JP6801057B1 - 定着具切断装置、及び定着具切断方法 - Google Patents

定着具切断装置、及び定着具切断方法 Download PDF

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【課題】クサビ定着式アンカーの定着具を取り外すことができる定着具切断装置と、これを用いた定着具切断方法を提供する。【解決手段】定着具切断装置100は、固定手段200とアーム300、切断手段400を備える。固定手段200は、既設支圧板PLに固定するため手段であり、アーム300は、その一端が略鉛直軸周りに回転可能に固定手段200に連結される。切断手段400は、回転切断刃とこの回転切断刃を回転させる動力機を有するもので、前記アーム300の他端に取り付けられる。そして、アーム300を回転させることで回転切断刃を既設定着具AHに当接させながら、動力機によって回転切断刃を回転させることで既設定着具AHを切断することができる。【選択図】図2

Description

本願発明は、既設アンカーに関する技術であり、より具体的には、既設アンカーのアンカー頭部のうち定着具を切断する技術に関するものである。
アンカーは、テンドン(引張り材)と呼ばれる部材に緊張力を与え、これを構造物等に設置することによって目的の力を付与する構造であり、橋梁のコンクリート床板にプレストレスを導入する際に使用したり、吊り橋ケーブルの反力として使用したり、構造物の浮き上がり防止(地盤下からの引張)として使用するなど、多岐にわたって利用することができるシステムである。
特に、のり面・斜面の対策工や、地すべり対策工、あるいは山留擁壁の補強工としては、今やアンカーシステムは欠かせないものとなった。このようにのり面対策工や地すべり対策工等として使用されるアンカーは、テンドンの一方の固定端を地盤内に設置することから、古くは「アースアンカー」、現在では「グラウンドアンカー」と呼ばれている。グラウンドアンカーは、ダムの安定対策として1957年に初めて我が国に導入されて以来、60年近くにわたって採用されている。経済的であり施工性にも優れていることから、さらに高度成長に伴う社会資本整備の加速化もあって、これまで2万4千件ともいわれる夥しい数の施工実績を数えるほど多用されてきた。
現在のグラウンドアンカーは、優れた施工性を有し、しかも極めて高い性能を発揮するものであるが、これは導入以降になされた研究開発の成果であることが知られている。例えば、導入当初は防食に対して強く意識されていなかったが、その後、耐久性の問題から二重防食が義務づけられるようになった経緯もある(現在では、防食技術がさらに進歩したこともあって必ずしも二重防食とはされていない。)。いずれにしろグラウンドアンカーの技術は年々向上しており、言い換えれば設置から長い期間経過したグラウンドアンカーほど発展途上のものであり、そのため浸食や劣化等が相当に進んでいることが推測される。実際、近年になってテンドンの破断や、頭部の落下、浮き上がりといった変状も数多く報告されるようになった。
グラウンドアンカーは1本あたり数百kNという緊張力を与えるものであり、例えばテンドンが破断すると補強対象物(のり面や山留擁壁など)の安定を損なうだけでなく、場合によっては第三者に被害を及ぼすおそれさえある。現在では、既に設置されたグラウンドアンカーのうちおよそ1/4が10年以上経過しているともいわれており、今後ますますグラウンドアンカーの変状が進行することが予想され、事故等が生じる危険性も高まりつつあるといえる。
一方、橋梁やトンネルといった社会資本も長期間経過したものが多くなり、我が国の社会資本全体が更新の時期を迎えようとしている。とはいえ数多くの社会資本を同時期に更新し、あるいは大規模な補強を行うことは、費用の面でも労力の点でも難しい。そこで近年では、社会資本の健全性を適切に判断したうえで早い段階から軽微な補修等を行うなど、社会資本の延命化を図ることが求められている。グラウンドアンカーもその例外ではなく、延命化を図るべく適切な維持管理が行われているところである。
グラウンドアンカーの維持管理の一環として、初期点検、日常点検、定期点検、異常時点検といった点検が行われる。そして点検の結果、健全性に問題があると認められたグラウンドアンカーに対しては「アンカーの健全性調査」が実施される。このアンカーの健全性調査には、頭部詳細調査や、防錆油の試験、超音波探傷試験、リフトオフ試験、頭部背面調査などの種類があり、その目的に応じて適宜必要な種類の調査が選択される。例えばリフトオフ試験は、現状の残存引張り力を確認すべき場合に選択される。グラウンドアンカーの残存引張り力は、地盤のクリープによって、あるいは構造物の沈下や劣化によって、設置当初よりも増減することがあり、対策等の要否を判定するため現状の残存引張り力を確認するわけである。
リフトオフ試験の結果、グラウンドアンカーの残存引張り力が減少しているケースでは、斜面や構造物等の安定が維持できなくなっていることも考えられ、この場合、そのグラウンドアンカーを再緊張することで引張り力を増大させるか、あるいはグラウンドアンカーを増し打ちするなどの補強対策が施される。一方、グラウンドアンカーの残存引張り力が増加しているケースでは、テンドンの破断や、応力集中による受圧構造物の破壊といったおそれがあり、この場合、そのグラウンドアンカーの緊張力を緩和する対策が施される。
グラウンドアンカーの引張り力を増大させる場合はもちろん、緊張力を緩和する場合も、一旦は既存のテンドンを再緊張しなければならない。また、リフトオフ試験を行う場合も再緊張する必要があり、頭部背面調査を行う場合も緊張力を解除する必要があるためやはり再緊張しなければならない。このように、グラウンドアンカーの維持管理を行うにあたっては、様々な場面でアンカーの再緊張が行われる。
ところでグラウンドアンカーは、テンドンの定着方式に着目すると、クサビ定着式アンカー、ナット定着式アンカー、クサビナット定着式アンカーに分類される。このうち、ナット定着式アンカーやクサビナット定着式アンカーは、鋼棒( テンドン) や定着具の外周にネジが設けられているため、再緊張することが比較的容易であるとされている。このネジを利用すれば、油圧ジャッキで引き上げるためのテンションロッドを簡単に連結することができるわけである。一方、クサビ定着式アンカーの場合、通常はテンドンとして鋼線や鋼より線( 以下、「ケーブル」という。) が用いられており、再緊張が難しいとされている。クサビ定着式アンカーの定着具にはネジが設けられていないことが多く、再緊張するためには既設の定着具を取り外すこととなるが、この定着具を安全に取り外すことが極めて困難であることがその理由として挙げられる。
ナット定着式アンカーやクサビナット定着式アンカーは比較的容易に再緊張することができると説明したが、緊張した鋼棒にネジを締めこむ鋼棒アンカーに関しては再緊張が困難となるケースもある、例えば、経年の腐食等が原因でナットを回すことができない場合、再緊張後にナットを締め込むことはもちろん、再緊張のためにナットを緩めることさえできないため、その再緊張が極めて困難となるわけである。そこで特許文献1では、このような鋼棒アンカーに対しても再緊張することができる発明を提案している。
特開2018−135709号公報
特許文献1に示す発明は、ナットを破断することから、腐食等によりナットを回すことができない鋼棒アンカーに対しても再緊張を行うことができる。しかしながら、クサビ定着式アンカーの定着具は、一般的に鋼棒アンカーのナットよりも大きくしかも堅固であることから、特許文献1に示す発明を利用したとしてもクサビ定着式アンカーの定着具を取り外すことは困難である。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、クサビ定着式アンカーの定着具を取り外すことができる定着具切断装置と、これを用いた定着具切断方法を提供することである。
本願発明は、既設支圧板に固定したうえで既設定着具を切断するという点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の定着具切断装置は、既設定着具(既設アンカーに設けられた定着具)を切断する装置であって、固定手段とアーム、切断手段を備えたものである。このうち固定手段は、既設支圧板(既設アンカーに設けられた支圧板)に固定するための手段であり、アームは、その一端が略鉛直(鉛直含む)軸周りに回転可能に固定手段に連結される。また切断手段は、回転切断刃とこの回転切断刃を回転させる動力機を有するもので、切断手段アームの他端(固定手段側とは異なる端部)に取り付けられる。そして、アームを回転させることで回転切断刃を既設定着具に当接させながら、動力機によって回転切断刃を回転させることで既設定着具を切断することができる。
本願発明の定着具切断装置は、切断手段が略鉛直(鉛直含む)軸周りに回転可能にアームの他端に取り付けられたものとすることもできる。
本願発明の定着具切断装置は、アームが伸縮自在であるものとすることもできる。
本願発明の定着具切断装置は、固定手段が既設支圧板を挟持することによって既設支圧板に固定されるものとすることもできる。
本願発明の定着具切断装置は、切断手段を把持するためのハンドルが設けられたものとすることもできる。
本願発明の定着具切断装置は、本体部と切断開口部を有する防護手段をさらに備えたものとすることもできる。本体部は、中空の円筒状のものであって、上面が閉鎖されるとともに下面が開口したものであり、切断開口部は、本体部の側面に設けられ、回転切断刃を挿入する開口部である。
本願発明の定着具切断方法は、本願発明の定着具切断装置を用いて既設定着具を切断する方法であって、固定工程と切断工程を備えた方法である。このうち固定工程では、固定手段を用いて既設支圧板に定着具切断装置を固定し、切断工程では、アームを回転させることで回転切断刃を既設定着具に当接させながら動力機によって回転切断刃を回転させることで既設定着具を切断する。
本願発明の定着具切断装置、及び定着具切断方法には、次のような効果がある。
(1)切断することによって既設定着具を取り外すことができることから、既設定着具の劣化状況に関わらず様々なクサビ定着式アンカーに対して再緊張を行うことができる。
(2)そのほか、緊張余長が確保されていないクサビ定着式アンカーに対しても再緊張することができる。
(3)再緊張によりクサビ定着式アンカーに新たな緊張力を導入することができ、すなわちクサビ定着式アンカーの延命化を図ることができる。この結果、増し打ちなど新たなアンカーの設置を回避することができることから、従来に比べコストの低減を図ることができる。
既設アンカーを示す断面図。 既設支圧板に固定された本願発明の定着具切断装置を上方から見た平面図。 アームが軸方向に伸縮自在であって切断手段がアームにピン結合された定着具切断装置を上方から見た平面図。 既設支圧板を挟持する固定手段を示す側面図。 (a)はタップ式の固定手段を採用した定着具切断装置を示す平面図、b)はタップ式の固定手段を示す部分断面図。 切断手段の例を示す正面図。 高速回転した回転切断刃が既設定着具を切削していく状況を示すモデル図。 (a)は既設定着具を覆う前の防護手段を示す側面図、(b)は既設定着具に固定された防護手段を示す断面図。 本願発明の定着具切断方法の主な工程の流れを示すフロー図。 本願発明の定着具切断方法の主な工程を説明するステップ図。
本願発明の定着具切断装置、及び定着具切断方法の実施形態の一例を、図に基づいて説明する。なお、便宜上ここでは既設のグラウンドアンカーの例で実施形態を説明しているが、本願発明はコンクリート床板にプレストレスを導入するアンカーなどグラウンドアンカー以外のアンカーにも適用可能である。したがってここでいう「アンカー」とは、グランドアンカーを含む種々のアンカーを意味している。
さらに、アンカーは様々な点に着目して分類がされることがあるが、定着具と支圧板からなるアンカー頭部を有する限りあらゆる既設アンカーに対して本願発明を適用することができる。例えば、地盤への定着方式に着目して分類される「摩擦型アンカー」や、「支圧型アンカー」、「複合(摩擦+支圧)型アンカー」にも適用することができる。
以下、本願発明を構成する主な要素ごとに詳しく説明する。なお、本願発明の定着具切断方法は、本願発明の定着具切断装置を使用して行う方法である。したがって、まずは本願発明の定着具切断装置について説明し、その後に本願発明の定着具切断方法について説明することとする。
1.定着具切断装置
図1は、既設アンカーを示す断面図であり、アンカー孔HLに挿入された複数のテンドンTD(鋼線や鋼より線といったケーブル)と、クサビによってこれらテンドンTDが固定された定着具(以下、「既設定着具AH」という。)、テンドンTDに付与された緊張力を地盤表面に伝達するための支圧板(以下、「既設支圧板PL」という。)を備えた既設アンカーを示している。本願発明の定着具切断装置は、この図に示すような既設アンカーの既設定着具AHを切断することができるものである。
図2は、本願発明の定着具切断装置100を示す平面図であり、既設支圧板PLに固定された定着具切断装置100を上方から見た状態を示している。この図に示すように定着具切断装置100は、固定手段200とアーム300、切断手段400を備えたものである。このうち固定手段200は定着具切断装置100を既設支圧板PLに固定するためのものであり、また切断手段400は既設定着具AHを切断するためのものである。そして固定手段200がアーム300の一端(図2では右側端で、以下、「第1端」という。)に連結され、切断手段400がアーム300の他端(図2では左側端で、以下、「第2端」という。)に取り付けられる。
既設定着具AHを切断するにあたっては、後述するように切断手段400が具備する回転切断刃を用いて切断していく。したがって、既設定着具AHの外周に回転切断刃を当接させる必要があり、そのためアーム300の第1端は、図2に示す回転軸AX周りに回転可能に固定手段200に連結(つまりピン結合)される。この回転軸AXは、定着具切断装置100を既設支圧板PLに固定したときに略鉛直(鉛直含む)に配置され、これによりアーム300は回転軸AX周りに水平回転することができる。その結果、アーム300の第2端に取り付けられた切断手段400も略水平(水平面含む)な面内を移動することができ、すなわち既設定着具AHの外周に回転切断刃を当接させることができるわけである。
また、既設定着具AHを完全に切断するには、様々な方向から回転切断刃を既設定着具AHに当接させたうえで切断していくことになる。そこで図3に示すように、アーム300を軸方向に伸縮自在な構造にするとよい。さらに、切断手段400が略鉛直(鉛直含む)な軸周りに回転可能となるように、アーム300の第2端に切断手段400を取り付けることもできる。アーム300を伸縮自在な構造とし、切断手段400をアーム300にピン結合することによって、切断手段400の可動域が拡がり、様々な方向から回転切断刃を既設定着具AHに当接させることができる。もちろん伸縮自在なアーム300や切断手段400のピン結合は、既設定着具AHの大きさや形状に応じてそれぞれ適宜採用するとよい。
(固定手段)
固定手段200は、既述したとおり定着具切断装置100を既設支圧板PLに固定するものであり、定着具切断装置100を既設支圧板PLに固定することができれば様々な構造とすることができる。例えば図4に示す固定手段200(以下。「挟持式の固定手段200」という。)は、既設支圧板PLを挟持することによって定着具切断装置100を既設支圧板PLに固定するものである。この挟持式の固定手段200は、第1挟持体211と第2挟持体212、ボルト221、ナット222を有しており、ボルト221が第1挟持体211と第2挟持体212を貫通し、第1挟持体211と第2挟持体212が相対的にスライド可能な構成となっている。挟持式の固定手段200によって定着具切断装置100を既設支圧板PLに固定するには、まず第1挟持体211または第2挟持体212(あるいは両方)をスライドすることによって第1挟持体211と第2挟持体212で既設支圧板PLを側方から挟持し、その状態でナット222を締め付けていき、第1挟持体211と第2挟持体212による既設支圧板PLの挟持状態を固定する。
また、図4に示す挟持式の固定手段200に代えて、図5に示すようなタップ式の固定手段200を用いることもできる。図5(a)はタップ式の固定手段200を採用した定着具切断装置100を示す平面図であり、図5(b)はタップ式の固定手段200を示す部分断面図である。この図に示すようにタップ式の固定手段200は、アーム300の第1端を既設支圧板PLにボルト等で直接固定する構造である。もちろんこの場合も、アーム300は略鉛直(鉛直含む)な回転軸周りに回転可能に取り付けられる(つまりピン結合される)。
(切断手段)
切断手段400は、既述したとおり既設定着具AHを切断するものであり、図6に示すように本体部410と回転切断刃420を含んで構成され、さらにハンドル430を含んで構成することもできる。この切断手段400は、専用のものとして製造することもできるし、グラインダーなど市場に流通している製品を利用することもできる。切断手段400に設けられた動力機(モーターやエンジンなど)によって回転切断刃420を回転させ、図7に示すように、高速回転した回転切断刃420が既設定着具AHを切削していくわけである。
(防護手段)
定着具切断装置100は、さらに図8に示すような防護手段500を備えたものとすることもできる。図8(a)は既設定着具AHを覆う前の防護手段500を示す側面図であり、図8(b)は既設定着具AHに固定された防護手段500を示す断面図である。この図に示すように防護手段500は、本体部510と、この本体部510の側面に設けられる切断開口部520、持ち手となるグリップ部530を含んで構成することができる。この本体部510は、中空の円筒状のものであり、上面は閉鎖されているが下面は開口している。
極めて大きな荷重が作用している既設定着具AHを、図7に示すように回転切断刃420で切断すると、徐々に既設定着具AHが傾斜していき、回転切断刃420は既設定着具AHによって押さえつけられ、切断し難い状況となる。また切断中には、当然ながら既設定着具AHの切削片が飛散し、作業者にとっては危険な状況となる。防護手段500で既設定着具AHを覆い、しかも防護手段500を既設定着具AHに固定(図8(b)ではボルトBTで固定)すれば、切断による既設定着具AHの傾斜を抑制することができるうえ、既設定着具AHの切削片が飛散することがない。なお、防護手段500を設置した状態で既設定着具AHを切断する場合は、切断開口部520から回転切断刃420を挿入して切断するとよい。
2.定着具切断方法
次に、本願発明の定着具切断方法について説明する。なお、本願発明の定着具切断方法は、ここまで説明した定着具切断装置100を使用して既設定着具AHを切断する方法であり、したがって定着具切断装置100で説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の定着具切断方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「1.定着具切断装置」で説明したものと同様である。
図9は、本願発明の定着具切断方法の主な工程の流れを示すフロー図であり、図10は、このフロー図に示す主な工程を説明するステップ図である。以下、図9と図10を参照しながら、定着具切断方法の主な工程について説明する。はじめに、既設アンカーの頭部周辺で必要に応じて足場を組み立て、定着具切断装置100をはじめ必要となる機器を用意し、第三者を含む安全対策を施すなど、所定の準備工を行う(Step10)。
所定の準備工を行うと、図10(a)に示すように。固定手段200を利用して定着具切断装置100を既設支圧板PLに固定する(Step21)。なおこの図では、挟持式の固定手段200を既設支圧板PLに固定している。そして図10(b)に示すように。回転切断刃420が既設定着具AHの側面に当接するように定着具切断装置100の位置を調整しながら(Step22)、高速回転した回転切断刃420によって既設定着具AHを切削していく(Step23)。このとき作業者が、切断手段400に設けられたハンドル430を把持することによって、切断手段400の位置を安定させるとよい。
現状の定着具切断装置100の配置で可能な限り既設定着具AHを切削すると、図10(c)に示すように、定着具切断装置100の配置を変更し、同様に回転切断刃420によって既設定着具AHを切削していく。既設定着具AHが完全に切断されるまで定着具切断装置100の固定(Step21)〜既設定着具AHの切削(Step23)を繰り返し行うと、図10(d)に示すように、完全に切断された既設定着具AHを撤去する(Step30)。最後に、後片付けや清掃等を行って(Step40)作業を完了する。
本願発明の定着具切断装置、及び定着具切断方法は、のり面・斜面対策工や、地すべり対策工としてのアンカーに利用できるほか、コンクリート床板へのプレストレス導入や、ダムの安定化対策、橋脚や橋台の安定化対策としてのアンカーなどにも利用することができる。本願発明が、社会資本の一つであるアンカーの延命化を図り得ることを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
100 定着具切断装置
200 (定着具切断装置の)固定手段
211 (固定手段の)第1挟持体
212 (固定手段の)第2挟持体
221 (固定手段の)ボルト
222 (固定手段の)ナット
300 (定着具切断装置の)アーム
400 (定着具切断装置の)切断手段
410 (切断手段の)本体部
420 (切断手段の)回転切断刃
430 (切断手段の)ハンドル
500 (定着具切断装置の)防護手段
510 (防護手段の)本体部
520 (防護手段の)切断開口部
530 (防護手段の)グリップ部
AH 既設定着具
AX 回転軸
BT ボルト
HL アンカー孔
PL 既設支圧板
TD テンドン

Claims (6)

  1. 既設アンカーに設けられた既設定着具を切断する定着具切断装置であって、
    既設アンカーに設けられた既設支圧板に固定するための固定手段と、
    一端が前記固定手段に連結されたアームと、
    前記アームの他端に取り付けられた切断手段と、を備え、
    前記アームは、伸縮自在であって、鉛直又は略鉛直な周りに回転可能に、前記固定手段に連結され、
    前記切断手段は、回転切断刃と、該回転切断刃を回転させる動力機と、を有し、
    前記アームを回転させることで前記回転切断刃を前記既設定着具に当接させながら、前記動力機によって該回転切断刃を回転させることで該既設定着具を切断し得る、
    ことを特徴とする定着具切断装置。
  2. 既設アンカーに設けられた既設定着具を切断する定着具切断装置であって、
    既設アンカーに設けられた既設支圧板に固定するための固定手段と、
    一端が前記固定手段に連結されたアームと、
    前記アームの他端に取り付けられた切断手段と、を備え、
    前記固定手段は、前記既設支圧板を挟持することで、該既設支圧板に固定され、
    前記アームは、鉛直又は略鉛直な周りに回転可能に、前記固定手段に連結され、
    前記切断手段は、回転切断刃と、該回転切断刃を回転させる動力機と、を有し、
    前記アームを回転させることで前記回転切断刃を前記既設定着具に当接させながら、前記動力機によって該回転切断刃を回転させることで該既設定着具を切断し得る、
    ことを特徴とする定着具切断装置。
  3. 既設アンカーに設けられた既設定着具を切断する定着具切断装置であって、
    既設アンカーに設けられた既設支圧板に固定するための固定手段と、
    一端が前記固定手段に連結されたアームと、
    前記アームの他端に取り付けられた切断手段と、
    本体部と切断開口部を有する防護手段と、を備え、
    前記アームは、鉛直又は略鉛直な周りに回転可能に、前記固定手段に連結され、
    前記切断手段は、回転切断刃と、該回転切断刃を回転させる動力機と、を有し、
    前記本体部は、中空の円筒状のものであって、上面が閉鎖されるとともに下面が開口し、
    前記切断開口部は、前記本体部の側面に設けられ、前記回転切断刃を挿入する開口部であり、
    前記アームを回転させることで前記回転切断刃を前記既設定着具に当接させながら、前記動力機によって該回転切断刃を回転させることで該既設定着具を切断し得る、
    ことを特徴とする定着具切断装置。
  4. 前記切断手段が、鉛直又は略鉛直な軸周りに回転可能に、前記アームの他端に取り付けられた、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の定着具切断装置。
  5. 前記切断手段を把持するためのハンドルが、該切断手段に設けられた、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の定着具切断装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の前記定着具切断装置を用いて、既設アンカーに設けられた既設定着具を切断する方法であって、
    前記固定手段を用いて、既設アンカーに設けられた既設支圧板に前記定着具切断装置を固定する固定工程と、
    前記アームを回転させることで前記回転切断刃を前記既設定着具に当接させながら、前記動力機によって該回転切断刃を回転させることで該既設定着具を切断する切断工程と、
    を備えた、ことを特徴とする定着具切断方法。
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