JP6797348B2 - 透明成形品用シートモールディングコンパウンド及び透明成形品 - Google Patents

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本発明は、透明性に優れる成形品が得られるシートモールディングコンパウンド及びその成形品に関する。
シートモールディングコンパウンド(SMC)は、ビニル系単量体に希釈させた不飽和ポリエステルやビニルエステル樹脂に、添加剤として低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、充填材、増粘剤、離型剤、顔料等を混ぜたペーストに、ガラス繊維や有機繊維などの繊維基材を含浸させてシート状にし、両側をキャリアフィルムで覆い、熟成して半固形化させた成形材料である。このSMCは、金型に載置して加圧加熱成形され、SMC成形品として製造される。
一般に用いられるSMC成形品は、繊維状または粉末状のガラス、充填材等の無機固形物を質量比で約50%以上含む場合が多く、通常は透明性が無いため、浴槽等の浴室機器、キッチンカウンタ、洗面カウンタなどの透明性が不要の成形品に用途が限定されている。
一方、透明成形品用シートモールディングコンパウンドとしては、樹脂としてビニルエステル樹脂、充填材として水酸化アルミニウムを用いたシートモールディングコンパウンドが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この材料から得られる成形品の透明性は不十分であり、より透明性の高い材料が求められていた。
特開昭58−90922号公報
本発明が解決しようとする課題は、透明性に優れる成形品が得られるシートモールディングコンパウンド及び透明成形品を提供することである。
本発明者等は、ビニルエステル樹脂、特定の構造を有するポリイソシアネート、強熱減量が1質量%未満のガラス繊維、及び重合開始剤を必須成分とするシートモールディングコンパウンドから得られる成形品が、透明性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ビニルエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート(B)、ガラス繊維(C)、及び重合開始剤(D)を必須原料とする透明成形品用シートモールディングコンパウンドであって、前記ポリイソシアネート(B)が脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のポリイソシアネートであり、前記ガラス繊維(C)の強熱減量が1質量%未満であることを特徴とする透明成形品用シートモールディングコンパウンドに関する。
本発明のシートモールディングコンパウンドから得られる成形品は、透明性に優れ、高強度を有することから、ショウルーム等の強化ガラスの置き換え、散乱性ガラス、採光ガラス等の家庭用ガラスの置き換え、自動車用ガラス、透明ピラー等に好適に用いることができる。
本発明のシートモールディングコンパウンド(以下、「SMC」と略記する。)は、ビニルエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート(B)、ガラス繊維(C)、及び重合開始剤(D)を必須原料とする透明成形品用シートモールディングコンパウンドであって、前記ポリイソシアネート(B)が脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のポリイソシアネートであり、前記ガラス繊維(C)の強熱減量が1質量%未満であるものである。
前記ビニルエステル樹脂(A)は増粘剤による増粘性及びプレス成形時の成形性のバランスがより向上することから、水酸基価が150〜400の範囲が好ましく、200〜300の範囲がより好ましい。
また、前記ビニルエステル樹脂(A)の数平均分子量は、前記ガラス繊維(C)への含浸性及び成形性のバランスがより向上することから、400〜3000の範囲が好ましい。
前記ビニルエステル樹脂(A)としては、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸無水物との反応物を使用することができる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、ビスクレゾールフルオレン型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、オキゾドリドン変性エポキシ樹脂、これらの樹脂の臭素化エポキシ樹脂等のフェノールのグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン等の脂環式エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、トリグリシジル−p一アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン、1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、より機械強度及び耐熱性に優れる成形品が得られることから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂が好ましい。なお、これらのエポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ビニルエステル樹脂(A)は、スチレンやメチルメタクリレート等の反応性希釈剤に溶解しているものを使用してもよい。本発明において、ビニルエステル樹脂(A)が反応性希釈剤に溶解している場合は、反応性希釈剤を含めたものをビニルエステル樹脂(A)とする。
前記ポリイソシアネート(B)は、透明性に優れた成形品が得られることから、脂肪族ポリイソシアネート及び/又は脂環式ポリイソシアネートを使用することが重要である。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、エチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナート−4−イソシアナートメチルオクタン、2−イソシアナートエチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエート等の脂肪族トリイソシアネート;これらのイソシアネートを環化二量化して得られるウレトジオン構造を有するポリイソシアネート;これらのイソシアネートを環化三量化して得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート;これらのイソシアネートを水と反応させることにより得られるビュレット構造を有するポリイソシアネート;これらのイソシアネートを二酸化炭素と反応せしめて得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート;アロファネート構造を有するポリイソシアネートなどが挙げられる。なお、これらの脂肪族ポリイソシアネートは単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−ビス(イソシアナートメチルシクロヘキサン)、1,4−ビス(イソシアナートメチルシクロヘキサン)、1,3−ジイソシアナートシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナートシクロヘキサン、3,5,5−トリメチル(3−イソシアナートメチル)シクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5−ジイソシアナートメチルノルボルナン、は2,6−ジイソシアナートメチルノルボルナン等の脂環式ジイソシアネート;2,5−ジイソシアナートメチル−2−イソシネートプロピルノルボルナン、2,6−ジイソシアナートメチル−2−イソシネートプロピルノルボルナン等の脂環式トリイソシアネート;これらのイソシアネートを環化二量化して得られるウレトジオン構造を有するポリイソシアネート;これらのイソシアネートを環化三量化して得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート;これらのイソシアネートを水と反応させることにより得られるビュレット構造を有するポリイソシアネート;これらのイソシアネートを二酸化炭素と反応せしめて得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート;アロファネート構造を有するポリイソシアネートなどが挙げられる。なお、これらの脂環式ポリイソシアネートは単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ポリイソシアネートの添加量としては、成形流動性がより向上することから、イソシアネート基(NCO)と前記ビニルエステル樹脂(A)の水酸基(OH)との当量比(NCO/OH)が0.1〜1の範囲が好ましく、0.1〜0.5の範囲がより好ましい。
前記ガラス繊維(C)は、透明性に優れた成形品が得られることから、強熱減量が1質量%未満であることが重要である。即ち、付着している繊維集束剤量が1質量%未満のものを使用することが重要である。
なお、本発明における強熱減量は、JIS R3420に準じ、625℃で1時間加熱した際の強熱減量とする。
前記ガラス繊維(C)としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Tガラス、ARガラス等が挙げられる。また、これらのガラス繊維(C)は単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ガラス繊維(C)の形状としては、3〜100mmにカットされたチョップドガラス繊維が用いられる。ガラス繊維の長さとしては、成形性、機械的特性、成形品外観がより向上することから10〜50mmが好ましい。
前記ガラス繊維(C)は、成形品の機械的物性および成形時流動性がより向上することから、SMC中の含有率が5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜40質量%の範囲がより好ましい。
本発明のSMCは、得られる透明成形品の透明性を維持できる範囲において、前記ビニルエステル樹脂(A)、前記ポリイソシアネート(B)、及び前記ガラス繊維(C)以外の成分として、重合開始剤、重合禁止剤、ナノ粒子、前記ビニルエステル樹脂(A)以外の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、重合性不飽和単量体、離型剤、顔料、減粘剤、熱安定剤、難燃剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、光硬化剤等を含有することができる。
前記重合開始剤としては、特に限定されないが、有機過酸化物が好ましく、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーオキシエステル化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、ケトンパーオキサイド化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカーボネート化合物等が挙げられ、成形条件に応じて適宜選択できる。これらの重合開始剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。有機過酸化物の添加量は、硬化性と成形流動性のバランスから、樹脂成分に対して0.1〜2.0質量%が好ましい。
前記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、トルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ナフテン酸銅、塩化銅等が挙げられる。これらの重合禁止剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記ナノ粒子としては、例えば、粒子径が300nm以下の無機系および/または有機系ナノ粒子を必要に応じて使用することができる。
前記無機系ナノ粒子としては、二酸化珪素化合物、アルミニウム化合物、ジルコニア化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、インジウム化合物、セリウム化合物、亜鉛化合物、窒化化合物等からなる酸化物、窒化物、セラミック系のナノ粒子、銅、金、銀、鉄、ニッケル等の金属あるいは合金ナノ粒子、CNT、ナノクレイ、グラフェン、フラーレン等の粘土または炭素化合物などが挙げられる。
前記有機系ナノ粒子としては、ハイパーブランチポリマー、デンドリマー化合物、有機色素または顔料などが挙げられる。またシルセスキオンサン等の有機−無機複合ナノ粒子も使用できる。
本発明のSMCの製造方法としては、通常のロール、インターミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、押し出し機などの混合機を用いて、前記ビニルエステル樹脂(A)、前記ポリイソシアネート(B)、重合開始剤等を含む樹脂組成物の各成分を混合分散し、上下に設置されたキャリアフィルムに均一な厚さになるように塗布し、前記ガラス繊維(C)を、前記上下に設置されたキャリアフィルムの樹脂組成物に挟み込み、次いで、全体を含浸ロールの間に通して、圧力を加えて繊維補強材に樹脂組成物を含浸させた後、ロール状に巻き取るか又はつづら折りに畳んでSMCが得られる。この際、25〜50℃の温度で熟成することが好ましい。キャリアフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を用いることができる。
本発明の成形品は前記SMCより得られるが、例えば、SMCを所定量計量し、予め110〜180℃に加熱した金型に投入し、圧縮成形機にて型締めを行い、成形材料を賦型させ、1〜20MPaの成形圧力を保持することによって、成形材料を硬化させ、その後成形品を取り出し成形品を得る製造方法が用いられる。この場合シェアエッジを有する金型内で金型温度110〜180℃にて、成形品の厚さ1mm当たり1〜3分間という規定の時間、1〜20MPaの成形圧力を保持し、加熱圧縮成形する製造方法が好ましい。
本発明のSMCから得られる成形品は、透明性に優れ、高強度を有することから、ショウルーム等の強化ガラスの置き換え、散乱性ガラス、採光ガラス等の家庭用ガラスの置き換え、自動車用ガラス、透明ピラー等に好適に用いることができる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。強熱減量はJIS R3420に準拠し、625℃/1時間の条件で測定したものである。水酸基価は、JIS K 0070−1992に準拠して測定したものである。また、平均分子量は、下記のGPC測定条件で測定したものである。
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
(合成例1:ビニルエステル樹脂(A−1)の合成)
窒素および空気導入管を設けた2Lの4つ口フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量251)3000質量部、メタクリル酸1029質量部、ハイドロキノン1.1質量部を仕込み、窒素と空気とを1対1で混合したガス流通下で、90℃まで昇温した。ここに2−メチルイミダゾール1.5質量部を入れ、105℃に昇温して10時間反応させ、ビニルエステル樹脂(A−1’)を得た。次に、このビニルエステル樹脂(A−1’)にスチレンを加え、スチレン含有量30質量%のビニルエステル樹脂(A−1)を得た。このビニルエステル樹脂(A−1)の水酸基価は155、水酸基当量は362であった。
(合成例2:ビニルエステル樹脂(A−2)の合成)
合成例1と同様にして、ビニルエステル樹脂(A−1’)を得た後、スチレン及びメチルメタクリレートを添加し、スチレン含有量20質量%、メチルメタクリレート含有量10質量%のビニルエステル樹脂(A−2)を得た。このビニルエステル樹脂(A−2)の水酸基価は155、水酸基当量は362であった。
(合成例3:ビニルエステル樹脂(A−3)の合成)
合成例1と同様にして、ビニルエステル樹脂(A−1’)を得た後、スチレン及びメチルメタクリレートを添加し、スチレン含有量10質量%、メチルメタクリレート含有量20質量%のビニルエステル樹脂(A−3)を得た。このビニルエステル樹脂(A−3)の水酸基価は155、水酸基当量は362であった。
(合成例4:ビニルエステル樹脂(A−4)の合成)
合成例1と同様にして、ビニルエステル樹脂(A−1’)を得た後、メチルメタクリレートを添加し、メチルメタクリレート含有量30質量%のビニルエステル樹脂(A−4)を得た。このビニルエステル樹脂(A−3)の水酸基価は155、水酸基当量は362であった。
(実施例1:SMC(1)及び成形品(1)の製造)
合成例1で得られたビニルエステル樹脂(A−1)89.3質量部、脂肪族ポリイソシアネート(DIC株式会社製「バーノック DN−902S」、以下、ポリイソシアネート(B−1)と略記する。)10質量部、有機過酸化物(日油株式会社製「パーヘキサHC」)0.6質量部、及び重合禁止剤(メチルハイドロキノン10%イソプロピルアルコール溶液)0.1質量部を混合し、樹脂組成物(1)を得た。この樹脂組成物(1)における当量比(NCO/OH)は0.22であった。
この樹脂組成物(1)80質量部を上下に設置された2枚のポリプロピレン製キャリアフィルム上に均一な厚さになるように塗布し、その上に強熱減量0.81質量%のロービングガラス繊維を25mmにカットしたもの(以下、「ガラス繊維(C−1)」と略記する。)を20質量部散布し、前記上下に設置されたキャリアフィルム上の樹脂組成物(1)の間に挟み込み、全体を含浸ロールの間に通して圧力を加えて樹脂組成物(1)をガラス繊維(1)に含浸させた後、45℃で48時間養生し、SMC(1)を製造した。得られたSMC(1)を金型投影面積の70%に切断して、プレス成形用金型に投入し、金型温度130℃、圧力11MPa、時間300秒で成形し、長さ300mm、幅300mm、厚さ2mmの平板状の成形品(1)を得た。
(実施例2:SMC(2)及び成形品(2)の製造)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B−1)10質量部を、脂肪族ポリイソシアネート(旭化成株式会社製「デュラネート 24A−100」、以下、ポリイソシアネート(B−2)と略記する。)10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(2)、SMC(2)及び成形品(2)を得た。この樹脂組成物(2)における当量比(NCO/OH)は0.22であった。
(実施例3:SMC(3)及び成形品(3)の製造)
実施例1で用いたビニルエステル樹脂(A−1)89.3質量部を84.3質量部に変更し、ポリイソシアネート(B−1)10質量部を、脂環式ポリイソシアネート(EVONIK社製「VESTANAT IPDI」、以下、ポリイソシアネート(B−3)と略記する。)15質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(3)、SMC(3)及び成形品(3)を得た。この樹脂組成物(3)における当量比(NCO/OH)は0.56であった。
(実施例4:SMC(4)及び成形品(4)の製造)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B−1)10質量部を、脂肪族ポリイソシアネート(旭化成株式会社製「デュラネート TPA−100」、以下、ポリイソシアネート(B−4)と略記する。)10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(4)、SMC(4)及び成形品(4)を得た。この樹脂組成物(4)における当量比(NCO/OH)は0.22であった。
(実施例5:SMC(5)及び成形品(5)の製造)
実施例1で用いたビニルエステル樹脂(A−1)89.3質量部をビニルエステル樹脂(A−2)84.3質量部に変更し、ポリイソシアネート(B−1)10質量部を、ポリイソシアネート(B−3)15質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(5)、SMC(5)及び成形品(5)を得た。この樹脂組成物(5)における当量比(NCO/OH)は0.55であった。
(実施例6:SMC(6)及び成形品(6)の製造)
実施例1で用いたビニルエステル樹脂(A−1)89.3質量部をビニルエステル樹脂(A−3)84.3質量部に変更し、ポリイソシアネート(B−1)10質量部を、ポリイソシアネート(B−3)15質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(6)、SMC(6)及び成形品(6)を得た。この樹脂組成物(6)における当量比(NCO/OH)は0.55であった。
(実施例7:SMC(7)及び成形品(7)の製造)
実施例1で用いたビニルエステル樹脂(A−1)89.3質量部をビニルエステル樹脂(A−4)84.3質量部に変更し、ポリイソシアネート(B−1)10質量部を、ポリイソシアネート(B−3)15質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(7)、SMC(7)及び成形品(7)を得た。この樹脂組成物(7)における当量比(NCO/OH)は0.55であった。
(比較例1:SMC(R1)及び成形品(R1)の製造)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B−1)10質量部を、芳香族ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネート MTL」、液状ジフェニルエタンジイソシアネート、以下、ポリイソシアネート(RB−1)と略記する。)10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(R1)、SMC(R1)及び成形品(R1)を得た。この樹脂組成物(R1)における当量比(NCO/OH)は0.29であった。
(比較例2:SMC(R2)及び成形品(R2)の製造)
実施例1で用いたビニルエステル樹脂(A−1)89.3質量部を98.1質量部に変更し、ポリイソシアネート(B−1)10質量部を、酸化マグネシウム(協和化学工業株式会社製「キョーワマグ40」1.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(R2)、SMC(R2)及び成形品(R2)を得た。
(比較例3:SMC(R3)及び成形品(R3)の製造)
実施例1で用いたビニルエステル樹脂(A−1)89.3質量部を79.3質量部に変更し、ポリイソシアネート(B−1)10質量部を、ポリメタクリル酸エステル系有機微粒子(アイカ工業株式会社製「ゼフィアック F303」)20質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(R3)、SMC(R3)及び成形品(R3)を得た。
(比較例4:SMC(R4)及び成形品(R4)の製造)
実施例3で用いたガラス繊維(1)を強熱減量2.1質量%のロービングガラス繊維を25mmにカットしたもの(以下、「ガラス繊維(C−2)」と略記する。)に変更した以外は、実施例3と同様にして、SMC(R4)及び成形品(R4)を得た。
[成形品の透明性の評価]
上記で得られた各成形品から切り出した各試験片(長さ100mm、幅70mm、厚み2mm)について、日本電色工業株式会社製「NDH5000」を使用し、全光線透過率(%)及びヘイズを測定した。全光線透過率(%)の値が高いほど透明性が高く、ヘイズの値が低いほど透明性が高い。
上記で得られたSMC(1)〜(7)の組成及び評価結果を表1に示す。
Figure 0006797348
上記で得られたSMC(R1)〜(R4)の組成及び評価結果を表2に示す。
Figure 0006797348
実施例1〜7のSMC(1)〜(7)から得られた成形品は、全光線透過率が高く、ヘイズが低いことから、優れた透明性を有することが確認された。
比較例1は、増粘剤として、芳香族ポリイソシアネートを用いた例であるが、透明性が不十分であることが確認された。
比較例2は、増粘剤として、酸化マグネシウムを用いた例であるが、透明性が不十分であることが確認された。
比較例3は、増粘剤として、ポリメタクリル酸エステル系有機微粒子を用いた例であるが、透明性が不十分であることが確認された。
比較例4は、強熱減量が1%以上のガラス繊維を用いた例であるが、透明性が不十分であることが確認された。

Claims (2)

  1. ビニルエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート(B)、及びガラス繊維(C)を必須原料とする透明成形品用シートモールディングコンパウンドであって、前記ビニルエステル樹脂(A)が水酸基価150〜400のエポキシ(メタ)アクリレートであり、前記ポリイソシアネート(B)が脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のポリイソシアネートであり、前記ガラス繊維(C)の強熱減量が1質量%未満であり、前記ガラス繊維(C)の含有率が5〜50質量%であることを特徴とする透明成形品用シートモールディングコンパウンド。
  2. 請求項1記載の透明成形品用シートモールディングコンパウンドの透明成形品。
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