JP6780967B2 - 接着剤塗布方法及び接着剤塗布装置 - Google Patents

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Description

本開示は、接着剤塗布方法及び接着剤塗布装置に関するものである。
従来より、金属とゴムの複合体の製造工程では、金属からなる被塗布物の表面に、樹脂等の接着剤成分が有機溶媒や水等の希釈剤により希釈された接着剤を塗布し、希釈剤成分を乾燥させて被塗布物表面に接着剤成分の層を形成させ、その上に未加硫ゴムを加硫接着させる方法が行われている。
特許文献1には、接着剤として、有機溶媒型接着剤の代わりに水性接着剤を用いることが開示されている。
特開1999−61052号公報
ところで、希釈剤成分の蒸発を促進させるためには、被塗布物を加熱することが効果的であるが、従来の塗布方法により被塗布物を100℃以上に加熱すると、被塗布物表面に形成された液溜まりにおいて、希釈剤成分の蒸発が進み、その蒸発に伴って接着剤成分が押しのけられる、いわゆるベーパーウォッシュ現象が生じ、均一な接着剤成分の層が形成されないという問題があった。
このため、特許文献1に記載されているように、例えば被塗布物を50℃以上100℃以下に加熱してベーパーウォッシュ現象の発生を抑えつつ希釈剤成分の蒸発を促すとともに、接着剤を塗布後に、例えば被塗布物を60℃の恒温乾燥機内に3分間保持する乾燥工程を設けて、接着剤成分の層形成を行っている。
しかしながら、接着剤を塗布後に乾燥工程を設けると、そのための乾燥機や乾燥炉等が必要となるため、作業時間が長くなるとともに装置が大掛かりとなるという問題があった。また、被塗布物を支持する治具ごと乾燥機に投入せざるを得ないため、接着剤による治具汚れの洗浄等に多大な工数が生じるという問題があった。さらに、従来の方法では、液だれを防ぐために接着剤の一回の塗布量を制限せざるを得ず、接着成分層の膜厚を厚くするためには、接着剤の塗布工程と乾燥工程とを繰り返し行う必要があった。
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、未加硫ゴム部材を加硫接着させる被塗布物の表面に接着剤を塗布する接着剤塗布方法及び接着剤塗布装置において、塗布効率に優れ、一回の塗布で所望の膜厚を有する均一な接着成分層を形成することができる接着剤塗布方法及び接着剤塗布装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本開示では、被塗布物に接着剤を噴霧塗布するときに、接着剤に含有される希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量を制限するようにした。
すなわち、ここに開示する第1の技術は、未加硫ゴム部材を加硫接着させる被塗布物の表面に接着剤を塗布する接着剤塗布方法であって、前記被塗布物を加熱する加熱工程と、前記加熱された被塗布物の表面に第1接着剤を噴霧塗布する第1塗布工程と、を備え、前記加熱工程で加熱された前記被塗布物の表面温度T[℃]は60℃以上150℃以下であり、前記表面温度T[℃]が130℃以上150℃以下の場合、前記第1塗布工程で噴霧塗布される前記第1接着剤中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量A[mg/mm ・s]は0.46mg/mm ・s以下であり、前記表面温度T[℃]が100℃以上130℃未満の場合、前記塗布量A[mg/mm ・s]は0.40mg/mm ・s以下であり、前記表面温度T[℃]が60℃以上100℃未満の場合、記塗布量A[mg/mm・s]と、前記表面温度T[℃]とは、次の式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする。
本技術によれば、第1塗布工程において塗布される第1接着剤について、当該第1接着剤に含有される希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量を上述のように制限することにより、液だれが起こることなく第1接着剤を被塗布物表面に均一に塗布することができる。そして、被塗布物の表面温度Tが60℃以上150℃以下に加熱されていることにより、塗布された第1接着剤の希釈剤成分はベーパーウォッシュ現象を起こすことなく速やかに蒸発し、接着剤成分の均一な層が形成される。また、第1接着剤が被塗布物の表面に到達した瞬間から希釈剤成分の蒸発が始まり、塗布を続けても液だれが起こることがないので、第1塗布工程終了後に別途乾燥炉等による乾燥工程を設ける必要がない。このため、被塗布物を支持する治具ごと乾燥炉で乾燥させる必要がないので、治具の数自体を減らすことができるとともに、治具の汚れ等も低減されるから、接着剤塗布工程が簡潔化される。さらに、第1接着剤の塗布時間を調節することにより接着成分層の膜厚をコントロールすることができるので、厚い層を形成する場合であっても、一回の塗布で層を形成することができる。
なお、本明細書において、「加熱工程で加熱された被塗布物の表面温度T」とは、加熱工程における被塗布物の加熱終了後、第1接着剤の被塗布物表面への噴霧塗布を開始するまでのいずれかの時点における被塗布物表面の温度をいう。
また、本明細書において、「加熱工程」は、被塗布物の少なくとも表面の温度を昇温させる工程、及び被塗布物の少なくとも表面の温度を所定温度に保持する工程を含む。
第2の技術は、第1の技術において、前記第1塗布工程における霧化された前記第1接着剤の平均粒径は500μm以下である。
本技術によれば、霧化された第1接着剤の平均粒径を500μm以下にまで小さくすることにより、液だれやベーパーウォッシュ現象を引き起こすことなく第1接着剤に含まれる希釈剤成分の速やかな蒸発を促進することができ、均一な接着成分層を形成することができる。
第3の技術は、第1又は2の技術において、前記第1接着剤の全量に対する前記希釈剤成分の含有量は、60体積%以上90体積%以下である。
本技術によれば、効果的に希釈剤成分を蒸発させ、均一な接着成分層を形成することができる。
第4の技術は、第1〜3の技術のいずれか1つにおいて、前記第1塗布工程の後に、前記第1接着剤が塗布された前記被塗布物の表面に第2接着剤を噴霧塗布する第2塗布工程をさらに備え、前記表面温度T[℃]が130℃以上150℃以下の場合、前記第2塗布工程で噴霧塗布される前記第2接着剤中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量B[mg/mm ・s]は0.46mg/mm ・s以下であり、前記表面温度T[℃]が100℃以上130℃未満の場合、前記塗布量B[mg/mm ・s]は0.40mg/mm ・s以下であり、前記表面温度T[℃]が60℃以上100℃未満の場合、記塗布量B[mg/mm・s]と、前記表面温度T[℃]とは、次の式(2)で表される関係を満たす。
第4の技術によれば、第1接着剤を塗布した被塗布物の表面にさらに第2接着剤を塗布する場合に、第1又は第2接着剤を乾燥させるための乾燥工程を設ける必要がないため、接着剤塗布工程の作業時間を低減することができる。また、液だれ等が少ない上、乾燥工程を設ける必要がないため、第1接着剤や第2接着剤による装置の汚れ等が低減されるから、接着剤の塗布工程が簡潔化される。
第5の技術は、第4の技術において、第2塗布工程における霧化された前記第2接着剤の平均粒径は500μm以下である。
本技術によれば、霧化された第2接着剤の平均粒径を500μm以下にまで小さくすることにより、液だれやベーパーウォッシュ現象を引き起こすことなく第2接着剤に含まれる希釈剤成分の速やかな蒸発を促進することができ、均一な接着成分層を形成することができる。
第6の技術は、第4又は5の技術において、前記第2接着剤の全量に対する前記希釈剤成分の含有量は、60体積%以上90体積%以下である。
本技術によれば、第2接着剤に含有される希釈剤成分を効果的に蒸発させ、均一な接着成分層を形成することができる。
第7の技術は、第4〜6の技術のいずれか1つにおいて、前記第1塗布工程において前記第1接着剤の塗布を終えてから、前記第2塗布工程において前記第2接着剤の塗布を開始するまでの所要時間は9秒以下である。
本技術によれば、第1塗布工程終了後、すぐに第2塗布工程を開始して、第1接着剤及び第2接着剤を速やかに塗布することができるから、接着剤塗布工程が簡略化されるとともに、その作業時間が低減される。
第8の技術は、第1〜7の技術のいずれか1つにおいて、前記第1塗布工程以降の工程は、全て常温常圧の大気雰囲気下で行われる。
本技術によれば、加熱工程において被塗布物を加熱する以外の、第1塗布工程(及び第2塗布工程)を含む全工程は常温常圧の大気雰囲気下で行われ、被塗布物が加熱されることはなく、乾燥炉や熱風乾燥により被塗布物を加熱乾燥させないため、接着剤塗布工程が簡潔化される。
ここに開示する第9の技術は、未加硫ゴム部材を加硫接着させる被塗布物の表面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置であって、前記被塗布物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段により加熱された前記被塗布物の表面に第1接着剤を噴霧塗布するための第1塗布手段と、前記加熱手段により加熱された前記被塗布物の表面温度T[℃]を検出する表面温度検出手段と、を備え、前記表面温度検出手段により検出された前記被塗布物の表面温度T[℃]は60℃以上150℃以下であり、前記表面温度T[℃]が130℃以上150℃以下の場合、前記第1塗布手段により噴霧塗布される前記第1接着剤中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量A[mg/mm ・s]は0.46mg/mm ・s以下であり、前記表面温度T[℃]が100℃以上130℃未満の場合、前記塗布量A[mg/mm ・s]は0.40mg/mm ・s以下であり、前記表面温度T[℃]が60℃以上100℃未満の場合、記塗布量A[mg/mm・s]と、前記表面温度T[℃]とは、次の式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする。
本技術によれば、第1塗布手段により塗布される第1接着剤について、当該第1接着剤に含有される希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量を上述のように制限することにより、液だれが起こることなく第1接着剤を被塗布物表面に均一に塗布することができる。そして、被塗布物の表面温度Tが60℃以上150℃以下に加熱されていることにより、塗布された第1接着剤の希釈剤成分はベーパーウォッシュ現象を起こすことなく速やかに蒸発し、接着剤成分の均一な層が形成される。また、第1接着剤が被塗布物の表面に到達した瞬間から希釈剤成分の蒸発が始まり、塗布を続けても液だれが起こることがないので、第1塗布手段による第1接着剤塗布終了後に別途乾燥炉等による乾燥工程を設ける必要がない。このため、被塗布物を支持する治具ごと乾燥炉で乾燥させる必要がないので、治具の数自体を減らすことができるとともに、治具の汚れ等も低減されるから、接着剤塗布装置が簡潔化及び省スペース化される。さらに、第1接着剤の塗布時間を調節することにより接着成分層の膜厚をコントロールすることができるので、厚い層を形成する場合であっても、一回の塗布で層を形成することができる。
以上述べたように、本技術によれば、第1塗布工程において塗布される第1接着剤について、当該第1接着剤に含有される希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量を所定量に制限することにより、液だれが起こることなく第1接着剤を被塗布物表面に均一に塗布することができる。そして、被塗布物の表面温度Tが60℃以上150℃以下に加熱されていることにより、塗布された第1接着剤の希釈剤成分はベーパーウォッシュ現象を起こすことなく速やかに蒸発し、接着剤成分の均一な層が形成される。また、第1接着剤が被塗布物の表面に到達した瞬間から希釈剤成分の蒸発が始まり、塗布を続けても液だれが起こることがないので、第1塗布工程終了後に別途乾燥炉等による乾燥工程を設ける必要がない。このため、被塗布物を支持する治具ごと乾燥炉で乾燥させる必要がないので、治具の数自体を減らすことができるとともに、治具の汚れ等も低減されるから、接着剤塗布工程が簡潔化される。さらに、第1接着剤の塗布時間を調節することにより接着成分層の膜厚をコントロールすることができるので、厚い層を形成する場合であっても、一回の塗布で層を形成することができる。
図1は、一実施形態に係る接着剤塗布装置を模式的に示す平面図である。 図2は、図1の接着剤塗布装置により接着剤を塗布する接着剤塗布方法の工程を示すフローチャートである。 図3は、図1の接着剤塗布装置により接着剤が塗布されるワークの縦断面図である。 図4は、図3のワークの平面図である。 図5は、図1の接着剤塗布装置の塗布ガンにより紙上に噴霧塗布された接着剤の光学顕微鏡像である。 図6は、他の接着剤を用いた場合における図5相当図である。 図7は、他の接着剤を用いた場合における図5相当図である。 図8は、希釈率150%、ガンダイヤル4.0mm、表面温度100℃、130℃のときのワーク表面の写真である。 図9は、ワークの表面温度に対する接着剤の希釈剤成分の塗布量の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
<接着剤塗布装置>
本実施形態に係る接着剤塗布装置1は、図1に示すように、後述するワーク2(被塗布物)の表面に下塗り接着剤3(第1接着剤)及び上塗り接着剤4(第2接着剤)を塗布するためのものである。ワーク2の表面には、下塗り接着剤3及び上塗り接着剤4が塗布されて、上塗り接着成分層及び下塗り接着成分層からなる接着成分層が積層形成される。この接着剤塗布装置1から取り出されたワーク2の表面には、その後未加硫ゴム部材が加硫接着される。
図1に示すように、接着剤塗布装置1は、図外の予熱炉(加熱手段)と、その予熱炉に接続された予熱板5(加熱手段)と、ターンテーブル6と、治具7と、塗布前ワーク温度確認部(表面温度検出手段)31と、ワーク確認部15と、下塗り接着剤塗布部101と、ワーク温度確認部11と、下塗り接着剤塗布状態確認部12と、上塗り接着剤塗布部102と、上塗り接着剤塗布状態確認部14と、払出部9と、図示しない制御部Zとを備えている。
以下、接着剤塗布装置1を使用した接着剤塗布方法の概略を説明した後に、接着剤塗布装置1の各構成について詳述する。
[接着剤塗布方法]
図2に示すように、本実施形態に係る接着剤塗布方法は、以下の工程からなる。
まず、予熱工程S1(加熱工程)及び予熱保温工程S2(加熱工程)において、予熱炉及び予熱板5によりワーク2を加熱し、保温する。
そして、セット工程S3において、予熱板5上に保温維持されたワーク2をターンテーブル6の治具7にセットする。
次に、塗布前ワーク温度確認工程S4において、治具7にセットされたワーク2の表面温度Tを確認する。
そして、ターンテーブル6は、図1の紙面上で反時計回りの方向に回転しているので、治具7にセットされたワーク2はワーク確認部15へ搬送され、当該ワーク確認部15においてワークの有無を確認、判別する(ワーク確認工程S5)。
次に、下塗り接着剤塗布工程S6(第1塗布工程)において、下塗り接着剤塗布部101の下塗り用塗布ガン10により、下塗り接着剤3をワーク2表面に塗布する。
その後、ワーク温度確認工程S7において、下塗り接着剤3が塗布されたワーク2の表面温度Kを検出する。
次に、下塗り接着剤塗布状態確認工程S8において、下塗り接着剤塗布状態確認部12の色識別センサにより下塗り接着剤3の塗布状態をワーク2の表面の複数個所について確認する。
そして、上塗り接着剤塗布工程S9(第2塗布工程)において、上塗り接着剤塗布部102の上塗り用塗布ガン13により、下塗り接着剤3が塗布されたワーク2の表面に上塗り接着剤4を噴霧塗布する。
その後、上塗り接着剤塗布状態確認工程S10において、上塗り接着剤塗布状態確認部14の色識別センサにより上塗り接着剤4の塗布状態をワーク2の表面の複数個所について確認する。
そうして、払出工程S11において、接着剤が塗布されたワーク2は、払出部9で払い出される。このとき、後述するように、各確認部12,14においてOKと判別されたワーク2はOKボックスへ、各確認部12,14の少なくとも一方でNGと判別されたワーク2はNGボックスへ、それぞれ分類されて払い出される。そうして、本実施形態に係る接着剤塗布方法の工程は終了し、OKボックスへ払い出されたワーク2は、次の成形工程に供される。なお、ワーク温度確認工程S7においてワーク温度確認部11により検出された表面温度Kがエラーの場合には、払出部9でワーク2をつかみ取るチャック9Aの汚染防止の観点から、ワーク2が払出部9に到達したところで接着剤塗布装置1は停止する。
[予熱炉及び予熱板]
予熱炉及び予熱板5は、ワーク2を予め加熱し、少なくともその表面温度を所望の温度に保持するためのものである。ワーク2は、これら予熱炉及び予熱板5により予め60℃以上150℃以下に加熱保持される。すなわち、これら予熱炉及び予熱板5は、塗布前ワーク温度確認部31により検出されたワーク2の表面温度Tが60℃以上150℃以下となるようにワーク2を加熱するように構成されている。ワーク2は、少なくともその表面温度が上記温度範囲内に加熱されていれば十分であり、内部まで加熱されていても加熱されていなくてもよい。また、ワーク2は、塗布前ワーク温度確認部31により検出されたワーク2の表面温度Tが60℃以上150℃以下の所望の温度となるように加熱されていればよく、予熱工程S1及び予熱保温工程S2で当該所望の温度よりも高い温度に加熱される構成としてもよい。
なお、接着剤塗布装置1において、これら予熱炉及び予熱板5のみがワーク2の表面温度Tを調節可能である。換言すると、ワーク2が予熱板5から取り出され、治具7上にセットされた後は、ワーク2は加熱されることはない。すなわち、セット工程S3以降、特に下塗り接着剤塗布工程S6以降の工程は、全て常温常圧の大気雰囲気下で行われる。
本構成によれば、予熱炉及び予熱板5以外にワーク2を加熱する乾燥手段等がないため、接着剤塗布工程が簡潔化されるとともに、接着剤塗布装置1が簡略化及び省スペース化される。なお、本構成において、乾燥手段等を設けないことが望ましいが、その設置を制限するものではなく、乾燥手段等を装置に組み込むことも可能である。
[ターンテーブル]
ターンテーブル6はワーク2を搬送して各接着剤の塗布工程に供するためのものであり、図1において、反時計回りに回転してワーク2を搬送する。ターンテーブル6は、直径約1.2mの円板状である。ターンテーブルの回転方向、大きさ及び形状は適宜設計変更することができるし、回転式以外の例えば直線式のベルトコンベアや、チェーンコンベア等を用いる構成としてもよい。
ターンテーブル6の回転速度は、12.57rpmである。具体的には、図1に示すように、ターンテーブル6上に治具7は12個あり、隣接する治具7間距離を1ピッチとすると、ターンテーブル6は、1ピッチを0.7秒で回転する。そして、各塗布部101,102及び各確認部12,14において所定時間停止する。従って、この停止する時間も考慮して上記回転速度に設定されている。ターンテーブル6の回転速度は、各接着剤の塗布時間等に応じて適宜設定変更することができるが、下塗り接着剤塗布部101から上塗り接着剤塗布部102までの所要時間、すなわち下塗り接着剤塗布工程S6において下塗り接着剤3の塗布が終了してから上塗り接着剤塗布工程S9において上塗り接着剤4の塗布が開始されるまでの所要時間が、好ましくは15秒以下、より好ましくは12秒以下、特に好ましくは9秒以下となるように回転させることが望ましい。本構成によれば、下塗り接着剤塗布工程S6終了後、すぐに上塗り接着剤塗布工程S9を開始して、下塗り接着剤3及び上塗り接着剤4を速やかに塗布することができるから、接着剤塗布工程全体が簡略化されるとともに、その作業時間が低減される。
[治具]
治具7は、予熱炉及び予熱板5により加熱されたワーク2を支持するためのものであり、ターンテーブル6の円周に沿って複数設けられている。治具の数及び設置間隔は特に制限されるものではなく、接着剤塗布装置1の構成に応じて適宜変更することができる。治具7は、下塗り接着剤塗布工程S6、下塗り接着剤塗布状態確認工程S8、上塗り接着剤塗布工程S9、及び上塗り接着剤塗布状態確認工程S10においてそれ自身反時計回りに回転するように構成されている。すなわち、治具7にセットされたワーク2は、ターンテーブル6の回転に伴って反時計回りに移動し、下塗り接着剤塗布部101、下塗り塗布状態確認部12、上塗り接着剤塗布部102、及び上塗り接着剤塗布状態確認部14において、ターンテーブル6が所定時間停止している間に、治具7の回転に伴って反時計回りに回転する。なお、治具7の回転方向は時計回りとしてもよい。治具7の回転速度は、塗布工程S6,S9では600rpmであり、1秒間で10回転する。また、塗布状態確認工程S8,S10では120rpmであり、1秒間で2回転する。治具7の回転速度は、適宜設定変更することができるが、各接着剤塗布部101,102において、各接着剤3,4をワーク2の表面全体に均一に塗布する観点から、好ましくは3回転/秒以上、より好ましくは5回転/秒以上、特に好ましくは10回転/秒以上に、回転速度を設定することが好ましい。
[塗布前ワーク温度確認部]
塗布前ワーク温度確認部31は、予熱板5から取り出された後、下塗り接着剤3を噴霧塗布する前のワーク2の表面温度Tを測定するためのものであり、市販の温度計からなる。具体的には、塗布前ワーク温度確認部31では、治具7にセットされたワーク2の表面温度Tを温度計により測定する。塗布前ワーク温度確認部31は、後述するワーク温度確認部11と同様に、放射温度計等の温度センサを用いて測定する構成としてもよい。また、本実施形態では、治具7にセット後のワーク2の表面温度Tを測定する構成であるが、予熱板5からワーク2を取り出した後、治具7にセットする前にワーク2の表面温度Tを測定するようにしてもよい。
[ワーク確認部]
ワーク確認部15は、治具7上にワーク2がセットされているかどうかを判別するためのものであり、分離型の赤外線アクティブセンサにより構成される。具体的には、ワーク2が所定位置にきたときにワーク2を挟むように投光器及び受光器が配置されており、投光器から照射された赤外線を受光器により検出し、その赤外線の遮断割合によりワーク2の有無を判別する構成となっている。例えば、ワーク2が存在しない場合、照射された赤外線は遮られないため、光量として9999の数値が表示されるが、ワーク2が存在する場合には、赤外線が遮られて、光量は200程度の数値に低下する。従って、例えば光量として300の数値を閾値として設定することにより、光量が当該閾値を下回るか上回るかによりワーク2の有無を判別する。投光器及び受光器は制御部Zに接続されており、赤外線照射、検出、及びワーク2の有無の判別は制御部Zにて行われる。ワーク2が有と判別された場合には、制御部Zによりその情報が、他の確認部11,12,14におけるOK/NGの判別結果と併せて、払出部9まで保持される。ワーク確認部15は、ワーク2の有無を判別できるものであればいかなるものも用いることができ、例えば一体型の赤外線センサや、その他の各種センサを用いて構成することができる。
[下塗り接着剤塗布部]
下塗り接着剤塗布部101は、予熱炉及び予熱板5にて加熱保持されたワーク2の表面に下塗り接着剤3を塗布するためのものであり、下塗り接着剤3を霧化して噴霧塗布する下塗り用塗布ガン10(第1塗布手段)と、下塗り用飛散防止板16と、下塗り用汚染防止壁17とにより構成される。
下塗り用塗布ガン10は、下塗り接着剤3を霧化、すなわち細かい粒子状にしてワーク2の表面に対して吹き付けるためのものであり、特に限定されず市販の塗布ガンを用いることができる。
このとき、下塗り用塗布ガン10により霧化された下塗り接着剤3の平均粒径は、好ましくは500μm以下、より好ましくは1μm以上500μm以下、特に好ましくは2μm以上400μm以下である。
本構成によれば、霧化された下塗り接着剤3の粒子サイズが十分小さいため、液だれやベーパーウォッシュ現象を引き起こすことなく下塗り接着剤3に含まれる希釈剤成分の速やかな蒸発を促進することができ、均一な接着成分層を形成することができる。
下塗り用塗布ガン10の霧化エア圧は、ワーク2の表面に均一に下塗り接着剤3を塗布する観点から、好ましくは80kPa以上150kPa以下、より好ましくは90kPa以上140kPa以下、特に好ましくは110kPa以上130kPa以下である。
下塗り用塗布ガン10のパターン圧、すなわち塗布ガンの塗布幅を広げるエア圧力は、ワーク2の側面21の全体に下塗り接着剤3を塗布する観点から、好ましくは10kPa以上100kPa以下、より好ましくは30kPa以上80kPa以下、特に好ましくは40kPa以上70kPa以下である。
なお、下塗り接着剤3の接着成分層の膜厚は、下塗り用塗布ガン10の塗布中心、すなわち膜厚が最大となる位置において、十分な接着性を有する均一な接着成分層を形成する観点から、好ましくは0.5μm以上50μm以下、より好ましくは0.88μm以上49μm以下、特に好ましくは2.0μm以上40μm以下である。
なお、下塗り接着剤3の塗布時間は、後述する下塗り接着剤3の希釈剤成分の塗布量Aと、希釈剤成分の含有量、及び所望する接着剤成分層の膜厚に応じて適宜設定することができる。
[ワーク温度確認部]
ワーク温度確認部11は、下塗り用塗布ガン10により噴霧塗布された下塗り接着剤3の層を表面に備えたワーク2の表面温度K[℃]を検出するためのものであり、制御部Zに接続された放射温度計により構成される。制御部Zは、この放射温度計により検出されたワーク2の表面温度Kが50℃以上150℃以下の範囲の温度であればOK、範囲外の温度であればNGと判別し、この情報を払出部9まで保持する。
[下塗り接着剤塗布状態確認部]
下塗り接着剤塗布状態確認部12は、下塗り接着剤3の塗布状態を検出するためのものであり、制御部Zに接続された色識別センサにより構成される。色識別センサは上下方向及びターンテーブル6の径方向、すなわちワーク2に対して遠近方向に移動可能となっている。予め制御部Zに記憶された設定値に基づいて、ワーク2の形状に合わせた距離に色識別センサが配置される。そして、色識別センサを上下動させて、回転するワーク2の表面のうち上部、中間部、下部の3個所の位置について下塗り接着剤3の塗布状態を確認する。塗布状態の確認は、次のように行う。すなわち、下塗り接着剤3の塗布前後のワーク2を用いて予めティーチングを行って閾値を決定して制御部Zに記憶させておく。そして、制御部Zは、色識別センサによる上記3個所の位置での検出値が上記閾値以下の場合はOK、閾値を超えた場合はNGと判別し、この情報を払出部9まで保持する。
[上塗り接着剤塗布部]
上塗り接着剤塗布部102は、下塗り接着剤3が噴霧塗布されたワーク2の表面に上塗り接着剤4を塗布するためのものであり、上塗り接着剤4を霧化して噴霧塗布する上塗り用塗布ガン13(第2塗布手段)と、上塗り用飛散防止板18と、上塗り用汚染防止壁19とにより構成される。
上塗り用塗布ガン13は、上述の下塗り用塗布ガン10と同一の構成のものを用いることができる。また、上塗り接着剤4の種類に応じて、下塗り用塗布ガン10と異なる塗布ガンを使用してもよい。上塗り用塗布ガン13により霧化された上塗り接着剤4の平均粒径は、下塗り接着剤3の平均粒径と同様に、好ましくは500μm以下、より好ましくは1μm以上500μm以下、特に好ましくは2μm以上400μm以下である。
本構成により、液だれやベーパーウォッシュ現象を引き起こすことなく上塗り接着剤4に含まれる希釈剤成分の速やかな蒸発を促進することができ、均一な接着成分層を形成することができる。
上塗り用塗布ガン13の霧化エア圧は、ワーク2の表面に均一に上塗り接着剤4を塗布する観点から、好ましくは150kPa以上、より好ましくは200kPa以上、特に好ましくは250kPa以上である。
上塗り用塗布ガン13のパターン圧は、ワーク2の側面21の全体に上塗り接着剤4を塗布する観点から、好ましくは80kPa以上300kPa以下、より好ましくは110kPa以上270kPa以下、特に好ましくは140kPa以上250kPa以下である。
上塗り接着剤塗布状態確認部14により塗布形成された上塗り接着剤成分層を含む全接着成分層の膜厚は、十分な接着性を有する均一な接着成分層を形成する観点から、好ましくは1.0μm以上100μm以下、より好ましくは2.0μm以上80μm以下、特に好ましくは3.0μm以上70μm以下である。
なお、上塗り接着剤4の塗布時間は、後述する上塗り接着剤4の希釈剤成分の塗布量Bと、希釈剤成分の含有量、及び所望する接着剤成分層の膜厚に応じて適宜設定することができる。
[上塗り接着剤塗布状態確認部]
上塗り接着剤塗布状態確認部14は、上塗り接着剤4の塗布状態を検出するためのものであり、下塗り接着剤塗布状態確認部12と同様に、色識別センサにより構成される。
[払出部]
払出部9は、接着成分層が形成されたワーク2をOK品とNG品に分別しつつ、接着剤塗布装置1の装置外へワーク2を搬出するためのものである。ワーク2は、上記確認部12,14のいずれかにおいて、NGと判別された場合、払出部9でNGボックスへ払い出される。また、上記ワーク温度確認部11においてNGと判別された場合は、払出部9のチャック9Aの汚染防止の観点から、払出部9に到達したところで自動で接着剤塗布装置1が停止するように構成されている。
[制御部]
制御部Zは、上述の各装置構成、すなわちターンテーブル6、治具7、ワーク確認部15、下塗り接着剤塗布部101、ワーク温度確認部11、下塗り接着剤塗布状態確認部12、上塗り接着剤塗布部102、上塗り接着剤塗布状態確認部14、及び払出部9に接続されている。
そうして、各構成に配置されたセンサからの信号を受信し、接着剤塗布工程の各種塗布条件の決定、ワーク2の接着剤塗布状態の判別、OK品/NG品の分別等の工程を、制御部Zからの指令により自動で行うように構成されている。
なお、上述の装置構成以外の構成についても、制御部Zによる自動制御としてもよい。また、上述の装置構成に、追加の接着剤塗布部、温度確認部や塗布状態確認部等の構成を加える場合には、これらの構成における各種センサも制御部Zに接続されるとともに、各構成は制御部Zにより制御されるようにすることができる。
<ワーク>
図3、図4に示すように、本実施形態に係る接着剤塗布装置1を使用して接着剤が塗布されるワーク2は、円筒状を有するラバーブッシュ用金属製部材である。ワーク2としては、ブッシュに限らず種々の部材を用いることができ、具体的にはエンジンマウント、サスリンクブッシュ、ダイナミックダンパーなどの自動車部品等を用いることができる。ワーク2の材質は、アルミニウム製であり、アルミニウムの他に、例えば、鉄、ステンレス鋼、銅、又はこれらの合金等の金属製のものを用いることができる。図2に示すワーク2のサイズは、全長2aが55mm、外径2bが28mm、端面22を除く側面21の表面積が4838mmである。ワーク2のサイズとしては、最小10mm×10mmから最大150mm×100mm程度のものを用いることができる。
なお、図1は平面図であるので、ワーク2はその端面22のみが記載されているが、図3に示すように、接着剤が塗布されるのは端面22を除く側面21の全面である。
また、ワーク2の表面に加硫接着される未加硫ゴム部材としては、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、SBR、NBR、エチレン−プロピレン−共役ジエンの三元共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等を原料とする部材を用いることができる。これらの単体若しくは混合体を主成分とし、加硫剤、充填材、その他通常用いられる各種配合剤を含み得る。また、未加硫ゴム部材に一部金属、プラスチックその他のものが予め複合されていてもよい。
<下塗り接着剤及び上塗り接着剤>
下塗り接着剤3及び上塗り接着剤4としては、特に限定されるものではなく、市販の種々の接着剤を適宜使用することができる。具体的には例えばケムロック205(ロード社商品名)等のフェノール系接着剤、ケムロック220(ロード社商品名)等の塩化ゴム系接着剤、ウレタン系ボンド等のイソシアナート系接着剤等を用いることができる。その他、ケムロック210、ケムロック219、ケムロック603、ケムロック6108、ケムロック6110、ケムロック6125(いずれもロード社商品名)等を用いることができる。
下塗り接着剤3及び上塗り接着剤4は、温調器を用いて30℃〜40℃程度に維持管理されて噴霧塗布に供される。
一般に上述の接着剤は、接着剤成分としてのゴム系樹脂及び合成樹脂等からなる樹脂成分と、配合剤成分としてのシリカ、酸化チタン等の無機酸化物やカーボンブラック等からなる固体成分と、希釈剤としての有機溶剤や水等からなる希釈剤成分とにより構成される。以下、接着剤に含有される希釈剤成分について説明する。
[希釈剤成分]
本明細書において、「希釈剤成分」とは、常温、すなわち約10℃〜約40℃で液体の有機溶剤又は水であり、且つ塗布ガンでの塗布時に用いる接着剤、すなわち希釈後の接着剤(以下、「希釈接着剤」と称することがある。)の状態で10体積%以上含有されるものをいう。
有機溶剤としては、具体的には例えば、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、フェノール等の芳香族系有機溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶剤等、メタノール、エタノールなどのアルコール系有機溶剤等が挙げられる。
上述のごとく、接着剤は、ワーク2の表面に塗布された後、希釈剤成分が蒸発し、接着剤成分及び配合剤成分が接着成分としてワーク2の表面上に残存して接着成分層を形成する。この希釈剤成分が蒸発するときに、液溜まり部分などで上述のベーパーウォッシュ現象が起こり、接着剤成分及び配合剤成分を押しのけて均一な塗膜の形成を妨げ得る。従って、接着剤を塗布するにあたり、接着剤中の希釈剤成分の塗布量をコントロールすることが、ベーパーウォッシュ現象や液だれの発生を抑えて塗布効率を向上させ、均一な接着成分層の形成をもたらすことに繋がると考えられる。
例えば、上述の接着剤は、公開されているMSDSから推察するに、希釈剤成分を約60体積%以上含有している。
一方、本実施形態に係る接着剤塗布方法では、上述の接着剤を体積比で0%から150%希釈して使用する。
なお、本明細書において、「希釈率」とは、接着剤100に対する希釈剤の量を体積百分率(%)で示したものである。例えば接着剤を希釈剤で希釈して使用する場合、希釈率100%とは、接着剤100mLに対して希釈剤100mLを加えることをいう。
従って、下塗り接着剤3及び上塗り接着剤4における、それぞれの全量に対する希釈剤成分の含有量は、好ましくは60体積%以上90体積%以下、より好ましくは70体積%以上87体積%以下、特に好ましくは75体積%以上85体積%以下である。
本構成によれば、効果的に希釈剤成分を蒸発させ、均一な接着成分層を形成することができる。
[本実施形態に係る接着剤塗布装置及び接着剤塗布方法の特徴]
ここに、本実施形態に係る接着剤塗布装置1を用いた接着剤塗布方法は、以下の特徴を有する。
すなわち、下塗り接着剤塗布工程S6で下塗り用塗布ガン10により噴霧塗布される下塗り接着剤3中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量A[mg/mm・s]は、次の式(1)を満たす量に制限される。
なお、Tは、上述のごとく、塗布前ワーク温度確認部31により検出されたワーク2の表面温度[℃]である。
特に塗布前ワーク温度確認部31により検出された表面温度Tが70℃以上150℃以下の場合には、塗布量A[mg/mm・s]は、下記式(3)を満たす値となるように制限される。
A≦0.0047T−0.076 …(3)
また、表面温度Tが60℃以上70℃未満の場合には、塗布量Aは、0.25mg/mm・s以下となるように制限される。
本構成によれば、下塗り接着剤塗布工程S6において塗布される下塗り接着剤3について、当該下塗り接着剤3に含有される希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量Aを上述の式(1)を満たすように制限することにより、液だれが起こることなく下塗り接着剤3をワーク2の表面に均一に塗布することができる。そして、ワーク2の表面温度Tが60℃以上150℃以下に加熱されていることにより、塗布された下塗り接着剤3の希釈剤成分はベーパーウォッシュ現象を起こすことなく速やかに蒸発し、接着剤成分の均一な層が形成される。また、下塗り接着剤3がワーク2の表面に到達した瞬間から希釈剤成分の蒸発が始まり、塗布を続けても液だれが起こることがないので、下塗り接着剤塗布工程S6終了後に別途乾燥炉等による乾燥工程を設ける必要がない。このため、ワーク2を支持する治具7ごと乾燥炉で乾燥させる必要がないので、治具7の数自体を減らすことができるとともに、治具7の汚れ等も低減されるから、接着剤塗布工程全体が簡潔化される。さらに、下塗り接着剤3の塗布時間を調節することにより接着成分層の膜厚をコントロールすることができるので、厚い層を形成する場合であっても、一回の塗布で層を形成することができる。
なお、予熱工程S1及び予熱保温工程S2において、塗布前ワーク温度確認部31により検出されたワーク2の表面温度Tが130℃以上150℃以下となるように加熱された場合、下塗り接着剤塗布工程S6で噴霧塗布される下塗り接着剤3中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量Aは、好ましくは0.63mg/mm・s以下、より好ましくは0.54mg/mm・s以下、特に好ましくは0.46mg/mm・s以下であることが望ましい。
また、予熱工程S1及び予熱保温工程S2において、塗布前ワーク温度確認部31により検出されたワーク2の表面温度Tが100℃以上130℃未満となるように加熱された場合、下塗り接着剤塗布工程S6で噴霧塗布される下塗り接着剤3中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量Aは、好ましくは0.42mg/mm・s未満、より好ましくは0.40mg/mm・s以下、特に好ましくは0.39mg/mm・s以下であることが望ましい。
本構成によれば、ワーク2の表面温度Tを100℃以上150℃以下に加熱しても、下塗り接着剤3の希釈剤成分の塗布量を上記値以下に制限することにより、塗布された下塗り接着剤3の希釈剤成分はベーパーウォッシュ現象を起こすことなく速やかに蒸発する。またワーク2の表面温度Tを100℃以上に高くすることにより、一層希釈剤成分の蒸発速度が上昇し、接着成分層を均一に素早く形成することができる。本構成は、特に、例えば100mm×100mmを超える大型のワークに接着剤を塗布する場合や、下塗り接着剤3に含まれる希釈剤成分の揮発性があまり高くない、例えば希釈剤成分が水等の場合に効果的である。
また、予熱工程S1及び予熱保温工程S2において、塗布前ワーク温度確認部31により検出されたワーク2の表面温度Tが80℃以上100℃未満となるように加熱された場合、下塗り接着剤塗布工程S6で噴霧塗布される下塗り接着剤3中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量Aは、好ましくは0.31mg/mm・s未満、より好ましくは0.30mg/mm・s以下、特に好ましくは0.28mg/mm・s以下であることが望ましい。
さらに、予熱工程S1及び予熱保温工程S2において、塗布前ワーク温度確認部31により検出されたワーク2の表面温度Tが70℃以上80℃未満となるように加熱された場合、下塗り接着剤塗布工程S6で噴霧塗布される下塗り接着剤3中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量Aは、好ましくは0.26mg/mm・s未満、より好ましくは0.25mg/mm・s以下、特に好ましくは0.20mg/mm・s以下であることが望ましい。
また、予熱工程S1及び予熱保温工程S2において、塗布前ワーク温度確認部31により検出されたワーク2の表面温度Tが60℃以上70℃未満となるように加熱された場合、下塗り接着剤塗布工程S6で噴霧塗布される下塗り接着剤3中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量Aは、好ましくは0.25mg/mm・s以下、より好ましくは0.20mg/mm・s以下であることが望ましい。
本構成によれば、ワーク2の表面温度を60℃以上100℃未満に加熱しても、下塗り接着剤3の希釈剤成分の塗布量を上記値以下に制限することにより、塗布された下塗り接着剤3の希釈剤成分はベーパーウォッシュ現象を起こすことなく速やかに蒸発する。また、ワーク2を加熱しつつもワーク2の表面温度を100℃未満に抑えることにより、コストを削減しつつ均一な接着成分層を形成することができる。本構成は、特に100mm×100mm未満の比較的小型のワーク2に接着剤を塗布する場合や、下塗り接着剤3に含まれる希釈剤成分の揮発性が高い場合、例えば希釈剤成分としてメチルイソブチルケトン等の有機溶剤等を含む場合に効果的である。
なお、上塗り接着剤塗布工程S9で噴霧塗布される上塗り接着剤4中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量B[mg/mm・s]も、上述の塗布量Aと同様に、次の式(2)を満たす量とすることが好ましい。
すなわち、上記塗布量Aと同様に、ワーク温度確認部11により検出された表面温度Tが70℃以上150℃以下の場合には、塗布量B[mg/mm・s]は、下記式(4)を満たす値となるように制限される。
B≦0.0047T−0.076 …(4)
また、表面温度Tが60℃以上70℃未満の場合には、塗布量Bは、0.25mg/mm・s以下となるように制限される。
本構成によれば、下塗り接着剤3を塗布したワーク2の表面にさらに上塗り接着剤4を塗布する場合に、下塗り接着剤3又は上塗り接着剤4を乾燥させるための乾燥工程を設ける必要がないため、接着剤塗布工程の作業時間を低減することができる。また、液だれ等が少ない上、乾燥工程を設ける必要がないため、下塗り接着剤3や上塗り接着剤4による装置の汚れ等が低減されるから、接着剤の塗布工程が簡潔化されるとともに、接着剤塗布装置が簡素化及び省スペース化される。
なお、上記塗布量Bについても、上記塗布量Aと同様に、ワーク2の表面温度Tが130℃以上150℃以下となるように加熱された場合、塗布量Bは、好ましくは0.63mg/mm・s以下、より好ましくは0.54mg/mm・s以下、特に好ましくは0.46mg/mm・s以下である。ワーク2の表面温度Tが100℃以上130℃未満となるように加熱された場合、塗布量Bは、好ましくは0.42mg/mm・s未満、より好ましくは0.40mg/mm・s以下、特に好ましくは0.39mg/mm・s以下である。ワーク2の表面温度Tが80℃以上100℃未満となるように加熱された場合、塗布量Bは、好ましくは0.31mg/mm・s未満、より好ましくは0.30mg/mm・s以下、特に好ましくは0.28mg/mm・s以下である。ワーク2の表面温度Tが70℃以上80℃未満となるように加熱された場合、塗布量Bは、好ましくは0.26mg/mm・s未満、より好ましくは0.25mg/mm・s以下、特に好ましくは0.20mg/mm・s以下である。ワーク2の表面温度Tが60℃以上70℃未満となるように加熱された場合、塗布量Bは、好ましくは0.25mg/mm・s以下、より好ましくは0.20mg/mm・s以下である。
(その他の実施形態)
以下、本発明に係る他の実施形態について詳述する。なお、これらの実施形態の説明において、上記実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
上記実施形態に係る接着剤塗布方法では、下塗り接着剤3及び上塗り接着剤4の2種類の接着剤を重ねて塗布する構成であったが、一種類の接着剤を塗布する構成としてもよい。この場合、上塗り接着剤塗布工程S9及び上塗り接着剤塗布状態確認工程S10を行わない構成としてもよい。また、上塗り接着剤塗布工程S9において塗布する接着剤を、下塗り接着剤塗布工程S6において塗布する接着剤と同一の接着剤として、重ね塗りする構成としてもよい。これらは、ワーク2の種類用途に応じて適宜変更することができる。
また、上記実施形態に係る接着剤塗布装置1は、2種類の接着剤を塗布するため、2つの塗布ガンを備える構成であったが、塗布ガンを増減して1種類又は3種類以上の接着剤を塗布する構成としてもよい。
<塗布ガンにより霧化された接着剤の平均粒径について>
塗布ガンから放出される霧化された接着剤粒子の平均粒径について検討を行った。実験条件を表1に示す。
A4用紙に接着剤を表1に示す条件にて噴霧塗布した後、A4用紙表面に付着している接着剤粒子を光学顕微鏡で観察し、接着剤粒子の径を測定した。図5〜図7は、それぞれケムロック205、ケムロック6008、ケムロック6110の光学顕微鏡像を示す。
図5〜図7中に白線で示すスケールは、それぞれ725μm、626μm、531μmである。図5〜図7に示すように、接着剤粒子が付着した部分は暗くなっている。それぞれの視野において、この粒子部分10個所について粒径を測定し、その平均を平均粒径として算出した。
測定した粒径の最大値、最小値及び平均粒径を表2に示す。表2の結果より、いずれの接着剤においても、平均粒径は300μm〜500μmであることが判った。
<ワーク表面温度及び接着剤塗布量の関係について>
塗布ガンのガンダイヤルを変化させて単位時間・単位面積あたりの接着剤の塗布量の閾値を検討した。また、接着剤の希釈率のみを変化させて同様の実験を行い、接着剤に含有される希釈剤の単位時間・単位面積当たりの塗布量の閾値を検討した。検討は、ワーク表面の接着剤塗布状態及び塗布した接着剤の質量とを観察・測量することにより行った。なお、塗布時間は一定とした。測定条件を表3に示す。
塗布ガンは、表1に示すものと同一の塗布ガンを用いた。塗布ガンのガンダイヤルは、1.0mm〜4.5mmまであり、ガンダイヤルを変更することで、接着剤の塗布量を調節できるようになっている。
図3及び図4に示すワーク2に対し、表3に示す条件で、希釈接着剤を塗布した。接着剤としてケムロック205を用い、添加希釈剤としてメチルイソブチルケトン(MIBK)を用い、希釈率は50%、100%、150%とした。
なお、ロード社より公開されているMSDSを参照して、ケムロック205の原液には、希釈剤成分(主としてMIBKである。)が65体積%含有されていると仮定すると、各希釈率におけるケムロック205の接着成分(すなわち、希釈剤成分以外の成分)と希釈剤成分の体積比は表4のようになる。
ここで、接着剤成分及び希釈剤成分の比重をそれぞれ0.94、0.80とすると、接着剤中の希釈剤成分の質量は下記式(5)により算出される。
Y=X×{(65+F)×0.80/[35×0.94+(65+F)×0.80]}
…(5)
但し、式中X、Y、及びFは、それぞれ接着剤の塗布量[mg/mm・s]、希釈剤成分の塗布量[mg/mm・s]、及び希釈率[%]である。
希釈接着剤を塗布したときの希釈接着剤の単位時間・単位面積当たりの塗布量と、希釈剤成分の塗布量の結果を、それぞれ表5〜表7に示す。
表5〜表7において、ワーク表面の塗布状態として、接着剤塗布装置1でOK品と判別されたものは○、NG品と判別されたものは×で記載した。なお、NG品と判別されることが明らかと思われる条件については実験を行わず(−)で表した。
なお、図8は、希釈率150%、ガンダイヤル4.0mmのときのワーク表面の写真である。図8のW1は表面温度Tが100℃、W2は表面温度130℃のものである。W1はNG(×)、W2はOK(○)の塗布状態のものである。W1はワークの表面に白い斑点状の模様が浮き出ているのに対し、W2ではそのような模様は観察されず、接着剤が均一に塗布されて乾燥していることが判る。
表5〜表7の結果によれば、表面温度Tが130℃の場合は、全ての希釈率及びガンダイヤル条件の噴霧塗布において、塗布状態はOK(○)となり、ワーク2の表面全体について均一な接着剤成分層が形成された。
一方、表面温度Tが100℃の場合は、希釈率50%及び100%では、全てのガンダイヤル条件で、塗布状態はOK(○)となったのに対し、希釈率150%では、ガンダイヤル3.0mm以上の条件では、塗布状態はNG(×)となった。
表面温度Tが80℃では、希釈率50%、100%、及び150%において、それぞれガンダイヤル条件2.5mm以上、2.5mm以上、及び2.0mm以上で、塗布状態はNG(×)となった。
そして、表面温度Tが60℃では、希釈率50%、100%、及び150%において、それぞれガンダイヤル条件2.0mm以上、2.0mm以上、及び1.5mm以上で、塗布状態はNG(×)となった。
上記表5〜表7の結果から、ワーク2の表面温度Tが60℃、80℃、及び100℃の場合における単位時間・単位面積当たりの希釈剤成分の塗布量[mg/mm・s]の最大限塗布可能な塗布量(以下、「最大OK塗布量」という。)及び塗布が不可能な最小塗布量(以下、「最小NG塗布量」という。)を判別した。結果を表8に示す。なお、最大OK塗布量を実施例1〜3、最小NG塗布量を比較例1〜3とした。
図9は、表面温度Tに対する実施例1〜3の最大OK塗布量をプロットしたグラフである。図9中、実施例1,2,3の最大OK塗布量は、それぞれ点P1,P2,P3で表される。これら点P1〜P3について、線形近似を行うと直線L1が得られた。直線L1は下記式(6)で表される。
A’=0.0047T−0.076 …(6)
但しA’は単位時間・単位面積当たりの希釈剤成分の最大OK塗布量である。
一方、表8の結果から、比較例1の最小NG塗布量0.26mg/mm・sを超えない塗布量、すなわち0.25mg/mm・s以下の塗布量では、ワーク2の表面温度Tが60℃〜150℃の全範囲において、塗布状態はOK(○)となると考えられる。そこで、図9において、塗布量が0.25mg/mm・sの閾値を直線L2で表した。
直線L1及び直線L2の交点をQ1とすると、Q1における表面温度Tは70℃であった。
以上より、図9において、単位時間・単位面積当たりの希釈剤成分の塗布量A(B)がドットで表される領域にある場合には、良好な塗布状態が得られると考えられる。すなわち、表面温度Tが70℃以上100℃以下の場合には、単位時間・単位面積当たりの希釈剤成分の塗布量A(B)が、次式(7)を満たす場合に塗布状態はOK(○)となると考えられる。
A(B)≦0.0047T−0.076 …(7)
また、表面温度Tが60℃以上70℃未満の場合には、単位時間・単位面積当たりの希釈剤成分の塗布量A(B)が、0.25mg/mm・s以下の場合に塗布状態はOK(○)となると考えられる。
<塗布時間に対する接着成分層の膜厚について>
接着剤としてケムロック205、ケムロック6108及びケムロック6110について、表1の塗布ガンを使用し、塗布時間に対する接着成分層の膜厚を検討した。
なお、接着成分層の膜厚は、払出部9でワーク2を取り出した後に、塗布ガンの塗布中心、すなわち膜厚が最大となる位置において、市販の膜厚計を用いて測定した。
接着剤の塗布条件及び塗布時間に対する接着成分層の膜厚の関係を表9〜表12に示す。
なお、本実験において、ワーク表面の塗布状態は全て良好な結果となっている。また、表10〜表12において、同一の接着剤、同一の塗布時間ではパターン圧が高くなる程、膜厚が小さくなっている。これは、パターン圧が高い程、接着剤の塗布範囲が広がるために、塗布中心での膜厚は小さくなるためと考えられる。
表10〜表12から、パターン圧及び塗布時間を調節することにより、ケムロック205、ケムロック6108、及びケムロック6110では、それぞれ0.88μm以上33μm以下、2.2μm以上49μm以下、及び2.0μm以上46μm以下の膜厚が得られていることが判る。
本発明は、未加硫ゴム部材を加硫接着させる被塗布物の表面に接着剤を塗布する接着剤塗布方法及び接着剤塗布装置において、塗布効率に優れ、一回の塗布で所望の膜厚を有する均一な接着成分層を形成可能な接着剤塗布方法及び接着剤塗布装置を提供することができるので、極めて有用である。
1 接着剤塗布装置
2 ワーク(被塗布物)
3 下塗り接着剤(第1接着剤)
4 上塗り接着剤(第2接着剤)
5 予熱板(加熱手段)
10 下塗り用塗布ガン(第1塗布手段)
13 上塗り用塗布ガン(第2塗布手段)
21 側面(表面)
31 塗布前ワーク温度確認部(表面温度検出手段)

Claims (9)

  1. 未加硫ゴム部材を加硫接着させる被塗布物の表面に接着剤を塗布する接着剤塗布方法であって、
    前記被塗布物を加熱する加熱工程と、
    前記加熱された被塗布物の表面に第1接着剤を噴霧塗布する第1塗布工程と、を備え、
    前記加熱工程で加熱された前記被塗布物の表面温度T[℃]は60℃以上150℃以下であり、
    前記表面温度T[℃]が130℃以上150℃以下の場合、前記第1塗布工程で噴霧塗布される前記第1接着剤中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量A[mg/mm ・s]は0.46mg/mm ・s以下であり、
    前記表面温度T[℃]が100℃以上130℃未満の場合、前記塗布量A[mg/mm ・s]は0.40mg/mm ・s以下であり、
    前記表面温度T[℃]が60℃以上100℃未満の場合、記塗布量A[mg/mm・s]と、前記表面温度T[℃]とは、次の式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする接着剤塗布方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1塗布工程における霧化された前記第1接着剤の平均粒径は500μm以下であることを特徴とする接着剤塗布方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1接着剤の全量に対する前記希釈剤成分の含有量は、60体積%以上90体積%以下であることを特徴とする接着剤塗布方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記第1塗布工程の後に、前記第1接着剤が塗布された前記被塗布物の表面に第2接着剤を噴霧塗布する第2塗布工程をさらに備え、
    前記表面温度T[℃]が130℃以上150℃以下の場合、前記第2塗布工程で噴霧塗布される前記第2接着剤中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量B[mg/mm ・s]は0.46mg/mm ・s以下であり、
    前記表面温度T[℃]が100℃以上130℃未満の場合、前記塗布量B[mg/mm ・s]は0.40mg/mm ・s以下であり、
    前記表面温度T[℃]が60℃以上100℃未満の場合、記塗布量B[mg/mm・s]と、前記表面温度T[℃]とは、次の式(2)で表される関係を満たすことを特徴とする接着剤塗布方法。
  5. 請求項4において、
    第2塗布工程における霧化された前記第2接着剤の平均粒径は500μm以下であることを特徴とする接着剤塗布方法。
  6. 請求項4又は5において、
    前記第2接着剤の全量に対する前記希釈剤成分の含有量は、60体積%以上90体積%以下であることを特徴とする接着剤塗布方法。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項において、
    前記第1塗布工程において前記第1接着剤の塗布を終えてから、前記第2塗布工程において前記第2接着剤の塗布を開始するまでの所要時間は9秒以下であることを特徴とする接着剤塗布方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、
    前記第1塗布工程以降の工程は、全て常温常圧の大気雰囲気下で行われることを特徴とする接着剤塗布方法。
  9. 未加硫ゴム部材を加硫接着させる被塗布物の表面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置であって、
    前記被塗布物を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段により加熱された前記被塗布物の表面に第1接着剤を噴霧塗布するための第1塗布手段と、
    前記加熱手段により加熱された前記被塗布物の表面温度T[℃]を検出する表面温度検出手段と、を備え、
    前記表面温度検出手段により検出された前記被塗布物の表面温度T[℃]は60℃以上150℃以下であり、
    前記表面温度T[℃]が130℃以上150℃以下の場合、前記第1塗布手段により噴霧塗布される前記第1接着剤中の希釈剤成分の単位時間・単位面積当たりの塗布量A[mg/mm ・s]は0.46mg/mm ・s以下であり、
    前記表面温度T[℃]が100℃以上130℃未満の場合、前記塗布量A[mg/mm ・s]は0.40mg/mm ・s以下であり、
    前記表面温度T[℃]が60℃以上100℃未満の場合、記塗布量A[mg/mm・s]と、前記表面温度T[℃]とは、次の式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする接着剤塗布装置。
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