次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1及び図2を参照して、本発明に係る第1実施形態の全体構成の概略について説明する。なお、本明細書では、照明モジュール10の照明光が出射される方向(側)を上方向(上側)、これとは反対方向(側)を下方向(下側)ということがある。しかし、これらはあくまでも相対的な方向や相対的な位置関係についてのみ意義を有するものであり、個々に絶対的な意味を有するものではない。また、本明細書では、上下方向をZ方向、導光板や拡散板の平面上の方向をX方向及びY方向という。これもX方向とY方向とZ方向が相互に直交する関係を有することを前提とするだけであり、相対的な方向や相対的な位置関係についてのみ意義を有し、個々に絶対的な意味を有するものではない。さらに、内外方向とは、導光板の主面に沿った平面内における内側と外側の間、或いは、中央と周縁の間の方向を示す用語である。
本実施形態の照明モジュール10は、図1に示すように、光源11と、導光板12と、拡散板13と、反射板14とを備える。光源11は特に限定されないが、図示例では、LEDなどの点状光源11が導光板12の外周に沿って直線状に配列されることにより、所定方向に延在した範囲から放出光11Lを放出可能な光源列11Rが形成されている。なお、本発明に係る光源は上記点状光源や光源列に限らず、冷陰極管などの線状光源からなるものであってもよい。
図示例では、上記光源列11Rを構成する複数の光源11は光源基板15に実装されている。複数の光源11の配列方向(図示X方向)の実装間隔は等間隔であることが好ましい。光源基板15は、複数の光源11が実装された実装部15aと、この実装部15aから延出した接続部15bとを備える。複数の光源11及び光源基板15の実装部15aは、アルミニウム板やステンレス板などで構成された遮光部材16により上方、背後及び下方が被覆された状態とされる。遮光部材16には、光源11の上方において内側へ張り出す遮光要素としての上張出部16aと、光源基板15の実装部15aの背後に配置される背後部16bと、光源11の下方において内側へ張り出す下張出部16cとを有する。すなわち、上張出部16aは、光源11から放出される光のうち導光板12の内部を経由せずに直接に拡散板13に入射する光が遮蔽されるように構成される。なお、背後部16bと下張出部16cの境界領域には、上記接続部15bを通過させるための開口部16dが形成されている。
導光板12は、アクリル系樹脂などの透光性材料により構成された板形状の透光性部材である。導光板12には、上記光源11に対向配置される光入射端面12aと、この光入射端面12aに隣接する板形状の主面を構成する光出射主面12bとを有する。光出射主面12bの反対側には、対向側主面12cが形成される。また、図示例の場合、導光板12は矩形(略正方形)の平面形状を有し、矩形の一辺に上記光入射端面12aが形成され、矩形の他の三辺に他の端面12d,12e,12fが形成される。
ここで、端面12dは光入射端面12aと対向する端面であり、端面12e,12fは、光入射端面12aが延在する方向(上記一辺に沿った方向、図示X方向)と直交する延在方向(図示Y方向)を備える端面である。図示例では、光入射端面12aには、上記一辺に沿った延在方向(図示X方向)に見て等間隔の位置に突出部12pが設けられている。この突出部12pが上記光源基板15の実装部15aの表面に当接することにより、光入射端面12aに対して光源11が既定の位置(図示Y方向の位置)に位置決めされる。
導光板12の光出射主面12b上には、光入射端面12aに隣接する周縁領域12gの内側に隣接する領域に段差構造12hが設けられている。この段差構造12hには、その段差面により構成され、光入射端面12aの側(外側)に向かう外向出射面部123が設けられる。光出射主面12bは、上記段差構造12hよりも光入射端面12aとは反対側に設けられる内部出射面部121と、上記段差構造12hよりも光入射端面12aの側(外側)の周縁領域12gに設けられる周縁出射面部122と、上記外向出射面部123と、上記周縁領域12gとは反対側の周縁領域12iに設けられる周縁出射面部124とを有する。
導光板12の光入射端面12aと、その両端に隣接する端面12e,12fとの間の境界領域(角部)には、係合突起12r,12rが設けられ、遮光部材16の両端部に設けられた係合受け16rとスナップ係合可能に構成される。これにより、導光板12の光入射端面12aの側の周縁領域12gには、複数の光源11を実装した光源基板15を挟んで遮光部材16を装着した状態に保持できるようになっている。このとき、光源基板15の実装部15aは、上記突出部12pに対して、遮光部材16により弾性的に押し当てられた状態で保持されることが好ましい。
拡散板13は、アクリル系樹脂などの透光性基材中に光散乱粒子などの光散乱要素を分散させた板形状の部材である。拡散板13は、図示例では、上記導光板12とほぼ相似形の矩形の平面形状を備えている。拡散板13は、上記導光板12の光出射主面12bと対面する光入射面13aと、この光入射面13aに対して上記導光板12とは反対側に設けられた光出射面13bとを有する。また、光入射面13aの周縁部には、光入射面13aの内部入射面部131(図3〜図5参照)よりも図示下方(導光板12の側)に突出した凸条部13cが形成されている。凸条部13cは、所定の内外方向の幅寸法C1〜C4を備え、上記平面形状の外縁を構成する外側面13dに沿って延在する形状とされている。特に、図示例では、凸条部13cは、内部入射面部131の周囲を全周にわたり取り巻く枠形状に構成される。ここで、凸条部13cのうちの四辺の外縁に沿ってそれぞれ延在する部分を凸条延在部13c1、13c2、13c3、13c4とする。ここで、凸条延在部13c1は、凸条部13cが光入射端面12aに沿って延在する部分、凸条延在部13c2は、端面12dに沿って延在する部分、凸条延在部13c3と13c4は、端面12eと12fに沿ってそれぞれ延在する部分を言う。
反射板14は、図示例ではステンレス鋼などの金属板により一体に構成される。反射板14は、底板部により構成される底側反射面14aと、底板部からそれぞれ上方に折り曲げられることにより形成された立設片部により構成される対向反射面14b及び側反射面14c、14dとを有する。なお、上記光源11の下方に相当する位置には、底側反射面14aがそのまま延出するように構成された張出反射面14eが設けられる。なお、導光板12に併設される反射要素としては、上記反射板に限らず、光散乱性反射面を有するものであってもよく、また、白色の樹脂シートなどの反射シートで構成されていてもよい。また、導光板12の表面やケース18の内面に形成された反射性の薄膜や印刷層などで構成されていてもよい。
図2に示すように、制御基板17には、図示しない回路素子などにより構成される制御回路17pが構成されている。上記光源基板15の接続部15bは、制御回路17pの出力端子17aに接続される。また、制御回路17pの入力端子17bは、給電コード17cに接続されている。
また、上記光源11、導光板12及び反射板14を収容するとともに上記拡散板13に固定されるケース18が設けられる。このケース18には、上記拡散板13の凸条部13cに下方より当接する外枠端面181を備えた外周枠部18aと、外周枠部18aの内側に設けられた底壁部18bとを有する。底壁部18bの内面上には、上記遮光部材16や上記反射板14を下方より支持する支持部182a,182bを備える底面部182と、上記制御基板17を下方より支持する基板支持部183とが設けられている。なお、底面部182の一部には溝部184が形成され、この溝部184を通して上記接続部15bが上記制御回路17pの出力端子17aに接続される。また、上記給電コード17cは引出開口186からケース18の外部へ導出される。なお、ケース18の底壁部18bの外面には、放熱性を高めるための多数の突部185を含む凹凸状の放熱面18cが形成されている(図3等参照)。
上記拡散板13、上記導光板12、上記反射板14及び上記ケース18は、図示しないねじが、上記ケース18の四隅に形成された貫通孔18j、上記反射板14の四隅に形成された貫通孔14j、上記導光板12の四隅に形成された貫通孔12j及び切り欠き12kにそれぞれ挿通され、上記拡散板13の四隅(凸条延在部13c1〜13c4の間の境界領域にある角部)に形成された図示しないねじ穴に螺合されることにより、一体に組み立られる。
取付板19は、照明モジュール10を天井面や壁面などの任意の設置面に取り付け可能とするためのものである。取付板19は、設置面に固定されるねじやボルトを挿通させた状態で係合する取付孔19aと、中央に設けられた開口部19bの周囲に形成された係合構造19cとを備えている。上記ねじやボルトにより取付板19を設置面に固定した後、上記ケース18の底面に取り付けられた図示しない被係合構造を係合構造19cに係合させ、回転させることにより、照明モジュール10を取付板19との間の既定の回転方向の姿勢で設置することができる。
次に、図3〜図5を参照して、照明モジュール10の組立状態のより詳細な構造の説明を行う。本実施形態では、導光板12は、光出射主面12bとして、内部出射面部121と、この内部出射面部121に対して光入射端面12aの側にある周縁領域12gに形成された周縁出射面部122とが設けられている。内部出射面部121は、本実施形態では、基本的に平坦で、かつ、光入射端面12aの側から対向する端面12dの側へ向けて徐々に下方へ向かう傾斜面となっている。
また、周縁出射面部122は、基本的に平坦で、かつ、上下方向(Z方向)と直交する平面(図示水平面)となっている。この周縁出射面部122は、拡散板13の凸条延在部13c1の導光板12の側に設けられた底側入射面部132に対して、図示上下方向(Z方向)に対面する。なお、本明細書において、「基本的に平坦で」というのは、表面に光散乱用の微細な凹凸形状を有する場合や、表面上の薄膜(印刷層、コーティング層も含む。)の有無などにより生ずる僅かな凹凸構造を備える場合をも含む表現である。
一方、拡散板13は、光入射面13aとして、上記凸条部13cよりも内側の領域内に形成された内部入射面部131と、上記凸条延在部13c1の底側入射面部132と、内部入射面部131と底側入射面部132との間に形成された段差によって設けられた内側入射面部133とを含む。上記内部入射面部131は、基本的に平坦で、かつ、上下方向(Z方向)に対して直交する平面(図示水平面、XY平面)となっている。上記内部出射面部121と内部入射面部131との間には層状の空洞CV1が設けられる(図4参照)。
また、上記底側入射面部132は、基本的に平坦で、かつ、上下方向(Z方向)に対して直交する平面(図示水平面)となっている。底側入射面部132は、図示例の場合には、凸条部13cの底面のうちのケース18の外周枠部18aの外枠端面181と当接する箇所及び遮光部材16の上張出部16aにより遮光されている部分を除いた、導光板12の光出射主面12bから出射される光を入射可能に構成される領域に設けられる。上記周縁出射面部122と、この底側入射面部132との間には、層状の空洞CV2が設けられ、この空洞内に上記遮光部材16の上張出部16aが配置される。なお、凸条延在部13c2の底側入射面部134並びに凸条延在部13c3及び13c4の底側入射面部(図示せず)も、基本的には、凸条延在部13c1の上記底側入射面部132と同様である。
さらに、上記内側入射面部133は、上記内部入射面部131と上記底側入射面部132との間に形成され、凸条部13cにより形成された段差により生じた段差面である。この内側入射面部133は、内外方向(Y方向)の内側を向き、上下方向(Z方向)に沿った図示垂直面(XZ平面に沿った面)となっている。ただし、上記底側入射面部132と上記内側入射面部133は、それぞれ図示水平面や図示垂直面である必要はなく、これらに対して傾斜していてもよく、曲面(凸曲面又は凹曲面)であってもよい。なお、凸条延在部13c2の内側入射面部135並びに凸条延在部13c3及び13c4の内側入射面部(図示せず)も、基本的には、凸条延在部13c1の上記内側入射面部133と同様である。
また、光出射主面12bに設けられた段差構造12hは、上記周縁出射面部122の内側に隣接する領域に設けられる。この段差構造12hは、導光板12の厚み方向(Z方向)に段差を有する構造であればよく、その結果、内外方向(Y方向)の外側(図4の右側)に向いた段差面により外向出射面部123が形成されるものであればよい。外向出射面部123は図示例では導光板12の厚み方向(Z方向)に沿った平面(図示垂直面、XZ平面に沿った面)である。ただし、外向出射面部123は、導光板12の厚み方向(Z方向)に沿った面(図示垂直面、XZ平面に沿った面)に対する投影成分を有するものであれば、傾斜していてもよく、或いは、曲面(凸曲面又は凹曲面)であってもよい。さらに、外向出射面部123は、段差構造12hの段差面により構成されるものに限らない。すなわち、導光板12において設けられ、外側に隣接する位置にある凸条部に向かう外側に向いた光出射面部分として構成されているものであればよい。
本実施形態では、上記段差構造12hは、拡散板13の凸条延在部13c1の底面(底側入射面部132)の高さよりも上方にある位置まで突出する。その結果、外向出射面部123と内側入射面部133とは、導光板12の内外方向に対向する厚み方向(Z方向)の範囲を有する。すなわち、外向出射面部123の少なくとも上部は、内側入射面部133の少なくとも下部に対して、内外方向(Y方向)に対向する。また、外向出射面部123と内側入射面部133との間には間隙Gが設けられる。
さらに、導光板12において、光源11が対向配置される光入射端面12aとは反対側の端面12dの側の周縁領域12iには、周縁出射面部124が設けられる。この周縁出射面部124は、図示例の場合、内部出射面部121とは異なり、周縁出射面部122と同様の、基本的に平坦で、かつ、上下方向(Z方向)と直交する平面(図示水平面、XY平面に沿った面)に形成される。ただし、周縁出射面部124は、内部出射面部121と同様の傾斜面に構成されてもよい。
一方、拡散板13において、光源11が配置される側とは反対側の周縁部に形成された凸条延在部13c2は、光源11の側の上記凸条延在部13c1と同様の寸法で構成される。また、この凸条延在部13c2にも、上記と同様の底側入射面部134及び内側入射面部135が形成される。ここで、周縁出射面部124と底側入射面部134との間には層状の空洞CV3が設けられる。ただし、凸条延在部13c1の幅寸法C1と、その反対側の凸条延在部13c2の幅寸法C2とを相互に変えてもよい。一般的には、凸条部13cの幅寸法C(図7参照)が大きいほど、拡散板13の周縁部に導光板12から出射される光を取り込みやすくなる。ただし、拡散板13の周縁部の輝度は、後述するように、光の取り込み量と凸条部13cの幅寸法Cとの関係により定まる。例えば、凸条延在部13c1と13c2にそれぞれ対応する周縁部の輝度を均等化するには、一般的には、凸条延在部13c2の幅寸法C2を凸条延在部13c1の幅寸法C1よりも小さくすることが好ましい。また、四辺の周縁部の輝度を均等化するには、さらに、凸条延在部13c3及び13c4の幅寸法C3、C4を上記凸条延在部13c1及び13c2の幅寸法C1、C2よりも小さくすることが好ましい。
また、拡散板13の外側面13dは、ケース18の外周枠部18aの外面と同一面内に配置されるか、外周枠部18aの外面よりも外側に配置される。このように構成すれば、照明モジュール10を上方から見たときに、ケース18が額縁のように見えてしまうことがない。特に、拡散板13の外側面13dを、外周枠部18aの外面よりも外側に配置することにより、照明モジュール10を斜め上方から見た場合でも、ケース18(外周枠部18a)が視認されにくくすることができる。また、ケース18が視認されたとしてもその厚みを薄く感じさせることができる。さらに、本実施形態では、ケース18の外周枠部18aの厚みを、ケース18の内側部分(外周枠部18aの内側に隣接する周縁部を除いた、より厚く構成された部分)よりも薄く構成している。したがって、照明モジュール10を斜め上方から見たときに、ケース18の薄い部分である外周枠部18aしか見えないので、ケース18をさらに薄く感じさせることができる。
次に、以上説明した第1実施形態の構成に基づいて、以下に作用効果を説明する。まず、光源11からの放出光11Lは、図3及び図4に示すように、光入射端面12aから導光板12の内部に入射し、全体的にはY方向に伝搬していく。実際には、放出光11Lの一部は、光出射主面12b、又は、対向側主面12c若しくはその背後にある反射板14の底側反射面14aにより反射されながら、Y方向の図示左向きに伝搬していく。また、放出光11Lの他の一部は、Y方向に伝搬しつつ、光出射主面12bから徐々に出射される。
導光板12の光源11とは反対側の周縁領域12iでは、図3及び図5に示すように、放出光11Lの別の一部は、導光板12の反対側の端面12dに到達し、この端面12d若しくはその背後にある反射板14の対向反射面14bにより反射される。これにより、Y方向の図示右向きに伝搬していく放出光11L′が生成される。
また、放出光11Lのうちのさらに別の一部11Laは、周縁出射面部124及びその近傍の上記内部出射面部121から出射され、凸条延在部13c2の底側入射面部134及び内側入射面部135に入射する。この光11Laは、凸条延在部13c2の内部を伝搬し、状況に応じて内側入射面部135や外側面13dにおいて反射され、拡散されながら進み、最終的には光出射面13bの周縁部や外側面13dから出射される。なお、拡散板13の光出射面13bと外側面13dとの境界領域13pの断面の輪郭形状は、凸条部13c以外の拡散板13の内部領域の厚みと同等或いはそれ以上の曲率半径を有する凸曲面状に構成されている。これにより、境界領域13pを含む周縁部の輝度ムラが低減されるとともに、視覚的にも輝度ムラを感じにくくすることができる。
上記のように凸条延在部13c2の内部に入射した光のうち、凸条延在部13c2の内部から外側面13dに臨界角を超えて入射する光は、外側面13dで全反射する。また、凸条延在部13c2の内部から内側入射面部135に臨界角を超えて入射する光は、内側入射面部135で全反射する。ここで、図示例では、外側面13dと内側入射面部135とは互いに平行な面であり、底側入射面部134は、外側面13dと内側入射面部135のいずれにも直交する面である。これにより、凸条延在部13c2の内部に入射した光は、状況に応じて内側入射面部135又は外側面13dの少なくとも一方に全反射されつつ、拡散板13の内部を散乱されながら伝搬することで、光出射面13bや外側面13dから拡散状態で出射される。
上記の放出光11L′の一部は、上記と同様に、光出射主面12b、又は、対向側主面12c若しくはその背後にある反射板14の底側反射面14aにより反射される。また、放出光11L′の一部は、上記の図示右向きに伝搬しながら光出射主面12bから徐々に出射される。光出射主面12bには、上述のように、内部出射面部121、周縁出射面部122、及び、外向出射面部123が含まれる。
前述の放出光11Lのうちの光出射主面12bから出射される光、及び、放出光11L′のうちの光出射主面12bから出射される光の主要部分は、拡散板13の凸条部13cよりも内側に形成された内部入射面部131から拡散板13の内部に入射し、拡散板13の内部を散乱されながら伝搬することで、拡散状態で光出射面13bから出射される。
さらに、上記放出光11L′には、上記光出射主面12bから出射され、光源11の上方に配置される凸条延在部13c1に入射する光11Lbが含まれる。この光11Lbには、図4に示すように、上記外向出射面部123から出射され、上記凸条延在部13c1の底側入射面部132及び内側入射面部133に入射する光が含まれる。また、光11Lbには、上記周縁出射面部122から出射され、底側入射面部132に入射する光も含まれる。さらに、光11Lbには、上記内部出射面部121から出射され、内側入射面部133に入射される光も含まれる。
上記のように凸条延在部13c1の内部に入射した光のうち、凸条延在部13c1の内部から外側面13dに臨界角を超えて入射する光は、外側面13dで全反射する。また、凸条延在部13c1の内部から内側入射面部133に臨界角を超えて入射する光は、内側入射面部133で全反射する。ここで、図示例では、外側面13dと内側入射面部133とは互いに平行な面であり、底側入射面部132は、外側面13dと内側入射面部133のいずれにも直交する面である。これにより、凸条延在部13c1の内部に入射した光は、状況に応じて内側入射面部133又は外側面13dの少なくとも一方に反射されつつ、拡散板13の内部で散乱されながら進むことで、光出射面13bや外側面13dから拡散状態で出射される。
本実施形態では、外向出射面部123は、内外方向(Y方向)の外側(図4の図示右側)に向いた面、すなわち、凸条延在部13c1に向いた面となっている。このため、外向出射面部123から出射する光は、放出光11L′の伝搬方向により近い方向を向いた光であることから、光出射主面12bのうちの他の面、すなわち、内部出射面部121や周縁出射面部122から凸条延在部13c1へ出射する光よりも強い。したがって、上記光11Lbのうちの外向出射面部123から出射する光の割合が高くなる。このため、外向出射面部123が内側に隣接して設けられ、その結果、当該外向出射面部123からの光を受ける凸条延在部13c1では入射光強度が増大することから、拡散板13の上記部分に対応する周縁部の輝度を高めることができる。これにより、照明モジュール10の輝度分布の均等性を周縁部に至るまで容易に確保することができる。
また、外向出射面部123から出射される光は、外向出射面部123が向かう凸条延在部13c1とは逆の反対側から導光板12の内部を伝搬してきた放出光11L′の一部であるので、導光板12の内部における光の伝搬過程により、放出光11Lよりも輝度ムラが緩和された光である。このため、外向出射面部123から出射した光が入射する凸条延在部13c1が設けられた拡散板13の周縁部の輝度の均等化をさらに容易に実現することができる。
ここで、外向出射面部123と底側入射面部132及び内側入射面部133との間に間隙Gを有することで、光は外向出射面部123から空気中へ一旦出射される。これにより、外向出射面部123から斜め上方へ出射する光は、出射面においてさらに上方へ偏向し、その後、底側入射面部132及び内側入射面部133に入射される。したがって、拡散板13の周縁部において視認されうる有効な光量(光出射面13bの周縁部から上方へ出射される光量)を増大させることが可能になる。
本実施形態では、拡散板13の凸条延在部13c1が導光板12の一辺(周縁領域12g)の外縁に沿って延在する形状を有する導光構造において、上記段差構造12h及びその外向出射面部123が凸条延在部13c1の延在方向に沿って延長された形状を有する。これにより、凸条延在部13c1の延在方向に見たときの上記段差構造12hによる輝度向上効果の均等性を確保でき、結果として、照明モジュール10の周縁部の上記延在方向に沿った輝度分布の均等性を高めることができる。特に、前述のように、外向出射面部123から出射される光は、外向出射面部123が向かう凸条延在部13c1とは逆の反対側から導光板12の内部を伝搬してきた光であり、導光板12の内部における光の伝搬過程により輝度ムラが緩和されている。したがって、凸条延在部13c1の延在方向に沿って延長された外向出射面部123の延長方向の各所から出射される光の輝度分布の均等化を容易に図ることができ、その結果、拡散板13の周縁部に沿った輝度分布の均等化も容易に実現できる。
また、本実施形態では、図4に示すように、導光板12において、光源11が対向配置された光入射端面12aを備える周縁領域12gの内側に隣接する領域に、上記段差構造12h及び上記外向出射面部123が設けられている。これにより、光源11から放出される放出光11Lの指向特性による輝度のばらつきが生じやすい光源11の上方にある凸条延在部13c1に対して、外向出射面部123から、光源11が配置される側とは反対側の端面12dの側から伝搬してくる光が出射される。このため、光源11が配置される側の周縁領域12gからその上に対面する凸条延在部13c1に入射する光のばらつきを、外向出射面部123から出射するばらつきの少ない出射光により緩和することができる。
本実施形態では、光源11の指向特性に起因する出射分布のばらつきを有する、周縁領域12gから周縁出射面部122を経て凸条延在部13c1内に入射する光を制限するために、遮光部材16の上張出部16aを周縁出射面部122と底側入射面部132との間に配置している。これにより、光源11の指向特性に起因する放出光11Lの光強度のばらつきに起因する、凸条延在部13c1を経た拡散板13の周縁部の輝度のばらつきを低減し、輝度斑の発生などを防止している。
しかし、せっかく凸条延在部13c1を設けることにより拡散板13の周縁部の輝度を高めることを意図していても、上記の遮光部材16による遮光作用により、当該凸条延在部13c1が設けられた部分の輝度を、拡散板13の光出射面13bの中央部分に比べて十分に均等な値まで高めることが困難な場合がある。しかし、本実施形態では、上述のように、位置や方位による光強度のばらつきの大きな、周縁出射面部122からの出射光(特に、周縁出射面部122のうちの光入射端面12aの側にある部分から出射される光)を遮蔽する一方で、外向出射面部123から出射される光強度のばらつきの少ない光が凸条延在部13c1に入射するようにしているため、輝度の低下を補うことができると同時に、輝度のばらつきを低減することが可能になる。
上記のような光源11の指向特性に起因して生ずる、放出光11Lの位置及び方位に関する光強度のばらつきは、本実施形態のように複数の光源11が配列されてなる光源列11Rが構成される場合にはさらに顕著に現れる。このばらつきは、特に、光源11が配置される位置の近傍と、二つの光源11の中間位置の近傍との間で最大となり、特に、光源列11Rに近い場所、すなわち、光入射端面12aの近傍の周縁領域12gにおいて大きい。このような光強度のばらつきは、上記遮光部材16の上張出部16aの張り出し量や遮光度合(光透過率)を、光源11の配列方向に向けて光源11の配置周期と対応させて周期的に変化させる方法により抑制することができる。例えば、光源11と対向する周縁領域12gの直上位置では後述する遮光領域の幅寸法S(図7参照)を大きくしたり遮光領域の透過率を小さくしたりする。また、二つの光源11の間の中間位置と対向する周縁領域12gの直上位置では遮光領域の幅寸法Sを小さくしたり遮光領域の透過率を大きくしたりする。また、周縁出射面部122の表面上の光散乱要素(微細な凹凸構造、凸部、凹部、印刷層など)12s(図1、図6、図9、図10を参照。)による散乱効果の大小を、光源11の配列方向に向けて光源11の配置周期と対応させて周期的に変化させる方法によっても、上記光強度のばらつきを抑制することができる。例えば、光源11と対向する周縁領域12gの直上位置では散乱効果が小さくなるように光散乱要素を形成する。また、光源11の間の中間位置と対向する周縁領域12gの直上位置では散乱効果が大きくなるように光散乱要素を形成する。なお、上記光散乱要素としては、周縁出射面部122上に限らず、光散乱粒子などを周縁領域12gの内部に設けてもよく、或いは、周縁領域12gの対向側主面12cの表面上に設けてもよい。
図1に示す第1実施形態では、導光板12の内部出射面部121(或いは、内部出射面部121及び周縁出射面部124)が、段差構造12hから端面12dに向かうに従って徐々に対向側主面12cとの間の厚みが低下する方向に傾斜した傾斜面として構成されている。これは、光出射主面12bにおいては、通常、光源11が配置される側では出射される光強度が大きく、その反対側では出射される光強度が小さくなるから、これを補うために、反対側へ進むほど導光板12の厚みを低減することにより光出射主面12bからの出射効率を高めるためである。また、対向側主面12cが反射板14やケース18の底面に沿った図示水平面状(XY平面に沿った面状)に構成されているとともに、光源11が配置される側の凸条延在部13c1と、その反対側の凸条延在部13c2とが同じ突出量を有し、その結果、底側入射面部132と134とが同じ高さ位置に設けられるため、底側入射面部132,134と周縁出射面部122と124との間の位置関係を同様に保つためでもある。したがって、内部出射面部121のX方向の両側端部と、これに対応する凸条延在部13c3及び13c4との干渉を防止するために、凸条延在部13c3及び13c4の下方への突出量をY方向に沿って徐々に変えて形成する必要がある。
(第2実施形態)
次に、図6を参照して、導光板12と拡散板13の平面形状に関する上記第1実施形態の変形例に相当する第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態の主要構成を示す平面図である。この第2実施形態では、導光板12の端面12e,12f及び拡散板13の凸条延在部13c3′,13c4′の近傍の構造だけが第1実施形態と異なるだけであり、他の構造は基本的に第1実施形態とほぼ同様であるため、同一部分には同一符号を付し、異なる部分のみを説明し、他の部分についての説明は省略する。
本実施形態では、図1に示す場合と同様であるが、図6に示すように、光出射主面12bのうちの内部出射面部121のみを傾斜面とし、端面12dに隣接する周縁出射面部124を図示水平面状としている。また、内部出射面部121の傾斜領域のX方向両側(図6の図示上下方向両側)には、周縁出射面部124と同じ高さの図示水平面状の周縁出射面部125を形成し、内部出射面部121と周縁出射面部125との間に段差12e′及び12f′を形成している。その結果、上記の段差12e′、12f′は、図示右側から図示左側に向けて徐々に段差量が小さくなるように構成される。これにより、この変形例では、拡散板13のX方向両側の辺に沿った凸条延在部13c3′,13c4′の突出量(後述するA)を、他の凸条延在部13c1や13c2の突出量と同様に、その延在方向(辺に沿った方向)に一定量に形成することができる。
また、上記段差12e′,12f′によって形成される段差面により、凸条延在部13c3′,13c4′に向かう外向出射面部126、127が設けられる。これらの外向出射面部126,127も、上記外向出射面部123と同様に、導光板12の内部から凸条延在部13c3′,13c4′にそれぞれ向けて光を出射し、これによって当該凸条延在部13c3′,13c4′に対応する拡散板13の周縁部の輝度を向上させることができる。
なお、図示例では、周縁出射面部124は水平面状(XY平面に沿った平面)であり、内部出射面部121と周縁出射面部124との間の境界線は単なる傾斜角の異なる面間を接続するものに過ぎない。しかし、この境界線の代わりに段差構造を形成し、その段差面により、凸条延在部13c2に向いた外向出射面部128(括弧内に示す。)を設けてもよい。
次に、図7を参照して、第1実施形態及び第2実施形態の光源11の近傍の導光板12の周縁領域12g及び段差構造12h、並びに、拡散板13の凸条延在部13c1、を中心とした実施形態の構造と、その光学作用との関係の詳細について説明する。
図7において、拡散板13の凸条部13cの突出量Aは、拡散板13の内部入射面部131のZ方向の位置を基準とし、当該位置から凸条部13cの底側入射面部132の頂部までのZ方向の高低差を言う。また、対向量Bは、段差構造12hと凸条部13cとが導光板12の内外方向に対向するZ方向の範囲を言う。すなわち、これは、外向出射面部123の周縁出射面部122から上方へ突出したZ方向の範囲と、凸条部13cの底側入射面部132から下方へ突出したZ方向の範囲との間の重なり範囲である。さらに、幅寸法Cは、凸条部13cの内外方向(Y方向)の幅の範囲を言う。図示例では、外側面13dと内側入射面部133のY方向の間隔を言う。
この場合に、上記対向量Bが存在すること、すなわち、外向出射面部123と凸条部13cとが内外方向に対向するZ方向の範囲を有することにより、外向出射面部123から出射する光が凸条部13cの内側入射面部133にそのまま入射し易くなる。したがって、上記の対向する範囲を有することは、上記の輝度の向上効果や輝度のばらつきの低減効果をさらに高めることができることを意味する。
ここで、上記対向量Bは、上記突出量Aの0.1倍以上、0.8倍以下の範囲内であることが好ましい。すなわち、B/A=0.1〜0.8である。これは、B/Aが0.1未満であると、上記対向量が存在することの効果が少なくなるからである。また、B/Aが0.8を超えると、外向出射面部123から出射する光が凸条部13cに入射する光量が多くなりすぎて、拡散板13の周縁部に輝度斑が生ずるおそれがあるからである。特に、上記対向量の作用効果をさらに好適な態様で得るためには、B/Aが0.2以上で、0.4以下であることがさらに望ましい。なお、内部出射面部121と内部入射面131との間隔が狭くなるほど、導光板12の内部出射面部121における輝度斑が拡散板13の光出射面13bに反映されてしまう傾向が高くなる。B/Aを0.8倍以下とすると、内部出射面部121における輝度斑が光出射面13bで目立ち難くなる。
ただし、上記の対向する範囲が存在しなくても(すなわち、対向量Bが0であっても)、外向出射面部123から光が出射することは変わりがなく、また、内側入射面部133に入射する光量は減少するものの、その分、底側入射面部132に入射する光量が増大する場合もあり得る。このため、段差構造12h及び外向出射面部123の基本的な作用効果は得られる。例えば、図11を見ればわかるように、外向出射面部123と凸条部13cとが対向するZ方向の範囲を有しない場合でも、外向出射面部123から出射した光が凸条部13cの内側入射面部133に入射することはその光の出射方向によっては可能である。また、外向出射面部123から出射した光は凸条部13cの底側出射面部132にも入射し得る。
また、上記幅寸法Cは上記突出量Aよりも大きいことが好ましい。これは、上記幅寸法Cが突出量Aよりも小さいと、外向出射面部123などから外側へ向けて出射した光が凸条部13cの内部に入射したときに、外側面13dからそのまま外側へ出射してしまう場合が多くなるためである。これにより、凸条部13cの上方の光出射面13bや境界領域13pから出射する光量が低下し、十分な輝度が得られずに、拡散板13の中央部に比べて周縁部の輝度が低下してしまう場合が多くなる。
この場合において、幅寸法Cは、上記突出量Aの1.5倍以上で、5.0倍以下であることが好ましい。すなわち、C/A=1.5〜5.0である。これは、C/Aが1.5未満であると、上述のように外側面13dへそのまま抜けてしまう光が多くなり、周縁部の輝度が不足するからである。また、C/Aが5.0を超えると、凸条部13cの内部での散乱作用を十分に得ることができるものの、凸条部13cの幅寸法が広くなりすぎて凸条部13c自体の形状による周縁部の輝度向上の効果が低下し、やはり周縁部の輝度が不足するからである。凸条部13c内の散乱作用と形状による輝度向上の効果のバランスを確保するには、C/Aが2.5以上で、4.0以下であることがさらに望ましい。
なお、上記の突出量A、対向量B、及び、幅寸法Cの関係は、本実施形態のように、外側面13d、内側入射面部133、外向出射面部123がいずれもZ方向に沿った平面であることと、内部入射面部131及び底側入射面部132がいずれもXY平面に沿った面であることにより、それぞれの寸法関係に対応する作用効果がより確実かつ顕著に実現される。ただし、上記寸法関係に対応する作用効果は、上記のより具体的な構造に限定されずに成立する。例えば、凸条部13cの突出形状は、本実施形態とは異なり、その断面形状が山形、台形、半円形、半楕円形などであってもよい。また、外向出射面部123の形状も、外向出射面部が図示垂直面状(XZ平面に沿った面)である本実施形態とは異なり、傾斜状、階段状、スロープ状、折れ線状、凸曲面状、凹曲面状などであってもよい。
例えば、図12には、外向出射面部123が拡散板13とは反対側に向くように傾斜した平面である例を実線で示してある。この場合には、間隙Gの空気よりも大きい導光板12の屈折率により、外向出射面部123から出射する光は、第1実施形態のような図示垂直面状の場合に比べて、より上方へ屈折し易くなる。その結果、対向量Bが存在しないか、或いは、比較的大きくなくても、凸条部13c(特に、内側入射面部133)に入射する光量を増大させることができる。一方、図12に点線で示す例は、上記とは逆に、外向出射面部123が拡散板13の側に向くように傾斜した場合を示す。この場合には、上記のような上方へ屈折しやすくなる作用効果を奏することはないものの、外向出射面部123から出射する光による基本的な効果は、外向出射面部123が図示垂直面状である場合に比べて、それほど低下せずに得られる。これは、外向出射面部123から出射される光の導光板12内における平均的な伝搬方向は、図示水平方向(XY平面に沿った方向)よりもやや上向きであるためである。
一方、内側入射面部133も、図示垂直面状(XZ平面に沿った面)である場合に限定されない。図13には、内側入射面部133が導光板12の側に斜めに向くように傾斜した例を実線で示す。このようにすると、内側入射面部133に入射した光を上方へ屈折し易くなるため、結果として、内側入射面部133から入射する光量を増大させたり、拡散板13の周縁部の輝度を増大させたりすることができる場合がある。図13に点線で示すように、内側入射面部133が拡散板13の側に斜めに向くように傾斜する場合でも、本発明に係る基本的な作用効果は得られる。
上記の各例では、外向出射面部123及び内側入射面部133が平面となっている。このように、各面が平面であることにより、出射光や入射光の指向特性の分布を出射面や入射面において変更しないで出射したり入射したりすることができるため、光学設計が容易になるという利点がある。しかし、本発明においては、各面は曲面や屈折面であっても構わない。また、この平面或いは曲面若しくは屈折面であってもよい点や各面形状の場合の作用効果は、底側出射面部132についても同様である。
また、凸条部13cの底側入射面部132は、光源11及び周縁出射面部122から出射する光が遮光部材16の上張出部16aにより遮蔽される領域である遮光領域132aと、周縁出射面部122から出射される光が遮光部材16により遮蔽されることなく入射する領域である透光領域132bとを有する。すなわち、凸条部13cの底側入射面部132と、導光板12の周縁領域12gとの間に遮光部材16の上張出部16aを配置することにより、周縁領域12gから出射した光が底側入射面部132に入射する光量を制限することができる。遮光領域132aは、底側入射面部132のうちの外側の領域であり、光源11から出射された光のうち導光板12を介さずに直接拡散板13に入射する光を遮蔽するように設定された幅寸法(内外方向(図示左右方向)の範囲)を少なくとも有することが好ましい。また、遮光領域132aの幅寸法(内外方向の範囲)Sと透光領域132bの幅寸法(内外方向の範囲)Tは、周縁出射面部122から底側入射面部132に入射する光が光出射面13bから出射する際に、光出射面13bの全体の明るさが均一となるように設定される。周縁出射面部122から底側入射面部132に入射した光は主に、光出射面13bの周縁部から出射することになる。光出射面13bの周縁部の明るさが、この周縁部よりも内側の明るさに近づくように、遮光領域132aの幅寸法Sおよび透光領域の幅寸法Tが設定される。ここで、S:Tは1:0.5〜1:5が好ましく、S:Tは1:1〜1:3がより好ましい。
なお、上述の凸条部13cの底側入射面部132に遮光領域132aと透光領域132bを設ける点は、周縁出射面部から凸条部13cの底側入射面部に入射する光量を制御するために、光源11が対向配置される光入射端面12aの直上位置における場合に限らず、光源11が対向配置されない他の端面12d、12e、12fの直上位置でも同様に採用可能である。ただし、本実施形態の図示例のように、光源が存在しないことにより上記周縁出射面部から出射される光量自体が過剰でない場合には、他の端面12d、12e、12fの直上位置において上記遮光領域自体を設ける必要はない。
光源11は、本実施形態の場合には、LED(発光ダイオード)であることが好ましい。光源11の導光板12の厚み方向(Z方向)の位置Eは、その発光領域11aが光入射端面12aの厚み方向の範囲D内に入る位置であれば特に限定されない。ただし、光源11の厚み方向の位置Eは、光入射端面12aの厚み方向の範囲Dの中心位置が光源11の発光領域11a内に配置される位置であることが好ましい。特に、発光領域11aの厚み方向の中心が光入射端面12aの厚み方向の範囲Dの中心位置に一致することが望ましい。これは、光源11の発光領域11aから放出される放出光11Lを効率的に導光板12の内部に入射させるとともに、導光板12から出射される光を効率的に拡散板13へ向けることにより、放出光11Lの利用効率を高めるためである。また、輝度斑などを防止するという観点から、特定の方向や領域に放出光11Lの放出方向や放出領域が偏らないようにするためでもある。
本実施形態においては、図14(a)に示すように、対向側主面12cが図示水平面状に構成され、内部出射面部121が図示水平面に対して傾斜した傾斜面となっている。しかし、図14(b)に示すように、内部出射面部121を図示水平面とする代わりに、対向側主面12cを上記とは逆に傾斜した傾斜面としてもよい。これは、いずれの場合でも、光源11からの放出光11LがY方向の図示左側へ向けて伝搬していくとき、導光板12のZ方向の厚みが徐々に低下していくため、光出射主面12bと対向側主面12cの間で反射していくときの伝搬方向の間隔が徐々に小さくなるので、内部出射面部121から出射する光の割合を徐々に増大させることができるからである。これにより、放出光11Lが内部出射面部121から出射しつつ伝搬していくに従って光強度が低下することによる光出射量の低下を補う効果が得られる。さらに、導光板12の厚みが放出光11Lの伝搬方向に徐々に薄く構成されるのであれば、図14(c)に示すように、内部出射面部121と対向側主面12cの双方が相互に逆向きに傾斜する面であってもよい。すなわち、内部出射面部121と対向側主面12cは、導光板12の厚みが上記外向出射面部123(段差構造12h)のある側から反対側に向かうに従って徐々に小さくなる向きに相互に傾斜した関係(すなわち、相互に所定の傾斜角を有する関係)にあればよい。このように構成すると、上記の作用効果の他に、本実施形態では、逆向きに戻る方向に伝搬する放出光11L′を外向出射面部123から出射させやすくなり、導光板12から出射する光のうちの外向出射面部123から出射する光の割合を高めることもできる。
このとき、内部出射面部121と対向側主面12cとの間の傾斜を示す勾配は、3/1000以上で、10/1000以下であることが好ましい。これは、上記勾配が3/1000未満であると、導光板12の光出射主面12bから出射する光の均等性が得られにくくなるとともに、外向出射面部123から出射する光量を高める効果を期待することができない。また、上記勾配が10/1000を超えると、導光板12の光出射主面12bから出射する光の均等性が得られにくくなるとともに、外向出射面部123から出射する光量が多くなりすぎるので、光出射面13bの周縁部の輝度が過剰になりやすい。上記の作用効果のバランスをさらに図るためには、上記傾斜角は4/1000以上で、7/1000以下であることがさらに望ましい。
(第3実施形態)
次に、図8及び図9を参照して、第3実施形態の構成について説明する。なお、この第3実施形態は、導光板12′の相互に対向する両側にそれぞれ複数の光源11′からなる光源列11R′を配置した場合を示すものであり、この場合に必要な各部材の形状変更の他は、上記第1実施形態又は第2実施形態と同様の点が多い。したがって、本実施形態において第1実施形態又は第2実施形態と全く同様に構成できる部材や部分については第1実施形態又は第2実施形態と同一の符号に′を付けた符号を付し、同様に構成できる点に関する説明は省略する。
本実施形態では、図8及び図9に示すように、導光板12′の相互に対向する二辺に沿ってそれぞれ光入射端面12a′が設けられ、それぞれの光入射端面12a′には光源11′(光源列11R′)が対向配置される。また、導光板12′には、光入射端面12a′に隣接する周縁出射面部122′と、これらの内側にそれぞれ隣接する位置に外向出射面部123′をそれぞれ備えた段差構造12h′が形成される。なお、光出射主面12b′において、上記両側の段差構造12h′の間には内部出射面部121′が形成される。この実施形態において、導光板12′は、両側の光入射端面12a′を結ぶ線に沿った断面が図14(d)に示すように線対称に構成される。したがって、内部出射面部121′と対向側主面12c′はいずれも図示水平面状(XY平面に沿った平面)とすることができる。
本実施形態において、拡散板13は、基本的に第1実施形態と同様に構成できる。ただし、凸条延在部13c1と13c2の幅寸法は、上記光源11′、光入射端面12a′、周縁出射面部122′、外向出射面部123′と同様に、照明モジュール10′の拡散板13から出射される光の配光バランスを考慮して、両側に設けられる部分に関して、相互に同一に設定してもよく、或いは、相互に異なる値に設定してもよい。また、光散乱要素12s′や図示しない遮光部材16の遮光範囲や透過率などの凸条部13cの延在方向(各辺)に沿った分布についても同様である。なお、本実施形態では、図示しない底側反射面を備える反射板において、一対の側反射面14c′、14d′を設けるものの、対向反射面は設けない。
本実施形態において、上記光源11′、光入射端面12a′、周縁出射面部122′、外向出射面部123′などの構造は、凸条延在部13c1の下方に配置される部分と、凸条延在部13c2の下方に配置される部分とで、相互に同一の寸法や特性を有するものであってもよく、或いは、相互に異なる寸法や特性を有するものであってもよい。
また、本実施形態において、導光板12′の上述の二辺以外の残りの二辺の近傍の構造(凸条延在部13c3,13c4の下方に配置される部分)は、凸条延在部13c3′,13c4′に対応させて、図6に示す第2実施形態と同一の構造とする場合について図示しているが、図1に示す第1実施形態と同一の構造とすることも可能である。
(第4実施形態)
最後に、図10を参照して、第4実施形態の構成について説明する。なお、この第4実施形態は、導光板12″の四辺にそれぞれ複数の光源11″からなる光源列11R″を配置した場合を示すものであり、この場合に必要な各部材の形状変更の他は、上記第1実施形態又は第2実施形態と同様の点が多い。したがって、本実施形態において第1実施形態又は第2実施形態と全く同様に構成できる部材や部分については第1実施形態又は第2実施形態と同一の符号に″を付した符号を付し、同様に構成できる点に関する説明は省略する。
本実施形態では、導光板12″において、四辺の周縁にあるそれぞれの端面がいずれも光入射端面12a″とされるとともに、各光入射端面12a″にそれぞれ光源列11R″が対向配置される。また、各光入射端面12a″の内側には、それぞれ、周縁出射面部122″を備えた周縁領域12g″及び外向出射面部123″を備えた段差構造12h″が形成され、そのさらに内側には内部出射面部121″が設けられる。
なお、光出射主面12b″においては、上記四つの段差構造12h″の間に囲まれた領域に内部出射面部121″が形成される。また、この実施形態においては、導光板12″は、X方向両側の光入射端面12a″を結ぶ線に沿った断面及びY方向両側の光入射端面12a″を結ぶ線に沿った断面が、いずれも図14(d)に示すように線対称に構成される。したがって、内部出射面部121″と図示しない対向側主面はいずれも図示水平面状(XY平面に沿った平面)とすることができる。
本実施形態において、拡散板13は、基本的に第1実施形態と同様に構成できる。ただし、凸条延在部13c1〜13c4の幅寸法は、上記光源11″、光入射端面12a″、周縁出射面部122″、外向出射面部123″と同様に、照明モジュール10″の拡散板13から出射される光の配光バランスを考慮して、各辺に設けられる部分に関して、相互に同一に設定してもよく、或いは、相互に異なる値に設定してもよい。また、光散乱要素12s″や図示しない遮光部材16の遮光範囲や透過率などの凸条部13cの延在方向(各辺)に沿った分布についても同様である。なお、本実施形態では、図示しない反射板には底側反射面のみを設ければよい。
本実施形態において、上記光源11″、光入射端面12a″、周縁出射面部122″、外向出射面部123″などの構造は、凸条延在部13c1〜13c4のそれぞれ下方に配置される部分の間で、相互に同一の寸法や特性を有するものであってもよく、或いは、相互に異なる寸法や特性を有するものであってもよい。
上記の実施形態においても、外向出射面部123,123′,123″が段差構造12h,12h′,12h″の段差面により形成されることにより、周縁領域12g,12g′,12g″が設けられる。この周縁領域12g,12g′,12g″や周縁出射面部122,122′,122″が存在することにより、光源11が対向配置される領域では光源11の指向性の強い放出光が緩和される。また、光源11が配置されない領域では反射面による反射光の指向性が緩和されたり、当該領域からの出射光により凸条部13cへの入射される光量が確保されたりする。逆に、周縁領域12g,12g′,12g″や周縁出射面部122,122′,122″が存在しないと、光源11が対向配置される領域では光源11の指向性の強い放出光が凸条部13cに直接入射しやすくなる。また、光源11が配置されない領域では反射面による指向性の強い反射光が凸条部13cに直接入射し易くなったり、周縁領域からの入射光がなくなることにより凸条部13cに入射する光量が不足したりする。
尚、本発明の照明モジュールは、上記実施形態に示す態様に限らず、本発明の範囲内であれば、種々の部位について各種の変更や置換を施すことができる。例えば、上記実施形態では、導光板12において、光源11が対向配置される光入射端面12aの内側の周縁領域12gに外向出射面部123を形成しているが、光源11が配置されていない他の端面12d,12e,12fの内側に外向出射面部を形成し、この外向出射面部から出射する光をその外側にある凸条部13cに入射させることによっても、光源11が配置されていない拡散板13の周縁部の輝度を向上させることが可能である。
また、上記実施形態では、導光板12の光出射主面12b上に段差構造12hを形成し、この段差構造12hの段差面を上記外向出射面部123としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、拡散板13の凸条部13cの内側に隣接した導光板12の部位に、凸条部13cに向けて外側に光を出射する外向出射面部123が形成されていればよい。したがって、導光板12の端面が拡散板13の凸条部13cの内側に隣接配置され、当該端面の拡散板13の側にある部分(上部)が外向出射面部として機能するように構成されたものであってもよい。この場合に、上記端面の拡散板13とは反対側にある残りの端面部分(下部)は、光源11が対向配置される光入射端面として機能するものであってもよく、或いは、単にその端面部分に沿って対向反射面や側反射面が形成されるものであってもよい。