以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態の電池モジュールの全体構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す電池モジュールの平面図である。図3は、図2のIII-III線に沿った断面図である。ただし、図3においては、電池セルのケース内の構造を省略している。図4は、電池セル及びセルホルダを示す斜視図である。図1〜図4に示すように、電池モジュール1は、複数(一例として13個)の電池セル2を有する。各電池セル2は、セルホルダ3に保持された状態で一方向に沿って配列されている。以下の説明において、複数の電池セル2の配列方向をX軸方向、電池セル2の幅方向(後述する電極端子8,8の配列方向)をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する高さ方向をZ軸方向とする。また、以下の説明では、適宜、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向として、「上」、「下」、「左」、「右」、「後」、及び「前」を用いる。
図1及び図2に示すように、電池モジュール1のX軸方向における両端には、一対のエンドプレート4A,4Bが設けられている。X軸方向に配列された複数の電池セル2の両端には、エンドプレート4Aと中間プレート5とが配置されている。エンドプレート4A,4B、及び中間プレート5は、例えば金属によって矩形の平板状に形成されている。中間プレート5とエンドプレート4Bとの間には、弾性体6が配置されている。エンドプレート4A,4B、中間プレート5、及び各セルホルダ3には、ボルトBが挿通されている。ボルトBは、一方のエンドプレート4Aから他方のエンドプレート4Bに向けて挿通され、他方のエンドプレート4B側でナットNに螺合されている。これにより、各電池セル2が挟持されてユニット化されている。また、各電池セル2及び弾性体6には、ナットNの締結力によって、X軸方向に所定の拘束荷重が付加される。
弾性体6は、電池セル2に膨張が生じた場合に、拘束荷重による電池セル2、エンドプレート4A,4B、及び拘束部材(ボルトB及びナットN)の破損を防止する目的で用いられる部材である。弾性体6は、例えばウレタン製のゴムスポンジによって矩形の板状に形成されている。弾性体6の他の形成材料としては、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、シリコンゴム等が挙げられる。
電池セル2は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。電池セル2は、非水系の電解液が注入されたケース7内に電極組立体を収容して構成されている。電極組立体は、正極、負極、及びセパレータを所定の順序で積層したものである。一例として、袋状のセパレータ内にシート状の正極が収容されており、正極が収容された袋状のセパレータとシート状の負極とが交互に積層されている。
図3及び図4に示すように、ケース7は、電極組立体を収容する有底箱状の本体部71と、本体部71の開口部を閉塞する板状の蓋部72とを有する。蓋部72の上面72aには、一対の電極端子8,8が互いに離間して設けられている。電極端子8,8の一方は、電極組立体の正極に接続された正極端子であり、電極端子8,8の他方は、電極組立体の負極に接続された負極端子である。隣接する電池セル2,2は、正極端子と負極端子とが互いに隣り合うように配列され、隣り合う正極端子と負極端子とをバスバー9で接続することにより、電気的に直列に接続されている。
蓋部72の上面72aにおける電極端子8,8間には、ケース7内のガスを排出するための開放弁10が設けられている。開放弁10は、例えば、ケース7の内圧が閾値まで上昇したときに、破断してケース7内のガスを開放する。閾値は、例えば、ケース7の内圧によってケース7が破損してしまう前に開放弁10が破断するように設定される。なお、開放弁10は、上述のように破断することなく、ケース7の内圧が閾値より大きくなったときに開弁し、ケース7の内圧が閾値以下であるときに閉塞する開閉弁であってもよい。
図4に示すように、セルホルダ3は、矩形平板状の下面部31と、一対の側面部32,32と、側面部33と、一対の脚部34,34と、一対の端子収容部35,35と、一対の柱部材36,36と、一対の突出部37,37とを有する。
下面部31は、電池セル2の底面を覆う板状部材である。側面部32,32は、下面部31のY軸方向両端に互いに対向するように配置され、Z軸方向に延在する板状部材である。側面部32,32は、電池セル2のY軸方向に交差する側面を覆う。側面部33は、側面部32,32を接続する板状部材である。側面部33は、電池セル2のX軸方向に交差する主面の一方を支持する。
脚部34,34は、側面部32,32の下端部に設けられている。脚部34には、X軸方向に貫通する挿通孔34aが設けられている。挿通孔34aには、上述したボルトBが挿通される。
端子収容部35,35は、側面部33の上端33aのY軸方向両端に設けられている。端子収容部35,35は、側面部32,32に連設するように設けられている。端子収容部35は、電池セル2の電極端子8を囲う部分であり、X軸方向にU字状に開口している。
柱部材36,36は、側面部33の上端33aにおいて、端子収容部35,35に隣接する位置に設けられている。柱部材36は、X軸方向に延在する四角柱状の部材である。柱部材36には、X軸方向に貫通する挿通孔36aが設けられている。挿通孔36aには、上述したボルトBが挿通される。
セルホルダ3では、下面部31、側面部32,32、側面部33、及び柱部材36,36によって囲まれる空間によって、電池セル2が収容される空間S1が形成されている。
突出部37,37は、側面部32,32の上端位置からさらにZ軸方向に延在する部分である。突出部37,37の内側面には、Y軸方向に突出する突起38が設けられている。突起38は、後述するバスバーカバー11が電池モジュール1から外れてしまうことを防止するために設けられている(図3参照)。
図1〜図3に示すように、電池モジュール1は、複数の電池セル2の上面(すなわち、開放弁10が設けられた蓋部72の上面72a)を覆うバスバーカバー11を有する。バスバーカバー11は、X軸方向に沿って配置される第1カバー部材12、第2カバー部材13、及び第3カバー部材14から構成されている。第1カバー部材12、第2カバー部材13、及び第3カバー部材14は、中間プレート5からエンドプレート4Aに向かって、順に配置されている。これらのカバー部材は、例えば難燃性の高い66ナイロン等の合成樹脂等によって形成されている。
図1及び図2に示すように、第1カバー部材12の上面側(第1カバー部材12を挟んで複数の電池セル2とは反対側)には、収容ケース16に収容された監視ECU(Electronic Control Unit)15(制御装置)が配置されている。監視ECU15は、電池セル2の状態(例えば電圧等)を監視し、電池セル2の異常を検知した場合に放電の遮断等を行う電子部品である。なお、バスバーカバー11上には、監視ECU15以外の電子部品(例えば電流センサ等)及び配線等が設けられてもよい。
図5は、監視ECU、収容ケース、及び第1カバー部材の分解斜視図である。図5に示すように、監視ECU15は、矩形板状の基板151と、基板151の下面151bに設けられた4つのコネクタ受け部152A〜152Dとを有する。監視ECU15は、基板151の長手方向がX軸方向に沿い、基板151の短手方向がY軸方向に沿うように、収容ケース16を介して第1カバー部材12に固定されている。基板151は、Z軸方向に交差する面(上面151a及び下面151b)と、X軸方向に交差する面(左側面151c及び右側面151d)と、Y軸方向に交差する面(前面151e及び後面151f)とを有する。
基板151の主面(上面151a及び下面151b)の四隅には、Z軸方向に貫通する挿通孔151gが設けられている。コネクタ受け部152A,152Bは、受け口が前方を向くようにして、下面151bの前端部に設けられている。コネクタ受け部152A,152Bは、前面151eよりも前方に突出している。コネクタ受け部152C,152Dは、受け口が右方向を向くようにして、下面151bの右端部に設けられている。コネクタ受け部152C,152Dは、右側面151dよりも右方向に突出している。コネクタ受け部152A〜152Dのうち、コネクタ受け部152Aは、電池セル2と電気的に接続される配線H(例えば高電圧ラインである電圧検出用ハーネス)のコネクタCが連結される部分である。コネクタCは、樹脂で形成されている。当該樹脂によって、コネクタ受け部152Aに電気的に接続される複数のピンが保持されている。
収容ケース16は、基板151の下面151bを覆う第1ケース部材18と、基板151の上面151aを覆う第2ケース部材19とを有する。
第1ケース部材18は、基板151の下面151bに対向する矩形板状の底板部181と、底板部181の左端部に接続され、収容ケース16の外側(左方向)に延在する矩形板状の延在部182とを有する。延在部182と底板部181との間には、延在部182の上面が底板部181の上面181aよりも上方に位置するように段差が設けられている。
底板部181の右側縁部の2つの隅部には、基板151の右側縁部の2つの隅部に設けられた挿通孔151gに対応するネジ穴183aを有する円柱部材183が設けられている。同様に、延在部182の左側縁部の2つの隅部には、基板151の左側縁部の2つの隅部に設けられた挿通孔151gに対応するネジ穴184aを有する円柱部材184が設けられている。基板151の各挿通孔151gに対して上からネジN1が挿通され、当該ネジN1が各円柱部材183,184のネジ穴183a,184aに螺合されることにより、監視ECU15は、第1ケース部材18に固定される。
円柱部材183の高さ幅(Z軸方向における長さ)は、コネクタ受け部152A〜152Dの高さ幅と略一致している。また、円柱部材184の高さ幅は、底板部181と延在部182bとの間の段差分(すなわち、底板部181の上面181aと延在部182bの上面とのZ軸方向における距離)だけ、円柱部材183の高さ幅よりも小さくなっている。これにより、監視ECU15は、基板151の主面(上面151a及び下面151b)が底板部181の主面(上面181a及び下面181b)と平行となり、且つ、コネクタ受け部152A〜152Dの下面が底板部181の上面181aに当接した状態で、第1ケース部材18に支持される。
底板部181の前後方向(Y軸方向)に交差する各端部の左右方向(X軸方向)両側部分には、外側に向かって前後方向に延在する矩形板状の延在部185が設けられている。底板部181と延在部185との間には、延在部185の上面が底板部181の上面181aよりも下方に位置するように段差が設けられている。各延在部185には、Z軸方向に貫通する挿通孔185aが設けられている。なお、底板部181の前端部の左側部分に設けられた延在部185Aの前後幅は、他の延在部185の前後幅よりも大きくなっている。
延在部182の左端部には、Y軸方向に対向する一対の延在部186,186が設けられている。各延在部186は、延在部182の左端部から外側(左側)に延在する矩形板状の部材である。各延在部186と延在部182との間には、各延在部186の上面が延在部182の上面よりも上方に位置するように段差が設けられている。これにより、各延在部186は、底板部181よりも上方にずれた高さ位置において、収容ケース16の外側に延在している。各延在部186には、Z軸方向に貫通するネジ孔186aが設けられている。
底板部181の右側縁部の前端部には、延在部187Aが設けられている。延在部187Aは、底板部181の右側縁部の前端部から外側(前側)に延在する矩形板状の部材である。延在部187Aと底板部181との間には、延在部187Aの上面が底板部181の上面181aよりも上方に位置するように段差が設けられている。同様に、底板部181の右側縁部の後端部には、延在部187Bが設けられている。延在部187Bは、底板部181の右側縁部の後端部から外側(後側)に延在する矩形板状の部材である。延在部187Bと底板部181との間には、延在部187Bの上面が底板部181の上面181aよりも上方に位置するように段差が設けられている。延在部187A,187Bのそれぞれには、Z軸方向に貫通するネジ孔187aが設けられている。
底板部181の前端部における2つの延在部185の間には、上方に立設された矩形板状の立設部188が設けられている。立設部188の位置、横幅(X軸方向における長さ)、及び高さ幅は、監視ECU15及び第2ケース部材19が第1ケース部材18に取り付けられた状態において、立設部188がコネクタ受け部152Aとコネクタ受け部152Bとの間に収まり、立設部188の上端が第2ケース部材19の切欠き部192aに当接するように設定されている。
底板部181の後端部における2つの延在部185の間には、上方に立設された矩形板状の立設部189が設けられている。立設部189の位置、横幅、及び高さ幅は、第2ケース部材19が第1ケース部材18に取り付けられた状態において、立設部189が第2ケース部材19の切欠き部193aに嵌まるように設定されている。
第2ケース部材19は、第1ケース部材18に取り付けられる部材である。第2ケース部材19は、略箱状に形成されている。第2ケース部材19は、基板151の上面151aに対向する矩形板状の天板部191と、天板部191の各端部において下方に立設された側壁部192,193,194,195とを有する。
側壁部192は、天板部191の前端部において下方に立設された板状部材である。側壁部192の左側部分(延在部182の前端部を覆う部分)の高さ幅は、第2ケース部材19が第1ケース部材18に取り付けられた状態において、側壁部192の下端部の高さ位置と延在部182の下面の高さ位置とが略一致するように設定されている。一方、側壁部192の右側部分(底板部181の前端部を覆う部分)の高さ幅は、第2ケース部材19が第1ケース部材18に取り付けられた状態において、側壁部192の下端部の高さ位置と底板部181の下面181bの高さ位置とが略一致するように設定されている。側壁部192には、監視ECU15のコネクタ受け部152A,152Bとの干渉を避けるために、側壁部192の下側部分の一部が切り欠かれることで、切欠き部192aが形成されている。
側壁部192の右側縁部には、側壁部192の下側部分の一部が切り欠かれ、当該切欠きの上端位置から外側(前側)に延在する延在部196Aが設けられている。延在部196Aは、側壁部192の右側縁部から外側(前側)に延在する矩形板状の部材である。延在部196Aの上面は、天板部191の上面191aよりも下方に位置している。延在部196Aには、Z軸方向に貫通する挿通孔196aが設けられている。延在部196Aは、Z軸方向から見て、当該延在部196Aの挿通孔196aが延在部187Aのネジ孔187aと重なるように配置されている。
側壁部193は、天板部191の後端部において下方に立設された板状部材である。側壁部193の左側部分(延在部182の後端部を覆う部分)の高さ幅は、第2ケース部材19が第1ケース部材18に取り付けられた状態において、側壁部193の下端部の高さ位置と延在部182の下面の高さ位置とが略一致するように設定されている。一方、側壁部193の右側部分(底板部181の後端部を覆う部分)の高さ幅は、第2ケース部材19が第1ケース部材18に取り付けられた状態において、側壁部193の下端の高さ位置と底板部181の下面181bの高さ位置とが略一致するように設定されている。側壁部193には、第1ケース部材18の立設部189が嵌まるように、側壁部192の下側部分の一部が切り欠かれることで、切欠き部193aが形成されている。
側壁部193の右側縁部には、側壁部193の下側部分の一部が切り欠かれ、当該切欠きの上端位置から外側(後側)に延在する延在部196Bが設けられている。延在部196Bは、側壁部193の右側縁部から外側(後側)に延在する矩形板状の部材である。延在部196Bの上面は、天板部191の上面191aよりも下方に位置している。延在部196Bには、Z軸方向に貫通する挿通孔196aが設けられている。延在部196Bは、Z軸方向から見て、当該延在部196Bの挿通孔196aが延在部187Bのネジ孔187aと重なるように配置されている。
側壁部194は、天板部191の左端部において下方に立設された板状部材である。側壁部194には、側壁部194の下側部分の一部が切り欠かれ、当該切欠きの上端位置から外側(左側)に延在する一対の延在部197,197が、Y軸方向に互いに対向するようにして設けられている。各延在部197は、側壁部194から外側(左側)に延在する矩形板状の部材である。各延在部197の上面は、天板部191の上面191aよりも下方に位置している。すなわち、各延在部197は、天板部191よりも下方にずれた高さ位置において、収容ケース16の外側に延在している。各延在部197には、Z軸方向に貫通する挿通孔197aが設けられている。各延在部197は、Z軸方向から見て、各延在部197の挿通孔197aが各延在部186のネジ孔186aと重なるように配置されている。
側壁部195は、天板部191の右端部において下方に立設された板状部材である。側壁部195には、監視ECU15のコネクタ受け部152C,152Dとの干渉を避けるために、側壁部195の下側部分の一部が切り欠かれることで、切欠き部195aが形成されている。
延在部196A,196Bの挿通孔196aには、上からネジN3が挿通され、当該ネジN3が延在部187A,187Bのネジ孔187aに螺合される。また、各延在部197の挿通孔197aには、上からネジN4が挿通され、当該ネジN4が各延在部186のネジ孔186aに螺合される。これにより、第2ケース部材19は、第1ケース部材18に固定される。ここで、延在部186,187A,187Bにおいて、ネジ孔186a,187aの代わりに、ネジ溝が切られていない貫通孔が設けられてもよい。この場合、延在部186,187A,187Bの下面側にネジN3,N4が螺合されるナットが配置されればよい。
第1カバー部材12は、底板121と、一対の側壁122,122と、立設部123,124,125とを有する。底板121は、矩形板状の部材であり、電池セル2の上面(蓋部72の上面72a)を覆うように設けられている。第1カバー部材12は、例えば中間プレート5に固定される。側壁122,122は、底板121のY軸方向両端において上方に立設されており、互いに対向している。
立設部123,124,125は、底板121の上面121a(外面)に立設されている。立設部123は、底板121のX軸方向における中間位置よりもやや左側の位置で、側壁122,122を接続するようにY軸方向に延在している。立設部124は、後側の側壁122のX軸方向における中間位置よりもやや右側の位置から、底板121の右端部のY軸方向における中間位置よりもやや後側の位置にかけて、Z軸方向から見て略L字状に連続するように設けられている。立設部125は、前側の側壁122のX軸方向における中間位置よりもやや右側の位置から、底板121の右端部のY軸方向における中間位置よりもやや前側の位置にかけて、Z軸方向から見て略L字状に連続するように設けられている。立設部123,124,125の高さ幅は、互いに等しく、側壁122の高さ幅よりも小さい。
底板121の上面121aには、それぞれネジ穴126aを有する4つの円柱部材126が設けられている。4つの円柱部材126は、Z軸方向から見て、第1ケース部材18の4つの延在部185の挿通孔185aと各円柱部材126のネジ穴126aとが重なるように配置されている。第1ケース部材18の各延在部185の挿通孔185aにネジN2が挿通され、当該ネジN2が各円柱部材126のネジ穴126aに螺合されることにより、第1ケース部材18は、第1カバー部材12に固定される。
底板121の下面121b(内面)には、X軸方向に延在する一対の立設部127,127が設けられている。立設部127,127は、下面121bから下方に突出しており、電池セル2の開放弁10を挟んで互いに対向するように配置されている。立設部127,127は、下面121bの左端部から右端部にかけて設けられている。また、第1カバー部材12の左端部には、第2カバー部材13と重ねて配置するための重複部128が設けられている。重複部128は、底板121及び側壁122,122の厚さが他の部分の半分となるように、底板121及び側壁122,122の内側部分が切り欠かれて形成された段差部分である。
第1ケース部材18が第1カバー部材12に固定された状態において、第1ケース部材18の底板部181の下面181bは、立設部123,124,125の上端部に当接する。そして、底板部181の下面181bと、底板121の上面121aと、立設部123,124,125との間に、収容空間S2が形成される。収容空間S2には、コネクタ受け部152Aに連結されるコネクタCの配線Hが収容される(図7参照)。
図6は、(a)第2カバー部材の斜視図及び(b)第3カバー部材の斜視図である。図6の(a)に示すように、第2カバー部材13は、底板131と、一対の側壁132,132と、X軸方向に延在する一対の立設部133,133とを有する。底板131及び側壁132,132は、第1カバー部材12の底板121及び側壁122と同様の構成をなしている。第2カバー部材13の右端部(第1カバー部材12側の端部)には、第1カバー部材12の重複部128と重ねて配置するための重複部134が設けられている。重複部134は、底板131及び側壁132,132の厚さが他の部分の半分となるように、底板131及び側壁132,132の外側部分が切り欠かれて形成された段差部分である。第2カバー部材13の左端部(第3カバー部材14側の端部)には、第3カバー部材14の重複部144と重ねて配置するための重複部135が設けられている。重複部135は、底板131及び側壁132,132の厚さが他の部分の半分となるように、底板131及び側壁132,132の外側部分が切り欠かれて形成された段差部分である。立設部133,133は、底板131の下面131aから下方に突出しており、電池セル2の開放弁10を挟んで互いに対向するように配置されている(図3参照)。立設部133,133は、底板131の下面131aのうち重複部134,135が設けられていない部分に設けられている。
図6の(b)に示すように、第3カバー部材14は、底板141と、一対の側壁142,142と、X軸方向に延在する一対の立設部143,143とを有する。第3カバー部材14は、例えばエンドプレート4Aに固定される。底板141及び側壁142,142は、第1カバー部材12の底板121及び側壁122と同様の構成をなしている。第3カバー部材14の右端部(第2カバー部材13側の端部)には、第2カバー部材13の重複部135と重ねて配置するための重複部144が設けられている。重複部144は、底板141及び側壁142,142の厚さが他の部分の半分となるように、底板141及び側壁142,142の内側部分が切り欠かれて形成された段差部分である。立設部143,143は、底板141の下面141aから下方に突出しており、電池セル2の開放弁10を挟んで互いに対向するように配置されている。立設部143,143は、下面141aの左端部から右端部にかけて形成されている。
次に、収容ケース16の構造に基づく作用効果について説明する。図7は、図3のVII−VIIに示す一部断面図である。図3及び図7に示すように、延在部186は、底板部181よりも上方にずれた高さ位置において収容ケース16の外側に延在している。その結果として、延在部186,197を締結するネジN4(締結部材)の下端部(バスバーカバー11側の端部)は、底板部181の下面181bと延在部186の下面との間に位置している。すなわち、ネジN4の下端部は、底板部181の下面181bに沿った平面よりもバスバーカバー11側に突出していない。
上記位置関係により、例えば、収容ケース16に衝撃が加わって収容ケース16の左側(延在部186,197が設けられている側)がバスバーカバー11に近付くように傾くような場合において、ネジN4の下端部がバスバーカバー11に衝突するおそれを低減できる。また、ネジN4の下端部がバスバーカバー11に衝突するおそれが低減されていることにより、延在部186,197がZ軸方向から見て第2カバー部材13と重なることを許容して、収容ケース16を第1カバー部材12に取り付けることが可能となっている。具体的には、図7に示すように、延在部186,197がZ軸方向から見て第1カバー部材12と第2カバー部材13との接続部分(重複部128と重複部134とが重なる領域)に重なることを許容して、収容ケース16は、収容ケース16の長手方向がX軸方向(電池セル2の配列方向)に沿うようにして、第1カバー部材12に取り付けられている。これにより、延在部186,197がZ軸方向から見て第1カバー部材12と第2カバー部材13との接続部分と重なることを回避する必要がなく、収容ケース16の長手方向がY軸方向に沿うように、収容ケース16を第1カバー部材12に取り付ける必要がない。その結果、Y軸方向におけるバスバーカバー11の幅、ひいては電池モジュール1自体の幅を収容ケース16の長手方向の幅よりも大きくする必要がなく、電池モジュール1の大型化が抑制される。従って、電池モジュール1によれば、電池モジュール1の小型化を図りつつ、監視ECU15の収容ケース16を締結するネジN4による電池モジュール1の構成部品(例えば、バスバー9や電池セル2のケース7等)の損傷を抑制できる。
また、延在部197は、天板部191よりも下方にずれた高さ位置において収容ケース16の外側に延在している。その結果として、ネジN4の上端部は、天板部191の上面191aと延在部197の上面との間に位置している。すなわち、ネジN4の上端部は、天板部191の上面191aに沿った平面よりも外側(上方)に突出していない。
上記位置関係により、例えば収容ケース16に衝撃が加わって収容ケース16の左側(延在部186,197が設けられている側)がバスバーカバー11から離れる方向(上方)に傾くような場合であっても、ネジN4の上端部が他の部材に衝突し、当該他の部材が損傷してしまうことを抑制できる。ここでいう「他の部材」とは、例えば、電池モジュール1を収容する電池パックの外壁、及び電池パック内に収容される他の電池モジュール等である。なお、上記効果は、締結部材としてのネジN4の代わりに、角張った頭部を有し、接触による衝撃で他の部材を傷つけ易いボルトが用いられる場合等において、特に顕著となる。
また、本実施形態では、第1カバー部材12に設けられた立設部123,124,125によって第1カバー部材12の底板121の上面121aと第1ケース部材18の底板部181の下面181bとの間に、配線Hを収容するための収容空間S2が形成されている。そして、この収容空間S2の分(すなわち、立設部123,124,125の高さ分)だけ、ネジN4の下端部とバスバーカバー11との距離が大きくされている(図7参照)。その結果、収容ケース16に衝撃が加わって収容ケース16の左側がバスバーカバー11に近付く方向に傾くような場合において、ネジN4の下端部がバスバーカバー11に衝突するおそれを一層低減できる。
次に、排ガス流路S3と監視ECU15のコネクタ受け部152Aとの位置関係について説明する。まず、排ガス流路S3について説明する。図8は、バスバーカバー11を下方から見た底面図である。第1カバー部材12、第2カバー部材13、及び第3カバー部材14がX軸方向に沿って電池セル2の上面を覆うように配置された状態において、立設部127、立設部133、及び立設部143は、X軸方向に沿って連続する(図8参照)。すなわち、下面121b,131a,141a、立設部127,133,143、及び複数の電池セル2の上面(蓋部72の上面72a)によって囲まれるX軸方向に延在する空間によって、開放弁10から排出される排ガスを流通させる排ガス流路S3が形成される(図3及び図8参照)。
排ガス流路S3は、X軸方向において互いに反対側に位置する右端部20(第1の端部)及び左端部21(第2の端部)を有する。排ガス流路S3を流通する排ガスは、右端部20又は左端部21から電池モジュール1の外に排出される。右端部20は、下面121b、立設部127、及び第1カバー部材12の下方に位置する電池セル2の上面によって形成される開口端である。また、左端部21は、下面141a、立設部143、及び第3カバー部材14の下方に位置する電池セル2の上面によって形成される開口端である。本実施形態では、監視ECU15が第1カバー部材12上に配置されていることから、コネクタ受け部152Aは、X軸方向において、左端部21よりも右端部20に近い位置に配置されている。
例えば、コネクタ受け部が排ガス流路の直上の位置において排ガス流路から排出される方向を向くように配置される場合、排ガス流路から排出される高温の排ガスがコネクタ受け部(及びコネクタ受け部に連結されるコネクタ)に与える影響が大きくなる。しかし、本実施形態では、図7に示すように、コネクタ受け部152Aは、Y軸方向を向いている。すなわち、コネクタ受け部152Aは、排ガス流路S3から排ガスが排出される方向(X軸方向)に交差する方向を向いている。これにより、排ガス流路S3から排出される高温の排ガスがコネクタ受け部152Aに連結されるコネクタCに及ぼす熱影響が低減される。さらに、図8に示すように、コネクタ受け部152Aは、Z軸方向から見て、排ガス流路S3と重ならないように設けられている。これにより、排ガス流路S3を流通する排ガスがコネクタ受け部152Aに連結されるコネクタCに及ぼす熱影響も低減される。以上により、電池モジュール1によれば、監視ECU15に連結されるコネクタCへの熱影響を低減できる。その結果、コネクタCが熱に弱い材料(例えば樹脂)で形成されている場合であっても、コネクタCの溶け落ち等の発生を抑制することができる。例えば、コネクタCを形成する樹脂が高温下において溶け落ち、樹脂に保持されているピン同士が接触して短絡してしまうといった事態の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、バスバーカバー11は、X軸方向に沿って配置された複数のカバー部材(第1カバー部材12、第2カバー部材13、及び第3カバー部材14)を有する。このようにバスバーカバー11が複数のカバー部材からなる場合、電池セル2の熱膨張によってカバー部材同士の接続部分に隙間が生じ、当該隙間から排ガス流路S3内の排ガスが流出するおそれがある。一方、本実施形態では、Z軸方向から見て、コネクタ受け部152Aに連結されるコネクタCは、複数のカバー部材同士の接続部分と重ならない。具体的には、コネクタ受け部152Aは、Z軸方向から見て、第1カバー部材12と第2カバー部材13との接続部分(重複部128と重複部134とが重なる領域)と重ならないように配置されている。これにより、仮に第1カバー部材12と第2カバー部材13との接続部分に生じた隙間から排ガスが流出したとしても、当該排ガスがコネクタCに直接吹き付けることを防止できる。その結果、電池セル2の熱膨張が生じた場合においても、コネクタCへの熱影響を効果的に低減できる。
また、本実施形態では、第1カバー部材12に設けられた立設部123,124,125によって、配線Hを収容するための収容空間S2が形成されている。このように、電池モジュール1によれば、第1カバー部材12に設けられた立設部123,124,125によって配線Hを収容するための収容空間S2が形成されると共に、当該収容空間S2によって監視ECU15(すなわちコネクタ受け部152A)と排ガス流路S3との距離を大きくすることができる。具体的には、このような収容空間S2が形成されない場合と比較して、少なくとも立設部123,124,125の高さ分だけ、監視ECU15と排ガス流路S3との距離を大きくすることができる。その結果、排ガス流路S3を流通する排ガスによるコネクタCへの熱影響を一層低減できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば図9に示すように、排ガス流路S3の右端部20及び左端部21のうち、コネクタ受け部152Aから近い方の右端部20は、排ガスが流出しないように塞がれていてもよい。一方、コネクタ受け部152Aから遠い方の左端部21は、排ガスが流出可能なように開放されていてもよい。図9に示す例では、第1カバー部材12の一対の立設部127,127の右端部同士を接続するように下方に突出し、Y軸方向に延在する板状部材である立設部129が設けられている。立設部129の高さ幅は、立設部127の高さ幅と等しくされている。これにより、排ガス流路S3の右端部20は、立設部129によって塞がれている。なお、立設部129は、立設部127,127とは別部材であってもよいし、立設部127,127と一体形成された略U字状の部材の一部として形成されてもよい。
上記構成によれば、X軸方向に延在する排ガス流路S3の両端部(右端部20及び左端部21)のうちコネクタ受け部152Aに近い方の右端部20からの排ガスの流出を防ぐことができる。これにより、排ガス流路S3から流出された排ガスがコネクタCに及ぼす熱影響を一層低減できる。
図10は、第1カバー部材12に代えて変形例に係る第1カバー部材12Aを採用した構成を示している。第1カバー部材12Aは、立設部127,127の代わりに立設部201,202を有する点で、第1カバー部材12と相違する。立設部201は、前側の立設部133の右端部と接続し、立設部202に近付く方向に延在する立設部201aと、立設部201aにおける立設部202に対向する端部と接続し、X軸方向に延在する立設部201bとを有する。また、立設部202は、後側の立設部133の右端部と接続し、立設部201に近付く方向に延在する立設部202aと、立設部202aにおける立設部201に対向する端部と接続し、X軸方向に延在する立設部202bとを有する。
上記のように構成された立設部201,202により、立設部201a,201bと立設部202a,202bとの離間幅は、一対の立設部133,133の離間幅及び一対の立設部143の離間幅よりも小さくなっている。すなわち、排ガス流路S3のうち、第1カバー部材12Aの下面121b側に形成される部分の流路幅は、他の部分(すなわち、第2カバー部材13の下面131a側及び第3カバー部材14の下面141a側に形成される部分)よりも小さくなっている。このように、排ガス流路S3のうち、監視ECU15が配置される第1カバー部材12の下面121b側に形成される部分の流路幅を小さくすることで、コネクタ受け部152Aと排ガス流路S3とのY軸方向における距離を大きくすることができる。これにより、排ガス流路S3を流通する排ガスがコネクタ受け部152Aに連結されるコネクタCに及ぼす熱影響を一層低減することができる。
図11の(a)は、第1カバー部材12に代えて変形例に係る第1カバー部材12Bを採用した構成を示している。第1カバー部材12Bは、立設部202の代わりに上記実施形態と同様の立設部127を有する点で、第1カバー部材12Aと相違する。第1カバー部材12Bによっても、コネクタ受け部152Aと排ガス流路S3とのY軸方向における距離を大きくすることができる。
また、図11の(a)に示す例では、排ガス流路S3の形状は、第1カバー部材12の下面121bに設けられた一対の立設部(この例では立設部201,127)によって、Z軸方向から見てコネクタ受け部152Aと重ならないように規定されている。具体的には、排ガス流路S3のうちコネクタ受け部152Aに近い側を絞って流路幅を狭くすることで、第1カバー部材12に取り付けられる収容ケース16の位置が、上記実施形態よりも後方にずらされている。すなわち、一対の立設部201,127によって排ガス流路S3の形状(流路幅等)を定めることで、監視ECU15の配置(すなわち第1カバー部材12において収容ケース16が取り付けられる位置)の自由度を向上させることができる。
図11の(b)は、第1カバー部材12に代えて変形例に係る第1カバー部材12Cを採用した構成を示している。第1カバー部材12Cは、立設部127,127の代わりに立設部301,302を有する点で、第1カバー部材12と相違する。立設部301は、立設部301aと立設部301bとを有する。立設部302は、立設部302aと立設部302bとを有する。立設部301aは、前側の立設部133の右端部と接続し、右方向に向かうに連れて立設部302の立設部302bとのY軸方向における距離が小さくなるように、X軸方向に対して傾斜する方向に延在する。立設部301bは、立設部301aに接続されてX軸方向に延在する。また、立設部302aは、後側の立設部133の右端部と接続し、右方向に向かうに連れて立設部301の立設部301bとのY軸方向における距離が小さくなるように、X軸方向に対して傾斜する方向に延在する。立設部302bは、立設部302aに接続されてX軸方向に延在する。
上記のように構成された立設部301,302により、排ガス流路S3のうち立設部301aと立設部302aとに挟まれた部分は、右方向に向かうに連れて徐々に先細りとなるテーパ状をなす。これにより、排ガス流路S3のうち立設部301bと立設部302bとに挟まれた部分の流路幅は、他の部分の流路幅よりも狭くされている。このように、流路幅を徐々に狭くする構成とすることで、排ガス流路S3を流通する排ガスがコネクタ受け部152Aに連結されるコネクタCに及ぼす熱影響を一層低減すると共に、排ガス流路S3内の排ガスの流通を円滑にすることができる。
また、バスバーカバー11は、1つのカバー部材から構成されてもよいし、2つ又は4つ以上のカバー部材から構成されてもよい。
また、収容ケース16では、ネジN3についても、ネジN4と同様に、下端部が底板部181の下面181bから突出していない構成を有するが、第1カバー部材12と第2カバー部材13との接続部分に位置しないネジN3については、下端部が底板部181の下面181bから突出していてもよい。
また、第1ケース部材18と第1カバー部材12とが締結部材で締結される位置、及び第1ケース部材18と第2ケース部材19とが締結部材で締結される位置は、適宜変更されてもよい。