JP6788137B1 - 検査対象物の異常検出装置及び検査対象物の異常検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図15は従来の技術の基本原理を説明する図であり、(a)は特許文献1の図4とほぼ同じ波形図であり、(b)は比較検討のために特許文献1の図4を加工した波形図である。波形図の横軸は時間軸であり、縦軸はシール力軸である。
図15(a)において、tsは9.0となる。検出ラインL1に係る特徴量8は「9.0」となる。検出ラインL1の斜線長さと他の検出ラインの斜線長さを比較して、他の検出ラインに係る特徴量を推定する。
検出ラインL6に斜線を施した長さは最大の約11%であったため、ここでの特徴量は、9.0×0.11の計算により約「1.0」となる。
検出ラインL7に斜線を施した長さは最大の約5.5%であったため、ここでの特徴量は、9.0×0.055の計算により約「0.5」となる。
特許文献1では、周期m〜周期(m+13)の14周期について、平均値、標準偏差を求め、マハラノビスの距離(以下、MD値という)を求める。この表1からMD値(m)が得られたとする。なお、表1において、記載を省略した周期(m+1)〜周期(m+13)での特徴量1のばらつきは大きくない。特徴量2〜特徴量14についてもばらつきは大きくない。
減少したシール力の波形をFWnとして、図15(b)に示す。この波形FWnは波形FWよりも波の高さが小さくなっている。
検出ラインL1に係る特徴量8は「9.0」である。
検出ラインL2に係る特徴量9も「9.0」である。
検出ラインL6に係る特徴量13は「1.0」である。
検出ラインL7に係る特徴量14は「0」である。
周期n〜周期(n+13)の14周期について、平均値、標準偏差を求め、MD値を求める。この表2からMD値(n)が得られたとする。なお、表2において、記載を省略した周期(n+1)〜周期(n+13)での特徴量1のばらつきは大きくない。特徴量2〜特徴量14についてもばらつきは大きくない。
対して、表1に示す特徴量1〜14と表2に示す特徴量1〜14には大差がなく、結果として、表1から得られるMD値(m)と表2から得られるMD値(n)の差は期待したほど大きくならない。
異常判定に供する判定値は、正常時のMD値(m)と異常時のMD値(n)との間に設定する。
しかし、正常時のMD値(m)と異常時のMD値(n)との差が大きくないときには、判定値は、小さめに設定される。判定値が小さいと、正常であっても異常と判定することがあり、判定の信頼性が低下する。
以上により、本発明は次のように纏めることができる。
この異常検出装置は、前記検査対象物に取付けられ振動を検出する振動センサと、この振動センサからの振動情報に基づいてマハラノビスの距離を計算する計算部と、この計算部で得たマハラノビスの距離が判定値以上であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記計算部では、前記振動情報から得た波形曲線に時間軸に平行な標本線を引き、前記波形曲線と前記標本線とが交わった交点の数を変化量とし、前記波形曲線で区切られた前記標本線の線分の和を存在量とし、前記変化量及び前記存在量を前記マハラノビスの距離の計算に供する検査対象物の異常検出装置であって、
前記存在量は、当該標本線より上に存在する前記波形曲線に基づいて計算され、前記変化量がゼロでないときは、前記波形曲線で区切られた当該標本線の線分の和を存在量とし、前記変化量がゼロであるときは、前記存在量はゼロとすることを特徴とする。
前記波形曲線は、前記時間軸がX軸で、振動値がY軸とされるXY面に描かれ、
前記計算部は、
異常時に前記振動値がマイナス側よりもプラス側に所定値以上に大きくなるとの偏り情報を得た場合には、以降、マイナス側の標本線の数よりもプラス側の標本線の数を増すようにし、
異常時に前記振動値がプラス側よりもマイナス側に所定値以上に大きくなるとの偏り情報を得た場合には、以降、プラス側の標本線の数よりもマイナス側の標本線の数を増すようにすることを特徴とする。
検査対象物は工作機械であり、前記固定部と前記可動部の一方が切削工具であり、他方が被切削材であり、前記切削工具に発生する異常を検出することを特徴とする。
検査対象物は電動モータであり、前記固定部はステータ及びモータケースであり、前記可動部はロータ及びモータ軸であることを特徴とする。
検査対象物は内燃機関であり、前記固定部はシリンダブロック及びシリンダヘッドであり、前記可動部はピストン及びクランク軸であることを特徴とする。
前記固定部に発生する振動を検出する工程と、
検出した振動情報に基づいてマハラノビスの距離を計算する工程と、
計算で得られたマハラノビスの距離が判定値以上であるときに異常を検出する工程と、からなり、
前記マハラノビスの距離を計算する工程では、前記振動情報から得た波形曲線に時間軸に平行な標本線を引き、前記波形曲線と前記標本線とが交わった交点の数を変化量とし、前記波形曲線で区切られた前記標本線の線分の和を存在量とし、前記変化量及び前記存在量を前記マハラノビスの距離の計算に供する検査対象物の異常検出方法であって、
前記存在量は、当該標本線より上に存在する前記波形曲線に基づいて計算され、前記変化量がゼロでないときは、前記波形曲線で区切られた当該標本線の線分の和を存在量とし、前記変化量がゼロであるときは、前記存在量はゼロとすることを特徴とする。
前記波形曲線は、前記時間軸がX軸で、振動値がY軸とされるXY面に描かれ、
前記計算部は、
異常時に前記振動値がマイナス側よりもプラス側に所定値以上に大きくなるとの偏り情報を得た場合には、以降、マイナス側の標本線の数よりもプラス側の標本線の数を増すようにし、
異常時に前記振動値がプラス側よりもマイナス側に所定値以上に大きくなるとの偏り情報を得た場合には、以降、プラス側の標本線の数よりもマイナス側の標本線の数を増すようにすることを特徴とする。
前記偏り情報は、欠陥を有する検査対象物に、前記振動を検出する工程を実施し、得られた振動値に基づいて決定することを特徴とする。
変化量がゼロであるときは、存在量はゼロとすると、正常時のMD値に比べて異常時のMD値が著しく大きくなる。
すなわち、本発明により、正常時のMD値に対して異常時のMD値をより大きくすることができる技術が提供される。
対して、請求項2に係る発明では、プラス側の標本線の数とマイナス側の標本線の数を異ならせる。異常時に波の高さが大きくなる方の数を多くする。これにより、異常時のMD値をより大きくすることができる。
変化量がゼロであるときは、存在量はゼロとすると、正常時のMD値に比べて異常時のMD値が著しく大きくなる。
すなわち、本発明により、正常時のMD値に対して異常時のMD値をより大きくすることができる技術が提供される。
工程数が増えるものの、信頼性の高い偏り情報が、容易に得られる。
主軸24は、図中のx軸回りにモータ25で回される。このような主軸24に、可動部26としての被切削材27が取付けられる。
この例では、被切削材27と切削工具32は、共に移動するが、切削工具32の移動は被切削材27の高速回転に比較して格段に軽微である。そこで、便宜的に、切削工具32を固定部31と呼ぶことにする。
一方、誤検出で生産を停止すると生産性の低下を招く。生産性を高めるためには、検出の信頼性が高くなければならない。
被切削材1個当りの測定時間は、例えば2.0625秒である。
1600(サンプル/秒)×2.0625(秒)=3300(サンプル)の計算により、1個の被切削材当り3300個の振動情報を得る。
図2に示すように、時間軸がX軸で振動値がY軸であるXY面に、波形図が描かれている。振動情報は、加速度(m/s2)であるが、本発明では、振動値として扱う。
2〜3サンプルで1つの波が描かれる。図2では1000個以上の波が密集している。
なお、図3及び図4は比較例1に対応する模式図であり、図5及び図6は実施例1に対応する模式図である。
標本線L2と波形Aとの交点(丸)の数が、標本線L2に係る変化量(変化量2)となる。他の標本線L3〜L4についても同様に変化量3〜4を求める。
具体的には、標本線L1においては、この標本線L1より上に波形Aが存在しないため、存在量(存在量1)は0となる。
標本線L3については、標本線L2と同様に存在量(存在量3)を求めることができる。
時間tmに対応する標本線の長さを、便宜的に「64」とする。
すると、標本線L4における存在量4は64となる。この例では、標本線L3における存在量3は64より小さくなり、標本線L2における存在量2は更に小さくなる。
この一部の変化で異常が検出できれば、被切削材27に、不良品を造らなくてすみ、望ましい。
この波形Bについて検討する。
また、図4(c)に示すように、標本線L4において、存在量4が小さくなった。その他は図3(c)と大きな変化はない。
そして、図3(a)の波形から得た存在量1〜4と、図4(a)の波形から得た存在量1〜4とに殆ど差がない。
結果、MD値AとMD値Bとに期待したほどの差が出なかった。
差を大きくすることができる本発明を、図5及び図6に基づいて説明する。
図5(b)には、図3(b)と同じ標本線L1〜L4が引かれている。
すなわち、標本線L4に波形Aが交わらずに、変化量がゼロとなるときは、存在量はゼロとすることにした。
図6(a)〜(c)は、図4(a)〜(c)と同じ図である。
すなわち、図6(a)には、図4(a)と同じ波形Bが描かれている。
図6(b)には、図4(b)と同じ標本線L1〜L4が引かれている。
図6(c)には、図4(c)と同様に標本線L1〜L4に斜線が付されている。
対して、図5(a)の波形に基づく存在量4と、図6(a)の波形に基づく存在量4とに大きな差ができた。
結果、MD値CとMD値Dとに、大きな差が出ることが期待される。
図1において、多数個の被切削材27を準備し、異常検出装置10を用いて、被切削材27に順次切削を施した。45個目の被切削材27を切削しているときに、作業員が異常に気づいた。調べてみると、チップ33にチッピングが発生していた。
プラス側の波の高さの最大値をfa1とし、マイナス側の波の高さの最大値をfa2とすると、波の高さfa2は、波の高さfa1の約1.1倍であった。
プラス側の波の高さの最大値をfb1とし、マイナス側の波の高さの最大値をfb2とすると、マイナス側のfb2は、fb1の約1.4倍であった。そして、このときにチッピングが発生していた。
すなわち、この例では、プラス側の波の高さとマイナス側の波の高さに、1.25倍以上の差が出ると異常とみなすことができる。
この場合、波の高さに所定値以上の差があるときの「所定値」は1.25倍となる。
図7(a)に示す波形について、図3、図4で説明した比較例1の手法により、MD値を求めたところ、42個目の被切削材におけるMD値は3程度又はそれ以下であった。
図7(a)に示す波形について、図5、図6で説明した実施例1の手法により、MD値を求めたところ、42個目の被切削材におけるMD値は1.7程度又はそれ以下であった。
図7(b)に示す波形について、図5、図6で説明した実施例1の手法により、MD値を求めたところ、45個目の被切削材におけるMD値は11.8であった。
1個目〜41個目、43個目〜44個目及び46個目の被切削材についても、実施例1の手法によりMD値を求めた。得られたMD値群を「実施例1によるMD値線」として、図8に実線で示す。
対して、実線で示した「実施例1によるMD値線」における45個目のMD値「11.8」は、実線で示した正常時のMD値「1.7」の6.9倍である。この6.9倍は比較例1の2.4倍より充分に大きい。
すなわち、比較例1に対して、実施例1は正常時のMD値に対して異常時のMD値を充分に大きくすることができる。加えて、次に述べる評価が可能となる。
判定基準を「4」とすると、43個目の被切削材で異常が検出される。しかし、1個目〜42個目の被切削材における波形の一部が乱れ、MD値が一時的に4を超える危険性はある。
すなわち、判定基準を下げると、正常であるにも拘らず異常と判定する、誤判定の危険性が増す。
よって、本実施例により、正常時のMD値に対して異常時のMD値を充分に大きくすることができる技術が提供される。
図3〜図6では、X軸に対称となるようにして、プラス側とマイナス側とに同数の標本線L1〜L4を引いた。
周知の通り、標本線の数を増やすと、計算の精度は高まるが、反面、計算部13への負担は増す。よって、標本線の数は適正な数で管理される。
この場合は、次に述べる手法が有益となる。
すなわち、プラス側の標本線を減らし、マイナス側の標本線を増やす。
具体的には、変更例を説明する模式図である図9(a)、(b)に示すように、プラス側に標本線L01を引き、マイナス側に標本線L02〜L04を引く。
この変更例によるMD値を検証する。
図7(a)に示す波形について、図5、図6で説明した実施例1に変更例で説明した変更を施した上で、MD値を求めたところ、42個目の被切削材におけるMD値は3.1程度又はそれ以下であった。
図7(b)に示す波形について、図5、図6で説明した実施例1に変更例で説明した変更を施した上で、MD値を求めたところ、43個目の被切削材におけるMD値は1.2×1032であり、45個目の被切削材におけるMD値は5×1032あった。
1個目〜41個目、44個目及び46個目の被切削材についても、実施例1に変更例で説明した変更を施した上で、MD値を求めた。実施例1を変更しているため、この例を実施例2と呼ぶ。すなわち、得られたMD値群を「実施例2によるMD値線」として、図10に実線で示す。
なお、図10の縦軸は、対数目盛りとした。
対して、実線で示した「実施例2によるMD値線」における45個目のMD値「5×1032」は、実線で示した正常時のMD値「3.1」の1.6×1032倍である。
すなわち、比較例2に対して、実施例2は正常時のMD値に対して異常時のMD値を格段に(天文学的に)大きくすることができる。加えて、次に述べる評価が可能となる。
すなわち、実施例2によれば、正常時のMD値(1個目〜42個目)に対して、異常時のMD値(43個〜45個)を、極めて大きくすることができる。
遥か前であれば、チップ33でのマイクロクラックは小規模であり、チッピングがまだ発生しておらず、廃棄される被切削材27が発生しないことが期待され、生産性の向上、歩留まりの向上が図れる。
対して、図10で説明した実施例2では、変化量がゼロであるとき、存在量をゼロとすることに加えて、プラス側の標本線を減らしマイナス側の標本線を増やすことにより、最大5×1032のMD値を得ることができた。
実施例1よりも実施例2の方が異常検出性能が格段に高まったと言える。
フライス盤であれば、フライス(フライス刃)が可動部26で、被切削材が固定部31となる。よって、本発明は、旋盤及びフライス盤を含む工作機械に広く適用可能である。その具体例を、図11に基づいて説明する。
そして、ダイホルダ67に振動センサ11が取付けられる。
ワーク71の1枚を単位に、計算部13でMD値が計算され、判定部14で正常/異常の判定がなされ、異常表示部15で異常表示がなされる。
すなわち、金型、金属製の架台、フレーム、その他の構造体、機械要素部品(後述する軸受など)の異常検出に本発明が適用できる。
図12に示すように、検査対象物20は電動モータ40であり、固定部31はステータ41及びモータケース42であり、可動部26はロータ43及びモータ軸44である。
異常検出装置10の振動センサ11は、モータケース42に取付けられる。
電動モータ40の良品でのMD値を求め、このMD値に基づいて、十分に大きな判定値を設定する。
そして、出荷時に、電動モータ40の全数について、異常検出検査を実施する。
本発明によれば、電動モータ40に顕著な異常が発生する遥か前に異常を検出することができる。そのため、定期点検時に電動モータ40を交換するなどの処置を講じることができ、工場の停止を最小限に留めることができる。
図13に示すように、検査対象物20は内燃機関50であり、固定部31はシリンダブロック51及びシリンダヘッド52であり、可動部26はピストン53及びクランク軸である。
内燃機関50は、車両用の他、舶用、航空機用の何れであってもよい。また、発電機を回す発電用であってもよく、用途は任意である。
本発明によれば、舶用の内燃機関50に顕著な異常が発生する遥か前に異常を検出することができる。そのため、ドック入り時に内燃機関50を交換するなどの処置を講じることができ、洋上での不具合を最小限に留めることができる。
ST(ステップ番号。以下同じ)01で、振動波形に関して所定以上の偏り情報が存在するか否かを判別する。
例えば、図7(b)で説明したような偏りの発生要因が、主として図1に示す工作機械21に依存していれば、被切削材27を交換しても、同じ傾向がでる可能性が高い。このように経験的に、偏りの存在が分かっていれば、ST01で「YES」となる。
ST04でYES又はST01でYES(所定値以上の偏りがある)場合には、プラス側とマイナス側の標本線の数に差をつけるように計算部に命じる(ST05)。
ST07で、判定値MDbを読み込む。
次に、振動センサで振動情報を取得する(ST08)。
所定のタイミングでMD値を計算する(ST09)。
所定のタイミングは、例えば工作機械であれば、被切削材1個の切削開始から終了まで。電動モータや内燃機関であれば、連続運転中の一定時間毎。
MDcalが判定値MDb未満であれば、ST09に戻る。なお、休憩などで作業を中断するときや人為的に作業を終えるときは、ST11によりこのフローを終える。
図5(b)に示すように標本線L2、L3では、変化量はゼロではない。変化量がゼロでないときは、図5(c)に示すように波形曲線で区切られた当該標本線L2又はL3の線分(斜線を施した線分)の和を存在量とする。
図5(b)に示すように標本線L4では、変化量はゼロである。変化量がゼロであるときは、存在量はゼロとする。
すなわち、図7(a)、(b)に示すように、波形曲線は、時間軸がX軸で、振動値がY軸とされるXY面に描かれる。
図7(b)に示すように、異常時に振動値がプラス側よりもマイナス側に所定値(例えば、1.25倍)以上に大きくなるとの偏り情報を得た場合には、図9(a)、(b)に示すように、以降、プラス側の標本線の数(この例では1本)よりもマイナス側の標本線の数(この例では3本)を増すようにする。
仮に、異常時に振動値がマイナス側よりもプラス側に所定値以上に大きくなるとの偏り情報を得た場合には、以降、マイナス側の標本線の数よりもプラス側の標本線の数を増すようにする。
Claims (8)
- 固定部と、この固定部に対して相対的に移動する可動部とを含む検査対象物に発生する異常を検出する検査対象物の異常検出装置であり、
この異常検出装置は、前記検査対象物に取付けられ振動を検出する振動センサと、この振動センサからの振動情報に基づいてマハラノビスの距離を計算する計算部と、この計算部で得たマハラノビスの距離が判定値以上であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記計算部では、前記振動情報から得た波形曲線に時間軸に平行な標本線を引き、前記波形曲線と前記標本線とが交わった交点の数を変化量とし、前記波形曲線で区切られた前記標本線の線分の和を存在量とし、前記変化量及び前記存在量を前記マハラノビスの距離の計算に供する検査対象物の異常検出装置であって、
前記存在量は、当該標本線より上に存在する前記波形曲線に基づいて計算され、前記変化量がゼロでないときは、前記波形曲線で区切られた当該標本線の線分の和を存在量とし、前記変化量がゼロであるときは、前記存在量はゼロとすることを特徴とする検査対象物の異常検出装置。 - 請求項1記載の検査対象物の異常検出装置であって、
前記波形曲線は、前記時間軸がX軸で、振動値がY軸とされるXY面に描かれ、
前記計算部は、
異常時に前記振動値がマイナス側よりもプラス側に所定値以上に大きくなるとの偏り情報を得た場合には、以降、マイナス側の標本線の数よりもプラス側の標本線の数を増すようにし、
異常時に前記振動値がプラス側よりもマイナス側に所定値以上に大きくなるとの偏り情報を得た場合には、以降、プラス側の標本線の数よりもマイナス側の標本線の数を増すようにすることを特徴とする検査対象物の異常検出装置。 - 請求項1又は請求項2記載の検査対象物の異常検出装置であって、
検査対象物は工作機械であり、前記固定部と前記可動部の一方が切削工具であり、他方が被切削材であり、前記切削工具に発生する異常を検出することを特徴とする検査対象物の異常検出装置。 - 請求項1又は請求項2記載の検査対象物の異常検出装置であって、
検査対象物は電動モータであり、前記固定部はステータ及びモータケースであり、前記可動部はロータ及びモータ軸であることを特徴とする検査対象物の異常検出装置。 - 請求項1又は請求項2記載の検査対象物の異常検出装置であって、
検査対象物は内燃機関であり、前記固定部はシリンダブロック及びシリンダヘッドであり、前記可動部はピストン及びクランク軸であることを特徴とする検査対象物の異常検出装置。 - 固定部と、この固定部に対して相対的に移動する可動部とを含む検査対象物に発生する異常を検出する検査対象物の異常検出方法であり、
前記固定部に発生する振動を検出する工程と、
検出した振動情報に基づいてマハラノビスの距離を計算する工程と、
計算で得られたマハラノビスの距離が判定値以上であるときに異常を検出する工程と、からなり、
前記マハラノビスの距離を計算する工程では、前記振動情報から得た波形曲線に時間軸に平行な標本線を引き、前記波形曲線と前記標本線とが交わった交点の数を変化量とし、前記波形曲線で区切られた前記標本線の線分の和を存在量とし、前記変化量及び前記存在量を前記マハラノビスの距離の計算に供する検査対象物の異常検出方法であって、
前記存在量は、当該標本線より上に存在する前記波形曲線に基づいて計算され、前記変化量がゼロでないときは、前記波形曲線で区切られた当該標本線の線分の和を存在量とし、前記変化量がゼロであるときは、前記存在量はゼロとすることを特徴とする検査対象物の異常検出方法。 - 請求項6記載の検査対象物の異常検出方法であって、
前記波形曲線は、前記時間軸がX軸で、振動値がY軸とされるXY面に描かれ、
前記計算部は、
異常時に前記振動値がマイナス側よりもプラス側に所定値以上に大きくなるとの偏り情報を得た場合には、以降、マイナス側の標本線の数よりもプラス側の標本線の数を増すようにし、
異常時に前記振動値がプラス側よりもマイナス側に所定値以上に大きくなるとの偏り情報を得た場合には、以降、プラス側の標本線の数よりもマイナス側の標本線の数を増すようにすることを特徴とする検査対象物の異常検出方法。 - 請求項7記載の検査対象物の異常検出方法であって、
前記偏り情報は、欠陥を有する検査対象物に、前記振動を検出する工程を実施し、得られた振動値に基づいて決定することを特徴とする検査対象物の異常検出方法。
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