JP6783787B2 - エテルカルセチドの調製のための液相方法 - Google Patents

エテルカルセチドの調製のための液相方法 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2015年3月26日付け出願の米国仮特許出願第62/138,903号の優先権の利益を主張するものであり、その内容をその出典を明示することにより本明細書に組み込まれるものとする。
(技術分野)
本発明の開示は、一般に、ポリペプチド合成の分野に、より詳細にはエテルカルセチド(etelcalcetide)(これまで、AMG416またはベルカルセチド(velcalcetide)として知られている)またはその医薬的に許容される塩の液相合成に関する。
エテルカルセチドは、カルシウム感知受容体の、8個のアミノ酸の合成選択的ペプチド作動薬である。エテルカルセチドは、インビボにおける副甲状腺ホルモンレベルを低下させるのに効果的であり、例えば、高カルシウム血症または副甲状腺機能亢進症の治療に有用である。例えば、Walter, S.ら,J. Pharmacol Exp Ther, 2013, Aug:346 (2):229-40を参照のこと。エテルカルセチドは、今も、慢性腎疾患−ミネラルおよび骨障害の血液透析患者での二次的副甲状腺機能亢進症(SHPT)の治療において静脈内にて使用するのに開発中であり;その製品はパルサビブ(Parsabiv)(登録商標)の商品名にて言及される。
エテルカルセチドの塩酸塩は、化学構造式:
化合物20(配列番号:1)
で示される。
本明細書においてエテルカルセチドの骨格とも称される、エテルカルセチドの主鎖は、すべてがD−配置の7個のアミノ酸を有し、一方で側鎖のシステイン残基(H−L−Cys−H)はL−配置である。エテルカルセチド(遊離塩基)の分子式はC38732110であり;その平均分子量は計算によると1048.3Daである。
エテルカルセチドおよびその調製方法は、国際特許公開番号WO2011/014707(その内容を出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている。エテルカルセチドは、伝統的には、その対応するFmoc−保護D−アミノ酸から固相合成により組み立てられる。適切な樹脂支持体とのカップリングおよび切断を連続して行うこと(すなわち、固相ペプチド合成)によって主鎖を組み立てた後に、その主鎖をジピリジルジスルフィドの存在下にてトリフルオロ酢酸溶液で処理し、対応する活性化骨格を形成し、次にそれをL−Cys−OH/水で処理し、エテルカルセチドを得る。ついで得られた生成物を、典型的には、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)に付して精製し、凍結乾燥によりTFA塩として単離する。次にそのTFA塩を、塩交換方法を実施することにより、例えばイオン交換クロマトグラフィーに付し、所望によりつづいて、例えば逆相液体クロマトグラフィーまたは逆浸透により精製することにより、塩酸塩などの医薬的に許容される塩に変換する。
上記にて概説される慣用的な固相合成とは異なり、本発明の開示は、エテルカルセチドを調製するための液相方法を提供する。本明細書において提供される方法は、限定されるものではないが、とりわけ、低原材料コスト、中間体の精製工程の容易さ、フラグメントのアセンブリーの容易さ、高キラル純度、および商業的スケールアップへの適応性を含め、下記にさらに詳細に記載されるように、伝統的固相合成と比べていくつかの利点を有する。
エテルカルセチドの中間体を調製するための、ならびにエテルカルセチドおよびその医薬的に許容される塩を調製するための液相方法が、本明細書にて提供される。一般に、該方法は、液相フラグメントをカップリングさせてエテルカルセチドの主鎖となるヘプタペプチドを形成し、つづいてジスルフィド架橋形成を通してL−システイン側鎖を導入することを含む。
より具体的には、第1の態様では、本明細書にて、(i)D−アルギニンの代わりにD−オルニチンを含むエテルカルセチドの保護されたN−末端テトラペプチドフラグメントを、エテルカルセチドの保護されたトリペプチドフラグメントと、液相にてカップリングさせ、末端D−システインを含むエテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体を形成することを含む、エテルカルセチドまたはその先駆体の調製方法が本明細書にて提供される。
第1の態様に関する1の実施態様において、エテルカルセチドの保護されたN−末端テトラペプチドフラグメントは、配列番号:2、H−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe (化合物14)で示される配列を有する。1または複数の関連する実施態様において、エテルカルセチドの保護されたN−末端テトラペプチドフラグメントは固体である。もう1つまたは複数のさらなる実施態様において、エテルカルセチドの保護されたN−末端テトラペプチドフラグメントは結晶化可能な固体である。エテルカルセチドのN−末端テトラペプチドフラグメントまたはエテルカルセチドの他のいずれかのフラグメントなどの固体、所望により結晶化可能な/結晶性の中間体の調製は、従来の時間および溶媒を必要とするクロマトグラフィー方法を利用するよりもむしろ、例えば沈降化または結晶化により固体を単離することにより精製の機会を付与するため、該調製は特に有益である。
第1の態様に関するさらに1または複数のさらなる実施態様において、トリペプチドフラグメントは、配列番号:3、Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OH)(化合物13)で示される配列を有し、エテルカルセチドのその保護されたヘプタペプチド先駆体は、配列番号:4、Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe(化合物15)の配列を有する。
第1の態様に関するさらに1または複数のさらなる実施態様において、トリペプチドフラグメントは固体である。さらに1または複数の関連する実施態様において、トリペプチドフラグメントは結晶化可能な固体である。
さらに1または複数の実施態様において、反応混合物を提供するのにカップリングは有機溶媒にて実施され、その方法は、さらには、水を反応混合物に添加してエテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体を沈殿させることを含む。
上記態様に関するさらに1または複数のさらなる実施態様において、該方法は、(ii)エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体からオルニチンδ−アミノ保護基を取り除くこと、および(iii)エテルカルセチドの脱保護されたヘプタペプチド先駆体をグアニチニル化(guanitinylating)し、それによりオルニチン残基をアルギニンと置き換え、配列番号:5の配列を有する中間体(化合物19)を形成することをさらに含む。
1または複数のさらなる実施態様において、該方法は、(iv)工程(iii)にて形成された中間体の末端D−システインをジスルフィド結合の形成を介してL−システインとカップリングさせて、テルカルセチド(配列番号:1、化合物20)を形成することをさらに含む。
第1の態様に係る方法のさらに1または複数の実施態様において、該方法は、工程(i)のカップリングに付す前に、(a)エテルカルセチドの保護されたN−末端テトラペプチドフラグメントを液相にて調製することをさらに含む。上記される事項に関する1または複数の実施態様において、エテルカルセチドの保護されたN−末端テトラペプチドは、連続的液相プロセスを介して調製される。より詳細には、1または複数のさらなる実施態様において、調製工程(a)は、
(a−i)オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物(UNCA)を、配列番号:6のジペプチド(化合物)とカップリングさせて保護されたトリペプチドを形成すること;
(a−ii)トリペプチドを脱保護に供し、脱保護されたトリペプチドを形成すること;および
(a−iii)脱保護されたトリペプチドを、オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物にカップリングさせてエテルカルセチドの保護されたN−末端テトラペプチドフラグメントを形成すること
を含む。上記した態様に対応する例示的フラグメントは、配列番号:7の工程(a−i)の完全に保護されたトリペプチド(化合物)および配列番号:8の一部脱保護されたトリペプチド(化合物)を包含する。
上記態様に関する1または複数の実施態様において、調製工程は気体の副生成物の形成をもたらす。
さらに1または複数のさらなる実施態様において、オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物は、保護されたD−オルニチンのベンジルオキシカルボニル保護されたN−カルボキシ無水物である。
その上1または複数のさらなる実施態様において、カップリング工程(a−i)および(a−iii)の各々は、テトラヒドロフラン中で実施される。
工程(a)またはその下位工程に関するさらにもう一つ別の1または複数の実施態様において、液相は、エーテル、エステル、芳香族炭化水素および塩素化炭化水素からなる群より選択される有機溶媒を含む。
その上1または複数のさらなる実施態様において、該方法は、カップリング工程(i)に付す前に、再結晶化によりエテルカルセチドのN−末端テトラペプチドフラグメントを精製することをさらに含む。
第2の態様において、エテルカルセチドまたはその医薬的に許容される塩を調製するための液相方法であって、(i)配列番号:5の中間体(化合物19)をL−システインと液相にて反応させることを含む、該方法が本明細書にて提供される。
第2の態様に関する1または複数の実施態様において、化合物19のD−システインはアセトアミド保護基を含み、該方法は、(ii)アセトアミド保護基を切断することをさらに含む。上記の態様に関する実施態様において、反応工程(i)および切断工程(ii)は単一の反応容器で実施され、エテルカルセチドを提供する。
本発明の第3の態様は、エテルカルセチドまたはその先駆体を調製する方法であって、(i)エテルカルセチドのN−末端がアセチル化で保護されたトリペプチドフラグメントを、遊離アミノ基を有するエテルカルセチドのC−末端が完全に脱保護されたテトラペプチドフラグメントと、液相中でカップリングさせ、末端D−システインを含むエテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを形成する、ことを含む、方法に関する。以下の実施態様および/または特徴は、エテルカルセチドまたはその先駆体を調製する方法の第3の態様に関する。
第3の態様に関する1または複数の実施態様において、遊離C−末端を有するN−末端がアセチル化で保護されたトリペプチドフラグメントは、配列番号:9の配列 (Ac−(D)Cys(PG)−(D)Ala−(D)Arg−OH)(化合物36)を有する。
その上1または複数のさらなる実施態様において、エテルカルセチドのN−末端が完全に脱保護されたテトラペプチドフラグメントは配列番号:5の配列(H−(D)Arg−(D)Arg−(D)−Ala−(D)Arg−NH)(化合物30)を有する。
1または複数のさらなる実施態様において、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントは配列番号:11の配列(Ac−(D)Cys(PG)−(D)Ala−(D)Arg−(D)Arg−(D)Arg−(D)−Ala−(D)Arg−NH)(化合物37)を有する。
その上1または複数のさらなる実施態様において、カップリングは反応混合物を得るのにカップリング試薬を含む有機溶媒中で実施される。
1または複数のさらなる実施態様において、第3の態様の方法は、(ii)エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを反応混合物から回収することをさらに含む。
上記の態様に関する1または複数の個々の実施態様において、回収工程(ii)は、アセトニトリルを反応混合物に添加し、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを沈殿させることを含む。
その上1または複数の実施態様において、該方法は、(iii)エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントの末端D−システインを保護されたL−システインとジスルフィド結合の形成を介して溶液中でカップリングさせ、エテルカルセチドを形成することをさらに含む。
その上1または複数の実施態様において、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントのD−システインはトリチル保護基を含み、該方法は(ii−a)L−システインとのカップリングの前にトリチル保護基を切断することをさらに含む。
その上1または複数のさらなる実施態様において、該方法は(iv)エテルカルセチドを精製することをさらに含む。上記態様の特定の実施態様において、エテルカルセチドはイオン交換クロマトグラフィーにより精製される。その上さらなる実施態様において、イオン交換クロマトグラフィー工程に続いて、ナノ濾過、すなわち塩を除去する操作に供される。もう一つ別の実施態様において、精製工程(iv)はエテルカルセチドをイオン交換/ナノ濾過に付して精製することを含み、ここで該方法は(v)ナノ濾過に付したエテルカルセチドを凍結乾燥させることを含む。
第3の態様に関する1または複数の実施態様において、該方法は、カップリング工程(i)に付す前に、(a)エテルカルセチドのC−末端テトラペプチドフラグメントを液相中で調製することをさらに含む。
上記の態様に関する1または複数の実施態様において、調製工程(a)は、
(a−i)N−保護のD−アラニンを塩酸H−(D)−アルギンアミドと、カップリング剤を配合した溶液中でカップリングさせ、N−保護のD−Ala−Arg−NH・塩酸塩を形成する工程;
(a−ii)N−保護のD−Ala−Arg−OHをテトラフェニルホウ酸ナトリウムで処理し、テトラフェニルホウ酸塩を形成する工程;
(a−iii)(a−ii)から由来のテトラフェニルホウ酸塩を有機溶媒に抽出する工程;
(a−iv)そのテトラフェニルホウ酸塩を塩酸塩に変換する工程;
(a−v)脱保護、例えば(a−iv)から由来の塩酸塩からN−保護Cbz(Z)基を除去し、ジペプチド H−D−Ala−D−Arg−NH・塩酸塩を形成する工程;
(a−vi)N−保護されたD−アルギニン・塩酸塩とカップリングさせることにより、ジペプチド H−D−Ala−D−Arg−NH・塩酸塩でのカップリング工程、処理工程、抽出工程、および脱保護工程を連続して繰り返し、トリペプチド H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH・塩酸塩を形成する工程;および
(a−vii)N−保護されたD−アルギニン・塩酸塩とカップリングさせることにより、工程(a−vi)からのトリペプチド H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH・塩酸塩でのカップリング工程、処理工程、抽出工程、および脱保護工程を連続して繰り返し、配列番号:12のテトラペプチド(化合物29) Z−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH・2HClを形成する工程
を含む。
その上1または複数の実施態様において、該方法は、
(a−viii)配列番号:12のN−保護テトラペプチドフラグメントを脱保護する工程
をさらに含む。
本明細書に記載の方法のさらなる実施態様は、後記する説明、実施例および請求の範囲から明らかであろう。上記および後記の説明から理解され得るように、本明細書に記載のどの特徴も、2つ以上のかかる特徴のどの組み合わせも、かかる組み合わせにおいて含まれる特徴が相互に矛盾しないという条件の下で、本発明の開示の範囲内に含まれる。さらには、いずれの特徴または特徴の組み合わせであっても、本発明のどの実施態様からも特別に除外されてもよい。特に後記される実施例および添付の図面と合わせて考慮されると、本発明のさらなる態様および利点が以下の説明において記載される。
エテルカルセチド(Ac−D−Cys(H−L−Cys−OH)−D−Ala−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH、配列番号:1)の化学構造式を示す。
配列番号:13の配列を有するエテルカルセチドのN−末端が完全に保護されたテトラペプチドフラグメント(化合物、Z−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe)を調製するための代表的な液相反応スキームを示す。実施例1−7を参照のこと。
配列番号:3の配列を有する、エテルカルセチドの保護されたトリペプチドフラグメント(化合物13、Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OH)を調製するための代表的な液相反応スキームを示す。また、エテルカルセチドのN−末端が保護されたテトラペプチドフラグメント(1のN−末端が遊離塩基の保護されていない形態である、14)を、エテルカルセチドの保護されたトリペプチドフラグメント13(そのC末端が保護されていない)とカップリングさせ、最終的に完全に保護されるエテルカルセチドのヘプタペプチド先駆体16を提供する、代表的な反応スキームを示す。エテルカルセチドのヘプタペプチド先駆体16は完全に保護されており、エテルカルセチドの主鎖においてD−アルギニンがD−オルニチンで置換されているものに相当する。エテルカルセチドの完全に保護されたヘプタペプチドフラグメント18は17をペルグアニジニル化することにより生成され、ここで17はオルニチンδ−アミノ基のすべてがすべて保護されていない(すなわち、遊離アミノの)形態である。実施例8−16を参照のこと。
エテルカルセチドのヘプタペプチド中間体に含まれるBoc−保護のアルギニンをグローバルな脱保護に、つづいてD−システインを脱保護に供し、L−システインとカップリングさせ、所望の生成物のエテルカルセチドを形成することを示す。実施例15および16を参照のこと。
エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントの液相調製に有用な、エテルカルセチドのC−末端が完全にアミノ脱保護されたテトラペプチドフラグメント、化合物30(配列番号:10)の代表的な液相合成を示す。その合成の詳細は実施例17−20に提供される。
エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントの液相調製に有用な、エテルカルセチドのN−末端がアセチル化により保護されたトリペプチドフラグメント、化合物36(配列番号:9)を調製するための代表的な液相合成方法を示す。その合成の詳細は実施例21−24に提供される。
エテルカルセチドのヘプタペプチドを形成するための代表的な液相合成方法を示す。該方法では、N−末端がアセチル化により保護されたトリペプチドを、C−末端が完全にアミノ脱保護されたテトラペプチドとカップリングさせ、ヘプタペプチドのエテルカルセチド中間体を形成する。その合成の詳細は実施例25および26にて提供される。
図8A−8Lは本明細書に記載の種々の化合物の合成を示す。
本発明の開示は、この度、下記にてより詳細に記載されるであろう。しかしながら、この開示は、多種多様な形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施態様に限定されるものと解釈されるべきではなく;むしろ、これらの実施態様は本発明の開示が完璧かつ完全であって、その範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
本明細書中にて引用されるすべての刊行物、特許および特許出願(上記または下記を問わない)は、特記されない限り、出典明示によりその全体が本明細書に組み込まれる。同じ用語が、出典明示により本明細書に組み込まれた刊行物、特許または特許出願と、本発明の開示との両方で定義される場合には、本発明の開示における定義が支配的定義を表す。特定の型の化合物、ペプチド、化学等の記載のために参照される刊行物、特許および特許出願では、かかる化合物、化学等に関与する部分は、出典明示により本明細書に組み込まれるそれらの文書の部分である。
本明細書で使用されるセクションの見出しは、組織化を目的として記載されるに過ぎず、記載される題目を限定するものとして何ら解釈されるべきではない。
定義
本明細書中で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が単数であることを明示しない限り、複数形を包含することを留意すべきである。
他に特に言及しない限り、本明細書で提供される用語の定義は、例えば、有機合成、ペプチド合成および薬学の分野で使用される標準的な定義である。例えば、L. Otvos(編)、ペプチドをベースとする薬物設計:方法およびプロトコル(Peptide-Based Drug Design:Methods and Protocols), Human Press(2010);Benoiton, L.、ペプチド合成の化学(Chemistry of Peptide Synthesis), CRC Press(2005); Ausubel F. M.ら(編)、分子生物学における最新のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology), John Wiley & Sons(2004)を参照のこと。精製技法は、典型的には、当該分野にて一般的に行われるような、製造業者の仕様に従って、あるいは本明細書に記載されるように実施される。例えば、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、および薬学的および製薬的化学の実験室での操作および技法は、当該分野にて周知かつ一般的に使用される操作および技法である。
本発明を記載および特許請求するにおいて、以下の用語は、下記の定義に従って使用されるであろう。
これまで、AMG416、ベルカルセチドおよびKAI−4169として知られる、「エテルカルセチド」なる語は、以下の構造式:
を有する、化学名がL−システインとのN−アセチル−D−システイニル−D−アラニル−D−アルギニル−D−アルギニル−D−アルギニル−D−アラニル−D−アルギンアミド・ジスルフィドである、化合物をいう。
エテルカルセチドへの、あるいは本明細書にて記載されるようなエテルカルセチドのフラグメント、中間体または先駆体のいずれかの化合物への言及は、その中性の非荷電性形態、ならびにその医薬的に許容される塩、水和物および溶媒和物を包含するものとする。
「エテルカルセチド塩酸塩」と「エテルカルセチド・HCl」なる語は相互に変換でき、以下の構造式:
を有する、エテルカルセチドの塩酸塩の形態をいう。典型的には、xは約4ないし5の数値である。正確な値は所定の試料を塩素含量分析に付すことで測定され得る。
「医薬的に許容される塩」とは、患者に対して有意で有害な毒性作用を惹起しない塩形成に適する少なくとも1つの基を有する化合物の塩形態をいう。「医薬的に許容される塩」なる語は、ある点において、本明細書にて提供されるような化合物の、例えば、エテルカルセチド、ならびに1または複数のイオン化可能なアミン基を有する、エテルカルセチドのフラグメント、中間体、先駆体等の相対的に毒性の小さな無機または有機酸付加塩を言ってもよい。代表的な塩として、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、ホスファート、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフトエ酸塩(napthylate)、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリル硫酸塩(laurylsulphonate)等が挙げられる。(例えば、Bergeら(1977)「医薬としての塩(Pharmaceutical Salts)」、J. Pharm. Sci. 66:1-19を参照のこと)
ある場合には、化合物は1または複数の酸性官能基を含有してもよい。そのような場合には、該化合物は医薬的に許容される塩基との医薬的に許容される塩を形成するであろう。「医薬的に許容される塩」なる語は、そのような場合には、かかる化合物の相対的に毒性の小さな無機または有機塩基付加塩を言ってもよい。代表的なアルカリまたはアルカリ土類塩として、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム塩等が挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとして、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等が挙げられる。適切に医薬的に許容される塩の形態は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties, Selection and Use, Weinheim/Zurich:Wiley−VCH/VHCA, 2002; P. H. StahlおよびC. G. Wermuth編に見受けられる。
本明細書中に使用されるような「保護基」または「PG」なる語は、潜在的に反応性の官能基を望ましくない化学変換から保護する、一時的な置換基をいう。かかる保護基の例として、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびにアルデヒドおよびケトンの各々でアセタールおよびケタールが挙げられる。例えば、Greene, T.W.; Wuts, P.G.M. 有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、第4版; Wiley:New York, 2007; Isidro-Llobet, A.ら、アミノ酸保護基(アミノ Acid-Protecting Groups)、Chem. Rev 2009, 109, 2455-2504を参照のこと。本明細書に記載の反応性アミノ酸またはペプチドフラグメントは、対象となる化学変換の標的ではない官能基に、1または複数の保護基を適宜含有することが多い。代表的な保護基として、例えば、ベンジルオキシカルボニル(「Cbz」または「Z」)とも称されるカルボキシベンジル、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、トリチル(Trt)、メチルエステル(OMe)、アミド等が挙げられる。本明細書において示される略式構造にて、C−末端の−NHはアミド保護基(〜C(O)NH)を意味し、N−末端の「H」は遊離アミノ基を意味し、括弧中の保護基の表示は保護基がオルニチンのδ位の窒素上にあることを意味する。
「遊離アミノ酸」または「遊離アミノ基」は、−NHの形態にて、すなわち、保護されていないアミノ基を有する、アミノ酸、ペプチドフラグメントまたはペプチドをいう。
本明細書にて使用されるような「カップリング剤」、「縮合剤」、「縮合活性化剤」なる語は、本明細書において互換的に使用され、1のアミノ酸からのアミノ基と、もう一つ別のアミノ酸からのカルボキシル基との反応を容易にし、ペプチド結合を形成する化学試剤をいう。典型的なカップリング剤は、当該分野にて周知であり、限定されるものではないが、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム 3−オキシド ヘキサフルオロホスファート(HATU)、[ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ(ジメチルアミノ)メチリデン]−ジメチルアザニウム・テトラフルオロボラート(TBTU)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム・ヘキサフルオロホスファート、O−(ベンゾチリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスファート(HBTU)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(IPEA)などのカルボジイミドを包含する。かかる化合物は商業的供給業者より容易に入手可能である。
本明細書中で使用される「カップリング」なる語は、2つのアミノ酸、または2つのペプチドフラグメントを反応させるか、あるいはアミノ酸とペプチドフラグメントとを反応させ、それによりその反応物の鎖長よりも伸長された鎖長を有するペプチドを形成することをいう。一般に、カップリング反応は2つのアミノ酸の間で、またはアミノ酸とペプチドフラグメントとの間で、あるいは2つのペプチドフラグメントの間で新しいペプチドまたはアミド結合の形成をもたらすが、本明細書で使用されるような「カップリング」なる語はまた、ジスルフィド結合の形成をもたらしてもよく、例えば、システインのチオール基を反応させた場合に、(L−システインをエテルカルセチドの主鎖に導入する場合のように)ジスルフィド架橋を形成してもよい。
「治療する」なる語は、傷害、病理または症状の治療または改善における、軽減;寛解;徴候または症状の減少などの客観的または主観的パラメータを含む、成功の何らかの兆しを、あるいは傷害、病理または症状を患者に対してより許容しやすくすること;退化または衰退速度を遅らせること;患者の肉体的または精神的健全性を改善することをいう。徴候または症状の治療または改善は、身体検査の結果を含め、客観的または主観的パラメータに基づくことができる。例えば、エテルカルセチドの投与は、血清中無傷の副甲状腺ホルモン(iPTH)を減少させることにより、CKD−MBDを有する血液透析患者におけるSHPTを治療するのに用いることができる。
「効果的な量」は、一般に、症状の重篤度および/または頻度を減少させ、症状および/または根底にある原因を排除し、症状および/またはその根底にある原因の出現を防止し、および/または病態(例えば、高PHTレベル)からもたらされる、または病態に付随する損傷を改善または修正するのに十分な量である。「治療的に効果的な量」は、病態または症候、特に該病態に付随する症状または症候を改善するのに十分な量であるか、あるいはそうでないとすれば、どのような方法であれ、その病態、または疾患に付随する任意の他の望ましくない症候の進行を防止、妨害、遅延または反転させる量である。完全な治療効果が、1用量の投与によって必ずしも生じるものではなく、一連の用量を投与した後でだけ生じるかもしれない。かくして、治療的に効果的な量は、単回用量として投与されてもよく、または複数回用量にて投与されてもよい。
本明細書中で使用されるような、「治療的に効果的な用量」および「治療的に効果的な量」なる語は、組織系、動物または人類において、治療すべき疾患または症状の徴候または症候の緩和または改善を誘発する、生物学的または医学的応答を惹起する量、すなわち1または複数の望ましい生物学的または医学的応答の観察可能なレベル、例えばPTHの低下を支持するエテルカルセチドの量を意味する。
「ペプチド」なる語は、1のアミノ酸のカルボキシル基がもう一つ別のアミノ酸のアミノ基と連結する、2またはそれ以上のアミノ酸を含有する化合物をいう。かくして、エテルカルセチド、ならびに2またはそれ以上のアミノ酸を含有するそのフラグメント、中間体および先駆体(ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド等)は、本明細書では、一般にペプチドと称される。ペプチドなる語は、1または複数のアミノ酸残基が、対応する天然に存するアミノ酸のアナログまたは模倣体であるペプチドに、ならびに天然に存するアミノ酸だけを含むペプチドにも適用する。本明細書にて提供されるようなペプチドはまた、例えば、炭水化物残基を付加することにより糖タンパク質を形成するように修飾されてもよく、あるいはリン酸化されてもよい。
ペプチドの「変種」は、1または複数のアミノ酸残基が、別のポリペプチド配列と比べて、アミノ酸配列に挿入、欠失および/または置換されているアミノ酸配列を含む。変種は融合タンパク質を包含する。
ペプチドの「誘導体」は、例えば、別の化学的部分との接合を介して、挿入、欠失または置換された変種とは異なるある方法で化学的に修飾されているペプチドである。そのような修飾として、例えば、ある基のペプチドまたはポリペプチドのアミノおよび/またはカルボキシ末端との共有付加、例えば、アミノ末端のアセチル化、および/またはペプチドまたはポリペプチドのカルボキシ末端のアミド化を挙げることができる。化学的修飾が1または複数の保護基の導入である場合には、かかるペプチドは、一般には、本明細書において保護された形態であると称される。
「アミノ酸」なる語は当該分野におけるその通常の意味を含む。20種の天然に存するアミノ酸およびその略語は慣用的な使い方に従う。免疫学−合成(Immunology-A Synthesis), 2nd Edition,(E.S.GolubおよびD.R.Green編), Sinauer Associates: Sunderland, Mass.(1991)を参照のこと。19種の従来型アミノ酸(グリシンを除く)の立体異性体(例えば、D−アミノ酸)、[アルファ]−,[アルファ]−ジ置換アミノ酸などの非天然型アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、および他の非従来型アミノ酸もまた、本明細書において提供されるようなペプチドのための適切な構成要素であってもよく、「アミノ酸」なる語に含まれる。非従来型アミノ酸の例として、ホモシステイン、オルニチン、4−ヒドロキシプロリン、[ガンマ]−カルボキシグルタマート、[エプシロン]−N,N,N−トリメチルリジン、[エプシロン]−N−アセチルリジン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリジン、[ガンマ]−N−メチルアルギニン、および他の類似するアミノ酸およびイミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリン)が挙げられる。本明細書で使用されるペプチド表記法において、標準的な使用および慣例に従って、左手方向がアミノ末端方向であり、右手方向がカルボキシ末端方向である。
キラル純度は、ペプチドフラグメントまたはペプチドのジアステレオマー純度をいう。例えば、キラル純度が98%のペプチドフラグメントは、ペプチドフラグメントの98%が単一のジアステレオマーの形態であることを意味する。本明細書に記載の方法により提供されるペプチドおよびペプチドフラグメントは、一般に、95%より大きな、しばしば98%より大きな、好ましくは少なくとも99%のキラル純度を示す。
「UNCA」なる略語は、ウレタン保護されたアミノ酸N−カルボキシ無水物をいう。本明細書で提供されるような代表的なUNCA化合物には、化合物およびが含まれる。
本明細書中で使用されるような「室温」なる語は、16℃と26℃の範囲内にある温度をいう。
「液相」において行われる反応または工程は、従来の固相ペプチド合成において用いられるような固体支持体の使用というよりはむしろ、溶液中で行われる。固相ペプチド合成(「SPPS」)では、成長するペプチド鎖が固体支持体に連結される。
連続的液相工程は、該工程にて形成される中間体が単離または精製されずに、その後の変換工程に引き継がれる、上記されるような液相工程である。一般に、連続的液相工程は、副生成物および過剰量の試薬が濾過または抽出により除去され得るか、または気体形態であり、それによって時間のかかる中間体の単離または精製の排除を可能にする、工程である。
本明細書中で使用されるような「対象」または「患者」はいずれの哺乳動物をもいい、典型的な実施態様において、対象または患者はヒトである。
「任意の」または「所望により」は、その後に記載される状況が生じて、生じなくてもよいことを意味し、その説明はその状況が起こる場合、および起こらない場合を含む。
特定の特徴または実体に関して「実質的に」なる語は、その特徴または実体に関して有意な程度まで、またはほとんどすべて(すなわち、85%以上の程度まで)を意味する。
「約」なる語は、特に所定の数に関して、±5%の偏差を含むものとする。
さらなる定義はまた下記のセクションでも見出すことができる。
概説
本発明の開示は、フラグメントをカップリングさせる技法を用いる、エテルカルセチド、またはその中間体および先駆体を調製するための液相方法を提供する。
第1の液相方法では、エテルカルセチドの主鎖は、2つのペプチドフラグメント(ここで該フラグメントはウレタン保護のアミノ酸N−カルボキシ無水物(UNCA)出発材料/反応体を用いて調製される)を液相フラグメントカップリングに供することにより組み立てられる。好ましくは、エテルカルセチドフラグメントは連続的プロセス、すなわち、中間体の単離または精製工程を必要としないプロセスを用いて調製される。第1の方法にて利用されるエテルカルセチドフラグメントは、D−アルギニンの代わりに、D−オルニチンを含有する。それらのD−アルギニンカウンターパートよりもむしろ、D−オルニチン含有のフラグメントの使用は、グアニジンの存在と関連付けられる望ましくない副反応の回避を可能とする。エテルカルセチドの先駆体、すなわち、D−アルギニンの代わりにD−オルニチン残基を有する先駆体を組み立てるためのカップリング方法にて使用される両方のフラグメントは、意外かつ有利にも、結晶化可能であり、該フラグメントが結晶化操作により精製され得ることを意味する。結晶性中間体の形成能は、時間および費用のかかる溶媒集約的クロマトグラフィー方法に依存することなく、容易で費用対効果に優れた、そのプロセスにおいて純度の高い中間体を提供するための方法を提供する。その第1の方法にてさらに有利な特徴は、エテルカルセチドヘプタペプチド先駆体に対してグローバルなグアニル化(すなわち、単一の反応)を実施し、それによりD−オルニチンをD−アルギニンと置き換える能力である。エテルカルセチドの主鎖の組み立ておよびグローバルなグアニル化に付された後、L−システインがジスルフィド結合の形成を介して導入される。
収束合成方法を利用する第2の液相フラグメントカップリング法にて、アセチル化されたN−末端の保護されたトリペプチドを、完全に脱保護されたC−末端テトラペプチドとカップリングさせ、ヘプタペプチドエテルカルセチド中間体を形成する。この液相方法にて、鎖伸長(すなわち、カップリング反応)は、保護されていないアルギニン残基を有するアミノ酸/ペプチドフラグメントを用いて実施される。この方法を用いると、C−末端エテルカルセチドなどのアルギニン含有のペプチドフラグメント、およびその関連する先駆体であるエテルカルセチドのジ−およびトリ−ペプチドが調製され、そのテトラフェニルボラート塩に変換され、後処理の間にアルギニン側鎖を保護する必要がなく、副生成物および不純物の除去が簡単となる。反応副生成物および不純物を除去した後、アルギニン含有のフラグメントのテトラフェニルボラート塩の形態は、典型的には、無機塩、例えば、塩酸塩に変換される。次にヘプタペプチドの背景からエテルカルセチドの形成は、例えば、L−システインとのジスルフィド架橋を形成することにより実施為れる。
上記の方法の特徴は、この度、後記するセクションにおいて詳細に記載される。
液相方法1
上記されるように、エテルカルセチドを製造するための第1の方法は、一般に、(a)D−アルギニンがD−オルニチンと置換されている、エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントを、(b)エテルカルセチドの保護されたトリペプチドと、液相にてカップリングさせ、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体を得ることからなる。エテルカルセチドのヘプタペプチド先駆体は、D−アルギニンがD−オルニチンと置換されている、エテルカルセチドの主鎖または骨格部に相当する。次にエテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体をペルグアニレーション(perguanylate)に付し、D−オルニチンをD−アルギニンと置き換え、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドのフラグメントを得、つづいてジスルフィド結合の形成を介してシステイン側鎖を導入する。
エテルカルセチドの完全に保護されたテトラペプチドフラグメント(化合物())を調製するための典型的な液相反応スキームが図2に示される。「完全に保護された」ペプチドフラグメントは、そのフラグメントにある感受性に富む反応性官能基のすべてが保護されているフラグメントである。例えば、化合物()を参照のこと。「保護された」ペプチドフラグメントまたはアミノ酸は、変換/カップリング反応において標的とすることを意図とする官能基を除いて、ペプチドフラグメントまたはアミノ酸の範囲内にある感受性に富む反応性部位のすべてが適切な保護基で保護されているペプチドまたはアミノ酸をいう。
図2に関連して、保護されたD−オルニチンのN−保護のN−カルボキシ無水物を用いて(D−アルギニンの代わりに)D−オルニチンを成長するペプチド鎖に導入し、テトラペプチド中間体を形成する。出発材料である、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)保護のN−カルボキシ無水物は、Biopolymers, 1996, 40, 183-205に、および国際特許公開番号WO2012/068187に記載されるように、Boc保護のD−オルニチンより調製され得る。特定の保護基は、本明細書にて、末端(α)アミノ、側鎖アミノ、末端カルボキシル、システインおよび他のアミノ酸またはペプチド官能基を保護/マスキングするために記載されるが、かかる保護基は例示を目的として提供されるに過ぎず、本明細書にて提供される液相合成方法の1または複数の実施態様と関連付けられる;別の適切な保護基および対応する脱保護方法を利用してもよく、本発明の開示の範囲内にある考えられる。例えば、UNCAはBoc、Fmoc、Cbzまたは他の適切な保護基を含有してもよい。
次に、無水物の環を、例えば、外界条件下、例えば室温でアルコール性溶媒中、穏やかな反応条件下で開環させて対応するメチルエステル()を形成し、つづいて適切な反応条件下でCbz保護基を除去し、カップリングのために利用できる保護されていないα−アミノ基を有するが、オルニチンのC−末端およびδ−アミノ基で保護基を有する、保護されたD−オルニチン化合物(、H−D−Orn(Boc)−OMe)を得る。Cbz保護基は、例えば、接触水素化分解により除去され得る。接触水素化分解は、典型的には、鎖長伸長工程の間に利用されCbz基を除去するが、一方でHBr/酢酸、高温でのトリフルオロ酢酸(TFA)、TFA−チオアニソール、液体フッ化水素酸または三臭化ホウ素がペプチドの最終脱保護においてCbz基を除去するのに利用されてもよい。代表的な反応条件を図2に示す。
エテルカルセチドのテトラペプチドフラグメントの調製を続ける場合、次に化合物、H−D−Orn(Boc)−OMeを、保護されたD−アラニン UNCA、例えば、Cbz−保護のD−アラニン UNCA()と、典型的には極性の非プロトン性溶媒中で反応させ、完全に保護されたD−オルニチン−D−アルギニンジペプチド、Z−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe()を得る。UNCA−付加反応を実施するのに適切な極性の非プロトン性有機溶媒は、例えば、エーテル、エステル、極性芳香族炭化水素および塩素化炭化水素を包含する。代表的な溶媒は、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジン、ホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等を包含する。UNCA−付加反応は、典型的には、約−15℃から約60℃の、または約−10℃から約30℃の、あるいはより好ましくは約−10℃から約25℃の範囲にある温度で実施される。
所望により、過剰量のUNCAは、例えば、シリサイクル(Silicycle)(登録商標)−NHなどのスカベンジャーと、あるいはその後で濾過により除去することができるいずれか他の適切な固体支持のアミンと反応させることにより、反応混合物より除去され得る。中間体の保護されたジ−、トリ−およびテトラ−ペプチドは、所望により、例えば、再結晶により、あるいはクロマトグラフィー技法を用いることにより、さらに精製されてもよい。例えば、(保護されているか、または完全に保護されている)ジ−、トリ−および/またはテトラ−ペプチドは、例えば、ジクロロメタンまたはクロロホルム中5%メタノールなどのアルコール−塩素化炭化水素の混合した溶媒系などの溶出液を用いるシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製されてもよい。完全に保護されたテトラペプチド中間体、PG−NH−D−Orn(NH−PG)−D−Orn(NH−PG)−D−Ala−Orn(NH−PG)−CO−PG(ここで、「PG」は保護基を意味する;例えば、Z−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe()を調製するために、例えば、化合物などの完全に保護されたD−オルニチン−D−アラニンのジペプチドを用いる脱保護−カップリング操作を反復して繰り返し、完全に保護されたテトラペプチドの中間体を得る。例えば、化合物の脱保護を、例えば接触水素化分解(例えば、パラジウム−炭素触媒の存在下で水素気体を用いる操作)に供してD−アラニンのN−末端でカルボキベンジル保護基を除去してを得、つづいてZ−D−Orn(Boc)UNCAなどの保護されたD−オルニチンUNCAとの反応により鎖長伸長操作に付し、完全に保護されたトリペプチド()を得る。化合物()は結晶化可能であり、すなわち、再結晶により精製され得る。適切な再結晶溶媒または溶媒系として、例えば、アセトニトリルが挙げられる。次に、脱保護を、この時点で鎖長伸長した完全に保護されたトリペプチド化合物()、Z−D−Orn(Boc)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMeに対してもう一度実施し、例えば、接触水素化分解によりカルボキシベンジル保護基を除去して保護されたトリペプチド化合物()、H−D−Orn(Boc)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMeを形成する。ついで化合物()の遊離アミノ基を保護された−D−オルニチンUNCA、例えば、Z−D−Orn(Boc)UNCAと反応させて完全に保護されたテトラペプチド()を得る。
実施例7において見ることができるように、上記のUNCAをベースとする反復鎖伸長方法は、90%を超える収率で化合物を得るのに効果的であった。次に、完全に保護されたテトラペプチド()の末端アミノ基を除去し、保護されたテトラペプチド中間体14(ここでそのN−末端は保護されたトリペプチドフラグメントの化合物(13)の保護されていないC−末端とカップリングするのに利用可能である)を形成する。化合物()の合成が例示として実施例1−7に提供される。
こうして調製された保護および/または完全に保護されたジ−、トリ−、およびテトラ−ペプチドは、面倒なクロマトグラフィー精製を要することなく、その後の変換において用いるのに適している。ペプチドフラグメントは他のペプチドフラグメントまたはアミノ酸と液相にてカップリングさせる前に単離されてもよいが、かかる物質はその後のカップリング/変換反応に付す前にさらなる精製を必要とせず、粗材料として単離されてもよい。粗材料は、例えば、固体の副生成物および未反応の出発材料を濾過により除去し、つづいてその濾液を減圧下で濃縮して溶媒を除去することにより単離されてもよい。例えば、化合物(6)およびの回収を参照のこと。中間体のフラグメントは、別途、適切な溶媒に抽出させ、つづいて減圧下で濃縮することにより、回収されてもよい。
実施例において示されるように、α−アミノ保護基を除去した後、化合物およびを次のUNCA−アミノ酸鎖長伸長反応にその粗生成物の精製をさらに行うことなく供した。しかしながら、必要ならば、そのフラグメントを、例えば、カラムクロマトグラフィーにより、または再結晶により、上記されるようにさらに精製してもよい。例えば、化合物、Z−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe()、アセトニトリルからの再結晶により、エテルカルセチドの完全に保護されたテトラペプチド先駆体の精製を記載する、実施例7を参照のこと。テトラペプチドフラグメントのキラル純度は非常に高いのが典型である。キラル純度は、90%より、または92%より、または好ましくは95%より、またはさらにより好ましくは98%より大きいのが一般的である。実施例7から分かるように、上記の方法を用いて、完全に保護されたテトラペプチド化合物()は99%のキラル純度で調製された。
完全に保護または保護されたテトラペプチド先駆体の化合物()または14を形成するためにUNCAを基礎とする方法を用いることは、気体の反応生成物、二酸化炭素を形成させ、そのことは多数の固体処理工程および/または取り出し工程の必要性を軽減するために、特に利点がある。
エテルカルセチドのヘプタペプチド先駆体を形成するために、テトラペプチドフラグメント()を、N−末端からCbz基を除去してテトラペプチドフラグメント(14)を得た後、保護されたトリペプチドフラグメント(末端D−システインを含む)とカップリングさせる。例えば、図3(遊離N−末端アミノ基を有するエテルカルセチドの保護されたN−末端テトラペプチドフラグメント(14)を、エテルカルセチドの、そのC−末端が保護されていない、保護されたトリペプチドフラグメント(13)とカップリングとさせ、最終的にエテルカルセチドの完全に保護されたヘプタペプチド先駆体(16)を得るための代表的な反応スキームを提供する)を参照のこと。エテルカルセチドのヘプタペプチド先駆体(16)は完全に保護されており、エテルカルセチドの主鎖に対応するが、D−アルギニンの代わりにD−オルニチンをその中に含む。エテルカルセチドの完全に保護されたヘプタペプチドフラグメント(18)は、(17)のペルグアニル化により生成され、化合物(17)はそのオルニチンにあるδ−アミノ基がすべて保護されていない(すなわち、遊離アミノの)形態である。
さらに図3を参照すると、末端D−システインを有する、エテルカルセチドの保護されたトリペプチドフラグメント(13)は、保護されたD−Cys−OH(10)、すなわち、−NH−D−Cys(S−PG)OHを、中間体の保護されたジペプチドフラグメント、H−D−Ala−D−Orn(NH−PG)−CO−PG()とカップリングさせ、完全に保護されたエテルカルセチドのトリペプチドフラグメントを得ることにより形成される。適切ないずれかの保護基を用いてD−システインチオールを保護してもよい;適切な保護基として、アセトアミドメチル(Acm)、トリチル(Trt)、ベンジル(Bn)およびメチルベンジル(Meb)、第3ブチル(t−Bu)、p−メトキシベンジル(Mob)、モノメトキシトリチル(Mmt)、2−ピリジン−スルフェニル(S−Pry)およびtert−ブチルメルカプト(S−tBu)が挙げられる。Acm基が好ましい。具体的には、該方法の1の実施態様において、ジペプチド中間体()は、標準的カップリング条件下で商業的に入手可能なアミノ酸(10)、Fmoc−D−Cys(Acm)OHとカップリングさせ、完全に保護されたトリペプチド中間体(11)、Fmoc−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMeを得るか、より一般的にはPG−NH−D−Cys(S−PG)−D−Ala−D−Orn(NH−PG)−COPGを得る。このカップリング反応および他の従来のカップリング反応に利用され得るこれまでの液相カップリング試薬として、例えば、6−クロロ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム 3−オキシド・ヘキサフルオロホスファート(HATU)、[ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ(ジメチルアミノ)メチリデン]−ジメチルアザニウム;テトラフルオロボラート(TBTU)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム・ヘキサフルオロホスファート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスファート(HBTU)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(IPEA)が挙げられる;ヒドロキシスクシンイミジルまたはp−ニトロフェノールエステルなどの活性化エステルも使用されてもよい。
次に、完全に保護されたトリペプチド(11)を脱保護に付し、例えば、適切な脱保護条件下でFmoc保護基を除去する。Fmoc保護基は、例えば、塩基、典型的には、ピペリジンなどの第2アミンで処理することにより適宜除去され得る。液相除去は、例えば、有機溶媒中、液体アンモニア、モルホリン、ピペリジン、ジエチルアミン、ジメチルアセトアミドまたはピペラジンなどの塩基で処理することにより実施され得る。次に得られた遊離アミノ基を異なる保護基、例えば、アセチル基で保護し、完全に保護された化合物(12、Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe)を得る。ここで、新たに導入されたアセチル基は下記の反応条件に対して安定している。ついでN−保護のメチルエステル化合物(12)を塩基性条件下で加水分解に付し、保護された、遊離酸含有のトリペプチド中間体(13、Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OH)を得、それを上記されるように、()より誘導される遊離アミノテトラペプチドフラグメントの化合物(14、H−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe)とカップリングさせ、完全に保護されたヘプタペプチド中間体(15、Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe)を得る。(15)のカルボン酸メチルエステル官能基をアンモニアで処理することにより、アミド基、−C(O)NHに変換し、完全に保護されたヘプタペプチド化合物(16、Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−NH)を得る。次に化合物(16)をグローバルな脱保護工程に適用し、すべての保護基、例えば、Bocまたは他の適切な保護基をオルニチンδ−アミノ基から除去し、それにより4個の各オルニチンが遊離δ−アミノ基を含む化合物(17、Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn−D−Orn−D−Orn−D−Ala−Orn−NH)などを得る。得られたヘプタペプチドのエテルカルセチド先駆体(17など)を次にペルグアニル化(perguanylate)に付し、4個の脱保護されたオルニチンを保護されたD−アルギニンと置き換える。該反応は、例えば、適切な反応条件下にてピラゾールカルボキシアミジン試薬を用いて実施され、完全に保護されたエテルカルセチド骨格の化合物(18、Ac−D−Cyst(Acm)−D−Ala−D−Arg(Boc)−D−Arg(Boc)−D−Arg(Boc)−D−Ala−D−Arg(Boc)−NH)を得る。典型的なグアニル化試薬として、例えば、1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキシアミジン・塩酸塩、1−H−ピラゾール−1−カルボキシアミジン・塩酸塩、および3,5−ジメチル−1−H−ピラゾール−1−カルボキシアミジン・塩酸塩が挙げられる。チオ尿素またはイソチオ尿素をベースとする試薬も使用され得る。
次に、D−アルギニン保護基を完全に保護されたエテルカルセチド骨格から全体的に除去する。例えば、図4に示されるように、グローバルなBoc脱保護を中間体(18)において、例えば、TFA、あるいは他のいずれか適する脱保護手段を用いて実施し、中間体の化合物(19)を得る。中間体の化合物(19)は、L−システインとカップリングさせる前に除去される、保護されたシステインチオール基を有し、所望の生成物のエテルカルセチドを得る。図4に示されるように、19にあるアセトアミド保護基は、例えば、ヨウ素などの酸化剤の存在下で酸化的切断により除去され、遊離チオールを形成し、つづいてジスルフィド結合の形成を介してL−Cysとカップリングしうる。アセトアミド基を除去するのに使用されてもよいさらなる試薬として、例えば、トリフルオロ酢酸タリウムTI(TFA)、および酢酸水銀(II)などの水銀(II)塩が挙げられる。保護基のD−システインからの除去およびL−システイン側鎖をエテルカルセチド骨格を含有する遊離チオールにカップリングさせる最終カップリング工程は両方共に同じ反応容器で実施され、所望のペプチド生成物である、エテルカルセチド(20)を得ることができる。図4はヘプタペプチド中間体に含まれるBoc−保護のアルギニンにてグローバルな脱保護を、つづいてチオール脱保護およびL−システインへのカップリングを行い、所望の生成物を形成するための典型的な反応条件を提供する。
液相方法2
第2の態様では、図7にて模式的に示されるように、遊離カルボキシル基を有するアセチル化N−末端保護のトリペプチドを、遊離アミノ基を有する保護されていないアルギニン側鎖を含むテトラペプチドアミドとカップリングさせ、ヘプタペプチドのエテルカルセチド中間体を形成する、液相フラグメントカップリング法が本明細書にて提供される。この方法を用いて、鎖長伸長は、保護されていないアルギニン残基を有するアミノ酸/ペプチドフラグメントを用いて実施される。エテルカルセチドのC−末端テトラペプチドおよびエテルカルセチドのその関連する先駆体であるジ−およびトリ−ペプチドなどのアルギニン含有のペプチドフラグメントを調製し、そのテトラフェニルホウ酸塩に変換し、例えば得られた反応混合物の後処理の間にアルギニン側鎖の保護を必要とすることなく、カップリング反応に付した後の副生成物および不純物の簡易化された除去を可能とする。反応副生成物および不純物を、例えば、水相に抽出することにより除去した後、アルギニン含有のフラグメントの、例えば有機溶媒中のテトラフェニルホウ酸塩は、無機塩、例えば塩酸塩に変換される。次にエテルカルセチドのそのヘプタペプチド骨格からの形成が、例えば、L−システインでのジスルフィド架橋の形成により実施される。
第2液相合成方法に関連して、フラグメントカップリング法において用いられる反応体の一つ、すなわち、エテルカルセチドの完全にアミノ脱保護されたC−末端テトラペプチドフラグメントを調製するための方法が本明細書にて提供される。次に図5を参照すれば、この図は完全にアミノ脱保護されたテトラペプチドフラグメント(30、配列番号:10、H−(D)Arg−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH・4HCl)を形成する方法の実施態様を説明する。図5にて説明される実施態様は実施例17−20に記載される。
30などのテトラペプチドの合成は以下のように実施されてもよい。例えば、その適宜活性化されたカルボキシ基を有する、例えば、活性化されたエステルの形態の、アミノ保護されたアラニン、例えば、Z−D−Ala−OSu(22)を、その適宜保護されたカルボキシル基を有するアルギニン、例えば、D−アルギンアミド・塩酸塩(23)と、カップリング条件下でカップリングさせ、保護されたジペプチドフラグメント(PG−NH−(D)−Ala−(D)−Arg−CO−PG)を得る。カップリング反応は、例えば、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)またはアセトニトリルなどの非プロトン性有機溶媒中、カップリング反応の間にプロトンスカベンジャーとして作用する、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、HATUまたはHBTU等などのカップリング剤の存在下で実施される。該カップリング反応は、典型的には、穏やかな条件下、例えば、約10℃〜約60℃、約15℃〜約45℃、または約20℃〜30℃の範囲にある温度で実施される。代表的なD−Ala−D−Argジペプチドは、末端カルボキシベンジル保護のアラニンのアミノ基と、対応するアミドとして保護されたD−アルギニンカルボキシル基とを含む、例えば、Z−(D)Ala−(D)Arg−NH24)である。カップリングの後、例えば、該ジペプチドを溶かすのに、該反応混合物に水を添加してもよく、未反応の出発材料および副生成物は、所望により、例えば、酢酸エチルなどの適切な有機溶媒を用いる1または複数の洗浄工程で除去されてもよい。次に、そのジペプチドをテトラフェニルホウ酸(TPB)ナトリウムで処理し、対応するTPB塩を形成させる。TPB塩の形成により、そのフラグメントをジクロロメタン、クロロホルムまたは他のいずれか適切な溶媒などの有機溶媒に抽出させることが可能となる。例えば、米国特許公開番号US20110098446を参照のこと。次にその得られた有機層を、好ましくは、水で1回または複数回洗浄し、カップリング反応の副生成物等を除去する。有機層を処理して不要な不純物を除去した後、イオン交換反応を、メタノールなどの適切な溶媒中、例えば、イオン交換カラムを用いて実施し、ジペプチドフラグメントを無機酸塩、例えば塩酸塩として得る。次にその末端D−アラニンアミノ保護基の除去を行う。例えば、Z−(D)Ala−(D)Arg−NH24)のカルボキシベンジル基は、上記されるように、接触水素化分解により除去されてもよい。上記のカップリング反応および塩交換を実施するのに適する反応条件の詳細は実施例18にて提供される。次にカップリング、テトラフェニルホウ酸塩の形成、塩交換および脱保護に付すこの工程は実施例5に示されるように反復して実施される。例えば、カップリング/水素添加の工程は、PG−NH−D−アルギニン・塩酸塩、例えば、Z−D−Arg−OH(26)を用いて25に対して反復して実施され、トリペプチド(27)を得、その後で所望のテトラペプチド(30)が高収率で得る。例えば、実施例19および20を参照のこと。適切なカップリング条件は、ペプチド合成、有機合成等の分野における当業者により容易に決定され得る。例えば、26などのアミノ酸のカルボキシ基は適切ないずれかの活性化基を用いて活性化され、カップリング反応は当該分野における当業者に公知の多数のカップリング剤のいずれかを用いて実施される。図5に示され、その対応する実施例に記載の特定のカップリング条件は単に例示であることが意図されており、範囲を限定することを意図するものではない。上記の方法は、化合物(30)などの完全にアミノ脱保護されたテトラペプチドを調製し、それを次に液相カップリング反応に使用し、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを形成するのに有用である。HCl塩などの酸付加塩に含有される酸分子の数は変化しうる。というのも、異なるイオン交換生成物は、酸、例えばHClの異なる保持能を有するからである。エテルカルセチドの調製において、HCl塩を形成するのに利用可能なさらなる塩基性部位は、アルギニンが付加的に導入される場合に、伸長するペプチド鎖に導入される。
図6は、エテルカルセチドのアセチル化されたN−末端保護のトリペプチドフラグメントを調製するための典型的反応スキームおよび典型的反応条件を提供する。上記のテトラペプチドとカップリングするためのD−システインアミノ酸を含有するトリペプチドフラグメントは、テトラペプチドについて上述されるとの同様の方法にて、出発材料がH−D−Arg−OH(31)であることを除いて、組み立てることができる。保護されていないアラニン(31、H−D−Arg−OH)を、その適宜活性化されたカルボキシ基を有するアミン保護のアラニンと、例えば、活性化されたエステルの形態にて、例えば、Z−D−Ala−OSu(22)と、保護されたジペプチドフラグメント(PG−NH−(D)−Ala−(D)−Arg−OH)を提供するのに適するカップリング条件下でカップリングさせる。得られたジペプチドがカルボキシベンジル保護されている場合、そのジペプチドはZ−D−Ala−(D)−Arg−OH・HCl(32)に相当する。次に該ジペプチドの脱保護を、利用される特定の保護基に適する脱保護条件を用いて、実施する。例えば、ジペプチド(32)は水素化分解に供され、それによりZ保護基を除去してもよい。得られた完全に脱保護されたジペプチドはH−D−Ala−D−Arg−OH(33)である。ついで、例えば、33にある遊離アミノ基を、PG−NH−D−Cys(SH−PG)−OHと、すなわち、N−末端保護のチオール保護されたシステイン(34、Fmoc−D−Cys(trt)−OHなど)とカップリングさせ、保護されたトリペプチド(35、Fmoc−D−Cys(trt)−D−Ala−D−Arg−OH)を形成することによりトリペプチドが形成される。カップリング反応は当該分野にて周知のカップリング条件下で実施される。記載されるように、カップリングは、例えば、カルボジイミドカップリング試薬を用いて実施され得る。特に、カップリング反応は、適切な溶媒系、例えば、ジメチルホルムアミド−イソプロピルアルコールの溶媒混合液中、活性化剤のヒドロキシノルボルネン/DCCを用いて所望のトリペプチドを提供するようになされてもよい。次に、得られたトリペプチドを脱保護に付し、すなわち、N−末端の保護基を適切な脱保護法法を用いて除去する。例えば、Fmoc基は、有機溶媒中、塩基で処理することで除去される。例えば、Fmoc保護基は、メタノール中、モル過剰量のピペリジンで処理することにより35より除去され、次に得られたトリペプチドの遊離アミノ基をアセチル基で頭を覆い、エテルカルセチドのアセチル化されたN−末端の保護されたトリペプチドフラグメント(例えば、36)を得る。
ついで、エテルカルセチドの、中間体化合物、すなわち、アセチル化されたN−末端保護のトリペプチドフラグメントと、完全にアミノ脱保護されたC−末端テトラペプチドフラグメントとをカップリングさせて、末端D−システインを含むエテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを形成させる。例えば、実施例25を参照のこと。本明細書に記載されるように、H−(D)Arg−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH・4HCl(30)または適宜保護されたその均等物を、Ac−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−OH(36)または適宜保護されたその均等物と、溶液中でカップリングさせ、37などのエテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを得る。トリ−とテトラ−ペプチドフラグメントとのカップリングを、当該分野にて周知の1または複数のカップリング剤およびカップリング条件を用いて実施する。例えば、そのフラグメントをカルボジイミドカップリング剤、あるいはホスホニウムまたはアミニウム塩を用いてカップリングさせてもよい。例えば、カップリング反応は、カルボジイミドカップリング剤を用いて、所望によりN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、HODhBt、HOBt、HOAtまたは1−ヒドロキシ−1,2,3−トリアゾール誘導体などのヒドロキシルアミン誘導体の存在下で実施されてもよい。代表的なカップリング条件は、2−ヒドロキシピリジン−N−オキシドの存在下で、EDCなどのカルボジイミドカップリング試薬の使用を包含する。例えば、反応速度を促進するために、ジイソプロピルエチルアミンを反応混合物に添加することもできる。上記のカップリング反応において用いるのに適するさらなる試薬およびカップリング条件は、例えば、「ペプチドカップリング試薬における近年の開発(Recent development in peptide coupling reagents)」、Al-Warhi,T.I.ら、J. of Saudi Chemical Society(2012), 16, 97-116に開示されている。カップリング反応は、一般に、利用されるカップリング剤に応じて、約−25℃〜約60℃、または約0℃〜約40℃、または約0℃〜約25℃の範囲の温度で実施される。カップリング反応は、一般に、ジメチルアセトアミドなどの非プロトン溶媒にて実施される。カップリング反応における使用に適する非プロトン溶媒は本明細書にて上記されるとおりである。カップリング反応が終了すれば、その粗ヘプタペプチドは、例えば、アセトニトリルで沈降させることにより反応混合物から回収され得る。所望により、ヘプタペプチドフラグメントは当該分野にて公知の適切ないずれかのペプチド精製方法を用いてさらに精製され得る。1の実施態様において、ヘプタペプチドはクロマトグラフィーにより精製される。
次に、システイン側鎖を、37などの、すなわち、保護された形態にて、末端D−システインを有するエテルカルセチドの主鎖を含む、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントに、酸化条件下でシステインチオール基同士を反応させることにより導入し、ジスルフィド架橋を形成する。例えば、ジスルフィド結合の形成は、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを過剰量のチオール保護のL−システイン、例えば、H−L−Cys(Trt)−OHと、ヨウ素の存在下で反応させることにより実施され得る。一般に、過剰量のヨウ素が用いられ、反応は、例えば、水中、または水含有溶媒中で実施されてもよい。その反応は、典型的には、約2〜約7.5のpHで実施される。1の実施態様において、チオールカップリング反応は、7未満、例えば約2〜約5のpHで実施される。反応溶液のpHを下げることは、例えば、保護されたシステイン反応体(L−H−Cys(trt)−OH)の溶解を助成しうる。この最終のL−システインカップリング反応は、例えば、液相方法1の下に記載されるのと同様の方法にて、所望の生成物のエテルカルセチドを提供する。ジスルフィド結合の形成を促進するヨウ素の使用は、都合よくは、アセトアミド基とトリチル基の両方を酸化的に切断し、所望の生成物を提供することを可能とする。液相中で得られる生成物のエテルカルセチドは、典型的には、さらに精製される。反応副生成物は、例えば、適切な溶媒で抽出することにより反応混合物より除去され、粗生成物は従来の分離および/または精製技法を用いて精製される。例えば、1の実施態様において、粗エテルカルセチドはイオン交換クロマトグラフィーにより精製される。イオン交換処理に付した後に集めたフラクションに存在する塩は、例えば、ナノ濾過により除去されてもよい。
実施例
以下の実施例は純粋に例示を目的とするものであり、決して添付した特許請求の範囲を限定するものではない。反応条件、例えば、成分濃度、溶媒、混合溶媒、温度、保護基、および他の反応パラメーター、ならびに純度、収率等などの生成物の特性を最適化するために利用され得る条件において、多数の変形および組み合わせがある。そのようなことも同様に本発明の範囲内にあると考えられる。
実施例1
(R)−メチル 2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノアート:化合物
Z−D−Orn(Boc)−OMe():Z−D−Orn(Boc)UNCA()(60g、157.7ミリモル)の無水MeOH(1000mL)中溶液を窒素雰囲気下の外界温度で0.5時間攪拌した。その時点でTLCは反応の完了を示した。過剰量の溶媒を減圧下で除去し、(55.0g、95%)を粘性のガム状物として得た。その材料をさらに精製することなく次の工程に用いた。H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 7.71(d,J=7.5Hz,1H)、7.32(m,5H)、6.77(bs,1H)、5.01(s,2H)、3.99(m,1H)、3.60(s,3H)、2.87(dd,J=12.1、6.1Hz,2H)、1.63(m,2H)、1.54(m,2H)、1.39(s,9H);13C NMR(75MHz、DMSO−d) δ 173.3、156.6、156.0、137.9、128.8、128.3、128.2、127.6、77.8、65.9、54.1、52.2、28.7、28.5、26.4;MS ESI(m/z) C1929として、[M+H−Boc] 計算値:281、測定値:281;HPLC純度:99.5%;キラル純度:100%
実施例2
(R)−メチル 2−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノアート:化合物の合成
H−D−Orn(Boc)−OMe():(15.0g、39.4ミリモル)の無水EtOAc(250mL)中溶液に、Pd−C(2g、活性炭上10%)を窒素雰囲気下で、そして触媒量の酢酸を添加し、得られた溶液を水素雰囲気下(3kg)の外界温度で16時間攪拌した。TLC(ニンヒドリン溶液に浸し、乾燥させ、加熱した)は反応の完了を示した。反応混合物をセライトのパッドに通し、フィルター上の固体をEtOAc(100mL)で洗浄した。こうして得られた濾液を減圧下で濃縮し、粗残渣を得た。その粗製物の塊をトルエンと一緒に2回共蒸発させ、(11.2g;粗製)を粘性のガム状物として得、それをさらに精製することなく用いた。
実施例3
(5R,8R)−メチル 5,15,15−トリメチル−3,6,13−トリオキソ−1−フェニル−2,14−ジオキサ−4,7,12−トリアザヘキサデカン−8−カルボキシラート:化合物の合成
Z−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe():(11.0g、粗製)の無水THF(250mL)中の窒素雰囲気下でのよく攪拌した溶液に、(R)−ベンジル 4−メチル−2,5−ジオキソオキサゾリジン−3−カルボキシラート:(11.2g、47.3ミリモル)を0℃で添加し、その中身を外界温度で2時間攪拌し、その後で反応はTLCにより示されるように完了した。そのフラスコに、シリサイクルのアミン(5g)を添加し、攪拌を外界温度でさらに16時間続け、残りの無水物を除去した。シリサイクルのアミンを濾別し、濾液を減圧下で蒸発させ、粗残留物を得た。その粗製物の塊をシリカゲル(230−400メッシュ)フラッシュカラムにより2%MeOH/CHClで精製し、(12.0g、67%)を白色の固体として生成した。H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.18(d,J=7.3Hz,1H)、7.35(m,6H)、6.77(bs,1H)、4.99(s,2H)、4.12(m,2H)、3.59(s,3H)、2.87(m,2H)、1.61(m,2H)、1.36(m,2H)、1.35(s,9H)、1.18(d,J=7.1Hz,3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d) δ 173.2、172.9、156.0、137.5、128.8、128.2、128.19、77.9、65.8、52.2、50.2、28.7、28.6、26.4、18.6;MS ESI(m/z) C2234として[M+H−Boc] 計算値:352、測定値:352;HPLC純度:99.9%
実施例4
(R)−メチル 2−((R)−2−アミノプロパンアミド)−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノアート:化合物(配列番号:6)の合成
H−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe():(56.0g、124.1ミリモル)の無水THF(500mL)中溶液に、Pd−C(6g、活性炭上10%;湿重量基準)を窒素雰囲気下で添加し、その得られた溶液を水素圧(40psi)下の外界温度で2時間かき混ぜた。TLC(ニンヒドリン溶液に浸し、乾燥させ、加熱した)は反応の完了を示した。反応混合物をセライトのパッドに通し、フィルター上の固体をTHF(200mL)で洗浄し、こうして得られた濾液を減圧下で濃縮して(38.0g;粗製)を黒色のタール物質として得、それをさらに精製することなく用いた。
実施例5
(9R,12R,15R)−メチル15−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2,2,12,22,22−ペンタメチル−4,11,14,20−テトラオキソ−3,21−ジオキサ−5,10,13,19−テトラアザトリコサン−9−カルボキシラート:化合物(配列番号:7)の合成
Z−D−Orn(Boc)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe():(38.0g;粗製)の無水THF(500mL)中の十分に攪拌した溶液に、(51.7g、131.8ミリモル)を窒素雰囲気下の0℃で添加し、その中身を外界温度で2時間攪拌し、その後で反応はTLCにより示されるように完了した。そのフラスコに、シリサイクルのアミン(15g)を添加し、攪拌を外界温度でさらに16時間続け、残りの無水物を除去した。シリサイクルのアミンを濾別し、濾液を減圧下で蒸発させ、粗残留物を得た。その粗製物の塊をアセトニトリル(6倍容量)からの再結晶に付し、(45.0g、55%)を白色の固体として得た。H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.19(d,J=7.2Hz,1H)、7.92(d,J=7.6Hz,1H)、7.36(m,6H)、6.76(m,2H)、4.99(s,2H)、4.29(m,1H)、4.18(m,1H)、3.94(m,1H)、3.58(s,3H)、2.87(m,4H)、1.58(m,8H)、1.35(m,18H)、1.18(d,J=7Hz, 3H);MS ESI(m/z)、C3252N5O10として、[M+H] 計算値:666、測定値:666;HPLC純度:98.8%;キラル純度:100%
実施例6
(9R,12R,15R)−メチル15−アミノ−2,2,12,22,22−ペンタメチル−4,11,14,20−テトラオキソ−3,21−ジオキサ−5,10,13,19−テトラアザトリコサン−9−カルボキシラート:化合物(配列番号:8)の合成
H−D−Orn(Boc)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe():(25.0g、37.6ミリモル)の無水THF(200mL)中溶液に、Pd−C(2.5g、活性炭上10%;湿重量基準)を窒素雰囲気下で加え、その得られた溶液を水素圧(40psi)下の外界温度で3時間かき混ぜた。TLC(ニンヒドリン溶液に浸し、乾燥させ、加熱した)は反応の完了を示した。反応混合物をセライトのパッドに通し、フィルター上の固体をTHF(200mL)で洗浄し、こうして得られた濾液を減圧下で濃縮して(18.2g;粗製)を黒色の綿毛のようにフワッとした物質として得、それをさらに精製することなく用いた。
実施例7
(9R,12R,15R,18R)−メチル−18−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−15−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−2,2,12,25,25−ペンタメチル−4,11,14,17,23−ペンタオキソ−3,24−ジオキサ−5,10,13,16,22−ペンタアザヘキサコサン−9−カルボキシラート:化合物(配列番号:13)の合成
Z−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe():(18.2g;粗製)の0℃での無水THF(500mL)中の十分に攪拌した溶液に、(15.0g、38.3ミリモル)を窒素雰囲気下で添加し、その中身をその中身を外界温度で2時間攪拌し、その後で反応はTLCにより示されるように完了した。そのフラスコに、シリサイクルのアミン(10g)を添加し、攪拌を外界温度でさらに16時間続け、残りの無水物を除去した。シリサイクルのアミンを濾別し、濾液を減圧下で蒸発させ、粗残留物を得た。その粗生成物を熱アセトニトリルからの再結晶に付して精製し、(27.0g, 81%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO−d) δ 8.22(d,J=7.1Hz,1H)、7.92(m,2H)、7.33(m,6H)、6.78(m,3H)、5.02(s,2H)、4.25(m,3H)、4.01(m,1H)、3.60(s,3H)、2.88(m,6H)、1.56(m,6H)、1.52(m,6H)、1.37(s,27H)、1.1(d,J=7Hz, 3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d) δ 172.8、172.7、172.2、171.5、156.4、156.0、137.8、128.8、128.2、128.1、77.8、65.8、54.9、52.4、52.2、48.2、29.9、29.8、28.7、26.5、26.4、18.6;MS ESI(m/z)、C427013として、[M+H] 計算値:881、測定値:881;HPLC純度:99%;キラル純度:99%
実施例8
(7S,10R,13R)−メチル 7−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−13−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−10−メチル−2,8,11−トリオキソ−5−チア−3,9,12−トリアザテトラデカン−14−オアート:化合物11(配列番号:14)の合成
Fmoc−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe(11):Fmoc−D−Cys(Acm)−OH(10;12.1g、29.2ミリモル)および(12.0g、37.8ミリモル)の窒素雰囲気下の0℃での無水THF(250mL)中にて十分に攪拌された溶液に、EDCI・HCl(6.12g、31.9ミリモル)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.95g、29.2ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.4mL、31.9ミリモル)を加えた。その中身を外界温度で16時間攪拌させた。反応が完了した後(TLC)、反応の中身を氷冷水(250mL)中に攪拌しながら注ぎ、沈殿した固体を濾過し、濾紙上の固体ケーキを冷水で洗浄し、真空下で乾燥させて粗残留物を得、それを3%MeOH/CHClを用いるシリカゲル(230−400メッシュ)フラッシュカラムに付して精製し、11(12.5g、66%)を白色の固体として得た。H NMR(300MHz、DMSO−d) δ 8.60(m,1H)、8.22(m,1H)、7.91(m,3H)、7.71(m,2H)、7.59(m,1H)、7.40(m,2H)、7.30(m,2H)、6.78(bs,1H)、4.38−4.18(m,9H)、3.58(s,3H)、2.87(m,3H)、2.66(m,1H)、1.89(s,3H)、1.55(m,2H)、1.44(m,2H)、1.41(s,9H)、1.23(d,J=7Hz,3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d) δ 172.8、172.7、170.6、170.4、156.5、156.0、144.2、141.2、128.9、127.5、125.7、120.5、77.8、66.2、65.4、54.8、52.2、48.4、47.0、32.9、28.7、28.6、26.3、23.01、18.6、15.6;MS ESI C3548Sとして、[M+H] 計算値:714.8;測定値:495;HPLC純度:93.6%
実施例9
(7S,10R,13R)−メチル 7−アセトアミド−13−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−10−メチル−2,8,11−トリオキソ−5−チア−3,9,12−トリアザテトラデカン−14−オアート:化合物12(配列番号:15)の合成
Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OMe(12):ピペリジン(2.5mL、25.2ミリモル)を、11(12.0g、16.8ミリモル)の窒素雰囲気下の0℃での無水THF(250mL)中にて十分に攪拌した懸濁液に添加し、その得られた混合物を外界温度で攪拌させた。TLCにより示されるように、反応は16時間後に完了した。過剰量の溶媒を減圧下で除去し、粗製物の塊を得た。こうして得られた粗製物の塊を3%MeOH/CHClを用いる塩基性アルミナフラッシュカラムに付して精製し、遊離アミンの中間体(6.5g)を得た。そのアミン(6.5g)を無水THF(250mL)に溶かし、反応物を0℃に冷却し、そのフラスコに塩化アセチル(1.1mL、15.8ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.7mL,15.8ミリモル)を添加し、攪拌を16時間続け、その後でTLCにより示されるように反応が完了していることが判明した。該反応混合物を氷水(250mL)に注ぎ、粗生成物をEtOAc(2x300mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(無水NaSO)、濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて粗残留物を得、それを3%MeOH/CHClを用いるシリカゲル(60−120メッシュ)カラムに付して精製し、12(6.0g、85%)を白色の固体として得た。H NMR(300MHz、DMSO−d6) δ 8.51(m,1H)、8.13(t,J=9.6Hz,2H)、7.94(d,J=7.5Hz,1H)、6.78(bs,1H)、4.47(m,1H)、4.35−4.09(m,4H)、3.58(s,3H)、2.85(m,3H)、2.58(m,1H)、1.83(s,6H)、1.67−1.52(m,3H)、1.36(m,1H)、1.35(s,9H)、1.20(d,J=6.8Hz, 3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d6) δ 172.8、172.7、170.5、170.3、169.9、156.0、77.9、52.7、52.2、48.4、33.0、28.7、28.6、26.3、23.0、22.9、18.6;MS ESI(m/z)、C22405OSとして、[M+H] 計算値:533.8、測定値:533.8;HPLC純度:99.9%
実施例10
(7S,10R,13R)−7−アセトアミド−13−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−10−メチル−2,8,11−トリオキソ−5−チア−3,9,12−トリアザテトラデカン−14−オイック酸:化合物13(配列番号:3)の合成
Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−OH(13):12(6.0g、11.64ミリモル)のTHF:水(1:1)の混合液(20mL)中の十分に攪拌されている溶液に、1N LiOH(13.5mL、13.5ミリモル)を0℃で添加し、得られた溶液をその同じ温度で4時間攪拌させた。TLCにより示されるように反応が完了した後、反応混合物のpHを約3にまで落とし、水相をEtOAcで3回抽出した(3x300mL)。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥(無水NaSO)させ、濾過し、こうして得られた濾液を減圧下で蒸発させて粗残留物を得、それを5%MeOH/CHClを用いるシリカゲル(60−120メッシュ)カラムに付して精製し、13(3.5g、60%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO−d) δ 12.54(bs,1H)、8.53(t,J=5.7Hz,1H)、8.11(d,J=8.1Hz,1H)、8.01(dd,J=21.5、7.5Hz,2H)、6.80(bs,1H)、4.51(m,1H)、4.35(m,2H)、4.15(m,2H)、2.89(m,3H)、2.60(m,1H)、1.86(s,3H)、1.85(s,3H)、1.68(m,1H)、1.54(m,1H)、1.38(m,2H)、1.37(s,9H)、1.23(d,J=7Hz, 3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d) δ 173.8、172.5、170.5、170.3、169.9、156.0、77.9、60.2、52.6、52.2、48.4、33.0、30.8、28.8、28.7、26.5、23.0、22.9、21.5、21.2、18.6;MS ESI(m/z)、C2138Sとして、[M+H] 計算値:519.8、測定値:519.8;HPLC純度:99.9%
実施例11
(9R,12R,15R,18R)−メチル 18−アミノ−15−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−2,2,12,25,25−ペンタメチル−4,11,14,17,23−ペンタオキソ−3,24−ジオキサ−5,10,13,16,22−ペンタアザヘキサコサン−9−カルボキシラート:化合物14(配列番号:2)の合成
H−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe(14):Z−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe(;1.5g)の無水THF(35mL)中溶液に、Pd−C(200mg、活性炭上10%;湿重量基準)を窒素雰囲気下で添加し、その得られた溶液を水素圧(40psi)下の外界温度で4時間かき混ぜた。TLC(ニンヒドリン溶液に浸し、乾燥させ、加熱した)は反応の完了を示した。反応混合物をセライトのパッドに通し、フィルター上の固体をTHF(20mL)で洗浄し、こうして得られた濾液を減圧下で濃縮し、14(1.2g;粗製物)を黒色の綿毛のようにフワッとした物質として得、それをさらに精製することなく直ちに用いた。
実施例12
(7S,10R,13R,16R,19R,22R,25R)−メチル 7−アセトアミド−13,16,19−トリス(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−10,22,32,32−テトラメチル−2,8,11,14,17,20,23,30−オクタオキソ−31−オキサ−5−チア−3,9,12,15,18,21,24,29−オクタアザトリトリアコンタン−25−カルボキシラート:化合物15(配列番号:4)の合成
Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−OMe(15):14(6.5g、7.41ミリモル)の0℃でのN−メチルピロリドン(100mL)中の十分に攪拌されている溶液に、EDC・HCl(1.55g、8.08ミリモル)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド・HONb(1.2mg、6.74ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.4mL、8.08ミリモル)を加え、その得られた溶液を外界温度で16時間攪拌し、その時点で出発物質がすべて変換されたことがTLCにより示された。反応物を攪拌しながら氷冷水(150mL)中に注ぎ、沈殿した固体を濾過し、フィルター上の固体ケーキを冷水で洗浄し、真空下で乾燥させ、粗残留物を得、それを6%MeOH/CHClを用いるシリカゲル(230−400メッシュ)フラッシュカラムに付して精製し、15(5.2g、62%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO−d) δ 8.51(t,J=5.9Hz,1H)、8.17(dd,J=21.4、7.44Hz,2H)、8.02(d,J=7.5Hz,1H)、7.89(m,3H)、7.84(d,J=7.8Hz,1H)、6.79(m,1H)、6.74(m,3H)、4.48(m,1H)、4.29(m,4H)、4.13(m,4H)、3.62(s,3H)、2.88(m,6H)、2.71−2.49(m,4H)、1.86(s,6H)、1.61(m,8H)、1.38(m,8H)、1.37(s,36H)、1.2(m,6H);MS ESI(m/z)、C55991218Sとして、[M+H−Boc] 計算値:1147.6、測定値:1147.6;HPLC純度:99%;キラル純度:97%
実施例13
(7S,10R,13R,16R,19R,22R,25R)−7−アセトアミド−13,16,19−トリス(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル)−10,22,32,32−テトラメチル−2,8,11,14,17,20,23,30−オクタオキソ−31−オキサ−5−チア−3,9,12,15,18,21,24,29−オクタアザトリトリアコンタン−25−カルボキシアミド:化合物16(配列番号:16)の合成
Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Orn(Boc)−D−Ala−Orn(Boc)−NH16):15(5.0g、4.05ミリモル)の0℃での無水MeOH(200mL)中の十分に攪拌されている溶液に、NH(g)をニードルアドプターを通して1時間にわたって吹き込み、アンモニアを12時間毎の間隔で48時間にわたって連続的にパージした。反応過程中の試料が出発物質が完全に消失したことを示すまで攪拌を続けた。過剰量の溶媒を減圧下で除去し、粗製物の塊を得、それをジエチルエーテル(100mL)で洗浄して固体を得た。その粗固体を7%MeOH/CHClを用いるシリカゲル(60−120メッシュ)カラムに付してさらに精製し、16(3.6g、73%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO−d) δ 8.49(t,J=6.5Hz,1H)、8.13(d,J=7.8Hz,1H)、8.01(m,1H)、7.92(m,3H)、7.81(d,J=7.6Hz,1H)、7.70(d,J=7.4Hz,1H)、7.24(bs,1H)、7.00(s,1H)、6.72(m,4H)、4.47(m,1H)、4.34−4.10(m,8H)、2.87(m,6H)、2.60(m,4H)、1.86(s,6H)、1.65(m,8H)、1.36(m,8H)、1.34(s,36H)、1.23(m,6H);MS ESI(m/z)、C54981317Sとして、[M+H] 計算値:1233.6、測定値:1233.6;HPLC純度:96.3%;キラル純度:98%
実施例14
(R)−2−((7S,10R,13R,16R)−7−アセトアミド−13,16−ビス(3−アミノプロピル)−10−メチル−2,8,11,14−テトラオキソ−5−チア−3,9,12,15−テトラアザヘプタデカンアミド)−5−アミノ−N−((R)−1−((R)−1,5−ジアミノ−1−オキソペンタン−2−イルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)ペンタンアミド:化合物17(配列番号:17)の合成
Ac−D−Cys(Acm)−D−Ala−D−Orn−D−Orn−D−Orn−D−Ala−Orn−NH17):16(1.5g、1.21ミリモル)の5N HCl/EtOAc(15mL)中の攪拌されている溶液に、トリイソプロピルシラン(1.2mL、6.0ミリモル)を窒素雰囲気下にて0℃ないし外界温度で添加した。反応過程中の試料をLCMS分析に付すことで示されるように、Bocの脱保護を1時間で完全に終えた。過剰量の溶媒をデカントし、固形残渣をジエチルエーテルで洗浄して粗アミンを得、それをさらに精製することなく、次の工程に適用した。MS ESI(m/z) C346613Sとして、[M+H] 計算値:832.8、測定値:832.8
実施例15
Ac−D−Cyst(Acm)−D−Ala−[D−Arg(ジ−tert−ブチルカルボキシグアニニル)]−D−Ala−D−Arg(ジ−tert−ブチルカルボキシグアニニル)−NH:化合物18(配列番号:18)の合成
Ac−D−Cyst(Acm)−D−Ala−D−Arg(Boc)−D−Arg(Boc)−D−Arg(Boc)−D−Ala−D−Arg(Boc)−NH18):粗製17(920mg)のMeOH(8mL)および水(2mL)の混合液中の十分に攪拌されている溶液に、(Z)−tert−ブチル (1H−ピラゾール−1−イル)メチレンジカルバマート(2.06g、6.63ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.8mL、22.13ミリモル)を外界温度で添加し、その中身を外界温度で12時間攪拌し、その後で反応過程中の試料をLCMS分析に付すことで反応の終了したことが示された。過剰量の溶媒を減圧下で除去して粗材料を得、それをEtOAc(300mL)に溶かし、その溶液を冷水およびブラインで洗浄し、乾燥(無水NaSO)させ、濾過し、このようにして得られた濾液を減圧下で濃縮して粗製物の塊を得、それを70%EtOAc/石油エーテルを用いるシリカゲル(230−400メッシュ)フラッシュカラムに付して精製し、18(680mg、31%)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO−d) δ 11.50(s,4H)、8.50(t,J=6.4Hz,1H)、8.27(m,4H)、8.13(d,J=8Hz,1H)、8.06−7.95(m,5H)、7.74(d,J=7.9Hz,1H)、7.29(s,1H)、7.05(s,1H)、4.46(m,1H)、4.34−4.12(m,8H)、3.26(m,8H)、2.85(m,1H)、2.65(m,1H)、1.86(s,6H)、1.65(m,8H)、1.50(m,8H)、1.46(s,36)、1.39(s,36H)、1.21(m,6H);MS ESI、C781382125Sとして、[M+H] 計算値:1801.1、測定値:1801.6;HPLC純度:94.9%;キラル純度:98%
実施例16
エテルカルセチド:化合物20の合成
エテルカルセチド:20℃のバイアル中の18(0.180g、0.1ミリモル)のDCM(2.0mL)懸濁液に、TFA(2.0mL)を加え、その中身を一夜放置した(中身は均一な溶液となった)。反応の終了を示すLCMS(m/2=500.2)が質量分析法により観察された。反応混合物を減圧蒸留に供し、油性残留物を得、それを水に溶かし、凍結乾燥させて生成物19(配列番号:5)のTFA塩を泡沫体(0.163g)として得た。TFA塩の理論的な量は0.147gであり、その余分な質量は、凍結乾燥されたケーキ中に尚も存在する、水(吸湿性)による可能性がある。この材料をさらに精製することなく次の工程に用いた。最後から2番目の19のTFA塩(0.068g, 0.068ミリモル)のMeOH(1mL)中懸濁液に、DI水(1mL)を添加し、その中身を放置して溶液を形成させた(長期にわたる超音波処理の後であっても、粒子のいくらかは不溶性のままであった)。この混合物に、システイン・塩酸塩・水和物(0.015g、1.25当量)およびヨウ素(0.022g、1.25当量)を添加し、中身を超音波処理に付してヨウ素を溶かした。中身を室温で放置し、LC−MS(水/ACN(1/1)を用いて50μLを1mLに希釈した)でモニター観察した。10分での試料は何ら生成物の形成を示さず、1時間、3時間および4時間での試料は、出発材料が存在しながらも、二重荷電イオンとしての生成物の形成を示した。中身を一夜放置し、試料のデータ分析は出発材料がいくらか混合物中になおも存在することを示した。その中身に、アンバーライトIRN(CI形態)樹脂を添加し、1時間放置した。褐色がかった色の大部分が樹脂に移行し、中身を細かなフリットを通して濾過して無色の溶液を得、それを凍結乾燥させて褐色の残留物を得た。エテルカルセチド(20)の形成がLC−MSにより主生成物として確認された。その生成物はさらに精製されなかった。
実施例17
Z−D−Ala−OSu(22)の調製
Z−D−Ala−OSu(22):Z−(D)Ala−OH(51.8g)およびSucOH(1.05当量、30.3g)21をアセトニトリル(560ml)に溶かし、その溶液を0℃に冷却した。DCC(54.6g、1.1当量)をアセトニトリル(80ml)に溶かし、ゆっくりと添加した。添加から30分経過した後、その溶液を室温にした。一夜放置した後、HPLCによれば変換は>99%であった。DCU副生成物を濾過で除去し、そのケーキをアセトニトリルで洗浄した(2x250ml)。濾液および洗浄液を合わせ、減圧下で濃縮し、溶液(質量:573g)を得た。この溶液に、iPrOH(1920ml)を加え、その混合物を4℃で一夜冷却した。得られた結晶を濾別し、IPAで洗浄した(2x165mL)。一夜乾燥させた後、22(65g)を単離した(HPLC純度:100%RS(下記のクロマトグラム)、収率:85%)
実施例18
H−D−Ala−D−Arg−NH・2HCl(25)の調製
H−D−Ala−D−Arg−NH・2HCl(25):H−(D)Arg−NH(19.4g、75ミリモル)23のジメチルアセトアミド(350ml)中懸濁液に、DIPEA(9.7g、1当量)を、つづいてZ−(D)Ala−OSu22(27.5g、1.1当量、82.5ミリモル)を室温で添加した。1.5時間経過した後、95%が変換され、その混合物を水(1120ml)で希釈した。Z−(D)Ala−OSuおよびZ−(D)Ala−OH(活性化エステルの加水分解により形成)を除去するために、この溶液を酢酸エチル(625ml)で2回洗浄した。得られた水相のpHをNaCO(28.1g、3.54当量)を用いて10.88に調整し、ナトリウムテトラフェニルボラート(NaTPB)(29g、1.1当量)を添加した。これによりガム状の沈殿物を得、それにジクロロメタン(1250ml)を添加して溶かした。この操作により、TPB塩として形成されたジペプチドの有機相における選択的抽出が可能となる。得られた水相を、7.2および2.4gのNaTPBを添加した後、ジクロロメタン(500ml)で2回再び抽出した。最終の水相にて、1.3%の生成物が失われた(HPLCで評価した)。有機相を合わせ、容量を1500mlまで濃縮し、ついで水(1100ml)で2回洗浄した。洗浄した有機層を濃縮し、溶媒をメタノールに交換し、溶液(308g)を得た。濃縮の際に形成された固体(HPLC分析によれば、ペプチドを含有しない、TPBの塩)を濾過で除去した。次の工程で、テトラフェニルボラートをクロリドと交換するために、該溶液を強塩基性アニオン交換樹脂(アンバーライトIRA958 Cl形態)で処理した。この操作は、一部にて、バッチ反応において、ガラスカラムで行われた。テトラフェニルボラートを除去するのに合計で676g(9当量)の樹脂が必要とされた(HPLCでモニター観察された)。樹脂をメタノールで洗浄してペプチドを回収した。得られた溶液を濃縮して溶液(360g、Z−(D)Ala−(D)Arg−NH 24を含有する)(HPLCによれば93.8面積%)とした。
この溶液に、Pd/Cペースト(5%;8g)を加え、水素気体を室温で該溶液に通気した。4時間後、脱保護が完了していることが判明した。触媒を濾別し、4N HCl/ジオキサン(19.7g、1当量)を添加し、ついで該溶液を真空下で濃縮した。メタノールを除去した時点で、残りの水(アニオン交換樹脂に存在する残留水に由来する)をアセトニトリル(合計で約2Lを供給バッチに添加)との共沸蒸留を通して取り除く。乾燥の間に固体が形成され、最初はガム状で、さらに乾燥させると、それは結晶となった。その固体を濾過で単離し、真空下の45℃で乾燥させた。25(19.7g)が得られた(収率71.9%)。
実施例19
H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH・2HCl(28)の合成
H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH・2HCl(28):Z−D−Arg−OH26(16.15g、52.7ミリモル)の室温でのDMAc(170ml)中懸濁液に、4N HCl/ジオキサン(13.7g、1当量、52.7ミリモル)を添加した。この清澄溶液をN雰囲気下にて−15℃に冷却し、冷却する間にDIPEA(6.8g、1当量)およびピリジン(4.2g、1当量)を加えた。塩化ピバロイル(6.32g、52.7ミリモル、1当量)を添加することで活性化がなされた。活性化から5分経過後、25(19.1g、52.7ミリモル、1当量)のDMAc(132ml)中溶液をDIPEA(6.5g、滴定による測定によれば0.97当量)と一緒に0℃に冷却して添加した。反応混合物を室温までの加温に供し、30分経過した後に反応は完了していると考えられた。混合物を炭酸ナトリウム(14.7g、3.54ミリモル)を含有する脱塩水(780ml)で希釈し、pHを10.6とした。ナトリウムテトラフェニルボラート(NaTPB、40.63g)(2.2当量)を添加した。この操作によりガム状の沈殿物を得、ジクロロメタン(870ml)を添加することでそれを溶かした。この操作により、TPB塩として形成されたトリペプチドの有機相での選択的抽出が可能となった。得られた水相を、NaTPB(12.6g)を添加した後、ジクロロメタン(400ml)で1回再抽出した。最終の水相において、2.5%の生成物が失われた(HPLCにより評価した)。有機相を合わせ、1000mlの容量に濃縮し、ついで水(750ml)で洗浄した。洗浄した有機層を濃縮し、メタノールへの溶媒交換を実施し、溶液(198g)を得た。濃縮の際に形成された固体(HPLC分析によれば、ペプチドを含有しない、TPBの塩)を濾過で除去した。ここで、イオン交換はベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(17g、1.4当量)を0℃で添加することで行われた。形成されたベンジルトリエチルアンモニウムテトラフェニルボラートはメタノールに沈殿し、ペプチドのクロリド塩は溶液中に留まった。濾過した後、固体をメタノール(130ml)で洗浄した。母液を濃縮して溶液(419g)を得た。四級アンモニウム塩として沈殿しなかったTPB(約10%)を除去するために、該溶液をアンバーライトIRA958Cl(520g、10当量)で処理した。その樹脂をメタノールで洗浄し、ペプチドを回収した。得られた溶液を濃縮して419g(27を含有する)とした。この溶液に、Pd/Cペースト(2.8g、5%)を添加し、水素気体を室温にて該溶液に通気した。1時間後、触媒を濾別し、母液を真空下で濃縮した。メタノールを除去した時点で、残りの水(アニオン交換樹脂に存在する残留水に由来する)をアセトニトリル(合計で約1Lを供給バッチに添加)との共沸蒸留を通して取り除く。乾燥の間に固体が形成され、最初はガム状で、さらに乾燥させると、それは結晶となった。その固体を濾過で単離し、真空下の45℃で乾燥させた。粉末(17.22g)が得られた(HPLC純度95.5%RS、収率53%)。
実施例20
H−(D)Arg−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH・4HCl(30、配列番号:10)の合成
H−(D)Arg−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH・4HCl(30):H−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH・2HCl28(16.6g、27ミリモル)およびZ−Arg−OH26(9.6g、30.5ミリモル、1.13当量)をDMA(285ml)に懸濁させ、4N HCl/ジオキサン(5.4g、トリペプチドの滴定により決定されたとすると0.77当量)をHOBt(4.2g)と一緒に添加した。懸濁液を40℃に加熱して溶液を得、その後でそれを0℃に冷却した。エチルジイソプロピルカルボジイミド・塩酸塩(EDC)(5.96g、1.14当量)を2回に分けて30分間にわたって添加した。そのEDCが可溶化された時点で、該溶液を室温までの加温に供し、一夜放置した。変換は>90%に達し、その溶液を炭酸ナトリウム(10.1g、3.54当量)を含有する脱塩水(400ml)で希釈してpHを10.88とした。ナトリウムテトラフェニルボラート(NaTPB)(29.6g、3.1当量)を添加した。この操作はガム状物の沈殿を誘導し、その沈殿物はジクロロメタン(450mL)を添加することで溶解された。
この操作により、TPB塩として形成されたテトラペプチドの有機相での選択的抽出が可能となった。得られた水相を、NaTPB(2.1g)を添加した後、ジクロロメタン(200ml)で1回再抽出した。最終の水相において、3%の生成物が失われた(HPLCにより評価した)。有機相を合わせ、水(400ml)で2回洗浄した。洗浄した有機層を濃縮し、メタノールへの溶媒交換を実施し、溶液(193g)を得た。該溶液をアンバーライトIRA958Cl形成樹脂(715g、26当量)で処理した。その樹脂をメタノールで洗浄し、ペプチドを回収した。得られた溶液を濃縮して溶液(248g、29(Z−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−OH・2HCl、配列番号:12)を含有する)とした。この溶液に、Pd/Cペースト(2.9g、5%)を添加し、水素気体を室温にて該溶液に通気した。1時間後、脱保護は完了し、触媒を濾別し、濾液を真空下で濃縮し、つづいて4N HCl/ジオキサン(7g、1当量)を添加した。メタノールを除去した時点で、残りの水(アニオン交換樹脂に存在する残留水に由来する)をアセトニトリル(合計で約1.1Lを供給バッチに添加)との共沸蒸留を通して取り除く。乾燥の間に固体が形成され、最初はガム状で、さらに乾燥させると、それは結晶となった。その固体を濾過で単離し、真空下の45℃で乾燥させた。30(18.1g)が得られた(HPLC純度94.1%RS(下記のクロマトグラム)収率74.5%、エナンチオマー純度の測定用の試料をCATに送った)。
実施例21
Z−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(32)の合成
Z−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(32):H−(D)Arg−OH31(9.6g、55ミリモル)を脱塩水(160ml)に溶かし、そしてZ−(D)Ala−OSu22(19.9g、1.1当量)をアセトニトリル(292ml)に別個に溶かした。後者の溶液を室温で前者に添加した。活性なエステルが消費(カップリングまたは加水分解)された時点で、反応混合物を脱塩水(100ml)で希釈し、アセトニトリルを真空下で蒸留して除去し、溶液(320g)を得た。該溶液を1.2N HClでpH2.5の酸性にし、(Z−D−Ala−OHを取り除くために)EtOAc(275ml)で2回洗浄した。その後で、水相から、ペプチドを、各々、285、275および220mlの2−BuOHで抽出した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮し、共沸蒸留を通して乾燥させた。合計で2.5Lの2−BuOHが供給バッチに加えられた。その濃縮された溶液(121g)に、酢酸イソプロピル(437ml)を添加し、沈殿を生じさせた。解放されたSucOHを出来るだけ多く取り除くために、固体を濾過し、iPrOAc(220ml)で2回トリチュレートした。最後に、固体をiPrOH(100ml)に再び溶かし、ジイソプロピルエーテル(500ml)中に沈殿させて固体を得た。濾過し、ジイソプロピルエーテル(100ml)で洗浄した後、固体を真空下で乾燥させ、32(18g)を得た(HPLC純度:98.3%(下記のクロマトグラム)、収率73%)。
実施例22
H−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(33)の合成
H−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(33):Z−D−Ala−D−Arg−OH32(18g、38ミリモル)をMeOH(230ml)+水(75ml)に溶かした。Pd/Cペースト(2.5g、5%)を添加し、水素気体を室温で該溶液を介して通気した。1.5時間後、脱保護反応は完了し、0.45μフィルターを用いる濾過で触媒を除去し、MeOH(46ml)で洗浄した。ペプチド溶液を真空下で濃縮し、アセトニトリルを供給バッチに添加することにより(4x250ml)共沸蒸留に付して水を除去する。蒸留する間に、脱保護されたジペプチドが出てくる。最後に、得られた懸濁液を濃縮して189gとし、濾別してアセトニトリルで洗浄する。45℃で一夜乾燥させた後、白色の粉末(11.2g)を得る(HPLC純度:97.4%RS(下記のクロマトグラム)、収率:91.3%)。
実施例23
Fmoc−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(35、配列番号:19)の合成
Fmoc−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(35)(配列番号:19):Fmoc−D−Cys(Trt)−OH34(9.6g、1.0当量)およびHONb(N−ヒドロキシノルボルネン)(3.2g、1.05当量)をDMF(14ml)に室温にて溶かした。この混合物をi−PrOAc(50ml)で希釈し、0℃に冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、3.7g)をi−PrOAc(4ml)に溶かし、Fmoc−D−Cys(Trt)−OHを含有する溶液に添加した。DCCを添加する際に、反応混合物を室温にまで加温させ、2時間攪拌した。2時間後(変換率>96%)、DCUを濾過で取り除き、i−PrOAc(20ml)で洗浄した。この溶液に、H−(D)Ala−(D)Arg−OH33(6.0g、1.1当量)およびDIPEA(2.4ml、1.09当量)のDMF(40ml)および脱塩水(24ml)中溶液に室温で添加した。一夜反応させた後、Fmoc−(D)Cys(trt)−ONbは完全に消費され、その混合物をi−PrOAc(200ml)、水(200ml)およびジクロロメタン(200ml)で希釈した。相分離の後、水相を捨て、有機相を脱塩水(350ml)で、つづいて2(w/v)%NaCl溶液で洗浄した。有機層を真空下で濃縮し、ジクロロメタンを除去すると固体が出現した。この固体を濾過し、HPLCは主たる不純物としてFmoc−(D)Cys(trt)−OHを示した。この沈殿操作を繰り返した場合(3x)、その中身は約2%まで減少させることが可能であった。乾燥後、固体(13.9g)を得た(HPLC純度:95%RS(下記のクロマトグラム)、収率96%)。
実施例24
Ac−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−OH(36、配列番号:9)の合成
Ac−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−OH(36)(配列番号:9):Fmoc−D−Cys(trt)−D−Ala−D−Arg−OH・HCl(35)(8.65g、9.8ミリモル、1.0当量)をMeOH(80ml)に懸濁させ、ピペリジン(6.8g、8当量)を室温で徐々に添加した。変換率が>97%であった場合に、該溶液をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、600ml)に加えた。沈殿物を濾別し、MTBE(80ml)で洗浄し、真空下、45℃で一夜乾燥させた。H−D−Cys(trt)−D−Ala−D−Arg−OH(化合物38、6.2g)を白色の粉末として得た(94.5%RS(HPLC方法1、下記のクロマトグラム)、収率:95.4%)。
H−D−Cys(trt)−D−Ala−D−Arg−OH38(6.0g、9.1ミリモル、1.0当量)をジクロロメタン(75ml)に溶かした。4N HCl/ジオキサン(792μl、滴定により測定した場合に0.348当量)を、つづいてアセチル−N−ヒドロキシスクシンイミド(AcOSu)(3.4g、2.4当量)を室温で3回に分けて添加した。反応を促進させるために、DIPEAを添加することでそのpHを3.5から6に上げた。この操作はペプチドのゲル化をもたらした(ほとんどの両性イオン形態はジクロロメタンに可溶ではない)。ジメチルアセトアミド(DMAc、15ml)を添加し、ジクロロメタンを除去して溶液を得た。98%の変換率が得られるまで(48時間)反応を続け、次にi−PrOAc(350ml)で沈殿させた。その固体を濾過し、i−PrOAc(85ml)で洗浄した。固体をMeOH(90ml)に溶かし、i−PrOAc(200ml)中に再び沈殿させた。濾過後、該固体を真空下45℃で一夜乾燥させ、36(5g)を白色の粉末として得た(98.2%RS(HPLC方法1)、収率:87.3%)。HPLC方法1に相当するHPLC条件:メルク・クロモリス(Merck Chromolith)RP C18−e(100mmx4.6mm)移動相A:水+0.1%TFA:移動相B:アセトニトリル+0.1%TFA;カラム温度:40℃;流速:4ml/分;UV(220nm);勾配:2%Bで開始、8分間で2から73.3%Bとする。
実施例25
Ac−D−Cys(Trt)−D−Ala−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH・4HCl(37、配列番号:11)の合成
Ac−D−Cys(trt)−D−Ala−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH・4HCl(37、配列番号:11):Ac−(D)−Cys(trt)−D−Ala−D−Arg−OH(36、7.9g、12.0ミリモル)、H−D−Arg−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH・4HCl(30、11.0g、1.005当量)およびHOPO(2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド、1.40g、1.05当量)をDMA(130ml)に懸濁させ、溶けるまで攪拌させた(一夜)。溶解の際に、反応混合物を氷浴で冷却し、EDC・HCl(2.4g、1.03当量)を添加した。8時間反応させた後、DIPEA(78μl、0.1当量)を加え、反応を促進させた。反応の開始から24時間経過した後、温度を20℃に上げた。DOPEA(382μl、0.2当量)を2回に分けて、ならびにEDC・HCl(117mg、0.05当量)を添加し、反応を終えた。96%の変換率が得られた際に(48時間)、ペプチドをアセトニトリル(1100ml)に沈殿させ、濾別し、アセトニトリル(1250ml)で洗浄した。真空下、45℃で一夜乾燥させた後、粗製37(17.3g)を白色の粉末として得た(86.7%RS(HPLC方法2))。HPLC方法2の条件:カラム:ゾルバックス(Zorbax)SB−C18(150mmx4.6mm、3.5μ)移動相A:水+20mMペンタフルオロプロピオン酸(PEPA) 移動相B:アセトニトリル+20mMペンタフルオロプロピオン酸(PEPA);カラム温度:40℃;流速:1.5ml/分;220nmのUV;勾配:2%Bで開始し、20分間で2から91.1%Bとする。その粗ペプチドを分取規模の逆相HPLCで精製し、HPLCにより99面積%以上で64%の所望のペプチドを得た。HPLC条件:カラム:ダイソパック(Daisopak)SP−120−25−ODS−RPS 20x250mm、移動相A:水中1%HOAc、移動相B:アセトニトリル中1%HOAc;流速:19ml/分;勾配:5%Bで1分間、20分間で5−25%Bとし、1分間で25−90%Bとし、90%Bで5分間洗浄する;試料:42g/L Ac−(D)Cys(trt)−(D)Ala−(D)Arg−(D)Arg−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH・4HCl 88%RSのHPLC純度;注入容量:3mlフラクション(0.75分間)
実施例26
エテルカルセチド(化合物20)の合成
エテルカルセチド:Ac−(D)Cys(trt)−(D)Ala−(D)Arg−(D)Arg−(D)Arg−(D)Ala−(D)Arg−NH・4HCl(37、配列番号:11、1.0g、0.64ミリモル)を水(95ml)に溶かし、H−Cys(trt)−OH(2.4g、10当量)を添加した。その溶液のpHを水性HClを用いて2.85に調整し、これによりH−Cys(trt)−OHの溶解を助けた。MeOH中ヨウ素の2%溶液を合計で約10当量が添加されるまで少しずつ(およそ1時間毎に)加えた。一夜反応させた後、出発材料は完全に消費され、メタノールおよびアセトニトリルを蒸発により除去した。沈殿したトリチル誘導体(分解生成物)をMTBEで抽出することで除去した。粗エテルカルセチド(5.9g/L)を含有する得られた水溶液(約60ml)をさらに精製した(60%RS(HPLC方法2)、収率53%(HPLCアッセイによる評価))。分取クロマトグラフィーに付した後、フラクションを単離し、>95%RS(UPLC)を>90%の収率で得た。UPLC条件:カラム:ウォーターズ・アクワイティ(Waters ACQUITY)UPLC HSS T3カラム(100Å、1.8μ、2.1x150mm) 移動相A:3%アセトニトリル中0.1%TFA:移動相B:30%アセトニトリル中0.1%TFA;カラム温度:45℃;流速:0.25ml/分;UV(220nm);勾配:1分間0%Bとし、23分間で0から34%Bとし、9分間で34から70%Bとする。

Claims (34)

  1. エテルカルセチドの調製方法であって、
    (i)D−アルギニンの代わりにD−オルニチンを含むエテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントのN−末端を、エテルカルセチドの保護されたトリペプチドフラグメントのC−末端と、液相にてカップリングさせ、末端D−システインを含むエテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体を形成させることを含む、方法。
  2. エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントが、構造式:
    で示される、請求項1に記載の方法。
  3. エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントが室温で固体である、請求項2に記載の方法。
  4. トリペプチドフラグメントが構造式:
    で示され、エテルカルセチドのその保護されたヘプタペプチド先駆体が構造式:
    で示される、請求項2に記載の方法。
  5. トリペプチドフラグメントが室温で固体である、請求項4に記載の方法。
  6. カップリングが有機溶媒中で実施されて反応混合物を提供する方法であって、該反応混合物に水を添加し、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体を沈殿させることをさらに含む、請求項1−5のいずれか一項に記載の方法。
  7. (ii)エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチド先駆体からオルニチンδ−アミノ保護基を取り除くこと、および
    (iii)エテルカルセチドの脱保護されたヘプタペプチド先駆体をグアニル化(guanylating)に供し、それによりオルニチン残基をアルギニンと置き換え、構造式:
    で示される中間体を形成すること
    をさらに含む、請求項1−6のいずれか一項に記載の方法。
  8. (iv)工程(iii)にて形成された中間体の末端D−システインをL−システインとジスルフィド結合の形成を介してカップリングさせ、エテルカルセチドを形成することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 工程(i)のカップリングを行う前に、
    (a)エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントを液相にて調製することを、
    さらに含む、請求項1−8のいずれか一項に記載の方法。
  10. エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドが連続的液相プロセスを介して調製される、請求項9に記載の方法。
  11. 調製工程(a)が、
    (a−i)オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物(UNCA)を、構造式:
    で示されるジペプチドと、カップリングさせて保護されたトリペプチドを形成すること;
    (a−ii)そのトリペプチドを脱保護に供し、脱保護されたトリペプチドを形成すること;および
    (a−iii)その脱保護されたトリペプチドを、オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物にカップリングさせてエテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントを形成すること
    を含む、請求項9または10に記載の方法。
  12. 調製工程が副生成物の気体の形成をもたらす、請求項11に記載の方法。
  13. オルニチンのウレタン保護されたN−カルボキシ無水物が、保護されたD−オルニチンのベンジルオキシカルボニル保護のN−カルボキシ無水物である、請求項11に記載の方法。
  14. カップリング工程(a−i)および(a−iii)が、各々、テトラヒドロフラン中で実施される、請求項11−13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 液相がエーテル、エステル、芳香族炭化水素および塩素化炭化水素からなる群より選択される有機溶媒を含む、請求項9−13のいずれか一項に記載の方法。
  16. カップリング工程(i)の前に、エテルカルセチドの保護されたテトラペプチドフラグメントを沈降または再結晶操作により精製することをさらに含む、請求項1−15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 化合物19のD−システインがアセトアミド保護基を含む方法であって、()アセトアミド保護基を切断することをさらに含む、請求項に記載の方法。
  18. 反応工程(iv)および切断工程()が単一の反応容器中で実施される、請求項17に記載の方法。
  19. エテルカルセチドの調製方法であって、
    (i)エテルカルセチドのアセチル化されたN−末端保護のトリペプチドフラグメントを、液相中にてエテルカルセチドの完全に脱保護されたC−末端テトラペプチドフラグメントとカップリングさせ、末端D−システインを含む、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを形成することを含む、方法。
  20. エテルカルセチドのアセチル化されたN−末端保護のトリペプチドフラグメントが、構造式:
    で示され、ここでPGが保護基である、請求項19に記載の方法。
  21. エテルカルセチドの完全に脱保護されたC−末端テトラペプチドフラグメントが、構造式:
    で示される、請求項19または請求項20に記載の方法。
  22. エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントが、構造式:
    で示される、請求項21に記載の方法。
  23. カップリングがカップリング試薬の存在下にある有機溶媒中で実施されて反応混合物を提供する、請求項1922のいずれか一項に記載の方法。
  24. (ii)エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを反応混合物より回収することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
  25. 回収工程(ii)がアセトニトリルを反応混合物に添加し、エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントを沈殿させることを含む、請求項24に記載の方法。
  26. (iii)エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントの末端D−システインを溶液中にてL−システインとジスルフィド結合の形成を介してカップリングさせ、エテルカルセチドを形成させることをさらに含む、請求項1925のいずれか一項に記載の方法。
  27. エテルカルセチドの保護されたヘプタペプチドフラグメントのD−システインがトリチル保護基を含む方法であって、(ii−a)L−システインとカップリングさせる前に、トリチル保護基を切断することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  28. (iv)エテルカルセチドを精製することをさらに含む、請求項26または請求項27に記載の方法。
  29. 精製工程(iv)がエテルカルセチドをイオン交換クロマトグラフィーによって精製することを含む、請求項28に記載の方法。
  30. 精製工程(iv)がエテルカルセチドをナノ濾過により精製し、ナノ濾過されたエテルカルセチドを得ることを含む、請求項28に記載の方法。
  31. (v)そのナノ濾過されたエテルカルセチドを凍結乾燥することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
  32. カップリング工程(i)に付す前に、(a)エテルカルセチドのC−末端テトラペプチドフラグメントを液相にて調製することをさらに含む、請求項1931のいずれか一項に記載の方法。
  33. 調製工程(a)が
    (a−i)N−保護のD−アラニンをH−(D)−アルギニン・塩酸塩とカップリング試薬の存在下にて溶液中でカップリングさせてN−保護のD−Ala−D−Arg−NH・塩酸塩を形成する工程;
    (a−ii)そのN−保護のD−Ala−D−Arg−NH・塩酸塩をテトラフェニルホウ酸ナトリウムで処理し、テトラフェニルホウ酸塩を形成する工程;
    (a−iii)(a−ii)から由来のテトラフェニルホウ酸塩を有機溶媒に抽出する工程;
    (a−iv)そのテトラフェニルホウ酸塩を塩酸塩に変換する工程;
    (a−v)(a−iv)から由来の塩酸塩を脱保護に供し、ジペプチド H−D−Ala−D−Arg−NH・塩酸塩を形成する工程;
    (a−vi)N−保護のD−アルギニン・塩酸塩とカップリングさせることにより、ジペプチド H−D−Ala−D−Arg−NH・塩酸塩でのカップリング工程、処理工程、抽出工程、および脱保護工程を連続して繰り返し、トリペプチド H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH・塩酸塩を形成する工程;および
    (a−vii)N−保護のD−アルギニン・塩酸塩とカップリングさせることにより、工程(a−vi)から由来のトリペプチド H−D−Arg−D−Ala−D−Arg−NH・塩酸塩でのカップリング工程、処理工程、抽出工程、および脱保護工程を連続して繰り返し、構造式:
    で示されるテトラペプチドを形成する工程
    を含む、請求項32に記載の方法。
  34. (a−viii)化合物29のN−保護のテトラペプチドフラグメントを脱保護することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
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