JP6786630B2 - 挿入システム、挿入物及びパネルアセンブリ - Google Patents

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Description

本発明は、挿入システムに関し、特に、多孔性固体から作製されたコア構造体を有するパネル、例えば、ハニカムパネルに使用される挿入システムに関する。また、本発明は、このような挿入システム用の挿入物、及び少なくとも1つのこのような挿入システムを含むパネルアセンブリに関する。また、本発明は、そのような挿入システムを製造する方法、並びにこのような挿入システムを製造するためにこのような方法を実施する装置に関する。
多孔性固体から作製されたコア構造体を有するパネルに使用されるのに適した挿入システムのいくつかのタイプが知られている。
出願人がIllinois Tool Works Inc.である米国特許第3716092号は1970年4月14日に出願された。当該文献は、パネル、特にハニカムパネル用の挿入物、及びそのようなパネルを有する挿入構造を組み立てる方法を開示している。当該公開公報によれば、挿入物は、内部ネジ部を有し、当該内部ネジ部は、基部から延在し、基部は、パネルの表皮の内側表面に隣接して位置するように適合されている。熱可塑性環状部分は、ねじ部の周囲を隣接して囲んでいる。また、環状継ぎ輪は、環状部分の外側末端を隣接して重ね合わせる。当該文献は、継ぎ輪から、又は継ぎ輪を通じて(例えば、超音波エネルギーの導入又は適用によって)導入される熱によって、先ず熱可塑性環状部分を溶融するプロセスを開示している。次に、溶融した熱可塑性材料がパネル内の予め形成された開口部に流入する。冷却すると、熱可塑性材料が固化し、挿入物とパネルとの間に接合が生成される。このようなシステムは、熱可塑性材料の使用、及びそのための局所的な熱の利用を必要とし、これらは、時間、並びに特別な加熱装置が必要とされることで比較的に高価である。また、熱エネルギーの局所的な滞積は、パネルの構造的完全性に影響を及ぼす可能性がある。
出願人がHughes Aircraft Companyである米国特許第345282号は1969年12月23日に公開され、ハニカム構造のような、固体及び多孔性構造体用の拡張可能な挿入物を示している。開示された挿入物は、明確に又は正確に測定された一定量の膨張可能な接合剤を含む。米国特許出願第345282号に開示された一実施形態において、挿入物は、その周囲に間隔をおいて配置された複数の開口を有する円筒形ケーシングを含む。ナットのような付属物はケーシング内の中央に固定されている。ケーシング内には、膨張可能な接合剤が配置されている。挿入物を多孔性構造体内に設置するために、挿入物を多孔性構造体内の予め形成された穴内に配置する。その後、キャタライズエージェント(catalyzing agent)、すなわち熱が挿入物に加えられる。膨張可能な接合剤は、熱により膨張して、ケーシング内の開口部を通して、多孔性構造体内の穴によって開けられた周辺の挿入細孔内に突き出す。当該文献によれば、接合剤は、全ての破断した細孔を完全に満たすまで膨張する。このような挿入物の欠点の1つは、周辺の多孔性構造体に影響を及ぼす可能性のある熱又は他のキャタリストを導入しなくてはならないことである。また、破断した全ての細孔を満たすために、一定の最小体積の膨張可能な接合剤が必要とされ、当該一定の最小体積の接合剤は、ケース内に留まることによって、挿入物の総重量を増加させることになるが、挿入物を周囲の多孔性構造体内に固定するには寄与しない。
出願人がThalesである米国特許出願公開第2009326702号は2015年4月30日に公開され、制御された重合によって接合することにより、挿入物を構造体(例えば、サンドイッチ構造体)に嵌め込むための方法及び装置を開示している。当該文献の開示によれば、第1のステップにおいて、嵌め込まれる挿入物及び付与装置、並びに重合可能な接着剤を含む嵌合媒体が組み立てられる。第2のステップにおいて、嵌合媒体内の接着剤の重合が開始される。第3のステップにおいて、嵌合媒体を構造体に適用し、嵌合媒体の付与装置をトリガーすることによって、挿入物が構造体内に形成された開口部に取り付けられる。当該文献は、構造体内に形成された開口部内に挿入物を嵌め込むための嵌合媒体を開示した。付与装置は、挿入物及び接着剤を保持することができる保持具を備える。更に、付与装置は、挿入物を構造体内の開口部に嵌め込ませるために、挿入物及び接着剤を保持具から押し戻すことができる展開手段を備える。このようなアプローチの欠点の1つは、嵌合挿入物の構造体に対する正確な位置決めを得るため、並びに構造体内に適切な埋め込みを得るためには、構造体に挿入された後にも、しばらくの間に、嵌合挿入物を所定の位置に保持しなければならないことである。また、接着剤が付着している構造体の外面による汚染も否定できない。
本出願の出願人の名義で、国際出願WO14060027A1、WO14146739A1、WO14146740A1が公開されており、これらの全ては、接着剤を用いてパネルに取り付けるための挿入物を開示している。
パネルに取り付けられることが予測される多くの挿入物は、挿入のために使用される接着剤のキュアリング(curing)/硬化の間に、特別な工具を用いて挿入物を所定の位置に保持しなければならないという欠点を有する。そうしなければ、構造体内に持ち込まれた接着剤が挿入物に対して十分な初期安定性を提供しないため、正確な位置決め及び整合性を保証することができない。このような補助的な位置決めツールを使用することは、多数の挿入物を構造体に取り付ける必要がある場合、例えば、よくあるのは、航空業に使用されるパネルの場合、例えば、衛星用のパネルに数百又は数千の挿入物を取り付ける必要な場合には、特に問題が生じる。
多孔性固体から作製されたコア構造体を有するサンドイッチ構造で知られている別の問題は、接着剤がコア構造体領域に流れ込む傾向があり、これは挿入強度に大きく寄与しないことにある。この問題は特に、ハニカム細孔が一般にパネルのカバーシートの間で連続的に延びる構成を有するハニカムパネルに当てはまる。
前述した問題の少なくとも1つを解決するために、本発明に係る挿入システムは、一般に、基部と、基部から延びて、接着剤を受容するチャンバを形成する外側裾部とを有する挿入物を備える。前記外側裾部には、第1の内側裾面及び第1の外側裾面が設けられている。挿入システムは、パネルを更に含み、当該パネルは、コア構造体と、コア構造体を少なくとも部分的にカバーする第1のカバーシートとを有する。第1のカバーシート、その第1のカバーシートの外面は、第1の外側パネル面を画定し、開口部を有する。少なくとも1つのピストンは、開口部内に、且つ第1の外側パネル面の下に配置される。挿入物が開口部に挿入されると、ピストンがチャンバ内に掃引して、少なくとも1つの経路を介してチャンバから接着剤をコア構造体内に排出させるように、開口部及びピストンが挿入物と相互作用すると予測される。
取り付けプロセスの間に接着剤が排出されるため、接着剤を、貫入する挿入物の内面及び外面、並びに周辺のコア構造体に沿って(例えば、ある種の塗抹処理によって)積極的に分布させることができる。これは、挿入物と周辺のコア構造体との間に大面積の接合界面を生じさせるとともに、コア構造体の固体部分に結合された接着剤により、コア構造体の局所的な機械的増強をもたらし、特に高い機械的載荷能力を有する挿入システムの実現に繋がる。
本発明の文脈において、「パネル」は、任意種類のパネル、例えば、基本的な平坦なパネル、湾曲したパネル、ボックス構造等を含むと理解すべきである。また、パネルは、コア構造体の少なくとも一部をカバーする第2のカバーシートを含み、一種のサンドイッチパネルを形成することができる。コア構造体は、多孔性固体、例えば、ハニカム構造、及び/又は独立気泡発泡体、及び/又は連続気泡発泡体であってもよい。コア構造体は、パーティクルボード(particle−board)を含むことができる。コア構造体は、例えば、プラスチック材料、及び/又は繊維強化プラスチック、及び/又は金属、及び/又は有機材料(例えば、セルロース)から作製されてもよい。第1のカバーシート及び/又は第2のカバーシートは、例えば、プラスチック材料、又は繊維強化プラスチック、又は金属、例えば、鋼、又はアルミニウム、又はチタン、及びそれらの合金から作製されたシートを含むことができる。代替的に又は追加的に、カバーシートは、化粧板、例えば、石製化粧板、及び/又は木製化粧板、及び/又は竹製化粧板、及び/又は表面コーティング(例えば、漆塗膜及び/又は金属コーティング)を含むことができる。コア構造体、及び/又は第1のカバーシート、及び/又は第2のカバーシートは、材料及び/又はミクロ若しくはマクロ構造に関して、異なる種類の固体から作製された複数の層を含むことができる。いくつかの種類のコア構造体、例えば、一定量の接着剤を受容する最小サイズのキャビティを含まないコア構造体の場合、接着剤を受容するための1つ又は複数のキャビティを、コア構造体内に作製及び/又は修正してもよい。したがって、載荷能力を高めることができる。
挿入物及び/又は外側裾部は、円形の形状を有してもよい。しかしながら、本発明は、円形、その回転対称形状を有する挿入物に限定されない。したがって、他の形状、例えば、楕円形又は角形(例えば、三角形、矩形、六角形)を有する挿入物、その裾部も可能である。
本発明による挿入システムは、特定の種類の接着剤に限定されない。しかしながら、硬化接着剤、例えば、化学的硬化接着剤、及び/又は光/UV硬化接着剤を用いた場合、特によい結果を得ることができる。いくつかの用途において、接着剤はチキソトロピック(thixotropic)特性を有していてもよく、これは、チャンバから接着剤の滴下によるパネルの汚染のリスクを低減し得る。挿入物とパネルとの間に特に良好な電気的相互接続(パネルの電位の均一化及び/又は接地を得るために望ましい場合がある)を確立するために、高い導電性を有する接着剤を利用してもよい。
ピストンが、垂直方向において、第1の外側パネル面からオフセット距離だけオフセットされた場合、よい結果を得ることができる。本発明の文脈において、用語「垂直方向」は、開口部領域における第1の外側パネル面によって規定された水平面に対して、基本的に垂直であると理解されるべきである。ピストンは、パネルの一部であってもよく、及び/又はパネル内の前記挿入物に先立って又はそれと共に配置され、対応する挿入部材の一部であってもよい。したがって、本発明による挿入システムの挿入物は、軸方向において互いに押し込まれることができる複数の部材を備えていてもよい。複数のピストンが予測される。
一変形形態において、開口部は、コア構造体内においてピストンを囲む溝を含み、これについては以下でより詳細に説明する。いくつかの利用において、外側裾部は、外側裾端を含んでもよく、当該裾端は、ピストンがチャンバ内に掃引するときに、溝(その溝の壁)とインターロックするように配置される。そうすることによって、接着剤が硬化するまで他の補助なしに、挿入物のパネルに対して一時的に位置決めされる。したがって、用途に応じて、例えば、挿入中の挿入物の望ましくない傾きを回避することができる。外側裾端はアンカー手段としても機能することができ、これについては以下でより詳細に説明する。
いくつかの目的のために、挿入物は、内側裾部を含み、当該内側裾部は、基部から延在し、チャンバ内に、且つ外側裾部から距離を置いて配置される。内側裾部は、以下に詳細に示すように、中空の円筒であってもよいが、スタッド(stud)のような中実体であってもよい。様々なタイプの断面が可能である。そのため、本発明は,円形の内側裾部に限定されない。内側裾部は、例えば、以下でより詳細に説明されるように、挿入物の安定性を増加させ、及び/又は挿入物の取り付けを補助する。また、内側裾部はチャンバから突出してもよい。いくつかの利用において、内側裾部は、以下に更に示すように、内側裾部の自由端で閉じてもよい。しかしながら、内側裾端は、開口しており、且つ、例えば、パネルの上面における第1のカバーシートの開口部と、パネルの底面における第2のカバーシートの開口部とを相互接続するチャネルを形成してもよい。
内側裾部が存在する場合、ピストンは、内側裾部を受容するために配置された少なくとも1つの凹部を有する。したがって、以下で更に説明されるように、いくつかの利用において、挿入物の安定性を高め、挿入物のパネルに対する位置決め/位置合わせを改善することができる。
挿入物の取り付けを容易にするために、外側裾部の自由端、及び/又は内側裾部の自由端は、少なくとも1つの案内手段を備える。当該案内手段は、挿入物を開口部内に挿入するのを容易にする。以下に更に示されるように、案内手段は、例えば、面取り部を有し、当該面取り部は、挿入物と開口部との位置合わせを補助し、そして、挿入物の開口部に対する位置決めにおける小さな偏差を矯正する。また、案内手段は、チャンバ内に配置されてもよく、特に、第1の内側裾面又は内側裾部(内側裾部が存在する場合)の外表面に配置されてもよい。ガイド手段は、溝又は隆起部を含んでもよい。
内側裾部及び/又は外側裾部は、アンカー手段を備えるか、又はそれら自身がアンカー手段として作用することができる。当該アンカー手段は、少なくとも一時的にコア構造体と、及び/又は第1カバーシートと、及び/又は第2カバーシートと相互作用し、接着剤の硬化中に挿入物のパネルに対する望ましくない移動及び/又は回転を制限する。このようなアンカー手段は、第1及び/又は第2の裾部の局所的な厚さの増加、例えば、突起、及び/又はとげ状(barb−like)の手段、及び/又は節を含むことができる。
外側裾部に配置された少なくとも1つの通路が、第1の内側裾面を第1の外側裾面と相互接続して第1の経路を形成し、接着剤の少なくとも一部を挿入物の外側へ、コア構造体内に排出すれば、挿入物周辺のコア構造体における接着剤の良好な分布が得られる。したがって、以下により詳細に示すように、接着剤は、挿入物の挿入軸線に対して横方向においても、制御された態様で挿入物周辺のコア構造体に排出することができる。
多孔性固体の種類、特に細孔の材料、整列、及び形状に応じて、挿入物は、外側裾部の周りに円周方向に分布するように配置された複数の通路を有することができる。したがって、周辺のコア構造体における接着剤の特に均一な分布を得ることができる。
代替的に又は付加的に、第1の内側裾面とピストンとの間に、ギャップが予測され、第2の経路を形成して、接着剤の少なくとも一部をコア構造体内に排出する。これについては以下でより詳細に説明する。したがって、接着剤は、例えば、第1の流路を通じて最適にカバーされていないコア構造体の領域内に効率的に排出することができる。
第2の経路に配置された突出部が、第1の内側裾面から突出し、ピストンが突出部に沿って掃引するときに、少なくとも一時的にギャップを狭め、それによって第2の経路を介した接着剤の排出が制限される場合、よい結果を得ることができる。いくつかの利用において、ギャップは、突出部の少なくとも一部がピストンに接触する程度に、少なくとも一時的に狭めることができ、したがって、ギャップは実質的にゼロに等しくなる。本発明のそのような変形は、例えば、非常に低粘度を有する接着剤が使用される場合に有利である。突出部は、アンカー手段としても機能することができる。
代替的に又は付加的に、挿入物の内側裾部とピストンの凹部との間に、内側裾部と凹部の境界との間に画定されたギャップによって、接着剤の少なくとも一部を挿入物の外側に、コア構造体内に排出するための第3の経路が形成される。第3の経路に配置された第2の突出部が、内側裾部の外面から突出し、ピストンが当該第2の突出部に沿って掃引するときに、少なくとも一時的にギャップを狭め、それによって第3の経路を介した接着剤の排出が制限される場合、よい結果を得ることができる。突出部は、アンカー手段としても機能することができる。
少なくとも挿入物の初期挿入中に通路を介して好ましい分布を得るために、少なくとも1つの通路を突出部と基部との間に配置することができる。したがって、以下に更に詳細に説明されるように、接着剤が排出される経路は、挿入物の取り付けプロセスの間に変更することができる。したがって、挿入物の取り付けプロセスの開始時に、一定の最小量の接着剤が、コア構造体内に、且つ第1のカバーシートに隣接して堆積される。この位置に存在する接着剤は、挿入物から第1のカバーシートへ伝達される荷重を支持するため、挿入物の機械的載荷能力を著しく増加させることが分かった。また、第1のカバーシートに隣接してコア構造体に排出された接着剤の一部は、通常、第1の外側裾面に付着し、そのため、取り付けプロセス中に挿入物とともに取り込まれる。これは、ある種の配布プロセスに影響を与える。すなわち、これは、挿入物と周辺のコア構造体との間に大面積の接着性接触を引き起こすとともに、周辺のコア構造体、例えば、多孔性固体の場合、細孔の孔壁に一定の機械的増強を生じさせる。
代替的に又は付加的に、挿入物の断面に応じて、挿入物周辺のコア構造体内の接着剤の分布に影響を与えるために、挿入物を、挿入中に垂直軸を中心に回転させてもよい。
第1のカバーシートに隣接してコア構造体内に特に多量の接着剤を堆積させるために、以下により詳細に示すように、少なくとも1つの通路は、突出部のすぐ隣に配置されてもよい。
チャンバから周辺のコア構造体への接着剤の分配は、例えば、第1の経路、又は第2の経路、又は第3の経路、又は任意の他の経路、又は2つ若しくは複数の経路の組み合わせを介して行われ得る。
挿入物を取り付けた後、且つ接着剤がキュアリング/硬化する前に、初期挿入強度を得るために、取り付けられた状態において、第1の外側裾面と第2の外側裾面との間に、圧力嵌め及び/又は形状嵌めが、第1の外側裾面と、第1のカバーシート及び/又はコア構造体の少なくとも一部との間に生成され、挿入物の(そのコア構造体の)第1のカバーシートに対する変位及び回転を制限する。代替的に又は付加的に、最小の初期挿入安定性を提供するために、挿入物は、第1のカバーシートと相互作用する接管を備えてもよい。
使用されるパネル及び挿入物の種類に応じて、以下により詳細に説明されるように、ピストンは、第1のカバーシートの一部及び/又はパネルのコア構造体の一部から少なくとも部分的に作製されてもよい。したがって、特に経済的な挿入システムを得ることができる。
代替的に又は付加的に、ピストンは少なくとも部分的に挿入物から作製されてもよい。当該挿入物は、多部品挿入物の部材であってもよく、又はパネルの開口部に取り付けられる別個の挿入物であってもよい。そのような種類の挿入物は、特定の用途及び特定の種類のパネルにとって有利である。
本発明の別の目的は、いずれかの請求項に記載の挿入システム用の挿入物を提供することである。そのような挿入物は、例えば、装置に機械的及び/又は電気的な相互接続を確立するための少なくとも1つの接続手段を含むことができる。代替的に又は付加的に、挿入物は、例えば、装置に磁気的な相互接続を確立するための磁石を有してもよく、及び/又は、磁石と磁気的な相互接続を確立するための手段(例えば、強磁性部分)を有してもよい。
挿入物は、射出成形プロセスを用いて作製することができ、これは特に経済的な挿入物の製造を可能にする。挿入物は、金属、例えば、スチール、アルミニウム、マグネシウム、チタン、及びそれらの合金により作製されてもよい。代替的には、挿入物は、少なくとも部分的に、プラスチック、又は繊維強化プラスチック、例えば、短繊維強化プラスチックにより作製されてもよく、木材又は石材により作製されてもよい。
挿入物は、複数の材料の組み合わせにより作製されたハイブリッド部品であってもよい。いくつかの利用において、荷重伝達のために構成された挿入物の一部が、少なくとも部分的に高い機械的強度を有する材料(例えば、金属又は繊維強化プラスチック)により作製された場合に、特に費用効果の高い挿入物が得られる。一方、接着剤の分配を主に担う挿入物の部分は、少なくとも部分的に(例えば、挿入物成形プロセスによって形成された)プラスチックにより作製される。
いくつかの利用において、挿入物の少なくともいくつかの面は、開口部への挿入物の挿入を容易にする(例えば、周辺のパネルとの摩擦を減少させる)、及び/又は挿入物と接着剤との間の接合を増加させるために、表面コーティングを有してもよい。代替的に又は付加的に、挿入物の少なくともいくつかの面は、対応する表面の化学的特性、及び/又は物理的特性、及び/又は触覚的特性、及び/又は視覚的外観に影響を及ぼす表面コーティング/めっきを有してもよい。このように、挿入物の取り付けられた状態で目視できる表面は、石製化粧板、及び/又は木製化粧板、及び/又は竹製化粧板、及び/又は漆塗膜、及び/又は金属、例えば金コーティングを有してもよい。
いくつかの目的のために、挿入物は、第1の挿入部材と、第2の挿入部材とを備える。第1の挿入部材は、基部と、基部から延びて接着剤を受容するチャンバを形成する外側裾部とを有し、前記外側裾部には、第1の内側裾面及び第1の外側裾面が設けられる。第2の挿入部材は、チャンバ内に挿入されるピストンを含む。したがって、特定の用途及び/又は種類のパネルは、パネルの挿入物周辺領域への接着剤の排出を効率的に制御することができる。
いくつかの利用において、第1の挿入部材は、第1の挿入部材が取り付けられた状態にあるとき、パネルの底面に配置された第2のカバーシートに配置されたポートを少なくとも部分的に密封するように構成された突起部を含むことができる。
挿入物周辺のコア構造体における接着剤の良好な分布を得るために、少なくとも1つの通路を第1の挿入部材の外側裾部に配置し、第1の内側裾面を第1の外側裾面と相互接続して第1の経路を形成し、チャンバ内に配置された接着剤の一部を挿入物の外側に排出させることができる。第1の挿入部材は、外側裾部の周りに円周方向に分布するように配置された複数の通路を含むことができる。このような挿入物のいくつかの実施形態において、以下により詳細に示すように、第2の挿入部材は、軸方向において、少なくとも部分的に第1の挿入部材内に押し込まれてもよい。したがって、比較的コンパクトな挿入物を得ることができ、これは、特に高い載荷能力を有する挿入システムを実現することを可能にし、いくつかの利用に有利であり得る。用途に応じて、挿入物を開口部内に挿入するのを容易にするために、少なくとも1つの案内手段を第1の挿入部材に配置することができる。
取り付けプロセスを容易にするために、第1及び第2の挿入部材は、開口部に挿入される前に機械的相互接続されてもよい。或いは、第1及び第2の挿入部材は、互いに独立して開口部に挿入されてもよい。第1及び第2の挿入部材は、例えば、ネジ、及び/又はラチェット機構(ratcheting mechanism)、及び/又は接着剤を用いて、機械的相互接続されていてもよい。特に、第2の挿入部材は、第1の挿入部材内に(その上に)ねじ込まれてもよい。機械的相互接続は、例えば、挿入物の取り付け中に確立されてもよく、必要に応じて、少なくとも接着剤によって増強されてもよい。
いくつかの利用において、第1及び第2の挿入部材は、取り付ける前に相互接続され、一定量の接着剤を封入する。したがって、接着剤ディスペンサを必要とすることなく挿入システムを作成することができる。
上述したような第1及び第2の挿入部材を備える挿入物を含む挿入システムは、コア構造体を有するパネルと、第1の外側パネル面を画定する第1のカバーシートとを提供するステップと、本明細書に記載したような挿入物を提供するステップとを含む方法を用いて作成することができる。次のステップにおいて、挿入物の少なくとも一部を受容するために、第1のカバーシートに開口部を導入する。次のステップにおいて、第1及び第2の挿入部材を開口部に挿入する。このとき、ピストンがチャンバ内に掃引し、それによってチャンバから接着剤の少なくとも一部を、少なくとも1つの経路を介して排出する。いくつかの利用において、第2の挿入部材は、第1の挿入部材が開口部内に挿入される前に、開口部内に挿入されてもよい。他の利用において、第2の挿入部材は、第1挿入部材が開口部内に挿入された後に、開口部内に挿入されてもよい。
いくつかの利用において、パネルの第2のカバーシート(存在する場合)内にポートを導入してもよい。したがって、以下により詳細に説明されるように、パネル全体を貫通して延びる挿入システムを得ることができる。ポートが面積及び/又は形状において開口部と異なる場合、よい結果を得ることができる。したがって、いくつかの種類の挿入システムについて、挿入物の正確な位置決めを達成することができる。
本発明に係る挿入システムの作成方法の他の実施形態は、コア構造体を有するパネルと、第1の外側パネル面を画定する第1のカバーシートとを提供するステップと、挿入物を提供するステップとを含む。挿入物は、基部と、基部から延びてチャンバを形成する外側裾部とを備え、外側裾部には、第1の内側裾面及び第1の外側裾面が設けられている。次のステップにおいて、開口部がパネルに導入されて、挿入物の少なくとも一部を受け入れる。次のステップにおいて、挿入物が開口部に挿入される。このとき、開口部内に、且つ第1の外側パネル面の下に配置されたピストンが、チャンバ内に掃引し、それによって、チャンバから接着剤の少なくとも一部を、少なくとも1つの経路を介して接着剤の少なくとも一部をチャンバから排出する。少なくとも1つの経路を介して排出し始めたときに、ピストンは、垂直方向において、第1の外側パネル面からオフセット距離だけオフセットされてもよい。
また、この方法は、ピストンを囲む溝を、コア構造体内に導入するステップを含むことができる。したがって、いくつかの種類の挿入物及びパネルについて、特に高い載荷能力を有する挿入システムを得ることができる。溝は、ピストンがチャンバ内に掃引するときに、外側裾部に配置された外側裾端が溝とインターロックするように、選択された深さ及び/又は幅を有してもよい。それによって、少なくとも一時的に挿入物をパネルに対して位置決めする。開口部は、穿孔プロセス、及び/又はミリングプロセス(例えば、超音波ミリングプロセス,ultrasound milling process)、及び/又はソーイングプロセス(sawing process)、及び/又はレーザ切断プロセスを用いて導入することができる。
いくつかの利用において、溝は、少なくとも部分的に、外側裾部の高さよりも小さい深さを有することができる。例えば、挿入物を開口部に取り付けるとき、挿入物の挿入に対抗する反作用力が生じる。そのため、ある特定の種類のパネル及び/又は挿入物の場合、挿入物のパネルに対する位置決めの精度を向上させることができることが分かった。代替的に、溝は、外側裾部の高さ以上の深さを有してもよい。そのようにして、挿入物の優しい取り付けが可能となり、これは、例えば、パネルが比較的傷つきやすいカバーシート又はコア構造体を有する場合には有利であり得る。
挿入物を開口部に挿入するステップの間に、挿入物は、挿入物の外側裾端(その第1の挿入部材)及び/又は内側裾端に配置された少なくとも1つの案内手段によって少なくとも一時的に案内される。
挿入物を開口内に挿入するステップの間及び/又はその後に、挿入物の内側裾部及び/又は外側裾部(その第1の挿入部材)に配置されたアンカー手段は、挿入物のパネルに対する移動、及び/又は回転を制限するために、少なくとも一時的にコア構造体、及び/又は第1のカバーシート、及び/又は第2のカバーシート(存在する場合)と相互作用する。
本発明の一変形例において、挿入物を開口部に挿入するステップの間及び/又はその後に、接着剤の少なくとも一部は、挿入物の外側裾部(その第1の挿入部材)に配置された少なくとも1つの通路によって形成された第1の経路を介して排出される。前記少なくとも1つの通路は、第1の内側裾面を第1の外側裾面と相互接続する。代替的に又は追加的に、挿入物を開口部に挿入するステップの間に、少なくとも一時的に、接着剤の少なくとも一部は、ピストンと外側裾部との間に画定されたギャップによって形成された第2の経路を介して開口部内に排出されてもよい。本発明の一変形例において、挿入物を開口部に挿入するステップの間に、ピストンが、第2の経路に配置され、第1の内側裾面から突出する突出部に沿って掃引するときに、第2の経路を介した接着剤の排出は、少なくとも一時的に狭められたギャップによって少なくとも一時的に制限される。
本発明に係る方法の一変形例は、挿入物を開口部内に挿入するステップの前に、一定量の接着剤を開口部に適用するステップを含む。代替的に又は追加的に、この方法は、一定量の接着剤をチャンバに適用するステップを含んでもよい。接着剤が適用されたときに、例えば、挿入物を、中心軸の周りに、及び/又は中心軸に平行してずらした軸の周りに回転させることによって、挿入物と接着剤ディスペンサの出口とを互いに相対的に回転させれば、チャンバ内の接着剤の良好な分布を得ることができる。本発明の変形例において、2成分硬化接着剤の第1の成分がチャンバに適用され、当該2成分硬化接着剤の第2の成分が開口部に適用される。本発明に係る挿入物の特殊な幾何学的形状を有することによって、2成分の良好な混合、そして接着剤の迅速な硬化を得ることができる。
再現可能な高い構造的完全性を有する挿入システムを得るために、挿入システムを作成する方法の変形例は、光学検査、及び/又は挿入物の重量を測定することによって、チャンバに適用される接着剤の量を決定するステップを含む。接着剤の量が指定された値の範囲内にある場合、続いて挿入物を開口部に挿入することができる。接着剤の量が指定された値の範囲と異なる場合、次のステップにおいて当該挿入物を挿入されるものから除外してもよく、チャンバにその接着剤を追加するか、又はチャンバからその接着剤を除去してもよい。
本発明による方法の一変形例は、第1のカバーシートのピストン部分が当該第1のカバーシートの残りの部分から少なくとも部分的に切り離されて、当該ピストン部分がコア構造体と相互接続されるように、第1のカバーシートの少なくとも一部を除去するステップを含む。その後、当該ピストン部分は、第1の外側パネル面の下に移動することができる。カバーシートの残りの部分から少なくとも部分的に切り離された後のピストン部分は、第1の外側パネル面の下で垂直方向において変位することができる。オフセット距離よりも大きな距離で変位される場合、よい結果を得ることができる。したがって、コア構造体及び/又はカバーシートの弾性挙動が考慮される。ピストン部分は、垂直方向において変位されたときに少なくとも一時的に圧子によって案内されてもよい。ピストン部分が変位する間に、圧子は、少なくとも一時的にピストン部分と機械的相互接続されてもよい。したがって、圧子は、例えば、ピストンとの機械的相互接続を確立するためのクランプ機構又は真空機構を含んでもよい。このような機械的相互接続によって、ピストンの移動及び/又は傾きを防止することができ、ある特定の種類のコア構造体にとって有利である。
本発明による方法の一変形例において、挿入物を開口部に挿入する間に、挿入物は、少なくとも一時的に挿入具(挿入ヘッド)と相互接続される。挿入物が挿入方向に対して垂直な方向において比較的自由に移動することができるように、挿入具は挿入物を支持する場合、よい結果を得ることができる。したがって、以下に更に詳細に示すように、挿入物は、例えば、機械的クランプによって、及び/又は磁力によって、及び/又は真空システムによって、挿入具に相互接続されてもよい。
挿入物の適切な位置決めを保証するために、本発明に係る方法の一変形例は、初めに、挿入物を第1の距離だけ開口部内に挿入するステップと、その後の、挿入物のパネルに対する位置を決定するステップとを含む。基部の外側表面と第1の外側パネル面との間の距離が決定された場合、よい結果を得ることができる。したがって、例えば、光センサ、及び/又は超音波センサ、及び/又は触覚センサが利用されてもよい。ピストンのパネルに対する位置が所定の位置と異なる場合、第1の距離を調整し、その後、挿入物を調節された第1の距離だけ変位させ、続いて、再び位置を決定してもよい。この手順は、挿入物のパネルに対する所定の位置(目標位置)が得られるまで繰り返し実行できる。
以下により詳細に示すように、いくつかの種類の挿入物及び/又はパネルにおいて、挿入物及び/又はパネルの弾性挙動を補償するために、挿入物を、少なくとも一時的に目標位置よりも深くまでパネル内に、例えば、第1の外側パネル面の下に移動させてもよい。
本発明による方法の一変形例は、電子システムによって挿入物に配置されたマーカーを検出及び/又は記憶するステップを含む。挿入物の種類、及び/又は挿入物の位置、及び/又は挿入物の整合性の識別を容易にするために、及び/又は挿入物を一意的に識別するために、挿入物の外面にマーカーを配置した場合、よい結果を得ることができる。マーカーは、基部の外面に配置されてもよい。挿入物が取り付けられる前にマーカーが存在する場合がある。代替的に又は追加的に、挿入物を取り付ける間に又は取り付けた後に、挿入物にマーカーを適用することができる。そのため、例えば、レーザ又はインクジェットシステムを使用することができる。いくつかの利用において、挿入物は、挿入物の外面に配置されたシート及び/又はフォイルを更に含み、当該シート及び/又はフォイルは、剥離可能であり、そのため、残留物を残すことなく挿入物から除去できる。そのようなシート及び/又はフォイルは、前述したようなマーカーを含むか、及び/又はそのようなマーカーを受容するように構成されることによって、挿入物(パネルアセンブリのその特定の取り付けポイント)の識別を容易にするために利用できる。代替的に又は追加的に、このようなシート及び/又はフォイルは、挿入物の取り付けを容易にすることができる。例えば、以下により詳細に説明されるように、挿入物内の開口部を少なくとも一時的に密封し、それにより真空システムを利用することによって挿入物の取り扱いを可能にすることができる。
また、本発明は、前述したような挿入システムを作成するための装置、前述した挿入システムを作成する方法を実施するための装置に関する。装置が、パネルを保持するための保持装置と、パネルに対して移動可能であり、開口部を予め定められた位置で導入するための開口ツールを受容するように構成された処理ヘッドとを含む場合、よい結果を得ることができる。装置は、一般に挿入具を更に備え、当該挿入具は、パネルに対して移動可能であり、開口部内に挿入される挿入物を支持/案内するように構成されている。挿入具は、挿入物と相互接続するように構成された接続部を備え、当該接続部は、挿入物の取り付け方向を横断する平面内において、挿入物よりも小さい寸法を有する場合、よい結果を得ることができる。例えば、パネル及び/又は挿入物の弾性挙動に起因する、挿入具が除去された後に挿入物のはね返りを補償するために、本発明に係る方法を適用することができ、すなわち、挿入物を第1の外側表面の下で移動させれば、挿入具と第1のカバーシートとの間の衝突が回避される。挿入具の接続部の寸法は、取り付け中に挿入物の自己整合によって生じ得る挿入物の挿入具に対する変位も、挿入具と第1のカバーとの間の衝突を引き起こさないように、選択されてもよい。これについては以下より詳細に説明する。挿入システムの高自動化生産を得るために、装置は、パネルに挿入される複数の挿入物を分配するための挿入物ディスペンサを備えてもよい。挿入物ディスペンサは、大量の挿入物を保管するための保管部を備えてもよい。多数の挿入物及び/又はある特殊な種類の挿入物を保管するために、挿入物ディスペンサは、挿入物を保管し、且つそれらを特定の方向に配向させるように、ボウルフィーダー(bowl feeder)を備えることができる。代替的に又は追加的に、挿入物は、保管され、1つ以上の自動送り装置内でそれぞれ配向され、整列されて供給されてもよい。また、挿入物ディスペンサは、一般に、排出ポイントを有し、当該排出ポイントにおいて、挿入物は、例えば、操作装置に供給される。一定の利用のために、挿入物ディスペンサは、複数の異なる種類の挿入物を分配するために、複数のサブディスペンサを含むことができる。また、装置は、接着剤を分配するための接着剤ディスペンサを備えてもよい。接着剤ディスペンサは、保持装置から空間的に分離して配置され、特に、保持装置によって保持されたパネルの垂直な上方に配置されない場合、よい結果を得ることができる。これにより、ディスペンサから滴下する接着剤によるパネルの汚染を防止することができる。しかしながら、いくつかの利用及び/又は接着剤の種類において、接着剤ディスペンサは、パネルの垂直な上方、及び/又は処理ヘッドに(又はそれに隣接して)配置することができる。
いくつかの利用において、保持装置は、テーブルを備え、当該テーブルは、真空によって保持されるパネルとの機械的相互接続を確立するために、少なくとも1つの吸い込み/吸引ポートを備えてもよい。
装置の一変形例において、処理ヘッドは、以下より詳細に説明されるように、開口ツール、及び/又は圧子、及び/又は検出器、及び/又は挿入具を受容するための少なくとも1つのツールヘッドを備えることができる。
また、本発明は、本明細書に記載の本発明に係る少なくとも1つの挿入システムを含むパネルアセンブリに関する。
本明細書に記載される本発明は、以下の本明細書及び添付図面の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。本明細書及び添付図面の詳細な説明は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
挿入物が開口部の外側にあり、本発明に係る挿入システムの実施形態を概略的に示す上方から見た斜視図である。 図1の挿入システムが取り付けられた状態を概略的に示し、説明のために第1のカバーシート及びコア構造体の一部を切り抜いた上方から見た斜視図である。 挿入物を取り付ける間の図1の挿入システムを概略的に示し、説明のために挿入物を部分的に切り抜いた上方から見た斜視図である。 挿入物と図3のパネルとの間の界面領域を示す少し変更した斜視図である。 挿入物を取り付ける間の後続の時間のステップにおいて、図4の挿入物とパネルとの間の界面領域を概略的に示す少し変更した斜視図である。 挿入物を取り付ける間の後続の時間のステップにおいて、図5の挿入物とパネルとの間の界面領域を概略的に示す少し変更した斜視図である。 挿入物が取り付けられた状態にあり、図4から図6の挿入物とパネルとの間の界面領域を概略的に示す上方から見た斜視図である。 挿入物を取り付ける前の挿入システムの一実施形態の断面を概略的に示す図である。 挿入物を取り付ける前の挿入システムの他の実施形態の断面を概略的に示す図である。 挿入物の他の実施形態を概略的に示す下から見た斜視図である。 挿入物を取り付ける前の挿入システムの他の実施形態の断面を概略的に示す図である。 挿入物が取り付けられた状態にあり、図11の挿入システムを概略的に示す図である。 2つの挿入部材を含む挿入物の他の実施形態を概略的に示す下から見た斜視図である。 図13の挿入物の第1の挿入部材を示し、挿入部材の一部を切り抜いた上方から見た斜視図である。 第1の挿入部材が開口部に挿入されており、挿入物を取り付ける間の図13及び図14の挿入物を概略的に示す上方から見た斜視図である。 第2の挿入部材が第1の挿入部材内に挿入されており、挿入物を取り付ける間の図13及び図14の挿入物を上方から見た斜視図で概略的に示し、説明のために第1の挿入部材を部分的に切り抜いた斜視図である。 取り付けられた状態にある図13から図16の挿入物を概略的に示す図である。 挿入システムを作成する方法の一実施形態の複数のステップを概略的に示す図である。 挿入システムを作成する方法の一実施形態の複数のステップを概略的に示す図である。 挿入システムを作成する方法の一実施形態の複数のステップを概略的に示す図である。 挿入システムを作成する方法の一実施形態の複数のステップを概略的に示す図である。 挿入システムを作成する方法の一実施形態の複数のステップを概略的に示す図である。 挿入システムを作成する方法の一実施形態の複数のステップを概略的に示す図である。 挿入システムを作成する装置の一実施形態を概略的に示す図である。
前述した要約、並びに好ましい実施形態についての以下の詳細な説明は、添付の図面を参照すればよりよく理解される。本発明を説明するために示される現在の好ましい実施形態において、図面のいくつかの図を通して同一の部分を同様の符号で表す。しかしながら、本発明が開示された特定の方法及び手段に限定されないことは理解されたい。
図1は、挿入物100を取り付ける前の本発明に係る挿入システム1の一実施形態を示す。挿入物は、基部110と、基部110から外側裾端121まで延びる外側裾部120とを含む。基部100と外側裾部120とは、例えば、次の図3に示されるように、チャンバ(図示せず)を形成する。挿入物100は、複数の通路140を含み、複数の通路140は、外側裾部120の周りに円周方向に分布するように配置され、外側裾部120の第1の内側表面(目視できない)を外側裾部120の第1の外側表面124と相互接続する。挿入物は、更に接続手段160を備え、接続手段160は、例えば、ボルト(図示せず)を受容するための内ねじであって、機械的相互接続、例えば、機械装置と挿入物100とを相互接続するために用いられる。
挿入システム1は、コア構造体250を含むパネル200を更に備えている。示された実施形態のコア構造体250は、細孔壁252によって画定された複数の細孔251(図2に示す)を含むハニカム構造である。パネル200は、コア構造体250をカバーする第1のカバーシート210と第2のカバーシート230とを更に含む。第1のカバーシート210は、第1の外側パネル面211を画定し、開口部212を有する。開口部212内には、第1の外側パネル面211の下に、ピストン300が配置されている。ピストン300は、挿入物が取り付けられているときに、挿入物100の内側裾部130を受容するのに適した凹部301を有する。
図2は、図1の挿入システム1を示し、挿入物100は取り付けられた状態にある。説明のために、図1及び図2には接着剤が示されていない。図2に示すように、複数の通路140は、コア構造体250の複数の隣接する細孔251と流体的相互接続されている。
図3から図7は、挿入物を取り付ける間の挿入システム1を概略的に示す。
図3及び図4は、取り付けプロセスの開始時の挿入システム1を示す。このとき、挿入物100は、ちょうど第1のカバーシート210の開口部212に僅かに入り込み、挿入力Fによって開口部212内に更に移動する。図4に示すように、挿入物100は、基部110と外側裾部120とによって形成されたチャンバ101を有する。チャンバ101内には、内側裾部130が配置されており、内側裾部130は、基部110から延在し、外側裾部120から離れている。したがって、図示の挿入物100の実施形態において、チャンバはドーナツの形状を有している。内側裾部130の内側に、前述した機械的相互接続を確立するために、ねじ160を有するボアが設けられている。チャンバ101の内部には、接着剤400が配置されている。ここでは、説明のために、接着剤400は、固形物として示されていない。図4に示すように、挿入物100の実施形態は、案内手段170を備え、案内手段170は、面取りとして形成され、特に挿入物100を開口部212に対して整列するのを補助し、そうすることによって、挿入物100の開口部211に対する相対的位置決めをする際に微細な偏差を補正し、挿入物100を開口部212内に挿入するのを容易にする。開口部212は、コア構造体250内の溝260を含み、溝260は、ピストン300を囲み、外側裾部120を受容するように構成されている。
図4に示すように、外側裾端121及び開口部212は、挿入物100が開口部212内に配置されたとき、第1の外側裾面123が第1のカバーシート210に密接するように寸法決めされる。図4に示すように、ピストン300が突出部125に沿って掃引するとき、ピストン300と外側裾部120との間にわずかな隙間(図では目視できない)のみが存在するように、突出部125が、外側裾端121において、第1の内側裾面123から突出している。通路140は、外側裾部120に配置され、突出部125と基部110との間に位置し、突出部125に隣接している。ピストン300が、第1の外側パネル面211から、垂直方向zにおいて、オフセット距離aだけオフセットされている。そのため、ピストン300と第1のカバーシート210との間に隙間を有する。図4に示すように、通路140及び突出部125は、ピストン300が突出部125に沿って掃引する限り、通路140が第1の外側パネル面211の下に配置されるように、寸法及び位置が決められる。したがって、通路140は、矢印で概略的に示されるように、接着剤400の一部を挿入物100の外側に、コア構造体250内に排出するための第1の経路P1を形成する。移動ピストン300がチャンバ101内の容積を減少させると、接着剤400が排出される。したがって、接着剤400の一部は、まず第1のカバーシート210に隣接するコア構造体250に主に堆積される。少量の接着剤400は、ピストン300と突出部125との間の小さな隙間、並びにピストン300と内側裾部130との間の小さな隙間を介しても排出できる。しかしながら、比較して通路140が比較的大きな横断面を有するため、図示の実施形態において、ピストン300が突出部125に沿って掃引する限り、第1の経路P1は、接着剤400の排出において支配的である。取り付けの前記初期ステップの間にコア構造体250内に堆積された接着剤400の一部は、通常、第1の外側裾面124にも付着している。したがって、挿入物100が開口部212内に更に入り込むと、接着剤400の一部も挿入物100と共にパネル200内に取り込まれる。これは、分配プロセスに一定の影響を与え、挿入物100と周辺のコア構造体250との間に大面積の接着性接触を引き起こす。
また、例えば、図4に示されるように、挿入物100は、少なくとも1つのマーカー125を更に含んでもよい。マーカー125は、例えば、基部110の外面に配置される。このようなマーカー125は、例えば、光学的手段によって挿入物の種類及び/又は挿入物の向きを識別するために用いられてもよい。図示の実施形態において、マーカー125は環状の切欠きとして形成されている。また、マーカー125は、挿入後の挿入物100の位置決めの制御を容易にすること、及び/又は挿入後の特定の挿入物100(それぞれの取り付けポイント)を識別するために用いられることができる。また、マーカー125は、印字、及び/又は記号、及び/又はバーコード(1d又は2d)を含んでもよく、印字、及び/又は記号、及び/又はバーコードは、挿入物100の外面に直接に適用されるか、及び/又は、例えば、前述したように、挿入物100に適用された剥離可能なシート又はフィルムに適用される。
図5及び図6は、ピストン300が突出部125を越えて掃引するときの挿入システム1を示す。図6に示すように、ギャップ10は、ピストン300と外側裾部120との間に画定され、接着剤400の一部をコア構造体250内に排出するための第2の経路P2を形成している。したがって、接着剤400も挿入物100に沿って垂直方向zにおいて排出される。矢印で示されるように、第2の経路P2を介して排出された接着剤400の一部は、その後、第1の経路P1を介して挿入物100の外側へ流れ、挿入物周辺のコア構造体250内に流れ込む。また、接着剤400の一部は、開口部212の下のコア構造体250の部分に排出される。
図7は、挿入物100を取り付けた後の図1〜図6の挿入システム1を示す。接着剤が完全に硬化/キュアする前に、初期挿入強度を提供するために、第1の外側裾面123と第1のカバーシート210の少なくとも一部との間に圧力嵌めが生成され、挿入物100の第1のカバーシート210に対する変位及び回転を制限する。
図8及び図9は、挿入物100をパネル200に取り付ける前の、本発明に係る挿入システム1の2つの異なる実施形態を概略的に示す。図8に示す実施形態において、開口部212内の溝260は深さd1を有し、当該深さd1は、基部110から外側裾端121までの距離l1にほぼ等しい。ピストン300は凹部301を有し、当該凹部301の下において、開口部212が深さd2まで延在する。この深さd2は、基部110から内側裾端131までの距離l2にほぼ等しい。したがって、挿入物100を取り付ける間に、外側裾端121も内側裾端131も、垂直方向zにおいて、コア構造体250に対して、それぞれ溝260と開口部212との底部領域に大きな力を加えない。このような構成は、第2のカバーシート230の付近のコア構造体250への大きな負荷投入が、第2のカバーシート230の変形及び/又は破壊を引き起こす可能性があるような、比較的薄い及び/又は機械的に敏感な第2のカバーシート230を有するパネル200にとって、特に有利である。挿入物100は、基本的に外径v1を有する円形の形状を有し、外径v1は、開口部212の直径g1よりも僅かに大きい。これによって、取り付けられた状態において、第1の外側裾面123と第1のカバーシート210の少なくとも一部との間に圧力嵌めが生成される。図8にも示されるように、外側裾部120の内径は、ピストン300の外径よりも僅かに大きいため、ピストン300が第1の内側裾面123に沿って掃引すると、幅c2の円周方向のギャップが生じる。当該ギャップは、前述したように、接着剤用の第2の経路として機能するのに十分に広い。図8にも示されるように、突出部125が、外側裾端121において、第1の内側裾面123から突出し、その結果、ピストン300が突出部125に沿って掃引するとき、より小さい幅c1を有するギャップがピストン300と外側裾部120との間に形成される。幅c1は、ピストン300が突出部125に沿って掃引するときに、第2の経路を介した接着剤の著しい排出が防止されるように寸法が決められる。最も一般的な接着剤の比較的高い粘度により、幅c1が概ね0.3mmよりも小さく、且つ幅c2が概ね0.5mmよりも大きい場合、よい結果を得ることができる。アンカー手段として外側裾部120を利用するため、外側裾端120と溝260を囲むコア構造体250との間に圧力嵌めが得られるように、溝260の幅w1を寸法決めすることができる。
図9に示すように、挿入物100及びパネル200のいくつかの構成において、開口部212内の溝260は、挿入物100の基部110から外側裾端121までの距離l1よりも小さい深さd1を有してもよい。ピストン300は凹部301を有し、凹部301の下において、開口部212が深さd2まで延在し、深さd2も、挿入物100の基部110から内側裾端131までの距離l2よりも小さい。したがって、挿入物100を取り付ける間に、外側裾端121及び内側裾端131は、開口部212の底部においてコア構造体250に突き込み、それによってコア構造体250を変形させるか、及び/又は切断する。このように、内側裾端131及び/又は外側裾端121は、挿入物1のパネル200に対する移動及び/又は回転を制限する何らかのアンカー手段150として機能することができる。また、コア構造体250に突き込む当該プロセスは、挿入力Fを打ち消す対抗力を生じさせる。そのため、取り付けプロセスをよりよく制御することができる。
図10は、内側裾部を有していない、本発明に係る挿入物100の他の実施形態を示す。複数の通路140が、外側裾部120の周りに円周方向に分布するように配置されている。通路140は、約4mmの第1の主寸法m及び約1.5mmの第2の主寸法nを有する断面を有している。このような寸法を有する通路140は、いくつかの多種多様なハニカムパネルのコア構造体内に、接着剤を良好に分布させることが分かった。したがって、これらの寸法を有する通路140を含む挿入物100は、高い汎用性を有する。
図11及び図12は、本発明に係る挿入物100の他の実施形態を示し、当該実施形態は、比較的に長い内側裾部130を有する挿入物100を含み、内側裾部130は、第1のカバーシート110から第2のカバーシート130まで延在している。したがって、開口部212は、ピストン300の凹部301から、コア構造体250を通って、パネル200の底面に配置された第2のカバーシート230のポート231まで延びている。概略的に示されるように、内側裾部130は、基本的に中空の円筒として形成され、接続手段160として機能する貫通孔を有する。当該接続手段160内に、例えば、パネル200の上面と底面とを相互接続するボルト又はねじを設けることができる。
図13及び図14は、本発明に係る挿入物100の他の実施形態を概略的に示す。挿入物100は、第1の挿入部材180と第2の挿入部材185とを含む。第1の挿入部材180は、基部110と、基部110から延びて接着剤(図示せず)を受容するチャンバ101を形成する外側裾部120とを有する。外側裾部120及び基部110には、複数の通路140が配置され、これらの通路140は、第1の内側裾面123を第1の外側裾面124と相互接続して、チャンバ101内に配置された接着剤(図示せず)を排出するための第1の経路を形成する。図15から図17を参照してより詳細に説明されるように、
接着剤の少なくとも一部を排出するために、第2の挿入部材185を少なくとも部分的に第1の挿入部材180内に押し込むことができ、それによって、第2の挿入部材に配置されたピストン200は接着剤を排出させる。
図15に示すように、図13及び図14に示すような挿入物100を含む挿入システム1の実施形態において、最初に、第1の挿入部材180を第1のカバーシート210の開口部に挿入する。当該開口部は、コア構造体250を通って、パネル200の反対側に配置された第2のカバーシート230まで延びている。第2のカバーシート230において、ポート231は、第1の挿入部材180の基部110に配置された突起部111を受容するために配置されている。第1の挿入部材180が開口部212に取り付けられると、突起部111がポート231を封止し、第2の挿入部材185が第1の挿入部材180内に押し込まれ、それによって、図16に示されるように、ピストン300は、第1の挿入部材180内に配置された接着剤の少なくとも一部を、通路140を介して、挿入物周辺のコア構造体250内に排出させる。例えば、図13に示すように、第1の挿入部材180のいくつかの通路140を基部110の近辺に配置することができる。これらの通路140を介して排出された接着剤は、一般に、第1の挿入部材180と第2のカバーシート230との間の接着性相互接続の確立を補助することによって、挿入物の機械的載荷能力を大幅に増加させる。また、少なくとも1つの通路のそのような整列は、第1及び第2の挿入部材180、185の前述した特徴とは無関係に、独立した発明概念として考えられ得る。第1の挿入部材180をパネルに挿入するとき、第2の挿入部材185は、既に部分的に第1の挿入部材180内に配置されてもよく、又は、代替的に、第2の挿入部材185が第1の挿入部材180に接続されていなかったが、第1の挿入部材180が開口部212に取り付けられると、第2の挿入部材185は、第1の挿入部材180に相互接続されてもよい。図17は、図13から図16の挿入物100の実施形態を示し、第1の挿入部材180及び第2の挿入部材185は、パネル200内に完全に取り付けられた状態である。
図18aから図18fは、図1に示すような挿入物100の一実施形態を用いて挿入システム1を作成する方法の一実施形態を概略的に示す。図18aに示される第1のステップにおいて、コア構造体と、第1のカバーシート210と、第2のカバーシート230とを含むパネル200が提供される。図18bに概略的に示される次のステップにおいて、開口部212が、第1のカバーシート210及びコア構造体250の一部に導入される。これは、開口ツール600、例えばドリルによって行われてもよい。示された開口ツール600の実施形態は、第1のカバーシート210の環状部分が溝260によって第1のカバーシート210の残りの部分から分離されるように形成される。図18cに示される次のステップにおいて、環状部分は、圧子610によって、垂直方向zにおいて一定の距離だけパネル200内に(第1の外側パネル面の下に)変位され、ピストン300を形成する。図18dに概略的に示されるように、ピストン300と(その第1の外側パネル面211の)カバーシート210との間のオフセットaは、後続のステップにおいて、例えば、光学検出器620を用いて測定することができる。オフセットaが予め定められた値の範囲内にある場合、後続のステップにおいて、図18eに示すように、挿入物100を挿入することができる。オフセットが一定の最小値よりも小さい場合、ピストン300は、圧子610によって、再びより大きく変位され、オフセットaが再び測定されてもよい。このステップは、所望のオフセットaが得られるまで、圧子610によって加えられる変位の値を増やしながら繰り返し実行することができる。挿入物100を取り付けるために、挿入物が、垂直方向zにおいて挿入物100の変位を生じさせるために形成された特別な挿入具630を用いて挿入されてもよく、一方、横方向x/yにおいて、挿入物100のパネル200に対する自由移動を可能にしてもよい。そうすることによって、挿入物100と開口部212との自己整合が可能となる。横方向x/yにおける自由移動は、真空システム631を利用することによって得られる。当該真空システム631は、挿入物100を、挿入具630の前面有効面と整列した状態に保持する。図11及び図12に示すような挿入物100を取り付ける必要がある場合、剥離可能なホイルを基部110の外面に配置して、内側裾部130の開口部を封止することによって、真空システム631をサポートすることができる。図18fに示されるように、挿入物100が垂直方向において予め定められた値に変位された後に、挿入物100のパネル200に対する位置は、例えば、光学検出器620を用いて再び測定することができる。したがって、挿入具630は、挿入物100から一時的に持ち上げられてもよく、又は挿入物100と相互接続されたままでもよい。パネル200及び/又は挿入物100の弾性挙動による挿入物100の潜在的なはね返りを許容するために、挿入物100のパネル200に対する位置を検出する間に、挿入具630が挿入物100から少なくとも一時的に持ち上げられる場合、よい結果を得ることができる。挿入物100が第1のカバーシート210から突出している場合、次のステップの間に、挿入物100は、垂直方向zにおいて、挿入具630によって大きく変位される場合がある。そのため、パネル200及び/又は挿入物100の弾性挙動を考慮して、挿入物100の基部110と第1のカバーシート210との上面の適切な位置合わせを得ることができる。したがって、挿入具630を取り外した後の挿入物100の(負のz方向への)はね返りを補償するために、挿入物100を第1の外側パネル面211の下に変位させることさえできる。図18eに示される実施形態において、挿入具630は、挿入物100の取り付け方向(z方向)を横断する平面(x/y)において、挿入物100よりも小さい寸法を有する。したがって、たとえ挿入物100の基部が第1の外面211の下に変位したとしても、挿入具630と第1のカバーシート210との間の衝突を防ぐことができる。示される挿入具630の実施形態は、挿入物100の自己整合が起こっても衝突が回避できるように、x/y平面において特に小さい寸法を有する。
図19は、本発明に係る挿入システムの一実施形態を作成するための装置700を概略的に示す。当該装置は、パネル200を保持/支持するための保持装置710を含み、保持装置710は、パネル200を保持する真空システムを含むテーブルとして形成されている。装置700は、処理ヘッド720を更に含み、当該処理ヘッド720は、パネル200に対して移動可能であり、開口部212を予め定められた位置でパネル200に導入するための開口ツール(詳細は図示せず)を受容するように構成されている。装置700は、挿入具(詳細には図示せず)を更に含み、当該挿入具は、パネル200に対して変位可能であり、開口部212内に挿入された挿入物(詳細は図示せず)を支持するように構成されている。また、図19に示されるように、処理ヘッド720は、挿入具を受容するように構成されてもよい。代替的又は追加的に、挿入具は、処理ヘッド720から分離されてもよい。また、装置700は、パネル200に挿入される複数の挿入物(詳細は図示せず)を分配するための挿入物ディスペンサ730を含む。挿入物ディスペンサ730は、大量の挿入物を保管するための保管部731と、挿入物が操作装置750(図示の実施形態においてはロボットアームである)に提供される排出ポイント732とを含む。操作装置750は、排出ポイント732から挿入物を取り出し、それを接着剤ディスペンサ740に移動させるように構成されている。接着剤は、挿入物内に配置されたチャンバ内に充填されている。概略的に示されるように、接着剤ディスペンサ740は、保持装置710から、そのパネル200から空間的に分離して配置されてもよい。そうすることによって、接着剤ディスペンサ740によるパネルの汚染を防止することができる。指定量の接着剤がチャンバ内に充填されるとすぐに、操作装置750は、挿入物を開口部212内に取り付けるために、挿入物を搬送し、挿入具に送達する。
1 挿入システム
10 ギャップ
100 挿入物
111 突起部
101 チャンバ
110 基部
120 外側裾部
123 第1の内側裾面
124 第1の外側裾面
125 突出部
127 マーカー
130 内側裾部
131 内側裾端
140 通路
150 アンカー手段
160 接続手段
170 案内手段(面取り)
180 第1の挿入部材
185 第2の挿入部材
P1 第1の経路
P2 第2の経路
200 パネル
210 第1のカバーシート
211 第1の外側パネル面
212 開口部
230 第2のカバーシート
231 ポート
250 コア構造体
251 細孔
252 細孔壁
260 溝
300 ピストン
301 凹部
400 接着剤(のり)
500 パネルアセンブリ
600 開口ツール
610 圧子(ラム)
620 検出器
630 挿入具(挿入ヘッド、設定ツール)
631 真空システム(真空チャンネル)
700 装置
710 保持装置
701 テーブル
720 処理ヘッド
730 挿入物ディスペンサ
731 保管部(倉庫)
732 排出ポイント
740 接着剤ディスペンサ
750 操作装置(例えば、ロボットアーム)
a オフセット距離
z 第1の水平方向
x 第2の水平方向
y 垂直方向
F 挿入力
w1 幅(溝の)
d1 深さ(溝の)
l1 高さ(外側裾部の)
l2 高さ(内側裾部の)

Claims (49)

  1. 挿入物(100)と、パネル(200)と、少なくとも1つのピストン(300)とを備え、
    前記挿入物(100)は、基部(110)と、外側裾部(120)とを有し、
    前記外側裾部(120)は、前記基部(110)から延びてチャンバ(101)を形成し、
    前記外側裾部(120)には、第1の内側裾面(123)及び第1の外側裾面(124)が設けられ、
    前記パネル(200)は、コア構造体(250)と、前記コア構造体(250)を少なくとも部分的にカバーする第1のカバーシート(210)とを有し、
    前記第1のカバーシート(210)は、第1の外側パネル面(211)を画定し、且つ、開口部(212)を有し、
    前記ピストン(300)は、
    前記開口部(212)内に、且つ前記第1の外側パネル面(211)の下に配置され、
    前記ピストン(300)は、前記挿入物(100)を取り付ける間に、前記チャンバ(101)内に掃引し、それによって、前記チャンバ(101)から接着剤(400)を、少なくとも1つの経路(P1,P2)を介して、前記コア構造体(250)内に排出させるように構成された、
    挿入システム(1)。
  2. 前記ピストン(300)は、垂直方向(z)において、前記第1の外側パネル面(211)からオフセット距離(a)だけオフセットされる、請求項1に記載の挿入システム(1)。
  3. 前記開口部(212)は、前記コア構造体(250)内において前記ピストン(300)を囲む溝(260)を含む、請求項1又は2に記載の挿入システム(1)。
  4. 前記外側裾部(120)は、外側裾部の自由端(121)を含み、
    前記外側裾部の自由端(121)は、
    前記ピストン(300)が前記チャンバ(101)内に掃引するときに、前記溝(260)とインターロックし、それによって、少なくとも一時的に前記挿入物(100)を前記パネル(200)に対して位置決めするように構成された、
    請求項3に記載の挿入システム(1)。
  5. 内側裾部(130)は、前記基部(110)から延在し、前記チャンバ(101)内に、且つ前記外側裾部(120)から距離を置いて配置されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の挿入システム(1)。
  6. 前記内側裾部(130)は、内側裾部の自由端(131)で閉じている、請求項5に記載の挿入システム(1)。
  7. 前記ピストン(300)は、前記内側裾部(130)を受容するために配置された少なくとも1つの凹部(301)を有する、請求項5又は6に記載の挿入システム(1)。
  8. 前記外側裾部の自由端(121)及び/又は前記内側裾部の自由端(131)は、前記挿入物(100)を前記開口部(212)内に挿入するのを容易にする少なくとも1つの案内手段(170)を備える、請求項5から7のいずれか1項に記載の挿入システム(1)。
  9. 記外側裾部(120)は、アンカー手段(150)を備え、
    前記アンカー手段(150)は、少なくとも一時的に前記コア構造体(250)と、及び/又は前記第1のカバーシート(210)と、及び/又は前記コア構造体(250)を少なくとも部分的にカバーする第2のカバーシート(230)と相互作用して、前記挿入物(100)の前記パネル(200)に対する移動及び/又は回転を制限する、請求項1からのいずれか1項に記載の挿入システム(1)。
  10. 前記内側裾部(130)及び/又は前記外側裾部(120)は、アンカー手段(150)を備え、
    前記アンカー手段(150)は、少なくとも一時的に前記コア構造体(250)と、及び/又は前記第1のカバーシート(210)と、及び/又は前記コア構造体(250)を少なくとも部分的にカバーする第2のカバーシート(230)と相互作用して、前記挿入物(100)の前記パネル(200)に対する移動及び/又は回転を制限する、請求項5から8のいずれか1項に記載の挿入システム(1)。
  11. 少なくとも1つの通路(140)は、前記外側裾部(120)に配置され、前記第1の内側裾面(123)を前記第1の外側裾面(124)と相互接続して第1の経路(P1)を形成し、前記接着剤(400)の一部を前記挿入物(100)の外側へ、前記コア構造体(250)内に排出するように構成された、請求項1から10のいずれか1項に記載の挿入システム(1)。
  12. 前記挿入物(100)は、前記外側裾部(120)の周りに円周方向に分布するように配置された複数の通路(140)を含む、請求項11に記載の挿入システム(1)。
  13. 前記ピストン(300)が前記チャンバ(101)内に配置されたとき、ギャップ(10)は、前記ピストン(300)と前記外側裾部(120)との間に画定され、第2の経路(P2)を形成して前記接着剤(400)の一部を前記コア構造体(250)内に排出させる、請求項1から12のいずれか1項に記載の挿入システム(1)。
  14. 前記第2の経路(P2)に配置された突出部(125)は、前記ピストン(300)が前記突出部(125)に沿って掃引するときに、前記第1の内側裾面(123)から突出してギャップ(10)を狭め、それによって、前記第2の経路(P2)を介した前記接着剤(400)の排出を制限するように構成された、請求項13に記載の挿入システム(1)。
  15. 少なくとも1つの通路(150)は、前記突出部(125)と前記基部(110)との間に配置されている、請求項14に記載の挿入システム(1)。
  16. 取り付けられた状態において、圧力嵌めは、前記第1の外側裾面(124)と前記第1のカバーシート(210)の少なくとも一部との間に生成され、前記挿入物(100)の前記第1のカバーシート(210)に対する変位及び回転を制限するように構成された、請求項1から15のいずれか1項に記載の挿入システム(1)。
  17. 前記ピストン(300)は、前記パネル(200)の前記第1のカバーシート(210)及び/又は前記コア構造体(250)から少なくとも部分的に作製される、請求項1から16のいずれか1項に記載の挿入システム(1)。
  18. 前記ピストン(300)は、挿入部材(185)から少なくとも部分的に作製される、請求項1から17のいずれか1項に記載の挿入システム(1)。
  19. 請求項1から18のいずれか一項に記載の挿入システム(1)の少なくとも1つを備える、パネルアセンブリ(500)。
  20. 請求項1から18のいずれか一項に記載の挿入システム(1)用の挿入物(100)。
  21. 少なくとも1つの接続手段(160)を含み、前記接続手段(160)は、装置と挿入物(100)とを機械的に相互接続するためのボルト又はねじを受容する内ねじである、請求項20に記載の挿入物(100)。
  22. 前記挿入物(100)は、射出成形プロセスによって少なくとも部分的に作製される、請求項20又は21に記載の挿入物(100)。
  23. 前記挿入物(100)は、第1の挿入部材(180)と、第2の挿入部材(185)とを備え、
    前記第1の挿入部材(180)は、基部(110)と、前記基部(110)から延びて接着剤(400)を受容するチャンバ(101)を形成する外側裾部(120)とを有し、前記外側裾部(120)には、第1の内側裾面(123)及び第1の外側裾面(124)が設けられており、
    前記第2の挿入部材(185)は、前記チャンバ(101)内に挿入されるピストン(300)を含む、
    請求項1から18のいずれか一項に記載の挿入システム(1)用の挿入物(100)。
  24. 少なくとも1つの通路(140)は、前記第1の挿入部材(180)の前記外側裾部(120)に配置され、前記第1の内側裾面(123)を前記第1の外側裾面(124)と相互接続して第1の経路(P1)を形成し、前記チャンバ(101)内に配置された接着剤(400)の一部を前記挿入物(100)の外側に排出させるように構成された、請求項23に記載の挿入物(100)。
  25. 前記第1の挿入部材(180)は、前記外側裾部(120)の周りに円周方向に分布するように配置された複数の通路(140)を含む、請求項24に記載の挿入物(100)。
  26. 前記第2の挿入部材(185)は、軸方向(z)において、少なくとも部分的に前記第1の挿入部材(180)内に押し込まれることが可能である、請求項23から25のいずれか1項に記載の挿入物(100)。
  27. (a)コア構造体(250)を有するパネル(200)と、第1の外側パネル面(211)を画定する第1のカバーシート(210)とを提供するステップと、
    (b)挿入物(100)を提供するステップであって、前記挿入物(100)は、基部(110)と、前記基部(110)から延びてチャンバ(101)を形成する外側裾部(120)とを備え、前記外側裾部(120)には、第1の内側裾面(123)及び第1の外側裾面(124)が設けられている、前記挿入物(100)を提供するステップと、
    (c)前記挿入物(100)の少なくとも一部を受容するために前記パネル(200)内に開口部(212)を導入するステップと、
    (d)前記挿入物(100)を前記開口部(212)内に挿入するステップであって、前記開口部(212)内に、且つ前記第1の外側パネル面(211)の下に配置されたピストン(300)が前記チャンバ(101)内に掃引し、それによって、前記チャンバ(101)から接着剤(400)の少なくとも一部を、少なくとも1つの経路(P1、P2)を介して排出させる、前記挿入物(100)を前記開口部(212)内に挿入するステップと、
    を含む、請求項1から18のいずれか1項に記載の挿入システム(1)を作成する方法。
  28. 前記ピストン(300)は、前記チャンバ(101)から接着剤(400)の少なくとも一部を、少なくとも1つの経路(P1、P2)を介して排出させるときに、垂直方向(z)において、前記第1の外側パネル面(211)からオフセット距離(a)だけオフセットされる、請求項27に記載の方法。
  29. 前記ピストン(300)を囲む溝(260)を、前記コア構造体(250)内に導入するステップを更に含む、請求項27又は28に記載の方法。
  30. 前記溝(260)は、選択された深さ(d1)及び/又は幅(w1)を有し、
    前記外側裾部(120)に配置された外側裾端(121)は、前記ピストン(300)が前記チャンバ(101)内に掃引するときに、前記溝(260)とインターロックし、それによって、少なくとも一時的に前記挿入物(100)を前記パネル(200)に対して位置決めする、
    請求項29に記載の方法。
  31. 前記溝(260)は、前記外側裾部(120)の高さ(l1)よりも小さい深さ(d1)を有する、請求項29又は30に記載の方法。
  32. 前記溝(260)は、前記外側裾部(120)の高さ(l1)以上の深さ(d1)を有する、請求項29又は30に記載の方法。
  33. 前記挿入物(100)を前記開口部(212)内に挿入するステップの間及び/又は後に、前記挿入物(100)の前記パネル(200)に対する移動及び/又は回転を制限するために、前記外側裾部(120)に配置されたアンカー手段(150)は、少なくとも一時的に前記コア構造体(250)と、及び/又は前記第1のカバーシート(210)と、及び/又は前記コア構造体(250)を少なくとも部分的にカバーする第2のカバーシート(230)と相互作用する、請求項27から32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 内側裾部(130)は、前記基部(110)から延在し、前記チャンバ(101)内に、且つ前記外側裾部(120)から距離を置いて配置され、
    前記挿入物(100)を前記開口部(212)内に挿入するステップの間及び/又は後に、前記挿入物(100)の前記パネル(200)に対する移動及び/又は回転を制限するために、前記内側裾部(130)及び/又は前記外側裾部(120)に配置されたアンカー手段(150)は、少なくとも一時的に前記コア構造体(250)と、及び/又は前記第1のカバーシート(210)と、及び/又は前記コア構造体(250)を少なくとも部分的にカバーする第2のカバーシート(230)と相互作用する、請求項27から32のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記挿入物(100)を前記開口部(212)内に挿入するステップの間及び/又は後に、前記接着剤(400)の少なくとも一部は、前記外側裾部(120)に配置された少なくとも1つの通路(140)によって形成された第1の経路(P1)を介して排出され、前記少なくとも1つの通路(140)は、前記第1の内側裾面(123)を前記第1の外側裾面(124)と相互接続する、請求項27から34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記挿入物(100)を前記開口部(212)内に挿入するステップの間及び/又は後に、少なくとも一時的に、前記接着剤(400)の少なくとも一部は、前記ピストン(300)と前記外側裾部(120)との間に画定されたギャップ(10)によって形成された第2の経路(P2)を介して、前記開口部(212)内に排出される、請求項27から35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記挿入物(100)を前記開口部(212)内に挿入するステップの間に、前記ピストン(300)が、前記第2の経路(P2)に配置され、前記第1の内側裾面(123)から突出する突出部(125)に沿って掃引するとき、前記第2の経路(P2)を介した接着剤(400)の排出は、少なくとも一時的に狭められたギャップ(10)によって少なくとも一時的に制限される、請求項36に記載の方法。
  38. 一定量の接着剤(400)をチャンバ(101)に適用するステップを含む、請求項27から37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 第1のカバーシート(210)のピストン部分(300)が前記第1のカバーシート(210)の残りの部分から少なくとも部分的に切り離されて、前記ピストン部分(300)が前記コア構造体(250)と相互接続されるように、前記第1のカバーシート(210)の少なくとも一部を除去するステップを含む、請求項27から38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記第1のカバーシート(210)の残りの部分から少なくとも部分的に切り離された後の前記ピストン部分(300)は、前記第1の外側パネル面(211)の下で垂直方向(z)において変位される、請求項39に記載の方法。
  41. 前記挿入物(100)を前記開口部(212)内に挿入する間に、前記挿入物(100)は、少なくとも一時的に挿入具(630)と相互接続される、請求項27から40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記挿入物(100)の挿入の間に、前記挿入物は、挿入方向に対して垂直な方向において自由に相対移動できるように、前記挿入物は、前記挿入具(630)によって支持される、請求項41に記載の方法。
  43. 前記挿入物(100)を第1の距離(d1)だけ前記開口部(212)内に挿入するステップと、前記挿入物(100)の前記パネル(200)に対する位置を決定する後続のステップとを含む、請求項27から42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記ピストン(300)の前記パネル(200)に対する位置が予め定められた位置と異なる場合、前記第1の距離(d1)を調整し、請求項41の2つのステップを、調整された第1の距離(d1)で繰り返し実行する、請求項43に記載の方法。
  45. 請求項1から18のいずれか一項に記載の挿入システム(1)を作成するための装置(700)。
  46. パネル(200)を保持するための保持装置(710)と、処理ヘッド(720)と、挿入具(630)とを備え、
    前記処理ヘッド(720)は、前記パネル(200)に対して移動可能であり、開口部(212)を予め定められた位置でパネル(200)に導入する開口ツール(600)を受容するように構成され、
    挿入具(630)は、前記パネル(200)に対して移動可能であり、前記開口部(212)内に挿入される挿入物(100)を支持するように構成されている、
    請求項45に記載の装置(700)。
  47. 前記パネル(200)に取り付けられる複数の挿入物(100)を分配するための挿入物ディスペンサ(730)を備える、請求項46に記載の装置(700)。
  48. 接着剤(400)を分配するための接着剤ディスペンサ(740)を備える、請求項46又は47に記載の装置(700)。
  49. 前記接着剤ディスペンサ(740)は、前記保持装置(710)から空間的に分離して配置されている、請求項48に記載の装置(700)。
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