JP6792828B2 - 不織布構造体ならびに該構造体を含有する中綿およびクッション材 - Google Patents

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Description

本発明は、吸放湿性繊維を含有する不織布がジグザグに折り畳まれることによって、不織布層が積層された構造が形成されている不織布構造体および該構造体を含有する中綿およびクッション材に関する。
従来から吸放湿性繊維を衣料用や寝具用の中綿に利用することが提案されている(特許文献1)。吸放湿性繊維を用いた中綿は、吸放湿性による湿度調節や吸湿に伴う発熱を利用した保温などの機能が期待されるものである。しかし、吸放湿性繊維は嵩高性や反発性などが低く、中綿へ展開する上での大きな課題となっている。
この課題に対して、特許文献2では、吸放湿性繊維を改質することによって、嵩高性を向上させる技術が開示されている。また、特許文献3では、吸放湿性繊維の捲縮を高めることによって、嵩高性を向上させる技術が開示されている。これらの技術においては、初期の嵩高性は確保できるものの、繰り返し使用や経時によって、嵩高性が低下していく傾向がある。
また、特許文献4では、アクリル系吸放湿繊維と熱接着性複合短繊維からなる不織布をアコーディオン状に折り畳むことで繊維の配向を厚さ方向に揃えた繊維構造体が開示されている。該繊維構造体は嵩高性および嵩高性の維持に優れたものであるが、硬いものとなっているため、衣料用や寝具用の中綿などの用途においては、風合いが良好とは言えない。
特開平10−313995公報 国際公開第2013/002367号パンフレット 国際公開第2015/041275号パンフレット 特開2014−080720号公報
本発明は、上述した現状に鑑みて創案されたものであり、その目的は、吸湿性と嵩高性を有し、風合いがやわらかく、衣料用や寝具用の中綿として好適に利用できる不織布構造体を提供することにある。
本発明者は、上述の目的を達成するために鋭意検討を進めた結果、吸放湿性繊維と熱接着性繊維を含有する不織布をジグザグに折り畳み、折り畳まれることで積層された状態となった各不織布層を直立状態でなく、同一方向に屈曲または湾曲した状態とすることにより、風合いが柔らかくなるとともに、嵩高性も良好な、吸湿性を有する不織布構造体が得られることを見出し本発明に到達した。
即ち、本発明は以下の手段により達成される。
(1) 吸放湿性繊維と熱接着性繊維を含有する不織布がジグザグに折り畳まれることによって、不織布層が積層された構造が形成されており、かつ、各不織布層間が接着されている不織布構造体であって、該構造体のジグザグ形状が見える面において、各不織布層が同一方向に屈曲または湾曲している不織布構造体であって、JIS L 1913の6.7.3 a法により測定した、折り曲げ線のある面を上下面としたときの、折り曲げ線に対する直角の方向の曲げ長さが7cm以下であることを特徴とする不織布構造体。
(2) 吸放湿性繊維と熱接着性繊維を含有する不織布がジグザグに折り畳まれることによって、不織布層が積層された構造が形成されており、かつ、各不織布層間が接着されている不織布構造体であって、該構造体のジグザグ形状が見える面において、各不織布層が同一方向に屈曲または湾曲している不織布構造体であって、前記吸放湿性繊維が、架橋構造とカルボキシル基を有する繊維であることを特徴とする不織布構造体。
(3) 目付けが120〜2000g/mであり、厚さが4〜40mmであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の不織布構造体。
(4) 不織布中の吸放湿性繊維の含有量が20〜80質量%であり、熱接着性繊維の含有量が20〜80質量%であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の不織布構造体。
) (1)〜()のいずれかに記載の不織布構造体を含有する中綿。
) (1)〜()のいずれかに記載の不織布構造体を含有するクッション材。
本発明の不織布構造体は、吸湿性を有し、嵩高性が高く、かつ風合いがやわらかいものであるので、衣料用や寝具用の中綿として適した素材である。具体的には、コート、ベスト、ブラカップなどの衣料用中綿、掛け布団、敷き布団などの寝具用中綿、椅子、ソファー、クッションなどに用いるクッション材などの用途に好適に利用することができる。
本発明の不織布構造体の一例を示す模式図である。
本発明に採用する吸放湿性繊維としては、綿、レーヨン、麻、羊毛、獣毛、絹、アセテート、ナイロン、ビニロンや、改質して吸放湿性を高めたポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
特に、本発明に採用する吸放湿性繊維としては、架橋構造とカルボキシル基を有する繊維が好適である。かかる繊維としては、カルボキシル基又はそのアルカリ金属塩基などの親水性基含有モノマーと、カルボキシル基と反応してエステル架橋構造を形成できるヒドロキシル基含有モノマーなどとが共重合され、かつエステル架橋結合が導入されてなるポリアクリル酸系架橋体繊維、無水マレイン酸系架橋体繊維、アルギン酸系架橋体繊維などや、アクリロニトリル系繊維に架橋剤により架橋構造を導入した後、加水分解することによりカルボキシル基を導入した架橋アクリレート系繊維などが挙げられる。このうち、架橋アクリレート系繊維は、架橋剤による架橋条件、加水分解条件をコントロールすることにより、吸湿性に優れた繊維が得られるため、本発明に採用する架橋構造とカルボキシル基を有する繊維として好ましい。
また、これらの架橋構造とカルボキシル基を有する繊維におけるカルボキシル基量としては、好ましくは1〜10mmol/gであり、より好ましくは3〜9mmol/gであり、さらに好ましくは3〜8mmol/gであり、もっとも好ましくは3〜6mmol/gである。カルボキシル基が1mmol/gに満たない場合は、最終的に得られる不織布構造体において、十分な吸湿性を発現できない場合がある。カルボキシル基が10mmol/gを超える場合には、繊維の水膨潤性が高くなりすぎ、水を含んだ場合に繊維物性が低くなりすぎて、加工や使用が困難となる場合がある。カルボキシル基量は、カルボキシル基を有するモノマーの共重合量や加水分解の処理条件などによって調整することができる。
また、カルボキシル基の対イオンとしては、水素、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、マンガン、銅、亜鉛、銀などの陽イオンが挙げられ、複数種が混在していてもよい。これらのイオンを適宜選択することにより、本発明の不織布構造体の吸放湿速度や飽和吸湿量といった吸放湿性能を調整できるほか、吸放湿性能に加えて、吸湿発熱性能、消臭性能、抗菌性能、抗ウイルス性能、抗アレルゲン性能、難燃性能など、カルボキシル基に起因する公知の各種性能を本発明の不織布構造体に付与することができる。
カルボキシル基の対イオンを調整する方法としては、架橋構造とカルボキシル基を有する繊維に対して、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩などの金属塩によるイオン交換処理、硝酸、硫酸、塩酸、蟻酸などによる酸処理、あるいは、アルカリ性金属化合物などによるpH調整処理などを施す方法が挙げられる。
上述してきた架橋構造とカルボキシル基を有する繊維の好ましい例としては、架橋アクリレート系繊維が挙げられる。かかる架橋アクリレート系繊維は従来公知の方法により得ることができる。例えば、特開2000−314082号公報に記載のように、アクリロニトリル含有率が85〜95重量%であるアクリル系繊維に対するヒドラジン系化合物による架橋処理によって導入される窒素含有量の増加が、1.0〜5.0重量%である架橋アクリル系繊維であって、残存ニトリル基の一部が3.0〜6.0meq/gのアルカリ金属塩型カルボキシル基に変換されており、しかも20℃×50%RH条件と20℃×95%RH条件との吸湿率差が50重量%以上150重量%以下である吸放湿性繊維を挙げることができる。
また、架橋アクリレート系繊維としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、東洋紡(株)製のエクス(登録商標)、ディスメル(登録商標)、モイスファイン(登録商標)、モイスケア(登録商標)、東邦テキスタイル(株)製のサンバーナー(登録商標)などを挙げることができる。
本発明に採用する吸放湿性繊維の繊度としては、好ましくは0.9〜9dtex、より好ましくは2〜7dtexである。繊度が0.9dtexに満たない場合にはカードウェブを得ることが難しくなることがあり、繊度が9dtexを超える場合には得られる不織布構造体の風合いが硬くなりすぎることがある。また、該繊維の繊維長としては20〜80mmであることが好ましい。
本発明に採用する熱接着性繊維は、本発明の不織布構造体において、上述の吸放湿性繊維の接着および不織布層間の接着を行うことにより、不織布構造体の折り畳み構造および全体形状を維持させるものである。かかる熱接着性繊維としては、熱接着性を備えている限り使用が可能であり、例えば、熱融着性ポリエステル繊維や、ポリエチレン−ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリエステル、ポリエステル−ポリエステル等の低融点−高融点成分からなる複合繊維が挙げられる。
かかる熱接着性繊維の融点(低融点−高融点成分からなる熱接着性繊維の場合には、低融点成分の融点)としては、上記吸放湿性繊維の物性に悪影響を与えない温度であればよいが、通常、100〜190℃であればよい。
また、本発明に採用する熱接着性繊維の繊度としては、好ましくは0.9〜6.6dtex、より好ましくは1.5〜6.0dtexである。繊度が0.9dtexに満たない場合にはカードウェブを得ることが難しくなることがあり、繊度が6.6dtexを超える場合には得られる不織布構造体の風合いが硬くなりすぎることがある。また、該繊維の繊維長としては20〜80mmであることが好ましい。
本発明に採用する不織布は、上述した吸放湿性繊維と熱接着性繊維を含有するものである。かかる不織布における吸放湿性繊維の含有量としては、不織布の全質量に対して、好ましくは20〜80質量%であり、より好ましくは25〜75質量%であり、さらに好ましくは30〜70質量%である。また、熱接着性繊維の含有量としては、不織布の全質量に対して、好ましくは20〜80質量%であり、より好ましくは25〜75質量%であり、さらに好ましくは30〜70質量%である。
かかる不織布を用いて得られる本発明の不織布構造体においては、熱接着性繊維が融着することにより繊維間に接着点が形成されている。この接着点には熱接着性繊維同士の接着点と吸放湿性繊維−熱接着性繊維間の接着点があるが、後者よりも前者のほうが接着力が強い。また、熱接着性繊維は吸放湿性繊維よりも硬い傾向がある。このため、本発明に採用する不織布においては、吸放湿性繊維の含有量が20質量%に満たない場合、あるいは熱接着性繊維の含有量が80質量%を超える場合には、不織布の柔らかさが不十分となり、後述する屈曲または湾曲している構造を得ることが難しくなる。また、吸放湿性繊維の含有量が80質量%を超える場合、あるいは熱接着性繊維の含有量が20質量%に満たない場合には、不織布中の熱接着点が減るため、実使用における不織布強度が不十分となったり、不織布形状の維持が困難となったりする場合がある。
なお、本発明に採用する不織布においては、上述の吸放湿性繊維および熱接着性繊維をそれぞれ複数種使用してもよいし、これらの繊維以外の繊維や添加剤が含まれていてもよい。
また、不織布の種類としては、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、水流絡合法などで得られるものが挙げられるが、折り畳みに際して後述する熱処理機を用いる場合には、カードウェブを採用することができる。
本発明の不織布構造体は、上述した吸放湿性繊維と熱接着性繊維を含有する不織布をジグザグに折り畳み、積層された不織布層間を接着することによって形成される。形成する方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すれば良いが、例えば吸放湿性繊維と熱接着性繊維とを混綿し、ローラーカードを通すことで得られるウェブを、ローラーカードを通したときと同じ向き(すなわち、繊維の配向している方向)で、特開2007−025044号公報の図1に示すような機構を有する熱処理機を通して、ジグザグに折りたたみながら加熱処理し、熱接着点を形成させる方法などが好ましく例示される。かかる熱処理機としては、例えば特表2002−516932号公報に示された装置やStruto社製Struto設備などを挙げることができる。
また、本発明の不織布構造体は、不織布が折り畳まれてできるジグザグ形状が見える面において、各不織布層が同一方向に屈曲または湾曲している構造を有している。かかる構造は、例えば、図1に示すような構造である。上述したような熱処理機を用いた場合、通常、各不織布層は直立するところ、例えば、不織布に用いる吸放湿性繊維と熱接着性繊維の割合を上述するような範囲に調整することで、同一方向に屈曲または湾曲している構造を得ることができる。
かかる同一方向に屈曲または湾曲している構造を有する本発明の不織布構造体は、折り畳まない通常の不織布に比べて、嵩が高く、また、経時や圧力による嵩の低下が小さいものである。また、本発明の不織布構造体は、不織布層が直立している従来の折り畳み型の不織布構造体に比べて、風合いがやわらかいという特徴を備えるものである。
上述の屈曲または湾曲は各不織布層に複数個所存在してもよいが、1箇所だけでも十分にやわらかい風合いを得ることができる。また、本発明における屈曲または湾曲とは、屈曲または湾曲した不織布層の垂直方向の高さ、すなわち不織布構造体の高さが、屈曲または湾曲に沿って測定した不織布層の長さに対して90%以下となるものであり、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下であることが望ましい。
かかる本発明の不織布構造体は、JIS L 1913の6.7.3 a法により測定した、折り曲げ線のある面を上下面としたときの、折り曲げ線に対する直角の方向の曲げ長さが好ましくは7cm以下、より好ましくは6cm以下、さらに好ましくは5cm以下であることが望ましい。曲げ長さが好ましくは7cmを超える場合には、やわらかい風合いが得られない場合がある。ここで、折り曲げ線とは不織布が折り曲げられている曲面の頂部を指しており、図1において点線で図示している部分のことである。
また、本発明の不織布構造体の目付けとしては、好ましくは120〜2000g/mであり、より好ましくは140〜1000g/mである。また、厚さとしては、好ましくは4〜40mmであり、より好ましくは10〜30mmである。目付けが120g/mに満たない場合、あるいは厚さが4mmに満たない場合には、不織布構造体が柔らかくなりすぎて、嵩高性が不十分となったり、実使用における嵩高性の維持が困難となったりする場合がある。ここで、不織布構造体の厚さとは、折り曲げ線を上下面としたときの高さに相当する。
また、不織布構造体の目付けが2000g/mを超える場合には、不織布構造体が剛直となってしまう場合がある。また、不織布構造体の厚さが40mmを超える場合には、後述する折り畳み加工が困難となる場合がある。
上述してきた本発明の不織布構造体は、吸湿性を有し、嵩高性が高く、保温性に優れ、かつ風合いがやわらかいものであるので、衣料用や寝具用の中綿として適した素材である。具体的には、コート、ベスト、ブラカップなどの衣料用中綿、掛け布団、敷き布団などの寝具用中綿、椅子、ソファー、クッションなどに用いるクッション材などの用途に好適に利用することができる。
ここで、本発明の不織布構造体を衣料用中綿用途、寝具用中綿用途あるいはクッション材に用いる場合においても、必要に応じて他の素材と併用しても構わないことは言うまでもない。また、かかる用途における本発明の不織布構造体の吸湿性としては、快適性の観点から、20℃、相対湿度65%における飽和吸湿率の下限が好ましくは9%以上、より好ましくは12%以上、さらに好ましくは15%以上であることが望ましい。一方、飽和吸湿率の上限は、特に限定されないものの、最も吸湿性を高められる架橋アクリレート系繊維を用いた場合においても、概ね70%が上限となる。
以下に本発明の理解を容易にするために実施例を示すが、これらはあくまで例示的なものであり、本発明の要旨はこれらにより限定されるものではない。なお、実施例中、部及び百分率は特に断りのない限り質量基準で示す。
<曲げ長さの測定>
JIS L 1913の6.7.3 a法(41.5°カンチレバー法)により測定する。なお、測定に際しては、折り畳まれた不織布試料は、カンチレバー形試験機のプラットホーム上に、折り曲げ線のある面を上下面とし、かつ、プラットホームの長手方向と折り曲げ線が直角となるように設置する。
<カルボキシル基量(mmol/g)の測定>
十分乾燥した試料約1gを精秤し(Xg)、これに200mLの水を加えた後、次いで0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で常法に従って滴定曲線を求める。この滴定曲線からカルボキシル基に消費された水酸化ナトリウム水溶液消費量(Ycm)を求め、次式によってカルボキシル基量(mmol/g)を算出する。
カルボキシル基量(mmol/g)=0.1Y/X
<吸湿率の測定>
試料約5.0gを、熱風乾燥器で105℃、16時間乾燥して重量を測定する(W1[g])。次に、該試料を、温度20℃、65%RHに調節した恒温恒湿器に24時間入れる。このようにして吸湿した試料の重量を測定する(W2[g])。以上の測定結果から、次式によって20℃×65%RH吸湿率(飽和吸湿率)を算出する。
20℃×65%RH吸湿率[%]=(W2−W1)/W1×100
<屈曲・湾曲の程度の測定>
不織布構造体試料について、不織布構造体の高さ(L1[mm])および屈曲・湾曲に沿った不織布層の長さ(L2[mm])を測定し、次式によって算出する。
屈曲・湾曲の程度[%]=L1/L2×100
<吸放湿性繊維の製造例1>
アクリロニトリル90%及びアクリル酸メチル10%のアクリロニトリル系重合体を48重量%のロダンソーダ水溶液に溶解した紡糸原液を、常法に従って紡糸、水洗、延伸、捲縮、熱処理をして原料繊維を得た。該原料繊維を、15%ヒドラジン水溶液中で110℃×3時間架橋導入処理を行い水洗した。次に、8%硝酸水溶液中で110℃×1時間酸処理を行い水洗した。続いて8%水酸化ナトリウム水溶液中で、90℃×2時間加水分解処理を行った後、pH12に調整し、純水で洗浄し、吸放湿性繊維Aを得た。該繊維は単繊維繊度が2.0dtex、繊維長が34mm、カルボキシル基が5.0mmol/g、飽和吸湿率が35%であった。
<実施例1>
70質量%の吸放湿性繊維A及び30質量%の熱接着性繊維a(鞘成分が融点155℃のポリエステル、芯成分が融点256℃のポリエステルの芯鞘構造(芯成分:鞘成分の質量比=30/70)、単繊維繊度3.3dtex、繊維長51mm)を混綿し、通常のカード機でウェブを作製した。次に、Struto社製Struto設備(特表2002−516932号公報に示された装置と同様のもの)を用いて、該ウェブをその繊維配向方向に、ローラ表面速度2.5m/分の駆動ローラにより、熱風サクション式熱処理機(熱処理ゾーンの長さ5m、移動速度1m/分)内へ押し込むことでジグザグに折り畳み、熱風200℃×5分間処理し不織布構造体を得た。得られた不織布構造体は各不織布層が同一方向に湾曲しているものであった。該不織布構造体の評価結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、不織布構造体の厚さを小さくすること以外は同様にして不織布構造体を得た。得られた不織布構造体は各不織布層が同一方向に湾曲しているものであった。該不織布構造体の評価結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、吸放湿性繊維Aの割合を50質量%、熱接着性繊維aの割合を50質量%とすること以外は同様にして不織布構造体を得た。得られた不織布構造体は各不織布層が同一方向に湾曲しているものであった。該不織布構造体の評価結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1において、吸放湿性繊維Aの割合を50質量%、熱接着性繊維aの割合を50質量%とし、目付けを増加させること以外は同様にして不織布構造体を得た。得られた不織布構造体は各不織布層が同一方向に湾曲しているものであった。該不織布構造体の評価結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1において、吸放湿性繊維Aの代わりに、レーヨンを用いること以外は同様にして不織布構造体を得た。得られた不織布構造体は各不織布層が同一方向に湾曲しているものであった。該不織布構造体の評価結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、混綿する繊維を18質量%の吸放湿性繊維A、52質量%の熱接着性繊維aおよび30質量%のポリエステル繊維b(単繊維繊度3.3dtex、繊維長51mm、融点256℃)とすること以外は同様にして不織布構造体を得た。得られた不織布構造体は各不織布層が屈曲や湾曲を有していないものであった。該不織布構造体の評価結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、混綿する繊維を50質量%の熱接着性繊維aおよび50質量%の高融点ポリエステル繊維(単繊維繊度3.3dtex、繊維長51mm、融点256℃)とすること以外は同様にして不織布構造体を得た。得られた不織布構造体は各不織布層が屈曲や湾曲を有していないものであった。該不織布構造体の評価結果を表1に示す。
Figure 0006792828
表1からわかるように、不織布のジグザグ形状が見える面において、各不織布層が同一方向に湾曲している実施例1〜5の不織布構造体においては、曲げ長さが短く、風合いがやわらかいものであった。一方、吸放湿性繊維の含有量の少ない比較例1の繊維や吸放湿性繊維を含有しない比較例2の不織布構造体では曲げ長さが長く、やわらかさに乏しいものであった。
1 ジグザグ形状
2 折り曲げ線
3 湾曲した不織布層

Claims (6)

  1. 吸放湿性繊維と熱接着性繊維を含有する不織布がジグザグに折り畳まれることによって、不織布層が積層された構造が形成されており、かつ、各不織布層間が接着されている不織布構造体であって、該構造体のジグザグ形状が見える面において、各不織布層が同一方向に屈曲または湾曲している不織布構造体であって、JIS L 1913の6.7.3 a法により測定した、折り曲げ線のある面を上下面としたときの、折り曲げ線に対する直角の方向の曲げ長さが7cm以下であることを特徴とする不織布構造体。
  2. 吸放湿性繊維と熱接着性繊維を含有する不織布がジグザグに折り畳まれることによって、不織布層が積層された構造が形成されており、かつ、各不織布層間が接着されている不織布構造体であって、該構造体のジグザグ形状が見える面において、各不織布層が同一方向に屈曲または湾曲している不織布構造体であって、前記吸放湿性繊維が、架橋構造とカルボキシル基を有する繊維であることを特徴とする不織布構造体。
  3. 目付けが120〜2000g/mであり、厚さが4〜40mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の不織布構造体。
  4. 不織布中の吸放湿性繊維の含有量が20〜80質量%であり、熱接着性繊維の含有量が20〜80質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不織布構造体。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の不織布構造体を含有する中綿。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の不織布構造体を含有するクッション材。
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