本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。
[スロットマシンの構成]
図1(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、図1(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。図1(a)に示すように、スロットマシン1は、前面扉1bに液晶表示器51が設けられ、透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2Rが視認可能となる。各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。
図1(a)に示すように、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リールの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、および演出用スイッチ56などが設けられている。また、前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、図示しないものの、後述する有利区間中であることを報知する有利区間報知ランプが設けられている。また、前面扉1bには、メダルが払い出されるメダル払出口9が設けられている。
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御する遊技制御基板40、および遊技の進行に応じた所定の演出を制御する演出制御基板90などが設けられている。
遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41は、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R等の遊技の進行に係る操作手段が操作されたことに応じて入力される検出信号に基づき、各種操作手段への操作を検出する。また、メイン制御部41は、遊技の進行に基づいて、メイン制御部41に直接または間接的に接続されたリール2L,2C,2R等の動作および各種表示手段の表示を制御する。
演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91は、演出用スイッチ56等の演出に用いられる操作手段が操作されたことに応じて入力される検出信号に基づき、各種操作手段への操作を検出する。また、サブ制御部91は、液晶表示器51およびスピーカ53,54等の報知手段を制御することで、各種報知手段を用いて所定の情報を報知する。
[スロットマシンにおけるゲームの概要]
次に、スロットマシン1におけるゲームの概要を説明する。ここで、本実施形態ではリール2L,2C,2Rを回転させるためにスタートスイッチ7を操作することをレバーオンともいう。また、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールといい、また、その停止を第1停止という。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールといい、また、その停止を第2停止といい、3番目に停止するリールを第3停止リールといい、また、その停止を第3停止あるいは最終停止という。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6の操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、導出を許容する表示結果が決定される。また、スタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄が変動表示される。ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転が停止する。リールの回転が停止することで、透視窓3の上中下段に3つの図柄が表示結果として導出表示される。リール2L,2C,2Rの回転は、導出が許容された表示結果と、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作したタイミングと、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作した順序とに基づいて停止される。
入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じた処理が実行される。入賞に応じた処理には、たとえば、特典を付与する処理が含まれる。ここで、遊技機であるスロットマシン1においては、1ゲームを実行するために規定数の賭数を設定する必要があるため、1ゲーム行う度に遊技用価値であるメダルが消費される。
特典には、遊技用価値の付与、遊技用価値を消費することなく遊技を実行するための権利、遊技者にとって有利な有利状態に制御するための権利が含まれる。有利状態は、遊技用価値が通常状態に比べて増加しやすい状態、遊技用価値が通常状態に比べて消費されにくい状態、または、遊技用価値が通常状態に比べて増加しやすく消費されにくい状態を含む。また、有利状態には、通常状態に比べて前述した有利状態に制御されやすい状態も含まれる。
[入賞役]
図2は、入賞役の一例を示す図である。図2の入賞役欄には、入賞役の名称が示され、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せが示されている。また、付与欄には、入賞時に付与される特典が示されている。
BBは、ボーナス状態という有利な状態への移行を伴う入賞役であって、特別役ともいう。ボーナス状態とは、通常状態に比べて遊技用価値が増加しやすい状態であって、具体的には、遊技用価値の付与を伴う小役と呼ばれる入賞役に当選する確率が他の遊技状態に比べて高い状態である。また、BBは、入賞ラインLN上に識別情報である図柄のうち「白7」が揃う表示結果が導出されたときに発生する入賞役である。弱チェリーおよび強チェリーは、遊技用価値の付与を伴う小役である。付与欄に記載された1枚または2枚とは、付与される遊技用価値の量である。
なお、図6には示していないものの、遊技用価値を消費することなく遊技を実行するための権利の付与を伴う入賞役や、ボーナスとは異なる他の有利な状態への移行を伴う入賞役を備えていてもよく、図6に示す入賞役は一例である。
[抽選対象役]
図3は、抽選対象役の一例を示す図である。抽選対象役は、メイン制御部41が実行する内部抽選の対象となる役である。メイン制御部41は内部抽選を行うことで、発生を許容する入賞役を決定する。図3の抽選対象役欄には、抽選対象役の名称が示されている。入賞役の組合せ欄には、その抽選対象役に当選したときに、入賞が許容される入賞役の組合せが示されている。当選確率欄には、抽選対象役が当選する確率が示されている。
図3の「抽選対象役」欄と「入賞役の組合せ」欄に示すように、内部抽選においては、一の抽選対象役に当選することで、複数の入賞役に同時に当選し得る。具体的には、ボーナス2に当選した場合は、BBおよび弱チェリーの入賞が許容される。換言すると、内部抽選でボーナス2に当選したときには、BBおよび弱チェリーに同時当選したことになる。
ボーナス2および弱チェリーの当選確率からわかるように、BBと弱チェリーとが同時当選する確率は、弱チェリーだけに当選する確率の1/3である。一方、ボーナス3および強チェリーの当選確率からわかるように、BBと強チェリーとが同時当選する確率は、強チェリーだけに当選する確率の3/2である。つまり、強チェリーは、弱チェリーに比べてBBに同時当選しやすい入賞役であるといえる。
また、一度BBの入賞が許容されると、BBに入賞するまで、BBの入賞が許容され続ける。つまり、BBの入賞が許容されたゲームにおいて、BBに入賞しなかったときには、BBの入賞の許容が次ゲーム以降に持ち越されることになる。
BBと他の入賞役とが同時に当選した場合には、他の入賞役を優先して入賞するようにリールが停止される。そのため、弱チェリーまたは強チェリーに入賞したときは、BBに同時当選していない場合と、BBに同時当選している場合とがある。強チェリーが弱チェリーに比べてBBに同時当選しやすい入賞役であるため、本実施の形態におけるスロットマシン1は、強チェリーに入賞したときの方が、弱チェリーに入賞したときに比べて、BBに当選していることに対する期待感を持てるゲーム性になっている。
なお、図3に図示しないものの、本実施の形態においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(操作手順)に応じて導出される表示結果が異なる押し順役が設けられている。操作態様には、操作順序(ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する順番、押し順ともいう)と、操作タイミング(各ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作するタイミング)とが含まれる。
[有利状態]
図4は、有利状態の遷移を説明するための図である。本実施の形態において、メイン制御部41が制御する有利な状態として、上記で説明したボーナス状態の他に、アシストタイム(AT)状態がある。
AT状態は、通常状態に比べて、遊技用価値が増加しやすく消費されにくい状態である。具体的には、AT状態は、押し順役に当選したときに、遊技者にとって有利となる表示結果を導出するためのストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を報知可能な状態である。AT状態中は、遊技者にとって有利となる表示結果を導出するためのストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知され、遊技者が報知された操作態様でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作した結果、通常状態に比べて遊技用価値が増加しやすく消費されにくくなる。
AT状態には、通常AT状態と有利AT状態とが含まれる。有利AT状態は、通常AT状態に比べてATへの制御に関する有利度合いが高い状態である。たとえば、有利AT状態は、通常AT状態に比べてATに制御するための権利が付与されやすい状態である。また、有利AT状態は、通常AT状態に比べてATに制御するための権利が多く付与される状態であってもよい。つまり、有利AT状態は、通常AT状態に比べてATという有利な状態に制御される期間が延長されやすい状態ともいえる。
図4に示すように、通常状態中に、所定の開始条件が成立したことに基づいて通常AT状態に制御される。通常AT状態中に予め定められた抽選対象役に当選したことに基づいて実行される有利AT抽選に当選した場合に、有利AT状態に制御される。
ここで、有利AT抽選について、図5を参照して説明する。図5は有利AT抽選テーブルである。有利AT抽選は、強チェリーまたは弱チェリーに単独で当選したことに基づいて行われる。強チェリーに当選したときは、10%の確率で当選し、有利ATに制御されることになる。一方、弱チェリーに当選したときは、50%の確率で当選し、有利ATに制御されることになる。
つまり、内部抽選の抽選結果が、弱チェリーまたは強チェリーの入賞が許容される一方、BBの入賞が許容されない結果である場合に、有利AT抽選が行われ、有利AT抽選に当選すると有利ATに制御される。そのため、弱チェリーまたは強チェリーの入賞が許容される一方、BBの入賞が許容されないような、弱チェリーまたは強チェリーに単独当選した以降に、弱チェリーまたは強チェリーに単独当選するよりも前に比べて遊技の有利度合いが向上することがある。
また、強チェリーに単独当選した場合と、弱チェリーに単独当選した場合とを比較すると、弱チェリーに単独当選した場合の方が有利AT状態に制御される確率が高い。また、強チェリーと弱チェリーとを比較した場合には、強チェリーの方がBBと同時当選しやすい。つまり、本実施の形態のスロットマシンにおいては、通常AT状態中に、弱チェリーに当選した場合に、BBに当選していることに対しては強チェリーに比べて期待できないものの、有利AT抽選に当選していることに対しては強チェリーに比べて期待することができるゲーム性となっている。
図4に戻って、有利状態について説明する。有利AT状態には、有利AT抽選に当選したゲームの次ゲームから15ゲーム亘って制御される。有利AT状態に15ゲームに亘って制御された後、通常AT状態に制御される。なお、本実施の形態においては、有利AT抽選に当選したゲームの次ゲームから有利AT状態に制御されるものとしたが、有利AT抽選に当選したゲームから有利AT状態に制御されるものであってもよく、また、有利AT抽選に当選した後、所定ゲーム経過後に有利AT状態に制御されるものであってもよい。
通常AT状態および有利AT状態を含むAT状態中に所定の終了条件が成立した場合には、通常状態に制御される。また、AT状態中または通常状態中にBB当選し、BB入賞した場合に、ボーナス状態に制御される。また、BB当選したゲームでBB入賞しなかった場合には、BB入賞するまで、BBの入賞が次ゲーム以降に持ち越される内部当選状態に制御される。
ここで、ボーナス状態は、AT状態に比べて1ゲーム当りに増加する遊技用価値の平均値から、1ゲーム当りに消費する遊技用価値の平均値を減算した、1ゲーム当りに純増する遊技用価値の平均値が多い状態である。1ゲーム当りに純増する遊技用価値の平均値が多い点で、ボーナス状態はAT状態よりも有利な状態であるといえる。そのため、通常AT中においては、有利AT当選した場合に比べてBB当選した場合の方が有利である。
[有利区間と通常区間]
遊技者にとって有利となる表示結果を導出するためのストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を報知可能な状態に制御される区間を有利区間という。また、図4に示すAT状態に制御されていない通常状態に制御される区間を通常区間という。前述のように、通常状態から有利状態へは所定の開始条件が成立したことに伴って移行するため、通常区間から有利区間へも所定の開始条件が成立したことに伴って移行する。有利区間中は、有利区間報知ランプが点灯する。そのため、本実施の形態において、通常区間から有利区間に移行したことを遊技者は認識することができるゲーム性となっている。
具体的には、通常状態からAT状態に制御されたときには、有利区間報知ランプが点灯し、遊技者はAT状態への制御が開始されたことを認識することができる。同様に、所定の終了条件が成立してAT状態から通常状態に移行した場合には、有利区間報知ランプが消灯するため、遊技者は通常状態に制御されたことを認識することができる。一方、通常AT状態から有利AT状態に移行するときには、有利区間報知ランプの消灯、点灯といった報知態様の変化が生じないため、通常AT状態から有利AT状態に移行することを遊技者は認識することができない。
ここで、有利区間には、通常AT状態に制御される第1有利区間と、有利AT状態に制御される第2有利区間とが含まれる。有利AT状態は、通常AT状態に比べてATという有利な状態に制御される期間が延長されやすい状態であるから、有利AT状態は、通常AT状態に比べて、有利区間が延長されやすい状態ともいえる。また、第2有利区間中は、第1有利区間中に比べて、有利区間が延長されやすい区間ともいえる。
[各種コマンド]
メイン制御部41は、内部抽選結果、有利AT抽選結果、および遊技の進行状況等を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施の形態において、メイン制御部41はサブ制御部91に対して、少なくとも、な内部抽選の結果に応じた内部当選コマンド、有利AT抽選の結果を示す有利AT抽選コマンド、ストップスイッチ8L,8C,8R等の操作手段が操作されたことを特定可能な操作コマンド、制御されている状態を示す状態制御コマンドを送信する。
サブ制御部91は、メイン制御部41が送信したコマンドを受けて、遊技の進行状況および抽選結果に応じた演出を実行する。
[ボーナスの当選を示唆する演出]
サブ制御部91は、BBと同時当選する抽選対象役に当選したときおよびボーナスに当選したときに、ボーナスに当選したことを示唆する前兆演出およびボーナスに当選したか否かを報知する特定演出を実行可能である。前兆演出は、特定演出が実行される前に1〜3ゲームに亘って実行さる。特定演出は、2〜4ゲームに亘って実行される。サブ制御部91は、BBと同時当選する抽選対象役に当選したゲームおよびボーナスに当選したゲームから特定演出が実行してもよく、前兆演出を実行した後に特定演出を実行してもよい。
前兆演出は、毎ゲーム、ボーナスといった遊技者にとって有利な特典に関する示唆をするための画像(以下、アイコンともいう)を表示する示唆表示が行われる演出である。前兆演出は、キャラクタが登場して宝箱を開くことで示唆表示を行う宝箱演出(第1前兆演出ともいう)と、カーテンを開けることで示唆表示を行うカーテン演出(第2前兆演出ともいう)とを含む。
本実施形態においては、複数ゲームに亘って前兆演出を実行する場合には、毎ゲーム示唆表示が行われる前兆演出が実行される。また、複数ゲームに亘って前兆演出を実行する場合に、毎ゲーム同じ種類の前兆演出を実行する。これにより、同じ前兆演出が複数回繰り返されることになるため、前兆演出が連続して行われていることがわかりやすくなる。なお、複数ゲームに亘って前兆演出を実行する場合に、毎ゲーム同じ種類の前兆演出を実行するのではなく、毎ゲームごとに前兆演出の種類を変えるようにしてもよい。このようにすることで、何度も同じ前兆演出が行われることがなくなるため、遊技者は、その前兆演出に見飽きてしまうということを防止することができる。
特定演出は、予め定められた期間(ゲーム数)実行され、その最後にボーナスといった遊技者にとって有利な特典が付与されたか否かを報知する演出である。特定演出は、味方キャラクタ(図4中の戦士キャラクタ)と敵キャラクタ(図4に示す悪魔キャラクタ)とが戦い、戦いの結果によって特典が付与されたか否かを報知するバトル演出(第1特定演出ともいう)と、キャラクタが城を目指し、城に到着するというミッションを達成できたか否かによって特典が付与されたか否かを報知するミッション演出(第2特定演出ともいう)とを含む。
[前兆演出]
前兆演出中に実行される演出を、図6を用いて具体的に説明する。図6は、前兆演出の一例を示す図である。図6中の左側に示した図6(a),(b),(c)は宝箱演出である第1前兆演出の一例を示す図である。図6中の右側に示した図6(a’),(b’),(c’)はカーテン演出である第2前兆演出の一例を示す図である。図6に示した第1前兆演出と第2前兆演出とのうち、いずれの演出も、特定演出が実行される場合において当該特定演出の前に行われる演出である。
図6(a)〜(c)を用いて、第1前兆演出について詳細に説明する。第1前兆演出においては、図6(a)に示すように、レバーオンがされると、3種類の宝箱A〜Cの画像が液晶表示器51に表示される。このとき、第1前兆演出に関連したBGMとして楽曲Aがスピーカ53,54から出力されはじめ、第1前兆演出が終了するまで出力され続ける。その後、第1停止すると、図6(b)に示すように、キャラクタが登場して、キャラクタが宝箱A〜Cのうちいずれかを選択する画像が液晶表示器51に表示される。そして、第3停止したときに、宝箱が開いて、宝箱の中から、特定演出に移行することを示す発展アイコンが出てくるような画像が液晶表示器51に表示されるとともに、スピーカ53,54からアイコン表示音が出力される。
次に、図6(a’)〜(c’)を用いて、第2前兆演出について詳細に説明する。第2前兆演出においては、図6(a’)に示すように、レバーオンがされると、カーテンが閉まっている様子を表す画像が液晶表示器51に表示される。このとき、第2前兆演出に関連したBGMとして楽曲Bがスピーカ53,54から出力されはじめ、第2前兆演出が終了するまで出力され続ける。その後、第1停止すると、図6(b’)に示すように、カーテンが少し開いている様子を表す画像が液晶表示器51に表示される。そして、第3停止したときに、カーテンが全部開いて、カーテンで覆われていた特定演出に移行することを示す発展アイコンの全体が視認可能となるような画像が液晶表示器51に表示されるとともに、スピーカ53,54から第1前兆演出において発展アイコンが表示されるときに出力される音と同じアイコン表示音が出力される。つまり、第3停止したときに、発展アイコンを表示させる示唆表示が行われる。
ここで、特定演出は、ボーナスに当選しているときの方がボーナスに当選していないときに比べて高い確率で実行される(図11参照)。つまり、発展アイコンが特定演出に移行することを示すということは、発展アイコンはボーナスという特典が付与されていることを示唆するアイコンともいえ、発展アイコンが表示されることで、特典に関する示唆が行われているともいえる。
図6(c)および(c’)に示すように、示唆表示が行われるときには第1前兆演出であるか第2前兆演出であるかに関わらず、アイコン表示音がスピーカ53,54から出力される。つまり、第1前兆演出であっても、第2前兆演出であっても、示唆表示が行われることに伴ってスピーカ53,54から出力される音はアイコン表示音という共通の音であるため、遊技者は、示唆表示が行われたことを容易に認識することができる。また、示唆表示を、異なる種類の演出のいずれの演出においても行うことができるため、示唆表示を行う演出として様々な演出を実行することができ、その結果、遊技の興趣が向上する。
図6(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出のように、特典に関する示唆をするためのアイコン画像以外にもキャラクタや宝箱といった他の画像が表示されているような演出においては、第2前兆演出のように、カーテンを開けて特典に関する示唆をするためのアイコン画像だけを遊技者に見せるような演出に比べて、特典に関する示唆をするためのアイコン画像は小さい。具体的には、液晶表示器51の表示領域に対して、アイコン画像が表示される特定領域が占める割合が、第1前兆演出においては1/2未満であるのに対して、第2前兆演出においては1/2以上である。なお、液晶表示器51の表示領域に対して特定領域に占める割合は一例であって、所定の値を基準にすればよい。
このように、第1前兆演出において表示される発展アイコンの大きさと、第2前兆演出において表示される発展アイコンの大きさとを異ならせることができるため、様々な演出において特典に関する示唆をするための画像を用いることができ、その結果、遊技の興趣が向上する。
なお、第1前兆演出において、特典に関する示唆をするためのアイコン画像以外にも、表示されるキャラクタの種類によっても特典に関する示唆をするようにし、第1前兆演出において表示されるアイコン画像の大きさを、第2前兆演出において表示されるアイコン画像に比べて小さくするようにしてもよい。このようにすることで、複数種類の画像によって特典に関する示唆を行うような第1前兆演出においては、第2前兆演出と共通する画像以外の画像にも遊技者を注目させることができる。
図6(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出において発展アイコンが表示される位置は液晶表示器51の中央よりも上部であるのに対して、第2前兆演出において発展アイコンが表示される位置は液晶表示器51の中央である。このように、第1前兆演出において発展アイコンが表示される位置と、第2前兆演出において発展アイコンが表示される位置とを異ならせることができるため、様々な演出において特典に関する示唆をするための画像を用いることができ、その結果、遊技の興趣が向上する。
たとえば、第1前兆演出のように、特典に関する示唆をするためのアイコン画像以外にもキャラクタや宝箱といった他の画像が表示されているような演出においては、他の画像と被らない位置に特典に関する示唆をするための発展アイコンを表示する。これに対して、第2前兆演出のように、カーテンを開けて特典に関する示唆をするためのアイコン画像だけを遊技者に見せるような演出においては、特典に関する示唆をするためのアイコン画像に遊技者の注目を集めるために中央の目立つ位置に特典に関する示唆をするための発展アイコンを表示することができる。
図6(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出であっても、第2前兆演出であっても、示唆表示が行われるタイミングは、いずれの演出においても第3停止したときである。つまり、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの前兆演出においても示唆表示は第3停止を契機に行われる。そのため、遊技者は第3停止という所定の契機により行われる表示が特典に関する示唆をするための示唆表示であることを認識することができ、異なる2以上の演出のいずれにおいても示唆表示が行われるような場合に、遊技者は、示唆表示が行われたことを容易に認識することができる。また、遊技者は第3停止という所定の契機で示唆表示が行われることを認識することができ、その結果、所定の契機における液晶表示器51の表示に対して期待感を持つことができる。
図6に示すように、第1前兆演出中は楽曲Aがスピーカ53,54から出力され、第2前兆演出中は楽曲Bがスピーカ53,54から出力される。一方、示唆表示が行われるときには第1前兆演出であるか第2前兆演出であるかに関わらず、アイコン表示音がスピーカ53,54から出力される。このように、演出の種類に関わらず示唆表示が実行されるときに出力される音は同じであるものの、演出の種類によって音を変えることができるため、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施形態において、楽曲Aおよび楽曲B(BGMともいう)は前兆演出が終了するまで出力されるものとした。つまり、アイコン表示音は、BGMと重なるように出力されるものとした。このとき、アイコン表示音の音量が、BGMの音量よりも大きくなるようにアイコン表示音を出力してもよい。音量を大きくする方法としては、BGMの音量を変えずにアイコン表示音をBGMの音量よりも大きな音量にするようにしてもよく、また、BGMの音量を小さくすることで、アイコン表示音の音量を大きくするようにしてもよい。このようにすることで、アイコン表示音の音を遊技者に認識させやすくすることができる。BGMの音量を小さくした場合には、アイコン表示音の出力を止めたときに、もとの音量に戻すようにしてもよい。
また、アイコン表示音を出力するときに、BGMの出力を止めるようにしてもよい。つまり、アイコンを表示する場合に、BGMからアイコン表示音に音を切替えるようにしてもよい。このようにすることで、アイコン表示音の音を遊技者に認識させやすくすることができるとともに、前兆演出の結果が表示されたこと、あるいは、前兆演出が終了することを遊技者に認識させやすくすることができる。
[示唆表示において表示されるアイコン(画像)]
示唆表示において表示されるアイコンを詳細に説明する。アイコンの一種である発展アイコンは、緑色の雲の中に発展という文字が描かれた画像である。つまり、発展アイコンは、発展という文字部分と、緑色の雲という形状と色彩とを結合させた意匠部分とから成る。このように、アイコンが文字部分と意匠部分とからなるため、アイコンが分かり易く、一目で示唆表示が行われたことを認識することができる。
なお、本実施形態において、意匠部分とは、緑色の雲という形状と色彩とを結合させた部分であるとしたが、文字と認識できる部分以外の、形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって視覚を通じて美感を起こさせる部分であればよい。
図6においては、示唆表示において表示されるアイコンの一例として、発展アイコンを例示した。しかし、前兆演出中に行われる示唆表示において表示されるアイコンの種類は発展アイコンに限られず、複数種類設けられている。ここで、図7を用いて、前兆演出中に行われる示唆表示において表示されるアイコンの種類を説明する。図7は、各種アイコンの共通部分と相違部分とを示す図である。図7(a)は、各種アイコンの共通部分を示す図である。図7(b)は、各種アイコンの相違部分を示す図である。
複数種類あるアイコンとしては、図7(b)に示すように、発展アイコン以外に、激熱アイコン、CHANCEアイコン、および??アイコンが設けられている。ここで、これらのアイコンのうち、いずれのアイコンを表示させるかは、ボーナスといった遊技者にとって有利な特典が付与されているか否かによって、異なるため(図15参照)、これらのアイコンを表示させることで、特典に関する示唆が行われるともいえる。
図6(c)および(c’)に示すように、アイコンは、雲のようなデザインの形状と、雲の中に描かれる文字と、雲の色とから構成されている。図7(a)に示すように、複数種類ある各アイコンは、それぞれ形状が等しく、いずれのアイコンの形状も雲のようなデザインの形状をしている。また、図7(b)に示すように、複数種類ある各アイコンは、それぞれ、雲の中に描かれる文字と雲の色とが異なる。たとえば、激熱アイコンは、赤色の雲の中に激熱という文字が描かれたアイコンであって、CHANCEアイコンは、黄色の雲の中にCHANCEという文字が描かれたアイコンである。
このように、示唆表示において表示されるアイコンを複数種類設けて、実行態様の異なる複数種類の示唆表示が実行される場合に、各アイコンの形状部分を同じにすることで、異なる種類の示唆表示が実行された場合であっても、示唆表示において表示されるアイコンであることを分かり易くすることができ、示唆表示が行われたことを遊技者は容易に認識することができる。また、各アイコンの文字部分と色部分とを異ならせることにより、示唆表示の実行態様のバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施形態において、各種アイコンについて、一の文字には、一の色が対応付けられているが、色と文字とを対応付けなくてもよい。たとえば、発展という文字が描かれたアイコンとして、雲の色が緑色のアイコン、虹色のアイコン、および赤色のアイコンの複数種類を設けてもよい。このように、文字と色との組合せを変えて、複数種類のアイコンを設けるようにしてもよい。このような場合は、アイコンのデータとして、形状に関するデータと、文字に関するデータと、色に関するデータと、合計3つ用意し、各データを組み合わせて一つのアイコンデータを作るようにしてもよい。このようにすることで、アイコンデータのデータ容量を減らすことができるとともに、複数種類のアイコンを表示することができる。
また、第1前兆演出中と第2前兆演出中とで、いずれの前兆演出においても、発展アイコン等が表示され得る。つまり、同じ態様で示唆表示が実行されることがある。このように、いずれの前兆演出においても同じ態様で示唆表示が実行されるため、遊技者はいずれの前兆演出で示唆表示が行われた場合であっても、行われたものが示唆表示であることを認識しやすい。
また、発展アイコン、激熱アイコン、CHANCEアイコン、??アイコンのいずれのアイコンであっても、アイコンを表示するときにスピーカ53,54から出力される音は共通するアイコン表示音である。つまり、示唆表示の種類に関わらず、示唆表示を実行するときにスピーカ53,54から出力される音は同じアイコン表示音である。そのため、示唆表示の種類に関わらず、同じアイコン表示音が出力されるため、示唆表示が実行されたことを遊技者が認識しやすい。
[特定演出]
特定演出中に実行される演出を、図8および図9を用いて具体的に説明する。図8は、バトル演出である第1特定演出の一例を示す図である。図9は、ミッション演出である第2特定演出の一例を示す図である。
図8を用いて、第1特定演出について詳細に説明する。第1特定演出は4ゲームに亘って実行されるバトル演出である。第1特定演出においては、図8(a)に示すように、レバーオンがされると、「バトル開始」という文字が液晶表示器51に表示される。このとき、第1特定演出に関連したBGMとして楽曲Cがスピーカ53,54から出力されはじめ、第1特定演出が終了するまで出力され続ける。そして、所定期間が経過すると図8(b)に示すように、味方キャラクタである戦士キャラクタと敵キャラクタである悪魔キャラクタとが対峙している様子の画像が液晶表示器51に表示される。その後、図8(c)に示すように、戦士キャラクタと悪魔キャラクタとが戦う様子の画像が液晶表示器51に表示され、2ゲーム目以降においても、戦士キャラクタと悪魔キャラクタとが戦う様子の画像が液晶表示器51に表示され続ける。
第1特定演出が始まってから3ゲーム目の第3停止されたときは、図8(d)および(d’)に示すように、カットイン演出が行われる場合と、行われない場合とがある。カットイン演出とは、現在実行している演出に被せて、異なる演出画像を突如として表示させる演出である。第1特定演出においては、図8(d)に示すように、「チャンス!」という文字と戦士キャラクタとからなる画像(カットイン画像ともいう)を現在実行している演出に被せるように表示させる演出をカットイン演出という。
図8(d)に示すように、カットイン演出が行われるときには、スピーカ53,54からチャンス音aが出力される。一方、図8(d’)に示すように、カットイン演出が行われない場合は、チャンス音aは出力されない。3ゲーム目の第3停止がされた後、4ゲーム目のレバーオンが行われると、再度、戦士キャラクタと悪魔キャラクタとが戦う様子の画像が液晶表示器51に表示される。
4ゲーム目の第3停止がされたときに、ボーナスという特典が付与されている場合には、図8(e)に示すように、戦士キャラクタが勝利したことを示す「WIN」という文字画像とともに、戦士キャラクタがピースしている画像が表示される。戦士キャラクタが勝利した様子の画像が表示されるときには、スピーカ53,54から勝利したことを表すWIN音が出力される。
一方、ボーナスという特典が付与されていない場合には、4ゲーム目の第3停止がされたときに、最終的に図8(e’)に示すように、戦士キャラクタが敗北した様子の画像が表示されるとともに、背景も暗くなる。戦士キャラクタが敗北した様子の画像が表示されるときには、スピーカ53,54から敗北したことを表すLOSE音が出力される。
次に図9を用いて、第2特定演出について詳細に説明する。第2特定演出は2ゲームに亘って実行されるミッション演出である。第2特定演出においては、図9(a)に示すように、レバーオンがされると、「城に辿り着け」というミッションを示す文字が液晶表示器51に表示される。このとき、第2特定演出に関連したBGMとして楽曲Dがスピーカ53,54から出力されはじめ、第2特定演出が終了するまで出力され続ける。そして、所定期間が経過すると図9(b)に示すように、キャラクタが道を進んでいる様子の画像が液晶表示器51に表示される。
第2特定演出が始まったゲーム(1ゲーム目)において第3停止されたときに、図9(c)に示すように、二手に分かれた道が表示されるとともに、二手に分かれた道のうちどちらの道を進むべきかを問う「どっちだ?」という文字が液晶表示器51に表示される。
2ゲーム目を開始するためにレバーオンしたときは、図9(d)および(d’)に示すように、カットイン演出が行われる場合と、行われない場合とがある。第2特定演出においては、図9(d)に示すように、「右だ!」という文字とキャラクタとからなる画像がカットイン画像である。
2ゲーム目のレバーオンが行われた後、第1停止されると、再度、図9(b)に示すような、キャラクタが道を進んでいる様子の画像が液晶表示器51に表示される。
2ゲーム目の第3停止がされたときに、ボーナスという特典が付与されている場合には、図9(e)に示すように、キャラクタが城に到着してミッションを達成したことを示す「WIN」という文字画像とともに、キャラクタが万歳をしている画像が表示される。ミッションを達成した様子の画像が表示されるときには、スピーカ53,54から第1特定演出において戦士キャラクタが勝利した様子の画像が表示されるときに出力される音と同じWIN音が出力される。
一方、ボーナスという特典が付与されていない場合には、2ゲーム目の第3停止がされたときに、図9(e’)に示すように、ミッションを達成できなかった様子を示す画像が表示されるとともに、第1特定演出において戦士キャラクタが敗北した様子の画像を表示するときと同様、背景が暗くなる。ミッションを達成しなかった様子を示す画像が表示されるときには、スピーカ53,54から第1特定演出において戦士キャラクタが敗北した様子の画像が表示されるときに出力される音と同じLOSE音が出力される。
ここで、カットイン演出は、BB当選しているときの方が高い確率で実行される(図12参照)。そのため、カットイン演出は、カットイン画像(図8(d)および図9(d)に示すキャラクタと文字とからなる画像)を表示させることで、ボーナスという遊技者にとって有利な特典に関する示唆を行う演出ともいえる。
また、第1特定演出および第2特定演出のいずれにおいても、図8(e)および図9(e)に示すように、ボーナスに当選したときに「WIN」という文字画像が表示される。また、第1特定演出および第2特定演出のいずれにおいても、図8(e’)および図9(e’)に示すように、ボーナスに当選していないときに液晶表示器51に表示される画像の背景が暗くなる。そのため、「WIN」という文字画像を表示させることや画像の背景を暗くすることで、ボーナスという遊技者にとって有利な特典に関する示唆が行われるともいえる。
図8(e)および図9(e)に示すように、第1特定演出および第2特定演出のいずれにおいても、「WIN」という文字画像は、液晶表示器51の右下という同じ位置に同じ大きさで表示される。つまり、第1特定演出であっても、第2特定演出であっても、「WIN」という文字画像が表示される位置は共通しているため、遊技者は、特典に関する示唆が行われたことを容易に認識することができる。また、異なる種類の演出のいずれの演出においても、「WIN」という文字画像を表示することで特典に関する示唆を行うことができるため、「WIN」という文字画像を表示する演出として様々な演出を実行することができ、その結果、遊技の興趣が向上する。
また、図8(d)および図9(d)に示すように、第1特定演出においてカットイン画像が表示されるタイミングは、第3停止されたときであるのに対して、第2特定演出においてカットイン画像が表示されるタイミングは、レバーオンがされたときである。つまり、カットイン演出は、第1特定演出中は第3停止を契機に行われるのに対して、第2特定演出中はレバーオンを契機に行われる。また、第1特定演出においても第2特定演出においても、カットイン画像が表示されるときには、共通のチャンス音aがスピーカ53,54から出力される。
つまり、第1特定演出であっても、第2特定演出であっても、カットイン演出が行われることに伴ってスピーカ53,54から出力される音はチャンス音aという共通の音であるため、遊技者は、カットイン演出が行われたことを容易に認識することができる。また、カットイン演出を、異なる種類の演出のいずれの演出においても行うことができるため、カットイン演出を行う演出として様々な演出を実行することができ、その結果、遊技の興趣が向上する。また、第1特定演出においてカットイン画像を表示する契機と、第2特定演出においてカットイン画像を表示する契機とを異ならせることができるため、演出の長さや内容に合わせて特典に関する示唆をするための画像を表示させることができ、その結果、様々な演出に特典に関する示唆をするための画像を用いることができ遊技の興趣が向上する。
また、戦士キャラクタが表示されるカットイン演出およびキャラクタが表示されるカットイン演出のいずれにおいても、カットイン演出が実行されるときには、同じチャンス音aが出力される。そのため、カットイン演出の種類に関わらず同じ音が出力されるため、カットイン演出が実行されたことを遊技者が認識しやすい。
また、図8(d)および図9(d)に示すように、カットイン画像は文字部分とキャラクタという意匠部分とからなる。このように、カットイン演出に用いるカットイン画像が文字部分と意匠部分とからなるため、カットイン演出が実行されたことが分かりやすく、遊技者は一目でカットイン演出が実行されたことを認識することができる。
また、図8(e)および図9(e)に示すように、第1特定演出中と第2特定演出中とで、いずれの特定演出においても、同一の「WIN」という文字画像が表示され得る。つまり、同じ態様で特典に関する示唆が行われる。このように、いずれの特定演出においても同じ態様で特典に関する示唆が実行されるため、遊技者はいずれの特定演出で特典に関する示唆が行われた場合であっても、行われたものが特典に関する示唆であることを認識しやすい。
また、図8(d)および図9(d)に示すように、第1特定演出中と第2特定演出中とで、カットイン演出の演出態様は、第1特定演出においては第1特定演出中に表示される戦士キャラクタが表示されるのに対して、第2特定演出においては第2特定演出中に表示されるキャラクタが表示される点で異なる。つまり、第1特定演出中は第1特定演出に関する態様でカットイン演出が行われ、第2特定演出中は第2特定演出に関する態様でカットイン演出が行われる。このように、演出に関する態様でカットイン演出を実行することで、演出に沿ってカットイン演出を実行することができ、遊技の興趣が向上する。
図8および図9に示すように、第1特定演出中は楽曲Cがスピーカ53,54から出力され、第2特定演出中は楽曲Dがスピーカ53,54から出力される。一方、「WIN」という文字画像が表示されるときは第1特定演出であるか第2特定演出であるかに関わらず、WIN表示音がスピーカ53,54から出力される。このように、演出の種類に関わらず特典に関する示唆が行われるときに出力される音は同じであるものの、演出の種類によって音を変えることができるため、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施形態において、楽曲Cおよび楽曲D(BGMともいう)は特定演出が終了するまで出力されるものとした。つまり、チャンス音、WIN音、LOSE音は、BGMと重なるように出力されるものとした。しかし、特定演出の途中で出力されるチャンス音については、チャンス音の音量がBGMの音量よりも大きくなるように出力し、特定演出の最後に出力されるWIN音およびLOSE音については、これらの音が出力されるときにBGMの出力を止めるようにしてもよい。つまり演出の途中で特典に関する示唆の実行に伴って音を出力する場合には演出中に常時出力されている音を停止させないようにし、演出の最後に特典に関する示唆の実行に伴って音を出力する場合には演出中に常時出力されている音から異なる音に切り替えるようにしてもよい。
音量を大きくする方法としては、BGMの音量を変えずにチャンス音をBGMの音量よりも大きな音量にするようにしてもよく、また、BGMの音量を小さくすることで、チャンス音の音量を大きくするようにしてもよい。このようにすることで、チャンス音の音を遊技者に認識させやすくすることができる。また、BGMの出力を止めることなく、チャンス音を出力することで、特定演出が終わってしまったのではないかと思わせることなく、カットイン演出を実行することができるとともに、チャンス音の音を遊技者に認識させやすくすることができる。BGMの音量を小さくした場合には、チャンス音の出力を止めたとき、または、カットイン演出が終了したタイミングで、もとの音量に戻すようにしてもよい。
また、演出の最後に、WIN音やLOSE音のような特典に関連した音を出力する場合に、BGMから特典に関連した音に切替えるようにしてもよい。このようにすることで、特典に関連した音を遊技者に認識させやすくすることができるとともに、演出が終了することを遊技者に認識させやすくすることができる。
なお、特典に関連した音(WIN音、LOSE音等)を出力するときに、BGMを止めるのではなく、特典に関連した音の音量の方がBGMの音量よりも大きくなるようにしてもよい。
[ボーナス非当選報知後の演出]
図10はボーナス非当選時の一例を示す図である。図10を参照して、ボーナスに当選していないことが報知された後の演出について説明する。図10においては、通常AT状態中に弱チェリーの当選を契機に有利AT抽選が行われたものとする。
図10(a)は通常AT状態に制御されていることを示す図である。通常AT状態中は、日中を示す第1背景画像が液晶表示器51に表示される。第1背景画像は有利AT状態に制御されている場合にも液晶表示器51に表示されるものの、有利AT状態に制御されているときよりも通常AT状態に制御されているときの方が高い確率で表示される画像である。つまり、第1背景画像は、通常AT状態に制御されていることを示唆する画像であって、遊技者は第1背景画像が表示されている場合には、有利AT状態に制御されている可能性よりも通常AT状態に制御されている可能性が高いことを予測することができる。
通常AT状態中にレバーオンがされて、内部抽選において弱チェリーに当選した場合に、当該ゲームから第2特定演出を実行することが決定された場合は、図10(b)に示すように第2特定演出の開始を示す「城に辿り着け」という文字画像が液晶表示器51に表示される。また、弱チェリー当選時には、有利AT抽選テーブル(図5参照)に示す確率に従って有利AT抽選が行われる。その後、次のゲームの第3停止時に図10(c)に示すように、ボーナスに当選していないことが報知される。
その後、次ゲームを開始する場合に、弱チェリー当選を契機に行われた有利AT抽選に当選していなかった場合は、図10(d)に示すように、弱チェリーに当選する前の第1背景画像が液晶表示器51に表示される。一方、弱チェリー当選を契機に行われた有利AT抽選に当選していて、有利AT抽選に当選したゲームの次ゲームから有利AT状態に制御されていた場合には、図10(d’)に示すように、夜を示す第2背景画像が液晶表示器51に表示される。第2背景画像は、有利AT状態に制御されている場合に液晶表示器51に表示される画像であって、他の状態に制御されている場合には表示されない画像である。つまり、第2背景画像は有利AT状態に制御されていることを報知する画像である。また、サブ制御部91は、第2背景画像の表示中に有利AT状態への制御が終了したときは、液晶表示器51に表示する背景画像を第2背景画像とは異なる画像に切り替える。
なお、第2背景画像を有利AT状態に制御されていることを報知する画像であるとしたが、第2背景画像を通常AT状態中に表示してもよく、通常AT状態中に表示する場合、通常AT状態に制御されているときよりも有利AT状態に制御されているときの方が高い確率で第2背景画像を表示するようにサブ制御部91は表示制御する。つまり、第2背景画像を有利AT状態に制御されていることを示唆する画像としてもよい。
[演出の決定方法]
図6,図8,図9に示した、サブ制御部91が実行する各演出の決定方法について説明する。サブ制御部91は、ボーナスに当選したか否かを前兆演出および特定演出を実行することにより示唆または報知する。つまり、前兆演出および特定演出は、ボーナスという遊技者にとって有利な特典が付与されたことを示唆する示唆演出の一例ともいえる。
サブ制御部91は、ボーナスに当選していない状態において、BB当選またはBBと同時当選する入賞役に当選した場合に、特定演出の実行の有無と、特定演出の内容と、前兆演出の実行の有無と、前兆演出の内容とを決定する。そして、決定した内容に従って、複数ゲームに亘って演出を実行する。特定演出の内容として、サブ制御部91は、第1特定演出および第2特定演出のうちのいずれの特定演出を実行するかと、カットイン演出を実行するか否かを決定する。前兆演出の内容として、サブ制御部91は、第1前兆演出および第2前兆演出のうちのいずれの前兆演出を実行するかと、前兆演出を何ゲーム(何回)実行するかと、各前兆演出で表示するアイコンとを決定する。
サブ制御部91は、メイン制御部41から送信される内部当選コマンドに基づいて、BB当選またはBBと同時当選する入賞役に当選したことを判断する。サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいて、特定演出の実行の有無と、特定演出の内容と、前兆演出の実行の有無と、前兆演出の内容とを決定する。
[特定演出の決定]
図11および図12を用いて、特定演出の実行の有無および特定演出の内容の決定方法について説明する。図11は、特定演出決定テーブルを示す図である。図12はカットイン演出決定テーブルを示す図である。サブ制御部91は、BB当選またはBBと同時当選する入賞役に当選したときに、図11に示した特定演出決定テーブルに示した確率で特定演出を実行しないか、第1特定演出を実行するか、または第2特定演出を実行するかを決定する。
サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいてBB当選したか否かを判断することができ、BB当選したときは必ず特定演出を実行する。一方、BB当選せずに強チェリーに単独で当選した場合、サブ制御部91は、20%の確率で特定演出を実行しないことに決定する。また、BB当選せずに弱チェリーに単独で当選した場合、サブ制御部91は、40%の確率で特定演出を実行しないことに決定する。つまり、弱チェリーまたは強チェリーといったBBと同時当選する入賞役について、BBと同時当選した場合と、BBと同時当選しない場合とを比較した場合に、BBと同時当選した場合の方が高い確率でサブ制御部91は特定演出を実行する。また、BBと同時当選する入賞役のうちのBBと同時当選する確率が高い強チェリーに当選した場合、強チェリーに比べてBBと同時当選する確率が低い弱チェリーに当選した場合と比べて高い確率でサブ制御部91は特定演出を実行する。
サブ制御部91は、BB当選したときは第2特定演出よりも高い確率で第1特定演出を実行することに決定し、BB当選しなかったときは第1特定演出よりも高い確率で第2特定演出を実行することに決定する。また、BB当選しなかったときのうち、BBと同時当選する確率が強チェリーと比べて低い弱チェリーに当選した場合は、BB当選せずに強チェリーに当選した場合に比べて高い確率で、サブ制御部91は第2特定演出を実行する。
このように、第2特定演出が実行されたときよりも、第1特定演出が実行されたときの方が、ボーナスに当選していることに対する期待度が高い。そのため、特定演出が実行されるか否かということ以外にも、いずれの特定演出が実行されるかにも遊技者の注目を集めることができる。
また、第1特定演出と第2特定演出とを比べると、第2特定演出の方が第1特定演出に比べて実行される期間が長い。このように、ボーナスに当選している可能性が第1特定演出に比べて低い第2特定演出の期間を第1特定演出に比べて短くすることで、期待感の低い演出が長く行われることを防止することができる。
また、ボーナスに当選していなくとも、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合、有利AT状態に制御されることがある(図5参照)。有利AT状態は15ゲーム経過で終了する有限の状態である(図4参照)。サブ制御部91は、有利AT状態に制御する場合、特定演出の実行後に高い確率で液晶表示器51に第2背景画像を表示し、有利AT状態への制御が終了したことに伴って第2背景画像の表示を終了する。図11に示すように、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合において、BBと同時当選しているとき(ボーナス2またはボーナス3に当選したとき)と、BBと同時当選していないときとを比べると、BBと同時当選していないときの方が特定演出の実行期間が短くなるように設計されている。このように設計することで、ボーナスに当選せずに有利AT抽選に当選した場合に、特定演出というボーナスの当選・非当選を報知する演出を実行する期間を短くする一方、第2背景画像を表示する期間を長くすることができる。
また、有利AT抽選に当選している可能性が強チェリーよりも高い弱チェリーに当選した場合は、サブ制御部91が特定演出を実行する可能性は強チェリーに当選している場合に比べて低い。また、特定演出を実行する場合であっても、弱チェリーに当選した場合は、サブ制御部91が第1特定演出を実行する確率は強チェリーに当選している場合に比べて低い。つまり、ボーナスに対する期待度が弱チェリーよりも高い強チェリーに当選した場合の方が、弱チェリーよりも特定演出を実行する期間が長くなるように設計されており、有利ATに制御される期待度が強チェリーよりも高い弱チェリーに当選した場合の方が強チェリーよりも特定演出を実行する期間が短くなるように設計されている。このように設計することで、ボーナスという有利AT状態よりも遊技者にとって有利な状態に制御されることに対する期待感が高い遊技においては、ボーナスに対する期待感を高める演出を長くすることができる。一方、ボーナスに制御される可能性が有利AT状態に制御される可能性よりも低く、ボーナスに当選していることに対しての期待感が低い遊技においては、ボーナスに対する期待感を高める演出を短くして、有利ATに制御されていることを報知する演出を実行する期間を長くすることができる。
特定演出を実行することに決定した場合に、サブ制御部91は、特定演出中にカットイン演出を実行するか否かを図12に示したカットイン演出決定テーブルに示した確率に従って決定する。たとえば、BB当選している場合には、80%の確率でカットイン演出を実行することに決定し、20%の確率でカットイン演出を実行することに決定する。図12に示すように、ボーナスに当選している場合は、高い確率でカットイン演出が行われる。そのため、特定演出中にカットイン演出が実行されるか否かに、遊技者を注目させることができる。
[前兆演出の決定]
図13から図15を用いて、前兆演出の実行の有無および前兆演出の内容の決定方法について説明する。図13は、前兆演出決定テーブルを示す図である。図14は前兆期間決定テーブルを示す図である。図15はアイコン決定テーブルを示す図である。サブ制御部91は、特定演出に関する決定をした後、特定演出を実行することを決定した場合に、図13に示した前兆演出決定テーブルに示した確率で前兆演出を実行しないか、第1前兆演出を実行するか、または第2前兆演出を実行するかを決定する。
サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいて、BB当選またはBBと同時当選する入賞役に当選したことを判断することができる。BB当選した場合と、BBと同時当選する入賞役のうち強チェリーに単独当選した場合と、弱チェリーに単独当選した場合とで、異なる確率で前兆演出の実行に関する決定を行う。たとえば、BB当選した場合に、サブ制御部91は、10%の確率で前兆演出を実行しないことに決定し、70%の確率で第1前兆演出を実行することに決定し、20%の確率で第2前兆演出を実行することに決定する。
図13に示すように、BBに当選した場合は、BBに当選しなかった場合に比べて、高い確率で第1前兆演出および第2前兆演出のいずれかを実行することに決定する。これにより、前兆演出そのものが実行されるか否かに遊技者の注目を集めることができる。また、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合において、BBと同時当選していない場合に比べてBBと同時当選しているときの方が、弱チェリーまたは強チェリーに当選したゲームより後のゲームから特定演出を実行する可能性が高い。そのため、弱チェリーまたは強チェリーに当選し、BB当選に対して期待が持てるような状況となってから特定演出が実行されるまでの期間が設けられるため、遊技の興趣が向上する。
また、BBに当選した場合は、BBに当選しなかった場合に比べて、第2前兆演出よりも第1前兆演出が実行される確率が高い。そのため、前兆演出が実行されるか否かということ以外にも、いずれの前兆演出が実行されるかにも遊技者の注目を集めることができる。
また、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合において、BBと同時当選しているとき(ボーナス2またはボーナス3に当選したとき)と、BBと同時当選していないときとを比べると、BBと同時当選していないときの方が前兆演出を実行しない確率が高い。そのため、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合において、BBと同時当選している場合に比べてBBと同時当選していないときの方が、弱チェリーまたは強チェリーに当選したゲームから特定演出が実行される可能性が高い。このように、弱チェリーまたは強チェリーに当選したゲームからBBの当選・非当選を報知する特定演出が実行されるため、遊技の興趣が向上する。
さらに、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合において、BBと同時当選していないときの方がBBと同時当選しているときに比べて、前兆演出を実行しない分、弱チェリーまたは強チェリーに当選したゲームから特定演出が終了するまでの期間が短くなるように設計されている。これにより、ボーナスに当選せずに有利AT抽選に当選した場合に、特定演出というボーナスの当選・非当選を報知する演出を実行する期間を短くする一方、第2背景画像を表示する期間を長くすることができる。
また、BBに当選しなかった場合は、BBと同時当選しやすい強チェリーと、有利AT抽選の当選確率が高い弱チェリーとを比較すると、弱チェリーに単独当選した場合の方が、強チェリーに単独当選した場合に比べて前兆演出を実行しない確率が高い。つまり、弱チェリーに単独当選した場合の方が、強チェリーに単独当選した場合に比べて、弱チェリーに当選したゲームから特定演出が実行される可能性が高い。つまり、強チェリーに当選した場合の方が、前兆演出が実行される分、弱チェリーに当選した場合に比べて強チェリーに当選してから特定演出が終了するまでの期間が長くなるように設計されている。一方、弱チェリーに当選した場合の方が、前兆演出が実行されない分、強チェリーに当選した場合に比べて弱チェリーに当選してから特定演出が終了するまでの期間が短くなるように設計されている。このように設計することで、ボーナスという有利AT状態よりも遊技者にとって有利な状態に制御されることに対する期待感が高い遊技においては、ボーナスに対する期待感を高める演出を長くすることができる。一方、ボーナスに制御される可能性が有利AT状態に制御される可能性よりも低く、ボーナスに当選していることに対しての期待感が低い遊技においては、ボーナスに対する期待感を高める演出を短くして、有利ATに制御されていることを報知する演出を実行する期間を長くすることができる。
前兆演出を実行することに決定した場合に、サブ制御部91は、前兆演出を何ゲーム(何回)実行するかを図14に示した前兆期間決定テーブルに示した確率に従って決定する。たとえば、BBに当選している場合には、10%の確率で1ゲームに決定し、30%の確率で2ゲームに決定し、60%の確率で3ゲームに決定する。
図14に示すように、1ゲームが選択される確率は、BB当選時、強チェリー当選時、弱チェリー当選時の順に高く設定されている。一方、3ゲームが選択される確率は、BB当選時、強チェリー当選時、弱チェリー当選時の順に低く設定されている。つまり、前兆演出を実行する期間は、BB当選時、強チェリー当選時、弱チェリー当選時の順に短くなるように設計されている。そのため、前兆演出が実行される期間にも注目させることができる。
また、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合において、BBと同時当選していないときの方がBBと同時当選しているときに比べて、前兆演出を実行する期間が短い分、弱チェリーまたは強チェリーに当選したゲームから特定演出が終了するまでの期間が短くなるように設計されている。これにより、ボーナスに当選せずに有利AT抽選に当選した場合に、特定演出というボーナスの当選・非当選を報知する演出を実行する期間を短くする一方、第2背景画像を表示する期間を長くすることができる。
また、強チェリーに当選した場合の方が、前兆演出が実行される期間が弱チェリーに当選した場合に比べて長い分、強チェリーに当選してから特定演出が終了するまでの期間が長くなるように設計されている。一方、弱チェリーに当選した場合の方が、前兆演出が実行される期間が強チェリーに当選した場合に比べて短い分、弱チェリーに当選してから特定演出が終了するまでの期間が短くなるように設計されている。このように設計することで、ボーナスという有利AT状態よりも遊技者にとって有利な状態に制御されることに対する期待感が高い遊技においては、ボーナスに対する期待感を高める演出を長くすることができる。一方、ボーナスに制御される可能性が有利AT状態に制御される可能性よりも低く、ボーナスに当選していることに対しての期待感が低い遊技においては、ボーナスに対する期待感を高める演出を短くして、有利ATに制御されていることを報知する演出を実行する期間を長くすることができる。
サブ制御部91は、前兆演出の期間およびボーナス当選しているか否かに基づいて前兆演出中に表示するアイコンの種類を決定する。本実施形態において、前兆演出の期間(図中の前兆期間)が1ゲームに決定されている場合は、図15(a)に示したアイコン決定テーブルを用いて前兆演出中に表示するアイコンを決定する。前兆期間が2ゲームに決定されている場合は図15(b)に示したアイコン決定テーブルを、前兆期間が3ゲームに決定されている場合は図15(c)に示したアイコン決定テーブルをそれぞれ用いて前兆演出中に表示するアイコンを決定する。
図15中の表示アイコン欄に記載の、「??」、「CHANCE」、「発展」および「激熱」はそれぞれ前兆演出中の第3停止時に表示されるアイコンを指すものである。また、前兆演出を複数ゲーム行う場合の、各ゲーム中に表示されるアイコンは、一番左に記載されたアイコンを1ゲーム目の第3停止時に表示されるアイコンとし、矢印を介して次に記載のアイコンが2ゲーム目の第3停止時に表示されるアイコンとして示されている。たとえば、「??」→「??」→「発展」は1ゲーム目の第3停止時に??アイコンが表示され、2ゲーム目の第3停止時に??アイコンが表示され、3ゲーム目の第3停止時に発展アイコンが表示されることを示している。
たとえば、前兆演出を2ゲーム行うことが決定している場合にBB当選しているときは、サブ制御部91は、1ゲーム目に??アイコンを表示し、2ゲーム目に発展アイコンを表示することに10%の確率で決定し、1ゲーム目にCHANCEアイコンを表示し、2ゲーム目に発展アイコンを表示することに30%の確率で決定し、1ゲーム目に激熱アイコンを表示し、2ゲーム目に発展アイコンを表示することに60%の確率で決定する。
本実施の形態において、サブ制御部91は前兆演出を実行した後、特定演出を実行する。そのため、前兆演出が実行される最終ゲームにおいては発展アイコンが表示される。
図15(a)〜(c)に示すように、CHANCEアイコンが表示される確率は、はずれの場合に比べて、BBに当選している場合の方が高い。これにより、CHANCEアイコンが表示されることに対して遊技者を期待させることができる。
図15(a)〜(c)に示すように、BBに当選していないはずれの場合は、激熱アイコンが表示される確率は極めて低い。つまり、CHANCEアイコンが表示されることよりも、激熱アイコンが表示されることに対して、遊技者を期待させることができる。
このように、アイコンの種類によって、BBという特典に関する示唆が行われる。そのため、アイコンの種類に遊技者を注目させることができる。
[サブ制御部が記憶するデータ]
サブ制御部91は、特定演出に関するデータとして、「WIN」とういう文字を輝かせる動画データ(図8(e)、図9(e)参照)、背景を暗くする画像データ(図8(e’)、図9(e’)参照)およびカットイン演出において用いる動画データ(図8(d)、図9(d)参照)をRAM91cに記憶している。また、特定演出に関するその他のデータとして、特典が付与されているか否かに関わらず共通する演出の動画データ(図8(a)〜(d’)、図9(a)〜(d’)参照)と、特典が付与されているか否かに応じて異なる演出の動画データ(図8(e),(e’)、図9(e),(e’)参照)をそれぞれ記憶している。
サブ制御部91は、図11および図12のテーブルに従って決定した演出の内容を、RAM91cに記憶している各種動画データを組み合わせることにより図8および図9に示した特定演出を実行する。たとえば、特典が付与されている場合に第1特定演出においてカットイン演出を実行すると決定した場合は、特典が付与されているか否かに関わらず共通する第1特定演出の動画データ、第1特定演出において用いるカットイン演出の動画データ、特典が付与されている場合特有の第1特定演出の動画データおよび「WIN」とういう文字を輝かせる動画データをそれぞれ、所定のタイミングで用いる。
このように、第1特定演出であるか第2特定演出であるかに関わらず実行される「WIN」という文字画像を表示するための動画データを備えることにより、この動画データを異なる演出で共通して用いることができるため、データ容量を削減することができる。また、特典が付与されているか否かに関わらず共通して用いる動画データ、特典が付与されているか否かに応じて異なる演出の動画データ、特定演出の種類に関わらず共通して用いる動画データを別々にRAM91cに記憶し、組み合わせて用いることにより、記憶する動画データの容量を減らしながらも多様な演出を行うことができるスロットマシンである遊技機を提供できる。
サブ制御部91は、特定演出と同様に前兆演出についても、表示するアイコンの種類に関わらず共通する動画データと、アイコンを表示する動画データとをRAM91cに記憶しており、アイコンを表示する動画データをアイコンの種類ごとにRAM91cに記憶している。
サブ制御部91は、前兆演出の種類に基づいて、アイコンを表示する動画データを表示させる領域と動画データの表示サイズとを決定する。たとえば、第1前兆演出においてアイコンを表示する場合は、第2前兆演出においてアイコンを表示する場合に比べて表示サイズを小さくするとともに、液晶表示器51の中央ではなく、中央よりも上方にアイコンを表示するように動画データを出力する。
このように、第1前兆演出であるか第2前兆演出であるかに関わらず実行されるアイコンを表示するための動画データを備えることにより、この動画データを異なる演出で共通して用いることができるため、データ容量を削減することができる。また、表示するアイコンの種類に関わらず共通する動画データと、アイコンを表示する動画データとを別々にRAM91cに記憶し、組み合わせて用いることにより、記憶する動画データの容量を減らしながらも多様な演出を行うことができるスロットマシンである遊技機を提供できる。
なお、本実施形態においては、動画データについて、共通して用いるデータと、個別に用いるデータとを分けて記憶することを例に挙げたが、画像データ、音データ等についても、各演出で共通して用いるデータと、各演出で個別に用いるデータとを分けて記憶してもよい。
[弱チェリー当選後の演出例]
図16は、弱チェリーの入賞が許容された後の演出の流れを示すタイミングチャートである。図16(a)は、ボーナス2に当選し、BBおよび弱チェリーの入賞が許容された時の演出例を示すタイミングチャートである。図16(b)は、弱チェリーに当選し、かつ有利AT抽選に当選した時の演出例を示すタイミングチャートである。図16に示すタイミングチャートにおいては、上から順に、制御されている状態を示すラインと、実行されている演出を示すラインと、液晶表示器51に表示されている背景画像を示すラインとが示されている。
図16(a)を参照して、BB当選時の演出例について説明する。図16(a)においては、通常AT状態中にボーナス2に当選し、前兆演出を3回行った後に第1特定演出を行うことが決定されたものとする。通常AT状態中は、液晶表示器51に通常AT状態中を示す第1背景画像が表示される。
通常AT中のタイミングt1においてボーナス2に当選し、かつ、前兆演出を3回行った後に第1特定演出を行うことが決定されると、サブ制御部91は液晶表示器51の背景画像を第1背景画像から演出用背景画像に切り替えるとともに、前兆演出を実行する。メイン制御部41は、ボーナス2に当選したゲームにおいては、BBよりも弱スイカを優先して入賞させるようにリール2L,2C,2Rを停止させる。そのため、ボーナス2に当選したゲームにおいてはBBに入賞せず、メイン制御部41は、次ゲームが開始するタイミングt2から内部当選状態に制御する。タイミングt2から2回前兆演出が実行された後のタイミングt3において、第1特定演出が行われる。4ゲームに亘って第1特定演出が実行されてタイミングt4においてBBに当選したことが報知される。その後、新たなゲームが開始されたタイミングでBBが内部当選していることを示す内部中演出が実行されるとともに、内部中背景画像が液晶表示器51に表示される。
図16(b)を参照して、弱チェリーに単独当選し、かつ有利ATに制御されるときの演出例について説明する。図16(b)においては、通常AT状態中に弱チェリーおよび有利AT抽選に当選したときに、第2特定演出を行うことが決定されたものとする。
通常AT中のタイミングT1において弱チェリーおよび有利AT抽選に当選し、かつ、第2特定演出を行うことが決定されると、サブ制御部91は液晶表示器51の背景画像を第1背景画像から演出用背景画像に切り替えるとともに、第2特定演出を実行する。メイン制御部41は、有利AT抽選に当選した次のゲームが開始するタイミングT2から有利AT状態に制御する。そのため、2ゲームに亘って第2特定演出が実行されてタイミングT3においてBBに当選していないことが報知される。その後、新たなゲームが開始されたタイミングで有利AT状態中であることを示す第2背景画像に切替わる。
[主な効果]
次に、本実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 本実施の形態において、弱チェリーに単独当選した場合に有利AT抽選が行われるため、弱チェリーに単独当選した以降に、弱チェリーに単独当選するよりも前に比べて遊技の有利度合いが向上することがある。また、弱チェリーに単独で当選している場合は、BBと弱チェリーに当選している場合に比べて、前兆演出が選択される確率が低く、かつ、実行期間が短い第2特定演出が選択される確率が高い。そのため、弱チェリーに単独で当選している場合の方が、BBと弱チェリーに当選している場合に比べて、弱チェリーに当選してから特定演出が終了するまでの期間が短くなるように設計されている。有利AT状態よりもボーナス状態の方が遊技者にとって有利な状態であるため、特定演出が終了するまでの間、有利AT状態に制御されているか否かではなく、BBに当選したか否かに遊技者の注目が集まる。本実施の形態においては、弱チェリーに単独当選している場合はBBに当選している場合に比べて早くに特定演出が終了する。その結果、有利度合いが向上している可能性に遊技者の意識を早くに向けることができ、有利度合いが向上していることに遊技者の意識を効果的に向けさせることができる。
なお、弱チェリーに単独当選している場合はBBに当選している場合に比べて早くに特定演出が終了するように特定演出および前兆演出の実行を決定する制御は、通常AT状態中に弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合に行われることが好ましい。通常AT状態および有利AT状態においては、有利区間報知ランプが点灯しているため、通常AT状態から有利AT状態に移行したことを、遊技者は、有利区間報知ランプの点灯態様からは認識することができない。このように、弱チェリーに単独当選した以降に弱チェリーに単独当選するよりも前に比べて遊技の有利度合いが向上したことを第2報知手段によって報知されないようなタイミングで、弱チェリーに単独当選している場合はBBに当選している場合に比べて早くに特定演出が終了するように特定演出および前兆演出の実行を決定することが好ましい。
また、BBと同時当選する入賞役に単独で当選した場合に、通常状態に制御される通常区間からAT状態に制御される有利区間への移行に関する抽選が行われる場合には、有利区間に移行したときに有利区間報知ランプが点灯する。そのため、通常区間中においては、有利区間への移行抽選に係る特定入賞役に単独で当選した場合に有利区間に移行することが決定したときは有利区間報知ランプが点灯する。その結果、特定演出が実行されているか否かに関わらず特定入賞役に単独当選した以降に特定入賞役に単独当選するよりも前に比べて遊技の有利度合いが向上したことを有利区間報知ランプの点灯によって遊技者は認識することができる。よって、通常区間中においては、有利区間への移行抽選に係る特定入賞役に単独で当選した場合の方が、BBと同時当選した場合と比べて、早くに特定演出が終了するように特定演出および前兆演出を決定しなくともよい。
(2) 本実施の形態において、図13に示すように、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合において、BBと同時当選しているときと、BBと同時当選していないときとを比べると、BBと同時当選していないときの方が前兆演出を実行しない確率が高い。そのため、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合において、BBと同時当選している場合に比べてBBと同時当選していないときの方が、弱チェリーまたは強チェリーに当選したゲームから特定演出が実行される可能性が高い。このように、弱チェリーまたは強チェリーに当選したゲームからBBの当選・非当選を報知する特定演出が実行されるため、遊技の興趣が向上する。
(3) 本実施の形態において、図13に示すように、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合において、BBと同時当選していない場合に比べてBBと同時当選しているときの方が、弱チェリーまたは強チェリーに当選したゲームより後のゲームから特定演出を実行する可能性が高い。そのため、弱チェリーまたは強チェリーに当選し、BB当選に対して期待が持てるような状況となってから特定演出が実行されるまでの期間が設けられるため、遊技の興趣が向上する。
(4) 本実施の形態において、図10(d’)に示すように、有利AT抽選に当選したゲームの次ゲームから有利AT状態に制御されていた場合には、特定演出の終了後に夜を示す第2背景画像が液晶表示器51に表示される。そのため、有利度合いが向上している有利AT状態中であることを遊技者に認識させることができ、遊技の興趣が向上する。
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態のその他の変形例を説明する。
[有利AT状態に制御されている旨を示唆する演出]
図17は、有利AT状態を示唆する演出の変形例を示す図である。本実施の形態において、有利AT状態を示唆する演出として、サブ制御部91は、有利AT状態中は、通常AT状態中であることを示す昼を示す第1背景画像ではなく、夜を示す第2背景画像を液晶表示器51に表示するものとした。しかし、サブ制御部91は、第1背景画像を液晶表示器51に表示したまま、有利AT状態中の方が実行される確率が高い演出を実行することで、有利AT状態に制御されている旨を示唆してもよい。
具体的には、図17(a)に示すように、サブ制御部91は有利AT状態中の方が表示される確率が高いキャラクタを表示することで、有利AT状態に制御されている旨を示唆してもよい。また、図17(b)に示すように、サブ制御部91は有利AT状態中の方が表示される確率が高い「有利になった?」という文字画像を表示することで、有利AT状態に制御されている旨を示唆してもよい。また、サブ制御部91は、キャラクタ画像および文字画像の両方を表示するようにしてもよい。また、液晶表示器51を用いた演出に限られるものではなく、スピーカ53,54から有利AT状態中であることを示すBGMを出力してもよい。
[特定演出]
本実施の形態においては、特定演出は2ゲーム以上の演出であるとしたが、1ゲームで完結する演出であってもよい。具体的には、図18を参照して説明する。図18は、第2特定演出の変形例を示す図である。なお、図18においては、スピーカ53,54を用いた演出については図示を省略しているとともに、説明を省略する。
1ゲームで完結する第2特定演出は、2ゲームに亘って実行される第2特定演出の内容を1ゲームに短縮した演出である。レバーオンがされてボーナス当選またはボーナスと同時当選する入賞役に当選した場合に(図18においては弱チェリー当選したものとする)、図18(a)に示すように、「城に辿り着け」というタイトル画像とともに、二手に分かれた道が表示されるとともに、二手に分かれた道のうちどちらの道を進むべきかを問う「どっちだ?」という文字が液晶表示器51に表示される。
その後、第1停止されたときに、図18(b)および(b’)に示すように、カットイン演出が行われる場合と、行われない場合とがある。その後、第3停止がされたときにボーナス当選している場合には図18(c)に示すようにボーナスに当選していることを示す画像が液晶表示器51に表示される。一方、ボーナス当選していない場合には図18(c’)に示すように、ボーナスに当選していないことを示す画像が液晶表示器51に表示される。
図18(c’)に示すように、ボーナスに当選していないことを示す画像が表示された後、有利AT抽選に当選している場合には、次ゲーム開始時に図18(d)に示すように、第2背景画像が液晶表示器51に表示される。
1ゲームで完結する第2特定演出の実行確率は、たとえば、BBに当選していない場合にBBに当選している場合に比べて高くなるように設計されていてもよい。このように設計することで、BBと同時当選する入賞役に単独当選している場合はBBに当選している場合に比べて早くに特定演出が終了することになる。
また、1ゲームで完結する第2特定演出は、前兆演出が実行された後に実行される確率よりも、前兆演出が実行されずにBBまたはBBと同時当選する入賞役に当選したゲームから実行される確率の方が高くなるように設計されていてもよい。このように設計することで、BBまたはBBと同時当選する入賞役に当選してから特定演出が終了するまでの期間を短くすることができる。
なお、1ゲームで完結する特定演出を、2ゲームに亘って実行される第2特定演出の内容を1ゲームに短縮した演出であるとしたが、第1特定演出および第2特定演出とは異なる1ゲームで完結する第3特定演出を備える構成であってもよい。BBに当選しているか否かを示唆する特定演出の種類を増やした場合に、異なる演出であるにも関わらず同じ特典を示唆することとなり、遊技者に誤解を与える虞がある。そのため、特定演出の期間を調整する場合には、同じ特定演出を短縮または延長することで調整することが好ましい。また、特定演出の種類を増やした場合であっても、特典を示唆する示唆画像を表示する場合に同じ示唆画像を用いるようにすることが好ましい。
[特定演出が示唆する当選役]
本実施の形態において、特定演出が示唆する当選役を、ボーナス状態への移行を伴うBBとした。しかし、BBに限られず、入賞に伴って遊技者にとって有利な特別状態に移行可能な抽選対象役であればよい。
[有利度合いを向上させる方法]
本実施の形態において、弱チェリーに単独当選した以降に有利AT状態に制御することで、弱チェリーに単独当選した以降に、弱チェリーに単独当選するよりも前に比べて遊技の有利度合いを向上させることとした。しかし、他の方法によって有利度合いを向上させてもよい。たとえば、有利状態に制御する確率を高くすることで有利度合いを向上させてもよい。また、特典を示唆する演出の信頼度を向上させることで有利度合いを向上させてもよい。
[有利区間]
本実施の形態においては、AT状態に制御される期間を有利区間としたが、CZ(チャンスゾーン)と呼ばれる状態に制御される期間を有利区間に含めてもよい。CZ状態とは、AT状態への制御に関する有利度合いがCZに制御されていないとき(非CZ中)に比べて高い有利な状態である。また、CZ状態においては、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行される。CZ状態またはAT状態に制御されるスロットマシンにおいては、CZ状態またはAT状態に制御されている期間が有利区間である。また、CZ状態としてAT状態への制御に関する有利度合いが異なる複数種類のCZ状態を備えてもよい。このような場合に、特定の入賞役に当選する前後での有利度合いをCZ状態から、当該CZ状態よりもAT状態への制御が有利なCZ状態に移行させることで変化させてもよい。
また、CZに制御されていない非CZ状態からCZ状態に移行した場合には、有利区間報知ランプが点灯する。そのため、特定演出が終了するタイミングを入賞役に応じて異なるように決定する制御は、非CZ状態からCZ状態に移行したときには行わず、CZ状態から当該CZ状態よりも有利なCZ状態に移行したときに行うようにすることが好ましい。つまり、特定演出が終了するタイミングを入賞役に応じて異なるように決定する制御は、通常区間から有利区間に移行する契機となる抽選対象役に当選したときに行うのではなく、有利区間中に第1有利区間から当該第1有利区間よりも有利な第2有利区間に移行する契機となる抽選対象役に当選したときに行うことが好ましい。
[異なる演出で特典に関する示唆に用いる画像を表示する場合の共通事項]
本実施形態においては、第1前兆演出中と第2前兆演出において、特典に関する示唆に用いる画像であるアイコンを表示する場合に、表示する際の音、アイコンの態様、表示する契機をそれぞれ共通にするものを例に挙げた。また、第1特定演出中と第2特定演出中において、特典に関する示唆に用いる画像であるカットイン画像を表示する場合に、表示する際の音、表示する大きさ、表示する位置をそれぞれ共通にするものを例に挙げた。また、第1特定演出中と第2特定演出中において、特典に関する示唆に用いる画像である「WIN」という文字画像を表示する場合に、表示する際の音、表示する大きさ、表示する位置、表示するタイミング、画像の態様をそれぞれ共通にするものを例に挙げた。しかし、異なる演出中において、特典に関する示唆に用いる画像を表示する場合に、表示するときの音、表示の態様、表示する位置、表示する契機および画像の大きさのうちの少なくとも一つが各演出で共通していればよい。
[特典に関する示唆に用いる画像]
本実施形態においては、示唆表示において表示されるアイコンは「発展アイコン」のように、文字部分を構成要素としたが、文字部分を含まない、意匠部分のみからなるアイコンであってもよい。たとえば、特定のキャラクタを示唆表示において表示されるアイコンとしてもよい。また、特定演出においても、「WIN」という文字画像を表示させるようにしたが、キャラクタがVサインを出しているような意匠部分のみからなる画像を第1特定演出と第2特定演出とで表示してもよい。また、カットイン演出についても同様に、特定のキャラクタという意匠部分のみからなる画像をカットイン画像として表示してもよい。このように、特典に関する示唆に用いる画像が意匠部分のみからなるため、画像が分かり易く、遊技者は一目で特典に関する示唆が行われたことを認識することができる。
このように、示唆表示手段が表示する画像は、意匠部分のみからなる(たとえば、特定のキャラクタを示唆表示において表示されるアイコンとする)。
このような構成によれば、示唆表示手段が表示する画像が意匠部分のみからなるため、示唆表示が実行されたことが分かり易く、遊技者は一目で示唆表示が実行されたことを認識することができる。
また、本実施形態において、前兆演出において用いたCHANCEアイコンや激熱アイコンを特定演出中のカットイン画像として用いてもよい。また、特定演出中の「WIN」という文字画像の代わりに、前兆演出において用いるWINアイコンを用いてもよい。また、LOSE音が出力される図8(e’)および図9(e’)において、前兆演出において用いる…アイコンを表示させてもよい。このように、特典に関する示唆に用いる画像が文字部分と意匠部分とからなるため、画像が分かり易く、遊技者は一目で特典に関する示唆が行われたことを認識することができる。
本実施形態においては、第1前兆演出中と第2前兆演出中とで、いずれの前兆演出においても、同一のアイコンが表示される、同じ態様で示唆表示が実行される場合を示した。しかし、第1前兆演出中と第2前兆演出中とで、それぞれ、各演出に関連した態様で示唆表示を実行するようにしてもよい。たとえば、第1前兆演出のように宝箱を開けるような場合には、金貨を表示させることで、特典が付与されていることを示唆するようにしてもよい。一方、第2前兆演出のようにカーテンを開けるような場合には、雲の形によって、特典が付与されていることを示唆するようにしてもよい。このような場合であっても、示唆表示を実行するときの音、表示位置、および表示タイミングのうちのいずれか一つでも共通していれば、遊技者は示唆表示であることを認識しやすい。このように、演出に関する態様で示唆表示を実行することで、演出に沿って示唆表示を実行することができ、遊技の興趣が向上する。
このように、示唆表示手段は、
第1演出中は当該第1演出に関連する第1態様により示唆表示を実行し、
第2演出中は当該第2演出に関連する第2態様により示唆表示を実行する(変形例の[特典に関する示唆に用いる画像]欄に記載された、宝箱演出においては金貨を表示させる示唆表示を行い、カーテン演出においては雲の形によって特典の付与を示唆する示唆表示を行う)。
このような構成によれば、演出に関する態様で示唆表示が実行されるため、演出に沿って示唆表示が実行することができ、遊技の興趣が向上する。
また、本実施形態においては、第1特定演出中と第2特定演出中とで、いずれの特定演出においても、同一の「WIN」という文字画像が表示される、特典に関する示唆を行う際に用いる画像が同じ態様である場合を例に示した。しかし、第1特定演出中と第2特定演出中とで異なるようにしてもよい。たとえば、第1特定演出中はバトル演出に関連して「勝利」という文字画像が表示され、第2特定演出中はミッション演出に関連して「到着」という文字画像が表示されるようにしてもよい。このように、演出に関する態様で示唆表示を実行することで、特典に関する示唆を画像を用いて演出に沿って実行することができ、遊技の興趣が向上する。
また、本実施形態においては、第1特定演出中と第2特定演出中とで、カットイン画像の態様を異なるようにする例を示した。しかし、第1特定演出中と第2特定演出中とで、カットイン画像の態様を同じにしてもよい。たとえば、特定のキャラクタの画像をカットイン画像とした場合に、いずれの特定演出であっても、特定のキャラクタの画像をカットイン画像として用いてもよい。このように、演出の種類に関わらず同じ態様でカットイン演出が行われるため、遊技者はいずれの演出でカットイン演出が実行された場合であっても、実行されたものがカットイン演出であることを認識しやすい。
[スピーカから出力される音]
本実施形態において、音が共通するとは、少なくとも音色および音の高さが同じであればよく、音量を変えるようにしてもよい。たとえば、第1特定演出中と第2特定演出中とで出力されるアイコン表示音は少なくとも音色および音の高さが同じであればよい。遊技者が音量の調整をすることができるような遊技機においては、第1前兆演出が実行されるときと、第2前兆演出が実行されるときとで、音量が異なるように設定される場合がある。このような場合であっても、示唆表示が行われるときに出力される音の音色と音の高さとを共通にすることで、示唆表示が行われていることを認識することができる。
[特典に関する示唆に用いる画像の種類毎に出力される音]
本実施形態において、WINアイコン、発展アイコン、激熱アイコン、CHANCEアイコン、…アイコン、??アイコンのいずれのアイコンが表示される場合であっても、スピーカ53,54から同じアイコン表示音が出力されるものとしたが、表示されるアイコンの種類によって、スピーカ53,54から出力される音を変えるようにしてもよい。具体的には、発展アイコンを表示するときには、アイコン表示音Aを出力し、激熱アイコンを表示するときは、アイコン表示音Bを出力するようにしてもよい。このように、示唆表示の種類毎に出力される音が異なるため、多様な演出を実行することができ、遊技の興趣が向上する。
このように、示唆表示手段は、第1示唆表示(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示)および当該第1示唆表示とは態様が異なる第2示唆表示(たとえば、激熱アイコンを表示する示唆表示)を含む複数種類の示唆表示を実行可能であって、
音出力手段は、
第1示唆表示の実行に伴って第1音(たとえば、アイコン表示音A)を出力し、
第2示唆表示の実行に伴って第2音(たとえば、アイコン表示音B)を出力する。
このような構成によれば、示唆表示の種類毎に出力される音が異なるため、遊技の興趣が向上する。
また、特定演出中においては、「WIN」という文字画像が表示されるときにWIN音が出力されるとした。しかし、ボーナスまたはATのいずれにも当選しなかった場合に実行される図8(e’)および図9(e’)の演出においても、「LOSE」という文字画像を表示させてもよい。この場合に、「WIN」という文字画像が表示される場合も「LOSE」という文字画像が表示される場合も、いずれの場合であっても、同一の音が出力されるようにしてもよい。このようにすることで、特典に関する示唆が行われたことを遊技者が認識しやすい。
また、カットイン演出においても、複数種類のカットイン画像のうちのいずれかを表示することができるようにし、カットイン画像が表示されたことに伴って出力される音をカットイン画像の種類毎に異なるようにしてもよい。ただし、第1特定演出と第2特定演出とで、同じ種類のカットイン画像が表示される場合には、同じ音がスピーカ53,54から出力される。たとえば、キャラクタAが表示されるカットイン画像とキャラクタBが表示されるカットイン画像を備え、キャラクタAのカットイン画像が表示される場合にはチャンス音Aが出力され、キャラクタBのカットイン画像が表示される場合にはチャンス音Bが出力されるようにしてもよい。このように、カットイン画像の種類毎に出力される音が異なるため、多様な演出を実行することができ、遊技の興趣が向上する。
[BGMについて]
なお、本実施形態において、第1前兆演出中、第2前兆演出中、第1特定演出中および第2特定演出中とでBGMを異ならせることとしたが、全ての演出で同じBGMを出力してもよい。また、BGMではなく、キャラクタがしゃべるような演出において、キャラクタの音声を変えるようにしてもよい。
[特典に関する示唆に用いる画像を表示する契機]
なお、本実施形態において、特典に関する示唆に用いる画像を表示する契機を第3停止されたときや、レバーオンという操作がされたときとしたが、特定演出や前兆演出が開始してから所定期間経過したことを契機としてもよい。また、演出用スイッチ56への操作を促す演出を行うとともに、演出用スイッチ56が操作されたことを契機に特典に関する示唆に用いる画像を表示してもよい。たとえば、特典に関する期待度が第2演出よりも高い第1演出においては、演出用スイッチ56のように、遊技の進行に関わらない操作手段への操作を契機に特典に関する示唆に用いる画像を表示し、第2演出においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rのように、遊技の進行に関わる操作手段への操作を契機に特典に関する示唆に用いる画像を表示してもよい。
[第1演出および第2演出]
本実施形態において、第1演出として第1前兆演出および第1特定演出、第2演出として第2前兆演出および第2特定演出を例に挙げたが、これに限ったものではない。たとえば、前兆演出中と特定演出中とで、共通のアイコンを表示するようにしてもよい。具体的には、前兆演出中に用いられるATに当選したことを示すWINアイコン、…アイコン、CHANCEアイコン、激熱アイコンをそれぞれ特定演出中に用いてもよい。
また、本実施形態において、第1演出と第2演出とは、それぞれ、第1特定演出と第2特定演出のようにボーナスという同じ特典に関する示唆を行う演出としたが、第1演出と第2演出とが示唆する特典はそれぞれ異なるようなものであってもよい。たとえば、第1演出においては特典としてボーナスに当選したことを画像を表示することで示唆し、第2演出においては特典としてCZに当選したことを画像を表示することで示唆してもよい。
本実施形態において、特典に関する示唆として、ATに当選したこと、BBに当選したこと、ATおよびBBのいずれにも当選したことをそれぞれ示唆するものとした。しかし、CZに当選したことや、付与されたCZゲーム数を示唆するようにしてもよい。また、ATに当選したことや、付与されたATゲーム数を示唆するようにしてもよい。
また、非CZ中にATまたはCZに当選した場合に次ゲームからATまたはCZに制御し、ATやCZのような遊技者にとって有利な状態に制御されていることを報知するようなスロットマシンにおいては、ATまたはCZに移行したタイミングでATまたはCZのうちいずれに移行したかを示唆する演出をしてもよい。
[画像を表示する位置]
本実施形態において、画像を表示する位置が共通するとは、図8(e)および図9(e)に示すように、画像の大きさも共通する例を示したが、画像の大きさが異なっていても、画像の中央が同じ位置になるように配置されていれば、同じ位置とする。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
また、前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンを説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンを説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。