JP6792276B1 - 磁気刺激装置 - Google Patents
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Abstract
Description
片麻痺や四肢麻痺による廃用症候群を防止し、筋肉の機能を積極的に回復させるために運動療法によるリハビリテーションは最も重要な治療法とされている。
特許文献1は、指或いは腕を磁気刺激によって連続的に曲げる技術を開示しており、10ミリ秒間隔で磁気パルスを繰り返して腕の神経を磁気刺激すると、パルス数の増加とともに腕が曲がる距離も増すことが示されている。しかしながら、磁気刺激装置には大電流を使用する関係から装置温度が上昇しやすい。
特許文献2は、磁気刺激装置において、空冷により通電時の発熱によるコイルや磁性体コアの温度上昇が少なく、多数回の連続磁気刺激を可能にする技術が開示されている。
装置形状を小さくすると、必然的にコイルも小さくなり、その熱容量が小さくなってコイルの昇温を招く。また、コイルを小さくすることは、磁束の大きさを小さくすることを意味し、この小さいコイルで大型の磁気刺激装置と同等の刺激を得るためには、より高い磁束密度が要求される。即ち、より大きな電流をより小さいコイルに通電することになるため、コイルの上昇温度を更に高くすることになる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、大型装置は勿論、小型化にも適用でき、通電時の発熱による上昇温度が安全基準より低く、多数回の連続磁気刺激を可能にする磁気刺激装置の実用化を目的としている。
本体部分2aと、前記本体部分2aから同方向に突出した脚部2b・2cとで構成された磁性体コア2と、
前記脚部2b・2cのそれぞれの周囲に巻設されたコイル状の導体1b・1c(1b’・1c’)と、
前記磁性体コア2と導体1b・1cとを収納したケーシング4とを含む磁気刺激装置Aにおいて、
前記脚部2b・2cは、前記脚部2b・2cを同時に横断する面Kに平行なその横断面積Sb・Scが、本体部分2a側の基部2k・2lから先端2s・2tに向けて、次第に小さくなるように形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の磁気刺激装置Aにおいて、
脚部2b・2cの対向内側面2m・2n間の間隔Lが基部2k・2lから先端2s・2tに向けて次第に拡大するように形成されていることを特徴とする。
請求項1又は2に記載の磁気刺激装置Aにおいて、
磁性体コア2は薄板3の積層体で構成されており、その積層面は、磁性体コア2の体部分2aと両脚部2b・2cとを同時に縦断する面Mに平行であることを特徴とする。
請求項1〜3のいずれかに記載の磁気刺激装置Aにおいて、
脚部2b・2cの内側面2m・2nと、前記脚部2b・2cに巻設され、前記内側面2m・2nに対向する導体1b・1cの対向面との間に、前記ケーシング4内に取り込まれた冷却気体6が通流する冷却スペース81がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
請求項1〜4のいずれかに記載の磁気刺激装置Aにおいて、
導体1b・1cは、脚部2b・2cの先端2s・2tから基部2k・2lに向かって複数層(段)に分割して巻着された線材1b1〜1bn/1c1〜1cnで構成され、
前記線材1b1〜1bn/1c1〜1cnは、隣接する各層(段)毎に接続されるようになっていることを特徴とする。
請求項1〜4のいずれかに記載の磁気刺激装置Aにおいて、
導体1b・1cは、脚部2b・2cの先端2s・2tから基部2k・2lに向かって複数層(段)に分割して巻着された線材1b1〜1bn/1c1〜1cnで構成され、
一方の脚部2bの先端2sから基部2kに向かう各層(段)の線材1b1〜1bnは、他方の脚部2cの各層(段)の線材1c2〜1cnに基部2l側から先端2tに向かって順に接続されていることを特徴とする。
請求項1〜4のいずれかに記載の磁気刺激装置Aにおいて、
導体1b’・1c’は、脚部2b・2cそれぞれに入れ子にて多重に巻着されることにより、内外で複数層に巻設された線材1b1’〜1bn’/1c1’〜1cn’で構成され、
前記線材1b1’〜1bn’/1c1’〜1cn’は、対応する内側同士、外側同士で同層毎に接続されていることを特徴とする。
請求項1〜4のいずれかに記載の磁気刺激装置Aにおいて、
導体1b’・1c’は、脚部2b・2cそれぞれに入れ子にて多重に巻着されることにより、内外で複数層に巻設された線材1b1’〜1bn’/1c1’〜1cn’で構成され、
前記線材1b1’〜1bn’/1c1’〜1cn’は、内側の線材に対して対応する外側の線材が各層毎に接続されていることを特徴とする。
磁性体コア2と、導体1b・1cと、送風用のファン5と、これらを収納したケーシング4とで構成された磁気刺激装置Aにおいて、
磁性体コア2は、本体部分2aと、前記本体部分2aから同方向に突出し、その対向内側面2m・2n間の間隔Lがその基部2k・2lから先端2s・2tに向けて次第に拡大するように形成されている脚部2b・2cとで構成され、且つ複数の薄板3の平面同士が重なり合った積層体で構成されており、
導体1b・1cは、前記脚部2b・2cのそれぞれの周囲にコイル状に巻設されており、
ファン5は、前記脚部2b・2cの対向内側面2m・2n間に向けて配置されていることを特徴とする。
また、脚部2b・2cの傾斜した側面と導体1との間にスペースが発生するので、冷却気体6を流すとこのスペースに入り込んで脚部2b・2cを効果的に冷却する。
この場合、各層の接続が「クロス接続」の場合、「ストレート接続」と違い、先端側(内側)のコイルに発生する起電力と基部側(外側)のコイルに発生する逆方向の起電力とが相殺し、導体1の昇温がより効果的に抑制されることになる。
両脚部2b・2cの形状は、本体部分2aに平行で両脚部2b・2cを横断する面K(例えば、水平面)で切ったその横断面積Sb・Scが先端2s・2tに向かうと共に次第に小さくなるように形成されている。
図4(b)に示す実施例は脚部形状の一例で、脚部2b・2cの対向内側面2m・2nが平面で構成され、その間隔Lが基部2k・2lから先端2s・2tに向けて次第に拡大するように形成されている。この対向内側面2m・2n間の開き角度を「θ」で表す(図5)。
脚部形状を具体的に言えば、先すぼまりの角柱(角錐台)或いは外側面が垂直、対向内側面(平面)が上に行くほど広がるように傾斜した正面視台形状の立体である。
図4(c)に示す実施例は脚部形状の他の例で、対向内側面2m・2nが内側に膨出している。図の例では、先端2s・2tに平行な稜線で3分割されている。それぞれの分割内側面を2m1・2m2・2m3/2n1・2n2・2n3で表す。勿論、3分割は一例で、内側に膨出するような縦断面円弧状の曲面(即ち、円柱の一部を切り取った曲面:図示せず)でもよい。このような形状にすることで、対向内側面2m・2nが平面の場合より、強い刺激を内部に与えることができる。即ち、磁性体コア2の対向内側面2m・2nが内側に膨出していると、磁性体コア2の太い基部2k・2lの磁束密度が飽和しにくくなり、磁性体コア2の先端2s・2tまで内部の磁束密度が高い状態が維持される。その結果、コア先端2s・2tの磁束密度がより強くなる。
薄板3は、図7に示すように、磁性体コア2の本体部分2aと両脚部2b・2cとを同時に横断する面M(例えば、垂直面)に平行に(換言すれば、薄板3の平面を重ね合わせて)積層されている。従って、薄板3の形状は、図5に示すように、薄板本体3aの一つの辺から二つの脚部構成突片3b・3cが同じ方向に延出した略U字形のもので、その内側対向辺は基部から先端に向かって次第に間隔が広がるように形成されている。その開き角度をθで示す。
上記θ=9.1°は20mmの深さZにおける磁気刺激の強度(20mmの深さにおける誘導電流密度A/m2、即ち、これが当該部分の渦電流の強度)が平坦になり始める位置であり、θ=17.7°は両者が急落する位置である。θ=13.5°でピークを迎える。20mmの深さZにおける磁気刺激の強度は、θ=9.1°〜17.7°の範囲で平坦な値を示す。17.7°を越えると磁気刺激は急落する。
なお、θ=13.5°±2°では20mmの深さZにおける最大磁気刺激の強度(A/m2)を含み且つほぼ一定を保つので、この範囲が最も適切な開き角度θである。
1mmの深さにおける磁気刺激は、開き角度θが大きくなるに連れて一貫して漸減する。上記範囲では、開き角度θ=0の場合に比べて皮膚に対する刺激を幾分緩和することになる。
なお、図15は、左縦軸に皮膚から20mmの深さにおける誘導電流密度A/m2、右縦軸に1mmの深さにおける誘導電流密度A/m2、横軸に磁性体コア2の対向内側面2m・2nの開き角度θ(度)を示す。
導体1それぞれは、内周側と外周側や、上段側と下段側のコイルが互いに接触するように密巻状に巻設されている。(勿論、内外が接触しないようにコイル冷却用スペース(図示せず)を設けて巻設することも可能である。)
導体1の絶縁被膜はウレタン樹脂を用い、導体1表面の放熱を妨げないように薄くした。本実施形態では絶縁被膜の厚みは20μmとした。
第1は、図8(a)、図10のように脚部2b・2cの周囲に上下幅の大きい1本の線材が内側から外側に向けて何重にも巻き付けられ、最外周のコイル同士が接続され、最内周のコイルがそれぞれ励磁電流供給線10b・10cに接続されている場合である。これを「シングルコイル」という。
第2、第3は、図8(b)のように上下の幅が狭い複数本の平角線材を脚部2b・2cの周囲に上下方向で多層(多段又は入れ子状に多重)に巻設して用いる場合である。これを「並行コイル」「多重コイル」とする。
即ち、導体1を構成する線材の脚部2b・2cへの巻き状態は、「シングルコイル」「並行コイル」「多重コイル」の3パターンがある。
続いて、第2の線材が、前記最内層である第1のコイル1b1’の上に重ねるように巻き付けられる。n層の場合は、その上に順次入れ子状に巻設されることになる。最外層のコイルを1bn’で表す。
同様に他方の脚部2cの外周面に第1の線材から第n迄の線残りの部分が順次入れ子状に巻設される。これらコイルを1c1’〜 1cn’で表す。
最内周では最内周のコイル1b1’/1c1’同士が接続され、順次、同じ重畳層のコイル同士が接続され、最外周では最外周のコイル1bn’/1cn’同士が接続される。そして各脚部2b・2cのコイルの端末はそれぞれ集合されて励磁電流供給線10b・10cに接続される。
そして、一方の脚部2bの基部2k側の最内層のコイル1b1’は、他方の脚部2cの最外層の先端2t側のコイル1cn’に接続されて1本の線材となる。同様に一方の脚部2bの基部2k側の2番目の内層のコイル1b2’は、他方の脚部2cの最外層の先端2t側のコイル1c(n−1)’に接続される。一方の脚部2bの基部2k側の最外層であるn番目の内層のコイル1bn’は、他方の脚部2cの最内層の先端2t側のコイル1c1’に接続される。そして各脚部2b・2cに巻設されたコイルの端末はそれぞれ集合されて励磁電流供給線10b・10cに接続される。
なお、脚部2b・2cの形状は、上記のような対向内側面2m・2nが外側に傾斜している場合だけでなく、図示していないが脚部2b・2cの外側面が先端2s・2t側に近付くに連れて内側に傾斜している場合もある。この場合、上記直角三角形状のスペースは脚部2b・2cの外側面側に発生する。また、脚部2b・2cの対向内側面2m・2n及び外側面側の両方に傾斜面が設けられる場合もあり、上記三角形状のスペースは脚部2b・2cの内外両側面に沿って発生する。
ハンドル49はケーシング4の後方に伸びるようにケーシング本体46の底部48に設けられている。ケーシング本体46の前面には、内部スペースに通じる吸気口47が設けられている。
また、蓋部41の前面には横長のスリットの吹き出し口44が上下方向にわたって複数段で穿設されている。そしてこの吹き出し口44は、磁性体コア2の脚部2b・2cの間の空間に一致して設けられている。そして、蓋部41の背面には、コード取付部45が後方に突出するように設けられている。このコード取付部45には給電コード50が接続されている。
そして、磁性体コア2の背面側のファン収納スペース84でこの吸気スペース83と、上記排気側の冷却スペース81とが繋がっている。
この磁性体コア2の背面側のファン収納スペース84にはファン5が設置されている。これら吸気口47、冷却スペース81、ファン収納スペース84、吸気スペース83、吹き出し口44及びファン5とで冷却機構7が構成される。(ファン5に代えて給気ホース(図示せず)を吸気口47に接続してもよい。)
図10において、一方の励磁電流供給線10bから励磁電流(パルス電流或いは交流電流)を供給すると、励磁電流は一方の脚部2bに巻かれた導体2bに反時計方向に流れ、続いて他方の脚部2cに巻かれた導体1cに時計方向に流れ、他方の励磁電流供給線10cに流れる。
これにより一方の脚部2bの先端2sの磁極はSとなり、他方の脚部2cの先端2sの磁極はNとなる。そして、一方向の励磁電流が流れ終わると、該励磁電流は反転して他方の励磁電流供給線10cから反対方向の励磁電流が流れ、これが他方の脚部2cに巻かれた導体1cに時計方向に流れ、続いて一方の脚部2bに巻かれた導体1bに反時計方向に流れ、一方の励磁電流供給線10bに流れる。これにより他方の脚部2cの先端2sの磁極はSとなり、一方の脚部2bの先端2tの磁極はNとなり、磁極が反転する。これを所定周期で繰り返す。磁性体コア2の両先端2s・2t間に磁束Gが発生する。
発生した磁束Gは、患部(図では、顎の下)の深部では開き角度θ=0に比べてより深くまで到達する磁束G3、皮膚では開き角度θ=0に比べて弱められた磁束G1が作用する。そしてその作用として深部では強められた渦電流U3、皮膚では弱められた渦電流U1が発生し、当該部分を磁気刺激する。
本装置Aの磁性体コア2の脚部2b・2cは、本体部分2a側の基部2k・2lから先端に向けてその横断面積Sb・Scが次第に小さくなるように形成されているので、先端部分の内側面からの磁極間磁束の漏れが抑制される。その結果、導体1に渦電流Uが発生せず、導体1の先端側の部分の昇温が抑制されるようになった。これと同時に上記のような磁束漏れを抑制できるようになったので、先端2s・2tから出る磁束密度を一定に保つことが出来た。これはエネルギーロスを減らすもので、装置の小型化に寄与する。
これによりトレーニングでは、痛みを生じさせることなく顎の筋肉(或いは、腕の筋肉)が大きく収縮し、嚥下用や腕の筋肉の効果的なトレーニングが可能になる。
なお、冷却スペース81の前後は導体1で阻まれているため、冷却用の空気6が該導体1にぶつかって冷却スペース81内で十分な乱流を生じ、その結果、高い冷却効果を発揮する。
図8(a)のような「シングルコイル」の場合、励磁電流を流すと、既述のように磁性体コア2の両脚部2b・2cの先端側のインダクタンスが基部側のインダクタンスより部分的に低くなる。そのために、脚部1b・1cの先端部分に面する上下幅広の導体1b・1cの先端側の部分に集中して励磁電流が流れる。その結果、「シングルコイル」では、上記空冷を中心に磁性体コア2の積層方向と形状の改善により装置の昇温抑制を行っている。
第1の結線構造(並行コイルのストレート構造)では、通電時、脚部2b・2cの先端部分のインダクタンスが基部2k・2lの部分より小さくなる。それ故、脚部2b・2cに巻き付けられたコイル1b1/1c1〜1bn/1cnにおいて、励磁電流は先端2s・2t側から基部2k・2l側に向かうにつれて減少する。即ち、脚部2b・2cの先端部分に巻き付けられた第1層1b1/1c1には、それ以下の基部2k・2l側の層1b2〜1bn/1c2〜1cnより多くの励磁電流が流れる。しかしながら、縦長幅広帯状の一体物である「シングルコイル」に比べてこの場合は、導体1b・1cが複数の線材に分割されているため、電流密度の偏りが軽減される。
なお、本発明の磁性体コア2は、既述のように脚部2b・2c間からの磁極間漏れ磁束が大幅に抑制されているため、各導体層1b1〜1bn/1c1〜1cnにおける渦電流の発生は小さい。
その結果、「並行コイルのストレート構造」は「シングルコイル」に比べて軽減された電流密度の偏りより、導体1b・1cの発熱が「シングルコイル」に比べて大幅に抑制される。
次に、第1実施例の第2の結線構造(並行コイルのクロス構造)について説明する(図12)。導体1b・1cに励磁電流を流すと、インダクタンスの関係から、上記のように第1層1b1/1c1にやや偏って励磁電流が流れようとするが、この第1層1b1/1c1に接続されている基部2k・2l側の第n層1bn/1cnは第1層1b1/1c1に比べて励磁電流が流れにくいので、第n層1bn/1cnが律速となって第1層1b1/1c1に流れる励磁電流が抑制される。換言すれば、第1層1b1/1c1に流れる励磁電流は第n層1bn/1cnと同じになる。これにより全体としてほぼ均一で抑制された励磁電流が各層の導体1中を流れる。その結果、上記第1結線構造に比べてより発熱を抑制することができる。
なお、(並行コイル)としては図3、図4の上下2層構造が含まれ、「ストレート結線」と「クロス結線構造」が適用される。
次に第2実施例の第1の結線構造(多重コイルのストレート構造)について説明する。導体1b’・1c’は、これを構成する線材が既述のように、大径から細径まで直径の異なるコイルスプリング状のもので、脚部2b・2cに密着多重に巻かれて構成されている。即ち、導体1b’・1c’の細径のものは太径のものの内側に入れ子状態で配置されている。そして、第1実施例の「ストレート構造」と同様、一方の脚部2b’の各導体層1b1’〜1bn’を構成する線材が、他方の脚部2c’の各導体層1c1’〜1cn’の線材にそれぞれ並列接続されている。
第2実施例の第2結線構造(多重コイルのクロス構造)は、一方の脚部2bに多重に巻設された最内側の第1層1b1’は、前記他方の脚部2cの最外層の第n層1cn’に接続され、一方の脚部2bの最外層の第n層1bn’は、他方の脚部2cの最内側の第1層1c1’に接続され、逆順に接続されている。
換言すれば、第1層1b1’/1c1’の先端部分と、最外層1bn’/1cn’の先端部分とを比較すると、第1層1b1’/1c1’の方が大きな影響を受ける。その結果、第1層1b1’/1c1’を流れる励磁電流は、最外層1bn’/1cn’のそれよりも若干強くなる。それ故、このように逆順に接続されているこの場合は、インダクタンスの影響が最も小さい第n層1bn’(1cn’)の基部側が律速となり、電流密度の偏りが少なく昇温もよりよく抑制できる。
以上から、既述のように磁性体コア2の積層方向と形状、及び冷却構造の改善に加えて結線構造を改善することで、例えば、顎の小さい患者用の小型の磁気刺激装置Aで、仕様の15分を大幅に下回る6分40秒で100回(6000発)の磁気刺激が可能となった。これにより、患者及び施術者の負担を大幅に軽減できるようになった。
Claims (8)
- 本体部分と、前記本体部分から同方向に突出した脚部とで構成された磁性体コアと、
前記脚部のそれぞれの周囲に巻設されたコイル状の導体と、
前記磁性体コアと導体とを収納したケーシングとを含む磁気刺激装置において、
前記脚部の対向内側面間の間隔が基部から先端向けて次第に拡大するように形成されることで、前記脚部は、前記脚部を同時に横断する面に平行なその横断面積が本体部分側の基部から先端に向けて、次第に小さくなるように形成されていることを特徴とする磁気刺激装置。 - 磁性体コアは薄板の積層体で構成されており、その積層面は、磁性体コアの本体部分と両脚部とを同時に縦断する面に平行であることを特徴とする請求項1に記載の磁気刺激装置。
- 脚部の内側面と、前記脚部に巻設され、前記内側面に対向する導体の対向面との間に、前記ケーシング内に取り込まれた冷却気体が通流する冷却スペースがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気刺激装置。
- 導体は、脚部の先端から基部に向かって複数層に分割して巻着された線材で構成され、
前記線材は、隣接する各層毎に接続されるようになっていることを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気刺激装置。 - 導体は、脚部の先端から基部に向かって複数層に分割して巻着された線材で構成され、
一方の脚部の先端から基部に向かう各層の線材は、他方の脚部の各層の線材に基部側から先端に向かって順に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気刺激装置。 - 導体は、脚部それぞれに入れ子にて多重に巻着されることにより、内外で複数層に巻設された線材で構成され、
前記線材は、対応する内側同士、外側同士で同層毎に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気刺激装置。 - 導体は、脚部それぞれに入れ子にて多重に巻着されることにより、内外で複数層に巻設された線材で構成され、
前記線材は、内側の線材に対して対応する外側の線材が各層毎に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気刺激装置。 - 磁性体コアと、導体と、送風用のファンと、これらを収納したケーシングとで構成された磁気刺激装置において、
磁性体コアは、本体部分と、前記本体部分から同方向に突出し、その対向内側面間の間隔がその基部から先端に向けて次第に拡大するように形成されている脚部とで構成され、且つ複数の薄板の平面同士が重なり合った積層体で構成されており、
導体は、前記脚部のそれぞれの周囲にコイル状に巻設されており、
ファンは、前記脚部の対向内側面間に向けて配置されていることを特徴とする磁気刺激装置。
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