JP6787344B2 - 表示システムおよび電子機器 - Google Patents

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Description

本開示は、表示システムおよびそれを備えた電子機器に関する。
近年、高齢化社会の進展に伴って、老眼の高齢者が増えてきている。そのため、老眼の高齢者にとって使いやすい、つまり、焦点を合わせやすい表示装置が望まれている。例えば、特許文献1に記載の発明では、各開口を透過した光線が、マイクロレンズによって、瞳の位置で瞳の径よりも小さくなるように投影されるとともに重ね合わされる。瞳の位置で重ね合わされることにより形成された各光束は、眼のレンズによって、眼の網膜で互いに重なり合わずに結像する。その結果、従来よりも、像のぼやけを低減することができる。
特開2011−100090号公報
しかし、特許文献1に記載の発明では、多数の光束が瞳に入射するので、観察者には、瞳に入射した各光束によって形成される画像が、互いにずれて重なったように見える。そのため、像のぼやけが依然として生じているという問題があった。
したがって、像のぼやけを低減することの可能な表示システムおよび電子機器を提供することが望ましい。
本開示の一実施の形態の表示システムは、光出射面から映像光を出射する表示部を備えている。表示部は、映像光として、瞳孔径よりも狭い径の複数の光線を出射する。表示部は、さらに、光出射面と対向する位置にマイクロレンズアレイが設けられたときにマイクロレンズアレイによる複数の光線の重ね合わせにより形成される光束が観察者の瞳に入射することにより観察者が視認する映像の位置を、観察者の変位に基づいて調整する。
本開示の一実施の形態の表示システムでは、観察者が動いた場合に、マイクロレンズアレイによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置が、観察者の変位に基づいて調整される。これにより、観察者が認識する映像の位置が、マイクロレンズアレイによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置に依りにくくすることができる。
本開示の一実施の形態の表示システムにおいて、表示部は、以下の(A1)〜(A4)の構成要素を有していてもよい。
(A1)光出射面と対向する位置に設けられたマイクロレンズアレイ
(A2)光出射面とマイクロレンズアレイとの間に設けられたピンホールマスク
(A3)観察者が視認する映像の位置を、観察者の変位に基づいて調整する補正を映像信号に対して行う信号処理部
(A4)光出射面を有し、補正後の映像信号に基づいて映像光を生成する表示パネル
表示部が(A1)〜(A4)の構成要素を有している場合に、マイクロレンズアレイおよびピンホールマスクが観察者の変位によって変位しないときには、映像光がピンホールマスクを透過することにより生成される各光線の位置は、観察者の変位に追随せず一定のままである。従って、観察者が動いた場合には、各光線の重ね合わせによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置が、観察者の変位方向とは逆方向に変位し得る。しかし、このときに、表示部が(A1)〜(A4)の構成要素を有する表示システムでは、観察者が視認する映像の位置を、観察者の変位に基づいて調整する補正が映像信号に対して行われる。これにより、観察者が認識する映像の位置が、マイクロレンズアレイによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置に依りにくくすることができる。
本開示の一実施の形態の表示システムにおいて、表示部は、以下の(B1)、(B2)の構成要素を有していてもよい。
(B1)観察者が視認する映像の位置を、観察者の位置の変位に基づいて調整する第1補正を映像信号に対して行うとともに、ピンホール映像を重畳する第2補正を、第1補正の前もしくは後の映像信号に対して行う信号処理部
(B2)光出射面を有し、第1補正および第2補正のなされた後の映像信号に基づいて映像光を生成する表示パネル
表示部が(B1)、(B2)の構成要素を有している場合に、マイクロレンズアレイが観察者の変位によって変位しないときには、映像光がピンホールマスクを透過することにより生成される各光線の位置は、観察者の変位に追随せず一定のままである。従って、観察者が動いた場合には、各光線の重ね合わせによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置が、観察者の変位方向とは逆方向に変位し得る。しかし、このときに、表示部が(B1)、(B2)の構成要素を有する表示システムでは、観察者が視認する映像の位置を、観察者の変位に基づいて調整する補正が映像信号に対して行われる。これにより、観察者が認識する映像の位置が、マイクロレンズアレイによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置に依りにくくすることができる。
本開示の一実施の形態の表示システムにおいて、表示部は、以下の(C1)〜(C4)の構成要素を有していてもよい。
(C1)光出射面と対向する位置に設けられたマイクロレンズアレイ
(C2)光出射面と前記マイクロレンズアレイとの間に設けられたピンホールマスク
(C3)光出射面を有し、映像信号に基づいて映像光を生成する表示パネル
(C4)観察者の変位に基づいてマイクロレンズアレイまたはピンホールマスクを変位させる駆動部
表示部が(C1)〜(C4)の構成要素を有している場合、マイクロレンズアレイまたはピンホールマスクが、観察者の変位に基づいて変位する。これにより、映像光がピンホールマスクを透過することにより生成される各光線の光路が、観察者の変位に基づいて変位する。従って、観察者が動いた場合には、例えば、各光線の重ね合わせによって形成される光束が、観察者の変位に追随して変位する。その結果、観察者が認識する映像の位置が、マイクロレンズアレイによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置に依りにくくすることができる。
本開示の一実施の形態の表示システムが、以下の(D1)〜(D3)の構成要素をさらに備えていてもよい。
(D1)光出射面と対向する位置に設けられたマイクロレンズアレイ
(D2)光出射面とマイクロレンズアレイとの間に設けられた、任意の遮光領域を生成可能な光透過型の光変調パネル
(D3)ピンホールマスク状の遮光領域を光変調パネルに生成させるとともに、遮光領域における各ピンホールの位置を、観察者の変位に基づいて変位させる駆動部
本開示の表示システムが(D1)〜(D3)の構成要素をさらに備えている場合、ピンホールマスク状の遮光領域における各ピンホールが、観察者の変位に基づいて変位する。これにより、映像光が各ピンホールを透過することにより生成される各光線の光路が、観察者の変位に基づいて変位する。従って、観察者が動いた場合には、例えば、各光線の重ね合わせによって形成される光束が、観察者の変位に追随して変位する。その結果、観察者が認識する映像の位置が、マイクロレンズアレイによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置に依りにくくすることができる。
本開示の一実施の形態の電子機器は、表示システムを備えている。本開示の電子機器において、表示システムは、光出射面から映像光を出射する表示部を有している。表示部は、映像光として、瞳孔径よりも狭い径の複数の光線を出射する。表示部は、さらに、光出射面と対向する位置にマイクロレンズアレイが設けられたときにマイクロレンズアレイによる複数の光線の重ね合わせにより形成される光束が観察者の瞳に入射することにより観察者が視認する映像の位置を、観察者の変位に基づいて調整する。
本開示の一実施の形態の電子機器では、観察者が動いた場合に、マイクロレンズアレイによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置が、観察者の変位に基づいて調整される。これにより、観察者が認識する映像の位置が、マイクロレンズアレイによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置に依りにくくすることができる。
本開示の一実施の形態の表示システムおよび電子機器によれば、マイクロレンズアレイによって形成される光束の、観察者の瞳への入射位置を、観察者の変位に基づいて調整するようにしたので、像のぼやけを低減することができる。なお、本開示の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
本開示の第1の実施の形態に係る表示システムの斜視構成例を表す図である。 図1の端末装置の概略構成例を表す図である。 図2Aの記憶部の内部成例を表す図である。 図1の光学モジュールの断面構成例を表す図である。 図1のピンホールマスクの平面構成例を表す図である。 図1のマイクロレンズアレイの平面構成例を表す図である。 図4Aのピンホールマスクおよび図4Bのマイクロレンズアレイを互いに重ね合わせたときの平面構成例を表す図である。 ピンホールおよびマイクロレンズの位置の一例を表す図である。 ピンホール径の一例を表す図である。 マイクロレンズ径の一例を表す図である。 ピンホールおよびマイクロレンズの位置の一例を表す図である。 観察面での光束の分布の一例を表す図である。 光学モジュールを光出射面に貼り合わせたときのキャリブレーション手順の一例を表す図である。 瞳孔と光束の位置関係の一例を表す図である。 表示画像の変化の一例を表す図である。 認識画像の変化の一例を表す図である。 比較例に係る瞳孔と光線の位置関係の一例を表す図である。 比較例に係る表示画像の変化の一例を表す図である。 比較例に係る認識画像の変化の一例を表す図である。 図1の表示システムの一変形例を表す図である。 本開示の第2の実施の形態に係る表示システムの斜視構成例を表す図である。 瞳孔と光束の位置関係の一例を表す図である。 表示画像の変化の一例を表す図である。 マスク画像の変化の一例を表す図である。 本開示の第3の実施の形態に係る表示システムの斜視構成例を表す図である。 瞳孔と光束の位置関係の一例を表す図である。 表示画像の変化の一例を表す図である。 マスク画像の変化の一例を表す図である。 図17の表示システムの一変形例を表す図である。 本開示の第4の実施の形態に係る表示システムの斜視構成例を表す図である。 瞳孔と光束の位置関係の一例を表す図である。 表示画像の変化の一例を表す図である。 マスク画像の変化の一例を表す図である。 図14の表示システムの一変形例を表す図である。 図17の表示システムの一変形例を表す図である。 図19の表示システムの一変形例を表す図である。 本開示の第4の実施の形態に係る電子機器の斜視構成例を表す図である。 図24の電子機器の一変形例を表す図である。
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。また、本開示は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。なお、説明は、以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(表示システム)
2.第1の実施の形態の変形例(表示システム)
3.第2の実施の形態(表示システム)
4.第3の実施の形態(表示システム)
5.第3の実施の形態の変形例(表示システム)
6.第4の実施の形態(表示システム)
7.第1および第3の実施の形態の変形例(表示システム)
8.第5の実施の形態(電子機器)
<1.第1の実施の形態>
[構成]
本開示の第1の実施の形態に係る表示システム1の構成について説明する。図1は、表示システム1の斜視構成例を表したものである。表示システム1は、端末装置10および光学モジュール20を備えている。端末装置10は、映像光を出射する光出射面10Aを有しており、光出射面10Aに隣接して1または複数の撮像素子12Aを有している。図1には、2つの撮像素子12Aが端末装置10に設けられている様子が例示されている。光学モジュール20は、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を有している。ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22は、互いに対向して配置されている。マイクロレンズアレイ22は、光出射面10Aと対向する位置に設けられている。マイクロレンズアレイ22は、行列状に配置された複数のマイクロレンズ22Aを有している。ピンホールマスク21は、光出射面10Aとマイクロレンズアレイ22との間に設けられている。ピンホールマスク21は、行列状に配置された複数のピンホール21Aを有している。
図2Aは、端末装置10の概略構成例を表したものである。端末装置10は、表示パネル11、撮像部12、信号処理部13および記憶部14を有している。表示パネル11は、光出射面10Aを有している。表示パネル11は、所定の映像信号に基づいて映像光を生成し、生成した映像光を光出射面10Aから出射する。表示パネル11は、タッチ機能を有しており、観察者による光出射面へのタッチ動作により、所望のデータ入力を受け付ける。タッチ機能は、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁誘導方式、超音波表面弾性波方式、赤外線走査方式、TFT液晶セル内蔵方式等のタッチパネルにより構成されている。
本実施の形態では、表示パネル11は、後述する補正後の映像信号に基づいて映像光を生成する。具体的には、表示パネル11は、信号処理部13で生成された、補正後の映像信号に対応する信号電圧に基づいて映像光を生成する。表示パネル11では、複数の表示画素11A(後述)が光出射面10Aと対向する位置に行列状に配置されている。各表示画素11Aは、複数種類のサブ画素を含んで構成されており、例えば、3原色の色ごとに1種類ずつサブ画素を含んで構成されている。
撮像部12は、光出射面10Aから所定の距離だけ離れた観察面200(後述)を撮像する。撮像部12は、1または複数の撮像素子12Aを有している。1または複数の撮像素子12Aは、観察面200を撮像し、撮像により得られた画像を信号処理部13に出力する。信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者(具体的には観察者の瞳孔120(後述))の変位に基づいて調整する補正を映像信号に対して行う。信号処理部13は、補正により得られた映像信号に対応する信号電圧等を生成し、表示パネル11に出力する。
図2Bは、記憶部14の内部構成例を表したものである。記憶部14には、例えば、アプリケーション・プログラム14A、ゲージ機能付きのサンプル画像14Bおよびキャリブレーションデータ14Cが記憶されている。アプリケーション・プログラム14Aは、後述のキャリブレーションや後述の調整を信号処理部13に実行させるものであり、例えば、通信ネットワークを介してダウンロードされたものである。サンプル画像14Bは、表示パネル11のタッチ機能を利用した位置調整やピント調整を行うための画像である。サンプル画像14Bは、例えば、観察者が見やすい位置を調整する際にタッチするゲージ画像や、観察者が見やすい位置を調整する際に認識する画像(認識画像)を含んでいる。キャリブレーションデータ14Cは、アプリケーション・プログラム14Aにおけるキャリブレーションが信号処理部13で実行されたことにより記憶部14に格納されたものである。記憶部14は、例えば、不揮発性メモリによって構成されており、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、抵抗変化型メモリなどによって構成されている。
図3は、光学モジュール20の断面構成を表したものである。光学モジュール20は、上述したように、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を有している。ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22は、貼り合わせ面(具体的には、光出射面10A)側から、ピンホールマスク21、マイクロレンズアレイ22の順に配置されている。つまり、ピンホールマスク21の表面が光学モジュール20の光入射面となっており、マイクロレンズアレイ22の表面が光学モジュール20の光出射面となっている。ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22は一体に形成されている。ピンホールマスク21は、直接または間接的に光出射面10Aに貼り合わされている。マイクロレンズアレイ22において、複数のマイクロレンズ22Aは、光学モジュール20の光出射面に配置されている。マイクロレンズ22Aは、ピンホール21Aを通過した光を集光する。マイクロレンズ22Aは、例えば、光出射側に突出する凸形状を有している。
なお、光学モジュール20は、さらに、例えば、ピンホールマスク21とマイクロレンズアレイ22との間にスペーサを有していてもよい。スペーサは、ピンホールマスク21とマイクロレンズアレイ22との間隙を確保するためのものであり、例えば、光透過性の樹脂層で構成されている。スペーサは、散乱板や拡散板のような、積極的に光を散乱したり拡散したりする機能を有していてもよいし、有していなくてもよい。スペーサは、空気層であってもよい。なお、スペーサが空気層となっている場合には、光学モジュール20は、ピンホールマスク21を支持する基材や、マイクロレンズアレイ22を支持する基材を有していてもよい。
光学モジュール20は、さらに、例えば、マイクロレンズアレイ22の表面に接する樹脂層を有していてもよい。樹脂層は、マイクロレンズアレイ22の屈折率とは異なる屈折率の樹脂材料によって構成されている。樹脂層において、光入射面(マイクロレンズアレイ22に接する面)は、例えば、マイクロレンズアレイ22の表面形状に倣った表面形状となっている。樹脂層において、光出射面(マイクロレンズアレイ22とは反対側の面)は、例えば、平坦面となっている。樹脂層は、散乱板や拡散板のような、積極的に光を散乱したり拡散したりする機能を有していてもよいし、有していなくてもよい。
光学モジュール20において、各マイクロレンズ22Aが、例えば、光学モジュール20の光入射側に突出する凸形状を有していてもよい。この場合、スペーサは、例えば、マイクロレンズ22Aの屈折率とは異なる屈折率の樹脂材料、または空気によって構成されている。なお、スペーサが空気によって構成されている場合には、光学モジュール20は、ピンホールマスク21を支持する基材や、マイクロレンズアレイ22を支持する基材を備えていてもよい。光学モジュール20は、例えば、ピンホールマスク21に接する帯電層を有していてもよい。帯電層は、光学モジュール20を静電気の作用によって光出射面10Aに貼り付けるためのものである。
ピンホール21Aは、光遮光性を有するシート状の部材に設けられている。従って、ピンホールマスク21は、各ピンホール21Aを介して、光出射面10Aから発せられる光を透過する。ピンホールマスク21は、例えば、マイクロレンズアレイ22もしくはスペーサの光入射面に対して、ブラックカーボンなどを含む遮光材料を塗布したのち、塗布した遮光材料に複数の開口を形成することにより形成される。ピンホールマスク21は、例えば、マイクロレンズアレイ22もしくはスペーサの光入射面に対して、クロムの薄膜を形成したのち、クロムの薄膜に対して、エッチングで開口を形成することにより形成されてもよい。
図4Aは、ピンホールマスク21の平面構成例を表したものである。ピンホールマスク21は、行列状に配置された複数のピンホール21Aを有している。複数のピンホール21Aは、線分Laと平行な方向に並んで配置されるとともに、線分Laと直交または略直交する線分Lbと平行な方向に並んで配置されている。複数のピンホール21Aは、線分Laと平行な方向に、配列ピッチΔLaで並んで配置されている。複数のピンホール21Aは、線分Lbと平行な方向に、配列ピッチΔLbで並んで配置されている。配列ピッチΔLaと、配列ピッチΔLbとは、例えば、互いに等しくなっている。なお、配列ピッチΔLaと、配列ピッチΔLbとが、互いに異なっていてもよい。
図4Bは、マイクロレンズアレイ22の平面構成例を表したものである。マイクロレンズアレイ22は、行列状に配置された複数のマイクロレンズ22Aを有している。マイクロレンズ22Aは、ピンホール21Aを通過した光を集光する。複数のマイクロレンズ22Aは、線分Lcと平行な方向に並んで配置されるとともに、線分Lcと交差(例えば直交)する線分Ldと平行な方向に並んで配置されている。複数のマイクロレンズ22Aは、線分Lcと平行な方向に、配列ピッチΔLcで並んで配置されている。複数のマイクロレンズ22Aは、線分Ldと平行な方向に、配列ピッチΔLdで並んで配置されている。配列ピッチΔLcと、配列ピッチΔLdとは、例えば、互いに等しくなっている。なお、配列ピッチΔLcと、配列ピッチΔLdとが、互いに異なっていてもよい。
図5は、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を互いに重ね合わせたときの平面構成例を表したものである。複数のピンホール21Aは、例えば、マイクロレンズ22Aごとに1つずつ割り当てられている。1つのピンホール21Aが、例えば、1つのマイクロレンズ22Aに対応して設けられている。各ピンホール21Aを透過した光が観察者の瞳孔位置で互いに重なり合うように、配列ピッチΔLaは、配列ピッチΔLcよりも大きくなっている。各ピンホール21Aを透過した光が観察者の瞳孔位置で互いに重なり合うように、配列ピッチΔLbは、配列ピッチΔLdよりも大きくなっている。
複数のピンホール21Aは、線分Lcと平行な方向±1.0°の範囲内の方向に並んで配置されると共に、線分Ldと平行な方向±1.0°の範囲内の方向に並んで配置されている。ここで、線分Laと平行な方向は、線分Lcと平行な方向±1.0°の範囲内の方向に対応する。線分Lbと平行な方向は、線分Ldと平行な方向±1.0°の範囲内の方向に対応する。
ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22は、各ピンホール21Aを透過した光を互いに重ね合わせる。ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22は、例えば、各ピンホール21Aを透過した光を、所定の位置における直径φ1が観察者の瞳孔120の直径φ2よりも小さな直径(例えば、0.1mm以上3mm以下)となるように互いに重ね合わせるように構成されている。「所定の位置」は、具体的には、観察者の瞳孔120位置である。例えば、ピンホール21Aとマイクロレンズ22Aとの距離=1500μm、マイクロレンズ22Aと観察者の瞳孔120との距離=200mmとなっているとき、各ピンホール21Aを通過した光線の、観察者の瞳孔位置における直径φ1が1mmとなっている。
ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を平面視した場合に、ある1つのピンホール21Aの中心が、ある1つのマイクロレンズ22Aの中心と重なり合っている。図5には、ピンホール21Aの中心と、マイクロレンズ22Aの中心とが互いに重なり合っている箇所(以下、「点P」と称する。)が、ピンホールマスク21の中央に位置している例が示されている。なお、点Pが、ピンホールマスク21の中央とは異なる箇所に位置していてもよい。ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を平面視した場合に、各ピンホール21Aの中心は、各ピンホール21Aと対向するマイクロレンズ22Aの中心と対向する位置から、点Pを中心とした放射方向にシフトしており、さらに、そのシフト量は、点Pからの距離が大きくなるにつれて、大きくなっている。なお、配列ピッチΔLc,ΔLdは、場所に依らず固定値となっている。
図6は、ピンホール21Aおよびマイクロレンズ22Aの位置の一例を表したものである。ピンホール21Aの中心と、マイクロレンズ22Aの中心との距離(いわゆるデバイス厚さLe)は、マイクロレンズ22Aの焦点距離fの±10%以内となっていることが好ましい。これにより、ピンホール21Aを介してマイクロレンズ22Aに入射した光が観察位置で所望の範囲内に収束しやすくなる。ここで、デバイス厚さLeは、0.1mm以上、5mm以下の範囲内となっていることが好ましい。デバイス厚さLeが0.1mmよりも小さい場合には、ピンホール21Aの直径Dhが1μm以下となり、ピンホール21Aの作成が容易ではない。デバイス厚さLeが5mmを超える場合には、光学モジュール20を光出射面10Aに貼り合わせたときの意匠性が低下するおそれがある。
図7は、ピンホール21Aの直径Dhの一例を表したものである。ピンホールの直径Dhは、以下の式(1)を満たすことが好ましい。
Le:デバイス厚さ(mm)
n:ピンホール21Aとマイクロレンズ22Aとの間の媒質の平均屈折率
上記の式(1)は、以下の式(2)、式(3)を用いて導出される。
Dr:ピンホール21Aを介してマイクロレンズ22Aに入射した光線L1が、マイクロレンズアレイ22から所定の距離(観察距離Lz)だけ離れた観察位置を通過したときの光線径
φ1:瞳孔120の位置における直径(瞳孔径)
式(2)には、光線L1が瞳孔120の一部に入射する条件が示されている。式(2)では、光線L1が瞳孔120の一部に入射するために要求される、ピンホール21Aの直径Dhの上限値が示されている。なお、ピンホール21Aの直径Dhの下限値は、ピンホール21Aの回折効果による光線径Drの広がりや、ピンホール21Aの作り易さなどによって制約され、例えば、1μm程度となっている。
式(3)の一番右の項では、Lz=200mm、φ1=2mmとした。Lz=200mmとしたのは、光学モジュール20を貼り合わせるデバイスとして、スマートフォンやノート型のパーソナルコンピュータなどが想定されているからである。なお、光学モジュール20において、Lzは200mmに限定されない。φ1=2mmとしたのは、成人の一般的な最小瞳孔径が2mm程度であるからである。
図8は、マイクロレンズ22Aの直径Dmの一例を表したものである。マイクロレンズ22Aの直径Dmは、40μm以上となっていることが好ましい。
上記の値は、以下の式(4)を用いて導出される。
λ:ピンホール21Aを介して外部からマイクロレンズ22Aに入射してくる光(可視光)の最短波長(=400nm)
式(4)には、マイクロレンズ22A全体に光線L1が入射したときに、光線L1が瞳孔120の一部に入射する条件が示されている。つまり、ピンホールの直径Dhが式(1)を満たし、かつ、マイクロレンズ22Aの直径Dmが40μm以上となっていることにより、光線L1が瞳孔120の一部に入射する。式(4)の一番右の項では、λ=400nm、Lz=200mm、φ1=2mmとした。式(4)には、マイクロレンズ22Aの直径Dmの下限値が示されている。なお、マイクロレンズ22Aの直径DLの上限値は、要求される解像度の大きさによって異なり、例えば、文字認識に要求される解像度を得る観点からは、200μmなっている。
マイクロレンズ22Aの直径Dmは、70μm以上となっていることがより好ましい。
上記の値は、以下の式(5)を用いて導出される。
λ:ピンホール21Aを介して外部からマイクロレンズ22Aに入射してくる光(可視光)の最長波長(=700nm)
式(5)には、マイクロレンズ22A全体に光線L1が入射したときに、光線L1が瞳孔120の一部に入射する条件が示されている。つまり、ピンホールの直径Dhが式(1)を満たし、かつ、マイクロレンズ22Aの直径DLが70μm以上となっていることにより、光線L1の光線径が瞳孔120の直径よりも狭くなる。式(5)の一番右の項では、λ=700nm、Lz=200mm、φ1=2mmとした。式(5)には、マイクロレンズ22Aの直径Dmの下限値が示されている。なお、マイクロレンズ22Aの直径Dmの上限値は、要求される解像度の大きさによって異なり、例えば、文字認識に要求される解像度を得る観点からは、200μmなっている。
なお、マイクロレンズ22Aに入射させる光が青色光だけの場合には、青色光の中心波長が450nm程度となり、青色光の最長波長λが500nm程度となる。従って、この場合には、Dm>50μmとなる。また、マイクロレンズ22Aに入射させる光が緑色光だけ、または、緑色光および緑色光より波長の短い光からなる光だけの場合には、マイクロレンズ22Aに入射させる光の中心波長が550nm程度となり、マイクロレンズ22Aに入射させる光の最長波長λが600nm程度となる。従って、この場合には、Dm>60μmとなる。
図9は、ピンホール21Aおよびマイクロレンズ22Aの位置の一例を表したものである。複数のピンホール21Aおよび複数のマイクロレンズ22Aは、全種類のサブ画素から発せられた光が共通の1つのピンホール21Aである特定ピンホールに入射するとともに特定ピンホールで回折した結果、特定ピンホールから出射された各回折光が1つのマイクロレンズ22Aである特定マイクロレンズに入射する配置および大きさとなっている。なお、全種類のサブ画素とは、例えば、3原色の各色に対応する3種類のサブ画素を指している。
マイクロレンズ22Aの中心と、マイクロレンズ22Aに対応するピンホール21Aの中心とを通過する線分L3をマイクロレンズ22Aごとに1本ずつ設けたとする。このとき、各線分L3は、観察面200においておおむね共通の1点を通過する。さらに、例えば、図10に示したように、各マイクロレンズ22Aから出射された光線L1によって形成される複数の光束L2(光線L1の束)が、所定の間隙を介して観察面200を通過する。このとき、2つの光束L2が瞳孔120に入射し得る。そのため、従来と同様に、観察者には、瞳孔120に入射した各光束L2によって形成される画像が、互いにずれて重なったように見える可能性がある。
しかし、本実施の形態では、表示システム1は、光束L2が観察者の瞳孔120に入射することにより観察者が視認する映像の位置を、入力された画像に含まれる観察者(具体的には瞳孔120)の変位に基づいて調整する。これにより、最低2つの光束L2が瞳孔120に入射し得る構造となっている場合であっても、観察者には、瞳孔120に入射した各光束L2によって形成される画像が、互いにずれて重なったように見えにくい。以下に、まず、この調整を行うためのキャリブレーションについて説明し、その後、上記調整方法について説明する。
(キャリブレーション)
図11は、光学モジュール20を光出射面10Aに貼り合わせたときのキャリブレーション手順の一例を表したものである。まず、観察者は、光学モジュール20を光出射面10Aに貼り合わせる。次に、観察者は、アプリケーション・プログラム14Aを、例えば、通信ネットワークを介してダウンロードしたのち、アプリケーション・プログラム14Aの実行を信号処理部13に指示する。すると、アプリケーション・プログラム14Aが信号処理部13にロードされた後、アプリケーション・プログラム14Aに記載のキャリブレーション手順が信号処理部13によって実行される。
具体的には、まず、信号処理部13は、撮像部12に対して、観察面200の撮像を要求する。すると、撮像部12は、観察面200を撮像し(ステップS101)、撮像により得られた画像を信号処理部13に送信する。次に、信号処理部13は、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の位置(具体的には瞳孔120のサイズ)を検出する(ステップS102)。次に、信号処理部13は、記憶部14内のサンプル画像14Bに対応する信号電圧等を表示パネル11に出力する。すると、表示パネル11は、光出射面10Aから、サンプル画像14Bに対応する映像光を出射することにより、光出射面10Aに、サンプル画像14Bを表示する(ステップS103)。観察者は、サンプル画像14Bに含まれるゲージを用いて、観察者が見やすい位置に、サンプル画像14Bに含まれる認識画像の位置(具体的には面内位置)を調整する(ステップS104)。信号処理部13は、得られた瞳孔120のサイズと、得られたゲージ情報とに基づいて、映像信号に対する補正値を導出する(ステップS105)。信号処理部13は、導出した補正値をキャリブレーションデータ14Cとして記憶部14に格納する。このようにして、キャリブレーションが行われる。
(調整)
図12Aは、瞳孔120と光束L2の位置関係の一例を表したものである。図12Bは、表示画像の変化の一例を表したものである。図12Cは、認識画像の変化の一例を表したものである。
図12Aの図は、紙面の奥から手前に向かって進行してきた光束L2が瞳孔120に入射している例を示したものである。図12Aの左側の図は、光束L2が瞳孔120の中央に入射している例を示したものである。図12Aの中央の図は、光束L2が瞳孔120の中央から右側の外縁付近に移動した例を示したものである。図12Aの右側の図は、光束L2が瞳孔120の右側の外縁に飛び出すとともに、隣接する他の光束L2が瞳孔120に入射し始めた例を示したものである。図12Aの中央の図および図12Aの右側の図に記載の矢印は、『瞳孔120内での光束L2の移動方向』を示したものである。従って、図12Aの右側の図の矢印は、1つの光束L2が実際に瞳孔120の右端から左端に移動したことを示している訳ではなく、瞳孔120内で1つの光束L2が移動したように見える方向を示している。
図12Bの左側の図は、キャリブレーションデータ14Cを用いて補正された後の映像信号に対応する画像(表示画像)である。この表示画像には、画像Iaが含まれている。図12Bの中央の図は、図12Bの左側の図に対応する映像信号を、観察者の位置(具体的には瞳孔120の位置)の変位量と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて補正することにより得られた映像信号に対応する画像(表示画像)である。この表示画像には、画像Iaが図12Bの左側の図のときよりも左寄りの位置に含まれている。図12Bの右側の図は、観察者が瞳孔120のサイズの半分の大きさを超えて変位したときに、図12Bの左側の図に対応する映像信号を、観察者の位置(具体的には瞳孔120の位置)の変位量と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて補正することにより得られた映像信号に対応する画像(表示画像)である。この表示画像には、画像Iaが図12Bの左側の図のときよりも右寄りの位置に含まれている。
図12Cの左側の図は、観察者が、図12Bの左側の図に記載の表示画像を、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を介して眺めたときに認識する画像(認識画像)である。図12Cの左側の図には、画像Iaが例示されている。図12Cの中央の図は、観察者が、図12Bの中央の図に記載の表示画像を、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を介して眺めたときに認識する画像(認識画像)である。図12Cの中央の図には、図12Cの左側の図とほとんど同じ位置に配置された画像Iaが例示されている。図12Cの右側の図は、観察者が、図12Bの右側の図に記載の表示画像を、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を介して眺めたときに認識する画像(認識画像)である。図12Cの右側の図には、図12Cの左側の図とほとんど同じ位置に配置された画像Iaが例示されている。
信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位(変位量)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正を映像信号に対して行う。
例えば、図12Aの左側の図では、観察者(瞳孔120)の変位量がほぼゼロとなっている。そこで、信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、キャリブレーションデータ14Cに基づいて調整する補正を映像信号に対して行う。その結果、画像Iaは、認識画像における所定位置(例えば中央位置)で視認される。
例えば、図12Aの中央の図では、観察者(瞳孔120)が、瞳孔120のサイズの半分程度の大きさだけ左方向(光束L2の変位方向とは逆方向)に変位している。そこで、信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、観察者(瞳孔120)の左方向への変位量と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正を映像信号に対して行う。その結果、認識画像中の画像Iaの変位が、観察者(瞳孔120)の変位と、表示画像中の画像Iaの変位とによって相殺され、画像Iaが、図12Cの左側の図とほとんど同じ位置で視認される。
例えば、図12Aの右側の図では、観察者(瞳孔120)が、瞳孔120のサイズの半分の大きさを超えて左方向(光束L2の変位方向とは逆方向)に変位している。そこで、信号処理部13は、まず、観察者(瞳孔120)の左方向への変位量から、瞳孔120のサイズの半分の大きさを減算し、それにより差分値を導出する。その上で、信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、右方向(瞳孔120内での光束L2の変位方向とは逆方向)への変位量(上記差分値)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正を映像信号に対して行う。その結果、画像Iaは、図12Cの左側の図とほとんど同じ位置で視認される。
このように、信号処理部13は、認識画像中の画像Iaが光束L2の瞳孔120内における位置に依らず、同じ位置もしくは略同じ位置で視認されるよう、映像信号に対して補正を行う。これにより、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合う。
[効果]
次に、本実施の形態の表示システム1の効果について説明する。
図13Aは、比較例に係る瞳孔120と光束L2の位置関係の一例を表したものである。図13Bは、比較例に係る表示画像の変化の一例を表したものである。図13Cは、比較例に係る認識画像の変化の一例を表したものである。
図13Aの図は、紙面の奥から手前に向かって進行してきた光束L2が瞳孔120に入射している例を示したものである。図13Aの左側の図は、光束L2が瞳孔120の中央に入射している例を示したものである。図13Aの中央の図は、光束L2が瞳孔120の中央から右側の外縁付近に移動した例を示したものである。図13Aの右側の図は、光束L2が瞳孔120の右側の外縁に飛び出すとともに、隣接する他の光束L2が瞳孔120に入射し始めた例を示したものである。
図13Bにおける各図は、外部から入力された映像信号に対応する画像(表示画像)であり、互いに同じ画像である。図13Cの左側の図は、観察者が移動していないときに、図13Bの左側の図に記載の表示画像を、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を介して眺めたときに認識する画像(認識画像)である。図12Cの中央の図は、観察者が、右方向に少し移動した場合に、図12Bの中央の図に記載の表示画像を、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を介して眺めたときに認識する画像(認識画像)である。図12Cの中央の図には、図12Cの左側の図と比べて、画像Iaが少し右側にずれている例が示されている。図12Cの右側の図は、観察者が、右方向に大きく移動した場合に、図12Bの右側の図に記載の表示画像を、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を介して眺めたときに認識する画像(認識画像)である。図12Cの右側の図には、図12Cの左側の図と比べて、画像Iaが少し左側にずれている例が示されている。
一般には、図13A〜図13Cに示したように、瞳孔120に光束L2が入射すると、認識画像における画像Iaの位置は、光束L2の瞳孔120への入射位置に応じて変化する。そのため、例えば、図10に示したように、複数の光束L2が瞳孔120に入射した場合には、認識画像における画像Iaの位置は、光束L2ごとに異なる。従って、この場合には、観察者には、瞳孔120に入射した各光束によって形成される画像Iaが、互いにずれて重なったように見える。つまり、観察者には、画像Iaがぼやけて見える。
しかし、本実施の形態では、マイクロレンズアレイ22によって形成される光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置が、入力された画像に含まれる観察者(具体的には瞳孔120)の変位に基づいて調整される。具体的には、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位(具体的には瞳孔120の変位量)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正が映像信号に対して行われる。例えば、認識画像中の画像Iaが光束L2の瞳孔120内における位置に依らず、同じ位置もしくは略同じ位置で視認されるよう、映像信号に対して補正が行われる。これにより、観察者が認識する画像Iaの位置が光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置に依りにくくすることができる。その結果、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合うので、像のぼやけを低減することができる。
また、本実施の形態では、マイクロレンズアレイ22およびピンホールマスク21は観察者の変位によって変位しない。そのため、映像光がピンホールマスク21を透過することにより生成される各光線L1の位置は、観察者の変位に追随せず一定のままである。従って、観察者が動いた場合には、各光線L1の重ね合わせによって形成される光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置が、観察者の変位方向とは逆方向に変位する。しかし、このときに、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいて調整する補正が映像信号に対して行われる。これにより、観察者が認識する画像Iaの位置が光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置に依りにくくすることができる。その結果、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合うので、像のぼやけを低減することができる。
また、本実施の形態では、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を、厳密に光出射面10Aに位置決めする必要がない。それは、光学モジュール20を、ピンホールマスク21を光出射面10Aに向けて、直接または間接的に光出射面10Aに貼り合わせた上で、上述のキャリブレーションを行うことで、厳密な位置決めを不要にしているからである。これにより、ピンホールマスク21およびマイクロレンズアレイ22を、端末装置10とは別体に設けることができる。その結果、端末装置10を複雑な構成にすることなく、像のぼやけを低減することができる。
<2.第1の実施の形態の変形例>
上記実施の形態において、光学モジュール20は、例えば、図14に示したように、ピンホールマスク21を光出射面10Aと垂直な方向に変位させる駆動部23をさらに有していてもよい。本変形例では、ピンホールマスク21、マイクロレンズアレイ22および駆動部23は一体に形成されている。ピンホールマスク21は、直接または間接的に光出射面10Aに貼り合わされている。
ピンホールマスク21が光出射面10Aと垂直な方向に変位すると、各光線L1の集光位置が変化する。従って、観察者は、ピンホールマスク21の、光出射面10Aと垂直な方向の位置を変位させることで、画像Iaのピントを容易に合わせることができる。観察者は、例えば、キャリブレーション時に、サンプル画像14Bに含まれるゲージを用いて、観察者が見やすい位置に、サンプル画像14Bに含まれる認識画像の位置(具体的には面内位置)を調整するとともに、認識画像のピントを調整する。
<3.第2の実施の形態>
[構成]
次に、本開示の第2の実施の形態に係る表示システム2について説明する。図15は、表示システム2の斜視構成例を表したものである。表示システム2は、端末装置10および光学モジュール20を備えている。表示システム2の光学モジュール20では、ピンホールマスク21が省略されている。
本実施の形態では、信号処理部13は、光束L2が観察者の瞳孔120に入射することにより観察者が視認する映像の位置を、入力された画像に含まれる観察者(具体的には瞳孔120)の位置の変位に基づいて調整する第1補正を映像信号に対して行うとともに、ピンホールマスク映像Ibを重畳する第2補正を、第1補正の前もしくは後の映像信号に対して行う。これにより、第2補正がなされた後の映像信号に基づいて生成された映像光は、ピンホールマスク21を透過した後の映像光と同等の光線プロファイルを有している。表示パネル11は、第1補正および第2補正のなされた後の映像信号に基づいて映像光を生成する。
(調整)
図16Aは、瞳孔120と光束L2の位置関係の一例を表したものである。図16Bは、表示画像の変化の一例を表したものである。図16Cは、認識画像の変化の一例を表したものである。
図16Aの図は、紙面の奥から手前に向かって進行してきた光束L2が瞳孔120に入射している例を示したものである。図16Aの左側の図は、光束L2が瞳孔120の中央に入射している例を示したものである。図16Aの中央の図は、光束L2が瞳孔120の中央から右側の外縁付近に移動した例を示したものである。図16Aの右側の図は、光束L2が瞳孔120の右側の外縁に飛び出すとともに、隣接する他の光束L2が瞳孔120に入射し始めた例を示したものである。図16Aの中央の図および図16Aの右側の図に記載の矢印は、『瞳孔120内での光束L2の移動方向』を示したものである。従って、図16Aの右側の図の矢印は、1つの光束L2が実際に瞳孔120の右端から左端に移動したことを示している訳ではなく、瞳孔120内で1つの光束L2が移動したように見える方向を示している。
図16Bの左側の図は、キャリブレーションデータ14Cを用いて補正された後の映像信号に対応する画像(表示画像)である。この表示画像には、画像Iaが含まれている。図16Bの中央の図は、図16Bの左側の図に対応する映像信号を、観察者の位置(具体的には瞳孔120の位置)の変位量と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて補正することにより得られた映像信号に対応する画像(表示画像)である。この表示画像には、画像Iaが図16Bの左側の図のときよりも左寄りの位置に含まれている。図16Bの右側の図は、観察者が瞳孔120のサイズの半分の大きさを超えて変位したときに、図16Bの左側の図に対応する映像信号を、観察者の位置(具体的には瞳孔120の位置)の変位量と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて補正することにより得られた映像信号に対応する画像(表示画像)である。この表示画像には、画像Iaが図16Bの左側の図のときよりも右寄りの位置に含まれている。
図16Cの左側の図は、図16Bの左側の図に記載の表示画像に重畳する画像(ピンホールマスク映像Ib)である。図16Cの中央の図は、図16Bの中央の図に記載の表示画像に重畳する画像(ピンホールマスク映像Ib)である。図16Cの右側の図は、図16Bの右側の図に記載の表示画像に重畳する画像(ピンホールマスク映像Ib)である。
ピンホールマスク映像Ibは、ピンホールマスク21と同様の面内プロファイルを有している。ピンホールマスク映像Ibは、複数のピンホール21Aに対応する複数の光透過ホールを有している。ピンホールマスク映像Ibにおいて、各光透過ホールに対応する箇所は白輝度の箇所であり、各光透過ホール以外の箇所は全て黒輝度の箇所である。表示パネル11は、例えば、図16Bの各図に記載の表示画像に、図16Cの各図に記載のピンホールマスク映像Ibを重畳することにより得られた画像を光出射面10Aに表示する。
信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位(変位量)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正を映像信号に対して行う。
例えば、図16Aの左側の図では、観察者(瞳孔120)の変位量がほぼゼロとなっている。そこで、信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、キャリブレーションデータ14Cに基づいて調整する補正(第1補正)を映像信号に対して行う。さらに、信号処理部13は、ピンホールマスク映像Ibを重畳する補正(第2補正)を、第1補正の前もしくは後の映像信号に対して行う。その結果、画像Iaは、認識画像における所定位置(例えば中央位置)で視認される。
例えば、図16Aの中央の図では、観察者(瞳孔120)が、瞳孔120のサイズの半分程度の大きさだけ左方向(光束L2の変位方向とは逆方向)に変位している。そこで、信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、観察者(瞳孔120)の左方向への変位量と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正(第1補正)を映像信号に対して行う。さらに、信号処理部13は、ピンホールマスク映像Ibを重畳する補正(第2補正)を、第1補正の前もしくは後の映像信号に対して行う。その結果、認識画像中の画像Iaの変位が、観察者(瞳孔120)の変位と、表示画像中の画像Iaの変位とによって相殺され、画像Iaが、図18Cの左側の図とほとんど同じ位置で視認される。
例えば、図18Aの右側の図では、観察者(瞳孔120)が、瞳孔120のサイズの半分の大きさを超えて左方向(光束L2の変位方向とは逆方向)に変位している。そこで、信号処理部13は、まず、観察者(瞳孔120)の左方向への変位量から、瞳孔120のサイズの半分の大きさを減算し、それにより差分値を導出する。その上で、信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、右方向(瞳孔120内での光束L2の変位方向とは逆方向)への変位量(上記差分値)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正(第1補正)を映像信号に対して行う。さらに、信号処理部13は、ピンホールマスク映像Ibを重畳する補正(第2補正)を、第1補正の前もしくは後の映像信号に対して行う。その結果、画像Iaは、図18Cの左側の図とほとんど同じ位置で視認される。
このように、信号処理部13は、認識画像中の画像Iaが光束L2の瞳孔120内における位置に依らず、同じ位置もしくは略同じ位置で視認されるよう、映像信号に対して補正を行う。これにより、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合う。
[効果]
次に、本実施の形態の表示システム2の効果について説明する。
本実施の形態では、ピンホールマスク映像Ibによって形成される光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置が、入力された画像に含まれる観察者(具体的には瞳孔120)の変位に基づいて調整される。具体的には、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位(具体的には瞳孔120の変位量)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正が映像信号に対して行われる。例えば、認識画像中の画像Iaが光束L2の瞳孔120内における位置に依らず、同じ位置もしくは略同じ位置で視認されるよう、映像信号に対して補正が行われる。これにより、観察者が認識する画像Iaの位置が光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置に依りにくくすることができる。その結果、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合うので、像のぼやけを低減することができる。
また、本実施の形態では、マイクロレンズアレイ22およびピンホールマスク21は観察者の変位によって変位しない。そのため、映像光がピンホールマスク21を透過することにより生成される各光線L1の位置は、観察者の変位に追随せず一定のままである。従って、観察者が動いた場合には、各光線L1の重ね合わせによって形成される光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置が、観察者の変位方向とは逆方向に変位する。しかし、このときに、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいて調整する補正が映像信号に対して行われる。これにより、観察者が認識する画像Iaの位置が光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置に依りにくくすることができる。その結果、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合うので、像のぼやけを低減することができる。
また、本実施の形態では、マイクロレンズアレイ22を、厳密に光出射面10Aに位置決めする必要がない。それは、マイクロレンズアレイ22を直接または間接的に光出射面10Aに貼り合わせた上で、上述のキャリブレーションを行うことで、厳密な位置決めを不要にしているからである。これにより、マイクロレンズアレイ22を、端末装置10とは別体に設けることができる。その結果、端末装置10を複雑な構成にすることなく、像のぼやけを低減することができる。
<4.第3の実施の形態>
[構成]
次に、本開示の第3の実施の形態に係る表示システム3について説明する。図17は、表示システム3の斜視構成例を表したものである。表示システム3は、端末装置10および光学モジュール20を備えている。表示システム3において、光学モジュール20は、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいてピンホールマスク21を変位させる駆動部24,25を有している。本実施の形態では、ピンホールマスク21、マイクロレンズアレイ22および駆動部24,25は一体に形成されている。ピンホールマスク21は、直接または間接的に光出射面10Aに貼り合わされている。
駆動部24は、ピンホールマスク21を、光出射面10Aと平行な第1の方向に変位させる。駆動部25は、ピンホールマスク21を、光出射面10Aと平行な方向であって、かつ第1の方向と直交する方向に変位させる。また、表示システム3において、信号処理部13は、入力された画像に含まれる観察者(具体的には瞳孔120)の位置の変位に応じた処理を映像信号に対して行わない。
(調整)
図18Aは、瞳孔120と光束L2の位置関係の一例を表したものである。図18Bは、表示画像の変化の一例を表したものである。図18Cは、認識画像の変化の一例を表したものである。
図18Aの図は、紙面の奥から手前に向かって進行してきた光束L2が瞳孔120に入射している例を示したものである。図18Aの左側の図は、光束L2が瞳孔120の中央に入射している例を示したものである。図18Aの中央の図は、光束L2が瞳孔120の中央から右側の外縁付近に移動した例を示したものである。図18Aの右側の図は、光束L2が瞳孔120の右側の外縁に飛び出すとともに、隣接する他の光束L2が瞳孔120に入射し始めた例を示したものである。図18Aの中央の図および図18Aの右側の図に記載の矢印は、『瞳孔120内での光束L2の移動方向』を示したものである。従って、図18Aの右側の図の矢印は、1つの光束L2が実際に瞳孔120の右端から左端に移動したことを示している訳ではなく、瞳孔120内で1つの光束L2が移動したように見える方向を示している。
図18Bにおける各図は、外部から入力された映像信号に対応する画像(表示画像)であり、互いに同じ画像である。図18Cの左側の図は、観察者が移動していないときのピンホールマスク21の配置である。図18Cの中央の図は、観察者が右方向に少し移動したときのピンホールマスク21の配置である。図18Cの中央の図には、図18Cの左側の図と比べて、ピンホールマスク21が少し左側にずれている例が示されている。図18Cの右側の図は、観察者が右方向に大きく移動したときのピンホールマスク21の配置である。図18Cの右側の図には、図18Cの左側の図と比べて、ピンホールマスク21が少し右側にずれている例が示されている。
駆動部24,25は、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位(変位量)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正を映像信号に対して行う。
例えば、図18Aの左側の図では、観察者(瞳孔120)の変位量がほぼゼロとなっている。そこで、駆動部24,25は、観察者が視認する映像の位置を、キャリブレーションデータ14Cに基づいて調整する補正を、ピンホールマスク21を制御するための信号(制御信号)に対して行う。その結果、画像Iaは、認識画像における所定位置(例えば中央位置)で視認される(図12Cの左側の図参照)。
例えば、図18Aの中央の図では、観察者(瞳孔120)が、瞳孔120のサイズの半分程度の大きさだけ左方向(光束L2の変位方向とは逆方向)に変位している。そこで、駆動部24,25は、観察者が視認する映像の位置を、観察者(瞳孔120)の左方向への変位量と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正を、ピンホールマスク21を制御するための信号(制御信号)に対して行う。その結果、認識画像中の画像Iaの変位が、観察者(瞳孔120)の変位と、表示画像中の画像Iaの変位とによって相殺され、画像Iaが、図18Cの左側の図とほとんど同じ位置で視認される。
例えば、図18Aの右側の図では、観察者(瞳孔120)が、瞳孔120のサイズの半分の大きさを超えて左方向(光束L2の変位方向とは逆方向)に変位している。そこで、駆動部24,25は、まず、観察者(瞳孔120)の左方向への変位量から、瞳孔120のサイズの半分の大きさを減算し、それにより差分値を導出する。その上で、駆動部24,25は、観察者が視認する映像の位置を、右方向(瞳孔120内での光束L2の変位方向とは逆方向)への変位量(上記差分値)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正を、ピンホールマスク21を制御するための信号(制御信号)に対して行う。その結果、画像Iaは、図18Cの左側の図とほとんど同じ位置で視認される。
このように、駆動部24,25は、認識画像中の画像Iaが光束L2の瞳孔120内における位置に依らず、同じ位置もしくは略同じ位置で視認されるよう、ピンホールマスク21を制御するための信号(制御信号)に対して補正を行う。これにより、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合う。
[効果]
次に、本実施の形態の表示システム2の効果について説明する。
本実施の形態では、ピンホールマスク21によって形成される光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置が、入力された画像に含まれる観察者(具体的には瞳孔120)の変位に基づいて調整される。具体的には、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位(具体的には瞳孔120の変位量)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正がピンホールマスク21を制御するための信号(制御信号)に対して行われる。例えば、認識画像中の画像Iaが光束L2の瞳孔120内における位置に依らず、同じ位置もしくは略同じ位置で視認されるよう、ピンホールマスク21を制御するための信号(制御信号)に対して補正が行われる。これにより、観察者が認識する画像Iaの位置が光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置に依りにくくすることができる。その結果、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合うので、像のぼやけを低減することができる。
また、本実施の形態では、ピンホールマスク21が、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいて変位する。これにより、映像光がピンホールマスク21を透過することにより生成される各光線L1の光路が、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいて変位する。従って、観察者が動いた場合には、例えば、各光線L1の重ね合わせによって形成される光束L2が、観察者の変位に追随して変位する。これにより、観察者が認識する画像Iaの位置が光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置に依りにくくすることができる。その結果、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合うので、像のぼやけを低減することができる。
また、本実施の形態では、マイクロレンズアレイ22を、厳密に光出射面10Aに位置決めする必要がない。それは、マイクロレンズアレイ22を直接または間接的に光出射面10Aに貼り合わせた上で、上述のキャリブレーションを行うことで、厳密な位置決めを不要にしているからである。これにより、マイクロレンズアレイ22、ピンホールマスク21および駆動部24,25を、端末装置10とは別体に設けることができる。その結果、端末装置10を複雑な構成にすることなく、像のぼやけを低減することができる。
<5.第3の実施の形態の変形例>
上記第3の実施の形態において、光学モジュール20は、例えば、図19に示したように、ピンホールマスク21を光出射面10Aと垂直な方向に変位させる駆動部23をさらに有していてもよい。本実施の形態では、ピンホールマスク21、マイクロレンズアレイ22および駆動部23,24,25は一体に形成されている。ピンホールマスク21は、直接または間接的に光出射面10Aに貼り合わされている。
ピンホールマスク21が光出射面10Aと垂直な方向に変位すると、各光線L1の集光位置が変化する。従って、観察者は、ピンホールマスク21の、光出射面10Aと垂直な方向の位置を変位させることで、画像Iaのピントを容易に合わせることができる。観察者は、例えば、キャリブレーション時に、サンプル画像14Bに含まれるゲージを用いて、観察者が見やすい位置に、サンプル画像14Bに含まれる認識画像の位置(具体的には面内位置)を調整するとともに、認識画像のピントを調整する。
<6.第4の実施の形態>
[構成]
次に、本開示の第4の実施の形態に係る表示システム4について説明する。図20は、表示システム4の斜視構成例を表したものである。表示システム4は、端末装置10および光学モジュール20を備えている。表示システム4において、光学モジュール20は、ピンホールマスク21の代わりに光変調パネル26を有している。光変調パネル26は、光出射面10Aとマイクロレンズアレイ22との間に設けられている。光変調パネル26は、任意の遮光領域を生成可能な光透過型の光変調領域26Aを有しており、例えば、液晶パネルによって構成されている。光変調パネル26は、有線または無線を介して、信号処理部13によって駆動される。本実施の形態では、ピンホールマスク21および光変調パネル26は一体に形成されている。光変調パネル26は、直接または間接的に光出射面10Aに貼り合わされている。
信号処理部13は、光変調パネル26用の映像信号を光変調パネル26に出力する。信号処理部13は、ピンホールマスク状の遮光領域を光変調パネル26の光変調領域26Aに生成させるとともに、遮光領域における各ピンホールの位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいて変位させる。
(調整)
図21Aは、瞳孔120と光束L2の位置関係の一例を表したものである。図21Bは、表示画像の変化の一例を表したものである。図21Cは、認識画像の変化の一例を表したものである。
図21Aの図は、紙面の奥から手前に向かって進行してきた光束L2が瞳孔120に入射している例を示したものである。図21Aの左側の図は、光束L2が瞳孔120の中央に入射している例を示したものである。図21Aの中央の図は、光束L2が瞳孔120の中央から右側の外縁付近に移動した例を示したものである。図21Aの右側の図は、光束L2が瞳孔120の右側の外縁に飛び出すとともに、隣接する他の光束L2が瞳孔120に入射し始めた例を示したものである。図21Aの中央の図および図21Aの右側の図に記載の矢印は、『瞳孔120内での光束L2の移動方向』を示したものである。従って、図21Aの右側の図の矢印は、1つの光束L2が実際に瞳孔120の右端から左端に移動したことを示している訳ではなく、瞳孔120内で1つの光束L2が移動したように見える方向を示している。
図21Bにおける各図は、外部から入力された映像信号に対応する画像(表示画像)であり、互いに同じ画像である。図21Cの左側の図は、観察者が移動していないときに光変調パネル26に表示された画像(ピンホールマスク映像Ib)である。図21Cの中央の図は、観察者が右方向に少し移動したときに光変調パネル26に表示された画像(ピンホールマスク映像Ib)である。図21Cの中央の図には、図21Cの左側の図と比べて、ピンホールマスク映像Ibが少し左側にずれている例が示されている。図21Cの右側の図は、観察者が右方向に大きく移動したときに光変調パネル26に表示された画像(ピンホールマスク映像Ib)である。図21Cの右側の図には、図21Cの左側の図と比べて、ピンホールマスク映像Ibが少し右側にずれている例が示されている。
ピンホールマスク映像Ibは、ピンホールマスク21と同様の面内プロファイルを有している。ピンホールマスク映像Ibは、複数のピンホール21Aに対応する複数の光透過ホールを有している。ピンホールマスク映像Ibにおいて、各光透過ホールに対応する箇所は白輝度の箇所であり、各光透過ホール以外の箇所は全て黒輝度の箇所である。光変調パネル26は、例えば、図21Bの各図に記載の表示画像に対応する映像光を、図21Cの各図に記載のピンホールマスク映像Ibによって複数の光線L1に変換する。
信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位(変位量)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正を、光変調パネル26用の映像信号に対して行う。
例えば、図21Aの左側の図では、観察者(瞳孔120)の変位量がほぼゼロとなっている。そこで、信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、キャリブレーションデータ14Cに基づいて調整する補正を、光変調パネル26用の映像信号に対して行う。その結果、画像Iaは、認識画像における所定位置(例えば中央位置)で視認される(図12Cの左側の図参照)。
例えば、図21Aの中央の図では、観察者(瞳孔120)が、瞳孔120のサイズの半分程度の大きさだけ左方向(光束L2の変位方向とは逆方向)に変位している。そこで、信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、観察者(瞳孔120)の左方向への変位量と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正を、光変調パネル26用の映像信号に対して行う。その結果、認識画像中の画像Iaの変位が、観察者(瞳孔120)の変位と、表示画像中の画像Iaの変位とによって相殺され、画像Iaが、図18Cの左側の図とほとんど同じ位置で視認される。
例えば、図21Aの右側の図では、観察者(瞳孔120)が、瞳孔120のサイズの半分の大きさを超えて左方向(光束L2の変位方向とは逆方向)に変位している。そこで、信号処理部13は、まず、観察者(瞳孔120)の左方向への変位量から、瞳孔120のサイズの半分の大きさを減算し、それにより差分値を導出する。その上で、信号処理部13は、観察者が視認する映像の位置を、右方向(瞳孔120内での光束L2の変位方向とは逆方向)への変位量(上記差分値)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正を、光変調パネル26用の映像信号に対して行う。その結果、画像Iaは、図18Cの左側の図とほとんど同じ位置で視認される。
このように、駆動部24,25は、認識画像中の画像Iaが光束L2の瞳孔120内における位置に依らず、同じ位置もしくは略同じ位置で視認されるよう、光変調パネル26用の映像信号に対して補正を行う。これにより、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合う。
[効果]
次に、本実施の形態の表示システム4の効果について説明する。
本実施の形態では、ピンホールマスク映像Ibによって形成される光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置が、入力された画像に含まれる観察者(具体的には瞳孔120)の変位に基づいて調整される。具体的には、観察者が視認する映像の位置を、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位(具体的には瞳孔120の変位量)と、キャリブレーションデータ14Cとに基づいて調整する補正が、光変調パネル26用の映像信号に対して行われる。例えば、認識画像中の画像Iaが光束L2の瞳孔120内における位置に依らず、同じ位置もしくは略同じ位置で視認されるよう、光変調パネル26用の映像信号に対して補正が行われる。これにより、観察者が認識する画像Iaの位置が光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置に依りにくくすることができる。その結果、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合うので、像のぼやけを低減することができる。
また、本実施の形態では、ピンホールマスク状の遮光領域における各ピンホールが、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいて変位する。これにより、映像光が各ピンホールを透過することにより生成される各光線L1の光路が、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいて変位する。これにより、観察者が認識する画像Iaの位置が光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置に依りにくくすることができる。その結果、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合うので、像のぼやけを低減することができる。
また、本実施の形態では、マイクロレンズアレイ22を、厳密に光出射面10Aに位置決めする必要がない。それは、マイクロレンズアレイ22を直接または間接的に光出射面10Aに貼り合わせた上で、上述のキャリブレーションを行うことで、厳密な位置決めを不要にしているからである。これにより、マイクロレンズアレイ22および光変調パネル26を、端末装置10とは別体に設けることができる。その結果、端末装置10を複雑な構成にすることなく、像のぼやけを低減することができる。
<7.第1および第3の実施の形態の変形例>
上記第1の実施の形態において、光学モジュール20は、例えば、図22に示したように、マイクロレンズアレイ22を光出射面10Aと垂直な方向に変位させる駆動部23をさらに有していてもよい。
マイクロレンズアレイ22が光出射面10Aと垂直な方向に変位すると、各光線L1の集光位置が変化する。従って、観察者は、マイクロレンズアレイ22の、光出射面10Aと垂直な方向の位置を変位させることで、画像Iaのピントを容易に合わせることができる。観察者は、例えば、キャリブレーション時に、サンプル画像14Bに含まれるゲージを用いて、観察者が見やすい位置に、サンプル画像14Bに含まれる認識画像の位置(具体的には面内位置)を調整するとともに、認識画像のピントを調整する。
また、上記第3の実施の形態およびその変形例において、例えば、図23、図24に示したように、撮像部12で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいてマイクロレンズアレイ22を変位させる駆動部24,25を有している。駆動部24は、ピンホールマスク21を、光出射面10Aと平行な第1の方向に変位させる。駆動部25は、ピンホールマスク21を、光出射面10Aと平行な方向であって、かつ第1の方向と直交する方向に変位させる。
従って、本変形例においても、観察者が認識する画像Iaの位置が光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置に依りにくくすることができる。従って、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合うので、像のぼやけを低減することができる。
<7.第5の実施の形態>
次に、本開示の第5の実施の形態に係る電子機器5について説明する。図25は、本実施の形態に係る電子機器5の斜視構成例を表したものである。電子機器5は、例えば、折りたたみ可能な2枚の板状の筐体のうちの一方の筐体の主面に表示面5Aを備えたノート型のパーソナルコンピュータである。電子機器5は、例えば、表示面5Aの位置に、上記各実施の形態およびその変形例に係る光出射面10Aを備えており、表示面5Aに直接または間接的に貼り合わされた光学モジュール20を備えている。端末装置10に含まれる各構成は、電子機器5内の所定の箇所に内蔵されている。なお、図26に示したように、撮像部12が電子機器5の本体とは別体で設けられていてもよい。この場合、撮像部12は、有線または無線を介して、電子機器5の本体と通信可能になっている。
本実施の形態においても、観察者が認識する画像Iaの位置が光束L2の、観察者の瞳孔120への入射位置に依りにくくすることができる。従って、2つ以上の光束L2が瞳孔120に入射した場合であっても、各光束L2によって生成される画像Ia同士が互いに重なり合うので、像のぼやけを低減することができる。
以上、5つの実施の形態およびそれらの変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
例えば、上記各実施の形態において、光学モジュール20は、外光の反射を防止するための反射防止層を備えていてもよい。反射防止層は、例えば、屈折率の互いに異なる複数の薄膜が重ね合わされた多層膜、または、マイクロレンズアレイ22などの表面に設けられた微細な凹凸によって構成されている。反射防止層は、光学モジュール20内に存在する、材質の互いに異なる界面の位置、または、光学モジュール20において大気に接する表面の位置に設けられている。光学モジュール20内に、材質の互いに異なる複数の界面が存在する場合には、反射防止層は、複数の界面のうち、少なくとも1つの界面の位置に設けられている。
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
光出射面から映像光を出射する表示部を備え、
前記表示部は、前記映像光として、瞳孔径よりも狭い径の複数の光線を出射するとともに、前記光出射面と対向する位置にマイクロレンズアレイが設けられたときに前記マイクロレンズアレイによる複数の前記光線の重ね合わせにより形成される光束が観察者の瞳に入射することにより前記観察者が視認する映像の位置を、入力された画像に含まれる観察者の変位に基づいて調整する
表示システム。
(2)
前記表示部は、
前記光出射面と対向する位置に設けられたマイクロレンズアレイと、
前記光出射面と前記マイクロレンズアレイとの間に設けられたピンホールマスクと、
前記観察者が視認する映像の位置を、前記撮像部で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいて調整する補正を映像信号に対して行う信号処理部と、
前記光出射面を有し、補正後の前記映像信号に基づいて前記映像光を生成する表示パネルと
を有する
(1)に記載の表示システム。
(3)
前記表示部は、前記マイクロレンズアレイまたは前記ピンホールマスクを前記光出射面と垂直な方向に変位させる駆動部をさらに備えた
(2)に記載の表示システム。
(4)
前記マイクロレンズアレイおよび前記ピンホールマスクは一体に形成され、
前記ピンホールマスクは、直接または間接的に前記光出射面に貼り合わされている
(2)または(3)に記載の表示システム。
(5)
前記表示部は、
前記観察者が視認する映像の位置を、前記撮像部で得られた画像に含まれる観察者の位置の変位に基づいて調整する第1補正を映像信号に対して行うとともに、ピンホール映像を重畳する第2補正を、前記第1補正の前もしくは後の前記映像信号に対して行う信号処理部と、
前記光出射面を有し、前記第1補正および前記第2補正のなされた後の前記映像信号に基づいて前記映像光を生成する表示パネルと
を有する
(1)に記載の表示システム。
(6)
前記表示部は、前記光出射面と対向する位置に設けられたマイクロレンズアレイをさらに有し、
前記マイクロレンズアレイは、直接または間接的に前記光出射面に貼り合わされている
(5)に記載の表示システム。
(7)
前記表示部は、
前記光出射面と対向する位置に設けられたマイクロレンズアレイと、
前記光出射面と前記マイクロレンズアレイとの間に設けられたピンホールマスクと、
前記光出射面を有し、映像信号に基づいて前記映像光を生成する表示パネルと、
前記撮像部で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいて前記マイクロレンズアレイまたは前記ピンホールマスクを変位させる第1駆動部と
を有する
(1)に記載の表示システム。
(8)
前記表示部は、前記マイクロレンズアレイまたは前記ピンホールマスクを前記光出射面と垂直な方向に変位させる第2駆動部をさらに備えた
(7)に記載の表示システム。
(9)
前記マイクロレンズアレイ、前記ピンホールマスクおよび前記駆動部は一体に形成され、
前記ピンホールマスクは、直接または間接的に前記光出射面に貼り合わされている
(7)または(8)に記載の表示システム。
(10)
前記光出射面と対向する位置に設けられたマイクロレンズアレイと、
前記光出射面と前記マイクロレンズアレイとの間に設けられた、任意の遮光領域を生成可能な光透過型の光変調パネルと、
ピンホールマスク状の遮光領域を前記光変調パネルに生成させるとともに、前記遮光領域における各ピンホールの位置を、前記撮像部で得られた画像に含まれる観察者の変位に基づいて変位させる駆動部と
をさらに備えた
(1)に記載の表示システム。
(11)
前記マイクロレンズアレイおよび前記光変調パネルは一体に形成され、
前記光変調パネルは、直接または間接的に前記光出射面に貼り合わされている
(10)に記載の表示システム。
(12)
前記光出射面から所定の距離だけ離れた観察面を撮像する撮像部をさらに備えた
(1)ないし(11)のいずれか一項に記載の表示システム。
(13)
表示システムを備え、
前記表示システムは、光出射面から映像光を出射する表示部を有し、
前記表示部は、前記映像光として、瞳孔径よりも狭い径の複数の光線を出射するとともに、前記光出射面と対向する位置にマイクロレンズアレイが設けられたときに前記マイクロレンズアレイによる複数の前記光線の重ね合わせにより形成される光束が観察者の瞳に入射することにより前記観察者が視認する映像の位置を、入力された画像に含まれる観察者の変位に基づいて調整する
電子機器。
本出願は、日本国特許庁において2016年1月12日に出願された日本特許出願番号第2016−003711号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。

Claims (4)

  1. 光出射面から映像光を出射する表示部を備え、
    前記表示部は、前記映像光として、瞳孔径よりも狭い径の複数の光線を出射するとともに、前記光出射面と対向する位置にマイクロレンズアレイが設けられたときに前記マイクロレンズアレイによる複数の前記光線の重ね合わせにより形成される光束が観察者の瞳に入射することにより前記観察者が視認する映像の位置を、観察者の変位に基づいて調整し、
    前記表示部は、
    前記観察者が視認する映像の位置を、観察者の位置の変位に基づいて調整する第1補正を映像信号に対して行うとともに、ピンホール映像を重畳する第2補正を、前記第1補正の前もしくは後の前記映像信号に対して行う信号処理部と、
    前記光出射面を有し、前記第1補正および前記第2補正のなされた後の前記映像信号に基づいて前記映像光を生成する表示パネルと
    を有する
    表示システム。
  2. 前記表示部は、前記光出射面と対向する位置に設けられたマイクロレンズアレイをさらに有し、
    前記マイクロレンズアレイは、直接または間接的に前記光出射面に貼り合わされている
    請求項に記載の表示システム。
  3. 表示システムを備え、
    前記表示システムは、光出射面から映像光を出射する表示部を有し、
    前記表示部は、前記映像光として、瞳孔径よりも狭い径の複数の光線を出射するとともに、前記光出射面と対向する位置にマイクロレンズアレイが設けられたときに前記マイクロレンズアレイによる複数の前記光線の重ね合わせにより形成される光束が観察者の瞳に入射することにより前記観察者が視認する映像の位置を、観察者の変位に基づいて調整し、
    前記表示部は、
    前記観察者が視認する映像の位置を、観察者の位置の変位に基づいて調整する第1補正を映像信号に対して行うとともに、ピンホール映像を重畳する第2補正を、前記第1補正の前もしくは後の前記映像信号に対して行う信号処理部と、
    前記光出射面を有し、前記第1補正および前記第2補正のなされた後の前記映像信号に基づいて前記映像光を生成する表示パネルと
    を有する
    電子機器。
  4. 前記表示部は、前記光出射面と対向する位置に設けられたマイクロレンズアレイをさらに有し、
    前記マイクロレンズアレイは、直接または間接的に前記光出射面に貼り合わされている
    請求項3に記載の電子機器。
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