JP6800285B2 - 車両用ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents
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Description
そのため、搭乗者の視線と垂直な面に虚像が投影されたように見え、あたかも仮想的なスクリーンが空中に浮かんでいるかのように視認され、搭乗者の前方の風景が虚像で隠されたように感じてしまうという問題がある。さらに、前方の風景と虚像とが分離した状態で視認されるため、風景を視認した状態から虚像を視認する場合に、搭乗者が焦点を合わせる負担があり、快適性に劣るという問題がある。
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、搭乗者の視認する風景に溶け込んだ虚像を表示させることができ、搭乗者の負担を低減させることができる車両用ヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記表示制御部は、搭乗者が遠方を視認しているか、近傍を視認しているかに応じて前記反射ミラーへの投射位置を変更し、前記搭乗者が近傍を視認しているとき、前記投射光の画像光が前記反射ミラーの曲率が小さい領域に投射されるよう前記投射装置の画像光の投射位置を制御することを特徴とする。
また、本発明は、前記表示制御部は、投射装置を複数の領域に分割し、各領域から前記画像光を投射させることを特徴とする。
図1は、本発明に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置の実施形態を示す概略図である。
そして、ヘッドアップディスプレイ装置1は、投射装置10から投射された画像光を反射ミラー11を介して、フロントウインドシールド2の投射面12に画像光を投射することにより、投射面12の前方に虚像15を表示させるように構成されている。
また、反射ミラー11の平面における断面形状は、球面形状や非球面形状に形成されている。
さらに、反射ミラー11の外周縁部分は、投射された画像光の歪みを補正するために曲率が小さくなるように形成されている。なお、画像光を投射する際に、反射ミラー11の外周縁部分における画像の歪みを考慮して画像光を補正して投射することができる場合には、必ずしも反射ミラー11の外周縁部分の曲率を小さくしなくてもよい。
1/a+1/b=1/f
ここで、aは、投射装置10から反射ミラー11までの距離、bは反射ミラー11から虚像15が結像する位置までの距離、fは反射ミラー11の焦点距離(曲率の1/2)である。
また、反射ミラー11の曲率が大きくなれば、反射ミラー11の焦点距離が短くなり、焦点距離が短いほど、虚像15の大きさは大きくなる。
これらのことから、投射装置10から反射ミラー11の曲率が大きい箇所に投射した画像光は、焦点距離が短いため、投射面12に反射された際に、投射面12からの距離が長い位置で虚像15を表示することになる。一方、投射装置10から反射ミラー11の曲率が小さい箇所に投射した画像光は、焦点距離が長いため、投射面12に反射された際に、投射面12からの距離が短い位置で、虚像15を表示することになる。
このように構成することにより、投射装置10から画像光が投射される位置によって、反射ミラー11の曲率が異なることになり、反射ミラー11により反射され投射面12に投射されて表示される虚像15の表示位置および大きさが変化することになる。
したがって、投射装置10からの画像光の投射位置を制御することにより、反射ミラー11への投射位置を変更することができ、これにより、投射面12における虚像15の表示位置を変化させることが可能となる。このように投射装置10からの画像光の投射位置を任意に変更することにより、投射面12における表示位置を変化させることができ、投射面12に形成される虚像15の表示位置を遠くに大きくあるいは近く小さくに表示させることが可能となる。
そして、反射ミラー11は、焦点位置すなわち曲率が箇所によって変化するものであるため、最も短い焦点位置より近い位置に投射装置10を設置することが好ましい。ただし、投射装置10を反射ミラー11の焦点距離より遠い位置に設置した場合でも、投射装置10から投射される画像を上下反転した状態で投射すればよいので、何ら問題はない。
一方、フロントウインドシールド2の下部から視認する対象は、搭乗者16の目から近傍に位置する車両のボンネットや、車両の前方を走行する他の車両の後部、近くの道路などである。そのため、フロントウインドシールド2の下部における車外の風景を視認しているときの搭乗者16の目の焦点は、近傍に位置する対象を視認する際の焦点に合わせられている蓋然性が高い。
これにより、車両の搭乗者16が、遠方に位置する対象を視認している状態で、投射面12の上方の前方遠くに表示された虚像15を視認することになるため、目の焦点を合わせるための負荷が軽減され、快適性が向上する。また、近傍に位置する対象を視認している状態で、投射面12の下方の前方近くに表示された虚像15を視認することになるため、同様に、目の焦点を合わせるための負荷が軽減され、快適性が向上する。
なお、このような反射ミラー11の配置に限定されるものではなく、大きくかつ遠くに表示される虚像15を投射面12の下方に表示するとともに、小さくかつ近くに表示される虚像15を投射面12の上方に表示するようにしてもよい。
車両用ヘッドアップディスプレイ装置1の投射装置10は、ランプやLEDなどの光源20と、虚像15として表示すべき画像を形成する画像形成部21と、画像形成部21が出力する画像光の焦点調整や画像の拡大または縮小などの各種調整を施して、画像光として投射する投射光学系22と、を備えている。
画像形成部21としては、例えば、光透過型の液晶表示装置や、光源20からのビーム光をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー、ガルバノミラー、ポリゴンミラーあるいは、これらの走査手段を複数組み合わせて用いた走査手段により二次元状に走査させて画像を形成する二次元走査型表示装置などが用いられる。
制御部23が備える各機能ブロックの機能は、CPUがプログラムを読み出して実行するなど、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
例えば、ナビゲーション管理部24は、右折または左折すべき交差点に対して、車両が所定の距離まで近づいたことを検出した場合、その旨の情報や右折または左折する方向の情報などを制御部23に出力する。また、例えば、ナビゲーション管理部24は、目的地に対して、車両が所定の距離まで近づいたことを検出した場合、その旨の情報を制御部23に出力する。このほか、ナビゲーション管理部24がナビゲーションに関する情報を出力するタイミング、出力するべき情報は、事前に定められている。
表示制御部26は、ナビゲーション管理部24から送られるナビゲーション情報に基づいて、投射装置10における画像情報を生成するものである。また、表示制御部26は、画像情報の投射面12に対する投射位置などの表示制御情報も生成するものである。
このように構成することにより、台形状に変化した場合でも、適正に画像を表示させることが可能となる。
なお、画像の台形化は、反射ミラー11の曲率により変わってくるので、反射ミラー11に投射される画像光の投射位置に応じて、補正量を変えることが好ましい。
本実施形態においては、車両に搭載された車載ナビゲーション装置25に接続されたナビゲーション管理部24により、ナビゲーションに関する情報を取得し、ナビゲーション管理部24は、車載ナビゲーション装置25がナビゲーションしている間、適切なタイミングで、適切なナビゲーションに関する情報を、制御部23に出力する。そして、制御部23は、必要なナビゲーション情報に基づいて表示制御部26により、投射装置10における画像情報および表示制御情報を生成し、表示制御部26から送られる画像情報、表示制御情報に基づいて、画像補正部27により、投射装置10に送る画像情報の画像情報の拡大・縮小補正、投射画像の歪み補正などの各種補正を行う。
反射ミラー11に投射された画像光は、投射位置に応じた曲率により拡大または縮小されて反射され、投射面12に投射される。これにより、車両の搭乗者16がハーフミラーに投射された画像を虚像15として視認することができる。
図5は本実施形態におけるヘッドアップディスプレイ装置1による表示例を示す説明図であり、図6は従来のヘッドアップディスプレイ装置による表示例を示す説明図である。
図5に示すように、フロントウインドシールド2には、投射面12としての機能する表示領域30が形成されるものであり、この表示領域30に所定の虚像15を表示するものである。図5においては、走行する先に信号機付きの交差点が存在する道路を走行中の例を示している。
この例によれば、投射装置10から反射ミラー11の曲率の小さい領域に画像光を投射することにより、表示領域30の下方に、例えば、当該道路の制限速度表示の虚像15aが表示される。また、投射装置10から反射ミラー11の曲率の小さい領域から中程度の曲率の領域に画像光を投射することにより、表示領域30の下方から中間位置にかけて車線表示の虚像15bが表示される。投射装置10から反射ミラー11の曲率の大きい領域に画像光を投射することにより、表示領域30の上方に、交差点において右折を促す走行指示表示の虚像15cが表示される。
これに対して、本実施形態においては、表示領域30の下方から上方にかけて、遠近感のある虚像15a,15b,15cを表示させることができる。すなわち、搭乗者16が遠方を視認している状態で、視認させる虚像15a,15b,15cを表示領域30の上方であって遠方に表示させるとともに、搭乗者16が近傍を視認している状態で視認させる虚像15a,15b,15cを表示領域30の下方であって近傍に表示させることができる。そのため、搭乗者16が目の焦点を合わせるための負荷を低減させることが可能となる。
また、反射ミラー11により、曲率が小さい領域から反射される投射画像光を投射面12の下方に反射するようにしているので、投射面12に形成される虚像15の表示位置を近くに小さく表示させることが可能となる。
例えば、図7に示すように、反射ミラー11にハーフミラーとしての機能を持たせるとともに、反射ミラー11を搭乗者16から視認できる位置に設置し、この反射ミラー11を投射面12として用いるようにしてもよい。
このような構成によれば、投射装置10から投射面12である反射ミラー11に直接画像光を投射するで、前記実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、1つの反射ミラー11を設置すればよいので、部品点数の低減および設置スペースの低減を図ることができる。
2 フロントウインドシールド
10 投射装置
11 反射ミラー
12 投射面
15 虚像
16 搭乗者
20 光源
21 画像形成部
22 投射光学系
23 制御部
24 ナビゲーション管理部
25 車載ナビゲーション装置
26 表示制御部
27 画像補正部
30 表示領域
Claims (8)
- 車両内に設置された投射面に画像光を投射して、画像光に基づく虚像を表示する車両用ヘッドアップディスプレイ装置において、
画像光を投射する投射装置と、前記投射装置から投射された画像光を前記投射面に反射させる反射ミラーと、前記投射装置の画像光の投射位置を制御する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記投射装置の画像光の投射位置を制御することで前記反射ミラーへの投射位置を変更し、
前記反射ミラーは、その一端部から他端部にかけて徐々に曲率が変化するように形成されており、
前記反射ミラーは、曲率が小さい領域から反射される投射画像光を前記投射面の下方に反射することを特徴とする車両用ヘッドアップディスプレイ装置。 - 前記表示制御部は、搭乗者が遠方を視認しているか、近傍を視認しているかに応じて前記反射ミラーへの投射位置を変更し、
前記搭乗者が近傍を視認しているとき、前記投射光の画像光が前記反射ミラーの曲率が小さい領域に投射されるよう前記投射装置の画像光の投射位置を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。 - 前記表示制御部は、投射装置を複数の領域に分割し、各領域から前記画像光を投射させることを特徴とする請求項2に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記投射装置は、画像光を前記反射ミラーの曲率が変化する範囲の全域にわたって投射することを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記反射ミラーは、ハーフミラーにより形成され、前記反射ミラーは、前記投射面として機能することを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記投射装置は、前記反射ミラーの焦点距離のち最も短い焦点距離より短い位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記投射装置から投射する画像を補正する画像補正部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記画像補正部は、前記投射装置から投射する画像を台形補正するものであることを特徴とする請求項7に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
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