本開示は、極端紫外光生成システムに関する。
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、20nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、波長13nm程度の極端紫外(EUV:extreme ultraviolet)光を生成するための装置と縮小投影反射光学系(reduced projection reflective optics)とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
EUV光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLPP(Laser Produced Plasma)式の装置と、放電によって生成されるプラズマが用いられるDPP(Discharge Produced Plasma)式の装置と、軌道放射光が用いられるSR(Synchrotron Radiation)式の装置との3種類の装置が提案されている。
特開平11−186131号公報
特開平05−192783号公報
特開2009−188128号公報
特開2000−349381号公報
概要
本開示の一態様による極端紫外光生成システムは、発振器から出射するレーザ光の光路を調整する光路調整部を含む第1のエリアと、レーザ光の照射ターゲットであるターゲット物質のプラズマ化により極端紫外光を生成するプラズマ生成領域を内部に有するチャンバを含む第2のエリアと、第1のエリアに配置され、第1のエリア内の検知対象物の状態を検知する第1のインターロックスイッチと、第2のエリアに配置され、第2のエリア内の検知対象物の状態を検知する第2のインターロックスイッチと、第1のインターロックスイッチから出力される検知信号の監視、及び、第2のインターロックスイッチから出力される検知信号の監視の双方が有効に設定される第1の設定状態と、第1のインターロックスイッチから出力される検知信号の監視、及び、第2のインターロックスイッチから出力される検知信号の監視の双方が無効に設定される第2の設定状態と、第1のインターロックスイッチから出力される検知信号の監視が有効に設定され、第2のインターロックスイッチから出力される検知信号の監視が無効に設定される第3の設定状態とを切り替え可能に構成される制御部とを備えるようにしてもよい。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、極端紫外光生成システムの全体の概略構成例を示す模式図である。
図2は、比較例の極端紫外光生成システムの全体の概略構成例を示す模式図である。
図3は、実施形態の極端紫外光生成システムの全体の概略構成例を示す模式図である。
図4は、制御部の制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
図5は、極端紫外光生成システムにおける各種のモードの状態やメンテナンス作業例等を示す表である。
図6は、設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
図7は、他の設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
実施形態
1.概要
2.極端紫外光生成システムの説明
2.1 全体構成
2.2 動作
3.比較例の極端紫外光生成システムの説明
3.1 構成
3.2 動作
3.3 課題
4.実施形態の極端紫外光生成システムの説明
4.1 構成
4.2 動作
4.3 作用・効果
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。
なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.概要
本開示の実施形態は、極端紫外光を生成する極端紫外光生成装置と、その極端紫外光を生成するために用いられるレーザ装置とに関する。なお、以下本明細書では、極端紫外光をEUV光という場合がある。
2.極端紫外光生成システムの説明
2.1 全体構成
図1は、極端紫外光生成システムの全体の概略構成例を示す模式図である。図1に示すように、極端紫外光生成システム101は、極端紫外光生成装置1及びレーザ装置2を含むシステムである。極端紫外光生成装置1は第2のエリアAR2内に配置され、レーザ装置2は第1のエリアAR1内に配置される。第2のエリアAR2はクリーンルームであってもよく、第1のエリアAR1はクリーンルームのサブファブルームであってもよい。また、第1のエリアAR1と第2のエリアAR2とは同じフロアにあり互いに異なるルームであってもよい。
極端紫外光生成装置1は、チャンバ11及びドロップレット供給部12を含む。チャンバ11は、密閉可能かつ減圧可能な容器である。ドロップレット供給部12は、チャンバ11内にターゲット物質のドロップレットDLを供給するよう構成される。ドロップレット供給部12は、例えば、コンティニュアスジェット方式により間隔をあけてターゲット物質のドロップレットDLをチャンバ11内に供給するよう構成し得る。ターゲット物質の材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノンのいずれか、又は、それらの内のいずれか2つ以上の組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。
チャンバ11の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられている。この貫通孔は、ウインドウWによって塞がれ、このウインドウWを透過してチャンバ11の内部にレーザ光Lが入射する。このレーザ光Lは、プリパルスレーザ部から出射するレーザ光PLと、マスターオシレータから出射するレーザ光MLとを含んでいてもよく、当該マスターオシレータから出射するレーザ光MLだけであってもよい。なお、図1に示す例では、レーザ光Lは、プリパルスレーザ部から出射するレーザ光PLと、マスターオシレータから出射するレーザ光MLとを含んでいる。
チャンバ11の内部のうち、ドロップレット供給部12から供給されるドロップレットDLの軌道OTの一部はプラズマ生成領域21とされる。プラズマ生成領域21は、ドロップレットDLをプラズマ化させる領域である。このプラズマ生成領域21には、ウインドウWを透過してチャンバ11の内部に入射するレーザ光Lがレーザ集光光学系22によって集光される。
レーザ集光光学系22は、例えば、チャンバ11の内部に入射したレーザ光Lを拡大して反射する凸面ミラーと、拡大されたレーザ光Lを反射して集光しながらプラズマ生成領域21に導く凹面ミラーとにより構成し得る。なお、レーザ集光光学系22が3軸方向に移動可能なステージST上に配置され、レーザ集光光学系22の集光位置が目標位置に集光するようステージSTが制御されてもよい。
また、チャンバ11の内部には、EUV光集光ミラー23が設けられる。EUV光集光ミラー23は、プラズマ生成領域21においてドロップレットがプラズマ化されることで生じるEUV光を集光するよう構成される。EUV光集光ミラー23は、例えば、プラズマ生成領域21で生じるEUV光を反射する回転楕円面形状の反射面23Aを有し、第1の焦点がプラズマ生成領域21に位置し、第2の焦点が中間集光点IFに位置するように構成し得る。EUV光集光ミラー23は、EUV光集光ミラー23の中心軸周りに貫通孔23Bを有していてもよく、チャンバ11の内部に入射したレーザ光Lが貫通孔23Bを通過するようにしてもよい。また、EUV光集光ミラー23には、EUV光集光ミラー23の温度を略一定に保つ温度調整器が設けられていてもよい。なお、EUV光集光ミラー23の中心軸は、反射面23Aの第1の焦点及び第2の焦点を通る直線であってもよく、回転楕円面の回転軸であってもよい。
また、極端紫外光生成装置1は、ビーム伝送光学系13を更に含む。ビーム伝送光学系13は、第1のエリアAR1から第2のエリアAR2に入射したレーザ光Lをチャンバ11に伝送するよう構成される。上記のように、レーザ光Lは、レーザ光PLとレーザ光MLとを含む。ビーム伝送光学系13は、例えば、レーザ光Lに含まれるレーザ光PLを反射するミラーと、当該レーザ光Lに含まれるレーザ光MLを反射するミラーとにより構成し得る。なお、図1に示す例では、ミラー数は2つとされているが、複数とされてもよい。
また、極端紫外光生成装置1は、制御部14を更に含む。制御部14は、CPU(中央処理装置)等を有するコンピュータやPLC(プログラマブルロジックコントローラ)であり、各種の制御を実行するよう構成される。制御部14は、例えば、バースト動作するようレーザ装置2を駆動する。バースト動作とは、バースト期間に連続したパルス状のレーザ光を所定の繰り返し周波数で出射し、バースト休止期間にレーザ光Lの出射が抑制される動作を意味する。バースト期間とバースト休止期間とは、例えば交互に繰り返される。なお、制御部14における上記の制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよい。
レーザ装置2は、第1プリパルスレーザ部31及び第2プリパルスレーザ部32を含む。第1プリパルスレーザ部31と第2プリパルスレーザ部32とはそれぞれ同じパルスレーザ部であっても、異なるパルスレーザ部であってもよい。このようなパルスレーザ部として例えば固体レーザやガスレーザ等が挙げられる。固体レーザとしては、例えば、Nd:YAGレーザ、或いは、Nd:YVO4レーザや、その高調波光を出射するレーザが挙げられる。またガスレーザとしては、例えば、CO2レーザ、或いは、エキシマレーザ等が挙げられる。
また、レーザ装置2は、ミラーM及びビームコンバイナBCを更に含む。ミラーMは、第1プリパルスレーザ部31から出射されたレーザ光PL1をビームコンバイナBCに向けて反射する。ビームコンバイナBCは、ミラーMで反射したレーザ光PL1と第2プリパルスレーザ部32から出射されたレーザ光PL2との光路を略一致させる。このようなビームコンバイナBCは、例えば偏光ビームスプリッタにより構成し得る。
また、レーザ装置2は、マスターオシレータ33を含む。マスターオシレータ33は、パルス状のレーザ光Lを出射する。マスターオシレータ33は、例えば、ヘリウムや窒素等が炭酸ガス中に混合された気体を放電によって励起することで、レーザ光を出射する発振器とされる。あるいは、マスターオシレータ33は、量子カスケードレーザ発振器とされてもよい。
また、レーザ装置2は、複数のパワーアンプPA1〜PA4を更に含む。複数のパワーアンプPA1〜PA4のそれぞれは、レーザ光MLの光路上に配置される。なお、図1に示す例では、パワーアンプPA3とパワーアンプPA4との間におけるレーザ光MLの光路上にはミラーM1及びミラーM2が配置される。複数のパワーアンプPA1〜PA4のそれぞれは、入射するレーザ光MLのパワーを増幅するよう構成される。例えば、複数のパワーアンプPA1〜PA4のそれぞれは、再生増幅器型のパワーアンプにより構成してもよい。なお、複数のパワーアンプPA1〜PA4のそれぞれは同じ構成のパワーアンプであっても異なる構成のパワーアンプであってもよい。また、パワーアンプ数は4つとされているが、1つとされていてもよく、4つ以外の複数とされていてもよい。
また、レーザ装置2は、光路調整部34及びビーム伝送光学系35を含む。光路調整部34は、プラズマ生成領域21におけるレーザ光MLの光路を調整するよう構成される。例えば、光路調整部34は、レーザ光MLの光路上に配置される複数のミラーと、プラズマ生成領域21に照射されるレーザ光MLの位置や角度等の情報を検出する検出部と、複数のミラーを個別に制御する制御部とにより構成し得る。制御部は、検出部により検出された情報に基づいて複数のミラーの少なくとも1つを制御することで、プラズマ生成領域21に照射されるレーザ光Lが目標位置となるように、レーザ光MLの光路を調整し得る。なお、制御部14が上記の制御部の制御を担っていてもよい。
ビーム伝送光学系35は、ビームコンバイナBCから出射するレーザ光PLと、光路調整部34から出射するレーザ光MLとを第2のエリアAR2に伝送するよう構成される。ビーム伝送光学系35は、例えば、ビーム伝送光学系13と同様に、レーザ光PLを反射するミラーと、レーザ光MLを反射するミラーとにより構成し得る。レーザ光PLは、第1プリパルスレーザ部31から出射したレーザ光PL1と、第2プリパルスレーザ部32から出射したレーザ光PL2とを含む。なお、図1に示す例では、ミラー数は2つとされているが、複数とされてもよい。
極端紫外光生成システム101は、上記の構成に加えて、複数のハウジングH1〜H4及び複数の光路管T1〜T8を含む。
複数のハウジングH1〜H4及び複数の光路管T1〜T8のそれぞれの内部は真空とされてもよく、当該内部には乾燥空気または不活性ガス等が導入されてもよい。乾燥空気または不活性ガス等が導入される場合、それらの気体は真空に近い低圧とされてもよい。
ハウジングH1は第2のエリアAR2内に配置され、当該ハウジングH1には1つの扉D1が設けられる。このハウジングH1の内部にはビーム伝送光学系13が収容される。ハウジングH2〜H4のそれぞれは第1のエリアAR1内に配置される。ハウジングH2には1つの扉D2が設けられ、当該ハウジングH2の内部にはビーム伝送光学系35が収容される。ハウジングH3には1つの扉D3が設けられ、当該ハウジングH3の内部には第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32、マスターオシレータ33及び光路調整部34が収容される。ハウジングH4には4つの扉D4〜D7が設けられ、当該ハウジングH4の内部には複数のパワーアンプPA1〜PA4が収容される。なお、それぞれのハウジングH1〜H4に設けられる扉数は、1つ以上であれば、上記の扉数以外であってもよい。
光路管T1〜T8のそれぞれは、ハウジングH1〜H4における所定の取付位置に対して着脱可能に構成される。光路管T1及び光路管T2のそれぞれは、ハウジングH1とチャンバ11のウインドウWとの間に配置される。光路管T1及び光路管T2のそれぞれの一端がハウジングH1に連通し、他端がウインドウWに当接する状態で、当該光路管T1及び光路管T2が取り付けられる。光路管T3及び光路管T4のそれぞれはハウジングH2とハウジングH3とに連通する状態で取り付けられ、光路管T5及び光路管T6のそれぞれはハウジングH3とハウジングH4とに連通する状態で取り付けられる。光路管T7及び光路管T8のそれぞれは、第1のエリアAR1と第2のエリアAR2とをまたがって配置され、第1のエリアAR1内のハウジングH1と第2のエリアAR2内のハウジングH2とに連通する状態で取り付けられる。
2.2 動作
極端紫外光生成装置1の制御部14は、例えば操作入力部から駆動命令を受けると、複数のパワーアンプPA1〜PA4のそれぞれを駆動する。また、制御部14は、駆動命令を受けると、第1発光トリガ信号と、第1発光トリガ信号よりも所定時間だけ遅延する第2発光トリガ信号と、第2発光トリガ信号よりも所定時間だけ遅延する第3発光トリガ信号とを生成する。そして制御部14は、生成した第1発光トリガ信号を第1プリパルスレーザ部31に出力し、生成した第2発光トリガ信号を第2プリパルスレーザ部32に出力し、生成した第3発光トリガ信号をマスターオシレータ33に出力する。
第1プリパルスレーザ部31は、第1発光トリガ信号に基づいてバースト動作を開始し、バースト期間にレーザ光PL1を出射する。第2プリパルスレーザ部32は、第2発光トリガ信号に基づいてバースト動作を開始し、バースト期間にレーザ光PL2を出射する。マスターオシレータ33は、第3発光トリガ信号に基づいてバースト動作を開始し、バースト期間にレーザ光MLを出射する。
なお、上記のように、第1発光トリガ信号と第2発光トリガ信号と第3発光トリガ信号とは、互いに異なるタイミングで制御部14から出力されている。このため、所定の周期で繰り返されるバースト期間において、レーザ光PL1とレーザ光PL2とレーザ光MLとは、パルスの少なくともピークが互いに重ならない状態になっている。
第1プリパルスレーザ部31から出射したレーザ光PL1はミラーMで反射してビームコンバイナBCに入射し、第2プリパルスレーザ部32から出射したレーザ光PL2はビームコンバイナBCに入射する。ビームコンバイナBCに入射したレーザ光PL1及びレーザ光PL2の光路は、当該ビームコンバイナBCにより略一致させられる。ビームコンバイナBCから出射するレーザ光PL1とレーザ光PL2とを含むレーザ光PLは、光路管T3を経由してハウジングH3からハウジングH2に進行し、当該ハウジングH2のビーム伝送光学系35に入射する。
マスターオシレータ33から出射したレーザ光MLは、光路管T5を経由してハウジングH3からハウジングH4に進行し、当該ハウジングH4の複数のパワーアンプPA1〜PA4によりそれぞれ増幅される。パワーアンプPA4で増幅されたレーザ光MLは、光路管T6を経由してハウジングH4からハウジングH3に進行し、当該ハウジングH3の光路調整部34に入射する。光路調整部34から出射したレーザ光MLは、光路管T4を経由してハウジングH3からハウジングH2に進行し、当該ハウジングH2のビーム伝送光学系35に入射する。
ビーム伝送光学系35から出射するレーザ光PLとレーザ光MLと含むレーザ光Lは、第1のエリアAR1内のレーザ装置2から出力し、光路管T7及び光路管T8を経由して、第2のエリアAR2内に配置される極端紫外光生成装置1に入力する。
極端紫外光生成装置1に入力したレーザ光Lは、ビーム伝送光学系13により光路管T1及び光路管T2に向けて伝送され、当該光路管T1及び光路管T2を経由して、チャンバ11のウインドウWに進行する。チャンバ11のウインドウWからチャンバ11内に入射したレーザ光Lは、レーザ集光光学系22によりプラズマ生成領域21に集光され、ドロップレット供給部12から供給される少なくとも1つのドロップレットDLに照射される。
ドロップレットDLは、レーザ光Lに含まれるレーザ光PL1の照射によって、より小さな液滴として分散した状態の2次ターゲットとなる。2次ターゲットは、レーザ光Lに含まれるレーザ光PL2の照射によって、より小さな微粒子として分散した状態の3次ターゲットとなる。3次ターゲットは、レーザ光Lに含まれるレーザ光MLの照射によってプラズマ化し、そのプラズマからEUV光を含む光が放射する。EUV光は、EUV光集光ミラー23の反射面で選択的に反射し、中間集光点IFに集光される。中間集光点IFに集光されたEUV光は、チャンバ11に接続された不図示の露光装置に拡散しながら出力する。
3.比較例の極端紫外光生成システムの説明
次に、比較例の極端紫外光生成システムを説明する。なお、上記において説明した構成と同様の構成については同一の符号を付し、特に説明する場合を除き、重複する説明は省略する。
3.1 構成
図2は、比較例の極端紫外光生成システムの構成を示す模式図である。図2に示すように、比較例の極端紫外光生成システム102は、上記の極端紫外光生成システム101の構成に加えて、扉の開放状態を検知する複数のインターロックスイッチS1〜S7を含む。
複数のインターロックスイッチS1〜S7と複数の扉D1〜D7とは、一対一で対応している。インターロックスイッチS1〜S7のそれぞれは、対応する扉D1〜D7に設けられ、制御部14と電気的に接続される。なお、図2では、見易さの観点から、一部のインターロックスイッチS1,S3,S7と制御部14とを接続する信号線のみが示され、他のインターロックスイッチS2,S4〜S6と制御部14とを接続する信号線は省略されている。また、インターロックスイッチS1〜S7のそれぞれの構成は同じであるため、当該構成はインターロックスイッチS1についてのみ説明する。
インターロックスイッチS1は、扉D1が閉まっているときには正常な接点状態であり、扉D1が開いているときには異常な接点状態となるよう構成される。例えば、扉D1の枠材に設けられる固定接触片と扉D1に設けられる可動接触片とが接触した状態が正常な接点状態であり、当該固定接触片と可動接触片とが非接触となる状態が異常な接点状態となるよう構成される。なお、固定接触片と可動接触片とが非接触である状態が正常な接点状態であり、当該固定接触片と可動接触片とが接触する状態が異常な接点状態となるよう構成されていてもよい。また、インターロックスイッチS1の接点数は2以上であってもよい。インターロックスイッチS1は、異常な接点状態となっている期間が所定期間を超えたときに検知信号を制御部14に出力するよう構成される。なお、接点数が2以上である場合、インターロックスイッチS1は、例えば、それぞれの接点が異常な接点状態となっている期間が所定期間を超えたときに検知信号を制御部14に出力するよう構成される。
また、比較例の極端紫外光生成システム102は、上記の極端紫外光生成システム101の構成に加えて、光路管の撤去状態を検知する複数のインターロックスイッチS11〜S20を含む。
複数のインターロックスイッチS11〜S16と、光路管T1〜T6とは、一対一で対応している。インターロックスイッチS11〜S16のそれぞれは、対応する光路管T1〜T6に設けられ、制御部14と電気的に接続される。なお、図2では、見易さの観点から、それぞれのインターロックスイッチS11〜S16と制御部14とを接続する信号線は省略されている。また、インターロックスイッチS11〜S16のそれぞれの構成は同じであるため、当該構成はインターロックスイッチS11についてのみ説明する。
インターロックスイッチS11は、光路管T1が定位置に取り付けられているときには正常な接点状態であり、光路管T1が定位置から外れているときには異常な接点状態となるよう構成される。例えば、ハウジングH1に設けられる固定接触片と光路管T1に設けられる可動接触片とが接触した状態が正常な接点状態であり、当該固定接触片と可動接触片とが非接触となる状態が異常な接点状態となるよう構成される。なお、固定接触片と可動接触片とが非接触である状態が正常な接点状態であり、当該固定接触片と可動接触片とが接触する状態が異常な接点状態となるよう構成されていてもよい。また、インターロックスイッチS11の接点数は2以上であってもよい。インターロックスイッチS11は、異常な接点状態となっている期間が所定期間を超えたときに検知信号を制御部14に出力するよう構成される。なお、接点数が2以上である場合、インターロックスイッチS11は、例えば、それぞれの接点が異常な接点状態となっている期間が所定期間を超えたときに検知信号を制御部14に出力するよう構成される。
光路管T7,T8のそれぞれは、上記のように第1のエリアAR1と第2のエリアAR2とをまたがって配置される。このため、光路管T7における第1のエリアAR1側にインターロックスイッチS17が設けられ、当該光路管T7における第2のエリアAR2側にインターロックスイッチS18が設けられる。同様に、光路管T8における第1のエリアAR1側にインターロックスイッチS19が設けられ、当該光路管T8における第2のエリアAR2側にインターロックスイッチS20が設けられる。インターロックスイッチS17〜S20のそれぞれは制御部14と電気的に接続される。なお、図2では、見易さの観点から、それぞれのインターロックスイッチS17〜S20と制御部14とを接続する信号線は省略されている。また、インターロックスイッチS17〜S20のそれぞれの構成はインターロックスイッチS11の構成と同じであるため、当該インターロックスイッチS17〜S20のそれぞれの構成の説明は省略する。
また、比較例の極端紫外光生成システム102の制御部14は、バースト動作するようレーザ装置2を駆動することに加えて、それぞれのインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20ごとに検知信号の出力を監視する。
3.2 動作
比較例の極端紫外光生成システム102における制御部14は、例えば操作入力部から駆動命令を受けると、複数のパワーアンプPA1〜PA4のそれぞれを駆動する。また、制御部14は、第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33をそれぞれ駆動する。
また、制御部14は、例えば操作入力部から駆動命令を受けると、扉D1〜D7に設けられる各インターロックスイッチS1〜S7、及び、光路管T1〜T8に設けられる各インターロックスイッチS11〜S20における検知信号の出力を常時的又は定期的に監視する。複数のインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20の全てから検知信号が出力されていない場合、全ての扉D1〜D7が閉じ、全ての光路管T1〜T8が定位置に配置されているため、安全な稼働状態が維持されている。
ここで、インターロックスイッチS1〜S7のそれぞれは、対応する扉D1〜D7の開放状態を検知した場合には検知信号を制御部14に出力する。インターロックスイッチS11〜S16のそれぞれは、対応する光路管T1〜T6の撤去状態を検知した場合には検知信号を制御部14に出力する。インターロックスイッチS17,S19のそれぞれは、第1のエリアAR1側の光路管T7,T8の撤去状態を検知した場合には検知信号を制御部14に出力する。インターロックスイッチS18,S20のそれぞれは、第2のエリアAR2側の光路管T7,T8の撤去状態を検知した場合には検知信号を制御部14に出力する。
制御部14は、それぞれのインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20のうち1以上のインターロックスイッチから検知信号の出力を検出すると、第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33を停止する。
3.3 課題
比較例の極端紫外光生成システム102では、扉の開放箇所あるいは光路管の撤去箇所が1個所でもあると、制御部14がレーザ装置2の第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33を停止する。
このため、比較例の極端紫外光生成システム102では、第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33がそれぞれ駆動しているときには、禁止動作である扉の開放動作及び光路管の撤去動作ができない。従って、メンテナンス等の作業を実施する場合、例えばチャンバ11の壁などに設けられる計測器を用いてチャンバ11内に入射したレーザ光Lのパワーを計測する作業などのように、禁止動作をすることなく実施し得る種類に制限される。作業の種類が制限されると、極端紫外光生成装置1又はレーザ装置2の稼働率の低下が懸念される。従って、より多様の作業を実施することが要請される。
そこで、以下の実施形態では、より多様の作業を実施し得る極端紫外光生成システムが例示される。
4.実施形態の極端紫外光生成システムの説明
4.1 構成
図3は、実施形態の極端紫外光生成システムの構成を示す模式図である。図3に示すように、実施形態の極端紫外光生成システム103は、比較例の極端紫外光生成システム102の構成に加えて、複数の減光部41〜43を更に含む。
複数の減光部41〜43のそれぞれは、第1のエリアAR1内の所定の光路上におけるセット位置と、当該光路以外のリムーブ位置とに可動し、セット位置では光路を伝搬する光のパワーを減光するよう構成される。なお、図3では、セット位置が破線で示され、リムーブ位置が実線で示されている。複数の減光部41〜43のそれぞれは、例えば、上記のセット位置とリムーブ位置とに制御部14の指令に応じて移動可能なステージと、当該ステージ上に配置されるアッテネータとにより構成し得る。ステージは、エアシリンダにより移動するようにしてもよく、通電により移動するようにしてもよい。また、ステージは、エアー漏れ又は断線等の故障時には、自動的にセット位置に移動するようにしてもよい。アッテネータは、例えば、光の入射角が互いに相反するように配置される偶数のビームスプリッタにより構成し得る。なお、図3に示す例では、一対のビームスプリッタが組とされ、2組のビームスプリッタがステージ上に配置される。
本実施形態における減光部41のセット位置は、レーザ光PL1の光路のうち、ミラーMよりもレーザ光PL1の発振源である第1プリパルスレーザ部31側となる位置とされる。従って、減光部41は、セット位置では第1プリパルスレーザ部31から出射されたレーザ光PL1のパワーを減光し得る。本実施形態における減光部42のセット位置は、レーザ光PL2の光路のうち、ビームコンバイナBCよりもレーザ光PL2の発振源である第2プリパルスレーザ部32側となる位置とされる。従って、減光部42は、セット位置では第2プリパルスレーザ部32から出射されたレーザ光PL2のパワーを減光し得る。本実施形態における減光部43のセット位置は、レーザ光MLの光路のうち、光路調整部34よりもレーザ光MLの発振源であるマスターオシレータ33側となる位置とされる。従って、減光部43は、セット位置ではマスターオシレータ33から出射されたレーザ光MLのパワーを減光し得る。
また、実施形態の極端紫外光生成システム103は、比較例の極端紫外光生成システム102の構成に加えて、複数の遮光部44及び45を更に含む。
複数の遮光部44及び45のそれぞれは、第1のエリアAR1内の所定の光路上におけるクローズ位置と、当該光路以外のオープン位置とに可動し、クローズ位置では光路を伝搬する光を遮光するよう構成される。なお、図3に示す例では、クローズ位置は破線で示され、オープン位置は実線で示されている。複数の遮光部44及び45は、例えば、クローズ位置とオープン位置とに制御部14の指令に応じて移動可能なステージと、当該ステージ上に配置されるミラーと、クローズ位置にあるミラーで反射する光を遮光するビームダンパとにより構成し得る。ステージは、エアシリンダにより移動するようにしてもよく、通電により移動するようにしてもよい。また、ステージは、エアー漏れ又は断線等の故障時には、自動的にクローズ位置に移動するようにしてもよい。
本実施形態における遮光部44のクローズ位置は、レーザ光PLの光路のうち、例えばビームコンバイナBCとビーム伝送光学系35との間の所定部位とされる。従って、遮光部44は、ビームコンバイナBCから出射するレーザ光PLを遮光し得る。本実施形態における遮光部45のクローズ位置は、レーザ光MLの光路のうち、例えば光路調整部34とビーム伝送光学系35との間の所定部位とされる。従って、遮光部45は、光路調整部34から出射するレーザ光MLを遮光し得る。
また、実施形態の極端紫外光生成システム103は、比較例の極端紫外光生成システム102の構成に加えて、減光部又は遮光部の動作異常の状態を検知する複数のインターロックスイッチS21〜S30を含む。
インターロックスイッチS21は減光部41のセット位置に設けられ、インターロックスイッチS22は減光部41のリムーブ位置に設けられる。インターロックスイッチS23は減光部42のセット位置に設けられ、インターロックスイッチS24は減光部42のリムーブ位置に設けられる。インターロックスイッチS25は減光部43のセット位置に設けられ、インターロックスイッチS26は減光部43のリムーブ位置に設けられる。インターロックスイッチS27は遮光部44のクローズ位置に設けられ、インターロックスイッチS28は遮光部44のオープン位置に設けられる。インターロックスイッチS29は遮光部45のクローズ位置に設けられ、インターロックスイッチS30は遮光部45のオープン位置に設けられる。また、インターロックスイッチS21〜S30のそれぞれは、制御部14と電気的に接続される。なお、図3では、見易さの観点から、それぞれのインターロックスイッチS21〜S30と制御部14とを接続する信号線は省略されている。また、インターロックスイッチS21〜S30のそれぞれの構成は同様であるため、当該構成はインターロックスイッチS21についてのみ説明する。
インターロックスイッチS21は、減光部41がセット位置に位置するときには正常な接点状態であり、減光部41がセット位置以外にあるときには異常な接点状態となるよう構成される。インターロックスイッチS21の接点数は2以上であってもよい。インターロックスイッチS21は、異常な接点状態となっている期間が所定期間を超えたときに検知信号を制御部14に出力するよう構成される。なお、接点数が2以上である場合、インターロックスイッチS21は、例えば、それぞれの接点が異常な接点状態となっている期間が所定期間を超えたときに検知信号を制御部14に出力するよう構成される。
実施形態の極端紫外光生成システム103の制御部14は、通常モードと減光モードと遮光モードと減光遮光モードとを切り替え可能に構成される。なお、制御部14は、上記のように第2のエリアAR2内に配置されているが、第1のエリアAR1内に配置されてもよく、当該第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2以外に配置されていてもよい。
4.2 動作
図4は制御部の制御処理ルーチンを示すフローチャートであり、図5は極端紫外光生成システムにおける各種のモードの状態やメンテナンス作業例等を示す表である。
図4に示すように、制御部14は、例えば操作入力部からモードの実行命令を受けると、ステップSP1に進む。ステップSP1において、制御部14は、実行命令を受けたモードの種類を認識する。
ここで、ステップSP1で実行命令を受けたモードが通常モードである場合、制御部14は、ステップSP11に進む。ステップSP11において、制御部14は、通常モードの設定情報を取得する。通常モードでは、図5に示すように、それぞれの減光部41〜43の配置位置がリムーブ位置に設定され、それぞれの遮光部44及び45の配置位置がオープン位置に設定される。また、通常モードでは、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2におけるインターロックスイッチの監視がともに有効に設定され、それぞれのパワーアンプPA1〜PA4の駆動が有りに設定される。これら設定情報は、例えば、制御部14の内部メモリに記憶される。
制御部14は、通常モードの設定情報を取得すると、取得した通常モードの設定情報に基づいて、それぞれの減光部41〜43をリムーブ位置に設定するとともに、それぞれの遮光部44及び45をオープン位置に設定する。また、制御部14は、取得した設定情報に基づいて、それぞれのインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20における検知信号の出力の監視を有効に設定した後、ステップSP21に進む。
ステップSP21において、制御部14は、複数のパワーアンプPA1〜PA4のそれぞれを駆動した後、レーザ装置2の第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33をそれぞれ駆動する。
上記のように、ステップSP11において減光部41及び42はそれぞれリムーブ位置に移動している。このため、図3に示すように、第1プリパルスレーザ部31から出射したレーザ光PL1と、第2プリパルスレーザ部32から出射したレーザ光PL2とは、減光されることなく、ビームコンバイナBCに入射する。また上記のように、ステップSP11において遮光部44はオープン位置に移動している。このため、図3に示すように、ビームコンバイナBCから出射したレーザ光PL1及びレーザ光PL2を含むレーザ光PLは、遮光されることなく、ビーム伝送光学系35に入射する。
また上記のように、ステップSP11において減光部43はリムーブ位置に移動し、遮光部45はオープン位置に移動している。さらに、複数のパワーアンプPA1〜PA4がそれぞれ駆動された後にマスターオシレータ33が駆動されている。このため、図3に示すように、マスターオシレータ33から出射したレーザ光MLは、複数のパワーアンプPA1〜PA4によりそれぞれ増幅され、減光又は遮光されることなく、ビーム伝送光学系35に入射する。
ビーム伝送光学系35から出射するレーザ光PLとレーザ光MLと含むレーザ光Lは、第1のエリアAR1内のレーザ装置2から出力し、光路管T7及び光路管T8を経由して、第2のエリアAR2内に配置される極端紫外光生成装置1に入力する。極端紫外光生成装置1に入力したレーザ光Lは、上記のようにチャンバ11のプラズマ生成領域21に集光される。従って、図5における通常モードの簡易図の欄からも理解し得るように、通常モードでは、第1のエリアAR1から第2のエリアAR2に高パワーのレーザ光Lが伝搬する。
また、制御部14は、ステップSP11においてそれぞれのインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20における検知信号の出力の監視を有効に設定している。このため、ステップSP21において、制御部14は、インターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20のいずれか1つでも検知信号の出力を検出すると、第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33を停止する。従って、通常モードでは、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2ともに、それぞれの扉D1〜D7の開放動作と、それぞれの光路管T1〜T8の撤去動作とが禁止される。
また、ステップSP1で実行命令を受けたモードが減光モードである場合、制御部14は、ステップSP12に進む。ステップSP12において、制御部14は、減光モードの設定情報を取得する。減光モードでは、図5に示すように、それぞれの減光部41〜43の配置位置がセット位置に設定され、それぞれの遮光部44及び45の配置位置がオープン位置に設定される。また、減光モードでは、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2におけるインターロックスイッチの監視がともに無効に設定され、パワーアンプPA1〜PA4それぞれの駆動が無しに設定される。これら設定情報は、例えば、制御部14の内部メモリに記憶される。
制御部14は、減光モードの設定情報を取得すると、取得した減光モードの設定情報に基づいて、それぞれの減光部41〜43をセット位置に設定するとともに、それぞれの遮光部44及び45をオープン位置に設定する。また、制御部14は、それぞれのインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20における検知信号の出力の監視を無効に設定した後に、ステップSP22に進む。
ステップSP22において、制御部14は、複数のパワーアンプPA1〜PA4のそれぞれを駆動することなく、レーザ装置2の第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33をそれぞれ駆動する。
上記のように、ステップSP12において減光部41及び42はそれぞれセット位置に移動している。このため、図3に示すように、第1プリパルスレーザ部31から出射したレーザ光PL1と、第2プリパルスレーザ部32から出射したレーザ光PL2とは、減光された後にビームコンバイナBCに入射する。また上記のように、ステップSP12において遮光部44はオープン位置に移動している。このため、ビームコンバイナBCから出射したレーザ光PL1及びレーザ光PL2を含むレーザ光PLは、遮光されることなく、ビーム伝送光学系35に入射する。
また上記のように、ステップSP12において減光部43はセット位置に移動し、遮光部45はオープン位置に移動している。さらに、複数のパワーアンプPA1〜PA4がそれぞれ駆動されることなくマスターオシレータ33が駆動されている。このため、マスターオシレータ33から出射したレーザ光MLは、複数のパワーアンプPA1〜PA4によりそれぞれ増幅されることなく減光部43で減光された後、遮光されることなく、ビーム伝送光学系35に入射する。
ビーム伝送光学系35から出射するレーザ光PLとレーザ光MLと含むレーザ光Lは、第1のエリアAR1内のレーザ装置2から出力し、光路管T7及び光路管T8を経由して、第2のエリアAR2内に配置される極端紫外光生成装置1に入力する。極端紫外光生成装置1に入力したレーザ光Lは、上記のようにチャンバ11のプラズマ生成領域21に集光される。従って、図5における減光モードの簡易図の欄からも理解し得るように、減光モードでは、第1のエリアAR1から第2のエリアAR2に低パワーのレーザ光Lが伝搬する。
また、制御部14は、ステップSP12においてそれぞれのインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20における検知信号の出力の監視を無効に設定している。従って、ステップSP22において、制御部14は、インターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20から検知信号の出力を検出しても、第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33をそれぞれ駆動し続ける。このように減光モードでは、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2ともに、それぞれの扉D1〜D7の開放動作と、それぞれの光路管T1〜T8の撤去動作が許可される。
また、ステップSP1で実行命令を受けたモードが遮光モードである場合、制御部14は、ステップSP13に進む。ステップSP13において、制御部14は、遮光モードの設定情報を取得する。遮光モードでは、図5に示すように、それぞれの減光部41〜43の配置位置がリムーブ位置に設定され、それぞれの遮光部44及び45の配置位置がクローズ位置に設定される。また、遮光モードでは、第1のエリアAR1におけるインターロックスイッチのうち、レーザ光Lの進行方向においてクローズ位置よりも上流側に設けられるインターロックスイッチの監視が有効にされる。ただし、第1のエリアAR1におけるインターロックスイッチの全ての監視が有効にされてもよい。また、遮光モードでは、第2のエリアAR2におけるインターロックスイッチの監視が無効に設定される。さらに、遮光モードでは、パワーアンプの駆動が有りに設定される。これらの設定情報は、例えば、制御部14の内部メモリに記憶される。
制御部14は、遮光モードの設定情報を取得すると、取得した遮光モードの設定情報に基づいて、それぞれの減光部41〜43をリムーブ位置に設定するとともに、それぞれの遮光部44及び45をクローズ位置に設定する。また、制御部14は、第1のエリアAR1における一部のインターロックスイッチS3〜S7,S13〜S16,S18,S20における検知信号の出力の監視を有効に設定する。さらに、制御部14は、第2のエリアAR2に設けられるそれぞれのインターロックスイッチS1,S11,S12,S17,S19における検知信号の出力の監視を無効に設定した後、ステップSP23に進む。
ステップSP23において、制御部14は、複数のパワーアンプPA1〜PA4のそれぞれを駆動した後、レーザ装置2の第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33をそれぞれ駆動する。
上記のように、ステップSP13において減光部41及び42はそれぞれリムーブ位置に移動している。このため、図3に示すように、第1プリパルスレーザ部31から出射したレーザ光PL1と、第2プリパルスレーザ部32から出射したレーザ光PL2とは、減光されることなく、ビームコンバイナBCに入射する。また上記のように、ステップSP13において遮光部44はクローズ位置に移動している。このため、ビームコンバイナBCから出射したレーザ光PL1及びレーザ光PL2を含むレーザ光PLは、遮光部44により遮光される。
また上記のように、ステップSP13において減光部43はリムーブ位置に移動し、遮光部45はクローズ位置に移動している。さらに、複数のパワーアンプPA1〜PA4がそれぞれ駆動された後にマスターオシレータ33が駆動されている。このため、マスターオシレータ33から出射したレーザ光MLは、複数のパワーアンプPA1〜PA4によりそれぞれ増幅され、減光部43で減光されることなく光路調整部34を経由した後、遮光部44により遮光される。従って、図5における遮光モードの簡易図の欄からも理解し得るように、遮光モードでは、第1のエリアAR1におけるレーザ光Lの発振源とクローズ位置に設定される遮光部44及び45との間にのみ高パワーのレーザ光Lが伝搬する。
また、制御部14は、ステップSP13において第1のエリアAR1のインターロックスイッチS3〜S7,S13〜S16,S18,S20の監視のみを設定している。従って、ステップSP23において、制御部14は、監視対象として設定した第1のエリアAR1のインターロックスイッチの1つでも検知信号の出力を検出すると、第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33を停止する。これに対し、制御部14は、第2のエリアAR2に設けられるインターロックスイッチから検知信号の出力を検出しても、第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33をそれぞれ駆動し続ける。このように遮光モードでは、第1のエリアAR1における扉D2の開放動作と、第2のエリアAR2における扉D1の開放動作と、光路管T1及びT2の撤去動作と、光路管T7及びT8における第2のエリアAR2側の端部の撤去動作のみが許可される。
また、ステップSP1で実行命令を受けたモードが減光遮光モードである場合、制御部14は、ステップSP14に進む。ステップSP14において、制御部14は、減光遮光モードの設定情報を取得する。減光遮光モードでは、図5に示すように、それぞれの減光部41〜43の配置位置がセット位置に設定され、それぞれの遮光部44及び45の配置位置がクローズ位置に設定される。また、減光遮光モードでは、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2におけるインターロックスイッチの監視がともに無効に設定され、パワーアンプの駆動が無しに設定される。これら設定情報は、例えば、制御部14の内部メモリに記憶される。
制御部14は、減光遮光モードの設定情報を取得すると、取得した減光遮光モードの設定情報に基づいて、それぞれの減光部41〜43をセット位置に設定するとともに、それぞれの遮光部44及び45をクローズ位置に設定する。また、制御部14は、それぞれのインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20における検知信号の出力の監視を無効に設定した後、ステップSP24に進む。
ステップSP24において、制御部14は、複数のパワーアンプPA1〜PA4のそれぞれを駆動することなく、レーザ装置2の第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33をそれぞれ駆動する。
上記のように、ステップSP14において減光部41及び42はそれぞれセット位置に移動している。このため、図3に示すように、第1プリパルスレーザ部31から出射したレーザ光PL1と、第2プリパルスレーザ部32から出射したレーザ光PL2とは、減光された後にビームコンバイナBCに入射する。また上記のように、ステップSP14において遮光部44はクローズ位置に移動している。このため、ビームコンバイナBCから出射したレーザ光PL1及びレーザ光PL2を含むレーザ光PLは、遮光部44により遮光される。
また上記のように、ステップSP14において減光部43はセット位置に移動し、遮光部45はクローズ位置に移動している。さらに、複数のパワーアンプPA1〜PA4がそれぞれ駆動されることなく、マスターオシレータ33が駆動されている。このため、マスターオシレータ33から出射したレーザ光MLは、複数のパワーアンプPA1〜PA4によりそれぞれ増幅されることなく減光部43で減光され、光路調整部34を経由した後、遮光部44により遮光される。従って、図5における減光遮光モードの簡易図の欄からも理解し得るように、減光遮光モードでは、第1のエリアAR1におけるレーザ光Lの発振源とクローズ位置に設定される遮光部44及び45との間にのみ低パワーのレーザ光Lが伝搬する。
また、制御部14は、ステップSP14においてそれぞれのインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20における検知信号の出力の監視を無効に設定している。従って、ステップSP24において、制御部14は、インターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20から検知信号の出力を検出しても、第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33をそれぞれ駆動し続ける。このように減光遮光モードでは、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2ともに、それぞれの扉D1〜D7の開放動作と、それぞれの光路管T1〜T8の撤去動作が許可される。
次に、上記のステップSP11〜SP14のそれぞれにおいて減光部41〜43及び遮光部44及び45の位置を設定するとともに、検知信号の出力の監視を有効又は無効に設定する具体的な設定処理ルーチンを説明する。ただし、ステップSP11〜SP14のそれぞれにおける設定処理ルーチンでは、減光部41〜43及び遮光部44及び45に対して設定する位置と、検知信号の出力の監視の種別が異なるものの、当該設定処理ルーチンの内容は同じとなる。従って、ステップSP12における設定処理ルーチンについてのみ説明する。
図6は、設定処理ルーチンを示すフローチャートである。図6に示すように、制御部14は、ステップSP12で減光モードの設定情報を取得すると、設定処理ルーチンを開始し、ステップSP31に進む。
ステップSP31において、制御部14は、ステップSP12で取得した減光モードの設定情報に基づいて、複数の減光部41〜43の設定位置がセット位置であり、遮光部44及び45の設定位置がオープン位置であることを認識する。そして、制御部14は、それぞれの減光部41〜43に対してセット位置に移動する移動指令を与えるとともに、それぞれの遮光部44及び45に対してオープン位置に移動する移動指令を与えた後、ステップSP32に進む。
ステップSP32において、制御部14は、ステップSP31で移動指令を与えたそれぞれの指令対象が移動指令を与えてから規定時間内に移動し終えたか否かを判定する。例えば、制御部14は、それぞれの減光部41〜43のセット位置及びリムーブ位置に設けられるインターロックスイッチS21〜S26と、それぞれの遮光部44及び45のクローズ位置及びオープン位置に設けられるインターロックスイッチS27〜S30とからの検知信号の出力を監視する。そして制御部14は、移動指令を与えてから規定時間内に検知信号を出力するインターロックスイッチの有無を検出することで、当該規定時間内に移動し終えたか否かを判定し得る。なお、インターロックスイッチS21〜S30に代えて、それぞれの指令対象に対して問合信号を送信し、当該指令対象から問合信号に対する応答信号を受信するポーリング通信方式が用いられてもよい。このようにしても、指令対象が移動指令を与えてから規定時間内に移動し終えたか否かを判定し得る。なお、規定時間は、例えば10秒程度とされる。
ここで、ステップSP31で移動指令を与えたそれぞれの指令対象の全てが規定時間内に移動し終えている場合、制御部14は、ステップSP33に進む。ステップSP33において、制御部14は、ステップSP12で取得した減光モードの設定情報に基づいて、それぞれのインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20における検知信号の出力の監視を無効に設定する。その後、制御部14は、上記のステップSP23に進む。
これに対し、ステップSP31で移動指令を与えたそれぞれの指令対象のうち規定時間内に移動し終えていない指令対象が1つでもある場合、当該指令対象では故障等の動作異常が生じている可能性がある。この場合、制御部14は、ステップSP34に進む。ステップSP34において、制御部14は、動作異常が生じている可能性がある旨の警報を発信する。その後、制御部14は、上記のステップSP23に進むことなく、制御処理ルーチンを終了する。つまり、制御部14は、動作異常が生じている可能性がある旨の警報を発信した場合には、第1プリパルスレーザ部31、第2プリパルスレーザ部32及びマスターオシレータ33を駆動することなく停止し続ける。
なお、検知信号の出力の監視を無効に設定する場合、図7に示すように、ステップSP31とステップSP33との間に、当該設定をするか否かをオペレータが入力し得る新たなステップSP41が設けられてもよい。
ステップSP41において、制御部14は、例えば、検知信号の出力の監視を無効に設定する確認メッセージを表示装置に表示し、検知信号の出力の監視を無効に設定するか否かの入力を待機する。入力装置は、例えば、第1のエリアAR1又は第2のエリアAR2に設けられる物理的なスイッチであってもよく、表示装置の表示画面上のボタンであってもよい。ここで、オペレータが検知信号の出力の監視を無効に設定する入力をした場合、制御部14は、上記のステップSP33に進む。これに対し、オペレータが検知信号の出力の監視を無効に設定しない入力をした場合、制御部14は、ステップSP42に進んで、検知信号の出力の監視を有効に設定する。このようにすれば、監視を無効にするか否かをオペレータが直接的に入力するため、当該オペレータが意図しない監視の無効化を回避し得る。
4.3 作用・効果
以上説明したように、実施形態の極端紫外光生成システム103は、第1のエリアAR1と第2のエリアAR2とを備える。第1のエリアAR1は、発振器であるマスターオシレータ33から出射するレーザ光MLの光路を調整する光路調整部34、及び、第1のインターロックスイッチS2〜S7,S13〜S16,S18,S20を含む。第2のエリアAR2は、レーザ光MLの照射ターゲットであるターゲット物質のプラズマ化によりEUV光を生成するプラズマ生成領域21を内部に有するチャンバ11、及び、第2のインターロックスイッチS1,S11,S12,S17,S19を含む。
実施形態の極端紫外光生成システム103は、制御部14を備える。本実施形態では制御部14は第2のエリアAR2に含まれるが、上記のように第1のエリアAR1に含まれていてもよく、当該第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2以外に配置されていてもよい。
制御部14は、図5に示すように、第1の設定状態である通常モードと、第2の設定状態の1つである減光モードと、第3の設定状態である遮光モードとを切り替え可能に構成される。
通常モードでは、第1のインターロックスイッチS2〜S7,S13〜S16,S18,S20から出力される信号の監視、及び、第2のインターロックスイッチS1,S11,S12,S17,S19から出力される信号の監視の双方が有効に設定される。この通常モードでは、第1のエリアAR1と第2のエリアAR2との双方のインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20に対する監視が有効である。このため、極端紫外光生成システム103は、通常モードでは、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2の双方に進入しないで作業し得る作業環境を提供し得る。
減光モードでは、第1のインターロックスイッチS2〜S7,S13〜S16,S18,S20から出力される信号の監視、及び、第2のインターロックスイッチS1,S11,S12,S17,S19から出力される信号の監視の双方が無効に設定される。この遮光モードでは、第1のエリアAR1と第2のエリアAR2との双方のインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20に対する監視が無効である。このため、極端紫外光生成システム103は、減光モードでは、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2の双方に進入して作業し得る作業環境を提供し得る。
遮光モードでは、第1のインターロックスイッチS3〜S7,S13〜S16,S18,S20から出力される信号の監視が有効に設定され、第2のインターロックスイッチS1,S11,S12,S17,S19から出力される信号の監視が無効に設定される。この遮光モードでは、少なくとも第2のエリアAR2のインターロックスイッチS1,S11,S12,S17,S19の監視が無効である。このため、極端紫外光生成システム103は、遮光モードでは、第1のエリアAR1には進入しないで作業しつつも第2のエリアAR2には進入して作業し得る作業環境を提供し得る。
このように極端紫外光生成システム103は、通常モードと減光モードと遮光モードとを切り替え可能に構成される制御部14を備えることで、異なる種類の作業可能な作業環境を提供することができる。また極端紫外光生成システム103は、作業の種類に応じて通常モードと減光モードと遮光モードとを切り替えることもできる。こうして、より多様な作業を行わせ得る極端紫外光生成システム103が提供される。
また、本実施形態の第1のエリアAR1は、減光部43を更に含む。この減光部43は、レーザ光MLの光路のうち光路調整部34に対してレーザ光MLが入射する側となる所定のセット位置と、当該光路以外のリムーブ位置とに可動し、セット位置ではレーザ光MLを減光する。
このため、減光部43がセット位置にある場合には、当該減光部43により減光された低パワーのレーザ光MLが光路調整部34に入射する。従って、第1のエリアAR1の第1のインターロックスイッチS2〜S7,S13〜S16,S18,S20に対する監視を無効にすれば、第1のエリアAR1内の光路調整部34を用いて、プラズマ生成領域21に対するレーザ光MLの光軸を調整し得る。
第1のエリアAR1は、遮光部45を更に含む。この遮光部45は、レーザ光MLの光路上において光路調整部34に対してレーザ光MLが出射する側となる所定のクローズ位置と、当該光路以外のオープン位置とに可動し、クローズ位置ではレーザ光MLを遮光する。
このため、遮光部45がクローズ位置にある場合には、当該遮光部45によりレーザ光MLが第1のエリアAR1内で遮光され、当該レーザ光MLは第2のエリアAR2に非入射の状態となる。従って、第2のエリアAR2のインターロックスイッチS1,S11,S12,S17,S19に対する監視を無効にすれば、第2のエリアAR2でチャンバ11のメンテナンス等の作業を実施し得る。
また、本実施形態の通常モードでは、減光部43はリムーブ位置に設定され、遮光部45はオープン位置に設定される。
このため、通常モードでは、レーザ光MLが減光又は遮光されることなくチャンバ11内のプラズマ生成領域21に照射される。上記のように、通常モードでは、第1のエリアAR1と第2のエリアAR2との双方のインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20に対する監視が有効である。従って、極端紫外光生成システム103は、図5の作業例に示すように、例えば、EUV発光、プラズマ点出力計測、レーザ出力計測、スポット重心位置調整、あるいは、制御特性調整などの作業を実施する作業環境を提供し得る。
なお、EUV発光は、ドロップレットDLに対してレーザ光MLを照射することである。また、プラズマ点出力計測はチャンバ2に設けられる計測器を用いてプラズマ生成領域21で放射する光のパワーを計測することであり、レーザ出力計測は当該計測器を用いてチャンバ11内に入射するレーザ光L1のパワーを計測することである。また、スポット重心位置調整は、レーザ集光光学系22の集光位置が目標位置に集光するようステージSTを調整することである。制御特性調整は、制御部14を含む制御系の制御が所望となるように調整することである。
また、本実施形態の減光モードでは、減光部43はセット位置に設定され、遮光部45はオープン位置に設定される。
このため、減光モードでは、減光部43により減光された低パワーのレーザ光MLが光路調整部34を経由して第2のエリアAR2のチャンバ11内のプラズマ生成領域21に照射される。上記のように、減光モードでは、第1のエリアAR1と第2のエリアAR2との双方のインターロックスイッチS1〜S7,S11〜S20に対する監視が無効である。従って、極端紫外光生成システム103は、図5の作業例に示すように、光路調整部34を用いて、プラズマ生成領域21に対するレーザ光MLの光軸を調整する作業環境を提供し得る。
また、本実施形態の遮光モードでは、減光部43はリムーブ位置に設定され、遮光部45はクローズ位置に設定される。
このため、遮光モードでは、遮光部45によりレーザ光MLが第1のエリアAR1内で遮光され、当該レーザ光MLは第2のエリアAR2に非入射の状態となる。上記のように、遮光モードでは、少なくとも第2のエリアAR2のインターロックスイッチS1,S11,S12,S17,S19に対する監視が無効である。従って、極端紫外光生成システム103は、第2のエリアAR2ではチャンバ11のメンテナンス等の作業を実施する一方、第1のエリアAR1ではレーザ光MLのパワー計測等の作業を実施する作業環境を提供し得る。この作業環境によれば、第1のエリアAR1と第2のエリアAR2とで個別に異なる作業を同時期に実施でき、当該作業の効率化を図り得る。
また、本実施形態の制御部14は、通常モード、減光モード及び遮光モードに加えて、上記の第2の設定状態の他の1つである減光遮光モードも切り替え可能に構成される。この減光遮光モードでは、減光部43はセット位置に設定され、遮光部45はクローズ位置に設定される。
この減光遮光モードは、上記の減光モードと遮光モードを組み合わせた状態となる。従って、上記のように、第2のエリアAR2ではチャンバ11のメンテナンス等の作業を実施する一方、第1のエリアAR1では光路調整部34を用いて、プラズマ生成領域21に対するレーザ光MLの光軸を調整する作業環境が提供され得る。
また、本実施形態の制御部14は、図6を用いて説明したように、減光部43と遮光部45との少なくとも一方を指令対象として移動指令を与え、当該移動指令を与えてから規定時間内に指令対象が移動し終えていない場合には、発振器であるマスターオシレータ33を停止する。
なお、指令対象が移動指令を与えてから規定時間内に移動し終えたか否かを判定する場合、本実施形態では、ポーリング通信方式ではなく、インターロックスイッチが用いられる。すなわち、本実施形態では、第1のエリアAR1は、減光部43の動作異常の状態を検知して検知信号を出力する減光部用のインターロックスイッチS25,S26を含む。また、第1のエリアAR1は、遮光部45の動作異常の状態を検知して検知信号を出力する遮光部用のインターロックスイッチS29,S30を含む。制御部14は、減光部43と遮光部45との少なくとも一方の指令対象から検知信号が出力された場合には、マスターオシレータ33を停止する。
このようにした場合、減光部43により減光される予定のレーザ光MLが減光されない、あるいは、遮光部45により遮光される予定のレーザ光MLが遮光されないといった不慮の事態が生じることを事前に回避し得る。
また、本実施形態の制御部14は、図7を用いて説明したように、検知信号の出力の監視を無効に設定する場合、当該設定前に確認メッセージを表示装置に表示し、検知信号の出力の監視を無効に設定するか否かについての入力を待機する。
このようにすれば、監視を無効にするか否かをオペレータが直接的に入力するため、当該オペレータが意図しない監視の無効化を回避し得る。
なお、本実施形態では、第1のエリアAR1は、パワーアンプPA1〜PA4を更に含む。パワーアンプPA1〜PA4は、減光部43と発振器であるマスターオシレータ33との間に設けられており、パワーアンプPA1〜PA4は、通常モード及び遮光モードでは駆動され、減光モードでは停止される。
上記のように、減光モードでは、光路調整部34を用いて、プラズマ生成領域21に対するレーザ光MLの光軸を調整し得るため、パワーアンプPA1〜PA4が停止されることが好ましい。ただし、減光モードにおいて減光部43に入射する時点のレーザ光MLの強度が、通常モードのときの強度よりも小さければ、パワーアンプPA1〜PA4を停止することに限定されない。例えば、複数のパワーアンプPA1〜PA4のうち一部だけが停止されてもよく、それぞれのパワーアンプPA1〜PA4が通常モードのときの増幅度よりも小さい増幅度で増幅するようにしてもよい。あるいは、マスターオシレータ33が通常モードのときのレーザ光MLの強度よりも小さい強度で出射するようにしてもよい。なお、減光モードにおいて減光部43に入射する時点のレーザ光MLの強度が、通常モードのときの強度よりも小さければ、減光部43がリムーブ位置にあってもよい。
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態や変形例に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
1・・・極端紫外光生成装置、2・・・レーザ装置、11・・・チャンバ、14・・・制御部、21・・・プラズマ生成領域、31・・・第1プリパルスレーザ部、32・・・第2プリパルスレーザ部、33・・・マスターオシレータ、34・・・光路調整部、41〜43・・・減光部、44,45・・・遮光部、D1〜D7・・・扉、H1〜H4・・・ハウジング、PA1〜PA4・・・パワーアンプ、S1〜S7,S11〜S30・・・インターロックスイッチ、T1〜T8・・・光路管