JP6794948B2 - 微粉炭の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、効率的に微粉炭を製造することができる、微粉炭の製造装置及び製造方法を提供することを目的としている。
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る微粉炭の製造装置1について説明する。本実施形態に係る微粉炭の製造装置1は、図1に示すように、給炭機2と、ローラミル3と、微粉炭搬送経路4と、バグフィルタ5と、貯蔵ホッパ6と、排ガス循環経路7と、吸引ブロア8と、バーナ9と、排ガス放散経路10と、煙突11と、不活性ガス供給経路12と、搬送ガス供給経路13とを備える。
ローラミル3は、内部に設けられたロールを用いて、給炭機2から供給される石炭を粉砕する粉砕機である。ローラミル3にて粉砕された石炭は、粒径が74μm以下75mass%±5mass%程度の微粉炭となる。また、ローラミル3は、搬送ガス供給経路13及び微粉炭搬送経路4にそれぞれ接続され、搬送ガス供給経路13から供給される搬送ガスとともに、粉砕された微粉炭を微粉炭搬送経路4に送る。
バグフィルタ5は、微粉炭搬送経路4から供給される、搬送ガスと微粉炭とを分離し、微粉炭を捕集する耐熱性の隔離式フィルタである。
貯蔵ホッパ6は、バグフィルタ5の下方に設けられる貯蔵槽であり、バグフィルタ5にて捕集された微粉炭を回収して貯蔵する。
排ガス放散経路10は、排ガス循環経路7を流動する排ガスの一部を、煙突11へと送るパイプである。排ガス放散経路10には、排ガス放散経路10を流動する排ガスの流量を調整する放散弁18と、排ガスの流量を測定する流量計19とが設けられる。
煙突11は、排ガス放散経路10から供給される排ガスを外部へ放散する。
次に、本実施形態に係る微粉炭の製造方法について説明する。本実施形態では、まず、給炭機2からローラミル3へ原料となる石炭を供給し、ローラミル3にて石炭を粉砕して粒径が74μm以下75mass%±5mass%程度の微粉炭とする。
次いで、ローラミル3に搬送ガスを供給することで、粉砕した微粉炭をバグフィルタ5まで搬送する。搬送ガスは、微粉炭を搬送するガスであり、バーナ9の燃焼によって発生する燃焼ガスと、不活性ガスを含む排ガスからとからなる。また、搬送ガスは、高温のガスであり、搬送する微粉炭を加熱することで微粉炭を乾燥する。
不活性ガス調整機構20による不活性ガス流量の調整方法について説明する。不活性ガス調整機構20では、制御部が、給炭機2の給炭量に基づいて、予め設定された給炭量と不活性ガス流量との関係から不活性ガスの流量を決定し、排ガス循環経路7に供給される不活性ガスの流量を、調整弁を用いて調整する。なお、給炭量と不活性ガス流量との関係は、給炭量が多くなるにしたがって不活性ガスの流量が多くなる関係であり、給炭量に応じて算出される排ガスの水分が結露しない程度の不活性ガス流量として、以下の計算方法で算出される。
図3に示す方法では、はじめに、ローラミル3の出側の温度である出側温度を算出する(S100)。なお、後述するように、ステップS102及びS104の判断において、条件を満たさない場合、ステップS100は繰り返し行われることとなる。このため、1回目のステップS100では、燃料ガス及び不活性ガスの流量が任意に設定された初期条件で出側温度が算出される。一方、2回目以降のステップS100では、直前のステップにて燃料ガス及び不活性ガスの流量の少なくとも一方が変更された条件で出側温度が算出される。
ステップS102にて出側温度が基準温度でないと判断された場合、直前のステップS100で算出される出側温度が基準温度よりも高いか否かが判断される(S104)。なお、ステップS102にて、基準温度として所定の温度範囲を用いた場合には、出側温度が所定の温度範囲よりも高いか否かが判断される。
ステップS112にて水分が上限量よりも多いと判断された場合、不活性ガス供給経路12から排ガス循環経路7に供給される不活性ガスの流量が所定量だけ上げられる(S114)。一方、ステップS112にて水分が上限量よりも少ないと判断された場合、不活性ガス供給経路12から排ガス循環経路7に供給される不活性ガスの流量が所定量だけ下げられる(S116)。ステップS114,S116の後は、調整された不活性ガスの流量を計算条件として、ステップS100以降の処理が繰り返し行われる。ステップS110〜S116の処理では、水分が上限量となるまで、不活性ガスの流量を可変として、排ガスの水分の計算が繰り返し行われる。なお、ステップS114,S116における流量の調整量は、ステップS100〜S116の処理にて水分が上限量または所定の量範囲に収束可能なように設定される。
複数の給炭量毎に不活性ガスの流量が算出された後、算出結果から給炭量と不活性ガスの流量との関係が算出される。この際、給炭量に対する不活性ガスの流量のグラフについて、複数の給炭量における算出結果を直線近似することで、給炭量と不活性ガスの流量との関係が算出されてもよい。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
(1)本発明の一態様に係る微粉炭の製造装置1は、ローラミル3で石炭を粉砕して微粉炭とし、粉砕された微粉炭を搬送ガスで乾燥させながらバグフィルタ5に搬送し、搬送された微粉炭をバグフィルタ5で捕集する、微粉炭の製造装置1であって、微粉炭が捕集された後の搬送ガスである排ガスを回収して循環搬送する排ガス循環経路7と、排ガス循環経路7に接続され、排ガス循環経路7に不活性ガスを供給する不活性ガス供給経路12と、排ガス循環経路7から供給され、不活性ガスを含む排ガスと、バーナ9で発生する燃焼ガスと、を搬送ガスとしてローラミルに供給する搬送ガス供給経路13と、ローラミル3に石炭を供給する速度である給炭量に応じて、給炭量が少なくなるほど不活性ガスの供給量が少なくなるように、且つ排ガス循環経路7にて結露が発生しないように、不活性ガスの供給量を調整する不活性ガス調整機構20と、を備える。
上記(2)の構成によれば、排ガスの温度及び水分を条件として得られる、給炭量と不活性ガスとの関係を用いることで、排ガスの水分を結露が発生しない上限量に調整することができ、不活性ガスの使用量をさらに低減することができる。
上記(3)の構成によれば、上記(1)と同様な効果を得ることができる。
基準温度(温度範囲):94.9℃〜95.5℃
排ガスの水分の上限量(上限範囲):19.8vol%〜20.2vol%
燃料ガスの熱量:831kcal/Nm3
石炭の水分:11mass%
乾燥後の微粉炭の水分:1mass%
ローラミル3出側の排ガスの流量:約78000Nm3/h
2 給炭機
3 ローラミル
4 微粉炭搬送経路
5 バグフィルタ
6 貯蔵ホッパ
7 排ガス循環経路
8 吸引ブロア
9 バーナ
10 排ガス放散経路
11 煙突
12 不活性ガス供給経路
13 搬送ガス供給経路
14 露点計
15 流量計
16 吸引ダンパ
17 循環弁
18 放散弁
19 流量計
20 不活性ガス調整機構
Claims (3)
- ローラミルで石炭を粉砕して微粉炭とし、粉砕された前記微粉炭を搬送ガスで乾燥させながらバグフィルタに搬送し、搬送された前記微粉炭を前記バグフィルタで捕集する、微粉炭の製造装置であって、
前記微粉炭が捕集された後の前記搬送ガスである排ガスを回収して循環搬送する排ガス循環経路と、
前記排ガス循環経路に接続され、前記排ガス循環経路に不活性ガスを供給する不活性ガス供給経路と、
前記排ガス循環経路から供給され、前記不活性ガスを含む前記排ガスと、バーナで発生する燃焼ガスと、を前記搬送ガスとしてローラミルに供給する搬送ガス供給経路と、
前記ローラミルに石炭を供給する速度である給炭量に基づいて、予め設定された給炭量と不活性ガス流量との関係から前記不活性ガスの流量を決定して調整する不活性ガス調整機構と、
を備え、
前記不活性ガス調整機構は、前記不活性ガスの流量を調整する際に、
前記ローラミルの出側の温度である出側温度が基準温度であるか否かを判断し、
前記出側温度が前記基準温度であると判断された場合、前記排ガスの水分が、前記不活性ガス供給経路との接続位置近傍における温度の飽和水蒸気比率程度として設定される値である上限量か否かを判断し、
前記排ガスの水分が上限量よりも多いと判断された場合、前記不活性ガスの流量を所定量だけ上げ、前記排ガスの水分が前記上限量よりも少ないと判断された場合、前記不活性ガスの流量を所定量だけ下げることを特徴とする微粉炭の製造装置。 - 前記不活性ガス調整機構は、前記排ガス循環経路にて結露を発生させずに、前記微粉炭を乾燥可能な前記排ガスの温度及び水分を条件とした熱バランスを用いて得られる、前記給炭量と前記不活性ガスの流量との関係から、前記排ガス循環経路に供給する前記不活性ガスの流量を決定することを特徴とする請求項1に記載の微粉炭の製造装置。
- ローラミルにて石炭を粉砕して微粉炭とし、粉砕された前記微粉炭を搬送ガスで乾燥させながらバグフィルタに搬送し、搬送された前記微粉炭を前記バグフィルタで捕集する、微粉炭の製造方法であって、
排ガス循環経路にて、前記バグフィルタによる前記微粉炭の捕集後の前記搬送ガスである排ガスを回収して循環搬送し、
前記排ガス循環経路に接続される不活性ガス供給経路にて、前記排ガス循環経路に不活性ガスを供給し、
搬送ガス供給経路にて、前記排ガス循環経路から供給され、前記不活性ガスを含む前記排ガスと、バーナで発生する燃焼ガスと、を前記搬送ガスとしてローラミルに供給し、
前記不活性ガスを供給する際に、前記ローラミルに石炭を供給する速度である給炭量に基づいて、予め設定された給炭量と不活性ガス流量との関係から前記不活性ガスの流量を決定して調整する、
前記不活性ガスの流量を調整する際に、
前記ローラミルの出側の温度である出側温度が基準温度であるか否かを判断し、
前記出側温度が前記基準温度であると判断された場合、前記排ガスの水分が、前記不活性ガス供給経路との接続位置近傍における温度の飽和水蒸気比率程度として設定される値である上限量か否かを判断し、
前記排ガスの水分が上限量よりも多いと判断された場合、前記不活性ガスの流量を所定量だけ上げ、前記排ガスの水分が前記上限量よりも少ないと判断された場合、前記不活性ガスの流量を所定量だけ下げることを特徴とする微粉炭の製造方法。
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