用されるGL基準、杭天基準等で選択的に表示することができる。また、表示される値を、体積の累積値若しくは回数の累積値、又は、単位長さ(1m)当たりのリットル(L)若しくは回数(回)で選択的に表示することができる。記録設定領域123は、施工データを取得し記録する各種条件を確認し設定するための領域である。記録設定領域123には、各種設定をテーブル形式に表示している。記録設定領域123の第1欄は、記録するデータの種類を表示する記録種類である。
例えば、この例では、補助記憶装置51(図3を参照。)を示す「ハード」、印刷装置を示す「プリンタ」になっている。記録設定領域123の第1行は、記録するデータの設定条件を示すものであり、施工データの記録の種類を設定する「施工データ」、設定された周期当たりデータを示す「区間データ」、記録する周期として設定する深度又は時間を示す「周期」、記録する条件として深度、時間を選択する「条件」がある。最後の行のPCデータ容量は、このハードディスクドライブに保存されたデータ量を示す。
記録設定領域123のテーブルの記録種類と設定条件の交差点に当たる各セルは、条件を表示しており、それを変更するときは各セルを操作し他の条件を選択又は入力する。この「条件」は、深度毎、時間毎を選択する。深度毎が選択された場合、「周期」でその深度の周期が10cm程度から1m程度までに選択できるようになっているが、これは現場の特徴に合わせて、数cmから数m単位で設定する。
この「条件」で時間毎が選択された場合、これは現場の特徴に合わせて、1秒から30秒まで、場合によって数分、数十分まで設定する。「ハード」と「プリンタ」の対応するセルは、施工データを「記録する」、「記録しない」を選択する設計になっている。「区間データ」は、選択された周期当たりの施工データであり、印刷装置で印刷するか否かが「施工データ」から独立して選択することができる。
補助記憶装置51に記録する場合、「施工データ」と「区間データ」が選択される。
「区間データ」は、例えば、単位深度当たりのスラリー注入量(L/m)と羽根切回数(回/m)を補助記憶装置51、印刷装置等に記録する。このデータは、図示しないが、例えば、図14の画面150の「区間データ」タブを開くことで確認することができる。入力キー領域124は、現場情報領域122と記録設定領域123に、データを入力するときに必要な数字を入力するインターフェースとなっている。
ここでは、キー125で例示するアラビア数、キー126で例示するローマ字を示すボタンが表示されている。また、キー127で例示される改行又は入力確定キーである「ENT」と、入力された数字を削除できる削除キーの「CLR」、バックスペースキーである「BS」が表示されている。その他に、日本語のカタカナ、ひらがな等のキー、その他の言語のキー、そして、シフト、タブ等を始めとするファンクションキーを必要に応じて表示することができる。
また、画面120には、図12のメインメニューに戻るためのメニューボタン128、この画面の情報の確認と入力が終わり、設定が確定したことを示す準備完了ボタン129が表示されている。準備完了ボタン129は長く押す設定になっている。メニュー選定領域121の各種のメニュー131〜137は、上述に説明した現場名変更ボタン131と同様に、情報を確認し、入力、出力することができるので、機能の説明は最低限にし、詳細な説明は省略する。
図14には、施工データ取得するときの画面例を示している。図13の画面120で例示した記録準備が終了すると、図2で図示した記録ボタン35を押下し、施工データの記録を開始させる。これにより、施工データがサンプリングされてリアルタイムで図14に例示した画面150に表示される。図14の画面150の施工データ表示領域151には、サンプリングされた情報が複数の欄にリアルタイムで表示される。
例えば、図14の例の施工データ表示領域151には、左側の欄から、工事が行われている現在を示す日付と時間を示す「日付」、工事が開始してからの経過時間を示す「経過時間」、掘削の深度を示す「深度」、掘削ロッドの昇降速度を示す「昇降速度」、セメント等の土地改良材の単位時間当たり注入量を示す「瞬時流量」、土地改良材の積算量を示す「積算流量」、掘削ロッドの回転速度を示す「回転数」、掘削ロッドの積算回転数を示す「積算回転数」、掘削ロッドの回転トルクを示す「回転トルク」、土地改良材を注入する圧力を示す「圧入力」等が経過時間毎に表示されている。
図示しない施工データが印刷される場合は、図14と同様の画面が表示され、この画面に次のような施工データが表示される。例えば、「経過時間」、「深度」、「回転数」、「積算回転数」、「回転トルク」、「瞬時流量」、「積算流量」、「圧入力」等が表示される。また、1m区間毎の流量、羽根切回転数を示す区間データが表示される。図15は、施工データをグラフ化して表示する例を示す画面160を図示している。画面160には、複数のグラフが重なった表示領域161が表示される。
そのため、表示領域161には各グラフの縦軸を示す縦軸表示領域162、グラフを表示するグラフ領域163がある。図15の例では、横軸に「経過時間」を表示し、縦軸に、「深度」、「昇降速度」、「瞬時流量」、「積算流量」、「回転数」、「積算回転数」、「回転トルク」、「圧入力」が表示され、それぞれに該当するグラフが表示されている。また、図示しないが、1m区間毎のデータを表示することができる。
これには、土地改良材の目標とする流量を示す目標流量(L)、目標とする羽根切の回数を示す目標羽根切回数、単位深度当たりの目標流量(L/m)、単位深度当たりの目標羽根切回数(回/m)、 実施された土地改良材の流量を示す実施流量(L)、実施された羽根切の回数を示す実施羽根切回数、単位深度当たりの実施流量(L/m)、単位深度当たりの実施羽根切回数(回/m)等が表示される。実施流量、実施羽根切回数が目標値以上になるとそれぞれを水色、ピンク色等の他の色で強調表示することができる。よって、記録が終了すると、設定された現場名で施工データが記録される。そして、これが外部補助記憶装置57(図3を参照。)等に保存、又は、サーバ4へ送信される。
[施工データの送信]
現場端末3によって取得された施工データは、サーバ4へ次の方法で送信される。現場端末3の補助記憶装置51に施工データが保存されると、これを監視し、記録された場合に施工データを送信するための監視送信手段によって行われる。この監視送信手段は、施工管理プログラム50に含まれるサブスレッド、モジュール、又は独立したアプリケーションプログラムで実現する。
監視送信手段は、補助記憶装置51に格納されているファイルやフォルダのステータスを監視し、それが更新されると、施工データが記録されたと判断して、更新されたファイルへアクセスし、追加記録された部分の追加施工データを取得する。監視送信手段は、追加施工データを、第2通信ポート53(図3を参照)を経由して、さらに、第1通信ネットワーク5を介してサーバ4へ送信する。監視送信手段からサーバ4へデータリンクを確立して直接サーバ4に渡すことができる。
この場合は、現端末3とサーバ4が常時通信接続する必要がある。また、監視送信手段は、電子メールを利用して、施工データ全体又は追加施工データをサーバ4へ送信することができる。この場合は、電子メール用のアプリケーションソフトウェアである電子メールアプリケーションプログラムが現場端末3上に動作している必要がある。電子メールアプリケーションプログラムは、施工管理プログラム50と並列して現場端末3上に稼働しても、必要に応じて稼働してもよい。
言い換えると、電子メールアプリケーションプログラムは、監視送信手段から呼び出されて、現場端末3のメモリ上に読み込まれて稼働してもよい。監視送信手段は、電子メールアプリケーションプログラムに送信するための施工データ又は追加施工データである送信施工データを渡し、電子メールを送信する指示をする。電子メールアプリケーションプログラムは、この指示を受け、送信施工データを、設定された送信先に送信する。
電子メールアプリケーションプログラムの設定は、図12の施工管理画面120で、現場の施工が開始する前に設定することができるし、送信施工データを送信する毎に送信内容を作業者によって確認し、送信を最終的に決定することもできる。例えば、図16に電子メールに関する設定を行う画面の例と、図17に電子メールを送信する画面の例を図示している。図16は、電子メールに関する設定を行うメール設定画面170を図示している。
メール設定画面170は、施工データを受け取る送信先のアドレスを示す送信先設定領域171、送信している作業者等を示す送信元設定領域172、入力する数字を示すキーボード領域173、施工データを自動的に送信する設定を有効にするためのボタン174、メール送信を行うボタン175、メインメニューに戻るためのボタン176等が表示されている。送信先設定領域171には、施工データを送信する送信先アドレスが1乃至複数、本例では4アドレス、が入力される。
この送信先アドレスは、施工データを記録用保管するアドレス、監視する監視用アドレス、施工工事全体監督する監督者用のアドレス等のように任意に設定する。上述のメール送信を行うボタン175を捜査して、メールアドレスを設定した後にテストメールを送信することが好ましい。施工データは、常時記録されるので、それらをできる限りリアルタタイムでサーバへ送信し、記録保存することが求められる。
そのため、施工データを自動送信する機能を、ボタン174を捜査して有効にするとよい。以後は、設定された内容で、施工データの更新部分のデータが、メールでサーバ4へ自動的に送信される。このように自動送信することで、サーバ4は施工データをほぼリアルタイムで受け取り、すぐにタイムスタンプ処理を行うので、施工データの改ざんを防ぐことができる。
図17に電子メールを送信するメール送信画面180の例を図示している。メール送信画面180には、記録される又は記録された現場の数を示す現場数表示領域181、その現場を一覧で表示する現場表示領域182、メインメニューへ戻るメニューボタン183、現場数表示領域181の選択された現場を開いて表示するためのボタン184、メール送信を実行するメール送信ボタン185、メモリに保存するメモリ保存ボタン186等が表示されている。
本例では、メモリはUSBメモリを採用しており、そのUSBメモリを現場端末3から安全に取り外すためのボタン187も備える。また、選択された現場のデータを削除する削除ボタン188も備える。更に、メール送信画面180の上部の現場端末3に保存されている施工データの総量示すデータ容量ボタン189が表示されている。現場数表示領域181は、記録される又は記録された現場の総数を表示し、各現場を選択するための矢印で示した選択ボタンが表示されている。
この矢印を捜査することで、現場表示領域182の一覧から特定の現場を選択する。現場表示領域182は、施工現場、取得された施工データを表示する領域である。例えば、図示したように、現場表示領域182は、各現場の現場名を示す第1欄、各現場の施工日を示す第2欄、施工で予定している杭の本数を示す第3欄、施工された杭の本数を示す第4欄、最後は、取得されたデータの容量を示す第5欄からなっている。
現場表示領域182で選択された現場に関する施工データは、メール送信ボタン185を捜査することで、メール送信される。このように手動送信される。自動送信設定の場合は、所定周期の期間で、又は、施工データの量が所定容量になった場合、所定の設定時間になった場合、施工工事の各工程が開始又は終了した場合等のように所定の条件を満たしたとき、施工データが自動的にメールで送信される。施工データは、現場端末3から送信されるメールの本文に挿入される、又は、現場端末3から送信されるメールにファイルとして添付される。
施工データは、ログファイルとして現場端末3の補助記憶装置51に保存されるので、通常はテキスト形式である。このようなテキスト形式の場合、メールの本文のその内容を挿入してもよい。現場端末3から送信されるメールは、その本文内容が暗号化されたり、その添付ファイルが暗号化されたりして送信することができる。この暗号化方式は、公会議暗号方式等の汎用の暗号方式を採用する。現場表示領域182で選択された現場に関する施工データは、メモリ保存ボタン186を操作することで現場端末3に接続された補助記憶装置57(図3を参照。)に格納される。
補助記憶装置57に格納された施工データは、補助記憶装置57を別の電子計算機に接続して、同じくメールでサーバ4へ送信される。サーバ4は、内部にメールソフトウェアを備えており、送信先アドレスのメールを常にチェックするとよい。また、サーバ4は、メールサーバを兼ねてもよい。サーバ4は、現場端末3から送信されたメールを受信し、そのメールを順番に保存する。施工データの管理は、このメールに添付された施工データを順番に取得して、施工現場毎に振り分けて保存する。
[その他]
施工管理プログラム50は、現場端末3の補助記憶装置51に保存されると説明したが、現場端末3の外付けの補助記憶装置に保存されていてもよい。また、施工管理プログラム50は、通信ネットワーク上のサーバ等に保存されて、必要なときダウンロードされて動作する、または、ウェブブラウザ等で動作するものであってもよい。本発明の第1の実施の形態においては、図1に実線で図示したように、タイムスタンプ局8は、第2通信ネットワーク7に接続されている例が図示されている。タイムスタンプ局8は、図1に破線で図示したように、で第1通信ネットワーク5に接続されることができ、この場合、サーバ4は、第1通信ネットワーク5を介して、タイムスタンプ局8とデータ通信する。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態は、基本的に上述の本発明の第1の実施の形態と同じであり、ここで異なる部分のみを説明する。本発明の第1の実施の形態においては、サーバ4で施工データにタイムスタンプを付与する処理を行っている。本発明の第2の実施の形態においては、現場端末3において、施工データにタイムスタンプを付与する処理を行う。
図18には、本発明の第2の実施の形態のタイムスタンプ処理を行う手順例を示すフローチャートである。現場端末3は、建設機2から施工データを取得する(ステップ140、141)。現場端末3は、施工データを内蔵の補助記憶装置51に保存する。現場端末3は、保存した施工データをハッシュ関数で処理して、そのハッシュ値を生成する。そして、現場端末3は、このハッシュ値を含むタイムスタンプ発行要求を発行し、タイムスタンプ局8へ送信する(ステップ142)。
タイムスタンプ局8は、このタイムスタンプ発行要求を受信し、タイムスタンプ発行要求の中のハッシュ値に時刻データを追加する。タイムスタンプ局8は、時刻データが追加されたハッシュ値を、タイムスタンプ局8自身の秘密鍵で暗号化し、これをタイムスタンプデータとして、現場端末3へ送信する。現場端末3は、タイムスタンプ局8から送信されてきたタイムスタンプデータを受信する(ステップ143)。
そして、現場端末3は、元の施工データにタイムスタンプデータを追加又は関連付けたタイムスタンプ付与施工データを補助記憶装置51に保存する(ステップ144)。現場端末3は、このタイムスタンプ付与施工データをサーバ4、監視端末10、ユーザ端末9、指令端末12等へ送信する(ステップ145)。サーバ4、監視端末10、ユーザ端末9、指令端末12では、タイムスタンプ付与施工データを受信し、検証し、改ざんされているか否かを確認することができる。
そのとき、タイムスタンプ局8の暗号鍵のペアの復号鍵をタイムスタンプ局8から取得して用いる。サーバ4は、タイムスタンプ付与施工データを受信し、サーバ補助記憶装置20に保存する。このように、現場端末3において、施工データにタイムスタンプを付与する処理を行うと、現場端末3には、負担がかかる。しかし、現場端末3が施工データを受信した直後でそのハッシュ値を生成して、タイムスタンプ局8へ送信するので、タイムスタンプの時間がより正確になる。
上述の本発明の第1の実施の形態のようにサーバ4に施工データを保存してから、タイムスタンプを付与するより正確な時間が付与される。現場端末3において、施工データにタイムスタンプを付与する処理はタイムスタンプ処理専用のアプリケーションプログラムを用いて行われるとよい。又は、このようなタイムスタンプ処理専用のアプリケーションプログラムは、施工管理プログラム50(図3を参照。)に内蔵のモジュール、サブタスク等であってもよい。