JP6783787B2 - エテルカルセチドの調製のための液相方法 - Google Patents
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Description
本願は、2015年3月26日付け出願の米国仮特許出願第62/138,903号の優先権の利益を主張するものであり、その内容をその出典を明示することにより本明細書に組み込まれるものとする。
本発明の開示は、一般に、ポリペプチド合成の分野に、より詳細にはエテルカルセチド(etelcalcetide)(これまで、AMG416またはベルカルセチド(velcalcetide)として知られている)またはその医薬的に許容される塩の液相合成に関する。
で示される。
(a−i)オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物(UNCA)を、配列番号:6のジペプチド(化合物6)とカップリングさせて保護されたトリペプチドを形成すること;
(a−ii)トリペプチドを脱保護に供し、脱保護されたトリペプチドを形成すること;および
(a−iii)脱保護されたトリペプチドを、オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物にカップリングさせてエテルカルセチドの保護されたN−末端テトラペプチドフラグメントを形成すること
を含む。上記した態様に対応する例示的フラグメントは、配列番号:7の工程(a−i)の完全に保護されたトリペプチド(化合物7)および配列番号:8の一部脱保護されたトリペプチド(化合物8)を包含する。
(a−i)N−保護のD−アラニンを塩酸H−(D)−アルギンアミドと、カップリング剤を配合した溶液中でカップリングさせ、N−保護のD−Ala−Arg−NH2・塩酸塩を形成する工程;
(a−ii)N−保護のD−Ala−Arg−OHをテトラフェニルホウ酸ナトリウムで処理し、テトラフェニルホウ酸塩を形成する工程;
(a−iii)(a−ii)から由来のテトラフェニルホウ酸塩を有機溶媒に抽出する工程;
(a−iv)そのテトラフェニルホウ酸塩を塩酸塩に変換する工程;
(a−v)脱保護、例えば(a−iv)から由来の塩酸塩からN−保護Cbz(Z)基を除去し、ジペプチド H−D−Ala−D−Arg−NH2・塩酸塩を形成する工程;
(a−vi)N−保護されたD−アルギニン・塩酸塩とカップリングさせることにより、ジペプチド H−D−Ala−D−Arg−NH2・塩酸塩でのカップリング工程、処理工程、抽出工程、および脱保護工程を連続して繰り返し、トリペプチド H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH2・塩酸塩を形成する工程;および
(a−vii)N−保護されたD−アルギニン・塩酸塩とカップリングさせることにより、工程(a−vi)からのトリペプチド H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH2・塩酸塩でのカップリング工程、処理工程、抽出工程、および脱保護工程を連続して繰り返し、配列番号:12のテトラペプチド(化合物29) Z−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH2・2HClを形成する工程
を含む。
(a−viii)配列番号:12のN−保護テトラペプチドフラグメントを脱保護する工程
をさらに含む。
本明細書中で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が単数であることを明示しない限り、複数形を包含することを留意すべきである。
本発明の開示は、フラグメントをカップリングさせる技法を用いる、エテルカルセチド、またはその中間体および先駆体を調製するための液相方法を提供する。
上記されるように、エテルカルセチドを製造するための第1の方法は、一般に、(a)D−アルギニンがD−オルニチンと置換されている、エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントを、(b)エテルカルセチドの保護されたトリペプチドと、液相にてカップリングさせ、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体を得ることからなる。エテルカルセチドのヘプタペプチド先駆体は、D−アルギニンがD−オルニチンと置換されている、エテルカルセチドの主鎖または骨格部に相当する。次にエテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体をペルグアニレーション(perguanylate)に付し、D−オルニチンをD−アルギニンと置き換え、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドのフラグメントを得、つづいてジスルフィド結合の形成を介してシステイン側鎖を導入する。
第2の態様では、図7にて模式的に示されるように、遊離カルボキシル基を有するアセチル化N−末端保護のトリペプチドを、遊離アミノ基を有する保護されていないアルギニン側鎖を含むテトラペプチドアミドとカップリングさせ、ヘプタペプチドのエテルカルセチド中間体を形成する、液相フラグメントカップリング法が本明細書にて提供される。この方法を用いて、鎖長伸長は、保護されていないアルギニン残基を有するアミノ酸/ペプチドフラグメントを用いて実施される。エテルカルセチドのC−末端テトラペプチドおよびエテルカルセチドのその関連する先駆体であるジ−およびトリ−ペプチドなどのアルギニン含有のペプチドフラグメントを調製し、そのテトラフェニルホウ酸塩に変換し、例えば得られた反応混合物の後処理の間にアルギニン側鎖の保護を必要とすることなく、カップリング反応に付した後の副生成物および不純物の簡易化された除去を可能とする。反応副生成物および不純物を、例えば、水相に抽出することにより除去した後、アルギニン含有のフラグメントの、例えば有機溶媒中のテトラフェニルホウ酸塩は、無機塩、例えば塩酸塩に変換される。次にエテルカルセチドのそのヘプタペプチド骨格からの形成が、例えば、L−システインでのジスルフィド架橋の形成により実施される。
以下の実施例は純粋に例示を目的とするものであり、決して添付した特許請求の範囲を限定するものではない。反応条件、例えば、成分濃度、溶媒、混合溶媒、温度、保護基、および他の反応パラメーター、ならびに純度、収率等などの生成物の特性を最適化するために利用され得る条件において、多数の変形および組み合わせがある。そのようなことも同様に本発明の範囲内にあると考えられる。
(R)−メチル 2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノアート:化合物2
Z−D−Orn(Boc)−OMe(2):Z−D−Orn(Boc)UNCA(1)(60g、157.7ミリモル)の無水MeOH(1000mL)中溶液を窒素雰囲気下の外界温度で0.5時間攪拌した。その時点でTLCは反応の完了を示した。過剰量の溶媒を減圧下で除去し、2(55.0g、95%)を粘性のガム状物として得た。その材料をさらに精製することなく次の工程に用いた。1H NMR(300MHz、DMSO−d6) δ 7.71(d,J=7.5Hz,1H)、7.32(m,5H)、6.77(bs,1H)、5.01(s,2H)、3.99(m,1H)、3.60(s,3H)、2.87(dd,J=12.1、6.1Hz,2H)、1.63(m,2H)、1.54(m,2H)、1.39(s,9H);13C NMR(75MHz、DMSO−d6) δ 173.3、156.6、156.0、137.9、128.8、128.3、128.2、127.6、77.8、65.9、54.1、52.2、28.7、28.5、26.4;MS ESI(m/z) C19H29N2O6として、[M+H−Boc]+ 計算値:281、測定値:281;HPLC純度:99.5%;キラル純度:100%
(R)−メチル 2−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノアート:化合物3の合成
H−D−Orn(Boc)−OMe(3):2(15.0g、39.4ミリモル)の無水EtOAc(250mL)中溶液に、Pd−C(2g、活性炭上10%)を窒素雰囲気下で、そして触媒量の酢酸を添加し、得られた溶液を水素雰囲気下(3kg)の外界温度で16時間攪拌した。TLC(ニンヒドリン溶液に浸し、乾燥させ、加熱した)は反応の完了を示した。反応混合物をセライトのパッドに通し、フィルター上の固体をEtOAc(100mL)で洗浄した。こうして得られた濾液を減圧下で濃縮し、粗残渣を得た。その粗製物の塊をトルエンと一緒に2回共蒸発させ、3(11.2g;粗製)を粘性のガム状物として得、それをさらに精製することなく用いた。
(5R,8R)−メチル 5,15,15−トリメチル−3,6,13−トリオキソ−1−フェニル−2,14−ジオキサ−4,7,12−トリアザヘキサデカン−8−カルボキシラート:化合物5の合成
Z−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe(5):3(11.0g、粗製)の無水THF(250mL)中の窒素雰囲気下でのよく攪拌した溶液に、(R)−ベンジル 4−メチル−2,5−ジオキソオキサゾリジン−3−カルボキシラート:4(11.2g、47.3ミリモル)を0℃で添加し、その中身を外界温度で2時間攪拌し、その後で反応はTLCにより示されるように完了した。そのフラスコに、シリサイクルのアミン(5g)を添加し、攪拌を外界温度でさらに16時間続け、残りの無水物を除去した。シリサイクルのアミンを濾別し、濾液を減圧下で蒸発させ、粗残留物を得た。その粗製物の塊をシリカゲル(230−400メッシュ)フラッシュカラムにより2%MeOH/CHCl3で精製し、5(12.0g、67%)を白色の固体として生成した。1H NMR(300MHz、DMSO−d6) δ 8.18(d,J=7.3Hz,1H)、7.35(m,6H)、6.77(bs,1H)、4.99(s,2H)、4.12(m,2H)、3.59(s,3H)、2.87(m,2H)、1.61(m,2H)、1.36(m,2H)、1.35(s,9H)、1.18(d,J=7.1Hz,3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d6) δ 173.2、172.9、156.0、137.5、128.8、128.2、128.19、77.9、65.8、52.2、50.2、28.7、28.6、26.4、18.6;MS ESI(m/z) C22H34N3O7として[M+H−Boc]+ 計算値:352、測定値:352;HPLC純度:99.9%
(R)−メチル 2−((R)−2−アミノプロパンアミド)−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノアート:化合物6(配列番号:6)の合成
H−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe(6):5(56.0g、124.1ミリモル)の無水THF(500mL)中溶液に、Pd−C(6g、活性炭上10%;湿重量基準)を窒素雰囲気下で添加し、その得られた溶液を水素圧(40psi)下の外界温度で2時間かき混ぜた。TLC(ニンヒドリン溶液に浸し、乾燥させ、加熱した)は反応の完了を示した。反応混合物をセライトのパッドに通し、フィルター上の固体をTHF(200mL)で洗浄し、こうして得られた濾液を減圧下で濃縮して6(38.0g;粗製)を黒色のタール物質として得、それをさらに精製することなく用いた。
(9R,12R,15R)−メチル15−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,2,12,22,22−ペンタメチル−4,11,14,20−テトラオキソ−3,21−ジオキサ−5,10,13,19−テトラアザトリコサン−9−カルボキシラート:化合物7(配列番号:7)の合成
Z−D−Orn(Boc)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe(7):6(38.0g;粗製)の無水THF(500mL)中の十分に攪拌した溶液に、1(51.7g、131.8ミリモル)を窒素雰囲気下の0℃で添加し、その中身を外界温度で2時間攪拌し、その後で反応はTLCにより示されるように完了した。そのフラスコに、シリサイクルのアミン(15g)を添加し、攪拌を外界温度でさらに16時間続け、残りの無水物を除去した。シリサイクルのアミンを濾別し、濾液を減圧下で蒸発させ、粗残留物を得た。その粗製物の塊をアセトニトリル(6倍容量)からの再結晶に付し、7(45.0g、55%)を白色の固体として得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6) δ 8.19(d,J=7.2Hz,1H)、7.92(d,J=7.6Hz,1H)、7.36(m,6H)、6.76(m,2H)、4.99(s,2H)、4.29(m,1H)、4.18(m,1H)、3.94(m,1H)、3.58(s,3H)、2.87(m,4H)、1.58(m,8H)、1.35(m,18H)、1.18(d,J=7Hz, 3H);MS ESI(m/z)、C32H52N5O10として、[M+H]+ 計算値:666、測定値:666;HPLC純度:98.8%;キラル純度:100%
(9R,12R,15R)−メチル15−アミノ−2,2,12,22,22−ペンタメチル−4,11,14,20−テトラオキソ−3,21−ジオキサ−5,10,13,19−テトラアザトリコサン−9−カルボキシラート:化合物8(配列番号:8)の合成
H−D−Orn(Boc)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe(8):7(25.0g、37.6ミリモル)の無水THF(200mL)中溶液に、Pd−C(2.5g、活性炭上10%;湿重量基準)を窒素雰囲気下で加え、その得られた溶液を水素圧(40psi)下の外界温度で3時間かき混ぜた。TLC(ニンヒドリン溶液に浸し、乾燥させ、加熱した)は反応の完了を示した。反応混合物をセライトのパッドに通し、フィルター上の固体をTHF(200mL)で洗浄し、こうして得られた濾液を減圧下で濃縮して8(18.2g;粗製)を黒色の綿毛のようにフワッとした物質として得、それをさらに精製することなく用いた。
(9R,12R,15R,18R)−メチル−18−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−15−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−2,2,12,25,25−ペンタメチル−4,11,14,17,23−ペンタオキソ−3,24−ジオキサ−5,10,13,16,22−ペンタアザヘキサコサン−9−カルボキシラート:化合物9(配列番号:13)の合成
Z−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe(9):8(18.2g;粗製)の0℃での無水THF(500mL)中の十分に攪拌した溶液に、1(15.0g、38.3ミリモル)を窒素雰囲気下で添加し、その中身をその中身を外界温度で2時間攪拌し、その後で反応はTLCにより示されるように完了した。そのフラスコに、シリサイクルのアミン(10g)を添加し、攪拌を外界温度でさらに16時間続け、残りの無水物を除去した。シリサイクルのアミンを濾別し、濾液を減圧下で蒸発させ、粗残留物を得た。その粗生成物を熱アセトニトリルからの再結晶に付して精製し、9(27.0g, 81%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 8.22(d,J=7.1Hz,1H)、7.92(m,2H)、7.33(m,6H)、6.78(m,3H)、5.02(s,2H)、4.25(m,3H)、4.01(m,1H)、3.60(s,3H)、2.88(m,6H)、1.56(m,6H)、1.52(m,6H)、1.37(s,27H)、1.1(d,J=7Hz, 3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d6) δ 172.8、172.7、172.2、171.5、156.4、156.0、137.8、128.8、128.2、128.1、77.8、65.8、54.9、52.4、52.2、48.2、29.9、29.8、28.7、26.5、26.4、18.6;MS ESI(m/z)、C42H70N7O13として、[M+H]+ 計算値:881、測定値:881;HPLC純度:99%;キラル純度:99%
(7S,10R,13R)−メチル 7−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−13−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−10−メチル−2,8,11−トリオキソ−5−チア−3,9,12−トリアザテトラデカン−14−オアート:化合物11(配列番号:14)の合成
Fmoc−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe(11):Fmoc−D−Cys(Acm)−OH(10;12.1g、29.2ミリモル)および6(12.0g、37.8ミリモル)の窒素雰囲気下の0℃での無水THF(250mL)中にて十分に攪拌された溶液に、EDCI・HCl(6.12g、31.9ミリモル)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.95g、29.2ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.4mL、31.9ミリモル)を加えた。その中身を外界温度で16時間攪拌させた。反応が完了した後(TLC)、反応の中身を氷冷水(250mL)中に攪拌しながら注ぎ、沈殿した固体を濾過し、濾紙上の固体ケーキを冷水で洗浄し、真空下で乾燥させて粗残留物を得、それを3%MeOH/CHCl3を用いるシリカゲル(230−400メッシュ)フラッシュカラムに付して精製し、11(12.5g、66%)を白色の固体として得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6) δ 8.60(m,1H)、8.22(m,1H)、7.91(m,3H)、7.71(m,2H)、7.59(m,1H)、7.40(m,2H)、7.30(m,2H)、6.78(bs,1H)、4.38−4.18(m,9H)、3.58(s,3H)、2.87(m,3H)、2.66(m,1H)、1.89(s,3H)、1.55(m,2H)、1.44(m,2H)、1.41(s,9H)、1.23(d,J=7Hz,3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d6) δ 172.8、172.7、170.6、170.4、156.5、156.0、144.2、141.2、128.9、127.5、125.7、120.5、77.8、66.2、65.4、54.8、52.2、48.4、47.0、32.9、28.7、28.6、26.3、23.01、18.6、15.6;MS ESI C35H48N5O9Sとして、[M+H]+ 計算値:714.8;測定値:495;HPLC純度:93.6%
(7S,10R,13R)−メチル 7−アセトアミド−13−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−10−メチル−2,8,11−トリオキソ−5−チア−3,9,12−トリアザテトラデカン−14−オアート:化合物12(配列番号:15)の合成
Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe(12):ピペリジン(2.5mL、25.2ミリモル)を、11(12.0g、16.8ミリモル)の窒素雰囲気下の0℃での無水THF(250mL)中にて十分に攪拌した懸濁液に添加し、その得られた混合物を外界温度で攪拌させた。TLCにより示されるように、反応は16時間後に完了した。過剰量の溶媒を減圧下で除去し、粗製物の塊を得た。こうして得られた粗製物の塊を3%MeOH/CHCl3を用いる塩基性アルミナフラッシュカラムに付して精製し、遊離アミンの中間体(6.5g)を得た。そのアミン(6.5g)を無水THF(250mL)に溶かし、反応物を0℃に冷却し、そのフラスコに塩化アセチル(1.1mL、15.8ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.7mL,15.8ミリモル)を添加し、攪拌を16時間続け、その後でTLCにより示されるように反応が完了していることが判明した。該反応混合物を氷水(250mL)に注ぎ、粗生成物をEtOAc(2x300mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(無水Na2SO4)、濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて粗残留物を得、それを3%MeOH/CH2Cl2を用いるシリカゲル(60−120メッシュ)カラムに付して精製し、12(6.0g、85%)を白色の固体として得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6) δ 8.51(m,1H)、8.13(t,J=9.6Hz,2H)、7.94(d,J=7.5Hz,1H)、6.78(bs,1H)、4.47(m,1H)、4.35−4.09(m,4H)、3.58(s,3H)、2.85(m,3H)、2.58(m,1H)、1.83(s,6H)、1.67−1.52(m,3H)、1.36(m,1H)、1.35(s,9H)、1.20(d,J=6.8Hz, 3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d6) δ 172.8、172.7、170.5、170.3、169.9、156.0、77.9、52.7、52.2、48.4、33.0、28.7、28.6、26.3、23.0、22.9、18.6;MS ESI(m/z)、C22H40N5OO8Sとして、[M+H]+ 計算値:533.8、測定値:533.8;HPLC純度:99.9%
(7S,10R,13R)−7−アセトアミド−13−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−10−メチル−2,8,11−トリオキソ−5−チア−3,9,12−トリアザテトラデカン−14−オイック酸:化合物13(配列番号:3)の合成
Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OH(13):12(6.0g、11.64ミリモル)のTHF:水(1:1)の混合液(20mL)中の十分に攪拌されている溶液に、1N LiOH(13.5mL、13.5ミリモル)を0℃で添加し、得られた溶液をその同じ温度で4時間攪拌させた。TLCにより示されるように反応が完了した後、反応混合物のpHを約3にまで落とし、水相をEtOAcで3回抽出した(3x300mL)。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)させ、濾過し、こうして得られた濾液を減圧下で蒸発させて粗残留物を得、それを5%MeOH/CH2Cl2を用いるシリカゲル(60−120メッシュ)カラムに付して精製し、13(3.5g、60%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 12.54(bs,1H)、8.53(t,J=5.7Hz,1H)、8.11(d,J=8.1Hz,1H)、8.01(dd,J=21.5、7.5Hz,2H)、6.80(bs,1H)、4.51(m,1H)、4.35(m,2H)、4.15(m,2H)、2.89(m,3H)、2.60(m,1H)、1.86(s,3H)、1.85(s,3H)、1.68(m,1H)、1.54(m,1H)、1.38(m,2H)、1.37(s,9H)、1.23(d,J=7Hz, 3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d6) δ 173.8、172.5、170.5、170.3、169.9、156.0、77.9、60.2、52.6、52.2、48.4、33.0、30.8、28.8、28.7、26.5、23.0、22.9、21.5、21.2、18.6;MS ESI(m/z)、C21H38N5O8Sとして、[M+H]+ 計算値:519.8、測定値:519.8;HPLC純度:99.9%
(9R,12R,15R,18R)−メチル 18−アミノ−15−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−2,2,12,25,25−ペンタメチル−4,11,14,17,23−ペンタオキソ−3,24−ジオキサ−5,10,13,16,22−ペンタアザヘキサコサン−9−カルボキシラート:化合物14(配列番号:2)の合成
H−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe(14):Z−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe(9;1.5g)の無水THF(35mL)中溶液に、Pd−C(200mg、活性炭上10%;湿重量基準)を窒素雰囲気下で添加し、その得られた溶液を水素圧(40psi)下の外界温度で4時間かき混ぜた。TLC(ニンヒドリン溶液に浸し、乾燥させ、加熱した)は反応の完了を示した。反応混合物をセライトのパッドに通し、フィルター上の固体をTHF(20mL)で洗浄し、こうして得られた濾液を減圧下で濃縮し、14(1.2g;粗製物)を黒色の綿毛のようにフワッとした物質として得、それをさらに精製することなく直ちに用いた。
(7S,10R,13R,16R,19R,22R,25R)−メチル 7−アセトアミド−13,16,19−トリス(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−10,22,32,32−テトラメチル−2,8,11,14,17,20,23,30−オクタオキソ−31−オキサ−5−チア−3,9,12,15,18,21,24,29−オクタアザトリトリアコンタン−25−カルボキシラート:化合物15(配列番号:4)の合成
Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe(15):14(6.5g、7.41ミリモル)の0℃でのN−メチルピロリドン(100mL)中の十分に攪拌されている溶液に、EDC・HCl(1.55g、8.08ミリモル)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド・HONb(1.2mg、6.74ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.4mL、8.08ミリモル)を加え、その得られた溶液を外界温度で16時間攪拌し、その時点で出発物質がすべて変換されたことがTLCにより示された。反応物を攪拌しながら氷冷水(150mL)中に注ぎ、沈殿した固体を濾過し、フィルター上の固体ケーキを冷水で洗浄し、真空下で乾燥させ、粗残留物を得、それを6%MeOH/CHCl3を用いるシリカゲル(230−400メッシュ)フラッシュカラムに付して精製し、15(5.2g、62%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 8.51(t,J=5.9Hz,1H)、8.17(dd,J=21.4、7.44Hz,2H)、8.02(d,J=7.5Hz,1H)、7.89(m,3H)、7.84(d,J=7.8Hz,1H)、6.79(m,1H)、6.74(m,3H)、4.48(m,1H)、4.29(m,4H)、4.13(m,4H)、3.62(s,3H)、2.88(m,6H)、2.71−2.49(m,4H)、1.86(s,6H)、1.61(m,8H)、1.38(m,8H)、1.37(s,36H)、1.2(m,6H);MS ESI(m/z)、C55H99N12O18Sとして、[M+H−Boc]+ 計算値:1147.6、測定値:1147.6;HPLC純度:99%;キラル純度:97%
(7S,10R,13R,16R,19R,22R,25R)−7−アセトアミド−13,16,19−トリス(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−10,22,32,32−テトラメチル−2,8,11,14,17,20,23,30−オクタオキソ−31−オキサ−5−チア−3,9,12,15,18,21,24,29−オクタアザトリトリアコンタン−25−カルボキシアミド:化合物16(配列番号:16)の合成
Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−NH2(16):15(5.0g、4.05ミリモル)の0℃での無水MeOH(200mL)中の十分に攪拌されている溶液に、NH3(g)をニードルアドプターを通して1時間にわたって吹き込み、アンモニアを12時間毎の間隔で48時間にわたって連続的にパージした。反応過程中の試料が出発物質が完全に消失したことを示すまで攪拌を続けた。過剰量の溶媒を減圧下で除去し、粗製物の塊を得、それをジエチルエーテル(100mL)で洗浄して固体を得た。その粗固体を7%MeOH/CHCl3を用いるシリカゲル(60−120メッシュ)カラムに付してさらに精製し、16(3.6g、73%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 8.49(t,J=6.5Hz,1H)、8.13(d,J=7.8Hz,1H)、8.01(m,1H)、7.92(m,3H)、7.81(d,J=7.6Hz,1H)、7.70(d,J=7.4Hz,1H)、7.24(bs,1H)、7.00(s,1H)、6.72(m,4H)、4.47(m,1H)、4.34−4.10(m,8H)、2.87(m,6H)、2.60(m,4H)、1.86(s,6H)、1.65(m,8H)、1.36(m,8H)、1.34(s,36H)、1.23(m,6H);MS ESI(m/z)、C54H98N13O17Sとして、[M+H]+ 計算値:1233.6、測定値:1233.6;HPLC純度:96.3%;キラル純度:98%
(R)−2−((7S,10R,13R,16R)−7−アセトアミド−13,16−ビス(3−アミノプロピル)−10−メチル−2,8,11,14−テトラオキソ−5−チア−3,9,12,15−テトラアザヘプタデカンアミド)−5−アミノ−N−((R)−1−((R)−1,5−ジアミノ−1−オキソペンタン−2−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ペンタンアミド:化合物17(配列番号:17)の合成
Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn−D−Orn−D−Orn−D−Ala−Orn−NH2(17):16(1.5g、1.21ミリモル)の5N HCl/EtOAc(15mL)中の攪拌されている溶液に、トリイソプロピルシラン(1.2mL、6.0ミリモル)を窒素雰囲気下にて0℃ないし外界温度で添加した。反応過程中の試料をLCMS分析に付すことで示されるように、Bocの脱保護を1時間で完全に終えた。過剰量の溶媒をデカントし、固形残渣をジエチルエーテルで洗浄して粗アミンを得、それをさらに精製することなく、次の工程に適用した。MS ESI(m/z) C34H66N13O9Sとして、[M+H]+ 計算値:832.8、測定値:832.8
Ac−D−Cyst(Acm)−D−Ala−[D−Arg(ジ−tert−ブチルカルボキシグアニニル)3]−D−Ala−D−Arg(ジ−tert−ブチルカルボキシグアニニル)−NH2:化合物18(配列番号:18)の合成
Ac−D−Cyst(Acm)−D−Ala−D−Arg(Boc)2−D−Arg(Boc)2−D−Arg(Boc)2−D−Ala−D−Arg(Boc)2−NH2(18):粗製17(920mg)のMeOH(8mL)および水(2mL)の混合液中の十分に攪拌されている溶液に、(Z)−tert−ブチル (1H−ピラゾール−1−イル)メチレンジカルバマート(2.06g、6.63ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.8mL、22.13ミリモル)を外界温度で添加し、その中身を外界温度で12時間攪拌し、その後で反応過程中の試料をLCMS分析に付すことで反応の終了したことが示された。過剰量の溶媒を減圧下で除去して粗材料を得、それをEtOAc(300mL)に溶かし、その溶液を冷水およびブラインで洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)させ、濾過し、このようにして得られた濾液を減圧下で濃縮して粗製物の塊を得、それを70%EtOAc/石油エーテルを用いるシリカゲル(230−400メッシュ)フラッシュカラムに付して精製し、18(680mg、31%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 11.50(s,4H)、8.50(t,J=6.4Hz,1H)、8.27(m,4H)、8.13(d,J=8Hz,1H)、8.06−7.95(m,5H)、7.74(d,J=7.9Hz,1H)、7.29(s,1H)、7.05(s,1H)、4.46(m,1H)、4.34−4.12(m,8H)、3.26(m,8H)、2.85(m,1H)、2.65(m,1H)、1.86(s,6H)、1.65(m,8H)、1.50(m,8H)、1.46(s,36)、1.39(s,36H)、1.21(m,6H);MS ESI、C78H138N21O25Sとして、[M+H]+ 計算値:1801.1、測定値:1801.6;HPLC純度:94.9%;キラル純度:98%
エテルカルセチド:化合物20の合成
エテルカルセチド:20℃のバイアル中の18(0.180g、0.1ミリモル)のDCM(2.0mL)懸濁液に、TFA(2.0mL)を加え、その中身を一夜放置した(中身は均一な溶液となった)。反応の終了を示すLCMS(m/2=500.2)が質量分析法により観察された。反応混合物を減圧蒸留に供し、油性残留物を得、それを水に溶かし、凍結乾燥させて生成物19(配列番号:5)のTFA塩を泡沫体(0.163g)として得た。TFA塩の理論的な量は0.147gであり、その余分な質量は、凍結乾燥されたケーキ中に尚も存在する、水(吸湿性)による可能性がある。この材料をさらに精製することなく次の工程に用いた。最後から2番目の19のTFA塩(0.068g, 0.068ミリモル)のMeOH(1mL)中懸濁液に、DI水(1mL)を添加し、その中身を放置して溶液を形成させた(長期にわたる超音波処理の後であっても、粒子のいくらかは不溶性のままであった)。この混合物に、システイン・塩酸塩・水和物(0.015g、1.25当量)およびヨウ素(0.022g、1.25当量)を添加し、中身を超音波処理に付してヨウ素を溶かした。中身を室温で放置し、LC−MS(水/ACN(1/1)を用いて50μLを1mLに希釈した)でモニター観察した。10分での試料は何ら生成物の形成を示さず、1時間、3時間および4時間での試料は、出発材料が存在しながらも、二重荷電イオンとしての生成物の形成を示した。中身を一夜放置し、試料のデータ分析は出発材料がいくらか混合物中になおも存在することを示した。その中身に、アンバーライトIRN(CI形態)樹脂を添加し、1時間放置した。褐色がかった色の大部分が樹脂に移行し、中身を細かなフリットを通して濾過して無色の溶液を得、それを凍結乾燥させて褐色の残留物を得た。エテルカルセチド(20)の形成がLC−MSにより主生成物として確認された。その生成物はさらに精製されなかった。
Z−D−Ala−OSu(22)の調製
Z−D−Ala−OSu(22):Z−(D)Ala−OH(51.8g)およびSucOH(1.05当量、30.3g)21をアセトニトリル(560ml)に溶かし、その溶液を0℃に冷却した。DCC(54.6g、1.1当量)をアセトニトリル(80ml)に溶かし、ゆっくりと添加した。添加から30分経過した後、その溶液を室温にした。一夜放置した後、HPLCによれば変換は>99%であった。DCU副生成物を濾過で除去し、そのケーキをアセトニトリルで洗浄した(2x250ml)。濾液および洗浄液を合わせ、減圧下で濃縮し、溶液(質量:573g)を得た。この溶液に、iPrOH(1920ml)を加え、その混合物を4℃で一夜冷却した。得られた結晶を濾別し、IPAで洗浄した(2x165mL)。一夜乾燥させた後、22(65g)を単離した(HPLC純度:100%RS(下記のクロマトグラム)、収率:85%)
H−D−Ala−D−Arg−NH2・2HCl(25)の調製
H−D−Ala−D−Arg−NH2・2HCl(25):H−(D)Arg−NH2(19.4g、75ミリモル)23のジメチルアセトアミド(350ml)中懸濁液に、DIPEA(9.7g、1当量)を、つづいてZ−(D)Ala−OSu22(27.5g、1.1当量、82.5ミリモル)を室温で添加した。1.5時間経過した後、95%が変換され、その混合物を水(1120ml)で希釈した。Z−(D)Ala−OSuおよびZ−(D)Ala−OH(活性化エステルの加水分解により形成)を除去するために、この溶液を酢酸エチル(625ml)で2回洗浄した。得られた水相のpHをNa2CO3(28.1g、3.54当量)を用いて10.88に調整し、ナトリウムテトラフェニルボラート(NaTPB)(29g、1.1当量)を添加した。これによりガム状の沈殿物を得、それにジクロロメタン(1250ml)を添加して溶かした。この操作により、TPB塩として形成されたジペプチドの有機相における選択的抽出が可能となる。得られた水相を、7.2および2.4gのNaTPBを添加した後、ジクロロメタン(500ml)で2回再び抽出した。最終の水相にて、1.3%の生成物が失われた(HPLCで評価した)。有機相を合わせ、容量を1500mlまで濃縮し、ついで水(1100ml)で2回洗浄した。洗浄した有機層を濃縮し、溶媒をメタノールに交換し、溶液(308g)を得た。濃縮の際に形成された固体(HPLC分析によれば、ペプチドを含有しない、TPBの塩)を濾過で除去した。次の工程で、テトラフェニルボラートをクロリドと交換するために、該溶液を強塩基性アニオン交換樹脂(アンバーライトIRA958 Cl形態)で処理した。この操作は、一部にて、バッチ反応において、ガラスカラムで行われた。テトラフェニルボラートを除去するのに合計で676g(9当量)の樹脂が必要とされた(HPLCでモニター観察された)。樹脂をメタノールで洗浄してペプチドを回収した。得られた溶液を濃縮して溶液(360g、Z−(D)Ala−(D)Arg−NH2 24を含有する)(HPLCによれば93.8面積%)とした。
H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH2・2HCl(28)の合成
H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH2・2HCl(28):Z−D−Arg−OH26(16.15g、52.7ミリモル)の室温でのDMAc(170ml)中懸濁液に、4N HCl/ジオキサン(13.7g、1当量、52.7ミリモル)を添加した。この清澄溶液をN2雰囲気下にて−15℃に冷却し、冷却する間にDIPEA(6.8g、1当量)およびピリジン(4.2g、1当量)を加えた。塩化ピバロイル(6.32g、52.7ミリモル、1当量)を添加することで活性化がなされた。活性化から5分経過後、25(19.1g、52.7ミリモル、1当量)のDMAc(132ml)中溶液をDIPEA(6.5g、滴定による測定によれば0.97当量)と一緒に0℃に冷却して添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、30分経過した後に反応は完了していると考えられた。混合物を炭酸ナトリウム(14.7g、3.54ミリモル)を含有する脱塩水(780ml)で希釈し、pHを10.6とした。ナトリウムテトラフェニルボラート(NaTPB、40.63g)(2.2当量)を添加した。この操作によりガム状の沈殿物を得、ジクロロメタン(870ml)を添加することでそれを溶かした。この操作により、TPB塩として形成されたトリペプチドの有機相での選択的抽出が可能となった。得られた水相を、NaTPB(12.6g)を添加した後、ジクロロメタン(400ml)で1回再抽出した。最終の水相において、2.5%の生成物が失われた(HPLCにより評価した)。有機相を合わせ、1000mlの容量に濃縮し、ついで水(750ml)で洗浄した。洗浄した有機層を濃縮し、メタノールへの溶媒交換を実施し、溶液(198g)を得た。濃縮の際に形成された固体(HPLC分析によれば、ペプチドを含有しない、TPBの塩)を濾過で除去した。ここで、イオン交換はベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(17g、1.4当量)を0℃で添加することで行われた。形成されたベンジルトリエチルアンモニウムテトラフェニルボラートはメタノールに沈殿し、ペプチドのクロリド塩は溶液中に留まった。濾過した後、固体をメタノール(130ml)で洗浄した。母液を濃縮して溶液(419g)を得た。四級アンモニウム塩として沈殿しなかったTPB(約10%)を除去するために、該溶液をアンバーライトIRA958Cl(520g、10当量)で処理した。その樹脂をメタノールで洗浄し、ペプチドを回収した。得られた溶液を濃縮して419g(27を含有する)とした。この溶液に、Pd/Cペースト(2.8g、5%)を添加し、水素気体を室温にて該溶液に通気した。1時間後、触媒を濾別し、母液を真空下で濃縮した。メタノールを除去した時点で、残りの水(アニオン交換樹脂に存在する残留水に由来する)をアセトニトリル(合計で約1Lを供給バッチに添加)との共沸蒸留を通して取り除く。乾燥の間に固体が形成され、最初はガム状で、さらに乾燥させると、それは結晶となった。その固体を濾過で単離し、真空下の45℃で乾燥させた。粉末(17.22g)が得られた(HPLC純度95.5%RS、収率53%)。
H−(D)Arg−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH2・4HCl(30、配列番号:10)の合成
H−(D)Arg−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH2・4HCl(30):H−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH2・2HCl28(16.6g、27ミリモル)およびZ−Arg−OH26(9.6g、30.5ミリモル、1.13当量)をDMA(285ml)に懸濁させ、4N HCl/ジオキサン(5.4g、トリペプチドの滴定により決定されたとすると0.77当量)をHOBt(4.2g)と一緒に添加した。懸濁液を40℃に加熱して溶液を得、その後でそれを0℃に冷却した。エチルジイソプロピルカルボジイミド・塩酸塩(EDC)(5.96g、1.14当量)を2回に分けて30分間にわたって添加した。そのEDCが可溶化された時点で、該溶液を室温までの加温に供し、一夜放置した。変換は>90%に達し、その溶液を炭酸ナトリウム(10.1g、3.54当量)を含有する脱塩水(400ml)で希釈してpHを10.88とした。ナトリウムテトラフェニルボラート(NaTPB)(29.6g、3.1当量)を添加した。この操作はガム状物の沈殿を誘導し、その沈殿物はジクロロメタン(450mL)を添加することで溶解された。
この操作により、TPB塩として形成されたテトラペプチドの有機相での選択的抽出が可能となった。得られた水相を、NaTPB(2.1g)を添加した後、ジクロロメタン(200ml)で1回再抽出した。最終の水相において、3%の生成物が失われた(HPLCにより評価した)。有機相を合わせ、水(400ml)で2回洗浄した。洗浄した有機層を濃縮し、メタノールへの溶媒交換を実施し、溶液(193g)を得た。該溶液をアンバーライトIRA958Cl形成樹脂(715g、26当量)で処理した。その樹脂をメタノールで洗浄し、ペプチドを回収した。得られた溶液を濃縮して溶液(248g、29(Z−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−OH・2HCl、配列番号:12)を含有する)とした。この溶液に、Pd/Cペースト(2.9g、5%)を添加し、水素気体を室温にて該溶液に通気した。1時間後、脱保護は完了し、触媒を濾別し、濾液を真空下で濃縮し、つづいて4N HCl/ジオキサン(7g、1当量)を添加した。メタノールを除去した時点で、残りの水(アニオン交換樹脂に存在する残留水に由来する)をアセトニトリル(合計で約1.1Lを供給バッチに添加)との共沸蒸留を通して取り除く。乾燥の間に固体が形成され、最初はガム状で、さらに乾燥させると、それは結晶となった。その固体を濾過で単離し、真空下の45℃で乾燥させた。30(18.1g)が得られた(HPLC純度94.1%RS(下記のクロマトグラム)収率74.5%、エナンチオマー純度の測定用の試料をCATに送った)。
Z−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(32)の合成
Z−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(32):H−(D)Arg−OH31(9.6g、55ミリモル)を脱塩水(160ml)に溶かし、そしてZ−(D)Ala−OSu22(19.9g、1.1当量)をアセトニトリル(292ml)に別個に溶かした。後者の溶液を室温で前者に添加した。活性なエステルが消費(カップリングまたは加水分解)された時点で、反応混合物を脱塩水(100ml)で希釈し、アセトニトリルを真空下で蒸留して除去し、溶液(320g)を得た。該溶液を1.2N HClでpH2.5の酸性にし、(Z−D−Ala−OHを取り除くために)EtOAc(275ml)で2回洗浄した。その後で、水相から、ペプチドを、各々、285、275および220mlの2−BuOHで抽出した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮し、共沸蒸留を通して乾燥させた。合計で2.5Lの2−BuOHが供給バッチに加えられた。その濃縮された溶液(121g)に、酢酸イソプロピル(437ml)を添加し、沈殿を生じさせた。解放されたSucOHを出来るだけ多く取り除くために、固体を濾過し、iPrOAc(220ml)で2回トリチュレートした。最後に、固体をiPrOH(100ml)に再び溶かし、ジイソプロピルエーテル(500ml)中に沈殿させて固体を得た。濾過し、ジイソプロピルエーテル(100ml)で洗浄した後、固体を真空下で乾燥させ、32(18g)を得た(HPLC純度:98.3%(下記のクロマトグラム)、収率73%)。
H−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(33)の合成
H−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(33):Z−D−Ala−D−Arg−OH32(18g、38ミリモル)をMeOH(230ml)+水(75ml)に溶かした。Pd/Cペースト(2.5g、5%)を添加し、水素気体を室温で該溶液を介して通気した。1.5時間後、脱保護反応は完了し、0.45μフィルターを用いる濾過で触媒を除去し、MeOH(46ml)で洗浄した。ペプチド溶液を真空下で濃縮し、アセトニトリルを供給バッチに添加することにより(4x250ml)共沸蒸留に付して水を除去する。蒸留する間に、脱保護されたジペプチドが出てくる。最後に、得られた懸濁液を濃縮して189gとし、濾別してアセトニトリルで洗浄する。45℃で一夜乾燥させた後、白色の粉末(11.2g)を得る(HPLC純度:97.4%RS(下記のクロマトグラム)、収率:91.3%)。
Fmoc−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(35、配列番号:19)の合成
Fmoc−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(35)(配列番号:19):Fmoc−D−Cys(Trt)−OH34(9.6g、1.0当量)およびHONb(N−ヒドロキシノルボルネン)(3.2g、1.05当量)をDMF(14ml)に室温にて溶かした。この混合物をi−PrOAc(50ml)で希釈し、0℃に冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、3.7g)をi−PrOAc(4ml)に溶かし、Fmoc−D−Cys(Trt)−OHを含有する溶液に添加した。DCCを添加する際に、反応混合物を室温にまで加温させ、2時間攪拌した。2時間後(変換率>96%)、DCUを濾過で取り除き、i−PrOAc(20ml)で洗浄した。この溶液に、H−(D)Ala−(D)Arg−OH33(6.0g、1.1当量)およびDIPEA(2.4ml、1.09当量)のDMF(40ml)および脱塩水(24ml)中溶液に室温で添加した。一夜反応させた後、Fmoc−(D)Cys(trt)−ONbは完全に消費され、その混合物をi−PrOAc(200ml)、水(200ml)およびジクロロメタン(200ml)で希釈した。相分離の後、水相を捨て、有機相を脱塩水(350ml)で、つづいて2(w/v)%NaCl溶液で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、ジクロロメタンを除去すると固体が出現した。この固体を濾過し、HPLCは主たる不純物としてFmoc−(D)Cys(trt)−OHを示した。この沈殿操作を繰り返した場合(3x)、その中身は約2%まで減少させることが可能であった。乾燥後、固体(13.9g)を得た(HPLC純度:95%RS(下記のクロマトグラム)、収率96%)。
Ac−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−OH(36、配列番号:9)の合成
Ac−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−OH(36)(配列番号:9):Fmoc−D−Cys(trt)−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(35)(8.65g、9.8ミリモル、1.0当量)をMeOH(80ml)に懸濁させ、ピペリジン(6.8g、8当量)を室温で徐々に添加した。変換率が>97%であった場合に、該溶液をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、600ml)に加えた。沈殿物を濾別し、MTBE(80ml)で洗浄し、真空下、45℃で一夜乾燥させた。H−D−Cys(trt)−D−Ala−D−Arg−OH(化合物38、6.2g)を白色の粉末として得た(94.5%RS(HPLC方法1、下記のクロマトグラム)、収率:95.4%)。
Ac−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH2・4HCl(37、配列番号:11)の合成
Ac−D−Cys(trt)−D−Ala−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH2・4HCl(37、配列番号:11):Ac−(D)−Cys(trt)−D−Ala−D−Arg−OH(36、7.9g、12.0ミリモル)、H−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH2・4HCl(30、11.0g、1.005当量)およびHOPO(2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド、1.40g、1.05当量)をDMA(130ml)に懸濁させ、溶けるまで攪拌させた(一夜)。溶解の際に、反応混合物を氷浴で冷却し、EDC・HCl(2.4g、1.03当量)を添加した。8時間反応させた後、DIPEA(78μl、0.1当量)を加え、反応を促進させた。反応の開始から24時間経過した後、温度を20℃に上げた。DOPEA(382μl、0.2当量)を2回に分けて、ならびにEDC・HCl(117mg、0.05当量)を添加し、反応を終えた。96%の変換率が得られた際に(48時間)、ペプチドをアセトニトリル(1100ml)に沈殿させ、濾別し、アセトニトリル(1250ml)で洗浄した。真空下、45℃で一夜乾燥させた後、粗製37(17.3g)を白色の粉末として得た(86.7%RS(HPLC方法2))。HPLC方法2の条件:カラム:ゾルバックス(Zorbax)SB−C18(150mmx4.6mm、3.5μ)移動相A:水+20mMペンタフルオロプロピオン酸(PEPA) 移動相B:アセトニトリル+20mMペンタフルオロプロピオン酸(PEPA);カラム温度:40℃;流速:1.5ml/分;220nmのUV;勾配:2%Bで開始し、20分間で2から91.1%Bとする。その粗ペプチドを分取規模の逆相HPLCで精製し、HPLCにより99面積%以上で64%の所望のペプチドを得た。HPLC条件:カラム:ダイソパック(Daisopak)SP−120−25−ODS−RPS 20x250mm、移動相A:水中1%HOAc、移動相B:アセトニトリル中1%HOAc;流速:19ml/分;勾配:5%Bで1分間、20分間で5−25%Bとし、1分間で25−90%Bとし、90%Bで5分間洗浄する;試料:42g/L Ac−(D)Cys(trt)−(D)Ala−(D)Arg−(D)Arg−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH2・4HCl 88%RSのHPLC純度;注入容量:3mlフラクション(0.75分間)
エテルカルセチド(化合物20)の合成
エテルカルセチド:Ac−(D)Cys(trt)−(D)Ala−(D)Arg−(D)Arg−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH2・4HCl(37、配列番号:11、1.0g、0.64ミリモル)を水(95ml)に溶かし、H−Cys(trt)−OH(2.4g、10当量)を添加した。その溶液のpHを水性HClを用いて2.85に調整し、これによりH−Cys(trt)−OHの溶解を助けた。MeOH中ヨウ素の2%溶液を合計で約10当量が添加されるまで少しずつ(およそ1時間毎に)加えた。一夜反応させた後、出発材料は完全に消費され、メタノールおよびアセトニトリルを蒸発により除去した。沈殿したトリチル誘導体(分解生成物)をMTBEで抽出することで除去した。粗エテルカルセチド(5.9g/L)を含有する得られた水溶液(約60ml)をさらに精製した(60%RS(HPLC方法2)、収率53%(HPLCアッセイによる評価))。分取クロマトグラフィーに付した後、フラクションを単離し、>95%RS(UPLC)を>90%の収率で得た。UPLC条件:カラム:ウォーターズ・アクワイティ(Waters ACQUITY)UPLC HSS T3カラム(100Å、1.8μ、2.1x150mm) 移動相A:3%アセトニトリル中0.1%TFA:移動相B:30%アセトニトリル中0.1%TFA;カラム温度:45℃;流速:0.25ml/分;UV(220nm);勾配:1分間0%Bとし、23分間で0から34%Bとし、9分間で34から70%Bとする。
Claims (34)
- エテルカルセチドの調製方法であって、
(i)D−アルギニンの代わりにD−オルニチンを含むエテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントのN−末端を、エテルカルセチドの保護されたトリペプチドフラグメントのC−末端と、液相にてカップリングさせ、末端D−システインを含むエテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体を形成させることを含む、方法。 - エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントが、構造式:
- エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントが室温で固体である、請求項2に記載の方法。
- トリペプチドフラグメントが構造式:
- トリペプチドフラグメントが室温で固体である、請求項4に記載の方法。
- カップリングが有機溶媒中で実施されて反応混合物を提供する方法であって、該反応混合物に水を添加し、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体を沈殿させることをさらに含む、請求項1−5のいずれか一項に記載の方法。
- (ii)エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体からオルニチンδ−アミノ保護基を取り除くこと、および
(iii)エテルカルセチドの脱保護されたヘプタペプチド先駆体をグアニル化(guanylating)に供し、それによりオルニチン残基をアルギニンと置き換え、構造式:
をさらに含む、請求項1−6のいずれか一項に記載の方法。 - (iv)工程(iii)にて形成された中間体の末端D−システインをL−システインとジスルフィド結合の形成を介してカップリングさせ、エテルカルセチドを形成することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
- 工程(i)のカップリングを行う前に、
(a)エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントを液相にて調製することを、
さらに含む、請求項1−8のいずれか一項に記載の方法。 - エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドが連続的液相プロセスを介して調製される、請求項9に記載の方法。
- 調製工程(a)が、
(a−i)オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物(UNCA)を、構造式:
(a−ii)そのトリペプチドを脱保護に供し、脱保護されたトリペプチドを形成すること;および
(a−iii)その脱保護されたトリペプチドを、オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物にカップリングさせてエテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントを形成すること
を含む、請求項9または10に記載の方法。 - 調製工程が副生成物の気体の形成をもたらす、請求項11に記載の方法。
- オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物が、保護されたD−オルニチンのベンジルオキシカルボニル保護のN−カルボキシ無水物である、請求項11に記載の方法。
- カップリング工程(a−i)および(a−iii)が、各々、テトラヒドロフラン中で実施される、請求項11−13のいずれか一項に記載の方法。
- 液相がエーテル、エステル、芳香族炭化水素および塩素化炭化水素からなる群より選択される有機溶媒を含む、請求項9−13のいずれか一項に記載の方法。
- カップリング工程(i)の前に、エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントを沈降または再結晶操作により精製することをさらに含む、請求項1−15のいずれか一項に記載の方法。
- 化合物19のD−システインがアセトアミド保護基を含む方法であって、(v)アセトアミド保護基を切断することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
- 反応工程(iv)および切断工程(v)が単一の反応容器中で実施される、請求項17に記載の方法。
- エテルカルセチドの調製方法であって、
(i)エテルカルセチドのアセチル化されたN−末端保護のトリペプチドフラグメントを、液相中にてエテルカルセチドの完全に脱保護されたC−末端テトラペプチドフラグメントとカップリングさせ、末端D−システインを含む、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを形成することを含む、方法。 - エテルカルセチドのアセチル化されたN−末端保護のトリペプチドフラグメントが、構造式:
- エテルカルセチドの完全に脱保護されたC−末端テトラペプチドフラグメントが、構造式:
- エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントが、構造式:
- カップリングがカップリング試薬の存在下にある有機溶媒中で実施されて反応混合物を提供する、請求項19−22のいずれか一項に記載の方法。
- (ii)エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを反応混合物より回収することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
- 回収工程(ii)がアセトニトリルを反応混合物に添加し、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを沈殿させることを含む、請求項24に記載の方法。
- (iii)エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントの末端D−システインを溶液中にてL−システインとジスルフィド結合の形成を介してカップリングさせ、エテルカルセチドを形成させることをさらに含む、請求項19−25のいずれか一項に記載の方法。
- エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントのD−システインがトリチル保護基を含む方法であって、(ii−a)L−システインとカップリングさせる前に、トリチル保護基を切断することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
- (iv)エテルカルセチドを精製することをさらに含む、請求項26または請求項27に記載の方法。
- 精製工程(iv)がエテルカルセチドをイオン交換クロマトグラフィーによって精製することを含む、請求項28に記載の方法。
- 精製工程(iv)がエテルカルセチドをナノ濾過により精製し、ナノ濾過されたエテルカルセチドを得ることを含む、請求項28に記載の方法。
- (v)そのナノ濾過されたエテルカルセチドを凍結乾燥することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
- カップリング工程(i)に付す前に、(a)エテルカルセチドのC−末端テトラペプチドフラグメントを液相にて調製することをさらに含む、請求項19−31のいずれか一項に記載の方法。
- 調製工程(a)が
(a−i)N−保護のD−アラニンをH−(D)−アルギニン・塩酸塩とカップリング試薬の存在下にて溶液中でカップリングさせてN−保護のD−Ala−D−Arg−NH2・塩酸塩を形成する工程;
(a−ii)そのN−保護のD−Ala−D−Arg−NH2・塩酸塩をテトラフェニルホウ酸ナトリウムで処理し、テトラフェニルホウ酸塩を形成する工程;
(a−iii)(a−ii)から由来のテトラフェニルホウ酸塩を有機溶媒に抽出する工程;
(a−iv)そのテトラフェニルホウ酸塩を塩酸塩に変換する工程;
(a−v)(a−iv)から由来の塩酸塩を脱保護に供し、ジペプチド H−D−Ala−D−Arg−NH2・塩酸塩を形成する工程;
(a−vi)N−保護のD−アルギニン・塩酸塩とカップリングさせることにより、ジペプチド H−D−Ala−D−Arg−NH2・塩酸塩でのカップリング工程、処理工程、抽出工程、および脱保護工程を連続して繰り返し、トリペプチド H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH2・塩酸塩を形成する工程;および
(a−vii)N−保護のD−アルギニン・塩酸塩とカップリングさせることにより、工程(a−vi)から由来のトリペプチド H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH2・塩酸塩でのカップリング工程、処理工程、抽出工程、および脱保護工程を連続して繰り返し、構造式:
を含む、請求項32に記載の方法。 - (a−viii)化合物29のN−保護のテトラペプチドフラグメントを脱保護することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
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