JP6801164B2 - 点火器の固定構造、及び点火器の固定方法 - Google Patents

点火器の固定構造、及び点火器の固定方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガス発生器において電気着火式の点火器をハウジングが有する周壁部に固定するための固定構造、及び当該点火器の固定方法に関する。
点火器は、エアバッグ用ガス発生器、シートベルトリトラクタ用ガス発生器等の起動装置として用いられ、主に着火電流によって作動する電気式点火器が広く知られている。各ガス発生器に取り付ける場合、点火器本体を金属製カラーに取り付けた後に、ガス発生器側のハウジングに取り付けられる。例えば、特許文献1に示すガス発生器では、点火器本体に相当するスクイブが点火器カラーに相当する所定の部材に覆われてイグナイタが形成され、そのイグナイタがハウジングに嵌め込まれることで、ガス発生器におけるスクイブの固定が実現されている。なお、イグナイタのスクイブは、その着火によりエンハンサペレットを着火させ、その燃焼生成物によりガス発生ペレットが燃焼されることになる。
また、ガス発生器では、内包する上記ガス発生ペレット等のガス発生剤を湿気から保護するとともに、点火器の着火により発生する燃焼生成物が装置外部に漏出しないように、点火器をガス発生器内に固定しなければならない。例えば、特許文献2には、点火器に点火器カラーが取り付けられた状態でガス発生器のハウジングに固定される際に、点火器カラーとハウジング側との間にシール部材を配置させる、点火器の固定構造が開示されている。また、特許文献3には、点火器本体を点火器カラーに密着一体化させる点火器の固定構造が開示されており、更に、点火器カラーの密着面上に環状突起を配置して点火器本体との密着性が高められている。
特開平11−59314号公報 米国特許第6065774号明細書 特開2007−225160号公報
上記の従来技術で示すように、従来のガス発生器では、ガス発生器内のシール状態の形成や点火器の点火によるガス発生器内の高圧化への耐性等の観点から、点火器はその本体を点火器カラーで保持した状態で、ガス発生器側に固定される固定構造が広く採用されている。しかし、そのような場合、点火器カラーは点火器を確実に保持する必要性から、点火器の幅方向及び高さ方向に比較的大きくなりやすい。そのため、点火器カラーの大きさの影響を受け、点火器が取り付けられるガス発生器の小型化が難しい。
そこで、点火器カラーを用いずに点火器の固定を図ろうとする場合、点火器のガス発生器側への固定については、上記の通り、ガス発生器内のシール性(密封性)が求められる。しかし、従来技術では、点火器カラーを用いずに点火器をガス発生器側に固定する固定構造に関しては、シール性について十分な検討がなされていない。
本発明は、上記した問題に鑑み、点火器カラーを用いずにガス発生器内を好適なシール状態に維持しながら点火器をガス発生器側に固定するための固定構造、及び固定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、点火器の樹脂製のベース部に対して、取り付けるためのハウジングの一部を塑性変形させる固定構造を採用した。このような構成により、点火器カラーを用いずに点火器をハウジングに対して好適に固定でき、その結果、ハウジング内の収容空間のシール状態も比較的高く維持できる。
具体的には、本発明は、着火薬を含む着火部と、該着火部の周囲の少なくとも一部を覆う樹脂で形成されたベース部と、該着火部へ通電する通電部とを有する、ガス発生器のための電気着火式の点火器と、前記点火器の収容空間を画定する筒状の周壁部と、該収容空間内に該点火器が配置されたときに前記通電部が該収容空間の外側に向かって延在可能となる通過孔を生成するように該周壁部の一方の端部から該周壁部の半径方向内側に延出する基部とを有する金属製のハウジングと、を備える、点火器の固定構造である。そして、当該固定構造では、前記点火器が前記ハウジングの前記収容空間内に配置され、前記ベース部が前記基部の内壁面に押圧されて、該点火器と該ハウジングとの間に所定のシール状態が形成されるように、前記周壁部の内壁面と対向する該ベース部の側面側に向かって、該周壁部が塑性変形されて該ベース部に接触している。
本発明に係る点火器の固定構造では、点火器が有する樹脂製のベース部を利用して、点火器が金属製のハウジングに固定される。当該ベース部は点火器の着火部の少なくとも一部を覆うように形成されているが、当該覆われている部分は、着火部による着火薬の燃焼で生じる燃焼生成物が放出される部位を少なくとも除いた、着火部上の一部分である。そして、ベース部の樹脂に好適な絶縁性がある場合には、好ましくは、ベース部は、着火部に繋がる通電部の一部も覆うように形成される。これにより、通電部と、着火器の所定部位との間の絶縁状態を維持することが容易となる。
また、金属製のハウジングは周壁部と基部とを有しており、周壁部は点火器が挿入可能となるように筒状に形成されている。そして、ハウジングの基部は半径方向内側に延出しているため、挿入された点火器の周壁部の長手方向への移動は基部によって阻止されるとともに、その挿入された点火器に繋がる通電部は、基部に形成された通過孔を介してハウジングの外部に延出可能となる。したがって、点火器がハウジング内の収容空間に挿入され、そこに配置されても、外部に延出した通電部を介して着火部に電力供給が可能とされる。
そして、上記点火器の固定構造では、点火器が収容空間内に配置された状態で、ハウジングの周壁部がベース部の側面側に向けて塑性変形されることで、点火器のベース部がハウジングの基部の内壁面に押圧される。その結果、点火器とハウジングとの間に所定のシール状態が形成される。当該所定のシール状態とは、ガス発生器に対して求められる、通過孔を介したハウジング内外との通気性の程度を表し、例えば、ガス発生器におけるガス発生剤の湿気保護や燃焼生成物の漏出防止等の観点から適宜決定できる。このように本発明の点火器の固定構造では、ハウジングの塑性変形を利用して、点火器のベース部とハウジングの内壁面、特に基部の内壁面との間に、所定のシール状態を形成するための押圧力を発生させる。その結果、従来技術のように、比較的寸法の大きい点火器カラーを用いることなく、点火器そのものをハウジングに固定できるとともに、その固定状態において上記所定のシール状態も形成することができる。
このような点火器の固定構造によれば、点火器カラーを用いないことにより、点火器を取り付けるガス発生器の小型化を図ることができる。従来の点火器カラーは、特にその幅方向の寸法が大きくなる傾向があるため、本発明の点火器の固定構造は、ガス発生器を細長く形成する場合には特に有用となり得る。また、点火器による燃焼生成物を利用してガス発生剤による燃焼ガスを発生させるガス発生器であれば、その具体的な構成や形状にか
かわらず本発明の点火器の固定構造を適用することができる。
上記の点火器の固定構造において、前記点火器のベース部と前記基部の内壁面との間に配置されるシール部を、更に備えてもよい。この場合、前記ベース部の側面側に向かって前記周壁部が塑性変形されて、前記シール部を加圧しながら該ベース部が該基部側に押圧され、前記所定のシール状態が形成される。このようにシール部を点火器のベース部とハウジングの基部の内壁面との間に介在させることで、所定のシール状態が形成しやすくなる。
ここで、前記シール部は、弾性変形が可能なシール部材であってもよい。この場合、周壁部が塑性変形されることで生じる押圧力により、シール部材が弾性変形し、上記所定のシール状態が形成しやすくなる。また、上記シール部材を用いる場合、前記収容空間の外側から前記通過孔を見たときに、前記シール部材の一部が該通過孔を形成する前記基部の内周端縁から可視状態に配置されていてもよい。このような構成によれば、シール部材の弾性変形、換言すれば、所定のシール状態を形成するための押圧力の発生を目視しやすくなり、当該構成は、好適な点火器の固定構造の実現に資するものである。
また、前記シール部に関する別法として、前記シール部は、前記基部と一体に形成され、該基部の内壁面と対向する前記ベース部の一部に向かって突起して環状に形成された環状突起であってもよい。この場合、前記ベース部の側面側に向かって前記周壁部が塑性変形されて、前記環状突起が前記ベース部に対して加圧されて該ベース部に食い込むことで、前記所定のシール状態が形成される。点火器のベース部は樹脂で形成されるため、周壁部の塑性変形により発生する押圧力によって、環状突起が樹脂に食い込むことが可能である。このとき、環状突起は基部と一体となって環状に形成されていることから、その食い込んだ状態では、基部側とベース部側との間に好適にシール状態を形成することが可能となる。
ここで、上述までの点火器の固定構造において、前記周壁部は、その周方向において前記ベース部の側面側に向かって連続して環状に塑性変形され、又は、その周方向において前記ベース部の側面側に向かって不連続に、且つ複数の部位で塑性変形されてもよい。すなわち、所定のシール状態を形成する上記押圧力を発生させるために、このような周壁部の塑性変形の形態を採用できる。なお、上記押圧力を発生させる限りにおいて、これら以外の周壁部の塑性変形の形態も採用できる。
ここで、上記の点火器の固定構造において、塑性変形された周壁部とベース部との相関について例示する。その一例としては、前記ベース部が、前記ベース部の側面側に該ベース部の周方向に環状に形成された溝部を有する場合、前記周壁部は、その周方向において該周壁部の一部が前記溝部に嵌り込むように塑性変形されて、前記ベース部が前記基部の内壁面に押圧され、前記所定のシール状態が形成されてもよい。また、その他の例としては、塑性変形された周壁部がベース部の上端面側の周縁近くに接触したり、ベース部の中腹部に食い込んだりすることで、ベース部を基部の内壁面に押圧する押圧力を発生させ、所定のシール状態を形成してもよい。
ここで、本発明を、ガス発生器のための電気着火式の点火器を、金属製のハウジングに固定する点火器の固定方法の側面から捉えることもできる。すなわち、本発明は、当該固定方法であって、前記点火器は、着火薬を含む着火部と、該着火部の周囲の少なくとも一部を覆う樹脂で形成されたベース部と、該着火部へ通電する通電部とを有し、前記ハウジングは、前記点火器の収容空間を画定する筒状の周壁部と、該収容空間内に該点火器が配置されたときに前記通電部が該収容空間の外側に向かって延在可能となる通過孔を生成するように該周壁部の一方の端部から該周壁部の半径方向内側に延出する基部とを有する。
そして、上記点火器の固定方法は、前記点火器を前記ハウジングの前記周壁部の他方の端部から前記収容空間内に挿入し、該点火器のベース部を該ハウジングの基部側に到達させる点火器挿入ステップと、前記ベース部が前記基部の内壁面に押圧されて、該点火器と該ハウジングとの間に所定のシール状態が形成されるように、前記周壁部の内壁面と対向する該ベース部の側面側に向かって該周壁部を塑性変形させ該ベース部に接触させる、変形ステップと、を含む。また、上記の点火器の固定構造に関し開示した技術思想は、技術的な齟齬が生じない限りにおいて当該固定方法に係る発明にも適用することができる。
また、上記固定方法は、前記点火器挿入ステップの前に、弾性変形が可能なシール部材を該収容空間内に挿入するステップを、更に含んでもよい。その場合、前記点火器挿入ステップでは、前記点火器のベース部を前記ハウジングの基部側に到達させて、該ベース部と該基部との間に前記シール部材を挟み、前記変形ステップでは、前記シール部材が前記ベース部と前記基部との間に挟まれた状態で、前記周壁部を該ベース部の側面側に向かって塑性変形させる。また、上記固定方法は、前記変形ステップでは、前記周壁部を、その周方向において前記ベース部の側面側に向かって、連続して環状に塑性変形させて、又は、不連続に複数の部位で塑性変形させて、該ベース部を前記基部の内壁面に押圧し、前記所定のシール状態を形成してもよい。
本発明によれば、点火器カラーを用いずにガス発生器内を好適なシール状態に維持しながら点火器をガス発生器側に固定することが可能となる。またこれによりガス発生器の小型化が可能となる。
本発明の点火器の固定構造が適用されたガス発生器の概略構成を示す図である。 点火器の概略構成を示す図である。 ハウジングに点火器を固定する前の状態を示す図である。 ガス発生器のハウジングへの点火器の固定構造を示す第1の図である。 ガス発生器のハウジングへの点火器の固定方法の流れを示すフローチャートである。 ガス発生器に取り付けられた点火器に対して給電するためのコネクタとの接続状態を説明する図である。 ガス発生器のハウジングへの点火器の固定構造を示す第2の図である。 変形例に係る点火器の概略構成を示す図である。 ガス発生器のハウジングへの点火器の固定構造を示す第3の図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係るガス発生器における点火器の固定構造について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
<実施例1>
図1は、エアバッグ用ガス発生器の断面図である。当該ガス発生器は、長尺軸方向に延在する筒状の周壁部70aを有するハウジング70と、このハウジング70内の収容空間に配設される点火器20と、点火器20により点火されて燃焼ガスを発生するガス発生剤6と、そしてこれらガス発生剤6を収容する燃焼室35を画定するクーラント・フィルタ7とを含んでいる。
ここで、点火器20の構成について図2に基づいて説明する。点火器20は外部から供
給される着火電流により点火薬22を燃焼させるものである。点火器20は、着火部201、ベース部202、通電ピン203を有している。通電ピン203は、着火部201から延在している。図2においては、着火部201の詳細な構造を説明するために、ベース部202及び通電ピン203は破線にて簡潔に記載されている。着火部201においては、表面が絶縁カバーで覆われたカップ21によって、点火薬22を配置するための空間が該カップ21内に画定される。そして、その空間に金属ヘッダ24が配置され、カップ21が金属ヘッダ24に固定される。また、金属ヘッダ24の上面に筒状のチャージホルダ23が設けられている。該チャージホルダ23によって点火薬22が保持される。この点火薬22の底部には、片方の通電ピン203と金属ヘッダ24を電気的に接続したブリッジワイヤ26が配線されている。なお、二本の通電ピン203は互いが電気的に絶縁状態となるように、絶縁体29を介して金属ヘッダ24に固定される。さらに、絶縁体29で支持された二本の通電ピン203が延出する方向には、カップ21の開放口に当たる部位を覆い保護するように、樹脂で柱状に形成されたベース部202が設けられている。更に、このベース部202によって通電ピン203間の絶縁性は、良好に維持した状態で保護されている。このベース部202は、点火器20の製造工程において、樹脂材料を射出成型することで形成される。なお、図2に示す点火器20においては、ベース部202として樹脂で覆われた着火部201の表面積は比較的少ないが、樹脂によって着火部201がどの程度覆われるか、またはどのように樹脂で覆われるか等のベース部202の具体的な形態は特定のものに限定されない。
このように構成される点火器20においては、外部電源によって二本の通電ピン203間に電圧印加されるとブリッジワイヤ26に電流が流れ、それにより点火薬22が燃焼する。このとき、点火薬22の燃焼による燃焼生成物はチャージホルダ23の開口部からカップ21を破り放出されることになる。なお、別法として、チャージホルダ23が無い点火器20を使用してもよい。なお、点火薬22として、好ましくは、ジルコニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬(ZPP)、水素化チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬(THPP)、チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬(TiPP)、アルミニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬(APP)、アルミニウムと酸化ビスマスを含む火薬(ABO)、アルミニウムと酸化モリブデンを含む火薬(AMO)、アルミニウムと酸化銅を含む火薬(ACO)、アルミニウムと酸化鉄を含む火薬(AFO)、もしくはこれらの火薬のうちの複数の組合せからなる火薬が挙げられる。これらの火薬は、点火直後の燃焼時には高温高圧のプラズマを発生させるが、常温となり燃焼生成物が凝縮すると気体成分を含まないために発生圧力が急激に低下する特性を示す。
図1に示すガス発生器においては、点火器20は、具体的には、金属製の筒状のハウジング70に固定されている。ここで、図3に、点火器20をハウジング70に固定する前の状態を示す。ハウジング70は、筒状に細長く形成された周壁部70aを有しており、周壁部70aに囲われた空間は、点火器20を収容するための収容空間として利用される。この収容空間には、ガス発生剤6およびクーラント・フィルタ7も配置される。周壁部70aの一方の端部(図3中の上側の端部)は、点火器20を当該収容空間に挿入できる程度に開口しており、その収容空間の直径は、図3に示すように点火器20の柱状のベース部202が挿入できる程度の寸法となっている。
また、周壁部70aの他方の端部には基部70bが設けられている。この基部70bは、周壁部70aの当該他方の端部から、周壁部70aの半径方向内側に延出しており、その結果、基部70bの内側周面70b1によって、周壁部70a内の収容空間とその外部とを連通する通過孔70cが画定される。このように構成されるハウジング70に対して、図3中の上方向に位置する開口部分から、ハウジング70内の収容空間に点火器20が挿入される。このとき、ベース部202が着火部201より先に収容空間内に進入する姿勢で、点火器20の挿入が行われる。また、点火器20の挿入の際には、点火器20のベ
ース部202とハウジング70の基部70bとの間に、公知の弾性材料(シリコンゴム等)で形成されたシール部材71を介在させる。そして、点火器20の挿入が進み、図3に示すように、ベース部202が基部70bとの間にシール部材71を挟んだ状態に到達したときに、通電ピン203は通過孔70cを介してハウジング70の外側に向かって延在可能となる。この後、点火器20のハウジング70への固定が行われるが、その詳細については後述する。
図1に戻り、ガス発生器の説明を行う。ここで、ハウジング70は、ステンレス鋼板をプレスにより成形してなる。更に、周壁部70aにはガス排出口11が周方向に等間隔に複数個配設されている。ハウジング70のうち点火器20が配置された側の反対側は、閉塞部材2で閉じられている。閉塞部材2は、ハウジング70の周壁部70aとの間の気密を維持するように、シール部材3を介しており、ハウジング70の開口端部をかしめてかしめ部70eが形成されて、閉塞部材2を固定している。
ガス発生剤6は中空円柱体をなしており、この形状の故に、燃焼は外面及び内面で起こり、燃焼の進行につれてガス発生剤全体の表面積はあまり変わらないという利点を有している。ガス発生剤6の例としては、例えば、特開2005−199867号公報に開示した、公知の組成のもの等が挙げられる。
ここで、クーラント・フィルタ7は、ガス発生剤6を取り囲んで環状に配設され、ハウジング70の周壁部70aとの間に、環状の間隙9を画定している。このクーラント・フィルタ7は、ステンレス鋼製平編の金網を半径方向に重ね、半径方向及び軸方向に圧縮してなるもので、燃焼室35で発生した燃焼ガスを冷却し、その燃焼残渣を捕集する。このクーラント・フィルタ7は、各層においてループ状の編目が押し潰されたような形をしており、それが半径方向に層をなしている。したがって、クーラント・フィルタの空隙構造が複雑となり、このクーラント・フィルタ7は優れた捕集効果を有する。クーラント・フィルタ7として、その他に針金を心棒に多層に巻いて形成された巻線タイプの構造のものを採用してもよい。
また、ハウジング70の周壁部70aと、クーラント・フィルタ7の外層との間に形成された間隙9により、クーラント・フィルタ7の周囲に半径方向断面に環状のガス通路が形成される。この間隙9がガス通路として機能することにより、燃焼ガスはクーラント・フィルタ7の全領域を通過し、クーラント・フィルタ7の有効利用と燃焼ガスの効果的な冷却・浄化が達成される。冷却・浄化された燃焼ガスは、周壁部70aに設けられたガス排出口11に至る。また、ハウジング70内に外部より湿気が侵入するのを阻止するために、ガス発生器の作動前では、アルミニウムテープ52によりガス排出口11が塞がれている。
このように構成されたガス発生器において、衝撃をセンサ(図示せず)が感知すると、その信号が点火器20に送られて点火器20が作動し、これによってガス発生剤6に点火する。そして、ガス発生剤6の燃焼により高温・高圧のガスを生成し、この燃焼ガスは、クーラント・フィルタ7の全領域を通過し、その間に効果的に冷却されまた燃焼残渣が捕集され、冷却・浄化された燃焼ガスは、間隙9を通り、アルミニウムテープ52の壁を破ってガス排出口11より噴出し、エアバッグ(図示せず)内に流入する。これによりエアバッグが膨張し、乗員と堅い構造物の間にクッションを形成して衝撃から乗員を保護する。
ガス発生器において上記所望のガス発生を実現させるためには、ハウジング70において点火器20を好適に固定しなければならない。すなわち、ガス発生器において、ハウジング70の内部の収容空間に点火器20を固定する際に、ガス発生器内の防湿や火炎等の
外部漏出防止等の観点から収容空間内に好適なシール状態が形成される必要がある。そこで、以下に、ハウジング70における点火器20の固定構造について、図4及び図5に基づいて説明する。
ここで、図4は、ハウジング70への点火器20の固定構造の3つの形態(a)〜(c)を例示するものである。また、図5は、その点火器20の固定方法の流れを示す図である。先ず、図4(a)に示す形態について、その固定構造及び固定方法を説明する。先ず、S101で示すように、ハウジング70に対してシール部材71を、ハウジング70内の収容空間に挿入する。具体的には、ハウジング70は、組み立て前の時点では、一方の端部には、図1に示す基部70bが形成されているが、他方の端部は点火器20がその内部に挿入可能となるように開口し、かしめ部70eは形成されていない。当該他方の端部側の開口部分からシール部材71が、ハウジング70の収容空間内に挿入される。ここで、シール部材71は、通過孔70cを有する基部70bの断面形状と概ね同形の形状を有している。そのため、図3に示すように、後述するS103でハウジング70を塑性変形させる前の状態では、シール部材71は基部70bと概ね一致した状態でハウジング70内に配置される。
シール部材71の挿入後に、S102で示すようにハウジング70の収容空間内に点火器20が挿入される。当該挿入も、ハウジング70の上記他方の端部側から行われる。この挿入時は、点火器20は、着火部201に対してベース部202が基部70b側に位置する姿勢でハウジング70内に挿入される。したがって、点火器20の挿入は、図3に示すように、ベース部202が基部70b側に到達するまで、すなわちベース部202が、挿入されているシール部材71に接触する位置に到達するまで行われる。なお、図3に示す状態は、このS102のステップが終了した時点での、点火器20の配置状態を示すものである。なおガス排出口11を覆うアルミニウムテープ52をハウジング70の内側に配置した場合、点火器20をハウジング70に挿入するときに、ベース部202がアルミニウムテープ52と干渉しないよう、例えば特開平10−129400号公報で示すように、当該アルミニウムテープ52を貼り付ける部分の周壁部70aにテープの厚さ以上の段差を形成することができる。
次に、点火器20がハウジング70に挿入された後に、S103で示すようにハウジング70の周壁部70aの所定部位が、ハウジング70内のベース部202の側面側に向かって塑性変形される。当該所定部位は、ベース部202の側面に対向する周壁部70aの部位であって、当該塑性変形により周壁部70aがベース部202に接触可能となる部位である。例えば、図4(a)に示す形態では、当該所定部位は、ベース部202の上端面の周縁である上部周縁202aに対向する、周壁部70aの部位の近傍とされる。この所定部位で図に示す白抜き矢印で示す方向に周壁部70aが塑性変形されると、周壁部70aの一部がハウジング70の収容空間内に向かって飛び出すように湾曲し、ベース部202の上部周縁202aに接触する。このとき、ベース部202は樹脂で形成されているため、金属製の周壁部70aの塑性変形に対しては、ベース部202が部分的に弾性変形又は塑性変形(以下、単に「変形」と称する)する。なお、このベース部202の変形は部分的なものであり、その変形に起因してベース部202の機能が毀損されることはない。
そして、周壁部70aの塑性変形に伴うベース部202の変形により、図に示す黒塗り矢印で示す方向に、点火器20を基部70b側に押圧する押圧力が発生する。この結果、ベース部202が接触するシール部材71が圧縮されるとともに、その押圧による反力に対しては、塑性変形により湾曲した周壁部70aの所定部位がベース部202の上部周縁202aに接触してベース部202の変位を阻止する状態が形成される。この結果、ベース部202と基部70bとの間に圧縮されたシール部材71が配置されて点火器20がハウジング70に固定されることで、ハウジング70の内外間の通気を阻止する所定のシー
ル状態が形成される。この所定のシール状態は、ガス発生器に対して求められる、通過孔70cを介したハウジング70の内外との通気性の程度である。例えば、ガス発生器におけるガス発生剤6を湿気から保護するためやガス発生剤の燃焼に伴う燃焼ガス等が通過孔70cを通ってガス発生器から漏出するのを防止するため等の観点から決定される。
このように図5の固定方法及び上記の固定構造によれば、点火器20をハウジング70へ好適に固定することが可能となる。また、上記固定構造では、点火器カラーを用いることなく、好適なシール状態の形成を実現している。一般的に、点火器カラーは金属製であり、点火器の確実な固定のために、点火器の高さ方向及び幅方向にある程度の大きさを占めることになる。そのため、結果としてガス発生器に点火器が取り付けられた場合、点火器カラーに起因してガス発生器の寸法が大きくならざるを得ない。一方で、上記固定構造では、点火器カラーを用いることなく点火器20をハウジング70に固定した上でガス発生器に取り付けることができるため、ガス発生器の小型化に大きく寄与し得る。
また、周壁部70aの上記塑性変形は、上記の所定のシール状態を形成するための押圧力が発生する限りにおいて、種々の塑性変形の形態を採用することができる。例えば、図4(a)に示す塑性変形力が作用する所定部位が、周壁部70aの周方向において環状に位置するように、すなわち、周壁部70aがベース部202の上部周縁202aの全長にわたって接触して押圧力を発生させるように、周壁部70aの塑性変形を行ってもよい。また、別法として、塑性変形力が作用する所定部位が、周壁部70aの周方向において不連続に、且つ複数個所に位置するように、すなわち、周壁部70aがベース部202の上部周縁202aにおいて断続的に接触して押圧力を発生させるように、周壁部70aの塑性変形を行ってもよい。
また、シール部材71は、上記の通り、ハウジング70の周壁部70aを塑性変形させる前の状態では、基部70bと概ね一致した状態でハウジング70内に配置される(図3参照)。そのため、図4(a)に示すように点火器20が固定されると、シール部材71の端縁を、通過孔70cを通してハウジング70の外部から目視することが可能となる。このような構成により、シール部材71の状態、特にその圧縮状態を踏まえて、点火器20のハウジング70への固定が良好に行われたか否かを確認することができる。
次に、図4(b)に基づいて、点火器20の固定構造の第2の形態について説明する。図4(a)に示す第1の形態と異なるのは、周壁部70aを塑性変形させる上記所定部位である。第2の形態では、ベース部202の側面の概ね中腹部202bに対向する、周壁部70aの部位近傍が所定部位とされる。このような形態においても、周壁部70aが塑性変形されると、該当箇所の周壁部70aはハウジング70の収容空間内に向かって飛び出すように湾曲してくる。この結果、点火器20においては、樹脂で形成されたベース部202の中腹部202b近傍が変形されて、ベース部202を基部70b側に押圧する押圧力が発生する。そして、図4(a)に示す形態と同様に、ハウジング70の内外間の通気を阻止する所定のシール状態が形成されるように点火器20がハウジング70に固定される。
更に、図4(c)に基づいて、点火器20の固定構造の第3の形態について説明する。図4(a)に示す第1の形態と異なるのは、点火器20のベース部202の形状と、周壁部70aを塑性変形させる上記所定部位である。第3の形態では、ベース部202の中腹部に、その周方向に環状に形成された溝部202cが形成されている。したがって、ベース部202の側面に関しては、溝部202cが形成されている部位で側面が凹状に形成されていることになる。そこで、当該溝部202cにより凹状に形成される側面の部位に対向する、周壁部70aの部位近傍が所定部位とされる。このような形態においても、周壁部70aがその所定部位で塑性変形されると、該当箇所の周壁部70aはハウジング70
の収容空間内に向かって飛び出し、その飛び出した周壁部70aが溝部202cに嵌り込んでベース部202と接触することになる。この結果、点火器20のベース部202においては、特に、溝部202cより基部側に位置する下方部位202dに周壁部70aの塑性変形力が作用し、当該下方部位202d近傍が変形される。その結果、ベース部202を基部70b側に押圧する押圧力が発生し、図4(a)に示す形態と同様に、ハウジング70の内外間の通気を阻止する所定のシール状態が形成されるように点火器20がハウジング70に固定される。なお、図4(b)と(c)の実施例においては、点火器20を基部70bに対して押し付けた状態で周壁部70aを塑性変形させると、さらにシール性能が高められる。
ここで、図6に基づいて、点火器20への点火電流の供給に関する構造について説明する。点火器20へ適時に点火電流を供給するために、通電ピン203に対して電源コネクタ220が接続される。通電ピン203は電源コネクタ220側に形成された端子穴221に挿入されることで、点火器20への通電が可能な状態が形成される。ここで、ガス発生器に対して適時に点火電流を供給できるようにするためには、通電ピン203が電源コネクタ220側に挿入された状態が維持されなければならない。そこで、図6に示す電流供給構造では、ハウジング70において、基部70bの内側周面70b1近傍に、通電ピン203の長手方向に沿って延在する壁部70dが形成される。この壁部70dは、基部70bと一体に形成されている。
そして、この壁部70dに対して、コネクタホルダ210が取り付けられている。具体的には、金属製のハウジング70の壁部70dに対して樹脂の一体成形を行うことで、コネクタホルダ210が取り付けられることになる。なお、コネクタホルダ210が壁部70dに沿って脱落しないように、コネクタホルダ210と壁部70dとの間には互いの凹凸形状部位が係合するように構成された脱落防止構造が採用されている。あるいは壁部70dに貫通孔を形成し、一体成形において射出樹脂をその貫通孔に通した形で硬化させると、コネクタホルダ210の回転防止となるので好ましい。そして、コネクタホルダ210の内周側(通過孔70cに面する側)には、電源コネクタ220に設けられた係合突起222が嵌まり込むように、係合溝211が形成されている。この係合突起222は、電源コネクタ220のコネクタ本体内部でバネにより外部に突出するように付勢されている。そして、電源コネクタ220が通過孔70cに挿入されると、係合突起222はコネクタホルダ210の内周面に接触して、バネの付勢力に抗してコネクタ本体の内部に押し込まれるが、係合突起222が係合溝211の位置に差し掛かると、バネの付勢力により係合突起222は押し戻されて係合溝211に係合する。
このようにハウジング70に対してコネクタホルダ210を一体的に取り付けることで、電源コネクタ220が好適に接続され、以て、点火器20へ適時に点火電流を供給する状態を維持することができる。
<変形例1>
ガス発生器における点火器20の固定構造の変形例について、図7に基づいて説明する。図7の上段(a)は、ハウジング70内にシール部材71を挿入し、点火器20をある程度挿入した状態を表している。また、図7の下段(b)は、周壁部70aを塑性変形させて点火器20を固定した状態を表している。
ここで、図7(a)に示すように、基部70bの内側周面70b1側には、環状の切り欠き部70b2が形成されており、基部70bの収容空間側の内壁面は、当該切り欠き部70b2に対応する内壁面と、周壁部70a近傍の内壁面70b3とに区分され、図7(a)において、前者は後者より下側(ハウジング70の内側)に位置する。そして、図5の固定方法のS101において、シール部材71は、この切り欠き部70b2に嵌め込ま
れるように、ハウジング70内に挿入される。したがって、本変形例によるシール部材71は、上記実施例のシール部材と異なり基部70bの内壁面との接触面積が小さくなる。
そして、図5の固定方法のS102において点火器20がハウジング70内に完全に挿入されると、ベース部202の底面が、内壁面70b3に接触した状態となる。このとき、シール部材71は、ベース部202の底面と、切り欠き部70b2の内壁面との間で圧縮された状態に置かれることになる。そのため、当該固定方法のS103において周壁部70aの所定部位を塑性変形させ、その周壁部70aをベース部202の上部周縁202aに接触させることで、図4(a)に示した形態と同じように点火器20を基部70b側に押圧する押圧力を発生させる。また同時に点火器20の変位を阻止した状態となる。この結果、点火器20の固定構造において、上記の所定のシール状態が形成されることになる。
また、本変形例のようにシール部材71が切り欠き部70b2に嵌め込まれる構成によれば、図5の固定方法においてシール部材71を所望の位置に配置しやすくなるとともに、その位置を維持しながら点火器20の挿入及び周壁部70aの塑性変形を行いやすくなる。なお、切り欠き部70b2は、通過孔70cが形成される空間に繋がるように形成されているため、切り欠き部70b2にシール部材71が配置されると、シール部材71の端面は、通過孔70cを通してハウジング70の外部から目視できる状態に置かれる。これにより、点火器20のハウジング70への固定の適否を確認することができる。
<変形例2>
点火器20の変形例について、図8に基づいて説明する。図8の上段(a)には、点火器20の第1の変形例を示す。当該変形例の点火器20では、樹脂製のベース部202が柱状ではなく錐台形状に形成されている。具体的には、着火部201側の部位202eの幅(外径)が、通電ピン203側の部位202fの幅(外径)よりも広くなるようにベース部202が錐台形状に形成され、且つ、前者の幅がハウジング70の周壁部70aの直径(内径)よりも若干大きくなるとともに、後者の幅がハウジング70の周壁部70aの直径よりも若干小さくなるように形成されている。このように点火器20が形成されることで、図5のS102で点火器20がハウジング70内に挿入される際に、同時に圧入が行われ、その作業を円滑にできるとともに、特に着火部201側の部位202eが変形しやすくなるため、ベース部202と周壁部70aの内壁面との接触状態を比較的強くすることができる。これは、点火器20がハウジング70に固定された際の所定のシール状態の実現に資するものである。
また、図8の下段(b)には、点火器20の第2の変形例を示す。当該変形例では、樹脂製のベース部202が柱状ではなく、その側面が段状になるように形成されている。具体的には、着火部201側に第1段部202gが設けられ、通電ピン203側に第2段部202hが設けられており、第1段部202gの幅(外径)が第2段部202hの幅(外径)よりも大きく、両段部ともハウジング70に対して圧入状態となる幅を有している。このように点火器20が形成されることで、図5のS102で点火器20がハウジング70内に挿入される際に同時に圧入が行われるが、特に第1段部202gが大きく変形するため、ベース部202と周壁部70aの内壁面との接触状態を比較的強くすることができる。これは、点火器20がハウジング70に固定された際の所定のシール状態の実現に資するものである。
<実施例2>
ガス発生器における点火器20の固定構造の第2の実施例について、図9に基づいて説明する。図9は、周壁部70aを塑性変形させて点火器20を固定した状態を表している。本実施例では、ハウジング70とは別体のシール部材71を用いない。そのため、本実
施例の固定方法では、図5に示すS101のステップ、すなわちシール部材71をハウジング70内に挿入するステップは含まれない。
ここで、図9に示すハウジング70の基部70bには、挿入された点火器20のベース部202の底面に対向する側の内壁面上に、該ベース部202の底面に向かって突起して環状に形成された環状突起70b4が、基部70bと一体に形成されている。そして、ハウジング70に点火器20が挿入された状態で周壁部70aの所定部位が塑性変形されると、その周壁部70aがベース部202の上部周縁202aに接触する。これにより、上記実施例1の図4(a)に示した形態と同じように点火器20を基部70b側に押圧する押圧力が発生する。そして、その押圧力によりベース部202が環状突起70b4に押し付けられると、その環状突起70b4が樹脂製のベース部202に食い込んだ状態が形成されることになる。また周壁部70aの塑性変形により、点火器20の変位が阻止される状態が維持される。この結果、図9に示す点火器20の固定構造においても、上記実施例1と同様に所定のシール状態が形成されることになる。
<その他の実施例>
上記の通り、本実施例の点火器20の固定構造によれば、点火器カラーを用いることなく点火器をガス発生器に取り付けることができるため、ガス発生器の小型化を図ることができる。一般に点火器カラーは、その幅方向の寸法が大きくなる傾向があるため、図1に示すガス発生器とは異なり、点火器20の長手方向に沿ってガス発生器を細長く形成する場合には、上記の固定構造を採用することでガス発生器の小型化を促進できる。また、点火器20による燃焼生成物を利用してガス発生剤による燃焼ガスや熱ガスを発生させる機構を含むガス発生器であれば、その具体的な構成や形状にかかわらず本発明の点火器20の固定構造を適用することができる。
20・・・・点火器
70・・・・ハウジング
71・・・・シール部材
70a・・・・周壁部
70b・・・・基部
70b1・・・・内側周面
70b2・・・・切り欠き部
70b4・・・・環状突起
70c・・・・通過孔
201・・・・着火部
202・・・・ベース部
202a・・・・周縁
202b・・・・中腹部
202c・・・・溝部
202d・・・・下方部位
203・・・・通電ピン

Claims (7)

  1. 着火薬を含む着火部と、該着火部の周囲の少なくとも一部を覆う樹脂で形成されたベース部と、該着火部へ通電する通電部とを有する、ガス発生器のための電気着火式の点火器と、
    前記点火器の収容空間を画定する筒状の周壁部と、該収容空間内に該点火器が配置されたときに前記通電部が該収容空間の外側に向かって延在可能となる通過孔を生成するように該周壁部の一方の端部から該周壁部の半径方向内側に延出する基部とを有する金属製のハウジングと、
    を備え、
    前記点火器が前記ハウジングの前記収容空間内に配置され、前記ベース部が前記基部の内壁面に押圧されて、該点火器と該ハウジングとの間に所定のシール状態が形成されるように、前記周壁部の内壁面と対向する該ベース部の側面側に向かって、該周壁部が塑性変形されて該ベース部に接触しており、
    前記点火器のベース部と前記基部の内壁面との間に配置されるシール部を備え、
    前記シール部は、弾性変形が可能なシール部材であって、
    前記収容空間の外側から前記通過孔を見たときに、前記シール部材の一部が該通過孔を形成する前記基部の内周端縁から可視状態に配置されている、
    点火器の固定構造。
  2. 記ベース部の側面側に向かって前記周壁部が塑性変形されて、前記シール部を加圧しながら該ベース部が該基部側に押圧され、前記所定のシール状態が形成される、
    請求項1に記載の、点火器の固定構造。
  3. 前記周壁部は、その周方向において前記ベース部の側面側に向かって連続して環状に塑性変形され、又は、その周方向において前記ベース部の側面側に向かって不連続に、且つ複数の部位で塑性変形される、
    請求項1又は請求項2に記載の、点火器の固定構造。
  4. 前記ベース部は、前記ベース部の側面側に該ベース部の周方向に環状に形成された溝部を有し、
    前記周壁部は、その周方向において該周壁部の一部が前記溝部に嵌り込むように塑性変
    形されて、前記ベース部が前記基部の内壁面に押圧され、前記所定のシール状態が形成される、
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の、点火器の固定構造。
  5. ガス発生器のための電気着火式の点火器を、金属製のハウジングに固定する点火器の固定方法であって、
    前記点火器は、着火薬を含む着火部と、該着火部の周囲の少なくとも一部を覆う樹脂で形成されたベース部と、該着火部へ通電する通電部とを有し、
    前記ハウジングは、前記点火器の収容空間を画定する筒状の周壁部と、該収容空間内に該点火器が配置されたときに前記通電部が該収容空間の外側に向かって延在可能となる通過孔を生成するように該周壁部の一方の端部から該周壁部の半径方向内側に延出する基部とを有し、
    前記点火器の固定方法は、
    前記点火器を前記ハウジングの前記周壁部の他方の端部から前記収容空間内に挿入し、該点火器のベース部を該ハウジングの基部側に到達させる点火器挿入ステップと、
    前記ベース部が前記基部の内壁面に押圧されて、該点火器と該ハウジングとの間に所定のシール状態が形成されるように、前記周壁部の内壁面と対向する該ベース部の側面側に向かって該周壁部を塑性変形させ該ベース部に接触させる、変形ステップと、
    を含む、点火器の固定方法。
  6. 前記点火器挿入ステップの前に、弾性変形が可能なシール部材を該収容空間内に挿入するステップを、更に含み、
    前記点火器挿入ステップでは、前記点火器のベース部を前記ハウジングの基部側に到達させて、該ベース部と該基部との間に前記シール部材を挟み、
    前記変形ステップでは、前記シール部材が前記ベース部と前記基部との間に挟まれた状態で、前記周壁部を該ベース部の側面側に向かって塑性変形させる、
    請求項に記載の、点火器の固定方法。
  7. 前記変形ステップでは、前記周壁部を、その周方向において前記ベース部の側面側に向かって、連続して環状に塑性変形させて、又は、不連続に複数の部位で塑性変形させて、該ベース部を前記基部の内壁面に押圧し、前記所定のシール状態を形成する、
    請求項に記載の、点火器の固定方法。
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