(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。また、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
図1は、第1の実施形態に係る半導体製造装置10を概略的に示す断面図である。半導体製造装置10は、処理装置の一例であり、例えば、製造装置、加工装置、吐出装置、供給装置、又は装置とも称され得る。なお、処理装置は半導体製造装置10に限らず、対象となる物体に、例えば加工、洗浄、及び試験のような処理を行う他の装置であっても良い。
各図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、半導体製造装置10の幅に沿う。Y軸は、半導体製造装置10の奥行き(長さ)に沿う。Z軸は、半導体製造装置10の高さに沿う。本実施形態において、Z軸は鉛直方向に延びる。なお、Z軸が延びる方向と、鉛直方向とが異なっても良い。
図1に示される第1の実施形態の半導体製造装置10は、例えば、化学蒸着(CVD)装置である。半導体製造装置10は、他の装置であっても良い。半導体製造装置10は、製造部11と、ステージ12と、シャワープレート13と、第1のガス供給装置14と、第2のガス供給装置15と、第3のガス供給装置16と、制御部18とを有する。
製造部11は、例えば、筐体とも称され得る。ステージ12は、配置部の一例であり、例えば、載置部又は台とも称され得る。シャワープレート13は、シャワープレート、流路構造、及び部材の一例であり、例えば、吐出装置、供給装置、噴出装置、分配装置、排出装置、又は部品とも称され得る。第1乃至第3のガス供給装置14〜16は、例えば、供給部とも称され得る。
製造部11の内部に、気密に密閉可能なチャンバ21が設けられる。チャンバ21は、例えば、部屋又は空間とも称され得る。半導体製造装置10は、例えば、チャンバ21において、半導体ウェハ(以下、ウェハと称する)Wを製造する。ウェハWは、対象物の一例である。製造部11は、上壁23と、側壁24とを有する。
上壁23は、内面23aを有する。内面23aは、下方向に向く略平坦な面である。側壁24は、内側面24aを有する。内側面24aは、略水平方向に向く面である。内面23a及び内側面24aは、チャンバ21の一部を形成する。すなわち、内面23a及び内側面24aは、チャンバ21の内部に向く。側壁24に、複数の排気口27が設けられる。排気口27から、チャンバ21の気体が排出され得る。
ステージ12及びシャワープレート13は、チャンバ21に配置される。なお、図1に示されるように、ステージ12の一部及びシャワープレート13の一部が、チャンバ21の外に位置しても良い。
ステージ12は、支持部12aを有する。支持部12aは、チャンバ21に位置し、上壁23の内面23aに向いてウェハWを支持する。言い換えると、ステージ12にウェハWが配置される。ステージ12はヒータを有し、支持部12aに支持されたウェハWを加熱することが可能である。
ステージ12は、例えば、ウェハWを吸引することにより、当該ウェハWを支持部12aに固定できる。さらに、ステージ12は、モータのような駆動装置に接続され、ウェハWを支持した状態で回転可能である。
シャワープレート13は、例えば、製造部11の上壁23に取り付けられる。シャワープレート13は、ステージ12の支持部12aに支持されたウェハWに面する。シャワープレート13は、図1の矢印で示すように、ウェハWへ複数種類の原料ガスMGを吐出可能である。原料ガスMGは、第1の流体の一例である。なお、第1の流体は気体に限らず、液体のような他の流体であっても良い。
原料ガスMGは、例えば、第1の原料ガスMG1と、第2の原料ガスMG2とを含む。第1の原料ガスMG1は、例えば、ウェハWに酸化膜を形成する。第2の原料ガスMG2は、例えば、ウェハWに窒化膜を形成する。なお、第1の原料ガスMG1と第2の原料ガスMG2とは、この例に限らない。また、シャワープレート13は、一種類の原料ガスMGを吐出しても良い。
シャワープレート13は、拡散部31と、管部32とを有する。拡散部31は、X‐Y平面上で広がる略円盤状に形成される。管部32は、拡散部31の略中央部からZ軸に沿う正方向(Z軸の矢印が向く方向、上方向)に延びる。
管部32は、上壁23を貫通する。例えば、管部32が上壁23に固定されることで、シャワープレート13が製造部11の上壁23に取り付けられる。なお、シャワープレート13は、他の手段により製造部11に取り付けられても良い。
図2は、第1の実施形態のシャワープレート13を示す断面図である。図3は、第1の実施形態のシャワープレート13の断面を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、拡散部31は、底壁34と、周壁35と、覆壁36とを有する。
さらに、拡散部31の内部に、第1の拡散室37が設けられる。第1の拡散室37は、例えば、部屋又は空間とも称され得る。第1の拡散室37は、底壁34と、周壁35と、覆壁36とによって囲まれる。
底壁34は、X‐Y平面上で広がる略円盤状に形成される。底壁34は、底面34aと、第1の内面34bとを有する。底面34aは、外面の一例であり、例えば、表面とも称され得る。
底面34aは、Z軸に沿う負方向(Z軸の矢印が向く方向の反対方向、下方向)に向く略平坦な面であり、シャワープレート13のZ軸に沿う負方向の端に位置する。言い換えると、底面34aは、シャワープレート13の外面の一部を形成する。なお、底面34aは、曲面であっても良いし、凹凸を有しても良い。
図1に示すように、底面34aは、隙間を介して、ステージ12の支持部12aに支持されたウェハWに面する。言い換えると、ステージ12は、底面34aが向く位置にウェハWを支持する。
図2に示すように、第1の内面34bは、底面34aの反対側に位置し、Z軸に沿う正方向に向く略平坦な面である。第1の内面34bは、第1の拡散室37に面し、拡散室47の内面の一部を形成する。
周壁35は、底壁34の縁から、Z軸に沿う正方向に延びる略円筒形の壁である。周壁35は、第2の内面35aを有する。第2の内面35aは、拡散室47に面し、拡散室47の内面の一部を形成する。
覆壁36は、X‐Y平面上で広がる略円盤状に形成される。周壁35は、覆壁36の縁と、底壁34の縁とを接続する。覆壁36は、上面36aと、第3の内面36bとを有する。
上面36aは、Z軸に沿う正方向に向く略平坦な面である。上面36aは、シャワープレート13の外面の一部を形成する。管部32は、上面36aからZ軸に沿う正方向に延びる。
第3の内面36bは、上面36aの反対側に位置し、Z軸に沿う負方向に向く略平坦な面である。第3の内面36bは、第1の内面34bに向く。第3の内面36bは、拡散室47に面し、拡散室47の内面の一部を形成する。
底壁34に、複数の導入口41と、複数の吐出口42と、複数の分岐通路43と、第2の拡散室44と、第3の拡散室45とが設けられる。複数の導入口41は、第1の内面34bに設けられる。複数の吐出口42は、底面34aに設けられる。
本実施形態において、吐出口42の数は、導入口41の数の二倍である。なお、吐出口42の数はこの例に限らない。複数の分岐通路43はそれぞれ、一つの導入口41と、二つの吐出口42とを接続する。
図4は、第1の実施形態の分岐通路43を模式的に示す斜視図である。分岐通路43は、流体が流れることが可能な流路(通路、孔、空間、空洞)である。しかし説明のため、図3及び図4において、分岐通路43は立体として示される。言い換えると、図3及び図4は、分岐通路43内の空間の形を示す。
図4に示すように、複数の分岐通路43はそれぞれ、第1の通路51と、二つの第2の通路52と、二つの第3の通路53とを含む。第1の通路51は、例えば、主通路とも称され得る。第2の通路52は、例えば、分岐通路又は分配通路とも称され得る。第3の通路53は、例えば、制御通路とも称され得る。
以下の説明において、二つの第2の通路52は、第2の通路52A,52Bと個別に称されることがある。また、二つの第3の通路53は、第3の通路53A,53Bと個別に称されることがある。
第1の通路51、第2の通路52、及び第3の通路53は、略同一の半径を有する円形断面の通路である。なお、第1の通路51、第2の通路52、及び第3の通路53の形状及び半径は、互いに異なっても良い。
第1の通路51は、導入口41からZ軸に沿う負方向に延びる。言い換えると、第1の通路51は、導入口41に連通し、第1の拡散室37に接続される。なお、第1の通路51は、他の方向に延びても良いし、他の通路を介して導入口41に連通されても良い。
二つの第2の通路52は、分岐部55で第1の通路51から分岐される。分岐部55は、第1の通路51と、複数の第2の通路52とが接続された部分である。分岐部55において、第1の通路51の端部と、二つの第2の通路52のそれぞれの端部とが、互いに接続される。
二つの第2の通路52はそれぞれ、第1の部分61と、第2の部分62とを有する。第1の部分61は、第1の延部の一例である。第1の部分61は、第1の通路51に接続された第2の通路52の一部である。第2の通路52Aの第1の部分61は、分岐部55からX軸に沿う負方向(X軸の矢印が向く方向の反対方向)に延びる。第2の通路52Bの第1の部分61は、分岐部55からX軸に沿う正方向(X軸の矢印が向く方向)に延びる。
上述のように、二つの第2の通路52は、互いに反対方向に延びる。他の表現によれば、二つの第2の通路52は、分岐部55から放射状に延びる。なお、第2の通路52が延びる方向はこの例に限らない。
第2の部分62は、Z軸に沿う方向に延びる。第2の部分62の一方の端部は、第1の部分61に接続される。第2の部分62の他方の端部は、吐出口42に連通する。これにより、吐出口42は、第2の通路52及び第1の通路51を介して、導入口41に連通される。
第3の通路53は、接続部65において、第2の通路52に接続される。接続部65は、第2の通路52と、第3の通路53とが接続された部分である。第3の通路53Aの端部が、接続部65において、第2の通路52Aに接続される。第3の通路53Bの端部が、接続部65において、第2の通路52Bに接続される。
接続部65は、分岐部55から離間するとともに、吐出口42から離間した位置に設けられる。すなわち、二つの第3の通路53は、分岐部55よりも下流で第2の通路52にそれぞれ接続される。
二つの第2の通路52のそれぞれにおいて、接続部65と分岐部55との間の長さは、吐出口42と接続部65との間の長さよりも短い。本実施形態における長さは、通路(第1の通路51、第2の通路52、及び第3の通路53)の断面の中心をつないだ中心線の長さである。
第2の通路52A及び第3の通路53Aの接続部65と分岐部55との間の長さは、第2の通路52B及び第3の通路53Bの接続部65と分岐部55との間の長さと実質的に等しい。なお、接続部65の位置はこの例に限らない。
二つの第3の通路53はそれぞれ、第3の部分67と、第4の部分68とを有する。第3の部分67は、第3の延部の一例である。第3の部分67は、第2の通路52に接続された第3の通路53の一部である。第3の部分67は、接続部65からY軸に沿う負方向(Y軸の矢印の反対方向)に延びる。なお、第3の部分67は、他の方向に延びても良い。
第3の通路53Aの第4の部分68は、第3の部分67の端部からZ軸に沿う正方向に延びる。第3の通路53Bの第4の部分68は、第3の部分67の端部からZ軸に沿う負方向に延びる。
図2及び図3に示すように、第2の拡散室44と第3の拡散室45とはそれぞれ、底壁34の内部に設けられる。第2の拡散室44及び第3の拡散室45はそれぞれ、略円盤状に形成された空間である。なお、第2の拡散室44及び第3の拡散室45は、他の形状に形成されても良い。
第2の拡散室44は、Z軸に沿う方向において、第1の内面34bと、第2の通路52の第1の部分61と、の間に設けられる。第2の拡散室44は、第1の通路51及び第2の通路52から隔てられる。
第3の拡散室45は、Z軸に沿う方向において、底面34aと、第2の通路52の第1の部分61と、の間に設けられる。第3の拡散室45は、第1の通路51及び第2の通路52から隔てられる。
図4に示す第3の通路53Aの第4の部分68は、第2の拡散室44に接続される。このため、第3の通路53Aは、第2の拡散室44と第2の通路52Aとを接続する。一方、第3の通路53Bの第4の部分68は、第3の拡散室45に接続される。このため、第3の通路53Bは、第3の拡散室45と第2の通路52Bとを接続する。
図3に示すように、管部32は、内筒71と、外筒72とを有する。内筒71及び外筒72は、略同一の中心軸上に配置された円筒形に形成される。なお、内筒71及び外筒72は、互いにずれた中心軸を有しても良いし、他の形状に形成されても良い。
内筒71は、外筒72の内側に配置される。内筒71は、底壁34の第1の内面34bからZ軸に沿う正方向に延びる。このため、内筒71の一部は、第1の拡散室37に位置する。内筒71の上端は、覆壁36の上面36aからZ軸に沿う正方向(上方向)に離間した位置に配置され、Z軸に沿う正方向における管部32の端面32aの一部を形成する。すなわち、内筒71は、上面36aからZ軸に沿う正方向に突出する。
外筒72は、覆壁36の上面36aからZ軸に沿う正方向に延びる。外筒72の上端は、Z軸に沿う方向において内筒71の上端と略同一の位置に配置され、管部32の端面32aの一部を形成する。すなわち、管部32の端面32aは、内筒71の上端であるとともに、外筒72の上端でもある。
管部32に、第1の供給路75が設けられる。第1の供給路75は、外筒72と内筒71との間に設けられる。言い換えると、第1の供給路75は、外筒72の内側に設けられる。第1の供給路75は、覆壁36の第3の内面36bと、管部32の端面32aとに連通する。端面32aは、外面と異なる面の一例である。すなわち、第1の供給路75は、第1の拡散室37と、シャワープレート13の外部とを連通する。第1の供給路75は、第1の拡散室37を介して、分岐通路43の第1の通路51に連通する。
管部32に、第2の供給路76がさらに設けられる。第2の供給路76は、内筒71の内側に設けられる。第2の供給路76は、管部32の端面32aに連通し、Z軸に沿う負方向に延びる。第2の供給路76は、第2の拡散室44の略中央と、シャワープレート13の外部とを連通する。第2の供給路76は、第2の拡散室44を介して、分岐通路43の第3の通路53Aに連通する。第2の供給路76と第1の拡散室37との間は、内筒71によって隔てられる。
シャワープレート13に、第3の供給路77が設けられる。第2の供給路76及び第3の供給路77は、第2の供給路の一例である。第3の供給路77は、外筒72の内部と、覆壁36の内部と、周壁35の内部とに亘って設けられる。
第3の供給路77は、管部32の端面32aに連通する。第3の供給路77は、第3の拡散室45の外周45aと、シャワープレート13の外部とを連通する。第3の供給路77は、第3の拡散室45を介して、分岐通路43の第3の通路53Bに連通する。
図1に示すように、第1のガス供給装置14は、タンク14aとバルブ14bとを有する。バルブ14bは、第1の調整部の一例である。第1の調整部は、例えば、ポンプのような他の装置であっても良い。タンク14aは、第1の原料ガスMG1を収容し、バルブ14b及び配管を介して第1の供給路75に接続される。
バルブ14bが開かれることで、第1のガス供給装置14は、タンク14aの第1の原料ガスMG1を第1の供給路75に供給する。バルブ14bが閉じられると、第1のガス供給装置14は、第1の原料ガスMG1の供給を停止する。さらに、バルブ14bの開閉量が調整されることで、第1の原料ガスMG1の流量が調整される。このように、バルブ14bは、第1の原料ガスMG1の供給状態を調整可能である。
第2のガス供給装置15は、タンク15aとバルブ15bとを有する。バルブ15bは、第1の調整部の一例である。タンク15aは、第2の原料ガスMG2を収容し、バルブ15b及び配管を介して第1の供給路75に接続される。
バルブ15bが開かれることで、第2のガス供給装置15は、タンク15aの第2の原料ガスMG2を第1の供給路75に供給する。バルブ15bが閉じられると、第2のガス供給装置15は、第2の原料ガスMG2の供給を停止する。さらに、バルブ15bの開閉量が調整されることで、第2の原料ガスMG2の流量が調整される。このように、バルブ15bは、第2の原料ガスMG2の供給状態を調整可能である。
第3のガス供給装置16は、タンク16aと、第1のバルブ16bと、第2のバルブ16cと、第3のバルブ16dとを有する。第1のバルブ16b及び第2のバルブ16cは、第2の調整部の一例である。第2の調整部は、例えば、ポンプのような他の装置であっても良い。タンク16aは、図2に示すキャリアガスCGを収容する。
キャリアガスCGは、第2の流体の一例であり、例えば、制御流体とも称され得る。なお、第2の流体は気体に限らず、液体のような他の流体であっても良い。本実施形態において、キャリアガスCGは、例えば、アルゴンである。なお、キャリアガスCGは、この例に限らず、複数種類の流体を含んでも良い。
タンク16aは、第1のバルブ16b及び配管を介して、第2の供給路76に接続される。タンク16aは、第2のバルブ16c及び配管を介して、第3の供給路77に接続される。さらに、タンク16aは、第3のバルブ16d及び配管を介して、第1の供給路75に接続される。
第1のバルブ16bが開かれることで、第3のガス供給装置16は、タンク16aのキャリアガスCGを第2の供給路76に供給する。第1のバルブ16bが閉じられると、第3のガス供給装置16は、キャリアガスCGの供給を停止する。さらに、第1のバルブ16bの開閉量が調整されることで、キャリアガスCGの流量が調整される。このように、第1のバルブ16bは、第2の供給路76へのキャリアガスCGの供給状態を調整可能である。同様に、第2のバルブ16cは第3の供給路77へのキャリアガスCGの供給状態を調整可能であり、第3のバルブ16dは第1の供給路75へのキャリアガスCGの供給状態を調整可能である。
制御部18は、例えば、CPUのような処理装置と、ROMやRAMのような記憶装置と、を有する。制御部18は、例えば、ステージ12、第1のガス供給装置14、第2のガス供給装置15、及び第3のガス供給装置16を制御する。
半導体製造装置10は、以下に説明するように、チャンバ21のウェハWに原料ガスMGを供給する。なお、半導体製造装置10が原料ガスMGを供給する方法は、以下に説明される方法に限らない。
図4に示すように、以下の説明において、複数の吐出口42は、吐出口42A,42Bと個別に称されることがある。すなわち、複数の吐出口42は、複数の吐出口42Aと複数の吐出口42Bとを含む。吐出口42Aには、第2の通路52Aが連通する。吐出口42Bには、第2の通路52Bが連通する。
シャワープレート13は、第1の原料ガスMG1を吐出口42AからウェハWに向かって吐出する。例えば、吐出口42Aは、第1の原料ガスMG1の吐出に適した位置に設けられる。
シャワープレート13は、第2の原料ガスMG2を吐出口42BからウェハWに向かって吐出する。例えば、吐出口42Bは、第2の原料ガスMG2の吐出に適した位置に設けられる。
まず、制御部18は、図1の第1のガス供給装置14のバルブ14bを開かせ、タンク14aの第1の原料ガスMG1を第1の供給路75に供給する。このとき、第2のガス供給装置15のバルブ15bは閉じられる。
さらに、制御部18は、第3のガス供給装置16の第1のバルブ16bと第2のバルブ16cとを開かせ、タンク16aのキャリアガスCGを第2の供給路76と第3の供給路77に供給させる。このとき、第3のバルブ16dは閉じられる。
以下の説明において、第1のバルブ16bから第2の供給路76に供給されるキャリアガスCGを、キャリアガスCG1と称することがある。また、第2のバルブ16cから第3の供給路77に供給されるキャリアガスCGを、キャリアガスCG2と称することがある。
図2に示すように、第1の原料ガスMG1は、第1の供給路75を通って第1の拡散室37に供給される。第1の原料ガスMG1は第1の拡散室37で、例えばX‐Y平面に沿う方向に拡散する。
第1の拡散室37の第1の原料ガスMG1は、複数の導入口41を通り、分岐通路43の第1の通路51に供給される。すなわち、第1のガス供給装置14は、第1の通路51に第1の原料ガスMG1を供給する。バルブ14bは、第1の通路51に供給される第1の原料ガスMG1の供給状態を調整できる。
キャリアガスCG1は、第2の供給路76を通って第2の拡散室44に供給される。キャリアガスCG1は、第2の拡散室44で、例えばX‐Y平面に沿う方向に拡散する。
第2の拡散室44のキャリアガスCG1は、複数の第3の通路53Aに供給される。すなわち、第3のガス供給装置16は、第3の通路53AにキャリアガスCG1を供給する。第1のバルブ16bは、第3の通路53Aに供給されるキャリアガスCG1の供給状態を調整できる。
キャリアガスCG2は、第3の供給路77を通って第3の拡散室45に供給される。キャリアガスCG2は、第3の拡散室45で、例えばX‐Y平面に沿う方向に拡散する。
第3の拡散室45のキャリアガスCG2は、複数の第3の通路53Bに供給される。すなわち、第3のガス供給装置16は、第3の通路53BにキャリアガスCG2を供給する。第2のバルブ16cは、第3の通路53Bに供給されるキャリアガスCG2の供給状態を調整できる。
図5は、第1の実施形態の第1の原料ガスMG1が流される分岐通路43を模式的に示す正面図である。図5に示すように、第1の原料ガスMG1が吐出口42Aから吐出されるとき、第2のバルブ16cは、第3の通路53Aに供給されるキャリアガスCG1の流量よりも多い流量のキャリアガスCG2を、第3の通路53Bに供給する。
第3の通路53Bは、キャリアガスCG2を、接続部65から第2の通路52Bの第1の部分61に供給する。キャリアガスCG2の流れは、当該接続部65において分岐する。
一方のキャリアガスCG2の流れは、第2の通路52Bの第1の部分61及び第2の部分62を通り、吐出口42Bからシャワープレート13の外部に吐出される。すなわち、吐出口42Bは、キャリアガスCG2を吐出する。
他方のキャリアガスCG2の流れは、第2の通路52Bの第1の部分61を通って、分岐部55へ流れる。当該キャリアガスCG2は、分岐部55において、第1の通路51を流れる第1の原料ガスMG1と合流する。
キャリアガスCG2は、第1の原料ガスMG1を伴って、第2の通路52Aの第1の部分61及び第2の部分62を通り、吐出口42Aからシャワープレート13の外部に吐出される。すなわち、キャリアガスCG2は、第1の原料ガスMG1を吐出口42Aへ運ぶ。
第3の通路53Aは、第2の通路52AにおけるキャリアガスCG2の流量より少ない流量のキャリアガスCG1を、接続部65から第2の通路52Aの第1の部分61に供給する。すなわち、第1のバルブ16bは、第1の原料ガスMG1が流される第2の通路52Aに接続された第3の通路53Aに、第3の通路53Bから第2の通路52Aに流れるキャリアガスCG2の流量よりも少ない流量のキャリアガスCG1を供給する。
キャリアガスCG1は、第1の原料ガスMG1及びキャリアガスCG2とともに、第2の通路52Aの第1の部分61及び第2の部分62を通り、吐出口42Aからシャワープレート13の外部に吐出される。このように、吐出口42Aは、第1の原料ガスMG1と、キャリアガスCG(キャリアガスCG1,CG2)とを吐出する。
以上述べたように、第2のバルブ16cは、第3の通路53BにキャリアガスCG2を供給し、キャリアガスCG2により第1の原料ガスMG1を第3の通路53Aが接続された第2の通路52Aに流す。このとき、第3の通路53Bから第2の通路52Bを通って第2の通路52Aに流れるキャリアガスCG2の流量は、第1の原料ガスMG1の拡散による移送量よりも多い。このため、実質的に第1の原料ガスMG1の全てが第2の通路52Aに流れる。
吐出口42Aから吐出された第1の原料ガスMG1は、ウェハWの表面に膜を形成する。吐出口42A,42Bから吐出されたキャリアガスCG(キャリアガスCG1,CG2)は、成膜に影響を及ぼさず、例えば図1の排気口27から排出される。
なお、吐出口42Aから第1の原料ガスMG1が吐出されるとき、第1のバルブ16bが閉じられても良い。この場合も、第3の通路53Bに供給されたキャリアガスCG2は、分岐部55において第1の原料ガスMG1と合流し、当該第1の原料ガスMG1を伴って第2の通路52Aを通り吐出口42Aから吐出される。第3の通路53AにキャリアガスCG1が存在する場合、第3の通路53Aに入る第1の原料ガスMG1の量が少なく抑えられる。
次に、制御部18は、図1の第1のガス供給装置14のバルブ14bを閉じさせ、第1の原料ガスMG1の供給を停止する。さらに、制御部18は、第3のガス供給装置16の第3のバルブ16dを開かせる。これにより、キャリアガスCGが第1の供給路75を通って第1の拡散室37に供給され、第1の拡散室37の第1の原料ガスMG1を複数の導入口41へ流す。第1の原料ガスMG1は、キャリアガスCGにより、吐出口42AからウェハWに向かって吐出される。
シャワープレート13の内部から第1の原料ガスMG1が排出されると、制御部18は、第3のガス供給装置16の第3のバルブ16dを閉じさせる。さらに、制御部18は、第1のバルブ16bと第2のバルブ16cとを調整する。これにより、第1のバルブ16bは、第3の通路53Bに供給されるキャリアガスCG2の流量よりも多い流量のキャリアガスCG1を、第3の通路53Aに供給する。
次に、制御部18は、第2のガス供給装置15のバルブ15bを開かせ、タンク15aの第2の原料ガスMG2を第1の供給路75に供給する。このとき、第1のガス供給装置14のバルブ14bは閉じられる。
図2に示すように、第2の原料ガスMG2が、第1の供給路75を通って第1の拡散室37に供給される。第2の原料ガスMG2は第1の拡散室37で、例えばX‐Y平面に沿う方向に拡散する。
第1の拡散室37の第2の原料ガスMG2は、複数の導入口41を通り、分岐通路43の第1の通路51に供給される。すなわち、第2のガス供給装置15は、第1の通路51に第2の原料ガスMG2を供給する。バルブ15bは、第1の通路51に供給される第2の原料ガスMG2の供給状態を調整できる。
図6は、第1の実施形態の第2の原料ガスMG2が流される分岐通路43を模式的に示す正面図である。図6に示すように、第2の原料ガスMG2が吐出口42Bから吐出されるとき、第1のバルブ16bは、第3の通路53Bに供給されるキャリアガスCG2の流量よりも多い流量のキャリアガスCG1を、第3の通路53Aに供給する。
第3の通路53Aは、キャリアガスCG1を、接続部65から第2の通路52Aの第1の部分61に供給する。キャリアガスCG1の流れは、当該接続部65において分岐する。
一方のキャリアガスCG1の流れは、第2の通路52Aの第1の部分61及び第2の部分62を通り、吐出口42Aからシャワープレート13の外部に吐出される。すなわち、吐出口42Aは、キャリアガスCG1を吐出する。
他方のキャリアガスCG1の流れは、第2の通路52Aの第1の部分61を通って、分岐部55へ流れる。当該キャリアガスCG1は、分岐部55において、第1の通路51を流れる第2の原料ガスMG2と合流する。
キャリアガスCG1は、第2の原料ガスMG2を伴って、第2の通路52Bの第1の部分61及び第2の部分62を通り、吐出口42Bからシャワープレート13の外部に吐出される。すなわち、キャリアガスCG1は、第2の原料ガスMG2を吐出口42Bへ運ぶ。
第3の通路53Bは、第2の通路52BにおけるキャリアガスCG1の流量より少ない流量のキャリアガスCG2を、接続部65から第2の通路52Bの第1の部分61に供給する。すなわち、第2のバルブ16cは、第2の原料ガスMG2が流される第2の通路52Bに接続された第3の通路53Bに、第3の通路53Aから第2の通路52Bに流れるキャリアガスCG1の流量よりも少ない流量のキャリアガスCG2を供給する。
キャリアガスCG2は、第2の原料ガスMG2及びキャリアガスCG1とともに、第2の通路52Bの第1の部分61及び第2の部分62を通り、吐出口42Bからシャワープレート13の外部に吐出される。このように、吐出口42Bは、第1の原料ガスMG1と、キャリアガスCG(キャリアガスCG1,CG2)とを吐出する。
上記のように、第1のバルブ16bは、第3の通路53AにキャリアガスCG1を供給し、キャリアガスCG1により第2の原料ガスMG2を第3の通路53Bが接続された第2の通路52Bに流す。このとき、第3の通路53Aから第2の通路52Aを通って第2の通路52Bに流れるキャリアガスCG1の流量は、第2の原料ガスMG2の拡散による移送量よりも多い。このため、実質的に第2の原料ガスMG2の全てが第2の通路52Bに流れる。
吐出口42Bから吐出された第2の原料ガスMG2は、ウェハWの表面に膜を形成する。吐出口42A,42Bから吐出されたキャリアガスCG(キャリアガスCG1,CG2)は、成膜に影響を及ぼさず、例えば図1の排気口27から排出される。
なお、吐出口42Bから第2の原料ガスMG2が吐出されるとき、第2のバルブ16cが閉じられても良い。この場合も、第3の通路53Aに供給されたキャリアガスCG1は、分岐部55において第2の原料ガスMG2と合流し、当該第2の原料ガスMG2を伴って第2の通路52Bを通り吐出口42Bから吐出される。第3の通路53BにキャリアガスCG2が存在する場合、第3の通路53Bに入る第2の原料ガスMG2の量が少なく抑えられる。
以上のように、第1のバルブ16b及び第2のバルブ16cは、分岐部55よりも下流の第3の通路53A,53Bから第2の通路52A,52BへのキャリアガスCG1及びキャリアガスCG2の供給状態を変化させる。これにより、第1の原料ガスMG1が吐出口42Aから吐出され、第2の原料ガスMG2が吐出口42Bから吐出されるように、第1の通路51から第2の通路52A,52Bへの第1の原料ガスMG1及び第2の原料ガスMG2の分流状態が変化させられる。従って、第1の原料ガスMG1及び第2の原料ガスMG2は、それぞれに適した位置から吐出されることができる。以上により、ウェハWに、例えば、酸化膜と窒化膜とが成膜される。
なお、原料ガスMG(第1の原料ガスMG1及び第2の原料ガスMG2)は、二つの吐出口42A,42Bの両方から吐出されても良い。例えば、上述の例よりもキャリアガスCG1,CG2の供給量が少なく設定されることで、原料ガスMGは、第2の通路52A,52Bの両方に流れ、吐出口42A,42Bから吐出される。
原料ガスMGが吐出口42A,42Bの両方から吐出されるとき、第1のバルブ16b及び第2のバルブ16cは、第3の通路53A,53Bから第2の通路52A,52BへのキャリアガスCG1及びキャリアガスCG2の供給状態を変化させる。これにより、第2の通路52Aに流れる原料ガスMGの流量と、第2の通路52Bに流れる原料ガスMGの流量と、の比率が調整される。
以上説明したように、分岐通路43は、第2の通路52A,52Bのいずれか一方にのみ流体を流すバルブとしてのみならず、第2の通路52Aに流れる流体の流量と第2の通路52Bに流れる流体の流量との比率を変化させ得るバルブとしても用いられ得る。さらに、第3の通路53A,53Bに供給される第1及び第2のキャリアガスCG1,CG2の流量が増大させられることで、吐出口42からの第1及び第2の原料ガスMG1,MG2の吐出が停止させられることも可能である。
すなわち、本実施形態における第1のバルブ16b及び第2のバルブ16cによる供給状態の変化は、例えば、複数の第3の通路53から複数の第2の通路52それぞれへのキャリアガスCGの供給及び供給停止の切り替えと、キャリアガスCGの供給量(流量)の調整と、第3の通路53Aに供給されるキャリアガスCG1の流量及び第3の通路53Bに供給されるキャリアガスCG2の流量の比率の変更と、である。
分流状態の変化は、例えば、第2の通路52Aのみへの原料ガスMGの供給、第2の通路52Bへの原料ガスMGの供給、第2の通路52A,52B両方への原料ガスMGの供給、及び原料ガスMGの供給停止の切り替えと、第2の通路52Aに供給される原料ガスMGの流量及び第2の通路52Bに供給される原料ガスMGの流量の比率の変更と、である。
シャワープレート13は、例えば、三次元プリンタによる積層造形によって製造される。これにより、複数の分岐通路43を有するシャワープレート13が容易に製造される。なお、シャワープレート13の製造方法はこの例に限らない。
以上説明された第1の実施形態に係る半導体製造装置10において、複数の第3の通路53がそれぞれ、第1の通路51から複数の第2の通路52が分岐した分岐部55よりも下流で、前記第2の通路52に接続される。複数の第3の通路53から複数の第2の通路52へのキャリアガスCGの供給状態の変化によって、第1の通路51から複数の第2の通路52への原料ガスMGの分流状態が変化する。例えば、第3の通路53Aが第2の通路52AにキャリアガスCG1を供給することで、第1の通路51から流される第2の原料ガスMG2が、キャリアガスCG1によって第3の通路53Bが接続された第2の通路52Bに流される。キャリアガスCGが流される第3の通路53を変更することで、原料ガスMGが流される第2の通路52を変更することが可能となる。このように、機械式バルブを用いることなく、シャワープレート13の内部で、第1の通路51から複数の第2の通路52への原料ガスMGの分流状態を変化させることができる。従って、原料ガスMGの分流状態の変化に伴って機械式バルブの駆動が生じさせる熱やパーティクルが原料ガスMGに影響を及ぼすことが抑制される。さらに、キャリアガスCGの流量を調整することにより、原料ガスMGの粘性や流速にかかわらず、第1の通路51から複数の第2の通路52への原料ガスMGの分流状態を変化させることができる。さらに、三つ以上の第2の通路52が設けられる場合であっても、第1の通路51から複数の第2の通路52への原料ガスMGの分流状態を変化させることができ、例えば所望の一つ又は複数の第2の通路52に原料ガスMGを流すことが可能となる。
第3の通路53と第2の通路52との接続部65と、分岐部55と、の間の長さは、吐出口42と接続部65との間の長さよりも短い。これにより、キャリアガスCGの大部分が吐出口42に向かって流れることが抑制される。従って、キャリアガスCGが分岐部55へ向かいやすくなり、当該キャリアガスCGにより原料ガスMGをより効率良く所望の第2の通路52に流すことが可能となる。
第1及び第2のバルブ16b,16cは、複数の第3の通路53に供給されるキャリアガスCGの供給状態を調整可能であり、複数の第3の通路53から複数の第2の通路52へのキャリアガスCGの供給状態を変化させることによって、第1の通路51から複数の第2の通路52への原料ガスMGの分流状態を変化させる。このように、機械式バルブを用いることなく第1の通路51から複数の第2の通路52A,52Bへの原料ガスMGの分流状態を変化させることができる。従って、原料ガスMGの分流状態の変化に伴って機械式バルブの駆動が生じさせる熱やパーティクルが原料ガスMGに影響を及ぼすことが抑制される。
第1及び第2のバルブ16b,16cは、原料ガスMGが流される第2の通路52に接続された第3の通路53に、他の第3の通路53から原料ガスMGが流される第2の通路52に流れるキャリアガスCGの流量よりも少ない流量のキャリアガスCGを供給する。これにより、拡散によって原料ガスMGが第3の通路53に流れ込むことが抑制される。
原料ガスMGが複数の第2の通路52のうち一つに流れる場合、複数の第3の通路53のうち少なくとも一つから、原料ガスMGが流れる第2の通路52に流れる、キャリアガスCGの流量は、原料ガスMGの拡散による移送量よりも多い。これにより、拡散によって原料ガスMGが望まれぬ第2の通路52に流れ込むことが抑制される。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図7及び図8を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図7は、第2の実施形態に係る分岐通路43を模式的に示す斜視図である。図8は、第2の実施形態の第1の原料ガスMG1が流される分岐通路43を模式的に示す平面図である。説明のため、図7及び図8において、分岐通路43は立体として示される。
図8に示すように、第2の実施形態において、第3の通路53Aの第3の部分67は、分岐部55から遠ざかるに従って第2の通路52Aの第1の部分61から離間する角度で当該第1の部分61に接続される。言い換えると、第3の部分67は、分岐部55から遠ざかるに従って第2の通路52Aの第1の部分61から離間するように延びる。
第3の通路53Bの第3の部分67は、分岐部55から遠ざかるに従って第2の通路52Bの第1の部分61から離間する角度で当該第1の部分61に接続される。言い換えると、第3の部分67は、分岐部55から遠ざかるに従って第2の通路52Bの第1の部分61から離間するように延びる。
X軸に沿う方向において、第3の通路53Aの第3の部分67を流れるキャリアガスCG1は、分岐部55に近づく方向に流れる。言い換えると、第3の通路53Aから第2の通路52Aに流入するキャリアガスCG1の速度成分は、分岐部55から吐出口42Aに向かって流れる方向の反対方向の成分を含む。別の表現によれば、第3の通路53Aから第2の通路52Aに流入するキャリアガスCG1の速度成分は、第3の通路53Aと第2の通路52Aとの接続部65から分岐部55に向かう方向の成分を含む。このため、第3の通路53Aから第2の通路52Aに供給されたキャリアガスCG1は、分岐部55に向かって流れやすい。第1の通路51に第2の原料ガスMG2が流れる場合、当該第2の原料ガスMG2は、キャリアガスCG1により第2の通路52Bに向かって流されやすい。
X軸に沿う方向において、第3の通路53Bの第3の部分67を流れるキャリアガスCG2は、分岐部55に近づく方向に流れる。言い換えると、第3の通路53Bから第2の通路52Bに流入するキャリアガスCG2の速度成分は、分岐部55から吐出口42Bに向かって流れる方向の反対方向の成分を含む。別の表現によれば、第3の通路53Bから第2の通路52Bに流入するキャリアガスCG2の速度成分は、第3の通路53Bと第2の通路52Bとの接続部65から分岐部55に向かう方向の成分を含む。このため、第3の通路53Bから第2の通路52Bに供給されたキャリアガスCG2は、分岐部55に向かって流れやすい。第1の通路51に第1の原料ガスMG1が流れる場合、当該第1の原料ガスMG1は、キャリアガスCG2により第2の通路52Aに向かって流されやすい。
以上説明された第2の実施形態の半導体製造装置10において、第3の通路53はそれぞれ、分岐部55から遠ざかるに従って第1の部分61から離間する角度で第1の部分61に接続される。これにより、第3の通路53から第2の通路52に供給されるキャリアガスCGの、分岐部55へ近づく方向に流れる成分は、分岐部55から遠ざかる方向に流れる成分よりも多くなる。従って、キャリアガスCGが分岐部55へ向かって流れやすくなり、当該キャリアガスCGにより原料ガスMGを所望の第2の通路52により効率良く流すことが可能となる。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、第3の実施形態に係る分岐通路43を模式的に示す斜視図である。図10は、第3の実施形態の第1の原料ガスMG1が流される分岐通路43を模式的に示す平面図である。説明のため、図9及び図10において、分岐通路43は立体として示される。
図10に示すように、第3の実施形態において、二つの第2の通路52はそれぞれ、第5の部分81を有する。第5の部分81は、第2の延部の一例である。第5の部分81は、第1の部分61と、第2の部分62との間に介在する。
第5の部分81は、分岐部55の反対側に位置する第1の部分61の端部61aに接続される。第5の部分81は、第1の部分61の端部61aから、Y軸に沿う負方向に延びる。すなわち、第5の部分81は、第1の部分61と交差する方向に延びる。第5の部分81は、他の方向に延びても良い。
第3の実施形態において、第3の通路53の第3の部分67は、第1の部分61の端部61aに接続される。第3の通路53Aの第3の部分67は、第2の通路52Aの第1の部分61からX軸に沿う負方向に延びる。第3の通路53Bの第3の部分67は、第2の通路52Bの第1の部分61からX軸に沿う正方向に延びる。すなわち、第3の部分67は、第1の部分61が延びる方向に延びる。
第3の通路53の第3の部分67を流れるキャリアガスCGは、分岐部55に近づく方向に流れる。このため、第3の通路53から第2の通路52に供給されたキャリアガスCGは、分岐部55に向かって流れやすい。
第1の通路51に第2の原料ガスMG2が流れる場合、当該第2の原料ガスMG2は、キャリアガスCG1により第2の通路52Bに向かって流される。第2の通路52Bの第1の部分61において、キャリアガスCG2は、キャリアガスCG1の反対方向に流れ、キャリアガスCG1及び第2の原料ガスMG2が第3の通路53Bに流れ込むことを抑制する。第2の原料ガスMG2、キャリアガスCG1、及びキャリアガスCG2は、第1の部分61に接続された第5の部分81に流れる。
第1の通路51に第1の原料ガスMG1が流れる場合、当該第1の原料ガスMG1は、キャリアガスCG2により第2の通路52Aに向かって流される。第2の通路52Aの第1の部分61において、キャリアガスCG1は、キャリアガスCG2の反対方向に流れ、キャリアガスCG2及び第1の原料ガスMG1が第3の通路53Aに流れ込むことを抑制する。第1の原料ガスMG1、キャリアガスCG2、及びキャリアガスCG1は、第1の部分61に接続された第5の部分81に流れる。
以上説明された第3の実施形態の半導体製造装置10において、第3の通路53は、第1の部分61の端部61aに接続されるとともに第1の部分61が延びる方向に延びる第3の部分67を有する。これにより、キャリアガスCGは、分岐部55に近づく方向に第3の通路53から第2の通路52に供給される。従って、キャリアガスCGが分岐部55へ向かって流れやすくなり、当該キャリアガスCGにより原料ガスMGをより効率良く所望の第2の通路52に流すことが可能となる。
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態について、図11を参照して説明する。図11は、第4の実施形態に係る第1の原料ガスMG1が流される分岐通路43を模式的に示す平面図である。図11に示すように、第4の実施形態の分岐通路43は、第2の通路52Cと、第3の通路53Cとをさらに含む。
三つの第2の通路52A,52B,52Cは、分岐部55で第1の通路51から分岐される。三つの第2の通路52A,52B,52Cは、分岐部55から放射状に延びる。なお、第2の通路52A,52B,52Cが延びる方向は、この例に限らない。
第3の通路53Cは、分岐部55よりも下流で第2の通路52Cに接続される。第3のガス供給装置16は、第3の通路53CにキャリアガスCGを供給する。第3の通路53Cは、キャリアガスCGを第2の通路52Cに供給可能である。
第4の実施形態において、第1の原料ガスMG1が吐出口42Aから吐出される場合、第3の通路53B,53Cから第2の通路52B,52CにキャリアガスCGが供給される。キャリアガスCGは、第1の原料ガスMG1を伴って、第2の通路52B,52Cから第2の通路52Aに流れ、吐出口42Aから吐出される。
以上第4の実施形態で説明されたように、分岐通路43は、三つ以上の第2の通路52と三つ以上の第3の通路53とを有しても良い。この場合も、第3のガス供給装置16は、複数の第3の通路53から複数の第2の通路52へのキャリアガスCGの供給状態を変化させることによって、第1の通路51から複数の第2の通路52への原料ガスMGの分流状態を変化させる。
(第5の実施形態)
以下に、第5の実施形態について、図12を参照して説明する。図12は、第5の実施形態に係る複数の分岐通路43を模式的に示す図である。図12に示すように、複数の分岐通路43はそれぞれ、流体素子91と、二つの接続通路92とをさらに含む。流体素子91及び接続通路92は、シャワープレート13に設けられる。
流体素子91は、例えば、コアンダ効果を利用して、流体の流れる方向を制御する。本実施形態の流体素子91は、第3のガス供給装置16から供給されたキャリアガスCGを、二つの第3の通路53A,53Bのうちいずれか一つに供給可能な通路である。流体素子91は、第4の通路95と、二つの第5の通路96と、二つの制御通路97とを含む。
第4の通路95は、例えばバルブを介して、第3のガス供給装置16のタンク16aに接続される。第3のガス供給装置16は、第4の通路95にキャリアガスCGを供給する。第3のガス供給装置16は、バルブにより第4の通路95に供給されるキャリアガスCGの流量を変更可能である。
二つの第5の通路96は、第4の通路95の端部から分岐した部分である。二つの第5の通路96は、第4の通路95と、二つの第3の通路53A,53Bのそれぞれとを接続する。
二つの制御通路97は、第4の通路95に接続される。制御通路97の断面積は、第4の通路95の断面積よりも小さく、且つ第5の通路96の断面積よりも小さい。制御通路97は、第4の通路95と第5の通路96との分岐点か、当該分岐点よりも上流で第4の通路95に接続される。
以下の説明において、二つの第5の通路96は、第5の通路96A,96Bと個別に称されることがある。第5の通路96Aは、第4の通路95と第3の通路53Aとを接続する。第5の通路96Bは、第4の通路95と第3の通路53Bとを接続する。
さらに、二つの制御通路97は、制御通路97A,97Bと個別に称されることがある。二つの制御通路97A,97Bは、第4の通路95から互いに反対方向に延びる。例えば、制御通路97Aは第4の通路95からX軸に沿う負方向に延び、制御通路97Bは第4の通路95からX軸に沿う正方向に延びる。なお、制御通路97A,97Bが延びる方向はこの例に限られない。
制御通路97Aが延びる方向と、第5の通路96Aが延びる方向とは、斜めに交差する。制御通路97Aは、第4の通路95が延びる方向(図12におけるZ軸に沿う方向)に見たときに、第4の通路95から、第5の通路96Aと同じ方向に延びる。言い換えると、第5の通路96Aが延びる方向は、制御通路97Aが延びる方向の成分(X軸に沿う負方向の成分)を含む。
制御通路97Bが延びる方向と、第5の通路96Bが延びる方向とは、斜めに交差する。制御通路97Bは、第4の通路95が延びる方向に見たときに、第4の通路95から、第5の通路96Bと同じ方向に延びる。言い換えると、第5の通路96Bが延びる方向は、制御通路97Bが延びる方向の成分(X軸に沿う正方向の成分)を含む。
流体素子91は、制御通路97から第4の通路95に流体(制御流体)を供給されることで、キャリアガスCGの流れる方向を制御する。例えば、制御通路97Aから第4の通路95に流体が供給されると、第4の通路95から供給されるキャリアガスCGが第5の通路96Bに偏り、キャリアガスCGが第5の通路96Bから第3の通路53Bに供給される。一方、制御通路97Bから第4の通路95に流体が供給されると、第4の通路95から供給されるキャリアガスCGが第5の通路96Aに偏り、キャリアガスCGが第5の通路96Aから第3の通路53Aに供給される。
上記のように、流体素子91は、制御通路97から第4の通路95への流体の供給状態の変化によって、キャリアガスCGを二つの第3の通路53のうち一つに供給する第5の通路96を変更する。キャリアガスCGは、第4の通路から供給される流体の一例である。なお、流体素子91は上述の構造に限らない。例えば、一つの制御通路97から流体が供給されるときにキャリアガスCGが第5の通路96Aに流れ、制御通路97からの流体の供給が停止したときにキャリアガスCGが第5の通路96Bに流れても良い。
二つの接続通路92はそれぞれ、第5の通路96に接続される。接続通路92の断面積は、第2の通路52の断面積よりも小さい。なお、接続通路92はこの例に限らない。一方の接続通路92は、一つの分岐通路43の第5の通路96Aと、他の分岐通路43の制御通路97Bとを接続する。また、他方の接続通路92は、一つの分岐通路43の第5の通路96Bと、他の分岐通路43の制御通路97Aとを接続する。
以下に、第5の実施形態における第1の通路51から複数の第2の通路52への原料ガスMGの分流状態の変化について例示する。一例として、原料ガスMGが供給される第2の通路52を、第2の通路52Aから第2の通路52Bに変化させる場合について説明する。
まず、一つの分岐通路43の制御通路97Bに、流体が供給される。例えば、第3のガス供給装置16が、流体(制御流体)としてのキャリアガスCGを制御通路97Bに供給する。これにより、流体素子91は、キャリアガスCGを第5の通路96Aから第3の通路53Aに供給する。
第3の通路53Aに供給されたキャリアガスCGは、第2の通路52Aから分岐部55に向かって流れ、第1の通路51を流れる原料ガスMGと合流する。キャリアガスCGは、原料ガスMGを伴って、第2の通路52Bを通り、吐出口42Bから吐出される。
第5の通路96Aを通るキャリアガスCGの一部は、接続通路92を通って、他の分岐通路43の制御通路97Bに供給される。キャリアガスCGは、第5の通路96Bには流れないため、他の分岐通路43の制御通路97Aに供給されない。
他の分岐通路43において、制御通路97Bに流体(制御流体)としてのキャリアガスCGが供給されることにより、上記一つの分岐通路43と同じく、キャリアガスCGが第5の通路96Aから第3の通路53Aに流れる。第3の通路53Aに供給されたキャリアガスCGは、原料ガスMGを伴って、第2の通路52Bを通り、吐出口42Bから吐出される。
第5の通路96Aを通るキャリアガスCGの一部は、接続通路92を通って、さらに他の分岐通路43の制御通路97Bに供給される。このように、一つの分岐通路43の制御通路97Bに流体が供給されることで、連鎖的に、第1の通路51から複数の第2の通路52への原料ガスMGの分流状態が変化する。別の表現によれば、一つの分岐通路43の第5の通路96から、当該第5の通路96に接続された他の分岐通路43の制御通路97にキャリアガスCGが流される。これにより、他の分岐通路43において、キャリアガスCGを第3の通路53A,53Bのうち一つに供給する第5の通路96が変更される。
以上説明された第5の実施形態の半導体製造装置10おいて、接続通路92は、一つの分岐通路43の複数の第5の通路96のうち一つと、他の分岐通路43の制御通路97と、を接続する。一つの分岐通路43の第5の通路96に流れるキャリアガスCGの一部は、接続通路92を流れ、他の分岐通路43の流体素子91におけるキャリアガスCGの経路を切り替える。これにより、キャリアガスCGの経路の切り替えが連鎖的に生じ、第3のガス供給装置16がキャリアガスCGを供給する量を低く抑えることができる。さらに、全ての分岐通路43の流体素子91の制御通路97に個別に流体を供給する場合に比べ、制御通路97の長さを短くできる。
以上説明された少なくとも一つの実施形態によれば、複数の第3の通路から複数の第2の通路への第2の流体の供給状態の変化によって第1の通路から複数の第2の通路への第1の流体の分流状態を変化させる。これにより、第1の流体の分流状態の変化に伴って第1の流体に影響が生じることが抑制される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
複数の吐出口が設けられた外面を有し、第1の通路と、前記第1の通路から分岐部で分岐されるとともに前記複数の吐出口に連通された複数の第2の通路と、前記分岐部よりも下流で前記第2の通路にそれぞれ接続された複数の第3の通路と、を含む少なくとも一つの分岐通路と、前記外面と異なる面に連通するとともに前記第1の通路に連通する第1の供給路と、前記外面と異なる面に連通するとともに前記複数の第3の通路に連通する第2の供給路と、が設けられた部材、
を具備するシャワープレート。
[2]
前記複数の第2の通路のそれぞれにおいて、前記第3の通路と前記第2の通路との接続部と、前記分岐部と、の間の長さは、前記吐出口と前記接続部との間の長さよりも短い、
[1]のシャワープレート。
[3]
前記複数の第2の通路はそれぞれ、前記分岐部から延びる第1の延部を有し、
前記複数の第3の通路はそれぞれ、前記分岐部から遠ざかるに従って前記第1の延部から離間する角度で当該第1の延部に接続される、
[1]又は[2]のシャワープレート。
[4]
前記複数の第2の通路はそれぞれ、前記分岐部から延びる第1の延部と、前記分岐部の反対側に位置する前記第1の延部の端部に接続されるとともに前記第1の延部と交差する方向に延びる第2の延部と、を有し、
前記複数の第3の通路はそれぞれ、前記第1の延部の端部に接続されるとともに前記第1の延部が延びる方向に延びる第3の延部を有する、
[1]又は[2]のシャワープレート。
[5]
前記部材に、複数の前記分岐通路と、接続通路と、が設けられ、
前記複数の分岐通路はそれぞれ、第4の通路と、前記第4の通路と前記複数の第3の通路のそれぞれとを接続する複数の第5の通路と、前記第4の通路に接続された少なくとも一つの制御通路と、を含み、前記制御通路から前記第4の通路への制御流体の供給状態の変化によって前記第4の通路から供給される流体を前記複数の第3の通路のうち一つに供給する前記第5の通路を変更するよう構成され、
前記接続通路は、一つの前記分岐通路の前記複数の第5の通路のうち一つと、他の前記分岐通路の前記少なくとも一つの制御通路と、を接続する、
[1]乃至[4]のいずれか一つのシャワープレート。
[6]
対象物が配置されるよう構成された配置部と、
前記配置部に配置された前記対象物へ第1の流体を吐出するよう構成された、[1]乃至[4]のいずれか一つのシャワープレートと、
前記第1の通路に供給される前記第1の流体の供給状態を調整可能な第1の調整部と、
前記複数の第3の通路に供給される第2の流体の供給状態を調整可能であり、前記複数の第3の通路から前記複数の第2の通路への前記第2の流体の供給状態を変化させることによって前記第1の通路から前記複数の第2の通路への前記第1の流体の分流状態を変化させるよう構成された第2の調整部と、
を具備する処理装置。
[7]
前記第2の調整部は、前記第1の流体が流される前記第2の通路に接続された前記第3の通路に、他の前記第3の通路から前記第1の流体が流される前記第2の通路に流れる前記第2の流体の流量よりも少ない流量の前記第2の流体を供給する、[6]の処理装置。
[8]
前記第2の調整部は、前記複数の第3の通路のうち少なくとも一つに前記第2の流体を供給し、前記第2の流体により前記第1の流体を前記複数の第3の通路のうち他の一つが接続された前記第2の通路に流すことが可能であり、
前記第1の流体が前記複数の第2の通路のうち一つに流れる場合、前記複数の第3の通路のうち少なくとも一つから前記第1の流体が流れる前記第2の通路に流れる前記第2の流体の流量は、前記第1の流体の拡散による移送量よりも多い、
[6]又は[7]の処理装置。
[9]
前記部材に、複数の前記分岐通路が設けられ、
前記複数の分岐通路はそれぞれ、前記第2の流体を前記複数の第3の通路のうちいずれか一つに供給可能な流体素子を含み、
前記流体素子は、前記第2の流体が供給される第4の通路と、前記第4の通路と前記複数の第3の通路のそれぞれとを接続する複数の第5の通路と、前記第4の通路に接続され当該第4の通路に流体を供給可能な少なくとも一つの制御通路と、を含み、前記制御通路から前記第4の通路への前記流体の供給状態の変化によって前記第2の流体を前記複数の第3の通路のうち一つに供給する前記第5の通路を変更するよう構成され、
一つの前記分岐通路は、前記複数の第5の通路のうち少なくとも一つと、他の前記分岐通路の前記制御通路と、を接続する接続通路を有する、
[6]乃至[8]のいずれか一つの処理装置。
[10]
第1の流体が流れるよう構成された第1の通路と、分岐部で前記第1の通路から分岐された複数の第2の通路と、前記分岐部よりも下流で前記第2の通路にそれぞれ接続され当該第2の通路に第2の流体を供給可能な複数の第3の通路と、を含む少なくとも一つの分岐通路が設けられた部材、
を具備する流路構造。
[11]
前記部材は、前記複数の第2の通路が連通する複数の吐出口が設けられた外面を有し、
前記複数の第2の通路のそれぞれにおいて、前記第3の通路と前記第2の通路との接続部と、前記分岐部と、の間の長さは、前記吐出口と前記接続部との間の長さよりも短い、
[10]の流路構造。
[12]
前記複数の第2の通路はそれぞれ、前記分岐部から延びる第1の延部を有し、
前記複数の第3の通路はそれぞれ、前記分岐部から遠ざかるに従って前記第1の延部から離間する角度で当該第1の延部に接続される、
[10]又は[11]の流路構造。
[13]
前記複数の第2の通路はそれぞれ、前記分岐部から延びる第1の延部と、前記分岐部の反対側に位置する前記第1の延部の端部に接続されるとともに前記第1の延部と交差する方向に延びる第2の延部と、を有し、
前記複数の第3の通路はそれぞれ、前記第1の延部の端部に接続されるとともに前記第1の延部が延びる方向に延びる第3の延部を有する、
[10]又は[11]の流路構造。
[14]
前記部材に、複数の前記分岐通路と、接続通路と、が設けられ、
前記複数の分岐通路はそれぞれ、第4の通路と、前記第4の通路と前記複数の第3の通路のそれぞれとを接続する複数の第5の通路と、前記第4の通路に接続された少なくとも一つの制御通路と、を含み、前記制御通路から前記第4の通路への制御流体の供給状態の変化によって前記第4の通路から供給される流体を前記複数の第3の通路のうち一つに供給する前記第5の通路を変更するよう構成され、
前記接続通路は、一つの前記分岐通路の前記複数の第5の通路のうち一つと、他の前記分岐通路の前記少なくとも一つの制御通路と、を接続する、
[10]乃至[13]のいずれか一つの流路構造。
[15]
第1の通路に第1の流体を供給することと、
分岐部で前記第1の通路から分岐された複数の第2の通路の少なくとも一つに、前記分岐部よりも下流で第2の流体を供給することと、
前記第2の流体の供給状態を変化させ、前記第1の通路から前記複数の第2の通路への前記第1の流体の分流状態を変化させることと、
を具備する分配方法。
[16]
前記第1の流体が流される前記第2の通路に前記分岐部よりも下流で供給される前記第2の流体の流量は、他の前記第2の通路に供給される前記第2の流体の流量よりも少ない、[15]の分配方法。
[17]
前記複数の第2の通路のうち少なくとも一つに前記分岐部よりも下流で前記第2の流体を供給することで、前記第1の流体が当該第2の流体により前記複数の第2の通路のうち他の一つに流され、
前記第1の流体が前記複数の第2の通路のうち一つに流れる場合、他の前記複数の第2の通路から前記第1の流体が流れる前記第2の通路に流れる前記第2の流体の流量は、前記第1の流体の拡散による移送量よりも多い、
[15]又は[16]の分配方法。
[18]
前記第1の通路と、前記複数の第2の通路と、前記分岐部よりも下流で前記複数の第2の通路にそれぞれ接続された複数の第3の通路と、前記第2の流体が供給される第4の通路と、前記第4の通路と前記複数の第3の通路のそれぞれとを接続する複数の第5の通路と、前記第4の通路に接続され当該第4の通路に流体を供給可能な少なくとも一つの制御通路と、をそれぞれ含む複数の分岐通路のうち一つにおいて、前記制御通路から前記第4の通路への前記流体の供給状態を変化させ、前記第2の流体を前記複数の第3の通路のうち一つに供給する前記第5の通路を変更することと、
前記複数の分岐通路のうち一つの前記第5の通路に接続された前記複数の分岐通路のうち他の一つの前記制御通路に、前記第5の通路から前記第2の流体を流すことで、前記複数の分岐通路のうち他の一つにおいて、前記第2の流体を前記複数の第3の通路のうち一つに供給する前記第5の通路を変更することと、
をさらに具備する[15]乃至[17]のいずれか一つの分配方法。