JP6778973B2 - 薬物等投与装置及びその作動方法並びにサポータ - Google Patents

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本発明は、皮膚表面に塗布又は触接された薬物又は微生物(「薬物等」という。)を、皮膚上に電極を接触させ該電極から皮膚に電気パルスを印加することによって皮膚の細胞内へ浸透させる薬物等投与装置に関する。
動物細胞内に遺伝子を導入する技術として、エレクトロポレーション法(electroporation method:電気穿孔法)が知られている(例えば、非特許文献1,2参照)。エレクトロポレーション法は、細胞に電気パルスを与えることにより、細胞膜を即座に修復可能な程度に一時的に破潰して膜の透過性を上げ、能動的に細胞膜外の遺伝子を取り込ませる技術である。このエレクトロポレーション法は、皮膚に塗布した皮下浸透しにくい育毛剤等の薬物を真皮層下まで導入する技術(以下「経皮的エレクトロポレーション法」(Dermo-Electroporation method)という。)として、医療や美容の分野で応用されている。この経皮的エレクトロポレーション法では、皮膚に数十〜数百ボルトの電流をマイクロ秒からミリ秒単位で印加し、皮膚角層細胞間脂質中に可逆的な小孔を生じさせ、難経皮吸収性薬物の皮膚内への透過を促進させる手法である(非特許文献3,4参照)。そして、経皮的エレクトロポレーション法を実施するために皮膚に対して電気パルスを加える薬物投与装置が実用化されている(非特許文献5参照)。斯かる薬物投与装置としては、特許文献1〜5に記載のものが公知である。
特許文献1に記載の薬物投与装置では、電気穿孔法を用いて薬物を皮膚から投与する薬物投与装置であって、電気パルスを発生するパルス印加部(3)と、パルス印加部(3)と電気的に接続され、パルス印加部(3)が発生する電気パルスを使用者の皮膚に印加する電極(41)を備え(仝文献図1,図3参照)、電極(41)が印加する電気パルスが、加電部(PON)と給止部(POFF)を有するバーストであり、バーストの加電部(PON)の波形が、電圧の大きさが上に凸の曲線を描くように上昇する立ち上がり部(P)と、電圧の大きさが下に凸の曲線を描くように下降する立ち下がり部(P)を有し、立ち上がり部(P)と立ち下がり部(P)との間に継続的に形成され、電圧が一定となる安定部(P)を設けた薬物投与装置が開示されている(仝文献図11,図12参照)。電圧の立ち上がり部(P)と立ち下がり部(P)とを曲線状にすることで、電気パルスが皮膚に対して緩やかに働き、皮膚への刺激を抑制でき、安定部(P)を設けたことで、電圧の印加がより継続的に行われ、薬物の投与・導入効率が効率的に実施されると記載されている(仝文献明細書段落〔0036〕−〔0037〕)。
特許文献2にも、特許文献1に記載の薬物投与装置と同様の育毛剤導入装置が記載されている。
特許文献3に記載のイオン導入器は、イオン化溶液中に含まれるイオン化成分をパルス出力部からのパルスによって経皮的に生体へ導入するイオン導入器であって、患部に電流を流す電極部(1)と、電極部(1)にパルスを出力するパルス出力部(12)と、パルス出力部(12)に各種電流を供給する電源部と、当該電源部からの電流に基づいてパルス出力部(12)を制御する制御部(9)を備え、イオン化溶液中に含まれるイオン化成分をパルス出力部(12)からのパルスによって生体へ導入するものである。このイオン導入器では、制御部(9)が、パルス出力部(12)から電極部(1)に人体検知用の検出信号を適宜出力するように制御すると共に、電極部(1)と人体とが接触しているか否かを検知する。人体と電極部(1)とが接触している場合に、パルス出力部(12)が、各パルス生成時にパルスの立ち上がりの波形の形状を湾曲とすると共に、パルスの立ち下がりの波形の形状を急峻な直線形状とし、パルス出力開始からの時間経過又は出力済みパルスに応じてパルスの振幅を所定値まで大きくし、パルスの立ち上がりの波形の形状を湾曲とすること及びパルスの振幅を所定値まで大きくすることにより減少した電荷量を補うように、パルス出力開始からの時間経過又は出力済みパルスに応じてパルス幅を大きくするようなパルス制御を行う(仝文献図1,図2,図4,図6,明細書段落〔0016〕−〔0017〕)。
特許文献4に記載の電気搬送薬品給付装置(20)は、給付装置(20)を着用した患者に給付装置(20)の作動に関連した事象または条件の発生の信号を送り、事象または条件を検知する少なくとも1つのセンサ(28,48)と、センサ(28,48)に応答して触感信号を発生し患者に送信する触感信号発生器(36)と、事象または条件がセンサ(28,48)により検出されると、センサ(28,48)および触感信号発生器(36)と通信して触感信号発生器(36)を制御して触感信号(Sr)を発生させる制御器(56)とを備え、触感信号発生器(36)は、所定の大きさと波形を有する電流形式の触感信号を発生し皮膚を通過する触感電流が患者により感じることができるように患者に送信するものである(仝文献図1−図8参照)。
特開2009−213585号公報 特開2009−247526号公報 特開2005−237545号公報 特表2000−507472号公報 米国特許第4919139号明細書
杉村厚,清水伸,「電気穿孔法」,化学と生物,Vol.29,No.1,公益社団法人日本農芸化学会,1991年1月,pp.54-60. 山本卓,「ゲノム編集の基本原理と応用」,第1版,株式会社裳華房,2018年6月1日,p.52. 河合敬一,「イオントフォレシスとエレクトロポレーションを併用した薬物の経皮デリバリー法(メソポレーション法)とその皮膚科的応用」,Drug Delivery System 27巻3号,一般社団法人日本DDS学会,2012年,pp.164-175. David A. Edwards,et al., "Analysis of enhanced transdermal transport by skin electroporation", Journal of Controlled Release, Vol. 34, 日本DDS学会, 1995年6月, pp.211-221. 上田豊甫,「経皮的エレクトロポレーション(Dermo-Electroporation)法による物質送達効率の検討」,日本皮膚科学会雑誌,118号,公益社団法人日本皮膚科学会,2008年3月25日,p.4. 宮田光義 他,「別府温泉由来微生物藻類Mucidosphaerium sp. RG92株の抗炎症作用」,温泉科学,第68巻第3号,一般社団法人日本温泉科学会,平成30年12月,pp.204-215.
上記各特許文献に記載の技術は、何れも経皮的エレクトロポレーション法を実施するのに用いられる薬物投与装置であり、皮膚に電気パルスを与える電極と、電極に流す電気パルスを制御する制御装置を備えている。そして、特許文献1−3では、電極に流す電気パルスの波形を、皮膚への刺激を抑制するように、パルスの立ち上がりを飽和曲線状に緩やかに増加するようにされている。特許文献4では、電気パルスには、パルス幅1μs〜2msの矩形波が使用されており(仝文献図2−図4参照)、電気パルスの波形は、薬品が皮膚を通して給付される量や割合に重大な影響を及ぼすことがないように選ばれると記載されている(仝文献明細書12頁12−16行)。また、電気パルスの波形の他の例としては、特許文献5のFig.6,Fig.9,Fig.10に記載のように、立ち上がり部が緩傾斜で立ち下がり部が急傾斜となるような台形状のパルス波形も開示されている。このように、従来は、使用者の皮膚への刺激を抑制するように、電気パルスのパルス形状を工夫することが行われてきた。
然し乍ら、これまでの薬物投与装置に係る技術では、どのような形状の電気パルスが、皮膚への薬物の浸透効果をより促進させるのか、即ち、如何なるパルス形状の電気パルスを印加することが薬物の経皮輸送効率を最も大きくするのかという観点からの検討が為されている例が見当たらない。
そこで、本発明の目的は、経皮的エレクトロポレーション法を実施するにあたり、皮膚への薬物の浸透効果を従来よりも高めることが可能な薬物等投与装置及びその制御方法を提供することにある。
本発明に係る薬物等投与装置の第1の構成は、皮膚表面に塗布された薬物又は微生物、若しくは薬物又は微生物が塗布又は浸潤されたシートを皮膚表面に貼付することで皮膚表面に触接された薬物又は微生物を、エレクトロポレーション法により経皮的に投与する薬物等投与装置であって、
所定の波形パターンの電気パルスを生成する波形生成手段と、
前記波形生成手段により生成される前記波形パターンの電気パルスを皮膚に印加する電極と、を備え、
前記波形生成手段は、最低電圧から緩やかな傾斜で最大電圧まで立ち上がる立ち上り傾斜部に続いて、最大電圧から急傾斜で最低電圧まで立ち下がる立ち下り傾斜部が反復する鋸歯状の前記波形パターンであって、前記立上傾斜部の中間に、Vノッチ状に電圧が一時的に下降するノッチ部を1つ有する、二段鋸歯状の前記波形パターンを生成するものであることを特徴とする。
このように、電気パルスの波形パターンを、二段鋸歯状の波形パターンとすることによって、皮膚への薬物の浸透効果を従来よりも高めることが可能となる。これについては、実際に試験を行うことにより証明したので、その詳細については後述する。
ここで、「Vノッチ(V-notch)状」とは、V字形の缺口形状をいう(例えば、JIS Z 2242:2018の「Vノッチ試験片の形状」を参照)。
本発明に係る薬物等投与装置の第2の構成は、前記第1の構成に於いて、塗布する薬物又は微生物の(HLB値,電気伝導度)の組み合わせに対応して、複数の形状の二段鋸歯状の前記波形パターンの形状を指定する波形形状パラメータを記憶する波形パターン記憶手段と、
入力手段と、
入力手段から入力される、塗布する薬物又は微生物の(HLB値,電気伝導度)の組み合わせの指定の情報を取得するパラメータ設定手段と、
前記パラメータ設定手段により取得される(HLB値,電気伝導度)の組み合わせの情報に応じて、前記波形パターン記憶手段から前記波形形状パラメータを読み出す波形パターン選択手段と、を備え、
前記波形生成手段は、前記波形パターン選択手段により読み出される前記波形形状パラメータに従って、二段鋸歯状の前記波形パターンの電気パルスを生成するものであることを特徴とする。
この構成によれば、使用する薬物の(HLB値,電気伝導度)に応じて、最適な波形形状パラメータを選択することで、皮膚への薬物の浸透効果をより高めることが可能となる。
ここで、「HLB値」とは、親水親油バランス(Hydrophilic-Lipophilic Balance)のことであり、親水性と親油性(疎水性)の程度を表す尺度である(例えば、JIS K 3211:1990を参照)。親水性の強いものほどHLB値は大きい。
本発明に係る薬物等投与装置の第3の構成は、前記第1又は2の構成に於いて、前記波形パターン生成部が生成する二段鋸歯状の前記波形パターンの周波数よりも高周波の矩形波である搬送波を生成する搬送波生成手段を備え、
前記波形生成手段は、前記搬送波生成手段が生成する搬送波を、二段鋸歯状の前記波形パターンにより振幅変調した電気パルスを生成するものであることを特徴とする。
本発明に係る薬物等投与装置の制御方法は、皮膚表面に塗布された薬物又は微生物、若しくは薬物又は微生物が塗布又は浸潤されたシートを皮膚表面に貼付することで皮膚表面に触接された薬物又は微生物を、エレクトロポレーション法により経皮的に投与する薬物等投与装置を制御するための制御方法であって、
最低電圧から緩やかな傾斜で最大電圧まで立ち上がる立ち上り傾斜部に続いて、最大電圧から急傾斜で最低電圧まで立ち下がる立ち下り傾斜部が反復する鋸歯状の前記波形パターンであって、前記立上傾斜部の中間に、Vノッチ状に電圧が一時的に下降するノッチ部を1つ有する、二段鋸歯状の前記波形パターンの電気パルスが、前記電極に印加されるように、前記電極に出力する電圧を制御することを特徴とする。
本発明に係るサポータは、装着者の装着部位に捲回固定可能な形状に形成された伸縮性を有する繊維部材からなるサポータクロスと、
前記サポータクロスの装着者の装着部位に接する側(以下「裏面側」という。)に層状に形成された、導電性を有するパルス印加層と、
前記パルス印加層の裏面側に層状に形成された、投与される薬物又は微生物が浸透自在な部材により形成された薬物等拡散層と、
前記サポータクロスの表面側に取り付けられ、前記パルス印加層に対して電気パルスを印加する前記第1乃至3の何れか一の構成の薬物等投与装置と、
前記サポータクロスの表面側に取り付けられ、装着者の装着部位に経皮的に投与する薬物又は微生物を貯蔵し、且つ浸透拡散により前記薬剤拡散層に対して逐次供給する薬物等供給部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、薬物等の投与を受ける使用者は、サポータを薬物等の投与を行う部位に装着する。このとき、装着部位全体がサポータの薬物等拡散層で被覆される。この状態で、薬剤等投与装置を起動する。これにより、薬物等供給部から薬物等拡散層に浸透拡散された薬物等が、経皮的エレクトロポレーション法により装着部位に投与される。この場合、使用者は、薬物等の投与を行っている期間に薬剤等投与装置を手で保持しておく必要はなく、単にサポータを装着しておくだけでよい。従って、薬物等の投与を楽に行うことが可能である。また、薬物等の投与時間が長時間に及ぶ場合であっても、使用者は投与を行っている間に、自由に別の行為を行うことができるため、長時間に及ぶ薬物等の投与を苦もなく行うことが可能である。
以上のように、本発明の薬物等投与装置及び薬物等投与方法によれば、電気パルスの波形パターンを、最低電圧から相対的に緩やかな傾斜で最大電圧まで立ち上がる立ち上り傾斜部に続き、最大電圧から相対的に急傾斜で最低電圧まで立ち下がる立ち下り傾斜部が反復する鋸歯状の波形パターンであって、立上傾斜部の中間にVノッチ状に電圧が一時的に下降するノッチ部を1つ有する二段鋸歯状の波形パターンとすることによって、皮膚への薬物又は微生物の浸透効果を従来よりも高めることが可能となる。
また、使用する薬物又は微生物の(HLB値,電気伝導度)に応じて、最適な波形形状パラメータを選択することで、皮膚への薬物の浸透効果をより高めることが可能となる。
また、本発明のサポータによれば、使用者は、薬物等の投与を行っている期間に、単にサポータを装着しておくだけでよく、薬剤等投与装置を手で保持しておく必要はないため、薬物等の投与を楽に行うことが可能となる。また、薬物等の投与時間が長時間に及ぶ場合であっても、使用者はその間は自由に別の行為を行うことができ、長時間に及ぶ薬物等の投与を苦もなく行うことが可能となる。
本発明の実施例1に係る薬物等投与装置の構成を表すブロック図である。 エレクトロポレーション用プローブの一例を示す図である。 図1の波形生成器16の基本構成を表す図である。 図1のEP用プローブドライバ17(プローブドライバ17a,17b,17c)の基本構成を表す図である。 波形生成器16が出力する電気パルスの波形を示す図である。 効果検証試験における経皮的エレクトロポレーション法で使用した電気パルスの電圧パルスパターンを示す図である。 図6の各電気パルスの電圧パルスパターンに対するRG成分の浸透量の測定結果を示す図である。 表1の各供試MC A〜JのHLB値及び電気伝導度の分布を示す散布図である。 供試MC A〜Cの各電圧パルスパターンに対する浸透量の測定結果を示す図である。 供試MC D〜Gの各電圧パルスパターンに対する浸透量の測定結果を示す図である。 供試MC H〜Jの各電圧パルスパターンに対する浸透量の測定結果を示す図である。 実施例2に係るサポータの要部拡大斜視図である。 図12のサポータの要部断面図である。 実施例2に係るサポータを装着する例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
(1)薬物等投与装置の構成
図1は、本発明の実施例1に係る薬物等投与装置の構成を表すブロック図である。実施例1に係る薬物等投与装置は、本体1、フェイスプローブ2、ポイントプローブ3、頭皮プローブ4、及び冷却プローブ5を備えている。フェイスプローブ2、ポイントプローブ3、頭皮プローブ4、及び冷却プローブ5は、其々、本体1と接続コードにより接続されている。フェイスプローブ2、ポイントプローブ3、頭皮プローブ4の3つのプローブは、電気パルスを皮膚に印加するために用いられるエレクトロポレーション用プローブ(以下「EP用プローブ」という。)である。これら3つのプローブは、薬物を投与する箇所の皮膚に接触する電極6を備えている。冷却プローブ5は、皮膚の冷却に用いるプローブである。冷却プローブ5は、冷却素子7(ヒートポンプやペルチェ素子)を備えている。
図2に、EP用プローブ(フェイスプローブ2、ポイントプローブ3、頭皮プローブ4)の一例を示す。図2のEP用プローブは、プローブ本体8aの一側面に、円柱状の当接突起8bが形成されており、当接突起8bの先端面が、薬物又は微生物を投与する箇所の皮膚に接触する当接面8cとなっている。当接面8cには、5つの肉厚円板状の電極6が、サイコロの5の目状に配設されており、各電極6の間を仕切るように外形が十の字状の溝部8dが一連に形成されている。プローブ本体8aの先端側側面には、電気パルスの開始/停止指示を入力するスイッチ8eが設けられている。また、このEP用プローブの基端側側面にはコード9の一端が接続されており、このコード9の他端は、本体1に接続される。
図1において、本体1は、波形パターンメモリ10、メインコントローラ11、クロック生成器12、入力装置13、表示装置14、ブザー15、波形生成器16、プローブドライバ17a,17b,17c,17dを備えている。波形パターンメモリ10(波形パターン記憶手段)は、電気パルスの波形パターンを生成するためのパラメータ情報を記憶するメモリである。メインコントローラ11は、薬物等投与装置の制御を行うモジュールであり、本実施例ではマイコンを用いて構成されている。クロック生成器12は、クロックを生成する発振器である。入力装置13は、ユーザがメインコントローラ11に対して各種指示を入力するための装置であり、各種ボタンスイッチやタッチパネルディスプレイを用いて構成されている。表示装置14は、メインコントローラ11がユーザに対して出力するメッセージを表示する装置であり、通常のディスプレイやタッチパネルディスプレイ、LEDランプ等を用いて構成されている。ブザー15は、メインコントローラ11がユーザに対して出力する電子音メッセージを出力する装置である。波形生成器16(波形生成手段)は、エレクトロポレーション用の電気パルス波形を生成するモジュールである。プローブドライバ17a,17b,17c,17dは、其々、フェイスプローブ2,ポイントプローブ3,頭皮プローブ4,冷却プローブ5を駆動する電子回路デバイスである。以下、EP用プローブを駆動するプローブドライバ17a,17b,17cを、纏めて、「EP用プローブドライバ17」と呼ぶ。
また、メインコントローラ11は、機能的モジュールとして、パラメータ設定部11a、波形選択部11b、レベル設定部11c、時間設定部11dを備えている。此等の機能的モジュールは、プログラミングをメインコントローラ11に読み込ませて実行することにより、メインコントローラ11内に機能的に構成される。
パラメータ設定部11a(パラメータ設定手段)は、ユーザにより入力装置13から入力される、塗布する薬物又は微生物の(HLB値,電気伝導度)の組み合わせの情報を取得する処理を行うモジュールである。波形選択部11b(波形パターン選択手段)は、パラメータ設定部11aにより取得される(HLB値,電気伝導度)の組み合わせの情報に応じて、波形パターンメモリ10から波形形状パラメータを読み出して波形生成器16に設定する処理を行うモジュールである。レベル設定部11cは、ユーザにより入力装置13から入力される電気パルスのレベル情報に基づき、出力する電気パルスの大きさ(振幅)を各EP用プローブドライバ17に設定する処理を行うモジュールである。時間設定部11dは、ユーザにより入力装置13から入力される電気パルスの出力継続時間の情報に基づき、出力する電気パルスの継続時間を波形生成器16に設定する処理を行うモジュールである。
図3は、図1の波形生成器16の基本構成を表す図である。波形生成器16は、正弦波発生器16a、パルス波発生器16b、結合トランス16cを備えている。正弦波発生器16aは、図3(b)の上段に示した正弦波Xを生成する。パルス波発生器16bは、図3(b)の下段に示した矩形パルス波Yを生成する。矩形パルス波Yは、周期的に発生する矩形パルスの系列であり、その周期は正弦波Xと同じである。また、矩形パルス波Yのパルス幅は、正弦波Xの1/4周期よりも短い幅とされる。結合トランス16cの1次側コイルの両端には、正弦波発生器16aが出力する正弦波Xとパルス波発生器16bが出力する矩形パルス波Yが入力される。結合トランス16cの2次側コイルの両端からは、正弦波Xと矩形パルス波Yとの合成波である合成パルス波Lが出力される。
図4は、図1のEP用プローブドライバ17(プローブドライバ17a,17b,17c)の基本構成を表す図である。EP用プローブドライバ17は、増幅器17p、デューティサイクルパルス生成器17q、パルス振幅コントローラ17r、変調器17sを備えている。増幅器17pは、波形生成器16から入力される合成パルス波Lを増幅し出力する。デューティサイクルパルス生成器17qは、合成パルス波Lに同期した変調用の矩形波である搬送波L/Mを生成し出力する。パルス振幅コントローラ17rは、レベル設定部11cのレベル設定値(LEVEL)に基づき、デューティサイクルパルス生成器17qが出力する搬送波L/Mの振幅を制御する。変調器17sは、デューティサイクルパルス生成器17qが出力する搬送波を、増幅器17pが出力する増幅された合成パルス波Lにより振幅変調した電気パルスを生成し、EP用プローブへ出力する。
例えば、合成パルス波Lが、図4(b)の上段に示した様な正弦波であるとする。このとき、デューティサイクルパルス生成器17qは、図4(b)の中段に示した様な、合成パルス波Lに同期した変調用の矩形波である搬送波L/Mを生成する。このとき、搬送波L/Mの周期は合成パルス波Lの周期よりも十分短い周期とされ、搬送波L/Mの振幅は、レベル設定部11cのレベル設定値(LEVEL)に基づき、パルス振幅コントローラ17rによって設定される。変調器17sは、この搬送波L/Mを合成パルス波Lにより振幅変調し、図4(b)の下段に示した様な、電気パルスOをEP用プローブへ出力する。
(2)薬物等投与装置の動作
以上のように構成された本実施例の薬物等投与装置について、以下、その動作を説明する。薬物等投与装置を使用するにあたり、ユーザは、まず、薬物又は微生物を投与する皮膚表面に、使用する薬物又は微生物(以下「使用薬物等」という。)を塗布し、又は、使用薬物等が塗布又は浸潤されたシートを皮膚表面に貼付する。次に、薬物等投与装置の本体1の入力装置13により、使用薬物等の(HLB値,電気伝導度)を入力する。ここで、HLB値とは、親水親油バランス(Hydrophilic-Lipophilic Balance)のことをいい、使用薬物等の親水性と親油性(疎水性)の程度を表す尺度となる。HLB値は0〜20の値を採る。HLB値が中間の値(約10程度)となる場合が、薬物の経皮輸送効率が最も大きくなる。電気伝導度σは、使用薬物等の電気パルスの導通しやすさの尺度である。σ≒0の場合は、電気パルスが皮膚内に伝達されにくいため、薬物等の経皮輸送効率が低くなるため、大きな電気パルスを印加する必要がある。逆に、σが大きい場合には、電気パルスが皮膚内の真皮層まで到達しすぎることから、あまり大きな電気パルスを印加すると、痛みが大きくなる。パラメータ設定部11aは、入力装置13から入力される(HLB値,電気伝導度)を取得し、波形選択部11bは、取得された(HLB値,電気伝導度)の組合せに対応して、その組合せに適した波形形状パラメータを波形パターンメモリ10から読み出し、波形生成器16に設定する。これは、事前に(HLB値,電気伝導度)の組合せと波形形状パラメータとの対応表を波形パターンメモリ10に記憶させておくことで実現される。ここで、「波形形状パラメータ」は、波形生成器16が波形パターンを生成する際に用いられる、波形パターンの形状を指定するパラメータである。また、ユーザは、入力装置13により、電気パルスの強度及び継続時間(エレクトロポレーション法を施す時間)を入力する。この入力に基づき、レベル設定部11cは電気パルスの強度(振幅)を、時間設定部11dは電気パルスの継続時間を、波形生成器16に設定する。そして、ユーザは、本体1に接続されているフェイスプローブ2,ポイントプローブ3,又は頭皮プローブ4の電極6を、薬物等を塗布(又は薬物等が塗布又は浸潤されたシート貼付)した箇所の皮膚(又はシート表面)に当て、入力装置13又はプローブ本体8aのスイッチ8eから、電気パルスの開始指示を入力する。これにより、波形生成器16は、指定された波形パターン、強度及び継続時間の電気パルスを生成し、プローブドライバ17a,17b,17cの何れかが、本体1に接続されているフェイスプローブ2,ポイントプローブ3,又は頭皮プローブ4に電気パルスを出力する。ここで、プローブドライバ17a,17b,17cは、波形生成器16が出力する電気パルスの波形を、該電気パルスの波形よりも高い周波数の矩形波によりパルス変調し、パルス変調された電気パルスの波形をフェイスプローブ2,ポイントプローブ3,又は頭皮プローブ4に出力する。この電気パルスは、電極6から皮膚表面に伝導し、経皮的エレクトロポレーション法が実施される。
ここで、波形生成器16が出力する電気パルスの波形を図5に示す。図5において、電気パルスの波形の周期はTである。波形生成器16は、最低電圧Vから緩やかな傾斜で最大電圧Vまで立ち上がる立ち上り傾斜部(区間Tの部分)に続いて、最大電圧Vから急傾斜で最低電圧Vまで立ち下がる立ち下り傾斜部(区間Tの部分)が反復する鋸歯状の波形パターンであって、立上傾斜部の中間に、Vノッチ状に電圧が一時的に下降するノッチ部VNを1つ有する、二段鋸歯状の波形パターンを出力する。波形パターンメモリ10には、この二段鋸歯状の波形パターンの振幅、周波数、Vノッチの位置及び深さ等を決定するためのパラメータが格納されている。
(3)薬物等投与装置を用いた経皮的エレクトロポレーション法の試験結果
(3.1)評価試験1
最後に、本発明に係る薬物等投与装置を用いた経皮的エレクトロポレーション法の試験結果について説明する。どのような形状の電気パルスが、皮膚への薬物等の浸透効果をより促進させるのかについては、実際に薬物等の浸透試験を行って確認する必要がある。そこで、各種形状の電気パルスを用いて薬物の浸透試験を行った。
今回の試験では、薬物として、RG成分含有のジェル(以下「RG成分含有ジェル」という。)を使用した。ここで、「RG成分」とは、別府温泉由来微生物藻類Mucidosphaerium sp. RG92株(非特許文献6参照)のエタノール抽出物をいい、皮膚細胞に対する抗炎症作用が確認されている薬物である。また、RG成分には、紫外線照射における発光成分が含まれていることが確認されている。
試験方法は、次のような方法を用いた。
(1)まず、被験者の皮膚の試験箇所にRG成分含有ジェルを塗布する。
(2)皮膚の試験箇所にEP用プローブの電極を当てて、電気パルスを10分間通電することにより、経皮的エレクトロポレーションの施術を実施する。
(3)テープストリッピング法(tape stripping method:粘着テープにより皮膚表面の角質細胞を剥離する方法。)により、皮膚の試験箇所の角質層を2〜3層ずつ順番に剥離してゆき、剥離したそれぞれの角質層について、紫外線照射によってRG成分特有の蛍光成分の量を測定し、RG成分の浸透量を数値化する。
図6に、今回の試験で使用した電気パルスの電圧パルスパターンを示す。経皮的エレクトロポレーション法では、図6の(a)〜(e),(a/2)〜(e/2)に示した様な10種類のパターンの電気パルスを使用した。(a)〜(e)は周波数12kHz、(a/2)〜(e/2)は周波数6kHzである。また、(a)と(a/2)、(b)と(b/2)、(c)と(c/2)、(d)と(d/2)、(e)と(e/2)は、其々、相似する。(a),(a/2)は正弦波、(b),(b/2)は鋸歯状波、(c),(c/2)は特許文献1,2で示されたような台形状波、(d),(d/2)及び(e),(e/2)は本発明の薬物等投与装置で採用する二段鋸歯状波である。(d),(d/2)は、Vノッチの位置が立上傾斜部の中央よりも後側であり、(e),(e/2)は、Vノッチの位置が立上傾斜部の中央よりも前側とされている。
図7に、図6の各電気パルスの電圧パルスパターンに対するRG成分の浸透量の測定結果を示す。図7において、横軸は各電気パルスの電圧パルスパターン、縦軸はRG成分の浸透量(の相対値)を示している。図7より、電気パルスが周波数12kHzの場合よりも周波数6kHzの方が全体的にRG成分の浸透量は大きくなった。また、同じ周波数に於いても、電気パルスの電圧パルスパターンによってRG成分の浸透量は大きく異なり、二段鋸歯状波(e/2)が最も浸透量が大きく、次いで、台形状波(c/2)及び二段鋸歯状波(d/2)が略同程度となった。以上の結果から、経皮的エレクトロポレーション法では、電気パルスの電圧パルスパターンを二段鋸歯状波とすることにより、高い薬物浸透効果が得られることが分かる。特に、(e/2)のように、二段鋸歯状波におけるVノッチの位置を立上傾斜部の中央よりも前側とした電圧パルスパターンを用いることにより、最も大きな薬物浸透効果が得られることが分かる。
(3.2)評価試験2
次に、種々の微生物カクテルについて実施した試験結果について説明する。ここで、「微生物カクテル」(microorganism cocktail:MC)とは、薬効を有する複数の微生物の混合物をいう。供試微生物カクテルとして、HLB値及び電気伝導度が表1のような供試MC A〜Jを使用した。また、図8に、表1の各供試MC A〜JのHLB値及び電気伝導度の分布を示す。
試験方法は、評価試験1と同様の方法により行い、試験で使用する電気パルスの電圧パルスパターンは、図6に示した(a)〜(e)及び(a/2)〜(e/2)を使用した。図9〜図11に、上記各供試MC A〜Jの各電圧パルスパターンに対する浸透量の測定結果を示す。浸透量の測定方法は評価試験1と同様である。また、図9〜図11の各グラフの縦軸の浸透量の単位は各グラフで共通としている。比較対象の電圧パルスパターンは5種類であり、(a)と(a/2)、(b)と(b/2)、(c)と(c/2)、(d)と(d/2)、(e)と(e/2)は、其々、相似パターンである。(a)〜(e)は周波数12kHz、(a/2)〜(e/2)は周波数6kHzである。5種類の電圧パルスパターンに対する浸透量の評価を行うため、其々の供試MC及び其々の周波数ごとに5つの電圧パルスパターンに対する浸透量の偏差値を求め、各電圧パルスパターンについて、2つの周波数(6kHz,12kHz)に対する偏差値のうち大きい方の偏差値を、該供試MCに対する該電圧パルスパターンの偏差値とする。そして、其々の電圧パルスパターンについて、各供試MCに対する偏差値の平均を求め、この平均偏差値を比較して、各電圧パルスパターンの浸透量における優位性を評価した。
表2に、其々の供試MC及び其々の周波数ごとの5つの電圧パルスパターンに対する浸透量の偏差値を示す。表3に、各供試MCに対する各電圧パルスパターンの偏差値、及び各電圧パルスパターンの平均偏差値を示す。
表2及び表3より、浸透量に関して、電圧パルスパターン(e),(e/2)の平均偏差値が最も大きく、次いで、パターン(c),(c/2)、パターン(d),(d/2)の順となっている。従って、電圧パルスパターン(e),(e/2)を用いることにより、最も大きなMC浸透効果が得られることが分かる。
本実施例では、本発明に係るサポータについて説明する。図12は、実施例2に係るサポータの要部拡大斜視図である。図13は、図12のサポータの要部断面図である。本実施例に係るサポータ20は、サポータクロス21、パルス印加層22、薬物等拡散層23、浸水フィットクロス24、薬物等供給部25、薬物等投与装置26を備えている。
サポータクロス21は、装着者の装着部位に捲回固定可能な形状に形成された伸縮性を有する繊維部材により構成されている。サポータクロス21の全体形状は、サポータ20の装着が想定された身体の部位により異なり、例えば、手足に装着することを想定する場合には全体形状は筒状又は面ファスナで端部を止めることが可能な面状とされ、肩や背中に装着することを想定する場合には、襷状又は面ファスナで端部を止めることが可能な面状とされる。パルス印加層22は、サポータクロス21の裏面側(装着者の装着部位に接する側)に層状に形成された、導電性を有する可伸縮可撓性部材によって構成されたシート状の層である。パルス印加層22は、上から、絶縁層22c,電極層22a,絶縁層22d,電極層22b,絶縁層22eの順に積層された多層構造とされている。絶縁層22c,22d,22eは絶縁体の層である。電極層22aと電極層22bとは絶縁層22cにより絶縁されており、電極層22a及び電極層22bには薬物等投与装置26の波形生成器16の2つの出力電極端子(HT1,HT2)が其々接続されている(図3参照)。電極層22a及び電極層22bは、薄い平面状又は網目状の導体シートやプリント配線が形成された導体シートを用いることが出来る。薬物等拡散層23は、パルス印加層の裏面側に層状に形成された、投与される薬物又は微生物が浸透自在な浸水性部材(スポンジ状部材)により形成されたシート状の層である。浸水フィットクロス24は、薬物等拡散層23の裏面側に着脱自在に設けられた、薬物等が浸透自在なハイドロゲルのシートである。浸水フィットクロス24は、交換可能なディスポーザブルシートである。
また、薬物等拡散層23の裏面側には、複数の電極27が設けられており、各電極27の上側は、薬物等拡散層23を貫通して電極層22a,22bの何れか一方に接続されている。薬物等投与装置26の波形生成器16が出力する電圧パルスは、これらの電極27から、浸水フィットクロス24を介して身体のサポータ装着部位へ印加される。
薬物等供給部25は、サポータクロス21の表面側に取り付けられており、装着者の装着部位に経皮的に投与する薬物又は微生物を貯蔵し、且つ浸透拡散により前記薬剤拡散層に対して逐次供給する装置である。薬物等供給部25は、カートリッジアダプタ25a及びカートリッジアンプル25bから構成されている。カートリッジアンプル25bは、薬物又は微生物が封入された、交換可能なカートリッジ状のアンプル(ampule)である。カートリッジアダプタ25aは、カートリッジアンプル25bを着脱することが可能な中継・固定器具である。カートリッジアダプタ25aの内部には、一端(出液端)が薬物等拡散層23に接続された管状の注液ルーメン(injection lumen)25cが形成されている。
図12(b)に薬物等供給部25のカートリッジアンプル25bの着脱操作を図示する。注液ルーメン25cの入液端には、カートリッジアンプル25bの接続キャップ25dが接続可能なコネクタ25eが回動自在に設けられている。カートリッジアンブル25bをカートリッジアダプタ25aに装着する場合、カートリッジアダプタ25aの上面の真上から、カートリッジアンブル25bの接続キャップ25dの先端を、コネクタ25eに挿入して嵌め込んだ後、カートリッジアンブル25bの本体を、カートリッジアダプタ25aの上面と平行となるように、コネクタ25eの回転軸25gを中心に90度回転させて、カートリッジアンブル25bの本体をカートリッジアダプタ25aの上面に設けられた嵌着溝25fに嵌合させる。接続キャップ25dの先端をコネクタ25eに嵌着することで、カートリッジアンブル25bの内室は注液ルーメン25cと連通した状態となり、カートリッジアンブル25b内の薬液等は注液ルーメン25c内に注出し、注液ルーメン25cを通して薬物等拡散層23内へと浸出してゆく。薬物等拡散層23内で拡散された薬液等は、浸水フィットクロス24へと浸透し、身体のサポータ装着部位の表面を浸潤してゆく。尚、カートリッジアンブル25bをカートリッジアダプタ25aから脱抜する場合には、上記図12(b)に示した操作の逆操作を行えばよい。
薬物等投与装置26は、パルス印加層22に対して、実施例1の図5で説明したような波形パターンの電気パルスを出力する装置である。薬物等投与装置26は、サポータクロス21の表面側に取り付けられている。薬物等投与装置26の表面には、電源のオン/オフの指示を入力する電源ボタン26a、出力する電気パルスの強度を調節する指示を入力する電圧強度調整ボタン26b,26cが設けられている。尚、薬物等投与装置26の内部構成については、図1と同様であるが、本実施例の薬物等投与装置26では図1の各プローブ6,7の代わりにパルス印加層22の電極層22a,22bが接続される。
図14は、実施例2に係るサポータ20を装着する例を示す図である。図14では、サポータ20を、其々、手首、肘、肩、膝、足首に装着した例を示している。サポータクロス21の全体形状は、其々の装着部位に合わせて、装着に適した形状とされている。このように、本実施例のサポータ20を用いれば、使用者は、薬物等の投与を行っている期間に、単にサポータ20を投与部位に装着しておくだけでよく、薬剤等投与装置26自体を手で保持しておく必要はない。そのため、使用者は薬物等の投与を楽に行うことが可能となる。また、薬物等の投与時間が長時間に及ぶ場合であっても、使用者はその間は自由に別の行為を行うことができ、長時間に及ぶ薬物等の投与を苦もなく行うことが可能となる。
1 本体
2 フェイスプローブ
3 ポイントプローブ
4 頭皮プローブ
5 冷却プローブ
6 電極
7 冷却素子
8a プローブ本体
8b 当接突起
8c 当接面
8d 溝部
8e スイッチ
9 コード
10 波形パターンメモリ
11 メインコントローラ
11a パラメータ設定部
11b 波形選択部
11c レベル設定部
11d 時間設定部
12 クロック生成器
13 入力装置
14 表示装置
15 ブザー
16 波形生成器
16a 正弦波発生器
16b パルス波発生器
16c 結合トランス
17 EP用プローブドライバ
17p 増幅器
17q デューティサイクルパルス生成器
17r パルス振幅コントローラ
17s 変調器
17a,17b,17c,17d プローブドライバ
20 サポータ
21 サポータクロス
22 パルス印加層
22a,22b 電極層
22c,22d,22e 絶縁層
23 薬物等拡散層
24 浸水フィットクロス
25 薬物等供給部
25a カートリッジアダプタ
25b カートリッジアンブル
25c 注液ルーメン
25d 接続キャップ
25e コネクタ
25f 嵌着溝
26 薬物等投与装置
26a 電源ボタン
26b,26c 電圧強度調整ボタン
27 電極

Claims (5)

  1. 皮膚表面に塗布された薬物又は微生物、若しくは薬物又は微生物が塗布又は浸潤されたシートを皮膚表面に貼付することで皮膚表面に触接された薬物又は微生物を、エレクトロポレーション法により経皮的に投与する薬物等投与装置であって、
    所定の波形パターンの電気パルスを生成する波形生成手段と、
    前記波形生成手段により生成される前記波形パターンの電気パルスを皮膚に印加する電極と、を備え、
    前記波形生成手段は、最低電圧から緩やかな傾斜で最大電圧まで立ち上がる立ち上り傾斜部に続いて、最大電圧から急傾斜で最低電圧まで立ち下がる立ち下り傾斜部が反復する鋸歯状の前記波形パターンであって、前記立上傾斜部の中間に、Vノッチ状に電圧が一時的に下降するノッチ部を1つ有し、該ノッチ部の最小電圧から最大電圧までオーバーシュートすることなく単調増加した後に最小電圧まで降下する、二段鋸歯状のパターンが連続する前記波形パターンを生成するものであることを特徴とする薬物等投与装置。
  2. 塗布する薬物又は微生物の(HLB値,電気伝導度)の組み合わせに対応して、複数の形状の二段鋸歯状の前記波形パターンの形状を指定する波形形状パラメータを記憶する波形パターン記憶手段と、
    入力手段と、
    入力手段から入力される、塗布する薬物又は微生物の(HLB値,電気伝導度)の組み合わせの指定の情報を取得するパラメータ設定手段と、
    前記パラメータ設定手段により取得される(HLB値,電気伝導度)の組み合わせの情報に応じて、前記波形パターン記憶手段から前記波形形状パラメータを読み出す波形パターン選択手段と、を備え、
    前記波形生成手段は、前記波形パターン選択手段により読み出される前記波形形状パラメータに従って、二段鋸歯状の前記波形パターンの電気パルスを生成するものであることを特徴とする請求項1記載の薬物等投与装置。
  3. 前記波形パターン生成部が生成する二段鋸歯状の前記波形パターンの周波数よりも高周波の矩形波である搬送波を生成する搬送波生成手段を備え、
    前記波形生成手段は、前記搬送波生成手段が生成する搬送波を、二段鋸歯状の前記波形パターンにより振幅変調した電気パルスを生成するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の薬物等投与装置。
  4. 皮膚表面に塗布された薬物又は微生物、若しくは薬物又は微生物が塗布又は浸潤されたシートを皮膚表面に貼付することで皮膚表面に触接された薬物又は微生物を、エレクトロポレーション法により経皮的に投与する薬物等投与装置の作動方法であって、
    前記薬物等投与装置は、波形パターンの情報を記憶する波形パターン記憶手段及びコントローラを備えており、
    前記薬物等投与装置に内蔵された前記コントローラが、前記波形パターン記憶手段に記憶された前記波形パターンであって、最低電圧から緩やかな傾斜で最大電圧まで立ち上がる立ち上り傾斜部に続いて、最大電圧から急傾斜で最低電圧まで立ち下がる立ち下り傾斜部が反復する鋸歯状の前記波形パターンであって、前記立上傾斜部の中間に、Vノッチ状に電圧が一時的に下降するノッチ部を1つ有し、該ノッチ部の最小電圧から最大電圧までオーバーシュートすることなく単調増加した後に最小電圧まで降下する、二段鋸歯状のパターンが連続する前記波形パターンの電気パルスを生成し、該電気パルスが、前記電極に印加されるように、前記電極に出力する電圧を制御することを特徴とする薬物等投与装置の作動方法
  5. 装着者の装着部位に捲回固定可能な形状に形成された伸縮性を有する繊維部材からなるサポータクロスと、
    前記サポータクロスの装着者の装着部位に接する側(以下「裏面側」という。)に層状に形成された、導電性を有するパルス印加層と、
    前記パルス印加層の裏面側に層状に形成された、投与される薬物又は微生物が浸透自在な部材により形成された薬物等拡散層と、
    前記サポータクロスの表面側に取り付けられ、前記パルス印加層に対して電気パルスを印加する請求項1乃至3の何れか一に記載の薬物等投与装置と、
    前記サポータクロスの表面側に取り付けられ、装着者の装着部位に経皮的に投与する薬物又は微生物を貯蔵し、且つ浸透拡散により前記薬剤拡散層に対して逐次供給する薬物等供給部と、を備えたことを特徴とするサポータ。
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