JP6778360B2 - 熱間加工用潤滑剤、金属の熱間加工方法 - Google Patents

熱間加工用潤滑剤、金属の熱間加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属の熱間加工に好適に用いられる潤滑剤、及びその潤滑剤を用いて行う金属の熱間加工方法に関するものである。
金属の熱間加工には、熱間加工用の工具と高温の被加工材の間の摩擦を軽減するために潤滑剤が用いられている。このような潤滑剤を金属の熱間加工に用いることによって、工具の摩耗等の損耗を軽減したり、熱間加工中に被加工材の表面が工具表面上で摺動することに起因して生じ得る被加工材の表面の損傷を防止・抑制することが可能になる。また、金属の熱間加工に用いられる潤滑剤の役割(機能)として、被加工材が工具表面に良く馴染むようにすること(熱間鍛造などの例で言えば被加工材の金型への充満性を向上させること)、さらには、熱間加工後に工具と被加工材が離れ易くなること(熱間鍛造の例で言えば加工後の離型性を良くすること)、といった点も金属の熱間加工に用いられる潤滑剤の役割として挙げられる。
高温の環境で用いられる潤滑剤としては、優れた高温潤滑特性を有するグラファイト等の黒鉛系潤滑剤が従来から使用されていた。そして、グラファイト等の黒鉛系潤滑剤と同等またはそれ以上の優れた高温潤滑特性を有する材料が見つからなかったため、黒鉛系潤滑剤に代わる潤滑剤が実際の熱間加工の現場において適用されることはほぼ皆無であった。
しかしながら、黒鉛系潤滑剤には、以下のような欠点がある。すなわち、黒鉛系潤滑剤を使用した作業現場が黒くなり、その黒い汚れの除去が困難であること、黒鉛系潤滑剤の使用現場において電気配線の近傍に黒鉛系潤滑剤の細かい粉末が付着すると、グラファイトは電気を通すため、漏電の危険性があること、黒鉛系潤滑剤は循環使用可能である一方で、使用後にはスラッジ(金属の酸化物粉)等が混入するため、それらを取り除く必要があること、以上の3点に集約される欠点が挙げられる。
特に、黒色微粒子で構成される黒鉛系潤滑剤を用いると熱間加工設備の周辺には黒色微粒子が飛び散り、その設備及びその周囲、そして当該工場全体とその周辺が黒くなる。
そこで、近年では、環境への配慮から、無機塩やカルボン酸塩系等で構成される白色系潤滑剤と総称される非黒鉛系潤滑剤が開発されている(例えば、下記非特許文献1参照)。
池田修啓、「水溶性の非黒鉛系熱間鍛造用潤滑剤」、電気製鋼、大同特殊鋼技報、2014年7月18日、第85巻、第1号、p.29−37
しかしながら、白色系潤滑剤は、適用温度範囲が800℃未満、通常は600℃未満であるため、例えば1000℃超の高温域に用いられることなく、500℃までの低温域に特化して用いられることが多い。
一方、黒鉛系潤滑剤は、1000℃超の温度域までと適用温度範囲が広い。したがって、800℃以上での熱間加工には、黒鉛系潤滑剤を用いざるを得ないのが実情である。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、主たる目的は、適用温度範囲が黒鉛系潤滑剤と同等またはそれ以上であり、且つ黒鉛系潤滑剤であれば生じる上述の不具合を防止・抑制可能な熱間加工用潤滑剤、及びそのような熱間加工用潤滑剤を用いて金属の熱間加工を適切に行うことが可能な熱間加工方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の潤滑剤が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、金属である被加工材の熱間加工に用いられる潤滑剤に関するものであり、少なくとも五酸化ニオブ(Nb)の粉末を主体とする粉末を含有するものであることを基本的な特徴としている。
ここで、本発明は、少なくともNb 粉末を主体とする粉末を含む粉末状の潤滑剤、少なくともNb 粉末を含む粘性体の潤滑剤、これら何れのタイプの熱間加工用潤滑剤も包含するものである。そして、少なくともNb 粉末を主体として含む粉末状の潤滑剤としては、例えば、Nb 粉末のみからなる潤滑剤や、Nb 粉末とNb 以外の粉末が混合された粉末状の潤滑剤を挙げることができる。Nb 粉末に混合する「Nb 以外の粉末」としては、僅かな水に溶かすことで粘着性が出るデキストリンや、小麦粉、或いは片栗粉等を挙げることができる。
また、本発明に係る熱間加工用潤滑剤は、Nb 粉末を主体とする粉末に媒材を混合したものであってもよい。ここで、本発明における「媒材」は、粘性体の媒材、粉末状の媒材、これら両方を包含するものである。「粉末状の媒材」として適したものとしては、デキストリンの粉末を挙げることができる。「粘性体の媒材」は、特に熱を加えない室温程度の冷間で粘着性があることが好ましい。このような粘着性を有する媒材の好適な一例としては、デキストリンの粉末を僅かな水に混合した粘性体の媒材を挙げることができる。水にデキストリンの粉末を混合した粘性を有する媒材のうち、水分は熱間では蒸発し、デキストリンは炭化するものの、Nbの落剥現象は加熱中及び加熱後においてほとんど生じず、Nbの潤滑特性を担保することができる。水にデキストリンの粉末を混合した粘性体と同様に、加熱中及び加熱後においてもNbの潤滑特性を担保可能な粘性を有する媒材は列挙するまでもなく、多く存在する。なお、媒材は、熱間加工時に金属の表面に損傷を与える元素を含まないものであることが好ましい。したがって、例えば、小麦粉を水に溶かした粘性体や、少しの加熱で粘性が出現する片栗粉を含む粘性体も、本発明における「媒材」として用いることが可能である。なお、損傷を与える元素の例としては、硫黄や燐等を挙げることができる。
また、「粉末状の媒材」の好適な一例としては、「少なくともデキストリンの粉末を含有する媒材」を挙げることができる。なお、本発明では、デキストリンの粉末に代えて、または加えて、小麦粉、片栗粉等、これら適宜の粉体から選択した1種類の粉末を含有する媒材や、選択した2種類以上の粉末を含有する媒材を「粉末状の媒材」として用いることができる。
本発明者は、炭化ニオブ(NbC)粒を粉体プラズマ溶接した熱間加工用工具の工具寿命を飛躍的に伸ばした技術開発に関連し、工具表面に潤滑特性が発現するのではないかと推測し、さらに、NbCで強化された熱間加工用工具を使用した際に、工具表面、及び加工された材料表面(被加工材の表面)に、ニオブ(Nb)の酸化物、つまり酸化ニオブ(Nb)が付着していることを見出した。
そして、本発明者は、工具表面に存在するNbC粒の表層が大気中で高温の被加工材に触れて酸化されることでNbが生成されたとの推定に基づき、Nbを作製し、それを用いてNbの潤滑特性の評価を行った結果、Nbが800℃以上の高温域で、黒鉛系潤滑剤の代表例であるグラファイトと同等の潤滑特性を有するものであることを見出した。
したがって、本発明に係る熱間加工用潤滑剤によれば、高温域においてもグラファイトに代表される黒鉛系潤滑剤と同等の潤滑特性を発揮し、且つNbが、白色微粉末であり、電気を通さないため、黒鉛系潤滑剤であれば生じる上述の不具合、つまり、熱間加工設備の周辺に黒色微粒子が飛び散ることに起因する作業環境の悪化や、黒鉛系潤滑剤の使用現場において電気配線の近傍に黒鉛系潤滑剤の細かい粉末が付着した場合に、黒鉛系潤滑剤が通電性であることに起因する設備トラブル(漏電の危険)、これらの不具合を防止・抑制することが可能である。また、本発明に係る熱間加工用潤滑剤によれば、黒鉛系潤滑剤のように湿式状態で回収されるものと比べて、油水分離性等を気にせずにNbと被加工材の酸化物、工具の摩耗粉だけの混合物としてドライな状態で回収することが可能であるため、再利用をするとすれば、混入したスラッジ(金属の酸化物粉)等を使用後に取り除く処理(選別処理)に手間が掛からないという点で有利である。さらにまた、Nbは乾燥状態の粉末になった時に、黒鉛の粉末より比重が大きいために飛散し難いという特性があり、また色が極僅かに桃色を帯びた白色系であることから、本発明に係る熱間加工用潤滑剤によれば、黒鉛粉末のように広い範囲に飛散して周辺環境を黒くしてしまうという不具合も発生し難いという点においても有利である。
そして、本発明では、上述のように、少なくともNb粉末を主体とする粉末を含む粉末状の潤滑剤、少なくともNb粉末を主体とする粉末に媒材としてデキストリンを含む粘性体を混合した潤滑剤、少なくともNb 粉末を主体とする粉末に媒材としてデキストリン粉末を混合した潤滑剤、これら何れのタイプの熱間加工用潤滑剤も包含するものであり、Nb単体をそのままの状態(粉末状)で熱間加工前に被加工材に塗布(事前塗布)した場合には、粘着性が無いために直ぐに落剥してしまい、潤滑剤として機能しない場合には熱間加工用潤滑剤として、Nbの粉末に粘着性のある媒材(粘性体の媒材)を混合したものを適用すれば、事前塗布した場合に剥落する事態を防止することができる。さらに、Nb単体をそのままの状態で事前塗布する場合、落剥の問題があるため、Nb単体を必要な部分に必要量だけ塗布することができない場合には、Nbを粘着性のある媒材に混合した熱間加工用潤滑剤を用いることで、事前塗布する場合に、剥落の事態が生じず、必要な部分に必要量だけ塗布することが可能であり、熱間加工用潤滑剤としての機能を十分に発揮する。
また、本発明に係る金属の熱間加工方法は、上述の本願発明に係る熱間加工用潤滑剤を金属である被加工材のうち所定の面に塗布した状態で熱間加工することを特徴としている。
ここで、被加工材のうち熱間加工用潤滑剤を塗布する「所定の面」は、適宜選択したり、変更することができる。例えば、被加工材のうち熱間工具に接触し得る面全体に熱間加工用潤滑剤を塗布する態様を挙げることができる。
そして、このような本発明に係る金属の熱間加工方法であれば、熱間加工用潤滑剤による上述の作用効果を得ることができ、熱間加工用の工具と被加工材の摩擦や、熱間工具の摩耗等の損耗、及び被加工材の表面の損傷をすべて防止・抑制するとともに、被加工材が工具表面に良く馴染む一方、熱間加工後に工具と被加工材が相互に離れやすくなり、熱間加工処理を適切且つスムーズに行うことが可能である。
以上に述べたように、少なくともNb 粉末を含有する本発明に係る熱間加工用潤滑剤によれば、適用温度範囲が黒鉛系潤滑剤と同等またはそれ以上であり、且つ黒鉛系潤滑剤であれば生じる上述の不具合を防止・抑制可能な熱間加工用潤滑剤を提供することができるとともに、そのような熱間加工用潤滑剤を用いて金属の熱間加工を適切に行うことが可能な熱間加工方法を提供することができる。
加熱前と加熱後のNb 粒を対比して示す図。 加熱温度と加熱時間が酸化に及ぼす影響に関する調査結果を示す図。 板圧延時の摩擦係数の大小と反りの関係を模式的に示す図。 圧延の条件を示す図。 圧延処理後の被圧延材の反り状態の一例を示す図。 圧延処理の結果によるNb の潤滑効果(評価結果)を示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る熱間加工用潤滑剤は、金属である被加工材の熱間加工に用いられるものであり、少なくともNb 粉末を主体とする粉末を含有するものである。
ここで、本発明者がNbの高温潤滑特性に関して実施した試験及びその試験結果について説明する。
本発明者は、Nbの高温潤滑特性を特定すべく、150μm以下の粒径の炭化ニオブ(NbC)粒をセラミック皿に乗せ、その皿を電気炉に入れて大気中で加熱した。図1に、加熱前と加熱後の粒を対比して示す。なお、同図中の「Fine NbC powder」は粒径45μm以下の微細NbC粒であり、「Coarse NbC powder」は粒径75μm以上150μm以下の粗NbC粒である。同図では、「Fine NbC powder」、「Coarse NbC powder」が、それぞれ「〇=Perfect whitening(完全白色化)」である状態、「△=Partial whitening(部分白色化)」である状態、「×=No change(変化なし)」である状態を写真で示している。
同図から把握できるように、NbC粒は黒色であるが、加熱後に酸化した後は白色粉となる。さらに、酸化に及ぼす加熱温度と加熱時間の影響を調査した結果を図2に示す。なお、同図では、加熱温度を絶対温度Kで示している。
図2より、NbCは、加熱温度が600℃以上で白い微粉末になることが判明した。そして、この白い微細粉末は、地方独立行政法人大阪府立産業技術研究所に依頼し、X線構造解析によってNbであると特定された。
次に、本発明者は、Nbの潤滑特性を以下の実験を行うことで調査した。
すなわち、本発明者は、薄鋼板の上面にNb粉を載せて加熱炉内で大気圧下で加熱を行い、所定の温度に加熱された時点で薄鋼板を加熱炉から取り出し、回転する2つのローラの間に金属を通すことによって板の形状に加工する圧延処理(板延圧)を行った。
板圧延では、図3に示すように、圧延処理後の板材(被延圧材)の上面と下面の摩擦係数が同じであれば、反りは発生しない(同図(a)参照)。一方、圧延処理後の板材の上面と下面の摩擦係数が異なる場合であれば、相対的に摩擦係数の小さい面の伸び量が、相対的に摩擦係数の大きい面の伸び量を上回り、圧延処理後に反りが発生する(同図(b),(c)参照)。
ここで、薄鋼板の上面に載っているNbの潤滑特性が高く、摩擦係数低減効果があると仮定すれば、圧延処理後の板材は下方向に反るはずである。基準として、Nbを上面に載せて加熱した薄鋼板と同じ条件で、グラファイトを上面に載せて加熱した薄鋼板を圧延し、両者の結果を比較した。図4に示すように、幅40mm、長さ100mm、厚さ2mmの中炭素鋼の板を、ロール径が70mmである回転する2つのローラの間に通すという圧延条件の下、圧延処理を行った。
圧延の結果、Nbを薄鋼板の上面に載せた場合と、グラファイトを薄鋼板の上面に載せた場合、圧延処理後の薄鋼板は全て下側に反った。その一例を図5に示す。薄鋼板の上面にNbやグラファイトを載せずに延圧処理を行った場合、圧延処理後の薄鋼板の反りは観察されなかった。
上記実験に引き続いて、本発明者は、圧延された板材の湾曲部の曲率半径ρを測定し、その逆数(1/ρ)で定義される反り部分の曲率を反りの程度を表す指標とし、圧延条件が曲率に及ぼす影響を評価した。評価結果を図6に示す。同図中の縦軸は反り部分の曲率半径であり、横軸は圧下率(被圧延材の板厚減少率)である。また、同図中の「×」、「■」、「*」、「▲」、「◆」は、それぞれNbの密度が単位面積(0.0001g/mm)あたり、「2」、「1.5」、「1」、「0.5」、「0」の指標である。
グラファイトやNbを上面に載せた薄鋼板は圧延後に下向きに反ることから、Nbを載せた上面にはグラファイトと同様の摩擦低減効果があることが判明した。なお、図6におけるx軸方向に延伸する直線は、各マーク「×」、「■」、「*」、「▲」、「◆」が、それぞれ縦軸のどの値周辺に分散しているかという目安(場所)を示している。例えば、同図中×で示すNbの塗布密度が、単位面積当たりの密度の1単位を(0.0001g/mm)とした時に、2単位の密度であれば、その指標を示すマーク「×」は、同図中右から矢印で「Graphite」と書いた直線よりも上に来る直線付近に分散しており、このことから、グラファイトより潤滑性が良い、という特徴が出ていることが同図より把握することができる。また、同図では、グラファイトと同様の潤滑効果があると評価できる範囲を部分楕円で図示している。すなわち、塗布密度(濃度)が、1×0.0001g/mm(マーク「*」),1.5×0.0001g/mm(マーク「■」),2×0.0001g/mm(マーク「×」)であれば、グラファイトと同様の潤滑効果があると評価できる。
また、薄鋼板の上面にNbを載せるという条件は同じであっても、800℃に加熱した薄鋼板を圧延した場合の下向きの反りが、600℃に加熱した鋼板を圧延した場合の下向きの反りよりも大きいことから、Nbの潤滑効果は高温になるほど高くなることが判明した。また、800℃で圧延した場合における反り部分の曲率は、グラファイトを用いた場合とNbを用いた場合で同程度であることから、Nbによる摩擦係数はグラファイトによる摩擦係数と同程度であると結論づけることができる。また、本発明者は、1000℃で圧延した場合も800℃の場合と同じような効果が得られることを確認した。
以上より、Nbが高温域でグラファイトと同様の優れた潤滑性能を有することが判明した。したがって、Nbの粉末そのものを有用な熱間加工用潤滑剤として用いることができる。
一方、Nbは微粉末であるため、熱間加工用の潤滑剤としてそのままの状態で使用するには限界がある。例えば圧延処理の際に被圧延材の下面にNbの粉末そのものを事前塗布しようとしても、粘着性が無いために直ぐに落剥してしまい、潤滑剤としての機能を発揮し難い。また、熱間圧延処理の直前にスプレー等を用いてNbの粉末そのものを被圧延材に吹き付けようとしても、被圧延材の下面に吹き付けたNbは直ぐに落ちてしまうため、やはり潤滑剤としての機能を発揮し難い。さらに、熱間鍛造等などで被加工材を複雑な形状に成形する時には、微粉末であるNbをそのままの状態で必要な部分に必要量だけ塗布することが困難であり、潤滑剤としての用をなさないおそれがある。
そこで、本発明者は、微粉末であるNbに、粘着性を有する媒材を混合することで、極めて実用性の高い潤滑剤になることを見出した。このような本発明に係る潤滑剤によれば、被加工材の所定の面に対して、熱間加工を行う前に塗布(事前塗布)することによって、微粉末であるNbが被加工材の所定の面(塗布面)から落剥する事態を防止して、熱間加工中及び熱間加工後に媒材が加熱で炭化してしまった後でもNbの落剥を防ぎ、熱間加工用潤滑剤としての機能を十分に発揮する。
本実施形態では、粘着性を有する媒材としてデキストリンを含む粘性体を適用している。具体的に、本実施形態に係る熱間加工用潤滑剤は、デキストリンを水に混合した粘性体を媒材として適用している。この媒材に、白色微粉末であるNbを均質になるように混合した本実施形態に係る熱間加工用潤滑剤は、被加工材の所定の面(被加工面)に対して熱間加工処理前に塗布(事前塗布)可能なものである。なお、粘性体の媒材は、スプレーする場合であればスプレーのノズルを通る程度に流動性があればよく、刷毛などで塗る場合には団子になってしまって塗布できない事態に陥らなければ、実際の使用上問題にならない。また、本実施形態に係る熱間加工用潤滑剤において、Nbの濃度範囲は特に限定されず、被加工面にNbをどの程度の濃度で塗布しているか(つまり残存しているか)が問題となり、特に有効な範囲は、図6から把握できるように、1×0.0001g/mm以上(図6中のマーク「×」、「■」、「*」)である。
本実施形態に係る熱間加工用潤滑剤の効果を確認すべく、本発明者は、厚さ2mm、幅40mm、長さ100mmの中炭素鋼の板に付与する潤滑状態を、以下の複数の潤滑条件から適宜選択して組み合わせた複数のケース(全12ケース)で実験を行った。
潤滑条件は次の4つである。条件Aは無潤滑(潤滑剤なし)であり、条件BはNb粉単体であり、条件CはNb粉を上述の粘性体の媒材(デキストリンを水に混合した粘性体の媒材)に混ぜ込んだもの(本実施形態に係る潤滑剤)であり、条件Dはデキストリンを水に混合した粘性体そのものである。
本実験においては、被圧延材である中炭素鋼の板の上面、あるいは下面に潤滑剤を塗布し、あるいは全く塗布せずに、大気炉で1000℃に加熱した後、圧延機にかけて圧延処理を行い、圧延後の反りを評価した。ここで、条件BのNb粉単体は、被圧延材の上面に塗布することは可能であるものの、剥落の問題があるため、被圧延材の下面に塗布することはできないため、条件Bは必然的に被圧延材の上面にのみ付与可能な潤滑条件となる。なお、条件Cの本実施形態に係る潤滑剤を被圧延材の上面や下面に塗布したケースでは、塗布面積あたりのNb粉の密度が、条件BであるNb粉単体を被圧延材の上面に塗布したケースの場合と同じ密度となるように調整した。
ケース1は、被圧延材の上面及び下面の両面が条件Aであり、ケース2は、被圧延材の上面及び下面の両面が条件Cであり、ケース3は、被圧延材の上面及び下面の両面が条件Dであり、結果は何れも「反り無し(平坦)」であった。これらのことから、被圧延材の上面及び下面の潤滑条件が同じであれば、反りは生じないことが理解できる。
ケース4は、被圧延材の上面が条件A、下面が条件Cであり、結果は「上反り」であった。このことから、本実施形態に係る潤滑剤を塗布した面は、潤滑剤を塗布していない面よりも摩擦係数が低いことが把握でき、本実施形態に係る潤滑剤を塗布した下面には摩擦低減効果があることが判明した。
ケース5は、被圧延材の上面が条件A、下面が条件Dであり、結果は「反り無し(平坦)」であった。このことから、デキストリンを水に混合した粘性体そのものを塗布した被圧延材の面は、潤滑剤を塗布しない場合の被圧延材の面と同等の摩擦係数を有することが推察できる。
ケース6は、被圧延材の上面が条件B、下面が条件Aであり、結果は「下反り」であった。このことから、Nb単体を塗布した上面は、潤滑剤を塗布していない下面よりも摩擦係数が低いことが把握でき、Nb単体を塗布した上面には摩擦低減効果があることが判明した。
ケース7は、被圧延材の上面が条件B、下面が条件Cであり、結果は「反り無し(平坦)」であった。このことから、Nb単体を塗布した上面と、本実施形態に係る潤滑剤を塗布した下面は、同等の摩擦係数であり、本実施形態に係る潤滑剤を被圧延材の下面に塗布した場合であっても当該下面からNbが剥落する事態を防止して、有効な摩擦低減効果を発揮することが確認できた。
ケース8は、被圧延材の上面が条件B、下面が条件Dであり、結果は「下反り」であった。このことから、Nb単体を塗布した上面は、デキストリンを水に混合した粘性体そのものだけを塗布した下面よりも摩擦係数が低いことが把握できる。
ケース9は、被圧延材の上面が条件C、下面が条件Aであり、ケース10は、被圧延材の上面が条件C、下面が条件Dであり、結果は何れのケースも「下反り」であった。これらのことから、本実施形態に係る潤滑剤を塗布した面は、潤滑剤を塗布しない面やデキストリンを水に混合した粘性体それ自体のみを塗布した面よりも摩擦係数が低いことが把握でき、本実施形態に係る潤滑剤を塗布した面には摩擦低減効果があることが判明した。
ケース11は、被圧延材の上面が条件D、下面が条件Aであり、結果は「反り無し(平坦)」であった。このケース11及び上述のケース5から、デキストリンを水に混合した粘性体そのものだけを塗布した被圧延材の面は、潤滑剤を塗布しない被圧延材の面と同様の摩擦係数を有することが判明した。
ケース12は、被圧延材の上面が条件D、下面が条件Cであり、結果は「上反り」であった。このことから、本実施形態に係る潤滑剤を塗布した面は、デキストリンを水に混合した粘性体そのものだけを塗布した面よりも摩擦係数が低いことが把握できる。
また、反りが出現した上述のケース4、6、8、9、10及び12において、反りの曲率は全て同じであった。このことから、本実施形態に係る潤滑剤は、金属の熱間加工用潤滑剤として優れた潤滑性能を有し、被圧延材の下面に塗布したケースであっても、Nb単体を塗布した面と同等の潤滑性能が担保されるものであることが判明した。
このように、少なくともNb 粉末を主体とする粉末を含有する熱間加工用潤滑剤によれば、高温域においても黒鉛系潤滑剤の代表例であるグラファイトと同等の潤滑特性を発揮し、且つNbが、白色微粉末であり、電気を通さないため、黒鉛系潤滑剤であれば生じる不具合、つまり、熱間加工設備の周辺に黒色微粒子が飛び散ることに起因する作業環境の悪化や、黒鉛系潤滑剤の使用現場において電気配線の近傍に黒鉛系潤滑剤の細かい粉末が付着した場合に、黒鉛系潤滑剤が通電性であることに起因する設備トラブル(漏電の危険)等の不具合を防止・抑制することが可能である。
そして、Nb単体を熱間加工用潤滑剤として使用することは可能である一方で、Nb単体をそのままの状態で熱間加工前に被加工材のうち上面(上向き面)以外の面に塗布した場合には、粘着性が無いために直ぐに落剥してしまい、潤滑剤としての用をなさないが、Nbを粘着性のある媒材に混合した熱間加工用潤滑剤であれば、被加工材のうち上面はもちろんのこと、上面以外の面(下向き面や水平ではない面)にも事前塗布した場合に剥落する事態を防止することができる。さらに、Nb単体をそのままの状態で事前塗布する場合、落剥の問題があるため、Nb単体を必要な部分に必要量だけ塗布することは困難であるが、Nbを粘着性のある媒材に混合した潤滑剤であれば、事前塗布する場合に、剥落の事態が生じず、必要な部分に必要量だけ塗布することが可能であり、熱間加工用潤滑剤としての機能を十分に発揮する。
また、上述の少なくともNb の粉末を主体とする粉末を含有する熱間加工用潤滑剤を金属である被加工材のうち所定の面(例えば、被加工材のうち熱間工具に接触し得る面全体)に塗布した状態で熱間加工する金属の熱間加工方法によれば、熱間加工用潤滑剤による上述の作用効果を得ることができ、熱間加工用の工具と被加工材の摩擦や、熱間工具の摩耗等の損耗、及び被加工材の表面の損傷をすべて防止・抑制するとともに、被加工材が工具表面に良く馴染む一方、熱間加工後に工具と被加工材が相互に離れやすくなり、熱間加工処理を適切且つスムーズに行うことが可能である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、Nbと混合する媒材としてデキストリンを水に混合した粘性体を例示したが、粘着性があれば小麦粉や寒天を水に混合した粘性体、あるいは片栗粉を温水に混合した粘性体等、他の媒材を適用することもできる。本発明に係る潤滑剤は、Nbを媒材に均質になるように混合したものであることが好ましいが、要求される潤滑性能等に応じてNbを媒材に非均質に混合したものであっても構わない。
また、Nb単体をそのまま用いても落剥の危険性が無い場合は、デキストリンを水に混合した粘性体の媒材に混ぜることなく、そのまま粉末状の潤滑剤として使用することも可能である。すなわち、本発明は、少なくともNb 粉末を主体とする粉末を含む粉末状の潤滑剤、少なくともNb 粉末を主体とする粉末を含む粘性体の潤滑剤、これら何れのタイプの熱間加工用潤滑剤も包含するものである。
また、少なくともNb 粉末を主体とする粉末を含む粉末状の潤滑剤としては、例えば、Nb の粉末のみからなる潤滑剤の他に、Nb の粉末とNb 以外の1種類または複数種類の粉末が混合された粉末状の潤滑剤であってもよい。この場合、Nb 以外の粉末は、デキストリン、小麦粉、片栗粉等のように、水が添加されることで粘性体になり得るもの、換言すれば、水等の液体が添加されることで媒材として機能し得る粉末であってもよいし、水等の液体が添加されても粘性体にならない粉末であってもよい。
また、Nb の粉末とNb 以外の粉末が混合された粉末状の潤滑剤や、Nb 粉末を主体とする粉末に粘性体または粉末状の媒材を混合した潤滑剤では、その潤滑剤におけるNb の混合比率(濃度範囲)は特に限定されず、被加工面にNb をどの程度の濃度で塗布しているか(つまり残存しているか)が重要であり、特に有効な範囲は、1×0.0001g/mm以上である。なお、被加工面に対するNb の塗布量が、1×0.0001g/mm未満である場合を、本発明の権利範囲から積極的に排除するものではない。
また、本発明に係る潤滑剤は熱間加工全般に広く適用可能なものである。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。

Claims (4)

  1. 金属である被加工材の熱間加工に用いられる潤滑剤であって、
    少なくともNb粉末を主体とする粉末を含有するものであることを特徴とする粉末状の熱間加工用潤滑剤。
  2. 前記Nb粉末を主体とする粉末に媒材を混合したものであって、前記媒材が、少なくともデキストリンを含む粘性体である請求項1に記載の熱間加工用潤滑剤。
  3. 前記Nb粉末を主体とする粉末に媒材を混合したものであって、前記媒材が、少なくともデキストリンの粉末を含有するものである請求項1に記載の熱間加工用潤滑剤。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の熱間加工用潤滑剤を、前記被加工材のうち所定の面に塗布した状態で熱間加工することを特徴とする金属の熱間加工方法。
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