JP6779422B1 - 温度計特性情報生成システム及び温度計特性情報生成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、前記温度計特性算出部は、前記算出した伝達関数から回帰伝達関数を算出するようになっており、前記計測装置は、前記回帰伝達関数を用いて前記温度計が計測した計測値を補正する温度補正部を有していることが望ましい。
このように、本発明によれば、比較的に簡易な構成により、配管の管内の圧力をステップ状に変化させる環境を実現させることができる。
なお、上記の構成において、より正確な温度計特性情報を取得するため、流速が「0m/s」に近いポイント(レイノルズ数2000以下)で、配管・管内の温度計測をすることが望ましい。
上記の構成によれば、流速が「0m/s」に近いポイント(レイノルズ数2000以下)で、配管・管内の温度を計測できるようになるため、より正確な温度計特性情報を生成することができる。
先ず、本発明の第1実施形態の温度計特性情報生成システムの構成について、図1〜4を参照しながら説明する。
なお、エンジンベンチ1は、温度計101の温度計特性情報(伝達関数、回帰伝達関数)を算出するための計測値を各センサ(温度計101、圧力計102及び流量計103)で計測する工程において、エンジンEを燃焼させずに、エンジンEに空気を流入してエンジンシリンダ11をダイナモ回転制御によって、圧縮させる動作を行わせるようになっている。
また、温度計101は、エンジンシリンダ11の筒内に設置されており、エンジンEのエンジンシリンダ11の筒内温度(T’)を計測して、計測装置110に、計測した筒内温度(T’)を送信する。また、圧力計102は、エンジンシリンダ11の筒内に設置されており、エンジンEのエンジンシリンダ11の筒内圧力(P)を計測して、計測装置110に、計測した筒内圧力(P)を送信する。また、流量計103は、エンジンシリンダ11に空気を送り込むインテークマニホールド3に接続されたインテークパイプ(吸気管)5の管内に設置されており、エンジンEに流入される空気の空気流量(n)を計測して、計測装置110に、計測した空気流量(n)を送信する。
また、図中の符号7がスロットルバルブを示し、符号9がエンジンEから空気を排出させる排出管を示している。
なお、エンジンベンチ1は、周知技術のものを用いているため、詳細な説明は省略する。また、試験対象となるエンジンEは、周知の構成のものであるため、図中においては、第1実施形態の温度計特性情報生成システムW1に直接的に関係する部分だけを示している。
計測装置110は、制御部111と、データ取得部112と、温度計特性算出部113と、温度補正部114とを有している。
〔数1〕
PV=nRT・・・(式1)
R:気体定数
そして、温度計特性算出部113は、データ取得部112が取得した計測値(筒内温度(T’)、筒内圧力(P)、空気流量(n))のうち、「筒内圧力(P)及び空気流量(n)」と、(式1)に示す状態方程式とを用いてリファレンス温度(T)を算出する。
また、温度計特性算出部113は、算出したリファレンス温度(T)及び筒内温度(T’)を用いて温度計の伝達関数(Gx(s))を算出する。また、温度特性算出部113、その伝達関数(Gx(s))から回帰伝達関数(Gy(s))を生成して記憶する。
このデータ計測処理(S1)では、エンジンベンチ1を駆動させて、エンジンベンチ1に設置されたエンジンEを燃焼させずに、エンジンEに空気を流入してエンジンシリンダ11の筒内をダイナモ回転制御によって圧縮させる動作を行わせる。なお、エンジンシリンダ11の筒内圧縮中は略断熱状態であると仮定できる。
そして、エンジンシリンダ11の筒内を圧縮させる動作をさせている最中に、温度計特性情報生成システムW1を構成する計測装置110のデータ取得部112が、エンジンシリンダ11の筒内温度(T’)及び筒内圧力(P)と、エンジンEに流入される空気(流体)の空気流量(n)とを取得する。
また、データ取得部112は、計測時間毎に、取得した計測値(筒内温度(T’)、筒内圧力(P)、空気流量(n))を対応付けて記憶する(例えば、図示しないメモリ(計測装置110の補助記憶装置及び主記憶装置)に記憶させる)。
このリファレンス温度の算出処理(S2)では、温度計特性情報生成システムW1を構成する計測装置110の温度計特性算出部113が、データ取得部112が取得し、計測時間毎に対応付けて記憶している計測値(筒内温度(T’)、筒内圧力(P)、空気流量(n))のうち、「筒内圧力(P)及び空気流量(n)」と、幾何学計算で算出されるエンジンシリンダ11の容積(V)と、上述した状態方程式(PV=nRT)とを用いてリファレンス温度(T)を算出する(リファレンス温度(T)を計測時間毎に算出する)。
そして、エンジンシリンダ11の容積(ピストン15よりも上方(図中における上方)の領域の容積(V(V(θ)))は、エンジンシリンダの機械的情報と、下記の(式2)、(式3)、(式4)、(式5)に示す計算式を用いた幾何学計算により算出される。
〔数2〕
V : シリンダー容積 [m3]
L : コンロッド長 [m]
R : クランク半径 [m]
Q : 全オフセット長 [m]
Θ : 修正クランク角度 [deg ATDC]
B : ボア径[m]
CR : 圧縮比
VDisp : 変位容積[m3]
OPin : スラスト方向を正としたピストンピンオフセット [m]
OCrank : スラスト方向を正としたクランクオフセット [m]
また、データ取得部112が取得した空気流量(n)は、体積流量で計測された値[L/s]であるため、温度計特性算出部113は、以下の計算をした上で、状態方程式に空気流量(n)を代入している。具体的には、温度計特性算出部113は、体積流量で計測された空気流用(n)の値[L/s]に対して、大気圧、大気温度、湿度から算出した密度を乗算することで質量流量[g/s]に変換し、その後、空気の分子量(モル質量) 28.966[g/mol]で変換した上で状態方程式に代入している。
この伝達関数の算出処理(S3)では、温度計特性情報生成システムW1を構成する計測装置110の温度計特性算出部113が、図3に示すように、状態方程式から算出したリファレンス温度(T)を入力値とし、当該リファレンス温度(T)に対応する計測時間に温度計101が計測した筒内温度(T’)を出力値として、フーリエ解析演算を行い、温度計の伝達特性(Gx’(s))を算出する。
なお、図4のゲイン図において、上記のフーリエ解析演算により得られた伝達特性(Gx’(s))の一例を示している。
〔数3〕
この回帰伝達関数の算出処理(S4)では、温度計特性情報生成システムW1を構成する計測装置110の温度計特性算出部113が、S3で算出した伝達関数(Gx(s))を用いて、下記の(式7)に示す回帰伝達関数(Gy(s))を算出する。
なお、「Lowpassfilter」は、Gx(s)の帯域より、より高周波にカットオフを設定したフィルタを用いることでGx(s)に干渉しない特性とする。
〔数4〕
なお、温度計特性算出部113は、図示しないメモリ(計測装置110の補助記憶装置及び主記憶装置)に、S3で算出した「伝達特性(Gx’(s))、伝達関数(Gx(s))」と、S4で算出した回帰伝達関数(Gy(s))に記憶させる。
次に、計測装置110の温度補正部114が、図示しないメモリ(計測装置110の補助記憶装置及び主記憶装置)に記憶している「回帰伝達関数(Gy(s))」を読み出し、データ取得部112に取得した筒内温度(T’)に、読み出した「回帰伝達関数(Gy(s))」を印加することにより、温度計101が測定した筒内温度(T’)を補正筒内温度(Th)に補正する。
次に、本発明の第2実施形態の温度計特性情報生成システムの構成について、図5〜図7を参照しながら説明する。
なお、第2実施形態の構成のうち、第1実施形態と同じ構成(或いは相当する構成)には、同じ符号を付して、説明を簡略化或いは省略し、主に、第1実施形態と異なる内容について詳細に説明する。
また、配管20は、両端が貫通していると共に、加圧空気供給装置30に接続され且つ第1方向(図中のY方向)に延びる第1直管部20aと、第1直管部20aから略直角に屈曲して第2方向(図中のX方向)に延びる第2直管部20bとを備えた略L字状に形成されている。また、配管20の外部が大気圧になっている。
具体的には、第1バルブ21は、配管20を構成する第2直管部20bの一端部側(加圧空気供給装置30側)に設けられている。また、第2バルブ22は、配管20を構成する第2直管部20bの他端部に設けられており、第2バルブ22を開状態にすると、配管20の他端部の開口が外部に開放される。
また、計測装置120は、後述するシミュレーション条件情報と、取得した「管壁温度(Tw)、外気温(Tо)、外気圧(Pо)」とを用いた一次元の流体解析を用いたシミュレーション(コンピュータシミュレーション)により配管20を流れる熱流体モデルを生成し、圧力計101が計測した管内圧力(P)と、シミュレーションにより生成した熱流体モデルとを用いて、配管20内の温度の真値(リファレンス温度(T))を算出する。また、計測装置110は、シミュレーションにより算出した配管20内の温度の真値(リファレンス温度(T))と、温度計101が計測した管内温度(T’))とを用いて、温度計特性情報(伝達関数、回帰伝達関数)を算出する。
このようにするのは、流速が「0(m/s)」付近以外の他のポイントでは、「流速=0(m/s)」と、「流速>0(m/s)」とが混在した計測値になるため、シミュレーションにおいて、高精度に流体解析ができなくなるためである。
また、図示する例では、圧力計102は、第1バルブの近傍に設置されているが、これは一例に過ぎない。圧力計102は、配管20の管内において、2つのバルブ(第1、第2バルブ21、22)の間の位置に設置されていれば良い。
また、温度計105は、配管20の外周側面で且つ第1バルブ21と第2バルブ22の間の位置に設置されており、配管20の管壁温度(Tw)を計測できるように設定されている。また、温度計106及び圧力計107は、配管20の外部の位置(例えば、温度計特性情報生成システムW2が設置されている試験室内の任意の位置)に設置されており、外気温(Tо)、外気圧(Pо)を計測できるように設定されている。
計測装置120は、制御部111と、データ取得部112と、流体解析処理部121と、温度計特性算出部122と、温度補正部114とを有している。
なお、制御部111及び温度補正部114は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
このシミュレーション条件情報には、配管20の寸法情報(厚さ寸法、長さ寸法、径寸法等の寸法情報)と、配管20に流入される空気の組成情報と、配管20内の初期圧力及び初期温度と、バルブ(第1バルブ21、第2バルブ22)の流路抵抗を示すバルブ情報とが含まれている。なお、上記のバルブの流路抵抗は圧力挙動から同定する。
そして、流体解析処理部121は、「シミュレーション条件情報」及び「管壁温度(Tw)、外気温(Tо)、外気圧(Pо)」を用いた一次元の流体解析処理によるシミュレーションにより配管20を流れる熱流体モデル(数学的な熱流体モデル)を生成する。なお、管壁温度(Tw)、外気温(Tо)及び外気圧(Pо)は、熱流体モデルの境界条件として使用されている。
また、流体解析処理部121は、データ取得手段112が取得した「圧力計101が計測した管内圧力(P)」と、シミュレーションにより生成した熱流体モデルとを用いて、配管20内の温度の真値(リファレンス温度(T))を算出する。
このデータ計測処理(S11)では、圧力ステップ応答装置Zを駆動させて、配管20の管内の加圧空気(流体)の圧力をステップ状に変化させる。具体的には、圧力ステップ応答装置Zのバルブ操作装置40により、第1バルブ21を「開」にして、第2バルブ22を「閉」にした状態にして、加圧空気供給装置30を駆動させて配管20に、所定時間、加圧空気を流入させる。また、バルブ操作装置40は、所定時間経過すると、第1バルブ21を「閉」にして、2つのバルブ(第1、第2バルブ21、22)の間に、加圧空気供給装置30から供給された加圧空気(流体)を閉じ込める。その後、バルブ操作装置40が、第2バルブ22の開閉状態を制御して、配管20の加圧空気(流体)の圧力をステップ状に変化させる。
また、計測装置120のデータ取得部112は、配管20の加圧空気(流体)の圧力をステップ状に変化させている最中に、温度計101が計測した配管20の管内温度(T’)と、圧力計102が計測した配管20の管内圧力(P)とを取得する。また、データ取得部112は、圧力ステップ応答装置Zが配管20の加圧空気(流体)の圧力をステップ状に変化させている最中に、センサ(温度計105、温度計106、圧力計107)から当該センサが計測した(管壁温度(Tw)、外気温(Tо)、外気圧(Pо))を取得する。
なお、データ取得部112は、計測時間毎に、取得した計測値(管内温度(T’)、菅内圧力(P)、管壁温度(Tw)、外気温(Tо)、外気圧(Pо))を対応付けて記憶する(例えば、図示しないメモリ(計測装置110の補助記憶装置及び主記憶装置)に記憶させる)。
このリファレンス温度の算出処理(S12)では、計測装置120の流体解析処理部121が、予め設定されている「シミュレーション条件情報(配管20の寸法情報、配管に流入する空気の組成情報、配管20内の初期圧力及び初期温度、バルブ情報)」と、S11で取得した「管壁温度(Tw)、外気温(Tо)、外気圧(Pо)」とを用いた一次元の流体解析処理によるシミュレーションにより配管20を流れる熱流体モデルを生成する。また、流体解析処理部121は、データ取得手段112が取得した「圧力計102が計測した管内圧力(P)」と、シミュレーションにより生成した熱流体モデルとを用いて、配管20内の温度の真値(リファレンス温度(T))として、熱流体モデルの温度(T)を算出する。
温度計101及び圧力計102が設置されているは、流速が「0(m/s)」に近いポイント(レイノルズ数が2000以下のポイント)であり、このポイントでの熱伝達率に寄与するヌッセルト数Nuは、円筒状の管内の層流条件におけるヌッセルト数Nu=3.66(Constant(一定))になると推定できる。
そのため、温度計101が計測する温度の応答性の緩いポイントでヌッセルト数Nuを微調整し熱流体モデルと計測値を合わせる。圧力変化が出ているポイントも同現象のため、ヌッセルト数Nuは同じ値となり、熱伝達率は外挿補間される。すなわち、シミュレーションで生成した熱流体モデルの温度(T)を配管20内の温度の真値(リファレンス温度(T))として取り扱うことができる。
この伝達関数の算出処理(S13)では、計測装置120の温度計特性算出部122が、図7に示すように、S12においてシミュレーションの熱流体モデルを用いて算出したリファレンス温度(T)を入力値とし、当該リファレンス温度(T)に対応する計測時間に温度計101が計測した管内温度(T’)を出力値として、フーリエ解析演算を行い、温度計の伝達特性(Gx’(s))を算出する。また、S13では、温度特性算出部122は、算出した伝達特性(Gx´(s))に、任意の伝達関数(Gx(s))でフィッテングして、「Gx´(s)=Gx(s)」になるように、伝達関数(Gx(s))のパラメータ(α、β)を同定する。
なお、S13の上記処理は、上述した第1実施形態のS3の処理と同じ手順であるため、詳細な説明を省略する。
この回帰伝達関数の算出処理(S14)では、計測装置120の温度計特性算出部122が、S13で算出した伝達関数(Gx(s))を用いて、回帰伝達関数(Gy(s))を算出する(第1実施形態で示した(式7)参照)。
すなわち、第2実施形態では、第1実施形態のようにエンジンEを用いる必要がないため、第1実施形態と比べて、コストをかけずに、省スペース且つ簡易な設備により、温度計特性情報(伝達関数、回帰伝達関数)を算出することができる。その結果、第2実施形態では、省スペースで実現できる簡易な設備で且つ低コストで、温度計101の温度計測の高応答化が可能になる。
次に、本発明の第2実施形態の温度計特性情報生成システムの変形例の構成について、図8を参照しながら説明する。
なお、第2実施形態の変形例の構成のうち、第1、2実施形態と同じ構成(或いは相当する構成)には、同じ符号を付して、説明を簡略化或いは省略し、主に、第1、2実施形態と異なる部分を説明する。
また、第2直管部20dは、一端部が封鎖された封鎖面20d1になっており、他端部が開口している。そして、加圧空気供給装置30からの加圧空気は、第1直管部20cを経由して、第2直管部20dの管内に流入するようになっている。
また、第2バルブ22は、配管20を構成する第2直管部20dの他端部の管内に設けられており、他端部の開口を開閉できるようになっている。
このような位置に、温度計101を設置したのは、配管20の管内において、図5に示した第2実施形態よりもさらに、流速が「0m/s」に近いポイントで、配管20の管内の温度を計測できるようにするためである。なお、図示する例では、圧力計102は、第2直管部20dの一端部側に設置されているが、これは一例であり、設置位置を限定するものではない。
そして、上述した第2実施形態と同様、計測装置120のデータ取得部112は、配管20の加圧空気(流体)の圧力をステップ状に変化させている最中に、温度計101が計測した配管20の管内温度(T’)と、圧力計102が計測した配管20の管内圧力(P)と、温度計105が計測した管壁温度(Tw)と、温度計106が計測した外気温(Tо)と、圧力計107が計測した外気圧(Pо)とを取得する。
また、第2実施形態の変形例では、第2実施形態と比べて、流速が「0m/s」に近いポイントで、配管20の管内の温度及び圧力を計測できるため、第2実施形態と比べて、より正確に、温度計101が計測した計測値(T’)を補正するための温度計特性情報(伝達関数、回帰伝達関数)を算出することができる。
101…温度計
102…圧力計
103…流量計
105…温度計
106…温度計
107…圧力計
110、120…計測装置
111…制御部
112…データ取得部
113…温度計特性算出部
114…温度補正部
121…流体解析処理部
122…温度計特性算出部
1…エンジンベンチ
10…ダイナモメータ
11…ダイナモ制御装置
15…シャフト
E…エンジン
3…インテークマニホールド
5…インテークパイプ(吸気管)
7…スロットルバルブ
9…排出管
11…エンジンシリンダ
Z…圧力ステップ応答装置
20…配管
20a、20c…第1直管部
20b、20d…第2直管部
20d1…封鎖面
21…第1バルブ
22…第2バルブ
30…加圧空気供給装置
40…バルブ操作装置
Claims (8)
- エンジン試験装置に設置されたエンジンのエンジンシリンダの筒内温度を計測する温度計と、前記エンジンシリンダの筒内圧力を計測する圧力計と、前記エンジンシリンダに流入される空気流量を計測する流量計と、温度計特性情報を算出する計測装置とを備えた温度計特性情報生成システムであって、
前記計測装置は、
前記エンジン試験装置が前記エンジンを燃焼させずに、前記エンジンシリンダに空気を流入して圧縮動作を行わせている最中に、前記温度計が計測した筒内温度、前記圧力計が計測した筒内圧力、及び前記流量計が計測した空気流量を取得するデータ取得部と、
予め記憶している理想気体の状態方程式と、前記取得した筒内圧力及び空気流量とを用いて、前記エンジンシリンダ内の温度の真値としてリファレンス温度を算出し、該リファレンス温度及び前記取得した筒内温度を用いて前記温度計特性情報として前記温度計の伝達関数を算出する温度計特性算出部とを有することを特徴とする温度計特性情報生成システム。 - 前記温度計特性算出部は、前記リファレンス温度を入力値とし、該リファレンス温度に対応する前記温度計が計測した筒内温度を出力値として、フーリエ解析演算を行い前記温度計の伝達特性を算出し、該算出した伝達特性から前記伝達関数を算出するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の温度計特性情報生成システム。
- 前記温度計特性算出部は、前記算出した伝達関数から回帰伝達関数を算出するようになっており、
前記計測装置は、前記回帰伝達関数を用いて前記温度計が計測した計測値を補正する温度補正部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度計特性情報生成システム。 - 第1バルブ及び第2バルブが設置された配管を備え且つ該配管に加圧空気を供給すると共に前記第1、第2バルブの開閉動作を制御して該配管の管内の圧力をステップ状に変化させる圧力ステップ応答装置と、該配管の管内温度を計測する第1温度計と、該配管の管内圧力を計測する第1圧力計と、該配管の管壁温度を計測する第2温度計と、外気温を計測する第3温度計と、外気圧を計測する第2圧力計と、温度計特性情報を算出する計測装置とを備えた温度計特性情報生成システムであって、
前記計測装置は、
前記配管の寸法情報と、前記加圧空気の組成情報と、該配管の管内の初期圧力及び初期温度と、前記第1、第2バルブの流路抵抗を示すバルブ情報とが含まれるシミュレーション条件情報を記憶していると共に、
前記圧力ステップ応答装置が前記配管の圧力をステップ状に変化させている最中に、前記第1温度計が計測した管内温度と、前記第1圧力計が計測した管内圧力と、前記第2温度計が計測した管壁温度と、前記第3温度計が計測した外気温と、前記第2圧力計が計測した外気圧とを取得するデータ取得部と、
前記シミュレーション条件情報と、前記取得した管壁温度、外気温及び外気圧とを用いた一次元の流体解析を用いたシミュレーションにより前記配管を流れる熱流体モデルを生成し、前記取得した管内圧力と、前記シミュレーションにより生成した熱流体モデルとを用いて、前記配管内の温度の真値としてリファレンス温度を算出する流体解析処理部と、
前記算出したリファレンス温度及び前記取得した管内温度を用いて前記温度計特性情報として前記温度計の伝達関数を算出する温度計特性算出部とを有することを特徴とする温度計特性情報生成システム。 - 前記圧力ステップ応答装置は、前記配管に加圧空気を供給する加圧空気供給装置と、前記第1、第2バルブの開閉動作を制御するバルブ操作装置とを有し、
前記第1バルブが前記配管の一端部側に設置され、前記第2バルブが前記配管の他端部側に設置され、
前記バルブ操作装置は、前記第1、第2バルブの開閉状態を制御することにより、前記第1、第2バルブの間に、前記加圧空気供給装置から供給された加圧空気を閉じ込め、その後、前記第2バルブの開閉状態を制御して、前記配管の加圧空気の圧力をステップ状に変化させるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の温度特性情報生成システム。 - 前記圧力ステップ応答装置は、前記配管に加圧空気を供給する加圧空気供給装置と、前記第1、第2バルブの開閉動作を制御するバルブ操作装置とを有し、
前記配管は、第1方向に延設されている第1直管部と、該第1直管部の他端部に接続され且つ該第1直管部に対して直角方向に延設されている第2直管部とを備え、
前記第1直管部は、両端が貫通しており、その一端部が前記加圧空気供給装置に接続され、その他端部が前記第2直管部の他端部側の側面に接続され、
前記第2直管部は、一端部が封鎖された封鎖面になっており且つ他端部が開口しており、
前記第1バルブは、前記第1直管部に設置され、
前記第2バルブは、前記第2直管部の他端部に設置されて、該他端部の開口を開閉できるようになっており、
前記温度計は、前記第2直管部の一端部側の封鎖面の近傍に設置されており、
前記バルブ操作装置は、前記第1、第2バルブの開閉状態を制御することにより、前記第1、第2バルブ及び前記第2直管部の一端部の封鎖面の間で形成される領域に、前記加圧空気供給装置から供給された加圧空気を閉じ込めて、その後、前記第2バルブの開閉状態を制御して、前記配管の加圧空気の圧力をステップ状に変化させるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の温度特性情報生成システム。 - エンジン試験装置に設置されたエンジンのエンジンシリンダの筒内温度を計測する温度計と、前記エンジンシリンダの筒内圧力を計測する圧力計と、前記エンジンシリンダに流入される空気流量を計測する流量計と、温度計特性情報を算出する計測装置とを用いた温度計特性情報生成方法であって、
前記エンジン試験装置が、前記エンジンを燃焼させずに前記エンジンシリンダに空気を流入して圧縮動作を行わせるステップと、
前記計測装置が、前記エンジンシリンダに空気を流入して圧縮動作を行わせている最中に、前記温度計が計測した筒内温度、前記圧力計が計測した筒内圧力、及び前記流量計が計測した空気流量を取得するステップと、
前記計測装置が、予め記憶している理想気体の状態方程式と、前記取得した筒内圧力及び空気流量とを用いて、前記エンジンシリンダ内の温度の真値としてリファレンス温度を算出し、該リファレンス温度及び前記取得した筒内温度を用いて前記温度計特性情報として前記温度計の伝達関数を算出するステップとを実行することを特徴とする温度計特性情報生成方法。 - 第1バルブ及び第2バルブが設置された配管を備え且つ該配管に加圧空気を供給すると共に前記第1、第2バルブの開閉動作を制御して該配管の管内の圧力をステップ状に変化させる圧力ステップ応答装置と、該配管の管内温度を計測する第1温度計と、該配管の管内圧力を計測する第1圧力計と、該配管の管壁温度を計測する第2温度計と、外気温を計測する第3温度計と、外気圧を計測する第2圧力計と、温度計特性情報を算出する計測装置とを用いた温度計特性情報生成方法であって、
前記計測装置には、前記配管の寸法情報と、前記加圧空気の組成情報と、該配管の管内の初期圧力及び初期温度と、前記第1、第2バルブの流路抵抗を示すバルブ情報とが含まれるシミュレーション条件情報が記憶されており、
前記圧力ステップ応答装置が、前記配管の管内の圧力をステップ状に変化させるステップと、
前記計測装置が、前記配管の管内の圧力がステップ状に変化している最中に、前記第1温度計が計測した管内温度と、前記第1圧力計が計測した管内圧力と、前記第2温度計が計測した管壁温度と、前記第3温度計が計測した外気温と、前記第2圧力計が計測した外気圧とを取得するステップと、
前記計測装置が、前記シミュレーション条件情報と、前記取得した管壁温度、外気温及び外気圧とを用いた一次元の流体解析を用いたシミュレーションにより前記配管を流れる熱流体モデルを生成し、前記取得した管内圧力と、前記シミュレーションにより生成した熱流体モデルとを用いて、前記配管内の流体の温度の真値としてリファレンス温度を算出するステップと、
前記計測装置が、前記算出したリファレンス温度及び前記取得した管内温度を用いて前記温度計特性情報として前記温度計の伝達関数を算出するステップとを実行することを特徴とする温度計特性情報生成方法。
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