JP6777332B2 - 時刻同期装置、時刻同期方法およびプログラム - Google Patents
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Description
特許文献1の記載の技術のように、冗長構成をとる時刻同期システムにおいて、スレーブ装置がマスタ装置を変更する場合、変更前のマスタ装置変更後のマスタ装置との伝送路状態の相違により遅延時間が異なることとなる。そのため、スレーブ装置が接続するマスタ装置を変更した場合、一時的に遅延量が大きく変化する。これにより、スレーブ装置の時刻同期精度が悪化してしまう可能性がある。
本発明の目的は、上述した課題を解決する時刻同期装置、時刻同期方法およびプログラムを提供することにある。
本発明の第2態様によれば、時刻同期方法は、マスタ装置に接続して内蔵時計の時刻を当該マスタ装置に同期させる時刻同期装置において、ネットワークを介した時刻同期の対象を第1マスタ装置から第2マスタ装置に変更するか否かを判定するステップと、前記時刻同期の対象を変更すると判定した場合に、前記第2マスタ装置との間のネットワークの伝搬遅延時間を測定するステップと、前記伝搬遅延時間を測定した後に、前記時刻同期の対象を変更するステップと、前記時刻同期の対象を変更した後に、測定された前記伝搬遅延時間に基づいて前記第2マスタ装置と時刻を同期するステップを有する。
本発明の第3態様によれば、プログラムは、マスタ装置に接続して内蔵時計の時刻を当該マスタ装置に同期させる時刻同期装置のコンピュータを、ネットワークを介した時刻同期の対象を第1マスタ装置から第2マスタ装置に変更するか否かを判定する判定部、前記時刻同期の対象を変更すると判定した場合に、前記第2マスタ装置との間のネットワークの伝搬遅延時間を測定する測定部、前記伝搬遅延時間を測定した後に、前記時刻同期の対象を変更する変更部、前記時刻同期の対象を変更した後に、測定された前記伝搬遅延時間に基づいて前記第2マスタ装置と時刻を同期する時刻同期部として機能させる。
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る時刻同期システム10の構成を示す概略ブロック図である。時刻同期システム10は、スレーブ装置100と、第1マスタ装置200と、第2マスタ装置300を備える。なお、時刻同期システム10は、複数のスレーブ装置と複数のマスタ装置とを備え得るが、ここでは1つのスレーブ装置と2つのマスタ装置とに着目して説明する。
スレーブ装置100は、マスタ装置に接続して内蔵時計の時刻を当該マスタ装置に同期させる時刻同期装置である。第1の実施形態に係るスレーブ装置は、第2マスタ装置300にデフォルトで接続する。
第1マスタ装置200および第2マスタ装置300の時刻同期の手段としては、例えば、PTP(Precision Time Protocol)がある。時刻精度とは、例えば第1マスタ装置が有するグランドマスタクロックの時刻の精度であり、GPS(Global Positioning System)時刻から第1マスタ装置が有するグランドマスタクロックの時刻を減算した時刻誤差により定めることができる。なお、第1の実施形態に係る時刻精度のデータは時刻誤差を表し、時刻精度の値が小さいほど精度が高いことを示す。
スレーブ装置100は、同期対象記憶部105と、時刻精度受信部110と、判定部120と、測定部130と、変更部140と、時刻同期部150を備える。
時刻精度受信部110は、第1マスタ装置200および第2マスタ装置300から、時刻精度のデータを受信する。
図2は、判定部120が時刻同期の対象を変更するか否かを判定する動作を示すフローチャートである。
ステップS2において、スレーブ装置100の時刻同期の対象が第1マスタ装置200である場合には(ステップS2:NO)、判定部120は、スレーブ装置100の時刻同期の対象を第1マスタ装置200から第2マスタ装置300に変更すると判定する(ステップS4)。
他方、ステップS6において、スレーブ装置100の時刻同期の対象が第1マスタ装置200である場合には(ステップS6:NO)、判定部120は時刻同期の対象のマスタ装置を変更しないと判定する(ステップS8)。つまり、スレーブ装置100は、スレーブ装置100の時刻同期の対象を第1マスタ装置200に維持する。
例えば、測定部130は、測定部130のメモリに記憶しているN個の伝搬遅延時間の総和を測定回数Nで除算することで伝搬遅延時間の平均値を計算する。
例えば、時刻同期部150は、時刻同期対象の変更後からユーザが設定した時間の経過時刻までのPTPによる時刻同期において、通常用いる伝搬遅延時間の代わりに、測定部130が計算した最新の伝搬遅延時間の平均値を用いて、時刻を同期する。これにより、スレーブ装置100は、時刻同期対象の変更に伴う遅延量の変化を抑え、時刻同期の精度を向上できる。
次に、スレーブ装置100の動作について説明する。
図4は、スレーブ装置100の動作を示すフローチャートである。
判定部120は、ステップS30で受信した時刻精度のデータに基づいて、上述のステップS1からステップS9の手順に従って、時刻同期の対象のマスタ装置を変更するか否かを判定する(ステップS31)。
このように、第1実施形態によれば、スレーブ装置100は、時刻同期の対象を変更すると判定した場合に変更後のマスタ装置との間の伝搬遅延時間を測定した後に、時刻同期の対象を変更し、当該伝搬遅延時間に基づいてマスタ装置と時刻を同期する。これにより、スレーブ装置100は、ネットワークを介した時刻同期の対象のマスタ装置を変更する場合に、時刻同期の対象を変更する前に測定された伝搬遅延時間に基づいて、変更後のマスタ装置との時刻を同期するため、時刻同期対象の変更に伴う遅延時間の変化を抑え、時刻同期の精度を向上できる。
以下、図面を参照しながら本発明の第2実施形態について詳しく説明する。
第2実施形態にかかる時刻同期システム10の構成は、第1実施形態にかかる時刻同期システム10と同様である。第2実施形態にかかる時刻同期システム10は、測定部130および変更部140の処理が、第1実施形態と異なる。
図5は、スレーブ装置100の時刻同期の対象を変更すると判定した場合の、第2実施形態にかかる測定部130の動作を示すフローチャートである。
ステップS48で計算した標準偏差が、ユーザが設定した数値より大きい場合(ステップS50:NO)、測定部130は、ステップS41に戻り、再度N個の伝搬遅延時間の計測を行う。
このように、第2実施形態にかかるスレーブ装置100は、伝搬遅延時刻の標準偏差に基づいて、時刻同期対象の変更を行う。これにより、スレーブ装置100は、伝搬遅延時刻の変化の大きいタイミングを避けて、時刻同期の対象を変更することができ、時刻同期対象の変更に伴う遅延時間の変化を抑え、時刻同期の精度を向上できる。
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、第1実施形態にかかる時刻同期システム10および第2実施形態にかかる時刻同期システム10においては、グランドマスタクロックを用いる代わりに、バウンダリークロックを用いることも可能である。
また、第1実施形態にかかるスレーブ装置100の測定部130においては、伝搬遅延時間の代表値として、平均値の代わりに、伝搬遅延時間の最大値または、伝搬遅延時間を重み付けして算出された数値などの他の代表値を用いることも可能である。
また、第2実施形態にかかるスレーブ装置100の測定部130においては、伝搬遅延時間の散布度として、標準偏差の代わりに、伝搬遅延時間の範囲または、分散などの他の散布度を用いることも可能である。
図6は、本発明による時刻同期装置の基本構成を示す概略ブロック図である。
上述した実施形態では、本発明による時刻同期装置の一実施形態として図1に示す構成について説明したが、本発明による時刻同期装置の基本構成は、図6に示すとおりである。
すなわち、本発明によるは、判定部120と、測定部130と、変更部140と、時刻同期部150を基本構成とする。
測定部130は、判定部120が時刻同期の対象を変更すると判定した場合に、時刻同期対象のマスタ装置との間の伝搬遅延時間を測定する。
変更部140は、測定部130が伝搬遅延時間を測定した後に、時刻同期装置100の時刻同期の対象を変更する。
時刻同期部150は、変更部140が時刻同期の対象を変更した後に、測定された伝搬遅延時間に基づいて第2マスタ装置300と時刻を同期する。
コンピュータ1100は、プロセッサ1110、メインメモリ1120、ストレージ1130、インタフェース1140を備える。
上述の時刻同期装置は、コンピュータ1100に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ1130に記憶されている。プロセッサ1110は、プログラムをストレージ1130から読み出してメインメモリ1120に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ1110は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ1120に確保する。
100 時刻同期装置
105 同期対象記憶部
110 時刻精度受信部
120 判定部
130 測定部
140 変更部
150 時刻同期部
200 第1マスタ装置
300 第2マスタ装置
1100 コンピュータ
1110 プロセッサ
1120 メインメモリ
1130 ストレージ
1140 インタフェース
Claims (6)
- マスタ装置に接続して内蔵時計の時刻を当該マスタ装置に同期させる時刻同期装置であって、
ネットワークを介した時刻同期の対象を第1マスタ装置から第2マスタ装置に変更するか否かを判定する判定部と、
前記時刻同期の対象を変更すると判定した場合に、前記第2マスタ装置との間のネットワークの伝搬遅延時間を測定する測定部と、
前記伝搬遅延時間を測定した後に、前記時刻同期の対象を変更する変更部と、
前記時刻同期の対象を変更した後に、測定された前記伝搬遅延時間に基づいて前記第2マスタ装置と時刻を同期する時刻同期部と、
を備える時刻同期装置。 - 前記測定部は、前記伝搬遅延時間の代表値を、さらに計算し、
前記変更部は、前記伝搬遅延時間の代表値を計算した後に、前記時刻同期の対象を変更し、
前記時刻同期部は、前記時刻同期の対象を変更した後に、前記代表値に基づいて前記第2マスタ装置との時刻を同期する
請求項1に記載の時刻同期装置。 - 前記測定部は、前記伝搬遅延時間の分布度を、さらに計算し、
前記変更部は、前記分布度に基づいて前記時刻同期の対象を変更するタイミングを決定し、前記タイミングに前記時刻同期の対象を変更する
請求項1に記載の時刻同期装置。 - 前記判定部は、少なくとも前記第2マスタ装置の時刻精度に基づいて、前記時刻同期の対象を変更するか否かを判定する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の時刻同期装置。 - マスタ装置に接続して内蔵時計の時刻を当該マスタ装置に同期させる時刻同期装置において、
ネットワークを介した時刻同期の対象を第1マスタ装置から第2マスタ装置に変更するか否かを判定するステップと、
前記時刻同期の対象を変更すると判定した場合に、前記第2マスタ装置との間のネットワークの伝搬遅延時間を測定するステップと、
前記伝搬遅延時間を測定した後に、前記時刻同期の対象を変更するステップと、
前記時刻同期の対象を変更した後に、測定された前記伝搬遅延時間に基づいて前記第2マスタ装置と時刻を同期するステップと、
を有する時刻同期方法。 - マスタ装置に接続して内蔵時計の時刻を当該マスタ装置に同期させる時刻同期装置のコンピュータを、
ネットワークを介した時刻同期の対象を第1マスタ装置から第2マスタ装置に変更するか否かを判定する判定部、
前記時刻同期の対象を変更すると判定した場合に、前記第2マスタ装置との間のネットワークの伝搬遅延時間を測定する測定部、
前記伝搬遅延時間を測定した後に、前記時刻同期の対象を変更する変更部、
前記時刻同期の対象を変更した後に、測定された前記伝搬遅延時間に基づいて前記第2マスタ装置と時刻を同期する時刻同期部、
として機能させるためのプログラム。
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JP2019073595A JP6777332B2 (ja) | 2019-04-08 | 2019-04-08 | 時刻同期装置、時刻同期方法およびプログラム |
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