JP2019045413A - 筒内におけるガス温度の計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】筒内におけるガス温度の計測精度を向上させることができる、筒内におけるガス温度の計測方法を提供する。【解決手段】赤外線吸収法で筒内のガスの吸収スペクトル波形を計測し、吸収スペクトル波形の計測と同期して筒内の圧力を計測する第1ステップと、複数の異なる吸収スペクトル波形に、それぞれ対応するガス温度が紐付けされたデータ群が格納されたデータベースから、当該計測した吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形を抽出し、当該抽出された吸収スペクトル波形に対応するガス温度をガス温度推定値とする第2ステップと、補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値を補正係数として算出する第3ステップと、補正したいガス温度推定値と同期する圧力を、前記補正係数で除した値を補正後のガス温度とする第4ステップと、を有する。【選択図】図9
Description
本発明は、内燃機関の筒内におけるガス温度の計測方法に関する。
従来から内燃機関(エンジン)の筒(気筒)内におけるガス温度を測定する技術が開発されている。特許文献1には、内燃機関の筒内において放射される赤外線のエネルギーに基づき、筒内の温度を算出する、筒内におけるガス温度の計測方法が記載されている。
ノッキングの原因の解析など、内燃機関の燃焼状態の解析を精度良く行うためには、内燃機関の筒内におけるガス温度を精度良く計測する必要がある。しかしながら、特許文献1などの赤外線吸収法を用いた筒内におけるガス温度の計測方法では、ノッキングなどに起因する筒内の圧力変動や燃焼生成物・水分等の発生等により、赤外線受光素子における受光量が変動するため、ガス温度の計測精度が低下するという問題があった。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、筒内におけるガス温度の計測精度を向上させることができる、筒内におけるガス温度の計測方法を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関の筒内におけるガス温度の計測方法であって、赤外線吸収法により筒内のガスの吸収スペクトル波形を計測するとともに、吸収スペクトル波形の計測と同期して筒内の圧力を計測する第1ステップと、複数の異なる吸収スペクトル波形に、それぞれ対応するガス温度が紐付けされたデータ群が格納されたデータベースから、当該計測した吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形を抽出し、当該抽出された吸収スペクトル波形に対応するガス温度をガス温度推定値とする第2ステップと、補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値を補正係数として算出する第3ステップと、補正したいガス温度推定値と同期する圧力を、前記補正係数で除した値を補正後のガス温度とする第4ステップと、を有する、ものである。
本発明では、補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値を補正係数として算出し、補正したいガス温度推定値と同期する圧力を補正係数で除した値を補正後のガス温度とする。ボイル・シャルルの法則より、筒内において、体積が一定で、かつ、エネルギーの授受がない状態では、圧力とガス温度の比が一定になる。このため、微小時間において、圧力とガス温度推定値の比は一定であると考えることができる。よって、上述のようにガス温度推定値を補正すると、散発的に発生するスパイクノイズを除去することができ、かつ、データの欠落部分も補完することができる。これにより、筒内におけるガス温度の計測精度を向上させることができる。
本発明によれば、筒内におけるガス温度の計測精度を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。実施の形態1にかかる筒内ガス温度計測システム1は、内燃機関の筒内におけるガス温度の計測方法に用いる。
まず、図1を参照して本実施の形態にかかる筒内ガス温度計測システム1の構成について説明する。図1は、筒内ガス温度計測システム1の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、筒内ガス温度計測システム1は、赤外吸収スペクトル計測部2と、圧力計測部3と、解析部4と、データベース部5と、を備えている。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。実施の形態1にかかる筒内ガス温度計測システム1は、内燃機関の筒内におけるガス温度の計測方法に用いる。
まず、図1を参照して本実施の形態にかかる筒内ガス温度計測システム1の構成について説明する。図1は、筒内ガス温度計測システム1の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、筒内ガス温度計測システム1は、赤外吸収スペクトル計測部2と、圧力計測部3と、解析部4と、データベース部5と、を備えている。
赤外吸収スペクトル計測部2は、赤外線吸収法により筒内10のガスの吸収スペクトル波形を計測するためのものであり、赤外レーザ光照射部2aと受光素子2bとを備えている。ここで、赤外線吸収法とは、ガスに対して赤外レーザ光を照射し、ガス中を透過した光を分光することで当該ガスの吸収スペクトル波形を得る方法である。圧力計測部3は、内燃機関の筒内10における圧力を計測するためのもので、圧力センサ3aを有する。
データベース部5は、複数の異なる吸収スペクトル波形と、それぞれの吸収スペクトル波形に対応するガス温度、圧力およびガスの分子量と、が紐付けされたデータ群が予め格納されているデータベースである。解析部4は、赤外吸収スペクトル計測部2で計測した吸収スペクトル波形およびデータベース部5に格納されたデータ群に基づいて筒内10のガス温度を推定し、さらに、推定したガス温度(ガス温度推定値)に対して後述する補正を行って筒内10のガス温度(補正後のガス温度)を算出する。
次に、解析部4において筒内10のガス温度を算出する方法の詳細について説明する。なお、以下の説明では、筒内ガス温度計測システム1の構成について図1を適宜参照する。
図2は、筒内10において計測した吸収スペクトル波形とデータベース部5に格納されたデータ群とに基づいて筒内10のガス温度を推定する方法について説明する模式図である。図2に示すように、データベース部5に格納されたデータ群の中から、筒内10において計測した吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形をマッチングした吸収スペクトル波形として抽出する。ここで、「筒内10において計測した吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形」とは、データベース部5に格納された吸収スペクトルのうち、筒内10において計測した吸収スペクトル波形と波形の特徴点の一致する割合が最も高い吸収スペクトル波形を意味する。
上述したように、データベース部5に格納されたデータ群において、複数の異なる吸収スペクトル波形には、それぞれ、対応するガス温度、圧力、ガスの分子量が紐付けされている。すなわち、データベース部5に格納された吸収スペクトル波形は、予め、ガス温度、圧力、ガスの分子量が分かっている状態で計測されたものである(ただし、データベース部5に格納された吸収スペクトル波形には、一部、仮想の波形も含まれている)。
吸収スペクトル波形は、ガス温度のみならず、圧力やガスの分子量の影響も受ける。つまり、ガス温度、圧力およびガスの分子量が実質的に等しい状態にて計測された吸収スペクトル波形は、いずれも同様の波形となる。このため、筒内10において、圧力およびガスの分子量が一定であるとすると、吸収スペクトル波形からガス温度を推定することができる。つまり、筒内10において計測した吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形に紐付けされたガス温度がTk[℃]であるとすると、筒内10のガス温度はTk[℃]であると推定することができる。
ところで、筒内10のガス温度の計測では、吸収スペクトル波形を多数(数千から数万)計測し、これらの計測した吸収スペクトル波形に対して、それぞれ、データベース部5に格納されたデータ群の中から最も一致率の高い吸収スペクトル波形を検索する必要がある。データベースの検索に要する時間を削減するため、データベース部5に格納されたデータ群において検索対象とする圧力およびガスの分子量の範囲を、筒内10において予期される圧力およびガスの分子量に絞っている。
しかしながら、ノッキングなどにより、筒内10の圧力が急変動したり、筒内10において燃焼生成物・水分等の予期しない発生して分子量が急変動したりする場合がある。上述のように、検索時間の短縮のためデータベース部5に格納されたデータ群において検索対象とする圧力およびガスの分子量の範囲を、筒内10において予期される圧力およびガスの分子量に絞っている。このため、ノッキングなどにより圧力およびガスの分子量がスパイク状に急変動すると、ガス温度推定値と実施のガス温度(真値)との差が大きくなる可能性がある。
また、データベース部5に格納された吸収スペクトル波形には、ガス温度、圧力、ガスの分子量の全ての組み合わせが網羅されておらず、一部、仮想の波形も含まれている。このため、データベース部5に格納された吸収スペクトル波形の中に、筒内10において計測した吸収スペクトル波形と、波形の特徴の近いものが存在しない場合もありうる。このような場合、データベース部5の検索によって抽出された吸収スペクトル波形から推定されたガス温度(ガス温度推定値)と、実際のガス温度(真値)と、の差は大きくなる。このようなことから、ガス温度推定値を補正する必要がある。
本実施の形態にかかる筒内ガス温度計測システム1では、吸収スペクトル波形の計測と同期して筒内10における圧力の計測を行い、補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値に基づいて補正したいガス温度推定値の補正を行う。ここで、同期する、とは、各計測値において採取した時が一致していることを意味する。
補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値である補正係数αaveは以下の式(1)で表される。なお、式(1)中における、圧力Pと温度Tに付された下付文字は、nが補正する測定値の番号、iが平均に用いる測定値の数である。
補正したいガス温度推定値と同期する圧力Pnを、補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値である補正係数αaveで除した値を補正後のガス温度とする。すなわち、補正後のガス温度Tncorは、Tncor=Pn/αaveにより算出される。
ボイル・シャルルの法則より、筒内10において、体積が一定で、かつ、エネルギーの授受がない状態では、圧力とガス温度の比が一定になる。このため、微小時間において、圧力とガス温度推定値の比は一定であると考えることができる。よって、補正したいガス温度推定値と同期する圧力Pnを、補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値である補正係数αaveで除した値を補正後のガス温度とすることで、散発的に発生するスパイクノイズを除去することができ、かつ、データの欠落部分も補完することができる。
ここで、本実施の形態にかかる筒内ガス温度計測システム1によりガス温度を計測した事例について説明する。
まず、筒内ガス温度計測システム1により、高温恒圧容器50でガス温度を計測した事例について説明する。図3は、高温恒圧容器50における筒内ガス温度計測システム1の配置について示す模式図である。図3に示すように、図1に示す内燃機関の筒内10の代わりに、高温恒圧容器50の内部に圧力センサ3aおよび受光素子2bを配置する。高温恒圧容器50において、容器内の圧力は0.2MPa、ガス温度は192℃で一定に維持されている。
まず、筒内ガス温度計測システム1により、高温恒圧容器50でガス温度を計測した事例について説明する。図3は、高温恒圧容器50における筒内ガス温度計測システム1の配置について示す模式図である。図3に示すように、図1に示す内燃機関の筒内10の代わりに、高温恒圧容器50の内部に圧力センサ3aおよび受光素子2bを配置する。高温恒圧容器50において、容器内の圧力は0.2MPa、ガス温度は192℃で一定に維持されている。
図4は、筒内ガス温度計測システム1により、高温恒圧容器50でガス温度を、計測した吸収スペクトル波形より推定した結果について示すグラフである。ここで、横軸は時間[ms]、縦軸はガス温度(ガス温度推定値)[℃]を表す。図4に示すように、赤外線吸収法によるガス温度の推定では、推定されたガス温度のデータに誤った値が含まれる場合がある(破線の領域A)。また、計測期間において、計測値が欠落している期間が生じる場合もある(破線の領域B)。このように、吸収スペクトル波形を時系列で計測した場合、計測した吸収スペクトル波形から推定したガス温度のデータにおいて、領域Aに示すようなスパイクノイズや領域Bに示すような計測値の欠落が散発的に発生する場合がある。
図5は、図4に示す計測データに対して、上述したように、補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値である補正係数αaveに基づいて、補正したいガス温度推定値の補正を行ったグラフである。図5において、補正後のガス温度を破線で示す。図5に示すように、補正係数αaveに基づいてガス温度推定値の補正を行うことにより、スパイクノイズが除去され、かつ、データの欠落部分も補完される。これにより、ガス温度の計測精度を向上させることができることを確認した。このようにガス温度推定値の補正を行うことで、ガス温度の計測値の標準偏差が0.6℃から0.2℃に改善されることを確認した。
次に、筒内ガス温度計測システム1により、内燃機関の筒内10でガス温度を計測した事例について説明する。図6は、筒内ガス温度計測システム1により、筒内10のガス温度を、計測した吸収スペクトル波形より推定した結果について示すグラフである。ここで、横軸はクランク角度(Crank Angle)[deg]、縦軸はガス温度(ガス温度推定値)[℃]を表す。クランク角度とは、筒内10におけるピストンのクランクの回転角度(位相)である。図6に示すように、赤外線吸収法によるガス温度の推定では、スパイクノイズ(破線の領域CやD)や計測データの欠落(破線の領域E)が生じている。
図7は、筒内ガス温度計測システム1により、内燃機関の筒内10で圧力を計測した結果について示すグラフである。ここで、横軸はクランク角度(Crank Angle)[deg]、縦軸は圧力[bar]を表す。図7に示すように、圧力の計測値は、図6に示すガス温度(ガス温度推定値)と同期している。
図8は、図6に示す計測データに対して、上述したように、補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値である補正係数αaveに基づいて、補正したいガス温度推定値の補正を行ったグラフである。図8において、補正後のガス温度を破線で示す。図8に示すように、補正係数αaveに基づいてガス温度推定値の補正を行うことにより、スパイクノイズが除去され、かつ、データの欠落部分も補完される。これにより、ガス温度の計測精度を向上させることができることを確認した。
上述した、筒内ガス温度計測システム1によりガス温度を計測した2つの事例では、補正係数αaveを算出するために、補正したい計測値とその前後の計測値2つずつ(式(1)におけるi=2)の計5つを用いた。しかしながら、補正係数αaveの算出に用いる計測値の数は、5つに限るものではなく、例えば補正したい計測値とその前後の計測値1つずつ(式(1)におけるi=1)の計3つであってもよく、5つより多い計測値を用いてもよい。
次に、筒内ガス温度計測システム1において、ガス温度を計測する処理の流れについて説明する。
図9は、筒内ガス温度計測システム1において、ガス温度を計測する処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、まず、赤外線吸収法により筒内10におけるガスの吸収スペクトル波形を計測するとともに、吸収スペクトル波形の計測と同期して筒内10における圧力を計測する(ステップS1)。次に、複数の異なる吸収スペクトル波形に、それぞれ対応するガス温度が紐付けされたデータ群が格納されたデータベースから、当該計測した吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形を抽出し、当該抽出された吸収スペクトル波形に対応するガス温度をガス温度推定値とする(ステップS2)。
図9は、筒内ガス温度計測システム1において、ガス温度を計測する処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、まず、赤外線吸収法により筒内10におけるガスの吸収スペクトル波形を計測するとともに、吸収スペクトル波形の計測と同期して筒内10における圧力を計測する(ステップS1)。次に、複数の異なる吸収スペクトル波形に、それぞれ対応するガス温度が紐付けされたデータ群が格納されたデータベースから、当該計測した吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形を抽出し、当該抽出された吸収スペクトル波形に対応するガス温度をガス温度推定値とする(ステップS2)。
続いて、補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値を補正係数として算出する(ステップS3)。続いて、補正したいガス温度推定値と同期する圧力を、補正係数で除した値を補正後のガス温度とする(ステップS4)。
本実施の形態にかかる筒内ガス温度計測システム1を用いた内燃機関の筒内におけるガス温度の計測方法では、赤外線吸収法により計測した筒内10のガスの吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形をデータベース部5より抽出し、抽出した吸収スペクトル波形に対応するガス温度をガス温度推定値とする。そして、補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値を補正係数として算出し、補正したいガス温度推定値と同期の圧力の計測値を補正係数で除した値を補正後のガス温度とする。このようにすることで、散発的に発生するスパイクノイズを除去することができ、かつ、データの欠落部分も補完することができる。これにより、筒内におけるガス温度の計測精度を向上させることができる。
筒内10におけるガス温度は、内燃機関の燃費や性能に大きな影響を与える。特に、上死点(TDC:Top Dead Center)及び点火付近のガス温度が重要である。このため、内燃機関の燃費や性能の向上させるための開発において、ガス温度の計測精度の向上は不可欠である。本実施の形態にかかる内燃機関の筒内におけるガス温度の計測方法によれば、ノッキング現象の主要因と考えられるガス温度をより精度良く計測できるようになるので、内燃機関の制御や設計の良否の判断に大きく貢献できる。
実施の形態2
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2かかる筒内ガス温度計測システム101は、内燃機関の筒内におけるガス温度の計測方法に用いるものである。
図10は、本実施の形態にかかる筒内ガス温度計測システム101の概略構成を示す模式図である。なお、筒内ガス温度計測システム101の構成は、図1を用いて説明した実施の形態1にかかる筒内ガス温度計測システム1の構成と基本的に同じである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2かかる筒内ガス温度計測システム101は、内燃機関の筒内におけるガス温度の計測方法に用いるものである。
図10は、本実施の形態にかかる筒内ガス温度計測システム101の概略構成を示す模式図である。なお、筒内ガス温度計測システム101の構成は、図1を用いて説明した実施の形態1にかかる筒内ガス温度計測システム1の構成と基本的に同じである。
図10に示すように、本実施の形態にかかる筒内ガス温度計測システム101は、実施の形態1にかかる筒内ガス温度計測システム1の構成に加えて、筒内体積計測部6をさらに備えている。筒内体積計測部6は、内燃機関におけるピストンのクランクの回転角度を計測するロータリエンコーダ6aを有する。筒内10の体積は、筒内10におけるピストンの高さ位置の関数となる。よって、筒内体積計測部6は、ロータリエンコーダ6aから送信されてきたピストンのクランクの回転角度信号より筒内10の体積を算出することができる。
次に、解析部4において筒内10のガス温度を算出する方法の詳細について説明する。なお、以下の説明では、筒内ガス温度計測システム101の構成について図10を適宜参照する。
本実施の形態にかかる筒内ガス温度計測システム101では、吸収スペクトル波形の計測と同期して筒内10における圧力及び体積の計測を行い、補正したいガス温度推定値の前後における、圧力と体積の積と、ガス温度推定値と、の比(比を求めるための圧力、体積、ガス温度推定値はそれぞれ同期する)の平均値に基づいて補正したいガス温度推定値の補正を行う。
補正したいガス温度推定値の前後における、圧力と体積の積と、ガス温度推定値と、の比の平均値である補正係数αaveは以下の式(2)で表される。式(2)中における、ガス温度推定値T、圧力Pおよび体積Vに付された下付文字は、nが補正する測定値の番号、iが平均に用いる測定値の数である。また、下付文字が同じ、ガス温度推定値、圧力、体積は、同期する計測値であることを意味している。
補正したいガス温度推定値と同期する圧力Pnと体積Vnとの積を、補正したいガス温度推定値の前後における、圧力と体積の積と、ガス温度推定値と、の比の平均値である補正係数αaveで除した値を補正後のガス温度とする。すなわち、補正後のガス温度Tncorは、Tncor=Pn・Vn/αaveにより算出される。
ボイル・シャルルの法則より、筒内10において、エネルギーの授受がない状態では、圧力と体積の積と、ガス温度と、の比が一定になる。このため、微小時間において、圧力と体積の積と、ガス温度推定値と、の比は一定であると考えることができる。よって、補正したいガス温度推定値と同期する圧力Pnと体積Vnの積を、補正したいガス温度推定値の前後における、圧力と体積の積と、ガス温度推定値と、の比の平均値である補正係数αaveで除した値を補正後のガス温度とすることで、散発的に発生するスパイクノイズを除去することができ、かつ、データの欠落部分も補完することができる。
次に、筒内ガス温度計測システム101において、ガス温度を計測する処理の流れについて説明する。
図11は、筒内ガス温度計測システム101において、ガス温度を計測する処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、まず、赤外線吸収法により筒内10におけるガスの吸収スペクトル波形を計測するとともに、吸収スペクトル波形の計測と同期して、筒内10における、圧力および体積を計測する(ステップS101)。次に、複数の異なる吸収スペクトル波形に、それぞれ対応するガス温度が紐付けされたデータ群が格納されたデータベースから、当該計測した吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形を抽出し、当該抽出された吸収スペクトル波形に対応するガス温度をガス温度推定値とする(ステップS102)。
図11は、筒内ガス温度計測システム101において、ガス温度を計測する処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、まず、赤外線吸収法により筒内10におけるガスの吸収スペクトル波形を計測するとともに、吸収スペクトル波形の計測と同期して、筒内10における、圧力および体積を計測する(ステップS101)。次に、複数の異なる吸収スペクトル波形に、それぞれ対応するガス温度が紐付けされたデータ群が格納されたデータベースから、当該計測した吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形を抽出し、当該抽出された吸収スペクトル波形に対応するガス温度をガス温度推定値とする(ステップS102)。
続いて、補正したいガス温度推定値の前後における、圧力と体積の積と、ガス温度推定値と、の比の平均値を補正係数として算出する(ステップS103)。続いて、補正したいガス温度推定値と同期する圧力と体積の積を、補正係数で除した値を補正後のガス温度とする(ステップS104)。
以上より、本実施の形態にかかる筒内ガス温度計測システム101を用いて内燃機関の筒内におけるガス温度の計測を行えば、筒内におけるガス温度の計測精度を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1、101 筒内ガス温度計測システム
2 赤外吸収スペクトル計測部
2a 赤外レーザ光照射部
2b 受光素子
3 圧力計測部
3a 圧力センサ
4 解析部
5 データベース部
6 筒内体積計測部
6a ロータリエンコーダ
10 筒内
50 高温恒圧容器
2 赤外吸収スペクトル計測部
2a 赤外レーザ光照射部
2b 受光素子
3 圧力計測部
3a 圧力センサ
4 解析部
5 データベース部
6 筒内体積計測部
6a ロータリエンコーダ
10 筒内
50 高温恒圧容器
Claims (1)
- 内燃機関の筒内におけるガス温度の計測方法であって、
赤外線吸収法により筒内のガスの吸収スペクトル波形を計測するとともに、吸収スペクトル波形の計測と同期して筒内の圧力を計測する第1ステップと、
複数の異なる吸収スペクトル波形に、それぞれ対応するガス温度が紐付けされたデータ群が格納されたデータベースから、当該計測した吸収スペクトル波形と最も一致率の高い吸収スペクトル波形を抽出し、当該抽出された吸収スペクトル波形に対応するガス温度をガス温度推定値とする第2ステップと、
補正したいガス温度推定値の前後における、互いに同期する圧力とガス温度推定値の比の平均値を補正係数として算出する第3ステップと、
補正したいガス温度推定値と同期する圧力を、前記補正係数で除した値を補正後のガス温度とする第4ステップと、を有する、筒内におけるガス温度の計測方法。
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