JP6799240B2 - リニア振動モータ - Google Patents

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本発明は、可動子を磁気駆動して直線的に振動させ、その振動を出力するリニア振動モータに関する。
上述の如きリニア振動モータは、例えば携帯型端末装置等のユーザに着信や操作入力等を振動で知らせるためにその携帯型端末装置等に搭載されており、かかるリニア振動モータとしては従来、例えば特許文献1〜4により開示されたものが知られている。
特許文献1記載のリニア振動モータは、円盤状の固定体2と、固定体2内に収容された可動体(可動子)6と、固定体2と可動体6とに接続されて固定体2に対し可動体6を軸線方向に移動可能に支持するバネ部材(機械式スプリング)8と、可動体6を軸線方向に駆動する磁気駆動機構5とを備えるとともに、固定体2と可動体6との間に配置されたゲル状ダンパー部材9を備えることにより、バネ部材を可動体に接続した場合でも可動体の共振を効果的に抑制できるようにしている。
特許文献2記載のリニア振動モータ(リニアアクチュエータ)は、直方体状のハウジング220と、ハウジング220内に配置されてハウジング220の長手方向両端部に接続された軸320と、軸320に移動可能に係合された質量(可動子)310,330と、軸320の一部を取り巻いて質量310,330がハウジング220に接触するのを防止するスプリング(機械式スプリング)510と、軸320と質量310,330との少なくとも一部を囲繞して質量310,330が第1の位置から第2の位置に移動するようにその質量に駆動力を及ぼす電磁構体300とを備え、その質量310,330の第1の位置から第2の位置への動きで触覚出力を発生させることにより、比較的小型の構成で質量を二方向に動かすことができるようにしている。
特許文献3記載のリニア振動モータ(リニアアクチュエータ)は、軸方向にN極およびS極が着磁される少なくとも一つの永久磁石3a,3b,3cを有する棒状の可動子4と、可動子4を囲む第1のコイル1aおよび第2のコイル1bが軸線方向に配列される筒状の固定子2とを備え、第1のコイル1aに発生する推力と第2のコイル1bに発生する推力の位相がずれるように第1および第2のコイル1a,1bに位相を異ならせた交流を流し、かつ第1および第2のコイル1a,1bの軸線方向の中心を結んだコイル中心間ピッチと可動子4の磁極間ピッチとを一致させることにより、機械式スプリングを利用せずに可動子を往復動させるようにしている。
特許文献4記載のリニア振動モータは、収容空間を有する直方体状のハウジング10と、各々その収容空間に収容されてハウジング10に固定された第1の磁石11および第2の磁石13と、ハウジング10内に浮遊されるとともにクランプウェイト120と第3の磁石121と駆動磁石122と第4の磁石123とを有し第3の磁石121の磁極が第1の磁石11の隣接する磁極と対向する一方で第4の磁石123の磁極が第2の磁石13の隣接する磁極と対向する振動器ユニット(可動子)12とを、それら第1の磁石11と振動器ユニット12と第2の磁石13とが振動器ユニット12の振動方向に沿って1つずつ並ぶ配置で備え、さらに、磁的案内溝を持つ案内溝部品と、少なくとも部分的にその磁的案内溝に包まれて浮遊する磁的案内レールを持つ案内レール部品とを含み、振動器ユニット12をハウジング10内に浮遊させるとともにその振動方向に沿って動かす係合構体15,16と、その収容空間に収容され、駆動磁石122に対し隙間を開けられてその駆動磁石122を囲む駆動コイル14とを備えることにより、機械式スプリングを使用せずに振動器ユニットを浮遊させるようにしている。
WO2015/141648A1 US2016/172953A1 WO2010/119788A1 US2016/226359A1
しかしながら、特許文献1および特許文献2記載の振動モータは、何れも可動子を機械式スプリングによって位置決めしていることから、組み立ての際に機械式スプリングの変形等の不具合が発生しやすく、組み立ての難易度が非常に高いという課題があり、また製品完成後の耐衝撃性が低く、特性変化や故障等の原因となるという課題もあった。
一方、特許文献3および特許文献4記載の振動モータは、何れも可動子を位置決めする機械式スプリングは用いていないものの、代わりに可動子の移動方向に延在させて電磁回路を配置していることから、ハウジングを小型化するのが困難であるという課題があった。
それゆえこの発明は、可動子を磁気駆動して直線的に振動させ、その振動を出力する振動モータにおいて、上記課題を有利に解決し、部品の取り扱いおよび組み立てが容易で耐衝撃性が高く、しかも磁気回路を強化し易いため省電力で小型化が容易なリニア振動モータを提供することを目的とする。
この発明のリニア振動モータは、
筒状のコイルと、前記コイルの外側に位置する磁性体ヨーク突起部とを有する固定子と、
前記コイルを貫通するように前記固定子に対して固定される支持軸と、
前記コイルを間に挟んで前記磁性体ヨーク突起部と対向するように位置する永久磁石からなる可動子マグネットを有して前記支持軸にその支持軸の軸線方向へ移動自在に支持される可動子と、
を備え、
前記固定子は、前記コイルを収容するとともに、そのコイルの外周面に向けて内向する前記磁性体ヨーク突起部を形成されている円盤状のハウジングを有し、
前記支持軸は、前記ハウジングの中心部にてそのハウジングの軸線方向に延在する配置でそのハウジングに固定されており、
前記可動子マグネットと、前記磁性体ヨーク突起部とが磁気スプリングを構成し、
前記磁気スプリングが、前記可動子マグネットと前記磁性体ヨーク突起部との間で前記コイルを貫通する磁束により、磁気吸引力を生じさせて前記可動子を前記支持軸上の所定位置に浮遊状態で位置決めするように付勢するとともに、前記コイルに通電により発生して前記コイルを貫通する磁束を前記支持軸の軸線方向への前記可動子の駆動に寄与する方向に強めることを特徴としている。
この発明のリニア振動モータにあっては、固定子の筒状のコイルを貫通するようにその固定子に対して固定される支持軸にその軸線方向へ移動可能に支持された可動子が、コイルを間に挟んで固定子の磁性体ヨーク突起部と対向するように可動子マグネットを位置させ、その可動子マグネットとそれに対向する磁性体ヨーク突起部とが磁気スプリングを構成し、その磁気スプリングが、可動子マグネットと磁性体ヨーク突起部との間でコイルを貫通する磁束により、磁気吸引力を生じさせて、可動子が支持軸上でその軸線方向へ移動しても引き戻して可動子を支持軸上の所定位置に浮遊状態で位置決めするように付勢し、加えて、コイルに通電により発生してコイルを貫通する磁束を支持軸の軸線方向への可動子の駆動に寄与する方向に強め、その磁気スプリングの引き戻し作用下でコイルがその強められた磁束により、可動子を支持軸の軸線方向へ一方向または往復方向に駆動して移動させる。
従って、この発明のリニア振動モータによれば、機械式スプリングを使用しないため部品の取り扱いおよび組み立てを容易に行い得るとともに耐衝撃性を高くすることができ、また、磁気スプリングが磁気回路を強化するのでエネルギー効率を高めて省電力化でき、しかも磁気スプリングの引き戻し作用が可動子の移動方向に働くため、電磁回路を可動子の移動方向に延在させる必要がなく、可動子を駆動する磁気回路と磁気スプリングとを個別に設ける必要もないので、固定子を容易に小型化することができる。
なお、この発明のリニア振動モータにおいては、前記コイルは、前記磁気スプリングで付勢する前記可動子の質量の固有振動数に略一致する周期で通電されて、前記可動子を共振状態で往復振動させるものであると好ましい。このようにすれば、一般に直線的特性を持つとともにこの発明ではコイルを貫通する磁束を強める磁気スプリングを用いて共振振動系を構成するので、可動子の最大振幅の往復運動を容易かつ効率的に得ることができる。
また、この発明のリニア振動モータにおいては、前記可動子マグネットと前記磁性体ヨーク突起部との少なくとも一方は、他方と対向する部分に先細りのテーパー形状を有していると好ましい。このようにすれば、磁気スプリングが、可動子の駆動に寄与する方向にコイルを貫通する磁束をより集束させて強めることができる。また、可動子を所定位置に精度よく位置決めすることができる。
また、この発明のリニア振動モータにおいては、前記コイルは、円弧状部分と直線状部分とを持つ輪郭形状を有していると好ましい。このようにすれば、固定子の外周輪郭形状を円形にしつつ、コイルの直線状部分の外側に磁性体ヨーク突起部を配置できるので、固定子を容易に小型化することができ、また、可動子マグネットおよび固定子マグネットの、コイルの直線状部分に対向する部分を直線形状にできるので、安定した磁気回路を形成することができる。
さらに、この発明のリニア振動モータにおいては、前記可動子マグネットは、前記可動子の、前記磁性体ヨーク突起部に向かうにつれて幅が狭まるインバース形状の嵌合部に嵌合していると好ましい。このようにすれば、可動子の組み立てを容易に行い得るとともに可動子の耐衝撃性を高めることができる。
さらに、この発明のリニア振動モータにおいては、前記固定子は、前記コイルを収容するとともに、そのコイルの外周面に向けて内向する前記磁性体ヨーク突起部を形成されている円盤状のハウジングを有し、前記支持軸は、前記ハウジングの中心部にてそのハウジングの軸線方向に延在する配置でそのハウジングに固定されているこれにより、固定子マグネットを省略して固定子を簡易に構成し得るとともに、固定子ひいてはリニア振動モータ全体を容易に小型化することができる。
この発明のリニア振動モータの参考形態の外観を上側から見た状態で示す斜視図である。 上記参考形態のリニア振動モータの構成を上側から見た状態で示す分解斜視図である。 上記参考形態のリニア振動モータの構成を下側から見た状態で示す分解斜視図である。 (a)は、上記参考形態のリニア振動モータの可動子を示す斜視図、(b)は、その可動子を固定子のブラケット、基板および固定子マグネットとシャフトとともに示す斜視図、(c)は、その可動子を固定子のブラケット、基板、固定子マグネットおよびコイルとシャフトとともに示す斜視図である。 (a)は、上記参考形態のリニア振動モータを示す平面図、(b)は、(a)中のA−A線に沿う断面図、(c)は、(a)中のB−B線に沿う断面図である。 (a)は、この発明のリニア振動モータの実施形態のハウジングを構成するケースを示す斜視図、(b)は、その実施形態のリニア振動モータの可動子の可動子マグネットを示す斜視図、(c)は、その実施形態のリニア振動モータの固定子のブラケットを示す斜視図、(d)は、そのブラケットを可動子の可動子マグネットとともに示す斜視図である。 上記実施形態のリニア振動モータを図5(c)と同様の断面位置で示す断面図である。
以下に、この発明のリニア振動モータの参考形態および実施形態を図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明のリニア振動モータの参考形態の外観を上側から見た状態で示す斜視図、図2は、上記参考形態のリニア振動モータの構成を上側から見た状態で示す分解斜視図、そして図3は、上記参考形態のリニア振動モータの構成を下側から見た状態で示す分解斜視図である。
また、図4(a)は、上記参考形態のリニア振動モータの可動子を示す斜視図、図4(b)は、その可動子を固定子のブラケット、基板および固定子マグネットとシャフトとともに示す斜視図、図4(c)は、その可動子を固定子のブラケット、基板、固定子マグネットおよびコイルとシャフトとともに示す斜視図、そして図5(a)は、上記参考形態のリニア振動モータを示す平面図、図5(b)は、図5(a)中のA−A線に沿う断面図、図5(c)は、図5(a)中のB−B線に沿う断面図である。
この参考形態のリニア振動モータは、図1に示すように、全体として概略円盤状をなすとともに、固定子を構成する円盤状のハウジング1を備えている。このハウジング1は、図2および図3に示すように、短い円筒形状をなすとともに軸線方向の一端部に平面部を有する浅い円形容器状のケース2と、そのケース2の他端部である開口端部を閉止する円板状のブラケット3とを有しており、ケース2およびブラケット3は、鋼鈑やステンレス等で形成されている。
この参考形態のリニア振動モータはまた、図2および図3に示すように、ハウジング1の中心部にてそのハウジング1の軸線方向に延在する配置でそのハウジング1に固定される支持軸としてのシャフト4を備えており、このシャフト4は、高強度ステンレス等で形成されている。ケース2の平面部の内側の中央部にはシャフト4と嵌合する凹部2aが形成され、ケース2の開口端部にはブラケット3と嵌合する切り欠き2bが形成されている。ブラケット3の中央部にはシャフト4と嵌合する凹部3aが形成され、ブラケット3の外周縁部にはケース2の開口端部と嵌合する切り欠き3bが形成されている。
ケース2とブラケット3とは互いに嵌合されて溶接等により互いに固定されており、シャフト4はその両端部をケース2およびブラケット3にそれぞれ嵌合、圧入あるいは溶接等により固定されている。なお、図示例では、シャフト4の下端部はブラケット3の中央部の凹部3aに圧入された上で溶接され、シャフト4の上端部はケース2の平面部の中央部の凹部2aに嵌合されている。
この参考形態のリニア振動モータはさらに、図2および図3に示すように、これも各々固定子を構成する薄板状の基板5と筒状のコイル6とそのコイル6の外側に位置する複数個、図示例では2個の固定子マグネット7とを備えている。
基板5は、フレキシブルプリント配線板(FPC)等で形成されており、円板状部およびその外周縁から突出する矩形の突出部を持つ絶縁樹脂層5aと、その絶縁樹脂層5aに積層されるとともに電源端子部(長方形部分)5cからコイル接続部(略半円形部分)5dに至る電気回路を2本形成する銅箔5bとを有している。銅箔5bの、電源端子部5cおよびコイル接続部5d以外の部分は、絶縁樹脂層5aにより外部に対して電気的に絶縁されている。なお、図示例では、基板5は2枚の絶縁樹脂層5aの間に銅箔5bを挟んだ構造となっており、銅箔5bの2つの電源端子部5cと2つのコイル接続部5dとは、絶縁樹脂層5aの突出部と円板状部とにそれぞれ形成された開口から外部に露出している。基板5は、両面テープ8等でブラケット3に固定されている。
コイル6は、マグネットワイヤ等で巻線されて、2つの直線状部分6aと2つの円弧状部分6bとを有する小判型断面の略円筒状に形成されており、シャフト4がコイル6内をコイル軸線に沿って貫通するとともにコイル6の軸線方向一端部が基板5に密接する配置にて、接着剤等で基板5に固定されている。コイル6の図示しない2本の端線は基板5の2箇所のコイル接続部5dに、半田付けや溶接等によりそれぞれ電気的に接続されている。
2個の固定子マグネット7は各々、ネオジム磁石等からなり、シャフト4の半径方向(後述する可動子マグネット10と対向する方向)に着磁されている。各固定子マグネット7は、図4および図5に示すように、コイル6の外側にてコイル6の直線状部分6aに密接する位置で、ケース2またはブラケット3に接着等により固定されている。なお、図示例では、各固定子マグネット7は、図示しない接着剤によりケース2の内周面に固定されている。
この参考形態のリニア振動モータはさらに、図2および図3に示すように、各々可動子を構成する分銅9と2個の可動子マグネット10と軸受11とを備えており、各固定子マグネット7の、コイル6の直線状部分6aを間に挟んで可動子マグネット10と対向する部分の面積は、各可動子マグネット10の、コイル6の直線状部分6a間に挟んで固定子マグネット7と対向する部分の面積と略同等となっている。
分銅9は、タングステン合金などの高比重材料で略円板状に形成されている。分銅9の中央部には軸受11を圧入等により固定する中央孔9aが形成されており、分銅9の外周縁部の互いに直径方向に対抗する位置には可動子マグネット10を固定する嵌合部としての嵌合溝9bが形成されている。可動子マグネット10を固定する嵌合溝9bは、固定子マグネット7と対向する方向である半径方向外方への可動子マグネット10の抜け落ちを防止するためにテーパー形状により、固定子マグネット7に向かうにつれて開口幅が狭まるインバース(アリ溝)形状とされている。
2個の可動子マグネット10は各々、ネオジム磁石等からなり、シャフト4の半径方向(固定子マグネット7と対向する方向)に着磁されている。各可動子マグネット10は、分銅9の外周縁部の嵌合溝9bと同様のテーパー形状を有する。このテーパー形状により、固定子マグネット7との間の磁束が固定子マグネット7に向かって集束するように、固定子マグネット7近傍の可動子マグネット10の面積がより小さくなっている。各可動子マグネット10は、分銅9の嵌合溝9b内に接着等により固定されている。
軸受11は、鉄・銅系の含油軸受材料等で略円筒状に形成され、分銅9の中央孔9a内に圧入等により固定されている。軸受11の中央部の孔にはシャフト4がその軸線方向に摺動自在に挿入されている。
かかる参考形態のリニア振動モータを組み立てる際には、図4(a)に示すように、分銅9に軸受11を圧入するとともに可動子マグネット10を接着して可動子Mを構成する。その一方、ケース2に固定子マグネット7を接着して固定子S1を構成し、また図4(b)に示すように、ブラケット3にシャフト4を圧入および溶接するとともに基板5を両面テープ8で接着し、次いで図4(c)に示すように、その基板5にコイル6を接着するとともにコイル6の端線を接続して固定子S2を構成し、次いで、固定子S2のシャフト4に上記可動子Mを挿入した後、固定子S2のブラケット3と固定子S1のケース2とを嵌合させるとともに溶接して、リニア振動モータを組み上げる。
この参考形態のリニア振動モータにあっては、コイル6の非通電時の可動子Mは、図5(c)に仮想線で示す如き磁束による、可動子マグネット10と固定子マグネット7との間の磁気吸引力により、図5(b),(c)に示すように、シャフト4の軸線方向および周方向ともに最も安定する、可動子マグネット10と固定子マグネット7とがコイル6を間に挟んで対向する位置に浮遊状態で停止して位置決めされ、外力等によって上記磁気吸引力の安定位置からシャフト4の軸線方向に可動子Mが移動した場合は、上記磁気吸引力の安定位置に戻ろうとする付勢力(引き戻し力)が可動子Mに働くので、可動子マグネット10と固定子マグネット7とが磁気スプリングとして機能する。また、シャフト4の周方向に可動子Mが回転しようとした場合には、上記磁気吸引力の安定位置に戻ろうとする付勢力が可動子Mの回転を抑制する。
そしてこの状態から基板5の各電源端子部5c間へ電圧を印加して、可動子マグネット10と固定子マグネット7との間に配置されたコイル6に通電すると、フレミングの左手の法則により、可動子Mはシャフト4の軸線方向に駆動されて、可動子マグネット10と固定子マグネット7との間の磁気吸引力による磁気スプリングの付勢力(引き戻し力)と釣り合う位置まで移動する。ここで、コイル6に印加する電圧を、例えば交互に極性が反転する正弦波や矩形波にすると、可動子Mはシャフト4の軸線方向に往復運動をする。特に、印加電圧波形の周波数を、上記磁気スプリングで支持する可動子Mの質量の固有振動数と略一致させれば、共振により最大振幅の往復運動を得ることができる。
また、例えばコイル6への印加電圧の極性を変えない場合でも、断続的に電圧を印加することでシャフト4の軸線方向の一方向へ可動子Mを駆動し、コイル6の非通電時に上記磁気スプリングの磁気吸引力(引き戻し力)によって可動子Mを安定位置に戻す、という操作を繰り返して、可動子Mを往復運動させることもできる。
図6(a)は、この発明のリニア振動モータの実施形態のハウジングを構成するケースを示す斜視図、図6(b)は、その実施形態のリニア振動モータの可動子の可動子マグネットを示す斜視図、図6(c)は、その実施形態のリニア振動モータの固定子のブラケットを示す斜視図、図6(d)は、そのブラケットを可動子の可動子マグネットとともに示す斜視図であり、図7は、上記実施形態のリニア振動モータを図5(c)と同様の断面位置で示す断面図である。
この実施形態のリニア振動モータは、先の参考形態のリニア振動モータにおける固定子マグネット7を省略し、代わりにブラケット3に磁性体ヨーク突起部3cをブラケット3と一体で設けるとともに、可動子マグネット10の、磁性体ヨーク突起部3cの先端部と対向する端部に、シャフト4の軸線方向に傾斜するテーパーを設けており、磁性体ヨーク突起部3cは、例えばブラケット3の外周縁部から互いに対抗する直径方向に凸設した2箇所の矩形凸部をそれぞれ上向きに折曲した後に中間部で内向きに折曲することで形成することができる。なお、ケース2には、ブラケット3との嵌合時に磁性体ヨーク突起部3cとの干渉を避けるために逃げ部2cを設けている。
固定子の磁性体ヨーク突起部3cの先端面と、可動子マグネット10の、シャフト4の軸線方向に先細りの傾斜する先端部の先端面とは、互いに略同等の面積となっており、これにより、先の参考形態におけると同様の磁束集束効果を生じて磁気スプリングの機能を奏する。
従って、これら参考形態および実施形態のリニア振動モータによれば、機械式スプリングを使用しないため部品の取り扱いおよび組み立てを容易に行い得るとともに耐衝撃性を高くすることができ、また、磁気スプリングが磁気回路を強化するのでエネルギー効率を高めて省電力化でき、しかも磁気スプリングの引き戻し作用が可動子Mの移動方向に働くため、電磁回路を可動子の移動方向に延在させる必要がなく、可動子を駆動する磁気回路と磁気スプリングとを個別に設ける必要もないので、固定子を容易に小型化することができる。
さらに、これら参考形態および実施形態のリニア振動モータによれば、可動子マグネット10が固定子マグネット7と対向する部分に、また磁性体ヨーク突起部3cと可動子マグネット10とがそれぞれ相手と対向する部分に、先細りのテーパー形状を有しているので、磁気スプリングが、可動子Mの駆動に寄与する方向にコイル6を貫通する磁束をより
集束させて強めることができ、また、可動子を所定位置に精度よく位置決めすることができる。
さらに、これら参考形態および実施形態のリニア振動モータによれば、コイル6は、円弧状部分6bと直線状部分6aとを持つ輪郭形状を有していることから、固定子を構成するハウジング1の外周輪郭形状を円形にしつつ、コイル6の直線状部分6aの外側に固定子マグネット7または磁性体ヨーク突起部3cを配置できるので、ハウジング1を容易に小型化することができ、また、可動子マグネット10および固定子マグネット7の、コイル6の直線状部分6aに対向する部分を直線形状にできるので、安定した磁気回路を形成することができる。
さらに、これら参考形態および実施形態のリニア振動モータによれば、可動子マグネット10は、可動子Mの分銅9の、固定子マグネット7または磁性体ヨーク突起部3cに向かうにつれて幅が狭まるインバース形状の嵌合溝9bに嵌合しているので、可動子Mの組み立てを容易に行い得るとともに可動子Mの耐衝撃性を高めることができる。
さらに、参考形態のリニア振動モータによれば、固定子は、コイル6と固定子マグネット7とを収容する円盤状のハウジング1を有し、シャフト4は、ハウジング1の中心部にてそのハウジング1の軸線方向に延在する配置でそのハウジング1に固定されているので、ハウジング1ひいてはリニア振動モータ全体を容易に小型化することができる。
この一方、実施形態のリニア振動モータによれば、固定子は、コイル6を収容するとともに、そのコイル6の外周面に向けて内向する磁性体ヨーク突起部3cを形成されている円盤状のハウジング1を有し、シャフト4は、ハウジング1の中心部にてそのハウジング1の軸線方向に延在する配置でそのハウジング1に固定されているので、固定子マグネット7を省略して固定子を簡易に構成し得るとともに、ハウジング1ひいてはリニア振動モータ全体を容易に小型化することができる。
以上、図示の実施形態に基づき説明したが、この発明のリニア振動モータは上述の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば、磁性体ヨーク突起部3cおよび可動子マグネット10は各2個でなく3個以上の複数であっても良い。そしてその場合に、コイル6の直線状部分6aは各2箇所でなく磁性体ヨーク突起部3cおよび可動子マグネット10と同数の、3箇所以上の複数であっても良い。
また、可動子マグネット10と磁性体ヨーク突起部3cとの間の、磁束を集中させるためのテーパー形状は、可動子マグネット10のみに設ける必要はなく、可動子マグネット10と磁性体ヨーク突起部3cとの両方に設けても良く、磁性体ヨーク突起部3cにのみ設けても良い。
また、上記テーパー形状は、シャフト4の円周方向のみに設ける必要はなく、シャフト4の円周方向とシャフト4の軸線方向との両方に設けても良く、シャフト4の軸線方向のみに設けても良い。そして磁性体ヨーク突起部3cは、ブラケット3に一体で設けずに、同様にしてケース2に一体で設けても良く、あるいは別途磁性体材料で形成したものをケース2またはブラケット3に固定して設けてもよい。
かくして本発明のリニア振動モータによれば、機械式スプリングを使用しないため部品の取り扱いおよび組み立てを容易に行い得るとともに耐衝撃性を高くすることができ、また、磁気スプリングが磁気回路を強化するのでエネルギー効率を高めて省電力化でき、しかも磁気スプリングの引き戻し作用が可動子の移動方向に働くため、電磁回路を可動子の移動方向に延在させる必要がなく、可動子を駆動する磁気回路と磁気スプリングとを個別に設ける必要もないので、固定子を容易に小型化することができる。
1 ハウジング
2 ケース
2a,3a 凹部
2b,3b 切り欠き
2c 逃げ部
3 ブラケット
3c 磁性体ヨーク突起部
4 シャフト
5 基板
5a 絶縁樹脂層
5b 銅箔
5c 電源端子部
5d コイル接続部
6 コイル
6a 直線状部分
6b 円弧状部分
7 固定子マグネット
8 両面テープ
9 分銅
9a 中央孔
9b 嵌合溝
10 可動子マグネット
11 軸受
M 可動子
S1,S2 固定子

Claims (5)

  1. 筒状のコイルと、前記コイルの外側に位置する磁性体ヨーク突起部とを有する固定子と、
    前記コイルを貫通するように前記固定子に対して固定される支持軸と、
    前記コイルを間に挟んで前記磁性体ヨーク突起部と対向するように位置する永久磁石からなる可動子マグネットを有して前記支持軸にその支持軸の軸線方向へ移動自在に支持される可動子と、
    を備え、
    前記固定子は、前記コイルを収容するとともに、そのコイルの外周面に向けて内向する前記磁性体ヨーク突起部を形成されている円盤状のハウジングを有し、
    前記支持軸は、前記ハウジングの中心部にてそのハウジングの軸線方向に延在する配置でそのハウジングに固定されており、
    前記可動子マグネットと、前記磁性体ヨーク突起部とが磁気スプリングを構成し、
    前記磁気スプリングが、前記可動子マグネットと前記磁性体ヨーク突起部との間で前記コイルを貫通する磁束により、磁気吸引力を生じさせて前記可動子を前記支持軸上の所定位置に浮遊状態で位置決めするように付勢するとともに、前記コイルに通電により発生して前記コイルを貫通する磁束を前記支持軸の軸線方向への前記可動子の駆動に寄与する方向に強めることを特徴とするリニア振動モータ。
  2. 前記コイルは、前記磁気スプリングで付勢する前記可動子の質量の固有振動数に略一致する周期で通電されて、前記可動子を共振状態で往復振動させることを特徴とする、請求項1記載のリニア振動モータ。
  3. 前記可動子マグネットと前記磁性体ヨーク突起部との少なくとも一方は、他方と対向する部分に先細りのテーパー形状を有していることを特徴とする、請求項1または2記載のリニア振動モータ。
  4. 前記コイルは、円弧状部分と直線状部分とを持つ輪郭形状を有していることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載のリニア振動モータ。
  5. 前記可動子マグネットは、前記可動子の、前記磁性体ヨーク突起部に向かうにつれて幅が狭まるインバース形状の嵌合部に嵌合していることを特徴とする、請求項1から4までの何れか1項記載のリニア振動モータ。
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