JP6796378B2 - 変形キューブコーナー素子を有する再帰反射性シート - Google Patents

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Description

本出願は、概して、新規な再帰反射性物品、並びにそれを作製及び使用する方法に関する。より具体的には、本出願は、再帰反射性シートにおける変形キューブコーナー素子に関する。このような再帰反射性シートの例示的な用途としては、例えば、標識、ナンバープレート、及び印刷シートなどが挙げられる。
再帰反射性材料は、材料に入射した光を発光源に向かって戻すように方向転換できることを特徴とする。この特性により、再帰反射性シートは、様々な交通安全及び個人向け安全用途で、幅広く使用されるようになっている。再帰反射性シートは、例えば道路標識、バリケード、ナンバープレート、舗装マーカー及びマーキングテープ、並びに車両及び衣服用の再帰反射性テープなど、様々な物品に広く採用されている。
再帰反射シートの種類としては、微小球ベースのシートとキューブコーナーシートの2つが公知である。微小球ベースのシート(「ビーズ型」シートと呼ばれることもある)では、典型的には、少なくとも部分的に結合剤層に包埋された多数の微小球が用いられ、これらの微小球には正反射又は拡散反射材料(例えば、顔料粒子、金属フレーク、又は蒸着コーティングなど)が付随しており、入射光線を再帰反射させる。ビーズ型再帰反射体は対称的形状を有しているため、微小球ベースのシートは、配向にかかわらず(即ち、シートの表面に垂直な軸を中心にして回転させても)、同じ光線リターンとなる。この理由から、ビーズ型再帰反射性シートによって戻される光の分布は、概して回転対称であると言える。それ故、0〜360度の提示角(presentation angle)において、再帰反射係数(再帰反射率)(平方メートル当たりのルクス当たりのカンデラ又はRa単位で表現される)を観察若しくは測定した場合、又は、0〜360の配向角において測定した場合、ビーズ型シートの再帰反射率の変動は比較的小さい。この理由から、このような微小球ベースのシートは、シートが表面に置かれる配向に対して比較的感受性が低い。しかし、概してそのようなシートは、キューブコーナーシートよりも再帰反射性効率が低い。
キューブコーナー再帰反射性シート(「プリズム」シートと呼ばれることもある)は、典型的には、実質的に平らな第1の表面と、複数の幾何構造体を備える第2の構造化表面と、を有する薄い透明層を備え、その構造体の一部又は全部が、キューブコーナー素子として構成される3つの反射面を備える。キューブコーナー再帰反射性シートは、構造化表面を有するマスター型を初めに製造することによって通常は生産され、このような構造化表面は、完成品のシートがキューブコーナー角錐又はキューブコーナー窪み(又はその両方)を有することになるのかどうかに応じて、完成品のシートにおける所望のキューブコーナー素子形状か、そのネガ(反転)コピーのいずれかに対応するものである。続いて、この型を、ニッケル電鋳などの、任意の好適な手法を使用して複製し、エンボス加工、押し出し加工、キャスティング−硬化(cast-and-curing)などのプロセスによってキューブコーナー再帰反射性シートを形成するためのツールを生産する。米国特許第5,156,863号(Pricone et al.)は、キューブコーナー再帰反射性シートの製造において使用されるツールの形成のためのプロセスの例示的な概要を提供している。マスター型を製造するための既知の方法としては、ピンバンドリング(pin-bundling)法、直接機械加工法、薄層(lamina)を用いる手法などが挙げられる。これらの微細複製プロセスにより、所望のプリズム状構造のネガ型を有する微細構造化ツールから精密に、かつ忠実に複製されたプリズム状構造を有する再帰反射性シートが、生産される。
本出願の発明者らは、再帰反射性物品の光学的特性(例えば、再帰反射率)を効率よく適合化する需要があることを認識した。一態様において、本出願の発明者らは、プリズム再帰反射性シートを、特別なツールの生産を必要とせず、短時間で改変する方法を開発しようと努めた。他の態様では、本出願の発明者らは、プリズム再帰反射性物品の少なくとも一部分の光学的特性を選択的に改変しようと努めた。更なる他の態様では、本出願の発明者らは、再帰反射性条件下でシーム溶接及び/又はタイル線によって引き起こされるコントラストを最小化しようと努めた。他の態様では、本出願の発明者らは、様々な視認条件において認識可能なマーキングを作製しようと努めた。一部の例においては、これらのマーキングを使用して、再帰反射性シートの出所及び/又は種類に関する情報を提供する。他の例においては、このマーキングを、セキュリティ機構として使用する。
一実施形態において、本出願は、再帰反射性シートであって、一の頂点で交わる3つの概ね垂直な面を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面を含み、該キューブコーナー素子の少なくとも30パーセントの該頂点は、熱変形されて、変形キューブコーナー素子となっている、再帰反射性シートに関する。
他の実施形態において、本出願は、再帰反射性シートであって、キューブコーナー素子を含む構造化表面であって、該キューブコーナー素子の少なくとも一部は、熱的に剪断された、構造化表面を含み、該熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、グレースケールマーキングを形成する、再帰反射性シートに関する。
更なる他の実施形態において、本出願は、再帰反射性シートであって、縮小光学的有効体積を有する変形キューブコーナー素子のアレイを含む構造化表面であって、該アレイは、複数の画素を含み、第1の画素は、第1の全光線リターン値を有するキューブコーナー素子を含み、該第1の画素に隣接する第2の画素は、該第1の全光線リターン値とは異なる第2の全光線リターン値を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面を含む、再帰反射性シートに関する。
他の実施形態において、本出願は、再帰反射性物品を作製する方法であって、一の頂点で交わる3つの概ね垂直な面を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面を有する、再帰反射性シートを提供することと、該キューブコーナー素子の少なくとも30パーセントの該頂点を熱変形させて、変形キューブコーナー素子を形成することと、を含む、方法に関する。
他の実施形態において、本出願は、再帰反射性物品を作製する方法であって、複数のキューブコーナー素子を含む構造化表面を有する、再帰反射性シートを提供することと、該キューブコーナー素子の少なくとも一部を熱的に剪断することと、を含み、該熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、グレースケールマーキングを形成する、方法に関する。
これらの特徴及び利点、並びに様々な他の特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」を読むことで明らかになるであろう。
添付図面とともに以下の本開示の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本開示のより完全な理解を得ることができる。
従来技術の再帰反射性シートの断面である。 本出願に係る例示的な再帰反射性シートの断面である。 本出願に係る例示的な再帰反射性シートの写真である。 本出願に係る他の例示的な再帰反射性シートの断面である。 図4に示された再帰反射性シートの写真である。 本出願に係るマーキングを含む、例示的な再帰反射性シートの写真である。 本出願に係るマーキングを含む、例示的な再帰反射性シートの写真である。 本出願に係るマーキングを含む、他の例示的な再帰反射性シートの写真である。 本出願に係るマーキングを含む、他の例示的な再帰反射性シートの写真である。 本出願に係る例示的な再帰反射性シートの顕微鏡写真である。 本出願に係る例示的な再帰反射性シートの顕微鏡写真である。 本出願に係る例示的な再帰反射性シートの顕微鏡写真である。 本出願に係る例示的な再帰反射性シートの顕微鏡写真である。 それぞれ図8(a)〜(d)の例示的な再帰反射性シートに係る変形キューブコーナー素子の光学的有効体積の上面を示す。 それぞれ図8(a)〜(d)の例示的な再帰反射性シートに係る変形キューブコーナー素子の光学的有効体積の上面を示す。 それぞれ図8(a)〜(d)の例示的な再帰反射性シートに係る変形キューブコーナー素子の光学的有効体積の上面を示す。 それぞれ図8(a)〜(d)の例示的な再帰反射性シートに係る変形キューブコーナー素子の光学的有効体積の上面を示す。 キューブコーナー素子の各ペアの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 キューブコーナー素子の各ペアの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 キューブコーナー素子の各ペアの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 キューブコーナー素子の各ペアの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 集合的にグレースケールマーキングを形成し、x〜xの知覚輝度値を有する、画像要素(画素)のm対n(m×n)の行列を示す。 図11に示されたm×n行列の3つの隣接する画像要素(画素)を示し、このうちの2つは、変形キューブコーナー素子のアレイを含む。 様々な照射角及び配向角における、全光線リターン対元の体積高さに対する変位体積高さパーセントのプロットである。 様々な照射角及び配向角における、全光線リターン対元の体積高さに対する変位体積高さパーセントのプロットである。
図は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。図中で用いられる類似の番号は、類似の構成要素を示す。しかし、所与の図中において、ある構成要素を指すためにある数字を使用したことにより、同一の数字でラベル付けされた別の図中の構成要素を限定する意図はないことが理解されるであろう。
以下の説明文においては、本明細書の一部を構成し、複数の特定の実施形態を例として示す一連の添付図面を参照する。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態を想到し、実施できる点が理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
本出願の再帰反射性シートは、好ましくは、場合によっては、プリズムシートと呼ばれる、キューブコーナーシートである。図1は、概して平らな表側表面(即ち、表側)110と、キューブコーナー素子130のアレイを含む、構造化された裏側表面120(即ち、裏側)と、を有する従来技術100のプリズムシートの断面を示す。典型的には、キューブコーナー素子は単一の頂点134で交差する3つの互いに垂直な光学面132を含む。これらの面は、(部屋の角のように)実質的に互いに垂直であり、底部の中心と垂直に位置合わせされた頂点を有する。各光学面間の角度は、典型的には、アレイ内の各キューブコーナー素子について同じであり、約90°である。しかしながら、この角度は、例えば米国特許第4,775,219号(Appledorn et al)(この開示は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、90度からずれていてもよい。キューブコーナー素子の頂点は、米国特許第4,588,258号(Hoopman)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、底部の中心に対して傾いていて(canted)もよい。
概して、光源からコーナーキューブ素子に入射する光は、3つの垂直なキューブコーナー光学面のそれぞれから内部全反射され、光源に向かって戻るように方向転換される。使用する際、再帰反射体は、表側を、意図される観察者及び光源の予想位置に概ね向かって配設して、配置される。表側表面上に入射した光は、シートに入り、素子の3つの面のそれぞれによって反射され、表側表面から、実質的に光源に向かう方向へ出射する。
正反射性コーティング又は反射層(図示せず)を、キューブコーナー素子上に配設して、再帰反射を促進させてもよい。好適な反射性コーティングとしては、金属コーティング(図示せず)が挙げられ、アルミニウム、銀、又はニッケルなどの金属を、蒸気溶着又は化学蒸着などの既知の手法によって適用することができる。好適な反射層としては、多層光学フィルムが挙げられる。キューブコーナー素子にプライマー層を適用して、反射性のコーティング又は層の接着を促進してもよい。代替的には、封止フィルムを使用してもよい。再帰反射性物品のための例示的な封止フィルムは、米国特許第7,611,251号(Thakkar et al)(参照により本明細書に組み込まれる)において開示されている。
本出願の利点の1つは、新たなツールを作製したり、既存のツールを改変したりする必要なく、完成品の再帰反射性シートにおいて、マーキングを短時間で作製及び/又は改変することができることである。本出願の他の利点は、再帰反射性シートの光学的特性を適合化して、様々なASTM仕様を満たす物品を生産できることである。
プリズム再帰反射性シートは、光源に向かって入射光の大部分を戻すことが知られている(Smith,K.Driver−Focused Design of Retroreflective Sheeting For Traffic Signs,in Transportation Research Board 87th Annual Meeting:Compendium of Papers DVD,Washington D.C.2008)。多くの市販の製品では、ASTM D 4956−11aに記載されているようなASTMタイプIII、VII、VIII、IX、及びXIなどの高い再帰反射率仕様(例えば、0.2度の観測角及び−4度の照射角に対して、平方メートル当たりのルクス当たり300〜1000カンデラ(cpl)の範囲の再帰反射率(RA)又は輝度)を満たすために、プリズム状キューブコーナー微細構造によってもたらされる比較的高い再帰反射率(光源へ向かう光線リターン)に依存している。
しかしながら、典型的には、プリズム状キューブコーナー微細構造は、ASTM D 4956−11aに記載されている、ASTMタイプI及びIIなどの、より低い再帰反射率仕様(例えば、白いシートに対する、0.2度の観測角及び−4の照射角に対する、70〜250cplの範囲のRA)を満たすように設計された製品では、使用されてこなかった。代わりに、市販のASTMタイプI及びIIの製品では、典型的には、光学素子として、ポリマー材料の複数の層に埋め込んだガラスビーズを利用している。正反射性コーティング(典型的には、真空蒸着させたアルミニウム)は、再帰反射を可能にするため、光の焦点位置の近くで、ガラスビーズの背後に位置している。
ASTMタイプI及びII、又は同等の世界的仕様などの低い再帰反射率仕様を満たす、再帰反射率を調整したプリズム再帰反射性シートの一例は、米国特許出願公開第2010/103521号(Smith et al)に記載されている。一態様において、本出願の発明者らは、低い再帰反射率プリズムシートを生産する代替法を開発しようと努めた。
本出願の方法では、微細複製プロセスに関連する利点を維持したまま、新たなツールの作製又は既存のツールの改変が不要となる。本出願の一部の実施形態において、再帰反射性シートのキューブコーナー素子の大部分は、少なくとも部分的に変形されるため、シート全体の平均再帰反射率(輝度)が減少する。本出願の他の実施形態において、キューブコーナー素子は、選択的に変形されて、マーキングを形成する。
図2は、本出願に係る例示的な再帰反射性物品の断面である。プリズムシート200は、概ね平坦な表側表面210と、変形キューブコーナー素子235を含む構造化裏側表面220と、を含む。キューブコーナー素子の元の(即ち、変形前の)形状は、一の頂点234で交わる3つの概ね垂直な面(点線で示されている)を含んでいた。本明細書で使用されるとき、「概ね垂直な面」とは、これらの面が交わる角度が、上述したように垂直からわずかにずれている実施形態を含む意味であることが理解されるべきである。
本明細書で使用されるとき、用語「変形する」、「変形」、又は「変形される」は、キューブコーナー素子の光学的有効体積の改変に関する。本明細書で使用されるとき、「光学的有効体積」(Vo又はVd)は、再帰反射に寄与するそれぞれのキューブコーナー素子の一部分又は体積に関する。元の光学的有効体積(Vo)は、元の(即ち、変形前の)キューブコーナー素子の光学的有効体積に関する。元の光学的有効体積(Vo)は、図2に示す、対応する元の有効体積高さ(Ho)を有する。本出願に係る、キューブコーナー素子の変形は、再帰反射性シートに材料を付加したり、材料を取り除いたりして達成されるわけではない。対照的に、キューブコーナーの先端(頂点)の一塊の部分(a mass)(例えば、角錐上の塊)の変位によって、変形を起こし、再帰反射に寄与しない(即ち光学的に有効でない)、変位体積(Vx)を作り出す。結果として、変形キューブコーナー素子は、縮小光学的有効体積(Vd)、及び、図2にも示されている縮小有効体積高さ(Hd)を有する。本明細書で使用されるとき、用語「変位体積」(Vx)は、再帰反射に寄与しない(即ち光学的に有効でない)変形キューブコーナー素子の変位部分236に関する。変位体積高さ(Hx)は、図2に示すように、変位体積(Vx)の高さであり、元の体積高さ(Ho)のパーセンテージとして表現さる場合もある。例えば、10%のHxとは、Hxが元の体積高さの10%に等しいことを意味する。変形キューブコーナー素子235の光学的特性(例えば、再帰反射率(RA))は、元の(非変形の)素子の光学的特性とは異なっている。
本出願に係るプリズムシートの再帰反射率は、(i)変形キューブコーナー素子の数、及び/又は(ii)キューブコーナー素子が変形される程度(extent)に応じて改変され得る。一部の実施形態において、反射性シートの広い領域にわたる全光線リターン(TLR)の減衰は、再帰反射性シートにおけるキューブコーナー素子の大部分を変形させることにより、達成される。一部の実施形態において、キューブコーナー素子の少なくとも30%が変形される。他の実施形態において、キューブコーナー素子の少なくとも50%が変形される。他の実施形態において、キューブコーナー素子の少なくとも60%が変形される。他の実施形態において、キューブコーナー素子の少なくとも70%が変形される。更なる他の実施形態において、キューブコーナー素子の少なくとも80%が変形される。
キューブコーナー素子が変形される程度は、一様でなくてもよい。一部の例においては、キューブコーナー素子の頂点のわずかな部分だけが変形される(例えば、縮小有効体積高さ(Hd)は、元のキューブの高さ(Ho)の約85%〜約99%に相当する)。他の例においては、縮小有効体積高さ(Hd)が、元のキューブの高さ(Ho)の約50%〜約85%に相当するほどに、キューブコーナーの構造の変形を、更に大きくしてもよい。一部の実施形態において、キューブコーナー素子は、全体が変形されていてもよい(例えば、縮小有効体積高さが、元のキューブの高さの約0%に相当する)。変形キューブコーナー素子の再帰反射率は、縮小光学的有効体積及び縮小有効体積高さに依存する。HdがHoに近づくほど、元のキューブコーナー素子の再帰反射率に近づくため、変形キューブコーナー素子の再帰反射率は高くなる。
一部の実施形態において、例えば、図3に示すようにキューブコーナー材料のブリッジが、隣接する変形キューブコーナー素子間で形成される。この実施形態において、変形キューブコーナー素子は、米国特許第4,588,258号(Hoopman)(この開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、組み合った(matched)ペア335a及び335bとして調製されている。例えば、使用する方法、及び(移動させられる場合には)変形が生じたときに再帰反射性シートが移動させられた方向(例えば、長手方向(即ち、物品の長さに沿った方向)での移動)に応じて、図3に示すように、キューブコーナー素子の組み合ったペア間で、ブリッジ337が形成される。代替的には、ブリッジは、隣接するが、組み合わされてはいない変形キューブコーナー素子間で形成されてもよい。
図4は、本出願に係る他の例示的な再帰反射性物品の断面である。プリズムシート400は、概して平坦な表側表面410と、平坦な表面410の反対側の構造化表面420と、を有する。構造化表面420は、元のキューブコーナー素子430と、変形キューブコーナー素子435と、金属コーティング460と、隣接するキューブコーナー素子430、435と、を含む。この実施形態において、変形キューブコーナー素子435は、熱変形されている。キューブコーナー素子に熱を加え、下にあるキューブコーナー素子を溶解させ、かつ/又は軟化させた。結果として、金属コーティングは変形され、破れ、かつ/又は変形キューブコーナー素子435から取り除かれ、露出したキューブコーナー素子の部分435cが残された。任意選択で、接着層470を使用して、再帰反射性物品400を基材(図示せず)に対して固定する。接着層470を使用する場合、変形キューブコーナー素子の露出した部分435cを接着層470と接触させて、再帰反射を防ぐ(即ち、露出した部分を光学的に有効でないものにする)。
図5は、図4に示され、下の実施例2に記載されているように調製した再帰反射性シートの写真である。金属コーティング560は破れ、変形され、かつ変形キューブコーナー素子535の頂点から移動させられ、露出した素子の部分535cが残されている。
本出願の一部の実施形態は、変形キューブコーナー素子のアレイを含む再帰反射性シートであって、該変形キューブコーナー素子は、ASTM D4596−09に従った、0度及び90度の配向における、平均輝度が、−4度の照射角及び0.2度の観測角に対して、約70カンデラ/ルクス/m〜約250カンデラ/ルクス/mであり、前記シートは、白色又は銀色のうちの一方の色彩を有する、再帰反射性シートに関する。
他の態様では、本出願の発明者らは、キューブコーナー素子を選択的に変形させて、異なった視認条件(例えば、照明条件、観測角、照射角)において、認識可能なパターン(マーキング)を作製しようと努めた。一部の実施形態において、このマーキングを、装飾的な目的で使用してもよく、また、例えば、画像又はロゴを形成していてもよい。他の実施形態において、このマーキングを使用して、印を識別してもよく、この印により、エンドユーザーは、例えば、製造者及び/又はこの再帰反射性物品のロット番号を特定することができるようになる。更なる他の実施形態において、このマーキングを、セキュリティマークとして使用してもよく、このセキュリティマークは、好ましくは、手作業で、かつ/若しくは機械的に複製することが困難であるか、又は、安全で、かつ/若しくは入手困難な材料を使用して製造される。セキュリティマーキングを有する再帰反射性シートは、セキュリティ文書、パスポート、認証カード、金融取引カード(例えば、クレジットカード)、ナンバープレート、又は他の標識におけるセキュリティ用改竄防止画像などの様々な用途で使用されてもよい。セキュリティマーキングは、見る者がセキュリティマークに対する照明条件及び/又は視点を変化させると、見る者に対する外観を変化させることができる。このセキュリティマークは、例えば、形状、図形、記号、クイックレスポンス(QR)コード、デザイン、文字、数字、英数字、及び印などの、任意の有用なマークであってよい。
特定のグラフィック画像又はマークを有するビーズ型シートは、ナンバープレート上に使用され、そのナンバープレートが真正のものであること、又はその交付の有効性を検証する手段として機能してきた。ビーズ型シートを使用したナンバープレートに使用するためのセキュリティマークは、例えば、米国特許第7,068,434号(Florczak et.al.)に記載されている。このセキュリティマークは、合成画像としてビーズ型シート中に形成され、この合成画像は、シートの上又は下に置かれているように見える。この外観のため、この種のセキュリティマークは、一般的には、浮遊画像(floating image)と呼ばれる。
識別用の印を含むプリズム再帰反射性シートは、例えば、米国特許第8,177,374号(Wu)に記載されており、ここでは、平面的な乱れ(disturbance)が、ツールプレートの選択された表面上に形成され、集合的に識別用の印を形成する。この改変ツールプレートを使用して作製した再帰反射性シートは、ツールプレートの平面的な乱れの反転物に対応する識別用の印を含む。Wuに記載された方法において不利な点の1つは、製造しやすさと、製造コストに関する。ツールプレートは、生産が困難であり、高価である。加えて、識別用の印の改変を望む場合、新たに改変したツールプレートの生産が必要となる。それ故、再帰反射性シートにおけるマーキングの形成では、既存のツールプレートの新たな作製又は改変を必要としないことが望ましい。
上述したように、本出願の利点の1つは、新たなツールを作製したり、既存のツールを改変したりする必要なく、完成品の再帰反射性シートにおいて、マーキングを作製することができることである。本出願の他の利点は、簡単かつ迅速にマーキングを改変し得ることであり、これにより、意図する用途に従ったマーキングのカスタマイズが可能となる。一態様において、本出願は、(例えば、選択的に熱を加えることによって)キューブコーナー素子を選択的に変形させることに関する。再帰反射性シートの構造化表面に加えられる熱及び圧力の量は、意図するキューブコーナー素子の変形に応じることになる。一般的には、温度がより高く、かつ/又は高圧であれば、より大きく変形され、より大きく縮小した、縮小光学的有効体積(Vd)及び縮小有効体積高さ(Hd)がもたらされる。本出願の方法によれば、隣接するキューブコーナー素子の調整された変形が可能である。本明細書で使用されるとき、「調整された変形」又は「調整可能な変形」とは、異なるキューブコーナー素子にわたって、縮小光学的有効体積及び縮小有効体積高さを変化させることを意味することが、意図されている。例えば、第1のキューブコーナー素子は、第1の縮小光学的有効体積(Vd1)及び縮小有効体積高さ(Hd1)を有していてもよく、元は第1のキューブコーナー素子と同じ体積及び高さを有していた第2のキューブコーナー素子は、第2の縮小光学的有効体積(Vd2)及び縮小有効体積高さ(Hd2)を有していてもよい。一部の実施形態において、Vd1及びHd1は、元の光学的有効体積Voと元の光学的有効高さHoのパーセンテージとして表現した場合、それぞれVd2及びHd2よりも大きい。これらの実施形態においては、第1のキューブコーナー素子は、第2のキューブコーナー素子よりも高い再帰反射率を有する。結果として、再帰反射性条件下で、第2のキューブコーナー素子は、第1のキューブコーナー素子より暗く見える。周囲拡散条件(ambient diffuse condition)下では、第2のキューブコーナー素子は、第1のキューブコーナー素子よりも多くの光を拡散し(散乱し)、より明るく見える。
一部の実施形態においては、例えば、影及び/又は色調の変化を伴った画像を再現するために、反射性を位置によって変化させた複雑なマーキングを生産することが望ましい。このようなマーキングを、シートの表側に印刷したグラフィック画像と位置合わせして(例えば、グラフィック画像とレジストレーションして提供して)、コントラストを向上させたグラフィック画像を作り出すこともできるであろう。このようなパターンは、見た目がよいばかりでなく、その複製の難しさにより、特にセキュリティマーキングの形成において有用である。
本方法の利点の1つは、キューブコーナー素子を調整可能に変形させることにより生産される、グレースケールマーキングを使用し、このような複雑なマーキングを作製できることである。本明細書で使用されるとき、用語「グレースケール」とは、グレーの濃淡によって構成されていることを意味し、各濃淡は、黒(0)〜白(2−1、ここでnは、画像のビット深度である)まで変化する、グレースケール値によって定義される。例えば、8−ビットのグレースケール画像は、0(黒)〜255(白)にわたる256のグレーレベルを有する。典型的には、数学関数(画像ガンマ補正関数)を使用して、グレースケール値を目標のグレー(明るさ又は輝度)値にマッピングする。グレースケール画像は、写真画像のレンダリング、表示、又は印刷において特に有用である。
図6(a)及び6(b)は、本出願に係る、後の実施例3に記載されているように調製した、再帰反射性シート上の複雑なマーキングの写真である。この複雑なマーキングは、レオナルド・ダ・ビンチによるモナリザのグレースケール画像からなっている。図6(a)は、拡散可視光条件下で撮影したデジタル写真である。図6(b)は、フラッシュ光とデジタルカメラを使用して、可視再帰反射性条件下で撮影したデジタル写真である。より高温の設定を使用してモナリザの髪と服を作製したため、結果として、髪と服は、拡散可視条件下では、より明るく見えている。上で説明したように、高温に曝された変形キューブコーナー素子は、元の(即ち、変形前の)キューブコーナー素子より縮小した光学的有効体積と、有効体積高さを有するようになる。
図7(a)及び(b)は、本出願に係る、後の実施例4に記載されているように調製した、再帰反射性シート上の他の複雑なマーキングの写真である。濃淡を変化させた、4行の球を有するパターンを使用した。所望の再帰反射性輝度に応じて、加える熱の量を変化させた。図7(a)は、拡散可視条件下で撮影した、実施例4の再帰反射性シートのデジタル写真である。図7(b)は、再帰反射性条件下で撮影した、実施例4の再帰反射性シートのデジタル写真である。図6(a)及び(b)と同様に、拡散条件下では、より高温で処理した変形キューブコーナー素子ほど明るく見えており(例えば、上の2行の球の輪郭及び下の2行の球の中心)、一方で、再帰反射性条件下では、より低温で処理した変形キューブコーナー素子ほど変形の程度が小さいため、明るく見えている。
一部の実施形態において、キューブコーナー素子は、熱的に(即ち、熱を加えることによって)変形される。具体的には、熱変形キューブコーナー素子には、例えば、熱機械的な変形、及び熱的な剪断のうちの一方が行われてよい。他の実施形態において、変形は、放射線吸収剤(例えば、赤外線吸収剤)を含むキューブコーナー素子を有することによって達成され、ここでこのようなキューブコーナー素子は、特定の波長を受けた(submitted)ときに、光を吸収する。放射線吸収剤は、キューブコーナー素子の一部分に(例えば、頂点に)対して加えられてもよい。キューブコーナー素子を変形させる他の好適な方法としては、例えば、超音波溶接機及びスタンパーのうちの一方を使用した、熱機械的な変形が挙げられる。超音波溶接機は、ツールとバックアッププレートとの間で、変形させる基材をプレスする。ここで、このツール及び/又はプレートは回転ツールであってもよい。続いて、超音波エネルギーを、超音波ホーンを通してツールに加え、ツールを振動させて、ホーンと基材との間の摩擦により、熱を発生させる。一方で、スタンパーを加熱し、基材の表面に押し付ける。
サーマルプリンターを使用して、少なくとも1つのキューブコーナー素子の一部分を熱変形させてもよい。この実施形態において、変形は、キューブコーナー素子の熱的な剪断として生じる。熱的な剪断は、加熱した抵抗型サーマルプリンター素子と1つ以上のキューブコーナー素子とが互いに接触し、相対的な運動が、シートに平行な平面において直線的である場合に生じる。結果として、キューブコーナー素子の一部分の熱的な剪断が生じ、比較的平坦な頂部と、変位体積を有する光学的有効体積が作り出される。
典型的には、サーマルプリンターは、アドレス指定可能な加熱素子の線状アレイを有するプリントヘッドを使用するデジタル印刷装置である。印刷プロセスに影響するように、加熱素子の熱を調節しながら、印刷する基材をプリントヘッドの下で特定の速度で移動させることによって、画像が形成される。画像データは、画像要素(画素)、及び各画素に対するグレースケール値のm×nのアレイのための情報を含む。グレースケール値は、時間、熱プロファイル、及びそれぞれのアドレス指定可能な加熱素子の温度を決定する。サーマルプリンターは、基材(例えば、再帰反射性シート)に伝えたい熱量に応じて、調節し得る、調整された熱パルス(heat pulse)を有する。グレースケールマーキングのベースライン値は、例えば、装置のパワー設定などから調節されてもよい。
キューブコーナー素子を熱的に剪断するために、市販のサーマルプリンターを様々なモードで使用してよい。例示的なモードの1つとして、直接書き込みモードとして知られるものがあり、ドナーフィルム(典型的には、着色した材料を基材に転写するために使用されるもの)は使用されない。むしろ、直接書き込みモードでは、熱素子を、基材の表面に直接熱を加えるために使用する。
図8(a)、(b)、(c)及び(d)は、本出願に係る例示的な再帰反射性シートの顕微鏡写真である。図9(a)、(b)、(c)、及び(d)は、それぞれ図8(a)、(b)、(c)及び(d)に示された再帰反射性シートに係る変形キューブコーナー素子の縮小光学的有効体積の頂部を示す。図8(a)〜(d)に示された再帰反射性シートのキューブコーナー素子は、サーマルプリンターを使用して熱変形された。図8(a)に示す再帰反射性シートでは、印刷暗さ調節用ポテンショメーターを最大レベルに設定して、サーマルプリンターを暗さレベル5に設定した。照射角−4°及び観測角2°における再帰反射率は、約130cd/ルクス/mであった。図9(a)は、図8(a)に示すシートのそれぞれの変形キューブコーナー素子の、縮小光学的有効体積の頂部を示す。図8(b)に示す再帰反射性シートでは、印刷暗さ調節用ポテンショメーターを最大レベルに設定して、サーマルプリンターを暗さレベル4に設定した。照射角−4°及び観測角2°における再帰反射率は、約310cd/ルクス/mであった。図9(b)は、図8(b)に示すシートのそれぞれの変形キューブコーナー素子の、縮小光学的有効体積の頂部を示す。図8(c)に示す再帰反射性シートでは、印刷暗さ調節用ポテンショメーターを最大レベルに設定して、サーマルプリンターを暗さレベル3に設定した。照射角−4°及び観測角2°における再帰反射率は、約580cd/ルクス/mであった。図9(d)は、図8(c)に示すシートのそれぞれの変形キューブコーナー素子の、縮小光学的有効体積の頂部を示す。図8(d)に示す再帰反射性シートでは、印刷暗さ調節用ポテンショメーターを最大レベルに設定して、サーマルプリンターを暗さレベル2に設定した。照射角−4°及び観測角2°における再帰反射率は、約850cd/ルクス/mであった。図9(d)は、図8(d)に示すシートのそれぞれの変形キューブコーナー素子の、縮小光学的有効体積の頂部を示す。
キューブコーナー素子を形成するための例示的なポリマーとしては、熱可塑性ポリマー類、例えば、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、脂肪族ポリウレタン、並びに、エチレンコポリマー、及びそれらのアイオノマー、及びそれらの混合物などが挙げられる。キューブコーナーシートは、米国特許第5,691,846号(Benson)に記載されているように、フィルム上に直接キャスティングすることによって調製されてもよい。放射線硬化されるキューブコーナー用のポリマーとしては、多機能性アクリレート類のような架橋されたアクリレート類、又はエポキシ類、並びに単機能及び多機能性のモノマーとブレンドされたアクリル化ウレタン類などが挙げられる。更に、先に述べたようなキューブコーナーを、より柔軟なキャスト・キューブコーナー・シートのために、可塑化したポリ塩化ビニルフィルム上にキャスティングしてもよい。これらのポリマーは、1つ以上の理由、例えば、熱安定性、環境安定性、透明性、工具又は成形型からの優れた剥離性、及び反射性コーティングの受容能力などのために好ましい。キューブコーナー素子を変形させるために熱を使用する場合には、熱可塑性ポリマーが特に有用である。
プリズム再帰反射性シートは、例えば、予備成形したシートを、キューブコーナー素子のアレイを用いてエンボス加工することによって、又は、流体材料を型にキャスティングすることによって、一体材料として製造することもできる。代替的には、再帰反射性シートは、予備成形したフィルムに対してキューブコーナー素子をキャスティングすることによって、又は、予備成形したキューブコーナー素子に予備成形したフィルムを積層することによって、積層製品として製造することもできる。キューブコーナー素子は、約1.59の屈折率を有する、およそ0.5mm厚のポリカーボネートフィルム上に形成することができる。再帰反射性シートの作製に有用な材料は、寸法安定性、耐久性、耐候性があり、かつ所望の構成へ容易に成形可能な材料が好ましい。概して、典型的には、加熱及び加圧下で形成可能な、任意の光学的透過性材料を使用することができる。
また、シートは、必要に応じて、着色剤、染料、UV吸収剤、又は別個のUV吸収層、及び他の添加剤を含んでいてもよい。また、接着層と合わせて、汚染物質からキューブコーナー素子を封止する裏面層(即ち、封止フィルム)を使用することもできる。
一部の実施形態において、キューブコーナー素子は、封止フィルムを通して変形される(deformed through)。代替的には、キューブコーナー素子は、少なくとも2枚の封止フィルム、接着層、及び剥離フィルム、又はこれらの組み合わせを含む多層構築物を通して変形されてもよい。
図10(a)、(b)、(c)、及び(d)は、キューブコーナー素子の各ペアの断面のSEM写真である。図10(d)は、元の(即ち、変形されていない)キューブコーナー素子のペアを示す。元のキューブコーナー素子の再帰反射率は、約1100can/ルクス/mと測定された。図10(a)、(b)及び(c)は、本出願に係る変形キューブコーナー素子のペアをそれぞれ示している。理解できるように、示されているそれぞれのキューブコーナー素子の頂点は、熱的に剪断されており、光学的有効体積の縮小がもたらされ、結果的に、再帰反射率が減少している。図10(a)、(b)及び(c)に示す熱的に剪断されたキューブコーナー素子で測定された再帰反射率は、それぞれ、約30can/ルクス/m、400can/ルクス/m、及び920can/ルクス/mである。
本出願では、図11及び12に示すように画像要素(image or picture elements)(画素)のm行×n列の規則的なアレイを含む、再帰反射性グレースケール画像について記載する。各画素は、1つ以上のキューブコーナー素子を更に含み、所与の画素内のキューブコーナー素子は、同様の光学的有効体積及び有効体積高さを有する。図12は、図11に示された3つの隣接するm×n行列の画像要素(画素)を示す。各画素は、3行のキューブを有するように示され、各行は、同一形状の3つのキューブを更に含み、画素当たり全部で9つの同一形状のキューブがある。図示されたキューブの数は本出願の単なる例示に過ぎず、各画素により多くの、又はより少ないキューブコーナー素子が存在してよいことが、理解されるべきである。加えて、それぞれの画素に対するフォーマットを変化させてもよい。一部の実施形態において、各画素の形状は、正方形、円形、三角形、長方形、六角形、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。図12に示されたそれぞれの画素は、×1〜×3にわたる知覚輝度値を有し、集合的にグレースケールマーキングを形成している。
それぞれの画素のTLR値は、幾何光学及びレイトレーシングの原理に基づいて計算できる。図13及び14は、例示的な再帰反射性シートでの、約0、10、20、30、40、及び50度の照射角、並びに約0度及び90度の配向における、計算したTLR対パーセント変位体積高さ(Hx)を示す。モデリングは、コンピュータソフトウェアにデータを入力して、所望のキューブコーナー素子の3Dモデルを構築することにより行われた。58度、58度、及び64度の狭角を有し、かつ約1.5の屈折率を有する材料で作製された、頂点を切り取ったキューブコーナー素子が生成された。
変形キューブコーナー素子は、キューブコーナー素子の頂点の変形によって形成された追加ファセットを有するように、構成された。この例示的な実施形態において、追加ファセットは、頂点を切り取ったキューブコーナー素子の底部に対して平行であるものとみなされた。本出願によれば、この追加ファセットは、底部に対して平行である必要はないことが、理解されるべきである。追加ファセットとキューブコーナー素子の底部平面との間の距離が、有効体積高さ(Ho又はHd)である。変形キューブコーナー素子の高さは、有効体積高さの部分的な減少、あるいは、変位体積高さによって定義される量だけ、元の高さから縮小された。(キューブコーナー素子の底部の全領域にわたる)一連の光線の経路を計算した。
計算には、キューブのファセットのそれぞれにおける反射の効果(内部全反射に起因する完全反射、又は臨界角より小さい角度でファセットに当たったことに起因する部分反射のどちらであるか)が含まれていた。このキューブコーナー素子の全光線リターン(TLR)を決定するため、キューブコーナー素子の光学的有効体積内に包含される(また、それ故に、再帰反射を経験している)3つ全てのファセットの反射である、全光線の総フラックスを、キューブコーナー素子上に入射する、最初の総フラックスで割った。このTLR計算は、キューブコーナーのアレイ内に包含される組み合ったキューブコーナー素子(先ほどのキューブコーナー素子と同一だが、キューブコーナー素子のアレイの底部平面に対して垂直な軸を中心に180度回転している)に対して繰り返した。これらの2つのTLR値の平均をとって、検討中の特定の照射角及び配向角における、キューブコーナーのアレイに対する平均TLRを決定する。この計算は、有効体積高さ値の部分的な減少(キューブコーナーの高さの縮小を表す)の増加に対しても繰り返した。この全体の計算手順を、対象の他の照射角及び配向角に対しても繰り返した。
このデザインの元のキューブコーナー素子(即ち、変位体積高さのないもの)は、0度の照射角及び0度の配向の場合に、約58%のTLR(入射光のリターン)を有するものと計算された。グレースケール値(2−1)(ここで、nは、画像のビット深度である)における白に相当する、このTLR値。元の体積高さの約70%に相当する変位体積高さを有する変形キューブコーナー素子のTLRは、約3%と計算された。このTLR値は、黒(グレースケール値0)に相当するであろう。続いて、複数の中間グレースケール値を、可能な非線形画像ガンマ−調節関数(possibly non-linear image gamma-adjusting function)を使用して、数学的に決定する。この関数は、より多くのデータ値を、人間の目でより簡単に複数のグレースケール値を識別できるグレースケールカーブの複数の中間領域に割り振る。
本出願の一実施形態において、画素当たりのキューブコーナー素子の数(z)は、キューブコーナーピッチ(P)と、プリンターピッチ(P)との比によって決定される。正方形の画素の場合、キューブコーナー素子の数は、以下の方程式を使用して計算し得る:z=(P/(P。典型的には、市販の抵抗型サーマルプリンターは、(アドレス指定可能な)ドット解像度が、1インチ当たりの画素数(ppi)で150〜300であり、それぞれ、169マイクロメートル、及び85マイクロメートルのドットピッチに相当する。以下の実施例で使用される再帰反射性シートは、4ミル(100マイクロメートル)のキューブコーナー素子ピッチを有している。結果的に、画像にて150ppiのプリンターを使用すると、画素当たりおよそ3つのキューブコーナー素子があることになる。
他の実施形態において、プリンターのピッチは、1つの大きなメタ−画素として、複数のアドレス指定可能なプリンター素子を含んでいてもよい。この実施形態は、大きなフォーマットのグレースケール画像を生成するために、特に有用である。
本出願においては、プリントヘッドと再帰反射性シートを位置合わせすることは必須ではない。それ故、シート上の画素は、キューブコーナーのパターンに対して回転していてもよいし、平行移動していてもよい。画素は、元のキューブコーナー素子及び変形キューブコーナー素子を含んでいてよい。また、プリンターの熱抵抗素子間の領域に対応して、元のキューブコーナー素子が存在していてもよい。
一部の実施形態において、それぞれの画素は、多数の(例えば、100を超える)キューブコーナー素子を含む。このような実施形態では、ハーフトーン処理及びミッドトーン処理などの空間変調技術を使用して、効果的なグレースケール値を作成してもよい。一例としては、空間変調は、元のキューブコーナー素子(即ち、変位体積高さ(Hx)が0%)と、完全に変形された再帰反射性キューブコーナー(変位体積高さ(Hx)が100%)との空間平均に基づく。TLR値の範囲は、単一の画素内の各キューブコーナー素子の数により決定される。空間変調技術の使用により、規則的な又は確率的なドットパターン処理を用いたハーフトーン処理などの印刷技術の組み込みが可能となる。
また、本出願を使用して、再帰反射性シート上のシーム溶接、タイル線、及び/又は欠陥によって形成されるコントラストを最小化することもできる。シーム溶接、タイル線、及び/又は欠陥は、典型的には、再帰反射性条件下で周囲の領域よりも暗く見えるキューブコーナー素子を含む。これらの暗い領域の光学的効果を、他の明るい再帰反射性物品において最小化する方法の1つは、シーム/タイル線付近のキューブコーナー素子を調整可能に変形させ、隣り合うキューブコーナー素子の光学的有効体積を選択的に縮小し、再帰反射率の勾配を作り出すことである。暗い領域付近の勾配により、シーム溶接、タイル線、及び/又は欠陥による外見が和らげられ、より明瞭でなくなるであろう。加えて、再帰反射性シートの外見における暗い領域の悪影響は、暗い領域付近を除くシートの全ての場所のキューブコーナー素子を調整可能に変形させることにより、シートの平均の再帰反射性輝度を減少させて、シートの再帰反射性輝度の変動を減少させることによって、最小化することもできる。
本出願の方法の利点の1つは、従来の再帰反射性シート改変することによって、再帰反射性物品の光学的特性を適合化することができること、に関する。本出願に係る例示的な方法は、平坦な主表面と、該平坦な主表面の反対側の構造化表面と、を有する再帰反射性シートであって、該構造化表面は、一の頂点で交わる3つの互いに垂直な面を有するキューブコーナー素子を含む、再帰反射性シートを得ることと、該キューブコーナー素子の少なくとも一部分の該頂点を熱変形させることと、を含む。一部の実施形態において、元のキューブの高さの5%未満が変形される。他の実施形態において、元のキューブの高さの10%未満が変形される。更なる他の実施形態において、元のキューブの高さの15%未満が変形される。
他の実施形態において、再帰反射性シートを形成する例示的な方法は、平坦な主表面と、該平坦な主表面の反対側の構造化表面であって、該構造化表面は、一の頂点で交わる3つの互いに垂直な面を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面と、該キューブコーナー素子上に配設された反射層と、を有する、再帰反射性シートを得ることと、該キューブコーナー素子の少なくとも一部分に熱を加えることと、を含み、該キューブコーナーの頂点の少なくとも一部分、該加熱されたキューブコーナー素子の該反射層は、変形される。反射層は、変形されるか、破れるか、又は変位していてもよい。結果として、下にあるキューブコーナー素子の一部分が、露出するようになり得る。一部の実施形態において、反射層は、金属コーティングである。他の実施形態において、反射層は、多層光学フィルムである。
用語「シート」とは、一般的には、約1mm以下のオーダーの厚さを有し、大きなサンプルでは、輸送しやすいようにきつくロール状に巻き取られる場合のある物品を指す。
本再帰反射性シート物品は、標識及びナンバープレート物品において利用され得る。
本出願の例示的な実施形態として、以下に記載する実施形態が挙げられるが、これらに限定されない。
第1の実施形態において、本出願は、再帰反射性シートであって、一の頂点で交わる3つの概ね垂直な面を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面を含み、該キューブコーナー素子の少なくとも30パーセントの該頂点は、熱変形されて、変形キューブコーナー素子となっている、再帰反射性シートに関する。
第2の実施形態において、本出願は、変形キューブコーナー素子の変位有効体積高さが少なくとも1%である、実施形態1に記載の再帰反射性シートに関する。
第3の実施形態において、本出願は、前記変位有効体積高さは、少なくとも5パーセントである、実施形態2に記載の再帰反射性シートに関する。
第4の実施形態において、本出願は、前記キューブコーナー素子に隣接した反射層を更に含む、実施形態1に記載の再帰反射性シートに関する。
第5の実施形態において、本出願は、前記反射層が、金属コーティング及び多層光学フィルムのうちの一方である、実施形態4に記載の再帰反射性シートに関する。
第6の実施形態において、本出願は、前記変形キューブコーナー素子が、熱可塑性ポリマーを含む、実施形態1に記載の再帰反射性シートに関する。
第7の実施形態において、本出願は、前記熱可塑性ポリマーは、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリウレタン、エチレンコポリマー及びそれらのアイオノマー、並びにそれらの混合物のうちの1つである、実施形態6に記載の再帰反射性シートに関する。
第8の実施形態において、本出願は、2つの隣接する変形キューブコーナー素子間に、熱可塑性ブリッジを更に含む、実施形態6又は7に記載の再帰反射性シートに関する。
第9の実施形態において、本出願は、前記キューブコーナー素子の少なくとも50パーセントが熱変形キューブコーナー素子である、実施形態1に記載の再帰反射性シートに関する。
第10の実施形態において、本出願は、ASTM D4596−09に従った、0度及び90度の配向における、前記変形キューブコーナー素子の平均再帰反射係数は、−4度の照射角及び0.2度の観測角に対して、約70カンデラ/ルクス/m〜約250カンデラ/ルクス/mであり、前記シートは、白色又は銀色のうちの一方の色彩を有する、実施形態1に記載の再帰反射性シートに関する。
第11の実施形態において、本出願は、前記変形キューブコーナー素子は、マーキングを形成する、実施形態1に記載の再帰反射性シートに関する。
第12の実施形態において、本出願は、前記マーキングが、グレースケールマーキングである、実施形態11に記載の再帰反射性シートに関する。
第13の実施形態において、本出願は、前記マーキングが、セキュリティマークを形成する、実施形態11又は12に記載の再帰反射性シートに関する。
第14の実施形態において、本出願は、前記セキュリティマークが、形状、図形、記号、デザイン、文字、数字、バーコード、QRコード、英数字、及び印のうちの1つである、実施形態13に記載の再帰反射性シートに関する。
第15の実施形態において、本出願は、再帰反射性シートであって、キューブコーナー素子を含む構造化表面であって、該キューブコーナー素子の少なくとも一部は、熱的に剪断された、構造化表面を含み、該熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、グレースケールマーキングを形成する、再帰反射性シートに関する。
第16の実施形態において、本出願は、グレースケールマーキングは、第1の縮小光学的有効体積を有する第1の複数の変形キューブコーナー素子を含む第1の画素と、該第1の縮小光学的有効体積とは異なる、第2の縮小光学的有効体積を有する、第2の複数の変形キューブコーナー素子を含む、第2の画素と、を更に含む、実施形態15に記載の再帰反射性シートに関する。
第17の実施形態において、本出願は、前記グレースケールマーキングが、グラフィック画像及び写真画像のうちの一方である、実施形態15又は16に記載の再帰反射性シートに関する。
第18の実施形態において、本出願は、前記グレースケールマーキングが、セキュリティマークを形成する、実施形態15に記載の再帰反射性シートに関する。
第19の実施形態において、本出願は、前記セキュリティマークが、形状、図形、記号、デザイン、文字、数字、バーコード、QRコード、英数字、及び印のうちの1つである、実施形態18に記載の再帰反射性シートに関する。
第20の実施形態において、本出願は、前記キューブコーナー素子が、熱可塑性ポリマーを含む、実施形態15に記載の再帰反射性シートに関する。
第21の実施形態において、本出願は、前記熱可塑性ポリマーは、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリウレタン、エチレンコポリマー及びそれらのアイオノマー、並びにそれらの混合物のうちの1つである、実施形態20に記載の再帰反射性シートに関する。
第22の実施形態において、本出願は、前記熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、少なくとも50パーセントの縮小光学的有効体積を有する、実施形態15に記載の再帰反射性シートに関する。
第23の実施形態において、本出願は、前記縮小光学的有効体積は、少なくとも70パーセントである、実施形態22に記載の再帰反射性シートに関する。
第24の実施形態において、本出願は、前記キューブコーナー素子に隣接した反射層を更に含む、実施形態15に記載の再帰反射性シートに関する。
第25の実施形態において、本出願は、前記反射層が、金属コーティング及び多層光学フィルムのうちの一方である、実施形態24に記載の再帰反射性シートに関する。
第26の実施形態において、本出願は、再帰反射性シートであって、縮小光学的有効体積を有する変形キューブコーナー素子のアレイを含む構造化表面であって、該アレイは、複数の画素を含み、第1の画素は、第1の全光線リターン値を有するキューブコーナー素子を含み、該第1の画素に隣接する第2の画素は、該第1の値とは異なる第2の全光線リターン値を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面を含む、再帰反射性シートに関する。
第27の実施形態において、本出願は、前記第1及び第2の画素が、マーキングを形成する、実施形態26に記載の再帰反射性シートに関する。
第28の実施形態において、本出願は、前記マーキングが、グレースケールマーキングである、実施形態27に記載の再帰反射性シートに関する。
第29の実施形態において、本出願は、前記マーキングが、セキュリティマークを形成する、実施形態27又は28に記載の再帰反射性シートに関する。
第30の実施形態において、本出願は、前記セキュリティマークが、形状、図形、記号、デザイン、文字、数字、バーコード、QRコード、英数字、及び印のうちの1つである、実施形態29に記載の再帰反射性シートに関する。
第31の実施形態において、本出願は、前記キューブコーナー素子が、熱可塑性ポリマーを含む、実施形態26に記載の再帰反射性シートに関する。
第32の実施形態において、本出願は、前記熱可塑性ポリマーは、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリウレタン、エチレンコポリマー及びそれらのアイオノマー、並びにそれらの混合物のうちの1つである、実施形態31に記載の再帰反射性シートに関する。
第33の実施形態において、本出願は、再帰反射性物品を作製する方法であって、一の頂点で交わる3つの概ね垂直な面を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面を有する、再帰反射性シートを得ることと、該キューブコーナー素子の少なくとも30パーセントの該頂点を熱変形させることと、を含む、方法に関する。
第34の実施形態において、本出願は、前記キューブコーナー素子が、反射層を更に含む、実施形態33に記載の方法に関する。
第35の実施形態において、本出願は、前記反射層が、金属コーティング及び多層光学フィルムのうちの一方である、実施形態34に記載の方法に関する。
第36の実施形態において、本出願は、前記キューブコーナー素子が、熱可塑性ポリマーを含む、実施形態33に記載の方法に関する。
第37の実施形態において、本出願は、前記熱可塑性ポリマーは、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリウレタン、エチレンコポリマー及びそれらのアイオノマー、並びにそれらの混合物のうちの1つである、実施形態36に記載の方法に関する。
第38の実施形態において、本出願は、前記キューブコーナー素子が、サーマルプリンター、超音波溶接機、及びホットスタンパーのうちの少なくとも1つを使用して、熱変形される、実施形態33に記載の方法に関する。
第39の実施形態において、本出願は、前記キューブコーナー素子は、サーマルプリンターを使用して、熱変形される、実施形態38に記載の方法に関する。
第40の実施形態において、本出願は、前記サーマルプリンターが、直接書き込みモードに設定される、実施形態39に記載の方法に関する。
第41の実施形態において、本出願は、前記熱変形キューブコーナー素子は、マーキングを形成する、実施形態33に記載の方法に関する。
第42の実施形態において、本出願は、前記マーキングが、グレースケールパターンである、実施形態41に記載の方法に関する。
第43の実施形態において、本出願は、前記マーキングが、セキュリティマークを形成する、実施形態41又は42に記載の方法に関する。
第44の実施形態において、本出願は、前記セキュリティマークが、形状、図形、記号、デザイン、文字、QRコード、数字、英数字、及び印、バーコードのうちの1つである、実施形態43に記載の方法に関する。
第45の実施形態において、本出願は、前記グレースケールマーキングが、空間変調を使用して作製される、実施形態42に記載の方法に関する。
第46の実施形態において、本出願は、再帰反射性物品を作製する方法であって、複数のキューブコーナー素子を含む構造化表面を有する、再帰反射性シートを得ることと、該キューブコーナー素子の少なくとも一部を熱的に剪断することと、を含み、該熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、グレースケールマーキングを形成する、方法に関する。
第47の実施形態において、本出願は、前記グレースケールマーキングが、セキュリティマークを形成する、実施形態46に記載の方法に関する。
第48の実施形態において、本出願は、前記セキュリティマークが、形状、図形、記号、デザイン、文字、数字、バーコード、QRコード、英数字、及び印のうちの1つである、実施形態46に記載の方法に関する。
第49の実施形態において、本出願は、前記キューブコーナー素子が、熱可塑性ポリマーを含む、実施形態46に記載の方法に関する。
第50の実施形態において、本出願は、前記熱可塑性ポリマーは、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリウレタン、エチレンコポリマー及びそれらのアイオノマー、並びにそれらの混合物のうちの1つである、実施形態49に記載の方法に関する。
第51の実施形態において、本出願は、前記熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、少なくとも50パーセントの縮小光学的有効体積を有する、実施形態46に記載の方法に関する。
第52の実施形態において、本出願は、前記熱的に剪断されたキューブコーナー素子が、約1〜約30パーセントの変位体積高さを有する、実施形態46に記載の方法に関する。
第53の実施形態において、本出願は、前記グレースケールマーキングが、直接書き込みモードのサーマルプリンターの1つを使用して形成される、実施形態46に記載の方法に関する。
端点による数値範囲の記載は全て、その範囲内に含まれる全ての数を含むものとする(即ち、1〜10の範囲には、例えば、1、1.5、3.33、及び10などが含まれる)。
上記の実施形態及び実施例の詳細には、本発明の基礎をなす原理から逸脱することなく、多くの変更を加えることができる点は当業者に認識されるであろう。更に、本出願の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることは、当業者には明らかであろう。したがって、本出願の範囲は、以下の「特許請求の範囲」によってのみ定められるべきものである。
(実施例1)
平坦な表面と、該平坦な表面の反対側の構造化表面と、を含む、再帰反射性シートであって、該構造化表面が、複数のキューブコーナー素子を含んでいる、再帰反射性シートを、米国特許出願公開第2010/0103521号(Smith,et al)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に概ね記載されているとおりに調製した。ツールは、Mooers(New York,U.S.A.)が製造、販売している「K&Y Diamond」などの高精度のダイヤモンド工具を使用して、機械加工可能な金属上に3つの溝を切り込むことにより調製した。このツールは、3.2ミル(0.081mm)の主溝ピッチと、61度と61度の底角を有する底部の二等辺三角形と、を含んでいた。温度が550度F(287.8度C)の溶解させたポリカーボネート樹脂(「MAKROLON 2407」の商品名で入手できる、Mobay Corporation(Pennsylvania,U.S.A.)製のものなど)を、加熱したツール上にキャスティングした。キューブの凹部を埋めるのと同時に、更なるポリカーボネートを、厚さおよそ102マイクロメートル(0.004インチ)のツールの上の連続的なランド層に堆積させた。表面温度がおよそ190.6度C.(375度F.)のときに、予め押出成形した、51マイクロメートル(0.002インチ)厚のポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)フィルムを、連続ポリカーボネートランド層の上表面に積層し、ツールを取り除く前に、この積層物品を冷却した。再帰反射率(RA)を、ASTM E−1709−09の「Standard Test Method for Measurement of Retroreflective Signs Using a Portable Retroreflectometer at a 0.2 Degree Observation Angle」に概説されている手順に従い、携帯型の再帰反射率計(「DELTA RETROSIGN GR3」型、Delta(Denmark)製)を使用して測定した。0.2°の観測角及び−4°の照射角におけるRAは、約839cd/ルクス/mであった。
再帰反射性シートのキューブコーナー素子の一部分を、直接書き込みモードに設定した、直接/熱転写プリンター(「SATO M10e」型、SATO America,Inc.(Charlotte、NC)から入手)を使用して、熱的に剪断した。この再帰反射性シートを、構造化表面を熱プリントヘッドに向かって配向した状態で、プリンターに仕込み、所定の黒い正方形パターンに従って、キューブコーナー素子に熱を選択的に加えた。図3は、デジタルカメラ(G11型、Canon USA(Lake Success,NY)から入手可能)で撮影した、実施例1で記載したとおりに調製した再帰反射性シートのデジタル写真である。理解できるように、キューブコーナー素子の頂点は溶解し、2つの隣接する熱的に剪断されたキューブコーナー素子間に、溶解した材料の「ブリッジ」が形成された。印刷暗さ調節用ポテンショメーターを最大レベルに設定して、暗さレベル1〜暗さレベル5の範囲のパワー設定を使用した場合、この変形された再帰反射性シートで測定された再帰反射率は、約123〜576cd/ルクス/mの範囲にわたっていた。
(実施例2)
再帰反射性シートを、キューブコーナー素子に更に金属コーティングを適用した以外は、実施例1に記載したとおりに調製した。実施例1に記載した手順を使用して、測定すると、再帰反射率は、約1050cd/ルクス/mであった。
続いて、この金属付加(metallized)シートを、構造化面をプリントヘッドに向けた状態で、プリンターに仕込んだ。図7は、実施例4の再帰反射性シートのデジタル写真である。キューブコーナー素子に熱を選択的に加えると、金属コーティングの軟化と流動(「しわ発生(wrinkling)」)が起こった。図5に示す暗い領域は、反射性金属コーティングが変形され、破れ、素子の頂点から変位するようになり、下にあるキューブコーナー素子を熱的に剪断している領域に対応する。印刷暗さ調節用ポテンショメーターを最小レベルに設定した、暗さレベル1から、印刷暗さ調節用ポテンショメーターを最大レベルに設定した、暗さレベル5までの範囲のパワー設定を使用した場合、この熱的に剪断された再帰反射性シートで測定された再帰反射率は、約10〜949cd/ルクス/mの範囲にわたっていた。
(実施例3)
レオナルド・ダ・ビンチによるモナリザの画像をパターンとして選択し、プリンターに仕込んだ以外は、実施例1に記載したとおりに、熱的に剪断されたキューブコーナー素子を含む、再帰反射性シートを調製した。再帰反射性シートの構造化表面の各部分を、加熱の程度を変化させて熱に曝し、選択的にキューブコーナー素子を変形させた。画像の暗い領域(例えば、モナリザの髪と服に相当する領域など)にはより高い熱を加えた。図6(a)は、拡散可視光条件下で、デジタルカメラを使用して撮影した、実施例3の再帰反射性シートのデジタル写真である。図6(b)は、フラッシュ光とデジタルカメラを使用して、可視再帰反射性条件下で撮影した、実施例3の再帰反射性シートのデジタル写真である。拡散可視条件下で、モナリザの髪と服は、より明るく見えている。上で説明したように、より高い温度に曝されたキューブコーナー素子ほど、より大きな変位体積、及び変位体積高さを有している。結果として、熱的に剪断されたキューブコーナー素子の非平坦表面に入射すると、より多くの光が散乱する。再帰反射性条件下では、散乱光は、見る者の方に戻っていかないため、大きな変位体積及び変位体積高さは、観察者にとっては暗く見える。
(実施例4)
熱的に剪断されたキューブコーナー素子を含む、再帰反射性シートを、濃淡を変化させた4行の球を含むパターンを選択した以外は、実施例1に記載したとおりに調製した。図7(a)は、拡散可視条件下で撮影した、実施例4の再帰反射性シートのデジタル写真である。図7(b)は、再帰反射性条件下で撮影した、実施例4の再帰反射性シートのデジタル写真である。実施例3と同様に、拡散条件下では、より高温で処理したキューブコーナー素子ほど明るく見えており(例えば、上の2行の球の輪郭及び下の2行の球の中心)、一方で、再帰反射性条件下では、より低温で処理したキューブコーナー素子ほど熱的な剪断の程度が小さいため、明るく見えている。この画像では、画像全体において、再帰反射率の径方向の勾配が示されている。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[53]に記載する。
[項目1]
再帰反射性シートであって、
一の頂点で交わる3つの概ね垂直な面を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面を含み、
該キューブコーナー素子の少なくとも30パーセントの該頂点は、熱変形されて、変形キューブコーナー素子となっている、再帰反射性シート。
[項目2]
変形キューブコーナー素子の変位有効体積高さが少なくとも1%である、項目1に記載の再帰反射性シート。
[項目3]
前記変位有効体積高さは、少なくとも5%である、項目2に記載の再帰反射性シート。
[項目4]
前記キューブコーナー素子に隣接した反射層を更に含む、項目1に記載の再帰反射性シート。
[項目5]
前記反射層は、金属コーティング及び多層光学フィルムのうちの一方である、項目4に記載の再帰反射性シート。
[項目6]
前記変形キューブコーナー素子は、熱可塑性ポリマーを含む、項目1に記載の再帰反射性シート。
[項目7]
前記熱可塑性ポリマーは、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、及びポリウレタン、並びにエチレンコポリマー及びそれらのアイオノマー、並びにそれらの混合物のうちの1つである、項目6に記載の再帰反射性シート。
[項目8]
2つの隣接する変形キューブコーナー素子間に、熱可塑性ブリッジを更に含む、項目6又は7に記載の再帰反射性シート。
[項目9]
前記キューブコーナー素子の少なくとも50%は、熱変形される、項目1に記載の再帰反射性シート。
[項目10]
ASTM D4596−09に従った、0度及び90度の配向における、前記変形キューブコーナー素子の平均再帰反射係数は、−4度の照射角及び0.2度の観測角に対して、約70カンデラ/ルクス/m 〜約250カンデラ/ルクス/m であり、前記シートは、白色又は銀色のうちの一方の色彩を有する、項目1に記載の再帰反射性シート。
[項目11]
前記変形キューブコーナー素子は、マーキングを形成する、項目1に記載の再帰反射性シート。
[項目12]
前記マーキングは、グレースケールマーキングである、項目11に記載の再帰反射性シート。
[項目13]
前記マーキングは、セキュリティマークを形成する、項目11又は12に記載の再帰反射性シート。
[項目14]
前記セキュリティマークは、形状、図形、記号、デザイン、文字、数字、バーコード、QRコード、英数字、及び印のうちの1つである、項目13に記載の再帰反射性シート。
[項目15]
再帰反射性シートであって、
キューブコーナー素子を含む構造化表面であって、該キューブコーナー素子の少なくとも一部は、熱的に剪断されたキューブコーナー素子である、構造化表面を含み、
該熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、グレースケールマーキングを形成する、再帰反射性シート。
[項目16]
項目15に記載の再帰反射性シートであって、前記グレースケールマーキングは、
第1の縮小光学的有効体積を有する、第1の複数の熱的に剪断されたキューブコーナー素子を含む、第1の画素と、
該第1の縮小光学的有効体積とは異なる、第2の縮小光学的有効体積を有する、第2の複数の熱的に剪断されたキューブコーナー素子を含む、第2の画素と、を更に含む、再帰反射性シート。
[項目17]
前記グレースケールマーキングは、グラフィック画像及び写真画像のうちの一方である、項目15又は16に記載の再帰反射性シート。
[項目18]
前記グレースケールマーキングは、セキュリティマークを形成する、項目15又は16に記載の再帰反射性シート。
[項目19]
前記セキュリティマークは、形状、図形、記号、デザイン、文字、数字、バーコード、QRコード、英数字、及び印のうちの1つである、項目18に記載の再帰反射性シート。
[項目20]
前記キューブコーナー素子は、熱可塑性ポリマーを含む、項目15に記載の再帰反射性シート。
[項目21]
前記熱可塑性ポリマーは、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリウレタン、エチレンコポリマー及びそれらのアイオノマー、並びにそれらの混合物のうちの1つである、項目20に記載の再帰反射性シート。
[項目22]
前記熱的に剪断されたキューブコーナー素子のそれぞれは、少なくとも50%の縮小光学的有効体積を有する、項目15に記載の再帰反射性シート。
[項目23]
それぞれの熱的に剪断されたキューブコーナー素子の前記縮小光学的有効体積は、少なくとも70%である、項目22に記載の再帰反射性シート。
[項目24]
前記キューブコーナー素子に隣接した反射層を更に含む、項目15に記載の再帰反射性シート。
[項目25]
前記反射層は、金属コーティング及び多層光学フィルムのうちの一方である、項目24に記載の再帰反射性シート。
[項目26]
再帰反射性シートであって、
縮小光学的有効体積を有する変形キューブコーナー素子のアレイを含む構造化表面であって、該アレイは、複数の画素を含み、第1の画素は、第1の全光線リターン値を有するキューブコーナー素子を含み、該第1の画素に隣接する第2の画素は、該第1の全光線リターン値とは異なる第2の全光線リターン値を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面を含む、再帰反射性シート。
[項目27]
前記第1及び第2の画素は、マーキングを形成する、項目26に記載の再帰反射性シート。
[項目28]
前記マーキングは、グレースケールマーキングである、項目27に記載の再帰反射性シート。
[項目29]
前記マーキングは、セキュリティマークを形成する、項目27又は28に記載の再帰反射性シート。
[項目30]
前記セキュリティマークは、形状、図形、記号、デザイン、文字、数字、バーコード、QRコード、英数字、及び印のうちの1つである、項目29に記載の再帰反射性シート。
[項目31]
前記キューブコーナー素子は、熱可塑性ポリマーを含む、項目26に記載の再帰反射性シート。
[項目32]
前記熱可塑性ポリマーは、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリウレタン、エチレンコポリマー及びそれらのアイオノマー、並びにそれらの混合物のうちの1つである、項目31に記載の再帰反射性シート。
[項目33]
再帰反射性物品を作製する方法であって、
一の頂点で交わる3つの概ね垂直な面を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面を有する、再帰反射性シートを提供することと、
該キューブコーナー素子の少なくとも30パーセントの該頂点を熱変形させて、変形キューブコーナー素子を形成することと、を含む、方法。
[項目34]
キューブコーナー素子の裏側に反射層を提供することを更に含む、項目33に記載の方法。
[項目35]
前記反射層は、金属コーティング及び多層光学フィルムのうちの一方である、項目34に記載の方法。
[項目36]
前記キューブコーナー素子は、熱可塑性ポリマーを含む、項目33に記載の方法。
[項目37]
前記熱可塑性ポリマーは、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリウレタン、エチレンコポリマー及びそれらのアイオノマー、並びにそれらの混合物のうちの1つである、項目36に記載の方法。
[項目38]
前記キューブコーナー素子は、サーマルプリンター、超音波溶接機、及びホットスタンパーのうちの少なくとも1つを使用して、熱変形される、項目33に記載の方法。
[項目39]
前記キューブコーナー素子は、サーマルプリンターを使用して、熱変形される、項目38に記載の方法。
[項目40]
前記サーマルプリンターは、直接書き込みモードに設定される、項目39に記載の方法。
[項目41]
前記熱変形キューブコーナー素子は、マーキングを形成する、項目33に記載の方法。
[項目42]
前記マーキングは、グレースケールマーキングである、項目41に記載の方法。
[項目43]
前記マーキングは、セキュリティマークを形成する、項目41又は42に記載の方法。
[項目44]
前記セキュリティマークは、形状、図形、記号、デザイン、文字、QRコード、数字、英数字、及び印、バーコードのうちの1つである、項目43に記載の方法。
[項目45]
前記グレースケールマーキングは、空間変調を使用して作製される、項目42に記載の方法。
[項目46]
再帰反射性物品を作製する方法であって、
複数のキューブコーナー素子を含む構造化表面を有する、再帰反射性シートを提供することと、
該キューブコーナー素子の少なくとも一部を熱的に剪断することと、を含み、
該熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、グレースケールマーキングを形成する、方法。
[項目47]
前記グレースケールマーキングは、セキュリティマークを形成する、項目46に記載の方法。
[項目48]
前記セキュリティマークは、形状、図形、記号、デザイン、文字、数字、バーコード、QRコード、英数字、及び印のうちの1つである、項目46に記載の方法。
[項目49]
前記キューブコーナー素子は、熱可塑性ポリマーを含む、項目46に記載の方法。
[項目50]
前記熱可塑性ポリマーは、ポリ(カーボネート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリウレタン、エチレンコポリマー及びそれらのアイオノマー、並びにそれらの混合物のうちの1つである、項目49に記載の方法。
[項目51]
それぞれの熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、少なくとも50パーセントの縮小光学的有効体積を有する、項目46に記載の方法。
[項目52]
それぞれの熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、約1〜約30パーセントの変位体積高さを有する、項目46に記載の方法。
[項目53]
前記グレースケールマーキングは、直接書き込みモードのサーマルプリンターを使用して形成される、項目46に記載の方法。

Claims (5)

  1. 再帰反射性シートであって、
    キューブコーナー素子を含む構造化表面であって、該キューブコーナー素子の少なくとも一部は、熱的に剪断されたキューブコーナー素子である、構造化表面を含み、
    該熱的に剪断されたキューブコーナー素子は、複数の中間グレースケール値を含むグレースケールマーキングを形成している、再帰反射性シート。
  2. 請求項1に記載の再帰反射性シートであって、前記グレースケールマーキングは、
    第1の縮小光学的有効体積を有する、第1の複数の熱的に剪断されたキューブコーナー素子を含む、第1の画素と、
    該第1の縮小光学的有効体積とは異なる、第2の縮小光学的有効体積を有する、第2の複数の熱的に剪断されたキューブコーナー素子を含む、第2の画素と、を更に含む、再帰反射性シート。
  3. 前記グレースケールマーキングは、グラフィック画像、写真画像、セキュリティマーク、形状、図形、記号、デザイン、文字、数字、バーコード、QRコード、英数字、及び印のうちの1つである、請求項1に記載の再帰反射性シート。
  4. 前記キューブコーナー素子は、熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載の再帰反射性シート。
  5. 再帰反射性シートであって、
    縮小光学的有効体積を有する変形キューブコーナー素子のアレイを含む構造化表面であって、該アレイは、複数の画素を含み、第1の画素は、第1の全光線リターン値を有するキューブコーナー素子を含み、該第1の画素に隣接する第2の画素は、該第1の全光線リターン値とは異なる第2の全光線リターン値を有するキューブコーナー素子を含む、構造化表面を含み、前記キューブコーナー素子、熱的な剪断の程度に応じた複数の中間グレースケール値を含むグレースケールマーキングを形成している、再帰反射性シート。
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