JP6796278B2 - 鉛蓄電池用セパレーター - Google Patents

鉛蓄電池用セパレーター Download PDF

Info

Publication number
JP6796278B2
JP6796278B2 JP2016139347A JP2016139347A JP6796278B2 JP 6796278 B2 JP6796278 B2 JP 6796278B2 JP 2016139347 A JP2016139347 A JP 2016139347A JP 2016139347 A JP2016139347 A JP 2016139347A JP 6796278 B2 JP6796278 B2 JP 6796278B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
number average
glass fibers
glass
fiber diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016139347A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018010803A (ja
Inventor
昭人 後藤
昭人 後藤
響子 平井
響子 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2016139347A priority Critical patent/JP6796278B2/ja
Publication of JP2018010803A publication Critical patent/JP2018010803A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6796278B2 publication Critical patent/JP6796278B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Separators (AREA)

Description

本発明は、鉛蓄電池用セパレーターに関する。
現在、無停電電源及び電力貯蔵用途に、メンテナンスフリーの制御弁式鉛蓄電池が用いられている。制御弁式鉛蓄電池には正極板と負極板を隔離する鉛蓄電池用セパレーターが用いられており、電解液である硫酸を保持して正極板及び負極板に電解液を供給する役目もある。このような鉛蓄電池用セパレーターとして、平均繊維径の小さいガラス繊維で作製したガラスシートを用いることが良いとされている。しかしながら、このような平均繊維径の小さいガラス繊維で作製したガラスシートは、強度が低いため、取り扱い性が悪く、鉛蓄電池用セパレーターとして用いると、鉛蓄電池を組み立てる際のハンドリングで、鉛蓄電池用セパレーターに亀裂や剥離が発生するなどの問題がある。
この課題に対して特許文献1では、平均繊維径が5μm以下のガラス繊維に、鎖状連結構造コロイド状シリカを混抄することで、ガラスシートの強度を向上させたことが開示されている。
特開2005−108710号公報
特許文献1によれば、ガラスシートの強度が向上し、これを用いて作製した鉛蓄電池用セパレーターを用いることで、鉛蓄電池を組み立てる際のハンドリングでの亀裂や剥離は抑制できる。しかしながら、ガラスシートが硬くなり、これを用いて作製した鉛蓄電池用セパレーターを用いると、鉛蓄電池用セパレーターを折り曲げて電極を挟み込む工程において、鉛蓄電池用セパレーターに亀裂や破断が生じる場合があった。また、鉛蓄電池用セパレーターの電極に接するガラスシート表面にシリカ粒子が集まって空隙率が低下し、電解液である硫酸の保液性を低下させる問題があった。
本発明は、鉛蓄電池の組み立て工程における鉛蓄電池用セパレーター折り曲げ時の亀裂や破断を抑制し、かつ電解液である硫酸の保液性に優れる鉛蓄電池用セパレーターを提供することを目的とする。
本発明は、[1]ガラス繊維と有機系バインダーとを有する鉛蓄電池用セパレーターであって、前記鉛蓄電池用セパレーター中のガラス繊維が、このガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径1μm以下のガラス繊維を30〜95質量%と、数平均繊維径5〜15μmのガラス繊維を5〜70質量%含み、20℃で比重1.31の硫酸の保液性が1200%以上である鉛蓄電池用セパレーターに関する。
また、本発明は、[2]鉛蓄電地用セパレーターの膜厚が、0.3〜3.0mmである上記[1]に記載の鉛蓄電地用セパレーターに関する。
また、本発明は、[3]有機系バインダーが、ポリプロピレンである上記[1]又は[2]に記載の鉛蓄電池用セパレーターに関する。
本発明によれば、鉛蓄電池の組み立て工程におけるセパレーター折り曲げ時の亀裂や破断を抑制し、かつ電解液である硫酸の保液性に優れた鉛蓄電池用セパレーターを提供できる。
ガラス繊維の数平均繊維径の測定方法を説明するための電子顕微鏡写真の模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明をするが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。また、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。
<鉛蓄電池用セパレーター>
本実施形態の鉛蓄電池用セパレーターは、ガラス繊維と有機系バインダーとを有する鉛蓄電池用セパレーターであって、前記鉛蓄電池用セパレーター中のガラス繊維が、このガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径1μm以下のガラス繊維を30〜95質量%と、数平均繊維径5〜15μmのガラス繊維を5〜70質量%含む。
(ガラス繊維)
ガラス繊維としては、鉛蓄電池用セパレーターに通常使用されている市販のガラス繊維を使用できる。ガラス繊維は、アルカリガラスであることが好ましい。このようなものとして、耐酸性に優れたCガラス組成のものが挙げられる。
ガラス繊維の組成は、ガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径1μm以下のガラス繊維が30〜95質量%、数平均繊維径5〜15μmのガラス繊維が5〜70質量%であり、数平均繊維径1μm以下のガラス繊維が40〜90質量%、数平均繊維径5〜15μのガラス繊維が10〜60質量%であることがより好ましい。数平均繊維径1μm以下のガラス繊維が95質量%以下であることにより、折り曲げ時の強度の低下が抑えられ、亀裂や破断を抑制できる。数平均繊維径5〜15μmのガラス繊維が70質量%以下であることにより構造が脆弱になりにくい。
また、ガラス繊維の繊維長については、特に制限はないが、数平均繊維長が1μm〜30mmであることが好ましく、100μm〜20mmであることがより好ましく、500μm〜10mmであることが更に好ましい。ガラス繊維の数平均繊維長が1μm以上であると均一な細孔径にし易くなる傾向にあり、また、30mm以下であると、充分に高い強度(例えば、1MPa以上)を有するセパレーターを製造し易くなり、また後述する抄造時に良好な抄造性を得易い傾向にある。
なお、本実施形態において、ガラス繊維の数平均繊維径及び数平均繊維長は、動的画像解析法、レーザースキャン法(例えば、JIS L1081(羊毛繊維試験方法)に準拠)、走査型電子顕微鏡等による直接観察により求めることができる。具体的には、これらの方法を用いて少なくとも50本程度のガラス繊維を観察し、その平均値をとることで、上記数平均繊維径及び数平均繊維長を求めることができる。
(有機系バインダー)
本実施形態に係る有機系バインダーとしては、耐酸性及び耐水性に優れるものが好ましく、例えば、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。セパレーターの親水性を向上させる観点から、スルホ基、カルボキシル基等の親水基を導入した熱可塑性樹脂を用いてもよい。熱可塑性樹脂として、機械的強度及び電解液の保液性を両立し易い観点からは、オレフィン系樹脂又はスチレン系樹脂が好ましく、耐酸性及び耐水性の観点からは、ポリプロピレン又はポリエチレンが好ましい。有機系バインダーは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<鉛蓄電池用セパレーターの製造方法>
セパレーターの製造方法に特に制限は無く、例えば、湿式抄造、乾式抄造等が挙げられる。これらの中でも、湿式法に基づく抄造法(湿式抄造)を採用することが好ましい。この製造方法は、ガラス繊維とバインダー等を含むスラリーを調製する工程と、スラリーを抄紙して抄造体を作製する工程と、加圧機を用いて抄造体を厚み方向に圧縮して圧縮体を作製する工程と、必要に応じ圧縮体を樹脂(有機系バインダー)の軟化点以上の温度で熱処理する工程と、を備える。この方法により、低コストかつ薄い鉛蓄電池用セパレーターを容易に製造することができる。
ここで、スラリーを抄紙して得られる抄造体は、ガラス繊維を有機系バイダーで接着したシート状又はマット状の成形体であり、以下、ガラスシートということがある。また、圧縮体は、このガラスシートを厚み方向に圧縮したもので、以下、鉛蓄電池用セパレーター又は単にセパレーターということがある。圧縮体を作製するのに用いるガラスシートは1枚であっても、複数枚を厚み方向に積み重ねたものでもよい。
(スラリーの調製工程)
本工程において、ガラス繊維及び有機系バインダーを所定の分散媒体に分散させる。スラリーの調整は、例えばミキサー、ボールミル、パルパー等により行うことができる。なお、分散媒体としては水が一般的に用いられている。スラリー中の各原料成分の含有量は、得られる鉛蓄電池用セパレーター中の各原料成分の含有量が上記の範囲となるように調整すればよい。
前記スラリーは、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤を含むことで、鉛蓄電池用セパレーターを製造する際に原料成分を分散させやすくなる。界面活性剤は、後の熱処理において分解されてもよい。界面活性剤としては、シランカップリング剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれであってもよい。界面活性剤の含有量は、スラリーの全質量を基準として、0.01〜5質量%とすることが好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩を用いることが好ましく、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジココジメチルアンモニウム、塩化ココ(精留)ベンジルジメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ジ(水素化牛脂)ジメチルアンモニウム、塩化ジ(水素化牛脂)ベンジルメチルアンモニウム、塩化(水素化牛脂)ベンジルジメチルアンモニウム、塩化ジオレイルジメチルアンモニウム、塩化ジ(エチレンヘキサデカンカルボキシレート)ジメチルアンモニウム、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、二塩化N−オクタデシル−N−ジメチル−N´−トリメチル−プロピレン−ジアンモニウム、ポリ(塩化ジオクチルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジデシルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジココジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ココベンジルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジオレイルジメチルアンモニウム)、ポリ(塩化ジ(エチレンヘキサデカンカルボキシレート)ジメチルアンモニウム)、及びポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、カルボキシレート類、N−アシルサルコシネート類、アルカンスルホネート類、直鎖及び分岐鎖アルキルアリールスルホネート類、ジアルキルスルホスクシネート類、アリールスルホネート類、ナフタリンスルホネート類、N−アシル−N−アルキルラウレート類、脂肪酸類の2−スルホエチルエステル類、オレフインスルホネート類、アルキルサルフエート類、サルフエート化した天然オイル類、サルフエート化したアルキルフェノールアルコキシレート類、アルカノール類、フェノール及びアルキルフェノールアルコキシレート類のホスフェートエステル類、アルキル(アリール)スルホネート類、スルフェートエステル類、ホスフェートエステル類、アルキル(アリール)ホスフェート類、アルキル(アリール)ホスホネート類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート類、カルボキシル化アルキルエトキシレート類、カルボキシル化ドデシルベンゼンスルホネート類、並びにアンモニウムポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート類等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンジアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、及びソルビタンアルキルエステル類等が挙げられる。
スラリーは凝集剤を含んでいてもよい。凝集剤を含むことで製造されるセパレーターの歩留まりを向上することができる。凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミ二ウム、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄などの無機系凝集剤、カチオン性高分子凝集剤及びアニオン性高分子凝集剤のいずれであってもよく、1種または2種以上用いてもよい。凝集剤の含有量は、スラリーの固形分量を基準として、0.01〜10質量%とすることが好ましい。
(抄造体を作製する工程〜圧縮体を作製する工程)
これらの工程では、スラリーを一般的な抄紙機を用いて抄紙し、抄造体(ガラスシート)を作製した後、さらに加圧機を用いて抄造体を厚み方向に圧縮して圧縮体(鉛蓄電池用セパレーター)を作製する。なお、所望の圧縮体を得るためには、抄造体を1〜30MPaにて1〜5分間圧縮することが好ましい。圧縮体を作製するのに用いる抄造体(ガラスシート)は、1枚を単独で用いてよく、複数枚を厚み方向に積み重ねて用いてもよい。
(圧縮体を熱処理する工程)
本工程は必ずしも行う工程ではないが、セパレーターの材料構成に合わせて必要に応じて行う。本工程において樹脂(有機系バインダー)の軟化点以上の温度で圧縮体を熱処理することで、有機系バインダーが軟化してガラス繊維、粘度鉱物等同士を確実に結着させることができ、また、ガラス繊維、粘土鉱物等の表面の一部又は全部を樹脂(有機系バインダー)で被覆することで、セパレーターに柔軟性を付与することができる。さらに、樹脂(有機系バインダー)が一部分解してテンプレートとして機能し、電解液の保持力を向上することができる。なお、処理温度は樹脂(有機系バインダー)の軟化点に依存するため必ずしも限定されないが、100〜200℃で行うことが好ましい。処理温度を100℃以上とすることで、ガラス繊維、粘土鉱物等同士を結着させ易くなる傾向にあり、200℃以下とすることで製造工程を簡略化し易くなる。なお、熱処理は、鉛蓄電池用セパレーターの構成材料に応じて、適宜加圧しながら行ってもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(数平均繊維径測定)
ガラス繊維をエポキシ樹脂で注型し、ダイヤモンドカッターで厚さ4mmにスライスした。スライス後、ガラス繊維の断面部分をさらに直径9μmダイヤモンド砥粒で研磨し、さらに直径5μm、直径1μmのダイヤモンド砥粒で研磨し、測定サンプルを作製した。
測定サンプルはイオンスパッタ(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、E−1030)で白金蒸着後、SEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S−8020)を用いてガラス繊維断面を観察し、計200本のガラス繊維の繊維径を測定し、この平均値を数平均繊維径とした。このとき真円状のガラス繊維断面は直径を、楕円形の繊維断面は短径を繊維径とした(図1参照)。また、ガラス繊維の長さ方向に対する長方形上の断面は繊維径測定からは除外した。
(セパレーターの作製)
数平均繊維径0.4μmのガラス繊維(含水率5質量%、Lauscha社製、商品名:C−50−R)210gに水を加え20kgとした後、分散剤(明成化学工業株式会社製、パスコールHA−52、「パスコール」は登録商標)20gを加えた。これを20L用のパルパー(熊谷理機工業株式会社製)に投入し、10分間撹拌した。数平均繊維径5.1μmのガラス繊維についても同様に撹拌した。撹拌後、数平均繊維径0.4μmを含む液から4.5kg、数平均繊維径5.1μmを含む液から0.5kg、分取し混合した。つまり、この混合したガラス繊維を含む液中には、ガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径0.4μmのガラス繊維を90質量%と、数平均繊維径5.1μmのガラス繊維を10質量%含んでいる。混合したガラス繊維を含む液に、硫酸アルミニウム(日本軽金属株式会社製)をガラス繊維の全質量に対して4質量%となるよう加え撹拌機で10分間撹拌した。10分後に有機系バインダーとしてポリプロピレンエマルション(ユニチカ株式会社製、TC−4010、プロピレン−アクリル酸共重合体をアミン中和した水分散体)を、樹脂分がガラス繊維の全質量に対して9質量%となるように加え、さらに2分間撹拌し、スラリーを調製した。
スラリー500gを80メッシュの金網を設置した250mm角型シートマシン(熊谷理機工業株式会社製)に水を注入しながら流し入れた。シートマシン内部の水量が80%程度(18L)になるまで水を注入し、撹拌棒で数回攪拌した後、水を抜き、抄紙した。
抄紙したガラスシートはろ紙(アドバンテック株式会社製、No.26)を被せて、クーチングロールで充分に脱水し、ろ紙と一緒に剥がし取った。この工程を3回繰り返し(2回目以降は、ろ紙上に残っているガラスシートと重ね合わせて剥がし取った)3層構成のガラスシートを作製した。このガラスシートをプレス機(熊谷理機工業株式会社製)にて410kPa下で5分間プレスしてさらに脱水した。脱水後、回転ドライヤ(熊谷理機工業株式会社製)で120℃4分加熱乾燥し、さらに105℃の恒温層で十分に乾燥し、膜厚1.2mmの鉛蓄電池用セパレーターを得た。
(実施例2)
数平均繊維径0.4μmを含む液から3.0kg、数平均繊維径5.1μmを含む液から2.0kg、分取し混合した。つまり、この混合したガラス繊維を含む液中には、ガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径0.4μmのガラス繊維を60質量%と、数平均繊維径5.1μmのガラス繊維を40質量%含んでいる。このこと以外は、実施例1と同様にし、膜厚1.1mmの鉛蓄電池用セパレーターを得た。
(実施例3)
数平均繊維径5.1μmのガラス繊維を数平均繊維径12μmのガラス繊維とした。つまり、ここで用いた混合したガラス繊維を含む液中には、ガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径0.4μmのガラス繊維を90質量%と、数平均繊維径12μmのガラス繊維を10質量%含んでいる。このこと以外は実施例1と同様にし、膜厚1.2mmの鉛蓄電池用セパレーターを得た。
(実施例4)
数平均繊維径0.4μmを含む液から3.0kg、数平均繊維径12μmを含む液から2.0kg、分取し混合した。つまり、この混合したガラス繊維を含む液中には、ガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径0.4μmのガラス繊維を60質量%と、数平均繊維径12μmのガラス繊維を40質量%含んでいる。このこと以外は実施例3と同様にし、膜厚1.3mmの鉛蓄電池用セパレーターを得た。
(比較例1)
数平均繊維径5.1μmのガラス繊維を数平均繊維径1.8μmのガラス繊維とした。つまり、ここで用いた混合したガラス繊維を含む液中には、ガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径0.4μmのガラス繊維を90質量%と、数平均繊維径1.8μmのガラス繊維を10質量%含んでいる。このこと以外は実施例1と同様にし、膜厚1.0mmの鉛蓄電池用セパレーターを得た。
(比較例2)
数平均繊維径0.4μmのガラス繊維のみを用いた。つまり、ここで用いたガラス繊維を含む液中には、ガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径0.4μmのガラス繊維を100質量%含んでいる。このこと以外は実施例1と同様にし、膜厚0.95mmの鉛蓄電池用セパレーターを得た。
(比較例3)
数平均繊維径5.1μmのガラス繊維のみを用いた。つまり、ここで用いたガラス繊維を含む液中には、ガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径5.1μmのガラス繊維を100質量%含んでいる。このこと以外は実施例1と同様にし、膜厚1.3mmの鉛蓄電池用セパレーターを得た。
(比較例4)
数平均繊維径0.4μmを含む液から1.0kg、数平均繊維径5.1μmを含む液から4.0kg、分取し混合した。つまり、この混合したガラス繊維を含む液中には、ガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径0.4μmのガラス繊維を20質量%と、数平均繊維径5.1μmのガラス繊維を80質量%含んでいる。このこと以外は、実施例1と同様にし、膜厚1.1mmの鉛蓄電池用セパレーターを得た。
実施例1〜4、比較例1〜4で得た鉛蓄電池用セパレーターを用いて、下記の方法により、膜厚、目付量、密度、耐折試験、硫酸保液性を測定し、それらの結果をまとめて表1に示した。
(膜厚)
ショッパー形厚さ測定器(安田精機株式会社製)を用い、20kgf/cm(1.96MPa)加圧下で6点測定し、その平均値を鉛蓄電池用セパレーターの膜厚とした。
(目付量)
縦200mm、横200mmに裁断した鉛蓄電池用セパレーターの質量を測定し、サンプル面積で割って算出した。
(密度)
縦200mm、横200mmに裁断した鉛蓄電池用セパレーターの質量を測定し、膜厚測定で算出した厚みと鉛蓄電池用セパレーターの面積から体積を算出し、鉛蓄電池用セパレーター質量を体積で割って密度を算出した(25℃)。
(耐折曲げ試験)
縦50mm、横100mmに裁断した鉛蓄電池用セパレーターを、マンドレル試験機(株式会社東洋精機製作所製、マンドレル径2mm)を用いて180度曲げ、その時の外観について異常なしの場合を「○」、亀裂発生の場合を「△」、亀裂剥離発生の場合を「×」として評価した。
(硫酸保液性)
鉛蓄電池用セパレーターの硫酸保液性は、試料を縦20mm、横20mmに切り出した後、秤量した(M)。切り出した試料を、ポリ容器に入れた硫酸(20℃、d(比重)=1.31)に2分間浸漬した。次いで、ピンセットで試料を取り出し、2分間保持後、再度秤量した(M)。硫酸保液性は、以下の式(1)を用いて算出した。
硫酸保液性(質量%)=(M−M)×100/M 式(1)
また、硫酸に浸漬した後、鉛蓄電池用セパレーターが崩壊して評価できない場合を「×」とした。
Figure 0006796278
表1の結果から、鉛蓄電池用セパレーター中のガラス繊維が、ガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径1μm以下のガラス繊維を30〜95質量%と、数平均繊維径5〜15μmのガラス繊維を5〜70質量%含み、かつ有機系バインダーを用いた鉛蓄電池用セパレーターは折り曲げ時の耐折性に優れ、かつ硫酸保液性も優れていることがわかる。

Claims (3)

  1. ガラス繊維と有機系バインダーとを有する鉛蓄電池用セパレーターであって、前記鉛蓄電池用セパレーター中のガラス繊維が、このガラス繊維の全質量を基準として、数平均繊維径1μm以下のガラス繊維を30〜95質量%と、数平均繊維径5〜15μmのガラス繊維を5〜70質量%含み、20℃で比重1.31の硫酸の保液性が1200%以上である鉛蓄電池用セパレーター。
  2. 鉛蓄電池用セパレーターの膜厚が、0.3〜3.0mmである請求項1に記載の鉛蓄電地用セパレーター。
  3. 有機系バインダーが、ポリプロピレンである請求項1又は請求項2に記載の鉛蓄電池用セパレーター。
JP2016139347A 2016-07-14 2016-07-14 鉛蓄電池用セパレーター Active JP6796278B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016139347A JP6796278B2 (ja) 2016-07-14 2016-07-14 鉛蓄電池用セパレーター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016139347A JP6796278B2 (ja) 2016-07-14 2016-07-14 鉛蓄電池用セパレーター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018010803A JP2018010803A (ja) 2018-01-18
JP6796278B2 true JP6796278B2 (ja) 2020-12-09

Family

ID=60995717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016139347A Active JP6796278B2 (ja) 2016-07-14 2016-07-14 鉛蓄電池用セパレーター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6796278B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5445755A (en) * 1977-09-19 1979-04-11 Yuasa Battery Co Ltd Separator for storage battery
JPS60101863A (ja) * 1983-11-08 1985-06-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 負極吸収式鉛蓄電池
JPH04133261A (ja) * 1990-09-25 1992-05-07 Toyo Takasago Kandenchi Kk 電池用セパレーター
JPH08195194A (ja) * 1995-01-18 1996-07-30 Nippon Muki Co Ltd 密閉鉛蓄電池用セパレータ
JPH097574A (ja) * 1995-06-14 1997-01-10 Japan Storage Battery Co Ltd 蓄電池用セパレ−タ及びそれを用いた密閉型鉛蓄電池
JP6518094B2 (ja) * 2015-03-16 2019-05-22 北越コーポレーション株式会社 密閉型鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シート及び密閉型鉛蓄電池セパレータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018010803A (ja) 2018-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4529677A (en) Battery separator material
CN103855346B (zh) 蓄电池agm隔板及其制备方法、蓄电池
CN105870383B (zh) 一种电池电容器隔膜及其制备方法
US20030165740A1 (en) Conductive sheet material
JP2004323992A (ja) 湿式法不織布ならびにその製造方法
KR20120059482A (ko) 인쇄된 전자기기용 기판으로 적합한 미세다공성 물질
JP6796278B2 (ja) 鉛蓄電池用セパレーター
JP2017117695A (ja) 電池用セパレータ塗液用増粘剤、電池用セパレータ塗液及び電池用セパレータ
WO2009060989A1 (ja) 薄葉材、その製造方法及びそれを用いた電気・電子部品
JP2018131693A (ja) 不織布及びこの不織布を有する樹脂成形品
CN105064124B (zh) 涂板纸及其生产方法
US4618401A (en) Battery separator material
JP6522464B2 (ja) 複合膜及びその製造方法
GB2117172A (en) Battery separators
JP2005307371A (ja) 湿式法不織布およびプリプレグ、複合材料
CN106229448A (zh) 一种锂电池隔膜纸及其制备方法
JP6927325B2 (ja) 鉛蓄電池用セパレーター及び鉛蓄電池
JP7268338B2 (ja) 成形体の製造方法
RU2279159C1 (ru) Композиционный материал для сепараторов щелочных аккумуляторных батарей и способ его получения
JP6390814B2 (ja) 電池用セパレータ塗液用増粘剤、電池用セパレータ塗液及び電池用セパレータ
WO2020144732A1 (ja) セパレーター及び鉛蓄電池
JP2021136219A (ja) セパレーター及びその製造方法、並びに、蓄電デバイス
US2683400A (en) Method of making acid resisting, microporous material
JPS5944750B2 (ja) 電池用隔膜
CA1235736A (en) Battery separator material

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201016

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201029

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6796278

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250