JP6791118B2 - 通信制御装置、通信装置、通信制御方法、通信方法およびプログラム - Google Patents

通信制御装置、通信装置、通信制御方法、通信方法およびプログラム Download PDF

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Description

本開示は、通信制御装置、通信装置、通信制御方法、通信方法およびプログラムに関する。
近年、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11に代表される無線LAN(Local Area Network)の普及が進み、それに伴い、伝送されるコンテンツの情報量および無線LAN対応製品が増加している。そこで、ネットワーク全体の通信効率を向上させるために、IEEE802.11の規格が現在も拡張されている。
その規格の拡張の一例として、802.11ac規格では、ダウンリンク(DL:downlink)についてのMU−MIMO(Multi−User Multi−Input Multi−Output)が採用されている。MU−MIMOは、空間分割多重化によって複数の信号を同じ時間帯に送信することを可能にする技術であり、当該技術によって、例えば周波数の利用効率を高めることが可能である。
しかし、複数の通信装置の各々が送信するフレームの送信期間が異なる場合があり、その場合、当該フレームの受信期間中に受信されるフレームの多重化数が増減する。そのため、多重化されたフレームを受信する通信装置における受信電力が受信期間中に変化し、当該受信電力の変化は受信性能に影響を与え得る。これに対し、フレームの送信期間を揃える手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、送信期間の異なる複数のフレームに適宜パディングを追加することにより、当該複数のフレームの送信期間を揃える通信装置が開示されている。
また、特許文献2では、アクセスポイント(AP:Access Point)としての通信装置がアップリンク(UL:uplink)フレームの送信期間を指定するUL許可情報を送信し、UL許可情報を受信する通信装置が指定される送信期間にわたるULフレームを送信する通信方法が開示されている。
特開2010−263490号公報 特開2010−263493号公報
しかし、特許文献1および2で開示される発明では、多重化されたフレームの受信特性が劣化する場合がある。例えば、多重通信を行う通信装置の各々から受信されるフレームの受信信号強度が異なる場合、ある通信装置から送信されるフレームの受信信号強度に合わせて信号の増幅が行われると、当該通信装置と異なる他の通信装置から送信されるフレームの受信信号が飽和し得る。または、当該他の通信装置に係る受信信号が当該通信装置に係る受信信号に対して相対的に圧縮され得る。その結果、当該他の通信装置の送信するフレームの受信が困難となり得る。
そこで、本開示では、無線LANにおける多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能な、新規かつ改良された通信制御装置、通信装置、通信制御方法、通信方法およびプログラムを提案する。
本開示によれば、他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を決定する制御部と、前記制御部によって決定される前記多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを生成する処理部と、前記処理部によって生成される前記フレームを前記他の通信装置に送信する通信部と、を備える通信制御装置が提供される。
また、本開示によれば、通信装置であって、前記通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて決定された無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を示す送信電力情報に基づいて自装置の送信電力を設定する制御部と、前記送信電力情報を含むフレームを受信し、前記制御部によって設定された送信電力でフレームを送信する通信部と、を備える通信装置が提供される。
また、本開示によれば、制御部によって、他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LANにおける多重通信のための送信電力を決定することと、決定される前記多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを生成することと、生成される前記フレームを前記他の通信装置に送信することと、を含む通信制御方法が提供される。
また、本開示によれば、通信部によって、無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを受信することと、通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて決定された前記送信電力情報に基づいて自装置の送信電力を設定することと、設定された送信電力でフレームを送信することと、を含む通信方法が提供される。
また、本開示によれば、他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LANにおける多重通信のための送信電力を決定する制御機能と、前記制御機能によって決定される前記多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを生成する処理機能と、前記処理機能によって生成される前記フレームを前記他の通信装置に送信する通信機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
また、本開示によれば、無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを受信する通信機能と、通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて決定された前記送信電力情報に基づいて自装置の送信電力を設定する制御機能と、設定された送信電力でフレームを送信する通信機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
以上説明したように本開示によれば、無線LANにおける多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能な通信制御装置、通信装置、通信制御方法、通信方法およびプログラムが提供される。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係る通信装置で構成される通信システムを例示する図である。 本開示の第1の実施形態に係る通信装置の概略的な機能構成を示すブロック図である。 同実施形態における送信電力範囲情報を含むフレームの構成例を示す図である。 同実施形態における送信電力範囲情報を含むフレームの他の構成例を示す図である。 同実施形態における通信システムの処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るチャネル情報取得処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るチャネル情報取得処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るアップリンク多重通信用送信電力決定処理を行う親局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るアップリンク多重通信処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るアップリンク多重通信処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの例を示す図である。 同実施形態に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの他の例を示す図である。 本開示の第2の実施形態に係るチャネル情報取得処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るチャネル情報取得処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るアップリンク多重通信処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るアップリンク多重通信処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。 本開示の第3の実施形態に係るチャネル情報取得処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るチャネル情報取得処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るアップリンク多重通信処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るアップリンク多重通信処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの例を示す図である。 同実施形態の変形例に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの例を示す図である。 本開示の第4の実施形態に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの例を示す図である。 本開示の第6の実施形態に係る親局におけるアップリンク多重通信用のフレーム送信期間の決定処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るアップリンク多重通信処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るアップリンク多重通信処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの例を示す図である。 スマートフォンの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 カーナビゲーション装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 無線アクセスポイントの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態に係る通信システムの概要
2.第1の実施形態(空間分割多重フレームで送信電力を通知する例)
3.第2の実施形態(周波数分割多重フレームで送信電力を通知する例)
4.第3の実施形態(アグリゲーションフレームで送信電力を通知する例)
5.第4の実施形態(Pollフレームで送信電力を通知する例)
6.第5の実施形態(チャネル推定用送信電力を事前に共有する例)
7.第6の実施形態(フレームの送信期間長の調整を行う例)
8.応用例
9.むすび
<1.本開示の一実施形態に係る通信システムの概要>
まず、図1を参照して、本開示の一実施形態に係る通信制御装置および通信装置の概要について説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る通信制御装置および通信装置で構成される通信システムを例示する図である。なお、以下では、通信制御装置および通信装置をまとめて通信装置とも称する。
通信システムは、複数の通信装置10で構成される。通信装置10は、無線通信機能を有し、多重化を用いた通信を行う。また、通信装置10は、APすなわち通信制御装置として動作し、または端末として動作する。以下、APとして動作する通信装置を親局、端末として動作する通信装置を子機とも称する。このため、通信システムでは、親局と子機との間で多重化を用いた1対多の通信が可能である。なお、親局から子機への通信をDL(ダウンリンク)通信、子機から親局への通信をUL(アップリンク)通信とも称する。
例えば、通信システムは、図1に示したように、複数の通信装置10#0〜10#4を備える。親局である通信装置10#0と子機である通信装置10#1〜10#4とは、無線通信を介して接続され、直接的に互いにフレームの送受信を行う。例えば、親局10#0は、IEEE802.11acに準拠する通信装置であって、アダプティブアレイアンテナによるSDMA(空間分割多元接続)を行う。
ここで、多重通信においては、多重化されたフレームの受信態様によっては、当該多重化されたフレームについての受信性能が低下する場合がある。例えば、多重化されるフレームの送信期間が当該フレーム間で異なる場合、当該フレームの受信電力が急峻に変化し、受信性能が低下し得る。
これに対し、多重化されるフレームの送信期間を揃えることが考えられる。しかし、送信期間が揃えられたとしても、多重化されるフレームの各々に係る受信信号強度にばらつきがある場合には、受信性能が低下し得る。
例えば、ある子局と当該ある子局よりも親局の遠くに位置する子局とにおいて同一の送信電力で送信されるフレームが多重化される場合を想定する。この場合に、親局において前者の子局から受信されるフレームの受信信号強度(以下、子局に係る受信信号強度とも称する。)に合わせて信号の増幅が行われると、後者の子局に係る受信信号は前者の子局に係る受信信号に対して相対的に圧縮され、圧縮される受信信号は量子化雑音の影響を受けることにより受信特性が劣化する。また、親局において後者の子局に係る受信信号強度に合わせて信号の増幅が行われると、前者の子局に係る受信信号は飽和し、前者の子局から送信されるフレームが正常に受信されなくなる。
そこで、本開示では、無線LANにおける多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能な通信装置を提案する。以下に、その詳細について説明する。なお、図1においては通信システムの一例として、通信装置10#0が親局である例を説明したが、他の通信装置10が親局であってもよく、また通信装置10#0は他の通信装置10#1〜10#4との複数のダイレクトリンクを持つ通信装置であってもよい。なお、後者の場合、上述のDLは「1機から複数機への同時送信」と、上述のULは「複数機から1機への同時送信」と読み替えられ得る。また、説明の便宜上、第1〜第3の実施形態に係る通信装置10の各々を、通信装置10−1、通信装置10−2のように、末尾に実施形態に対応する番号を付することにより区別する。
<2.第1の実施形態(空間分割多重フレームで送信電力を通知する例)>
以上、本開示の一実施形態に係る通信装置の概要について説明した。次に、本開示の第1の実施形態に係る通信装置10−1について説明する。第1の実施形態では、DL通信およびUL通信に空間分割多重方式が用いられる。
<2−1.装置の構成>
まず、図2を参照して、本開示の第1の実施形態に係る通信装置10−1の構成について説明する。図2は、本開示の第1の実施形態に係る通信装置10−1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
通信装置10−1は、図2に示したように、データ処理部11、通信部12および制御部17を備える。まず、通信装置10−1の基本的な機能について説明する。
((基本機能))
データ処理部11は、データに対して送受信のための処理を行う。具体的には、データ処理部11は、通信上位層からのデータに基づいてフレームを生成し、生成されるフレームを後述する信号処理部13に提供する。例えば、データ処理部11は、データからフレーム(またはパケット)を生成し、生成されるフレームにヘッダの付加および誤り検出符号の付加等の処理を行う。また、データ処理部11は、受信されるフレームからデータを抽出し、抽出されるデータを通信上位層に提供する。例えば、データ処理部11は、受信されるフレームについて、ヘッダの解析、符号誤りの検出および訂正、ならびにリオーダ処理等を行うことによりデータを取得する。
通信部12は、図2に示したように、信号処理部13、チャネル推定部14、無線インタフェース部15および増幅部16を備える。なお、図示しないが、通信装置10−1には、固定電源またはバッテリ等の電源が設けられる。
信号処理部13は、フレームについて変調処理等を行う。具体的には、信号処理部13は、データ処理部11から提供されるフレームについて、制御部17によって設定されるコーディングおよび変調方式等に従って、エンコード、インタリーブおよび変調を行うことによりシンボルストリームを生成する。また、信号処理部13は、空間処理により得られるシンボルストリームについて、復調およびデコード等を行うことによりフレームを取得し、取得されるフレームをデータ処理部11または制御部17に提供する。
また、信号処理部13は、空間分割多重通信に係る処理を行う。具体的には、信号処理部13は、生成されるシンボルストリームについて空間分離に係る信号処理を行い、処理により得られるシンボルストリームの各々をそれぞれ無線インタフェース部15に提供する。また、信号処理部13は、無線インタフェース部15から得られる信号に係るシンボルストリームについて空間処理、例えばシンボルストリームの分離処理等を行う。
チャネル推定部14は、チャネル利得を推定する。具体的には、チャネル推定部14は、無線インタフェース部15から得られるシンボルストリームに係る信号のうちの、プリアンブル部分またはトレーニング用の参照信号部分から複素チャネル利得情報を算出する。なお、算出される複素チャネル利得情報は、制御部17を介して信号処理部13に提供され、復調処理および空間分離処理等に利用される。
無線インタフェース部15は、アンテナを介して送受信される信号の生成を行う。具体的には、無線インタフェース部15は、信号処理部13から提供されるシンボルストリームに係る信号を、アナログ信号に変換し、フィルタリングし、および周波数アップコンバートする。そして、無線インタフェース部15は、得られる信号を増幅部16に提供する。また、無線インタフェース部15は、増幅部16から得られる信号について、信号送信の際と逆の処理、例えば周波数ダウンコンバートおよびデジタル信号変換等を行い、処理により得られる信号をチャネル推定部14および信号処理部13に提供する。なお、無線インタフェース部15は複数備えられなくてもよい。
増幅部16は、信号の増幅を行う。具体的には、増幅部16は、無線インタフェース部15から提供されるアナログ信号を所定の電力まで増幅し、増幅により得られる信号を、アンテナを介して送信させる。また、増幅部16は、アンテナを介して受信される電波に係る信号を所定の電力まで増幅し、増幅により得られる信号を無線インタフェース部15に提供する。例えば、増幅部16はパワーアンプモジュール等であり得る。なお、増幅部16の送信電波の増幅機能および受信電波の増幅機能のうちのいずれかまたは両方が無線インタフェース部15に内包されてもよい。
なお、以下では、信号処理部13、チャネル推定部14、無線インタフェース部15および増幅部16をまとめて通信部12とも称する。
制御部17は、通信装置10−1の動作を全体的に制御する。具体的には、制御部17は、各機能間の情報の受け渡し、通信パラメタの設定、およびデータ処理部11におけるフレーム(またはパケット)のスケジューリング等の処理を行う。
((親局として動作する場合の機能))
次に、通信装置10−1が親局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(送信電力設定レンジ取得機能)
制御部17は、通知される子局の送信電力の設定可能な範囲(以下、送信電力設定レンジとも称する。)を保持する。具体的には、制御部17は、送信電力設定レンジを示す情報(以下、送信電力範囲情報とも称する。)を含むフレームが受信されると、当該フレームから取得される送信電力範囲情報を別途に備えられる記憶部に記憶させる。
データ処理部11は、子局から送信電力範囲情報を含むフレームが受信されると、当該フレームから送信電力範囲情報を取得し、取得される送信電力範囲情報を制御部17に提供する。
通信部12は、子局から送信電力範囲情報を含むフレームを受信する。具体的には、通信部12は、子局との通信接続が確立される際に、当該子局から送信電力範囲情報を含むフレームを受信する。例えば、通信接続の際に用いられる送信電力範囲情報を含むフレームは、Association Requestフレームであり得る。さらに、図3を参照して、送信電力範囲情報を含むフレームの構成について説明する。図3は、本実施形態における送信電力範囲情報を含むフレームの構成例を示す図である。
図3に示したように、Association Requestフレームは、PLCP Header、MAC Header、PayloadおよびFCS(Frame Check Sequence)を含む。なお、MAC HeaderにはフレームがAssociation Requestフレームであることを示す「Association Request」のFrame Typeが格納される。さらに、Payloadは、図3に示したようなフィールド群を有する。そして、当該フィールド群のうちのPower Capabilityは、Element ID、Lengthならびに送信電力範囲情報としてのMinimum Transmit Power Capability(以下、最小送信電力とも称する。)およびMaximum Transmit Power Capability(以下、最大送信電力とも称する。)を含む。当該最小送信電力および最大送信電力には、それぞれ子局の設定可能な送信電力の最小値および最大値が格納される。
なお、送信電力範囲情報は、送信電力の範囲が特定されるのであれば、上記の形式と異なる形式の情報であってもよい。例えば、送信電力範囲情報は、送信電力の特定の値と当該特定の値に対する変動幅との組であってもよい。
また、上記では、送信電力範囲情報を含むフレームが通信接続の確立の際に送信されるフレームである例を説明したが、送信電力範囲情報を含むフレームは、任意の他のフレームであってもよい。例えば、送信電力範囲情報を含むフレームは、子局が省電力動作を行う場合等に送信されるActionフレームであり得る。さらに、図4を参照して、送信電力範囲情報を含むフレームがActionフレームである例について説明する。図4は、本実施形態における送信電力範囲情報を含むフレームの他の構成例を示す図である。
図4に示したように、Actionフレームは、Association Requestフレームと同様に、PLCP Header、MAC Header、PayloadおよびFCSを含む。なお、MAC HeaderにはフレームがActionフレームであることを示す「Action」のFrame Typeが格納される。さらに、Payloadは、図4に示したようなフィールド群を有する。なお、CategoryにはTPC(Transmit Power Control)用のデータであることを示す「TPC」が格納され、ActionにはPower Capabilityに格納されるデータがレンジ情報であることを示す「Notify Range」が格納される。そして、当該フィールド群のうちのPower Capabilityは、Element ID、Lengthならびに送信電力範囲情報としてのMinimum Transmit Power CapabilityおよびMaximum Transmit Power Capabilityを含む。
なお、上記では、送信電力範囲情報が子局から自発的に送信される例を説明したが、親局は子局に対して送信電力範囲情報を要求してもよい。
(チャネル情報の取得機能)
制御部17は、空間多重通信のためのチャネル情報を取得する。具体的には、制御部17は、データ処理部11に、第1のフレームとして、トレーニング用の参照信号を要求するフレーム(以下、TRQ(Training Request)フレームとも称する。)を生成させ、通信部12に生成されるTRQフレームを子局に向けて送信させる。また、制御部17は、第2のフレームとして、TRQフレームへの応答としてのフレーム(以下、TFB(Training Feedback)フレームとも称する。)が受信されると、当該TFBフレームに基づいて推定されるアンテナ重みを示す情報を通信部12から取得する。
また、制御部17は、子局に設定させる送信電力の決定のためのチャネル情報を取得する。具体的には、制御部17は、TRQフレームおよびTFBフレームの通信におけるTFBフレームの通信に係る電力に基づいてチャネル情報を生成する。より具体的には、TRQフレームは、第2の電力情報としての、TFBフレームの送信電力(以下、TFB送信電力とも称する。)を示す情報を含む。そして、当該TFB送信電力で送信されたTFBフレームが通信部12によって受信されると、制御部17は、TFB送信電力とTFBフレームの受信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。
例えば、制御部17は、データ処理部11にTFB送信電力を示す情報を含むTRQフレームを生成させ、通信部12に生成されるTRQフレームを送信させる。なお、制御部17は、当該TFB送信電力を示す情報を記憶部に記憶させる。
そして、制御部17は、TRQフレームへの応答としてTFBフレームが受信されると、当該TFBフレームの受信電力(以下、TFB受信電力とも称する。)を示す情報を、当該TFB受信電力を測定した通信部12から取得する。
次に、制御部17は、TFB送信電力とTFB受信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。より詳細には、制御部17は、次式を用いて子局毎に伝搬減衰量PathLossを算出する。
Figure 0006791118
上記の数式1において、PathLoss(n)はn番目の子局の伝搬減衰量を示す。また、PTX_TFB(n)はn番目の子局のTFB送信電力を示し、PRX_TFB(n)はn番目の子局のTFBフレームの受信電力を示す。なお、数式1は、対数(dB)値における計算式である。
データ処理部11は、チャネル情報の取得処理に係るフレームを生成する。具体的には、データ処理部11は、TFB送信電力を示す情報を含むTRQフレームを生成し、生成されるフレームを通信部12に提供する。また、TRQフレームには、宛先となる子局を示す情報(以下、宛先情報とも称する。)が含まれる。例えば、宛先情報は、子局のMAC(Media Access Control)アドレスまたは子局の各々に事前に通知される子局の属するグループを示す識別子であり得る。なお、TRQフレームの通信前に、TRQフレームの宛先またはグループの識別子が子局において既知である場合、当該TRQフレームの宛先またはグループの識別子等の情報が含まれなくてもよい。また、TRQ/TFBフレーム交換において複数のモードが設定される場合には、当該モードを示す情報がTRQフレームに含まれてもよい。
通信部12は、TRQフレームの送信処理およびTFBフレームの受信処理を行う。また、通信部12は、空間分割多重通信のためのチャネル情報を生成する。具体的には、通信部12は、データ処理部11から提供されるTRQフレームを子局に送信し、当該TRQフレームへの応答としてのTFBフレームを子局から受信する。そして、通信部12は、当該TFBフレームに含まれるトレーニング用の参照信号を用いてアンテナ重みを推定し、推定されるアンテナ重みを示す情報を制御部17に提供する。
(アップリンク多重通信用送信電力の決定機能)
制御部17は、子局からの受信によって得られる情報に基づいてアップリンク多重通信のための送信電力を決定する。具体的には、制御部17は、子局の各々について、伝搬経路に応じて変化する情報すなわち伝搬減衰量に基づいて送信電力を決定する。
例えば、制御部17は、まずターゲット受信電力を決定する。より詳細には、制御部17は、子局から受信されるフレームの受信信号特性、例えばSN比が所定の範囲内に収まる受信電力にターゲット受信電力(以下、PRX_TARGETとも称する。)を決定する。
次に、制御部17は、ターゲット受信電力と伝搬減衰量とに基づいて、アップリンク多重通信において用いられるべき子局の送信電力(以下、PTX_MUXとも称する。)を決定する。より詳細には、制御部17は、次式を用いてPTX_MUXを決定する。
Figure 0006791118
上記の数式2において、PTX_MUX(n)はn番目の子局のPTX_MUXを示し、PRX_TARGET(n)はn番目の子局のターゲット受信電力を示す。なお、数式2は、対数(dB)値における計算式である。
次に、制御部17は、決定されるPTX_MUXが子局の設定可能な送信電力であるかを判定する。より詳細には、制御部17は、数式2を用いて決定されるPTX_MUXの各々が送信電力範囲情報の各々の示す送信電力設定レンジ内であるかをそれぞれ判定する。なお、PTX_MUXが送信電力設定レンジ内であると判定される場合、制御部17は、PTX_MUXをアップリンク多重通信用の送信電力として確定する。
なお、上記では、伝搬減衰量はTRQ/TFBフレーム交換における通信に係る電力に基づいて推定される例を説明したが、伝搬減衰量はさらに過去の伝搬減衰量を利用して推定されてもよい。例えば、制御部17は、過去の伝搬減衰量を記憶部に記憶させておき、上述したように算出された伝搬減衰量および過去の伝搬減衰量に重みづけを行うことによって伝搬減衰量を推定する。なお、過去の伝搬減衰量はTRQ/TFBフレーム交換以外の通信で推定された値であってもよい。
(アップリンク多重通信用送信電力の通知機能)
制御部17は、アップリンク多重通信用送信電力の子局への通知処理を制御する。具体的には、制御部17は、PTX_MUXが決定されると、データ処理部11に送信電力情報としての当該PTX_MUXを示す情報(以下、UTP情報とも称する。)を含むDLフレームを生成させ、通信部12に生成されるDLフレームを子局に向けて送信させる。なお、当該DLフレームは、子局のULフレームの送信についてのトリガとなるため、以下ではトリガフレームとも称する。また、トリガフレームは、後述するようにデータフレームであってもよく、コントロールフレームまたはマネジメントフレームであってもよい。
また、制御部17は、アップリンク多重通信におけるフレームの許可送信期間を示す情報(以下、RDG(Reverse Direction Grant)情報とも称する。)を含むトリガフレームの生成をデータ処理部11に指示する。例えば、RDG情報は、予め決定され、記憶部に記憶される。そして、制御部17は、PTX_MUXが決定されると、記憶部からRDG情報を取得し、取得されるRDG情報をトリガフレームの生成指示と共にデータ処理部11に提供する。
データ処理部11は、PTX_MUXの通知処理に係るフレームを生成する。具体的には、データ処理部11は、UTP情報およびRDG情報を含むトリガフレームを生成し、生成されるトリガフレームを通信部12に提供する。なお、トリガフレームにおけるUTP情報およびRDG情報の格納位置は任意である。
通信部12は、PTX_MUXの通知処理に係るフレームを空間多重通信で子局の各々に送信する。具体的には、通信部12は、データ処理部11から提供されるトリガフレームを上述したTRQ/TFBフレーム交換によって得られたアンテナ重みを用いて空間多重化し、多重化されたトリガフレームを子局の各々に送信する。
((子局として動作する場合の機能))
次に、通信装置10−1が子局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(送信電力設定レンジ通知機能)
制御部17は、送信電力範囲情報の親局への通知処理を制御する。具体的には、制御部17は、親局との通信接続が確立される際に、データ処理部11に送信電力範囲情報を含むフレームを生成させ、通信部12に生成されるフレームを親局に向けて送信させる。なお、上述したように、親局との通信接続が確立される場合以外において送信電力範囲情報を含むフレームが生成されてもよい。
データ処理部11は、制御部17からの指示に基づいて送信電力範囲情報を含むフレームを生成し、生成されるフレームを通信部12に提供する。
通信部12は、データ処理部11から提供される送信電力範囲情報を含むフレームを親局に向けて送信する。
(チャネル情報の取得支援機能)
制御部17は、親局からの要求に基づいてチャネル情報の取得支援処理を制御する。具体的には、制御部17は、親局から自局宛てのTRQフレームが受信されると、データ処理部11にTFBフレームを生成させ、通信部12に生成されるTFBフレームを親局に向けて送信させる。
データ処理部11は、TRQフレームが自局宛てであるかを判定する。具体的には、データ処理部11は、TRQフレームが受信されると、当該TRQフレームに含まれる宛先情報を取得し、取得される宛先情報が自局を含むかを判定する。当該取得される情報が自局を含む場合、データ処理部11は、制御部17に自局宛てのTRQフレームが受信された旨を通知する。また、データ処理部11は、当該TRQフレームからTFB送信電力を示す情報を取得し、取得されるTFB送信電力を示す情報を制御部17に提供する。
また、データ処理部11は、制御部17の指示に基づいてTFBフレームを生成する。具体的には、データ処理部11は、トレーニング用の参照信号を含むTFBフレームを生成し、生成されるTFBフレームを通信部12に提供する。なお、TFBフレームのモードが指定される場合は、データ処理部11は、当該指定されるモードに係るTFBフレームを生成する。
通信部12は、TRQフレームの受信処理およびTFBフレームの送信処理を行う。具体的には、通信部12は、TRQフレームを親局から受信し、データ処理部11から提供されるTFBフレームを親局に送信する。なお、通信部12は、TRQフレームで通知されるTFB送信電力でTFBフレームを送信する。TFB送信電力の設定については後述する。
(TPC機能)
制御部17は、子局における送信電力制御(TPC)を行う。具体的には、制御部17は、親局から受信されるTRQフレームに含まれるTFB送信電力に基づく送信電力の設定指示、および親局から受信されるトリガフレームに含まれるUTP情報に基づく送信電力の設定指示を行う。例えば、制御部17は、TFB送信電力またはUTP情報の示す送信電力を自局の送信電力として通信部12すなわち増幅部16に設定させる。
なお、TPC機能がオフになっている場合のようにTPCが行われない場合には、制御部17は、送信電力の設定指示を増幅部16に行わなくてもよく、予め定められる値(以下、デフォルト値とも称する。)、例えば無線LAN通信において一般的に使用される送信電力の値の設定指示を増幅部16に行ってもよい。
通信部12は、制御部17の指示に基づいて送信信号の増幅を行う。具体的には、増幅部16は、制御部17から送信電力の設定が指示される場合、当該指示に係る送信電力となるように自局の送信電力を設定する。なお、増幅部16は、制御部17から送信電力の値が指示されない場合、またはデフォルト値の設定が指示される場合、デフォルト値に送信電力を設定する。そして、増幅部16は、無線インタフェース部15から提供される信号を設定される送信電力まで増幅させる。
(アップリンク送信機能)
制御部17は、トリガフレームに対する応答処理を制御する。具体的には、制御部17は、トリガフレームが受信されると、データ処理部11にULフレームを生成させ、通信部12に生成されるULフレームを親局に向けて送信させる。
データ処理部11は、トリガフレームからUTP情報およびRDG情報を取得し、取得されるUTP情報およびRDG情報を制御部17に提供する。
また、データ処理部11は、トリガフレームから取得されるRDG情報に基づいてULフレームを生成する。具体的には、データ処理部11は、親局から受信されるトリガフレームへの確認応答(以下、ACKとも称する。)フレームが連結されるULフレームを、ULフレームの送信期間がRDG情報の示す許可送信期間となるように生成する。
例えば、データ処理部11は、まず、送信すべきデータに基づいてデータフレームを生成し、次いで、トリガフレームに対するACKフレームを生成する。そして、データ処理部11は、データフレームとACKフレームとを連結することによってULフレームを生成する。なお、ULフレームにおけるACKフレームの位置は任意である。
さらに、データ処理部11は、ULフレームの送信期間が許可送信期間未満である場合、ULフレームにパディングを追加することによって、ULフレームの送信期間を許可送信期間と一致させる。
なお、上記では、生成されるULフレームの送信期間が許可送信期間以下である例を説明したが、データ処理部11は、生成されるULフレームの送信期間が許可送信期間を超過する場合、ULフレームを調整してもよい。具体的には、データ処理部11は、ULフレームのうちのデータフレームを複数に分ける。
例えば、データ処理部11は、ULフレームの送信期間すなわち許可送信期間からACKフレームの送信期間(以下、ACK送信期間とも称する。)が差し引かれた送信期間(以下、使用可能送信期間とも称する。)を算出し、データフレームの送信期間が使用可能送信期間を超過しているかを判定する。データフレームの送信期間が使用可能送信期間を超過していると判定される場合、データ処理部11は、フラグメント化等の方法を用いて、送信期間が使用可能送信期間以下となるようにデータフレームを分割する。なお、データ処理部11は、データフレームがアグリゲーションフレームである場合には、データフレームのサブフレームの一部について連結を解除することによってデータフレームの送信期間が使用可能送信期間以下となるようにデータフレームを変更してもよい。
この場合、ULフレームが許可送信期間を超える場合であっても、送信の機会が確保され、通信効率を向上させることが可能となる。
通信部12は、トリガフレームの受信処理およびULフレームの送信処理を行う。具体的には、通信部12は、トリガフレームを親局から受信し、データ処理部11から提供されるULフレームを親局に送信する。なお、当該ULフレームは、トリガフレームに含まれるUTP情報を基に設定された送信電力で送信される。
<2−2.装置の処理>
次に、図5〜図10を参照して、本実施形態における通信システムおよび通信装置10−1の処理について説明する。
(処理全体のフロー)
まず、図5を参照して、通信システムの処理の流れについて説明する。図5は、本実施形態における通信システムの処理を概念的に示すフローチャートである。
通信システムでは、まず送信電力設定レンジ通知処理が行われる。具体的には、子局は、親局との通信接続の確立の際に、自局の送信電力範囲情報を含むフレームを親局に送信する。当該フレームを受信した親局は、当該フレームに含まれる送信電力範囲情報を記憶する。なお、その後に送信電力範囲情報を含むフレームが受信されると、親局は、送信電力範囲情報を更新してもよい。
次に、通信システムでは、チャネル情報取得処理が行われる。具体的には、親局は、TRQフレームを子局に送信する。そして、TRQフレームを受信した子局は、当該TRQフレームで示される送信電力でTFBフレームを親局に送信する。例えば、図6および図7に示すような処理が行われる。
次に、通信システムでは、アップリンク多重通信用送信電力決定処理が行われる。具体的には、親局は、取得されたチャネル情報を用いてアップリンク多重通信において用いられるべき子局の送信電力を決定する。例えば、図8に示すような処理が行われる。
次に、通信システムでは、アップリンク多重通信処理が行われる。具体的には、親局は、決定されたアップリンク多重通信において用いられるべき子局の送信電力を示すトリガフレームを子局に送信する。トリガフレームを受信した子局は、トリガフレームで示されるUTP情報を基に設定された送信電力でULフレームを親局に送信する。例えば、図9および図10に示すような処理が行われる。
(チャネル情報取得処理のフロー)
続いて、図5におけるステップS102の処理であるチャネル情報取得処理の詳細について説明する。まず、図6を参照して、チャネル情報取得処理における親局の処理について説明する。図6は、本実施形態に係るチャネル情報取得処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。
親局は、TFB送信電力を決定する(ステップS201)。具体的には、制御部17は、子局から通知された送信電力設定レンジ内でTFB送信電力を決定する。なお、TFB送信電力は、子局の各々について共通であってもよく、子局の各々で異なってもよい。
次に、親局は、TFB送信電力を示す情報を含むTRQフレームを生成する(ステップS202)。具体的には、データ処理部11は、TFB送信電力を示す情報を含むTRQフレームを生成し、生成されるTRQフレームを通信部12に提供する。
次に、親局は、TRQフレームを子局に送信する(ステップS203)。具体的には、通信部12は、データ処理部11から提供されるTRQフレームを制御部17から指示される送信電力で子局に送信する。
次に、親局は、TFBフレームが子局から受信されるまで待機する(ステップS204)。具体的には、通信部12は、TFBフレームが所定の時間内に受信されたかを判定し、TFBフレームが所定の時間内に受信されていないと判定される場合、TRQフレームを再送する。なお、再送回数に上限が設けられてもよい。
TFBフレームが子局から受信されると、親局は、TFB受信電力を取得する(ステップS205)。具体的には、TFBフレームが受信されると、通信部12は、TFBフレームの受信電力を測定する。また、通信部12は、TFBフレームに含まれるトレーニング用の参照信号に基づいてアンテナ重みを算出する。
次に、親局は、TFB受信電力およびTFB送信電力に基づいて伝搬減衰量を推定する(ステップS206)。具体的には、制御部17は、通信部12によって測定されるTFB受信電力と子局に通知したTFB送信電力とを上述したような数式1に適用することによって伝搬減衰量を算出する。
続いて、図7を参照して、チャネル情報取得処理における子局の処理について説明する。図7は、本実施形態に係るチャネル情報取得処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。
子局は、自局宛てのTRQフレームが親局から受信されたかを判定する(ステップS301)。具体的には、データ処理部11は、TRQフレームが受信されると、当該TRQフレームに含まれる宛先情報を取得し、取得される宛先情報が自局を示すかを判定する。
自局宛てのTRQフレームが受信されたと判定された場合、子局は、TRQフレームからTFB送信電力を示す情報を取得する(ステップS302)。具体的には、データ処理部11は、TRQフレームに含まれる宛先情報が自局を示すと判定される場合、当該TRQフレームからTFB送信電力を示す情報を取得する。
次に、子局は、TFB送信電力に送信電力を設定する(ステップS303)。具体的には、制御部17は、通信部12すなわち増幅部16に自局の送信電力をデータ処理部11によって取得されたTFB送信電力に設定させる。
次に、子局は、参照信号を含むTFBフレームを生成する(ステップS304)。具体的には、データ処理部11は、制御部17の指示に基づいてトレーニング用の参照信号を含むTFBフレームを生成し、生成されるTFBフレームを通信部12に提供する。
次に、子局は、TRQフレームの受信から所定の時間経過後にTFBフレームを親局に送信する(ステップS305)。具体的には、通信部12は、TRQフレームの受信から所定の時間、例えばSIFS(Short Inter Frame Space)の期間の経過後に、データ処理部11から提供されるTFBフレームを、TFB送信電力に基づいて設定された送信電力で親局に送信する。なお、SIFSの期間は16us(マイクロ秒)であり得る。
(アップリンク多重通信用送信電力決定処理のフロー)
続いて、図8を参照して、図5におけるステップS103の処理であるアップリンク多重通信用送信電力決定処理の詳細について説明する。図8は、本実施形態に係るアップリンク多重通信用送信電力決定処理を行う親局の処理を概念的に示すフローチャートである。
親局は、ターゲット受信電力を決定する(ステップS401)。具体的には、制御部17は、子局からのフレームが正常に受信されるような受信電力にターゲット受信電力を決定する。
次に、親局は、ターゲット受信電力と伝搬減衰量とに基づいてアップリンク多重通信用の送信電力PTX_MUXを決定する(ステップS402)。具体的には、制御部17は、ターゲット受信電力と伝搬減衰量を上述したような数式2に適用することによってPTX_MUXを決定する。
次に、親局は、PTX_MUXは子局の送信電力設定レンジ内かを判定する(ステップS403)。具体的には、制御部17は、決定されたPTX_MUXが子局の送信電力設定レンジ内であるかを判定する。そして、PTX_MUXが送信電力設定レンジ内であると判定される場合、アップリンク多重通信用送信電力決定処理を終了する。なお、PTX_MUXが送信電力設定レンジ外であると判定される場合、ステップS401に戻って処理が行われる。また、PTX_MUXの各々が送信電力設定レンジ内に収まるPTX_MUXの組合せが発見されない場合、子局の各々における当該送信電力設定レンジを逸脱する量の合計が他のPTX_MUXよりも小さくなるPTX_MUXを選択する。
(アップリンク多重通信処理のフロー)
続いて、図5におけるステップS104の処理であるアップリンク多重通信処理の詳細について説明する。まず、図9を参照して、アップリンク多重通信処理における親局の処理について説明する。図9は、本実施形態に係るアップリンク多重通信処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。
親局は、UTP情報を含むトリガフレームを生成する(ステップS501)。具体的には、データ処理部11は、制御部17の指示に基づいてUTP情報を含むトリガフレームを生成する。
次に、親局は、トリガフレームにRDG情報を付加する(ステップS502)。具体的には、データ処理部11は、生成されるトリガフレームにRDG情報を付加し、トリガフレームを通信部12に提供する。
次に、親局は、MU−MIMOを用いてトリガフレームを送信する(ステップS503)。具体的には、通信部12は、データ処理部11から提供されるトリガフレームについてTRQ/TFBフレーム交換によって得られたアンテナ重みを用いて空間分割多重化のための処理を行い、処理されたトリガフレームを子局に送信する。
次に、親局は、MU−MIMOで多重化されたULフレームを子局から受信するまで待機する(ステップS504)。具体的には、通信部12は、ULフレームが受信されると、保持されているアンテナ重みを用いて多重化されているULフレームを分離し、分離により得られるULフレームの各々について後続の受信処理を行う。また、通信部12は、トリガフレームの送信から所定の時間内にULフレームが受信されたかを判定し、ULフレームが所定の時間内に受信されていないと判定される場合、トリガフレームを再送する。なお、再送回数に上限が設けられてもよい。
MU−MIMOで多重化されたULフレームが受信されると、親局は、ULフレームに対するACKフレームをMU−MIMOを用いて子局に送信する(ステップS505)。具体的には、ULフレームが所定の時間内に受信されたと判定される場合、データ処理部11は、当該ULフレームの各々に対応するACKフレームを生成する。そして、通信部12は、保持されるアンテナ重みを用いて、生成されるACKフレームについて空間分割多重化のための処理を行い、処理されたACKフレームを子局に送信する。
続いて、図10を参照して、アップリンク多重通信処理における子局の処理について説明する。図10は、本実施形態に係るアップリンク多重通信処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。
子局は、MU−MIMOを用いて送信された自局宛てのトリガフレームが受信されるまで待機する(ステップS601)。具体的には、通信部12は、トリガフレームの受信を待ち受ける。そして、トリガフレームが受信されると、通信部12は、当該トリガフレームのプリアンブル(PHY(physical layer)プリアンブル等)における信号を利用して、親局に対する基準発振器の周波数オフセットを補正する。そして、データ処理部11は、受信されたトリガフレームに含まれる宛先情報が自局を示すかを判定する。
自局宛てのトリガフレームが受信されると、子局は、トリガフレームからUTP情報およびRDG情報を取得する(ステップS602)。具体的には、トリガフレームに含まれる宛先情報が自局を示すと判定された場合、データ処理部11は、当該トリガフレームからUTP情報およびRDG情報を取得する。
次に、子局は、トリガフレームに対するACKフレームおよびデータフレームの合計長がRDG情報の示す長さ以下であるかを判定する(ステップS603)。具体的には、制御部17は、ACK送信期間長とデータフレームの送信期間長との和を算出することによって合計送信期間長を算出する。そして、算出される合計送信期間長がRDG情報の示す送信期間長以下であるかを判定する。
ACKフレームおよびデータフレームの合計長がRDG情報の示す長さ以下でない場合、子局は、当該合計長がRDG情報の示す長さ以下になるようにデータフレームを変更する(ステップS604)。具体的には、データ処理部11は、データフレームをフラグメント化等により得られるいずれかのデータフレームの一部が、上記の合計送信期間長がRDG情報の示す送信期間長以下となるように、フラグメント化を行う。
次に、子局は、トリガフレームに対するACKフレームとデータフレームとが連結されたULフレームを生成する(ステップS605)。具体的には、データ処理部11は、ACKフレームおよびデータフレームの合計長がRDG情報の示す送信期間長以下となる場合、ACKフレームおよびデータフレームを生成する。そして、データ処理部11は、データフレームおよびACKフレームを連結することによってULフレームを生成する。
次に、子局は、ULフレームのフレーム長がRDG情報の示す長さ未満であるかを判定する(ステップS606)。具体的には、データ処理部11は、生成されたULフレームのフレーム長がRDG情報の示す送信期間長未満であるかを判定する。
ULフレームのフレーム長がRDG情報の示す長さ未満であると判定される場合、子局は、ULフレームにパディングを挿入する(ステップS607)。具体的には、データ処理部11は、ULフレームのフレーム長がRDG情報の示す送信期間長未満であると判定される場合、ULフレームのフレーム長がRDG情報の示す送信期間長と一致するまでULフレームにパディングを挿入する。
次に、子局は、UTP情報を基に自局の送信電力を設定する(ステップS608)。具体的には、制御部17は、トリガフレームから取得されたUTP情報から求められる送信電力への設定を通信部12に指示し、通信部12すなわち増幅部16は、当該指示に係る送信電力に自局の送信電力を設定する。なお、UTP情報の示す送信電力が当該子局の送信電力設定レンジを逸脱する場合、制御部17は、通信部12に当該子局の送信電力の上限または下限に送信電力を設定させる。
次に、子局は、トリガフレームの受信から所定の時間経過後にULフレームを送信する(ステップS609)。具体的には、制御部17は、トリガフレームの受信から所定の時間が経過した場合、通信部12に、生成されるULフレームを親局に向けて送信させる。なお、ULフレームの送信待機に係る所定の時間は、多重化通信対象の子局の各々で同一でなくてもよい。
(本実施形態におけるフレーム交換シーケンス)
以上、本実施形態における通信システムおよび通信装置10−1の処理について説明した。次に、図11を参照して、通信システムにおいて行われるフレームの送受信について説明する。図11は、本実施形態に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの例を示す図である。
親局は、TRQフレームおよびTFBフレームの交換を子局の各々について順次に行う。例えば、親局10−1#0は、図11に示したように、1つの子局宛てにTRQフレームを送信し、TFBフレームが受信されると次の子局にTRQフレームを送信する。そして、子局10−1#1〜10−1#4の各々は、TRQフレームの応答としてTFBフレームを親局10−1#0にそれぞれ送信する。
次に、親局は、空間分割多重化を用いてトリガフレームを子局の各々に送信する。例えば、トリガフレームの各々は、図11に示したように、子局10−1#1〜10−1#4の各々に対応するデータ部DATA#01〜#04、RDG情報およびUTP1〜UTP4情報をそれぞれ含む。
次に、子局の各々は、ULフレームを親局に送信する。例えば、子局10−1#1は、トリガフレームに対するACK#10およびデータ部DATA#10ならびにパディングを含むULフレームを親局10−1#0に送信する。なお、子局10−1#1〜10−1#4の送信するULフレームは、結果として空間多重化される。
次に、親局は、受信されるULフレームに対するACKフレームの各々を子局にそれぞれ送信する。例えば、親局10−1#0は、図11に示したように、子局10−1#1〜10−1#4の各々に対するACKフレームを空間多重通信で送信する。
なお、上記では、TRQフレームが子局の各々に順次に送信される例を説明したが、TFQフレームは子局の各々に一括で送信されてもよい。例えば、TRQフレームは、ブロードキャストまたはマルチキャスト等を用いて子局の各々に送信される。さらに、図12を参照して、一括送信されるTRQフレームについて詳細に説明する。図12は、本実施形態に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの他の例を示す図である。
親局は、TRQフレームを子局の各々に一括で送信する。例えば、親局10−1#0は、図12に示したように、複数の子局宛てにTRQフレームを送信する。なお、TRQフレームには、宛先情報と対応するTFBの送信順序または送信タイミングを示す情報が含まれる。そして、子局10−1#1〜10−1#4の各々は、TRQフレームで通知される順序に従って、TRQフレームの応答としてTFBフレームを親局10−1#0にそれぞれ送信する。
なお、以降のフレーム交換シーケンスについては、図11で示したシーケンスと実質的に同一であるため説明を省略する。
このように、本開示の第1の実施形態によれば、親局は、子局からの受信によって得られる情報に基づいて無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を決定する。そして、親局は、決定される送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを生成し、生成されるフレームを子局に送信する。また、子局は、子局からの受信によって得られる情報に基づいて決定された無線LANにおける多重通信のための送信電力に自装置の送信電力を設定する。また、子局は、当該多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを受信し、当該送信電力情報に基づいて設定された送信電力でフレームを送信する。このため、子局から受信される多重化されたフレームの送信電力が親局によって制御されることにより、フレームが正常に受信されるように当該フレームの受信電力が調整され、無線LANにおける多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、上記の受信によって得られる情報は、伝搬経路に応じて変化する情報を含む。このため、伝搬減衰量を変化させる伝搬経路の状態または態様に応じて子局の送信電力が制御されることにより、受信されるフレームの受信電力をターゲット受信電力に近づけることができ、フレームの受信特性の劣化をより効果的に抑制することが可能となる。
また、上記の伝搬経路に応じて変化する情報は、伝搬減衰量を示す情報を含む。このため、アップリンク多重用の送信電力が伝搬減衰量に基づいて決定されることにより、決定される送信電力の精度および正確性を向上させることが可能となる。なお、上記の伝搬経路に応じて変化する情報は、親局と子局との通信における通信距離または伝搬経路上の障害物すなわち伝搬減衰を生じさせる物体の有無であってもよい。
また、親局は、第1のフレームおよび当該第1のフレームへの応答として受信される第2のフレームの通信における、第1のフレームまたは第2のフレームの通信に係る電力に基づいて上記の伝搬減衰量を推定する。このため、実際のフレームの送受信から得られる伝搬減衰量がアップリンク多重用の送信電力の決定に用いられることにより、決定される送信電力の正確性を向上させることが可能となる。
また、上記の第1のフレームは、第2のフレームの送信電力を示す第2の電力情報を含む。そして、親局は、第1のフレームに含まれる第2の電力情報の示す送信電力で送信された第2のフレームを受信し、第2の電力情報の示す送信電力と第2のフレームの受信電力とに基づいて上記の伝搬減衰量を推定する。このため、子局側にはTPC以外の機能が要求されないことにより、子局の構成を簡素化することが可能となる。
また、上記の第1のフレームは、参照信号の要求を示すフレームを含み、上記の第1のフレームへの応答として受信される第2のフレームは、参照信号を含むフレームを含む。このため、既存のチャネル推定用のシーケンスが利用されることにより、新たなシーケンスが追加される場合と比べて親局および子局の処理を簡素化することが可能となる。
また、親局は、子局において設定可能な送信電力の範囲を示す送信電力範囲情報を含むフレームを子局から受信し、多重通信のための送信電力として、送信電力範囲情報の示す範囲内に収まる送信電力を決定する。このため、子局において設定困難な送信電力が選択されにくくなることにより、通知される送信電力の設定が困難な子局の送信が抑制される場合には、子局の送信機会の減少による通信効率の低下を抑制することが可能となる。また、通知される送信電力の設定が困難な子局において設定可能な送信電力の上限または下限で送信が行われる場合には、受信電力密度のばらつきの抑制が可能となる。
また、多重通信の多重方式は、空間分割多重方式を含む。このため、親局と子局との多重通信において、周波数の利用効率を向上させることが可能となる。
また、上記の送信電力情報を含むフレームは、送信電力情報を含むフレームへの応答としてのフレームの送信が許可される許可送信期間を示す情報を含む。このため、子局の状況に適した許可送信期間が決定され、送信されるフレームの送信期間が当該許可送信期間に揃えられることにより、通信リソースの効率的な利用と受信性能の安定化とを両立させることが可能となる。また、親局で許可送信期間が決定され、子局に通知されることにより、子局が送信期間を決定する処理を行わずに済み、子局における処理の簡素化および省電力化を実現することが可能となる。
<2−3.変形例>
以上、本開示の第1の実施形態について説明した。なお、本実施形態は、上述の例に限定されない。以下に、本実施形態の第1および第2の変形例について説明する。
(第1の変形例)
本実施形態の第1の変形例として、親局は、周波数毎にアップリンク多重通信のための送信電力を決定してもよい。具体的には、制御部17は、周波数毎に伝搬減衰量を推定し、当該伝搬減衰量を用いてアップリンク多重通信のための送信電力を決定する。そして、制御部17は、通信部12を介して、周波数毎のアップリンク多重通信のための送信電力を子局に通知する。
例えば、制御部17は、まずTFB送信電力およびTFB受信電力を用いて周波数毎に伝搬減衰量を推定する。より詳細には、制御部17は、TFB送信電力を電力スペクトル密度で示される値DTX_TFBに変換する。そして、制御部17は、次式を用いて周波数成分毎の伝搬減衰量PathLossを算出する。
Figure 0006791118
上記の数式3において、PathLoss(n,f)はn番目の子局で、かつ周波数成分fにおける伝搬減衰量を示す。また、DTX_TFB(n)はn番目の子局のTFB送信電力の電力スペクトル密度を示し、DRX_TFB(n,f)はn番目の子局で、かつ周波数成分fにおけるTFB受信電力の電力スペクトル密度を示す。なお、数式3は、対数(dB)値における計算式である。
次に、制御部17は、周波数毎に決定された伝搬減衰量を用いて周波数毎にアップリンク多重通信のための送信電力を決定する。より詳細には、制御部17は、電力スペクトル密度で示されるターゲット受信電力DRX_TARGETを決定する。そして、制御部17は、次式を用いて周波数成分毎のアップリンク多重通信のための送信電力が電力スペクトル密度で示されたDTX_MUXを決定する。
Figure 0006791118
上記の数式4において、DTX_MUX(n,f)はn番目の子局で、かつ周波数成分fにおけるアップリンク多重通信用送信電力の電力スペクトル密度を示し、DRX_TARGET(n)はn番目の子局のターゲット受信電力の電力スペクトル密度を示す。なお、数式4は、対数(dB)値における計算式である。
なお、決定された送信電力DTX_MUXが送信電力設定レンジ内かの判定も電力スペクトル密度で示される送信電力設定レンジを用いて行われる。
次に、制御部17は、データ処理部11に周波数毎に決定されたアップリンク多重通信のための送信電力を示すUTP情報を含むフレームを生成させ、通信部12に生成されるフレームを送信させる。より詳細には、制御部17は、所定の粒度で周波数成分をグループ化し、当該グループ毎にグループに係る帯域内でDTX_MUX(n,f)を積分する。そして、制御部17は、積分により得られる値と当該積分により得られる値に対応するグループを特定するための情報、例えば周波数およびグループの帯域幅を示す情報とを組とした情報をUTP情報としてデータ処理部11に提供する。
そして、データ処理部11は、当該UTP情報およびRDG情報を含むトリガフレームを生成し、生成されるトリガフレームを通信部12に提供する。通信部12は、データ処理部11から提供されるトリガフレームを子局に送信する。
次に、トリガフレームを受信した子局は、当該トリガフレームに含まれるUTP情報を基に自局の送信電力を設定する。より詳細には、制御部17は、UTP情報の示す周波数およびグループの帯域幅から周波数成分のグループを特定し、当該グループに対応するDTX_MUXの積分値に基づいて周波数成分毎の送信電力を特定する。そして、制御部17は、特定された周波数成分毎の送信電力となるように、通信部12すなわち増幅部16に送信電力を設定させる。
このように、本実施形態の第1の変形例によれば、親局は、周波数毎にアップリンク多重通信のための送信電力を決定する。このため、送信電力の最適化が行われることにより、子局から送信される多重化フレームの受信特性を向上させることが可能となる。
(第2の変形例)
本実施形態の第2の変形例として、親局は、多重通信において用いられる変調方式および符号化方式を示す情報に基づいて多重通信のための送信電力を決定してもよい。具体的には、制御部17は、アップリンク多重通信において用いられるMCS(Modulation and Coding Scheme)情報に基づいてターゲット受信電力を決定し、決定されるターゲット受信電力を用いてアップリンク多重通信のための送信電力を決定する。また、制御部17は、通信部12を介して当該MCS情報を子局に通知する。
例えば、制御部17は、アップリンク多重通信において用いられるMCS情報を取得し、取得されるMCS情報に基づいて送信されたフレームのSN比等のような受信特性が好ましい範囲に収まるようなターゲット受信電力を決定する。次に、制御部17は、決定されるターゲット受信電力を用いて送信電力PTX_MUXを決定する。また、制御部17は、送信電力PTX_MUXの決定に用いられたMCS情報に基づいてRDG情報を決定する。次に、制御部17は、データ処理部11に決定される送信電力PTX_MUXを示すUTP情報、RDG情報およびMCS情報を含むトリガフレームを生成させる。そして、通信部12は、生成されるトリガフレームを子局に送信する。なお、UTP情報およびRDG情報と同様に、トリガフレームにおけるMCS情報の格納位置も任意である。
なお、送信電力PTX_MUXは子局毎に異なる値であってもよい。これは、子局毎にアップリンク送信において使用される帯域幅が異なる場合には、合計の送信電力が同一であっても帯域毎の電力レベルが異なるためである。
また、上記では、変調方式および符号化方式を示す情報が用いられる例を説明したが、変調方式または符号化方式のいずれか一方を示す情報が用いられてもよい。
このように、本実施形態の第2の変形例によれば、親局は、多重通信において用いられる変調方式および符号化方式を示す情報に基づいて多重通信のための送信電力を決定する。ここで、通信品質は概して、SN比等の受信特性に応じて変化するだけでなく、MCSすなわち変調方式および符号化方式に応じても変化する。そこで、本変形例のように、多重通信に用いられるMCSで送信されるフレームが正常に受信されるようなSN比等の受信特性になるように子局の送信電力が決定されることにより、子局から送信される多重化フレームの受信特性の劣化をより効果的に抑制することが可能となる。
<3.第2の実施形態(周波数分割多重フレームで送信電力を通知する例)>
以上、本開示の第1の実施形態に係る通信装置10−1について説明した。次に、本開示の第2の実施形態に係る通信装置10−2について説明する。第2の実施形態では、DL通信およびUL通信に周波数分割多重方式が用いられる。
<3−1.装置の構成>
通信装置10−2の機能構成は第1の実施形態に係る機能構成と実質的に同一であるが、親局および子局の両方において一部の機能が異なる。なお、第1の実施形態の機能と実質的に同一である機能については説明を省略する。
((基本機能))
通信部12における信号処理部13は、周波数分割多重化に係る処理を行う。具体的には、信号処理部13は、データ処理部11から提供されるフレームをサブキャリア数に分割し、分割により得られるフレームの各々を変調する。次に、信号処理部13は、変調により得られる信号を合成する。そして、信号処理部13は、合成により得られる信号にガードインターバルの追加等の処理を行い、処理により得られる信号、すなわちシンボルストリームを無線インタフェース部15に提供する。
また、信号処理部13は、無線インタフェース部15から提供される受信波に係るシンボルストリームについて、ガードインターバルの除去等の処理を行う。次に、信号処理部13は、先の処理により得られる信号からサブキャリア信号を取り出し、サブキャリアごとに復調する。そして、信号処理部13は、復調により得られるフレームを合成し、合成されるフレームをデータ処理部11に提供する。
((親局として動作する場合の機能))
次に、通信装置10−2が親局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(チャネル情報の取得機能)
制御部17は、TRQフレームおよびTFBフレームの通信におけるTRQフレームの通信に係る電力に基づいてチャネル情報を生成する。具体的には、TFBフレームは、第1の電力情報としての、TRQフレームの受信電力(以下、TRQ受信電力とも称する。)を示す情報を含む。そして、制御部17は、TRQフレームの送信電力とTRQ受信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。
例えば、制御部17は、データ処理部11にTRQフレームを生成させ、通信部12に生成されるTRQフレームを送信させる。より詳細には、制御部17は、第1の実施形態と異なり、TFB送信電力を示す情報を含まないTRQフレームすなわち通常のTRQフレームの生成をデータ処理部11に指示する。そして、制御部17は、通信部12にTRQフレームを子局に向けて送信させる。この際、制御部17は、当該TRQフレームの送信に用いられた送信電力(以下、TRQ送信電力とも称する。)を記憶部に記憶させる。
そして、制御部17は、TFBフレームが受信されると、TFBフレームに含まれるTRQ受信電力を示す情報を取得する。より詳細には、制御部17は、TFBフレームが受信されると、データ処理部11に、TFBフレームに含まれる、子局において観測されたTRQフレームの受信電力を示す情報を取得させる。
次に、制御部17は、TRQ送信電力とTRQ受信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。より詳細には、制御部17は、次式を用いて子局毎に伝搬減衰量PathLossを算出する。
Figure 0006791118
上記の数式5において、PTX_TRQ(n)はn番目の子局のTRQ送信電力を示し、PRX_TRQ(n)はn番目の子局のTRQフレームに係る受信電力を示す。なお、数式5は、対数(dB)値における計算式である。
なお、第1の実施形態と同様に、伝搬減衰量の算出は周波数毎に電力スペクトル密度で行われてもよい。例えば、制御部17は、次式を用いて子局毎に伝搬減衰量PathLossを算出する。
Figure 0006791118
上記の数式6において、DTX_TRQ(n)はn番目の子局のTRQ送信電力の電力スペクトル密度を示し、DRX_TRQ(n,f)はn番目の子局で、かつ周波数成分fにおけるTRQ受信電力の電力スペクトル密度を示す。なお、数式6は、対数(dB)値における計算式である。
(アップリンク多重通信用送信電力の決定機能)
制御部17は、第1の実施形態と同様に、子局の各々について、伝搬減衰量に基づいて送信電力を決定する。ここで、本実施形態では、後述するようにアップリンク多重通信は周波数分割多重方式を用いて行われるため、周波数毎に送信電力が決定されることが好ましい。さらに、ターゲット受信電力は、周波数分割多重通信で用いられる全ての帯域で揃うような電力スペクトル密度であることが望ましい。
(アップリンク多重通信用送信電力の通知機能)
通信部12は、アップリンク多重通信のための送信電力の通知処理に係るフレームを周波数分割多重方式で子局の各々に送信する。具体的には、通信部12は、データ処理部11から提供されるフレームを周波数分割多重化し、多重化されたフレームを子局の各々に送信する。なお、用いられる周波数分割多重方式は、単純な周波数分割多重方式、直交周波数分割多重(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing))方式において、一つ以上のサブキャリアを異なる子局に割り当てる周波数分割多重方式、またはその他の周波数分割多重方式であり得る。
((子局として動作する場合の機能))
次に、通信装置10−2が子局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(チャネル情報の取得支援機能)
制御部17は、TRQ受信電力の親局への通知処理を制御する。具体的には、制御部17は、親局から自局宛てのTRQフレームが受信されると、データ処理部11にTRQ受信電力を示す情報を含むTFBフレームを生成させ、通信部12に生成されるTFBフレームを親局に向けて送信させる。
通信部12は、TRQ受信電力を取得する。具体的には、通信部12は、TRQフレームが受信された際に、当該TRQフレームの受信電力を測定し、TRQ受信電力を示す情報を生成する。
(アップリンク送信機能)
通信部12は、周波数分割多重方式で送信されるトリガフレームの受信処理および周波数分割多重方式でULフレームの送信処理を行う。なお、当該ULフレームは、トリガフレームに含まれるUTP情報を基に設定された送信電力で送信される。
<3−2.装置の処理>
次に、図13〜図16を参照して、本実施形態における通信装置10−2の処理について説明する。なお、第1の実施形態の処理と実質的に同一である処理については説明を省略する。
(チャネル情報取得処理のフロー)
最初に、図5におけるステップS102の処理であるチャネル情報取得処理の詳細について説明する。まず、図13を参照して、チャネル情報取得処理における親局の処理について説明する。図13は、本実施形態に係るチャネル情報取得処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。
親局は、TRQフレームを生成し(ステップS211)、生成されるTRQフレームを子局に送信する(ステップS212)。具体的には、データ処理部11は、制御部17の指示に基づいて通常のTRQフレームを生成し、生成されるTRQフレームを通信部12に提供する。そして、通信部12は、データ処理部11から提供されるTRQフレームを制御部17から指示される送信電力で子局に送信する。
次に、親局は、TFBフレームが子局から受信されるまで待機し(ステップS213)、TFBフレームが子局から受信されると、TFBフレームからTRQ受信電力を示す情報を取得する(ステップS214)。具体的には、TFBフレームが受信されると、データ処理部11は、TFBフレームからTRQ受信電力を示す情報を取得する。
次に、親局は、TRQ受信電力およびTRQ送信電力に基づいて伝搬減衰量を推定する(ステップS215)。具体的には、制御部17は、データ処理部11によって取得されるTRQ受信電力とTRQフレームの送信に用いられたTRQ送信電力とを上述したような数式5に適用することによって伝搬減衰量を算出する。
続いて、図14を参照して、チャネル情報取得処理における子局の処理について説明する。図14は、本実施形態に係るチャネル情報取得処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。
子局は、自局宛てのTRQフレームが親局から受信されたかを判定し(ステップS311)、自局宛てのTRQフレームが受信されたと判定された場合、子局は、TRQ受信電力を取得する(ステップS312)。具体的には、通信部12は、TRQフレームが受信された際に、当該TRQフレームの受信電力を測定する。
次に、子局は、参照信号およびTRQ受信電力を示す情報を含むTFBフレームを生成する(ステップS313)。具体的には、データ処理部11は、制御部17の指示に基づいてトレーニング用の参照信号および通信部12によって測定されたTRQ受信電力を示す情報を含むTFBフレームを生成し、生成されるTFBフレームを通信部12に提供する。
次に、子局は、TRQフレームの受信から所定の時間経過後にTFBフレームを親局に送信する(ステップS314)。
(アップリンク多重通信処理のフロー)
続いて、図5におけるステップS104の処理であるアップリンク多重通信処理の詳細について説明する。まず、図15を参照して、アップリンク多重通信処理における親局の処理について説明する。図15は、本実施形態に係るアップリンク多重通信処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。
親局は、UTP情報を含むトリガフレームを生成し(ステップS511)、トリガフレームに許可送信期間を示すRDG情報を付加する(ステップS512)。
次に、親局は、OFDMを用いてトリガフレームを送信する(ステップS513)。具体的には、通信部12は、データ処理部11によって生成されるトリガフレームの各々をそれぞれ異なるサブキャリアを使用して変調および多重化し、多重化されたトリガフレームを送信する。なお、データ処理部11は、各子局に割当てられるサブキャリアを示すサブキャリア情報をトリガフレームに含ませる。
例えば、サブキャリア情報は、PHYヘッダ部に挿入され得る。PHYヘッダは、周波数の全帯域を使用して変調されるとする。また、サブキャリア情報は、事前に子局に通知されていてもよく、子局ごとに固定であってもよい。
なお、ここでは、このトリガフレームの多重化(以下、DL多重化とも称する。)に関するサブキャリア情報と、このトリガフレームへの応答として送信されるULフレームの多重化(以下、UL多重化とも称する。)に関するサブキャリア情報とが共通であるとしたが、これらのサブキャリア情報は異なっていてもよい。この場合には、DL多重化およびUL多重化に関するサブキャリア情報の各々が子局に対してそれぞれ通知される。
次に、親局は、OFDMで多重化されたULフレームを子局から受信するまで待機する(ステップS514)。具体的には、ULフレームが受信されると、通信部12は、トリガフレームに含まれていたサブキャリア情報の示すサブキャリアを用いてULフレームの分離処理を行う。
なお、通信部12は、トリガフレームの送信よりも前に子局に対して通知されたサブキャリア情報を保持し、当該サブキャリア情報を用いてULフレームの分離処理を行ってもよい。また、DL多重化に関するサブキャリア情報と、このトリガフレームへの応答として送信されるUL多重化に関するサブキャリア情報とが異なる場合には、当該分離処理はUL多重化に関するサブキャリア情報に基づいて行われる。
OFDMで多重化されたULフレームが受信されると、親局は、OFDMを用いてULフレームに対するACKフレームを子局に送信する(ステップS515)。具体的には、ULフレームが所定の時間内に受信されたと判定される場合、データ処理部11は、当該ULフレームの各々に対応するACKフレームを生成する。そして、通信部12は、保持されるサブキャリア情報を用いて、生成されるACKフレームについて周波数分割多重化のための処理を行い、処理されたACKフレームを子局に送信する。
続いて、図16を参照して、アップリンク多重通信処理における子局の処理について説明する。図16は、本実施形態に係るアップリンク多重通信処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。
子局は、OFDMを用いて送信された自局宛てのトリガフレームが受信されるまで待機する(ステップS611)。具体的には、トリガフレームが受信されると、通信部12は、トリガフレームからサブキャリア情報を取得する。
例えば、通信部12は、トリガフレームのPHYヘッダから自局宛てのサブキャリアを示すサブキャリア情報を取得する。そして、通信部12は、当該サブキャリア情報の示すサブキャリアについてフレームの復調処理等を行う。なお、当該サブキャリア情報は後段の処理で用いるために保持される。ここで、DL多重化とUL多重化に関するサブキャリア情報とが異なる場合には、当該復調処理等にはDL多重化に関するサブキャリア情報が使用され、UL多重化に関するサブキャリア情報は後段の処理で用いるために保持される。
ステップS612〜ステップS618の処理については、第1の実施形態におけるステップS602〜ステップS608の処理と実質的に同一である。なお、フレームの送信期間長に係る処理は、自局に割当てられた周波数成分すなわちサブキャリアが使用される場合のデータレートを用いて行われる。
次に、子局は、トリガフレームの受信から所定の時間経過後にULフレームを送信する(ステップS619)。具体的には、制御部17は、トリガフレームの受信から所定の時間が経過した場合、通信部12に、生成されるULフレームを親局に向けて送信させる。通信部12は、取得されたサブキャリア情報を用いて変調等が行われたULフレームを送信する。
なお、本実施形態におけるフレーム交換シーケンスについては、第1の実施形態と実質的に同一であるため説明を省略する。
このように、本開示の第2の実施形態によれば、親局および子局は、周波数分割多重方式を用いて通信を行う。このため、空間分割多重方式に対応していない通信装置であっても、無線LANにおける多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、上述した第2のフレームは、第2のフレームの送信電力を示す第2の電力情報を含む。そして、親局は、第2のフレームに含まれる第2の電力情報の示す送信電力で送信された第2のフレームを受信し、第2の電力情報の示す送信電力と第2のフレームの受信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。また、子局は、送信電力情報の送信元から受信される第1のフレームへの応答として、第1のフレームの受信電力を示す第1の電力情報を含む第2のフレームを生成する。そして、子局は、第1のフレームを受信し、第2のフレームを送信する。このため、親局では第1および第2のフレームの通信において処理が追加されないことにより、親局側の処理を簡素化することが可能となる。
なお、本実施形態の通信において空間多重通信が併用されてもよい。例えば、複数に分割された周波数帯域のうちの特定の周波数帯域について、複数の子局の各々が空間多重通信対象局として割り当てられる。この場合、親局において受信される周波数分割多重化され、かつ空間分割多重化されるフレームの受信電力スペクトル密度が周波数帯域の全てにおいて揃うようなUTPが決定される。
また、UL通信およびDL通信における多重通信の方式が異なってもよい。例えば、UL通信には空間分割多重方式が用いられ、DL通信には周波数分割多重方式が用いられてもよい。
<4.第3の実施形態(アグリゲーションフレームで送信電力を通知する例)>
以上、本開示の第2の実施形態に係る通信装置10−2について説明した。次に、本開示の第3の実施形態に係る通信装置10−3について説明する。第3の実施形態では、DL通信にはフレームアグリゲーションを用いられ、UL通信には空間分割多重方式が用いられる。
<4−1.装置の構成>
通信装置10−3の機能構成は第1の実施形態に係る機能構成と実質的に同一であるが、親局および子局の両方において一部の機能が異なる。なお、第1または第2の実施形態の機能と実質的に同一である機能については説明を省略する。
((親局として動作する場合の機能))
まず、通信装置10−3が親局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(チャネル情報の取得機能)
制御部17は、TRQフレームおよびTFBフレームの通信におけるTFBフレームの通信に係る電力に基づいてチャネル情報を生成する。具体的には、TFBフレームはTFB送信電力を示す情報を含み、制御部17はTFB受信電力とTFB送信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。
例えば、制御部17は、第2の実施形態と同様に、データ処理部11にTRQフレームを生成させ、通信部12に生成されるTRQフレームを送信させる。なお、本実施形態では、制御部17は、TRQ送信電力を記憶部に記憶させなくてよい。
そして、制御部17は、TRQフレームへの応答としてTFBフレームが受信されると、TFB受信電力を取得し、TFBフレームに含まれるTFB送信電力を示す情報を取得する。より詳細には、制御部17は、TFBフレームが受信されると、TFBフレームの受信電力を測定した通信部12からTFB受信電力を示す情報を取得する。また、制御部17は、TFBフレームに含まれる、子局がTFBフレームの送信に用いた送信電力を示す情報をデータ処理部11から取得する。
次に、制御部17は、TFB送信電力とTFB受信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。より詳細には、制御部17は、上述したような数式1を用いて子局毎に伝搬減衰量を算出する。
(アップリンク多重通信用送信電力の通知機能)
データ処理部11は、フレームアグリゲーションを用いて、アップリンク多重通信のための送信電力の通知処理に係るトリガフレームを生成する。具体的には、データ処理部11は、時間的に結合される、複数の子機宛てのフレームの各々を含むトリガフレームを生成する。例えば、データ処理部11は、少なくともUTP情報およびRDG情報を含むフレームを子局毎に生成する。そして、データ処理部11は、A−MPDU(Aggregation MAC Protocol Data Unit)等を用いて、生成される子局毎のフレームをアグリゲーションすることによってトリガフレームを生成する。なお、当該アグリゲーションフレームの宛先によって、空間分割多重通信の対象となる子局が暗黙的に子局の各々に通知される。
通信部12は、アグリゲーションフレームであるトリガフレームを送信する。具体的には、通信部12は、第1および第2の実施形態と異なり、データ処理部11から提供されるトリガフレームを多重化することなく子機の各々に送信する。なお、子局の各々から受信されるULフレームに対する確認応答においてもフレームアグリゲーションが用いられる。
((子局として動作する場合の機能))
次に、通信装置10−3が子局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(チャネル情報の取得支援機能)
制御部17は、TFB送信電力の親局への通知処理を制御する。具体的には、制御部17は、親局から自局宛てのTRQフレームが受信されると、データ処理部11にTFB送信電力を示す情報を含むTFBフレームを生成させ、通信部12に生成されるTFBフレームを親局に向けて送信させる。
(アップリンク送信機能)
本実施形態における子局のアップリンク送信機能は、第1の実施形態の機能と実質的に同一であるため説明を省略する。
<4−2.装置の処理>
次に、図17〜図20を参照して、本実施形態における通信装置10−3の処理について説明する。なお、第1または第2の実施形態の処理と実質的に同一である処理については説明を省略する。
(チャネル情報取得処理のフロー)
最初に、図5におけるステップS102の処理であるチャネル情報取得処理の詳細について説明する。まず、図17を参照して、チャネル情報取得処理における親局の処理について説明する。図17は、本実施形態に係るチャネル情報取得処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。
親局は、TRQフレームを生成し(ステップS221)、生成されるTRQフレームを子局に送信する(ステップS222)。
次に、親局は、TFBフレームが子局から受信されるまで待機し(ステップS223)、TFBフレームが子局から受信されると、TFB受信電力を取得する(ステップS224)。
次に、親局は、TFBフレームからTFB送信電力を示す情報を取得する(ステップS225)。具体的には、TFBフレームが受信されると、データ処理部11は、TFBフレームからTFB送信電力を示す情報を取得する。
次に、親局は、TFB受信電力およびTFB送信電力に基づいて伝搬減衰量を推定する(ステップS226)。
続いて、図18を参照して、チャネル情報取得処理における子局の処理について説明する。図18は、本実施形態に係るチャネル情報取得処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。
子局は、自局宛てのTRQフレームが親局から受信されたかを判定し(ステップS321)、自局宛てのTRQフレームが受信されたと判定された場合、参照信号およびTFB送信電力を示す情報を含むTFBフレームを生成する(ステップS322)。具体的には、データ処理部11は、制御部17の指示に基づいてトレーニング用の参照信号および子局において設定されているTFB送信電力を示す情報を含むTFBフレームを生成し、生成されるTFBフレームを通信部12に提供する。
次に、子局は、TRQフレームの受信から所定の時間経過後にTFBフレームを親局に送信する(ステップS323)。
(アップリンク多重通信処理のフロー)
続いて、図5におけるステップS104の処理であるアップリンク多重通信処理の詳細について説明する。まず、図19を参照して、アップリンク多重通信処理における親局の処理について説明する。図19は、本実施形態に係るアップリンク多重通信処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。
親局は、UTP情報を含むトリガフレームを生成し(ステップS521)、トリガフレームに許可送信期間を示すRDG情報を付加する(ステップS522)。
次に、親局は、アグリゲーションを用いてトリガフレームを送信する(ステップS523)。具体的には、データ処理部11は、子局宛てのトリガフレームの各々をアグリゲーションし、アグリゲーションされたトリガフレームを通信部12に提供する。そして、通信部12は、データ処理部11から提供されたトリガフレームを子局の各々に送信する。なお、トリガフレームの送信後に、制御部17は、通信部12に保持されるアンテナ重みの設定を指示する。
次に、親局は、MU−MIMOで多重化されたULフレームを子局から受信するまで待機し(ステップS524)、MU−MIMOで多重化されたULフレームが受信されると、ULフレームに対するACKフレームをMU−MIMOを用いて子局に送信する(ステップS525)。具体的には、データ処理部11は、ULフレームの各々に対応するACKフレームを生成し、当該ACKフレームの各々をアグリゲーションする。そして、データ処理部11は、アグリゲーションにより得られたACKフレームを通信部12に提供する。通信部12は、データ処理部11から提供されるACKフレームを子局の各々に送信する。
続いて、図20を参照して、アップリンク多重通信処理における子局の処理について説明する。図20は、本実施形態に係るアップリンク多重通信処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。
子局は、アグリゲーションを用いて送信された自局宛てのトリガフレームが受信されるまで待機する(ステップS621)。具体的には、トリガフレームが受信されると、データ処理部11は、トリガフレームに自局宛てのフレームが存在するかを判定する。トリガフレームに自局宛てのフレームが存在すると判定される場合、ステップS622以降の処理が行われる。
ステップS622〜ステップS629の処理については、第1の実施形態におけるステップS602〜ステップS609の処理と実質的に同一である。
(本実施形態におけるフレーム交換シーケンス)
以上、本実施形態における通信システムおよび通信装置10−3の処理について説明した。次に、図21を参照して、通信システムにおいて行われるフレームの送受信について説明する。図21は、本実施形態に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの例を示す図である。
親局は、TRQフレームおよびTFBフレームの交換を子局の各々について順次に行う。なお、当該フレーム交換は子局の各々について一括で行われてもよい。
次に、親局は、アップリンク多重通信対象である子局の各々のトリガフレームをアグリゲーションし、アグリゲーションされたトリガフレームを子局の各々に送信する。例えば、トリガフレームは、図21に示したようなDATA部、UTP情報、MCS情報およびRDG情報を含む子局10−3#1〜10−3#4宛てのフレームがアグリゲーションされることによって生成される。
次に、子局の各々は、ULフレームを親局に送信する。なお、当該ULフレームは空間分割多重化される。
次に、親局は、アグリゲーションを用いて、受信されるULフレームに対するACKフレームの各々を子局の各々にそれぞれ送信する。例えば、図21に示したように子局10−3#1〜10−3#4宛てのACKフレームがアグリゲーションされ、アグリゲーション後のフレームが子局10−3#1〜10−3#4の各々に送信される。なお、当該ACKフレームの送信は、多重通信で行われてもよい。
このように、本開示の第3の実施形態によれば、上述した子局から送信される第2のフレームは、第2のフレームの送信電力を示す第2の電力情報を含む。そして、親局は、第2のフレームに含まれる第2の電力情報の示す送信電力で送信された第2のフレームを受信し、第2の電力情報の示す送信電力と第2のフレームの受信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。また、子局は、送信電力情報の送信元から受信される第1のフレームへの応答として、第2のフレームの送信電力を示す第2の電力情報を含む第2のフレームを生成する。このため、子局は、第1の実施形態の場合と異なり、TRQ/TFBフレーム交換においてTPCを行わず、第2の実施形態の場合と異なり、TRQフレームの受信電力の測定を行わない。その結果、第1および第2の実施形態の各々と比べて、子局における処理を簡素化することが可能となる。
また、親局は、フレームアグリゲーションを用いて子局への通信を行う。このため、多重通信の場合よりも親局のDL通信処理が簡素化され、DL通信における処理負荷の低減が可能となる。
<4−3.変形例>
以上、本開示の第3の実施形態について説明した。なお、本実施形態は、上述の例に限定されない。以下に、本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態の変形例として、親局は、フレームアグリゲーションの代わりに、マルチキャストを用いて子局に対するDL通信を行ってもよい。図22を参照して、本変形例における親局および子局の処理を説明する。図22は、本実施形態の変形例に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの例を示す図である。
親局は、TRQフレームおよびTFBフレームの交換を子局の各々について順次に行う。なお、当該フレーム交換は子局の各々について一括で行われてもよい。
次に、親局は、子局の各々についての情報を含むマルチキャストフレームであるトリガフレームを生成し、当該トリガフレームを子局の各々に送信する。例えば、トリガフレームは、図22に示したような各子局で共通するMulticast DATA部およびRDG情報、ならびに各子局についてのUTP情報およびMCS情報を含む。
なお、マルチキャストメンバの全てがアップリンク多重通信対象でない場合、当該アップリンク多重通信対象である子局を示す情報(以下、多重通信対象情報とも称する。)がトリガフレームに含まれる。また、多重通信対象情報がトリガフレームに含まれないときは、TRQフレームの宛先となった子局または別途のフレームで示された子局がアップリンク多重通信対象とされてもよい。
次に、子局の各々は、ULフレームを親局に送信する。例えば、トリガフレームに多重通信対象情報が含まれる場合、トリガフレームを受信した子局は、当該多重通信対象情報が自局を含むかを判定する。多重通信対象情報が自局を含むと判定される場合、子局は、ULフレームの生成および送信を行う。当該ULフレームは、結果として空間多重化される。
なお、トリガフレームに多重通信対象情報が含まれない場合、マルチキャストメンバの全てが多重通信対象であるときは、子局は、上記の判定を行わずにULフレームの生成および送信を行う。また、マルチキャストメンバの全てが多重通信対象でないときは、子局は、自局がTRQフレームまたは別途のフレームで示された子局であるかに基づいてULフレームの生成および送信を行う。
次に、親局は、受信されるULフレームに対するACKフレームを子局の各々に送信する。例えば、図22に示したようにACKフレームが子局10−3#1〜10−3#4の各々にマルチキャストで送信される。なお、当該ACKフレームの送信は、第1の実施形態と同様に、空間分割多重通信で行われてもよく、フレームアグリゲーションを用いて行われてもよい。
このように、本実施形態の変形例によれば、親局は、フレームアグリゲーションの代わりに、マルチキャストを用いて子局に対するDL通信を行う。このため、フレームアグリゲーションと比べて、各子局への送信内容に重複がある場合にフレーム長が削減され、通信リソースの効率的な利用が可能となる。
<5.第4の実施形態(Pollフレームで送信電力を通知する例)>
以上、本開示の第3の実施形態に係る通信装置10−3について説明した。次に、本開示の第4の実施形態に係る通信装置10−4について説明する。第4の実施形態では、トリガフレームとして、データフレームと異なるフレームが用いられる。
<5−1.装置の構成>
通信装置10−4の機能構成は第1の実施形態に係る機能構成と実質的に同一であるが、親局および子局の両方において一部の機能が異なる。なお、第1〜第3の実施形態の機能と実質的に同一である機能については説明を省略する。
((親局として動作する場合の機能))
まず、通信装置10−4が親局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(アップリンク多重通信用送信電力の通知機能)
制御部17は、子局の各々に対するポーリングを用いてアップリンク多重通信用の送信電力を通知する。具体的には、制御部17は、定期的に、データ処理部11に子局の各々に対するPollフレームを生成させ、通信部12に生成されるPollフレームを子局の各々に送信させる。
データ処理部11は、トリガフレームとして、多重通信対象情報、UTP情報およびRDG情報を含むPollフレームを生成する。なお、PollフレームはMCS情報を含んでもよい。また、多重通信対象情報はPollフレームに含まれなくてもよい。この場合、TRQフレームの宛先となった子局または別途のフレームで示された子局がアップリンク多重通信対象とされる。
((子局として動作する場合の機能))
次に、通信装置10−4が子局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(アップリンク送信機能)
データ処理部11は、Pollフレームへの応答としてのULフレームを生成する。例えば、データ処理部11は、送信すべきデータに基づいてデータフレームを生成し、生成されるフレームをULフレームとして通信部12に提供する。
<5−2.装置の処理>
本実施形態の処理フローは、第3の実施形態における処理と実質的に同一であるため説明を省略し、フレーム交換シーケンスについてのみ説明する。
(本実施形態におけるフレーム交換シーケンス)
図23を参照して、通信システムにおいて行われるフレームの送受信について説明する。図23は、本実施形態に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの例を示す図である。
親局は、TRQフレームおよびTFBフレームの交換を子局の各々について順次に行う。なお、当該フレーム交換は子局の各々について一括で行われてもよい。
次に、親局は、アップリンク多重通信対象である子局の各々向けのデータが格納されたPollフレームを子局の各々に送信する。例えば、Pollフレームは、図23に示したようなヘッダ部、多重通信対象である子局の各々向けてのUTP情報およびMCS情報ならびにRDG情報を含む。
次に、子局の各々は、ULフレームを親局に送信する。例えば、子局10−4#1のULフレームは、図23に示したように、データ部DATA#10およびパディングを含み、第1〜第3の実施形態のようにACKを含まない。なお、当該ULフレームは空間分割多重化される。
次に、親局は、受信されるULフレームに対するACKフレームを子局の各々に送信する。例えば、図23に示したようにACKフレームが子局10−4#1〜10−4#4の各々に送信される。なお、当該ACKフレームの送信は、多重通信で行われてもよく、フレームアグリゲーションまたはマルチキャスト等を用いて行われてもよい。
このように、本開示の第4の実施形態によれば、親局は、子局の各々に対するポーリングを用いてアップリンク多重通信用の送信電力を通知する。このため、アップリンク多重通信用の送信電力の通知に既存の通信が利用されることにより、通信回数の増加を回避することが可能となる。なお、ビーコン等のマネジメントフレームまたはコントロールフレーム等がトリガフレームとして利用されてもよい。
なお、本実施形態のPollフレームは、他の実施形態と組合せで用いられてもよい。例えば、他の実施形態において、DL通信で送信すべきデータが親局に存在しない子局についてはPollフレームがトリガフレームとして用いられ、他の子局についてはデータフレームがトリガフレームとして用いられ得る。
<6.第5の実施形態(チャネル推定用送信電力を事前に共有する例)>
以上、本開示の第4の実施形態に係る通信装置10−4について説明した。次に、本開示の第5の実施形態に係る通信装置10−5について説明する。第5の実施形態では、TRQ/TFBフレーム交換において用いられるTFB送信電力が事前に親局および子局で共有される。
<6−1.装置の構成>
通信装置10−5の機能構成は第1の実施形態に係る機能構成と実質的に同一であるが、親局および子局の両方において一部の機能が異なる。なお、第1〜第4の実施形態の機能と実質的に同一である機能については説明を省略する。
((親局として動作する場合の機能))
まず、通信装置10−4が親局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(チャネル情報取得用の送信電力の事前共有機能)
制御部17は、TRQ/TFBフレーム交換よりも先に通信されるフレームを用いてTFB送信電力を子局に通知する。具体的には、制御部17は、ビーコンを用いてTFB送信電力を子局に通知する。例えば、制御部17は、定期的に、データ処理部11にTFB送信電力を示す情報を含むビーコンを生成させ、通信部12に生成されるビーコンを子局の各々に送信させる。なお、TFB送信電力は子局の各々で異なってもよい。この場合、子局の各々とTFB送信電力とを対応付ける情報がビーコンに含まれる。
(チャネル情報の取得機能)
制御部17は、予め決定されるTFB送信電力とTFBフレームの受信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。具体的には、制御部17は、通信部12にTRQフレームを子局に向けて送信させる。TFBフレームが受信されると、制御部17は、予めビーコンを用いて子局に通知されたTFB送信電力とTFBフレームの受信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。なお、伝搬減衰量は、上述したような数式1を用いて算出される。
((子局として動作する場合の機能))
次に、通信装置10−5が子局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(チャネル情報取得用の送信電力の事前共有機能)
制御部17は、TRQ/TFBフレーム交換よりも先に通信されるフレームを用いて親局から通知されるTFB送信電力を保持する。具体的には、制御部17は、親局からTFB送信電力を示す情報を含むビーコンが受信されると、データ処理部11によって当該ビーコンから取得されるTFB送信電力を示す情報を記憶部に記憶させる。
(チャネル情報の取得支援機能)
制御部17は、親局から自局宛てのTRQフレームが受信されると、通信部12に予め通知されたTFB送信電力を用いてTFBフレームを送信させる。具体的には、制御部17は、TRQフレームが受信されると、データ処理部11にTFBフレームを生成させるとともに、通信部12に自局の送信電力を記憶部に記憶されるTFB送信電力に設定させる。そして、通信部12は、生成されるTFBフレームを設定されたTFB送信電力で親局に向けて送信する。
<6−2.装置の処理>
本実施形態の処理フローおよびフレーム交換シーケンスは、チャネル情報取得用の送信電力の事前共有処理以外は第1〜第4の実施形態における処理のいずれかと実質的に同一であるため説明を省略する。
このように、本開示の第5の実施形態によれば、親局は、予め決定される第2のフレームの送信電力で送信された第2のフレームを受信し、予め決定される第2のフレームの送信電力と第2のフレームの受信電力とに基づいて伝搬減衰量を推定する。このため、TRQ/TFBフレームに追加的な情報が付加されないことにより、既存のプロトコルに従ったTRQ/TFBフレーム交換が可能となる。
なお、上記では、TFB送信電力の事前共有用のフレームはビーコンである例を説明したが、当該TFB送信電力の事前共有用のフレームはAssociation Response等の他のマネジメントフレームであってもよい。
また、上記では、親局から子局にTFB送信電力が事前に通知される例を説明したが、子局から親局にTFB送信電力が事前に通知されてもよい。例えば、子局は、子局から送信されるAssociation Request等のマネジメントフレームにTFB送信電力を含ませることによりTFB送信電力を事前に親局に通知する。次に、子局は、親局に通知されたTFB送信電力でTFBフレームを送信する。そして、親局は、事前に通知されたTFB送信電力および受信されるTFBフレームの受信電力に基づいて伝搬減衰量を推定する。
<7.第6の実施形態(フレームの送信期間長の調整を行う例)>
以上、本開示の第5の実施形態に係る通信装置10−5について説明した。次に、本開示の第6の実施形態に係る通信装置10−6について説明する。第6の実施形態では、RDG情報として通知されるフレームの許可送信期間の適正化が行われる。
<7−1.装置の構成>
通信装置10−6の機能構成は第1の実施形態に係る機能構成と実質的に同一であるが、親局および子局の両方において一部の機能が異なる。なお、第1〜第5の実施形態の機能と実質的に同一である機能については説明を省略する。
((親局として動作する場合の機能))
まず、通信装置10−6が親局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(アップリンク多重通信用のフレーム送信期間の決定機能)
制御部17は、複数の子局が要求するフレームの送信期間(以下、要求送信期間とも称する。)を示す情報(以下、RDR(Reverse Direction Request)情報とも称する。)に基づいて許可送信期間すなわちRDG情報を決定する。具体的には、RDR情報は、各子局が保持しているユーザデータの送信に使用されることを希望する時間長を示す。また、ユーザデータは、データフレームであってもよく、マネジメントフレームまたはコントロールフレームであってもよい。そして、制御部17は、子局から受信されるTFBフレームに含まれるRDR情報の各々の示す送信期間のうちの他の送信期間よりも長い送信期間(以下、Rmaxとも称する。)に基づいて許可送信期間を決定する。
例えば、制御部17は、式Rmax+Tackで示される許可送信期間を決定する。ここで、Tackは、親局から子局へのトリガフレームに対するACK送信期間を示す。なお、ACKフレームの変調方式または変調速度は各子局において同一であるとする。
なお、上記では、制御部17はRmaxに基づいて許可送信期間を決定する例を説明したが、制御部17は、子局から受信されるTFBフレームに含まれるRDR情報の各々の示す送信期間についての最頻値に基づいて許可送信期間を決定してもよい。この場合、RDR情報の示す送信期間の偏りによっては、Rmaxすなわち最大値に基づく許可送信期間を用いて子局からULフレームが送信されるときよりも通信リソースの利用効率が向上され得る。
また、上記では、RDR情報は、送信期間を示す情報である例を説明したが、RDR情報は、送信期間を算出可能な情報であってもよい。例えば、RDR情報は、送信されるデータの量を示す情報および変調速度を示す情報の組であってもよい。また、上記では、RDR情報は、送信期間そのものを示す情報である例を説明したが、RDR情報は、送信期間が所定の粒度に量子化されて得られる情報であってもよい。
(アップリンク多重通信用のフレームの分割通知機能)
さらに、制御部17は、子局の送信するULフレームの分割を指示する情報を子局に通知する。具体的には、制御部17は、RDR情報を含むTFBフレームのいずれかが、子局がトリガフレームの応答としてのULフレームを送信しない旨を示す場合、トリガフレームに対するACKフレームの独立した送信期間での送信を指示する情報(以下、ACK独立指示情報とも称する。)を含むトリガフレームをデータ処理部11に生成させる。
例えば、制御部17は、子局から受信されるTFBフレームに含まれるRDR情報の示す要求送信期間が0または0に相当する値であるかを判定する。要求送信期間が0または0に相当する値であると判定される場合、制御部17は、ACK独立指示情報を含むトリガフレームの生成をデータ処理部に指示する。
データ処理部は、制御部17の指示に基づいてACK独立指示情報を含むトリガフレームを生成する。例えば、トリガフレームは、ACK独立指示情報としてのフラグSplit_Ack_Flagを含む。例えば、ACK独立指示情報を含むトリガフレームの生成が制御部17から指示される場合、データ処理部11は、フラグがオン、すなわちSplit_Ack_Flag=1を示すフラグ情報をトリガフレームの所定の位置、例えばMACヘッダ内のReserved領域の一部に挿入する。なお、当該フラグの挿入位置はこれに限定されず、例えばトリガフレームに他の専用のフィールド追加し、追加されるフィールドに当該フラグが挿入されてもよい。
また、データ処理部11は、2種類の許可送信期間を示す情報をトリガフレームに含める。具体的には、データ処理部11は、制御部17によって決定されるACKフレームの許可送信期間を示すRDG情報、ならびに当該ACKフレームおよびULフレームの許可送信期間を示すRDG情報をトリガフレームに含める。なお、ACKフレームの許可送信期間が子局において既知である場合、データ処理部11は、RDG情報をトリガフレームに含めなくてもよい。また、データ処理部11は、要求送信期間が0である子局に係るトリガフレームには、RDG情報を含めなくてもよい。また、RDG情報は、ACKフレームとデータフレームとの送信間隔TIFSが含められる。
なお、データ処理部11は、ACK独立指示情報を含まないトリガフレームの生成が制御部17から指示される場合、フラグがオフ、すなわちSplit_Ack_Flag=0を示すフラグ情報をトリガフレームに挿入する。また、データ処理部11は、式Rmax+Tackで算出される許可送信期間を示すRDG情報をトリガフレームに含める。
((子局として動作する場合の機能))
次に、通信装置10−6が子局として動作する場合の機能について詳細に説明する。
(アップリンク多重通信用のフレーム送信期間の決定支援機能)
制御部17は、要求送信期間の親局への通知処理を制御する。具体的には、制御部17は、送信すべきデータの量に基づいて要求送信期間を決定し、決定される要求送信期間を示すRDR情報を生成する。そして、制御部17は、データ処理部11に当該RDR情報を含むTFBフレームを生成させる。例えば、制御部17は、送信用バッファを参照することにより、送信すべきデータの量を算出する。そして、制御部17は、算出されるデータ量および変調方式に基づいて要求送信期間を決定し、決定される要求送信期間を示すRDR情報を生成する。
(アップリンク多重通信用のフレームの分割機能)
制御部17は、ULフレームの分割を指示する情報がトリガフレームに含まれている場合、ULフレームの分割を指示する。具体的には、制御部17は、ACK独立指示情報がトリガフレームに含まれる場合、単独で送信される当該確認応答としてのACKフレームの生成をデータ処理部11に指示する。また、制御部17は、ACKフレームを含まないULフレームの生成をデータ処理部11に指示する。
そして、制御部17は、ULフレームが分割される場合、通信部12に、分割されるフレームの各々をそれぞれの許可送信期間中に送信させる。具体的には、制御部17は、ACKフレームおよびデータフレームの両方が別個に生成される場合、通信部12に、まず、ACKフレームのみをRDG情報の示す許可送信期間で親局に送信させる。続いて、制御部17は、RDG情報の示す許可送信期間でデータフレームを親局に送信させる。
なお、上記では、ACKフレームがデータフレームの送信前に送信される例を示したが、ACKフレームはデータフレームの送信後に送信されてもよい。
データ処理部11は、トリガフレームにACK独立指示情報が含まれるかを判定する。具体的には、データ処理部11は、トリガフレームに含まれるフラグ情報が、フラグがオンすなわちSplit_Ack_Flag=1を示すかを判定する。フラグがオンであると判定される場合、データ処理部11は、ACK独立指示情報がトリガフレームに含まれる旨を制御部17に通知する。
また、データ処理部11は、制御部17の指示に基づいてACKフレームおよびULフレームを生成する。具体的には、データ処理部11は、まず、トリガフレームに対するACKフレームをRDG情報に基づいて生成する。次に、データ処理部11は、親局に送信すべきデータが存在する場合、データフレームをRDG情報に基づいて生成する。この際、ACKフレームとデータフレームとの送信間隔TIFSおよびACK送信期間を考慮してデータフレームが生成される。
<7−2.装置の処理>
次に、図24〜図26を参照して、本実施形態における通信装置10−6の処理について説明する。なお、第1〜第5の実施形態の処理と実質的に同一である処理については説明を省略する。
(アップリンク多重通信用のフレーム送信期間の決定処理のフロー)
まず、図24を参照して、図5におけるステップS103の前または後で行われる、アップリンク多重通信用のフレーム送信期間の決定処理について説明する。図24は、本実施形態に係る親局におけるアップリンク多重通信用のフレーム送信期間の決定処理を概念的に示すフローチャートである。
親局は、TFBフレームから要求送信期間を示すRDR情報を取得する(ステップS701)。具体的には、データ処理部11は、TFBフレームが受信されると、当該TFBフレームからRDR情報を取得する。
次に、親局は、RDR情報の示す値のうちの最大値を特定する(ステップS702)。具体的には、制御部17は、データ処理部11によって取得されるRDR情報の各々からの要求送信期間の最大値を特定する。
次に、親局は、値が0であるRDR情報の有無を判定する(ステップS703)。具体的には、制御部17は、RDR情報の各々について、値が0であるRDR情報の有無を判定する。なお、本ステップの処理は、ステップS702と並行して行われてもよい。
値が0であるRDR情報が存在すると判定された場合、親局は、フラグをオンに決定する(ステップS704)。具体的には、値が0であるRDR情報が存在すると判定された場合、制御部17は、Split_Ack_Flag=1を示すフラグ情報を生成する。
次に、親局は、ACK送信期間に相当するRDG情報を決定する(ステップS705)。具体的には、制御部17は、トリガフレームへの応答として子局から送信されるべきACKフレームの送信期間を示すRDG情報を決定する。
次に、親局は、RDR情報の最大値およびACK送信期間に基づいてRDG情報を決定する(ステップS706)。具体的には、制御部17は、RDR情報の最大値、ACK送信期間およびACKフレームの送信からULフレームの送信までの待機時間の和をRDG情報に決定する。
ステップS703にて、値が0であるRDR情報が存在しないと判定された場合、親局は、フラグをオフに決定する(ステップS707)。具体的には、値が0であるRDR情報が存在しないと判定された場合、制御部17は、Split_Ack_Flag=0を示すフラグ情報を生成する。
次に、親局は、RDR情報の最大値およびACK送信期間に基づいてRDG情報を決定する(ステップS708)。具体的には、制御部17は、RDR情報の最大値およびACK送信期間の和をRDG情報に決定する。
(アップリンク多重通信処理のフロー)
続いて、図5におけるステップS104の処理であるアップリンク多重通信処理の詳細について説明する。まず、図25を参照して、アップリンク多重通信処理における親局の処理について説明する。図25は、本実施形態に係るアップリンク多重通信処理における親局の処理を概念的に示すフローチャートである。
親局は、UTP情報を含むフレームを生成し(ステップS531)、フラグがオンであるかを判定する(ステップS532)。具体的には、制御部17は、Split_Ack_Flag=1を示すフラグ情報を生成したかを判定する。
フラグがオンであると判定された場合、親局は、トリガフレームにRDG情報およびRDG情報を付加する(ステップS533)。具体的には、Split_Ack_Flag=1を示すフラグ情報を生成したと判定された場合、制御部17は、データ処理部11にRDG情報およびRDG情報をトリガフレームに付加させる。
なお、フラグがオフであると判定された場合、親局は、トリガフレームにRDG情報を付加する(ステップS534)。具体的には、Split_Ack_Flag=0を示すフラグ情報を生成したと判定された場合、制御部17は、データ処理部11にRDG情報をトリガフレームに付加させる。
次に、親局は、MU−MIMOを用いてトリガフレームを送信し(ステップS535)、MU−MIMOで多重化されたULフレームを子局から受信するまで待機する(ステップS536)。MU−MIMOのULフレームが受信されると、親局は、ULフレームに対するACKをMU−MIMOを用いて送信する(ステップS537)。
続いて、図26を参照して、アップリンク多重通信処理における子局の処理について説明する。図26は、本実施形態に係るアップリンク多重通信処理における子局の処理を概念的に示すフローチャートである。
子局は、MU−MIMOを用いて送信された自局宛てのトリガフレームが受信されるまで待機し(ステップS631)、自局宛てのトリガフレームが受信されると、トリガフレームからUTP情報、RDG情報およびフラグ情報を取得する(ステップS632)。具体的には、データ処理部11は、受信されたトリガフレームからUTP情報、RDG情報およびRDG情報またはRDG情報、ならびにフラグ情報を取得する。
次に、子局は、フラグがオンであるかを判定する(ステップS633)。具体的には、制御部17は、取得されたフラグ情報がSplit_Ack_Flag=1を示すかを判定する。
フラグがオンであると判定された場合、子局は、送信電力をUTP情報を基に設定する(ステップS634)。具体的には、フラグ情報がSplit_Ack_Flag=1を示すと判定された場合、制御部17は、通信部12に取得されたUTP情報を基に自局の送信電力を設定させる。
次に、子局は、RDG情報に基づいてACKを送信する(ステップS635)。具体的には、制御部17は、データ処理部11にACKフレームを生成させ、通信部12にRDG情報の示す送信期間内でACKフレームを親局に向けて送信させる。
次に、子局は、データフレームの有無を判定する(ステップS636)。具体的には、制御部17は、データバッファを参照して送信すべきデータフレームの有無を判定する。
データフレームが存在すると判定された場合、子局は、データフレームに基づいてULフレームを生成する(ステップS637)。具体的には、制御部17は、送信すべきデータフレームが存在すると判定された場合、データ処理部11にデータフレームをULフレームとして生成させる。なお、ステップS636にて、データフレームが存在しないと判定された場合、子局は、本処理を終了する。この場合、データフレームは送信されない。
ステップS638〜ステップS644の処理については、第1の実施形態におけるステップS603〜ステップS609の処理と実質的に同一である。
(本実施形態におけるフレーム交換シーケンス)
以上、本実施形態における通信システムおよび通信装置10−6の処理について説明した。次に、図27を参照して、通信システムにおいて行われるフレームの送受信について説明する。図27は、本実施形態に係る通信システムによって行われるフレーム交換シーケンスの例を示す図である。
親局は、TRQフレームおよびTFBフレームの交換を子局の各々について順次に行う。例えば、TFBフレームの各々には、図27に示したように、子局10−6の各々のRDR情報がそれぞれ付加される。なお、当該フレーム交換は子局の各々について一括で行われてもよい。
次に、親局は、空間分割多重通信を用いてトリガフレームを子局の各々に送信する。例えば、トリガフレームは、図27に示したように、DATA部、RDG情報、UTP情報およびMCS情報に加えて、フラグ情報としてSplit_Ack_Flagを含む。
次に、子局の各々は、ACKフレームを親局に送信した後、データフレームをULフレームとして親局に送信する。例えば、子局10−6#1〜10−6#4の各々は、まずACKフレームを親局に送信する。そして、データフレームを有する子局10−6#1および10−6#2のみがデータフレームをACKフレームの送信から所定の時間経過後に親局10−6#0に送信する。なお、子局10−6#3および10−6#4は、後続のULフレームを送信しない。これは、子局10−6#3および10−6#4が、送信すべきデータを有していないからである。
次に、親局は、ULフレームが受信されると、当該ULフレームの送信元にACKフレームを送信する。例えば、親局10−6#0は、受信されるULフレームに対するACKフレームを子局10−6#1および10−6#2に送信する。なお、図27では、当該ACKフレームは空間分割多重化される例を示しているが、当該ACKフレームの送信はフレームアグリゲーションまたはマルチキャスト等を用いて行われてもよい。
このように、本開示の第6の実施形態によれば、親局は、子局が要求するフレームの送信期間を示す要求送信期間情報を含むフレームを子局から受信し、当該要求送信期間情報の示す送信期間に基づいて許可送信期間を決定する。このため、子局の予定する送信期間に応じて許可送信期間が直接的に決定されることにより、許可送信期間が最適化され、通信リソースのさらなる効率的な利用が可能となる。
また、親局は、要求送信期間情報を含むフレームにおいて、送信電力情報を含むフレームへの応答としてのフレームを送信しない旨が示される場合、送信電力情報を含むフレームに対する確認応答の独立した送信期間での送信を指示する情報を、送信電力情報を含むフレームに含める。このため、送信すべきデータが存在しない子局がACKフレームのみを送信することにより送信期間が最適化され、通信リソースの有効活用および子局における消費電力量の低減が可能となる。
<8.応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、子局として動作する通信装置10は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、テレビジョン受像機、プリンタ、デジタルスキャナ若しくはネットワークストレージなどの固定端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、子局は、スマートメータ、自動販売機、遠隔監視装置又はPOS(Point Of Sale)端末などの、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、子局は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
一方、例えば、親局として動作する通信装置10は、ルータ機能を有し又はルータ機能を有しない無線LANアクセスポイント(無線基地局ともいう)として実現されてもよい。また、親局は、モバイル無線LANルータとして実現されてもよい。さらに、親局は、これら装置に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
<8−1.第1の応用例>
図28は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913、アンテナスイッチ914、アンテナ915、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース913は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース913は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース913は、アドホックモード又はWi−Fi Direct(登録商標)等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。なお、Wi−Fi Directでは、アドホックモードとは異なり2つの端末の一方がアクセスポイントとして動作するが、通信はそれら端末間で直接的に行われる。無線通信インタフェース913は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF(Radio Frequency)回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース913は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース913は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ914は、無線通信インタフェース913に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ915の接続先を切り替える。アンテナ915は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース913による無線信号の送信及び受信のために使用される。
なお、図28の例に限定されず、スマートフォン900は、複数のアンテナ(例えば、無線LAN用のアンテナ及び近接無線通信方式用のアンテナ、など)を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ914は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図28に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図28に示したスマートフォン900において、図2を用いて説明したデータ処理部11、通信部12および制御部17は、無線通信インタフェース913において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。例えば、制御部17は、当該スマートフォン900からの受信によって得られる情報に基づいて決定された無線LANにおける多重通信のための送信電力に基づいて自装置の送信電力を設定する。そして、通信部12が、当該多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを受信し、制御部17によって当該送信電力情報に基づいて設定された送信電力でフレームを送信する。これにより、無線LANにおけるスマートフォン900の送信する多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
なお、スマートフォン900は、プロセッサ901がアプリケーションレベルでアクセスポイント機能を実行することにより、無線アクセスポイント(ソフトウェアAP)として動作してもよい。また、無線通信インタフェース913が無線アクセスポイント機能を有していてもよい。
<8−2.第2の応用例>
図29は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、アンテナスイッチ934、アンテナ935及びバッテリー938を備える。
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
無線通信インタフェース933は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース933は、アドホックモード又はWi−Fi Direct等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。無線通信インタフェース933は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース933は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ934は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路の間でアンテナ935の接続先を切り替える。アンテナ935は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送信及び受信のために使用される。
なお、図29の例に限定されず、カーナビゲーション装置920は、複数のアンテナを備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ934は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図29に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
図29に示したカーナビゲーション装置920において、図2を用いて説明したデータ処理部11、通信部12および制御部17は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。例えば、制御部17は、カーナビゲーション装置920からの受信によって得られる情報に基づいて決定された無線LANにおける多重通信のための送信電力に基づいて自装置の送信電力を設定する。そして、通信部12が、当該多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを受信し、制御部17によって設定された送信電力でフレームを送信する。これにより、無線LANにおけるカーナビゲーション装置920の送信する多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、無線通信インタフェース933は、上述した親局として動作し、車両に乗るユーザが有する端末に無線接続を提供してもよい。その際、例えば、制御部17は、他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LANにおける多重通信のための送信電力を決定する。そして、データ処理部11は、制御部17によって決定される多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを生成する。さらに、通信部12は、データ処理部11によって生成されるフレームを他の通信装置に送信する。これにより、無線LANにおけるカーナビゲーション装置920の受信する他の通信装置からの多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
<8−3.第3の応用例>
図30は、本開示に係る技術が適用され得る無線アクセスポイント950の概略的な構成の一例を示すブロック図である。無線アクセスポイント950は、コントローラ951、メモリ952、入力デバイス954、表示デバイス955、ネットワークインタフェース957、無線通信インタフェース963、アンテナスイッチ964及びアンテナ965を備える。
コントローラ951は、例えばCPU又はDSP(Digital Signal Processor)であってよく、無線アクセスポイント950のIP(Internet Protocol)レイヤ及びより上位のレイヤの様々な機能(例えば、アクセス制限、ルーティング、暗号化、ファイアウォール及びログ管理など)を動作させる。メモリ952は、RAM及びROMを含み、コントローラ951により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、ルーティングテーブル、暗号鍵、セキュリティ設定及びログなど)を記憶する。
入力デバイス954は、例えば、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作を受け付ける。表示デバイス955は、LEDランプなどを含み、無線アクセスポイント950の動作ステータスを表示する。
ネットワークインタフェース957は、無線アクセスポイント950が有線通信ネットワーク958に接続するための有線通信インタフェースである。ネットワークインタフェース957は、複数の接続端子を有してもよい。有線通信ネットワーク958は、イーサネット(登録商標)などのLANであってもよく、又はWAN(Wide Area Network)であってもよい。
無線通信インタフェース963は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、近傍の端末へアクセスポイントとして無線接続を提供する。無線通信インタフェース963は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース963は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。アンテナスイッチ964は、無線通信インタフェース963に含まれる複数の回路の間でアンテナ965の接続先を切り替える。アンテナ965は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース963による無線信号の送信及び受信のために使用される。
図30に示した無線アクセスポイント950において、図2を用いて説明したデータ処理部11、通信部12および制御部17は、無線通信インタフェース963において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、コントローラ951において実装されてもよい。例えば、制御部17は、他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LANにおける多重通信のための送信電力を決定する。そして、データ処理部11は、制御部17によって決定される多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを生成する。さらに、通信部12は、データ処理部11によって生成されるフレームを他の通信装置に送信する。これにより、無線LANにおける無線アクセスポイント950の受信する他の通信装置からの多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
<9.むすび>
以上、本開示の第1の実施形態によれば、子局から受信される多重化されたフレームの送信電力が親局によって制御されることにより、フレームが正常に受信されるように当該フレームの受信電力が調整され、無線LANにおける多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、本開示の第2の実施形態によれば、空間分割多重方式に対応していない通信装置であっても、無線LANにおける多重化フレームの受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
また、本開示の第3の実施形態によれば、子局は、第1の実施形態の場合と異なり、TRQ/TFBフレーム交換においてTPCを行わず、第2の実施形態の場合と異なり、TRQフレームの受信電力の測定を行わない。その結果、第1および第2の実施形態の各々と比べて、子局における処理を簡素化することが可能となる。
また、本開示の第4の実施形態によれば、アップリンク多重通信用の送信電力の通知に既存の通信が利用されることにより、通信回数の増加を回避することが可能となる。
また、本開示の第5の実施形態によれば、TRQ/TFBフレームに追加的な情報が付加されないことにより、既存のプロトコルに従ったTRQ/TFBフレーム交換が可能となる。
また、本開示の第6の実施形態によれば、子局の予定する送信期間に応じて許可送信期間が直接的に決定されることにより、許可送信期間が最適化され、通信リソースのさらなる効率的な利用が可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、空間分割多重化されるULフレームの分離処理は、TRQ/TFBフレーム交換によって得られたアンテナ重みを用いて行われるとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、ULフレーム内の参照信号を用いて当該ULフレームの分離処理が行われてもよい。具体的には、通信部12は、ULフレームのプリアンブル部分で送信される参照信号を用いてアンテナ重みを取得し、取得されるアンテナ重みを用いてULフレームの後続部分の分離処理を行う。なお、参照信号は、分離可能なように、子局ごとに異なる直交符号等を用いて符号化され得る。
また、上記実施形態では、TFBフレームは子局毎に順次に送信される例を説明したが、TFBフレームは同じタイミングで子局の各々から送信されてもよい。例えば、TFBフレームの参照信号部が直交符号等を用いて符号化され、親局は、符号化に用いられた符号化方法と符号化された参照信号とに基づいてTFBフレームを分離する。そして、親局は、分離されるTFBフレームの参照信号に基づいてアンテナ重みを取得する。なお、符号化方法は、親局と子局との間で通知が行われてもよく、予め共有されてもよい。
また、上記実施形態におけるTRQ/TFBフレーム交換に相当するフレーム交換は、RTS/CTSフレーム交換において行われてもよく、アップリンク多重通信におけるデータフレームおよびACKフレームの交換において行われてもよい。また、当該フレーム交換は、A−MPDUフレームおよびブロックACKフレームの交換において行われてもよく、アップリンク多重通信におけるフレーム交換とは独立したフレーム交換において行われてもよい。
また、上記実施形態におけるTFB送信電力を示す情報およびUTP情報等は、送信電力値であってもよく、送信電力値を算出するための情報であってもよい。例えば、UTP情報等は、送信電力の増減についての要求値または当該要求値を特定可能な情報であり得る。
また、上記の各実施形態および各変形例に係る処理は、それぞれ組み換えられてもよく、組合せられてもよい。例えば、第1〜第5の実施形態の処理に第6の実施形態の処理が組合せられてもよい。
また、上記の実施形態のフローチャートに示されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的にまたは個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を決定する制御部と、前記制御部によって決定される前記多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを生成する処理部と、前記処理部によって生成される前記フレームを前記他の通信装置に送信する通信部と、を備える通信制御装置。
(2)前記受信によって得られる情報は、伝搬経路に応じて変化する情報を含む、前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)前記伝搬経路に応じて変化する情報は、伝搬減衰量を示す情報を含む、前記(2)に記載の通信制御装置。
(4)前記制御部は、前記処理部によって生成される第1のフレームおよび前記第1のフレームへの応答として受信される第2のフレームの通信における、前記第1のフレームまたは前記第2のフレームの通信に係る電力に基づいて前記伝搬減衰量を推定する、前記(3)に記載の通信制御装置。
(5)前記第1のフレームは、前記第2のフレームの送信電力を示す第2の電力情報を含み、前記通信部は、前記第1のフレームに含まれる第2の電力情報の示す送信電力で送信された前記第2のフレームを受信し、前記制御部は、前記第2の電力情報の示す送信電力と前記第2のフレームの受信電力とに基づいて前記伝搬減衰量を推定する、前記(4)に記載の通信制御装置。
(6)前記第2のフレームは、前記第2のフレームの送信電力を示す第2の電力情報を含み、前記通信部は、前記第2のフレームに含まれる第2の電力情報の示す送信電力で送信された前記第2のフレームを受信し、前記制御部は、前記第2の電力情報の示す送信電力と前記第2のフレームの受信電力とに基づいて前記伝搬減衰量を推定する、前記(4)に記載の通信制御装置。
(7)前記通信部は、予め決定される前記第2のフレームの送信電力で送信された前記第2のフレームを受信し、前記制御部は、前記予め決定される前記第2のフレームの送信電力と前記第2のフレームの受信電力とに基づいて前記伝搬減衰量を推定する、前記(4)に記載の通信制御装置。
(8)前記第2のフレームは、前記第1のフレームの受信電力を示す第1の電力情報を含み、前記制御部は、前記第1のフレームの送信電力と前記第1の電力情報の示す受信電力とに基づいて前記伝搬減衰量を推定する、前記(4)に記載の通信制御装置。
(9)前記第1のフレームは、参照信号の要求を示すフレームを含み、前記第1のフレームへの応答として受信される第2のフレームは、参照信号を含むフレームを含む、前記(4)〜(8)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(10)前記制御部は、周波数毎に前記多重通信のための送信電力を決定する、前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(11)前記制御部は、前記多重通信において用いられる変調方式および符号化方式を示す情報に基づいて前記多重通信のための送信電力を決定する、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(12)前記通信部は、前記他の通信装置から前記他の通信装置において設定可能な送信電力の範囲を示す送信電力範囲情報を含むフレームを受信し、前記制御部は、前記多重通信のための送信電力として、前記送信電力範囲情報の示す範囲内に収まる送信電力を決定する、前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(13)前記送信電力情報を含むフレームは、前記送信電力情報を含むフレームへの応答としてのフレームの送信が許可される許可送信期間を示す情報を含む、前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(14)前記多重通信の多重方式は、空間分割多重方式または周波数分割多重方式を含む、前記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(15)通信装置であって、前記通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて決定された無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を示す送信電力情報に基づいて自装置の送信電力を設定する制御部と、前記送信電力情報を含むフレームを受信し、前記制御部によって設定された送信電力でフレームを送信する通信部と、を備える通信装置。
(16)前記送信電力情報の送信元から受信される第1のフレームへの応答として、前記第1のフレームの受信電力を示す第1の電力情報または第2のフレームの送信電力を示す第2の電力情報を含む前記第2のフレームを生成する処理部をさらに備え、前記通信部は、前記第1のフレームを受信し、前記第2のフレームを送信する、前記(15)に記載の通信装置。
(17)制御部によって、他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を決定することと、決定される前記多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを生成することと、生成される前記フレームを前記他の通信装置に送信することと、を含む通信制御方法。
(18)通信部によって、無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを受信することと、通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて決定された前記送信電力情報に基づいて自装置の送信電力を設定することと、設定された送信電力でフレームを送信することと、を含む通信方法。
(19)他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を決定する制御機能と、前記制御機能によって決定される前記多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを生成する処理機能と、前記処理機能によって生成される前記フレームを前記他の通信装置に送信する通信機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラム。
(20)無線LAN(Local Area Network)における多重通信のための送信電力を示す送信電力情報を含むフレームを受信する通信機能と、通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて決定された前記送信電力情報に基づいて自装置の送信電力を設定する制御機能と、設定された送信電力でフレームを送信する通信機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラム。
10 通信装置
11 データ処理部
12 通信部
13 信号処理部
14 チャネル推定部
15 無線インタフェース部
16 増幅部

Claims (20)

  1. 複数の他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LAN(Local Area Network)におけるアップリンク多重通信のための送信電力を決定する制御部と、
    前記制御部によって決定される前記アップリンク多重通信のための送信電力を設定するのに用いられる送信電力情報と、前記複数の他の通信装置を示す情報と、を含むトリガフレームを生成する処理部と、
    前記処理部によって生成される前記トリガフレームを前記複数の他の通信装置にマルチキャストを用いて送信する通信部と、
    を備える通信制御装置。
  2. 前記受信によって得られる情報は、伝搬経路に応じて変化する情報を含む、請求項1に記載の通信制御装置。
  3. 前記伝搬経路に応じて変化する情報は、伝搬減衰量を示す情報を含む、請求項2に記載の通信制御装置。
  4. 前記制御部は、前記処理部によって生成される第1のフレームおよび前記第1のフレームへの応答として受信される第2のフレームの通信における、前記第1のフレームまたは前記第2のフレームの通信に係る電力に基づいて前記伝搬減衰量を推定する、請求項3に記載の通信制御装置。
  5. 前記第1のフレームは、前記第2のフレームの送信電力を示す第2の電力情報を含み、 前記通信部は、前記第1のフレームに含まれる第2の電力情報の示す送信電力で送信された前記第2のフレームを受信し、
    前記制御部は、前記第2の電力情報の示す送信電力と前記第2のフレームの受信電力とに基づいて前記伝搬減衰量を推定する、請求項4に記載の通信制御装置。
  6. 前記第2のフレームは、前記第2のフレームの送信電力を示す第2の電力情報を含み、 前記通信部は、前記第2のフレームに含まれる第2の電力情報の示す送信電力で送信された前記第2のフレームを受信し、
    前記制御部は、前記第2の電力情報の示す送信電力と前記第2のフレームの受信電力とに基づいて前記伝搬減衰量を推定する、請求項4に記載の通信制御装置。
  7. 前記通信部は、予め決定される前記第2のフレームの送信電力で送信された前記第2のフレームを受信し、
    前記制御部は、前記予め決定される前記第2のフレームの送信電力と前記第2のフレームの受信電力とに基づいて前記伝搬減衰量を推定する、請求項4に記載の通信制御装置。
  8. 前記第2のフレームは、前記第1のフレームの受信電力を示す第1の電力情報を含み、 前記制御部は、前記第1のフレームの送信電力と前記第1の電力情報の示す受信電力とに基づいて前記伝搬減衰量を推定する、請求項4に記載の通信制御装置。
  9. 前記第1のフレームは、参照信号の要求を示すフレームを含み、
    前記第1のフレームへの応答として受信される第2のフレームは、参照信号を含むフレームを含む、請求項4に記載の通信制御装置。
  10. 前記制御部は、周波数毎に前記アップリンク多重通信のための送信電力を決定する、請求項1に記載の通信制御装置。
  11. 前記制御部は、前記アップリンク多重通信において用いられる変調方式および符号化方式を示す情報に基づいて前記アップリンク多重通信のための送信電力を決定する、請求項1に記載の通信制御装置。
  12. 前記通信部は、前記複数の他の通信装置から前記複数の他の通信装置において設定可能な送信電力の範囲を示す送信電力範囲情報を含むフレームを受信し、
    前記制御部は、前記アップリンク多重通信のための送信電力として、前記送信電力範囲情報の示す範囲内に収まる送信電力を決定する、請求項1に記載の通信制御装置。
  13. 前記送信電力情報を含むトリガフレームは、前記送信電力情報を含むトリガフレームへの応答としてのフレームの送信が許可される許可送信期間を示す情報を含む、請求項1に記載の通信制御装置。
  14. 前記アップリンク多重通信の多重方式は、空間分割多重方式または周波数分割多重方式を含む、請求項1に記載の通信制御装置。
  15. 通信装置であって、
    前記通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて決定された無線LAN(Local Area Network)におけるアップリンク多重通信のための送信電力を設定するのに用いられる送信電力情報と、複数の通信装置を示す情報と、に基づいて自装置の送信電力を設定する制御部と、
    前記送信電力情報と前記複数の通信装置を示す前記情報とを含み、通信制御装置からマルチキャストを用いて送信されるトリガフレームを受信し、前記複数の通信装置を示す前記情報が自装置を示す場合に、前記トリガフレームの受信から所定の時間経過後、前記制御部によって設定された送信電力でアップリンク多重通信フレームを前記通信制御装置に送信する通信部と、
    を備える通信装置。
  16. 前記通信制御装置から受信される第1のフレームへの応答として、前記第1のフレームの受信電力を示す第1の電力情報または第2のフレームの送信電力を示す第2の電力情報を含む前記第2のフレームを生成する処理部をさらに備え、
    前記通信部は、前記第1のフレームを受信し、前記第2のフレームを送信する、請求項15に記載の通信装置。
  17. 制御部によって、複数の他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LAN(Local Area Network)におけるアップリンク多重通信のための送信電力を決定することと、
    決定される前記アップリンク多重通信のための送信電力を設定するのに用いられる送信電力情報と、前記複数の他の通信装置を示す情報と、を含むトリガフレームを生成することと、
    生成される前記トリガフレームを前記複数の他の通信装置にマルチキャストを用いて送信することと、
    を含む通信制御方法。
  18. 通信部によって、無線LAN(Local Area Network)におけるアップリンク多重通信のための送信電力を設定するのに用いられる送信電力情報と、複数の通信装置を示す情報と、を含み、通信制御装置からマルチキャストを用いて送信されるトリガフレームを受信することと、
    通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて決定された前記送信電力情報と、前記複数の通信装置を示す前記情報と、に基づいて自装置の送信電力を設定することと、
    前記複数の通信装置を示す前記情報が自装置を示す場合に、前記トリガフレームの受信から所定の時間経過後、設定された送信電力でアップリンク多重通信フレームを前記通信制御装置に送信することと、
    を含む通信方法。
  19. 複数の他の通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて無線LAN(Local Area Network)におけるアップリンク多重通信のための送信電力を決定する制御機能と、
    前記制御機能によって決定される前記アップリンク多重通信のための送信電力を設定するのに用いられる送信電力情報と、前記複数の他の通信装置を示す情報と、を含むトリガフレームを生成する処理機能と、
    前記処理機能によって生成される前記トリガフレームを前記複数の他の通信装置にマルチキャストを用いて送信する通信機能と、
    をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  20. 無線LAN(Local Area Network)におけるアップリンク多重通信のための送信電力を設定するのに用いられる送信電力情報と、複数の通信装置を示す情報と、を含み、通信制御装置からマルチキャストを用いて送信されるトリガフレームを受信する通信機能と、
    通信装置からの受信によって得られる情報に基づいて決定された前記送信電力情報と、前記複数の通信装置を示す前記情報と、に基づいて自装置の送信電力を設定する制御機能と、
    前記複数の通信装置を示す前記情報が自装置を示す場合に、前記トリガフレームの受信から所定の時間経過後、設定された送信電力でアップリンク多重通信フレームを前記通信制御装置に送信する通信機能と、
    をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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