JP6800787B2 - ガスタービン燃焼器及びその制御方法 - Google Patents

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本発明は、ガスタービン燃焼器及びその制御方法に関する。
環境保護の観点から、圧縮機、燃焼器及びタービン等を備えるガスタービンにはNOx排出量の更なる抑制が求められている。
NOx排出量を抑制する一方策として、予混合燃焼を採用した燃焼器がある。予混合燃焼とは、燃料と空気を予め混合した混合気を燃焼室に供給して燃焼させる燃焼方式のことである。予混合燃焼では、燃料と空気が予め混合されて燃焼室に供給されるため、燃焼室内に形成される火炎の温度が均一化し、燃焼器におけるNOxの排出量が抑制される。しかし、空気の温度が上昇したり燃料に含まれる水素含有量が増加すると燃焼速度が増加し、燃焼室内に形成された火炎が予混合器内に逆流する、いわゆる逆火が起こる可能性がある。これに対し、NOx排出量を抑制しつつ耐逆火性に優れた燃焼器が提案されている(特許文献1等を参照)。
特開2003−148734号公報
ガスタービンには、起動から定格負荷まで安定燃焼を維持することが求められている。そのため、複数のバーナを備えた、いわゆるマルチバーナ方式を採用した燃焼器が用いられる場合がある。この種の燃焼器では、一般的に、中心部にパイロットバーナを配置しその周囲にメインバーナを配置して、パイロットバーナで形成される火炎(以下、パイロット火炎)によりメインバーナで形成される火炎(以下、メイン火炎)の保炎をアシストすることで安定燃焼を維持している。
しかし、マルチバーナ方式を採用した燃焼器では、パイロット火炎とメイン火炎とが干渉し得るため、パイロット火炎の燃焼状態によりメイン火炎が安定燃焼し得る条件である安定燃焼限界条件が変化し、ガスタービンの起動から定格負荷まで安定燃焼が維持され難い場合がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、NOx排出量の抑制と安定燃焼を両立できるガスタービン燃焼器及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ガスタービンに設けられるガスタービン燃焼器において、パイロットバーナと、前記パイロットバーナの周囲に配置された複数のメインバーナと、前記パイロットバーナに接続し、パイロット制御弁が設けられたパイロット燃料系統と、前記メインバーナに接続し、メイン制御弁が設けられたメイン燃料系統と、前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び大気温度の計測値と前記パイロットバーナの燃空比との予め決定された関係であるパイロット燃空比の関係を前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び前記大気温度の計測値ごとに記憶するパイロット記憶部と、前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び大気温度の計測値を入力し、前記パイロット記憶部から読み込んだ前記パイロット燃空比の関係に基づき、入力した前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び前記大気温度の計測値に対応する前記パイロットバーナの燃空比を演算するパイロット燃空比演算部と、前記パイロット燃空比演算部で演算された前記パイロットバーナの燃空比に基づき、前記パイロットバーナに供給するパイロット燃料流量を演算するパイロット燃料流量演算部と、前記パイロット燃料流量演算部で演算された前記パイロット燃料流量に基づき、前記パイロット制御弁にパイロット制御信号を出力するパイロット制御信号出力部と、前記パイロットバーナの燃空比と前記メインバーナの燃空比との予め決定された関係であるメイン燃空比の関係を記憶するメイン記憶部と、前記パイロット燃料流量演算部で演算された前記パイロット燃料流量を入力し、前記パイロットバーナの燃空比を演算する第2のパイロット燃空比演算部と、前記メイン記憶部から読み込んだ前記メイン燃空比の関係に基づき、入力した前記第2のパイロット燃空比演算部で演算された前記パイロットバーナの燃空比に対応する前記メインバーナの燃空比を演算するメイン燃空比演算部と、前記メイン燃空比演算部で演算された前記メインバーナの燃空比に基づき、前記メインバーナに供給するメイン燃料流量を演算するメイン燃料流量演算部と、前記メイン燃料流量演算部で演算された前記メイン燃料流量に基づき、前記メイン制御弁にメイン制御信号を出力するメイン制御信号出力部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、NOx排出量の抑制と安定燃焼を両立できるガスタービン燃焼器及びその制御方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る燃焼器を適用したガスタービンプラントの一構成例を表す図である。 本発明の第1実施形態に係る燃焼器のバーナ付近の構造を示す部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係るバーナを燃焼ガスの流れ方向の下流側から見た図である。 本発明の第1実施形態に係る燃焼器の燃料噴射を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る制御装置のブロック図である。 内周メイン燃空比の関係を例示する図である。 本実施形態に係る燃焼器における燃料ステージングを説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る制御装置の燃料流量を調節する手順を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る燃焼器のバーナ付近の構造を示す部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る燃焼器の燃料噴射を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る制御装置のブロック図である。 内周パイロット燃空比の関係を例示する図である。 内周メイン燃空比の関係を例示する図である。 本発明の第2実施形態に係る制御装置の燃料流量を調節する手順を示したフローチャートである。 パイロットバーナの火炎温度とパイロットバーナの内周領域の局所火炎温度との関係を例示する図である。 パイロットバーナの火炎温度とメインバーナの内周領域の局所火炎温度の関係を例示する図である。 本発明の第3実施形態に係る制御装置のブロック図である。 内周メイン燃空比の関係を例示する図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る制御装置のブロック図である。
<第1実施形態>
(構成)
1.ガスタービンプラント
図1は、本実施形態に係るガスタービン燃焼器(以下、燃焼器)を適用したガスタービンプラントの一構成例を表す図である。図1に示すように、ガスタービンプラント100は、ガスタービン101及び負荷機器8を備えている。
ガスタービン101は、圧縮機1、燃焼器2及びタービン3を備えている。圧縮機1は、タービン3により回転駆動され、吸気部(不図示)を介して大気から吸い込まれた空気(吸い込み空気)15を圧縮して高圧空気(燃焼空気)16を生成し、燃焼器2に供給する。燃焼器2は、圧縮機1から供給された高圧空気16を燃料系統200(後述する)から供給される燃料(本実施形態では、ガス燃料)と混合して燃焼し、高温の燃焼ガス19を生成してタービン3に供給する。タービン3は、燃焼器2から供給された燃焼ガス19が膨張することにより回転駆動される。タービン3を駆動した燃焼ガス19は、排ガス9としてタービン3から排気される。負荷機器(本実施形態では、発電機)8は、タービン3と同軸に連結され、タービン3の回転動力を電力に変換する。本実施形態では、圧縮機1、タービン3及び発電機8はシャフト7により相互に連結されている。
2.燃焼器
燃焼器2は、ガスタービン101のケーシング4に取り付けられている。燃焼器2は、燃焼器ライナ(内筒)10、フロースリーブ(外筒)11、尾筒内筒12、尾筒外筒13、バーナ6、燃料系統200及び制御装置67を備えている。
内筒10は、バーナ6の燃焼ガス19の流れ方向の下流側に設けられている。以下、燃焼ガス19の流れ方向の「上流」「下流」を「燃焼ガス上流」「燃焼ガス下流」と言う。内筒10は円筒状の部材であり、圧縮機1から供給される高圧空気16と燃焼器2で生成される燃焼ガス19とを隔てている。外筒11は、内筒10よりも内径が大きく形成された円筒状の部材であり、内筒10の外周側に内筒10を覆うように設けられている。内筒10と外筒11との間に形成される環状の空間は、圧縮機1から燃焼器2に供給される高圧空気16が流れる環状流路(第1環状流路)20を構成している。第1環状流路20を流れる高圧空気16は、内筒10の外壁面側から内筒10を対流冷却する。内筒10の壁面には多数の孔(不図示)が形成されている。第1環状流路20を流れる高圧空気16の一部は、内筒10の壁面に形成された多数の孔から内筒10の内部へ流入し、内筒10の内周面のフィルム冷却に使用される。第1環状流路20を流れる高圧空気16のうち内筒10のフィルム冷却に使用されなかった分は、第1環状流路20を流れてバーナ6に到達する。バーナ6に到達した高圧空気16は、燃料系統200からバーナ6に供給された燃料と共に内筒10の内側に形成された燃焼室5内に噴射され、燃焼される。
燃焼室5では、圧縮機1から供給された高圧空気16と燃料系統200から供給された燃料との混合気が燃焼され、燃焼ガス19が生成される。内筒10のバーナ6から遠い側(燃焼ガス下流側)は、尾筒内筒12の一端に挿し込まれている。尾筒内筒12の他端は、燃焼器2とタービン3とを接続する管路(不図示)に接続している。尾筒内筒12は、燃焼室5で生成された燃焼ガス19をタービン3に導く機能を有する。尾筒内筒12の外周側に、尾筒内筒12を覆う円筒状の尾筒外筒13が設けられている。外筒11のバーナ6から遠い側(燃焼ガス下流側)は、尾筒外筒13の一端に挿し込まれている。尾筒外筒13の他端は、ケーシング4内に開口している。尾筒内筒12と尾筒外筒13との間に形成される環状の空間は、圧縮機1から燃焼器2に供給されケーシング4内に充満した高圧空気16を第1環状流路20に導く環状流路(第2環状流路)21を構成している。第2環状流路21を流れる高圧空気16は、尾筒内筒12の外壁面側から尾筒内筒12を対流冷却する。
2−1.バーナ
図2は本実施形態に係る燃焼器のバーナ付近の構造を示す部分断面図、図3は本実施形態に係るバーナを燃焼ガス下流側から見た図である。
図2に示すように、バーナ6は、内筒10の中心軸に直交するように配置されており、内筒10の燃焼ガス上流側の端部に設けられている。バーナ6は、燃料ヘッダ22,23、複数の燃料ノズル24,25及び空気孔プレート26を備えている。
図2,3に示すように、本実施形態では、バーナ6は、中央に内筒10と同軸に配置された1つのパイロットバーナ43とパイロットバーナ43の周囲に配置された複数(本実施形態では6つ)のメインバーナ44とからなる、いわゆるマルチバーナである。以下の説明では、図3においてパイロットバーナ43の上側に図示されたメインバーナ44から時計回りに、メインバーナ44A,44B,44C,44D,44E,44Fと適宜称する。パイロットバーナ43及びメインバーナ44は、それぞれ同心円状の複数(本実施形態では3つ)の環状列に区分されている。以下の説明では、パイロットバーナ43及びメインバーナ44の複数の環状列を内周側から外周側に向かってそれぞれ第1列、第2列、第3列と適宜称する。
パイロットバーナ43は、燃料ヘッダ(パイロット燃料ヘッダ)22、複数の燃料ノズル(パイロットノズル)24及び空気孔プレート26に形成された複数の空気孔(パイロット空気孔)27を備えている。パイロットノズル24は、パイロット燃料ヘッダ22に支持されている。パイロットノズル24は、パイロットバーナ43の第1〜3列に同心円状に配置され、各列の全周に渡って設けられている(環状に配置されている)。パイロットノズル24は、燃料系統200から供給された燃料を空気孔プレート26に形成されたパイロット空気孔27に向かって噴射する。
メインバーナ44は、燃料ヘッダ(メイン燃料ヘッダ)23、複数の燃料ノズル(メインノズル)25及び空気孔プレート26に形成された複数の空気孔(メイン空気孔)28を備えている。メインノズル25は、メイン燃料ヘッダ23に支持されている。メインノズル25は、メインバーナ44の第1〜3列に同心円状に配置され、各列の全周に渡って設けられている(環状に配置されている)。メインノズル25は、燃料系統200から供給された燃料を空気孔プレート26に形成されたメイン空気孔28に向かって噴射する。本実施形態では、メインバーナ44の第1列は、内周メイン燃料ヘッダ23A、内周メインノズル25A及び内周メイン空気孔28Aで構成され、第2,3列は、外周メイン燃料ヘッダ23B、外周メインノズル25B及び外周メイン空気孔28Bで構成されている。以下の説明では、メインバーナ44の第1列を内周領域、第2,3列を外周領域と適宜称する。
空気孔プレート26は、複数の空気孔27,28を備えている。空気孔プレート26は、内筒10と同軸の円盤状のプレートであって、スプリングシール29を介して内筒10の内側に保持されている。スプリングシール29は、空気孔プレート26の外周面と内筒10との間に設けられている。空気孔プレート26は、複数の燃料ノズル24,25の燃料の流れ方向の下流側に複数の燃料ノズル24,25の先端から離間して配置されている。つまり、本実施形態では、複数の燃料ノズル24,25は、複数の空気孔27,28に挿し込まれていない。
複数のパイロット空気孔27は、空気孔プレート26の中央部に形成されている。本実施形態では、複数のパイロット空気孔27は、パイロットバーナ43の第1〜3列に同心円状に配置され、各列の全周に渡って設けられている。複数のパイロット空気孔27は、1つの空気孔が1つのパイロットノズル24の燃料の流れ方向の下流側にそのパイロットノズル24に対応して配置されている。このようにパイロットノズル24とパイロット空気孔27とを対応させて(対向させて)配置することにより、パイロットノズル24から噴射された燃料の周囲がパイロット空気孔27を通過する空気で覆われた同軸噴流とすることができる。パイロット空気孔27は、入口(燃料の流れ方向の上流側の開口部)及び出口(燃料の流れ方向の下流側の開口部)を構成する2つの楕円とその中心軸線とが直交しない斜円柱状に形成されている。つまり、パイロット空気孔27は、旋回角を有する旋回空気孔であり、出口が入口に対して周方向にずれている。
複数のメイン空気孔28は、空気孔プレート26に形成された複数のパイロット空気孔27の外周側に複数のパイロット空気孔27を囲うように形成されている。複数のメイン空気孔28は、メインバーナ44の第1〜3列に同心円状に配置され、各列の全周に渡って設けられている。複数のメイン空気孔28は、1つの空気孔が1つのメインノズル25の燃料の流れ方向の下流側にそのメインノズル25に対応して配置されている。このようにメインノズル25とメイン空気孔28とを対応させて(対向させて)配置することにより、メインノズル25から噴射された燃料の周囲がメイン空気孔28を通過する空気で覆われた同軸噴流とすることができる。メイン空気孔28は、入口及び出口を構成する2つの楕円とその中心軸線とが直交しない斜円柱状に形成されている。つまり、メイン空気孔28は、旋回角を有する旋回空気孔であり、出口が入口に対して周方向にずれている。
2−2.燃料系統
図1に示すように、燃料系統200は、共通燃料系統50及び第1〜5燃料系統51〜55を備えている。共通燃料系統50は、燃料供給源(不図示)に接続している。共通燃料系統50には、燃料遮断弁(開閉弁)60が設けられている。第1〜5燃料系統51〜55には、第1〜5燃料流量制御バルブ61〜65が設けられている。本実施形態では、第1〜5燃料系統51〜55は、共通燃料系統50から並列に分岐している。
図2に示すように、第1燃料系統(パイロット燃料系統)51は、パイロットバーナ43のパイロット燃料ヘッダ22に接続している。第2〜5燃料系統(メイン燃料系統)52〜55は、メインバーナ44のメイン燃料ヘッダ23に接続している。本実施形態では、第2,3燃料系統(内周メイン燃料系統)52,53は、内周メイン燃料ヘッダ23Aに接続し、第4,5燃料系統(外周メイン燃料系統)54,55は、外周メイン燃料ヘッダ23Bに接続している。燃料供給源から第1燃料系統51を経由してパイロット燃料ヘッダ22に供給された燃料(パイロット燃料)は、パイロットノズル24の先端から噴射されて燃焼室5に供給される。第2〜5燃料系統52〜55を経由してメイン燃料ヘッダ23に供給された燃料(メイン燃料)は、メインノズル25の先端から噴射されて燃焼室5に供給される。
図4は、本実施形態に係る燃焼器の燃料噴射を説明する図である。
図2,4に示すように、本実施形態では、第2燃料系統52は、メインバーナ44A,44C,44Eの内周メイン燃料ヘッダ23Aに接続しており、第2燃料系統52を経由して内周メイン燃料ヘッダ23Aに供給された燃料(内周メイン燃料)は、メインバーナ44A,44C,44Eの内周領域47aにある内周メインノズル25Aの先端から噴射されて燃焼室5に供給される。第3燃料系統53は、メインバーナ44B,44D,44Fの内周メイン燃料ヘッダ23Aに接続しており、第3燃料系統53を経由して内周メイン燃料ヘッダ23Aに供給された燃料(内周メイン燃料)は、メインバーナ44B,44D,44Fの内周領域47bにある内周メインノズル25Aの先端から噴射されて燃焼室5に供給される。第4燃料系統54は、メインバーナ44A,44C,44Eの外周メイン燃料ヘッダ23Bに接続しており、第4燃料系統54を経由して外周メイン燃料ヘッダ23Bに供給された燃料(外周メイン燃料)は、メインバーナ44A,44C,44Eの外周領域48aにある外周メインノズル25Bの先端から噴射されて燃焼室5に供給される。第5燃料系統55は、メインバーナ44B,44D,44Fの外周メイン燃料ヘッダ23Bに接続しており、第5燃料系統55を経由して外周メイン燃料ヘッダ23Bに供給された燃料(外周メイン燃料)は、メインバーナ44B,44D,44Fの外周領域48bにある外周メインノズル25Bの先端から噴射されて燃焼室5に供給される。
パイロット燃料の流量は第1燃料流量制御バルブ(パイロット制御弁)61、内周メイン燃料の流量は第2,3燃料流量制御バルブ(内周メイン制御弁)62,63、外周メイン燃料の流量は第4,5燃料流量制御バルブ(外周メイン制御弁)64,65により制御(調節)される。本実施形態では、制御装置67からの制御信号を入力して第1〜5燃料流量制御バルブ61〜65の開度が制御され、パイロット燃料、内周メイン燃料及び外周メイン燃料の流量が個別に制御されることにより、ガスタービンプラント100の発電量が制御される。
2−3.制御装置
図5は、本実施形態に係る制御装置のブロック図である。
図5に示すように、本実施形態では、制御装置(燃料流量制御装置)67は、制御装置(ガスタービンプラント制御装置)102に備えられている。制御装置102は、ガスタービン101の構成要素(圧縮機1、燃焼器2、タービン3等)に電気的に接続しており、ガスタービン101の構成要素に信号(指令値)を出力し制御するものである。
制御装置67は、ガスタービン101に対する負荷要求、ガスタービン101の制御情報及び大気温度の計測値を入力し、入力した負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値に基づき、第1〜5燃料流量制御バルブ61〜65の開度を制御して、パイロットバーナ43及びメインバーナ44に供給する燃料流量を制御するものである。以下の説明では、「ガスタービンに対する負荷要求」及び「ガスタービンの制御情報」を「負荷要求」及び「制御情報」と適宜称する。制御装置67は、入力部69、パイロット制御部70及びメイン制御部71を備えている。
入力部69は、負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値を入力するものである。本実施形態において、制御情報は、ガスタービン101の構成要素に対し出力される信号に関する情報を言う。制御情報としては、圧縮機1の入口に設けられたIGV(Inlet Guide Vane)の開度に関する信号の情報、IBH(Inlet Bleed Heat)システムの制御に関する信号の情報、タービン3の回転数に関する信号の情報等がある。本実施形態では、大気温度の計測値は、ガスタービンプラント100の周辺又は圧縮機1の入口付近に設けられたセンサ68により取得される。
パイロット制御部70は、第1燃料流量制御バルブ61に制御信号を出力し、第1燃料流量制御バルブ61の開度を制御するものである。パイロット制御部70は、パイロット燃空比演算部300、パイロット燃料流量演算部301、パイロット制御信号出力部302、パイロット記憶部303及びパイロット空気流量演算部304を備えている。
・パイロット記憶部
パイロット記憶部303は、負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値と、パイロットバーナ43の燃空比(パイロット燃空比)との予め決定された関係(パイロット燃空比の関係)を負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値ごとに記憶するものである。パイロット燃空比は、パイロットバーナ43に供給する燃料流量とパイロットバーナ43に供給される空気流量の比を言う。本実施形態において、パイロット燃空比の関係とは、負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値と、パイロットバーナ43が安定燃焼するパイロット燃空比との関係を言う。
・パイロット燃空比演算部
パイロット燃空比演算部300は、入力部69から負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値を入力し、パイロット記憶部303から読み込んだパイロット燃空比の関係に基づき、入力した負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値に対応するパイロット燃空比(対応パイロット燃空比)を演算するものである。本実施形態では、パイロット燃空比演算部300は、パイロットバーナ43が安定燃焼するパイロット燃空比の限界値(最低値)に対し最小限の余裕値(設定値)を確保したパイロット燃空比を対応パイロット燃空比として演算する。
・パイロット空気流量演算部
パイロット空気流量演算部304は、圧縮機1の出口における高圧空気16の圧力及び温度を入力して燃焼器2に供給される空気流量を演算し、パイロットバーナ43に供給される空気流量を演算するものである。本実施形態では、圧縮機1の出口にセンサ(不図示)を設けて、圧縮機1の出口における高圧空気16の圧力及び温度を取得する。
・パイロット燃料流量演算部
パイロット燃料流量演算部301は、パイロット燃空比演算部300で演算された対応パイロット燃空比に基づき、パイロットバーナ43に供給するパイロット燃料流量を演算するものである。
・パイロット制御信号出力部
パイロット制御信号出力部302は、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量に基づき、第1燃料流量制御バルブ61にパイロット制御信号C1を出力するものである。
メイン制御部71は、第2〜5燃料流量制御バルブ62〜65に対して制御信号を出力し、第2〜5燃料流量制御バルブ62〜65の開度を制御するものである。本実施形態では、メイン制御部71は、内周メイン制御部72及び外周メイン制御部73を備えている。
内周メイン制御部72は、第2,3燃料流量制御バルブ62,63に対して制御信号を出力し、第2,3燃料流量制御バルブ62,63の開度を制御するものである。内周メイン制御部72は、メイン燃空比演算部400、メイン燃料流量演算部401、メイン制御信号出力部402、メイン記憶部403、メイン空気流量演算部404、パイロット燃空比演算部405及びパイロット空気流量演算部406を備えている。
・パイロット空気流量演算部
パイロット空気流量演算部(第2のパイロット空気流量演算部)406は、パイロット空気流量演算部304と同様、パイロットバーナ43に供給される空気流量を演算するものである。
・パイロット燃空比演算部
パイロット燃空比演算部(第2のパイロット燃空比演算部)405は、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量及びパイロット空気流量演算部406で演算された空気流量に基づき、パイロット燃空比(第2のパイロット燃空比)を演算するものである。
・メイン記憶部
メイン記憶部403は、パイロット燃空比とメインバーナ44の局所燃空比(メイン燃空比)との予め決定された関係(メイン燃空比の関係)を記憶するものである。本実施形態では、メイン記憶部403は、パイロット燃空比とメインバーナ44の内周領域の局所燃空比(内周メイン燃空比)との予め決定された関係(内周メイン燃空比の関係)を記憶する内周メイン記憶部として構成されている。内周メイン燃空比は、メインバーナ44の内周領域に供給する燃料流量とメインバーナ44の内周領域に供給される空気流量の比を言う。本実施形態において、内周メイン燃空比の関係とは、パイロット燃空比と、パイロット燃空比に対しメインバーナ44が安定燃焼する内周メイン燃空比との関係を言う。
図6は、内周メイン燃空比の関係を例示する図である。横軸はパイロット燃空比、縦軸は内周メイン燃空比を示している。図6において、破線はパイロットバーナ43の失火限界線、実線はメインバーナ44の安定燃焼限界線を示している。本実施形態において、パイロットバーナ43の失火限界線とは、パイロットバーナ43が安定燃焼する(失火しない)パイロット燃空比の限界値を示す指標である。メインバーナ44の安定燃料限界線とは、パイロット燃空比に対しメインバーナ44が安定燃焼する内周メイン燃空比の限界値(最低値)を示す指標である。
図6において、パイロット燃空比が失火限界線の左側に位置する場合、パイロットバーナ43は失火する。パイロット燃空比が失火限界線の右側に位置する場合、パイロットバーナ43は安定燃焼となる(失火しない)。パイロット燃空比が失火限界線より右側に位置し、内周メイン燃空比が安定燃料限界線の下側に位置する場合、メインバーナ44は不安定燃焼となる。パイロット燃空比が失火限界線より右側に位置し、内周メイン燃空比が安定燃料限界線より上側に位置する場合、メインバーナ44は安定燃焼となる。なお、パイロット燃空比が所定の値(図6では値A)以上の場合、パイロット火炎によってメイン火炎が完全に保炎されるため、内周メイン燃空比が低下してもメインバーナ44は安定燃焼となる。
図2に示すように、メインバーナ44の下流側には円錐状のメイン火炎42が形成される。メイン火炎42は、メインバーナ44の内周領域の出口を起点に保炎される。そのため、保炎点である内周メイン燃空比が低下すると、メイン火炎42が不安定となり、軸方向に変動してフリッカや燃焼振動が発生し、失火する場合もある。また、メイン火炎42が安定燃焼する内周メイン燃空比の限界値とパイロット燃空比とは相関関係にある。つまり、パイロット燃空比が高くなるほどパイロットバーナ43の下流側に形成されるパイロット火炎41からメイン火炎42により高温の燃焼ガスが供給される。メイン火炎42に供給された燃焼ガスは、メインバーナ44の下流側に形成される循環流40に取り込まれ、メインバーナ44の内周領域の出口に供給される熱とラジカルが増加することにより、メインバーナ44がより安定に燃焼して安定範囲が拡大する。そのため、図6に示すように、パイロット燃空比が増加するにつれて安定燃焼限界線上の内周メイン燃空比の限界値は低下する。
・メイン燃空比演算部
メイン燃空比演算部400は、パイロット燃空比演算部405で演算されたパイロット燃空比を入力し、メイン記憶部403から読み込んだメイン燃空比の関係に基づき、入力したパイロット燃空比に対応するメイン燃空比(対応メイン燃空比)を演算するものである。本実施形態では、メイン燃空比演算部400は、パイロット燃空比演算部405で演算されたパイロット燃空比を入力し、内周メイン記憶部403から読み込んだメイン燃空比の関係に基づき、入力したパイロット燃空比に対応する内周メイン燃空比(対応内周メイン燃空比)を演算する内周メイン燃空比演算部として構成されている。本実施形態では、内周メイン燃空比演算部400は、メインバーナ44が安定燃焼する内周メイン燃空比の限界値(最低値)に対し最小限の余裕値(設定値)を確保した内周メイン燃空比を対応内周メイン燃空比として演算する。
・メイン空気流量演算部
メイン空気流量演算部(内周メイン空気流量演算部)404は、圧縮機1の出口における高圧空気16の圧力及び温度を入力して燃焼器2に供給される空気流量を演算し、メインバーナ44に供給される空気流量を演算するものである。本実施形態では、メイン空気流量演算部404は、圧縮機1の出口における高圧空気16の圧力及び温度を入力して燃焼器2に供給される空気流量を演算し、メインバーナ44の内周領域に供給される空気流量を演算する内周メイン空気流量演算部として構成されている。
・メイン燃料流量演算部
メイン燃料流量演算部401は、メイン燃空比演算部400で演算されたメイン燃空比に基づき、メインバーナ44に供給するメイン燃料流量を演算するものである。本実施形態では、メイン燃料流量演算部401は、内周メイン燃空比演算部400で演算された内周メイン燃空比に基づき、メインバーナ44の内周領域に供給する内周メイン燃料流量を演算する内周メイン燃料流量演算部として構成されている。
・メイン制御信号出力部
メイン制御信号出力部402は、メイン燃料流量演算部401で演算されたメイン燃料流量に基づき、第2,3燃料流量制御バルブ62,63にメイン制御信号C2を出力するものである。本実施形態では、メイン制御信号出力部402は、内周メイン燃料流量演算部401で演算された内周メイン燃料流量に基づき、第2,3燃料流量制御バルブ62,63に内周メイン制御信号C2を出力する内周メイン制御信号出力部として構成されている。
外周メイン制御部73は、第4,5燃料流量制御バルブ64,65に対して制御信号を出力し、第4,5燃料流量制御バルブ64,65の開度を制御するものである。外周メイン制御部73は、全燃料流量演算部500、外周メイン燃料流量演算部501及び外周メイン制御信号出力部502を備えている。
・全燃料流量演算部
全燃料流量演算部500は、入力部69から負荷要求を入力し、入力した負荷要求に基づき、燃焼器2に供給する全燃料流量を演算するものである。
・外周メイン燃料流量演算部
外周メイン燃料流量演算部501は、全燃料流量演算部500で演算された全燃料流量、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量及び内周メイン燃料流量演算部401で演算された内周メイン燃料流量を入力し、入力した全燃料流量、パイロット燃料流量及び内周メイン燃料流量に基づき、メインバーナ44の外周領域に供給する外周メイン燃料流量を演算するものである。
・外周メイン制御信号出力部
外周メイン制御信号出力部502は、外周メイン燃料流量演算部501で演算された外周メイン燃料流量に基づき、第4,5燃料流量制御バルブ64,65に外周メイン制御信号C3を出力するものである。
(動作)
図7は、本実施形態に係る燃焼器における燃料ステージングを説明する図である。図7は、ガスタービン101が低負荷状態から定格負荷状態(FSFL)に到達するまでの燃料の流量変化を示している。図7において、横軸はガスタービン負荷を示している。以下、本実施形態に係る燃焼器2における燃料ステージングについて、ガスタービン101が低負荷状態から定格負荷状態に到達するまでの過程を4つの燃焼モード(第1〜4燃焼モード)に区切り説明する。
図7に示すように、低負荷状態である第1燃焼モードでは、パイロットバーナ43とメインバーナ44A,44C,44Eの内周領域47aにのみ燃料を供給する。ガスタービン負荷が上昇し第2燃焼モードに到達したら、メインバーナ44B,44D,44Fの内周領域47bにも燃料を供給する。さらにガスタービン負荷が上昇し第3燃焼モードに到達したら、メインバーナ44A,44C,44Eの外周領域48aにも燃料を供給する。さらにガスタービン負荷が上昇し第4燃焼モードに到達したら、メインバーナ44B,44D,44Fの外周領域48bにも燃料を供給して全ての燃料系統に燃料を供給し、定格負荷状態に到達する。
本実施形態では、第1〜3燃焼モードでは、燃焼安定性を高めるため、パイロットバーナ43とメインバーナ44の内周領域47a,47bに供給する燃料流量をメインバーナ44の外周領域48aよりも多くし、メインバーナ44の内周領域47a,47bの局所燃空比を高めている。一方、第4燃焼モードでは、ガスタービン負荷は発電用として運用される負荷範囲にあるため、安定燃焼とともに低NOx燃焼が求められる。そこで、本実施形態では、第4燃焼モードにおいては、安定燃焼限界線(図6を参照)に基づいて運用条件を設定し、燃焼安定性を維持しつつパイロット燃空比と内周メイン燃空比を下げてNOx排出量を抑制している。
図8は、本実施形態に係る制御装置の燃料流量を調節する手順を示したフローチャートである。以下、本実施形態に係る制御装置の燃料流量を制御する手順について説明する。
入力部69は、負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値を入力する(ステップS1)。
続いて、パイロット燃空比演算部300は、入力部69から負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値を入力し、パイロット記憶部303から読み込んだパイロット燃空比の関係に基づき、入力した負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値に対応するパイロット燃空比を演算する(ステップS2)。
続いて、パイロット空気流量演算部304は、パイロットバーナ43に供給される空気流量を演算する(ステップS3)。
続いて、パイロット燃料流量演算部301は、パイロット燃空比演算部300で演算されたパイロット燃空比及びパイロット空気流量演算部304で演算された空気流量を入力し、入力したパイロット燃空比及び空気流量に基づき、パイロットバーナ43に供給するパイロット燃料流量を演算する(ステップS4)。
続いて、パイロット制御信号出力部302は、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量を入力し、入力したパイロット燃料流量に基づきパイロット制御信号C1を演算して、第1燃料流量制御バルブ61に出力する(ステップS5)。本実施形態では、パイロット制御信号出力部302は、パイロット燃料流量と第1燃料流量制御バルブ61の開度との関係を記憶しており、第1燃料流量制御バルブ61の開度がパイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量に対応する大きさとなるようにパイロット制御信号C1を演算する。
次に、パイロット空気流量演算部406は、パイロットバーナ43に供給される空気流量を演算する(ステップS6)。
続いて、パイロット燃空比演算部405は、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量及びパイロット空気流量演算部406で演算された空気流量に基づき、パイロット燃空比を演算する(ステップ7)。
続いて、内周メイン燃空比演算部400は、パイロット燃空比演算部405で演算されたパイロット燃空比を入力し、内周メイン記憶部403から読み込んだ内周メイン燃空比の関係に基づき、入力したパイロット燃空比に対応する内周メイン燃空比を演算する(ステップS8)。
続いて、内周メイン空気流量演算部404は、メインバーナ44の内周領域に供給される空気流量を演算する(ステップS9)。
続いて、内周メイン燃料流量演算部401は、内周メイン燃空比演算部400で演算された内周メイン燃空比及び内周メイン空気流量演算部404で演算された空気流量を入力し、入力した内周メイン燃空比及び空気流量に基づき、メインバーナ44の内周領域に供給する内周メイン燃料流量を演算する(ステップS10)。
続いて、内周メイン制御信号出力部402は、内周メイン燃料流量演算部401で演算された内周メイン燃料流量を入力し、入力した内周メイン燃料流量に基づき内周メイン制御信号C2を演算して、第2,3燃料流量制御バルブ62,63に出力する(ステップS11)。本実施形態では、内周メイン制御信号出力部402は、内周メイン燃料流量と第2,3燃料流量制御バルブ62,63の開度との関係を記憶しており、第2,3燃料流量制御バルブ62,63の開度が内周メイン燃料流量演算部401で演算された内周メイン燃料流量に対応する大きさとなるように内周メイン制御信号C2を演算する。
続いて、全燃料流量演算部500は、入力部69から負荷要求を入力し、入力した負荷要求に基づき、燃焼器2に供給する全燃料流量を演算する(ステップS12)。
続いて、外周メイン燃料流量演算部501は、全燃料流量演算部500で演算された全燃料流量、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量及び内周メイン燃料流量演算部401で演算された内周メイン燃料流量を入力し、入力した全燃料流量、パイロット燃料流量及び内周メイン燃料流量に基づき、メインバーナ44の外周領域に供給する外周メイン燃料流量を演算する(ステップS13)。本実施形態では、外周メイン燃料流量演算部501は、全燃料流量からパイロット燃料流量及び内周メイン燃料流量を減算し、外周メイン燃料流量を演算する。
続いて、外周メイン制御信号出力部502は、外周メイン燃料流量演算部501で演算された外周メイン燃料流量を入力し、入力した外周メイン燃料流量に基づき、第4,5燃料流量制御バルブ64,65に外周メイン制御信号C3を出力する(ステップS14)。本実施形態では、外周メイン制御信号出力部502は、外周メイン燃料流量と第4,5燃料流量制御バルブ64,65の開度との関係を記憶しており、第4,5燃料流量制御バルブ64,65の開度が外周メイン燃料流量演算部501で演算された外周メイン燃料流量に対応する大きさとなるように外周メイン制御信号C3を演算する。
(効果)
(1)本実施形態では、負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値とパイロットバーナ43が安定燃焼するパイロット燃空比との関係に基づき、入力した負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値に対しパイロットバーナ43が安定燃焼するパイロット燃空比の限界値に対し最小限の余裕値を確保したパイロット燃空比を演算し、パイロットバーナ43に供給する燃料流量を制御している。そのため、パイロットバーナ43の安定燃焼性を確保することができる。また、パイロット燃空比とパイロット燃空比に対しメインバーナ44が安定燃焼する内周メイン燃空比との関係に基づき、入力したパイロット燃空比に対しメインバーナ44が安定燃焼する内周メイン燃空比の限界値に対し最小限の余裕値を確保した内周メイン燃空比を演算し、メインバーナ44の内周領域に供給する燃料流量を制御している。パイロット燃空比に基づき内周メイン燃空比を演算し、メインバーナ44の内周領域に供給する燃料流量を制御することで、パイロット火炎とメイン火炎とが干渉しメイン火炎の安定燃焼限界条件が変化した場合でも、メインバーナ44の安定燃焼性を確保することができる。一方、パイロット燃空比や内周メイン燃空比が高くなり過ぎるとNOx排出量が増加する。これに対し、本実施形態では、上述のように、パイロットバーナ43及びメインバーナ44が安定燃焼するパイロット燃空比及び内周メイン燃空比の限界値に対し最小限の余裕値を確保したパイロット燃空比及び内周メイン燃空比を演算し、パイロットバーナ43及びメインバーナ44に供給する燃料流量を制御している。そのため、パイロットバーナ43及びメインバーナ44のNOx排出量を抑制することができる。以上のことから、本実施形態では、NOx排出量の抑制と安定燃焼を両立できる燃焼器とすることができる。
(2)本実施形態では、バーナ6はパイロットバーナ43とパイロットバーナ43の周囲に設けられた複数のメインバーナ44とから構成されている。そのため、負荷要求に応じて燃料を供給するバーナの個数を制御することにより、バーナで形成される火炎の温度を一定値以上に維持し保ち、安定した運用を維持することができる。
(3)本実施形態では、メインバーナ44を内周領域と外周領域に分け、内周及び外周領域に内周及び外周メイン燃料系統をそれぞれ接続し、内周及び外周領域に独立して燃料を供給することができる。そのため、メインバーナ44の内周領域に供給する燃料流量を個別に制御し、保炎の基点となる内周領域で形成されるメイン火炎の温度を一定値以上に維持することにより、保炎状態を安定させることができる。
<第2実施形態>
(構成)
図9は本実施形態に係る燃焼器のバーナ付近の構造を示す部分断面図、図10は本実施形態に係る燃焼器の燃料噴射を説明する図である。図9,10において、上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態に係る燃焼器は、パイロットバーナ43を内周領域と外周領域に分けて、内周領域に第1燃料系統51を、外周領域に第6燃料系統56を接続している。また、本実施形態に係る燃焼器は、メインバーナ44の外周領域を1つの群(外周領域群)とし、外周領域群に第4燃料系統54を接続している(第5燃料系統55は設けられていない)。その他の構成は、第1実施形態に係る燃焼器と同様である。
図9に示すように、本実施形態では、パイロットバーナ43の第1列は、内周パイロット燃料ヘッダ22A、内周パイロットノズル24A及び内周パイロット空気孔27Aで構成され、第2,3列は、外周パイロット燃料ヘッダ22B、外周パイロットノズル24B及び外周パイロット空気孔27Bで構成されている。以下の説明では、パイロットバーナ43の第1列を内周領域、第2,3列を外周領域と適宜称する。
図9,10に示すように、本実施形態では、第1燃料系統51は、パイロットバーナ43の内周パイロット燃料ヘッダ22Aに接続しており、第1燃料系統51を経由して内周パイロット燃料ヘッダ22Aに供給された燃料(内周パイロット燃料)は、内周パイロットノズル24Aの先端から噴射されて燃焼室5に供給される。第6燃料系統56は、パイロットバーナ43の外周パイロット燃料ヘッダ22Bに接続しており、第6燃料系統56を経由して外周パイロット燃料ヘッダ22Bに供給された燃料(外周パイロット燃料)は、外周パイロットノズル24Bの先端から噴射されて燃焼室5に供給される。第6燃料系統56には第6燃料流量制御バルブ66が設けられており、外周パイロット燃料の流量は、第6燃料流量制御バルブ(外周パイロット制御弁)66により調節される。第4燃料系統54は、メインバーナ44A〜44Fの外周メイン燃料ヘッダ23Bに接続しており、第4燃料系統54を経由して外周メイン燃料ヘッダ23Bに供給された燃料(外周領域メイン燃料)は、メインバーナ44A〜44Fの外周領域49にある外周メインノズル25Bの先端から噴射されて燃焼室5に供給される。
図11は、本実施形態に係る制御装置のブロック図である。図11に示すように、本実施形態に係る制御装置76は、入力部69、パイロット制御部70、メイン制御部71に加えて、内周パイロット制御部74及び外周パイロット制御部75を備えている。
内周パイロット制御部74は、第1燃料流量制御バルブ61に対して制御信号を出力し、第1燃料流量制御バルブ61の開度を制御するものである。内周パイロット制御部74は、パイロット燃空比演算部600、内周パイロット燃空比演算部601、内周パイロット燃料流量演算部602、内周パイロット制御信号出力部603、パイロット空気流量演算部604、内周パイロット記憶部605及び内周パイロット空気流量演算部606を備えている。
・パイロット空気流量演算部
パイロット空気流量演算部(第3のパイロット空気流量演算部)604は、パイロット空気流量演算部304と同様、パイロットバーナ43に供給される空気流量を演算するものである。
・パイロット燃空比演算部
パイロット燃空比演算部(第3のパイロット燃空比演算部)600は、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量及びパイロット空気流量演算部604で演算された空気流量に基づき、パイロット燃空比(第3のパイロット燃空比)を演算するものである。
・内周パイロット記憶部
内周パイロット記憶部605は、パイロット燃空比とパイロットバーナ43の内周領域の局所燃空比(内周パイロット燃空比)との予め決定された関係(内周パイロット燃空比の関係)を記憶するものである。内周パイロット燃空比は、パイロットバーナ43の内周領域に供給する燃料流量とパイロットバーナ43の内周領域に供給される空気流量の比を言う。本実施形態において、内周パイロット燃空比の関係とは、パイロット燃空比と、パイロット燃空比に対しパイロットバーナ43が安定燃焼する内周パイロット燃空比との関係を言う。
図12は、内周パイロット燃空比の関係を例示する図である。横軸はパイロット燃空比、縦軸は内周パイロット燃空比を示している。図12において、実線はパイロットバーナ43の失火限界線を示している。図12において、パイロット燃空比が失火限界線の左側に位置し、内周パイロット燃空比が失火限界線の下側に位置する場合、パイロットバーナ43は失火する。パイロット燃空比が失火限界線の左側に位置し、内周パイロット燃空比が失火限界線の上側に位置する場合、パイロットバーナ43は安定燃焼となる(失火しない)。なお、パイロット燃空比が所定の数値(図12では値B)以上の場合、パイロットバーナ43の外周領域でも保炎するようになり、内周パイロット燃空比が低下してもパイロットバーナ43は安定燃焼となる。
・内周パイロット燃空比演算部
内周パイロット燃空比演算部601は、パイロット燃空比演算部600で演算されたパイロット燃空比を入力し、内周パイロット記憶部605から読み込んだ内周パイロット燃空比の関係に基づき、入力したパイロット燃空比に対応する内周パイロット燃空比(対応内周パイロット燃空比)を演算するものである。本実施形態において、対応内周パイロット燃空比とは、パイロットバーナ43が安定燃焼しつつNOx排出量が抑制される内周パイロット燃空比を言う。
・内周パイロット空気流量演算部
内周パイロット空気流量演算部606は、圧縮機1の出口における高圧空気16の圧力及び温度を入力して燃焼器2に供給される空気流量を演算し、パイロットバーナ43の内周領域に供給される空気流量を演算するものである。
・内周パイロット燃料流量演算部
内周パイロット燃料流量演算部602は、内周パイロット燃空比演算部601で演算された内周パイロット燃空比に基づき、パイロットバーナ43の内周領域に供給する内周パイロット燃料流量を演算するものである。
・内周パイロット制御信号出力部
内周パイロット制御信号出力部603は、内周パイロット燃料流量演算部602で演算された内周パイロット燃料流量に基づき、第1燃料流量制御バルブ(内周パイロット制御弁)61にパイロット制御信号C4を出力するものである。
外周パイロット制御部75は、第6燃料流量制御バルブ66に対して制御信号を出力し、第6燃料流量制御バルブ66の開度を制御するものである。本実施形態では、外周パイロット制御部75は、外周パイロット燃料流量演算部700及び外周パイロット制御信号出力部701を備えている。
・外周パイロット燃料流量演算部
外周パイロット燃料流量演算部700は、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量及び内周パイロット燃料流量演算部602で演算された内周パイロット燃料流量を入力し、入力したパイロット燃料流量及び内周パイロット燃料流量に基づき、パイロットバーナ43の外周領域に供給する外周パイロット燃料流量を演算するものである。
・外周パイロット制御信号出力部
外周パイロット制御信号出力部701は、外周パイロット燃料流量演算部700で演算された外周パイロット燃料流量に基づき、第6燃料流量制御バルブ66に外周パイロット制御信号C5を出力するものである。
本実施形態に係る内周メイン記憶部403に記憶された内周メイン燃空比の関係について説明する。
図13は、内周メイン燃空比の関係を例示する図である。横軸はパイロット燃空比、縦軸は内周メイン燃空比を示している。図13において、実線はメインバーナ44の安定燃焼限界線を示している。
図13の例では、パイロット燃空比が安定燃焼限界線の左側に位置し、内周メイン燃空比が安定燃焼限界線の下側に位置する場合、メインバーナ44は不安定燃焼となる。パイロット燃空比が安定燃焼限界線の左側に位置し、内周メイン燃空比が安定燃焼限界線の上側に位置する場合、メインバーナ44は安定燃焼となる。パイロット燃空比が所定の値(図13では値C)以上の場合、内周メイン燃空比が低下してもメインバーナ44は安定燃焼となる。本実施形態では、内周パイロット燃空比を調整することでパイロット燃空比が低い場合でもパイロットバーナ43を安定燃焼させることができるため、図13に示すように、メインバーナ44が安定燃焼する運用条件を第1実施形態に係る燃焼器より拡大することができる。
(動作)
本実施形態に係る燃焼器は、図7に示した第1〜4燃焼モードにおいて、負荷上昇に対し第2燃焼モードから第4燃焼モードに移行して運用される。つまり、本実施形態に係る燃焼器では、ガスタービン負荷が上昇し第2燃焼モードに到達したら、メインバーナ44B,44D,44Fの内周領域47bに燃料を供給し、さらにガスタービン負荷が上昇したら、メインバーナ44A〜44Fの外周領域49に燃料を供給して全ての燃料系統に燃料を供給し、定格負荷状態に到達する。
図14は、本実施形態に係る制御装置の燃料流量を調節する手順を示したフローチャートである。以下、本実施形態に係る制御装置の燃料流量を調節する手順について説明する。
ステップS1〜S4は、第1実施形態に係る制御装置の燃料流量を調節する手順と同様である。
続いて、パイロット空気流量演算部604は、パイロットバーナ43に供給される空気流量を演算する(ステップS20)。
続いて、パイロット燃空比演算部600は、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量及びパイロット空気流量演算部604で演算された空気流量に基づき、パイロット燃空比を演算する(ステップS21)。
続いて、内周パイロット燃空比演算部601は、パイロット燃空比演算部600で演算されたパイロット燃空比を入力し、内周パイロット記憶部605から読み込んだ内周パイロット燃空比の関係に基づき、入力したパイロット燃空比に対応する内周パイロット燃空比を演算する(ステップS22)。
続いて、内周パイロット空気流量演算部606は、パイロットバーナ43の内周領域に供給される空気流量を演算する(ステップS23)。
続いて、内周パイロット燃料流量演算部602は、内周パイロット燃空比演算部601で演算された内周パイロット燃空比及び内周パイロット空気流量演算部606で演算された空気流量を入力し、入力した内周パイロット燃空比及び空気流量に基づきパイロットバーナ43の内周領域に供給する内周パイロット燃料流量を演算する(ステップS24)。
続いて、内周パイロット制御信号出力部603は、内周パイロット燃料流量演算部602で演算された内周パイロット燃料流量を入力し、入力した内周パイロット燃料流量に基づき内周パイロット制御信号C4を演算して、第1燃料流量制御バルブ61に出力する(ステップS25)。本実施形態では、内周パイロット制御信号出力部603は、内周パイロット燃料流量と第1燃料流量制御バルブ61の開度との関係を記憶しており、第1燃料流量制御バルブ61の開度が内周パイロット燃料流量演算部602で演算された内周パイロット燃料流量に対応する大きさとなるように内周パイロット制御信号C4を演算する。
続いて、外周パイロット燃料流量演算部700は、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量及び内周パイロット燃料流量演算部602で演算された内周パイロット燃料流量を入力し、入力したパイロット燃料流量及び内周パイロット燃料流量に基づき、パイロットバーナ43の外周領域に供給する外周パイロット燃料流量を演算する(ステップS26)。本実施形態では、外周パイロット燃料流量演算部700は、パイロット燃料流量から内周パイロット燃料流量を減算し、外周パイロット燃料流量を演算する。
続いて、外周パイロット制御信号出力部701は、外周パイロット燃料流量演算部700で演算された外周パイロット燃料流量を入力し、入力した外周パイロット燃料流量に基づき、第6燃料流量制御バルブ66に外周パイロット制御信号C5を出力する(ステップS27)。本実施形態では、外周パイロット制御信号出力部701は、外周パイロット燃料流量と第6燃料流量制御バルブ66の開度との関係を記憶しており、第6燃料流量制御バルブ66の開度が外周パイロット燃料流量演算部700で演算された外周パイロット燃料流量に対応する大きさとなるように外周パイロット制御信号C5を演算する。
以降、ステップS6〜S14は、第1実施形態に係る制御装置の燃料流量を調節する手順と同様である。
(効果)
本実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、以下の効果が得られる。
本実施形態では、パイロットバーナ43を内周及び外周領域に分け、パイロット燃空比に基づき、パイロットバーナ43が安定燃焼となる内周パイロット燃空比を演算し内周パイロット燃料流量を制御している。これにより、図12に示すように、パイロットバーナ43が安定燃焼する(失火しない)運用条件を第1実施形態に係る燃焼器より拡大することができる。
(変形例)
燃空比(パイロット燃空比及びメイン燃空比)に基づき失火条件や燃焼安定条件を設定する場合、大気温度やガスタービン101の運転状態により燃焼器2に流入する空気温度が変化し、燃焼安定条件にずれが生じ得る。これは、火炎の不安定条件は火炎温度に対し凡そ規定され、空気温度が変化することで火炎温度が変化するためである。これに対し、火炎温度に基づき失火条件や燃焼安定条件を設定する方法がある。
図15は、パイロットバーナ43の火炎温度とパイロットバーナ43の内周領域の局所火炎温度との関係を例示する図、図16は、パイロットバーナ43の火炎温度とメインバーナ44の内周領域の局所火炎温度の関係を例示する図である。図15,16の横軸はパイロットバーナ43の火炎温度(パイロット火炎温度)を示している。図15の縦軸は、パイロットバーナ43の内周領域の局所火炎温度(内周パイロット火炎温度)、図16の縦軸は、メインバーナ44の内周領域の局所火炎温度(内周メイン火炎温度)を示している。図15において、実線はパイロットバーナ43の失火限界線を示している。図16において、実線はメインバーナ44の安定燃焼限界線を示している。
一般的に、火炎の安定燃焼条件は火炎温度に基づき設定することができ、燃焼器2に流入する空気温度に関わらず凡そ図15,16に例示する関係が成立する。本変形例では、内周パイロット制御部74の内周パイロット燃料流量演算部602及び内周メイン制御部72の内周メイン燃料流量演算部401は、内周パイロット燃料流量及び内周メイン燃料流量を演算する際、負荷要求、計測値及び制御情報に基づき燃焼器2に流入する空気温度を演算し、パイロットバーナ43及びメインバーナ44が安定燃焼となる火炎温度になるように内周パイロット燃料流量及び内周メイン燃料流量を演算する。
本変形例では、燃焼器2に流入する空気温度を演算し、パイロットバーナ43及びメインバーナ44が安定燃焼する火炎温度となるように内周パイロット燃料流量及び内周メイン燃料流量を演算するため、現象を支配する火炎温度を制御することができ、大気温度等の外部要因やガスタービンの運転状態などの複数のパラメータを考慮してより正確にパイロットバーナ43及びメインバーナ44に供給する燃料流量を制御することができる。
なお、本変形例では、燃焼器2に流入する空気温度を演算し、パイロットバーナ43及びメインバーナ44が安定燃焼となる火炎温度になるように内周パイロット燃料流量及び内周メイン燃料流量を演算する構成を例示したが、大気温度やガスタービンの運転状態に対する燃空比のずれ分に対応する補正値を予め演算しておき、大気温度等に基づき内周パイロット燃料流量及び内周メイン燃料流量を演算する構成としても良い。
<第3実施形態>
(構成)
図17は、本実施形態に係る制御装置のブロック図である。図17において、上記第2実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態に係る燃焼器は、排ガス9(図1を参照)に含まれるNOx、CO等の濃度や燃焼振動の振幅値を演算してパイロット燃料流量演算部301にフィードバックし、NOx、CO等の成分量や燃焼振動の振幅値が抑制されるように燃料流量(パイロット燃料流量及びメイン燃料流量)を制御する。その他の構成は、第2実施形態に係る燃焼器と同様である。
図17に示すように、本実施形態に係る制御装置80は、入力部69、パイロット制御部70、メイン制御部71、内周パイロット制御部74及び外周パイロット制御部75に加えて、フィードバック部77を備えている。フィードバック部77は、排ガス9に含まれるNOx、CO等の濃度や燃焼振動の振幅を演算し、パイロット燃料流量演算部301に出力するものである。フィードバック部77は、第1の演算部800及び第2の演算部801を備えている。
第1の演算部800は、排ガス9を分析してNOx、CO等の濃度を演算するものである。本実施形態では、タービン3(図1を参照)の下流側に設けられ、排ガス9が流れるダクト内に吸引プローブ78を設けて排ガス9を吸引し、吸引した排ガス9を第1の演算部800に供給して、NOx、CO等の濃度を演算する
第2の演算部801は、燃焼器ライナ10内の圧力変動を入力し、周波数解析等により燃焼振動の振幅値を演算するものである。本実施形態では、燃焼器ライナ10に圧力センサ79を設けて圧力変動を計測し、第2の演算部801に出力して、燃焼振動の振幅値を演算する。
本実施形態では、パイロット燃料流量演算部301は、パイロット燃空比演算部300で演算されたパイロット燃空比及びパイロット空気流量演算部304で演算されたパイロットバーナ43に供給される空気流量に加えて、フィードバック部77で演算されたNOx及びCOの濃度並びに燃焼振動の振幅値を入力し、入力したパイロット燃空比、空気流量、NOx及びCOの濃度並びに燃焼振動の振幅値に基づき、安定燃焼を維持しつつNOx及びCO排出量並びに燃焼振動を抑制できるパイロット燃料流量を演算する。
(効果)
本実施形態でも、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、以下の効果が得られる。
本実施形態では、NOx及びCOの濃度並びに燃焼振動の振幅値を演算し、NOx及びCOの濃度並びに燃焼振動の振幅値が抑制されるように、パイロット燃料流量及びメイン燃料流量を制御している。そのため、安定燃焼を維持しつつNOx及びCO排出量並びに燃焼振動を抑制することができ、パイロット火炎及びメイン火炎を第2実施形態に比べてより最適な燃焼状態とすることができる。
<その他>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることも可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することも可能である。また、各実施形態の構成の一部を削除することも可能である。
上述した各実施形態では、パイロット燃空比演算部300は、入力した負荷要求、制御情報及び大気温度の計測値に対応するパイロット燃空比を演算する構成を例示した。しかしながら、本発明の本質的効果は、低NOx燃焼と安定燃焼を両立できる燃焼器及びその制御方法を提供することであり、この本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、パイロット燃空比演算部300は、負荷要求、制御情報、大気温度の計測値に加えて大気湿度の計測値を入力し、パイロット燃空比を演算する構成としても良い。
また、上述した各実施形態では、失火限界線や安定燃焼限界線からパイロット燃空比及びメイン燃空比を演算し、パイロットバーナ43及びメインバーナ44の内周領域に供給する燃料流量を制御する構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。一般的に、パイロットバーナ43及びメインバーナ44の内周領域に供給される空気流量の比はガスタービン101の運転状態によらず燃焼器2の構成により決まる。そのため、燃焼器2に流入する空気流量に対する燃料比率で失火限界線や安定燃焼限界線を設定し、燃料流量を制御する構成としても良い。
また、上述した各実施形態では、各バーナの内周及び外周領域に供給される空気流量を演算し各バーナの内周及び外周領域の燃空比を演算して燃料流量を演算する構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。一般的に、各バーナの内周及び外周領域に供給される空気流量の配分は、ガスタービン101の運転状態によらず燃焼器2の構成により一定となる。そのため、失火限界線及び安定燃焼限界線を燃焼器2に流入する全空気流量に比例するパラメータに置き換えて、このパラメータに基づき各バーナの内周及び外周領域に供給する燃料流量を演算する構成としても良い。
また、上述した各実施形態では、パイロット燃空比演算部300は、パイロット燃空比の限界値に対し最小限の余裕値を確保してパイロット燃空比を演算する構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、パイロット燃空比の限界値に対し予め最小限の余裕値を確保してパイロット燃空比を設定しておき、設定したパイロット燃空比から直接パイロット燃料流量を演算する構成としても良い。同様に、内周メイン燃空比演算部400は、内周メイン燃空比の限界値に対し最小限の余裕値を確保して内周メイン燃空比を演算する構成を例示したが、内周メイン燃空比の限界値に対し予め最小限の余裕値を確保して内周メイン燃空比を設定しておき、設定した内周メイン燃空比から直接内周メイン燃料流量を演算する構成としても良い。
また、上述した第1実施形態では、パイロット燃空比演算部405は、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量及びパイロット空気流量演算部406で演算された空気流量に基づきパイロット燃空比を演算し、内周メイン記憶部403から読み込んだ内周メイン燃空比の関係に基づき、入力したパイロット燃空比に対応する内周メイン燃空比を演算する構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、パイロット燃空比演算部300で演算されたパイロット燃空比を入力し、内周メイン記憶部403から読み込んだ内周メイン燃空比の関係に基づき、入力したパイロット燃空比に対応する内周メイン燃空比を演算する構成としても良い。
また、上述した第1実施形態では、パイロット制御信号出力部302は、パイロット燃料流量と第1燃料流量制御バルブ61の開度との関係からパイロット制御信号C1を演算する構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、パイロット制御信号出力部302が、パイロット燃料流量からパイロット制御信号C1を演算する演算式を格納しており、この演算式からパイロット制御信号C1を演算する構成としても良い。内周メイン制御信号出力部402、外周メイン制御信号出力部502、内周パイロット制御信号出力部603及び外周パイロット制御信号出力部701も同様である。
また、上述した各実施形態では、制御装置67が制御装置102に備えられている構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、制御装置67が制御装置102とは別に設けられた構成としても良い。
また、上述した各実施形態では、パイロット記憶部303がパイロット制御部70に備えられている構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、パイロット記憶部303がパイロット制御部70とは別に設けられた構成としても良い。内周メイン記憶部403及び内周パイロット記憶部605も同様である。
また、上述した各実施形態では、圧縮機1の出口における高圧空気16の圧力及び温度を圧縮機1の出口に設けられたセンサにより取得する構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、IGVの開度から空気流量を演算する構成としても良い。
また、上述した各実施形態では、パイロットノズル24及びメインノズル25の先端がパイロット空気孔27及びメイン空気孔28の入口から離間している構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、パイロットノズル24及びメインノズル25の先端をパイロット空気孔27及びメイン空気孔28内に挿入する構成としても良い。
また、上述した各実施形態では、パイロットバーナ43を中心部に設け、パイロットバーナ43の周囲にメインバーナ44を配置した燃焼器を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、メインバーナを中心部に設け、メインバーナの周囲にパイロットバーナを配置した燃焼器としても良い。
また、上述した各実施形態では、パイロットバーナ43の周囲に6つのメインバーナ44を配置した構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、パイロットバーナ43の周囲に配置されるメインバーナは5つ以下でも良く、7つ以上でも良い。
また、上述した各実施形態では、パイロット燃空比演算部300で演算されたパイロット燃空比を入力し、内周メイン記憶部403から読み込んだメイン燃空比の関係に基づき、内周メイン燃空比を演算し、内周メイン燃料流量を演算する構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。図18は、内周メイン燃空比の関係を例示する図である。横軸はパイロット燃空比、縦軸は内周メイン燃空比を示している。図18において、破線はパイロットバーナ43の失火限界線、実線はメインバーナ44の安定燃焼限界線を示している。また、点線はメインバーナ44の局所燃空比が高い場合のメインバーナ44の安定燃焼限界線、一点鎖線はメインバーナ44の局所燃空比が低い場合のメインバーナ44の安定燃焼限界線を示している。図18に示すように、メインバーナ44の安定燃焼限界線は、メインバーナ全体の燃空比に対しても変化する場合がある。そのため、メインバーナ全体の燃空比を演算し、演算したメインバーナ全体の燃空比に応じてメインバーナ44の内周領域に供給する燃料流量を補正する構成としても良い。これにより、ガスタービン101をより適切に運用することができる。
また、上述した各実施形態では、パイロット燃空比演算部300で演算されたパイロット燃空比に基づき、パイロット燃料流量を演算する構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。図19は、上述した第1実施形態の変形例に係る制御装置のブロック図である。一般的に、失火限界線や安定燃焼限界線は、制御情報、大気温度等により変化し得る。そのため、図19に例示するように、パイロット燃空比演算部300の下流側でパイロット燃料流量演算部301の上流側にパイロット燃空比補正部305を設け、制御情報、大気温度の計測値等をパイロット燃空比補正部305に入力し、入力した制御情報、大気温度の計測値等に基づき、パイロット燃空比演算部300で演算されたパイロット燃空比を補正してパイロット燃料流量演算部301に出力しパイロット燃料流量を演算する構成としても良い。これにより、大気温度、ガスタービンの制御情報等によりパイロットバーナ43の失火限界線やメインバーナ44の安定燃焼限界線が変化しても、NOx排出量の抑制と安定燃焼を両立できる。
また、上述した第1実施形態では、パイロット制御信号出力部302が第1燃料流量制御バルブ61にパイロット制御信号C1を出力した後に、内周メイン燃空比を演算する構成を例示した。しかしながら、上述した本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも上述した構成に限定されない。例えば、パイロット燃料流量演算部301がパイロット燃料流量を演算した後、内周メイン燃空比演算部400が、パイロット燃料流量演算部301で演算されたパイロット燃料流量を入力し、パイロット制御信号出力部302によるパイロット制御信号C1の出力と並行して内周メイン燃空比を演算する構成としても良い。つまり、内周メイン制御部72は、必ずしもパイロット制御部70における全ての処理が終了した後に処理を開始する必要はなく、パイロット制御部70における一部の処理と並行して処理を実行しても良い。内周メイン制御部72と外周メイン制御部73及び内周パイロット制御部74と外周パイロット制御部75についても同様である。
101 ガスタービン
2 ガスタービン燃焼器(燃焼器)
43 パイロットバーナ
44 メインバーナ
61 第1燃料流量制御バルブ(パイロット制御弁)
51 第1燃料系統(パイロット燃料系統)
62 第2燃料流量制御バルブ(メイン制御弁)
63 第3燃料流量制御バルブ(メイン制御弁)
64 第4燃料流量制御バルブ(メイン制御弁)
65 第5燃料流量制御バルブ(メイン制御弁)
52 第2燃料系統(メイン燃料系統)
53 第3燃料系統(メイン燃料系統)
54 第4燃料系統(メイン燃料系統)
55 第5燃料系統(メイン燃料系統)
303 パイロット記憶部
300 パイロット燃空比演算部
301 パイロット燃料流量演算部
302 パイロット制御信号出力部
403 メイン記憶部
405 第2のパイロット燃空比演算部(パイロット燃空比演算部)
400 メイン燃空比演算部
401 メイン燃料流量演算部
402 メイン制御信号出力部

Claims (7)

  1. ガスタービンに設けられるガスタービン燃焼器において、
    パイロットバーナと、
    前記パイロットバーナの周囲に配置された複数のメインバーナと、
    前記パイロットバーナに接続し、パイロット制御弁が設けられたパイロット燃料系統と、
    前記メインバーナに接続し、メイン制御弁が設けられたメイン燃料系統と、
    前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び大気温度の計測値と前記パイロットバーナの燃空比との予め決定された関係であるパイロット燃空比の関係を前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び前記大気温度の計測値ごとに記憶するパイロット記憶部と、
    前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び大気温度の計測値を入力し、前記パイロット記憶部から読み込んだ前記パイロット燃空比の関係に基づき、入力した前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び前記大気温度の計測値に対応する前記パイロットバーナの燃空比を演算するパイロット燃空比演算部と、
    前記パイロット燃空比演算部で演算された前記パイロットバーナの燃空比に基づき、前記パイロットバーナに供給するパイロット燃料流量を演算するパイロット燃料流量演算部と、
    前記パイロット燃料流量演算部で演算された前記パイロット燃料流量に基づき、前記パイロット制御弁にパイロット制御信号を出力するパイロット制御信号出力部と、
    前記パイロットバーナの燃空比と前記メインバーナの燃空比との予め決定された関係であるメイン燃空比の関係を記憶するメイン記憶部と、
    前記パイロット燃料流量演算部で演算された前記パイロット燃料流量を入力し、前記パイロットバーナの燃空比を演算する第2のパイロット燃空比演算部と、
    前記メイン記憶部から読み込んだ前記メイン燃空比の関係に基づき、入力した前記第2のパイロット燃空比演算部で演算された前記パイロットバーナの燃空比に対応する前記メインバーナの燃空比を演算するメイン燃空比演算部と、
    前記メイン燃空比演算部で演算された前記メインバーナの燃空比に基づき、前記メインバーナに供給するメイン燃料流量を演算するメイン燃料流量演算部と、
    前記メイン燃料流量演算部で演算された前記メイン燃料流量に基づき、前記メイン制御弁にメイン制御信号を出力するメイン制御信号出力部と
    を備えることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記パイロットバーナ及び前記メインバーナは、燃料を噴射する複数の燃料ノズルと、前記複数の燃料ノズルに対応して形成された複数の空気孔を有し、前記複数の燃料ノズルの燃料の流れ方向の下流側に設けられた空気孔プレートとを備えていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  3. 請求項2に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記メイン燃料系統は、前記メインバーナの内周領域に接続し、内周メイン制御弁が設けられた内周メイン燃料系統と、前記メインバーナの外周領域に接続し、外周メイン制御弁が設けられた外周メイン燃料系統とを備え、
    前記メイン記憶部は、前記メイン燃空比の関係として、前記パイロットバーナの燃空比と前記メインバーナの内周領域の燃空比との予め決定された関係である内周メイン燃空比の関係を記憶し、
    前記メイン燃空比演算部は、前記メイン記憶部から読み込んだ前記内周メイン燃空比の関係に基づき、入力した前記第2のパイロット燃空比演算部で演算された前記パイロットバーナの燃空比に対応する前記メインバーナの内周領域の燃空比を演算する内周メイン燃空比演算部であり、
    前記メイン燃料流量演算部は、前記内周メイン燃空比演算部で演算された前記メインバーナの内周領域の燃空比に基づき、前記メインバーナの内周領域に供給する内周メイン燃料流量を演算する内周メイン燃料流量演算部であり、
    前記メイン制御信号出力部は、前記内周メイン燃料流量演算部で演算された前記内周メイン燃料流量に基づき、前記内周メイン制御弁に内周メイン制御信号を出力する内周メイン制御信号出力部であり、
    前記ガスタービンに対する負荷要求を入力して前記ガスタービンに供給する全燃料流量を演算する全燃料流量演算部と、
    前記パイロット燃料流量演算部で演算された前記パイロット燃料流量、前記内周メイン燃料流量演算部で演算された前記内周メイン燃料流量及び前記全燃料流量演算部で演算された前記全燃料流量を入力し、前記全燃料流量から前記パイロット燃料流量及び前記内周メイン燃料流量を減算して前記メインバーナの外周領域に供給する外周メイン燃料流量を演算する外周メイン燃料流量演算部と、
    前記外周メイン燃料流量演算部で演算された前記外周メイン燃料流量に基づき、前記外周メイン制御弁に外周メイン制御信号を出力する外周メイン制御信号出力部と
    を備えることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記負荷要求、前記制御情報、及び大気温度の計測値を入力し、入力した負荷要求、制御情報、及び大気温度の計測値に基づき、前記パイロット燃空比演算部で演算された前記パイロットバーナの燃空比を補正するパイロット燃空比補正部を備えることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  5. 請求項2に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記パイロット燃料系統は、前記パイロットバーナの内周領域に接続し、内周パイロット制御弁が設けられた内周パイロット燃料系統と、前記パイロットバーナの外周領域に接続し、外周パイロット制御弁が設けられた外周パイロット燃料系統とを備え、
    前記パイロットバーナの燃空比と前記パイロットバーナの内周領域の燃空比との予め決定された関係である内周パイロット燃空比の関係を記憶する内周パイロット記憶部と、
    前記パイロット燃料流量演算部で演算された前記パイロット燃料流量を入力し、前記パイロットバーナの燃空比を演算する第3のパイロット燃空比演算部と、
    前記第3のパイロット燃空比演算部で演算された前記パイロットバーナの燃空比を入力し、前記内周パイロット記憶部から読み込んだ前記内周パイロット燃空比の関係に基づき、入力した前記パイロットバーナの燃空比に対応する前記パイロットバーナの内周領域の燃空比を演算する内周パイロット燃空比演算部と、
    前記内周パイロット燃空比演算部で演算された前記パイロットバーナの内周領域の燃空比に基づき、前記パイロットバーナの内周領域に供給する内周パイロット燃料流量を演算する内周パイロット燃料流量演算部と、
    前記内周パイロット燃料流量演算部で演算された前記内周パイロット燃料流量に基づき、前記内周パイロット制御弁に内周パイロット制御信号を出力する内周パイロット制御信号出力部と、
    前記パイロット燃料流量演算部で演算された前記パイロット燃料流量及び前記内周パイロット燃料流量演算部で演算された前記内周パイロット燃料流量を入力し、前記パイロット燃料流量から前記内周パイロット燃料流量を減算して前記パイロットバーナの外周領域に供給する外周パイロット燃料流量を演算する外周パイロット燃料流量演算部と、
    前記外周パイロット燃料流量演算部で演算された前記外周パイロット燃料流量に基づき、前記外周パイロット制御弁に外周パイロット制御信号を出力する外周パイロット制御信号出力部と
    を備えることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  6. 請求項5に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記ガスタービンから排出される排ガスのNOx濃度及びCO濃度を測定する測定装置と、
    前記ガスタービン燃焼器の燃焼振動の振幅値を演算する振幅値演算装置と、
    前記NOx濃度、CO濃度及び燃焼振動の振幅値を前記パイロット燃料流量演算部に出力し、前記NOx濃度、CO濃度及び燃焼振動の振幅値が小さくなるように前記パイロット燃料流量及び前記メイン燃料流量を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  7. ガスタービンに設けられ、パイロットバーナと、前記パイロットバーナの周囲に配置された複数のメインバーナと、前記パイロットバーナに接続し、パイロット制御弁が設けられたパイロット燃料系統と、前記メインバーナに接続し、メイン制御弁が設けられたメイン燃料系統とを備えたガスタービン燃焼器の制御方法において、
    前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び大気温度の計測値を入力するステップと、
    入力した前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び大気温度の計測値を読み込み、前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び前記大気温度の計測値と前記パイロットバーナの燃空比との予め決定された関係であるパイロット燃空比の関係を前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び前記大気温度の計測値ごとに記憶するパイロット記憶部から前記パイロット燃空比の関係を読み込んで、前記ガスタービンに対する負荷要求、前記ガスタービンの制御情報及び前記大気温度の計測値に対応する前記パイロットバーナの燃空比を演算するステップと、
    演算された前記パイロットバーナの燃空比に基づき、前記パイロットバーナに供給するパイロット燃料流量を演算するステップと、
    演算された前記パイロット燃料流量に基づき、前記パイロット制御弁にパイロット制御信号を出力するステップと、
    演算された前記パイロット燃料流量を入力し、前記パイロットバーナの燃空比を演算するステップと、
    演算された前記パイロットバーナの燃空比を読み込み、前記パイロットバーナの燃空比と前記メインバーナの燃空比との予め決定された関係であるメイン燃空比の関係を記憶するメイン記憶部から前記メイン燃空比の関係を読み込んで、演算された前記パイロットバーナの燃空比に対応する前記メインバーナの燃空比を演算するステップと、
    演算された前記メインバーナの燃空比に基づき、前記メインバーナに供給するメイン燃料流量を演算するステップと、
    演算された前記メイン燃料流量に基づき、前記メイン制御弁にメイン制御信号を出力するステップと
    を備えることを特徴とするガスタービン燃焼器の制御方法。
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