JP6800458B2 - 3次元磁界検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、方位センサなどに用いられるX軸Y軸Z軸の3つの磁界検出素子の機能を一つの基板上に実現することにより、方位センサの高い感度、低いノイズ、広い測定レンジなどの基本性能を維持した状態で、3次元磁界検出素子の高さと縦幅と横幅を小さくすることを可能として、薄く小さく高性能な3次元磁界検出装置を可能にする技術に関するものである。
方位センサは、X軸、Y軸およびZ軸の3つの磁気センサ素子と集積回路を組み合わせて地磁気ベクトルを測定し、その値から方位を計算するものである。スマートフォン、タブレット、インターネットTVのリモコン、ゲーム、モーションキャプチャなどで、加速度センサ、振動式ジャイロセンサと組み合わせて3次元方位計として広く使用されているが、近年これらの装置の一層の高感度化、低ノイズ化、測定レンジの広域化とともに小型化、薄型化が強く要求されている。特にスマートフォンの薄型化に伴い、方位センサの高さを従来の1.0mmから0.6mmと40%以上の薄型化、サイズを従来の2.0mm角から1.5mm角と50%以上の小型化が求められている。またノイズに関しても、従来の10mG以下から1mG以下と10倍の性能向上が求められている。
方位センサには、磁界検出用素子としてホール素子、MR素子、MI(Magnet−Impedanceの略)素子、GSR(GHz−Spin−Rotationの略)素子が用いられる。通常、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向の磁界ベクトル成分Hx,Hy,Hzの強さを測定するために、X軸素子、Y軸素子、Z軸素子の3つの素子を用いて測定を行う。ホール素子の場合は素子面と垂直方向に磁界を検知するので、Z軸素子を面上に配置し、X軸素子、Y軸素子をセンサ基板に立てて組み付ける必要がある。一方、MR素子やMI素子などは素子面と平行な磁界を検知するので、X軸素子とY軸素子は面上に配置して、Z軸素子をセンサ基板に立てて組み付ける必要がある。3つの素子を使う限り、センサの高さが大きくなるという問題があった。
この問題に対して、旭化成(株)社がホール素子を使って、ひとつの基板上にZ軸素子4個を配置してX軸素子とY軸素子を使わない3次元磁界検出素子の開発に成功し、方位センサとして生産販売している。その3次元磁界検出素子の構造は、基板上にX軸方向とY軸方向にそれぞれ一対となるZX1素子とZX2素子および一対となるZY1素子とZY2素子をクロス状に配置しその中心部に磁性材料であるパーマロイの薄円盤を磁界変向体として配置したものである。この装置は、3次元の磁界ベクトルを、まずZ軸方向の磁界はZX1素子、ZX2素子、ZY1素子、ZY2素子の4つの出力を加算することによって検知し、X軸方向の磁界とY軸方向の磁界はそれぞれパーマロイ円盤によってZ軸方向に変向成分を発生させて、X軸方向の磁界はZX1素子とZX2素子の出力の差分で、Y軸方向の磁界はZY1素子とZY2素子の出力の差分で検知するものである。センサ基板上に立てる素子が無いので、高さは薄く、サイズは小さくすることができる。ホール素子のように素子面と垂直の磁界を検知することができる磁界検出素子は容易に装置を薄くできるが、ホールセンサなどのこの種の磁界検出素子は、ノイズが10mG程度と1mGの要求に対して大きすぎるという欠点があり、使用に当たっては大きな問題であった。
一方、MI素子はノイズ1mG以下に改善することは可能であるが、Z軸素子を基板面上に立てて組み付けた場合、MI素子の高さと検出感度は背反するためその高さを小さくすることは困難であった。というのは、MI素子は、アモルファスワイヤ等の感磁体に検出コイルを巻き付けたもので、感磁体に高周波のパルス電流等を流して、その時に発生する外部磁界に比例した検出コイル電圧を検知するものである。MI素子の検出感度はMI素子の長さやコイルの巻数に比例するので、検出磁界の方向に長さが必要なためである。
これに対して、特許文献1は、一つの基板上にX軸素子とY軸素子を配置してZ軸素子機能を備えた一体型のMIセンサ装置を記載している。基板面上にX軸方向とY軸方向にそれぞれ一対のX1素子とX2素子およびY1素子とY2素子をクロス状に配置しその中心点下部にパーマロイ心棒を磁界変向体として配置したものである。この装置は、3次元の磁界ベクトルを、まずX軸方向の磁界はX1素子とX2素子の出力を加算することによって検知し、Y軸方向の磁界はY1素子とY2素子の出力を加算することによって検知し、さらにZ軸方向の磁界はZ軸方向磁界をパーマロイ心棒によって平面方向に変向成分を発生させ、それをX1素子とX2素子の出力の差分とY1素子とY2素子の出力の差分とを加算することで検知するものである。
しかし、パーマロイ心棒によるZ軸方向磁界を平面方向に変向する力は極めて弱いため、長くて直径の大きなパーマロイを必要とし、装置の厚さは0.5mm以上必要で実用的でなかった。
特許文献2には、磁界検出素子軸と平行方向の磁界を検出するタイプの磁界検出素子を使って、基板面上に4つの磁界検出素子を、原点を中心にして第1軸方向に沿って2つ、第1軸と交差する第2軸方向に沿って2つ配置し、さらに原点の下部の基板内と4つの素子の原点と反対側の端部の上部に軟磁性体を配置した構造による磁界検出素子と軟磁性体の間に磁気回路を形成する磁界検出ユニットを有することによって、4つの磁界検出素子の出力からX軸、Y軸およびZ軸方向の磁界の強さを効果的に検出する3次元磁界検出素子を記載している。
その素子の上部の軟磁性体の高さは0.05mmから0.2mm程度であり、下部の軟磁性体も同様の大きさとして、上部の軟磁性体と磁界検出素子と下部の軟磁性体の3つの部品はクランク状に配置されている。
そのクランク状の磁気回路の機能は、Z軸方向の磁界は素子の片方の端にある軟磁性体から素子の中の感磁体を通過して、他方の軟磁性体に流れる。Z軸方向の磁界はX軸とY軸の方向に変向されて各素子の中の感磁体を通過するため、各素子はZ軸方向の磁界に比例した強い磁界を検出できることになる。このことにより、両端にある軟磁性体が小さくても、大きな出力を得ることができる。従って、この磁気回路を活用すれば3次元磁界検出素子の高さを、特許文献1の0.5mmレベルから0.10mm〜0.30mm程度の小さなものにすることができる。
しかし、特許文献1の検出力と比べれば遙かに効果的な検出ができるものの、X軸方向およびY軸方向の磁界検出感度に比べて十分なZ軸方向の磁界検出感度を得るのは困難である。十分なZ軸方向の磁界検出感度を得るには、各軟磁性体を大きくする必要があるが、そうすると大型化した軟磁性体がX軸方向およびY軸方向の磁界に対しても磁気回路を形成してX軸方向およびY軸方向の磁界を過度に集めて検出してしまうことでZ軸方向の磁界検出力との釣り合いが悪くなり、さらにX軸方向およびY軸方向の測定レンジが狭くなってしまう問題があった。また複雑な形状と大きな部品により製造上にも困難が生じる問題があった。
WO2010/110456 特許第6021239号
本発明者らは、電子コンパス搭載モバイル機器の薄型化に鑑み、3次元磁界検出素子の高さを0.10mm以下で、しかもZ軸方向の磁界検出感度がX軸およびY軸方向の磁界検出感度と等しくなる3次元磁界検出素子を実現することを目指すことにした。従来の磁界変向体や磁気回路の構造では、非常に薄い素子構造ではZ軸方向の磁界検出感度をX軸およびY軸方向の磁界検出感度と等しくすることは困難であった。
本発明者は、基板面を広く覆う軟磁性体プレートでZ軸方向の磁界を効果的に集磁することを思いつき、磁界検出素子を配置する面(以下、磁界検出素子配置面という。)の下部と上部に、磁界検出素子配置面と平行に軟磁性体プレートを設けて、磁界検出素子配置面において原点を中心に点対称で配置された各磁界検出素子の中心寄りの端部と下部の軟磁性体プレートを磁気的に接続し、各磁界検出素子の他方の端部と上部の軟磁性体プレートを磁気的に接続することで、Z軸方向に広い集磁面と放磁面を有した磁気回路を形成して、Z軸方向の磁界を効果的に検出するとともにX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の磁界検出感度を同等として、さらに3次元磁界検出素子の高さを非常に小さくすることを考案した。
また、磁界検出素子は、小型、高感度、低ノイズ、ワイドレンジを実現できるGSR素子を対象としているが、感磁体として導電性ワイヤ(磁性ワイヤという)を使用し、磁気回路を形成することができるFGセンサ素子やMIセンサ素子にも適用可能である。
第1の発明は、基板面上に磁界検出素子配置面と平行方向の磁界を検出するタイプの4つの磁界検出素子を、基板の原点を中心とした点対称の位置に、X軸方向の磁界を検出するために2つ、Y軸方向の磁界を検出するために2つを配置し、磁界検出素子配置面と平行に、磁界検出素子配置面の下部に下部軟磁性体プレート、4つの磁界検出素子の上部に4つの上部軟磁性体プレートをそれぞれ配置して、原点位置において下部軟磁性体プレートと4つの磁界検出素子の感磁体とを下部軟磁性体を介して磁気的に接続し、原点と反対側の端部で4つの磁界検出素子の感磁体と4つの上部軟磁性体プレートとを上部軟磁性体ワイヤを介して磁気的に接続して、Z軸方向磁界を上部と下部の軟磁性体プレートの一方で効果的に集磁して、X軸方向およびY軸方向の各素子の感磁体に磁束を流し、他方の軟磁性体プレートで放磁する磁気回路を形成することで、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3つの方向の磁界成分を測定し、原点位置における磁界ベクトルを検出することを特徴とする3次元磁界検出素子である。
ここで、下部軟磁性体とは下部軟磁性体プレートと磁界検出素子を構成する感磁体とを接続する軟磁性体をいい、上部軟磁性体とは上部軟磁性体プレートと磁界検出素子を構成する感磁体とを接続する軟磁性体をいう。
この磁気回路は、下部と上部の軟磁性体プレートで、基板全面の広い面積を大胆に使ってZ軸方向の磁束を多く集磁・放磁することで、効果的にZ軸方向磁界の検出を可能とするものである。X軸、Y軸、Z軸方向の磁界検出素子の磁界検出感度を等しくすることが望ましいが、違いがある場合は、電子回路および補償プログラムで調整するものとする。
磁界検出素子は、出力用の+側電極と−側電極と内部の感磁体である磁性ワイヤへの通電用の+側電極と−側電極の4つの電極を有しており、基板面上の磁界検出素子と外部の電子回路を接続するための電極のために基板上に電極面が必要であり、上部軟磁性体プレートはこの電極面を覆わないように配置する必要がある。各磁界検出素子内部の磁性ワイヤへの通電用の−側電極については、原点位置に電極を設けて、4つの磁界検出素子で共通として、残りの各3つ、合計12個の電極は原点対称に基板面上に配置し、磁界検出素子と基板面上で配線する必要がある。
上部軟磁性体プレートは、各磁界検出素子内部の磁性ワイヤの原点と反対側の端部で接続される。つまり、磁性ワイヤの+側電極配線部近辺に上部軟磁性体プレートが接続されるため、上部軟磁性体プレート同士が接触すると、各磁界検出素子が電気的に短絡してしまうため、4つの上部軟磁性体プレートは互いに接触してはならない。
上記の通り、電極のための空間の確保、電気的短絡の防止のため、上部軟磁性体プレートが使うことのできる面積は限られている。これによりZ軸方向の磁界検出力が落ちてしまうが、下部軟磁性体プレートの面積を4つの上部軟磁性体プレートの総面積よりも広く取ることでZ軸方向の磁界検出力を保つことができる。また、各磁界検出素子へ流れる磁束を安定させるためには磁気回路が対称であることが必要である。上部軟磁性体プレートが原点を中心に点対称な形状で配置されることから、電極のための空間も原点を中心とした点対称な形状で確保することができるので、各磁界検出素子への電極配線も原点を中心とした点対称な形状とすることが望ましい。
なお、製造上の都合その他の事情で、理想的な点対称が確保できない場合、X軸、Y軸、Z軸の感度について、感度の増減および相互干渉が生じる。それらの問題については感度補償および相互干渉補償することで解決することが望ましい。
すなわち、第2の発明は、外部の電子回路と接合可能な空間を、原点を中心とした点対称形状で有し、かつ下部軟磁性体プレートの面積を上部の4つの軟磁性体プレートの総面積よりも広くとることで、下部軟磁性体プレートと4つの磁界検出素子と上部軟磁性体プレートで形成される磁気回路により、効果的にZ軸方向磁界を検出し、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3つの方向の磁界成分を同じ感度で測定し、原点位置における磁界ベクトルを検出することを特徴とする3次元磁界検出素子である。
この基板面上に4つの磁界検出素子配置面と平行方向の磁界を検出するタイプの磁界検出素子を配置して、磁界検出素子配置面と平行に、磁界検出素子配置面の上部と下部に軟磁性体プレートを配置する3次元磁界検出素子においては、磁界検出素子と軟磁性体プレートが近接しており、さらに磁界検出素子と軟磁性体プレートが磁気的に接続して磁気回路を形成していることから、各軟磁性体プレートが各磁界検出素子の磁気感度に与える影響を無視することはできない。
上部軟磁性体プレートと下部軟磁性体プレートの面積の大小はZ軸方向の磁束を集める能力に直結しており、両者ともに面積が大きくなるほどZ軸方向の磁束を多く集め、多くの磁束を各磁界検出素子に流すため、Z軸方向の磁気感度が高くなり、面積が小さいほどZ軸方向の磁束を少ししか集められなくなるため、少しの磁束しか各磁界検出素子に流れなくなり、Z軸方向の磁気感度が低くなる。
X軸方向およびY軸方向の磁気感度への影響については、磁界検出素子と上部軟磁性体プレートと下部軟磁性体プレートの各々の形状と位置関係が関係している。
X軸方向およびY軸方向の磁束は、磁界検出素子内部の磁性ワイヤおよび上部軟磁性体プレート、下部軟磁性体プレートに沿って流れるが、上部と下部の軟磁性体プレートが磁束を吸収するため、上部と下部の軟磁性体プレートが存在しない場合よりも、磁性ワイヤに流れる磁束が減少するが、上部と下部の軟磁性体プレートと磁性ワイヤとから磁気回路を形成することで磁束の増減を防ぐことができる。
上部軟磁性体プレートは、それぞれ各磁界検出素子の原点と反対側の端部で接続されており、磁界検出素子とともに各軸方向で原点を中心に点対称で配置されており、X軸方向およびY軸方向の磁束を集磁すると、他方の磁界検出素子と上部軟磁性体プレートに向かって磁束を流す磁気回路を形成し、集磁された磁束の一部が磁界検出素子内部の磁性ワイヤに流れ込んで各軸方向に流れる磁束を増加させるため、X軸方向およびY軸方向の磁界検出素子に対する増幅器として働く。上部軟磁性体プレートが吸収する磁束の量は、上部軟磁性体プレートの大きさによって決まるため、上部軟磁性体プレートが大きいほど磁界検出素子に流れる磁束が増えて、X軸方向およびY軸方向のる磁気感度が高くなる。
下部軟磁性体プレートは、各磁界検出素子の原点側の端部で接続されているが、X軸方向およびY軸方向の磁界に対しては、下部軟磁性体プレートは、上記の上部軟磁性体プレートと磁界検出素子とで形成される磁気回路の主な流路である各磁界検出素子内部の磁性ワイヤよりも下部にあり、かつX軸方向およびY軸方向の磁界に対して平行な平面上に広がっているため、高さの異なる平面上にある磁性ワイヤよりも同一平面上のプレート内部の方へ磁束が流れやすいため、下部軟磁性体プレートが一方の端部から集磁した磁束は、ほとんど各磁界検出素子内部の磁性ワイヤに影響を与えずに他方の端部へと通過して放磁される。つまり、下部軟磁性体プレートは磁界検出素子内部の磁性ワイヤに対する磁束の迂回路となって磁性ワイヤに流れる磁束を減少させるため、各磁界検出素子に対する減衰器として働く。下部軟磁性体プレートを大きくするほどX軸方向およびY軸方向の磁気感度が低くなる。
上記の通り、上部軟磁性体プレートを大きくするとZ軸方向の磁気感度が高まるが、X軸方向およびY軸方向の磁気感度に増幅がかかる。過度に磁気感度が増幅されることは、各軸方向の磁気感度の不均衡や測定レンジの縮小につながるため望ましくない。また、下部軟磁性体プレートを大きくすると、Z軸方向の磁界成分の検出力が高まるが、X軸方向およびY軸方向の磁気感度に減衰がかかる。磁界検出素子としては高感度が望まれており、磁気感度に減衰がかかるのは望ましくない。
そこで、この3次元磁界検出素子において、上部軟磁性体プレートと下部軟磁性体プレートの形状を調整することで、上部軟磁性体プレートがX軸方向およびY軸方向の磁気感度に増幅をかける効果と、下部軟磁性体プレートがX軸方向およびY軸方向の磁気感度に減衰をかける効果がちょうど打ち消し合い、かつZ軸方向の磁気感度とX軸方向およびY軸方向の磁気感度が同じとなるようにした。
つまり、X軸方向およびY軸方向の各磁界検出素子が、磁気回路を構成する軟磁性体が存在しない時のX軸方向の磁界およびY軸方向の磁界を受けて出力する値を1とすると、この3次元磁界検出素子としては、各軸方向に配置された2つの磁界検出素子の出力を加算して出力とするため、3次元磁界検出素子としてのX軸方向およびY軸方向の出力は2となり、Z軸方向の磁界を磁気回路によって各磁界検出素子に流すことによって各磁界検出素子で得られるZ軸方向磁界分の出力をΔZとすると、4つの素子の出力を加算して出力とするため、3次元磁界検出素子としてのZ軸方向出力は4ΔZであるから、4ΔZ=2つまりΔZ=0.5であればよいから、各磁界検出素子の各軸方向の感度とZ軸方向の感度との比が1:0.5となり、かつ各磁界検出素子の各軸方向の磁気感度を増幅も減衰もしないように、上部軟磁性体プレートと下部軟磁性体プレートの形状を調整した。
なお、3次元磁界検出装置においては電子回路の増幅度により磁気感度の調整ができるため、3次元磁界検出素子においてZ軸方向の磁気感度とX軸方向およびY軸方向の磁気感度が同じとは、X軸方向およびY軸方向の磁気感度に対するZ軸方向の磁気感度の比が、理想的な感度比の±70%の範囲に収まると言う意味である。つまり、ΔZは0.35から0.85の範囲が許容される。
X軸、Y軸、Z軸方向の素子の磁界検出感度を上記のように調整することによって、この3次元磁界検出素子によって構成される3次元磁界検出装置は、3次元の磁界ベクトルを、まずX軸方向の磁界はX1素子とX2素子の出力を加算することによって検知し、Y軸方向の磁界はY1素子とY2素子の出力を加算することによって検知し、さらにZ軸方向の磁界は、集磁したZ軸方向磁界を磁気回路によってX軸方向およびY軸方向に変向して各磁界検出素子に流して、X1素子とX2素子の出力の差分とY1素子とY2素子の出力の差分とを加算することで検知することができる。
すなわち、第3の発明は、基板面上に4つの磁界検出素子配置面と平行方向の磁界を検出するタイプの磁界検出素子を配置して、磁界検出素子配置面と平行に、磁界検出素子配置面の上部と下部に軟磁性体プレートを配置して磁気回路を形成する3次元磁界検出素子において、各軟磁性体プレートがX軸方向およびY軸方向の磁気感度に与える影響を打ち消し、かつZ軸方向の磁界を効果的に検出して、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の各軸方向の磁気感度が等しいことを特徴とする3次元磁界検出素子である。
下部軟磁性体プレートと上部軟磁性体プレートは、それぞれ磁界検出素子配置面と平行に磁界検出素子配置面の下部と上部に配置されるが、3次元磁界検出素子としては薄型化が望まれており、下部軟磁性体プレートと上部軟磁性体プレートの間の距離は小さい方が望ましい。
しかし、各磁界検出素子と各軟磁性体プレートは、その接続部において、磁界検出素子と軟磁性体プレートの間に軟磁性体を配置することで磁気的に接続するが、この軟磁性体の高さが小さいと反磁界が強くなるため磁気抵抗が大きくなって、磁気回路を流れる磁束が減少して、Z軸方向の磁気感度が減少してしまうため、各磁界検出素子と各軟磁性体プレートを接続する軟磁性体はある程度の高さが必要となる。
そこで、各軟磁性体プレートを大きくして、集磁面および放磁面をさらに大きくして磁気回路に流れる磁束を増やすことによって、軟磁性体の高さが小さくなることで磁気回路に磁束が流れにくくなる効果を上回るほどの磁束を磁気回路に流し込めば、Z軸方向の磁気感度を減少させることなく、下部軟磁性体プレートと上部軟磁性体プレートの間の距離を小さくすることができる。
磁性ワイヤの直径が10μmの場合、両軟磁性体プレートは基板面から5μm以上離れていることが必要であるので、両軟磁性体プレート間の距離は最低でも0.01mm以上となる。両軟磁性体プレート間の距離が大きいほどZ軸の感度を容易に増加させることができるが、極力小さくすることを目標とする場合には、0.08mm以下が望ましい。
すなわち、第4の発明は、基板面上に磁界検出素子配置面と平行方向の磁界を検出するタイプの4つの磁界検出素子を配置して、磁界検出素子配置面と平行に、磁界検出素子配置面の上部と下部に軟磁性体プレートを配置して磁気回路を形成する3次元磁界検出素子において、各磁界検出素子と各軟磁性体プレートを磁気的に接続する接続部に配置される軟磁性体の高さを小さくして下部軟磁性体プレートと上部軟磁性体プレートの間の距離を0.01mm以上で0.08mm以下と縮小して、全体の高さを低くすることができることを特徴とする3次元磁界検出素子である。
第4の発明のサイズは、前記3次元磁界検出素子は、長さ0.2mm以上で1.0mm以下、幅0.2mm以上で1.0mm以下,および厚さ0.01mm以上で0.35mm以下で、下部軟磁性体プレートの下面から上部軟磁性体プレートの上面までの高さが0.01mm以上で0.08mm以下である。
この3次元磁界検出素子において、下部軟磁性体プレートの配置にあたっては、基板上の磁界検出素子配置位置以外の広い面積を有する領域を掘り下げて、そこに下部軟磁性体プレートを形成する掘り下げ方式や、基板上の広い領域に下部軟磁性体プレートを形成してから樹脂等で磁界検出素子配置面を形成する積み上げ方式が考えられる。
磁界検出素子配置面上に外部の電子回路と接続するための電極を十分広い空間に配置し、電極が配置されている磁界検出素子配置面から上部軟磁性体プレートの上面までの高さが十分小さければ、この3次元磁界検出素子と外部の電子回路である集積回路チップをフリップチップはんだ接合することが可能となり、3次元磁界検出素子と外部の電子回路との簡単に接続することができる。集積回路チップと3次元磁界検出素子を接続して構成した3次元磁界検出装置全体としての薄型化が可能となる。
また、集積回路チップ上に直接3次元磁界検出素子を形成することも考えられる。
この場合は、集積回路チップ上面に上部軟磁性体プレートを形成し、その上に樹脂等で磁界検出素子配置面を形成、磁界検出素子配置後さらに上部に下部軟磁性体プレートを配置して、各磁界検出素子と集積回路チップの間を直接配線メッキ接合で接続することで、集積回路チップと3次元磁界検出素子とが一体化した3次元磁界検出装置を構成する。これにより、さらに薄型化が可能となる。
なお、集積回路チップを底として上に積み上げていく方式において、3次元磁界検出素子の外部の電子回路との接続側つまり集積回路チップに面した側が3次元磁界検出素子の上部となる定義であるため、集積回路チップに近い側つまり下側に上部軟磁性体プレート、集積回路チップから遠い側、つまり上側に下部軟磁性体プレートと言う表記の逆転があるが、3次元磁界検出素子の構造は同じである。
上記の通り、第5の発明は、集積回路チップ上に3次元磁界検出素子を形成して、直接配線メッキ接合することを特徴とする3次元磁界検出装置である。
実施例1に係る3次元磁界検出素子のXY平面図である。 実施例1に係る3次元磁界検出素子のZX平面図である。 GSR素子の基本構造を示す平面図である。 実施例1に係るZ軸方向磁界に対する磁気回路のZX平面図である。 実施例1に係るX軸方向磁界に対する磁気回路のZX平面図である。 実施例1に係る磁界検出素子の電子回路図である。 実施例1に係る3次元磁界検出素子の電子回路図である。 実施例1に係る3次元磁界検出素子と外部の電子回路との接合の図である。 実施例2に係る3次元磁界検出素子のXY平面図である。 実施例3に係る3次元磁界検出素子と外部の電子回路との接合の図である。
発明の実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。
本発明の3次元磁界検出素子は、
基板面上に、または基板を用いないで集積回路チップ上に(以下、基板等という。)磁界検出素子配置面と平行方向の磁界を検出するタイプの4つの磁界検出素子を、基板等の原点を中心とした点対称の位置に、X軸方向の磁界を検出するために2つ、Y軸方向の磁界を検出するために2つを配置し、磁界検出素子配置面と平行に、磁界検出素子配置面の下部に下部軟磁性体プレート、4つの磁界検出素子の上部に4つの上部軟磁性体プレートを配置して、原点位置において下部軟磁性体プレートと4つの磁界検出素子の感磁体とを下部軟磁性体を介して磁気的に接続し、原点と反対側の端部で4つの磁界検出素子の感磁体と4つの上部軟磁性体プレートとを上部軟磁性体を介して磁気的に接続して、Z軸方向磁界を上部と下部の軟磁性体プレートの一方で効果的に集磁して、X軸方向およびY軸方向の各磁界検出素子の感磁体(磁性ワイヤ)に磁束を流し、他方の軟磁性体プレートで放磁する磁気回路を形成することで、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3つの方向の磁界成分を測定し、原点位置における磁界ベクトルを検出するものである。
また、本発明の3次元磁界検出装置は、
集積回路チップと、
前記集積回路チップの上面に、前記集積回路チップの原点を中心とする点対称の位置に、X軸方向の磁界方向に形成された2つの上部軟磁性体プレートとY軸方向の磁界方向に形成された2つの上部軟磁性体プレートとからなる4つの上部軟磁性体プレートと、前記上部軟磁性体プレートの上部に4つの前記上部軟磁性体プレートに対応して配置された前記X軸方向の磁界を検出するための2つの磁界検出素子と前記Y軸方向の磁界を検出するための他の2つの磁界検出素子とからなる4つの磁界検出素子と、4つの前記磁界検出素子が配置されている面(磁界検出素子配置面という。)の上部に形成された1つの下部軟磁性体プレートと、4つの前記上部軟磁性体プレートの原点とは反対側の端部と4つの前記磁界検出素子の感磁体の端部とを磁気的に接続する上部軟磁性体と、4つの前記磁界検出素子の4つの前記感磁体の他方の端部と前記下部軟磁性体プレートの中心部とを磁気的に接続する下部軟磁性体とを備えることにより、
前記下部軟磁性体プレートと前記下部軟磁性体と前記磁界検出素子の前記感磁体と前記上部軟磁性体と前記上部軟磁性体プレートとからなる磁気回路を形成し、
前記集積回路チップと前記磁界検出素子とを接合する配線とからなることを特徴とする。
これにより、直接、集積回路チップ上にX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の磁界を検出する3次元磁界検出素子を形成することにより、3次元磁界検出装置の薄型化が可能となる。
この3次元磁界検出素子中の各磁界検出素子としてはGSR素子が望ましい。GSR素子は磁気に感応して電子スピンの回転を生じ得る感磁体とその感磁体の磁気変化を検出する検出手段を有しており、感磁体はその材質や形態を問わない。また、検知手段は感磁体の周囲に巻回され、磁束量変化に応じた起電力を出力する検出コイルである。感磁体は通常はアモルファスワイヤ等の軟磁性材からなり、相応の長さを有するワイヤまたは薄膜からなる。感磁体は、磁界検出能力、強度、コスト等の点で、特に零磁歪のアモルファスワイヤが好ましい。
上部軟磁性体プレートおよび下部軟磁性体プレート(以下、軟磁性体プレートという。)は、基板等の原点を中心とした点対称の位置でX軸方向磁界に配置されたX1素子、X2素子、Y軸方向磁界に配置されたY1素子、Y2素子、また各素子と各軟磁性体プレートを接続する軟磁性体(上部軟磁性体および下部軟磁性体)により磁気回路を形成し、Z軸方向磁界をX軸方向およびY軸方向に変向して各素子に流すことでZ軸方向磁界の強さを効果的に検出することを可能とする。軟磁性体プレートおよび接続部の軟磁性体は、このような磁気回路形成が可能である限り、軟磁性体の材質は問わない。軟磁性体としては、高透磁率であるほど、集磁効果が大きいので、通常はパーマロイ合金が望ましい。
軟磁性体プレートの形状は、その面積が広いほどプレート面に垂直な方向の磁束を多く集磁することができるので、できるだけ面積が広いことが好ましいが、GSR素子内の感磁体の端部に近づくほど、基板面上の感磁体が集磁すべき磁束を軟磁性体プレートが吸収してしまってGSR素子の磁気感度に与える影響が大きくなってしまう。そのため、感磁体の端部付近では軟磁性体プレートに切り込みを入れるなどの方法で、GSR素子の磁気感度に与える影響をコントロールすることが好ましい。
また、軟磁性体プレートの厚さは、薄い方が軟磁性体プレート面の垂直方向に対する反磁界が強くなり水平方向に磁束を流しやすくなるので、磁気回路の磁気抵抗を下げて、効果的に磁束を集めることができるようになり、かつ水平方向に対する面積が減るため、水平方向磁束の吸収量が減って、GSR素子の磁気感度に与える影響が小さくなる。さらに、プレートが薄い方が3次元磁界検出素子全体の高さを縮小するのに有利であるから、軟磁性体プレートは薄い方が好ましい。ただし、あまりにも薄い場合にはプレート面の垂直方向に対する反磁界が強くなりすぎて磁束を集めにくくなってしまうので、適切な厚さが必要である。この厚さは0.005mmから0.020mm程度が望ましい。
本発明において2つのX軸素子と2つのY軸素子は直交する第1軸、第2軸に配置されるので、各素子が配置される各軸がなす角度は直角であるべきである。しかし、その角度にずれがある場合には、そのずれ角度を測定して補正演算を加えることで対応することができる。
対称に配置されるGSR素子同士または磁気回路を形成する上部軟磁性体プレートまたはGSR素子内部の感磁体と各軟磁性体プレートとの各接続部の軟磁性体は、それぞれ感応特性、検出特性または集磁特性などが、実質的に同一であり、磁気回路として対称性を持つことが望ましい。特性が異なる場合は、各素子の測定値は電子回路と演算処理装置に送られて補正して同一化することによって処理することができる。
いずれにせよ、X軸方向の一対のGSR素子またはY軸方向の一対のGSR素子と、磁気回路の対称性を巧みに利用して、演算式中の補正係数または補正項等を簡略化できるようにすることが、高精度な磁界検出を容易にすることができるため好ましい。
本発明は、Z軸方向の磁界を基板上に設置したX軸素子とY軸素子と軟磁性体プレートとで磁気回路を形成することによって検出するため、3次元磁界検出装置の小型化または薄型化を図れる点に特徴がある。本発明の3次元磁界検出素子と外部の電子回路である集積回路チップとの配線は、ワイヤボンディングによって行うこともできるが、ワイヤボンディングのために余分に面積と高さが必要となり、3次元磁界検出素子の面積が小さく各電極同士が近接していることもあって製造上の困難も生じる。そこで、この3次元磁界検出素子は集積回路チップ上に積層してフリップチップはんだ接合をするか、または直接集積回路チップ上に3次元磁界検出素子を形成し、集積回路チップの電極と磁界検出素子の電極との配線は両者間をメッキや蒸着により接合することが、全体的な小型化または薄型化を進めるために望ましい。
また、集積される層は、3次元磁界検出素子と集積回路チップ層には限らない。本発明の3次元磁界検出素子は加速度センサ、温度センサなどと積層されて複合型センサとして組み立てて使用できる。
図面を参照しつつ以下に挙げる実施例に基づいて詳細に説明する。
[実施例1]
実施例1に係る3次元磁界検出素子1を図1に示す。図1(a)は3次元磁界検出素子1のXY平面図であり、図1(b)は図1(a)から抜き出した下部軟磁性体プレートの図である。図2は3次元磁界検出素子1をY軸方向から見たZX平面図であり、簡単のためY軸方向の構造物は省略している。図3はGSR素子の基本構造を示す平面図である。
3次元磁界検出素子1は、地磁気など微小磁界を検出することができる4つのGSR素子2、すなわちX1素子2X1、X2素子2X2、Y1素子2Y1、Y2素子2Y2と、それら4つのGSR素子2が配置された基板10上の磁界検出素子配置面12と、磁界検出素子配置面12を掘り込んで設けた広いくぼみの中に配置された下部軟磁性体プレート11と、基板の中心である原点位置で下部軟磁性体プレート11と各GSR素子2内部の感磁体である磁性ワイヤ21を接続する軟磁性体(下部軟磁性体)31と、各GSR素子2を覆うように配置された4つの上部軟磁性体プレート13と、磁性ワイヤ21と上部軟磁性体プレート13を、磁性ワイヤ21の基板10の外縁側の端部で接続する軟磁性体(上部軟磁性体)32からなる3層構造、つまり下部軟磁性体プレート11、磁界検出素子配置面12および上部軟磁性体プレート13からなる3層で、層間が軟磁性体3によって接続されている3層構造および、下部軟磁性体プレート11が設けられたくぼみを絶縁性材料で埋めて磁界検出素子配置面12と同じ高さとして、そこを電極配置面14として、そこに配置された各GSR素子2の電極22からなる。
電極22は、基板10の原点位置に、4つのGSR素子2の感磁体である磁性ワイヤ21それぞれに共通の−側電極となる電極パッド221が配置され、電極配置面14の外縁部寄りに各磁性ワイヤ21の+側電極となる電極パッド222が配置され、磁性ワイヤ21を挟んで電極パッド222が配置された電極配置面14と向かい合う位置の電極配置面14に、磁性ワイヤ21沿いにGSR素子2の検出コイルの+側と−側の2つの電極223が並べて設置される。また、図8で示すように、電極22に接合用のはんだパッドを設置することで、外部の電子回路である集積回路チップ5とフリップチップはんだ接合8によって連結できる。
下部軟磁性体プレート11は、基板10に4つの開口部の大きさ260μm角、深さ20μmの広く浅い穴を掘り込んでくぼみとし、その底全体に、メッキ法で厚さ10μmにて45at%Ni−Fe組成の4つのパーマロイ合金のプレートを形成し、さらに原点位置に深さ10μm、大きさ80μm角の穴を掘り込んでくぼみとし、4つに分かれているプレートを原点位置のくぼみを介して接合するように45at%Ni−Fe組成のパーマロイ合金の厚さ5μmの磁性膜をメッキ法で形成することで、1つの下部軟磁性体プレート11となるものである。
下部軟磁性体プレート11と磁性ワイヤ21を接続する軟磁性体(下部軟磁性体)31は、原点位置のくぼみの底から、磁性ワイヤ21と接触するようにメッキ法で大きさ20μm角、高さ10μmで形成される45atNi−Fe組成のパーマロイ合金である。
上部軟磁性体プレート13と磁性ワイヤ21を接続する軟磁性体(上部軟磁性体)32は、磁性ワイヤ21の基板10の外縁側の端部に、磁性ワイヤ21からメッキ法で大きさ20μm角、高さ10μmで形成される45at%Ni−Fe組成のパーマロイ合金である。
上部軟磁性体プレート13は、軟磁性体(上部軟磁性体)32の上面と接触するように、メッキ法で厚さ5μm、基板10の外縁沿いの長さである横幅が100μm、磁性ワイヤ21沿いの長さである縦幅が175μmの45at%Ni−Fe組成のパーマロイ合金のプレートを形成するものである。
下部軟磁性体プレート11、上部軟磁性体プレート13、軟磁性体3は、純Ni、純鉄、他組成のパーマロイ合金、センダスト、パーメンジュール等の公知軟磁性材料を使用することができる。
GSR素子2の構造について、図3を用いて説明する。
4つのGSR素子は同じ構造を有しており、その構造は直径10μm、長さ300μmの上記磁性ワイヤ21であるアモルファスワイヤを中心部に配置し、その周りを内径16μm、コイルピッチ5μm、巻数30回の検出コイル23を配置し、さらに磁性ワイヤ21と検出コイル23の両端にはそれぞれ電極端子であるワイヤ接続用端子24と検出コイル接続用端子25が取り付けられている。ワイヤ用接続端子24は電極221および222に接続され、検出コイル用端子25は電極223に接続されている。GSR素子2は4つの電極22をそれぞれ使って、外部の電子回路(図示せず)に対応している。各GSR素子2の上記各端子と外部電子回路の各端子とは、電極パッドで電気的に接合される。
本実施例1の基板上に配置されたGSR素子2X1、2X2、2Y1、2Y2の4つの素子と原点位置で接続される下部軟磁性体プレート11と各素子の外縁側の端部で接続される4つの上部軟磁性体プレート13によって磁気回路を形成して、Z軸方向の磁界の強さを効果的に検出することを可能にする。
この磁気回路のZ軸方向の磁界に対する機能について図4を使って説明する。
Z軸方向の磁界Hzは軟磁性体3、軟磁性体プレート11および13を磁化する。各軟磁性体および軟磁性体プレートの下面がS極となるとすると、下部軟磁性体プレート11の下面が集磁面となって集めた磁束は、プレート面に垂直な方向に対する強い反磁界と、プレート11の中心部に接続されて磁束を吸い寄せる軟磁性体31のS極によって、プレート11の面に対して平行にプレート11の中心部に向かう方向に変向され、軟磁性体31を通して磁界検出素子配置面12へと上がり、軟磁性体31のN極で接続されているX軸およびY軸方向の磁性ワイヤ21に向けて流れ込み、磁性ワイヤ21の他方の端部で上部軟磁性体プレート13と接続する軟磁性体32のS極へと流れ込み、軟磁性体32のN極から上部軟磁性体プレート13へ流れ込んで、上部軟磁性体プレート13から放磁される。
この時、GSR素子の磁性ワイヤ21には、Z軸方向磁界に比例した強い磁界が流れることになり、この磁気回路形成によって効果的に大きなZ軸方向の磁気感度を得ることができる。下部軟磁性体プレート11の下面から上部軟磁性体プレート13の上面までの高さは、磁界検出素子配置面12から掘り込んだ20μm、磁性ワイヤ21が磁界検出素子配置面12から飛び出す高さ5μm、軟磁性体32、上部軟磁性体プレート13の厚さ5μmを合わせて40μmとなり、下部軟磁性体プレート11は基板10を掘り込んで配置されるため、3次元磁界検出素子1の実質の高さは磁界検出素子配置面12から上部軟磁性体プレート13の上面までの高さ20μmであり、基板10の厚さ0.1mmも合わせて、3次元磁界検出素子1全体の高さを0.12mmとすることができた。
この磁気回路のX軸方向およびY軸方向の磁界に対する機能について、図5を使って説明する。
X軸方向の磁界Hxは軟磁性体3、軟磁性体プレート11および13、X1素子とX2素子の磁性ワイヤ21を磁化する。各磁性体の図5中の左側をS極とすると、まずS極側の上部軟磁性体プレート13が集磁した磁束の一部が軟磁性体(上部軟磁性体)32を通って磁性ワイヤ21に流れ込み、集磁側の磁性ワイヤ21を通った磁束は原点位置で軟磁性体31および下部軟磁性体プレート11の中心部を介して放磁側の磁性ワイヤ21に流れ込み、N極となる右側端部で軟磁性体(上部軟磁性体)32および上部軟磁性体プレート13から放磁される。上部軟磁性体プレート13と磁性ワイヤ21は磁気回路を形成し、磁性ワイヤ21に流れる磁束を増加させてX軸方向の磁気感度に対する増幅器として働き、この効果の大きさは上部軟磁性体プレート13の形状によって決まる。
一方、下部軟磁性体プレート11は、上記の上部軟磁性体プレート13と磁性ワイヤ21とで形成される磁気回路の主な流路である磁性ワイヤ21よりも下部にあり、かつX軸方向の磁界に対して平行な平面上に広がっているため、高さの異なる平面上にある磁性ワイヤ21よりも同一平面上のプレート11内部の方へ磁束が流れやすいため、下部軟磁性体プレート11のS極が集磁した磁束は、ほとんど磁性ワイヤ21に影響を与えずに下部軟磁性体プレート11のN極へと通過して放磁される。つまり、下部軟磁性体プレート11は磁性ワイヤ21に対する磁束の迂回路となって磁性ワイヤ21に流れる磁束を減少させるため、X軸方向の磁気感度に対する減衰器として働き、この効果の大きさは下部軟磁性体プレート11の形状によって決まる。
上記のことは、Y軸方向の磁界に対しても同じである。
上部軟磁性体プレート13と下部軟磁性体プレート11、磁性ワイヤ21が形成する磁気回路のX軸方向およびY軸方向の磁界に対する機能は、上記の通り上部軟磁性体プレート13の形状により増幅器としての効果があり、下部軟磁性体プレート11の形状により減衰器としての効果があるので、この両者の効果を打ち消しあわせて、磁性ワイヤに影響を与えないようにすることである。つまりX軸方向およびY軸方向の磁気感度に影響を与えないことである。
4つのGSR素子2の出力は個々に測定され、X1素子2X1、X2素子2X2、Y1素子2Y1、Y2素子2Y2の各素子の測定値をHx1、Hx2、Hy1、Hy2とすると計算処理によって、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の磁界の強さHx、Hy、Hzが算出される。
上述のように、X1素子2X1、X2素子2X2、Y1素子2Y1、Y2素子2Y2は原点を中心とした点対称に配置され、下部軟磁性体プレート11が集磁した磁束は原点から各磁界検出素子の磁性ワイヤに点対称で流れ込むと言う磁気回路が形成されているので、Z軸方向の磁界は、X1素子2X1とX2素子2X2およびY1素子2Y1とY2素子2Y2に、それぞれ対向する向きで影響する。つまり、X1素子2X1とX2素子2X2およびY1素子2Y1とY2素子2Y2のZ軸方向の磁界成分に対応した出力は、Z軸方向の磁界の強さに比例し、その符号は反対である。
よって、Z軸方向の磁界により各素子の出力が変化した分をΔZとし、本来の出力をHx’、Hy’とすると、以下の通りである。
Hx1=Hx’+ΔZ
Hx2=Hx’−ΔZ
Hy1=Hy’+ΔZ
Hy2=Hy’−ΔZ
これらの値の内、X軸方向の磁界の強さに比例した値がHx’、Y軸方向の磁界の強さに比例する値がHy’、Z軸方向の磁界の強さに比例する値がΔZである。一つの方向の磁界成分だけに比例する出力を得るように計算処理をすれば、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向の磁界の強さHx、Hy、Hzを算出できる。
Z軸方向の磁界成分の影響を取り除いてX軸方向およびY軸方向の磁界の強さHxおよびHyを得るには、まずX1素子2X1とX2素子2X2およびY1素子2Y1とY2素子2Y2の出力をそれぞれ加算してΔZを消去すればよい。
Hx=Hx1+Hx2=2Hx’
Hy=Hy1+Hy2=2Hy’
また、Z軸方向の磁界の強さHzを得るには、X軸方向およびY軸方向の磁界の強さに比例する成分を取り除けばよいので、X1素子2X1とX2素子2X2の出力の差分とY1素子2Y1とY2素子2Y2の出力の差分を加算すればよい。
Hz=(Hx1−Hx2)+(Hy1−Hy2)=4ΔZ
以上により、各軸方向の磁界成分の強さHx,Hy,Hzが算出できる。この時、Hx=Hy=Hz=2とすると、Hx’=Hy’=1、ΔZ=0.5である。各軸方向の磁気感度をそろえるためには、各X素子と各Y素子の感度比率がHx’:Hy’:ΔZ=1:1:0.5であればよく、この3次元磁界検出素子は磁気回路の機能によって、この感度比率を実現することができる。
本実施例で使用した3次元磁界検出素子1の駆動用の電子回路4について、図6と図7を使って説明する。
まずGSRセンサの電子回路4の基本動作を、図6を使って説明する。電子回路4は、パルス発信器41および信号処理回路42を有する。信号処理回路42は、サンプルタイミング調整回路421と、電子スイッチ422と、サンプルホールド回路423および増幅器424からなる。パルス発信器41により発生した1.3GHz相当の高周波パルス電流をGSR素子2のアモルファスワイヤ21へ供給する。そうすると、パルス電流によりアモルファスワイヤ21のワイヤ円周方向に生じた磁場と外部磁場とが作用して、その外部磁場に対応した電圧が検出コイル23に発生する。
なお、ここでいるパルス周波数は、パルス電流の「立ち下がり」時間Δtの2倍をその周期としてその逆数をパルス周波数として便宜上定義した。
検出コイル23の出力電圧は、サンプルタイミング調整回路421により、パルス電流の立ち下がりから所定のタイミングで、電子スイッチ422を0.1n秒の短時間スイッチング(オン−オフ)することでサンプルホールド回路423へ供給される。この時、検出コイル23に発生した電圧はサンプルホールド回路423のコンデンサ電圧としてホールドされ、このサンプリング電圧は、増幅器424により増幅されて出力される。
次に、4つのGSR素子を有する本実施例の電子回路4の機能を、図7を使って説明する。本回路は、パルス発信器41は一つで、信号処理回路42は各素子出力を同時に測定するために4つを備えている。4つのGSR素子からの出力は、切替スイッチ43を使って順番にADコンバータ44でデジタル信号に変換された後、演算回路45に転送され、適当に演算処理され、3次元の磁界ベクトルの強さに換算される。その後、スマートフォンなどのシステムを制御している中央演算処理装置にデータ通信回路46を介して転送される。
図8を使って、本実施例の3次元磁界検出素子1と外部の電子回路4である集積回路チップ5との接合を説明する。
本発明の3次元磁界検出素子1は各GSR素子2の電極22が配置される電極配置面14から上部軟磁性体プレートの上面までの高さが20μmと低く抑えられているため、電極22と集積回路チップ上の電極とは、集積回路チップ5に3次元磁界検出素子1を積層して高さ20μmのフリップチップはんだ接合8をすることによって容易に接続できる。これによって3次元磁界検出装置全体の厚さを、ASIC基板0.15mm、素子基板0.10mm、接合部0.02mm、全体で0.27mmと薄型化をすることができる。
[実施例2]
実施例2に係る3次元磁界検出素子6を図9に示す。図9(a)はこの3次元磁界検出素子6のXY平面図であり、図9(b)は図9(a)から下部軟磁性体プレートを抜き出した図である。
実施例2は、基板60に穴を掘らずに、まず基板60全面を使って下部軟磁性体プレート61をメッキ法で形成し、その後樹脂等の絶縁材料で下部軟磁性体プレート61を覆って、この絶縁材料層の上面を磁界検出素子配置面62および電極配置面64として、実施例1と同様にGSR素子2、上部軟磁性体プレート63、原点位置で下部軟磁性体プレート61と磁性ワイヤ21を接続する軟磁性体(下部軟磁性体)33、磁性ワイヤ21と上部軟磁性体プレート63を接続する軟磁性体(上部軟磁性体)34を形成するものである。
下部軟磁性体プレート61は、基板10に穴を掘って配置された下部軟磁性体プレート11よりも広い面積を有することができ、Z軸方向磁界に対する磁気感度を高めやすい。ただし、磁性ワイヤ21の基板60の外縁側の端部と下部軟磁性体プレート61との距離が近すぎるとX軸方向およびY軸方向の磁気感度に対する減衰効果が大きくなるため、磁性ワイヤ21の下部では下部軟磁性体プレート61に切れ込みを入れて距離を調整している。
下部軟磁性体プレート61の大きさは560μm角で厚さは5μmであり、4本の磁性ワイヤ21の基板60の外縁側の端部の下側では、下部軟磁性体プレート61に切れ込みが入っており、切れ込みの形は磁性ワイヤ21を中心とした線対称で、切れ込みの大きさは基板60の外縁沿いの幅が100μm、磁性ワイヤ21沿いの長さが50μmである。
上部軟磁性体プレート63の大きさは、基板60外縁沿いの幅が140μm、磁性ワイヤ21沿いの長さが225μmで、厚さは5μmである。
下部軟磁性体プレート61と磁性ワイヤ21をつなぐ軟磁性体33および上部軟磁性体プレート63と磁性ワイヤ21をつなぐ軟磁性体34は、いずれも大きさ20μm角、高さは5μmである。
この3次元磁界検出素子6は、基板60の全面を使って下部軟磁性体プレート61の面積を広げてZ軸方向の磁界に対する磁気感度を高めているため、下部軟磁性体プレート61の下面と上部軟磁性体プレート63の上面の間の距離を小さくすることができ、その間の距離は、磁性ワイヤの直径10μmも合わせて、30μmであり、実施例1よりも小さい。基板の厚さ0.1mmも合わせて、3次元磁界検出素子6全体の厚さを、0.13mmとすることができた。磁界検出素子配置面62および電極配置面64は磁性ワイヤ21が半分埋まる高さにあるので、電極配置面64から上部軟磁性体プレート63の上面までの高さは15μmとなり、高さ15μmのフリップチップはんだ接合することによって容易に外部の電子回路4である集積回路チップ5と接続できる。3次元磁界検出装置全体の厚さは、ASIC基板0.150mm、素子基板0.100mm、電極配置面までの高さ0.015mm、接合部0.015mmとすると、0.28mmとなる。
[実施例3]
実施例3は、3次元磁界検出素子の外部の電子回路4となる集積回路チップ5上に直接3次元磁界検出素子7を形成することで、実施例1および実施例2における3次元磁界検出素子の基板を無くし、さらなる薄型化をすることができる。
図10は、この実施例3における3次元磁界検出素子7と集積回路チップ5との直接配線メッキ接合9を示している。
実施例3においては、集積回路チップ5の電極が配置される上面を底面として、層を積み上げるように3次元磁界検出素子7を形成する。この際3次元磁界検出素子は外部の電子回路との接続側が基板面の上面と定義されるので、3次元磁界検出素子7としては上下をひっくり返した形として下から形成していく。つまり、上部軟磁性体プレートが最も下側であり、下部軟磁性体プレートが最も上側となるように下から形成していくが、集積回路チップと3次元磁界検出素子を接合した3次元磁界検出装置としての各部の形状および位置関係は、実施例2における基板60が無くなること以外は実施例2と同じである。また、この際集積回路チップ5との電極22の接合は、素子形成と同時に直接配線メッキ接合9で行われる。
3次元磁界検出素子7の大きさ、高さは基板60を除いて実施例2の3次元磁界検出素子6と同じである。つまり、3次元磁界検出素子7の高さは、下部軟磁性体プレートの下面から上部軟磁性体プレートの上面までの高さとしても、3次元磁界検出素子全体の高さとしても、30μmである。このため、3次元磁界検出装置の厚さとしては、実施例2から基板の厚さ0.1mmを減じたものとなり、0.18mmと非常に薄型化ができる。
本発明の3次元磁界検出素子は、電子コンパス、磁気ジャイロ等の3次元の地磁気測定を必要とする3次元方位計に必要なもので、特に本発明の3次元磁界検出装置は、スマートフォンをはじめとする携帯端末等のように、載置する基板に垂直な方向(いわゆるZ軸方向)に小型化、薄型化が必要なものに好適である。
1:実施例1の3次元磁界検出素子
10:実施例1の3次元磁界検出素子の基板
11:実施例1の3次元磁界検出素子の下部軟磁性体プレート
12:実施例1の3次元磁界検出素子配置面
13:実施例1の3次元磁界検出素子の上部軟磁性体プレート
14:実施例1の3次元磁界検出素子の電極配置面
2:GSR素子(2X1、2X2、2Y1、2Y2の4つの素子)
21:GSR素子の感磁体である磁性ワイヤ(アモルファスワイヤ)
22:GSR素子の電極
221:GSR素子の磁性ワイヤ通電用の−側電極
222:GSR素子の磁性ワイヤ通電用の+側電極
223:GSR素子の検出コイル用電極
23:GSR素子の検出コイル
24:GSR素子の磁性ワイヤの接続用端子
25:GSR素子の検出コイルの接続用端子
3:軟磁性体
31:実施例1の磁性ワイヤと下部軟磁性体プレートを接続する軟磁性体(下部軟磁性体)
32:実施例1の磁性ワイヤと上部軟磁性体プレートを接続する軟磁性体(上部軟磁性体)
33:実施例2の磁性ワイヤと下部軟磁性体プレートを接続する軟磁性体(下部軟磁性体)
34:実施例2の磁性ワイヤと上部軟磁性体プレートを接続する軟磁性体(上部軟磁性体)
4:電子回路
41:パルス発信器
42:信号処理回路
421:サンプルタイミング調整回路
422:電子スイッチ
423:サンプルホールド回路
424:増幅器
43:切替スイッチ
44:ADコンバータ
45:演算回路
46:データ通信回路
5:集積回路チップ
6:実施例2の3次元磁界検出
60:実施例2の基板
61:実施例2の下部軟磁性体プレート
62:実施例2の磁界検出素子配置面
63:実施例2の上部軟磁性体プレート
64:実施例2の電極配置面
7:実施例3の3次元磁界検出素子
8:フリップチップはんだ接合
9:直接配線メッキ接合

Claims (1)

  1. 集積回路チップと、
    前記集積回路チップの上面に、前記集積回路チップの原点を中心とする点対称の位置に、X軸方向の磁界方向に形成された2つの上部軟磁性体プレートとY軸方向の磁界方向に形成された2つの上部軟磁性体プレートとからなる4つの上部軟磁性体プレートと、
    前記上部軟磁性体プレートの上部に4つの前記上部軟磁性体プレートに対応して配置された前記X軸方向の磁界を検出するための2つの磁界検出素子と前記Y軸方向の磁界を検出するための他の2つの磁界検出素子とからなる4つの磁界検出素子と、
    4つの前記磁界検出素子が配置されている面(磁界検出素子配置面という。)の上部に形成された1つの下部軟磁性体プレートと、
    4つの前記上部軟磁性体プレートの原点とは反対側の端部と4つの前記磁界検出素子の感磁体の端部とを磁気的に接続する上部軟磁性体と、
    4つの前記磁界検出素子の4つの前記感磁体の他方の端部と前記下部軟磁性体プレートの中心部とを磁気的に接続する下部軟磁性体とを備えることにより、
    前記下部軟磁性体プレートと前記下部軟磁性体と前記磁界検出素子の前記感磁体と前記上部軟磁性体と前記上部軟磁性体プレートとからなる磁気回路を形成し、
    前記集積回路チップと前記磁界検出素子とを接合する配線とからなることを特徴とする3次元磁界検出装置。
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