以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
先ず、作業機1の全体構成を概略的に説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。図2は、作業機1の一部の概略平面図である。
本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
図1に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えている。機体2上にはキャビン5が搭載されている。キャビン5の室内には運転席6が設けられている。
本実施形態においては、作業機1の運転席6に着座した運転者の前側(図1、図2の矢印A1方向)を前方、運転者の後側(図1、図2の矢印A2方向)を後方、運転者の左側(図1の手前側、図2の矢印B1方向)を左方、運転者の右側(図1の奥側、図2の矢印B2方向)を右方として説明する。
また、前後の方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向K2(図2参照)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
図1に示すように、走行装置3は、走行フレーム9と、走行機構10とを有する。走行機構10は、クローラ式の走行機構によって構成されている。言い換えれば、走行装置3は、クローラ式の走行装置である。走行機構10は、走行フレーム9の左側と右側とに設けられている。また、走行機構10は、アイドラ10Aと、駆動輪10Bと、複数の転輪10Cと、エンドレスのクローラベルト10Dと、油圧モータからなる走行モータM1とを有する。アイドラ10Aは、走行フレーム9の前部に配置され、駆動輪10Bは走行フレーム9の後部に配置されている。複数の転輪10Cは、アイドラ10Aと駆動輪10Bとの間に設けられている。クローラベルト10Dは、アイドラ10Aと駆動輪10Bと転輪10Cとにわたって巻掛けられている。走行モータM1は、駆動輪10Bを駆動することでクローラベルト10Dを周方向に循環回走させる。走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。
機体2は、走行フレーム9上に旋回ベアリング8を介して縦軸(上下の方向に延伸する軸心)回りに回転自在(左及び右に旋回自在)に支持されている。旋回ベアリング8の中心が機体2の回転中心であり、この機体2の回転中心を旋回軸心X1という。
図2に示すように、キャビン5は、機体2の左寄りで且つ前部寄りに搭載されている。機体2の後部には、エンジンE1が搭載されている。エンジンE1は、キャビン5の後部側に配置されている。エンジンE1の左側には、油圧ポンプP1が設けられている。油圧ポンプP1は、エンジンE1の駆動力で駆動される。この油圧ポンプP1は、作業機1に装備された油圧モータ、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータを駆動させる作動油(油圧)を吐出する。また、油圧ポンプP1は、油圧バルブを作動させるパイロット圧や、信号用の油圧を吐出する。
図2、図3に示すように、機体2の右側部(側部)であって、キャビン5の右側方(側方)には、燃料タンクT1、バッテリB1、作動油タンクT2、ラジエータR1及びオイ
ルクーラO1(熱交換器)が搭載されている。燃料タンクT1は、エンジンE1用の燃料を貯留するタンクである。バッテリB1は、作業機1に装備された電装品に電力を供給する蓄電池である。作動油タンクT2は、油圧ポンプP1に供給する作動油を貯留するタンクである。ラジエータR1は、エンジンE1の冷却液を冷却する。オイルクーラO1は、作動油タンクT2に戻る作動油を冷却する。
燃料タンクT1は、機体2の右側の前部に配置されている。バッテリB1は、燃料タンクT1の後部の上方に配置されている。作動油タンクT2は、燃料タンクT1及びバッテリB1の後方に配置されている。ラジエータR1及びオイルクーラO1は、作動油タンクT2の後方に配置されている。また、ラジエータR1とオイルクーラO1は、エンジンE1の側方(右側方)において、機体幅方向K2に沿って並べて配置されている。ラジエータR1は、オイルクーラO1よりエンジンE1に近い側に配置されている。即ち、エンジンE1の右側方にラジエータR1が配置され、ラジエータR1の右側方にオイルクーラO1が配置されている。オイルクーラO1はラジエータR1に対向して配置されている。
なお、ラジエータR1とエンジンE1との間には、エンジンE1の駆動力で駆動される冷却ファンが設けられる。この冷却ファンは、吸い込み式のファンであり、オイルクーラO1の右側方から空気を吸い込んでエンジンE1側へと流す。
図2に示すように、機体2には、油圧モータからなる旋回モータM2が取り付けられている。この旋回モータM2は、機体2を旋回軸心X1回りに回転駆動するモータである。旋回モータM2は、キャビン5の下方であって、運転席6の前部の右側下方に設けられている。この旋回モータM2は、後述の旋回基板56に取り付けられている。また、機体2には、コントロールバルブV1が設けられている。このコントロールバルブV1は、作業機1に装備された各油圧アクチュエータを制御する各制御弁を集約したバルブユニットである。
図2に示すように、機体2には、エンジンE1、油圧ポンプP1、燃料タンクT1、バッテリB1、作動油タンクT2、ラジエータR1及びオイルクーラO1を覆う外装カバー21が搭載されている。外装カバー21は、ボンネット22と、側部カバー23とを有する。
図1、図2に示すように、ボンネット22は、主としてエンジンE1を覆うカバーである。したがって、ボンネット22は、エンジンE1を収容するエンジンルームを形成する。図4、図5に示すように、ボンネット22は、ボンネットセンタ24(カバー部材)と、後部ボンネット25と、第1側部ボンネット26と、第2側部ボンネット27とを有する。ボンネットセンタ24は、エンジンE1の上方及び前方を覆うカバー部材である。また、ボンネットセンタ24は、キャビン5の室内とエンジンルームとを隔てるカバー部材である。後部ボンネット25は、エンジンE1の後方を覆うカバー部材である。この後部ボンネット25は、開閉自在とされている。第1側部ボンネット26は、エンジンE1及び油圧ポンプの左側方を覆うカバー部材である。第2側部ボンネット27は、エンジンE1、ラジエータR1及びオイルクーラO1の右側方を覆うカバー部材である。第2側部ボンネット27には、エンジンルーム(ボンネット22)内に空気を取り入れるための開口が形成される。
図2に示すように、側部カバー23は、キャビン5の右側方に位置し、燃料タンクT1、バッテリB1及び作動油タンクT2を覆っている。図2、図3、図5に示すように、側部カバー23は、第1カバー28と、第2カバー29と、第3カバー30とを有する。第1カバー28は、燃料タンクT1、バッテリB1及び作動油タンクT2の左側方を覆うカバー部材である。第2カバー29は、燃料タンクT1、バッテリB1及び作動油タンクT2の右側方を覆うカバー部材である。第3カバー30は、燃料タンクT1、バッテリB1及び作動油タンクT2の上方及び前方を覆うカバー部材である。第3カバー30は、開閉自在とされていて、第3カバー30を開くと、燃料タンクT1、バッテリB1及び作動油タンクT2の上方が開放状とされる。
図4に示すように、ボンネットセンタ24の前方に運転席6が設けられている。運転席6の下方には、該運転席6を支持するシート台31が設けられている。シート台31の前
方には床部(ステップ)419が配置されており、この床部419上にはフロアマット32が敷設されている。シート台31の内部には、キャビン5の室内の空気を調整する空調装置37が設けられている。この空調装置37は、本実施形態では、暖房装置である。なお、空調装置は、冷房機能のみを有する装置であってもよいし、暖房機能と冷房機構との両方を有する装置であってもよい。運転席6の左側には、操縦装置33Lが設けられている。運転席6の右側には、操縦装置33Rが設けられている。操縦装置33L,33Rは、作業装置4やドーザ装置7等を操縦する装置である。運転席6の前方には、走行装置3を操作する走行レバー34や、後述するスイングブラケット14を揺動操作する第1操作ペダル35や、後述するバケット17の代わりに装着される作業具を操作する第2操作ペダル36が設けられている。
図6に示すように、キャビン5は、左側の第1側面部38と、右側の第2側面部39と、第1側面部38と第2側面部39の前端間に設けられた正面部40と、第1側面部38と第2側面部39の後端間に設けられた背面部41と、第1側面部38と第2側面部39の上端間に設けられたルーフ42(図1参照)とを有する。キャビン5の下面は、下方に向けて開放されている。キャビン5は、運転席6、操縦装置33L,33R、フロアマット32、走行レバー34、第1操作ペダル35、第2操作ペダル36等を覆うように機体2に搭載される。
第1側面部38には、ドア43及び側部窓44が設けられている。第2側面部39の上部には、開閉窓45が設けられている。第2側面部39の下部には、キャビン5の室外の空気(外気という)を導入するための外気導入口46が設けられている。なお、以下の説明において、キャビン5の室内の空気を内気という。
正面部40には、フロントガラスが設けられ、背面部41には、リヤガラス47が設けられている。
正面部40と第1側面部38とのコーナ部には、第1前支柱部77が設けられている。正面部40と第2側面部39とのコーナ部には、第2前支柱部78が設けられている。第1前支柱部77と第2前支柱部78は、機体幅方向K2に互いに間隔を隔てて設けられている。背面部41と第1側面部38とのコーナ部には、第1後支柱部79が設けられている。背面部41と第2側面部39とのコーナ部には、第2後支柱部80が設けられている。第1後支柱部79と第2後支柱部80とは、機体幅方向K2に互いに間隔を隔てて設けられている。
キャビン5の前部の下端部には、前下枠52が設けられている。前下枠52は、第1前支柱部77と第2前支柱部78との下端部間にわたって設けられている。前下枠52には、フロントマウント部材(第1フロントマウント部材48,第2フロントマウント部材49)が設けられている。第1フロントマウント48は、前下枠52の左端部に組み付けられる。第2フロントマウント49は、前下枠52の右端部に組み付けられる。第1フロントマウント48及び第2フロントマウント49は、防振ゴムを有し、機体2に対してキャビン5の前部を支持して防振する。
キャビン5の後部の下端部には、後下枠53が設けられている。後下枠53は、第1後支柱部79と第2後支柱部80との下端部間にわたって設けられている。また、後下枠53は、前下枠52よりも高い位置に設けられている。この後下枠53には、リヤマウント部材(第1リヤマウント部材50,第2リヤマウント部材51)が設けられている。第1リヤマウント50は、後下枠53の左端部に組み付けられる。第2リヤマウント51は、後下枠53の右端部に組み付けられる。第1リヤマウント50及び第2リヤマウント51は、防振ゴムを有し、機体2に対してキャビン5の後部を支持して防振する部品である。
図3、図5、図7に示すように、機体2は、骨格となる旋回フレーム54と、旋回フレーム54の後部に取り付けられたウエイト55とを有する。
旋回フレーム54は、旋回基板(基板)56と、複数の縦リブ(第1縦リブ57L,第2縦リブ57R)と、支持ブラケット58と、仕切り板59と、支持フレーム60とを有する。また、旋回フレーム54には、機体2に搭載される機器、タンク類、その他の部品等を取り付けるためのブラケットやステー等が設けられている。
図7に示すように、旋回基板56は、厚板鋼板等から形成され、機体2の底部を構成する。図1に示すように、この旋回基板56は、旋回ベアリング8を介して走行装置3上に旋回軸心X1回りに回転自在に支持される。
第1縦リブ57L、第2縦リブ57Rは、旋回基板56を補強する部材であって、旋回基板56の前部から後部へと延伸して設けられている。第1縦リブ57Lと第2縦リブ57Rとは、旋回基板56上に立設され、機体幅方向K2に間隔を隔てて並設されている。第1縦リブ57Lは、第2縦リブ57Rの左方に位置する。
支持ブラケット58は、第1縦リブ57L及び第2縦リブ57Rの前部に設けられている。支持ブラケット58と第1縦リブ57L及び第2縦リブ57Rの前部とは、旋回基板56の機体幅方向K2の中央から右方に偏倚した位置に設けられている。支持ブラケット58は、前部に、第1支持部61Aと、第1支持部61Aの下方に位置する第2支持部61Bとを有する。また、支持ブラケット58は、後部に、左連結部62Lと、左連結部62Lの右方に位置する右連結部62Rとを有する。左連結部62Lは、第1縦リブ57Lの前部に連結されている。右連結部62Rは、第2縦リブ57Rの前部に連結されている。支持ブラケット58は、左連結部62Lと右連結部62Rとの間から第1支持部61Aと第2支持部61Bとの間へと向けて、通し穴63が設けられている。この通し穴63は、当該支持ブラケット58を構成する部材を前後に貫通して形成された通路である。この通し穴63には、機体2側(後方側)から前方に向けて油圧ホース等が挿通される。
図1に示すように、支持ブラケット58には、スイングブラケット14が、縦軸(上下の方向に延伸する軸心)回りに揺動自在に取り付けられている。スイングブラケット14には、作業装置4が取り付けられている。
図7に示すように、仕切り板59は、エンジンルームの前面下部を仕切る部材であって、機体幅方向K2に沿って設けられている。また、仕切り板59は、旋回基板56に立設されている。この仕切り板59の上部にボンネットセンタ24の下部が取り付けられる。また、運転席6は、仕切り板59よりも前側に設けられる。
図7に示すように、支持フレーム60は、旋回基板56の後部であって、仕切り板59の後方に立設されている。支持フレーム60は、ボンネット22(エンジンルーム)内に配置されていて、ボンネット22及びエンジンE1の周辺部品を支持する。支持フレーム60は、旋回基板56に立設された複数の脚部材(第1脚64,第2脚65,第3脚66)と、これら複数の脚部材の上部に固定された梁部材67(支持部)とを有する。第1脚64、第2脚65、第3脚66及び梁部材67は、板材によって形成されている。
第1脚64は、第1支柱部64Aと、第1水平部64Bと、垂下部64Cとを有する。第1支柱部64Aは、エンジンルームの前部左側に立設されている。第1水平部64Bは、第1支柱部64Aの上端から後方に延出されている。垂下部64Cは、第1水平部64Bの後端から下方に延出されている。
第2脚65は、第2支柱部65Aと、第2水平部65Bとを有する。第2支柱部65Aは、エンジンルームの後部の機体幅方向K2中央部に立設されている。第2水平部65Bは、第2支柱部65Aの上端から前方に延出されている。
第3脚66は、第3支柱部66Aと、第3水平部66Bとを有する。第3支柱部66Aは、エンジンルームの前部右側に立設されている。第3水平部66Bは、第3支柱部66Aの上端から後方に延出されている。
梁部材67は、板面が上下を向くように、第1水平部64B、第2水平部65B及び第3水平部66Bにわたって載置され、且つこれら各水平部に固定されている。梁部材67の左側部分には、第1ネジ穴68が形成されている。
ネジ穴は、梁部材67に貫通状又は有底状に形成された円柱状の内周面に雌ネジが切られた部分である。以下の説明においても同様である。
また、梁部材67の右側部分には、第2ネジ穴69が形成されている。第1ネジ穴68の機体内方には、第3ネジ穴70が形成され、第2ネジ穴69の機体内方には、第4ネジ穴71が形成されている。
第1ネジ穴68は、第1リヤマウント50を取り付けるためのネジ穴である。第2ネジ穴69は、第2リヤマウント51を取り付けるためのネジ穴である。したがって、キャビン5の後部の下端部(後下枠53)が、第1リヤマウント50及び第2リヤマウント51を介して梁部材67(支持フレーム60)に取り付けられる。梁部材67はキャビン5の後部を支持する支持部材である。
第3ネジ穴70及び第4ネジ穴71は、ボンネットセンタ24の上部を取り付けるためのネジ穴である。
図4に示すように、機体2の前部の左側には、第1フロントマウント48を取り付けるための第1マウント取付部72が設けられている。機体2の前部の右側には、第2フロントマウント49を取り付けるための第2マウント取付部73が設けられている。したがって、キャビン5の前部の下端部(前下枠52)が、第1フロントマウント48を介して第1マウント取付部72に取り付けられると共に、第2フロントマウント49を介して第2マウント取付部73に取り付けられる。
図3、図5に示すように、ウエイト55は、エンジンルームの左側面下部、右側面下部及び背面下部を形成する。図1、図5に示すように、旋回フレーム54の左側面であって、ウエイト55の前方側は、左旋回カバー74によって覆われている。図3に示すように、旋回フレーム54の右側面であって、ウエイト55の前方側は、右旋回カバー75によって覆われている。図4に示すように、旋回フレーム54の前方は、前旋回カバー76によって覆われている。旋回フレーム54の上方であって、シート台31の前方は、フロアマット32を支持する床部(ステップ)によって覆われる。
図1に示すように、作業装置4は、ブーム15と、アーム16と、バケット(作業具)17とを有する。ブーム15の基部は、スイングブラケット14に横軸(機体幅方向K2に延伸する軸心)回りに回動自在に枢着されている。これによって、ブーム15が上下に揺動自在とされている。アーム16は、ブーム15の先端側に横軸回りに回動自在に枢着されている。これによって、アーム16が前後或いは上下に揺動自在とされている。バケット17は、アーム16の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。作業機1は、バケット17に代えて或いは加えて、油圧アクチュエータにより駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。この他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
スイングブラケット14は、機体2の右側に備えられたスイングシリンダC2(図7参照)の伸縮によって揺動自在とされている。ブーム15は、ブームシリンダC3の伸縮によって揺動自在とされている。アーム16は、アームシリンダC4の伸縮によって揺動自在とされている。バケット17は、バケットシリンダ(作業具シリンダ)C5の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作自在とされている。スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
次に、燃料タンクT1の支持構造について説明する。
図8に示すように、燃料タンクT1は、タンク本体T11と、延長部T12とを有する。燃料タンクT1は、ブロー成形や回転成形等によって形成された中空構造の樹脂製品である。したがって、タンク本体T11と延長部T12とは連通していて、タンク本体T11及び延長部T12に燃料が貯留される。
タンク本体T11の上部の後部側には、凹み部91が設けられている。この凹み部91は、タンク本体T11の上部の後部側を、前部に対して下方に向けて凹ませることにより形成されている。この凹み部91にバッテリB1が配置されている。また、逆に、タンク本体T11の上部の前部は、後部に対して上方に突出している。この上方に突出した突出部位92の上面に燃料キャップ94によって開閉される燃料給油口93が設けられている。
図9〜図11に示すように、タンク本体T11は、機体2に取り付けられたタンク支持板95によって支持されている。タンク支持板95は、旋回基板56から上方に離間して設けられている。即ち、タンク本体T11は、機体2(旋回基板56)から上方に離間した状態でタンク支持板95に支持されている。タンク本体T11と旋回基板56との間のスペースには、スイングシリンダC2が挿通されている(図8参照)。また、タンク支持板95は、タンク本体T11(燃料タンクT1)の一側方(機体内方側)に配置されている。具体的には、タンク支持板95は、タンク本体T11の左側に配置されている。
図13、図14に示すように、タンク支持板95は、側板部96と、底板部97と、取付板部98と、複数の補強板(第1補強板99A,第2補強板99B)とを有する。側板部96と、底板部97と、取付板部98とは、一枚の板材を折曲することで一体に形成されている。側板部96は、前後の方向K1に長い板であって、板面が機体幅方向K2を向く縦向きに設けられている。また、側板部96は、タンク本体T11の前部から後部にわたる長さに形成されている(図11参照)。また、側板部96は、タンク本体T11の下部の機体内方側(一側方)に配置されている(図10参照)。
図13、図14に示すように、底板部97は、側板部96の下端から機体外方(タンク本体T11側)に延出されていてタンク本体T11の一側部(左側部)を受持(支持)する。
より詳細には、底板部97は、第1受け部100と、第2受け部101とを有する。第1受け部100は、側板部96の下端から延出される部位であって、側板部96の前部から後部にわたって設けられている。この第1受け部100に、タンク本体T11の一側部(左側部)の底部が載置される(図10参照)。即ち、第1受け部100は、タンク本体T11の一側部(機体内方側の側部)を前部から後部にわたって受持する。
第2受け部101は、第1受け部100の後部から機体外方側に延出されていて、第2受け部101上に、タンク本体T11の底部102の後部が載置される。即ち、第2受け部101は、タンク本体T11の後部を受持する。図12に示すように、この第2受け部101は、旋回フレーム54に設けられた載置ブラケット103A,103B(図7,図12参照)上に載置されている。なお、図7及び図12に示すように、旋回基板56上に作動油タンクT2を支持する支持台436が溶接により固定されており、この支持台436の一部に載置ブラケット103A,103Bが溶接により固定されている。図14に示すように、底板部97の後端部には、タンク支持板95を形成する板材を折り曲げることにより、下方に延出された折曲部104が設けられている。これにより、底板部97の強度アップが図られている。
なお、タンク本体T11の底部102は、弾性板(ゴム板)を介して第1受け部100及び第2受け部101に載置される。
図13、図14に示すように、取付板部98は、側板部96からタンク本体T11側とは反対側に延出されている。具体的には、取付板部98は、側板部96の上端から機体内方に向けて延出されている。この取付板部98は、側板部96の前部から後部にわたって設けられている。図11に示すように、側板部96の前部は、支持ブラケット58の上面の右側に設けられた取付ボス106(図7参照)にボルトによって固定されている。側板部96の後部は、旋回フレーム54に設けられた支持ステー107(図7参照)にボルトによって固定されている。
なお、図7に示すように、支持ステー107は、作動油タンクT2を支持する支持台436の一部に溶接により固定されている。
図14に示すように、第1補強板99Aは、側板部96と取付板部98との間の前部に設けられ、側板部96と取付板部98とに溶接されている。第2補強板99Bは、側板部96と取付板部98との間の後部に設けられ、側板部96と取付板部98とに溶接されている。
図8、図9、図10に示すように、延長部T12は、タンク本体T11から下方に延出されていて機体2に支持されている。本実施形態では、延長部T12は、弾性板108(ゴム板)を介して旋回基板56に載置されていて、該旋回基板56に支持されている。なお、延長部T12は、旋回基板56に直接当接していてもよい。また、旋回基板56に板材又はブロック材等からなる載置ブラケットを固定し、この載置ブラケット上に、直接又は弾性板を介して延長部T12を載置してもよい。
延長部T12は、タンク本体T11の機体外方側の側部から下方に延出されている。言い換えると、タンク本体T11におけるタンク支持板95が配置されている側の側部である一側部とは反対側の側部である他側部から延出されている。また、延長部T12は、タンク本体T11の前部に設けられている。さらに、延長部T12は、スイングシリンダC2の機体外方側(右側方)に位置している。延長部T12の背面側下部には、サクション管109と、このサクション管109の下方に位置するドレン管110とが設けられている(図8参照)。サクション管109は、エンジンE1へと燃料を送るために燃料タンクT1内の燃料を排出する管であり、ドレン管110は、燃料タンクT1内の燃料を抜く際に排油するための管である。
図10、図11に示すように、タンク本体T11の機体外方(一側方)にサポート板111が配置されている。サポート板111の下部は、タンク本体T11と側板部96との間に配置され、側板部96に固定されている。タンク本体T11は、弾性板を介してサポート板111に当て付けられる。このサポート板111は、側部カバー23の第1カバー28の内側に配置されている。サポート板111の前部に第1カバー28の前部がボルトによって固定されている。また、サポート板111の上部に、バッテリB1を支持するバッテリブラケット112が取り付けられている。バッテリブラケット112は、作動油タンクT2にも取り付けられている(図8参照)。
図13に示すように、サポート板111の前部には、バンド掛け板113が設けられている。このバンド掛け板113は、サポート板111を形成する板材の一部を折り曲げることにより、サポート板111に一体形成されている。したがって、サポート板111とバンド掛け板113とは一枚の板材で形成されている。バンド掛け板113は、本体板113aと、補強板113bと、延設板113cとを有する。本体板113aは、サポート板111の前端下部から機体外方に延出されている。本体板113aは、機体外方側に、長溝113dと、引掛け部113eとを有する。長溝113dは、本体板113aを貫通して形成された縦長の縁部によって形成され、引掛け部113eは、長溝113dの機体外方側に位置する部位である。また、本体板113aの上端は、機体外方に行くに従って下方に移行する傾斜状に形成されている。
補強板113bは、サポート板111の前端上部から機体外方に延出されている。補強板113bは、本体板113aよりも幅狭に形成されている。
延設板113cは、本体板113aから下方に延出されている。即ち、延設板113cは、サポート板111の下端よりも下方に延出されている。側板部96及び底板部97は、延設板113cより前方に突出している。延設板113cは、側板部96に当接する第1端部114と、底板部97に当接する第2端部115とを有する。第1端部114は、側板部96に溶接されている。第2端部115は、底板部97に溶接されている。
図8、図9に示すように、燃料タンクT1は、固定バンド116によってサポート板111に押し付けられて固定される。固定バンド116の一端には、フック部116aが設けられている。フック部116aは、バンド掛け板113の引掛け部113eに引っ掛けられている。言い換えると、バンド掛け板113に固定バンド116が掛止される。固定バンド116の他端には、固定ボルト117が設けられている。固定ボルト117は、作動油タンクT2の右側面の下部に固定されたステー118にナット119を介して固定される。
次に、作動油タンクT2の上部の周辺構造について説明する。
図8、図15、図16に示すように、作動油タンクT2の上面の高さは、バッテリB1の上面と略同じ高さ位置(バッテリB1の上面よりも僅かに高い位置)にある。この作動油タンクT2の上面には、給油口120及び給油口120を塞ぐ給油キャップ121が設けられている。給油キャップ121には、複数の工具係合部122が設けられている。複数の工具係合部122は、給油キャップ121の上面の外周部に、周方向に90°間隔をおいて4箇所に設けられている。この給油キャップ121の前方であって少なくとも1つの工具係合部122への工具の挿入を阻害しない位置(前方から見たときに工具係合部122と重畳しない位置)にディスコネクタ123(第1電装部品)が配置されている。こ
のディスコネクタ123は、例えば、異常時・緊急時・メンテナンス時等にバッテリB1の供給電流を遮断するバッテリディスコネクタスイッチである。
図16に示すように、このディスコネクタ123は、作動油タンクT2の上面に固定された第1取付ブラケット(取付ブラケット)124に固定されている。第1取付ブラケット124は、薄肉の板材によって形成されている。第1取付ブラケット124は、下壁部124aと、縦壁部124bと、取付壁部124cとを有する。下壁部124a、縦壁部124b及び取付壁部124cは、一枚の板材を折曲することで形成されている。下壁部124aは、給油キャップ121の機体内方側の側部の前方に配置されていて、作動油タンクT2の上面に溶接によって固定されている。縦壁部124bは、下壁部124aの機体内方側の端部から上方側に延出されている。また、縦壁部124bは、下壁部124aから上方に行くに従って機体内方に移行する傾斜方向に延出されている。取付壁部124cは、縦壁部124bから上方に延出されている。この取付壁部124cに、取付プレート125を介してディスコネクタ123が取り付けられる。即ち、取付プレート125は、下部が取付壁部124cにボルト及びナットによって固定されている。また、取付プレート125の上部にディスコネクタ123がボルト及びナットによって固定されている。なお、取付壁部124cにディスコネクタ123を直接ボルトで固定してもよい。
図15に示すように、給油キャップ121およびディスコネクタ123(第1電装品)よりも前方側且つバッテリB1の機体内方側には、スローブローヒューズ126(第2電装部品)及び燃料ブザー127(第2電装部品)が配置されている。スローブローヒューズ126は、瞬間的な電流では切れず、連続して大きな電流が流れたときに切れる性質を持つヒューズである。燃料ブザー127は、燃料タンクT1に燃料を給油するときに、燃料が満タンになったことを報知するブザーである。
上記の構成によれば、給油キャップ121の前方には、邪魔になる部品、部材等がないので、給油キャップ121に前方側からアクセス可能である。即ち、給油キャップ121の工具係合部122に前方側から工具を係合して、給油口120に対して給油キャップ121を、緩めたり、締め付けたりして開閉することができる。
図11、図15に示すように、スローブローヒューズ126及び燃料ブザー127は、バッテリブラケット112に取り付けられた第2取付ブラケット(取付ブラケット)128に取り付けられている。この第2取付ブラケット128は、バッテリB1の機体内方側に配置され、下端側がバッテリブラケット112の機体内方側に固定されている。
図17は、第3カバー30を開いた状態で第2カバー29を右側方から見た側面図を示している。この図17に示すように、工具係合部122が第2カバー29の上端の縁部29aよりも低い位置に位置しており、給油キャップ121及び給油口120の作動油タンクT2の上面からの高さは、給油口120に給油キャップ121に取り付けるためのネジ山を形成することのできる必要最低限の高さに抑えられている。これにより、給油口120を有する作動油タンクT2の製造コストを抑制できる。
本実施形態では、作業機1は、機体2と、燃料タンクT1と、燃料タンクT1の一側部側に配置され、且つ機体2に取り付けられたタンク支持板95とを備え、燃料タンクT1は、機体2から上方に離間した状態でタンク支持板95に支持されるタンク本体T11と、タンク本体T11における一側部とは反対側の側部である他側部から下方に延出されていて機体2に支持される延長部T12とを有する。即ち、燃料タンクT1は、機体2に対してタンク支持板95で支持されると共に延長部T12によっても支持される。これによって、燃料タンクT1を支持する支持力を十分に確保することができる。また、燃料タンクT1の支持力を十分に確保することができるので、燃料タンクT1の容量及びタンクの自重が増えた場合であっても、タンク支持板95が強度不足による変形が生じるのを防止することができる。
また、タンク支持板95は、タンク本体T11の一側部側の側方に配置された側板部96と、側板部96の下部からタンク本体T11側に延出されていてタンク本体T11の一側部を支持する底板部97と、側板部96の上部からタンク本体T11側とは反対側に延出されていて機体2に取り付けられる取付板部98とを有している。即ち、タンク支持板95の側板部96、底板部97及び取付板部98を介してタンク本体T11の一側部を支持し、タンク本体T11の他側部を延長部T12で支持することにより、燃料タンクT1を両端支持で支持でき、燃料タンクT1の支持力を十分に確保することができる。
また、底板部97は、タンク本体T11の一側部を支持する第1受け部100と、第1受け部100の後部から側板部96とは反対側に延出されていてタンク本体T11の後部を支持する第2受け部101とを有している。これにより、タンク本体T11を広い範囲で支持することができる。
また、タンク本体T11の一側部側の側方に配置されていて、下部がタンク支持板95の側板部96に固定されたサポート板111と、タンク本体T11をサポート板111に押し付けて固定する固定バンド116と、サポート板111を形成する板材を折り曲げることで形成されていて、固定バンド116の一端部が掛止されるバンド掛け板113と、を備えている。このように、サポート板111を形成する板材の一部を折り曲げることでバンド掛け板113を形成することにより、バンド掛け板113の強度を確保することができる。これにより、バンド掛け板113を溶接等によりサポート板111に取り付ける場合に比べて、バンド掛け板113の強度を向上させることができる。
また、バンド掛け板113は、サポート板111からタンク本体T11の他側部に向けて延出され、且つ下部に、サポート板111の下端よりも下方に延出された延設板113cを有し、延設板113cは、側板部96に溶接された第1端部114と、底板部97に溶接された第2端部115とを有する。即ち、板材の折り曲げで形成されたバンド掛け板113の延設板113cの第1端部114を側板部96に溶接し、且つ第2端部115を底板部97に溶接することで、タンク支持板95の強度を向上させることができる。延いては、底板部97のタンク支持力が向上する。また、バンド掛け板113の強度も向上する。タンク支持板95及びバンド掛け板113の強度アップを図ることにより、燃料タンクT1の容量アップ及び重量アップに対応させることができる。
また、工具係合部122を有する給油キャップ121が着脱可能に装着された作動油タンクT2と、作動油タンクT2の上面に固定された取付ブラケット124(第1取付ブラケット)と、取付ブラケット124に取り付けられた第1電装品(ディスコネクタ123)とを備え、取付ブラケット124は、作動油タンクT2の上面に固定される下壁部124aと、下壁部124aから上方に行くに従って機体幅方向内方に移行する傾斜方向に延出された縦壁部124bと、縦壁部124bから上方に延出されていて第1電装品が取り付けられる取付壁部124cとを有し、第1電装品および取付ブラケット124は、給油キャップ121の軸心よりも前方且つ工具係合部122よりも機体幅方向内方側に配置されている。即ち、第1電装品が工具係合部122への工具の挿入を阻害しない位置に配置されることにより、給油キャップ121に前方側からアクセスするためのアクセス経路が確保できる。従来は、第1電装品を支持する取付ブラケットを第1電装品から垂下して作動油タンクの上面に固定しているので、該取付ブラケットがハーネス等の配線の邪魔になる場合がある。これに対し、本実施形態では、下壁部124aから取付壁部124cに向けて上方に行くに従って機体幅方向内方に移行する傾斜方向に延出された縦壁部124bを取付ブラケットに設けている。これにより、第1電装品の下方側にハーネス等の配策部材(配線部材)の配策経路(配線経路)を確保することができる。
また、作動油タンクT2の前方、且つ上面の高さが工具係合部122よりも低くなる位置に配置されたバッテリB1と、バッテリB1の機体幅方向内方側に配置された第2取付ブラケット128と、を備え、第2取付ブラケット128に取り付けられ、第1電装品(ディスコネクタ123)の前方で且つバッテリB1の機体幅方向内方側に配置された第2電装品(スローブローヒューズ126、燃料ブザー127)を備えている。即ち、第2電装品をバッテリB1の機体内方側に配置することにより、給油キャップ121に前方側からアクセスするためのアクセス経路を確保することができる。
従来は、スローブローヒューズや燃料ブザーは、取付ブラケットに給油キャップの前側で組み付けられており、スローブローヒューズ及び燃料ブザーや取付ブラケットが、給油キャップに前方側からアクセスするのに、邪魔ものになっていた。そのため、従来では、給油キャップの工具係合部に工具を係合させるのに右方から行っていた。給油キャップを弛緩又は締付けるのに、右方から行うようにするには、工具係合部を第2カバーの上端の縁部よりも上方に突出させなければならない。そのため、給油キャップ及び給油口の高さを高くする必要があり、重量アップ、コスト高を招く。
本実施形態では、給油キャップ121に前方からアクセスすることができるので、給油キャップ121及び給油口120の高さを第2カバー29の高さに合わせる必要がなくなり、給油キャップ121及び給油口120の高さを最低限の高さに抑えることができる。これにより、重量及びコストの削減が行える。
また、本実施形態では、スローブローヒューズ126や燃料ブザー127を第1取付ブラケット124とは別の取付部材である第2取付ブラケット128に取り付けたので、第1取付ブラケット124の形状が単純になる。また、第1取付ブラケット124の機体幅方向K2の寸法も薄くなっている。これによって、第1ブラケットの近辺に配線(配策)されるハーネス等の配策部材の取り回しが容易になる。
次に、内気及び外気を空調装置37に選択的に取り入れる内外気切換装置136及び内外気切換装置136に外気を導入する外気導入装置137について説明する。
図18、図19に示すように、運転席6を支持するシート台31は、シート支持枠138と、シート支持枠138の前方側(一方側)を開閉自在に覆う開閉カバー139とを有する。シート支持枠138は、上板140と、上板140の下方に間隔をおいて配置された下板141と、上板140と下板141とを連結する複数の連結枠材(第1枠材142A、第2枠材142B、第3枠材142C、第4枠材142D)とを有する。シート支持枠138は、上板140と下板141との間に、空調装置37、その他の機器、部品等が配置可能なスペースを有する。即ち、シート支持枠138内に、空調装置37等が収容可能とされている。
上板140は、運転席6が取り付けられるシート取付部140aと、左側の操縦装置33Lが取り付けられる第1取付部140bと、右側の操縦装置33Rが取り付けられる第2取付部140cとを有する。シート取付部140aは、上板140の機体幅方向K2の中央部に設けられている。第1取付部140bは、上板140の左側部に設けられている。第2取付部140cは、上板140の右側部に設けられている。上板140の前面には、シート取付部140aの左側に位置する第1防振材143と、シート取付部140aの右側に位置する第2防振材144とが設けられている。
第1枠材142Aは、第1取付部140bの左端部及び後端部を支持する。第2枠材142Bは、第1取付部140bの右側の前部を支持する。第3枠材142Cは、第2取付部140cの左側の前部を支持する。第4枠材142Dは、第2取付部140cの左側及び右側の後部、第2取付部140cの前後中途部を支持する。
開閉カバー139は、板材からなり、シート支持枠138の機体幅方向K2の一端から他端にわたる横幅に形成されている。開閉カバー139の右側の上部には、シート支持枠138から送気ダクト145を挿出させる切欠き部146が形成されている。送気ダクト145は、空調装置37から送気された空調空気を案内するダクトであって、右側の操縦装置33Rの前部に設けられた送風装置147に接続されている。
また、開閉カバー139は、第1ヒンジ148Aと第2ヒンジ148Bとによって横軸回りに回転自在に枢支されている。第1ヒンジ148Aは、第2枠材142Bの下端部に設けられている。第2ヒンジ148Bは、第3枠材142Cの下端部に設けられている。したがって、開閉カバー139は、第1ヒンジ148A及び第2ヒンジ148Bによってシート支持枠に138に上下に揺動自在に連結され、上下に揺動することで開閉自在とされている。
また、開閉カバー139は、ロック部材149と、第1開口溝150と、第2開口溝151とを有する。ロック部材149は、開閉カバー139の中央部の上部に設けられている。このロック部材149は、キーによって操作される部品であって、上板140に設けられた係合溝(図示省略)に係合することにより開閉カバー139を閉めた状態でロックする。したがって、キー操作によって、ロック部材149のロックを解除すると開閉カバー139を工具なしで開くことができる。開閉カバー139は、閉めた状態で第1防振材143及び第2防振材144に押し付けられ、防振される。
第1開口溝150は、開閉カバー139を貫通して形成された矩形状で横長の溝によって形成されている。第1開口溝150は、運転席6の下方で、開閉カバー139の上下の中途部に設けられている。第2開口溝151は、開閉カバー139を貫通して形成された矩形状で縦長の溝によって形成されている。第2開口溝151は、開閉カバー139の右側の下部に設けられている。
シート支持枠138の内部であって、シート取付部140aと下板141の間の左寄りに空調装置37が設けられている。即ち、シート支持枠138は、空調装置37を収容する部材である。
図19、図20に示すように、空調装置37の右側方には、内外気切換装置136が設けられている。内外気切換装置136は、シート支持枠138内であって、シート取付部140aと下板141の間の右寄りに設けられている。シート台31の右側には、外気導入装置137が設けられている。外気導入装置137と内外気切換装置136とは、接続ダクト152によって接続されている。
図20に示すように、空調装置37の後部には、送風ファンが収容されたファン収容部153が設けられている。空調装置37の前部には、熱交換器が収容された装置本体部154が設けられている。ファン収容部153には、送風ファンによって右側部から空気が吸引され、吸引された空気は、装置本体部154に送られて熱交換器によって温められる。
図20に示すように、装置本体部154の前面部には、空調空気を吹き出す第1吹出し部155が設けられている。この第1吹出し部155は、開閉カバー139を閉めた状態で、第1開口溝150に対応している(図18参照)。したがって、第1吹出し部155から吹き出される空調空気は、第1開口溝150を通してキャビン5の室内に吹き出される。また、装置本体部154の右側面の上部には、第2吹出し部156が設けられている。この第2吹出し部156に、図18に示す送気ダクト145が接続される。
図21〜図24に示すように、内外気切換装置136は、切換ボックス157と、操作軸158と、切換部材159と、操作部材160と、切換バネ161とを有する。切換ボックス157は、ボックス本体162と、カバー板163とを有する。
図23に示すように、ボックス本体162は、底部162aを有する。この底部162aは、本実施形態では、下板141の一部によって構成されている。また、ボックス本体162は、第1縦板(第1板)164と、第1縦板164に対向する第2縦板(第2板)165とを有する。第1縦板164及び第2縦板165は、下板141に立設されている。ボックス本体162は、第1縦板164の上端部(一端部)164aと第2縦板165の上端部(一端部)165aとの間(一端部間)が開口した上端開口(一端開口)166を有する。第1縦板164と第2縦板165とは(ボックス本体162は)、前部領域が前後の方向K1に沿って形成され、後部領域が後方に向かうに従って機体内方(空調装置37側)に移行する傾斜方向に沿って形成されている。また、第1縦板164と第2縦板165とは、前部領域が機体幅方向K2に略一定の間隔を隔てて対向し、後部領域が空調装置37側に向かうに従って互いの間隔が広くなるように対向している。
図21、図23に示すように、第1縦板164の上部(上端部164a側)には、第1バネ掛け部167が設けられている。この第1バネ掛け部167は、第1縦板164の前部領域における後部領域側に設けられている。この第1バネ掛け部167には、切換バネ161の一端(後端)が引っ掛けられる。切換バネ161は、コイルスプリングで構成されている。第1バネ掛け部167は、第1縦板164の上端から機体内方に向けて延出する上壁167aと、上壁167aの後端から下方に向けて延出する後壁167bとを有する。上壁167aの前部の左側には、切換バネ161の一端を挿通するバネ掛け穴167cが形成されている。バネ掛け穴167cは、上壁167aを貫通して形成された環状の縁部によって構成されている。切換バネ161の他端(前端)は、操作部材160に形成された第2バネ掛け部185に引っ掛けられる。
図23、図25に示すように、第1縦板164の上部(一端部側)には、支持溝168が形成されている。この支持溝168は、第1縦板164の上端(一端部)側が開口しており、第1縦板164の上端(一端部)から下方側に向けて形成されている。また、支持溝168は、第1バネ掛け部167の前方に設けられている。この支持溝168には、操作軸158の一端側(左端側)が上方(第1縦板164の上端側の開口部)から挿入される。支持溝168の溝底168aは円弧状に形成され、この溝底168aに操作軸158の一端側が支持(枢支)される。したがって、支持溝168の溝底168aは、操作軸158の一端側を枢支する枢支部である。支持溝168は、溝底168aから溝開口縁168bに行くに従って(上方に行くに従って)第1バネ掛け部167から離れる方向に移行する傾斜状の長溝である。また、支持溝168の上側の溝縁部168cは、操作軸158に作用する付勢力を受ける部位である受け面である。この溝縁部168cは、溝底168aから溝開口縁168bに行くに従って(上方に行くに従って)第1バネ掛け部167から離れる方向に移行する傾斜状に形成されている。
図23、図24に示すように、第2縦板165の前部には、切換ボックス157内に外気を導入する外気取入口169が設けられている。この外気取入口169は筒体によって形成され、一端側が第2縦板165を貫通してボックス本体162内に挿入されている。この外気取入口169に、図20に示す接続ダクト152の機体内方側(一端側)が接続される。第2縦板165の前部領域には、操作軸158の他端側(右端側)を挿通して支持する軸支部170を有する。軸支部170は、第2縦板165を貫通して形成された環状の縁部によって構成されている。この軸支部170は、支持溝168の溝底168a(枢支部)と機体幅方向K2で対応して形成されている。言い換えると、軸支部170と支持溝168の溝底168aとは、同軸心状に形成されている。操作軸158の一端側を支持溝168に枢支し、他端側を軸支部170に枢支することで、操作軸158は、第1縦板164と第2縦板165の上部間(一端部間)にわたって支持される。
また、第2縦板165の前部領域の上端には、上方に向けて延出された係止片171が設けられている。係止片171には、係止溝172が形成されている。係止片171は、軸支部170の後方に設けられている。
図21、図23に示すように、ボックス本体162は、第1縦板164と第2縦板165の前端部間を塞ぐ前縦板173を有する。前縦板173の上端には、後方に向けて延出された第1固定片174が設けられている。図21、図23に示すように、ボックス本体162は、第1縦板164と第2縦板165の後端部間を塞ぐ後縦板175を有する。この後縦板175は、板面が機体内方(図20に示すファン収容部153側)を向いている。この後縦板175には、ファン収容部153に連通する連通口177(後縦板175を貫通して形成された環状の縁部)が形成されている。この連通口177を介して、ボックス本体162が空調装置37に連通している。また、後縦板175の上端には、機体外方に向けて延出された第2固定片176が設けられている。
図23、図24に示すように、ボックス本体162は、前部領域に仕切り板178を有する。仕切り板178は、第1縦板164と第2縦板165との間に配置されていて、ボックス本体162内を、外気取入口169側の部屋と、連通口177側の部屋とに仕切っている。仕切り板178は、傾斜壁178aと、下部壁178bとを有する。傾斜壁178aは、第1縦板164と第2縦板165の上端間から後方に行くに従って下方に移行する傾斜方向に延伸している。下部壁178bは傾斜壁178aの下端から下方に向けて延出され、下板141(ボックス本体162の底部162a)に接続されている。傾斜壁178aの下部側には、外気取入口179が形成されている。外気取入口179は、傾斜壁178aを貫通して形成された環状の開口縁部で構成されている。ボックス本体162内に導入された外気は、外気取入口179を通過して連通口177へと流れ、空調装置37へと取り込まれる。即ち、外気取入口179は、ボックス本体162内に導入される外気を空調装置37に取り入れるための開口である。
図23に示すように、第1縦板164の上端部164a、第2縦板165の上端部165a、前縦板173の上端部173a及び後縦板175の上端部175aでボックス本体
162の上端開口166が形成されている。
図21、図22に示すように、カバー板163は、ボックス本体162の上端開口166を塞ぐ蓋部材である。カバー板163は、ボックス本体162の上端開口166を塞いだ状態で、第1固定片174及び第2固定片176にボルト固定される。また、カバー板163の中途部には、係止溝172に左方側から挿入されて係止片171に係止される係止部180が設けられている。
カバー板163には、内気をボックス本体162を通して空調装置37に取り入れるための内気取入口181が形成されている。内気取入口181は、複数の長溝(開口縁部)181aによって構成されている。長溝181aは、カバー板163を貫通して形成された長穴状の縁部によって構成され、機体幅方向K2に長い矩形状に形成されている。内気取入口181は、本実施形態では、6つの長溝181aを前後の方向に並設することによって構成されている。なお、内気取入口181は、複数の長溝181aで構成されることに限定されることはない。即ち、単一の開口縁部で構成されていてもよい。
また、内気取入口181は、カバー板163の中途部(前部領域の後部側)に位置している。また、内気取入口181は、カバー板163を閉めた状態で、仕切り板178の後方に位置する。したがって、内気取入口181は、内気をボックス本体162内の仕切り板178の後方側に取り入れる。ボックス本体162内に取り入れられた内気は連通口177を介して空調装置37に取り入れられる。
図22に示すように、カバー板163は、機体内方側(左側)に、抜止め部182を有する。この抜止め部182は、操作軸158を抜止めする部材、すなわち、操作軸158の軸方向への移動を規制して操作軸158が第2縦板165の軸支部170から脱落することを防止する部材である。抜止め部182は、カバー板163を構成する板材の一部を下方に折り曲げることにより形成されている。即ち、抜止め部182は、カバー板163の左側縁部から下方に向けて延出されている。また、抜止め部182は、内気取入口181の前方側に位置する。また、抜止め部182は、カバー板163を閉めた状態で、第1バネ掛け部167の前方に位置する。抜止め部182には、操作軸158の一端側を逃がすための逃がし穴183が形成されている。この逃がし穴183は、抜止め部182を貫通して形成された環状の縁部によって構成されている。
なお、本実施形態では、ボックス本体162は上端開口166を有し、カバー板163は上端開口166を閉鎖する部材であるが、これに限定されることはない。例えば、カバー板163によって閉鎖されるボックス本体162の開口(一端開口)は、前方又は後方或いは下方に向けて開口していてもよく、また、左方又は右方に向けて開口していてもよい。
図23に示すように、操作部材160はレバー部材で構成され、当該操作部材160の一端部(基部160a)に、操作軸158の一端側が固定されている。したがって、操作部材160は、操作軸158を軸心回りに回転操作可能である。操作軸158の一端側は操作部材160を貫通して左方に突出している。操作部材160の他端部(先端部)には、グリップ184が設けられている。操作部材160の上部の中途部には、切換バネ161の他端(前端)が引っ掛けられる第2バネ掛け部185が一体形成されている。この第2バネ掛け部185には、切換バネ161の他端を引っ掛けるためのU字溝185aが形成されている(図22参照)。
図23に示すように、切換部材159は、操作軸158に固定されている。切換部材159は、内気取入口181及び外気取入口179を選択的に閉鎖する部材である。切換部材159は、プレート部材159aと、第1当接部材159bと、第2当接部材159cとを有する。プレート部材159aは、切換部材159の芯体を構成し、矩形状の板材によって構成されている。プレート部材159aの板面方向の一端が操作軸158に軸心方向に沿って固定されている。第1当接部材159b及び第2当接部材159cは、ゴム板等の弾性板材によって形成されている。第1当接部材159bは、プレート部材159aの一方面側(上側)の板面に重ね合わされて固定されている。第2当接部材159cは、プレート部材159aの他方面側(下側)の板面に重ね合わされて固定されている。
操作軸158は、操作部材160及び切換部材159を固定した状態でボックス本体162に枢支される。操作軸158、操作部材160及び切換部材159をボックス本体162に取り付けるには、先ず、切換部材159を、ボックス本体162内の仕切り板178の後方側に配置する。次に、ボックス本体162の内側から操作軸158の他端側を軸支部170に挿通する。その後、操作軸158の一端側を支持溝168に上方から挿入する。このとき、操作部材160は、ボックス本体162の外面側(第1縦板164の外面側)に位置させる。これにより、操作軸158、操作部材160及び切換部材159がボックス本体162に簡単に取り付けられる。操作軸158、操作部材160及び切換部材159がボックス本体162に取り付けられた状態で、切換部材159は、内気取入口181と外気取入口179との間に位置している。
カバー板163は、操作軸158、操作部材160及び切換部材159をボックス本体162に取り付けた状態でボックス本体162に組み付けられる。カバー板163を組み付けるときにおいて、抜止め部182は、操作部材160の基部160aに対して第1縦板164とは反対側の側方(左側方)に位置させる(図22参照)。すなわち、抜止め部182は操作部材160の基部160aを介して第1縦板164と対向するように配置される。これにより、抜止め部182によって操作部材160および操作軸158の軸方向への移動が規制され、操作軸158が抜止めされる。その後、切換バネ161を、第1バネ掛け部167と第2バネ掛け部185とに引っ掛ける。
図24に示すように、切換部材159は、操作軸158を軸心回りに回転させることにより、仮想線で示す第1切換位置186と、実線で示す第2切換位置187とに切り換えられる。第1切換位置186は、内気取入口181を閉鎖する位置である。即ち、第1切換位置186では、内気取入口181を塞ぐように切換部材159(第1当接部材159b)がカバー板163の下面に当接する。これによって、外気取入口169からボックス本体162内に導入された外気が外気取入口179を通過して空調装置37へと取り入れられる。即ち、第1切換位置186は、空調装置37に外気を取り入れる位置である。
第2切換位置は、外気取入口179を閉鎖する位置である。即ち、第2切換位置187では、外気取入口179を塞ぐように切換部材159(第2当接部材159c)が仕切り板178の上面に当接する。これによって、内気が内気取入口181を通過して空調装置37へと取り入れられる。即ち、第2切換位置187は、空調装置37に内気を取り入れる位置である。
図24に示すように、切換部材159が第1切換位置186に位置する状態では、仮想線で示すように、操作部材160は、押し下げられている。この状態において、切換バネ161の軸線は操作軸158の軸心の下方に位置している。したがって、切換バネ161の付勢力は、操作部材160を引き下げる方向(切換部材159を第1切換位置186に保持する方向)に作用する。この付勢力によって、切換部材159は第1切換位置186に保持される。
また、切換部材159が第2切換位置187に位置する状態では、実線で示すように、操作部材160は、引き上げられている。この状態において、切換バネ161の軸線は操作軸158の軸心の上方に位置している。したがって、切換バネ161の付勢力は、操作部材160を引き上げる方向(切換部材159を第2切換位置187に保持する方向)に作用する。この付勢力によって、切換部材159は第2切換位置187に保持される。
以上のように、切換バネ161は、操作軸158を操作することにより、切換部材159を第1切換位置186側に付勢する状態と、切換部材159を第2切換位置187側に付勢する状態とに付勢力が切り換えられる。すなわち、操作部材160を操作することにより、切換バネ161の軸線が操作軸158の軸心よりも下方の位置になると、切換バネ161の付勢力は操作部材160を引き下げる方向(切換部材159を第1切換位置186側に付勢する方向)に作用する。また、操作部材160を操作することにより、切換バネ161の軸線が操作軸158の軸心よりも上方の位置になると、切換バネ161の付勢力は操作部材160を引き上げる方向(切換部材159を第2切換位置186側に付勢する方向)に作用する。
次に、外気導入装置137について説明する。
図19、図20、図26に示すように、外気導入装置137は、フィルタ188と、フィルタ188が着脱可能に挿入されるフィルタ挿入部189と、外気が導入される外気導入ダクト190とを有する。
フィルタ188は、外気の塵埃を除去するフィルタ188である。このフィルタ188で塵埃が除去された外気が内外気切換装置136に送られる。したがって、フィルタ188は、ボックス本体162内に取り入れられる前の外気の塵埃を除去するフィルタ188である。フィルタ188は、直方体に形成され、弾性変形可能である。
図19、図20に示すように、フィルタ挿入部189は、シート支持枠138内の右端側に配置されている。図26に示すように、フィルタ挿入部189は、側壁189aと、側壁189aの上端から機体外方に延出された上壁189bと、側壁189aの下端から機体外方に延出された下壁189cと、側壁189aの後端から下方に延出された後壁189dとを有する。上壁189bと下壁189cの前端部間は、前方に向けて開放状とされている。この上壁189bと下壁189cの前端部間の開放部は、前方から開閉カバー139で覆われる。この開放部からフィルタ188をフィルタ挿入部189内に挿入可能である。したがって、フィルタ188は、シート支持枠138内に設けられたシート挿入部189にシート支持枠138の前方側(一方側)から取出し可能に装着される。
図27Bに示すように、フィルタ挿入部189にフィルタ188を奥まで挿入した状態で、フィルタ188の前端側は、フィルタ挿入部189から開閉カバー139側(前方)に向けて突出している。そして、開閉カバー139は、閉めた状態でフィルタ188をフィルタ挿入部189に挿入する方向に押圧する。
図26に示すように、上壁189bには、前方から後方に向けて凹設された円弧状の切欠き189eが形成されている。この切欠き189eによって、フィルタ188をフィルタ挿入部189から取り出す際に、フィルタ188に指等を掛けやすいという効果を奏する。側壁189aの下部には、フィルタ挿入部189の内部に連通する筒状の接続部191が設けられている。図27A、図27Bに示すように、接続部191には、接続ダクト152の機体外方側(他端側)が接続されている。
図18に示すように、外気導入ダクト190は、フィルタ188(フィルタ挿入部189)とキャビン5の第2側面部39との間に配置されている。
図26に示すように、外気導入ダクト190は、ダクト本体192と、ダクト蓋193とを有する。ダクト本体192は、第1側壁192aと、第1側壁192aの前端から機体外方に延出する前壁192bと、前壁192bの機体外方側の端部(右端部)から前方に延出する取付壁192cと、第1側壁192aの後端から機体外方に延出する後壁192dとを有する。第1側壁192aに、フィルタ挿入部189の上壁189bの右端と下壁189cの右端とが接合されている。第1側壁192aの下部に、外気導入ダクト190内部とフィルタ挿入部189の内部とを連通する連通部194が形成されている。連通部194は、第1側壁192aを貫通する環状の縁部で形成されている。取付壁192cは、ボルト192e,192fによって第2側面部39の下部に取り付けられる(図27B参照)。
図26、図27A、図27Bに示すように、ダクト蓋193は、第1側壁192aと機体幅方向K2で対向する第2側壁193aと、第2側壁193aの上端から機体内方に延出された上壁193bと、第2側壁193aの下端から機体内方に延出された下壁193cとを有する。上壁193bは、前壁192bと後壁192dの上端部間を覆う。下壁193cは、前壁192bと後壁192dの上端部間を覆う。第2側壁193aの上部には、第2側面部39に形成された外気導入口46に連通する連通口195が設けられている。連通口195は、第2側壁193aを貫通して形成された前後に長い複数の長溝195aによって構成されている。第2側壁193aには、各長溝195aの上縁から機体外方に向けて下方に移行する傾斜方向に延びる複数の庇196が設けられている。
以上の外気導入装置137では、外気導入口46及び連通口195を通って外気が外気導入ダクト190内に流入する。この外気導入ダクト190内に流入した外気は、連通部194を介してフィルタ挿入部189に流入する。このフィルタ挿入部189に流入する外気は、フィルタ188を通り且つ接続部191及び接続ダクト152を通って切換ボックス157内に導入される。
本実施形態では、作業機1は、キャビン5と、キャビン5内の空調を行う空調装置37と、第1板(第1縦板)164と、第1板164に対向する第2板(第2縦板)165とを有すると共に、第1板164の一端部(上端部164a)と第2板165の一端部(上端部165a)との間が開口した一端開口(上端開口166)を有し、且つ空調装置37に連通するボックス本体162と、ボックス本体162の一端開口(上端開口166)を閉鎖するカバー板163と、第1板164と第2板165とに回転可能に支持された操作軸158と、ボックス本体162内に配置されると共に操作軸158に固定され、且つ操作軸158を回転させることで空調装置37にキャビン5の室外の空気を取り入れる第1切換位置186と空調装置37にキャビン5の室内の空気を取り入れる第2切換位置187とに切り換えられる切換部材159と、操作軸158の一端側に固定されていて操作軸158を回転操作する操作部材160と、を備え、カバー板163は、操作部材160の少なくとも一部を介して対向し、操作部材160および操作軸158の軸方向への移動を規制して操作軸158を抜止めする抜止め部182を有する。
上記の構成によれば、カバー板163が、操作軸158を抜止めする抜止め部182を有するので、上述した従来技術のように操作軸を枢支するためのブラケットや操作軸を抜止めするための抜止め部材を別途備える必要がないため、部品点数を削減できる。また、カバー板163をボックス本体162に取り付けることにより、操作軸158の抜止めをすることができるので、上述した従来技術のように操作軸を枢支するためのブラケットや操作軸を抜止めするための抜止め部材を取り付ける作業を行う必要がないため、製造工程を簡略化できる。これにより、内外気切換機構を備えた作業機の製造コストを低減できる。
また、抜止め部182は、カバー板163を形成する板材の一部を折り曲げることにより形成されている。これにより、抜止め部182を簡単に形成することができる。
また、第1板(第1縦板)164は、該第1板164の一端部(上端部164a)側に開口していて操作軸158の一端側を枢支する支持溝168を有し、第2板(第2縦板)165は、該第2板165を貫通して形成されていて操作軸158の他端側を枢支する軸支部170を有する。
上記の構成によれば、操作軸158に切換部材159を固定した状態で、操作軸158の他端側を軸支部170に挿通させると共に、操作軸158の一端側を支持溝168に挿入することにより、操作軸158及び切換部材159を取り付けることができる。これにより、操作軸158及び切換部材159の取付作業を容易に行える。
また、第1板(第1縦板)164の一端部(上端部164a)に設けられた第1バネ掛け部167と、操作部材160に設けられた第2バネ掛け部185と、第1バネ掛け部167と第2バネ掛け部185とに掛けられた切換バネ161と、を備え、支持溝168は、第1バネ掛け部167と第2バネ掛け部185の間に位置し、溝底168aから溝開口縁168bに向かうに従って第1バネ掛け部167から離れる方向に移行する傾斜状に形成されていて操作軸158が当接する受け面(溝縁部168c)を有しており、操作部材160を操作することにより、切換部材159が切換バネ161によって第1切換位置186側に付勢される状態と、切換部材159が切換バネ161によって第2切換位置187側に付勢される状態とに切り換わる。これにより、切換バネ161の付勢力F1(図25参照)を、操作部材160の操作角度にかかわらず受け面(溝縁部168c)と交差する方向(直角又は直角に近い角度)に作用させることができるので、操作軸158が支持溝168から抜けることを防止できる。
また、切換部材159を第1切換位置186に配置した状態では切換バネ161の付勢力が切換部材159を第1切換位置186に保持する方向に作用し、切換部材159を第2切換位置187側に配置した状態では切換バネ161の付勢力が切換部材159を第2切位置187に保持する方向に作用する。これにより、操作軸158が振動等の外力により意図に反して支持溝168から抜けることを防止できる。
また、第1板(第1縦板)164と第2板(第2縦板)165の間に配置されていて、ボックス本体162内に導入されたキャビン5の室外の空気を空調装置37に取り入れるための外気取入口169が形成された仕切り板178を備え、カバー板163は、キャビン5の室内の空気をボックス本体162内を通して空調装置37に取り入れるための内気取入口181を有し、切換部材159は、第1切換位置186では外気取入口169を開放して内気取入口181を閉塞し、第2切換位置187では内気取入口181を開放して外気取入口169を閉塞する。これにより、第1切換位置186と第2切換位置187とに適切に切り換えることができる。
また、キャビン5が搭載された機体2と、キャビン5内に配置された運転席6と、機体2上に設けられていて運転席6を支持し、且つ空調装置37を収容するシート支持枠138と、シート支持枠138の一方側を開閉自在に覆う開閉カバー139と、ボックス本体162内に取り入れられる前のキャビン5室外の空気の塵埃を除去するフィルタ188と、シート支持枠138内に設けられており、フィルタ188がシート支持枠138の一方側から着脱可能に装着されるフィルタ挿入部189と、を備え、開閉カバー139を開いた状態のときにフィルタ188の一部がフィルタ挿入部189から突出しており、開閉カバー139を閉じた状態のときに当該開閉カバー139がフィルタ188に当接してフィルタ188をフィルタ挿入部189に挿入する方向に押圧する。これにより、フィルタ188を取り出すための取出し口を塞ぐカバーを開閉カバー139で兼用することができ、部材を低減することができると共に、組み立て工数も低減することができる。
また、フィルタ188を、機体2の振動等による開閉カバー139の振動を抑制する防振材として機能させることができるので、開閉カバー139の一端側の防振を行うための防振材を省略することができる。したがって、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
次に、走行フレーム9について説明する。
図28に示すように、走行フレーム9は、センターフレーム203と、センターフレーム203の左側に設けられた第1サイドフレーム204Lと、センターフレーム203の右側に設けられた第2サイドフレーム204Rとを有する。センターフレーム203に旋回ベアリング8を介して機体2が回転自在に支持される。第1サイドフレーム204Lと第2サイドフレーム204Rとに、図1に示す走行機構10が装備される。
旋回ベアリング8は、外輪205と、外輪205の内周側に旋回軸心回りに回転自在に設けられた内輪206と、内輪206の内周側に形成された内周ギヤ部207とを有する。図31に示すように、外輪205は、旋回基板56にボルト固定される。即ち、外輪205は機体2に取り付けられる。内輪206はセンターフレーム203にボルト固定される。
図28に示すように、旋回モータM2には、ピニオン208が取り付けられている。このピニオン208は、旋回モータM2によって駆動されて軸心回りに回転する。ピニオン208は、内周ギヤ部207に噛合する。したがって、旋回モータM2によってピニオン208が駆動されると、ピニオン208が内周ギヤ部207に噛み合いながら旋回ベアリング8の周方向に移動する。これによって、機体2が旋回軸心X1回りに回転する。旋回ベアリング8の中心側、即ち、旋回軸心X1の位置にスイベルジョイント209が配置されている。スイベルジョイント209は、走行装置3側の油圧アクチュエータと、機体2側のコントロールバルブV1との間で作動油の給排を可能とする回り継ぎ手である。
図31に示すように、スイベルジョイント209は、アウタスリーブ210と、インナシャフト211とを有する。インナシャフト211は、アウタスリーブ210に縦軸回りに回転自在に挿入されている。インナシャフト211の回転軸心と旋回軸心X1が一致している。アウタスリーブ210は、上部に、第1固定部212と、第2固定部213とを有する。第1固定部212は、水平方向の一方(前方)に突出する。第2固定部213は、一方とは反対方向の水平方向である他方(後方)に突出する。インナシャフト211には、旋回基板56に係合して旋回基板56と一体回転する係合板214が固定されている。
図28、図29、図31に示すように、センターフレーム203は、中央フレーム部215と、中央フレーム部215から延びる4つの支持脚216A〜216Dとを有する。中央フレーム部215は、天板217と、底板218と、前板219と、後板220と、左の側板221Lと、右の側板221Rとを有する。天板217は、底板218の上方に位置する。言い換えれば、底板218は、天板217の下方に間隔をおいて設けられている。底板218は、該底板218を貫通する縁部で形成された開口222を有する。この開口222は、蓋板223によって塞がれている。この開口222を介してスイベルジョイント209がセンターフレーム203内(天板217と底板218との間)に挿入可能である。前板219は、天板217と底板218の前端部間に配置されて天板217と底板218とを連結している。後板220は、天板217と底板218の後端部間に配置されて天板217と底板218とを連結している。左の側板221Lは、天板217と底板218の左端部間に配置されて天板217と底板218とを連結している。右の側板221Rは、天板217と底板218の右端部間に配置されて天板217と底板218とを連結している。
支持脚216A,216Bは、中央フレーム部215と第1サイドフレーム204Lとを連結している。支持脚216C,216Dは、中央フレーム部215と第2サイドフレーム204Rとを連結している。
図28に示すように、天板217の上面に旋回ベアリング8の内輪206が取り付けられる。したがって、天板217の上方に機体2が配置される。
図29、図30Aに示すように、天板217の上面には、内輪206が取り付けられる内輪取付部224が設けられている。内輪取付部224には、内輪206を固定するボルトを挿通するための複数のボルト挿通孔225が周方向に間隔をおいて形成されている。このボルト挿通孔225は、天板217を貫通して形成された環状の縁部によって構成されている。
また、天板217は、第1固定部212を支持する第1ジョイント支持部226と、第2固定部213を支持する第2ジョイント支持部227とを有する。第1ジョイント支持部226は、内輪取付部224からスイベルジョイント209に向けて突出している。本実施形態では、第1ジョイント支持部226は、内輪取付部224の内周縁228の前部から後方で且つスイベルジョイント209に向けて延出している。第2ジョイント支持部227は、第1ジョイント支持部226とは反対側に設けられていて内輪取付部224からスイベルジョイント209に向けて突出している。本実施形態では、第2ジョイント支持部227は、内輪取付部224の内周縁228の後部から前方で且つスイベルジョイント209に向けて延出している。また、第1ジョイント支持部226の突出側の端部である先端部(後端部)226aと、第2ジョイント支持部227の突出方向の端部である先端部(前端部)227aとの間には、間隔が設けられている。この先端部226aと先端部227aとの間に、スイベルジョイント209が配置されている。
図30A、図30Bに示すように、第1ジョイント支持部226は、第1基部229と、第1取付部230とを有する。第1基部229は、内輪取付部224から延出された部位であって、第1ジョイント支持部226の突出方向の中途部に至る部位である。第1取付部230は、第1基部229から第1ジョイント支持部226の先端部226aに至る部位である。第1取付部230に、第1固定部212が載置されてボルト231によって取り付けられている(図31参照)。ボルト231は、第1取付部230の下方から第1取付部230を挿通して第1固定部212に螺着されている。
第1基部229は、第1取付部230から内輪取付部224に向かう方向に漸次幅広に形成されていて、平面視略扇形を呈している。第1基部229は、幅方向一側(左側)の縁部である第1端縁229aと、第1端縁229aの反対側の縁部である幅方向他側(右側)の第2端縁229bとを有する。
第1端縁229aは、凹状に湾曲した湾曲縁である。この第1端縁229aは、内輪取付部224の内周縁228の一部である第1内周縁228aに連続している。第1内周縁
228aは、内周縁228の機体幅方向K2の一方(左側)の部位である。また、第1端縁229aは、第1取付部230の幅方向一側(左側)の縁部である第1側縁230aに連続している。
第2端縁229bは、凹状に湾曲した湾曲縁である。また、第2端縁229bは、内輪取付部224の内周縁228の一部である第2内周縁228bに連続している。第2内周縁228bは、内周縁228の機体幅方向K2の他方(右側)の部位である。また、第2端縁229bは、第1取付部230の幅方向他側(右側)の縁部である第2側縁230bに連続している。
図30A、図30Bに示すように、第2ジョイント支持部227は、第2基部232と、第2取付部233とを有する。第2基部232は、内輪取付部224から延出された部位であって、第2ジョイント支持部227の突出方向の中途部に至る部位である。第2取付部233は、第2基部232から第2ジョイント支持部227の先端部227aに至る部位である。第2取付部233に、第2固定部213が載置されてボルト234によって取り付けられている(図31参照)。ボルト234は、第2取付部233の下方から第2取付部233を挿通して第2固定部213に螺着されている。
第2基部232は、第2取付部233から内輪取付部224に向かう方向に漸次幅広に形成されていて、平面視略扇形を呈している。第2基部232は、幅方向一側(左側)の縁部である第3端縁232aと、第3端縁232aの反対側の縁部である幅方向他側(右側)の第4端縁232bとを有する。
第3端縁232aは、凹状に湾曲した湾曲縁である。また、第3端縁232aは、第1内周縁228aに連続している。また、第3端縁232aは、第2取付部233の幅方向一側(左側)の縁部である第3側縁233aに連続している。
第4端縁232bは、凹状に湾曲した湾曲縁である。また、第4端縁232bは、第2内周縁228bに連続している。また、第4端縁232bは、第2取付部233の幅方向他側(右側)の縁部である第4側縁233bに連続している。
図30Aに示すように、天板217は、開口を構成する第1縁部236と、開口を構成する第2縁部237と、開口を構成する第3縁部238と、開口を構成する第4縁部239とを有する。
第1縁部236は、第1内周縁228a、第1端縁229a、第1側縁230a、第3端縁232a、第3側縁233aで囲まれた開口を構成している。第2縁部237は、第2内周縁228b、第2端縁229b、第2側縁230b、第4端縁232b、第4側縁233bで囲まれた開口を構成している。第1縁部236と第2縁部237とは、第1ジョイント支持部226の先端部226aと第2ジョイント支持部227の先端部227aとの間で連通している。
以上のように、天板217は、第1縁部236と、第2縁部237と、第1縁部236、第2縁部237の連通部分とで構成された開口を有する。この開口の中心部にスイベルジョイント209が配置されている。また、該開口の中心部側に向けて第1ジョイント支持部226が突出し、該開口の中心部を挟んで第1ジョイント支持部226とは反対側の位置から該中心部側に向けて第2ジョイント支持部227が突出している。
スイベルジョイント209を走行フレーム9から取り外すには、第1ジョイント支持部226及び第2ジョイント支持部227に対するスイベルジョイント209の固定を外して、スイベルジョイント209を天板217の下方に移動させることにより行われる。スイベルジョイント209を天板217の下方に移動するには、スイベルジョイント209を左に平行移動することで第1縁部236を介してスイベルジョイント209を天板217の下方に移動させることができる。又は、スイベルジョイント209を右に平行移動することで第2縁部237を介してスイベルジョイント209を天板217の下方に移動させることができる。
また、スイベルジョイント209を天板217の下方に移動させるのに、スイベルジョイント209を旋回軸心X1回りに回転させてもよい。即ち、スイベルジョイント209を、第1固定部212が第1取付部230の上方から外れ且つ第2固定部213が第2取
付部233の上方から外れるように回転させることにより、第1縁部236及び第2縁部237を介してスイベルジョイント209を天板217の下方に移動させることができる。
スイベルジョイント209を走行フレーム9に取り付ける場合は、取り外す場合の逆の手順で行われる。
図30Bに示すように、第3縁部238は、第1基部229を上面から下面に貫通する開口(第1開口部)を構成している。第3縁部238は、第1取付部230から第1基部229に向かう方向に漸次幅広に形成されていて、平面視略扇形を呈している。第3縁部238は、第1辺部238aと、第2辺部238bと、第3辺部238cと、第4辺部238dとを有する。
第1辺部238aは、機体幅方向K2一側(左側)の縁部である。第1辺部238aは、第1端縁229aと略同じ方向に湾曲した凸状の湾曲縁に形成されている。第2辺部238bは、第1辺部238aに対向する辺部であって、機体幅方向K2他側(右側)の縁部である。第2辺部238bは、第2端縁229bと略同じ方向に湾曲した凸状の湾曲縁に形成されている。第3辺部238cは、第1辺部238aと第2辺部238bとの間で且つ旋回ベアリング8の径方向外方側に位置する辺部である。第3辺部238cは、旋回軸心X1を中心とする凹状の湾曲縁に形成されている。第4辺部238dは、第1辺部238aと第2辺部238bとの間で且つ旋回ベアリング8の径方向内方側に位置する辺部である。第4辺部238dは、機体幅方向K2に延伸する直線状に形成されている。第1辺部238aと第3辺部238cとのコーナ部238eは、凹状の湾曲縁で構成されている。第2辺部238bと第3辺部238cとのコーナ部238fは、凹状の湾曲縁で構成されている。第1辺部238aと第4辺部238dとのコーナ部238gは、凹状の湾曲縁で構成されている。第2辺部238bと第4辺部238dとのコーナ部238hは、凹状の湾曲縁で構成されている。
第1基部229に、第3縁部238が形成されることで、湾曲状の第1アーム部229cと、湾曲状の第2アーム部229dとが形成される。第1アーム部229cは、前方に行くに従って左方(機体外方)に移行する湾曲状である。第2アーム部229dは、前方に行くに従って右方(機体外方)に移行する湾曲状である。
図30Bに示すように、第4縁部239は、第2基部232を上面から下面に貫通する開口(第2開口部)を構成している。この第3縁部238は、第2取付部233から第2基部232に向かう方向に漸次幅広に形成されていて、平面視略扇形を呈している。第3縁部238は、第5辺部239aと、第6辺部239bと、第7辺部239cと、第8辺部239dとを有する。
第5辺部239aは、機体幅方向K2一側(左側)の縁部である。第5辺部239aは、第3端縁232aと略同じ方向に湾曲した凸状の湾曲縁によって形成されている。第6辺部239bは、第5辺部239aに対向する辺部であって、機体幅方向K2他側(右側)の縁部である。第6辺部239bは、第4端縁232bと略同じ方向に湾曲した凸状の湾曲縁によって形成されている。第7辺部239cは、第5辺部239aと第6辺部239bとの間で且つ旋回ベアリング8の径方向外方側に位置する辺部である。第7辺部239cは、旋回軸心X1を中心とする凹状の湾曲縁によって形成されている。第8辺部239dは、第5辺部239aと第6辺部239bとの間で且つ旋回ベアリング8の径方向内方側に位置する辺部である。第8辺部239dは、機体幅方向K2に延伸する直線状に形成されている。第5辺部239aと第7辺部239cとのコーナ部239eは、凹状の湾曲縁で構成されている。第6辺部239bと第7辺部239cとのコーナ部239fは、凹状の湾曲縁で構成されている。第5辺部239aと第8辺部239dとのコーナ部239gは、凹状の湾曲縁で構成されている。第6辺部239bと第8辺部239dとのコーナ部239hは、凹状の湾曲縁で構成されている。
第2基部232に第4縁部239が形成されることで、湾曲状の第3アーム部232cと、湾曲状の第4アーム部232dとが形成される。第3アーム部232cは、後方に行くに従って左方(機体外方)に移行する湾曲状である。第4アーム部232dは、後方に
行くに従って右方(機体外方)に移行する湾曲状である。
図30Aに示すように、第3縁部238及び第4縁部239は、ピニオン208の移動軌跡240の下方に設けられている。図30Aにおいて、符号240aは移動軌跡240の外周側を示しており、符号240bは移動軌跡240の内周側を示している。
次に、スイングブラケット14を通って配設される油圧ホース201を保持するホースガイド202について説明する。
図32、図33、図34に示すように、スイングブラケット14は、第1側壁部241と、第2側壁部242と、回転支持部243と、ブーム連結部244と、第1シリンダ連結部245と、第2シリンダ連結部246とを有する。第1側壁部241は、第2側壁部242の左方に距離をあけて設けられている。回転支持部243は、支持ブラケット58に縦軸回りに回転自在に支持される部位である。即ち、スイングブラケット14は、機体2に縦軸回りに回転自在に支持される回転支持部243を有する。
回転支持部243は、第1側壁部241及び第2側壁部242の後部側に位置している。回転支持部243は、第1ブラケット連結部247と、第1ブラケット連結部247の下方に位置する第2ブラケット連結部248とを有する。第1ブラケット連結部247は、第1側壁部241と第2側壁部242との後部の上部を連結している。第2ブラケット連結部248は、第1側壁部241と第2側壁部242との後部の下部を連結している。
第1ブラケット連結部247は、上側壁部247aと、上側壁部247aの下方に位置する下側壁部247bとを有する。上側壁部247aと下側壁部247bとにわたって第1連結ピン249が設けられている。第1ブラケット連結部247は、第1連結ピン249を介して第1支持部61Aに縦軸回りに回転自在に連結されている。
第2ブラケット連結部248は、上側壁部248aと、上側壁部248aの下方に位置する下側壁部248bとを有する。上側壁部248aと下側壁部248bとにわたって第2連結ピン250が設けられている。第2ブラケット連結部248は、第2連結ピン250を介して第2支持部61Bに縦軸回りに回転自在に連結されている。
図35に示すように、第1ブラケット連結部247の上側壁部247aの前部(回転支持部243)には、第1ホースガイド取付部251と、第2ホースガイド取付部252とが設けられている。第1ホースガイド取付部251は、スイングブラケット14の左部に位置し、第2ホースガイド取付部252は、スイングブラケット14の右部に位置する。第1ホースガイド取付部251と第2ホースガイド取付部252とは、上面が平坦面に形成されている。第1ホースガイド取付部251に、ネジ穴251aが形成されている。第2ホースガイド取付部252に、ネジ穴252aが形成されている。
図32、図33に示すように、ブーム連結部244は、第1側壁部241の上部に設けられた第1部位244aと、第2側壁部242の上部に設けられた第2部位244bとを有する。このブーム連結部244に、第1部位244aと第2部位244bとにわたって設けられた第3連結ピン253を介してブーム15の基部が枢支されている(図1参照)。第1シリンダ連結部245は、第1側壁部241の前部に設けられた第1部位245aと、第2側壁部242の前部に設けられた第2部位245bとを有する。この第1シリンダ連結部245に、第1部位245aと第2部位245bとにわたって設けられた第4連結ピン254を介してブームシリンダC3の一端側が枢支されている(図1参照)。第2シリンダ連結部246は、第2側壁部242の下部から右方に突出した第1部位246aと、第1部位246aの下方に位置していて第2側壁部242の下部から右方に突出した第2部位246bとを有する。この第2シリンダ連結部246に、第1部位246aと第2部位246bとにわたって第5連結ピン255が設けられている。この第2シリンダ連結部246には、第5連結ピン255を介してスイングシリンダC2の一端側が枢支される。
図34に示すように、機体2側(コントロールバルブV1)からスイングブラケット14を通って作業装置4側へと油圧ホース200,201が配策される。油圧ホース200,201は、第1ブラケット連結部247と第2ブラケット連結部248との間から第1側壁部241と第2側壁部242との間を通って配策される。油圧ホース200は、ブー
ムシリンダC3に対して作動油を送ったり、戻したりするためのホースである。油圧ホース201は、アームシリンダC4、バケットシリンダC5及び作業装置4に別途装着される作業具を駆動する油圧アクチュエータ(装着アクチュエータ)に対して作動油を送ったり、戻したりするためのホースである。
図32、図34に示すように、スイングブラケット14には、スイングブラケット14を通って配策される油圧ホース201を保持するホースガイド202が設けられている。
図35、図36に示すように、ホースガイド202は、ホース保持具256と、保持具ブラケット257と、締結具258とを有する。ホース保持具256は、油圧ホース201を保持する部材である。即ち、ホースガイド202は、アームシリンダC4用、バケットシリンダC5用及び装着アクチュエータ用の油圧ホース201を保持する部材である。
図34に示すように、ホース保持具256は、第1ブラケット連結部247の前方に位置する。図36に示すように、ホース保持具256は、第1ブロック部材259と、第2ブロック部材260と、押さえ部材261と、第1スリーブ262と、第2スリーブ263を有する。第1ブロック部材259及び第2ブロック部材260は、ゴム等の弾性部材によって形成されている。第1ブロック部材259には、4つのホース通し穴264A〜264Dと、2つの凹部265A,265Bが形成されている。
ホース通し穴264A〜264Dは、油圧ホース201を通すための穴であり、第1ブロック部材259を縦方向に貫通して形成された円柱状の縁部によって形成されている。第1ブロック部材259には、各ホース通し穴264A〜264Dに連通するスリット266が各ホース通し穴264A〜264Dに対応して形成されている。第1ブロック部材259を弾性変形させてスリット266を開くことにより、ホース通し穴264A〜264Dに油圧ホース201を通すことが可能とされている。
凹部265A,265Bは、油圧ホース201を通すための通し穴を構成するための部位である。凹部265A,265Bは、第1ブロック部材259の後部に、縦方向の軸心を有する半円柱状に形成されている。また、第1ブロック部材259の左部には、挿通孔267Lが形成されている。第1ブロック部材259の右部にも、挿通孔267Rが形成されている。各挿通孔267L,267Rは、第1ブロック部材259を前後に貫通して形成された円柱状の縁部によって形成されている。第1ブロック部材259の前部の中央部には、位置決め部材268が設けられている。
第2ブロック部材260は、第1ブロック部材259の後方に位置する。第2ブロック部材260には、2つの凹部269A,269Bが形成されている。凹部269A,269Bは、油圧ホース201を通すための通し穴を構成するための部位である。凹部269A,269Bは、第2ブロック部材260の前部に、縦方向の軸心を有する半円柱状に形成されている。第2ブロック部材260の前面を第1ブロック部材259の後面に重ね合わすと、凹部265Aと凹部269Aとで1本の油圧ホース201を通す通し穴が形成され、凹部265Bと凹部269Bとで他の1本の油圧ホース201を通す通し穴が形成される。第2ブロック部材260の左部には、挿通孔270Lが形成されている。第2ブロック部材260の右部にも、挿通孔270Rが形成されている。各挿通孔270L,270Rは、第2ブロック部材260を前後に貫通して形成された円柱状の縁部によって形成されている。第2ブロック部材260の前面を第1ブロック部材259の後面に重ね合わすと、挿通孔267Lと挿通孔270Lとが連通し、挿通孔267Rと挿通孔270Rとが連通する。第2ブロック部材260の後面の中央部には、位置決め部材271が設けられている(図35参照)。
押さえ部材261は、第1ブロック部材259の前面に重ね合わされて、保持具ブラケット257と共同して第1ブロック部材259及び第2ブロック部材260を押さえる部材である。押さえ部材261は、板材によって形成されている。押さえ部材261の中央部には、位置決め部材268が挿通される位置決め穴272が形成されている。位置決め穴272は、押さえ部材261を貫通して形成された環状の縁部によって構成されている。押さえ部材261の下端には、棒材273が設けられている。この棒材273は、ホースガイド202の下方に配策されるブームシリンダC3用の油圧ホース200がホース保持具256に当たった場合に、該油圧ホース200を保護するための部材であり、円柱状に形成されている。
第1スリーブ262は、前端が押さえ部材261の左部に固定されていて、押さえ部材261から後方に突出している。第1スリーブ262の内周面には、雌ネジが切られている。即ち、第1スリーブ262の内周面はネジ穴に形成されている。第1スリーブ262は、挿通孔267L及び挿通孔270Lに挿通されている。第2スリーブ263は、前端が押さえ部材261の右部に固定されていて、押さえ部材261から後方に突出している。第2スリーブ263の内周面には、雌ネジが切られている。即ち、第2スリーブ263の内周面はネジ穴に形成されている。第2スリーブ263は、挿通孔267R及び挿通孔270Rに挿通されている。
保持具ブラケット257は、板材によって形成され、保持部276aと、取付ステー部275と、連結部276bと、補強板277とを有する。保持部276aは、押さえ部材261とで(押さえ部材261と共同して)第1ブロック部材259及び第2ブロック部材260を挟んで保持する部位である。保持部276aの中央部には、位置決め部材271が挿通される位置決め穴278が形成されている。位置決め穴278は、押さえ部材261を貫通して形成された環状の縁部によって構成されている。保持部276aの左部には、第1ボルト挿通孔279Lが形成されている。保持部276aの右部には、第2ボルト挿通孔279Rが形成されている。第1ボルト挿通孔279L、第2ボルト挿通孔279Rは、保持部276aを貫通して形成された環状の縁部によって構成されている。
取付ステー部275は、回転支持部243に上方から取り付けられる部位である。即ち、保持具ブラケット257は、回転支持部243に上方から取り付けられる取付ステー部275を有する。取付ステー部275の左部は、第1ホースガイド取付部251に重ね合わされ、取付ステー部275の右部は、第2ホースガイド取付部252に重ね合わされる。取付ステー部275は、2本のボルト280A,280Bによって回転支持部243(第1ブラケット連結部247の上側壁部247a)に取り付けられる。即ち、ボルト280Aは、取付ステー部275を上方から貫通してネジ穴251aにねじ込まれる。また、ボルト280A,280Bは、取付ステー部275を上方から貫通してネジ穴252aにねじ込まれる。
連結部276bは、取付ステー部275の前部から下方に向けて延出されていて、保持部276aの上部に接続されている。補強板277は、取付ステー部275の下面から保持部276aの背面上部にわたって設けられている。
締結具258は、ホース保持具256を保持具ブラケット257に取り付ける部品であって、ボルトによって構成されている。締結具258は、第1取付ボルト281と、第2取付ボルト282とを含む。第1取付ボルト281は、ネジ軸部281aと、頭部(締め付け操作部)281bを有する。第2取付ボルト282も、ネジ軸部282aと、頭部(締め付け操作部)282bを有する。ネジ軸部281a,282aは、円柱部材の外周に雄ネジを切って形成された部位である。頭部281b,282bは、ネジ軸部281a,282aを回転させる工具を係合する部位であり、六角柱状に形成されている。第1取付ボルト281のネジ軸部281aは、第1ボルト挿通孔279Lを後方から挿通して第1スリーブ262にねじ込まれる。第2取付ボルト282のネジ軸部282aは、第2ボルト挿通孔279Rを後方から挿通して第2スリーブ263にねじ込まれる。
図34に示すように、保持具ブラケット257をスイングブラケット14に取り付け且つ締結具258を保持具ブラケット257に取り付けた状態で、第1取付ボルト281(締結具258)及び第2取付ボルト282(締結具258)の頭部281b,282bは、回転支持部243側を向く。即ち、ホースガイド202は、ホース保持具256を保持具ブラケット257に取り付ける締結具258であって、保持具ブラケット257に取り付けた状態で回転支持部243側に向く締め付け操作部281b,282bを有する締結具258を備えている。
油圧ホース201をホースガイド202に取り付けるには、ホースガイド202をスイングブラケット14から取り外した状態で、且つ油圧ホース201を油圧アクチュエータに接続しない状態で行う。以下に、油圧ホース201をホースガイド202に取り付ける手順を説明する。
先ず、スイングブラケット14を通して配策された油圧ホース201を、第1ブロック部材259のホース通し穴264A〜264Dに通すと共に、第1ブロック部材259の凹部265A,265Bと第2ブロック部材260の凹部265A,265Bとで形成される通し穴に通す。次に、第1ブロック部材259に第2ブロック部材260を重ね合わせた状態で、第1スリーブ262を挿通孔267L及び挿通孔270Lに挿通すると共に、第2スリーブ263を挿通孔267R及び挿通孔270Rに挿通し、且つ押さえ部材261を第1ブロック部材259の前面に重ね合わせる。この状態で、第1取付ボルト281を、保持部276aの後方から第1ボルト挿通孔279Lを通して第1スリーブ262にねじ込むと共に、第2取付ボルト282を、保持部276aの後方から第2ボルト挿通孔279Rを通して第2スリーブ263にねじ込む。
以上によって、油圧ホース201がホースガイド202に取り付けられる。
油圧ホース201をホースガイド202に取り付けた後に保持具ブラケット257(ホースガイド202)をスイングブラケット14に取り付ける。
本実施形態では、作業機1は、開口を有する天板217を備えた走行フレーム9と、走行フレーム9上に開口の中心部を旋回軸心として旋回可能に配置された旋回台(機体2)と、開口の中心部に配置されたスイベルジョイント209とを備え、天板217は、中心部側に突出し、スイベルジョイント209を支持する第1ジョイント支持部226と、中心部を挟んで第1ジョイント支持部226とは反対側の位置から中心部側に突出し、スイベルジョイント209を支持する第2ジョイント支持部227とを備え、第1ジョイント支持部226には、上面から下面に貫通する第1開口部が形成されており、第2ジョイント支持部227には、上面から下面に貫通する第2開口部が形成されている。
これにより、第1ジョイント支持部226及び第2ジョイント支持部227の異物の乗る面積を小さくすることができる。また、第1ジョイント支持部226及び第2ジョイント支持部227上に乗った異物を第1開口部および第2開口部から下方へ落とすことができる。したがって、第1ジョイント支持部226及び第2ジョイント支持部227上に異物が堆積することを抑制できる。
また、旋回台(機体2)に取り付けられた旋回モータM2と、旋回台(機体2)に取り付けられた外輪205と、外輪205の内周側に旋回軸心回りに回転可能に設けられ、且つ内周側に内周ギヤ部207が形成された内輪206とを有する旋回ベアリング8と、内周ギヤ部207に噛合すると共に旋回モータM2に回転駆動されることにより内周ギヤ部107に沿って移動するピニオン208とを備え、走行フレーム9は、内輪206が取り付けられる環状の内輪取付部224を有し、第1ジョイント支持部226および第2ジョイント支持部227は、内輪取付部224から中心部側に突出しており、第1開口部および第2開口部は、ピニオン208の移動軌跡の下方に設けられている。
これにより、ピニオン208の移動軌跡240に異物が堆積することを抑制し、異物との接触によるピニオン208の損傷を生じにくくすることができる。
また、スイベルジョイント209は、水平方向の一方に突出する第1固定部212と、一方とは反対方向の水平方向である他方に突出する第2固定部213とを有し、第1ジョイント支持部226は、第1固定部212が載置されて取り付けられる第1取付部230と、第1取付部230から遠ざかる方向に漸次幅広となる第1基部229とを有し、第2ジョイント支持部227は、第2固定部213が載置されて取り付けられる第2取付部233と、第2取付部233から遠ざかる方向に漸次幅広となる第2基部232とを有し、第1開口部(第3縁部238)は、第1基部229に設けられていて、第1取付部230から遠ざかる方向に漸次幅広に形成され、第2開口部(第4縁部239)は、第2基部232に設けられていて、第2取付部233から遠ざかる方向に漸次幅広に形成されている。
これにより、第1ジョイント支持部226及び第2ジョイント支持部227の剛性を確保しつつ、第1ジョイント支持部226上及び第2ジョイント支持部227上に異物が堆
積することを抑制できる。
また、旋回台(機体2)に縦軸回りに回転自在に支持される回転支持部243を有するスイングブラケット14と、スイングブラケット14を通って配設される油圧ホース201と、油圧ホース201を保持するホース保持具256と、スイングブラケット14に取り付けられた保持具ブラケット257と、ホース保持具256を保持具ブラケット257に取り付ける締結具258であって、保持具ブラケット257に取り付けた状態で回転支持部243側に向く締め付け操作部281b,282bを有する締結具258と、を備えている。
上記の構成では、保持具ブラケット257に取り付けた状態で、締結具258の締め付け操作部は回転支持部243側に向いている。これによって、締結具258を締め付けてホース保持具256を保持具ブラケット257に取り付ける作業を、油圧ホース201の上方から行うことができる。即ち、締結具258の締め付け方向を、油圧ホース201の上方から下方へ向かう方向にすることができる。これによって、油圧ホース201の取付作業(締結具258の締め付け作業)が容易に行える。
また、保持具ブラケット257は、回転支持部243に上方から取り付けられる取付ステー部275を有する。回転支持部243の上方には、取り付けの障害となる部材等がないので、取付ステー部275の取り付けが容易に行える。また、取付ステー部275は、回転支持部243に上方から取り付けることができるので、取付ステー部275の取付作業は、立った状態での上からの作業となるので、当該取付作業を楽に行える。
次に、ボンネットセンタ24の構造について説明する。
先ず、ボンネットセンタ24に載置されるキャビン5の後下部の構成を説明する。
図37に示すように、キャビン5の後下枠53は、後横架部材(横架部材)286と、第1後組付部287と、第2後組付部288と、複数のシール材(第1シール289,第2シール290,第3シール291)とを有する。後横架部材286は、押出形鋼によって異形筒体に形成され(図39A参照)、第1後支柱部79と第2後支柱部80との下端部間にわたって設けられている。図40に示すように、後横架部材286は、前部の下面を形成する前下壁286aと、後部の下面を形成する後下壁286bとを有する。前下壁286aは、後下壁286bに比べて前後幅が幅広に形成されている。また、前下壁286aは、後下壁286bよりも高い位置に形成されている。
図42、図43に示すように、第1後組付部287は、板材によって形成され、前下壁286aの左側の下面に固定されている。第1後組付部287に第1リヤマウント50が組み付けられる。前下壁286aの第1リヤマウント50が対応する部分には、第1リヤマウント50を挿通する開口292が形成されている。開口292は、後横架部材286の前下壁286aを貫通して形成された環状の縁部によって構成されている。第2後組付部288は、板材によって形成され、前下壁286aの右側の下面に固定されている。第2後組付部288に第2リヤマウント51が組み付けられる。前下壁286aの第2リヤマウント51が対応する部分には、第2リヤマウント51を挿通する開口293が形成されている。開口293は、後横架部材286の前下壁286aを貫通して形成された環状の縁部によって構成されている。なお、本実施形態では、第1リヤマウント50および第2リヤマウント51をキャビン5に組み付けているが、これに限らず、例えば、後述する梁部材67(支持部)に組み付けた第1リヤマウント50および第2リヤマウント51上にキャビン5を載置するようにしてもよい。
第1シール289は、後横架部材286の左端部の下面側と第1後支柱部79の下端部にわたって設けられている。第2シール290は、後横架部材286の右端部の下面側と第2後支柱部80の下端とにわたって設けられている。第3シール291は、第1シール289と第2シール290とにわたって設けられている。また、第3シール291は、後横架部材286の後部側で且つ第1リヤマウント50及び第2リヤマウント51の後方側に設けられている。また、第3シール291は、本実施形態では、前シール材291Aと、前シール材291Aの後面に接触する後シール材291Bとの2部材で構成され、後下壁286bに固定されている(図40参照)。
図38に示すように、ボンネットセンタ24は、前中央部294と、左側部295と、右側部296と、載置部297と、後上部298とを有する。図39A、図39B、図42に示すように、このボンネットセンタ24は、キャビン5の室内5A側の第1壁部299と、エンジンルームE2側の第2壁部300とを有し、且つこれら第1壁部299と第2壁部300との間に空気層を有する中空構造に形成されている。例えば、ボンネットセンタ24は、ブロー成形や回転成形により形成された中空構造の合成樹脂製品で形成されている。
図4に示すように、前中央部294は、運転席6に対応する位置(運転席6の後方)に位置している。左側部295は、前中央部294の左側であって、運転席6の左側方に位置している。左側部295には、キャビン5の第1側面部38の後部の下面(図6参照)がシール材38aを介して接触する。右側部296は、前中央部294の右側であって、運転席6の右側方に位置している。右側部296には、第2側面部39の後部の下面(図6参照)がシール材39aを介して接触する。図38、図39Aに示すように、前中央部294は、左側部295、右側部296及び載置部297よりも没入している。この前中央部294の本体部分294aには、点検開口301が形成されている。点検開口301は、中空構造の蓋部材294bで前側から塞がれている、蓋部材294bは、本体部分294aにボルト固定された複数の押え板303A,303B,303Cによって押さえられている。
図38、図39Aに示すように、載置部297は、前中央部294の上部から後方に延出されている。また、載置部297は、左側部295と右側部296の上部間にわたって設けられている。載置部297は、エンジンルームE2の上面側を構成する(エンジンE1の上方を覆う)部位であって、梁部材67(支持部)上に載置されて支持されている。図1に示すように、載置部297には、キャビン5の後部が載置される。即ち、後下枠53、第1後支柱部79及び第2後支柱部80が、第1シール289、第2シール290及び第3シール291を介して載置される。
図38に示すように、後上部298は、載置部297の右側方及び後方に設けられている。後上部298は、載置部297と共にエンジンルームE2の上面側を構成している。後上部298における第1壁部299は、載置部297よりも上方に高く形成されている(図39B参照)。逆に言うと、載置部297における第1壁部299は、後上部298よりも下方に向けて凹設されている。
図38に示すように、載置部297は、複数の補強部(第1補強部304,第2補強部305)と、複数の設置部(第1設置部306,第2設置部307)と、複数のネジ挿通部(第1ネジ挿通部308,第2ネジ挿通部309)とを有する。
第1補強部304と第2補強部305は、載置部297の機体幅方向K2の中央側に設けられている。また、第1補強部304と第2補強部305は、載置部297の機体幅方向K2の中央を境に左と右に振り分けて設けられている。第1補強部304は第2補強部305の左側に位置する。第1設置部306は、載置部297の左側に設けられている。第2設置部307は、載置部297の右側に設けられている。即ち、補強部(第1補強部304及び第2補強部305)は、第1設置部306と第2設置部307との間に設けられている。
第1ネジ挿通部308は、第1補強部304と第1設置部306との間に設けられている。第2ネジ挿通部309は、第2補強部305と第2設置部307との間に設けられている。言い換えると、補強部(第1補強部304及び第2補強部305)は、第1ネジ挿通部308と第2ネジ挿通部309との間に設けられている。また、第1ネジ挿通部308及び第2ネジ挿通部309は、第1設置部306と第2設置部307との間に設けられている。複数の補強部(第1補強部304,第2補強部305)、複数の設置部(第1設置部306,第2設置部307)及び複数のネジ挿通部(第1ネジ挿通部308,第2ネジ挿通部309)は、機体幅方向K2で横並びに形成されている。
図40、図41Aに示すように、第1補強部304及び第2補強部305の後方に第3シール291が位置している。この第3シール291は、載置部297における第1壁部
299上に当接している。即ち、キャビン5の後部は、載置部297における第1壁部299に当接するシール材を有する。載置部297における第2壁部300は、梁部材67(支持部)上に当接している。
図40、図41Aに示すように、第1補強部304は、第1穴縁部304aと、第2穴縁部304bと、リブ壁304cとを有する。
第1穴縁部304aは、載置部297における第1壁部299を貫通して形成された環状の縁部である。第1穴縁部304aは、平面視で機体幅方向K2に長い横長の楕円形(長円形)に形成されている。第1穴縁部304aは、第3シール291(シール材)の前方でキャビン5の室内5Aに位置している。第1穴縁部304aの上方には、後横架部材286の前下壁286aが位置している。
第2穴縁部304bは、載置部297における第2壁部300を貫通して形成された環状の縁部である。第2穴縁部304bは、第1穴縁部304aの下方(略直下)に形成されている。第2穴縁部304bは、平面視で機体幅方向K2に長い横長の楕円形(長円形)に形成されている。第2穴縁部304bは、第1穴縁部304aと略同形に形成されている。第2穴縁部304bは、梁部材67(支持部)によって塞がれている。
リブ壁304cは、機体幅方向K2に長い横長の楕円筒状(長円筒状)に形成されている。リブ壁304cの上端は、第1穴縁部304aの周縁に接続されている。リブ壁304cの下端は、第2穴縁部304bの周縁に接続されている。したがって、リブ壁304cは、第1穴縁部304aの周縁全周と、第2穴縁部304bの周縁全周とを連結している。即ち、補強部は、第1壁部299と第2壁部300とを連結することで中空構造を補強する。
図40、図41Aに示すように、第2補強部305も、第1穴縁部305aと、第2穴縁部305bと、リブ壁305cとを有する。第1穴縁部305aは、載置部297における第1壁部299を貫通して形成された環状の縁部である。第1穴縁部305aは、平面視で機体幅方向K2に長い横長の楕円形(長円形)に形成されている。第1穴縁部305aは、第3シール291(シール材)の前方でキャビン5の室内5Aに位置している。第1穴縁部305aの上方には、後横架部材286の前下壁286aが位置している。
第2穴縁部305bは、載置部297における第2壁部300を貫通して形成された環状の縁部である。第2穴縁部305bは、第1穴縁部305aの下方(略直下)に形成されている。第2穴縁部305bは、平面視で機体幅方向K2に長い横長の楕円形(長円形)に形成されている。第2穴縁部305bは、第1穴縁部305aと略同形に形成されている。第2穴縁部305bは、梁部材67(支持部)によって塞がれている。
リブ壁305cは、機体幅方向K2に長い横長の楕円筒状(長円筒状)に形成されている。リブ壁305cの上端は、第1穴縁部305aの周縁に接続されている。リブ壁305cの下端は、第2穴縁部305bの周縁に接続されている。したがって、リブ壁305cは、第1穴縁部305aの周縁全周と、第2穴縁部305bの周縁全周とを連結(接続)している。即ち、補強部は、第1壁部299と第2壁部300とを連結することで中空構造を補強する。
なお、補強部は、1つでもよいし、3つ以上設けられていてもよい。少なくとも1つ設けられていればよい。また、補強部は、平面視で、円形であっても、多角形であってもよい。また、設ける場所は、第1設置部306と第2設置部307との間であればどこでもよい。図41Bに示すように、補強部311は、載置部297における第2壁部300を凹ませると共に第1壁部299に接続(連結)することによって形成されたリブ壁311aを有するものであってもよい。また、補強部は、第1壁部299を凹ませると共に第1壁部299に接続(連結)することによって形成されたリブ壁を有するものであってもよい。
図42,図43に示すように、第1設置部306は、第1リヤマウント50が設けられる(挿通される)部位である。第1設置部306は、第3穴縁部306aと、第4穴縁部306bと、第1筒壁306cとを有する。第3穴縁部306aは、載置部297における第1壁部299を貫通して形成された円形環状の縁部である。第3穴縁部306aは、
第3シール291(シール材)の前方でキャビン5の室内5Aに位置している。第3穴縁部306aの上方には、後横架部材286の前下壁286aが位置している。第4穴縁部306bは、載置部297における第2壁部300を貫通して形成された円形環状の縁部である。第4穴縁部306bは、第3穴縁部306aの下方に位置している。第1筒壁306cは、第3穴縁部306aの周縁全周と第4穴縁部306bの周縁全周とを連結している。第1リヤマウント50は、第1設置部306を挿通して、梁部材67(支持部)に当接して載置されている。また、第1リヤマウント50は、第1ネジ穴68にねじ込まれることで梁部材67に立設されたボルト(スタッドボルト)312及び複数のナット部材313A,313Bを介して取り付けられている。
図42,図43に示すように、第2設置部307は、第2リヤマウント51が設けられる(挿通される)部位である。第2設置部307も、第3穴縁部307aと、第4穴縁部307bと、第1筒壁307cとを有する。第3穴縁部307aは、載置部297における第1壁部299を貫通して形成された円形環状の縁部である。第3穴縁部307aは、第3シール291(シール材)の前方でキャビン5の室内5Aに位置している。第3穴縁部307aの上方には、後横架部材286の前下壁286aが位置している。第4穴縁部307bは、載置部297における第2壁部300を貫通して形成された円形環状の縁部である。第4穴縁部307bは、第3穴縁部307aの下方に位置している。第1筒壁307cは、第3穴縁部307aの周縁全周と第4穴縁部307bの周縁全周とを連結している。第2リヤマウント51は、第2設置部307を挿通して、梁部材67(支持部)に当接して載置されている。また、第2リヤマウント51は、第2ネジ穴69にねじ込まれることで梁部材67に立設されたスタッドボルト314及び複数のナット部材315A,315Bを介して取り付けられている。
図42,図43に示すように、第1ネジ挿通部308は、第1取付部材316を挿通する部位である。第1取付部材316は、載置部297を梁部材67(支持部)に取り付ける部材であり、ボルトによって構成されている。第1ネジ挿通部308は、第5穴縁部308aと、第6穴縁部308bと、第2筒壁308cとを有する。第5穴縁部308aは、載置部297における第1壁部299を貫通して形成された円形環状の縁部である。第5穴縁部308aは、第3シール291(シール材)の前方でキャビン5の室内5Aに位置している。第5穴縁部308aの上方には、後横架部材286の前下壁286aが位置している。第6穴縁部308bは、載置部297における第2壁部300を貫通して形成された円形環状の縁部である。第6穴縁部308bは、第5穴縁部308aの下方に位置している。第2筒壁308cは、第5穴縁部308aの周縁全周と第6穴縁部308bの周縁全周とを連結している。
第1ネジ挿通部308内には、スリーブ317が設けられている。スリーブ317の上方には座金318が設けられている。第1取付部材316は、上方から座金318及びスリーブ317を挿通して第3ネジ穴70にねじ込まれている。
図42,図43に示すように、第2ネジ挿通部309は、第2取付部材319を挿通する部位である。第2取付部材319は、載置部297を梁部材67(支持部)に取り付ける部材であり、ボルトによって構成されている。第2ネジ挿通部309も、第5穴縁部309aと、第6穴縁部309bと、第2筒壁309cとを有する。第5穴縁部309aは、載置部297における第1壁部299を貫通して形成された円形環状の縁部である。第5穴縁部309aは、第3シール291(シール材)の前方でキャビン5の室内5Aに位置している。第5穴縁部309aの上方には、後横架部材286の前下壁286aが位置している。第6穴縁部309bは、載置部297における第2壁部300を貫通して形成された円形環状の縁部である。第6穴縁部309bは、第5穴縁部309aの下方に位置している。第2筒壁309cは、第5穴縁部309aの周縁全周と第6穴縁部309bの周縁全周とを連結している。
第2ネジ挿通部309内には、スリーブ320が設けられている。スリーブ320の上方には座金321が設けられている。第1取付部材316は、上方から座金321及びスリーブ320を挿通して第4ネジ穴71にねじ込まれている。
第2取付部材319は、第1取付部材316に対して機体幅方向K2に間隔をおいて設けられている。第1取付部材316及び第2取付部材319は、第1設置部306と第2設置部307との間に位置し、補強部304,305は、第1取付部材316と第2取付部材319との間に位置する。
次に、後部ボンネット25を支持するヒンジ構造体326について説明する。
図44〜図48に示すように、ヒンジ構造体326は、固定ヒンジ327と、ヒンジ軸328と、可動ヒンジ329と、ロックレバー330とを有する。ヒンジ構造体326は、後部ボンネット25の左側の内側に配置されている。
図44に示すように、固定ヒンジ327は、支持フレーム60(第1脚64)に固定されている。図45〜図48に示すように、固定ヒンジ327は、板材によって形成され縦壁327aと、上壁327bと、下壁327cとを有する。縦壁327aは、第1脚64の垂下部64Cの後面に重ね合わされてボルトによって固定されている。
縦壁327aの下部は、垂下部64Cから右方に突出しており、この突出部分に、レバー軸331が右方に突出状に固定されている。レバー軸331は、機体幅方向K2に延伸する軸心を有する。上壁327bは、縦壁327aの上部から後方に向けて延出されている。下壁327cは、縦壁327aの下部から後方に向けて延出されている。上壁327bの下方に下壁327cが位置する。
図45に示すように、ヒンジ軸328は、上壁327bから下壁327cにわたって、上下の方向に延伸して設けられている。ヒンジ軸328の上端には、固定板332が固定されている。固定板332は、上壁327bにボルト固定されている。
図45〜図48に示すように、可動ヒンジ329は、回転筒333と、可動片334とを有する。回転筒333は、固定ヒンジ327の上壁327bと下壁327cの後部間に設けられている。回転筒333には、ヒンジ軸328が挿通されている。回転筒333はヒンジ軸328の軸心回りに回転自在である。可動片334は、板材によって形成され、基部壁334aと、延出壁334bと、取付壁334cとを有する。基部壁334aは、板面に沿う方向であって、上下に直交する方向の一端が回転筒333に固定されている。したがって、基部壁334aは、回転筒333から径方向外方に突出状とされている。延出壁334bは、基部壁334aの突出方向の端部から該突出方向に交差する方向に延出されている。取付壁334cは、延出壁334bの延出方向の端部から基部壁334aの突出方向とは逆の方向に延出されている。図44に示すように、後部ボンネット25の左側内面に、取付ブラケット335が固定されている。取付壁334cは、延出側が取付ブラケット335に固定されている。即ち、可動ヒンジ329は、後部ボンネット25に固定されている。また、可動ヒンジ329は後部ボンネット25を開閉させるべく固定ヒンジ327に縦軸回りに回転自在に取り付けられている。
図45〜図48に示すように、可動片334(可動ヒンジ329)は、係止溝336を有する。係止溝336は、可動片334の上下の方向の中途部に形成されている。また、係止溝336は、基部壁334aと延出壁334bと取付壁334cとにわたって連続して形成されている。係止溝336は、可動片334を貫通して形成された環状の縁部によって形成されている。係止溝336は、基部壁334aに形成された部分である第1溝部336aと、延出壁334bに形成された部分である第2溝部336bと、取付壁334cに形成された部分である第3溝部336cとを有する。
図45、図47、図48に示すように、係止溝336の幅W1(上下の幅)は、溝の長さ方向にわたって同じ幅に形成されている。
図46〜図48に示すように、ロックレバー330は、後部ボンネット25が開いた状態を維持する部材である。ロックレバー330は、板面が機体幅方向K2を向き、前後に長い板材によって形成されている。ロックレバー330は、基端側の基端部330a(前部)と、先端側の先端部330b(後部)と、基端部330aと先端部330bとの間の中途部330cとを有する。基端部330aは、レバー軸331に軸心回りに回転自在に支持されている。これによって、ロックレバー330は、基端部330aが固定ヒンジ327側に枢支されてレバー軸331回りに上下に揺動可能とされている。また、ロックレバー330は、縦壁327aから後方に向けて突出されていて係止溝336を挿通している。即ち、可動ヒンジ329は、ロックレバー330が挿通される係止溝336を有する。
先端部330bには、係止部337が設けられている。この係止部337は、下方開放状の溝によって構成されていて、後部ボンネット25を開いた状態で係止溝336の下縁部(第1溝部336aの下縁部)に嵌る。これによって、後部ボンネット25を開いた状態で可動ヒンジ329の回転を規制する。即ち、ロックレバー330は、係止溝336の下縁部に嵌ることにより後部ボンネット25を開いた状態で可動ヒンジ329の回転を規制する係止部337を有する。
係止部337は、基端部330a寄りの第1溝縁部337aと、第1溝縁部337aに対向する第2溝縁部337bと、第1溝縁部337aと第2溝縁部337bの上端同士を接続する第3溝縁部337cとを有する。第2溝縁部337bは、第1溝縁部337aよりも下方に向けて長く形成されている。
図48に示すように、係止部337を係止溝336の下縁部に嵌めた状態において、係止溝336の上下方向の幅W1と、ロックレバー330の係止部337よりも基端側の部位である基端側部位338の上下方向の幅W2と、ロックレバー330の係止部337よりも先端側の部位である先端側部位339の上下方向の幅W3との関係は、幅W3>幅W1>幅W2である。即ち、係止部337よりも基端側部位338の幅W2が係止溝336の幅よりも短く且つ係止部337よりも先端側部位339の幅W3が係止溝336の幅よりも長い。
図46に示すように、ロックレバー330の中途部330cには、把持部材340が設けられている。把持部材340は、ロックレバー330の右側面から右方に突出している。なお、把持部材340を、ロックレバー330の基端部側330aに設けてもよい。
図47に示すように、後部ボンネット25を閉めた状態では、ロックレバー330の中途部330cの下面330dが係止溝336の下縁部336d(第2溝部336bの下縁部)に当接している。ロックレバー330の中途部330cの下面330dが係止溝336の下縁部336d上を摺動することによって、後部ボンネット25が開閉方向に移動可能である。また、図46に示すように、後部ボンネット25を閉めた状態では、実線で示すように、把持部材340は、取付壁334cの左方に位置している。
図46に示すように、後部ボンネット25を閉めた状態から開くと、可動ヒンジ329が実線で示す閉じ位置から仮想線で示す開き位置に移動する。図48に示すように、後部ボンネット25を開いた状態では、係止部337が係止溝336の下縁部336d(第1溝部336aの下縁部)に一致し、係止部337が係止溝336の下縁部336dに嵌る。これによって、後部ボンネット25が開いた状態で開閉方向の動きが規制される。また、後部ボンネット25を開いた状態では、可動ヒンジ329が把持部材340の後方に位置し、把持部材340を把持可能である。
開いた状態から後部ボンネット25を閉めるには、把持部材340を持ってロックレバー330を引き上げる。すると、図49に示すように、基端側部位338の下端が係止溝336の下縁部336d(第1溝部336aの下縁部)よりも上方に位置するので、可動ヒンジ329が後部ボンネット25の閉じ方向に(図46の仮想線で示す位置から実線で示す位置に)移動可能とされる。これによって、後部ボンネット25を閉めることができる。
図49に示すように、後部ボンネット25を開いた状態において、ロックレバー330を引き上げて先端部330bの上端が係止溝336の上縁部336e(第1溝部336aの上縁部)に当接すると、ロックレバー330の上方への揺動が規制される。この状態では、先端側部位339の下端が係止溝336の下縁部336dの上面よりも下方に位置する。これによって、可動ヒンジ329が後部ボンネット25の開き方向に移動するのが先端側部位339によって規制される。即ち、後部ボンネット25は、ロックレバー330で開き方向への動きが規制される位置から、さらに開き方向に移動することがない。
本実施形態では、作業機1は、機体2と、機体2に搭載されたキャビン5と、キャビン5の後部側に配置されたエンジンE1と、キャビン5の室内5AとエンジンE1を収容するエンジンルームE2とを隔てるカバー部材(ボンネットセンタ24)であって、キャビン5側に配置された第1壁部299と、エンジンE1側に配置された第2壁部300とを有する中空構造のカバー部材(ボンネットセンタ24)と、カバー部材およびカバー部材上に配置されたキャビン5の後部を支持する支持部(梁部材67)と、支持部上でキャビン5の後部の一方を支持する第1リヤマウント50と、支持部上でキャビン5の後部の他方を支持する第2リヤマウント51と、を備え、カバー部材は、第1リヤマウント50が配置される第1設置部306と、第2リヤマウント51が配置される第2設置部307と、第1設置部306と第2設置部307との間に設けられ且つ第1壁部299と第2壁部300とを連結することで中空構造を補強する少なくとも1つの補強部(第1補強部304、第2補強部305、補強部311)とを有している。
これにより、カバー部材(ボンネットセンタ25)の強度を補強し、キャビン5の重量によってカバー部材が凹むのを防止することができる。
また、補強部304,305は、第1壁部299に形成された貫通孔の縁部である第1穴縁部304a,305aと、第2壁部300に形成された貫通孔の縁部である第2穴縁部304b,305bと、第1穴縁部304a,305aと第2穴縁部304b,305bとを連結する筒状に形成されたリブ壁304c,305cとを含んでいる。これにより、カバー部材(載置部297)を強固に補強することができる。また、成形も容易である。
また、キャビン5の後部とカバー部材との間をシールするシール材(第3シール291)を有し、補強部304,305は、第1壁部299に形成された貫通孔の縁部である第1穴縁部304a,305aと、第2壁部300に形成された貫通孔の縁部である第2穴縁部304b,305bとを含み、第1穴縁部304a,305aは、シール材(第3シール291)よりもキャビン5の室内5A側に位置し、第2穴縁部304b,305bは、支持部(梁部材67)で塞がれている。第1穴縁部304a,305aは、シール材(第3シール291)の前方で且つキャビン5の室内5Aに位置するので、洗車時等において、第1穴縁部304a,305aを介して補強部内に水が浸入することを防止できる。また、第2穴縁部304b,305bは、支持部(梁部材67)で塞がれているので、エンジンルームE2側の音が補強部304,305を介してキャビン5側に伝播するのを抑えることができる。
また、補強部304,305は、機体幅方向K2に長い楕円形である。補強部304,305を、機体幅方向K2に長い楕円形に形成することにより、載置部297を効果的に補強することができる。
また、機体幅方向K2に間隔をおいて設けられた複数の補強部(第1補強部304、第2補強部305)を有している。これにより、カバー部材(載置部297)を効果的に補強することができる。
また、カバー部材を支持部(梁部材67)に取り付ける第1取付部材316と、カバー部材を支持部(梁部材67)に取り付ける取付部材であって、第1取付部材316に対して機体幅方向K2に間隔をおいて設けられる第2取付部材319と、を備え、第1取付部材316及び第2取付部材319は、第1設置部306と第2設置部307との間に位置し、補強部304,305は、第1取付部材316と第2取付部材319との間に位置する。これにより、カバー部材(載置部297)を効果的に補強することができる。
また、エンジンE1の後方を覆う後部ボンネット25と、支持フレーム60(機体2)に固定された固定ヒンジ327と、後部ボンネット25に固定され且つ後部ボンネット25を開閉させるべく固定ヒンジ327に縦軸回りに回転自在に取り付けられた可動ヒンジ329と、後部ボンネット25が開いた状態を維持するロックレバー330と、を備え、可動ヒンジ329は、ロックレバー330が挿通される係止溝336を有し、ロックレバー330は、基端部330aが固定ヒンジ327側に横軸回りに搖動可能に枢支され、係止溝336の下縁部336dに嵌ることにより後部ボンネット25を開いた状態で可動ヒンジ329の回転を規制する係止部337を有し、係止部337が係止溝336の下縁部
336dに嵌まった状態において、係止部337よりも基端側の部位である基端側部位338の上下方向の幅W2が係止溝336の上下方向の幅W1よりも短く且つ係止部337よりも先端側の部位である先端側部位339の上下方向の幅W3が係止溝336の上下方向の幅W1よりも長い。
後部ボンネット25を開いた状態において、ロックレバー330を引き上げて上端が係止溝336の上縁部に当接すると、ロックレバー330の上方への揺動が規制される。この状態では、先端側部位339の下端が係止溝336の下縁部の上面よりも下方に位置する。これによって、可動ヒンジ329が後部ボンネット25の開き方向に移動するのが先端側部位339によって規制される。即ち、後部ボンネット25は、ロックレバー330で開き方向への動きが規制される位置から、さらに開き方向に移動することがなく、後部ボンネット25が過度に開くのを防止することができる。
次に、オイルクーラO1の支持構造について説明する。
図50に示すように、支持フレーム60の第3脚66の上部に仕切部材341が設けられている。仕切部材341は、エンジンE1の配置側と、ラジエータR1及びオイルクーラO1の配置側とを仕切る仕切りの一部を構成する部材である。仕切部材341は、第3脚66に取り付けられた固定板342に固定されている。仕切部材341の下方には、冷却ファンを覆うシュラウド343が設けられている。シュラウド343の機体外方(右方)にラジエータR1が配置されている。ラジエータR1には、支持枠344が取り付けられている。
図51に示すように、支持枠344は、上枠345と、上枠345の下方に配置された下枠346と、上枠345と下枠346の一端部(前端部)同士を連結する第1縦枠347と、上枠345と下枠346の他端部(後端部)同士を連結する第2縦枠348とを有する。
図50に示すように、上枠345は、ラジエータR1の上部側に設けられている。この上枠345は、ラジエータR1の上部に沿って設けられた主枠部349を有する。図52に示すように、主枠部349は、側壁350と、上壁351とを有する。
図50に示すように、側壁350は、ラジエータR1の上部の右側部に沿って設けられている。この側壁350は、前部がボルト365AによってラジエータR1に固定され、後部がボルト365BによってラジエータR1に固定されている。即ち、上枠345に、ラジエータR1の上部が固定されている。
図52に示すように、上壁351は、側壁350の前部から機体内方(左方)に延出する第1部位351aと、側壁350の後部から機体内方(左方)に延出する第2部位351bとを有する。上壁351は、ラジエータR1の上方に位置する(図50参照)。第1部位351aの前部には、機体内方に延出する第1延出部352が設けられている。この第1延出部352の延出端部から上方に向けて第1ステー部353が延出されている。第1ステー部353は、仕切部材341に設けられたボス部388にボルト354Aによって固定されている。
第2部位351bの後部には、機体内方に延出する第2延出部355が設けられている。この第2延出部355の延出端部から上方に向けて第2ステー部356が延出されている。第2ステー部356は、仕切部材341に設けられたボス部389にボルト354Bによって固定されている。第1ステー部353及び第2ステー部356により、上枠345が、支持フレーム60に取り付けられている。
図50に示すように、下枠346は、ラジエータR1の下部側に設けられている。図51に示すように、下枠346は、第1壁346aと、第2壁346bと、第3壁346cと、第4壁346dと、第5壁346eとを有する。図50に示すように、第1壁346aは、ラジエータR1の下部の右側部に沿って設けられている。第1壁346aの前部及び後部は、ラジエータR1にボルト385A,385Bによって固定されている。これによって、下枠346は、ラジエータR1の下部に固定されている。ラジエータR1の下部は、防振部材358(ゴム)を介して旋回フレーム54に設けられた載置部材359に支持されている(図3、図7参照)。これによって、下枠346が、ラジエータR1を介して機体2側に支持されている。
第2壁346bは、第1壁346aの前端から機体内方に延出されている。第3壁346cは、第2壁346bの延出端から後方に延出されている。第4壁346dは、第1壁346aの後端から機体内方に延出されている。第5壁346eは、第4壁346dの延出端から後方に延出されている。
上枠345が、支持フレーム60に取り付けられ、下枠346が、ラジエータR1を介して機体2側に支持されることで、支持枠344が機体2側に支持されている。
図51に示すように、第1縦枠347は、上下に長い帯板状に形成され、板面が前後を向いている。第1縦枠347は、上部が、上枠345の側壁350と上壁351(第1部位351a)とに固定され、下部が、下枠346の第2壁346bに固定されている。第1縦枠347の下部には、機体外方側に突出する第1枢支部(枢支部)360が設けられている。
図53に示すように、第1枢支部360は、上方に開放するフック状に形成されていて、上方に開放した第1係合溝(係合溝)361を有する。第1係合溝361は、第1底部(底部)361aと、第1ガイド面(ガイド面)361bと、第1縦面(縦面)361cとを有する。第1底部361aは、下方に凹の湾曲形状に形成されている。この第1底部361aに、オイルクーラO1の下部に設けられた枢軸362が軸心回りに回転自在に支持される。第1ガイド面361bは、第1底部361aの端部であって、第1枢支部360の基部側の端部(機体内方側の端部)から上方に延びている。また、第1ガイド面361bは、下方に向かうに従ってラジエータR1から離れる方向に移行する傾斜状とされ且つ下部が第1底部361aに連続している傾斜面である。第1縦面361cは、第1底部361aの端部であって、第1枢支部360の基部側とは反対側の端部(機体外方側の端部)から上方(略鉛直方向)に延びる面である。
図51に示すように、第2縦枠348は、上下に長い帯板状に形成され、板面が前後を向いている。第2縦枠348は、上部が、上枠345の側壁350と上壁351(第2部位351b)とに固定され、下部が、下枠346の第4壁346dに固定されている。第2縦枠348の下部には、機体外方側に突出する第2枢支部(枢支部)363が設けられている。
図53に示すように、第2枢支部363は、上方に開放するフック状に形成されていて、上方に開放状に形成された第2係合溝(係合溝)364を有する。第2係合溝364は、第2底部(底部)364aと、第2ガイド面(ガイド面)364bと、第2縦面(縦面)364cとを有する。第2底部364aは、下方に凹の湾曲形状に形成されている。また、第2底部364aにも、枢軸362が軸心回りに回転自在に支持される。第2ガイド面364bは、第2底部364aの端部であって、第2枢支部363の基部側の端部(機体内方側の端部)から上方に延びている。また、第2ガイド面364bは、下方に向かうに従ってラジエータR1から離れる方向に移行する傾斜状とされ且つ下部が第2底部364aに連続している傾斜面である。第2縦面364cは、第2底部364aの端部であって、第2枢支部363の基部側とは反対側の端部(機体外方側の端部)から上方(略鉛直方向)に延びる面である。
枢軸362を枢支する枢支部は、第1縦枠347に設けられた第1枢支部360と、第2縦枠348に設けられた第2枢支部363とを含む。
図50に示すように、シュラウド343の上部は、第1ステー部353及び第2ステー部356にボルト固定されている。シュラウド343の下部は、第3壁346c及び第5壁346eにボルト固定されている。したがって、支持枠344は、シュラウド343を支持している。
図51、図53に示すように、オイルクーラO1の下部(下端面)には、第1下ブラケット366と、第2下ブラケット367と、第3下ブラケット368とが設けられている。第1下ブラケット366は、オイルクーラO1の前後の中央部から前部寄りに設けられている。第2下ブラケット367は、オイルクーラO1の前後の中央部から後部寄りに設けられている。第3下ブラケット368の前部は、第1下ブラケット366にボルト390Aによって固定されている。第3下ブラケット368の後部は、第2下ブラケット367にボルト390Bによって固定されている。
第3下ブラケット368には、前後の方向K1に延伸する軸心を有する枢軸362が固定されている。枢軸362は、前後の方向K1の中央部が第3下ブラケット368に固定されていて、第3下ブラケット368から前方及び後方に突出している。この枢軸362の前部は、第1枢支部360の第1係合溝361に上方から挿入される。即ち、第1係合溝361の第1底部361aに、枢軸362が軸心回りに回転自在に嵌る。また、枢軸362の後部は、第2枢支部363の第2係合溝364に上方から挿入される。即ち、第2係合溝364の第2底部364aに、枢軸362が軸心回りに回転自在に嵌る。言い換えれば、枢軸362は、オイルクーラO1(熱交換器)の下部に設けられていて第1枢支部360(第1底部361a)及び第2枢支部363(第2底部364a)に枢支される軸である。
図53に示すように、枢軸362の前部には、第1規制部材369が設けられている。第1規制部材369は、リング円板状に形成されていて、枢軸362に外嵌されて固定されている。第1規制部材369は、第1枢支部360の後面に当接することで、枢軸362(オイルクーラO1)の前方移動を規制する。枢軸362の後部には、第2規制部材370が設けられている。第1規制部材369は、リング円板状に形成されていて、枢軸362に外嵌されて固定されている。第2規制部材370は、第2枢支部363の前面に当接することで、枢軸362(オイルクーラO1)の後方移動を規制する。
以上の構成により、オイルクーラO1は、上部がラジエータR1に対して近接離反する方向に移動するように下部が支持枠344(第1枢支部360,第2枢支部363)に枢支されている。これにより、オイルクーラO1は、ラジエータR1に対向する状態である対向姿勢371(図54の仮想線参照)と、オイルクーラO1が第1枢支部360,第2枢支部363回りにラジエータR1から離れる方向に傾倒した状態である傾倒姿勢372(図54の実線参照)とに姿勢変更可能である。
図51、図52に示すように、オイルクーラO1の上部(上端面)には、第1上ブラケット373と、第2上ブラケット374とが設けられている。第1上ブラケット373は、オイルクーラO1の前部に設けられている。第1上ブラケット373には、第1取付片部373aが設けられている。第2上ブラケット374は、オイルクーラO1の後部に設けられている。第2上ブラケット374には、第2取付片部374aが設けられている。
図51および図52に示すように、第1取付片部373a及び第2取付片部374bには、板材からなる取付部材376が取り付けられている。即ち、オイルクーラO1(熱交換器)の上部に取付部材376が取り付けられている。
図52に示すように、取付部材376は、第1壁部376aと、第2壁部376bと、第3壁部376cとを有する。第1壁部376aは、板面が上を向く横向きに配置されて第1取付片部373aと第2取付片部374bとの間にわたって配置されている。第2壁部376bは、第1壁部376aの前部から上方側に延出されている。第2壁部376bの前部は、第1取付片部373aに重ね合わされて第1取付片部373aにボルト391Aによって固定されている(図50参照)。第3壁部376cは、第1壁部376aの後部から上方側に延出されている。第3壁部376cの後部は第2取付片部374bに重ね合わされて第2取付片部374bにボルト391Bによって固定されている(図50参照)。
図52に示すように、取付部材376には、取っ手376dが設けられている。取っ手376dは、第1壁部376aの機体外方側の端部の中央側から機体外方に延出された根元部376eと、根元部376eの延出端から後方に延出された把持部376fと、把持部376fを覆うグリップカバー376gを有する。第1壁部376aは、オイルクーラO1の上面の上方に位置し、把持部376fは、オイルクーラO1より機体外方側の側方にはみ出ている。
第1壁部376aの上面における機体前後方向の中央部には、固定部材377が固定されている。固定部材377は、取っ手376dの根元部376eの前方側に位置している
。固定部材377は、四角ブロック状に形成され、上部の後部側にネジ穴378が形成されている。
図51、図52に示すように、支持枠344(上枠345)に、板材からなるガイド部材379が設けられている。ガイド部材379は、基端が、上枠345の主枠部349に固定されていて、主枠部349から機体外方に突出している。即ち、ガイド部材379は、支持枠344からオイルクーラO1が傾倒する側に突出されている。このガイド部材379は、ガイド溝380を有する。ガイド溝380はガイド部材379の突出方向(機体幅方向K2)に長い長溝である。ガイド溝380は、ガイド部材379の機体幅方向K2中央から機体外方寄りに形成されている。ガイド溝380は、ガイド部材379を前後に貫通して形成された環状の縁部によって形成されている。
図55に示すように、ガイド溝380は、ガイド部材379の基端側の第1案内部381と、ガイド部材379の先端側の第2案内部382とを有する。第1案内部381は、第2案内部382よりも距離が短く形成されている。第1案内部381と第2案内部382は、連続して形成されている。第1案内部381は、ガイド部材379の突出方向の基端から突出方向に行くに従って上方に移行する傾斜方向に形成されている。第2案内部382は、第1案内部381から突出方向の先端部に行くに従って下方に移行する傾斜方向に形成されている。
図51、図52に示すように、固定部材377をガイド部材379に固定する固定具383が設けられている。固定具383は、一本のボルトによって構成されている。なお、固定具383及びガイド部材379は、複数設けられていてもよい。固定具383は、頭部383aと、ネジ軸部383bとを有している。ネジ軸部383bは、ワッシャ384を挿通している。また、ネジ軸部383bは、ガイド溝380を挿通して固定部材377のネジ穴378にねじ込まれている。即ち、固定具383は、ガイド溝380を挿通して固定部材377に螺着される。頭部383aの形状は特に限定されず、例えば、六角ボルト形状、蝶ネジ形状等であってもよい。
図55に示すように、固定具383のネジ軸部383bは、ガイド溝380内を溝長手方向に移動可能である。固定部材377及び固定具383は、ネジ軸部383bがガイド溝380の基端に位置する第1位置386(仮想線参照)と、ネジ軸部383bがガイド溝380の先端に位置する第2位置387(実線参照)とに移動可能である。固定部材377及び固定具383が第1位置386に位置している状態では、オイルクーラO1は仮想線で示す対向姿勢371とされる。固定部材377及び固定具383が第2位置387に位置している状態では、オイルクーラO1は実線で示す傾倒姿勢372とされる。以上により、ガイド溝380は、オイルクーラO1がラジエータR1に対向する状態(対向姿勢371)の位置である第1位置386と、オイルクーラO1が枢支部回りにラジエータR1から離れる方向に傾倒した状態(傾倒姿勢372)の位置である第2位置387とに固定部材377(固定具383)を案内可能である。また、第1案内部381の基端381aは、固定部材377及び固定具383を第1位置386に保持し、第2案内部382の先端部382aは、固定部材377及び固定具383を第2位置387に保持する。
なお、第1案内部381の長さ(オイルクーラO1を対向姿勢に配置したときの第1案内部381と第2案内部382との下方側の接続部から底部までの深さ)を、固定具383のネジ軸部383bの半径よりも長くしてもよい。これにより、オイルクーラO1を対向姿勢に配置したときに、ネジ軸部383bの重心位置が第1案内部381と第2案内部382との下方側の接続部よりも下方になるので、固定具383を第1位置386により確実に保持できる。
オイルクーラO1を通常使用する場合は、オイルクーラO1を対向姿勢371にして、固定具383を第1位置386にて固定部材377に締め付けてオイルクーラO1を対向姿勢371で固定する。
ラジエータR1のフィンの詰まり等の確認や、フィンの清掃などを行う場合には、固定部材377に対する固定具383の固定を解除する(緩める)。その後、取っ手376dを把持してオイルクーラO1を引き上げながらラジエータR1から離れる方向に倒す。固
定具383のネジ軸部383bが、第1案内部381と第2案内部382との境目の凸部を乗り越えると、ネジ軸部383bが下り坂の第2案内部382に案内されて、自然と第2位置387に移動する。固定具383が第2位置387に保持されることで、オイルクーラO1が傾倒姿勢372に保持される。このオイルクーラO1姿勢変更操作は、一本のボルト(固定具383)を緩めることにより、短時間で行え、ラジエータR1のメンテナンス作業の短縮化を図ることができる。
本実施形態では、作業機1は、機体2と、機体2に搭載されたラジエータR1と、ラジエータR1に対向して配置された熱交換器(オイルクーラO1)と、熱交換器(オイルクーラO1)の下部を横軸回りに回転可能に枢支する少なくとも1つの枢支部(第1枢支部360,第2枢支部363)と、熱交換器の上部を支持する支持枠344と、支持枠344に設けられ、且つガイド溝380を有するガイド部材379と、熱交換器(オイルクーラO1)の上部に設けられた固定部材377と、ガイド溝380を挿通して固定部材377に螺着される固定具383と、を備え、ガイド溝380は、熱交換器(オイルクーラO1)がラジエータR1に対向する第1位置386と、熱交換器(オイルクーラO1)の上部が枢支部回りにラジエータR1から離れる方向に傾倒した第2位置387との間で固定部材377を案内する。
この構成によると、第1位置386において、固定具383の固定部材377に対する固定を解除し、熱交換器を枢支部回りにラジエータR1から離れる方向に傾倒すると、固定部材377(及び固定具388)はガイド溝380によって第1位置386から第2位置387に案内される。また、固定部材377(及び固定具383)がガイド溝380によって第2位置387に保持されることで、熱交換器がラジエータR1から離れる方向に傾倒した状態に保持される。これによって、熱交換器を傾倒させた状態を容易に保持させることができる。
また、固定具383を1つのみ備え、1つの固定部材377の螺着状態を切り替えることでガイド溝380に沿った固定部材377の移動を拘束する状態と許容する状態とに切換可能である。
上記の構成によれば、固定具383を1つ緩めるだけで熱交換器を傾倒可能にすることができるので、熱交換器を傾倒させる作業を容易に行うことができる。
また、ガイド部材379は、支持枠344から熱交換器(オイルクーラO1)が傾倒する側に突出され、ガイド溝380は、ガイド部材379が支持枠344から突出する方向である突出方向の基端から突出方向に行くに従って上方に移行する傾斜方向に形成された第1案内部381と、第1案内部381から突出方向の先端部に行くに従って下方に移行する傾斜方向に形成された第2案内部382とを有し、第1案内部381の基端381aは、固定具383を第1位置386に保持し、第2案内部382の先端部382aは、固定具383を第2位置387に保持する。
これによると、ガイド溝380の第1案内部381は、基端から突出方向に行くに従って上方に移行する傾斜状であるので、第1位置386において、固定部材377に対する固定具383の固定を解除しても、熱交換器が不慮に倒れることがない。また、第1位置386において、固定具383の固定部材377に対する固定を解除する際に熱交換器を保持しておく必要がない。また、第2案内部382は、第1案内部381から突出方向の先端部に行くに従って下方に移行する傾斜状であるので、熱交換器が傾倒した状態からラジエータR1側に不慮に移動するのを防止できる。
また、熱交換器(オイルクーラO1)の下部に設けられていて第1枢支部360,第2枢支部363に枢支される枢軸362を備え、第1枢支部360,第2枢支部363は、上方開放状に形成されていて、枢軸362が上方から挿入される第1係合溝361,第2係合溝364を有し、第1係合溝361,第2係合溝364は、枢軸362が軸心回りに回転自在に嵌る第1底部361a,第2底部364aと、下方に行くに従ってラジエータR1から離れる方向に移行する傾斜状とされ且つ下部が第1底部361a,第2底部364aに連続する第1ガイド面361b,第2ガイド面364bとを有する。
これによると、枢軸362を上方から第1係合溝361,第2係合溝364に挿入する際に、枢軸362は第1ガイド面361b,第2ガイド面364bに案内されて第1係合溝361の第1底部361a,第2係合溝364の第2底部364aへと容易に挿入することができる。これにより、熱交換器の下部を第1枢支部360,第2枢支部363に枢支させるのが容易である。
また、機体2に立設された支持フレーム60を備え、支持枠344は、ラジエータR1の上部側に設けられていてラジエータR1の上部が固定され、且つ支持フレーム60に取り付けられる上枠345と、ラジエータR1の下部側に設けられていてラジエータR1の下部に固定された下枠346と、上枠345と下枠346の一端部同士を連結する第1縦枠347と、上枠345と下枠346の他端部同士を連結する第2縦枠348と、を有し、ガイド部材379は、上枠345に設けられ、枢支部は、第1縦枠347に設けられた第1枢支部360と、第2縦枠348に設けられた第2枢支部363とを含む。
これにより、支持枠344を強固に構成することができる。
また、熱交換器(オイルクーラO1)の上部に取り付けられ且つ固定部材377を固定する取付部材376と、取付部材376に設けられた取っ手376dと、を備えている。取っ手376dを有することにより、熱交換器の姿勢変更操作が容易に行える。また、熱交換器の上部に取り付けられた取付部材376に、固定部材377と取っ手376dとを設ける、即ち、同じ部材に固定部材377と取っ手376dとを設けることにより、構造の簡素化を図ることができる。
また、機体2と、機体2に搭載されたラジエータR1と、ラジエータR1に対向して配置された熱交換器(オイルクーラO1)と、熱交換器O1の下部を横軸回りに回転可能に枢支する少なくとも1つの枢支部(第1枢支部360,第2枢支部363)と、熱交換器O1の上部を支持する支持枠344と、熱交換器O1を支持枠344に固定する固定具383とを備えており、固定具383を1つのみ備え、固定具383は、熱交換器O1を支持枠344に固定する状態と支持枠344に対する固定を解除して熱交換器O1を傾倒可能にする状態とに切換可能である。
なお、本実施形態では、熱交換器O1に固定部材377を設け、固定具383を支持枠344に固定したガイド部材379のガイド溝380に挿通させて固定部材377に螺着することで熱交換器O1を支持枠344に固定する構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、支持枠344または熱交換器O1の一方に固定部材377を設け、他方に固定具383を挿通させる挿通部(例えば穴部、あるいはU溝等)を設け、固定具383を挿通部に挿通させて固定部材377に装着するようにしてもよい。
次に、フロアマット32について説明する。
図6及び図56に示すように、キャビン5の前下枠52は、前横架部材(横架部材)396と、第1前組付部397と、第2前組付部398とを有する。前横架部材396は、第1前支柱部77と第2前支柱部78との下端部間にわたって設けられている。第1前組付部397は、板材によって形成され、前横架部材396の左側下部に設けられている。第1前組付部397には、第1フロントマウント48が組み付けられる。第2前組付部398は、板材によって形成され、前横架部材396の右側下部に設けられている。第2前組付部398には、第2フロントマウント49が組み付けられる。
図57、図61に示すように、前横架部材396は、例えば、押出形鋼によって異形筒体に形成されている。前横架部材396は、前部壁399と、後部壁400と、上部壁401と、中間壁402と、第1下部壁403と、第2下部壁404と、延出壁405とを有する。前部壁399は、キャビン5の室外5Bに位置し、後部壁400はキャビン5の室内5Aに位置する。後部壁400は、上部の上側部位400aと、下部の下側部位400bとを有する。上側部位400aの上下の幅は、下側部位400bの上下の幅よりも幅狭に形成されている。また、後部壁400は、上側部位400aが下側部位400bよりも室内5A寄りに位置する段付き状に形成されている。したがって、後部壁400は、上側部位400aと下側部位400bとの間に段部400cを有する。上側部位400a及び下側部位400bの室内5A側は、平坦面に形成されている。
上部壁401は、前部壁399と後部壁400との上端部同士を連結している。上部壁401の中途部には、上方開放状の溝部406が設けられている。この溝部406には、フロントガラス407の下端がシール材408と共に挿入される。中間壁402は、前部壁399と後部壁400との間に設けられている。また、中間壁402は、前部壁399寄りに設けられている。第1下部壁403は、前部壁399と中間壁402の下端を連結すると共に中間壁402から後方に突出している。第2下部壁404は、第1下部壁403の上方に位置し、中間壁402の下部と後部壁400の下端とを連結している。延出壁405は、前部壁399の下端から下方に延出されている。
図57、図61に示すように、第1下部壁403と第2下部壁404との間に、第1前組付部397が挿入されて固定される。第1前組付部397は、後部壁400の下端より後方に突出している。第1フロントマウント48は、第1防振部材(ゴム)409と、第2防振部材(ゴム)410と、押え板411と、当て板412とを有する。第1防振部材409は第1前組付部397の上部側に位置し、第2防振部材410は第1前組付部397の下部側に位置する。押え板411は、第1防振部材409の上面に位置し、当て板412は第1前組付部397の下面に位置する。第1フロントマウント48は、ボルト(スタッドボルト)413、第1ナット414、第2ナット415及び第3ナット416によって、第1マウント取付部72及び第1前組付部397に組み付けられている。ボルト413は、第1フロントマウント48及び第1マウント取付部72を上下の方向で貫通している。第1ナット414は、ボルト413の下端側に螺合されている。第2ナット415及び第3ナット416は、ボルト413の上部に螺合されている。
また、第2前組付部398は、第1前組付部397と同様に、第1下部壁403と第2下部壁404との間に挿入されて固定される。また、第2フロントマウント49と同様に構成されているので説明は省略する。
図57、図61に示すように、前横架部材396の左部であって、第1フロントマウント48に対応する部位には、第1切欠き縁部(開口部)417が形成されている。第1切欠き縁部417は、前横架部材396が第1フロントマウント48に干渉しないように、前横架部材396を切り欠いて形成された開口縁部である。即ち、前横架部材396は、第1フロントマウント48(フロントマウント部材)に対応する部位を切り欠いて形成された開口部(カバー対象部)を有する。第1切欠き縁部417は、後部壁400の上側部位400a(段部400cより上方の位置)から第2下部壁404の前端にわたって連続して形成されている。第1防振部材409の前部、押え板411の前部、第2ナット415及び第3ナット416の前部が第1切欠き縁部417内に位置している。
図56に示すように、前横架部材396の右部であって、第2フロントマウント49に対応する部位には、第2切欠き縁部(開口部)418が設けられている。この第2切欠き縁部418は、前横架部材396が第2フロントマウント49に干渉しないように、前横架部材396を切り欠いて形成された開口縁部である。即ち、前横架部材396は、第2フロントマウント49(フロントマウント部材)に対応する部位を切り欠いて形成された開口部(カバー対象部)を有する。第2切欠き縁部418の構成は、第1切欠き縁部417と略同様に構成される。
図56に示すように、前下枠52の後方には、床部419が設けられている。この床部419は、複数の板材を組み合わせて形成され、図7に示す旋回フレーム54の前部に取り付けられている。図4に示すように、床部419は、機体2におけるシート台31と前下枠52の間に設けられている。図58に示すように、この床部419上にフロアマット32が敷設されている。
フロアマット32は、機体2におけるシート台31の下端と前下枠52の下端との間に設けられている。
図58、図59に示すように、フロアマット32は、マット本体420と、第1カバー部421と、第2カバー部422とを有する。マット本体420、第1カバー部421及び第2カバー部422は、ゴム等の弾性部材によって一体形成されている。フロアマット32は、成形型(金型)によって成型される。マット本体420は、床部419の略全域に敷設される部位である。第1カバー部421は、マット本体420の前部の左側に設け
られている。この第1カバー部421は、第1切欠き縁部417に対応しており、第1切欠き縁部417を室内5A側から覆う(塞ぐ)部位である。即ち、第1切欠き縁部417(切欠き縁部)は、第1カバー部421で覆われる(塞がれる)カバー対象部である。第2カバー部422は、マット本体420の前部の右側に設けられている。第2カバー部422は、第2切欠き縁部418に対応しており、第2切欠き縁部418を室内5A側から覆う(塞ぐ)部位である。即ち、第2切欠き縁部418(切欠き縁部)は、第2カバー部422で覆われる(塞がれる)カバー対象部である。
図64及び図65Aの実線は、フロアマット32が床部419上に敷設されていない状態での第1カバー部421の状態を示している。このフロアマット32が床部419上に敷設されていない状態では、第1カバー部421は、図64及び図65Aに実線で示す状態である。フロアマット32を床部419上に敷設する場合は、図65Aに仮想線で示すように、第1カバー部421及び第2カバー部422を上方に立ち上げて、フロアマット32を床部419に敷設する。
図58、図60に示すように、フロアマット32を床部419に敷設した状態では、第1カバー部421及び第2カバー部422は、前横架部材396(キャビン5の正面部40の下部)に当接して、立ち上げた状態に保持される。したがって、図59、図62、図63は、フロアマット32を床部419に敷設した状態を示している。
図59に示すように、第1カバー部421の機体外方側には、第1前載置部423Lが設けられている。第1カバー部421の機体内方側には、第2前載置部424Lが設けられている。第2カバー部422の機体外方側にも、第1前載置部423Rが設けられている。第2カバー部422の機体内方側にも、第2前載置部424Rが設けられている。
図63に示すように、第1前載置部423Lは、第1前組付部397に載置される。第2前載置部424Lは、床部419に載置される。また、第1前載置部423Rは、第2前組付部398に載置される。第2前載置部424Rは、床部419に載置される。
なお、第2カバー部422の構成は、第1カバー部421と同様であるので、以下の説明においては、第1カバー部421について説明し、第2カバー部422については、説明を省略する。
図62〜図65Bに示すように、第1カバー部421は、第1カバー壁部426と、ヒンジ部427と、第2カバー壁部428と、第3カバー壁部429と、連結壁部430と、補強リブ壁431とを有する。
図64に示すように、第1カバー壁部426は、矩形板状に形成されている。第1カバー壁部426は、マット本体420に接続される一辺部(後縁部)426aと、一辺部426aに対向する他辺部426bと、一辺部426aに沿う方向(機体幅方向K2)に間隔を隔てて対向する2つの対向辺部(第1対向辺部426c、第2対向辺部426d)とを有する。これら2つの対向辺部のうちの一方(機体外方側)を第1対向辺部426cといい、他方(機体内方側)を第2対向辺部426dという。
図65Aに示すように、一辺部426aは、ヒンジ部(接続部)427を介してマット本体420に接続されている。マット本体420には、底壁420aの前部から立ち上がる立上がり壁420bが設けられている。この立上がり壁420bの上端には、前方に延出する延出壁420cが設けられている。ヒンジ部427は、この延出壁420cと第1カバー壁部426の一辺部426aとを接続している。ヒンジ部427の上面及び第1カバー壁部426の上面は、延出壁420cの上面と面一状(同高さ)である。
図59に示すように、延出壁420cの高さは、第1前載置部423L,423R、第2前載置部424L,424R、マット本体420の底壁420aの後縁から立ち上がる後立上がり部420d、マット本体420の底壁420aの右側縁から立ち上がる側部立上がり部420eの高さと同じ高さに形成されている。したがって、フロアマット32の成型時においては、第1カバー部421及び第2カバー部422の高さは、マット本体420の高さと同じ高さである。即ち、第1カバー部421及び第2カバー部422を設けても、フロアマット32の総厚(上下の方向の全体的な寸法)は、変わらない。
図65Aに示すように、ヒンジ部427の肉厚D1は、延出壁420cの肉厚D2よりも薄く、且つ第1カバー壁部426の肉厚D3よりも薄い。即ち、ヒンジ部427の部分で弾性変形しやすい構造とされている。これによって、第1カバー部421は、意図した部分(ヒンジ部427)で曲がるようになっている。
また、図64に示すように、第1対向辺部426cは、第1前載置部423Lとは離間しており、第2対向辺部426dは、第2前載置部424Lとは離間している。したがって、第1カバー壁部426を持ち上げると、図65Aに仮想線で示すように、ヒンジ部427が弾性的に屈曲して第1カバー壁部426が上方に揺動する。即ち、ヒンジ部427は、第1カバー壁部426を上方に揺動させるべく弾性的に屈曲可能である。
図62、図63、図65A、図65Bに示すように、第2カバー壁部428は、第1対向辺部426cから下方側に延出されている。第2カバー壁部428の突出側の端部である突出端部428aの形状は、前横架部材396の後部壁400の上部の形状に略一致する形状に形成されている。第2カバー壁部428の肉厚D4は、第1カバー壁部426の肉厚D3よりも厚く形成されている(図65B参照)。
図62、図63、図65A、図65Bに示すように、第3カバー壁部429は、第2対向辺部426dから下方側に延出されている。第3カバー壁部429の突出側の端部である突出端部429aの形状も、前横架部材396の後部壁400の上部の形状に略一致する形状に形成されている。第3カバー壁部429の肉厚D5は、第1カバー壁部426の肉厚D3に対して厚く形成されている(図65B参照)。
図62、図63、図65A、図65Bに示すように、連結壁部430は、第1カバー壁部426の一辺部426aから下方側に延出されていて、第2カバー壁部428と第3カバー壁部429とを連結している。連結壁部430は、第1カバー壁部426に略直交する方向に延出されている。この連結壁部430における第2カバー壁部428と第3カバー壁部429との間の中央部には、円弧状の切欠き部432が形成されている。連結壁部430の肉厚D6は、第1カバー壁部426の肉厚D3と同じ厚さに形成されている(図65A参照)。
図62、図63、図65A、図65Bに示すように、補強リブ壁431は、第2カバー壁部428と第3カバー壁部429との間に設けられている。本実施形態では、補強リブ壁431は、第2カバー壁部428と第3カバー壁部429との間の中央部に設けられている。図62に示すように、補強リブ壁431は、第1カバー壁部426に接続される第1接続縁431aと、連結壁部430に接続される第2接続縁431bとを有する。図65Bに示すように、補強リブ壁431の肉厚D7は、第1カバー壁部426の肉厚D3に対して厚く形成されている。また、補強リブ壁431の肉厚D7は、第2カバー壁部428の肉厚D4及び第3カバー壁部429の肉厚D5と同じ肉厚に形成されている。
図61に示すように、フロアマット32を敷設した状態では、第1カバー壁部426の他辺部426bは、後部壁400の上端側であって、第1切欠き縁部417の上端よりも上方側に当接する。また、第2カバー壁部428は、突出端部428aが、第1切欠き縁部417の機体外方側で後部壁400に当接する。また、第3カバー壁部429は、突出端部429aが、第1切欠き縁部417の機体内方側で後部壁400に当接する。補強リブ壁431は、他辺部426b側の端部が後部壁400の上側部位400aに当接する。第1カバー壁部426、第2カバー壁部428及び第3カバー壁部429が前下枠52に当接することで、第1カバー部421が保持され且つ第1切欠き縁部417の上部が第1カバー部421によって覆われる(塞がれる)。即ち、第1カバー壁部426、第2カバー壁部428及び第3カバー壁部429は、ヒンジ部427が弾性的に屈曲して第1カバー壁部426が上方に揺動した状態で、カバー対象部(第1切欠き縁部417,第2切欠き縁部418)側に当接して保持されると共にカバー対象部を塞ぐ(覆う)。
本実施形態では、第2カバー壁部428及び第3カバー壁部429は、主として、後部壁400の上側部位400aに当接する部分で上側部位400aを押圧するように接触し、下側部位400b及び段部400cに対しては、これらの形状に沿う形で接触する。
図61に示すように、第1カバー部421が第1切欠き縁部417を塞ぐ状態で、連結壁部430の切欠き部432内にボルト413の上部及び第3ナット416が挿入され、これらとの干渉を回避している。
なお、第2カバー部422も、第1カバー部421と同様の第1カバー壁部、ヒンジ部、第2カバー壁部、第3カバー壁部、連結壁部及び補強リブ壁を有する。
図61及び図62から推測できるように、第1前載置部423L、第2前載置部424L及び第1前載置部423Lと第2前載置部424Lとにわたる部位(マット本体420)によって、第1切欠き縁部417の下部が覆われる(塞がれる)。また、第1前載置部423R、第2前載置部424R及び第1前載置部423Rと第2前載置部424Rとにわたる部位(マット本体420)によって、第2切欠き縁部418の下部が覆われる(塞がれる)。
本実施形態では、フロアマット32は、床部419と床部419の周縁部に配置された壁部(前横架部材396)とを備え、壁部における床部419との接続部の一部に開口部(第1切欠き縁部417、第2切欠き縁部418)を有する作業機1に敷設されるフロアマット32であって、床部419上に敷設されるマット本体420と、開口部を塞ぐカバー部(第1カバー部421、第2カバー部422)と、カバー部をマット本体420の周縁部(延出部420c)に屈曲可能に接続する接続部(ヒンジ部427)とを備え、カバー部は、接続部に接続された一辺部426aと、一辺部426aの両端部からそれぞれ延伸し且つ互いに対向する第1対向辺部426cおよび第2対向辺部426dとを有する第1カバー壁部426と、第1対向辺部426cから下方側に延出した第2カバー壁部428と、第2対向辺部426dから下方側に延出した第3カバー壁部429とを備え、第2カバー壁部428の第1対向辺部426cとの接続部から下端部までの長さ、および第3カバー壁部429の第2対向辺部426dとの接続部から下端部までの長さが、マット本体420の厚さ以下である。
上記の構成によれば、カバー部をマット本体420に対して接続部で屈曲させることにより、開口部を塞ぐことができる。また、屈曲させていない状態における第2カバー壁部428の高さ(第1対向辺部426cとの接続部から下端部までの長さ)および第3カバー壁部429の高さ(第2対向辺部426dとの接続部から下端部までの長さ)がマット本体420の厚さ以下なので、フロアマット32の総厚を増すことなく、開口部(カバー対象部)を塞ぐカバー部をマット本体420に設けることができる。
また、接続部は、マット本体420における周縁部の厚さ、および第1カバー壁部426の厚さよりも薄い。
これにより、カバー部をマット本体420に対して容易に屈曲させることができる。
また、第1カバー壁部426の一辺部426aから下方側に延出されていて、第2カバー壁部428と第3カバー壁部429との一辺部426a側を連結する連結壁部430を備えている。
これにより、カバー部(第1カバー部421、第2カバー部422)との強度を向上させることができる。
また、第2カバー壁部428と第3カバー壁部429との間に設けられていて、第1カバー壁部426に接続される第1接続縁431aと、連結壁部430に接続される第2接続縁431bとを有する補強リブ壁431を備えている。
これにより、カバー部(第1カバー部421、第2カバー部422)の強度をさらに向上させることができる。
また、第2カバー壁部428の肉厚D4及び第3カバー壁部429の肉厚D5は、第1カバー壁部426の肉厚D3よりも厚い。
上記の構成によれば、カバー部(第1カバー部421、第2カバー部422)の強度をさらに向上させることができる。これにより、例えば、オペレータが足で第1カバー壁部426を踏んだ場合でも、第2カバー壁部428及び第3カバー壁部429で第1カバー壁部426をしっかりと支持することができる。
また、本実施形態にかかる作業機1は、上述したフロアマット32を備え、カバー部材がカバー本体に対して接続部で上側に屈曲して開口部を塞いでいる。
上記の構成によれば、開口部を塞ぐカバー部を、フロアマット32の総厚を増すことなく、マット本体420に設けることができる。
また、床部419と壁部(前横架部材396)とを有するキャビン5と、キャビン5の前部を支持するフロントマウント部材48,49と、を備え、キャビン5は、第1前支柱部77と、第1前支柱部77に対して機体幅方向K2に間隔を開けて設けられた第2前支柱部78とを有し、壁部は、第1前支柱部77と第2前支柱部78の下端部間にわたって設けられ、且つフロントマウント部材48,49に対応する部位が切り欠かれた開口部(第1切欠き縁部417,第2切欠き縁部418)を有する。
これにより、開口部を介してキャビン5の室内5Aに音が伝播することを抑制できる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。