JP2023003234A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像の視認性を維持しつつ上下方向の表示可能範囲を拡張可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供する。【解決手段】HUD装置1は、凹面鏡モータ及び表示器モータを備え、凹面鏡30だけでなく表示器20も回動可能に構成されている。HUD装置1は、凹面鏡30と表示器20の両方のチルト角を調整することで、同一のアイボックスにおいて、視認性を維持しつつ、上下方向における画像の表示位置を第1表示位置Dp1から第2表示位置Dp2に切り替える。目標視点及び表示位置の組み合わせに応じた表示器20及び凹面鏡30のチルト角の設定値を示す角度設定データはストレージに登録されている。【選択図】図1
Description
本開示は、車両前方景色に画像を重畳表示するヘッドアップディスプレイ装置に関する。
表示器から出力される画像を表す光(以降、画像光)を車両のウインドシールド等の投影部材に投射することによって、ドライバから見て車両前方となる位置に、画像を虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置がある。ヘッドアップディスプレイ装置を適切に使用するためには、ヘッドアップディスプレイ装置からウインドシールド上に画像光を投射する位置(以下、投射位置とする)を、運転席の乗員の視点の位置に応じて調整する必要がある。
特許文献1には、ウインドシールドに向けて画像光を反射するミラーを備えるヘッドアップディスプレイ装置において、ミラーをアクチュエータで回転させることによって、投射位置を調整する構成が開示されている。
近年、上下方向(縦方向)において、より広い範囲に画像を表示可能なヘッドアップディスプレイ装置が要求されている。
仮に表示器の性能を変更せずに上下方向の表示範囲を拡大しようとすると、それまで画像表示に使用していなかった隅部方向の光を用いて画像表示することになる。表示器から発せられる光の強度は、表示器の光軸方向がピークとなるように分布するため、隅部方向の光は光軸方向の光に比べて強度が弱く、表示される画像も表示端が中央部に比べて暗くなってしまう。その結果、虚像表示される画像の上端や下端付近の視認性が損なわれうる。
なお、ここでの隅部方向とは、光軸方向に対してなす角度が所定の閾値以上となる方向を指す。例えば、隅部方向は、当該方向における光度が、高軸方向における光度の所定値(例えば80%)以下となる方向を指す。もちろん、表示器そのものを、所望の表示角度範囲において十分な光度が得られるデバイスに置き換えれば、上下方向の端部領域が輝度不足となる可能性は低減できるが、広範囲に十分な光度を有する表示器は高価である。
本開示の開発者らは、そのような事情から、例えば凹面鏡等のミラーを回動させることで、複数の表示位置を動的に選択可能とし、仮想的に/実質的に表示範囲を拡張する構成を検討した。しかしながら、上記検討を進めたところ、ミラーを回動させて表示位置を調整する構成では、画像光のメインビームは、ドライバの視点が存在する方向とは異なる方向に向くこととなる。その結果、ドライバの視点から見た画像の輝度が下がりうる。すなわち、ミラーを回動させることで画像を表示可能な範囲を拡張する構成では画像の視認性が低下しうる。
本開示は、上記の検討又は着眼点に基づいて成されたものであり、その目的の1つは、画像の視認性を維持しつつ上下方向の表示可能範囲を拡張可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供することにある。
ここに開示されるヘッドアップディスプレイ装置は、画像を形成する光である画像光を、投影部材に投射することにより、画像を運転席の前方の所定範囲に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、上下方向における画像の表示位置として、それぞれ上下方向の位置が異なる第1表示位置(Dp1)と、第2表示位置(Dp2)とを選択可能に構成されており、筐体(10)と、画像光を出力する表示器(20)と、画像光を投影部材に向けて反射するミラー(30)と、ミラーを回動させるミラーアクチュエータ(40)と、表示器を回動させる表示器アクチュエータ(50)と、ミラーアクチュエータ及び表示器アクチュエータのそれぞれの動作を制御するアクチュエータ制御部(F6)と、選択可能な表示位置のうち、画像の表示先とする表示位置である目標表示位置を選択する目標表示位置選択部(F4)と、目標表示位置選択部が選択している目標表示位置に基づいて、表示器アクチュエータ及びミラーアクチュエータのそれぞれの回転角の目標値である目標角を特定する目標角度特定部(F5)と、を備え、アクチュエータ制御部は、表示器アクチュエータ及びミラーアクチュエータの回転角が目標角度特定部によって特定されたそれぞれの目標角と一致するように表示器アクチュエータとミラーアクチュエータを駆動させる。
上記構成では、ミラーだけでなく、表示器も回動させることによって表示位置の変更を実現する。当該構成によれば、第1表示位置及び第2表示位置のそれぞれにおける画像の視認性を確保可能となる。また、表示位置の動的な切り替えによって仮想的に/実質的に表示範囲を拡張させることができる。つまり、画像の視認性を維持しつつ上下方向の表示可能範囲を拡張可能となる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
以下、本開示について図を用いて説明する。図1は、本開示に係るヘッドアップディスプレイ装置1の概略的な構成の一例を示す図である。以降、ヘッドアップディスプレイをHUD(Head-Up Display)と略して記載する。HUD装置1は四輪自動車等の車両に搭載されて使用される。以降における自車両とはHUD装置1が使用される車両を指す。
HUD装置1には、車両に取り付けられた時の姿勢に対応するように、上下方向や幅方向が設定されている。以下において特に断り書きがない限り、前、後、上、下、左及び右が示す各方向は、車両を基準として表記される。具体的には、前後方向は、車両の長手方向に相当する。左右方向は、自車両の幅方向に相当する。上下方向は、自車両の高さ方向に相当する。別の観点によれば、上下方向は、前後方向及び左右方向に平行な平面に対して垂直な方向に相当する。本開示では、自車両の高さ方向に垂直な平面を車両水平面とも称する。また、前後左右方向を含む自車両の高さ方向に垂直な方向を車両水平方向とも称する。
<概略的な全体構成について>
HUD装置1は、概略的には、車両のウインドシールド2上の所定の投射領域に画像光を投射することで、運転席に着座している乗員の目と投射領域とを結ぶ線の車両前方延長線上に、画像を虚像表示するものである。投射領域が所定範囲に対応する。ウインドシールド2は、車両のフロント側のウインドシールドである。ウインドシールド2は、例えば、2枚のガラスとその中間に設けられる中間膜とから形成された合わせガラスを用いて実現されている。ウインドシールド2が投影部材に相当する。なお、投影部材は、例えばコンバイナ等のハーフラミラーとして機能する部材であっても良い。画像光の照射先とする投影部材はウインドシールド2とは別に設けられていても良い。
HUD装置1は、概略的には、車両のウインドシールド2上の所定の投射領域に画像光を投射することで、運転席に着座している乗員の目と投射領域とを結ぶ線の車両前方延長線上に、画像を虚像表示するものである。投射領域が所定範囲に対応する。ウインドシールド2は、車両のフロント側のウインドシールドである。ウインドシールド2は、例えば、2枚のガラスとその中間に設けられる中間膜とから形成された合わせガラスを用いて実現されている。ウインドシールド2が投影部材に相当する。なお、投影部材は、例えばコンバイナ等のハーフラミラーとして機能する部材であっても良い。画像光の照射先とする投影部材はウインドシールド2とは別に設けられていても良い。
ここでの画像光とは、運転席に着座している乗員(以降、ドライバ)に知覚される画像としての虚像を形成する光を指す。以降では、ドライバによって知覚される画像のことをHUD画像とも記載する。ドライバは、HUD画像を車両の前景に重ねて視認することができる。
HUD画像として示す情報の種類、換言すればコンテンツは適宜設計されうる。例えば、HUD装置1は、車両の状態を示す車両状態画像や、経路案内画像を表示する。車両状態画像とは、例えば高度運転支援機能や自動運転機能におけるシステム作動状態や、車両状態を示す画像である。車両状態画像には、走行速度、エンジン回転数、エンジン冷却水温、およびバッテリ電圧等の何れか1又は複数が含まれる。経路案内画像とは、交差点などでの進行方向や走行推奨レーンなどを示す画像である。経路案内画像は、ターンバイターン画像と呼ぶこともできる。
その他、HUD装置1は、レーン境界線や信号機、交通標識、他車両など強調する画像もHUD画像として表示しても良い。ここでは信号機及び交通標識を強調して表示するための画像をサイン強調画像と称する。また、車両前方にあって、注意すべき他の移動体を強調して示すための画像を注意喚起画像と称する。注意すべき他の移動体とは、自車両との衝突リスクがある移動体である。移動体には、歩行者や他車両、動物が含まれる。衝突リスクは、自車両及び他の移動体のそれぞれの移動速度、加速度、移動方向などを用いて算出されうる。衝突リスクの算出は、多様な方法を援用可能であるためここでの詳細な説明は省略する。なお、ある物体を強調して示す画像としては、例えば、当該物体を囲むように配置される枠線を採用可能である。また、注意喚起画像としては、丸又は三角などの図形内に感嘆符記号/エクスクラメーションマークを配置したアイコン画像や、「Caution」などのテキスト画像も採用可能である。注意喚起画像もサイン強調画像も、強調したい対象物又はその近傍に重畳するように表示される。各種画像は、画像信号源5から入力される。表示コンテンツは画像信号源5からの指示に基づき動的に変更されうる。
HUD装置1は、ウインドシールド2の下端部から車室内後方、更には下方に延出されるインストゥルメントパネル3に収容されている。尚、インストゥルメントパネル3の上面には、HUD装置1が射出する画像光を通過させる開口部3aが設けられている。開口部3aには透光性を有する防塵カバーが設けられている。
また、HUD装置1は、図2に示すように、車両内に構築された車載ネットワークや、映像信号用の専用線を介して、HUD装置1の外部に配置されている画像信号源5と接続されている。画像信号源5は、HUD画像(例えば経路案内画像)の元となる画像信号を出力する装置である。ここでの画像信号とは、静止画のデータや映像信号である。画像信号源5は、例えばナビゲーション装置や、運転支援機能又は自動運転機能を提供する電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)などである。
さらに、HUD装置1は、例えばインストゥルメントパネルやステアリングホイールに配置されている視点調整スイッチ6とも所定の信号線で直接的に接続されている。もちろん、視点調整スイッチ6とHUD装置1は車載ネットワークを介して通信可能に接続されていても良い。視点調整スイッチ6は、ドライバが、自分の視点の高さに応じた位置に、アイボックスEbの位置を調整するためのスイッチである。アイボックスEbは、HUD画像を視認可能な視点領域であって、HUD装置1の光学的特性によって定まる。視点調整スイッチ6は、タッチパネルを用いて実現されていても良い。
視点調整スイッチ6としては、例えば、アップスイッチとダウンスイッチの2つが存在しうる。視点調整スイッチ6は、ドライバによる操作内容を示す信号(以降、操作信号)を制御ユニット60に出力する。ドライバは、視点調整スイッチ6を操作することによって、HUD画像の表示位置を、自身の視点に応じた位置に調整することができる。表示位置は表示場所あるいは表示先と呼ぶこともできる。操作信号は、アイボックスEbの移動方向、移動量を決定するための情報として機能する。
以下では表示制御上のターゲットとするアイボックスEbを対象アイボックスEbtと記載する。また、その他のアイボックスEbを非対象アイボックスEbnと記載する。対象アイボックスEbtは、HUD装置1が設定可能なアイボックスEbのうち、ドライバの視点に対応するアイボックスEbである。
本実施形態のHUD装置1は、後述するように、表示器20と凹面鏡30をそれぞれ回転させることにより、HUD画像の表示位置を変更可能に構成されている。換言すれば上下方向における画像の表示範囲を動的に変更可能に構成されている。ここでは一例としてHUD装置1は、第1表示位置Dp1と第2表示位置Dp2とを切替可能に構成されている。
第2表示位置Dp2は第1表示位置Dp1よりも相対的に上側に位置する表示位置である。ここでの表示位置とは、ドライバから見えるHUD画像の高さ方向位置である。表示位置は、ウインドシールド2上での画像光の投射位置であるシールド投射位置PとアイボックスEbとを結ぶ線が車両水平面に対してなす角度である虚像俯角θdに対応する。第2表示位置Dp2は第1表示位置Dp1より虚像俯角θdが小さい表示位置に相当する。図中に示すP1は第1表示位置Dp1に対応するシールド投射位置Pを表しており、P2は第2表示位置Dp2に対応するシールド投射位置Pを表している。θd1は第1表示位置Dp1に対応する虚像俯角θdを表しており、θd2は第2表示位置Dp2に対応する虚像俯角θdを表している。
以降における第1表示範囲Da1とは、第1表示位置Dp1で画像を表示可能な範囲を指す。各表示範囲は、例えば矩形状である。また、以降における第2表示範囲Da2とは、第2表示位置Dp2で画像を表示可能な範囲を指す。第2表示範囲Da2は、1つの局面において、第1表示範囲Da1を形成するための表示器20と凹面鏡30と回動させることで実現される表示範囲と解することができる。図3は第1表示範囲Da1と第2表示範囲Da2の位置関係、換言すれば第1表示位置Dp1と第2表示位置Dp2の位置関係の一例を示した図である。
ここでは一例として、第1表示範囲Da1の上端と第2表示範囲Da2の下端が接するように、各表示位置が設定されているものとする。各表示範囲の縦方向画角は2度、横方向画角は6度に設定されている。第1表示範囲Da1の上端と第2表示範囲Da2の下端が略一致する表示設定によれば、仮想的に縦方向の表示範囲を拡張可能となる。具体的には縦方向画角を4度にすることが可能となる。
第2表示範囲Da2は例えば経路案内画像、すなわち予定進路の表示や、前方に存在する信号機の協調表示など、相対的に遠方にかかる道路情報を表示する場合に適用される。第1表示範囲Da1は、上記のような情報提示を行わない場合、例えば走行速度や制限速度、シフトポジション、燃料/バッテリ残量などの基本情報のみを表示する場合に適用される。
なお、前述の通り、第2表示位置Dp2を採用中は、第1表示範囲Da1に画像を表示できない。そのため、第2表示範囲Da2には車速など、運転操作上、あるいは、法律上、表示が必要な項目も表示されうる。
<HUD装置1の構成について>
HUD装置1は、図1に示すように、筐体10、表示器20、及び、凹面鏡30を備える。また、図1では図示を省略しているが、HUD装置1は図2に示すように、凹面鏡モータ40、表示器モータ50、及び制御ユニット60を備える。凹面鏡モータ40と表示器モータ50とを区別しない場合にはモータと省略して記載する。
HUD装置1は、図1に示すように、筐体10、表示器20、及び、凹面鏡30を備える。また、図1では図示を省略しているが、HUD装置1は図2に示すように、凹面鏡モータ40、表示器モータ50、及び制御ユニット60を備える。凹面鏡モータ40と表示器モータ50とを区別しない場合にはモータと省略して記載する。
筐体10は、表示器20や、凹面鏡30、制御ユニット60、凹面鏡モータ40、表示器モータ50、制御ユニット60等の部材を収容する構成である。筐体10は、所定の強度を有する樹脂や、金属等を用いて実現されれば良い。筐体10は、車両に固定され、ウインドシールド2に対する位置及び向きは一定である。また、筐体10は一定の形状を有する。
表示器20は、後述する制御ユニット60から入力される制御信号に基づいてHUD画像光を射出する装置である。表示器20は、画像生成ユニット(PGU:Picture Generation Unit)あるいはプロジェクタと呼ばれることがある。本実施形態では一例として、表示器20は、バックライトの光を液晶パネル(LCD:Liquid Crystal Display)に透過させることで画像光を描画する、いわゆる液晶方式のPGUである。すなわち、表示器20は、液晶パネル21及びバックライト22を有する。バックライト22は、例えば点光源としての多数のLED(Light Emitting Diode)がマトリクス状(行列状)に配列されたモジュールである。なお、点光源としての発光素子は発光トランジスタなどであってもよい。バックライト22が光源部に相当する。また、LED等が発光素子に相当する。
表示器20は、液晶パネル21の表示面を拡大光学系MOSへ向けた姿勢にて、筐体10に組付けられている。表示器20は、映像データの各フレーム画像を液晶パネル21の表示面に表示し、当該表示面をバックライト22によって透過照明することで、画像光を拡大光学系MOSへ向けて射出する。拡大光学系MOSは、表示器20から出力された画像光をウインドシールド2まで導く光学部材の集合である。拡大光学系MOSは凹面鏡30を含む。拡大光学系MOSは凹面鏡30のみであってもよいし、凹面鏡30以外に平面ミラーやレンズなどを含んでいても良い。凹面鏡30がミラーに相当する。
なお、表示器20は、レーザ光をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャナ等を用いて2次元方向に走査させることによって画像を表示する、いわゆるレーザースキャン方式のPGUであってもよい。表示器20をレーザースキャン方式とする場合、表示器20は、レーザ光を出射するレーザモジュールと、レーザモジュールが出射したレーザ光を2次元方向に走査するMEMSスキャナと、MEMSスキャナが走査した光を拡散するスクリーンとを含みうる。また、表示器20は、DLP(Digital Light Processing,登録商標)を用いたPGUであってもよい。表示器20をDLP方式とする場合、表示器20は、多数のマイクロミラーが設けられたデジタルミラーデバイス(以下、DMD)と、DMDに向けて光を投射する投射光源とを有する。
表示器20は、表示器モータ50の回転駆動によってチルト角(回転角)が変更可能に構成されている。チルト角又は回転角は、車両水平面に対する傾き角に相当する。すなわち、表示器20は、左右方向に平行な仮想の回転軸Axまわりに、回動可能に形成されている。この回動は、多様な構造/機構を用いて実現可能である。例えば表示器20は、図4に示すように回転保持部材91、92を用いて筐体10等に対して回転可能に保持されている。
回転保持部材91、92は、表示器20の側面部等に取り付けられた円柱状の部材である。回転保持部材91の一端は表示器20の右側面に固定されており、他端は、支持部材93に対して回転可動に組み付けられている。回転保持部材92の一端は表示器20の左側面に固定されており、他端は表示器ギヤ94と固定されている。回転保持部材91、92はそれぞれの軸が同一直線上に位置するように、例えば表示器20の筐体10と一体的に形成されている。回転保持部材91、92は、回転軸Axを提供する。支持部材93は、回転保持部材91を介して表示器20を回動可能に支持する部材であって、筐体10に固定されている。
表示器ギヤ94はモータギヤ52と噛み合うように構成されている。モータギヤ52は表示器モータ50の出力軸51と一体に回転する歯車である。モータギヤ52はピニオンギヤとも呼ばれうる。モータギヤ52の回転は、表示器ギヤ94に伝達され、回転保持部材92を介して表示器20を回転させるように作用する。表示器ギヤ94の径は、表示器20のチルト角を、例えば0.2度又は0.5度刻みで調整可能なように、モータギヤ52の径に対して十分に大きく設定されている。例えば表示器ギヤ94の径はモータギヤ52の径の5倍以上に設定されている。
もちろん、表示器20のチルト角を変更するための機構は上記に限らない。例えばHUD装置1は他の態様として表示器モータ50の回転に応じて上下方向に摺動するラック機構を用いて表示器20のチルト角を調整可能に構成されていても良い。HUD装置1は、表示器モータ50が提供する回転力を用いて、表示器20のチルト角が変化する方向に表示器20を回動(以降、チルト回転)するように構成されていれば良い。
表示器20には、適宜設計される基本姿勢からチルト回転可能な角度の範囲である表示器回動範囲が規定されている。基本姿勢は、表示器20の回転角度を0度に設定した時の表示器20の姿勢に相当する。なお、チルト角は仰俯角ともいうことができる。正のチルト角は基本姿勢に対する仰角に相当し、負のチルト角は基本姿勢に対する俯角に相当する。チルト角は基本姿勢に対して正負の値を取りうる。もちろん、回転可能な範囲の上限値又は下限値を基本姿勢と定義する場合には、チルト角が取りうる値は正又は負のどちらか一方のみとなる。
表示器回動範囲の上限や下限を規定する境界値(=最大値)としての角度である表示器限界回転角は、適宜設定されている。表示器限界回動角は、例えば2度又は4度などに設定されている。表示器限界回動角は、凹面鏡30との光学的距離を鑑みて設計されうる。表示器20のチルト角が動的に変更されることにより、凹面鏡30への画像光の入射角及び投射位置が変更される。
凹面鏡30は、表示器20から出力された画像光を、インストゥルメントパネル3に設けられた開口部3aを通して、ウインドシールド2に向けて反射する構成である。凹面鏡30は、画像光をウインドシールド2に導く役割に加えて、画像光が形成するHUD画像を拡大して表示する役割を担う。凹面鏡30は、筐体10の内部において、表示器20から入射された画像光をウインドシールド2に投射可能な位置に配置される。
凹面鏡30は、凹面鏡モータ40の回転駆動によって車両水平面に対する傾き角度、換言すればチルト角が変更可能に構成されている。凹面鏡30の回転軸である凹面鏡回転軸は、表示器20の回転軸Axと平行に設定されている。凹面鏡モータ40を用いて凹面鏡30をチルト回転させるための構成は、表示器20をチルト回転させるための構成と同様に構成することができる。
凹面鏡30にも、適宜設計される基本姿勢からチルト回転可能な角度の範囲である凹面鏡回動範囲が規定されている。凹面鏡30の基本姿勢とは、凹面鏡モータ40による回転角度を0度に設定した時の凹面鏡30の姿勢に相当する。ここでは一例として凹面鏡回動範囲は表示器回動範囲よりも大きく設定されている。つまり、凹面鏡回動範囲を規定する境界値としての角度である凹面鏡限界回転角は、表示器限界回転角よりも所定量大きい値に設定されている。凹面鏡限界回転角は、例えば2.5度又は5度などに設定されている。
以上で述べたように、表示器20が投射した投射光は、凹面鏡30で反射され、ウインドシールド2に向けて導出される。凹面鏡30のチルト角を変更することにより、表示器20から凹面鏡30への画像光の入射角及び投射位置が変更される。また、凹面鏡30のチルト角を変更することにより、ウインドシールド2に対する画像光の照射位置も変更される。
凹面鏡モータ40は、凹面鏡30を凹面鏡軸周りに回転させるための動力を提供する構成である。凹面鏡モータ40がミラーアクチュエータに相当する。凹面鏡モータ40としては、例えばステッピングモータを採用することができる。凹面鏡モータ40はサーボモータであってもよい。凹面鏡モータ40は、制御ユニット60から出力された制御信号によって駆動する。つまり、凹面鏡モータ40は、制御ユニット60から入力された制御信号に対応した角度だけ、正転方向或いは逆転方向に回転する。凹面鏡モータ40の出力軸は、凹面鏡30の回転軸を提供する部材に対して回転力を伝達するように直接的に又はギヤなどを介して間接的に接続されている。
また、凹面鏡モータ40は、凹面鏡30の基本姿勢に対する現在の回転角度を示す回転角データを制御ユニット60に提供する。回転角度は、非接触ロータリーセンサや、ロータリポテンショメータ等、多様な構成を用いて検出可能である。なお、凹面鏡モータ40の設置位置は適宜設計されればよくここでは一例として凹面鏡30の側方に配置されているものとする。勿論、凹面鏡モータ40は、凹面鏡30の背面側に配置されていてもよい。
表示器モータ50は、表示器20を回転させるための動力を提供する構成である。表示器モータ50が表示器アクチュエータに相当する。表示器モータ50としては、例えばステッピングモータを採用することができる。表示器モータ50はサーボモータであってもよい。表示器モータ50は、制御ユニット60から出力された制御信号によって駆動する。つまり、表示器モータ50は、制御ユニット60から入力された制御信号に対応した角度だけ、正転方向或いは逆転方向に回転する。表示器モータ50の出力軸51は、モータギヤ52を介して表示器ギヤ94と接続されている。
表示器モータ50は、表示器20の基本姿勢に対する現在の回転角度を示す回転角データを制御ユニット60に提供する。回転角度の検出手段としては、前述の通り、多様な構成を採用可能することができる。
制御ユニット60は、表示器20や、表示器モータ50、凹面鏡モータ40の動作を制御する構成である。制御ユニット60は、表示器20、凹面鏡モータ40及び表示器モータ50のそれぞれと電気的に接続されている。また、制御ユニット60には、HUD装置1の外部に設けられた画像信号源5から出力される画像信号、及び、視点調整スイッチ6から出力される操作信号のそれぞれが入力される。
この制御ユニット60は、コンピュータとして構成されている。すなわち、制御ユニット60は、種々の演算処理を実行するプロセッサ61、揮発性のメモリ62、不揮発性のメモリであるストレージ63、入出力回路(図中I/O)64、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備える。プロセッサ61は例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算コアである。メモリ62は例えばRAM(Random Access Memory)である。ストレージ63は例えばNAND型のフラッシュメモリである。プロセッサ61は、メモリ62へのアクセスにより、種々の処理を実行する。入出力回路64は、HUD装置1が他の装置と通信するための回路である。入出力回路64は、アナログ回路素子やICなどを用いて実現されている。
ストレージ63には、通常のコンピュータを制御ユニット60として機能させるためのプログラムであるHUD制御プログラム等が格納されている。プロセッサ61がHUD制御プログラムを実行することは、HUD制御プログラムに対応する表示制御方法が実行されることに相当する。制御ユニット60は、プロセッサ61がHUD制御プログラムを実行することによって、種々の機能を提供する。制御ユニット60は、表示器20及び凹面鏡30を回転させることにより、対象アイボックスEbtから見たHUD画像の表示位置を動的に変更する。制御ユニット60が備える種々の機能については別途後述する。
<制御ユニット60の機能について>
制御ユニット60は、図2に示すように機能部として、画像信号取得部F1、表示制御部F2、目標視点取得部F3、表示位置切替部F4、目標角度特定部F5、及びモータ制御部F6を備える。
制御ユニット60は、図2に示すように機能部として、画像信号取得部F1、表示制御部F2、目標視点取得部F3、表示位置切替部F4、目標角度特定部F5、及びモータ制御部F6を備える。
各機能部は、例えばプロセッサ61がHUD制御プログラムを実行することにより実現される。もちろん、上述した機能ブロックの一部又は全部は、IC(Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を用いて、ハードウェアとして実現されていてもよい。などを用いて実現されていても良い。また、制御ユニット60が備える機能ブロックの一部又は全部は、CPUによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の協働によって実現されてもよい。
画像信号取得部F1は、画像信号源5から入力された画像信号を、表示制御部F2が認識可能なデータ形式に変換して、表示制御部F2に出力する。表示制御部F2は、表示器20の動作を制御し、表示器20に表示画像に対応する光、すなわち画像光を出力させる。例えば表示制御部F2は、表示器20に経路案内画像の元となる画像光を投射させる。表示制御部F2はサブ機能部として光源制御部F21を備える。
光源制御部F21はバックライト22を構成する複数の光源素子(例えばLED)のそれぞれの点灯状態を制御する構成である。光源制御部F21は、個々の光源素子の輝度をPWM(Pulse Width Modulation)制御により調整可能に構成されている。光源制御部F21は、複数の光源素子を、1行単位、又は複数行単位、あるいはブロック単位で制御可能に構成されている。1つの行は、横方向に並ぶ光源素子群を指す。
目標視点取得部F3は、視点調整スイッチ6から入力される操作信号に基づいて、対象アイボックスEbtの位置、換言すれば目標視点位置を特定する。なお、目標視点取得部F3は、ドライバの顔を撮像するカメラの画像を解析することで目標視点位置を自動的に特定しても良い。たとえば目標視点取得部F3は、ドライバの顔画像に含まれる目の位置と、カメラの設置位置及び姿勢とから、車室内におけるドライバの目の位置を特定し、当該特定結果に基づいて目標視点位置が設定しても良い。目標視点取得部F3は、ドライバステータスモニタ(DSM:Driver Status Monitor)などの出力信号に基づき目標視点位置を特定しても良い。目標視点取得部F3は目標視点位置を示すデータを目標角度特定部F5に出力する。
表示位置切替部F4は、画像信号源5から入力される信号に基づいて、表示位置を切り替える。すなわち、表示位置切替部F4は、第1表示位置Dp1から第2表示位置Dp2に切り替えたり、第2表示位置Dp2から第1表示位置Dp1に切り替えたりする。例えば表示位置切替部F4は、画像信号源5から第2表示位置Dp2用の特定種別の画像の表示要求が入力されていない場合には、第1表示位置Dp1を適用する。第2表示位置Dp2用の画像とは、例えば経路案内画像や、サイン強調画像、注意喚起画像などである。第2表示位置Dp2用の画像としては、例えば30m以上遠方となる領域に重ねて表示すべき画像を採用可能である。第2表示位置Dp2用の画像種別は予め登録されている。
表示位置切替部F4は、第2表示位置Dp2用の画像の表示要求が画像信号源5から入力されている場合には、表示位置を第2表示位置Dp2に設定する。第2表示位置Dp2を適用中において、第2表示位置Dp2用の画像の入力が終了した場合には表示位置を第1表示位置Dp1に戻す。
以上では表示位置切替部F4が、表示要求されている画像の種別に応じて表示位置を切り替える場合について述べたが、表示位置切替部F4は、画像信号源5からの指示に基づき表示位置を切り替えても良い。画像信号源5が表示位置を指定する信号である表示位置指定信号を出力可能に構成されている場合には、表示位置切替部F4は、当該表示位置指定信号に基づいて表示位置を調整してもよい。表示位置切替部F4は、適用されるべき表示位置(目標表示位置)を示すデータを目標角度特定部F5に出力する。より具体的には表示位置切替部F4は、例えば目標表示位置として第1表示位置Dp1と第2表示位置Dp2のどちらを選択中であるかを示す信号を出力する。表示位置切替部F4が目標表示位置選択部に相当する。
目標角度特定部F5は、表示位置が変更された場合に、変更内容に応じて各モータの駆動量を決定する。換言すれば表示器20及び凹面鏡30のチルト角の目標値を決定する。ここでは一例として、設定可能な視点位置毎に、その視点位置での第1表示位置Dp1及び第2表示位置Dp2を実現するための表示器20及び凹面鏡30それぞれのチルト角を示すデータ(以降、角度設定データ)がストレージ63に登録されている。ストレージ63が記憶装置に相当する。
図5は角度設定データの構成を概念的に示した図である。角度設定データは、拡大光学系MOSの構成や、表示器20の仕様等を鑑み、試験や数値解析によって設計される。表示位置ごとの表示器20及び凹面鏡30のチルト角は、対象アイボックスEbtで十分な表示輝度を実現する値に設定されている。角度設定データは、例えばコサイン特性なども考慮して設定されている。コサイン特性は、構成要素に入射する光の入射角の余弦に比例して当該構成要素の輝度は変化するといった特性である。凹面鏡30への入射角が0°に近いほど、つまり入射方向が垂直方向に近いほど、HUD画像の輝度は大きくなり、視認性が向上しうる。
本実施形態では一例として、同一のアイボックスEbに対応する表示器20の回転角度は、凹面鏡30の回転角度よりも小さく設定されている。当該設定によれば、画像がぼやける恐れを低減できる。
目標角度特定部F5は、角度設定データを用いて特定した表示器20のチルト角の目標値である表示器目標角と、凹面鏡30のチルト角の目標値であるミラー目標角をモータ制御部F6に出力する。なお、目標角度特定部F5は、目標視点位置が変更された場合にも同様に、角度設定データに基づき各目標角を特定し、モータ制御部F6に出力する。目標角は、チルト角の目標値を指す。表示器20及び凹面鏡30の目標角は、目標視点位置及び表示位置の組み合わせによって定まる。
モータ制御部F6は、表示器モータ50及び凹面鏡モータ40のそれぞれから提供される回転角データに基づいて、表示器20及び凹面鏡30それぞれの現在のチルト角(姿勢)をそれぞれ特定する。モータ制御部F6は、サブ機能部として、表示器角制御部F61、及び凹面鏡角制御部F62を備える。モータ制御部F6がアクチュエータ制御部に相当する。
表示器角制御部F61は、表示器20のチルト角が表示器目標角と一致するように表示器モータ50を制御する。例えば現在の表示器20のチルト角である表示器現在角と、表示器目標角との差に基づいて表示器モータ50の駆動量を決定する。駆動量は、正/負の値を取り、正負によってモータを回転させる方向が表現されうる。当該決定された駆動量に応じた制御信号を生成し、表示器モータ50に出力する。表示器モータ50は、表示器角制御部F61からの入力される制御信号に基づいて回転駆動し、表示器20のチルト角を変化させる。その結果、凹面鏡30への画像光の入射位置及び入射角度が変更される。
凹面鏡角制御部F62は、凹面鏡30のチルト角がミラー目標角と一致するように凹面鏡モータ40を制御する。例えば現在の凹面鏡30のチルト角である凹面鏡現在角と、ミラー目標角との差に基づいて凹面鏡モータ40の駆動量を決定する。当該決定された駆動量に応じた制御信号を生成し、凹面鏡モータ40に出力する。凹面鏡モータ40は、凹面鏡角制御部F62からの入力される制御信号に基づいて回転駆動し、凹面鏡30のチルト角を変化させる。これに伴い、凹面鏡30への画像光の入射位置及び入射角度、ひいては、シールド照射位置及び照射角度が変更される。
<表示器の光度特性についての補足説明>
ここでは、表示器20の光度方位特性について説明する。光度は光の強さ、換言すれば明るさに相当する。一般的に表示器20は、図6に示すように正面方向で光度(cd)が最も大きくなり、光軸から離れるにつれて光度は低下している特性を有する。つまり、表示器20は画像光の照射強度の観点において指向性を有する。故に、表示器20には、画像表示に利用可能な角度範囲である有効画角が規定されている。なお、正面方向は光軸方向と呼ぶこともできる。
ここでは、表示器20の光度方位特性について説明する。光度は光の強さ、換言すれば明るさに相当する。一般的に表示器20は、図6に示すように正面方向で光度(cd)が最も大きくなり、光軸から離れるにつれて光度は低下している特性を有する。つまり、表示器20は画像光の照射強度の観点において指向性を有する。故に、表示器20には、画像表示に利用可能な角度範囲である有効画角が規定されている。なお、正面方向は光軸方向と呼ぶこともできる。
縦方向の有効画角や横方向の有効画角は、上述した光度方位特性、及び、HUD画像として要求される輝度に基づいて設定されうる。仮に有効画角を中心光度の90%とする場合、図6に示す例では有効画角は-1.5度~+1.5度の3度程度となる。中心光度は光軸方向での光度を指す。ここでの光度方位特性とは、光軸方向換言すれば主光線方向を0°としたときの照射方向ごとの光度を指す。有効画角を規定する閾値は、90%に限らず、80%や、70.7%であってもよい。
そして、仮に縦方向の有効画角を超えた領域を用いて画像を表示しようとすると、表示範囲の上端部や下端部が輝度不足となって暗くなってしまう。故に、縦画角を広げるための1つの手段としては、光度方位特性がなだらかな表示器20、換言すれば有効画角が広い表示器20を用いることが考えられる。しかし有効画角が広い表示器20は高価となる。
そのような課題に対し、本開示の構成によれば表示器20と凹面鏡30のチルト角を動的に制御することにより、HUD画像の視認性を維持したまま、表示範囲を動的に上下に移動させることができる。つまり、仮想的に表示範囲を拡張可能となる。
なお、凹面鏡30だけを回動させる構成によっても表示位置を変更可能ではあるが、その場合、画像のメインビーム(主成分)は、図7に示すように非対象アイボックスEbnに向かう。そのため、対象アイボックスEbtでのHUD画像の視認性は低下しうる。例えば輝度が低下したり、像がぼやけたりしうる。そのような課題に対し、凹面鏡30だけでなく、表示器20も回動させることにより、画像光の主成分が対象アイボックスEbtに向かうように、ウインドシールド2への照射位置及び照射角度を微調整可能となる。その結果、同一の視点(アイボックス)において、HUD画像の視認性を維持しつつ、HUD画像の表示位置を変更可能となる。
<表示位置切替時の制御フローについて>
図8は、表示位置が変更となった場合の制御ユニット60の作動の一例を示したものである。図8に示すフローは例えば200ミリ秒ごとに逐次実施されれば良い。また、図8に示すフローは、画像信号源5から入力信号に変化があったことをトリガとして実行されてもよい。
図8は、表示位置が変更となった場合の制御ユニット60の作動の一例を示したものである。図8に示すフローは例えば200ミリ秒ごとに逐次実施されれば良い。また、図8に示すフローは、画像信号源5から入力信号に変化があったことをトリガとして実行されてもよい。
表示位置切替部F4は、画像信号源5からの入力信号を解析し(ステップS11)、入力信号に応じた表示位置を判断する(ステップS12)。当該判断の結果として表示位置が変化した場合には(ステップS13 YES)、目標角度特定部F5が遷移先の表示位置と目標視点位置とに応じた表示器目標角及びミラー目標角を、角度設定データに基づき特定する(ステップS14)。そして、モータ制御部F6が各モータを駆動制御し、表示器20及び凹面鏡30のチルト角を目標角に一致させる(ステップS15)。なお、例えばHUD画像として表示する情報種別に変更がない場合など、表示位置の変更が必要ではない場合には(ステップS13 NO)、特段の処理を実行せずにフローを終了する。
上記の制御態様によれば、画像信号源5からの入力信号の変化に対してリアルタイムに表示位置を変更させることができる。
ところで、上記説明の通り、表示位置を切り替える場合、表示器20と凹面鏡30とをそれぞれ回動させる。その場合の制御パターンとして、大きくは以下の(a)~(c)3つに大別することができる。
(a)表示器20を回動させてから凹面鏡30を回動させる。
(b)凹面鏡30を回動させてから表示器20を回動させる。
(c)表示器20と凹面鏡30を同時に/並列的に回動させる。
(a)表示器20を回動させてから凹面鏡30を回動させる。
(b)凹面鏡30を回動させてから表示器20を回動させる。
(c)表示器20と凹面鏡30を同時に/並列的に回動させる。
制御パターン(a)及び(b)は、表示器20及び凹面鏡30の回動を非同期とする制御態様であるため、非同期変更パターンと呼ぶことができる。また、制御パターン(c)は、表示器20及び凹面鏡30を同期変更パターンと呼ぶことができる。
(a)又は(b)の制御パターンによれば、表示器20と凹面鏡30の角度関係が、HUD画像の視認性において最適な角度関係から一時的に外れるため、一時的にHUD画像が暗く表示されうる。それに対して、制御パターン(c)によれば、表示器20と凹面鏡30が同期/連携させて回動するため、表示位置の変更過程においてHUD画像の輝度が低下することを抑制可能となる。
なお、制御パターン(a)又は(b)を採用する場合においては、光源制御部F21が、HUD画像において一時的に輝度が低下する領域に対応する光源素子の輝度を通常値よりも所定量高くしてもよい。つまり光源制御部F21は、表示位置の変更過程において輝度が低下する領域に対応するようにバックライト22を構成する光源素子の輝度を行単位で動的に制御しても良い。HUD画像において一時的に輝度が低下する画像領域は、表示器20と凹面鏡30の角度関係から特定可能である。なお、HUD画像において一時的に輝度が低下する領域は、表示器20又は凹面鏡30の回動に伴って動的に拡大していく。光源制御部F21は、表示器20又は凹面鏡30の回動に伴って、輝度を上昇させる光源素子の範囲を行単位で拡張していく。
図9は、例えば制御パターン(a)を採用した場合のHUD画像の経時的な見え方の変化と、それに対する光源制御部F21の作動例を概念的に示した図である。第1表示位置Dp1から第2表示位置Dp2に切り替える場合を例示している。図9の(A)は初期状態を、(B)は凹面鏡30のチルト角を一定としたまま、表示器20を第1表示位置Dp1用のチルト角から第2表示位置Dp2用のチルト角に変更した状態を表している。(C)は、凹面鏡30を第1表示位置Dp1用のチルト角から第2表示位置Dp2用のチルト角に変更した状態、すなわち、表示位置の変更が完了した状態を示している。
凹面鏡30のチルト角を一定としたまま、表示器20を第1表示位置Dp1用のチルト角から第2表示位置Dp2用のチルト角に変更すると、表示位置は所定量上側に移動するとともに、上端部付近の輝度が下側に比べて低下しうる。凹面鏡30の形状に由来する光学的特性に由来して、表示器20と凹面鏡30の角度関係が、対象アイボックスEbtからみて最適な角度関係から一時的に外れるためである。
そこで、光源制御部F21は、上端部付近の輝度低下領域に対応する光源素子の発光量を所定の通常輝度よりも所定量高める。図9においては光源輝度の高さをドットパターンのハッチングの輝度で表現している。ドットパターンの密度が高いほど輝度が高い状態に対応する。基本的には表示器20の回動に伴って輝度低下領域は拡大するように振る舞う。そのため、光源制御部F21は表示器20の回動に伴い、輝度を強化する領域を拡大していく。
また、表示器20のチルト角調整の完了後の、凹面鏡30のチルト角を調整中においても光源制御部F21は、表示器20と凹面鏡30の角度関係に由来するHUD画像の輝度不足を補うようにバックライト22の輝度を行単位で動的に調整する。凹面鏡30の回動に伴って輝度低下領域は縮小していく。そのため、光源制御部F21は凹面鏡30の回動に伴って輝度を強化する領域を縮小していく。最終的には、光源制御部F21は全体の輝度を通常値に戻す事となる。
以上では制御パターン(a)について例示したが、制御パターン(b)についても同様である。当該構成によれば、表示器20と凹面鏡30との回動が非同期である場合においても、HUD画像に輝度の偏りが生じることを抑制することができる。ひいては表示位置の変更過程においてHUD画像の視認性が損なわれる恐れを低減できる。また、バックライト22における輝度強化は一時的かつ部分的であって表示位置の変更が完了次第、速やかに通常値に戻される。当該構成によれば、バックライト22における発熱量の増加を抑制することができる。
なお、以上では説明を簡略化するため図10の(a1)に示すように表示器20の回動が完全に完了してから凹面鏡30を回動させる態様を述べたが、(a2)に示すように表示器20の回動途中において凹面鏡30の回動を開始させても良い。また、(a3)に示すように表示器20及び凹面鏡30の回動開始タイミングを揃えつつ、終了タイミングをずらしてもよい。(a4)に示すように表示器20及び凹面鏡30の回動開始タイミングをずらしつつも終了タイミングを揃えても良い。制御例(a3)及び(a4)は、表示器モータ50や凹面鏡モータ40の回動速度及び回動量を調整することにより、実現されうる。
なお、各種モータの駆動、換言すれば表示器20及び凹面鏡30の回動は、0.5秒や1.0秒など、所定の回動許容時間以内に完了するように構成されているものとする。図中のT01は表示位置の変更を開始した時刻を示しており、T03は表示位置の変更が完了した時刻を示している。T02は、制御パターン(a)においては表示器20の回動が終了した時刻を示している。表示器20よりも凹面鏡30を先に回動開始又は回動完了させる技術思想に対応する制御パターン(b)についても同様に、具体的な制御態様として多様な態様を採用可能である。なお、表示器20及び凹面鏡30を同時に/並列的に回動させる構成によれば表示位置の切替に要する時間である切替所要時間を抑制可能となる。
制御パターン(c)では、より好適な態様として、基本的にはHUD画像の表示輝度の不均一が生じにくいように、各モータの駆動スケジュールが設定されている。制御パターン(c)においても、モータの回転速度差に由来して一時的かつ部分的に輝度の低下が生じうる場合には、光源制御部F21によるバックライト22の部分的な輝度調整制御を適用しても良い。
ところで、制御パターン(a)、(b)によれば、HUD画像の輝度変化によって、ドライバの注意がHUD画像に向けられやすくなる。制御パターン(a)、(b)によれば、表示コンテンツに対するドライバの認識率を高める事ができる効果を期待できる。
制御ユニット60は、表示コンテンツに応じて制御パターンを使い分けるように構成されていても良い。例えば或る特定のコンテンツに対しては、非同期変更パターンを適用する一方、別の特定のコンテンツを表示する場合には同期変更パターンを適用しても良い。より具体的には、第1表示位置Dp1を適用中において第2表示位置Dp2に経路案内画像を表示する場合には制御パターン(a)を適用する。一方、第1表示位置Dp1を適用中において第2表示位置Dp2に歩行者や他車両などに対する注意喚起画像を表示する場合には同期変更パターンを適用してもよい。また、他の態様としてサイン強調画像の表示には非同期変更パターンを適用する一方、注意喚起画像を表示する場合には同期変更パターンを適用してもよい。制御パターンの違いによる画像の見え方の違いを、視覚的効果の一種として援用することにより、コンテンツの特性に応じた表示を実施可能となる。
その他、表示制御部F2は、表示位置の変更中は画像表示を中断するように構成されていてもよい。当該技術思想に対応するHUD装置1の作動例を図11に示す。図11に示すフローは、走行用電源がオンに設定されている間、又は、画像信号源5から映像信号が入力されている間、例えば200ミリ秒ごとに逐次実施されれば良い。また、図11に示すフローは、画像信号源5から入力信号に変化があったことをトリガとして実行されてもよい。図11に示すステップS21~S24は前述のステップS11~S14と同様である。
図11に示すフローでは表示制御部F2がステップS25としてHUD画像の表示を停止させた後に、モータ制御部F6が各モータを駆動制御し、表示器20及び凹面鏡30のチルト角を目標角に一致させる(ステップS26)。そして、表示位置の調整が完了してから表示制御部F2が画像表示を再開する(ステップS27)。
このように表示位置の切替中においてはHUD画像の表示を停止する構成によれば、前述したような一時的なHUD画像の輝度不均一がドライバに知覚されることを抑制することができる。また、モータ駆動に由来する機械要素の振動に伴って、表示画像が振動して見える恐れも低減できる。ひいてはドライバに違和感を与える恐れを低減できる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。また、種々の変形例は適宜組み合わせて実施することができる。さらに、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
HUD装置1が設定可能な表示位置は第1表示位置Dp1と第2表示位置Dp2の2種類に限定されない。HUD装置1は、個々のアイボックスEbに対して、3パターン以上の表示位置を設定可能に構成されていても良い。ストレージ63には、アイボックスEbの位置とHUD画像の表示位置の組み合わせごとの表示器20及び凹面鏡30のチルト角の設定値を示す角度設定データが登録されている。
なお、角度設定データは、アイボックスEbの位置とHUD画像の表示位置の組み合わせに応じた表示器20及び凹面鏡30それぞれのチルト角を算出するプログラムであってもよい。第1表示位置Dp1と第2表示位置Dp2は、図12の(a)に示すように所定量離れていても良い。第1表示位置Dp1と第2表示位置Dp2は、図12の(b)に示すように上下方向において部分的に重なっていても良い。
HUD装置1の光学系の構成は図1に示す構成に限定されない。図13に示すように、表示器20から出力された画像光は、平面鏡70を介して凹面鏡30に到達するように構成されていても良い。また、表示器20から出力された画像光は、複数の平面鏡やレンズを介してウインドシールド2に照射されるように構成されていても良い。画像光の経路は適宜変更可能である。なお、平面鏡70も1つの側面において拡大光学系MOSの一部と解することができる。
表示器アクチュエータとしてモータを用いる構成について例示したが、表示器アクチュエータはモータでなくともよい。表示器アクチュエータは、ソレノイドアクチュエータであってもよいし、圧電(ピエゾ)素子であってもよい。ミラーアクチュエータについても同様である。
<付言>
本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。例えば制御ユニット60が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。プロセッサ(演算コア)としては、CPUや、MPU、GPU、DFP(Data Flow Processor)などを採用可能である。また、制御ユニット60が備える機能の一部又は全部は、プロセッサを組み合わせて実現されていてもよい。加えて、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。制御ユニット60が備える機能の一部又は全部は、システムオンチップ(SoC:System-on-Chip)や、FPGA、ASICなどを用いて実現されていても良い。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略である。
本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。例えば制御ユニット60が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。プロセッサ(演算コア)としては、CPUや、MPU、GPU、DFP(Data Flow Processor)などを採用可能である。また、制御ユニット60が備える機能の一部又は全部は、プロセッサを組み合わせて実現されていてもよい。加えて、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。制御ユニット60が備える機能の一部又は全部は、システムオンチップ(SoC:System-on-Chip)や、FPGA、ASICなどを用いて実現されていても良い。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略である。
上述した制御ユニット60の他、当該制御ユニット60を構成要素とする車両用表示システムなと、種々の形態も本開示の範囲に含まれる。またコンピュータを制御ユニット60として機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体等の形態も本開示の範囲に含まれる。コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に記憶されていてもよい。プログラムの保存媒体としては、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を採用可能である。
1 HUD装置(ヘッドアップディスプレイ装置)、2 ウインドシールド(投影部材)、5 画像信号源、6 視点調整スイッチ、10 筐体、20 表示器、22 バックライト(光源部)、30 凹面鏡(ミラー)、40 凹面鏡モータ(ミラーアクチュエータ)、50 表示器モータ(表示器アクチュエータ)、60 制御ユニット、61 プロセッサ、62 メモリ、63 ストレージ(記憶装置)、Dp1 第1表示位置、Dp2 第2表示位置、F1 画像信号取得部、F2 表示制御部、F3 目標視点取得部、F4 表示位置切替部(目標表示位置選択部)、F5 目標角度特定部、F6 モータ制御部(アクチュエータ制御部)、F21 光源制御部、F61 表示器角制御部、F62 凹面鏡角制御部。
Claims (10)
- 画像を形成する光である画像光を、投影部材に投射することにより、前記画像を運転席の前方の所定範囲に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
上下方向における前記画像の表示位置として、それぞれ上下方向の位置が異なる第1表示位置(Dp1)と、第2表示位置(Dp2)とを選択可能に構成されており、
筐体(10)と、
前記画像光を出力する表示器(20)と、
前記画像光を前記投影部材に向けて反射するミラー(30)と、
前記ミラーを回動させるミラーアクチュエータ(40)と、
前記表示器を回動させる表示器アクチュエータ(50)と、
前記ミラーアクチュエータ及び前記表示器アクチュエータのそれぞれの動作を制御するアクチュエータ制御部(F6)と、
選択可能な前記表示位置のうち、画像の表示先とする前記表示位置である目標表示位置を選択する目標表示位置選択部(F4)と、
前記目標表示位置選択部が選択している前記目標表示位置に基づいて、前記表示器アクチュエータ及び前記ミラーアクチュエータのそれぞれの回転角の目標値である目標角を特定する目標角度特定部(F5)と、を備え、
前記アクチュエータ制御部は、前記表示器アクチュエータ及び前記ミラーアクチュエータの回転角が前記目標角度特定部によって特定されたそれぞれの前記目標角と一致するように前記表示器アクチュエータと前記ミラーアクチュエータを駆動させるヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記目標角として、前記目標表示位置ごとの前記表示器の基本姿勢からの回転角と、前記ミラーの基本姿勢からの回転角の組み合わせを示す角度設定データが登録された記憶装置(63)を備え、
前記目標角度特定部は前記記憶装置に保存されている前記角度設定データを用いて、前記目標表示位置に応じた前記表示器及び前記ミラーの前記目標角を特定するヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
複数の前記目標表示位置のそれぞれにおいて、前記基本姿勢に対する前記表示器の回転角は前記ミラーの回転角よりも小さく設定されているヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項2又は3に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
ドライバの視点位置である目標視点位置を取得する目標視点取得部(F3)を備え、
前記角度設定データは、前記表示位置と前記目標視点位置の組み合わせに応じた前記表示器の回転角及び前記ミラーの回転角を含み、
前記目標角度特定部は、前記角度設定データに基づいて、前記目標視点位置及び前記表示位置の組み合わせに応じた前記表示器及び前記ミラーのそれぞれの前記目標角を特定するヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1から4の何れか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記アクチュエータ制御部は、前記目標表示位置を変更する場合、前記表示器アクチュエータ及び前記ミラーアクチュエータを並列的に駆動させるように構成されているヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1から4の何れか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記アクチュエータ制御部は、前記目標表示位置を変更する場合、前記表示器アクチュエータ及び前記ミラーアクチュエータの何れか一方を先に駆動させてから他方を駆動させるように構成されているヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項6に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記表示器は、複数の発光素子が行列状に配置された光源部(22)を含み、
前記光源部の発光量を1行又は複数行単位で制御する光源制御部(F21)を備え、
前記光源制御部は、前記表示位置の変更中においては、前記ミラーと前記表示器の角度の関係に由来して輝度が低下する画像領域に対応する行の前記発光素子を、他の画像領域に対応する前記発光素子よりも所定量明るく発光させるように構成されているヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1から7の何れか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記アクチュエータ制御部は、前記目標表示位置を変更する場合の前記表示器アクチュエータ及び前記ミラーアクチュエータの制御パターンとして
前記表示器アクチュエータ及び前記ミラーアクチュエータの何れか一方を先に駆動させてから他方を駆動させる非同期変更パターンと、
前記表示器アクチュエータ及び前記ミラーアクチュエータを同時に駆動させる同期変更パターンと、を選択的に実施可能に構成されており、
前記アクチュエータ制御部は、変更後の前記目標表示位置に表示するコンテンツの種別に応じて前記制御パターンを決定するヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1から8の何れか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記表示器及び前記ミラーの少なくとも何れか一方を回動させている間は、前記画像光の出力を停止するように構成されているヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1から9の何れか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記第2表示位置は前記第1表示位置よりも上側の前記表示位置であって、
前記第2表示位置は、車両の進路を示す経路案内画像、注意すべき移動体を強調して示すための画像である注意喚起画像、及び、信号機又は交通標識を強調して示すための画像であるサイン強調画像の少なくとも何れか1つを表示するための表示位置であって、
前記目標表示位置選択部は、前記経路案内画像、前記注意喚起画像、及び、前記サイン強調画像の少なくとも1つを表示する場合には、前記目標表示位置を前記第1表示位置から前記第2表示位置に切り替えるヘッドアップディスプレイ装置。
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