JP6776939B2 - 動力伝達用チェーン - Google Patents

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Description

本発明は、複数のプーリに巻き渡された動力伝達用チェーンに関する。
隣接するリンク同士を屈曲可能に連結し、これらのリンクを周方向に沿って配列し、無端状に形成した動力伝達用のチェーンが知られている。下記特許文献1,2は、互いの距離が変更可能な対向する円錐面を有する2個のプーリに巻き渡され、プーリ間の動力伝達を行う動力伝達用チェーンが示されている。これらの動力伝達用チェーンは、耐久性を担保しつつ、騒音を低減するために、周方向の長さが異なる2種のリンクを配列している。
特表2009−510340号公報 特許第4678179号明細書
上記特許文献1,2には、チェーンに含まれるロングリンクの数をどのように定めるかについて示されていない。
本発明は、騒音低減に効果のあるロングリンク数を有する動力伝達用チェーンを提供すること目的とする。
本発明に係る動力伝達用チェーンは、プーリの対向する円錐面に挟持され、複数のプーリに巻き渡された動力伝達用チェーンであって、当該動力伝達用チェーンは、周方向に沿って無端状に配列され、かつ隣接するもの同士が屈曲可能に連結されたリンクを含み、リンクは、第1ピッチ長を有するショートリンクと、第1ピッチ長より長い第2ピッチ長を有するロングリンクを含み、リンクの総数がN、ロングリンクの最大連続数がnのリンクの配列パターンにおいて、ロングリンクの数Nlongが、
の範囲である。
また、リンクの総数がN、ロングリンクの最大連続数が1、すなわちロングリンクが連続しないリンクの配列パターンにおいて、ロングリンクの数Nlongを、
0.25N−5≦Nlong≦0.25N+5
の範囲とすることができる。
また、リンクの総数がN、ロングリンクの最大連続数が2であるリンクの配列パターンにおいて、ロングリンクの数Nlongを、
0.333N−5≦Nlong≦0.333N+5
の範囲とすることができる。
また、リンクの総数がN、ロングリンクの最大連続数が3であるリンクの配列パターンにおいて、ロングリンクの数Nlongを、
0.375N−5≦Nlong≦0.375N+5
の範囲とすることができる。
本発明によれば、騒音低減に効果のあるロングリンク数を有する動力伝達用チェーンを提供することができる。
チェーン式無段変速機の要部を示す図である。 チェーンをその幅方向から視た図である。 チェーンの構造を説明するための斜視図である。 チェーンをその厚さ方向から視た図である。 リンクに作用する力についての説明図である。 ロングリンクの個数ごとのリンクの配列パターンの数を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのリンクの配列パターンの数を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 ロングリンクの個数ごとのチェーンの振動1次ピークの最大値を示す図である。 振動の算出結果をまとめた図である。 ロングリンクの個数の範囲の定め方を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1には、チェーン式無段変速機10の要部が示されている。チェーン式無段変速機10は2個のプーリ12,14とこれらのプーリに巻き渡された無端のチェーン16を有する。2個のプーリの一方を入力プーリ12、他方を出力プーリ14と記す。入力プーリ12は、入力軸18に固定された固定シーブ20と、入力軸18上を入力軸に沿ってスライドして移動可能な移動シーブ22を有する。固定シーブ20と移動シーブ22の互いに対向する面は、円錐側面の形状を有する。これらの面を円錐面24,26と記す。この円錐面24,26によりV字形の溝が形成され、この溝内に、円錐面24,26に側面を挟まれるようにしてチェーン16が位置する。出力プーリ14も、入力プーリ12と同様に、出力軸28に固定された固定シーブ30と、出力軸28上を出力軸に沿ってスライドして移動可能な移動シーブ32を有する。固定シーブ30と移動シーブ32の互いに対向する面は、円錐側面の形状を有する。これらの面を円錐面34,36と記す。この円錐面34,36によりV字形の溝が形成され、この溝内に、円錐面34,36に側面を挟まれるようにしてチェーン16が位置する。チェーン16は、入力プーリ12と出力プーリの間の動力伝達を担う動力伝達用チェーンである。
入力プーリ12と出力プーリ14の固定シーブと移動シーブの配置は逆となっている。すなわち、入力プーリ12において移動シーブ22が図1中右側であるのに対し、出力プーリ14において移動シーブ32は左側に配置される。移動シーブ22,32をスライドさせることにより、互いに対向する円錐面24,34、26,36の距離が変化し、これらの円錐面で形成されるV字溝の幅が変化する。この溝幅の変化により、チェーンの巻き掛かり半径が変わる。すなわち、移動シーブ22,32が固定シーブ20,30から離れると溝幅が広がり、チェーン16は溝の深い位置に移動して、巻き掛かり半径が小さくなる。逆に、移動シーブ22,32が固定シーブ20,30に近づくと溝幅が狭くなり、チェーン16は溝の浅い位置に移動して、巻き掛かり半径が大きくなる。巻き掛かり半径の変化を、入力プーリ12と出力プーリ14で逆にすることにより、チェーン16がたるまないようにされている。移動シーブ22,32がスライドすることにより、V字溝の幅は連続的に変化し、巻き掛かり半径も連続的に変化する。これにより、入力軸18から出力軸28への伝達における変速比を連続的に変化させることができる。
図2〜4は、チェーン16の構造の詳細を示す図である。以降の説明において、チェーン16が延びる方向に沿う方向を周方向、周方向に直交し、かつ入力軸18および出力軸28に平行な方向を幅方向、周方向と幅方向に直交する方向を厚さ方向と記す。図2は、チェーン16の一部を幅方向より視た図、図3は一部を抜き出して分解して示す図、図4はチェーン16の一部を外周側から厚さ方向に視た図である。
図2において、左右方向が周方向であり、上下方向が厚さ方向であり、紙面を貫く方向が幅方向である。また、上側がチェーン16の外側である。チェーン16は、開口38a,38bを有する板形状のリンクプレート40と、棒形状のピン42a,42bを組み合わせて形成される。個々のリンクプレート40は厚さも含めて同一形状であり、棒形状のピン42aおよびピン42bは、それぞれに同一形状である。リンクプレート40は、幅方向に所定パターンで配列され(図4参照)、2本のピン42a,42bがリンクの両端において開口38a,38bを貫通している。2本のピン42a,42bの両端、またはいずれか1本のピンの両端が入力および出力プーリ12,14の円錐面24,26、34,36に当接する。この2本のピン42a,42bとピンに貫通されたリンクプレートの組を総称してリンク44と記す(図3参照)。
図3には、二つのリンク44-1,44-2が一部省略された状態で示されている。添え字「-1」「-2」「-3」は、リンクおよびリンクに属するリンクプレート、ピンを他のリンクから区別する場合に用いる。リンク44-2は、複数のリンクプレート40-2とこれと貫く2本のピン42a-2,42b-2から構成される。2本のピン42a-2,42b-2は、リンクプレート40-2の両端において、それぞれ開口38a-1,38b-1に圧入、または位置固定されて結合されている。リンク44-1も同様に、複数のリンクプレート40-1とこれと貫く2本のピン42a-1,42b-1から構成される。また、一つのリンクに属する複数のリンクプレート40がリンクユニット46を構成している。
隣接するリンク44-1,44-2の連結は、ピン42a,42bを、互いに相手側のリンクプレート40の開口38a,38bに通すことにより達成される。図3に示すように、左側のリンク44-2のピン42b-2は、右側のリンク44-1のピン42a-1の右側に位置するように、開口38a-1内に配置される。逆に、右側のリンク44-1のピン42a-1は、左側のリンク44-2のピン42b-2の左側に位置するように、開口38b-2内に配置される。この2本のピン42b-1,42a-2同士が、互いの側面で接触してチェーン16の張力が伝達される。チェーン16が曲がるときには、隣接するピン、例えばピン42b-1,42a-2同士が互いの接触面において転がるように動き、曲げが許容される。
図4は、リンクプレート40の配列パターンの一例を示す図である。
リンク44の周方向の長さを代表する寸法として、図2に示す、周方向のピン42a,42bの中心間の距離であるピッチ長pを採る。チェーン16は、ピッチ長pの異なる2種類のリンクを含む。ピッチ長pの長いリンク44をロングリンク44L、短いリンク44をショートリンク44Sと記す。
図5は、リンク44に作用する力について説明する図である。チェーン16が入力プーリ12または出力プーリ14に巻き渡されているとき、チェーン16の隣接するリンク44同士は屈曲した状態となる。屈曲の角度をθとする。図5に示すリンク44-1が隣接するリンク44-2から受ける力は、リンク44-2に作用する力をFとすると、Fcosθとなる。リンク44-2がショートリンク44Sの時の屈曲角θSは、ロングリンクの屈曲角θLより小さくなり(θS<θL)、0≦θ<90°であるので、
FcosθS>FcosθL ・・・(1)
となる。チェーン16が直線状になっているときにリンク44-1に作用する力は、Fであるから、チェーン16周回するときのリンク44 -1に作用する力の振幅は、
F−Fcosθ ・・・(2)
となる。式(1),(2)から、
F−FcosθL>F−FcosθS ・・・(3)
を得る。この式は、隣接するリンク44-2がロングリンク44Lである場合、ショートリンク44Sである場合に比べて、チェーンが周回するときにリンク44-1に作用する力の振幅が大きくなることを示している。
また、リンク44-1自身がロングリンク44Lである場合、ショートリンク44Sである場合に比べて屈曲角θは更に大きくなるから、荷重の振幅も大きくなる。さらに、リンク44-1自身がロングリンクであり、さらに両隣のリンクがロングリンクであると、リンク44-1に作用する力の振幅は更に大きくなる。このようにロングリンク44Lが連続する配列パターンにおいては、耐久上、不利になる場合がある。一方、騒音対策としては、プーリ12,14に対するピン42の噛み込み周期はランダムであることが好ましい。そのためには、ある程度ロングリンク44Lが連続することを許容し、多くの異なるパターンを含む配列パターンとすることが好ましい。
ショートリンク44Sとロングリンク44Lの並べ方の総数は、重複円順列の公式(4)より求められる。重複円順列の公式については、「重複円順列・重複数珠順列について」山田一男、数研通信68号、数研出版に詳しい。
式(4)において、qは、重複円順列を構成する要素の総数を示し、q1,q2,・・・,qrは、円順列を構成する要素の種類ごとの要素数を示し、rは要素の種類の数を示す。また、(q,k)は、qとkの最大公約数を示す。そして、
が自然数となるkについて、総和記号内の算出を行う。
例えば、白玉2個、赤玉2個、青玉4個の総数8個の玉(要素)を円に並べる場合を考える。
q=8,q1=2,q2=2,q3=4 ・・・(6)
式(6)を式(4)、式(5)に代入すれば、
となり、式(8)の全てが自然数となるのはk=4,8である。k=4のとき(q,k)=(8,4)=4であり、k=8のとき(q,k)=(8,8)=8である。式(7)において、k=4とk=8についての総和をとる。次式(9)の括弧内の第1項がk=4のときの計算式であり、第2項がk=8のときの計算式である。
動力伝達用チェーンのリンクの総数を数十から百数十とすると、ロングリンクの数について制限したとしても、配列の総数は膨大な数となる。図6は、ロングリンクの連続数に制限を設けない場合(条件<1>)、リンクの総数が96個のときのリンクの並べ方(配列パターン)の数が、ロングリンクの数ごとに何パターンあるかを示す図である。また、図7は、リンクの総数が96個で、ロングリンクが2個まで連続することを許容した(3個連続することはない)場合のリンクの配列パターンの数を示している。
前述のように、ロングリンクの連続数が増えると、耐久上の不利が考えられるので、以下においては、ロングリンク44Lの連続数を下記のように制限する。
条件<2> ロングリンクは連続しない(最大連続数1)。
条件<3> ロングリンクの2個までの連続が許容される(最大連続数2)。
条件<4> ロングリンクの3個までの連続が許容される(最大連続数3)。
また、1本のチェーン16のリンクの総数をN、ロングリンクとショートリンクのピッチ長の比(ピッチ比)をRとする。また、1本のチェーン16に含まれるロングリンクの個数をNlongとする。
条件<2>,<3>,<4>のそれぞれについて、リンクの配列パターンについて以下説明する。ロングリンクを「L」、ショートリンクを「S」で表す。
条件<2>、つまりロングリンクが連続しない場合の配列パターンは、リンクが「SS」と「SL」の組の重複円順列を考えればよい。1本のチェーン16に、「SS」と「SL」が同数含まれるとき、配列パターンの数が最も多くなる(図6参照)。したがって、リンクの総数Nに対し、ロングリンクの個数Nlongが四分の1である場合に配列の数が最も多くなる。
条件<3>においては、「SSS」「SLS」「SSL」「SLL」の4つの組の重複円順列を考えればよい。1本のチェーン16に、「SSS」「SLS」「SSL」「SLL」が同数含まれるとき、配列パターンの数が最も多くなる。したがって、リンクの総数Nに対し、ロングリンクの個数Nlongが三分の1である場合に配列の数が最も多くなる。
条件<4>においては、「SSSS」「SLSS」「SSLS」「SSSL」「SLLS」「SLSL」「SSLL」「SLLL」の8つの組の重複円順列を考えればよい。1本のチェーン16に、各組が同数含まれるとき、配列パターンの数が最も多くなる。したがって、リンクの総数Nに対し、ロングリンクの個数Nlongが八分の3である場合に配列の数が最も多くなる。
リンクの配列パターンの数が最も多くなるときのリンクの総数Nに対するロングリンクの個数Nlongの割合を最多パターンリンク比τL(=Nlong/N)と記す。最多パターンリンク比τLは、次式(10)で表される。
nは、連続するロングリンクの個数の上限を示す。つまり、n=2のときは、配列パターン中、ロングリンクは連続せず単独で存在するか、または2個連続して存在し、3個連続することはない。また、n=1のときは、ロングリンクは単独で存在し、連続することはない。式(10)の分母は、各条件について重複円順列を考えたときの組のリンク個数の合計である。例えば、条件<4>では、それぞれ4個のリンクを含む8つの組があるので、リンク数の合計は32個(=4×8)である。分母の第1因数(n+1)は、1つの組を構成するリンクの個数であり、条件<4>では4個である。
分母の第2因数は、組の数を表し、これは、ロングリンクを含まない組とロングリンクを1個含む組、2個含む組、・・・k個含む組の総和である。条件<4>で説明する。ロングリンクを含まない組は1つである。これは、他の条件でも同じである。ロングリンクを含む組は、2〜4番目のリンクに少なくとも1個のロングリンクを配置する並べ方の数である。これが、第2因数の第2項である。ロングリンクが1個の場合、ロングリンクを配置する位置を2〜4番目の3つの位置から1つ選ぶということであるから、31=3通りとなる。ロングリンクが2個の場合、3つの位置から2つの位置を選ぶ組合せであるから、32=3通りである。また、ロングリンクが3個の場合は、33=1通りである。
式(10)の分子は、重複円順列を考えたときのリンクの組に含まれるロングリンクの個数の総和である。条件<4>では、ロングリンクを1個含む組が31=3つ、2個含む組が32=3つ、3個含む組が33=1つであるので、全部で12個(=1×3+2×3+3×1)のロングリンクが含まれる。
式(10)を用いて最多パターンリンク比τLを算出すれば、条件<2>では0.25(=1/4)、条件<3>では0.333(=3/9)、条件<4>では0.375(=12/32)が得られる。
次に、あるリンク配列パターンを有するチェーン16とプーリ12,14の振動について検討する。チェーン16とプーリ12,14は、ピン42a,42bで接触しており、ピン42a,42bがプーリ12,14に挟持されるときの衝撃が加振力になって振動が発生する。ロングリンクとショートリンクを含むあるパターンのリンク配列のチェーンについて、ピンの配列周期でインパルス加振を行った場合の加振周期の1次近傍の周波数のピーク値について検討する。
図8は、リンクの総数Nが96個、ピッチ比Rが1.3、ロングリンクが連続しない条件(条件<2>)のときの、振動のピーク値を表す図である。同一のロングリンクの個数の配列パターンにおいて、各パターンのピーク値を比較し、最も大きなピーク値が図中にプロットされている。ただし、前述のように配列の数は膨大であるので、ランダムに1000万通りの配列パターンを作成し、それらのピーク値を算出している。各プロット点の近似曲線が図示されており、これを見ると、ロングリンクの個数Nlongが24個付近において1次ピークの最大値が小さくなっている。これは、96個のリンクのうちロングリンクが24個またはその近傍の個数含まれる配列は、振動の1次ピークが大きくなることがないことを示している。つまり、この個数の範囲のリンク配列パターンが振動および騒音が小さくなる可能性が高いことを示している。
この24個は、前述した、最多パターンリンク比τLに対応している。条件<2>においては、前述のようにτL=0.25であり、リンクの総数Nは96個であり、96個×0.25=24個となっている。
図9は、リンクの総数Nが96個、ピッチ比Rが1.3、条件<3>のときの振動の1次ピークの最大値を示し、図10は、リンクの総数Nが96個、ピッチ比Rが1.3、条件<4>のときの振動の1次ピークの最大値を示す。条件<3>では、ロングリンクの個数Nlongが32個付近にピーク最大値の最小値があり、条件<4>では、ロングリンクの個数Nlongが36個付近にピーク最大値の最小値がある。前述のように条件<3>のときの最多パターンリンクτLは0.333であるから、96個×0.333=32個、条件<4>のときの割合τLは0.375であるから、96個×0.375=36個である。
このように、ロングリンクの個数Nlongが最多パターンリンク比τLに対応する値またはその近傍の配列パターンは、振動が大きくなるパターンがなく、よってこのような配列パターンを選択することで振動を低く抑えることができる。振動が低く抑えられれば、騒音の低下も期待できる。
なお、図8〜10を比較すると、リンクの連続数の上限が1よりも2、2よりも3の方が全体として、振動が小さくなることを示している。
図11〜13は、リンクの総数が102個、ピッチ比Rが1.3で、条件<2>〜<4>の場合の振動の1次ピークの最大値を示す図である。リンクの総数Nが変わっても、図8〜10に示した場合と同様の傾向があることが分かる。
図14〜16は、リンクの総数が96個、ピッチ比Rが1.2で、条件<2>〜<4>の場合の振動の1次ピークの最大値を示す図である。ピッチ比Rが変わっても、図8〜10に示した場合と同様の傾向があることが分かる。
図17〜19は、リンクの総数が102個、ピッチ比Rが1.2で、条件<2>〜<4>の場合の振動の1次ピークの最大値を示す図である。リンクの総数Nおよびピッチ比Rが変わっても、図8〜10に示した場合と同様の傾向があることが分かる。
図20は、図8〜19の結果をまとめた図である。図21は、図20の各項目についての説明図である。近似曲線の最小値は、前述のように最も配列パターンが多くなるロングリンクの個数τLNからややずれている。これは、振動の解析を行った配列パターンが,全パターンの一部であることに起因していると考えられる。近似曲線の最小値から3%高い値(許容ずれ)を許容上限値とする。この3%は、ヒトの騒音の感度に基づき定めている。ヒトが、騒音が大きくなった、また小さくなったと判別するには0.5dB程度の差が必要である。よって、ヒトは0.25dB程度の差であれば、同等レベルの騒音と感じる。0.25dBは、エネルギの比では、1.0292(=100.25/20)であるから、振動のピークが3%増加しても、同等の騒音レベルと感じる。最小値から3%増加した許容上限値を定め、これと近似曲線の交点のロングリンクの個数を最小個数、最大個数とする。ロングリンクの個数を、最小個数と最大個数の間の個数とすることで、騒音レベルを最小値から3%増加した範囲に収めることができる。この範囲であれば、ヒトは、同等の騒音レベルであると感じる。最小個数および最大個数とτLNとの偏差の大きい方をδL、小さい方δSとする。τLNから正負両側に小さい方の偏差δSの幅をとり(τLN±δS)、これをロングリンクの個数Nlongの許容範囲とする。ロングリンクの個数Nlongをこの許容範囲内に収めれば、振動が大きい配列パターンとはならず、振動が小さい配列パターンとなる可能性が高い。
配列パターンの数が最大となるロングリンクの個数τLNは、条件<2>〜<4>のどの条件でも、最小個数と最大個数の間に入るので、ロングリンクの個数NlongをτLNとすることで、振動が小さい配列パターンとすることができる。τLNが自然数でない場合には、τLNに最も近い自然数とする。
図20に示したとおり、小さい方の偏差δSは、各配列パターンの平均をとると、5.359であるから、ロングリンクの個数NlongをτLN±5の範囲にすれば(式(11)参照)、振動の小さい配列パターンをとなる可能性が高い。
τLN−5<Nlong<τLN+5 ・・・(11)
条件<2>では、τL=0.25であるのでロングリンクの個数Nlongの範囲は、
0.25N−5<Nlong<0.25N+5 ・・・(12)
となる。
条件<3>では、τL=0.333であるのでロングリンクの個数Nlongの範囲は、
0.333N−5<Nlong<0.333N+5 ・・・(13)
となる。
条件<4>では、τL=0.375であるのでロングリンクの個数Nlongの範囲は、
0.375N−5<Nlong<0.375N+5 ・・・(14)
となる。
図20を見ると、条件<2>のときの小さい方の偏差δSは、条件<3>,<4>に比べて小さいので、条件<2>を重視する場合は、ロングリンクの個数Nlongの範囲を、
τLN−4<Nlong<τLN+4 ・・・(14)
とすることができる。このとき、条件<2>における範囲は、
0.25N−4<Nlong<0.25N+4 ・・・(15)
となる。
10 チェーン式無段変速機、12 入力プーリ、14 出力プーリ、16 チェーン、18 入力軸、20 固定シーブ、22 移動シーブ、24 円錐面、26 円錐面、28 出力軸、30 固定シーブ、32 移動シーブ、34 円錐面、36 円錐面、38a,38b 開口、40 リンクプレート、42a,42b ピン、44 リンク、46 リンクユニット、N リンクの総数、n ロングリンクの最大連続数、Nlong ロングリンクの数、τL 最多パターンリンク比(=Nlong/N)。

Claims (4)

  1. プーリの対向する円錐面に挟持され、複数のプーリに巻き渡された動力伝達用チェーンであって、
    当該動力伝達用チェーンは、周方向に沿って無端状に配列され、かつ隣接するもの同士が屈曲可能に連結されたリンクを含み、
    リンクは、第1ピッチ長を有するショートリンクと、第1ピッチ長より長い第2ピッチ長を有するロングリンクを含み、
    リンクの総数がN、ロングリンクの最大連続数がnであるリンクの配列パターンにおいて、ロングリンクの数Nlongが、
    の範囲である、動力伝達用チェーン。
  2. 請求項1に記載の動力伝達用チェーンであって、ロングリンクの最大連続数が1であるリンクの配列パターンにおいて、ロングリンクの数Nlongが、
    0.25N−5≦Nlong≦0.25N+5
    の範囲である、動力伝達用チェーン。
  3. 請求項1に記載の動力伝達用チェーンであって、ロングリンクの最大連続数が2であるリンクの配列パターンにおいて、ロングリンクの数Nlongが、
    0.333N−5≦Nlong≦0.333N+5
    の範囲である、動力伝達用チェーン。
  4. 請求項1に記載の動力伝達用チェーンであって、ロングリンクの最大連続数が3であるリンクの配列パターンにおいて、ロングリンクの数Nlongが、
    0.375N−5≦Nlong≦0.375N+5
    の範囲である、動力伝達用チェーン。
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