JP5192913B2 - 吸湿後の冷え感の少ない布製製品 - Google Patents

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Description

本発明は、発汗時や降雨などによって衣服等が吸湿した際、この衣服内のように、素肌に直接触れるか、あるいは直接触れるのに近い状態となる用途の布製製品(例えば寝具など)の、素肌との直接的または近接的接触面内において、吸湿したことに基づく冷え感が生じることを低減することのできる、吸湿後の冷え感の少ない布製製品に関するものである。
近年、様々な新しいあるいは改良された機能を有する繊維製品の開発が活発になされるようになっている。人体からは平静時においても絶えず水分が蒸発しており、また、春夏季のような暑熱時、運動時や通気性の低い衣服や寝具を着用した時には発汗し、衣服内や寝具内、その他素肌に直接触れるか、直接触れる状態に近い用途の繊維製品の素肌面内において湿度が高くなり、この湿分が素肌に冷え感を与える。
一方、吸湿率の乏しい衣服や、吸湿率がたとえ高くても吸湿・放湿速度が速い衣服を着用した場合には、冷暖房室内への出入り等の環境変化に対して、冷え感や暑さ感を生じやすい。例えば、吸湿性繊維としては、木綿、羊毛などの天然繊維、再生繊維のレーヨン、半合成繊維のアセテート等がよく知られている。他方、吸湿性の乏しい合成繊維としては、ポリエステル、ナイロン等がよく知られている。
近年、主にスポーツウェアや下着類などの分野において、主に春夏季における吸汗性、吸湿性、ベトツキ感の低減等に優れ、着用時の清涼感を向上させる生地や編地に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。これらの公知技術においては、かかる要求される特性を満足するため生地や編地が満足すべき物性として最大熱流速度に着目している。
この最大熱流速度は、素肌が生地に触れた時に瞬間的に奪われる熱の量の尺度であるが、これらの公知技術においては、十分な接触冷感、着用時の清涼感を得ることを目的として、この最大熱流速度がある値以上であることを規定している。
一方、冬季においても発汗時に布製製品の素肌面内において水分を吸湿した後は冬季であるため冷え感に変り、かかる冷え感を低減するという必要性が存在していた。しかしながら、前記公知技術はこの冷え感を低減することには一切触れておらず、冷え感を低減することを解決すべき課題とするものではなかった。
特開2001−295158号公報(特許請求の範囲など) 特開2003−183954号公報(特許請求の範囲など)
本発明の目的は、上記事情に鑑み、吸湿性が良好であり発汗時に衣服内や寝具内、その他素肌に直接触れるか、直接触れる状態に近い用途の布製製品において、吸湿した後の冷え感が生じることを低減することができる、吸湿後の冷え感の少ない布製製品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、特定の架橋構造および特定のアクリル系繊維を含有する布地から構成された吸湿後の冷え感の少ない布製製品である。なお、本発明の布地は、織物、編物、不織布等を含む。
本発明においては、前記布製製品が、キャミソール、コルセット、アンダーシャツ、シュミーズ、ズボン下、スリップ、パンツ、ブラジャー、ペチコートなどの下着類;ナイトガウン、ネグリジェ、寝巻き、パジャマ、バスローブなどの寝巻き類;敷布、布団カバー、枕カバー、毛布などの寝具類;スポーツウェア;トレーナー、ジョギングパンツ、スウェットパンツ、ランニングシャツ、スキーウェア、レオタード、トランクス、武道着など、その他;セーター類、マフラー、手袋、マスク、靴下、タイツ、スカーフ、タオル、手ぬぐい、ハンカチ、おむつ、生理用品、包帯、サポーターなどであることが好ましい。
また、前記布地が、前記アクリル系繊維と、アクリル、ポリエステル、ウール、綿、絹、レーヨン、アセテート、およびナイロンから選択された1種または2種以上の繊維との混紡糸を含有するものであることが好ましい。
前記混紡糸は、前記アクリル系繊維を10質量%以上60質量%以下の混率で含有するものであることが好ましい。ここで混率とは、前記混紡糸を構成する異種繊維のうち、前記アクリル系繊維の質量比のことをいう。
さらに、前述の架橋構造およびマグネシウム塩型カルボキシル基を有するアクリル系繊維100質量%からなる布地を用いた場合に、この布地の20℃×90%RHにおける熱伝導率が0.06W/mK以上0.09W/mK以下、20℃×90%RHにおける最大熱流速度が0.14J/cm2・sec以上0.18J/cm2・sec以下、および20℃×90%RHにおける吸湿率が60%以上80%以下であることは、吸湿後の冷え感の少ない布製製品を得るための好ましい要件である。
本発明には、20℃×90%RHにおける熱伝導率が0.06W/mK以上0.09W/mK以下、20℃×90%RHにおける最大熱流速度が0.14J/cm2・sec以上0.18J/cm2・sec以下、および20℃×90%RHにおける吸湿率が60%以上80%以下である吸湿後の冷え感の少ない布製製品も含まれる。
本発明の布製製品は、吸湿性が良好であり発汗時に衣服内や寝具内、その他素肌に直接触れるか、直接触れる状態に近い用途の布製製品において、吸湿した後に冷え感が生じることを低減することができる。
本発明を実施形態に基づき以下に説明する。
本実施形態における吸湿後の冷え感の少ない布製製品は、架橋構造およびマグネシウム塩型カルボキシル基を有するアクリル系繊維を含有する布地から構成されたことを要旨とする。
本実施形態における前記布地としては、前記アクリル系繊維単独からなる糸を織った、あるいは編んだものを用いることもできるが、他の天然繊維や合成繊維と混紡して得られる混紡糸を用いる方が、吸湿後の冷え感の低減効果に加えて、併用する繊維の有する特性をも持つことが可能となるので好ましい。
ここで、混紡する他の繊維としては、絹、綿やウールなどの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリエステルやアクリル、ナイロンなどの合成繊維などを挙げることができる。
たとえば、ウールとの混紡糸の主な用途として、スポーツウェア、セーター類、靴下などを、綿との混紡糸の主な用途として、下着類、スポーツウェア、セーター類などを、絹、レーヨン、アセテートとの混紡糸の主な用途として、毛布などの寝具類などを、ナイロンとの混紡糸の主な用途として、靴下、セーター類、およびマフラーや手袋などを手編みするのに用いられる手芸用糸などを挙げることができる。
中でも、価格面やその混紡糸の用途の多様さといった点から、混紡する他の繊維としては、ポリエステル系繊維、アクリル繊維が好ましい。また、その混紡糸の主な用途としては、下着類、寝巻き類、寝具類、スポーツウェア、セーター類、マフラー、手袋、マスク、靴下、タイツ、スカーフ、タオル、手ぬぐい、ハンカチ、おむつ、生理用品、包帯、サポーターなどを挙げることができる。
前記アクリル系繊維との混紡用のポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ならびにこれらのコポリマーや、これらポリエステル系繊維種の中での複合繊維等を挙げることができ、また、同じく混紡用のアクリル繊維としては、アクリロニトリルを50質量%以上含有する一般的なアクリル繊維を用いることが可能である。
通常、他の繊維との混紡によって布地とする場合、本実施形態における吸湿後の冷え感の低減効果に優れるアクリル系繊維の前記布地の中における使用量は5質量%以上100質量%以下、好ましくは5質量%以上60質量%以下である。布地中のアクリル系繊維の使用量が5質量%未満であれば、本実施形態のアクリル系繊維を用いていても、十分な吸湿後の冷え感の低減効果を発揮することは困難である。
本実施形態の布製製品においては、前記アクリル系繊維の含有率は用途によって異なるが、たとえば下着類では5〜80質量%、好ましくは10〜70質量%、おむつ等では少なくとも5質量%、好ましくは20質量%以上である。
本実施形態の布製製品を、おむつや生理用品等の吸収体や、スポーツウェア等に使用する場合、前記アクリル系繊維単独または他の繊維と混用してウェッブシートとなして、このシートを他の繊維シートまたは織編物と積層して用いてもよい。
不織布に、前記吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維を使用して布地とする場合は、短繊維として、セルロース系繊維、パルプ、合成繊維等と適宜混用して使用することができる。特に寸法安定性が求められる用途においては、前記繊維と熱接着性繊維とからなる不織布(好ましくは、前記繊維の熱接着性繊維に対する混率が5〜80質量%)が推奨される。なお熱接着性繊維としては、熱接着性を備えている限り使用が可能であり、例えば、ポリエチレン−ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリエステル、ポリエステル−ポリエステル等の低融点−高融点成分からなる複合繊維が挙げられる。
前記繊維を用いた不織布からなる布地は、人体に接触しても肌に優しく、かつ吸水性を発揮させる用途、例えば、マスク、おむつ、生理用品等に好適である。また、前記繊維は、高吸水性であるため、該繊維を用いたかかる布地は、長時間着用しても、むれない、かぶれない等の利点を併せて有する。
本実施形態において、前記アクリル系繊維が有する特徴を活かすためには、肌に接するか、肌に直接触れる状態に近い用途の布製製品の素肌面側に、前記繊維シートを配設した布地とすることもできる。
本実施形態においては、布地の段階では、交編、たとえば前記アクリル系繊維からなる糸と、ポリエステル系繊維、前述の一般的なアクリル繊維、あるいはレーヨンからなる糸とを引き揃えて編成することができる。また、交織の場合は、経糸または緯糸の一方に前記アクリル系繊維からなる糸を、他方に前記他の繊維からなる糸を用いることもできる。
前記布地のうちでも、20℃×90%RHにおける熱伝導率が0.06W/mK以上0.09W/mK以下、20℃×90%RHにおける最大熱流速度が0.14J/cm2・sec以上0.18J/cm2・sec以下、および20℃×90%RHにおける吸湿率が60%以上80%以下、である布地が、吸湿後の冷え感の低減効果に優れるため、特に好ましい。上記熱伝導率、最大熱流速度、吸湿率は、前記アクリル系繊維100質量%からなる布地を用いて測定した場合も、上記範囲に入ることが好ましい。
本実施形態において、熱伝導率は、吸湿後の布製製品の肌面内側と皮膚とが接触している時の熱の奪われやすさを評価するための尺度として用いられる。熱伝導率が小さいほど吸湿後の冷え感を低減する方向に働くものと考えられる。本実施形態の吸湿後の冷え感の少ない布地、特に、吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維100質量%からなる布地は、20℃×90%RHにおける熱伝導率が0.09W/mK以下のものであることが好ましい。
同様に本実施形態において、最大熱流速度とは、吸湿後の布製製品の肌面内側と皮膚とが接触する瞬間の熱の奪われやすさを評価するための尺度として用いられる。最大熱流速度が小さいほど吸湿後の冷え感を低減する方向に働くものと考えられる。本実施形態の吸湿後の冷え感の少ない布地、特に、吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維100質量%からなる布地は、20℃×90%RHにおける最大熱流速度が0.18J/cm2・sec以下のものであることが好ましい。
また、本実施形態の吸湿後の冷え感の少ない布地、特に、吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維100質量%からなる布地は、20℃×90%RHにおける吸湿率が60%以上という吸湿性を有していることが好ましい。吸湿性能が高いほど、繊維中に水分を蓄える性能が高いことを意味し、この結果、発汗時に衣服内や寝具内、その他素肌に直接触れる用途の布製製品の素肌面内において優れた吸汗性を示す。この吸湿率の値が60%に満たない場合には、基本的性能として吸湿性能が低いものとなり、十分な吸汗性を発揮することができなくなる恐れがある。この吸汗性が優れていることは、吸湿後の冷え感の低減効果に対しても効果的に働くものと考えられる。
本実施形態の吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維を用いた布地、特に前記アクリル系繊維100質量%からなる布地は、上述した熱伝導率、最大熱流速度、吸湿率の数値範囲をすべて満足するものとなる。前記アクリル系繊維を用いることで、吸湿後の冷え感の低減効果に優れた布製製品を得ることが可能となる。本発明の吸湿後の冷え感の少ない布地、特に、前記アクリル系繊維100質量%からなる布地を用いた場合の20℃×90%RHにおける熱伝導率は、より好ましくは0.06W/mK以上0.08W/mK以下、さらに好ましくは0.06W/mK以上0.075W/mK以下であり、20℃×90%RHにおける最大熱流速度は、より好ましくは0.14J/cm2・sec以上0.17J/cm2・sec以下、さらに好ましくは0.14J/cm2・sec以上0.16J/cm2・sec以下であり、20℃×90%RHにおける吸湿率は、より好ましくは65%以上80%以下、さらに好ましくは70%以上80%以下である。
本実施形態において好適な布製製品としては、キャミソール、コルセット、アンダーシャツ、シュミーズ、ズボン下、スリップ、パンツ、ブラジャー、ペチコートなどの下着類;ナイトガウン、ネグリジェ、寝巻き、パジャマ、バスローブなどの寝巻き類;敷布、布団カバー、枕カバー、毛布などの寝具類;スポーツウェア;トレーナー、ジョギングパンツ、スウェットパンツ、ランニングシャツ、スキーウェア、レオタード、トランクス、武道着など、その他;セーター類、マフラー、手袋、マスク、靴下、タイツ、スカーフ、タオル、手ぬぐい、ハンカチ、おむつ、生理用品、包帯、サポーターなどを挙げることができる。
本実施形態の布製製品に好適に用いられる布地は、架橋構造およびマグネシウム塩型カルボキシル基を有するアクリル系繊維を有するものであり、本発明の特徴である極めて優れた吸湿後の冷え感を低減する効果は、前記マグネシウム塩型のカルボキシル基および架橋構造との組み合わせにより発現されるものと考えられる。
マグネシウムと同じ2価のアルカリ土類金属のうち、カルシウム塩型カルボキシル基を有するアクリル系繊維も、吸湿後の冷え感を低減する効果をある程度は有している。しかし、前記の架橋構造およびマグネシウム塩型のカルボキシル基を有するアクリル系繊維が、吸湿後の冷え感を低減する効果に極めて優れることが判った(詳しくは、後の実施例1を参照)。
また、本実施形態の布製製品に用いる布地は、前記の架橋構造およびマグネシウム塩型のカルボキシル基を有するアクリル系繊維を少なくとも含んでなるものであるが、マグネシウム塩型のカルボキシル基を有するアクリル系繊維を用いていても、マグネシウム塩型のカルボキシル基の含有割合が低くなると、吸湿後の冷え感を低減する効果が十分でなくなることが判った(詳しくは、後の比較例1を参照)。
一方、マグネシウムはいわゆる軽金属であるが、非金属塩型のカルボキシル基や、1価の軽金属であるNaの金属塩型カルボキシル基の場合には、吸湿後の冷え感を低減する効果は見られなかった(詳しくは、後の比較例2および3を参照)。
なお、特に気温の低い場合には、発汗の程度がそれほど高くない場合も考えられるため、上述の熱伝導率、最大熱流速度、吸湿率を評価するにあたり、20℃×90%RHに加えて、20℃×65%RHの環境において測定することにより吸湿後の冷え感を評価しても良い。
本実施形態の塩型カルボキシル基は、少なくともその一部がマグネシウム塩型である必要があるが、残部のカルボキシル基の型としては、目的とする吸湿後の冷え感の低減効果やその他要求される繊維の特性に影響が無い限りにおいて特に制限は無く、H型でも、塩型でも適宜選択することができる。塩型の場合、例えばLi,Na,K,Rb,Cs等のアルカリ軽金属、NH4、アミン等の有機の陽イオン等を挙げることができる。
ここで、前記マグネシウム塩型カルボキシル基の量としては、優れた吸湿後の冷え感の低減効果を発現できる限りにおいて特に制限はないが、より高い吸湿後の冷え感の低減効果を得ようとする場合、できるだけ多くのマグネシウム塩型カルボキシル基を含有することが好ましい。
しかしながら、実用に供するための加工性等の点、また、吸水による膨潤なども同時に抑える必要があること等から、架橋構造との共存において量的なバランスが要求される。具体的にはマグネシウム塩型カルボキシル基量が多すぎる場合、即ち10mmol/gを超える場合、導入できる架橋構造の割合が逆に少なくなりすぎ、一般の紡績等の加工に求められる繊維物性を得ることが難しくなる。
一方、このマグネシウム塩型カルボキシル基量が少ない場合には、結果として吸湿後の冷え感の低減効果が低下するため好ましくない。特に2.7mmol/gより低い場合では、得られる吸湿後の冷え感の低減効果は特に低いものとなり、本発明が指向する吸湿後の冷え感の低減効果が求められる用途において実用上の価値を失ってしまうため好ましくない。実用的には、マグネシウム塩型カルボキシル基量が4.0mmol/g以上の場合、現存する他の繊維素材に比して吸湿後の冷え感の低減効果の優位性が顕著となる。
これに対し、マグネシウム塩型以外の、残部の他の塩型およびH型のカルボキシル基は、吸湿後の冷え感の低減効果がマグネシウム塩型ほど顕著なものではないため、カルボキシル基量が同一であれば、吸湿後の冷え感の低減効果を極力高めるためにも、マグネシウム塩型以外の、残部の他の塩型およびH型のカルボキシル基の量を少ないものとすることが好ましい。
特に、本実施形態にかかるアクリル系繊維においては、ある含有量以上のマグネシウムを含有することにより吸湿後の冷え感の低減効果が向上することが判明しており、この含有量以上のマグネシウムを含有することが好ましい。具体的には、4質量%以上が好ましく、さらには5質量%以上の場合に、高い吸湿後の冷え感の低減効果を発現することから特に好ましい。
本実施形態において、繊維にマグネシウム塩型カルボキシル基を導入する方法としては特に制限はなく、例えば、塩型カルボキシル基を有する重合体を直接繊維化する方法、カルボキシル基を有している重合体を繊維化した後に、このカルボキシル基を塩型カルボキシル基に変える方法、カルボキシル基に誘導することが可能である官能基を有した重合体を繊維化した後に、得られた繊維のこの官能基を化学的に変性させてカルボキシル基に変換し、塩型カルボキシル基に変える方法、さらには、繊維に対し、グラフト重合により塩型カルボキシル基を導入する方法等を挙げることができる。
上記1番目の、塩型カルボキシル基を有する重合体を直接繊維化する方法の例として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルプロピオン酸等のカルボキシル基を含有する単量体に対応する塩型単量体を、単独又はこれらの単量体の2種以上を、あるいは同一種であって、カルボン酸型と対応する塩型との混合物を重合し、さらにはこれらの単量体と共重合可能な他の単量体とを共重合する方法、カルボキシル基を含有する単量体を重合した後に、塩型に変換する方法等を挙げることができる。
また、2番目の、カルボキシル基を有している重合体を繊維化した後に、このカルボキシル基を塩型カルボキシル基に変える方法の例として、例えば、上述のカルボキシル基を含有する酸型単量体の単独重合体、あるいは、この単量体の2種以上からなる共重合体、または、共重合可能な他の単量体との共重合体を繊維化した後、塩型に変える方法を挙げることができる。ここで、カルボキシル基を塩型に変換する方法としては特に制限はなく、得られた前記酸型カルボキシル基を有するアクリル系繊維に、少なくともマグネシウムを含んでいる先に挙げた陽イオンを含む溶液を作用させることによってイオン交換を行う等の方法により変換することが可能である。
3番目の方法として挙げた、カルボキシル基に誘導することが可能である官能基を有した重合体を繊維化した後に、得られた繊維のこの官能基を化学的に変性させてカルボキシル基に変換し、塩型カルボキシル基に変える方法の例として、例えば、化学変性処理によりカルボキシル基に変性可能な官能基を有する単量体の単独重合体、あるいは2種以上からなる共重合体、または、共重合が可能な他の単量体との共重合体を繊維化して得られた繊維を、加水分解によってカルボキシル基に化学変性する方法がある。この加水分解により得られるカルボキシル基が所望の塩型として得られる場合は、このまま塩型カルボキシル基として機能させることができる。
一方、酸加水分解等で得られた状態が塩型ではない場合、あるいは、所望の塩型ではない場合には、必要に応じて変性されたカルボキシル基を、上記の方法等により所望の塩型に変換する方法を適用することができる。
この3番目の方法を採ることができるものであって、化学変性処理によりカルボキシル基に変性することが可能な官能基を有する単量体には、特に制限はなく、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルプロピオン酸等のカルボン酸基を有する単量体の無水物やエステル誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基を有する単量体;アミド誘導体、架橋性を有するエステル誘導体等を挙げることができる。
具体的にカルボン酸基を有する単量体の無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸等を挙げることができる。
また、カルボン酸基を有する単量体のエステル誘導体としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ラウリル、ペンタデシル、セチル、ステアリル、ベヘニル、イソデシル、イソアミル、2−エチルヘキシル等のアルキルエステル誘導体;メトキシエチレングリコール、エトキシエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、メトキシプロピレングリコール、プロピレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、メトキシポリテトラエチレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラエチレングリコール、ポリプロピレングリコール−ポリテトラエチレングリコール、ブトキシエチル等のアルキルエーテルエステル誘導体;シクロヘキシル、テトラヒドロフルフリル、ベンジル、フェノキシエチル、フェノキシポリエチレングリコール、イソボニル、ネオペンチルグリコール、ベンゾエート等の環状化合物エステル誘導体;ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシフェノキシプロピル、ヒドロキシプロピルフタロイルエチル、クロロ−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキルエステル誘導体;ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、トリメチルアミノエチル等のアミノアルキルエステル誘導体;(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボン酸アルキルエステル誘導体;(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホフフェート等のリン酸基またはリン酸エステル基を含むアルキルエステル誘導体;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の架橋性アルキルエステル類;トリフルオロエチル、テトラフルオロプロピル、ヘキサフルオロブチルパーフルオロオクチルエチル等のフッ化アルキルエステル誘導体を挙げることができる。
カルボン酸基を有する単量体のアミド誘導体としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、モノエチル(メタ)アクリルアミド、ノルマル−t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド化合物等が例示できる。化学変性によりカルボキシル基を導入する他の方法としては、アルケン、アルコール、アルデヒド、ハロゲン化アルキル等の酸化等も挙げることができる。
この3番目の方法において、塩型カルボキシル基を導入するための加水分解の方法についても特に制限はなく、通常の方法を適用することができる。例えば、上記単量体を重合して得られた重合体を繊維化した後、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、あるいはアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アンモニア等の塩基性化合物の水溶液を用い加水分解し、塩型カルボキシル基を導入する方法、あるいは硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸、または、蟻酸、酢酸等の有機酸と反応させカルボン酸基とした後、上記の塩を形成する化合物と混合させ、イオン交換することにより塩型カルボキシル基を導入する方法等を挙げることができる。
ここで加水分解処理の条件は特に制限されはしないが、加水分解を行うための塩基または酸性化合物1〜40質量%、さらに好ましくは1〜20質量%の水溶液中、温度50〜120℃で1〜30時間以内で処理する手段が、工業的あるいは繊維物性的見地から好ましい。
本実施形態において必須であるマグネシウムの導入については、上記の方法により得られる塩型カルボキシル基含有重合体を、例えば、硝酸マグネシウム水溶液などのマグネシウムイオンを有する水溶液に浸漬することにより得ることができる。ただ、本発明の目的である吸湿後の冷え感の低減効果を得るためには、できるだけ多量のマグネシウムを導入することが好ましいのは先述の通りである。
マグネシウム塩型カルボキシル基を多量に、かつ、確実に導入するための方法としては、例えば、繊維、または繊維化前の(共)重合体に対し、リチウム、ナトリウム、カリウム等の1価の軽金属の水酸化物で加水分解処理を行い、一旦、対応する1価の金属塩型のカルボキシル基を得た後、続いて、例えば、硝酸マグネシウム水溶液などのアルカリ土類金属イオンを有する水溶液に浸漬することにより、マグネシウム塩型カルボキシル基を導入する方法を挙げることができる。
あるいは他の方法としては、まず、加水分解後の繊維を、硝酸などの酸水溶液に浸漬し、重合体中のカルボキシル基全てをH型カルボキシル基に変換する。次いで、得られた重合体を水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等の1価の軽金属イオンを含有するアルカリ性水溶液に浸漬して、H型カルボキシル基を1価軽金属塩型カルボキシル基に変換する。このとき、例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、Na型に完全に交換するようにpH値をなるべく高く設定する方が良い。好ましくはpH10以上、より好ましくはpH12以上に設定することにより、高度に変換された一価軽金属塩型カルボキシル基を得ることができる。続いて、例えば、硝酸マグネシウム水溶液などの、マグネシウムイオンを有する水溶液に浸漬することにより、マグネシウム塩型カルボキシル基が導入できる。
ここにおいて、マグネシウム塩型カルボキシル基に変換されるのは1価の軽金属塩型カルボキシル基である。H型カルボキシル基は直接的にはマグネシウム塩型カルボキシル基にほとんど変換されないことが分っている。このため、マグネシウムとの交換にあたり、H型カルボキシル基ではマグネシウムへの変換は実質的に起こらず、繊維中にH型カルボキシル基が残ってしまうと考えられる。
本実施形態において、吸湿後の冷え感を著しく低減する効果の発現が可能となった理由については未だ完全に明らかになったわけではないが、一つには、吸湿後の冷え感の低減効果が極めて高いマグネシウム塩型カルボキシル基を繊維中に多量に含有せしめたことが挙げられる。即ち、まず繊維中に多量のカルボキシル基を含有させ、さらにそのカルボキシル基の多くをマグネシウム塩型とし、同時にマグネシウム塩型以外の塩型およびH型カルボキシル基を極力減らしたことが有効に働いたものと推測され、この点が本実施形態を構成する重要な要素の一つであると考えられる。
ここで、結果的に残る、あるいは、反応により導入されるマグネシウム塩型カルボキシル基以外の官能基としては、例えば、加水分解時に未反応のため結果的に残存するエステル基、ニトリル基、アミド基等;ニトリル基がカルボキシル基へ変換される際の中間体であるアミド基等;酸加水分解、あるいはマグネシウム塩型への変換の途中で酸による変性により生じたカルボン酸基(H型カルボン酸基);加水分解により生じる、あるいは、マグネシウム塩型への変換の途中で生じ、マグネシウム塩型への変換が行われなかったマグネシウム塩以外の塩型のカルボキシル基等を挙げることができる。
これらのマグネシウム以外の塩型のカルボキシル基の量としては、特に制限はないが、上述したように、吸湿後の冷え感の低減効果をより高めるためには、できるだけ少ないことが好ましい。
吸湿後の冷え感を著しく低減する効果の発現との因果関係については未だ明らかになったわけではないが、本実施形態のアクリル系繊維は、これまで述べたマグネシウム塩型カルボキシル基を有することに加え、架橋構造を有することが必要である。
本実施形態における架橋構造とは、求められる繊維物性あるいは本実施形態の繊維の特徴である吸湿後の冷え感の低減効果が発揮でき、かつ、吸湿や繰り返しの着用や洗濯等に伴う物理的、化学的な変性を受けない限りにおいて特に制限はなく、共有結合による架橋やイオン架橋、ポリマー分子間の相互作用や結晶構造による架橋等、いずれの架橋構造のものであってもよい。
また、架橋を導入する方法においても、特に制限はなく、繊維形状に形成した後、あるいは形成中の化学的ないわゆる後架橋、さらには、繊維形状に形成した後の物理的なエネルギーによる後架橋構造の導入など、一般的に用いられる方法を用いることができる。中でも特に、繊維形状形成後、化学的に後架橋を導入する方法では、共有結合による強固な架橋を、効率的かつ高度に導入することができ、繊維物性上も好ましい結果となる。
繊維形状形成中に、化学的に後架橋を導入する方法としては、繊維を形成する重合体と、この重合体の官能基と化学結合する官能基を分子中に2個以上有する架橋剤とを混合して紡出し、熱等により架橋させる方法を例示することができる。本方法では、カルボキシル基および/または塩型カルボキシル基を有する重合体と、この官能基あるいはこの重合体が有する他の官能基を利用して架橋構造を形成させることにより、塩型カルボキシル基及び架橋構造の両方を有するアクリル系繊維を得ることができる。
一方、後に述べるヒドラジン系化合物による架橋構造の導入方法を用いる場合には、架橋に関与しないニトリル基を加水分解することにより、塩型カルボキシル基及び架橋構造の両方を有するアクリル系繊維を得ることができる。
繊維形状形成後、化学的に後架橋を導入する方法については、条件等の制限は特になく、例えば、ニトリル基を有するビニルモノマーの含有量が50質量%以上であるアクリロニトリル系繊維が含有するニトリル基と、1分子中の窒素の数が2以上の窒素化合物またはホルムアルデヒドを反応させる後架橋の方法を挙げることができる。
前記ニトリル基を有するビニルモノマーとしては、ニトリル基を有する限りにおいて特に制限はないが、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等を挙げることができる。これらの中でも、コスト的に有利で、かつ、単位質量あたりのニトリル基量が多いアクリロニトリルを用いることが最も好ましい。
一方、前記1分子中の窒素の数が2以上の窒素化合物としては、架橋構造を形成し得るものであれば、特に限定されるものではないが、2個以上の1級アミノ基を有するアミノ化合物やヒドラジン系化合物が好ましい。
本実施形態において使用する2個以上の1級アミノ基を有するアミノ化合物としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのジアミン系化合物、ジエチレントリアミン、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)などのトリアミン系化合物、トリエチレンテトラミン、N,N’−ビス(3−アミノピロピル)−1,3−プロピレンジアミン、N,N’−ビス(3−アミノピロピル)−1,4−ブチレンジアミンなどのテトラミン系化合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の中で2個以上の1級アミノ基を有するポリアミン系化合物などが例示される。
また、本実施形態において使用するヒドラジン系化合物としては、硝酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、水加ヒドラジン、臭素酸ヒドラジン、ヒドラジンカーボネイト等のヒドラジンおよびその塩類、さらにはエチレンジアミン、グアニジン、硝酸グアニジン、硫酸グアニジン、塩酸グアニジン、リン酸グアニジン、メラミン等のヒドラジン誘導体およびその塩を挙げることができる。
特に、ヒドラジン系化合物による方法を用いる場合は、酸、アルカリに対しても安定であり、さらに加工等に要求される繊維物性を発現させることができる強い架橋を導入することができるといった点で非常に優れている。なお、この反応により得られる架橋構造に関しては、その詳細は未だ不明ではあるが、トリアゾール環あるいはテトラゾール環構造に由来するものと推定される。
ヒドラジン系化合物との反応により架橋を導入する方法は、目的とする架橋構造が得られる限りにおいて特に制限はなく、反応時のアクリロニトリル系重合体とヒドラジン系化合物の濃度や、使用する溶媒、反応時間や温度等、必要に応じて適宜選択することができる。反応温度については、低温側ではその分反応速度が遅くなるため反応に要する時間が長くなりすぎる場合があり、また、高温側ではアクリロニトリル系繊維の可塑化が起き、形状が破壊されるという問題が生じる場合があるため、好ましい反応温度としては、具体的には、50℃〜150℃、さらに好ましくは80℃〜120℃が選択される。
また、ヒドラジン系化合物と反応させるアクリロニトリル系繊維そのものについても特に制限はなく、この繊維の表面のみに、あるいは、全体にわたりその芯部に至るまで、または、特定の部分を限定して、これと反応させる等、適宜選択することが可能である。
なお、本実施形態の吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維に架橋構造を導入する場合、上述のマグネシウム塩型カルボキシル基を導入するための酸処理、加水分解処理、加水分解後のイオン交換処理、pH調製処理以外の処理をさらに施してもかまわない。また、出発原料であるアクリロニトリル系繊維は、必要により酸化チタン、カーボンブラック等を練り込んだものや、染料によって染色されたもの等、要求される特性が損なわれない限り使用可能である。
本実施形態における吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維は、繊維および布地として繰り返し使用することが求められるため、その吸湿性は可逆性のあるものであり、放湿性も同時に有するものである。
本実施形態におけるアクリル系繊維を含有する布地としては、織物、編物、不織布、シート状物、積層体、綿状体等の種々の形態があり、さらに、吸湿後の冷え感の低減効果を達成できる限りにおいて、それらに外被を設けたものでも良い。かかる布地内における吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維の含有形態としては、様々なものを考えることができるが、他の素材と混合されることによって、実質的に均一に分布した状態になっているものが存在し、複数の層構造を有する場合においては、その求められる性能や用途によって、特定の層(単層ないし複数層)に特定の比率で分布しているもの等が存在する。
従って、本実施形態の布地の上記に例示した形態と、本実施形態のアクリル系繊維の含有形態の組み合わせとしては、多種多様のものが存在し得ることとなる。その結果、どの様な布地とすべきかは、求められる製品の用途や機能等に対し、本実施形態のアクリル系繊維を含有する布地の果たす役割に応じて適宜決定されることとなる。
さらに詳細に述べると、本実施形態の布地としては、本実施形態の吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維のみからなるもの、または、他の素材とほぼ均一に混合したもののみからなるもの、あるいは、これに他の素材を接着、融着、貼付等の方法により積層するなど、複数積層状となるもの等がある。また、積層状ではあるが、接合等はなされていないものも存在し得る。
ここで、本実施形態における吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維に混合できる他の素材としては特に制限はなく、その趣旨を損なわない範囲で適宜選択することができることは言うまでもない。例えば、天然繊維、合成繊維、半合成繊維、パルプ、無機繊維、ラバー、ゴム、プラスチック、樹脂、フィルム等を挙げることができる。
このように他の素材を併用すると、布地全体としての機能をさらに高めることが可能となる場合がある。即ち本実施形態の吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維は前述の通り優れた機能を備えるものであるが、他の素材を併用した布地とすることにより、さらに高機能を付与する、好ましい風合いを与える、鮮やかな染色性などのいわゆるファッション性、等を高めることができるのである。また、混紡等により加工性を改善する効果も期待することができる。
本実施形態の布製製品の用途は前述のごとく、人が着用して利用する下着類等のいわゆる衣料用や、布団や枕のような寝具用、さらには吸湿後に冷え感を感じる程度に素肌に直接または近接させて用いる布製製品、例えば、スポーツウェアや武道着、マスクや手袋、あるいはおむつや生理用品等の吸収体製品を挙げることができる。そしてこれらの用途に応じ、要求される機能を満たすべく単一層から複数層まで、さらに吸湿後の冷え感の低減効果を達成できる限りにおいて、それら層を含んで外被を施すなど、最適の構造を選択することができる。
前記吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維は、繊維それ自体がさらに他の機能として、抗菌性および/または抗カビ性、あるいは消臭性を有するものであっても良い。前記繊維および布地の用途は、上述のごとく人が着用して使用するものや、寝具類、さらには素肌に直接接する等、吸湿後に冷え感を感じる原因となる程度に素肌に直接または近接させて用いる布製製品用に使用するものであるため、抗菌性および/または抗カビ性、あるいは消臭性を有する場合は、衛生的にも優れたものとなり、また、細菌あるいはカビの発生により健康に害を及ぼすダストや異臭が発生するといった問題も防ぐことができる効果がある。これらの特性を一層高めようとする場合は、吸湿後の冷え感を低減するという趣旨を損なわない範囲において、一般に用いられる有機系、無機系の抗菌剤をさらに付加することも可能である。
前記布地における、吸湿後の冷え感の低減効果を有するアクリル系繊維の含有率は、その布地が用いられる布製製品の用途によって決定されるべきものであることは言うまでもない。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
熱伝導率(W/mK)、最大熱流速度(J/cm2・sec)、吸湿率(%)は以下の方法により求めた。
ここで、これら本発明のアクリル系繊維についての3つの物性の測定は、全て番手(綿番手)を40’sに紡績して糸を作成し、この糸を天竺編み組織に100質量%使いで編み立てたものを用いる。この時、糸3本を引き揃えて3本で1本の糸として編み立てるが、ゲージを13ゲージ(10cm幅に13個の編み目)となる設定で編み立てる。編成後、仕上げをスチームセットで施した布地を試料として用いた。
(1)熱伝導率(W/mK)
熱伝導率の測定は、カトーテック(株)製のサーモラボIIを使用する。本装置は、一般的には熱板から編織物への瞬間的な熱移動量を計測する装置である。環境20℃、65%RH、および20℃、90%RHの下で、BTボックス(熱源板)を人間の肌温として35±0.1℃に設定し、外気温20±0.5℃に設定したwaterボックス(waterボックスの鉄板の下に20℃の水を循環させることにより、waterボックスを一定温度に保っている。)の上に本発明にかかる布地(天竺編み)を置き、その上にBTボックスを載せ、BTボックスから試料である本発明にかかるアクリル系繊維を含有する布地を通してwaterボックスに流れる熱移動量が平衡になった時の熱損失速度(消費電力量)Wを測定する。また測定時の圧力(6gf/cm2)での厚み(mm)を測定し、下記の式に基づき熱伝導率K(W/mK)を求めた。
熱伝導率 K= W × D /(A×ΔT)
W:熱損失速度
A:BTボックス(熱源板)面積=25cm2(5cm×5cm)
ΔT:熱源板温度−定温台温度=35−20=15℃
D:試料厚み=6gf/cm2 加重下での厚みを測定
(2)最大熱流速度(J/cm2・sec)
最大熱流速度qmaxの測定も、上記カトーテック(株)製のサーモラボIIを使用する。20℃×90%RH、および20℃×65%RHの下で、BTボックス(熱源板)を人間の肌温として35±0.1℃に設定し、その上にTボックス(温度検出及び蓄熱板)をおき35±0.1℃に設定する。外気温20±0.5℃に設定したwaterボックス(定温台)の上に本発明にかかるアクリル系繊維を含有する布地(天竺編み)を載せ、35±0.1℃になったTボックスをこの布地の上に置き、熱移動を示す最大熱流速度qmaxを測定する。
(3)吸湿率(%)
吸湿率の測定は、試料である布地約5.0gを温度20℃で相対湿度60%および90%に調整された恒温恒湿機に24時間以上入れて調湿し、それぞれの環境下で得られた試料である布地の質量(W1)gを測定する。次にこの試料である布地を、熱風乾燥機で105℃、16時間乾燥してその質量(W2)gを測定する。以上の結果から、吸湿率を次式に従って算出した。
吸湿率(%)={(W1−W2)/W2}×100
[実施例1]
アクリロニトリル90質量%及びアクリル酸メチル10質量%のアクリロニトリル系重合体を48%のロダンソーダ水溶液で溶解した紡糸原液を作成し、常法に従って紡糸、水洗、延伸、捲縮、熱処理をして、0.9(dtex)×70mmの原料繊維を得た。この原料繊維1kgに30質量%の水加ヒドラジン5kgを加え、98℃で3時間架橋処理した。
この架橋繊維を水洗後、更に3質量%の水酸化ナトリウム10kgを加え、92℃で5時間加水分解した。次いで、1規定HNO3水溶液で処理して、カルボキシル基をH型に変換し、水洗後、1規定NaOH水溶液でpHを11に調整、水洗し、ナトリウム塩型カルボキシル基を有するアクリル系繊維を得た。この後さらに10質量%硝酸マグネシウム水溶液10kgを添加し、60℃で2時間マグネシウム塩型カルボキシル基への変換処理を行い、十分洗浄した後、脱水、油剤処理、さらに乾燥を行い、本発明にかかるアクリル系繊維を得た。このアクリル系繊維の全カルボキシル基量に対するマグネシウム塩型カルボキシル基量の比は6.5モル%であった。
なお、全カルボキシル基量(mmol/g)とマグネシウム塩型カルボキシル基量(mmol/g)は以下の方法により求めた。
全カルボキシル基量(mmol/g)
十分乾燥した供試繊維約1gを精秤し(X)g、これに200mlの1N塩酸水溶液を加え30分間放置したのちガラスフィルターで濾過し水を加えて水洗する。この塩酸処理を3回繰り返したのち、濾液のpHが5以上になるまで十分に水洗する。次にこの試料を200mlの水に入れ1N塩酸水溶液を添加してpH2にした後、0.1N−苛性ソーダ水溶液で常法に従って滴定曲線を求めた。該滴定曲線からカルボキシル基に消費された苛性ソーダ水溶液消費量(Y)ccを求め、次式によって全カルボキシル基量を算出した。
全カルボキシル量(mmol/g)=0.1Y/X
マグネシウム塩型カルボキシル基量(mmol/g)
十分乾燥した供試繊維を精秤し、常法に従って濃硫酸と濃硝酸の混合溶液で酸分解したのち、金属を常法に従って原子吸光光度法により定量し、この金属の原子量で除することにより、マグネシウム塩型カルボキシル基量として算出した。得られた「マグネシウム塩型カルボキシル基量」を、前記「全カルボキシル基量」で除し、モル分率で表すことにより塩型カルボキシル基の割合を求めた。
このアクリル系繊維を、前述の方法により天竺編み組織に100質量%使いで編み立て仕上げを施し布地とした。この布地を試料として前述の測定方法により熱伝導率、最大熱流速度、吸湿率の3つの特性を測定した。測定した結果を表1に示す。
実施例1は、20℃×90%RH、および20℃×65%RHのどちらの環境においても、吸湿後の冷え感が小さいと評価できる特異な値を示すことを確認した。
[比較例1]
1規定NaOHでpHを6に調製した以外は実施例1と同様にして、ナトリウム塩型カルボキシル基を有するアクリル系繊維を得た。この後さらに10%硝酸マグネシウム水溶液6kgを添加し、60℃で2時間マグネシウム塩型カルボキシル基への変換処理を行ない、十分洗浄した後、脱水、油剤処理、さらに乾燥を行ない、繊維全体の質量に対するマグネシウム塩型アクリル系繊維の質量比が3.2%のアクリル系繊維を得た。
このアクリル系繊維を、前述の方法により天竺編み組織に100質量%使いで編み立て仕上げを施し布地とした。この布地を試料として前述の測定方法により熱伝導率、最大熱流速度、吸湿率の3つの特性を測定した。測定した結果を表1に示す。
比較例1は、熱伝導率については20℃×90%RH、および20℃×65%RHのどちらの環境においても、実施例1と同等以上の結果を示し好ましいものであったが、吸湿率、特に20℃×90%RHにおける最大熱流速度の値が好ましい範囲を大きく外れ、吸湿後の冷え感が小さいと評価することはできないものであった。
[比較例2]
1規定NaOHでpHを7に調製した以外は実施例1と同様にして、ナトリウム塩型カルボキシル基を有するアクリル系繊維を得、十分洗浄した後、脱水、油剤処理、さらに乾燥を行ない繊維全体の質量に対するナトリウム塩型アクリル系繊維の質量比が10%のアクリル系繊維を得た。このアクリル系繊維を、前述の方法により天竺編み組織に100質量%使いで編み立て仕上げを施し、布地とした。
この布地を試料として前述の測定方法により熱伝導率、最大熱流速度、吸湿率の3つの特性を測定した。測定した結果を表1に示す。
比較例2は、吸湿率については、20℃×90%RH、および20℃×65%RHのどちらの環境においても、実施例1と同等以上の結果を示すものではあったが、熱伝導率および最大熱流速度については、20℃×90%RH、および20℃×65%RHのどちらの環境においても、実施例1とは異なり、好ましい範囲を大きく外れている値であり、吸湿後の冷え感が小さいと評価することはできないものであった。
[比較例3]
アクリロニトリル90%およびアクリル酸メチル10%のアクリロニトリル系重合体を48%のロダンソーダ水溶液で溶解した紡糸原液を作成し、常法に従って紡糸、水洗、延伸、捲縮、熱処理をして、0.9(dtex)×70mmの原料繊維を得た。この原料繊維1kgに30質量%の水加ヒドラジン5kgを加え、98℃で3時間架橋処理した。
この架橋繊維を水洗後、更に3質量%の水酸化ナトリウム9kgを加え、92℃で5時間加水分解した。次いで、1規定HNO3水溶液で処理して、カルボキシル基をH型に変換した後水洗し、非金属塩型カルボキシル基を有するアクリル系繊維を得た。
このアクリル系繊維を、前述の方法により天竺編み組織に100質量%使いで編み立て仕上げを施し布地とした。この布地を試料として前述の測定方法により熱伝導率、最大熱流速度、吸湿率の3つの特性を測定した。測定した結果を表1に示す。
比較例3は、熱伝導率および最大熱流速度については、20℃×90%RH、および20℃×65%RHのどちらの環境においても、実施例1と同等以上の結果を示し好ましいものであった。しかし、吸湿率については、20℃×90%RH、および20℃×65%RHのどちらの環境においても、好ましい範囲を外れている値であり、吸湿後の冷え感が小さいと評価することはできないものであった。
Figure 0005192913

Claims (1)

  1. 架橋構造および4.0mmol/g以上10mmol/g以下のマグネシウム塩型カルボキシル基を有するアクリル系繊維を5質量%以上60質量%以下と、アクリル、ポリエステル、ウール、綿、絹、レーヨン、アセテート、およびナイロンから選択された1種または2種以上の繊維との混紡糸からなり、20℃×90%RHにおける熱伝導率が0.06W/mK以上0.09W/mK以下、20℃×90%RHにおける最大熱流速度が0.14J/cm2・sec以上0.18J/cm2・sec以下、および20℃×90%RHにおける吸湿率が60%以上80%以下であることを特徴とする布製製品。
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