JP6793417B1 - 接地態様評価システム、履物、情報処理サーバ、接地態様評価方法、および接地態様評価プログラム - Google Patents
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このような要望を叶えるシステムとして、下記特許文献1には、脚部に加速度センサを設け、脚部の加速度の変化を解析することで、ユーザの歩容を評価するシステムが開示されている。
接地態様評価システムは、例えばランニング愛好者であるユーザPが、走行中の足部の接地の態様を把握するために用いられるシステムである。
一般的には、ランニング初級者ほど、踵部分からの接地(以下、ヒールストライクと呼ぶ)になりやすく、ランニングの習熟度が向上するほど、接地部分が足部の前方に変化するといわれている。そしてランニング上級者は、つま先部分からの接地(以下、フォアフットと呼ぶ)を行うことが多い。
フォアフットは、つま先部分から着地することで、着地時にブレーキがかかりにくく、足首や踵を使って着地時の衝撃を緩和することができるため、効率の良い着地法とされている。しかしながら、脚部の筋力を要するため、ランニング初級者がこの着地方法を常に実現するのは難しい。
ユーザ端末5、20は、ユーザPが使用する端末であり、例えば個人で所有するパソコン5や、タブレット、スマートフォン等の情報処理端末20である。
具体的には、ネットワーク40は、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)、LTE−Advanced、第4世代(4G)、第5世代(5G)、CDMA(code division multiple access)、WCDMA(登録商標)、イーサネット(登録商標)などである。
本実施形態では、履物10は、ユーザPが足に装着するものである。履物10は、一例としてランニング用シューズであるが、これに限定するものではない。履物10は、ランニング用シューズ以外に、例えば、スニーカー、革靴、パンプス、サンダルなどのランニング以外の用途に用いられるものであってもよい。
履物用モジュール101は、履物10の内側におけるソール部分の中央部に配置される(図4参照)。そして、履物用モジュール101は、充電のためにソール部分から取り外し可能とされている。この場合には、履物用モジュール101は充電用端子を備えている。
図2に示すように、履物用モジュール101が取得した情報は、情報処理端末20に伝達される。情報処理端末20は、例えば、PC、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機などの機器により実現することができるコンピュータである。
図3は、履物10に収容(搭載)される履物用モジュール101、および、情報処理端末20それぞれの機能構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、履物用モジュール101は、電源部11と、制御部12と、通信部13と、記憶部16と、センサ部17と、出力部18を備える。
電源部11は、例えば、マンガン電池、アルカリ電池、リチウムイオン電池などにより実現することができるが、電力を供給することができれば、これらに限定するものではない。
制御部12は、センサ部17から伝達されたセンシングデータを、情報処理端末20に送信するよう、通信部13(送信部15)に指示する。
受信部14は、情報処理端末20からの信号を受信し、受信した信号を復号して、制御部12に伝達する。
すなわち、履物10が接地する際に地面から受ける衝撃により、履物10が変形することで、履物10の内部の気圧が変動する。気圧センサは、収容部501内の気圧変化を検知することにより、履物10の内部の気圧の変動を、時系列に沿って検知することができる。
また、角速度センサは、当該3軸各々の回転角を検出することができる。この場合には、加速度センサと角速度センサにより、6軸の変位を検知できるセンサとなっている。
センサ部17は、得られたセンシングデータを制御部12に伝達する。センサ部17は、履物10の状態や履物10の外部環境を検知できるその他のセンサを有していてもよい。
また、センサ部17に設けた各種のセンサにより、ユーザPの体温、心拍数などを検知してもよい。
入力部21は、ユーザPからの入力を受け付ける機能を有する。入力部21は、例えば、ハードウェアキーやタッチパネルなどにより実現することができるが、これらに限定されるものではない。入力部21は、ユーザPから受け付けた入力内容を制御部25に伝達する。
表示部23は、例えば、ユーザPの歩行の状態を表示したり、歩行方法を教示する情報を表示したりすることができる。
図4(a)に示すように、履物10は、履物10の上側に位置し、履物10を装着するユーザPの足の甲を覆って固定するアッパー部301と、履物10の底面側であって、衝撃を吸収する機能を有するソール部302と、から構成されている。
なお、ソール部302上に設けられるインナーソールを取り外して、履物用モジュール101を挿入できるように構成してもよい。
なお、当該端子は、有線給電の場合を一例として示しているが、これは有線給電である必要はなく、無線給電であってもよい。
図5(a)に示すように、履物10において、ソール部302に、履物用モジュール101が収容される。底部を構成するソール部302には、上方に向けて開口する収容部501が形成されている(図6参照)。収容部501は、底部のうち、ユーザPの足部における足底弓蓋(土踏まず)に対応する位置に設けられている。言い換えれば、収容部501は、ユーザPの足部における足底弓蓋と、前後方向の位置が同等となっている。
図5(a)に示すように、溝部401を設けていない箇所であって、ソール部302の内部のユーザPの土踏まずと上下方向に対向する位置に、収容部501が形成されている。なお、履物用モジュール101を挿入できる十分なスペースがあれば、収容部501の場所は、任意に変更してもよい。例えば、履物用モジュール101を、履物10のヒール部やタン部に設けてもよい。
リブ402、403は、ソール部302のユーザPのつま先側であって、溝部401よりも外周側に設けられている。これにより、履物10に対する履物10の先端部に加えられる衝撃を吸収し、溝部401に設けられる出力部18が故障する可能性を低減するとともに、ユーザPの足にかかる負担を軽減することができる。同様に、リブ404、405も履物10の中央に位置し、履物10にかかる衝撃を吸収し、溝部401に設けられる出力部18が故障する可能性を低減するとともに、ユーザPの足にかかる負担を軽減することができる。
ソール部302は、透明又は半透明の衝撃吸収性の高い樹脂などにより構成されるので、LEDテープの発光を透過し、その結果、その底面が発光する履物10を提供することができる。
図6は、ソール部302の構造をよりわかりやすくするために設けたソール部302の斜視図であって、左足用のソール部302aを示す図である。ここには示していないが、右足用のソール部302bは、左足用のソール部302aと左右対称となる構成を有する。また、図6では、リブ等は省略していることに留意されたい。
LEDテープである出力部18は、溝部401に載置され、ソール部302の底面の外周部分に設けられることになる。また、履物用モジュール101は、ソール部302に設けられた収容部501に設けられる。
図5(a)に示されるように、左足用ソール部302aの収容部501においては、突出部502は、足の内側から外側に向かって突出する。即ち、図5(a)に示すように、左足用ソール部302aの収容部501と、右足用ソール部302bの収容部501は、互いに、左右対称となる構造をとる。したがって、それぞれのソール部302において、ユーザPは、履物用モジュール101をどの方向で、どの向きに挿入するのかを迷わずに挿入することができる。
履物用モジュール101は、筐体内に、電源部111、制御部112、通信部113、記憶部116、センサ部17が設けられてなる。履物用モジュール101の筐体は、耐衝撃性が高く、人が体重をかけても損壊しない強度の構造を有していることが望ましく、例えば、ポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックから成ることとしてよい。
センサ部17が有する気圧センサは、履物用モジュールにおける後側に配置されている。そして、センサ部17は、開口部102と同様に後方に向けて開口し、開口部102を通過した空気の気圧を計測するように配置されている。
情報処理サーバ100は、ユーザPの足部の接地態様を評価するシステムにおけるセンシングデータの処理を行う装置である。
ランナーデータベース30には、複数のランナーにおける接地態様として、複数のランナーが履物10を使用した状態で検知した気圧情報および加速度、角速度情報が蓄積されている。ランナーデータベース30に蓄積された情報を、情報処理サーバ100における処理部130で使用することができる。
データ入力部110は、図1に示すネットワーク40を介して、ユーザ端末5、20から、各種のセンシングデータを受信する通信インターフェースである。各種のデータとしては、センサ情報およびランナー情報が含まれる。
情報処理サーバ100は、記憶部120に記憶された制御プログラムを実行することで、実現すべき各機能を実現することとしてよい。ここでいう各機能とは、気圧検出機能、センサ情報取得機能、および接地態様分類機能を少なくとも含んでいる。
処理部130は、センサ情報取得部131と、接地態様分類部132と、を備えている。
センサ情報取得部131は、気圧センサにより検出した履物10内の気圧変化を示す気圧情報を取得する。また、センサ情報取得部131は、加速度センサや角速度センサといった動きセンサが検出した履物10の動きを示す姿勢情報を取得する。
具体的には、接地態様分類部132は、気圧情報のうち、周期的に大きな値を示す部分を着地タイミングとして特定し、着地タイミングの直後における気圧の減少の程度を評価することで、足部の接地の態様を分類する。この処理の詳細については後述する。
図9に示すように、接地態様評価システム1の処理では、まず、履物10を使用したユーザPが走行している状態において、履物10に内蔵されたセンサ部17が有する気圧センサにより気圧を検出する(気圧検出ステップ:S10)。
次に、センサ情報取得部131が、気圧検出ステップにより検出した履物10内の気圧変化を示す気圧情報を取得する(気圧情報取得ステップ:S20)。
ここで、図10から図12を用いて、接地態様分類ステップにおける処理内容を詳述する。
次に、図10に示すように、基準値に対して、所定量のオフセットを行い、上方閾値および下方閾値を設定する(S32)。
次に、極小値の時刻に対して、差分時間遡った時間帯(t−Δt)において、気圧情報が上方閾値を超えるかどうかを判断する(S36)。
そして、気圧情報が上方閾値を超えない場合(S36のNo)には、S33に戻り、時刻が後の気圧情報について順次確認する。
ここで、気圧情報が上方閾値を超えた場合(S41のYes)には、接地態様をフォアフットと判断する(S42)。この際、この上方閾値を超えた部分の極大値の時刻が、着地したタイミングと判断することができる。そして、気圧情報が上方閾値を超えない場合(S41のNo)には、S33に戻り、時刻が後の気圧情報について順次確認する。
そして、ヒールストライクで着地をする場合は、後足部のみで着地の衝撃を受け止め、ソールが強く圧縮されるため、負圧がフォアフットに比べると強く発生する。一方フォアフットの場合には、前足部で先行して着地した後に、足部のアーチや足首によって衝撃を吸収しながらソール全体を着地させるため、ソールの圧縮も起こりにくく、履物10の内部での負圧の発生が、ヒールストライクに比べると小さくなるものと考えられる。
一方、接地態様分類部132における分類処理は、取得した気圧情報に対してリアルタイムで行わなくてもよい。例えば、走行中の気圧情報を、走行後に全て取得したのちに、接地態様分類部132による分類処理をオフラインで行ってもよい。このような場合について、図13を用いて説明する。図13は変形例に係る接地態様分類ステップにおける処理を説明するフロー図である。なお、図13の説明では、図10と同一の部分については同じ符号を付し、その説明を省略する。
そして、気圧情報の極大値が、上方閾値よりも高い場合(S53のYes)には、その時刻を着地のタイミングであると判断する。一方、気圧情報の極大値が、上方閾値よりも高くない場合(S53のNo)には、評価した気圧情報の後の時刻について評価を行う。
評価を気圧情報の最終時刻まで行うため、気圧情報が終了時刻に至っているかどうかを判断する(S62)。気圧情報が終了時刻に至った場合には、処理を終了する。(S62のYes)気圧情報が終了時刻に至っていない場合には、評価した気圧情報の後の時刻について、極大値が上方閾値よりも高いかどうかを判断する(S62のNo)。これにより、接地態様分類部132による全ての処理が終了する。
また、上記実施形態においては、気圧センサにより検知した気圧データにより、接地態様を分類する構成を示したが、このような機能とともに、気圧センサにより検知した気圧データにより、履物10が位置する標高や、平均路面勾配を評価してもよい。この場合には、大気圧と同等になる遊脚期(足部が地面から離れて浮いている期間)の気圧データを用いることが好ましい。また、平均路面勾配を評価することで、ユーザPの走行経路が、上り坂であるか下り坂であるかを判別することができる。
また、上記実施形態では、収容部501が上方に向けて開口している構成を示したが、このような態様に限られない。収容部501の開口方向は任意に設定することができる。すなわち、収容部501は、内蔵された気圧センサが圧力変動を取得出来るだけの容積と、密閉度が確保出来るのであれば、密閉された空間である必要が無く、任意の形状を選択することができる。
2 接地態様評価システム
10 履物
20 情報処理端末
30 歩容情報データベース
40 ネットワーク
100 情報処理サーバ
131 センサ情報取得部
132 接地態様分類部
Claims (9)
- 気圧を検出する気圧センサを有するセンサ部が内蔵された履物と、
前記気圧センサにより検出した前記履物内の気圧変化を示す気圧情報を取得するセンサ情報取得部と、
前記センサ情報取得部が取得した気圧情報に基づいて、前記履物を使用する使用者の足部の接地の態様を分類する接地態様分類部と、を備えている接地態様評価システム。 - 前記接地態様分類部は、前記気圧情報のうち、周期的に大きな値を示す部分を着地タイミングとして特定し、前記着地タイミングの直後における気圧の減少の程度を評価することで、前記足部の接地の態様を分類することを特徴とする請求項1に記載の接地態様評価システム。
- 前記履物の内部において、底部を構成するソール部には、上方に向けて開口する収容部が形成され、
前記収容部は、前記底部のうち、使用者の足部における足底弓蓋と前後方向に同等となる位置に配置され、
前記センサ部は、前記収容部に収容されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接地態様評価システム。 - 前記気圧センサは、前記センサ部が前記収容部に収容された状態において、前記履物を使用する使用者に対して後方に位置する部分に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の接地態様評価システム。
- 前記センサ部は、前記履物の動きを検出する動きセンサを備え、
前記センサ情報取得部は、前記動きセンサが検出した前記履物の動きを示す姿勢情報を取得し、
前記接地態様分類部は、センサ情報取得部が取得した気圧情報および前記姿勢情報を用いて、前記足部の接地の態様を分類することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の接地態様評価システム。 - 前記請求項1から5のいずれか1項に記載の接地態様評価システムに用いられ、気圧を検出する気圧センサを有するセンサ部が内蔵された履物。
- 前記請求項1から5のいずれか1項に記載の接地態様評価システムに用いられ、
気圧を検出する気圧センサを有するセンサ部が内蔵された履物から、前記気圧センサが検出した前記履物内の気圧変化を示す気圧情報を取得するセンサ情報取得部と、
前記センサ情報取得部が取得した気圧情報に基づいて、前記履物を使用する使用者の足部の接地の態様を分類する接地態様分類部と、を備えている情報処理サーバ。 - コンピュータが、
履物に内蔵されたセンサ部が有する気圧センサにより検出した前記履物内の気圧変化を示す気圧情報を取得するセンサ情報取得ステップと、
前記センサ情報取得ステップにより取得した気圧情報に基づいて、前記履物を使用する使用者の足部の接地の態様を分類する接地態様分類ステップと、を実行する接地態様評価方法。 - コンピュータに、
履物に内蔵されたセンサ部が有する気圧センサにより検出した前記履物内の気圧変化を示す気圧情報を取得するセンサ情報取得機能と、
前記センサ情報取得機能により取得した気圧情報に基づいて、前記履物を使用する使用者の足部の接地の態様を分類する接地態様分類機能と、を実現させる接地態様評価プログラム。
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