JP6780533B2 - 形状測定システム及び形状測定方法 - Google Patents
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Description
例えば製鉄所において、スラブや厚板といった鋼材を製造するときに、製品品質を損なうおそれのある形状不良は製造段階で早期に発見する必要があることから、製造ラインで鋼材を搬送しながら、光切断法により鋼材の形状測定を行うことが実施されている。
被写体を追尾する技術として、例えば特許文献1にあるように、被写体を含む撮影範囲をズームアウトするように制御する技術が知られている。しかしながら、ズームアウトする場合、空間分解能が変化するため、形状測定に適用するのには適していない。また、例えば特許文献2にあるように、撮影対象に応じて、カメラ自体を動かす技術が知られている。しかしながら、ハードによる追従となるため追従速度が遅く、また、装置の大型化やコストアップという問題がある。
しかしながら、切り出し領域の位置を可変とする場合、以下に述べるような課題がある。例えば撮像画像から部分領域を切り出す撮像装置と、撮像装置から取得した部分領域の画像に基づいて被測定材の形状測定を行う形状測定装置とが通信を行う構成とした場合に、撮像装置において切り出し領域を変更したタイミングを形状測定装置側で正確に把握することが難しい。そのため、撮像装置における切り出し領域と、形状測定装置において認識している切り出し領域とにずれが生じるおそれがあり、その結果、正確な形状測定が行えなくなる。
しかしながら、予め設定登録できる部分画像観察領域の数は限られており、必ずしも任意の領域に対応することはできない。また、操業条件に変更が生じたときには、都度、部分画像観察領域の再設定登録が必要となる。また、部分画像観察領域を変更したタイミングを形状測定装置側で正確に把握できないという問題は依然存在する。
[1] 搬送される被測定材の形状を測定する形状測定システムにおいて、
前記被測定材に、前記被測定材の搬送方向とは直交する方向に延びる帯状光を照射する照明装置と、
前記帯状光が前記被測定材に反射したことに基づく像を撮像し、撮像した撮像画像から、前記撮像画像の一部である部分領域を切り出す撮像装置と、
前記部分領域の画像内の前記像に基づいて前記被測定材の形状測定を行う形状測定装置と、
前記形状測定装置からの指示を前記撮像装置に伝える通信手段と、
前記部分領域についての切り出し領域に関する情報を、前記部分領域の画像に埋め込む埋め込み手段と、
を備え、
前記形状測定装置は、前記像が前記部分領域の画像から外れそうな場合に、前記撮像装置に対して、前記部分領域の前記撮像画像内の位置を変更させる指示を出し、
前記埋め込み手段は、前記切り出し領域に関する情報を、画素値で表わし、前記部分領域の画像内の一又は複数の画素に埋め込むことを特徴とする形状測定システム。
[2] 前記切り出し領域に関する情報は、
前記撮像画像中における、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標、及び、前記搬送方向に対応する方向の前記撮像画像の始点の座標から、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標までの距離、のうち少なくともいずれか一つに対応する情報を含むことを特徴とする[1]に記載の形状測定システム。
[3] 前記切り出し領域に関する情報は、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標から、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の終点の座標までの距離を更に含むことを特徴とする[2]に記載の形状測定システム。
[4] 搬送される被測定材の形状を測定する形状測定方法において、
照明装置を用い、前記被測定材に、前記被測定材の搬送方向とは直交する方向に延びる帯状光を照射する照射ステップと、
撮像装置を用い、前記帯状光が前記被測定材に反射したことに基づく像を撮像し、撮像した撮像画像から、前記撮像画像の一部である部分領域を切り出す撮像ステップと、
形状測定装置を用い、前記部分領域の画像内の前記像に基づいて前記被測定材の形状測定を行う形状測定ステップと、
前記形状測定装置からの指示を前記撮像装置に伝える通信ステップと、
埋め込み手段を用いて、前記部分領域についての切り出し領域に関する情報を、前記部分領域の画像に埋め込む埋め込みステップと、
を有し、
前記形状測定ステップでは、前記像が前記部分領域の画像から外れそうな場合に、前記撮像装置に対して、前記部分領域の前記撮像画像内の位置を変更させる指示を出し、
前記埋め込みステップでは、前記切り出し領域に関する情報を、画素値で表わし、前記部分領域の画像内の一又は複数の画素に埋め込むことを特徴とする形状測定方法。
[5] 前記切り出し領域に関する情報は、
前記撮像画像中における、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標、及び、前記搬送方向に対応する方向の前記撮像画像の始点の座標から、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標までの距離、のうち少なくともいずれか一つに対応する情報を含むことを特徴とする[4]に記載の形状測定方法。
[6] 前記切り出し領域に関する情報は、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標から、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の終点の座標までの距離を更に含むことを特徴とする[5]に記載の形状測定方法。
図1に、実施形態に係る形状測定システムの構成を示す。本実施形態では、製造ラインで帯状体である被測定材(例えば、鉄鋼半製品であるスラブや厚板等の鋼材、アルミ等の非鉄金属材料、プラスチック材、木材、又は、布類等)1を搬送しながら、光切断法により被測定材1の形状測定を行う例を説明する。
形状測定システムは、照明装置2と、撮像装置3と、撮像装置3と相互に通信可能な形状測定装置4と、形状測定装置4の指示を撮像装置3に伝える通信手段5とを備える。
なお、以下では測定対象面が被測定材1の表面(図1における上側の面)である場合を説明するが、測定対象面は表面に限定されない。即ち、測定対象面は被測定材の裏面や任意の側面でもよく、本発明はいずれの場合でも同様に成立する。
なお、照明装置2は、例えば、レーザ光源、LED光源等、公知の種々の光源を用いることができ、また、照明光源自体からの発光自体が帯状となっている光源であってもよく、帯状でない光源に対しスリット等を設けることで帯状光とする構成であってもよい。
本実施形態では、図2に示すように、撮像画像Rは、被測定材1の搬送方向yがY方向となり、被測定材1の幅方向xがX方向となるような対応関係で変換される。
撮像画像Rは、被測定材1の長手方向(搬送方向)yに対応する縦方向Yの縦サイズYRと、被測定材1の幅方向に対応する横方向Xの横サイズXRとを有する。
本実施形態では、被測定材1の幅方向(x方向)に長軸を持つ帯状光を用いた光切断法によって被測定材1の形状測定を行うため、撮像画像Rの縦方向Yには、被測定材1のy方向の位置情報と、被測定材1の表面形状に基づく帯状光の変位の情報、即ち、被測定材1の高さ方向(z方向)の情報が含まれることになる。
ここで、搬送中の被測定材1にばたつきや振動が生じると、被測定材1の表面に照射された帯状光が被測定材1の高さ方向(z方向)にずれ動くことがあるので、縦サイズYRは、想定される範囲内でばたつきや振動が生じたときにも、帯状光が写り込むように設定されている。また、横サイズXRは、被測定材1のx方向に沿った測定対象範囲を収めるように設定されている。なお、例えば鋼材のように、被測定材1が蛇行する場合には、予め想定される蛇行量を考慮して、横サイズXRを広く設定することも可能である。
撮像装置3では、撮像画像Rから、縦サイズYRよりも小さい所定の縦サイズYROI及び横サイズXRの矩形領域をROIとして切り出して、そのROI画像を形状測定装置4に伝送する。その際、撮像画像RからROIを切り出す位置を縦サイズ方向で可変としている。
このように撮像画像RからROIを切り出す方式では、帯状光がずれ動いたときにはROIとする切り出し領域を変更することにより、帯状光の視野外れを防ぐとともに、撮像画像Rの全体ではなくROI画像を伝送すればよいので通信量を抑えることができる。そのため、フレームレートを上げることができ、より高速な搬送が行われる製造ラインにおいても、形状測定が可能となる。しかも、空間分解能が変化することなく、また、カメラ自体を動かすのではないので装置の大型化やコストアップを防ぐことができる。
通信手段5は、公知の電気通信回線や周辺機器によって構成され、形状測定装置4と撮像装置3とを接続するものであり、後述するROIの変更指示等の電気信号を、形状測定装置4から撮像装置3へと伝達する手段である。なお、形状測定装置4と撮像装置3とで相互に信号のやり取りができるようにしてあってもよい。
形状測定装置4において、401は指示部であり、搬送中の被測定材1のばたつきや振動により帯状光の輝線(光切断線101)がずれ動き、ROIから外れそうであると判断したときに、視野外れを防ぐために、通信手段5を介して、撮像装置3にROIの変更指示を出力する。ROIの変更指示には、ROIとする切り出し領域を、撮像画像Rの中のどの位置にするかについての指示を含む。
ROI情報としては、図2に示すように、ROIの始点となるy座標yROI、又は撮像画像Rの始点となるY座標Y0からY座標Y1までの距離lが必要となる。本実施形態では、ROIの縦サイズYROIを一定としており、縦サイズYROIの情報を撮像装置3及び形状測定装置4で共有しておけば、ROIの縦サイズYROIをROI情報として含まなくてもよい。撮像画像が例えば8ビット画像である場合、画素値として取りうる値は0〜255であり、Y座標Y1や距離lを0〜255の数値で表わして所定の画素に埋め込むことができる。
形状測定装置4がROIの変更指示を行ってから、撮像装置3でROIの変更が完了するまでにかかる時間は、通信状況や撮像装置3の動作状況等により変動するため、不確定要素といえる。形状測定装置4と撮像装置3との通信を行う通信手段5では、USBやシリアル通信、イーサネット(登録商標)等の汎用方式が用いられることから、撮像手段3でROIの変更が完了するタイミングを、形状測定装置4側で予め又は同時進行的に把握することは、原理的に不可能である。
形状測定装置4は、光切断線101がROIから外れそうになったときに、視野外れを防ぐために、撮像装置3にROIの変更指示を出力する(ステップS2)。
撮像装置3は、形状測定装置4からのROIの変更指示に従って、ROIの変更を実施するが、タイミング等によっては、ROIの変更が完了する(ステップS4)までの間に、変更前のROI画像を形状測定装置4に伝送することがある(ステップS3)。
本実施形態ではROIの縦サイズYROIを一定とする例を説明したが、縦サイズYROIも可変とし、所定の画素のうち一部の画素に縦サイズYROIの情報を埋め込むようにしてもよい。
また、本実施形態では撮像画像Rの横サイズXRをそのままROIの横サイズとする例を説明したが、ROIの縦サイズに加えて又は替えて、ROIの横サイズを可変とするようにしてもよい。ROIの縦サイズ及び横サイズの両方を可変とする場合、ROI情報としては、例えばROIの四隅のうち対角線上の2点の座標(始点座標及び終点座標)が分かればよい。そこで、4つの所定の画素を用意し、始点座標のx座標及びy座標、終点座標のx座標及びy座標をそれぞれ画素値で表わして、各画素に埋め込めばよい。
2:照明装置
3:撮像装置
4:形状測定装置
5:通信手段
301:切り出し部
302:埋め込み部
401:指示部
402:読み取り部
403:画像処理部
Claims (6)
- 搬送される被測定材の形状を測定する形状測定システムにおいて、
前記被測定材に、前記被測定材の搬送方向とは直交する方向に延びる帯状光を照射する照明装置と、
前記帯状光が前記被測定材に反射したことに基づく像を撮像し、撮像した撮像画像から、前記撮像画像の一部である部分領域を切り出す撮像装置と、
前記部分領域の画像内の前記像に基づいて前記被測定材の形状測定を行う形状測定装置と、
前記形状測定装置からの指示を前記撮像装置に伝える通信手段と、
前記部分領域についての切り出し領域に関する情報を、前記部分領域の画像に埋め込む埋め込み手段と、
を備え、
前記形状測定装置は、前記像が前記部分領域の画像から外れそうな場合に、前記撮像装置に対して、前記部分領域の前記撮像画像内の位置を変更させる指示を出し、
前記埋め込み手段は、前記切り出し領域に関する情報を、画素値で表わし、前記部分領域の画像内の一又は複数の画素に埋め込むことを特徴とする形状測定システム。 - 前記切り出し領域に関する情報は、
前記撮像画像中における、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標、及び、前記搬送方向に対応する方向の前記撮像画像の始点の座標から、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標までの距離、のうち少なくともいずれか一つに対応する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の形状測定システム。 - 前記切り出し領域に関する情報は、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標から、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の終点の座標までの距離を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の形状測定システム。
- 搬送される被測定材の形状を測定する形状測定方法において、
照明装置を用い、前記被測定材に、前記被測定材の搬送方向とは直交する方向に延びる帯状光を照射する照射ステップと、
撮像装置を用い、前記帯状光が前記被測定材に反射したことに基づく像を撮像し、撮像した撮像画像から、前記撮像画像の一部である部分領域を切り出す撮像ステップと、
形状測定装置を用い、前記部分領域の画像内の前記像に基づいて前記被測定材の形状測定を行う形状測定ステップと、
前記形状測定装置からの指示を前記撮像装置に伝える通信ステップと、
埋め込み手段を用いて、前記部分領域についての切り出し領域に関する情報を、前記部分領域の画像に埋め込む埋め込みステップと、
を有し、
前記形状測定ステップでは、前記像が前記部分領域の画像から外れそうな場合に、前記撮像装置に対して、前記部分領域の前記撮像画像内の位置を変更させる指示を出し、
前記埋め込みステップでは、前記切り出し領域に関する情報を、画素値で表わし、前記部分領域の画像内の一又は複数の画素に埋め込むことを特徴とする形状測定方法。 - 前記切り出し領域に関する情報は、
前記撮像画像中における、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標、及び、前記搬送方向に対応する方向の前記撮像画像の始点の座標から、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標までの距離、のうち少なくともいずれか一つに対応する情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の形状測定方法。 - 前記切り出し領域に関する情報は、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の始点の座標から、前記搬送方向に対応する方向の前記部分領域の終点の座標までの距離を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の形状測定方法。
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