JP6789183B2 - 蒸留酒または希釈された蒸留酒のための呈味改善剤、蒸留酒または希釈された蒸留酒、および蒸留酒または希釈された蒸留酒の呈味改善方法 - Google Patents
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一方、蒸留酒はアルコール濃度が高いため、嗜好上、ソーダ水、水、温水などを加えることによりアルコール濃度を低くして飲用することが行われている。しかし、上記のとおり、蒸留酒を水などで割ってアルコール濃度を低下させると、蒸留酒本来の香りやコクが薄れるという問題点があった。また、従来から、甘味料、糖類、ジュース類などの新たな味覚を加えて苦味を低減し、味を濃くすることによってできるだけ各飲用者の好みに合わせるようにしていたが、元の蒸留酒の官能評価を大きく変えてしまうという問題があった。
(1)インドールを有効成分とする、蒸留酒用呈味改善剤。
(2)上記呈味が、苦味および/または甘味である、前記(1)に記載の蒸留酒用呈味改善剤。
(4)上記呈味改善が、先味と後味とで異なる呈味を付与する呈味改善である、前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の蒸留酒用呈味改善剤。
(6)上記蒸留酒が焼酎である、前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の蒸留酒用呈味改善剤。
また、蒸留酒を水などで割ってアルコール濃度を低下させても、蒸留酒固有の呈味が薄まらないアルコール飲料を提供することができ、そうした呈味の改善により、水割りアルコール飲料を瓶詰あるいは罐詰のような製品として消費者に提供することができる。
蒸留酒とは、醸造により得られたアルコール含有物をさらに蒸留して製造するアルコール濃度の高い酒である。原料として、米や大麦などの穀類、リンゴ、サクランボ、洋ナシなどの果実、その他にサトウキビ、リュウゼツラン、イモ類などを発酵させて製造したアルコール含有物を蒸留してアルコール濃度を高くしたものであり、スピリッツとも称される。その代表的な種類としては、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン、アクアビット、コルン、ウイスキー、ブランデー、焼酎、カルバドス、キルシュなどが知られている。本発明で対象となる「蒸留酒」は、このような蒸留酒と称されている種類の酒類であるが、特に、焼酎やウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジンなどに好ましい。
(ア)ウイスキー類
ウイスキー:発芽穀類、水を原料として、糖化・発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの、およびこれにアルコール、スピリッツ、香味料、色素などを添加したもの。
ブランデー:果実または果実と水を原料として、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの、およびこれにアルコール、スピリッツ、香味料、色素などを添加したもの。
(イ)スピリッツ類
スピリッツ:清酒、合成清酒、焼酎、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類(ウイスキー、ブランデー)の酒類以外の酒類で、かつエキス分が2度未満のもの(雑酒を除く)のうち、原料用アルコール以外のもの。例:ジン、ラム、ウオッカ、テキーラ、ニュースピリッツや甲類スピリッツなど。
1)ジン:アルコール含有物を蒸留する際、アルコールに他の物品の成分を浸出させたもの。
2)ラム:砂糖、糖蜜などの含糖質物を原料としたもので蒸留の際のアルコール分が95%未満のもの。
3)ウオッカ:しらかばの炭でこしたもの。
原料用アルコール:アルコール含有物を蒸留した酒類で、アルコール分が45%を越えるスピリッツ。
(ウ)焼 酎
焼酎甲類:アルコール含有物を連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分が36%未満のもの。
焼酎乙類:アルコール含有物を連続式蒸留機以外の蒸留機で蒸留したもので、アルコール分が45%以下のもの。
本発明における「希釈された蒸留酒」としては、その製造工程の最終段階で、割り水されてアルコール濃度が調整された焼酎、あるいは例えば(ア)ウイスキー類(例えばウイスキーおよびブランデー)、(イ)スピリッツ類(例えばジン、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン、アクアビット、コルン、カルバドス、キルシュ、および原料用アルコール)、(ウ)焼酎(甲類、乙類)などを水で割ったものである。この「希釈された蒸留酒」には、蒸留酒の外に、蒸留酒に生得的に含有されている成分、意図的に含有させる成分(例えば香料)、あるいは製造工程や貯蔵時に不可避的に含有されることになる成分、を含んでいるものも包含する。また、本発明における「希釈された蒸留酒」としては、「蒸留酒」または製造工程において割り水した「希釈された蒸留酒」を、飲用者が飲用する際に、さらに水、お湯、氷、その他果汁などの飲料を加えることで希釈された蒸留酒も含まれる。
インドールは、化学式がC8H7Nであり、ベンゼン環とピロール環が縮合した構造の有機化合物である。合成インドールは、香水や香料に使われているが、酒類に呈味改善剤として添加することは知られていなかった。蒸留酒にインドールを含有させるためには、どのような工程および方法で含有させてもよく、例えば、蒸留酒に適量のインドールを添加する方法や、蒸留酒の蒸留前の原料である醪に添加してもよく、また、醪製造のための発酵工程でインドールを産生する酵母を用いてもよい。さらに、インドールを含有する蒸留酒自体を蒸留酒または希釈した蒸留酒に添加してもよい。
蒸留酒または希釈された蒸留酒に含有させるインドールの濃度は、蒸留酒の種類およびアルコール度数によって適切な範囲が異なるが、それぞれの蒸留酒に好適な量を含有させることができ、例えば、0.05〜500ppbの範囲の量で含有させることが好ましい。
驚くべきことに、同じアルコール度数の蒸留酒でも含有させるインドールの濃度によって、その先味、後味の呈味を変化させて改善できることがわかった。例えば、アルコール度数15度の麦焼酎においては、インドール濃度が0.05〜300ppbの範囲で呈味を改善することができるが、インドール濃度が低濃度と高濃度の場合では、改善される先味および後味の呈味は異なり、インドール濃度が50ppbでは、先味で苦味とコクが増強され、100〜300ppbではコクと甘味が増強される。
上記のように、含有させるインドールの濃度により、改善される蒸留酒の呈味は異なるものであるが、さらに、同じ蒸留酒でも含有する蒸留酒のアルコール濃度に応じて、また、含有されるインドールの濃度に応じて、増強され、また改善される蒸留酒の呈味の種類、度合が異なることもわかった。例えば、50ppbのインドールを含有させると、アルコール濃度が25度の麦焼酎では、先味でコクが増強されるのに対し、アルコール濃度が5度の麦焼酎では、先味で苦味が増強される。
このように、蒸留酒の呈味を改善できるインドール濃度は、含有させる蒸留酒の種類とそのアルコール度数の両方に依存することが解明されたことにより、例えば500ppb以上の高濃度のインドールを含有する蒸留酒の原酒も、呈味改善剤として蒸留酒または希釈された蒸留酒に添加することができる。
焼酎およびその他の蒸留酒にインドールを呈味改善剤として添加して、呈味の総合評価を、7名から12名の社内のパネリスト訓練を経た酒類の専門評価者による官能試験により行った。
下記表1に示すように、麦、芋、米、そば、黒糖、泡盛、および甲類のそれぞれの焼酎、並びに、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、テキーラ、ラム、およびジンのその他の蒸留酒にインドールを添加して、呈味および口当たりを評価した。具体的には、麦、芋、米、そば、黒糖、泡盛、および甲類のそれぞれの焼酎については、25%または5%のアルコール濃度の焼酎に、インドールを20ppbまたは4ppb添加して呈味性の官能評価を行い、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、テキーラ、ラム、およびジンについては20%のアルコール濃度のものにインドールを20ppb添加して呈味性の官能評価を行った。さらに、麦焼酎については、5%、10%、15%、25%のアルコール濃度の麦焼酎に、インドールを0.05〜5000ppb添加して、麦焼酎でのインドールの好ましい濃度範囲の官能評価を行った。
実施例1〜22での官能評価は、インドールを添加していない「ブランク」(対照)では感じることがなかったが、インドールを添加した試料では感じた呈味(コク、苦味、甘味、酸味、旨味等)および口当たり(渋味、刺激味、きめ、後味、金属味、粉っぽい等)の特性について、複数コメントを許可する条件で、各専門評価者からのコメントを1と数えて評価した。
麦焼酎A(アルコール濃度25度)にインドールを20ppb添加して試料を調製した。また、ブランクとしてインドールを添加していない麦焼酎A(アルコール濃度25度)を準備した。そして、7名もしくは9名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行った。具体的には、ブランクの麦焼酎Aでは感じることがなかったが、インドールを添加した試料では感じた呈味(風味を含む)および口当たりの特性についてコメントを求め、官能評価の結果を表2にまとめた。なお、「先味」とは、口に入れた瞬間の呈味(風味)または口当たりの特性であり、「後味」とは、吐き出した後に残る持続性のある味または口当たりの特性と定義した(他の実施例においても同様。)。
芋焼酎B(アルコール濃度25度)にインドールを20ppb添加して試料を調製した。また、ブランクとしてインドールを添加していない芋焼酎B(アルコール濃度25度)を準備した。そして、9名もしくは8名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表3にまとめた。
米焼酎C(アルコール濃度25度)にインドールを20ppb添加して試料を調製した。また、ブランクとしてインドールを添加していない米焼酎C(アルコール濃度25度)を準備した。そして、12名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表4にまとめた。
そば焼酎D(アルコール濃度25度)にインドールを20ppb添加して試料を調製した。また、ブランクとしてインドールを添加していないそば焼酎D(アルコール濃度25度)を準備した。そして、10名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表5にまとめた。
黒糖焼酎E(アルコール濃度25度)にインドールを20ppb添加して試料を調製した。また、ブランクとしてインドールを添加していない黒糖焼酎E(アルコール濃度25度)を準備した。そして、12名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表6にまとめた。
泡盛F(アルコール濃度25度)にインドールを20ppb添加して試料を調製した。また、ブランクとしてインドールを添加していない泡盛F(アルコール濃度25度)を準備した。そして、12名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表7にまとめた。
甲類焼酎G(アルコール濃度25度)にインドールを20ppb添加して試料を調製した。また、ブランクとしてインドールを添加していない甲類焼酎G(アルコール濃度25度)を準備した。そして、11名もしくは12名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表8にまとめた。
インドールを20ppb添加した麦焼酎A(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していない麦焼酎A(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を準備した。そして、11名もしくは9名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表9にまとめた。
インドールを20ppb添加した芋焼酎B(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していない芋焼酎B(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を準備した。そして、11名もしくは9名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表10にまとめた。
インドールを20ppb添加した米焼酎C(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していない米焼酎C(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を準備した。そして、11名もしくは9名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表11にまとめた。
インドールを20ppb添加したそば焼酎D(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないそば焼酎D(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を準備した。そして、11名もしくは9名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表12にまとめた。
インドールを20ppb添加した黒糖焼酎E(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していない黒糖焼酎E(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名もしくは11名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表13にまとめた。
インドールを20ppb添加した泡盛F(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していない泡盛F(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名もしくは11名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表14にまとめた。
インドールを20ppb添加した甲類焼酎G(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していない甲類焼酎G(アルコール濃度25度)をアルコール度数5%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名もしくは11名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表15にまとめた。
シングルモルトウイスキーH(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加え、さらにインドールを20ppb添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないシングルモルトウイスキーH(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名もしくは11名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表16にまとめた。
ブレンデッドウイスキーI(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加え、さらにインドールを20ppb添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないブレンデッドウイスキーI(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名もしくは11名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表17にまとめた。
バーボンウイスキーJ(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加え、さらにインドールを20ppb添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないバーボンウイスキーJ(アルコール濃度25度)をアルコール度数20%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名もしくは11名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表18にまとめた。
ブランデーK(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加え、さらにインドールを20ppb添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないブランデーK(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表19にまとめた。
ウオッカL(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加え、さらにインドールを20ppb添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないウオッカL(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名もしくは10名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表20にまとめた。
テキーラM(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加え、さらにインドールを20ppb添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないテキーラM(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名もしくは10名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表21にまとめた。
ラムN(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加え、さらにインドールを20ppb添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないラムN(アルコール濃度40度)をアルコール度数20%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名もしくは10名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表22にまとめた。
ジンO(アルコール濃度47.3度)をアルコール度数20%になるように水を加え、さらにインドールを20ppb添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないジンO(アルコール濃度47.3度)をアルコール度数20%になるように水を加えた試料を準備した。そして、9名もしくは10名の専門評価者により「先味」と「後味」とに分けて2回繰り返して官能評価を行い、官能評価の結果を表23にまとめた。
麦焼酎A(アルコール濃度25度)に、表25に示すように、0.05〜5000ppbのインドールをそれぞれ添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していない麦焼酎A(アルコール濃度25度)を準備した。そして、ブランクに対する試料の呈味・口当たりを、表24に示す評価基準を用いて「先味」と「後味」とで官能評価を行い、インドールの添加により付与された呈味・口当たりの官能評価の結果を表25にまとめた。具体的には、11名もしくは8名の専門評価者に、呈味もしくは口当たりについて、表24に示す評価基準に応じた点数を付けて貰うとともに、呈味もしくは口当たりについてのコメントを貰った。なお、表24からわかるように、評価基準は数値が高いほど呈味もしくは口当たりについて好ましい効果があることを示しており、評価基準値が「4」を超える場合には、インドールを添加していない場合と比べて好ましい効果があることを表している。本実施例では、11名もしくは8名の専門評価者が付けた評価基準値の平均値を評価値として算出した。たとえば、表25において、インドールを0.5ppb添加した場合の「先味」の評価値は、11名の専門評価者が選んだ評価基準値の平均値から5.4となったことを示す。
アルコール度数15%になるように水を加えた麦焼酎A(アルコール濃度25度)に、0.05〜5000ppbのインドールを添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないアルコール度数15%になるように水を加えた麦焼酎A(アルコール濃度25度)を準備した。そして、ブランクに対する試料の呈味・口当たりを、表24に示す評価基準を用いて「先味」と「後味」とで官能評価を行い、インドールの添加により付与された呈味・口当たりの官能評価の結果を表26にまとめた。なお、実施例24では、8名もしくは10名の専門評価者の平均値を評価値として採用した。
アルコール度数10%になるように水を加えた麦焼酎A(アルコール濃度25度)に、0.05〜5000ppbのインドールを添加して試料を調整した。ブランクとして、インドールを添加していないアルコール度数10%になるように水を加えた麦焼酎A(アルコール濃度25度)を準備した。そして、ブランクに対する試料の呈味・口当たりを、表24に示す評価基準を用いて「先味」と「後味」とで官能評価を行い、インドールの添加により付与された呈味・口当たりの官能評価の結果を表27にまとめた。なお、実施例25では、8名もしくは9名の専門評価者の平均値を評価値として採用した。
アルコール度数5%になるように水を加えた麦焼酎A(アルコール濃度25度)に、0.05〜5000ppbのインドールを添加して試料を調製した。ブランクとして、インドールを添加していないアルコール度数5%になるように水を加えた麦焼酎A(アルコール濃度25度)を準備した。そして、ブランクに対する試料の呈味・口当たりを、表24に示す評価基準を用いて、「先味」と「後味」とで官能評価を行い、インドールの添加により付与された呈味・口当たりの官能評価の結果を表28にまとめた。なお、実施例26では、10名もしくは9名の専門評価者の平均値を評価値として採用した。
例えば、上述した実施例では、インドールを呈味改善剤として含有する蒸留酒または希釈された蒸留酒のアルコール濃度を5〜25%としたが、上述のとおり、インドールを呈味改善剤として含有させる蒸留酒または希釈された蒸留酒のアルコール濃度は特に限定されるものではなく、5%未満でも、25%以上であってもよい。
Claims (6)
- インドールを有効成分とする、蒸留酒用呈味改善剤。
- 上記呈味が、苦味および/または甘味である、請求項1に記載の蒸留酒用呈味改善剤。
- 上記呈味が、苦味、甘味、まるみ、および/またはコクである、請求項1に記載の蒸留酒用呈味改善剤。
- 上記呈味改善が、先味と後味とで異なる呈味を付与する呈味改善である、請求項1ないし3のいずれかに記載の蒸留酒用呈味改善剤。
- インドールを0.05〜500ppb含有する蒸留酒または希釈された蒸留酒である、請求項1ないし4のいずれかに記載の蒸留酒用呈味改善剤。
- 上記蒸留酒が焼酎である、請求項1ないし5のいずれかに記載の蒸留酒用呈味改善剤。
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