JP6788896B2 - 加工工具の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱処理を施して耐摩耗性及び靭性を向上させた、加工機械に取り付けるための取付孔を有する鋼製の加工工具の製造方法に関し、特にSKD材、SKH材を用いた鉄鋼用シャー刃、機械摺動部品、ダイセット、プレス型、パンチ、木材・パルプ用刃物等の耐摩耗性及び被削性に優れ剛性を必要とする、工具本体が全鋼製の加工工具の製造方法に関する。
工具本体が全鋼製の加工工具は、鍛接品、ロウ付け品に比べて剛性があるため、より剛性を必要とする用途として用いられる。また、加工工程が少なく製作リードタイムが短いことと、歪も少なく手離れが良い点も利点として挙がられる。しかし、工具本体が全鋼製の加工工具の中でも加工機械に取り付けるための取付孔を有する長尺な工具になる程、熱処理に伴う寸法の変化(以下、熱処理変寸と記載)は大きくなり、それに伴って、取付孔のピッチ間寸法の誤差が大きくなり、問題として避けて通れない。
その対策の一例として、特許文献1:特開平11−092871に冷間工具鋼(SKD材)の熱処理変寸に関する記載がある。それによると、冷間工具鋼の成分を限定することで、熱処理変寸を最小限にすることができるとしている。
実施例では、最も熱処理変寸した量を元の大きさで割ったものを最大変寸量(%)として、特許文献1の表1に請求項1を満たす最大変寸量として0.110%〜0.120%(試験11及び試験15〜18)の記載がある。
また、別な対策の例として、特許文献2:特開S50−150097に全鋼刃物の熱処理に関する記載がある。それによると、熱処理後は孔あけ加工が困難なことから、孔あけ加工後熱処理するが、熱処理歪が生じ、定寸法に加工した取付孔のピッチ寸法が狂いを生じるため、その寸法誤差を吸収する構造を保持具に持たせている。
特開平11−092871号公報 特開S50−150097号公報
ところが、特許文献1は、熱処理変寸を最小限にすることができるとしているが、その明細書に「この変寸は熱応力と変態応力によって起こり、その変寸量は冷却速度、弾性限、熱伝導率、残留オーステナイト量、炭化物、形状によって左右される。」と記載があるように、寸法にばらつきが有り、また完全になくすことはできない。例えば、2つの取付孔のピッチ寸法が4100mmあるとすると、前述の最小変寸量0.110%の場合に4100×0.110÷100=4.51mmとなり、この範囲の中で寸法がばらつくことになり、より精密な寸法が要求される場合には使用できない。
また、特許文献2は、刃物そのものに対する対策ではないため、対応した保持具と一対でなければならないという制約がある。
また、上記以外に、熱処理後に放電加工等により孔開け加工を行うことも可能であるが、非常に高価であり、孔が多い場合はなおさらである。
本発明の目的は、上記の実情に鑑み、熱処理後でも容易に孔加工を行うことができて、熱処理変寸に影響されることなく、精度の高い取付孔のピッチ寸法を得ることができる、工具本体が全鋼製の加工工具の製造方法を提供することにある。
本発明は、前述の課題を解決するため以下のようにする。
まず、加工機械に取り付けるための取付孔を有し、工具本体が全鋼製の加工工具の製造方法であって、前記工具本体の少なくとも1箇所以上に通し孔を形成する工程と、前記通し孔に前記工具本体より硬度が低い軟鋼製の取付具を仮接合する工程と、仮接合後に熱処理を行い、熱処理と同時に熱処理の温度によって前記工具本体と前記取付具とを本接合する工程と、本接合後に前記取付具に取付孔を形成する工程と、を備える加工工具の製造方法とする。
これにより、熱処理後でも容易に取付孔の加工を行うことができて、熱処理変寸に影響されることなく、精度の高い取付孔のピッチ寸法を得ることができる。
また、加工機械に取り付けるための取付孔を有し、工具本体が全鋼製の加工工具の製造方法であって、前記工具本体の少なくとも1箇所以上に通し孔を形成する工程と、前記通し孔を形成後に前記工具本体の熱処理を行う工程と、熱処理後に前記通し孔に前記工具本体を固定するための前記工具本体より硬度が低い軟鋼製の取付具を仮接合する工程と、仮接合後に前記工具本体と前記取付具とを本接合する工程と、本接合後に前記取付具に取付孔を形成する工程と、を備える加工工具の製造方法とする。
これにより、熱処理後でも容易に取付孔の加工を行うことができて、熱処理変寸に影響されることなく、精度の高い取付孔のピッチ寸法を得ることができる。
また、取付孔はネジ孔とする。
熱処理変寸に影響されることがないので、精度の高い取付孔のピッチ寸法が要求されるネジ孔であっても、精度を得ることができる。
また、仮接合は溶接とする。
仮接合は溶接とすることで、本接合前の工具本体と取付具を確実に固定することができる。
また、前記本接合はロウ付けとする。
ロウ付けにより工具本体と取付具との接合強度を十分に得ることができるので、加工工具が重量物である場合であっても、取付孔につりボルト(アイボルト)等を通して加工工具を吊り上げることができる。
本発明によれば、加工機械に取り付けるための取付孔を有し、工具本体が全鋼製の加工工具において、熱処理後でも容易に孔加工を行うことができて、熱処理変寸に影響されることなく、精度の高い取付孔のピッチ寸法を得ることができる。
本発明に係る加工工具の取付孔寸法を説明するための図。 本発明に係る加工工具の工具本体と取付具の接合を説明するための図。 本発明に係る加工工具の工具本体と取付具の接合を説明するための図2のA−A断面図。 本発明に係る加工工具の第1の実施例の製造工程を説明するための図。 本発明に係る加工工具の第2の実施例の製造工程を説明するための図。 本発明に係る加工工具の工具本体と取付具の接合を説明するための写真。
以下、本発明の第1の実施例について図1乃至図4を用いて説明してゆく。
まず、加工工具1は図1に示すように、仕上げ加工寸法を幅80mm×高さ30mm×長さ4140mmとし、取付孔は42個のM10タップ孔3とし、加工工具1の左端側の取付孔31と右端側の取付孔32の最長ピッチ寸法をL=4100mmとして、その指定公差を±2mm以内とした。
工具本体2は材質をSKD11の全鋼製として、その素材寸法は、幅及び高さが仕上げ加工寸法に取りしろとしてそれぞれ約1mm加えた寸法とし、長さが熱処理後の最大縮み分を経験値として約4mmを加えた寸法とした。
取付具4は、φ20(公差:0、−0.1)mmとして、熱処理を行っても硬度が上がることがない材質としてSS400の軟鋼とした。
本発明の第1の実施例の製造方法として、まず、図4に示すようにステップS11として、工具本体2に取付具4を接合するためのφ20(公差:+0.1、+0.05)mmの通し孔5を100mmの等ピッチ寸法で42個形成した。
次に、ステップS12として、工具本体2の通し孔5に取付具4を挿通して、工具本体2と取付具4とを仮接合した。その方法として、図2及び図3に示したように、本体上面2aと本体下面2bに点付け溶接6を行った。
次に、ステップS13として、加工工具1の熱処理と、工具本体2と取付具4との本接合を同時に実施した。その方法として、図2及び図3に示したように、まず、ロウ材7を取付具4の上面の中央付近に載せ、その状態で熱処理を行った。この場合、熱処理とロウ付けを同時に行うため、ロウ材7が熱処理温度内で溶け込むことができるように、ロウ材7はCuに合金(Mn及びNi)を配合して融点を調整した。熱処理温度は1050℃で約1時間行い、その後窒素ガスにて空冷し、溶けたロウが凝固することで接着させた。
尚、ロウ材7は熱処理温度で溶けて、毛細管現象で工具本体2と取付具4とのスキマに流れ込むことができる大きさとした。
次に、ステップS14として、工具本体2にロウ付けされた取付具4に100mmの等ピッチ寸法で42個のM10タップ孔3の取付孔加工を行った。
次に、ステップS15として、研削盤により加工寸法を幅80mm×高さ30mm×長さ4140mmに仕上げ加工を行った。
仕上げ加工を行った後の取付具4部分は、図6に示した写真のように、取付具4の外周全体にロウが溶け込んだ状態になる。尚、ロウの幅が広いのは、ステップS11でφ20mmの通し孔5を加工する際に行った面取り部にロウが流れ込み、その面取り部が仕上げ加工後も残っているためである。
以上により加工した本発明品と、比較例として取付具を用いずに熱処理前に工具本体に直接取付孔加工を行った従来品について取付孔の最長ピッチ寸法Lの測定を行った結果を表1に示す。
次に、本発明の第2の実施例について図1乃至図3及び図5を用いて説明してゆく。
図5に示すように、ステップS21として、工具本体2に通し孔5を形成するところまでは、実施例1(図4のステップS11)と同じなので省略する。実施例1と異なる点は、取付具4を工具本体2に仮接合する前に、ステップS22として、熱処理を行い、その後、ステップS23として、取付具4を仮接合(溶接)し、ステップS24として、本接合(ロウ付け)と順次行うようにしたことである。
ステップS22における熱処理温度は、実施例1と同様に1050℃で約1時間行い、その後窒素ガスにて空冷した。その後、ステップS23として、工具本体2の通し孔5に取付具4を挿通して、工具本体2と取付具4とを仮接合した。その方法は、実施例1(図4のステップ12)と同じなので省略する。
次に、ステップS24として、工具本体2と取付具4との本接合を実施した。その方法として、図2及び図3に示したように、まず、ロウ材7を取付具4上面の中央付近に載せ、その後ロウ付けを行った。ロウ材7はAg合金で加熱温度750℃とした。
尚、ロウ材7は加熱理温度で溶けて、毛細管現象で工具本体2と取付具4とのスキマに流れ込むことができる大きさとした。
次に、ステップS25として、工具本体2にロウ付けされた取付具4に100mmの等ピッチ寸法で42個のM10タップ孔3の加工を行った。
次に、ステップS26として、研削盤により加工寸法を幅80mm×高さ30mm×長さ4140mmに仕上げ加工を行った。
以上により加工した本発明品について、取付孔の最長ピッチ寸法Lの誤差は実施例1と同様の範囲内での値となった。
尚、本実施例では、工具本体2は材質をSKD11としたが、これに限るものではなく、その他のSKD材やSKH鋼等の熱処理変寸が生じる鋼材が含まれる。また、取付具4はSS400としたが、この場合もこれに限るものではなく、その他の一般構造用鋼等の軟鋼製のものであればよい。
また、本実施例では、ロウ材をCu合金、Ag合金としたが、これらに限るものではない。
1 加工工具
2 工具本体
2a 本体上面
2b 本体下面
3 M10タップ孔(取付孔)
4 取付具
5 通し孔
6 点付け溶接
7 ロウ材
31 左端側の取付孔
32 右端側の取付孔
L 最長ピッチ寸法

Claims (5)

  1. 加工機械に取り付けるための取付孔を有し、工具本体が全鋼製の加工工具の製造方法であって、
    前記工具本体の少なくとも1箇所以上に通し孔を形成する工程と、
    前記通し孔に前記工具本体より硬度が低い軟鋼製の取付具を仮接合する工程と、
    仮接合後に熱処理を行い、熱処理と同時に熱処理の温度によって前記工具本体と前記取付具とを本接合する工程と、
    本接合後に前記取付具に取付孔を形成する工程と、
    を備える加工工具の製造方法
  2. 加工機械に取り付けるための取付孔を有し、工具本体が全鋼製の加工工具の製造方法であって、
    前記工具本体の少なくとも1箇所以上に通し孔を形成する工程と、
    前記通し孔を形成後に前記工具本体の熱処理を行う工程と、
    熱処理後に前記通し孔に前記工具本体を固定するための前記工具本体より硬度が低い軟鋼製の取付具を仮接合する工程と、
    仮接合後に前記工具本体と前記取付具とを本接合する工程と、
    本接合後に前記取付具に取付孔を形成する工程と、
    を備える加工工具の製造方法
  3. 前記取付孔はネジ孔である請求項1または請求項2に記載の加工工具の製造方法
  4. 前記仮接合は溶接である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の加工工具の製造方法
  5. 前記本接合はロウ付けである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の加工工具の製造方法
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