発明の詳細な説明
〔技術分野〕
ここに提供されるのは、被検体の、刺激に対する客観的な応答の記録方法、ならびに上記記録方法において使用される装置およびユーザインターフェース(UI)である。特に、本発明は、ユーザが、刺激への客観的な多変量の応答を記録できるようにするユーザインターフェース、そのようなユーザインターフェースを備えた装置、および、サンプルまたは製品の特性を判定するための、そのようなユーザインターフェースおよび装置を使用する方法を提供する。
〔背景技術〕
製品を設計する場合、または市場調査を行う場合、与えられた製品に対して、被検体(例えばヒト被検体)の、質に関する応答および/または量に関する応答の、正確かつ客観的な尺度を得ることが有用である。例えば、ヒト味覚検査は、検査サンプル(例えば、食品、飲料、薬剤、栄養補助食品、等)の味質および/または嗜好性の測定値を取得するために行われる。ヒト味覚検査は、統計的に適切なデータを生成するために、一般的に、大量のサンプルおよび多数の訓練を受けた被検体を必要とする。検査は、従来、検査パネルごとに20−40またはそれ以上の検査被検体(例えば、ヒト被検体)を使用するが、各被検体は、分析ごとに大量のサンプル(例えば、20、30、40、またはそれ以上のミリリットルの試料液)を評価する(例えば、摂取する)。従って、判定に必要な、実用的な/検査可能な量の検査サンプルの生成は、依然として重要な課題である。例えば、検査するために、mM値域で活性な味活性化合物は、10〜100グラムに計量される必要があるが、検査物が天然物である場合は特に、大変費用がかかる可能性がある。従って、ヒト味覚検査は、依然として時間および資源を集中的に要する。さらに、検査の目安のための主観的な口頭報告または評価の尺度への顕著な依存により、ヒト味覚検査は、周知のことであるが、変化しやすく不正確である。同様の非効率かつ不正確さは、他の形式のヒト判定検査にも同様に存在する。
その上、ヒト味覚検査は、100年以上前から始まり、それ以降ほとんど刷新されていない、精神物理学的測定法から発展した検査構造および計測に伸び悩んできた。
〔発明の概要〕
本明細書に提供されるのは、被検体の、刺激への客観的応答の記録方法、ならびに上記記録方法において使用される装置およびユーザインターフェースである。特に、本発明は、ユーザが、刺激への客観的な多変数応答を記録できるようにするユーザインターフェース、そのようなユーザインターフェースを備えた装置、および、サンプルまたは製品の特性を判定するための、そのようなユーザインターフェースおよび装置を使用する方法を提供する。本発明は、より一層の正確さ、および/または検査の精度を可能にし、(口頭報告、評価尺度、または客観的認識に依存していない)客観的手段を通して達成される測定、および少量の試験サンプル/化合物(例えば、従来使用されている検査サンプル/化合物の量より少ない、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50−70、70−90、100、またはそれ以上の範囲)を使用した被検体の小さな集団(例えば、約100、約90、約80、約70、約60、約50、約40、約30、約20、約15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、またはその中において変動する)からの統計的に適切な情報の蓄積を可能にし、かつ/または高度なスループット検査の能力を提供する。いくつかの実施形態において、検査サンプルは、特定のサンプル(例えば、50μl、100μl、150μl、200μl、250μl、300μl、350μl、400μl、450μl、500μl、600μl、700μl、800μl、900μl、1ml、1.5ml、2ml、2.5ml、3ml、3.5ml、4ml、4.5ml、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、またはそれ以上、または変動する、またはその中の量)に対して適切なサイズである。
例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、(a)タッチスクリーン、(b)自動ピペット部、および(c)サンプル源を備えている、味覚検査(例えば、ヒト味覚検査)のためのシステムおよび/または装置を提供する。いくつかの実施形態において、上記装置は報奨部(例えば、ホッパー)をさらに備えている。いくつかの実施形態において、上記タッチスクリーンは、記録グリッドを備えている。いくつかの実施形態において、上記記録グリッドは、タッチスクリーン上では見えない。いくつかの実施形態において、上記グリッドの第1の次元は、第1味覚検査特性に相当し、上記グリッドの第2の次元は、第2味覚検査特性に相当する。本発明は、測定されるサンプル特性の数および/または上記グリッド(またはマトリクス)に統合される次元によって限定されない。実際には、上記グリッド(またはマトリクス)は、(例えば、上記サンプルの特性に相当する、または関連するそれぞれの次元と共に)2、3、4、5、6、7またはそれ以上の次元を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、上記第1味覚検査特性は、嗜好性であり、第2味覚検査特性は、味質である。いくつかの実施形態において、自動ピペット部は、上記サンプル源からサンプルを回収し、当該サンプルを検査被検体に送達するように構成されている。いくつかの実施形態において、自動ピペット部は、サンプルを、タッチスクリーンの前方に位置する検査被検体に送達するように構成されている。いくつかの実施形態において、装置は、プロセッサ部およびメモリ部をさらに備えている。いくつかの実施形態において、上記プロセッサは、上記サンプル源からの第1サンプルを検査被検体に送達するように、上記自動ピペット部に命令する。いくつかの実施形態において、上記プロセッサは、タッチスクリーンのタッチを、上記検査被検体によって、味覚検査応答として識別する。いくつかの実施形態において、上記味覚検査応答は、上記メモリに記録され、上記第1サンプルに関連付けられる。いくつかの実施形態において、サンプル送達、タッチ識別、記録、および関連付けは、1つ以上の追加サンプル(例えば、第2サンプル、第3サンプル…第10サンプル…第50サンプル…第100サンプル、またはそれ以上)に対して繰り返される。いくつかの実施形態において、上記サンプル源は、マイクロタイタープレートである。本発明は、サンプルの数または上記サンプルを格納するために使用されるプレートのタイプによって限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、上記マイクロタイタープレートは、6、8、12、16、24、32、48、64、96、384またはそれ以上の異なるサンプルを備えた、6‐、8‐、12‐、16‐、24‐、32‐、58‐、64‐、96‐、384‐またはそれ以上の穴プレートである。いくつかの実施形態において、上記サンプル源は、1つ以上のガラスビン、桶、カップ、チューブ、溝、微小流路、プレート等を備えている。上記装置は、ワイヤレスネットワークを通してリモートストレージ部へ味覚検査応答を送信するワイヤレスケイパビィティをさらに備えていてもよい。メモリ部および/またはリモートストレージ部に存在するデータは、検査が完了した後いつでもアクセスおよび分析され得る。
ある実施形態において、本発明は、(a)記録部および(b)サンプル送達部を備えた味覚検査(例えば、ヒト味覚検査)のためのシステムを提供する。上記記録部は、電子通信(例えばデジタル(例えばタッチスクリーン)またはアナログ)、もしくは手動(例えば紙または他のマーキング可能な材料)であってもよい。いくつかの実施形態において、上記記録部は、記録グリッドを備えている。上記グリッドは、被検体によって見ることが可能であっても、または仮想であっても(例えば、容易に見えなくても)よい。いくつかの実施形態において、上記グリッドの第1の次元は、第1味覚検査特性に相当し、上記グリッドの第2の次元は、第2味覚検査特性に相当する。本発明は、測定されるサンプル特性の数および/または上記グリッド(またはマトリクス)に統合される次元によって限定されない。実際には、上記グリッド(またはマトリクス)は、(例えば、上記サンプルの特性に相当するまたは関連するそれぞれの次元とともに)2、3、4、5、6、7またはそれ以上の次元を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、上記第1味覚検査特性は、嗜好性であり、第2味覚検査特性は、味質である。いくつかの実施形態において、上記サンプル送達部は、検査被検体にサンプルを与えるように構成されている。サンプル送達部は、送達ピペット、ストロー、カップ、チューブ、ガラス、シリンジ、カード、溝等であってもよい。いくつかの実施形態において、検査被検体は、上記送達部を手動で選択し、上記サンプルを取得する。他の実施形態において、上記送達部は、サンプルを、上記検査被検体に自動的に与える。いくつかの実施形態において、自動送達部は、上記記録部の前方に位置する検査被検体にサンプルを送達するように構成されている。いくつかの実施形態において、上記送達部は、サンプル源からのサンプルを検査被検体へ送信する。いくつかの実施形態において、プロセッサは、上記サンプル源からの第1サンプルを検査被検体へ送達するように、上記自動送達部に命令する。いくつかの実施形態において、上記プロセッサは、味覚検査応答としての上記検査被検体によって、上記記録部のタッチを識別する。いくつかの実施形態において、上記味覚検査応答は、メモリ部に記録され、上記第1サンプルに関連付けられる。いくつかの実施形態において、サンプル送達、タッチ識別、記録、および関連付けは、1つ以上の追加サンプル(例えば、第2サンプル、第3サンプル…第10サンプル…第50サンプル…第100サンプル、またはそれ以上)に対して繰り返される。いくつかの実施形態において、上記サンプル源は、マイクロタイタープレートである;一連の、ガラスビン、カップ、穴、チューブ等;微小流路装置等。いくつかの実施形態において、サンプル源は、被検体に与えられるそれぞれの検査サンプルに対して、1つの導管、穴、容器等を備える(それぞれの導管、穴、容器等は、一度のみ入手される)。いくつかの実施形態において、被検体に与えられるサンプルのそれぞれのタイプに対して、サンプル源は、1つの導管、穴、容器等を備えている(例えば、上記導管、穴、容器等は、繰り返される試行に対して、再度入手される)。本発明は、サンプルの数によって、または上記サンプルを格納するために使用される源の上記タイプによって限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、上記サンプル源は、6、8、12、16、24、32、48、64、96、384またはそれ以上の(またはその中で変動する)異なるサンプルを備えた、6‐、8‐、12‐、16‐、24‐、32‐、48‐、64‐、96‐、384‐またはそれ以上の穴プレートである。システムは、ネットワーク(ワイヤレスネットワーク)を通して、検査応答をリモートストレージ部に送信するためのワイヤおよび/またはワイヤレスケイパビリティ(例えばデータサーバ)をさらに備えていてもよい。記録部および/または上記リモートストレージ部に存在するデータは、検査が完了した後いつでもアクセスおよび分析され得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、(a)記録部の前方に位置する被検体に、サンプル源からのサンプルを送達すること(例えばタッチスクリーン)、(b)上記記録部(例えばタッチスクリーン)上における、上記被検体による上記サンプルへのシングルタッチ応答を記録すること、(c)上記シングルタッチ応答を上記サンプルに関連付け、かつ、メモリ部に上記応答を保存すること、(d)1つ以上の追加サンプルに対して、工程(a)〜(c)を繰り返すこと、を包含する、ヒトサンプル検査(例えば味覚検査)を実行する方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記サンプル源は、マイクロタイタープレートを備えている。本発明は、サンプルの数または上記サンプルを格納するために使用されるプレートのタイプによって限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、上記マイクロタイタープレートは、8、16、32、64、96、またはそれ以上の異なるサンプルを備えた、6‐、8‐、12‐、16‐、24‐、32‐、48‐、64‐、96‐、384‐またはそれ以上の穴プレートである。いくつかの実施形態において、上記サンプルは、自動ピペット部(または、他の、適したサンプル送達部)によって送達される。いくつかの実施形態において、上記自動ピペット部は、上記サンプル源から上記サンプルを回収し、当該サンプルを被検体の口腔に直接送達する。いくつかの実施形態において、上記自動ピペット部は、可動アーム、マイクロピペット、および使い捨てチップを備えている。いくつかの実施形態において、上記使い捨てチップは、上記サンプルと各追加サンプルとの間で、交換または洗浄される。いくつかの実施形態において、上記可動アームは、(i)上記ピペットに取り付けられた上記使い捨てチップを、上記サンプル源から上記サンプルを回収するのに適した位置に配置する第1位置を取り、かつ、(ii)上記ピペットに取り付けられた上記使い捨てチップを、上記被検体に上記サンプルを送達するのに適した位置に配置する第2位置を取る。いくつかの実施形態において、上記可動アームは、(iii)廃棄部に上記使い捨てチップを排出する第3位置を取る。上記可動アームは、追加サンプルに対して、工程(i)から(iii)を繰り返す。いくつかの実施形態において、上記可動アームは、上記チップを洗浄するために、(例えば、廃棄部に排除されるのに先立って、(例えば、試験から試験へ継続的に使用される)1つ以上のサンプルに対して使用され得るように)ある位置を取る。
いくつかの実施形態において、上記記録部(例えば、タッチスクリーン)は、応答フィールドを備え、上記フィールドの第1の次元は、上記サンプルに関して測定されることが望ましい第1特性(例えば、第1味覚検査特性)に相当し、かつ、上記フィールドの第2の次元は、上記サンプルに関して測定されることが望ましい第2特性(例えば、第2味覚検査特性)に相当する。本発明は、測定される味覚検査のタイプによって限定されない。実に、味覚に関するいかなるおよび全ての特性は、苦味、甘味、塩辛さ、旨味、酸味、水っぽさ等を包含して測定されるが、限定されない。さらなる特性は、スパイシーさ、ハッカ味、冷たさ、舌を刺すような味、ヒリヒリ感、食感、食欲、嫌悪等の味の一群に起因するいかなる味を有していてもよい。
いくつかの実施形態において、上記第1味覚検査特性は、嗜好性であり、かつ、上記第2味覚検査特性は、味質である。嗜好性は、ヒトまたは動物が、食欲を増進する味から不快な味まで多岐にわたる味を好むかの程度である。使用可能な用語において、嗜好性は、摂取の可能性のいくつかの目安として数値で表され得る。被検体が、ここに記載される訓練方法を使用して訓練を受ける場合、刺激に対する被検体の応答は、上記被検体の主観的意見に影響されない、嗜好性の客観的な目安を提供する。味質は、何か他のもののような味がするもの(例えば、スクロースの類似)の程度である。味質は、1つの味刺激と2つ目の、以前さらされたことから(例えば、記憶または訓練から)認識可能な、または記憶している、多くの場合標準的な味刺激との間の比較である。運用上では、味質は、2つ以上の味刺激の間の類似性または差異として数値で表され得る。被検体が、ここに記載されている訓練方法を使用して訓練を受けている場合、被検体の刺激への応答は、上記被検体の主観的意見に影響されていない、味質の客観的な目安を提供する。いくつかの実施形態において、サンプルへのシングルタッチ応答(例えば、タッチスクリーン表示またはグリッド)は、上記サンプルへの第1の次元および第2の次元の応答両方を示す。例えば、いくつかの実施形態において、上記シングルタッチ応答は、上記サンプルへの嗜好性および味質に対する上記被検体の応答を示す。
別の実施形態において、本発明は、(a)被検体に対照刺激(例えば、対照化合物またはサンプル)を与え、(b)多次元の(例えば、2、3以上の次元の)応答フィールド上における、上記被検体による上記対照刺激に対するシングルタッチ応答を記録し、各次元は、上記検査刺激(例えば、検査化合物またはサンプル)の異なる特性を示し、(c)上記シングルタッチ応答が、上記対照刺激に対する正しい応答を正確に識別した場合、上記被検体に報酬を与え(または、ほぼ正確な応答に対してはより少ない報酬を与え)、(d)上記検査刺激の上記異なる特性において相違する対照刺激に対して、上記被検体が、正確なシングルタッチ応答を一貫して与えるように訓練されるまで、追加対照刺激を用いて、工程(a)〜(c)を繰り返し、検査刺激(例えば、検査化合物またはサンプル)に対する被検体からの客観的応答を測定する方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記方法はさらに、(e)上記ヒト被検体に検査刺激を与え、(f)上記多次元の応答フィールド上における、上記検査刺激に対する上記被検体によるシングルタッチ応答を記録し、(g)上記応答を上記検査刺激に関連付け、(h)追加検査刺激を用いて、工程(e)〜(g)を繰り返す。いくつかの実施形態において、上記シングルタッチ応答は、各特性のための独立した点数を示す。本発明は、検査される検査刺激の上記特性によって限定されない。実に、被検体が感じることの可能な、検査刺激のいかなるタイプの特性でも測定可能である。いくつかの実施形態において、上記検査刺激は、味覚刺激(例えば、味覚サンプル)である。いくつかの実施形態において、上記異なる特性は、嗜好性および味質である。いくつかの実施形態において、苦み、甘味、塩辛さ、旨味、酸味、水っぽさ等または味の一群、スパイシーさ、ハッカ味、冷たさ、舌を刺すような味、ヒリヒリ感、食感、食欲、嫌悪、嗜好性および/または味質から生じ得るいかなる新たな味も、検査および/または測定される。いくつかの実施形態において、上記対照刺激のうちの1つ以上は、スクロース、キニーネ、NaCl、クエン酸、甘草、ステビオシドから選択される。本発明は、ここに開示されている上記方法を活用して測定される検査刺激の特性のタイプによって限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、上記対照刺激は、検査刺激の、視覚刺激特性、聴覚刺激特性、触覚刺激特性および/または嗅覚刺激特性を測定するためにここに開示されている方法において活用されている、視覚刺激、聴覚刺激、触覚刺激または嗅覚刺激である。
いくつかの実施形態において、本発明は、検査刺激に対する被検体からの客観的応答を測定する装置を提供しており、(a)サンプル提供部は、被検体に刺激を適切に受けさせ、(b)応答フィールドは、上記刺激の第1特性に相当する第1の次元と上記刺激の第2特性に相当する第2の次元とを備えており、上記被検体は、上記刺激に対する応答を示すために、上記応答フィールド上でシングルタッチを用いる。いくつかの実施形態において、上記応答フィールドは、タッチスクリーン上に提示される。いくつかの実施形態において、上記タッチスクリーンは、記録グリッドを表示する。いくつかの実施形態において、上記装置は、プロセッサ部およびメモリ部をさらに備えている。いくつかの実施形態において、上記プロセッサは、上記サンプルを取得し、上記被検体に上記サンプルを送達するように、上記サンプル提供部に命令する。いくつかの実施形態において、上記サンプルは、上記メモリ部または物質的サンプル源から取得される。いくつかの実施形態において、上記プロセッサは、上記被検体による上記応答フィールドのタッチを、応答として識別する。いくつかの実施形態において、上記応答は、上記メモリに記録され、かつ、上記サンプルに関連付けられる。いくつかの実施形態において、上記装置は、ワイヤレスネットワークを通してリモートストレージ部へ応答を伝達するワイヤレス送信および受信ケイパビリティをさらに備えている。メモリ部および/またはリモートストレージ部に存在するデータは、応答測定が完了した後いつでも、アクセス、かつ分析可能され得る。
いくつかの実施形態において、(例えば、適切な大きさおよび/または量の)サンプルはいくつでも、どれでも適切なメカニズムによって与えられる。サンプルのメカニズムは、自動ピペットに限られない。送達部は、自動または手動部を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、送達部は、(例えば、固体サンプルとして)ピペット、ストロー、チューブ、カップ、プレート、(例えば、嗅覚サンプルとして)シリンジ、ガラスビン、カード等を備えている。送達部は、静的または動的であってもよい(例えば、自動または手動の動作)。
いくつかの実施形態において、検査方法は、複数回の判定を提供する。例えば、被検体は、1回目の検査において刺激を受けさせられ、上記サンプルの1つ以上の特性への、上記被検体の客観的応答基づいて、上記サンプルは、次回の検査に進められる。例えば、被検体は、サンプルにさらされ(例えば、味を見る)、1つ以上の特性(例えば、味質および嗜好性)に照らして、(例えば、x/y軸上において)応答する。いくつかの実施形態において、上記応答は、上記被検体の主観的意見ではなく、行動の、または感覚の関係を反映する。1つ以上の上記特性が、閾値を越える場合、上記刺激は、次回の検査に進められる。別の実施形態において、被検体は、サンプルにさらされてもよく(例えば、味を見る)、かつ、1つ以上の特性に従って、肯定的な反応(例えば、「はい」または「進める」)、または否定的な反応(例えば、「いいえ」または「拒否する」)を提供しても、または発してもよい。特定の実施形態において、被検体は、サンプルにさらされ(例えば、味を見る)、かつ、上記被検体は、1つ以上の特性に従って、肯定的な反応(例えば、「はい」または「進める」)、または否定的な反応(例えば、「いいえ」または「拒否する」)を提供しても、または発してもよく、結果として、1つ以上の特性に従って、(例えば、x/y軸上において)上記サンプルを判定する。そのような検査回は、混合判定である。
いくつかの実施形態において、サンプルは、1回で判定される。1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上)の特性は、1回ごとに判定されてもよい。いくつかの実施形態において、サンプルは、複数回以上、判定される。例えば、1つの被検体または複数の被検体からの反応に基づき、サンプルは、(1)処分され、(2)追加検査に進められる。いくつかの実施形態において、サンプルが進められるか処分されるかというサンプルの判定は、保存される。特定の実施形態において、1回目において(例えば、サンプルに1回さらされることに基づいて)、第1の特性(例えば、味質)に対する被検体の訓練に従って判定され、進めることの決定(例えば、1/0、はい/いいえ、+/−、等)は、第2の特性(例えば、嗜好性)に従って提供される。いくつかの実施形態において、検査1回ごとの1つ以上の判定に基づき、上記サンプルは、追加検査に進められる。
いくつかの実施形態において、サンプルの上記特性を判定するために、複数回の検査が行われる。各回は、同一のまたは異なる複数の被検体によって行われてもよい。各回において、上記サンプルは、同一(例えば、味質および嗜好性)または異なる(例えば、風味、嗜好性、甘味、味質、等)特性に従って判定されてもよい。いくつかの実施形態において、同一の被検体は、複数回の検査(例えば、複数の判定)を行う。他の実施形態において、サンプルは、1回目において、第1の被検体を用いて判定され、次に、追加検査に進められるサンプルは、次の被検体を用いて、(例えば、同一または異なる基準に従って)判定される。1つの被検体の検査、複数の被検体の検査、またはその組み合わせが、活用されてもよい。
いくつかの実施形態において、1つのサンプルの判定は、1つの被検体を用いて得られる。他の実施形態において、被検体は、1回の検査において複数のサンプルを判定する(例えば、2、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、400、500、およびその中の値および範囲)。いくつかの実施形態において、被検体は、1回の検査のみ行う。いくつかの実施形態において、被検体は、複数回(例えば、2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上)の検査を行った。いくつかの実施形態において、すべてのサンプルは、各回において検査された。他の実施形態において、各回において(例えば、客観的判定に基づいて)いくつかのサンプルは処分され、次回においてより少ないサンプルが残される。
いくつかの実施形態において、複数の被検体(例えば、2、5、10、20、50、100、200、500、1000、またはその中で変動する)は、1回目において、サンプルを客観的に判定し、平均値に基づいて組み合わせられる、または、そうでなければ、合計点に基づき、上記サンプルは拒絶され、受け入れられ、かつ/または次回の検査に進められる。いくつかの実施形態において、複数の被検体は、複数のサンプルを判定し、そのような実施形態においては、平均値に基づいて組み合わされ、または、そうでなければ、合計判定に基づき、上記サンプルの一部分は拒絶され、上記サンプルの一部分は受け入れられる、または追加検査に進められる。
いくつかの実施形態において、検査は、1回の検査から構成される(例えば、1つの被検体と1つのサンプル、1つの被検体と複数のサンプル、複数の被検体と1つのサンプル、複数の被検体と複数のサンプル)。いくつかの実施形態において、検査は、複数回の検査から構成される。いくつかの実施形態において、同一の被検体は、各回を判定する。いくつかの実施形態において、異なる被検体の集団は各回を判定する。
いくつかの実施形態において、ここに提供されるのは、検査刺激に対するヒト被検体からの客観的応答を測定する方法であって、(a)ヒト被検体に検査刺激を与えること、(b)上記刺激の特性についての上記被検体の判定に従って、正の判定または負の判定(例えば、ここに記載されている上記訓練方法に基づいた客観的判定)を記録すること、(c)追加検査刺激を用いて、工程(a)および(b)を繰り返すこと、(d)正の判定を受けた検査刺激を、繰り返しの追加検査に進めること、を包含する方法である。いくつかの実施形態において、各刺激はまた、少なくとも第2特性に従って判定される。いくつかの実施形態において、上記追加検査は、同一の被検体、異なる被検体、または複数の異なる被検体によって行われる。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、自動ピペットシステム1、サンプル源プレート2、タッチスクリーン3、および報酬ホッパーまたは記録器4を備えた、本発明の模式的な装置の説明を示している:A:ピペットは、源プレート(例えば、96穴プレート)からサンプル(例えば、100〜300μl)を自動的に引き出す。B:上記自動ピペットは、(例えば、上記ワークステーションのフロントパネルにあるポートを通して)被検体に上記サンプルを与える。
図2は、種々のサンプルが、嗜好性、および100mMスクロースの味の基準(例えば、味質)への類似性に対して評価される、1つの仮説検査において、1つの被検体に対して記録される応答場所を示す、本発明の、模式的なタッチスクリーンの概略図を示している。どちらともはっきりしない(水によって表される)ものから非常に嗜好に合ったものまで、嗜好性において変動する、サンプルに対する応答は、上記スクリーンの上半分にあり、口に合わないサンプルに対する応答は、下半分にある。スクロールの味に類似していることを示す応答は、上記スクリーンの右半分に、スクロースとは異なることを示す応答は、上記スクリーンの左半分に表されている。例えば、甘草は、他の風味の中でも、甘味のある特性を有しているとみなされるかもしれないが、概して口に合わないとみなされている。
図3は、模式的訓練モジュール(模式的訓練モジュール1)からの、1つの被検体(被検体7)に対する結果を表すグラフを示している。被検体は、タッチセンサーモニターの上記フィールド(カーテシアングリッド)の中のポイントを有している商品を、場所への手がかりとして味覚刺激を用いて探すように指示を受けた。対象領域(ROIs)は、100mMのスクロース(甘味)、水(はっきりしない)、または1mMのキニーネ(苦味)、の味に結びつくようにプログラミングされた。同軸のROIs(色調違いの灰色)は、上記ROIsの中でなされる応答に対するポイント値の範囲を表している。上記ROIsの外側でなされた応答は、結果として灰色以外のスクリーンに生じ、一時中止され、かつ、ポイントは獲得されない。正のx軸は、甘味の味質を表しており、負のx軸は、苦みの味質を表している。正のy軸は、嗜好的な(食欲が増進される)味を表しており、負のy軸は、不快な味を表している。軸上の値は画素である。データポイントは、上記被検体の、スクロース、水、またはキニーネのサンプル抽出を受けた上記モニター上になされるタッチ応答の場所を示している。このセッションにおいて、25個のサンプルすべて(それぞれ、体積200μl)は、上記被検体に、不規則に与えられた。
図4は、上記被検体(被検体7)によって、模式的訓練モジュールにおいて獲得された累積ポイントを表すグラフを示している。試行ごとに累積される上記ポイントが、1、10、または100の区切りで示されている。ポイントは、セッションの最後には、償還として、1ポイント当たり1セントの率で、現金に換えられた。
図5は、模式的訓練モジュールにおける、試行の回数の関数としての、上記被検体(被検体7)の応答の正確さを表すグラフを示している。正確さは、(図3の100ポイントのROIsの中央の)上記x、y座標の理想的なターゲットに対する上記被検体の応答の、上記x、y座標からの距離を計測することによって決定された。距離は、ピタゴラス方程式を用いて計算され、上記グラフにおける各ポイントは、各試行における、画素における上記距離の値をあらわしている。
図6は、模式的訓練モジュール(模式的訓練モジュール2)からの、1つの被検体(被検体7)に対する結果を表すグラフを示している。訓練セッションの条件は、模式的訓練モジュール1に対する条件に類似していたが、100mMのNaCl(塩辛さ)および10mMのクエン酸(酸味)の2つの追加味覚刺激が、検査事項として追加されたことを除く―塩辛さの、または酸味刺激のサンプル抽出を受けた上記フィールド(例えば、上記x軸に沿ったいかなるyポイント)の左半分においてなされるいかなる応答には、すべての値(100ポイント)が与えられた。全96回の試行に対して、NaClは、16回の試行において与えられ、すべての他の味覚刺激は、20回の各試行において与えられた。すべてのサンプルは、200μlの量であった。示されているデータは、上記第1訓練モジュール2のセッションにおいて、被検体7から生じる平均的な結果である。各ポイントは、不規則に与えられる各刺激に対する平均的な応答を表している。(図3に表されているように)上記図中の灰色の枠囲いは、苦み、水っぽさ、甘味に対する一番高いポイント値のROIsを表している。
〔定義〕
本明細書で使用される用語“オペラント条件付け”は、被検体の習性を、その結果によって修正する訓練または学習を示す。応答は、最初は自発的であるが(例えば、対照サンプルを受け取った後、空白の応答グリッドをタッチする)、その後の結果(例えば、報酬または罰(例えば、報酬の欠如))が、その習性の再発を強化または抑制することによって、被検体に適切な応答の仕方を教える。オペラント条件付けに基づいた刺激への応答は、客観的応答であり、応答者の主観によるバイアスがかかっていない。
本明細書で使用される用語“味”は、口の中の物質が味蕾の受容体と化学的に反応するときに生じる味覚の知覚または味覚の感覚を示す。
本明細書で使用される用語“基本的な味”は、ヒトの味蕾が区別することができる5つの味を示す。5つの基本的な味は、一般的に、甘味、酸味、塩味、苦味および旨味として示される。
本明細書で使用される用語“風味”は、食品または他の摂取可能な物質(例えば、飲料、医薬品、サプリメント、栄養補助食品など)の感覚的印象を示し、味および香りの化学的感覚によって主に決定される。また、温度、質感および刺激性も、全体的な風味の知覚に寄与し得る。
本明細書で使用される用語“味質”は、馴染みのある味と同一であるか、または異なる味覚刺激の特性を示している。味質は、一般的に、1つの基本の味に関して測定される。また、より複雑な味に対する比喩(例えば、チョコレートの風味がする)も、味質の機能とみなされる。より運用的な観点では、味質は、対照味覚刺激からの識別プロセスの結果、または対照味覚刺激への一般化プロセスの結果である。
本明細書で使用される用語“嗜好性”は、物質が口腔内でどのように好感であるかを決定する味の性質を示す(例えば、あるものが、どのように良い味がするか、またはどのように悪い味がするか)。嗜好性は、食品の栄養価に密接に関連した感覚特性である。例えば、非常に嗜好性を有する食品および飲料は、多くの場合、高カロリーであり、結果として、過剰消費される傾向がある。しかし、ダイエット飲料に使用されるいくつかのノンカロリー甘味料も同様に、非常に嗜好性を有していると考えられている。嗜好性は、食品または飲料が消費されるであろう可能性として、運用上規定され得る。
本明細書で使用される用語“主観的な”は、被検体の個人的な意見、味覚、感覚、バイアス等に基づいている応答を示す。
本明細書で使用される用語“客観的な”は、観察可能な事実を表し、かつ被検体の個人的な意見、味覚、感覚、バイアス等に基づいていない応答を示す。
〔詳細な説明〕
刺激に対する被検体の客観的応答を記録する方法、ならびに、それとともに使用するための装置およびユーザインターフェース(UI)が本明細書で提供される。特に、使用者が刺激に対する客観的多変数応答を記録することを可能にするUI、そのようなUIを備えている装置、および、そのようなUIを使用する方法、ならびに、サンプルまたは製品の特性を評価する装置を、本発明は提供する。
いくつかの実施形態において、方法およびシステムは、刺激に基づいて、1人のヒト被検体または複数人の被検体からの客観的応答を取得するために提供される。いくつかの実施形態では、当該方法は、刺激の彼自身/彼女自身の主観的知覚を提示または記述する被検体に依存しない。むしろ、被検体は、対照刺激を用いて、応答に対応するセット(例えば、範囲)で、刺激のセット(例えば、範囲)に応答するように訓練される。例えば、被検体は、特定の特性に関する範囲に従って種々の値を反映する対照刺激を用いて訓練され、次に、被検体が検査刺激を与えられたとき、被検体は、その特性に関する範囲に従って、当該刺激を、正確、かつ客観的に定め得る(例えば、被検体が、特定の特性の同一性に気づかなかった場合でさえも)。いくつかの実施形態において、被検体は、彼/彼女が何の特性に応答しているかを意識的に気づかずに、客観的に応答を与えるように条件づけられている。そのような訓練の後、検査刺激が与えられた場合、被検体の応答は、主観によってバイアスがかかっていない、訓練に基づいた特性の客観的評価である。訓練された被検体の応答は、刺激の特性を識別および区別する被検体の能力(被検体の神経系システムの性質であり、被検体の判断の反映ではない)に基づいている。
ある実施形態において、味覚刺激(例えば、風味の刺激)に対する被検体の応答を記録する方法、ならびに、それとともに使用するための装置およびUIが、本明細書で提供される。特定の実施形態において、被検体が、受け付けた風味の刺激(例えば、種々の甘味、酸味、塩味、苦み、うま味など)に対する多変数応答(例えば、味質および嗜好性)を記録することを可能にするUI、そのようなUIを備えている装置、および、そのようなUIを使用する方法、ならびに、製品(例えば、摂取可能な製品(例えば、食品、飲料、香料、医薬品など))の風味/味/嗜好性を評価する装置が提供される。例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、味覚検査刺激(例えば、検査サンプルまたは検査化合物)の種々の特性(例えば、甘味、酸味、苦み、うま味、嗜好性、おいしさ、味わいなど)を判別するように被検体を訓練する(例えば、オペラント条件付けによって)装置および方法を提供する。特定の実施形態において、被検体は、味覚検査刺激/味覚検査サンプルの特性を見積もる(例えば、低いから高いまで)。特定の実施形態において、被検体は、サンプルの味および嗜好性を見積もる(例えば、低いから高いまで)。いくつかの実施形態において、被検体は、検査されている特性に気づかないが、彼の訓練/彼女の訓練(例えば、オペラント条件付け)と矛盾しない応答を与える。いくつかの実施形態において、被検体は、検査されている特性に気づいているが、彼の訓練/彼女の訓練(オペラント条件付け)と矛盾しない応答を与える。
しかし、本発明は、味覚検査サンプルの特性を測定および検査することに限定されない。実際に、任意のタイプの検査刺激特性が、本明細書に開示される装置および方法を利用して測定され得る。例えば、いくつかの実施形態において、検査サンプルの視覚特性、聴覚特性、触覚特性および/または嗅覚特性は、本明細書に開示される装置および方法を利用して測定される。
いくつかの実施形態において、サンプルは、一定分量(例えば、10ml未満、5ml未満、1ml未満、500μl未満、200μl未満、100〜200μl未満、100μl未満)が被検体に送達される。いくつかの実施形態において、サンプルは、自動ピペットシステムまたは自動ピペット部によって被検体に送達される(例えば、図1、部材1を参照)。そのように少ない量(例えば、短いサンプリング時間を伴った)は、脱感作の発生を減少させる。いくつかの実施形態において、検査されるサンプル量が減少したため(例えば、サンプリングのスピードまたはペースを向上させる)、被検体は、従来、可能であるよりも、より多くのサンプルを検査することができる。そのような実施形態では、ピペットは、一定分量(マイクロタイタープレート(例えば、96穴プレート、図1、部材2)から)を回収し(または、すでに含み)、被検体のためのサンプルを自動的に投与する(例えば、被検体の口に直接的に)。サンプルを受け取った後、被検体は、本発明のUIに、応答/反応/印象を記録する。いくつかの実施形態において、被検体の応答は、グリッドを有するタッチスクリーンに記録される(例えば、図1および2を参照、グリッドは、被検体に見えてもよいし、見えなくてもよい。)。いくつかの実施形態において、応答パターンは、2つの次元を有している。本発明の一実施形態では、味質(または、任意の他の第1特性)の測定は、x軸に沿った範囲における被検体のタッチの位置に基づいて記録される(例えば、左端に記録されるタッチによって表現される低味質(または、知覚された第1特性の低レベル)と、右端(例えば、味の標準に対する最も高い類似度を意味する)における高味質(または、知覚された第1特性の高レベル)と、を用いて)。同様に、嗜好性(または、任意の他の第2特性)は、y軸に沿った範囲における被検体のタッチの位置に基づいて記録される(例えば、最も高い嗜好性(または、知覚された第2の特性の高いレベル)を意味するスクリーン上端におけるタッチと、最も低い嗜好性(または、知覚された第2の特性の低レベル)を意味するスクリーン下端におけるタッチと、を用いて)。いくつかの実施形態では、サンプルごとに、たった1つのタッチ応答しかない(例えば、単一の試験を構成する)。従って、本発明の一実施形態によると、スクリーンの右側最上部の隅におけるタッチは、標準かつ最大の嗜好性に対する最も高い類似度を示し、一方で、スクリーンの左側最下部の隅におけるタッチは、最大の嫌悪であること、および標準の味とは異なることの両方である。いくつかの実施形態において、応答パターンは、種々の類似度および嗜好性を示す両方の軸または一方の軸に沿って変動する。
本明細書に記載されている方法および装置は、従来のサンプル検査を超える種々の効果を与える。例えば、単一の被検体による試験は、多くのサンプル(例えば、>10、>20、>30、>40、>50、>60、>70、>80、>90、>100、>110、>120、>130、>140、>150、>200以上)を検査するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、サンプリングの速度を上昇させること、および/またはサンプル量を減少させることにより、サンプル数を増加させること、および/または試験時間を減少させることが可能になる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法を用いて、単一の被検体が、より多くのサンプルを検査することができるため、検査のために必要とされる被検体は、より少数で済む。
いくつかの実施形態において、報酬システムは、被検体に対して、検査をより楽しくし、彼らが、適度に、より多くのサンプルを検査し続けること、および/または、より長い期間、検査し続けることを可能にする。いくつかの実施形態において、検査の“ゲーミフィケーション”は、例えば、報酬が応答の質によって差別化される加重報酬計画を介して達成される。具体的な応答を実行した場合の精度は、異なる値を表示するシンボルまたはアイコン(例えば、得点、業績バッジ、技術レベルの進歩を介した昇進、仮想通貨、または、金銭などの、異なった値の実際の有用品)によって与えられる。さらに、ある実施形態では、被検体は、自分で選択したユーザ名およびパスワードを有するアカウント、またはアバターを介して、検査に従事する。いくつかの実施形態では、訓練段階のあいだの応答に対する報酬と、検査段階(例えば、検査サンプルまたは対照サンプルに関する)のあいだの応答に対する報酬とは、応答の精度/正確さによって異なる。ある実施形態では、試験が進行するにつれて(例えば、検査段階のあいだに、対照サンプルに対する応答によってモニターされる)、許容可能な回答に対する必要条件を変化させるために、自動反応形成が用いられる。いくつかの実施形態において、被検体の成績(訓練段階または検査段階のあいだに、対照サンプルによってモニターされる)が低下または向上するにつれて、報酬は、規模または魅力が縮小または増大する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置および方法によって、自動化された検査、高スループットの検査、統計的に有意な検査、客観的な検査、データ駆動型検査、移動式検査のうちの1つ以上を提供する。例えば、本発明の装置および方法を用いて、被検体は、多数の異なるサンプル(例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100以上)、比較的短い期間(例えば、約1〜5分以下、5〜10分、10〜20分、20〜30分、30〜40分、30〜50分、30〜60分、または60〜90分)で、種々のサンプルを評価することができる。例えば、本発明の装置および方法を利用して、被検体は、約5分以下で20個の異なるサンプル、または30分から60分以下で100個のサンプルを評価し得る。
従って、本発明は、特定の分析(例えば、味覚分析)のために、1体、2体または少数の被検体だけを用いた比較的大きなデータセットの生成を可能にする。これは、従来、不可能である。例えば、ヒト被検体を用いた従来のスクリーニング(例えば、味覚検査)は、慣習的に、比較的大きな数の被検体(例えば、20〜30人)を必要とし、かつ、1つ、2つまたは少数の異なるサンプルだけを、検査で評価することが可能である。従って、いくつかの実施形態において、本発明の装置および方法は、サンプルのライブラリ(例えば、化学製品ライブラリまたは自然生産物ライブラリ(例えば、味覚活性(例えば、ヒト被検体による)))のスクリーニング(例えば、一次スクリーニング)のために利用される。これは、従来、利用不可能または達成不可能のままである。
本発明の装置および方法を利用して生成されるデータセットは、カーブフィッティング分析(curve-fitting analyses)を介して、予測モデル構築を(例えば、味覚機能の)可能にする。例えば、味覚刺激の濃度と、被検体において引き起こされた味覚との関係性を、数学的かつ厳密に規定するために、例えば、非線形回帰が使用され得る(例えば、本明細書に記載されている装置および方法を利用して、検査および記録される)。本明細書に開示されている装置および方法を用いて利用可能になった大きな化学的感覚データセットは、より大きなグループまたは市場における未来の業績(例えば、味覚に基づいた製品の)を予測するトレンド分析(例えば、線形回帰、非線形回帰、多変数回帰、単純回帰、ベイズ回帰、最小二乗回帰、または多項式回帰)のために利用されてもよい。これらの機能は、検査ごとに、1つ、2つまたは少数の異なるサンプルだけを評価する多数の被検体を必要とする従来の方法(例えば、味覚測定の)では、利用可能または達成可能ではない。データ収集の低スループットに起因して、これまで利用可能な従来の味覚検査は、統計的仮説テスト(例えば、ANOVA、カイ二乗検定、t検定、または、クラスカル−ウォリスANOVA、マン−ホイットニー検定、ウィルコクソン順位和検定もしくはコーエンのカッパ検定などの任意のノンパラメトリック検定)に依存する。さらなる実施形態において、本発明の装置および方法は、ある期間にわたる(例えば、数時間、数日、数週間、数か月または数年にわたる)個々の被検体の応答性(例えば、味覚応答性)の追跡および記録を可能にする。
ある実施形態において、本発明の方法および装置は、サンプル検査のために従来必要であった被検体の数を減少させる。いくつかの実施形態において、被検体の数は、従来の検査と同一であるが、データポイントの数が増加する。方法および装置は、検査を客観的なデータ駆動型の手段で解析することを可能にする。例えば、本発明の装置および方法は、多くの被検体(例えば、20〜60体)が比較的少数のデータポイント(例えば、40〜120個)を生成する代わりに、少数の被検体(例えば、1〜10体、2〜8体、3〜4体など)が多くのデータポイント(例えば、100〜1000個)を生成することを可能にする。従って、本発明は、回帰分析(例えば、線形回帰、非線形回帰、多変数回帰、単純回帰、最小二乗回帰または多項式回帰による、例えば、予測モデリング、ベイズ統計など)に対応できるデータの大きなセット(例えば、大きなデータセット(例えば、データが被検体の比較的小さなセットから生成されていることに起因して、セット間で一貫性を有する))を利用可能にする。
対照試験に関して、被検体は、“正しい”応答(例えば、期待されている応答の特定の範囲内にある正しい応答)に対する報酬(例えば、金銭または有形財)を受け取る。甘味の区別における“正しい”応答は、例えば、300mMのスクロースの試験後では、スクリーンの最上部に近い右端側(例えば、高味質および高嗜好性)にあるであろう一方、キニーネに対する正しい応答は、下部の左側の隅にある(例えば、低味質および低嗜好性)。いくつかの実施形態において、報酬は、被検体によって視覚的に容易に見つけられる自動ホッパーによって自動的に分配される(例えば、図1、部材4を参照)。あるいは、いくつかの実施形態において、ポイント得点(または他のシンボル、もしくは換算値の手段)などの表示システムは、“正しい”回答に対する報酬を与える。ある実施形態において、被検体は、高いポイント得点が検査セッションの終了時に報酬に換算されることを理解している。いくつかの実施形態では、使用者は、成功を追跡することができる(例えば、視覚的に)。
ヒト被検体が、UI(例えば、タッチスクリーン)をタッチすることにより、味覚刺激に対する彼らの応答(例えば、多変数応答)を記録する試験を実行することを、本発明は可能にする。いくつかの実施形態において、被検体は、スクリーン上の任意の位置をタッチするように伝えられており、報酬に関する偶発性、最大試行数、または試験の詳細もしくはセッションの継続時間については知らされていない。他の実施形態では、被検体は、報酬に関する偶発性、最大試行数、または試験の詳細もしくはセッションの継続時間などのうちの1つ以上について教えられている。いくつかの実施形態において、訓練セッションの全部または一部は、オペラント条件付けによって実行される。いくつかの実施形態では、訓練セッションの全部または一部は、継続的な接近により進行する。例えば、被検体は、標準の陽性対照(standard positive controls)に対する応答(例えば、スクロース、水、および/またはキニーネ、クエン酸、NaCl、グルタミン酸、カプサイシン、マスタード油、オレオカンタール、メントール)をUIの正しい四分区間に行うことによって、最初に報酬を与えられ、次に、当該四分区間の正しい部分だけに行うことによって、次に、これらの各四分区間における各対照のための特定のスポット内だけに行うことによって、報酬を与えられる。一度、対照に対する応答パターンが、確固とした基準(例えば、好適な正確さおよび/または精度)を満たした場合、次に、追加味覚対照、および/または追加検査サンプルが、試験に組み込まれる。いくつかの実施形態では、追加対照は(例えば、スクロース、水、および/またはキニーネ、クエン酸、NaCl、グルタミン酸、カプサイシン、マスタード油、オレオカンタール、メントール)、既知または対照のサンプルに対して正確に応答する被検体の能力を磨くために、報酬とともに利用される。本発明は、特定の対照に対する応答が使用者間で再現性および一貫性があるようにx軸およびy軸に沿って分布するUIを提供する(例えば、スクロースが標準の特色のある手がかりとして使用される場合、水、キニーネおよびNaClへの応答は、y軸の左端に沿って分布し、スクロースへの応答は、タッチスクリーンの上部右側の隅に生じる(例えば、図2を参照))。
いくつかの実施形態において、訓練セッションのあいだでは、“正しい”応答だけに報酬が与えられる一方で、検査セッションのあいだでは、検査サンプルを用いた試験のあいだに行われたどのような応答でも報酬が与えられるように、本発明の装置および方法は構成されている。いくつかの実施形態において、この方法の目的は、検査オペレータからの口頭の指示無しで応答するための規則を確立することである。これらの条件下では、被検体は、報酬の偶発性を命令し得る1つの規則または複数の規則についての、見込みに基づく理解だけを得る。そのような条件下では、被検体は、彼ら自身が規則を推測していることに気づいてもよいが、規則を確実に知ることは決してない。いくつかの実施形態では、応答の継続する正確さおよび/または精度(例えば、操作条件付けの維持)を確実なものにするために、追加対照サンプルが、検査段階のあいだに投与される(例えば、定期的に、ランダムに、等)。いくつかの実施形態において、検査段階の対照サンプルのための報酬は、“正しい”応答に対してのみ与えられる。いくつかの実施形態では、1つ以上の(例えば、継続的な)検査段階の対照サンプルについて正しい応答を与えるための失敗は、検査の停止、検査段階への回帰、または試験の停滞のうちの1つ以上を結果として生じる。他の実施形態において、対照について正しい応答を行うための失敗は、その試験における報酬無しという結果を生じる。また、さらなる実施形態において、対照に関して正しい応答を行うための失敗は、ポイント(または、他のシンボル、もしくは換算値の手段)を被検体から取り上げるという結果を生じる(例えば、集めた全ての値または全得点を被検体から)。
本発明の実施形態は、広範囲の検査状況(例えば、市場調査、製品開発など)における使用を提供するが、風味の刺激に対する被検体の反応(例えば、味質および嗜好性)についての高スループット検査に関する特定の実施形態が、上記に記載されており、かつ、本明細書全体にわたって、より詳細に強調されている。これらの実施形態は、具体例として見なされるべきであり、本明細書で強調されている特性は、検査のより広範なカテゴリー(例えば、検査刺激/検査サンプルの視覚特性、聴覚特性、触覚特性および/または嗅覚特性)に適用されると理解されるべきである。
いくつかの実施形態において、被検体は、例えば、サンプルの2つ以上の特性を区別するように訓練される。サンプルは、被検体に反応(例えば、味覚、視覚、聴覚、触覚、嗅覚)を体験させるのに適した条件下で被検体に送達される。いくつかの実施形態において、サンプル送達部(例えば、ピペット、ビデオスクリーン(例えば、視覚刺激を描写する)、ホッパー(例えば、物質的な対象を含む)、スピーカーなど)は、サンプルを送達する。いくつかの実施形態において、いったん、サンプルが被検体に導入されたら、被検体は、ユーザインターフェース(例えば、GUI)上に、サンプルに対する応答を入力する。いくつかの実施形態において、UIは、タッチ応答スクリーン上に表示される。ある実施形態において、UIは、多次元のグリッドを備えている(例えば、図1および2、部材3を参照)。ある実施形態において、第1特性の測定は、スクリーンのx軸に沿った範囲(例えば、左端における第1特性の低度、および、右端における第1特性の高度)にタッチすることにより記録され、また、第2特性の測定は、スクリーンのy軸に沿った範囲(例えば、左端における第2特性の低度、および、右端における第2特性の高度)にタッチすることにより記録される。そのような実施形態において、グリッド上のシングルタッチは、サンプルの第1特性および第2特性の度合いに対する使用者の応答を示す。いくつかの実施形態において、サンプル(単一の試験を構成する)ごとに、UIに1回だけタッチする。この実施形態において、スクリーンの最上部右隅におけるタッチは、両方の特性の最も高い度合いを示す。最下部左隅におけるタッチは、特性の最も低い度合いを示す。応答パターンは、特性の種々の度合いを示す軸の何れか一方または両軸に沿って変動し得る。本発明は、UIについての上記の規定に限定されない。x軸および/またはy軸に沿った範囲は、所望の特性に適しているように画定され得る。
いくつかの実施形態において、被検体は、応答を記録する方法の訓練を受ける。いくつかの実施形態では、既知の刺激および/または対照刺激が、与えられ、それに対する、被検体の記録された応答は、応答フィールドを校正するために使用される。他の実施形態において、被検体は、対照刺激が与えられ、次に、UI上に、対応する応答を行うように指示される。いくつかの実施形態において、被検体の検査反応が訓練と矛盾がないかどうかを確認するために、使用者は、対照刺激を用いて検査される。いくつかの実施形態では、被検体は、一貫性のある回答に対して報酬が与えられる。いくつかの実施形態では、被検体は、オペラント条件付けによって訓練される。例えば、被検体は、サンプルを受け付け、次に、サンプルに対して、ランダムな反応でUI上に応答する。それが“正しい”回答である場合、被検体は、“報酬”を受け取る。この訓練は継続し、被検体は、報酬を受け取るために、対照刺激に対する応答の仕方を学習する。いくつかの実施形態において、対照試験に関して、被検体は、“正しい”回答に対して報酬(例えば、金銭または他の有形財(例えば、1ドル銀貨))を受け取る。対照サンプルAに関する特性XおよびYを判断する上で、正しい応答は、例えば、スクリーンの最上部付近の右端にあってもよく(例えば、特性XおよびYの両方で高い)、一方で、対照サンプルBについての正しい応答は、下部の左隅にある(例えば、特性XおよびYの両方で低い)。いくつかの実施形態において、いったん、被検体が、上記のAおよびBのような極端な検査対照に正確に応答したら、より多様、かつ、より適度な対照が検査される。例えば、特性Xでは低いが、特性Yでは適度な対照サンプルは、左端であるが鉛直方向では中間の部分にタッチすることによって正確に記録される。いくつかの実施形態では、被検体は、種々の対照サンプルに対して、正確かつ的確な回答を一貫して記録することができるまで訓練される(例えば、対照サンプルの予め画定されたパネル(例えば、高いXおよび高いY、高いXおよび低いY、低いXおよび低いY、低いXおよび高いY、適度なXおよび適度なY、適度なXおよび高いY、適度なXおよび低いY、低いXおよび適度なY、高いXおよび適度なY、ならびに、その間にある中間のサンプル))。いくつかの実施形態において、正確かつ的確な応答は、正しい位置からの、軸上の距離の約50%(例えば、<50%、<40%、<30%、<20%、<15%、<10%、<5%、<2%、<1%など)内の応答である。一度、被検体が、対照刺激に正確かつ的確に応答する一貫した能力を示したら、訓練段階は終了し、検査段階が開始される。いくつかの実施形態において、被検体は、この移行に気づかない。
いくつかの実施形態において、被検体を訓練することよりも、装置、ユーザインターフェース、ソフトウェアまたはプロセッサが、対照標準への被検体の応答に対するパターンを理解するように訓練される。被検体は、一連の対照サンプルに対する応答を記録する。次に、システムは、その応答に従って校正される。いくつかの実施形態では、次に、被検体は、被検体によって校正されたスケールに従って、正確かつ的確な応答に対して報酬が与えられてもよい。ある実施形態では、上記の訓練方法の組み合わせが利用される。これらの訓練方法に対する変更は、本発明の範囲内であると理解される。
いくつかの実施形態において、一度、被検体が種々の対照サンプルに対する応答(例えば、予め画定されたパネル)を正確かつ的確に記録するように訓練されたら、訓練は終了し、サンプル検査が開始する。被検体は、この移行を知らされてもよいし、知らされなくてもよい。いくつかの実施形態では、検査サンプルに関する全ての応答に、報酬が与えられる。被検体が検査特性を区別するように適切に訓練されている場合、被検体の記録された回答は、検査サンプルに関するそれらの特性の客観的基準を与える。検査しているあいだに、被検体は、検査サンプルを与えられ、被検体は、訓練のあいだに学習した規則に従って、十分に、反応/印象をUI上に記録する。いくつかの実施形態では、使用者は、訓練が終了したことに気づかないか、または、これまで“訓練”を受けていたことに気づかない。いくつかの実施形態では、対照サンプルは、検査対照としての対照サンプルと同様に、検査段階のあいだに投与される(例えば、定期的に、ランダムに、など)。ある実施形態では、検査対照である対照サンプルへの“正しい”応答を与えるための失敗は、検査停止、訓練への回帰、および/または試験の停滞を結果として生じる。他の実施形態では、対照に対して正しい応答を行うための失敗は、その試験において報酬を結果として生じない。また、さらなる実施形態において、対照に対する正しい応答を行うための失敗は、被検体からポイント(または、他のシンボル、もしくは換算値の手段)が取り上げられるという結果を生じる(例えば、集めた全ての値または全得点を被検体から)。いくつかの実施形態では、被検体は、対照サンプルに不正確に応答していることに気づかない。
特性(例えば、味覚)検査は、本明細書に記載されている方法の範囲内で種々の計画によって進めてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、被検体は、種々の(数十の)味覚サンプルが評価される検査セッションに従事する。サンプルを味わった後、被検体は、味質に関して、応答を記録部(例えば、タッチスクリーン)に入力する。その後、被検体は、第2の応答を登録する。当該第2の応答は、味わったサンプルを、現在の検査が完了した後に追加検査に進めることを被検体が望んでいることを示す。例えば、応答は、次の検査の“ボーナス”回におけるサンプルの含有物に関して、“はい”または“いいえ”の何れかを示す。例として、1mMのキニーネのあとに、“いいえ”の応答が与えられると、1mMのキニーネは、次の回では与えられない。300mMのスクロースの後に、“はい”の応答が与えられると、300mMのスクロースは、次の回で与えられる。特に嗜好性を有していないが、特に嫌悪を催すものでもないサンプルは、いくつかの試験で“はい”という結果になり、他の検査では“いいえ”という結果になり得る(同一の物品が検査セッション中に1回以上検査されることを想定した場合)。従って、被検体(または集団)は、味覚刺激の嗜好性を反映する副次的な“プレート”を作成する。最も高い嗜好性を有するサンプルは、最も高い頻度でプレートに出現し、嗜好性が減少するとともに、サンプルの出現頻度は減っていく。いくつかの実施形態では、単一の検査セッション内で一回または数回試された検査物品に対する応答は、被検体にわたって平均をとられるか、または被検体にわたって合計され、“ボーナス”プレートを形成する。いくつかの実施形態では、サンプルが複数回にわたって与えられる種々の“ボーナス”回が実施され、嗜好性に従って、サンプルをさらに分類する。最も嗜好性を有するそれらのサンプルは、最大限に与えられ(例えば、続く回で含められ続ける)、一方で、より嗜好性を有していないサンプルは、続く“ボーナス”回に被検体が移行するともになくなっていく。例えば、300mMのスクロースは、最大10回までの“ボーナス”回に進み、一方で、30mMのスクロースは、5回目までしか進まず、6回目以降のプレートでは現れない。
一実施形態において、本発明のシステムおよび方法は、ある特性(例えば、味質、嗜好性、または本明細書で特定される他の味覚特性)を有するサンプルを(例えば、サンプルセット(例えば、数十、数百、数千、数万以上)の中で)特定するために利用される。例えば、限定されない一実施形態では、そのように特定されたサンプル(例えば、所望の特性を有している)は、高い味質および/または高い嗜好性のものとして(例えば、本発明のシステムおよび/または方法の使用者によって)客観的に評価および/または登録されているが、対照サンプルと比較して砂糖の量が減少しているサンプルである。限定されない別の実施形態では、そのように特定されたサンプル(例えば、所望の特性を有している)は、高い味質および/または高い嗜好性のものとして(例えば、本発明のシステムおよび/または方法の使用者によって)客観的に評価および/または登録されているが、対照サンプルと比較して脂肪の量が減少しているサンプルである。
いくつかの実施形態では、特性(例えば、嗜好性)を評価するための追加の方法として、被検体は、続く“ボーナス”回に含まれる予定のサンプルのために“支払う”(検査中に蓄積するポイントを用いて)。最も嗜好性を有するものは、“ボーナス”回に含めるために、被検体から最も高いコストを取り立てることが期待され、嗜好性が減少し、値段も減少するとともに、被検体は、支払うことをいとわなくなる。“ボーナスプレート”を作成することに伴う、被検体へのコストは、ゲームに関する全ポイントの収益で与えられるインセンティブと好ましく釣り合うようにプログラムされる(例えば、新しいプレートを作成するコストは、追加検査を継続するための収益インセンティブより少ない。)。嫌悪を催す味覚刺激は、続く“ボーナス”回から消え去る傾向があるため、いくつかの実施形態では、ファイルに保存されるタッチスクリーンの目的の領域に味覚刺激を関連させる規則は、追加の回のために調整される。いくつかの実施形態では、当該規則は、各回を変化させ、種々の回は、高い嗜好性を有する味覚刺激(従って、味覚を差し示す目的領域を確立するために用いられる味覚刺激のより限定された選抜)だけを含む “ボーナスプレート”を作成する。いくつかの実施形態では、各回のための規則は、ゲーム成績への被検者の注意を維持し、かつ、検査刺激の意識的で主観的な評価から注意をそらし続けるように変化する。味覚の客観的な測定は、課題における被検体の成績の正確さおよび速度にわたって、刺激対照の事項を維持する。
他の実施形態では、被検体の成績、ふるまいまたは行動から客観的に得られたサンプルまたは刺激についての、被検体の定量的なランキングが、続く回にサンプルを進める上で利用される。さらに他の実施形態では、たった1回の検査だけが利用される。
いくつかの実施形態において、UIは、刺激に対する被検体(例えば、ヒト被検体)の反応、応答、解釈などを記録するために与えられる。いくつかの実施形態では、UIは、被検体が単一の行動(例えば、声、UIとの接触など)により彼らの反応、応答、解釈などを記録することを可能にする。いくつかの実施形態では、実際の応答に加えて、応答するために必要とされた時間も記録される。特定の実施形態では、UIは、ユーザがサンプルに対する反応、応答、解釈などを示すために接触するフィールド(例えば、グリッド、軸など)を備えている。いくつかの実施形態では、被検体によるUIへの単一の接触だけが、記録のために必要とされる。ある実施形態では、多変数(例えば、2、3、4、5、6、7、8以上)の応答が、UIへのシングルタッチによって記録される。他の実施形態では、種々のタッチが、多変数(例えば、2、3、4、5、6、7、8以上)の応答を記録するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、被検体による応答フィールドへのシングルタッチは、3つの変数の応答を記録する。そのような実施形態では、応答フィールドは、第1変数を表示するx軸と、第2変数を表示するy軸と、第3変数を表示するz軸とを含む。特定の実施形態では、被検体による応答フィールドへのシングルタッチは、2つの変数の応答を記録する。そのような実施形態では、応答フィールドは、第1変数を表示するx軸と、第2変数を表示するy軸とを含む。x軸およびy軸に対する、被検体が当該フィールドと接触した位置は、それら2つの変数(例えば、高いxおよび低いy、高いxおよび高いy、適度なxおよび高いy、低いx、適度なy)についての被検体の格付けを示す。いくつかの実施形態では、2つ以上の変数は関連している(例えば、刺激(例えば、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)の同一のカテゴリー、一方の変数は、他方の変数に依存する(または、他方に依存していると検査者によって予想される)など)。いくつかの実施形態では、2つ以上の変数は直接関連している(例えば、刺激(例えば、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)の異なるカテゴリー、変数は、互いに独立である(または、互いに独立していると検査者によって評価される))。いくつかの実施形態では、使用者は、連続的な種々の刺激に対する反応を、UI上に記録する。ある実施形態では、被検体によるUIへの各タッチは、連続的な刺激に対する反応/印象を記録する。
いくつかの実施形態において、本発明は、訓練/検査を行う装置またはシステムの1つ以上の部材と被検体と相互に影響し合うことを可能にする1つ以上のユーザインターフェースを提供する。主要なUIは、被検体が応答を記録するフィールドを備えている。本発明は、UIを表示するための技術、またはUIの形態によって限定されない。いくつかの実施形態では、UIは、記録モード中に被検体による接触の位置を検出する電子タッチスクリーンである。他の実施形態では、電子タッチUIに、マウス、スタイラス、キーボードなどによって接触してもよい。いくつかの実施形態では、UIは、電子UIではないが、被検体による接触(例えば、カーボン紙、紙の上の印など)の物理的接触を記録する。いくつかの実施形態では、UIは、グラフィカルユーザインターフェースである。いくつかの実施形態では、UIは、被検体の応答/印象が記録されるフィールドを備えている。ある実施形態では、フィールドは、2つの変数に対する反応をシングルタッチで記録することを可能にする(例えば、2つの軸フィールド)。ある実施形態では、フィールドは、3つの変数に対する反応をシングルタッチで記録することを可能にする(例えば、3つの軸フィールド)。いくつかの実施形態では、フィールドは、グリッド(例えば、被検体に見えないか、または見える)を備えている。いくつかの実施形態では、多次元のグリッド(例えば、2、3、4、5次元以上のグリッド)上における、被検体による接触の位置は、サンプルに対するユーザの反応と相互に関係している。いくつかの実施形態では、フィールドは、グリッドを備え、グリッド内の各四角形は、サンプルに対する種々の多変数応答と相互に関係している。いくつかの実施形態では、グリッドの各軸は、個々の区分を含んでもよい。例えば、グリッドのx軸およびy軸は、独立に、例えば、2区分、3区分、4区分、5区分、6区分、7区分、8区分、9区分、10区分、15区分、20区分、25区分、30区分、40区分、50区分、60区分、70区分、80区分、90区分、100区分、200区分、500区分、1000区分以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、グリッドは、2×2、2×3、3×3、4×4、4×6、5×5、6×8、8×10、10×10、10×15、15×15、20×20、50×50、100×100、100×200、500×1000、1000×1000、または、そのうちの任意のサイズである。いくつかの実施形態では、グリッドまたはUIは、第1の次元、および第2の次元(例えば、高さ、および広さ)を有し、高さ、および広さは、独立に、4cm、6cm、8cm、10cm、15cm、20cm、25cm、30cm、35cm、40cm、45cm、50cm以上から選択される。
いくつかの実施形態では、被検体は、第1UIと相互に影響し合い、研究者または管理者は、第2インターフェースから、検査をモニターする/管理する。いくつかの実施形態では、研究者/管理者は、単一の管理UIから、種々の装置(例えば、被検体ごとに1つの)を用いて、種々の被検体(例えば、2、4、8、12、20体以上の)の検査をモニターする/管理する。
いくつかの実施形態では、被検体の反応は、スクリーンに対する被検体の最初の接触に基づいて記録される。他の実施形態では、被検体は、“マウスを下げる”接触(例えば、UI上の指、マウスのボタンを押す、など)を維持している間、これらの応答を調節することが可能である。そのような実施形態では、応答は、使用者が接触をやめた位置、または使用者が“マウスを上げる”位置で記録される。いくつかの実施形態では、被検体は、最後の応答が記録されたときを示す(例えば、別の行為を用いて、UI上の位置をタッチすることで、ボタンを用いて、など)。ある実施形態では、被検体は、彼らが応答を変更したいときに示してもよい(例えば、別の行為を用いて、UI上の位置をタッチすることで、ボタンを用いて、など)。
いくつかの実施形態では、応答UIが、1つ以上の追加のUIと共に提供される。実施形態で用途が見出される他のUIは、オン/オフのスイッチ、停止ボタン、次のサンプルを表示するもの、サンプルディスプレイ部、サンプル管理部などを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、装置および/またはシステムは、本明細書に記載されている刺激訓練/刺激検査を管理するために提供される。装置は、特に、本明細書に記載されている刺激訓練/刺激検査を実行するために構成されるか、または、訓練/検査を実施するために(例えば、UIを与えることにより、刺激を表示/生成することにより、被検体反応を記録することにより、など)利用される(例えば、適切なソフトウェアまたはアプリケーションを用いて)より一般的な装置(例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、装置またはシステムは、UIを備えている。UIは、電子フィールド(例えば、スクリーン(例えば、タッチスクリーン、ビデオスクリーン(マウスまたは他の部材を介して影響し合う))など)またはアナログ方式のフィールドであってもよい。ある実施形態では、装置は、記録フィールドを表示し、装置と被検体との相互の影響を記録する。いくつかの実施形態では、装置またはシステムは、刺激またはサンプルなどの、把持/含有/保存/等をするための部材(例えば、マイクロタイタープレート(例えば、96穴プレート、384穴プレート、カスタムプレートなど)、コンピュータメモリ(例えば、フラッシュメモリ、CD/DVD、ハードドライブなど))を備えている。いくつかの実施形態では、装置またはシステムは、サンプルおよび/または刺激の提供/施行/表示/等をするための部材(例えば、モニター、スクリーン、ホッパー、ピペットシステム(例えば、自動化された)など)を備えている。
いくつかの実施形態において、装置は、タッチスクリーンに連結されたマイクロタイターオペラント味覚計を備えている。そのような実施形態では、被検体(例えば、ヒト被検体)は、オペラント条件付けによって味の識別を訓練され、次に、1つ以上の基準(例えば、味質および嗜好性)に従って評価するために、一連のサンプルが与えられる。マイクロピペットは、サンプルを被検体に与え(例えば、サンプルを分配する(例えば、被検体の口に直接))、次に、被検体は、タッチスクリーン上の2D(x/y)フィールドに接触することにより、サンプルに応答する。当該方法は、サンプルに関する特性と同時に、サンプル(例えば、味質および嗜好性)の1つ以上(例えば2つ)の特性を捉える。次に、マイクロピペットは、洗浄または廃棄され、検査プロセスは繰り返される。本明細書で検討されているように、2D応答フィールドは、タッチスクリーンを必要としない。被検体による接触を登録することができ、かつ2D(x/y)グリッドに対する当該接触の位置を識別することができる任意の部材が好適である(例えば、カーボン紙、電子ピングリッド、紙の上のペンなど)。
いくつかの実施形態において、被検体の応答の後で、ピペットチップは、排出され、新しいピペットチップに交換される。あるいは、同一のチップは、保持されるが、自動的に水ですすがれる。次に、ピペットシステムは、ソースプレートに戻り、次のサンプルを回収する。また、水の洗口液は、各試験のあいだに、被検体に自動的に送達されてもよい。被検体は、全てのサンプルが評価されるまで、この作業を実行する(例えば、96穴プレートが、味物質サンプルの出所である場合には、セッションは、96回の試験から構成される)。
いくつかの実施形態では、ソフトウェアが、本発明の実施形態における1つ以上の工程を実施するために提供される。いくつかの実施形態では、一般的なデバイス(例えば、タッチスクリーン装置(例えば、携帯電話、タブレットなど))上で、本発明を実施するためのUIを生成するソフトウェアが提供される。そのような実施形態では、ソフトウェアは、装置のスクリーン上に、UIタッチフィールドを生成する。被検体は、刺激に対する反応を示し、フィールドの一部をマーキングする(例えば、スクリーンをタッチする、フィールド内の位置でマウスをクリックするなど)。いくつかの実施形態では、一般的な装置(例えば、被検体が所有している装置(例えば、スマートフォン、タブレットなど))を、本発明の実施形態を実施するための装置に変換するソフトウェアが提供される。他の実施形態では、特に、本明細書に記載されている検査方法を実行するために構成されている装置が提供される。そのような装置は、種々の方法の工程(例えば、刺激を施行すること/与えること、UIフィールドを表示すること、反応を記録すること、データを関連付けること/解析することなど)を命令/促進するソフトウェア部を備えている。
いくつかの実施形態において、訓練および検査は、検査施設で実施され、および/または、検査モニター/検査管理者によって、モニター/管理される。他の実施形態では、訓練および検査は、モニタリング/管理無しで、被検体によって実行される。いくつかの実施形態では、特に、訓練/検査を実行するように設計された装置が、被検体に提供され(適切なサンプルと共に)、当該装置は、サンプルを投与し、かつ、適切に応答を記録する(例えば、被検体を適切に訓練するように、対照サンプルを投与する、一度でも、被検体が十分に正しい応答を与えた場合、訓練から検査に変更する)。いくつかの実施形態では、訓練は、被検体を検査に準備するように導くアルゴリズムに従って管理される。いくつかの実施形態では、被検体は、検査/訓練を実施するために、彼/彼女の個人的な装置(例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット、手持ちサイズの装置など)を使用することができる。そのような実施形態では、被検体は、サンプルを与えられる(例えば、実際の物質的なサンプル、デジタルバージョンなど)。いくつかの実施形態では、ソフトウェア、プログラム、アプリケーションなどは、被検体の装置にインストールされ、訓練/検査を実行する。いくつかの実施形態では、装置は、被検体にサンプルの順序を教示するか、または、適切な順序で、被検体にサンプルを与える。いくつかの実施形態では、被検体は、彼らが所有している装置に応答を記録する。
いくつかの実施形態において、被検体の情報(例えば、経歴情報、年齢、性別、薬物治療、既知の食物アレルギーなど)が記録され、訓練/検査の結果と関係付けられる。いくつかの実施形態では、被検体情報は、被検体によって入力される(例えば、UIに)。他の実施形態では、管理者が、情報を入力する。被検体に、ID番号またはユーザネームが(例えば、自動的に)発行されてもよい(例えば、匿名性を可能にするために)。いくつかの実施形態では、IDおよび/またはユーザネームは、データセットおよび/または検査結果と関連付けられる。
いくつかの実施形態において、被検体のデータセットは、試験(例えば、単一の被検体によって検査される種々のサンプル)の結果から生成される。いくつかの実施形態では、サンプルデータセットは、複数の被検体からの、単一のサンプルにおける結果から生成される。データセットは、応答に関するマップ座標、応答時間、標準化された応答(例えば、ある被検体に関する応答にわたって標準化された)、試験番号、被検体IDなどを含んでもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているシステム、装置および/または方法を使用して実行される検査(例えば、知覚検査、テスト検査など)、分析の結果は報告される(例えば、被検体に、検査管理者に、調査員に、主要研究員などに)。被検体から得られたデータ(例えば、操作されていないデータ)は、検査の成果/結果として報告されてもよい。他の実施形態では、単一の被検体から得られたデータは、分析され、解釈された結果を与え、その後、それは報告される。複数の被検体(例えば、同一の検査、または同一の検査の、無作為に抽出されたバージョン)からのデータは、相互に関連付けられ、次に、分析および/または報告される。データおよび/または結果は、データ(例えば、1体以上の被検体の検査からの)および/または情報(例えば、検査サンプル、期待される結果、所望の結果など)を受け取り、データおよび/または情報を変換することによって生成され、成果または結果(例えば、データベースとの比較によって、定性的な評価によって、定量的な評価によって、など)を与えてもよい。検査結果の相関関係/分析から得られる結果は、取る行動(例えば、異なる検査サンプル(例えば、検査される1つ以上のサンプルを変える)、特定サンプルの検査の規模を大きくする、特定のサンプルを商品化する、など)の決定因となってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法による検査からの結果は、独立に、さらなる検査(例えば、より大きい規模の検査、他の検査計画など)によって確認される。
いくつかの実施形態において、検査(例えば、種々のサンプルにわたる、特定の被検体に関する検査、種々の被検体にわたる、単一のサンプルに関する検査、特定の試験に関する検査、種々の被検体およびサンプルに関する検査など)の結果は報告される(例えば、被検体に、検査管理者に、調査員に、主要研究員に、マーケティングチームに、マネージメントチームに、R&Bチームに、など)。いくつかの実施形態では、結果は、周辺装置、装置、または器具の部材に与えられる。例えば、時々、結果は、プリンタまたはディスプレイによって与えられる。いくつかの実施形態では、結果は、レポートの形態で報告される。レポートは、結果の定量的解釈および定性的解釈のうちの1つまたは両方を反映してもよい。通常、結果は、ダウンストリームの使用/報告された情報の解釈、に適したフォーマットで表示される。データ、結果を報告および/または表示するための使用に適したフォーマットの非限定的な例は、テキスト、アウトライン、デジタルデータ、1つのグラフ、複数のグラフ、画像、絵文字、チャート、棒グラフ、円グラフ、ダイヤグラム、フローチャート、散布図、マップ、ヒストグラム、密度チャート、関数グラフ、回路図、ブロック図、バブルマップ、信号空間ダイヤグラム、等高線ダイヤグラム、カルトグラム、スパイダーチャート、ベン図など、および、これらの組み合わせを含む。
本明細書に記載されている検査からの結果を生成および報告することは、被検体(例えば、ヒト被検体)の知覚(例えば、知覚刺激)から、検査サンプルの下流の評価のために使用され得る定量的データ(または、その表示)への変換を含む。そのようなデータまたは表示は、本明細書に記載されている方法の工程無しでは、個々の被検体(または、集団)の解釈から決定することはできない情報を反映する。このように、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法およびシステムは、特に、上述の特性がヒトによる検出を必要とする場合、サンプルの特性を効率的および客観的に評価する(例えば、再現性、または統計的に有意な正確さ/精度を伴って)という課題を扱う。
いくつかの実施形態では、検査管理者、調査員、主要研究員、または任意の下流の個人は、本明細書で提供される分析から決定される1つ以上のデータまたは結果を含む報告を受け付けるか、または検討した後に、応答において、特定の工程を行うか、または行動を取る。例えば、追加サンプルの検査が保証されてもよい。追加サンプルの生産が命令されてもよい。より大規模な検査、または1つ以上のサンプルのための代替的な手段による検査が、要請および/または実行されてもよい。1つ以上のサンプルの商業的な生産が開始されてもよい。
本明細書で使用される用語“報告を受け付ける”は、検査からの結果またはデータを含む通信手段、書面および/または図表の表示によって取得することを示す。報告は、コンピュータによって、またはヒトによるデータの入力によって、生成されてもよく、電子工学的な手段(例えば、インターネット上の、コンピュータを介した、ファックスを介した、同一の物理的サイトまたは異なる物理的サイトにおいて一方のネットワークロケーションから他方のロケーションへの)を用いて、または、データを送付するか、もしくは受け付ける別の方法(例えば、メール便、宅急便など)によって、伝達され得る。いくつかの実施形態では、結果は、口頭、文章またはファイル形式を非限定的に含む好適な媒体で送信される。データ、解析および/または報告は、許可されていない視聴を防ぐために暗号化されてもよい。いくつかの実施形態では、データ解析および/またはデータ報告は、第三者によって取得可能/視聴可能である。
上述のように、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているシステムおよび方法は、一方の形態から他方の形態(例えば、被検体評価、集団評価、種々のサンプルにわたる成分の効果、成分(例えば、添加物または成分(例えば、天然または人工の代替成分など)における変化による効果など)に、データを変換する。いくつかの実施形態では、用語“変換された”“変換”およびその文法的な派生語または同義語は、例えば、最初の評価または評価のセットから、インプットに関する集団の応答または決定への、データの変更(例えば、集団にわたる、サンプルの特性についての記述)を示す。いくつかの実施形態では、変換は、ある問題を解決するために、1体の被検体または複数の被検体からの種々の評価を含むデータを、サンプルの特性に転換することを含む。
本明細書に記載されているあるプロセスおよび方法(例えば、データ収集、結果分析、通信、分類、データベース管理など)は、コンピュータ、プロセッサ、ソフトウェア、モジュールおよび/または他のデバイスによって実行される(または、コンピュータ、プロセッサ、ソフトウェア、モジュールおよび/または他のデバイス無しで実行されることは不可能である)。本明細書に記載されている方法は、一般的に、コンピュータによって実行される方法であり、方法の1つ以上の部分は、時々、1つ以上のプロセッサによって実行される。いくつかの実施形態では、自動化された方法は、検査、データ保存、解析の実行、データベースの比較、相関関係の提供などを管理または援助するようなものを包含するソフトウェア、プロセッサ、周辺装置および/または器具で実施される。
本明細書で使用されるように、ソフトウェアとは、コンピュータが読み取り可能なプログラムの命令を示し、当該命令は、プロセッサによって実行される場合、本明細書に記載されているようにコンピュータオペレーションを実行する。
器具、装置、システム、ソフトウェアおよびインターフェースが、本明細書に記載されている方法を実行するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、そのようなハードウェア部およびソフトウェア部は、本明細書に記載されている方法における1つ以上の工程の自動化を可能にする。器具、装置、システム、ソフトウェアおよびインターフェースを使用して、被検体または検査管理者は、例えば、1つ以上(例えば、数十、数百)のサンプルの検査を行ってもよい。いくつかの実施形態では、自動化を介して、検査管理者は、例えば、1つ以上(例えば、数十、数百など)のサンプルおよび複数の被検体(例えば、数十、数百などの)における検査を行ってもよい。
システムは、一般的に、1つ以上の装置または器具を含む。各々の装置/器具は、多くの場合、メモリ、プロセッサ、ディスプレイ、ユーザインターフェースなどから選択される部材を備えている。システムが2つ以上の装置/器具を含む場合、当該システムの種々の部材のうちのいくつかまたは全てが、種々の位置に配置されてもよい。システムが2つ以上の装置/器具を含む場合、いくつかまたは全ての装置が、使用者(例えば、被検体、検査管理者など)と同じ位置に配置されてもよく、いくつかまたは全ての装置が、使用者と異なる位置に配置されてもよく、全ての装置が、使用者と同一の位置に配置されてもよく、および/または、全ての装置が、使用者と異なる1つ以上の位置に配置されてもよい。
システムは、1つ以上のコンピューティング装置(例えば、検査を実行する装置、データ解析装置、データベースを含む装置、コミュニケーションデバイス、報告するデバイスなど)を含んでもよい。
本明細書における装置または方法の使用者(例えば、検査管理者、被検体など)は、例えば、ソフトウェアによって検査を開始するように促されてもよい。ソフトウェア/プロセッサは、使用者が種々の工程(例えば、サンプルを受け付ける、サンプルを評点する、など)を行うように促してもよい。また、プログラム可能なプロセッサは、使用者が所定のパラメータに基づいて1つ以上のオプションを選択するように促してもよい。検査管理者、主要調査員、または研究員は、1つ以上のデータ特徴選択、1つ以上の統計的アルゴリズム、1つ以上の統計的解析アルゴリズム、1つ以上の統計的有意性アルゴリズム、反復ステップ、1つ以上の検証アルゴリズム、および1つ以上のグラフィック表示、を選択するためのオプションが与えられてもよい(ソフトウェア/ハードウェアによって)。
本明細書に記載されているシステムは、例えば、ネットワークサービス、ラップトップシステム、デスクトップシステム、ハンドヘルドシステム、パーソナルデジタルアシスタント、タブレット、スマートフォン、コンピューティングキオスクなどの、コンピュータシステムの一般的な部材を備えていてもよい。コンピュータシステムは、キーボード、タッチスクリーン、マウス、音声認識、または使用者がシステムにデータを入力することを可能にする他の部材などの、1つ以上のインプット部を備えていてもよい。システムは、ディスプレイスクリーン(例えば、CRTまたはLCD)、スピーカ、ファックス機、プリンタ(例えば、レーザープリンタ、インクジェットプリンタ、インパクトプリンタ、白黒プリンタ、またはカラープリンタ)、または情報(例えば、結果および/または報告)の視覚的出力、聴覚的出力および/またはハードコピー出力を与えるのに有用な他の出力装置を含むが、これらに限定されない1つ以上の出力装置をさらに含んでもよい。
システム部(例えば、個々の検査ユニット、記録部(例えば、タッチスクリーン)など)は、他の部材の中に含まれる中央演算ユニット、プログラムの指示を実行するためのマイクロプロセッサ、ならびにプログラムコードおよびプログラムデータを保存するためのメモリ、に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、プロセスは、単一のグラフィックサイトに配置されている単一のユーザシステムとして実行されてもよい。ある実施形態では、プロセスは、マルチユーザシステムとして実行される。複数の使用者が実行する場合、種々の中央演算ユニットが、ネットワークによって接続されてもよい。ネットワークは、ローカルであり、建物の一部、建物全体における単一の領域を包含してもよいし、複数の建物に及んでもよいし、ある地域に及んでもよいし、国全体に及んでもよいし、または、世界中に及んでもよい。ネットワークは、プライベートであり、プロバイダによって所有され、かつ規制されており、また、それは、使用者(例えば、被検体、検査管理者、調査員、主要研究員など)がウェブページにアクセスし、情報を入力および検索するインターネットに基づいたサービスとして実施されてもよい。従って、ある実施形態では、システムは、1つ以上の装置を含み、当該装置は、使用者に対して近いか、または離れている。1ヶ所または複数ヶ所の1つ以上の装置が、使用者によってアクセスされてもよく、データは、直列および/もしくは並列にマッピングされるか、ならびに/または、処理されてもよい。このように、好適な形態および制御が、ローカルネットワーク、リモートネットワークおよび/または“クラウド”コンピューティングプラットフォームにおいて、種々の装置を用いて、データをマッピングおよび/または処理するために利用されてもよい。
度々、コンピュータプログラム製品は、実体的なコンピュータが読み取り可能な媒体において実施され、時々、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体において具体的に実施される。度々、モジュールは、コンピュータ読み取り可能な媒体(例えば、ディスク、ドライブ)、またはメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)に保存される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているシステムは、データおよび/もしくは情報を供給する周辺装置ならびに/または部材を備えているか、または、これらと情報交換する。いくつかの実施形態では、周辺装置および部材は、機能を実行するあいだ、システムを援助する。周辺装置および/または部材の非限定的な例は、好適なコンピュータ周辺装置、入出力方法もしくは入出力装置、または保存方法もしくは保存装置を含み、これらは、スキャナー、プリンタ、ディスプレイ(例えば、モニター、LED、LCTまたはCRT)、カメラ、マイクロフォン、パッド(例えば、アイパッド、タブレット)、タッチスクリーン、スマートフォン、携帯電話、USB入出力装置、USB大容量記憶装置、キーボード、コンピュータマウス、デジタルペン、モデム、ハードドライブ、ジャンプドライブ、フラッシュドライブ、プロセッサ、サーバ、CDやDVD、グラフィックカード、特殊入出力装置(例えば、フォトセル、光電子増倍管、光読取装置、センサーなど)、1つ以上のフローセル、固体材料を取り扱う部材、流体を取り扱う部材、ネットワークインタフェースコントローラ、ROM、RAM、無線通信方法および無線通信装置(ブルートゥース、WiFiなど)、ワールドワイドウェブ(www)、インターネット、コンピュータおよび/または別のモジュールを含むが、これらに限定されない。
用語“取得”“転送”“受信”などは、システム内のモジュール、装置、器具などの間のデータ(例えば、生の検査データ、処理データ、味覚を表示するもの、相関データ、結合データ、集団データなど)の移動を示す。また、これらの用語は、サンプルの取り扱いを示す。データは、それが受信される同一の場所で生成されるか、または、データが、異なる場所で生成され、受信する場所に転送されてもよい。いくつかの実施形態では、データは、処理される前に修正される(例えば、処理しやすいフォーマットに置き換えられる、表にされる、関係付けられる、結合される、など)。
ソフトウェアは、ある実施形態では、1つ以上のアルゴリズムを含んでもよい。サンプル、検査、結合データおよび/もしくは保存データを処理するために、データを解析するために、ならびに/または、1つ以上の検査の結果を与えるために、アルゴリズムが使用されてもよい。多くの場合、アルゴリズムは、作業を完了するために規定された命令のリストである。初期状態から開始し、命令は、規定された一連の継続状態を介して進行し、最終的に、最後の終了状態で終わる。例えば、限定することなく、アルゴリズムは、検索アルゴリズム、ソーティングアルゴリズム、マージアルゴリズム、数値アルゴリズム、グラフアルゴリズム、記号列アルゴリズム、モデリングアルゴリズム、計算幾何学的アルゴリズム、組合せアルゴリズム、機械学習アルゴリズム、暗号化アルゴリズム、データ圧縮アルゴリズム、解析アルゴリズムなどであってもよい。いくつかの実施形態では、アルゴリズム、またはアルゴリズムのセットは、データ(例えば、検査データ)を、識別可能な結果に変換する。本明細書における実施形態で利用されるアルゴリズムは、製品設計、製品最適化、食品科学、マーケティングなどの分野において、改善を行う。ある実施形態では、アルゴリズムは、ソフトウェアによって実施されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているシステムおよび方法は、新しい製品(例えば、食品)の設計における問題、製品の最適化における問題、および/または製品の変更における問題を解決する。製品(例えば、食品、飲料など)に施された小さな変更は、ヒトによって知覚される(例えば、意識的に、無意識的に、など)製品の特性に対する識別可能な変更を行ってもよい。システムおよび方法によって、研究者、製造者、製品設計者などは、その小さな変更が製品についてのヒトの知覚にどのように影響するかを評価することができる。例えば、確立した製品における第1の甘味料(例えば、砂糖、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、ステビア、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、アセスルファム、サッカリンなど)を、第2の甘味料(または、量を変更する)に変更する場合、本明細書に記載されているシステムおよび方法は、その変更(嗜好性における、味質における、など)についてのヒトの知覚を評価することを可能にする。同様に、任意の成分(例えば、脂肪、塩、脂、香辛料、香料など)の量またはタイプに対する変更による、種々の特性への効果(例えば、嗜好性への、味質への、など)は、本明細書に記載されているシステムおよび方法によって評価され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法およびシステムは、消費者の要望に従って既存の製品を変更する場合に用途が見出される。例えば、既存の製品のサンプルは、特定の成分の変更を伴って製造され、被検体への好ましさ(例えば、味質、嗜好性など)について検査される。
任意の好適な製品は、本明細書に記載されている実施形態によって検査され得る。特に適した製品は、味および/または香りを介して、使用者に喜びを体験させる製品、および/または、使用者に喜びをもたらす製品である。例示的な製品は、食料品であり、食料品は、飲料(例えば、ドリンク、ソーダ、スパークリングウォーター、加糖飲料、フレーバー飲料など)、スナック食品(例えば、チップ、クラッカー、クッキーなど)などの加工食品を含む。脂肪含有量、塩分含有量、糖分含有量、甘味料のタイプ(例えば、天然、人工)などの変更による効果は、本明細書に記載されている方法およびシステムによって評価される。
〔実施例〕
〔実施例1〕
(例示的な訓練モジュール1)
本明細書に記載されている実施形態の開発中に、実験を実施した。当該実験では、位置に対する手がかりとして、味覚刺激を用いて、タッチセンシティブモニターのフィールド(デカルトグリッド)内で、ポイントを所持している商品を見つけるように被検体に指示した。100mMのスクロース(甘味)の味覚、水(天然)の味覚、または1mMのキニーネ(苦味)の味覚と関連付けられるように、関心領域(ROI)をプログラムした。主要な関心領域周囲における、連続的に大きくなる同心円のROIは、ROI内で行われた応答に対して減少していくポイント値の領域を表示した。ROIの外側で行われた応答は、スクリーンが薄暗くなるという結果、プレイの中止という結果、ポイントを獲得できないという結果を生じる。デカルトグリッドにおいて、軸の意味は、被検体に明らかにされなかったが、正のx軸は、甘味味質を示し、負のx軸は、苦味味質を示し、正のy軸は、嗜好性を有する(食欲をそそる)味覚を示し、また、負のy軸は、嫌悪感のある味を示した。スクロース、水またはキニーネのサンプルを被検体に供給し、モニターのグリッド上に、対応する応答を示すように指示した。被検体に、各応答に対する彼らの得点を知らせた。このセッションでは、25個の全てのサンプル(それぞれ200μlの量)を、各被検体にランダムに与えた。図3は、この訓練モジュール中における被検体7からの結果を示す。図4は、当該モジュール中に被検体7によって獲得された累積ポイントを示す。また、図5は、各サンプルタイプに関する、被検体からの個々の応答の距離を示す。
〔実施例2〕
(例示的な訓練モジュール2)
本明細書に記載されている実施形態の開発中に、2回の追加の検査刺激を除いて、上記の訓練モジュール1のフォーマットと同様のフォーマットを利用して、追加実験を実施した。検査物品として、100mMのNaCl(塩味)、および10mMのクエン酸(酸味)を添加した。塩味刺激または酸味刺激を試した後に、フィールドの左半分(すなわち、x軸に沿った任意のyの点)に行われた何れの応答に対しても、満点(100ポイント)を与えた。全部で96回の試験において、16回の試験で、NaClを与え、20回の各試験で、他の全ての味覚刺激を与えた。全てのサンプルは、200μlの量であった。
水に対する応答は、非常に正確であった一方で、スクロースおよびキニーネに対する応答は、あまり正確ではなかった(“正しい”四分区間内ではあったが)。軽い塩味刺激および酸味刺激に対する被検体7の応答は、訓練によって“発達”しなかったが、非甘味/非嗜好性の四分区間で生じる傾向があった。これは、期待していなかった結果であった。なぜなら、軽い酸味刺激および塩味刺激を試した後に被検体によって行われた応答が、最終的に、非甘味/非嗜好性の四分区間における応答になるからである。フィールドの左半分(非甘味味質)における応答に対して、被検体に報酬を与えたが、上半分(食欲をそそる嗜好性)においては、報酬に関する偶発性はなかった。これらの応答が、スクリーンの下半分とキニーネとの結びつきによって訓練された嫌悪の性質とは異なるため、応答が、最終的にその位置の応答となった。従って、NaClとクエン酸との溶液の嗜好性は、客観的に決定された。継続した訓練で、被検体7の応答は、より正確になっていくことが期待されるが、このセッションで決定された各四分区間内に止まるであろう。
本明細書で提供される全ての公報および特許は、これらの全文に、参照により組み込まれる。記載されている本発明の構成および方法の種々の改変および変更が、本発明の範囲および意図から離れることなく当業者には明らかであろう。本発明は、具体的な好ましい実施形態に関して記載されたが、請求項に記載されている発明が、そのような具体的な実施形態に不当に限定されると理解されるべきではない。実際、関連分野の当業者に明確である、本発明を実施するために記載された態様の種々の変更が、本発明の範囲内であることを意図している。
自動ピペットシステム1、サンプル源プレート2、タッチスクリーン3、および報酬ホッパーまたは記録器4を備えた、本発明の模式的な装置の説明を示している。
種々のサンプルが、嗜好性、および100mMスクロースの味の基準(例えば、味質)への類似性に対して評価される、1つの仮説検査において、1つの被検体に対して記録される応答場所を示す、本発明の、模式的なタッチスクリーンの概略図を示している。
模式的訓練モジュール(模式的訓練モジュール1)からの、1つの被検体(被検体7)に対する結果を表すグラフを示している。
上記被検体(被検体7)によって、模式的訓練モジュールにおいて獲得された累積ポイントを表すグラフを示している。
模式的訓練モジュールにおける、試行の回数の関数としての、上記被検体(被検体7)の応答の正確さを表すグラフを示している。
模式的訓練モジュール(模式的訓練モジュール2)からの、1つの被検体(被検体7)に対する結果を表すグラフを示している。