JP6802040B2 - 塗布具付きコンパクト容器 - Google Patents
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Description
予備収納皿は、上方に開口した有底皿状に形成され、その開口部が予備の化粧用塗布具を出し入れする取出口とされている。収納皿に対して予備収納皿をスライド移動させることで、取出口を閉状態から開状態にすることができ、予備の化粧用塗布具を取出して使用することが可能となる。
このように、塗布具を直接的に取出口から取り出すのではなく、塗布具を上下方向から挟み込んだシート体ごと塗布具を引き出すので、取出口の開口面積が十分に確保できない場合であっても、塗布具をスムーズに取り出すことができる。
特に、シート体の内側に塗布具を挟み込んだ状態を維持しながら取出口を通過させて、塗布具及びシート体を第2収容容器内に戻すので、その過程において、塗布具をシート体で覆って保護できる。そのため、取出口の開口面積が十分に確保できない場合であっても、塗布具が取出口に引っ掛かり難く、塗布具を第2収容容器内にスムーズに収容することができる。
さらに、第2収容容器が第1収容容器の下方に配設されているので、第1収容容器に対して第2収容容器をスライド移動させて開位置にセットしたときに、取出口を上方に向けて開放させることができる。そのため、塗布具を出し入れする際に、例えば塗布具に付着した内容物が落下したとしても、第2収容容器内に留めることができ、それ以外の場所に飛散することを防止し易い。
また、下シート部が塗布具を引き出し方向の全長に亘って支持するので、下シート部の引き出し操作に伴って塗布具を安定且つ容易に取出口から外部に引き出すことができる。
さらに、ガイド板に沿って下シート部を引き出すことができるので、例えば第2収容容器の深さに影響されることなく、下シート部を抵抗少なくスムーズに取出口から外部に引き出すことができる。
なお、内容物としては特に限定されるものではないが、例えばファンデーション等の化粧料等が挙げられる。
第1周壁部12は、前方に位置する前壁部13と、後方に位置する後壁部14と、左右方向L2の両側に位置すると共に、前壁部13と後壁部14とを前後方向L1に接続する一対の側壁部15と、を有している。なお、第1周壁部12は第1底壁部11よりも下方に向けて突出している。
前壁部13の下端部には、前方に向けて突出したフランジ壁16が形成されている。前壁部13の上端部側には、前方に向けて突出した第1係合突起17が形成されている。第1係合突起17は、前壁部13における左右方向L2の中央部分に形成され、左右方向L2に沿って僅かに延びるように形成されている。
一対の側壁部15には、前後方向L1に沿って延びると共に下方に開口する縦溝15aがそれぞれ形成されている。これにより、一対の側壁部15は、前壁部13と同様に縦溝15aを挟んで壁部が左右方向L2に並んだ二重壁状に形成されている。
一対の側壁部15の上端部には、全長に亘って段差部19がそれぞれ形成されている。これにより、一対の側壁部15の上端部は、左右方向L2の外側部分が内側部分よりも下方に凹んでいる。
なお、図示の例では中皿20の内部を1つの収容空間としているが、例えば複数の仕切り壁によって中皿20の内部を複数の収容空間に仕切る構成としても構わない。この場合には、例えば各収容空間内に異なる内容物を別個に収容することが可能となる。ただし、中皿20は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
さらに第1底壁部11には、下方に向けて僅かに突出すると共に前後方向L1に沿って延びる一対のガイドリブ22が形成されている。一対のガイドリブ22は、貫通孔21の開口縁に沿って形成され、左右方向L2に間隔をあけて平行に配設されている。なお、ガイドリブ22は、その下端開口縁が第1周壁部12の下端開口縁と略面一となるように下方に突出している。
ガイドリブ22の下端部には、左右方向L2の内側に向けて突出したガイド突起23がガイドリブ22の全長に亘って形成されている。
なお、前枠部33における左右方向L2の中央部分には、前枠部33を前後方向L1に貫通すると共に下方に開口した窓孔36が形成されている。
ヒンジブロック37は、左右方向L2に沿って延びると共に下端部が半円状に突出している。ヒンジブロック37と連結凹部18とは、左右方向L2に沿って延びた回転軸部38を介して互いに連結されている。
回転軸部38は、連結凹部18における左右方向L2の内側端部と、ヒンジブロック37における左右方向L2の外側端部とをそれぞれ連結している。なお、回転軸部38の中心軸線が上記回転軸線Mとされている。
ロック片40は、左右方向L2に延びた板状に形成されると共に、窓孔36を画成する上壁面から下方に向けて突設されている。なお、ロック片40の下端部とフランジ壁16との間には、例えば指先を進入させることができる程度の隙間が上下方向に確保されている。
そして、例えば指先等によって、ロック片40の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように移動させて、第1係合突起17と第2係合突起41との係合を解除することで、蓋体30の閉状態のロックを解除することが可能となる。
ただし、鏡42は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
そして、第2収容容器3は、図1〜図3に示すように取出口50が閉塞される閉位置P1と、図4及び図5に示すように取出口50が開放される開位置P2と、の間をスライド移動可能に構成されている。
そして、内枠部70と第2底壁部61とで画成された空間が、刷毛4を収容する収容空間となる。
なお、取出口50の開口端縁のうち、前方に位置する前方端縁における左右方向L2の中央部分は、前方に向けて円弧状に膨らんだ膨出端縁51が形成されている。
一対のスライドリブ75は、閉塞板71における後方側において、左右方向L2に間隔をあけて配設されている。より具体的には、一対のスライドリブ75は、一対のガイドリブ22に対して左右方向L2の内側から向かい合うように配設されている。
スライドリブ75の上端部には、左右方向L2の外側に向けて突出し、ガイド突起23に対して上方から接触するスライド突起76がスライドリブ75の全長に亘って形成されている。スライド突起76は、ガイド突起23に対して前後方向L1に移動可能に接触している。
なお、図4及び図5では、一対のスライドリブ75と貫通孔21の前方端縁との間に、若干の隙間があいている場合を図示している。また、閉塞板71には、スライド突起76を射出成形で形成する場合の抜き孔71aが閉塞板71を上下方向に貫通するように形成されている。
このように前方枠部72は湾曲しているので、前方枠部72は後述する下シート部81を第2底壁部61側から取出口50側に向けて案内する役割を果たしている。
一対の側方枠部74は、前後方向L1に沿って延びる板状に形成されると共に閉塞板71から下方に向けて延び、第2底壁部61に対して上方から接触している。図示の例では、一対の側方枠部74は、第2周壁部62との間に隙間をあけた状態で第2周壁部62の左右方向L2の内側に配設され、且つ前方枠部72と後方枠部73とを前後方向L1に一体に連結している。
図示の例では、スライド溝77は、後側壁面77aが後方枠部73よりも若干前方に位置する部分に配置され、且つ前側壁面77bが前方枠部72の下端部よりも若干後方に位置する部分に配置されるように、前後方向L1に沿って直線状に形成されている。
刷毛4は、ブラシ5が取り付けられた柄部6を備えている。図示の例では、左右方向L2に沿った刷毛4の横幅は、取出口50の左右方向L2に沿った長さよりも僅かに短く形成されている。また、前後方向L1に沿った刷毛4の全長は、取出口50の前後方向L1に沿った長さよりも僅かに長く、且つ第2収容容器3内に収まる長さに形成されている。また、上下方向に沿った刷毛4の厚みは、第2収容容器3内に収まる厚みとされている。
このように構成された刷毛4は、柄部6を取出口50側に向けた状態で第2収容容器3内に収容されている。
なお、シート体80としては、例えば平滑性、非伸縮性で一定の引張強度を有し、且つ折り曲げ前の状態に復帰しようとする復元力が高いものが好ましい。
シート体80の全体は、左右方向L2に沿った幅方向の長さ(横幅)が刷毛4の横幅よりも僅かに長く形成され、刷毛4をその全幅に亘って上下方向に挟んでいる。下シート部81は、刷毛4及び上シート部83よりも、折返し部82から前方に向けて長く形成されている。図示の例では、下シート部81のうち、刷毛4よりも前方に位置する部分は、第2容器本体60における前方枠部72上に配置されていると共に、前方枠部72の形状に倣って上方に向けて湾曲している。
なお、シート体80の横幅は刷毛4の横幅と同じ長さでも良いが、刷毛4をその全幅に亘って上下方向に確実に挟み込むために、上述のようにシート体80の横幅を刷毛4の横幅よりも長くすることがより好ましい。
摘み片84は、下シート部81における左右方向L2の中央部分に形成され、取出口50よりも僅かに上方に突出して、第1収容容器2側の縦溝13a内に下方から入り込んでいる。また、摘み片84と第1容器本体10の膨出端縁51との間には、例えば指先を入れることができる程度の隙間が形成されている。
膨出部85は、柄部6とブラシ5との接続部分よりも後方に配置され、刷毛4に対してシート体80が前方移動したときに、柄部6とブラシ5との接続部分に対して後方から接触可能とされている。
係止突起86は、シート体80の引き出し操作に伴ってスライド溝77に沿って移動し、取出口50からシート体80が所定量引き出されたときに、スライド溝77の前側壁面77bに対して後方から接触して、前側壁面77bに対して係止される。これにより、シート体80はそれ以上の前方への引き出しが規制される。
なお、上シート部83には、シート体80の折り返しに伴う復元力によって折返し部82を中心として上方に起き上がるような応力が作用している。そのため、返し片88は、シート体80の引き出し操作の過程において、上シート部83が上方に起き上がることに伴って第1収容容器2におけるフランジ壁16に対して下方から接触可能とされている。
次に、上述したように構成されたコンパクト容器1を使用する場合について説明する。
この場合には、図1〜図3に示す状態から、第1収容容器2に対して第2収容容器3を前方にスライド移動させて、図4及び図5に示すように第2収容容器3を閉位置P1から開位置P2にセットする。
取出口50を開放させることで、第2収容容器3内に配設されているシート体80を取出口50から外部に引き出す(引っ張り出す)ことができると共に、シート体80に挟み込まれている刷毛4をシート体80と共に取出口50から外部に引き出すことができる。
第2収容容器3を開位置P2にセットして取出口50を開放させると、下シート部81の摘み片84が取出口50の上方に突出した状態となっている。そのため、摘み片84を例えば指先等で把持しながら、下シート部81を前方且つ上向きに引き出すことができる。このとき、摘み片84と膨出端縁51との間に形成された隙間に指先を入れることができるので、摘み片84を容易に把持し易い。
従って、シート体80を取出口50から引き出すにつれて、上シート部83を刷毛4から離間するように徐々に開かせることができる。
これにより、取り出した刷毛4のブラシ5に、第1容器本体10に収容されている内容物を付着させて、内容物の塗布を行える。
また、シート体80で刷毛4を覆って保護できるので、刷毛4の引っ掛かりが生じ難く、刷毛4の品質を維持し易い。特に、シート体80でブラシ5を保護できるので、取出口50に対するブラシ5の引っ掛かりを抑制できる。そのため、軟性の塗布部であるブラシ5に癖等が付いてしまうことを防止して、ブラシ5の毛並みの状態を良好に維持することができ、例えばブラシ5による繊細な塗布を行える。従って、例えば化粧筆(メイクブラシ)等の化粧用塗布具として刷毛4を好適に利用できる。
さらに、摘み片84を利用して下シート部81の引き出し操作を行えるので、刷毛4の取出しを容易に行えると共に、摘み片84という特定の位置を毎回例えば指先で摘まみながら引き出し操作できるので、シート体80及び刷毛4の引き出し具合を再現性良く繰り返すことができる。従って、刷毛4の取出し操作を繰り返し安定して行うことができる。
しかも、下シート部81に形成された係止突起86がスライド溝77内を移動するので、例えば第2底壁部61からの下シート部81の浮き上がりを抑えながら、下シート部81を前方に移動させることができる。これにより、シート体80及び刷毛4のスムーズな引き出し操作を行い易い。
ただし、上述のように第1収容容器2の下側に第2収容容器3を配設することで、取出口50を上方に向けて開口させることができるので、例えば刷毛4を出し入れする際に、ブラシ5に付着した内容物が落下したとしても、第2収容容器3内に留めることができ、それ以外の場所に飛散することを防止し易い。
なお、この場合のスライド溝77の湾曲具合としては、例えば前後方向L1に沿った刷毛4の全長、取出口50の開口面積、第2収容容器3の厚み等を考慮しながら、シート体80の引き出し角度に対応するように設定すれば良い。
なお、これ以上シート体80を引き出した場合には、返し片89がフランジ壁16から外れて両者の係合が解除されると共に、シート体80が第2収容容器3から抜け出てしまうおそれがある。
これにより、シート体80はそれ以上の引き出しが規制される。従って、規制部材90を利用して第2収容容器3からシート体80が抜け出てしまうことを防止することができる。従って、シート体80の引き出し操作性を向上することができ、刷毛4の出し入れ操作を安定して行うことができる。また、操作者はシート体80の引き出し操作が完了したことを、容易且つ確実に認識することができる。
P2…開位置
1…コンパクト容器(塗布具付きコンパクト容器)
2…第1収容容器
3…第2収容容器
4…刷毛(塗布具)
5…ブラシ
6…柄部
50…取出口
61…第2収容容器の第2底壁部(底部)
72…前方枠部(第2ガイド板)
80…シート体
81…下シート部
82…折返し部
83…上シート部
84…摘み片
90…規制部材
Claims (4)
- 内容物が収容される第1収容容器と、
前記第1収容容器に対してスライド移動可能に重ね合され、前記第1収容容器によって開閉される取出口が形成された第2収容容器と、
前記取出口を通じて取出し可能に前記第2収容容器内に収容された塗布具と、を備え、
前記第2収容容器は、前記取出口が閉塞される閉位置と、前記取出口が開放される開位置と、の間をスライド移動可能に配設され、
前記第2収容容器内には、上下に折り返されて前記塗布具を上下方向に挟み込むシート体が前記取出口から外部に向けて引き出し可能に配設され、
前記第2収容容器は、前記第1収容容器の下方に配設されると共に、前記開位置に位置したときに前記取出口を上方に向けて開放させ、
前記シート体は、前記塗布具を下方から支持する下シート部と、折返し部を介して前記下シート部に一体に形成され、前記塗布具を上方から覆う上シート部と、を備え、
前記下シート部は、前記塗布具及び前記上シート部よりも前記折返し部から引き出し方向に長く形成され、
前記第2収容容器は、有底筒状に形成された第2容器本体と、前記第2容器本体内に配設された内枠部と、を備え、
前記内枠部は、前記下シート部を前記第2容器本体の底部側から前記取出口側に向けて案内する湾曲したガイド板と、前記シート体の引き出し方向に沿って延びる一対の側方枠部と、を備え、
前記一対の側方枠部の下端部には、前記側方枠部を上下方向及び引き出し方向に直交する幅方向に貫通すると共に下方に開口し、且つ引き出し方向に延びたスライド溝がそれぞれ形成され、
前記下シート部には、前記スライド溝内に入り込むと共に、前記シート体の引き出しに伴って前記スライド溝に沿って移動する係止突起が形成され、
前記スライド溝及び前記係止突起は、前記第2収容容器と前記シート体との間に設けられ、前記取出口からの前記シート体の所定量を超える引き出しを規制する規制部材を構成する、塗布具付きコンパクト容器。 - 請求項1に記載の塗布具付きコンパクト容器において、
前記シート体は、上下方向及び引き出し方向に直交する幅方向の長さが、前記塗布具の幅方向の長さ以上とされ、前記塗布具をその全幅に亘って上下方向に挟んでいる、塗布具付きコンパクト容器。 - 請求項1又は2に記載の塗布具付きコンパクト容器において、
前記下シート部には、前記折返し部とは反対側に位置するシート端縁に、前記取出口側に向けて突出する摘み片が形成されている、塗布具付きコンパクト容器。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の塗布具付きコンパクト容器において、
前記塗布具は、ブラシが取り付けられた柄部を有する刷毛である、塗布具付きコンパクト容器。
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