JP6775329B2 - 流動床ボイラ、流動層温度均一化方法および流動層温度均一化装置 - Google Patents

流動床ボイラ、流動層温度均一化方法および流動層温度均一化装置 Download PDF

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Description

本開示は、燃焼室に形成される流動層の温度を均一化する流動層温度均一化方法および流動層温度均一化装置、及び該流動層温度均一化装置を備えた流動床ボイラに関する。
近年、化石燃料の代替としてリサイクル燃料を用いた環境適合性に優れた流動床ボイラが広く用いられている。例えば、気泡型流動床ボイラは、燃焼室の底に充填した流動材(硅砂)を、その下方から高圧の一次空気を吹き込むことにより流動状態にして流動層(流動床)を形成し、この流動層に投入された燃料を瞬時に乾燥、焼却するものである。ここで、リサイクル燃料は、木材チップなどの木質バイオマスや、廃タイヤ、スラッジ、RPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)などであり、水分量や、形状、大きさ、重さなどが不揃であるといった特質を有する。このため、燃料の性状の違いや流動層の全体における燃料の投入量のばらつきに起因して、流動層全体において温度のばらつきが生じる。このような流動層の温度の不均一さは、燃焼ガスの温度等の変動や、燃焼ガス中の酸素(O)濃度のバラツキにつながり、ダイオキシン、NOx等の有害ガスを発生させる原因になる。特に、O濃度が低下した場合には、一酸化炭素(CO)が多量に発生し、CO濃度との相関が高いダイオキシンを発生させる原因ともなる。
上述した流動層温度の不均一さを是正し、流動層の安定した燃焼を維持するための様々な技術が従来から提案されている(例えば、特許文献1〜3)。特に、特許文献1では、一次空気を噴出する複数のノズルの位置に合わせて火炉内を分割すると共に、それぞれ個別にガス温度を計測する。そして、火炉内での平均温度に対して低温領域への空気投入量を増加し、その分、高温領域の空気投入量を減少させている。このように、平均温度で全空気量を制御することで、局所のガス温度を制御し、局所的に発生するCOやNOxの量を低減している。
特開平10−111187号公報 特開平8−240302号公報 特開2001−241626号公報
ところで、流動層の空気比に対する温度特性は、理論空気比(λ=1)付近において温度がピーク温度に達すると共に、理論空気比からの空気比の増加あるいは減少のいずれにおいても、空気比の変化に伴ってピーク温度から温度が低下する傾向を有する。このため、特許文献1が開示する方法では、火炉内の領域の空気比が、理論空気比に対して空気量が不足する領域(低空気比領域)にある場合には、上記の制御により、意図した通りに火炉内の領域の温度を調整可能である。しかしながら、燃料の性状の変動等により、火炉内の領域の空気比が、理論空気比に対して空気量が過剰となる領域(高空気比領域)にある場合には、上述の流動層の温度特性から、火炉内の領域の温度を低下させたい場合に空気投入量を減少させると、意に反して、その領域の温度は上昇することになる。同様に、火炉内の領域の温度を上昇させたい場合に空気投入量を増加させると、意に反して、その領域の温度は低下することになる。このため、特許文献1では空気投入量の増減によって、局所のガス温度を意図した通りに適切に制御できない恐れがある。また、高温領域に対して意に反して温度を上昇させてしまうことで、燃焼室が異常高温となり、流動床ボイラの損傷を引き起こす状況も懸念される。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、流動層の実際の空気比領域を判定した上で一次空気の供給量を制御することにより、流動層全体にわたって温度を目標温度範囲内に維持することが可能な流動層温度均一化方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る流動層温度均一化方法は、
燃焼室の内部に流動層を形成するための一次空気を供給する複数の空気供給口の各々に対応して定められた前記流動層の複数の区画において、前記複数の区画の区画別温度が目標温度範囲に入るように、前記複数の空気供給口から前記複数の区画に供給される前記一次空気の供給量を制御する流動層温度均一化方法であって、
前記区画別温度を計測する温度計測ステップと、
前記温度計測ステップで計測された前記区画別温度と前記目標温度範囲とを比較する温度比較ステップと、
前記区画別温度が前記目標温度範囲から外れている前記区画である制御対象区画について、前記制御対象区画の空気比が、理論空気比に対して空気量が不足する低空気比領域と前記理論空気比に対して空気量が過剰となる高空気比領域とのいずれの領域にあるかを判定する空気比領域判定ステップと、
前記空気比領域判定ステップの判定結果に基づいて、前記制御対象区画に供給される前記一次空気の供給量を、前記区画別温度が前記目標温度範囲に入るように増加あるいは減少させる空気量制御を実行する空気量制御実行ステップと、を備える。
上記(1)の構成によれば、流動層を構成する複数の区画のうち、区画内の実際の温度(区画別温度)が目標温度範囲から外れている区画(制御対象区画)については、それぞれ、区画内の空気比が低空気比領域と高空気比領域のいずれにあるかの判定結果に基づいて、区画別温度が目標温度範囲に入るように一次空気の供給量が制御対象区画毎に制御される。ここで、流動層の温度特性は、理論空気比(λ=1)付近において温度がピーク温度に達すると共に、理論空気比からの空気比の増加あるいは減少のいずれにおいても、空気比の変化に伴ってピーク温度から温度は減少する傾向を有する。つまり、一次空気の供給量を増加あるいは減少させることによって生じる区画内の温度の変化は、区画の空気比が属する空気比領域がいずれであるかによって増加にも減少にもなり得る。このため、空気量制御の実行に先立って制御対象区画の空気比の属する空気比領域を判定し、この判定結果に基づいて一次空気の供給量を制御対象区画毎に制御することで、制御対象区画の温度を目標温度範囲に確実に入れることができる。すなわち、流動層の温度が目標温度範囲から外れてしまう部分が流動層に部分的に生じても、その部分に対応する区画の一次空気の供給量を空気比領域の判定結果に基づいて制御することにより、流動層全体にわたって温度を目標温度範囲内に維持することができる。また、リサイクル燃料などの性状(水分量、形状、大きさ、重量など)の変動が大きい燃料を使用する場合であっても流動層全体における温度のばらつきを抑制することができ、NOxやCOなどの有害物質の発生を抑制することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記空気比領域判定ステップは、
前記区画別温度が前記目標温度範囲よりも高い場合には、前記一次空気の供給量を所定量減少させる空気量減少ステップと、
前記空気量減少ステップが実行された前記制御対象区画における前記区画別温度の温度変化を監視する温度変化監視ステップと、
前記温度変化が上昇を示した前記制御対象区画の空気比は前記高空気比領域にあると判定し、前記温度変化が下降を示した前記制御対象区画の空気比は前記低空気比領域にあると判定する高温時判定ステップと、を含む。
上記(2)の構成によれば、区画別温度が目標温度範囲よりも高温側に外れている制御対象区画については、まずは一次空気を所定量減少させ、その際の温度変化に基づいて制御対象区画が属する空気比領域が判定される。これによって、空気比領域の判定に際して燃焼室の温度がさらに高温化される状況の発生を低減することができ、この判定による高温化に伴う燃焼室の損傷発生を防止し、空気比領域の判定をより安全に行うことができる。詳述すると、通常、流動床ボイラでは、NOxおよびCOの発生を抑制するために流動層の空気比は低空気比領域に制御される。それにもかかわらず流動層の空気比が高空気比領域となってしまうのは、例えば、燃焼室に供給される燃料の性状の変動や供給量の変動によって一次空気の供給量に対して燃料分が少なくなるためである。つまり、流動層の空気比は低空気比領域にある可能性は高い。このため、制御対象区画の温度(区画別温度)が目標温度範囲よりも高温側に外れている場合には、この温度を下げる必要があるが、まずは制御対象区画の空気比が低空気比領域にあると仮定して一次空気の供給量を所定量減少させることで、仮にその空気比が高空気比領域であった場合に流動層の温度が上昇してしまうリスクを低減することができる。
さらに、上記の構成によれば、O2センサなどのセンサを設けることなく、各制御対象区画の空気比が属する空気比領域をそれぞれ判定することができ、センサ設置によるコストの上昇を抑制することもできる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記空気量制御ステップは、前記高温時判定ステップによって前記高空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を増加させ、前記低空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を減少させる。
上記(3)の構成によれば、制御対象区画の温度(区画別温度)が目標温度範囲よりも高い場合には温度を低下させる必要があるが、制御対象区画が属する空気比領域に基づいて一次空気の供給量を制御することにより、制御対象区画の温度を目標温度範囲に確実に入れることができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の構成において、
前記空気比領域判定ステップは、
前記区画別温度が前記目標温度範囲よりも低い場合には、前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を所定量増加させる空気量増加ステップと、
前記空気量増加ステップが実行された前記制御対象区画における前記区画別温度の温度変化を監視する温度変化監視ステップと、
前記温度変化が上昇を示した前記制御対象区画の空気比は前記低空気比領域にあると判定し、前記温度変化が下降を示した前記制御対象区画の空気比は前記高空気比領域にあると判定する低温時判定ステップと、を含む。
上記(4)の構成によれば、区画別温度が目標温度範囲よりも低温側に外れている制御対象区画については、まずは一次空気を所定量増加させ、その際の温度変化に基づいて制御対象区画が属する空気比領域が判定される。区画別温度が目標温度範囲よりも低温側に外れている場合には区画別温度を上昇させる必要があるが、上記(2)で説明したように、まずは、流動層の空気比は確率的に高い低空気比領域にあると仮定して一次空気G1の所定量増加を行うことで、制御対象区画の温度を上昇させたいのにもかかわらず、その温度を低下させてしまう可能性を低減することができる。また、各制御対象区画の空気比が属する空気比領域をそれぞれ判定することができ、センサ設置によるコストの上昇を抑制することもできる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記空気量制御ステップは、前記低温時ステップによって前記低空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を増加させ、前記高空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を減少させる。
上記(5)の構成によれば、制御対象区画の温度(区画別温度)が目標温度範囲よりも低い場合にはこの温度を上昇させる必要があるが、制御対象区画が属する空気比領域に基づいて一次空気の供給量を制御することにより、制御対象区画の温度を目標温度範囲に確実に入れることができる。
(6)本発明の少なくとも一実施形態に係る流動層温度均一化装置は、
燃焼室の内部に流動層を形成するための一次空気を供給する複数の空気供給ノズルと、
前記複数の空気供給口の各々に対応して定められた前記流動層の複数の区画の各々に、前記複数の空気供給口の各々から供給される前記一次空気の供給量を制御する複数の流量制御装置と、
前記区画別温度を計測する温度計測装置と、
前記区画別温度が目標温度範囲に入るように、前記複数の流量制御装置に制御指令を与える制御指令装置と、を備え、
前記制御指令装置は、
前記温度計測装置で計測された前記区画別温度と前記目標温度範囲とを比較する温度比較部と、
前記区画別温度が前記目標温度範囲から外れている前記区画である制御対象区画について、前記制御対象区画の空気比が、理論空気比に対して空気が不足する低空気比領域と前記理論空気比に対して空気が過剰となる高空気比領域とのいずれの領域にあるかを判定する空気比領域判定部と、
前記空気比領域判定部の判定結果に基づいて、前記制御対象区画に供給される前記一次空気の供給量を増加あるいは減少させるように前記流量制御装置に前記制御指令を与える制御指令部と、を含む。
上記(6)の構成によれば、上記(1)と同様に、流動層の温度が目標温度範囲から外れてしまう部分が流動層に部分的に生じても、その部分に対応する区画の一次空気の供給量を制御することにより、流動層全体にわたって温度を目標温度範囲内に維持することができる。これによって、リサイクル燃料などの性状(水分量、形状、大きさ、重量など)の変動が大きい燃料を使用する場合であっても流動層全体における温度のばらつきを抑制することができ、NOxやCOなどの有害物質の発生を抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記空気比領域判定部は、
前記区画別温度が前記目標温度範囲よりも高い場合には、前記流量制御装置に前記一次空気の供給量を所定量減少させる制御指令を与える空気量減少指令部と、
前記流量制御装置により前記一次空気の供給量が所定量減少された前記制御対象区画における前記区画別温度の温度変化を監視する温度変化監視部と、
前記温度変化が上昇を示した前記制御対象区画の空気比は前記高空気比領域にあると判定し、前記温度変化が下降を示した前記制御対象区画の空気比は前記低空気比領域にあると判定する高温時判定部と、を含む。
上記(7)の構成によれば、上記(2)と同様に、空気比領域の判定に際して燃焼室の温度がさらに高温化される状況の発生を低減することができ、この判定による高温化に伴う燃焼室の損傷発生を防止し、空気比領域の判定をより安全に行うことができる。また、各区画の空気比が属する空気比領域をそれぞれ判定することができ、センサ設置によるコストの上昇を抑制することもできる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記制御指令部は、前記高温時判定部によって前記高空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記流量制御装置には前記一次空気の供給量を増加させる制御指令を、前記低空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記流量制御装置には前記一次空気の供給量を減少させる制御指令を与える。
上記(8)の構成によれば、上記(3)と同様に、制御対象区画が属する空気比領域に基づいて一次空気の供給量を制御することにより、制御対象区画の温度を目標温度範囲に確実に入れることができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(6)〜(8)の構成において、
前記空気比領域判定部は、
前記区画別温度が前記目標温度範囲よりも低い場合には、前記流量制御装置に、前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を所定量増加させる制御指令を与える空気量増加指令部と、
前記空気量増加指令部により前記一次空気の供給量が所定量増加された前記制御対象区画における前記区画別温度の温度変化を監視する温度変化監視部と、
前記温度変化が上昇を示した前記制御対象区画の空気比は前記低空気比領域にあると判定し、前記温度変化が下降を示した前記制御対象区画の空気比は前記高空気比領域にあると判定する低温時判定部と、を含む。
上記(9)の構成によれば、上記(4)と同様に、制御対象区画の温度を上昇させたいのにもかかわらず、その温度を低下させてしまう可能性を低減することができる。また、各区画の空気比が属する空気比領域をそれぞれ判定することができ、センサ設置によるコストの上昇を抑制することもできる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記制御指令部は、前記低温時判定部によって前記低空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記流量制御装置には前記一次空気の供給量を増加させる制御指令を、前記高空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記流量制御装置には前記一次空気の供給量を減少させる制御指令を与える。
上記(10)の構成によれば、上記(5)と同様に、制御対象区画が属する空気比領域に基づいて一次空気の供給量を制御することにより、制御対象区画の温度を目標温度範囲に確実に入れることができる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る流動床ボイラは、
上記(6)〜(10)のいずれか1項に記載の流動層温度均一化装置と、
一次空気が供給されることで内部に流動層を形成する燃焼室と、を備える。
上記(11)の構成によれば、上記(6)〜(10)と同様に、流動層の温度が目標温度範囲から外れてしまう部分が流動層に部分的に生じても、その部分に対応する区画の一次空気の供給量を制御することにより、流動層全体にわたって温度を目標温度範囲内に維持することが可能な流動床ボイラを提供できる。これによって、リサイクル燃料などの性状(水分量、形状、大きさ、重量など)の変動が大きい燃料を使用する場合であっても流動層全体における温度のばらつきを抑制することができ、NOxやCOなどの有害物質の発生を抑制することができるなどの効果を奏する流動床ボイラを提供することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、流動層の実際の空気比領域を判定した上で一次空気の供給量を制御することにより、流動層全体にわたって温度を目標温度範囲内に維持することが可能な流動層温度均一化方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る流動床ボイラの燃焼室を横から見た断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る流動床ボイラの燃焼室を上から見た図であり、図1のAA断面に対応する図である。 本発明の一実施形態に係る流動床ボイラの任意のセルを燃焼室の上から見た図であり、(a)は図1のAA断面に対応する図であり、(b)は(a)の一部を示す図である。 本発明の一実施形態に係る流動層温度均一化方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る流動層の空気比に対する温度特性を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気比領域判定ステップの詳細を説明するフロー図である。 本発明の一実施形態に係る流動層温度均一化装置の備える制御指令装置の機能ブロック図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る流動床ボイラ1の燃焼室2を横から見た断面模式図である。図2は、本発明の一実施形態に係る流動床ボイラ1の燃焼室2を上から見た図であり、図1のAA断面に対応する図である。また、図3は、本発明の一実施形態に係る流動床ボイラ1の任意のセル4を燃焼室2の上から見た図であり、(a)は図1のAA断面に対応する図であり、(b)は(a)の一部を示す図である。図1に示されるように、流動床ボイラ1は、燃焼室2と、流動層温度均一化装置3とを備え、以下に説明するような流動層温度均一化方法を実行して流動層Lに供給する空気量を制御することにより、流動層Lの温度を制御する。
以下、流動床ボイラ1が備える上述した構成の各々について説明する。なお、図面において、垂直方向Vの下方は重力の向きに一致し、水平方向Hは水平面の方向となる。
まず、図1〜図2に示される実施形態の流動床ボイラ1について説明すると、流動床ボイラ1は気泡型流動床ボイラとなっている。また、流動床ボイラ1への燃料供給は燃料シュート方式で行われており、燃料シュート11を通ってきた燃料Fは、燃焼室2の壁面21に形成された燃料供給口21oから燃焼室2に供給される。また、流動床ボイラ1では、NOxやCO、ダイオキシン類の有害ガスの発生を抑制するために、一次空気G1によって形成される流動層Lにおいて低空気比で燃料Fを燃焼させると共に、流動層Lの上方から燃焼室2へ二次空気G2を供給することにより、流動層Lでの燃焼により発生した排ガスを高空気比で燃焼させている。こうして燃焼室2から排出される高温の排ガスは、燃焼室2の後段に配置された過熱器や節炭器などの伝熱管群12にて熱交換される。上記の過熱器は流動層Lに設置されても良く、過熱器において流動層Lでの燃焼による熱と熱交換される。そして、熱交換より回収された熱エネルギーは発電等に利用される。例えば、過熱器で生成された蒸気は、タービン(不図示)などに送気される。
燃焼室2は、一次空気G1が供給されることで内部に流動層Lを形成する。図1に示されるように、燃焼室2は直立するように設置され、所定量の流動材(硅砂などの不活性粒子又は石灰石などの脱硫剤)を内部に収容する。また、燃焼室2の底部22には、一次空気G1を供給するための空気供給口23が通常複数設けられる。そして、燃焼室2の底部22の空気供給口23から一次空気G1を燃焼室2の内部に吹き上げるように供給する一次空気ことで、流動材は所定の高さまで浮遊し、激しく動き回りながら流動層Lを形成する。図1〜図2に示される実施形態では、空気供給口23は一次空気ノズルn1により構成されている。そして、燃焼室2では、一次空気G1により流動層Lを還元状態(酸素が少ない状態)かつ800度(℃)〜850度(℃)などの温度に保つことでNOxの発生を抑制すると共に、流動層Lの上方から二次空気G2を供給することで流動層Lの上方に形成した800度以上の温度領域によりCOを除去し、有害物質の発生を抑制している。
また、燃焼室2には、上記の空気供給口23に一次空気G1を供給するための一次空気供給管p1と、燃焼室2の壁面21に設けられた二次空気ノズルn2に二次空気G2を供給するための二次空気供給管p2が接続されている。図1〜図2に示される実施形態では、二次空気供給管p2は、一次空気供給管p1から分岐されている。また、二次空気ノズルn2から燃焼室2の内部に二次空気G2が供給される。なお、図1には1つの二次空気ノズルn2が図示されているが、複数の二次空気ノズルn2が壁面21に設けられることで、オーバーファイアエア(OFA)やアディショナルエア(AA)などの役割を有しながら二次空気G2が供給されても良い。
ここで、一次空気G1の供給量は、燃焼室2の底部22に設けられる複数の空気供給口23において、1以上の空気供給口23からなる所定の単位ごとに独立した調整が可能となっている。このため、空気供給口23の上記の所定の単位毎に、その上方に形成される流動層Lの部分領域の燃焼の調整が可能となる。以下では、一次空気G1の供給量の独立した調整が可能な上記の所定の単位の各々によって形成される流動層Lの部分領域を区画Lpという(図1参照)。換言すれば、流動床ボイラ1に形成される流動層Lの全体はこの区画Lpの全ての集合に一致する。図1〜図2に示される実施形態では、図示されるように、流動層Lの複数の区画Lpの各々は、燃焼室2の底部22に設けられたセル4(風室)の側壁42に沿って仮想的に伸ばした延長面4sに囲まれた領域に対応している。
より詳述には、燃焼室2の底部22には、仕切り(側壁42)で物理的に底部22の空間を仕切ることにより複数のセル4が設けられている(本実施形態では合計16セル(図2参照))。また、一次空気供給管p1は、燃焼室2の底部22に接続される手前で複数に分岐されており(本実施形態では合計16本)、これらの一次空気供給管p1から分岐された複数の分岐管ptの各々は、セル4毎の一次空気G1の供給が可能なように燃焼室2の底部22に接続されている。また、各分岐管ptにはそれぞれダンパ5が設けられ、それぞれのダンパ5の開度を調整することで一次空気G1の供給量の独立した調整が可能となっている。これによって、セル4毎に一次空気G1の供給量の調整が可能となっている。また、各セル4の上部には1以上の空気供給口23(一次空気ノズルn1)が設けられており、分岐管ptを通過した一次空気G1はセル4の中に一旦溜まることで、空気供給口23から平準化されて燃焼室2の内部に吹き上げられる。なお、ダンパ5の開度と一次空気G1の供給量との関係を示すダンパ特性は予め実験等により調べられており、ダンパ特性に従ってダンパ5の開度を調整することにより、一次空気G1の供給量の調整が正確に行われる。
次に、流動層温度均一化装置3について説明する。流動層温度均一化装置3は、上述した流動層Lの複数の区画Lpの各々の温度(以下、適宜、区画別温度Tpという。)が目標温度範囲に入るように、複数の空気供給口23から複数の区画Lpに供給される一次空気G1の供給量を制御するための装置である。このため、流動層温度均一化装置3は、上記で説明した複数の空気供給口23と、複数の空気供給口23の各々から供給される一次空気G1の供給量を制御する複数の流量制御装置(図1〜図2に示される実施形態ではダンパ5)に加えて、温度計測装置6と、制御指令装置7と、を備える。
温度計測装置6は、区画別温度Tpを計測する。図1〜図2に示される実施形態では、温度計測装置6は熱電対などの温度計62の複数で構成されており、燃焼室2の壁面21にそれぞれ設置されている。また、各々の温度計62は区画Lp毎に1ずつ設置されている。ただし、本発明は、この実施形態には限定されない。例えば、区画別温度Tpをより正確に計測するために複数の温度計62が設置された区画Lpが少なくとも1つあっても良い。例えば、流動層Lの温度は垂直方向Vにおける位置や、区画Lp内の壁面21側や中央側などの位置によって通常異なる。このため、燃焼室2の壁面21に垂直方向Vに沿って温度計62を複数設けても良い。図3(a)に示されるように、燃焼室2の角に位置する区画Lpでは、燃焼室2の角を形成する2つの壁面21にそれぞれ温度計62を設け、区画Lp内の異なる位置で温度を計測しても良い。あるいは、図2に例示されるように、温度計62は燃焼室2の壁面付近の温度を計測しても良いし、図3(b)に示されるように、区画Lpの中央などの任意の位置まで壁面21から温度計62を伸ばすことで、任意の位置における温度を計測しても良い。また、他の幾つかの実施形態では、温度計62は複数の区画Lpの各々に設けられていなくても良い。例えば、温度計測装置6は、ある区画Lpの区画別温度Tpを、その区画Lpに隣接する他の区画Lpの区画別温度Tpの計測に基づいて推定しても良く、2つの区画Lpの間に挟まれる区画Lpの区画別温度Tpを、その両側の区画Lpの区画別温度Tpに基づいて推定するなどしても良い。この場合には、温度計測装置6は、温度計62と、後述する制御指令装置7のようなコンピュータとで構成されることになる。こうして、温度計測装置6によって計測された区画別温度Tpの各々は、制御指令装置7に入力される。
制御指令装置7は、区画別温度Tpが目標温度範囲に入るように、複数のダンパ5に制御指令を与え、空気の供給量を制御する。目標温度範囲は、流動床ボイラ1で要求される流動層Lの所望の温度目標である。この目標温度範囲は、流動層Lの目標温度と、流動層Lの運転時に通常生じるような温度変動分(±α)とで決めることができる。例えば、目標温度を850℃、温度変動分を5℃とすると、目標温度範囲は850℃±5℃の温度範囲(845℃≦目標温度範囲≦855℃)となる。なお、温度変動分は0に限りなく近づけて設定しても良い。また、上述したように、流動床ボイラ1では、NOxおよびCOなどの有害ガスの発生を抑制するために、理論空気比(λ=1)よりも小さい空気比λとなるように一次空気G1が供給されている。ここで、空気比λは、実際の空気量(供給量)を理論空気量で除した値である。また、理論空気量は、燃料Fの完全燃焼に必要なだけの酸素を含む空気量である。このため、流動層Lの各区画Lpには、理論空気比に対応する理論空気量よりも少ない空気量がそれぞれ供給されることになる。例えば、各区画Lpの空気比λを0.6に制御する場合には、一例では、流動層Lの温度(区画別温度Tp)は850℃付近になる(後述する図5参照)。なお、制御指令装置7の具体的な構成については後述する。
そして、上述した構成を備える流動層温度均一化装置3は、図4に示されるような流動層温度均一化方法を実行する。図4は、本発明の一実施形態に係る流動層温度均一化方法を示すフロー図である。また、図5は、本発明の一実施形態に係る流動層Lの空気比λに対する温度特性Cを示す図である。そして、図4に示されるように、流動層温度均一化方法は、温度計測ステップ(S1)と、温度比較ステップ(S2)と、空気比領域判定ステップ(S4)と、空気量制御実行ステップ(S5)と、を備える。なお、図4のフローは流動層Lの区画Lp毎に実行されるものであり、例えば周期的に実行される。
図4のステップS1において温度計測ステップが実行される。温度計測ステップは、区画別温度Tpを計測するステップである。ステップS2において温度比較ステップが実行される。温度比較ステップは、上記の温度計測ステップ(S1)で計測された区画別温度Tpと目標温度範囲とを比較するステップである。そして、ステップS3において、区画別温度Tpが目標温度範囲にある場合には図4のフローを終了する。逆に、区画別温度Tpが目標温度範囲から外れている場合には、次のステップS4に移る。
ステップS4において空気比領域判定ステップが実行される。空気比領域判定ステップは、区画別温度Tpが目標温度範囲から外れている区画Lp(以下、適宜、制御対象区画Ltという)について、制御対象区画Ltの空気比λが、理論空気比に対して空気量が不足する低空気比領域Rl(λ<1)と、理論空気比に対して空気量が過剰となる高空気比領域Rh(λ>1)とのいずれの領域にあるかを判定する。その上で、後述するステップS5が実行される。
このような空気比領域Rの判定を行う理由について図5を用いて説明する。図5に示されるように、流動層Lの空気比λに対する温度特性C(以下、適宜、流動層Lの温度特性Cという)は、空気比λが0から理論空気比(λ=1)に向かって増加するのに従って上昇する低空気比領域Rlと、理論空気比付近を境に、空気比λの増加に従って低下する高空気比領域Rhを有する。これは、流動層Lを所望の温度で維持するための空気比λは、低空気比領域Rlと高空気比領域Rhとのそれぞれに属する2通り存在することを意味する。例えば、図5の例示では、流動層Lの温度を850℃にするための空気比λは0.6と1.2となっている。また、流動床ボイラ1の運転時には、低空気比領域Rlに属する空気比λで一次空気G1を供給している場合であっても、例えば、燃焼室2に供給される燃料Fの性状の変動や供給量の変動によって一次空気G1の供給量に対して燃料分が少なくなる結果、空気比λが高空気比領域Rhになってしまうことが生じ得る。つまり、計測した区画別温度Tpの情報のみでは、現実には、その制御対象区画Ltの空気比λが低空気比領域Rlあるいは高空気比領域Rhのいずれの空気比領域Rにあるのか判別できない。
そして、空気比領域Rが分からない状況において、区画別温度Tpの情報のみを用いて、制御対象区画Ltの空気比λを制御すると、次のような問題が生じ得る。すなわち、区画別温度Tpの計測値が目標温度範囲に対して低温側に外れている場合には、その区画別温度Tpを上昇させることで目標温度範囲に入れる必要がある。この際、その制御対象区画Ltの実際の空気比λが運転目標となる低空気比領域Rlにある場合には空気比λを上昇させることで、区画別温度Tpを上昇可能である。ところが、実際の空気比λが高空気比領域Rhにある場合には、空気比λを増加させると区画別温度Tpは意図に反して低下してしまう結果となる(図5参照)。
同様に、区画別温度Tpの計測値が目標温度範囲に対して高温側に外れている場合には、その区画別温度Tpを低下させることで目標温度範囲に入れる必要があるところ、その制御対象区画Ltの実際の空気比λが低空気比領域Rlにある場合には空気比λを減少させることで、制御対象区画Ltの区画別温度Tpを低下できる。ところが、実際の空気比λが高空気比領域Rhにある場合には、空気比λを減少させると、制御対象区画Ltの区画別温度Tpは意図に反して増加してしまう結果となる(図5参照)。この場合には、流動床ボイラ1の許容温度との関係から流動床ボイラ1の損傷にもつながり、流動床ボイラ1が危険な状態となる可能性が生じる。
上述した理由により、制御対象区画Ltの空気比λを制御するのに先立って、空気比領域判定ステップ(S4)を実行している。
そして、ステップS5において空気量制御実行ステップが実行される。空気量制御実行ステップは、空気比領域判定ステップ(S3)の判定結果に基づいて、制御対象区画Ltに供給される一次空気G1の供給量を、その区画別温度Tpが目標温度範囲に入るように増加あるいは減少させる空気量制御を実行する。すなわち、制御対象区画Ltの区画別温度Tpの計測値が目標温度範囲に対して低温側に外れている場合において、その制御対象区画Ltの実際の空気比λが低空気比領域Rlにある場合には空気比λを上昇させ、逆に、高空気比領域Rhにある場合には空気比λを減少させる。同様に、区画別温度Tpの計測値が目標温度範囲に対して高温側に外れている場合において、その制御対象区画Ltの実際の空気比λが低空気比領域Rlにある場合には空気比λを減少させ、逆に、高空気比領域Rhにある場合には、空気比λを増加させる。例えば、空気量制御実行ステップを実行する制御対象区画Ltの温度が目標温度範囲における目標温度となるように、一次空気G1の供給量の増加量あるいは減少量を決定しても良い。例えば、目標温度範囲が850℃±5℃の範囲である場合には、目標温度となる850℃となるように制御する。
また、幾つかの実施形態では、一次空気G1の供給量の増加量あるいは減少量は、流動層Lの温度特性C(図5)に基づいて決定しても良い。具体的には、制御対象区画Ltの温度に対応する空気比λ1と目標温度に対応する空気比λ2とを比較することで、増加あるいは減少させるべき空気比λを算出し(λ1−λ2の絶対値)、算出した空気比を増加あるいは減少させるように、上述のダンパ特性に基づいてダンパ5を制御しても良い。他の幾つかの実施形態では、一次空気G1の供給量の増加量あるいは減少量を予め決めておき、区画別温度Tpの変化を監視しながら徐々に、目標温度範囲内に近づけていっても良い。
そして、ステップS5の実行後に図4のフローを終了する。
上記の構成によれば、流動層Lを構成する複数の区画Lpのうち、区画内の実際の温度(区画別温度Tp)が目標温度範囲から外れている区画Lp(制御対象区画Lt)については、それぞれ、区画内の空気比λが低空気比領域Rlと高空気比領域Rhのいずれにあるかの判定結果に基づいて、区画別温度Tpが目標温度範囲に入るように一次空気G1の供給量が制御対象区画Lt毎に制御される。これによって、流動層Lの温度が目標温度範囲から外れてしまう部分が流動層Lに部分的に生じても、その部分に対応する区画Lpの一次空気G1の供給量を空気比領域Rの判定結果に基づいて制御することにより、流動層全体にわたって温度を目標温度範囲内に維持することができる。また、リサイクル燃料などの性状(水分量、形状、大きさ、重量など)の変動が大きい燃料Fを使用する場合であっても流動層全体における温度のばらつきを抑制することができ、NOxやCOなどの有害物質の発生を抑制することができる。
次に、上述した空気比領域判定ステップ(図4のS4)の具体的な方法を説明する。幾つかの実施形態では、Oセンサなどの空気比を計測可能な複数のセンサを燃焼室2に設置して、各制御対象区画Ltの空気比領域Rを判定しても良い。他の幾つかの実施形態では、図6に示されるような方法により、各制御対象区画Ltの空気比領域Rを判定しても良い。図6は、本発明の一実施形態に係る空気比領域判定ステップの詳細を説明するフロー図である。図6では、ステップS40において、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも高い場合か低い場合かに応じた処理がなされる。
まず、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも高い場合における空気比領域Rの判定方法について説明すると、幾つかの実施形態では、図6に示されるように、空気比領域判定ステップ(図4のS4)は、空気量減少ステップ(S41)と、温度変化監視ステップ(S42)と、高温時判定ステップ(S43a〜S43c)と、を含む。そして、下記で説明するように、制御対象区画Ltの実際の空気比λを、一次空気G1の供給量を所定量減少させた際の温度変化に基づいて判定する。
図6のフローに従って各ステップを説明すると、ステップS41において空気量減少ステップが実行される。空気量減少ステップは、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも高い場合には、一次空気G1の供給量を所定量減少させる。この所定量は、一次空気G1の供給量を所定量減少させた後の区画Lpの温度変化が、一次空気G1の供給量を変化(所定量減少)させたことより生じたものと判定可能な量となる。より詳細には、通常、流動層Lの温度は変動するものであり、上記の所定量は、この温度変動分(±α)による変化と上記の温度変化との区別が可能となるだけの温度変化をもたらすだけの量であることが好ましい。例えば、所定量は、空気比λが5%程度(λ=0.05程度)変化する量であっても良い。具体的には、一次空気G1の供給量を所定量減少させることが可能な分だけ、ダンパ5の開度を閉方向に変える。
ステップS42において温度変化監視ステップが実行される。温度変化監視ステップ(S42)は、上記の空気量減少ステップ(S41)が実行された制御対象区画Ltにおける区画別温度Tpの温度変化を監視する。具体的には、この温度変化は、該当する制御対象区画Ltの温度計62により監視される。
次のステップS43において高温時判定ステップが実行される。高温時判定ステップ(S43)は、上記の温度変化が上昇と下降とのいずれを示すか判定し(S43a)、温度変化が上昇を示した制御対象区画Ltの空気比λは高空気比領域Rhにあると判定し(S43b)、温度変化が下降を示した制御対象区画Ltの空気比λは低空気比領域Rlにあると判定する(S43c)。このように、一次空気G1の供給量を所定量減少させた際の実際の温度変化と、流動層Lの温度特性C(図5)とに基づいて、制御対象区画Ltの空気比λの空気比領域Rを判定する。
上記の構成によれば、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも高温側に外れている制御対象区画Ltについては、まずは一次空気G1を所定量減少させ、その際の温度変化に基づいて制御対象区画Ltが属する空気比領域Rが判定される。これによって、空気比領域Rの判定に際して燃焼室2の温度がさらに高温化される状況の発生を低減することができ、この判定による高温化に伴う燃焼室2の損傷発生を防止し、空気比領域Rの判定をより安全に行うことができる。さらに、上記の構成によれば、O2センサなどのセンサを設けることなく、各制御対象区画Ltの空気比λが属する空気比領域Rをそれぞれ判定することができ、センサ設置によるコストの上昇を抑制することもできる。なお、上述のステップS41では、一次空気G1の供給量を所定量だけ減少させているが、この所定量だけ逆に増加させても良く、その後にステップS42、S43(S43a〜S43c)を行うことで、空気比領域Rの判定を行うことができる。
一方、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも低い場合における空気比領域Rの判定方法について説明すると、幾つかの実施形態では、図6に示されるように、空気比領域判定ステップ(図4のS4)は、空気量増加ステップ(S44)と、温度変化監視ステップ(S45)と、低温時判定ステップS(S46a〜S46c)と、を含む。そして、下記で説明するように、制御対象区画Ltの空気比λを、一次空気G1の供給量を所定量増加させた際の実際の温度変化に基づいて判定する。
図6のフローに従って各ステップを説明すると、ステップS44において空気量増加ステップが実行される。空気量増加ステップは、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも低い場合には、一次空気G1の供給量を所定量増加させる。この所定量は、一次空気G1の供給量を所定量増加させた後の区画Lpの温度変化が、一次空気G1の供給量を変化(所定量増加)させたことより生じたものと判定可能な量となる。より詳細には、通常、流動層Lの温度は変動するものであり、上記の所定量は、この温度変動分(±α)による変化と上記の温度変化との区別が可能となるだけの温度変化をもたらす量であることが好ましい。例えば、所定量は、空気比λが5%程度変化する量であっても良い。具体的には、一次空気G1の供給量を所定量増加させることが可能な分だけ、ダンパ5の開度を開方向に変える。
ステップS45において温度変化監視ステップが実行される。温度変化監視ステップ(S45)は、上記の空気量増加ステップ(S44)が実行された制御対象区画Ltにおける区画別温度Tpの温度変化を監視する。具体的には、この温度変化は、該当する制御対象区画Ltの温度計62により監視される。
ステップS46において低温時判定ステップが実行される。低温時判定ステップ(S46)は、上記の温度変化が上昇と下降とのいずれを示すか判定し(S46a)、温度変化が上昇を示した制御対象区画Ltの空気比λは低空気比領域Rlにあると判定し(S46b)、温度変化が下降を示した制御対象区画Ltの空気比λは高空気比領域Rhにあると判定する(S46c)。このように、一次空気G1の供給量を所定量増加させた際の実際の温度変化と、流動層Lの温度特性C(図5)とに基づいて、制御対象区画Ltの空気比λの空気比領域Rを判定する。
上記の構成によれば、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも低温側に外れている制御対象区画Ltについては、まずは一次空気G1を所定量増加させ、その際の温度変化に基づいて制御対象区画Ltが属する空気比領域Rが判定される。つまり、流動層Lの空気比λは確率的に高い低空気比領域Rlにあると仮定して一次空気G1の所定量増加を行うことで、制御対象区画Ltの温度を上昇させたいのにもかかわらず、その温度を低下させてしまう可能性を低減することができる。また、各制御対象区画Ltの空気比λが属する空気比領域Rをそれぞれ判定することができ、センサ設置によるコストの上昇を抑制することもできる。なお、上述のステップS44では、一次空気G1の供給量を所定量だけ増加させているが、この所定量だけ逆に減少させても良く、その後にステップS45、S46(S46a〜S46c)を行うことで、空気比領域Rの判定を行うことができる。
以下、上述した流動層温度均一化装置3の備える制御指令装置7の具体的な構成について図7を用いて説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る流動層温度均一化装置3の備える制御指令装置7の機能ブロック図である。制御指令装置7は、区画別温度Tpが目標温度範囲に入るように、制御指令を複数のダンパ5に与え、空気量制御を実行する装置である。また、制御指令装置7はコンピュータであり、このコンピュータは、図示しないCPU(プロセッサ)や主記憶装置を備えている。また、コンピュータは、入出力装置(例えば、マウス、キーボード、ディスプレイなど)、補助記憶装置、ネットワークインタフェースなどの周知な構成を含んで構成されても良い。そして、主記憶装置にロードされたプログラムの命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、上述した流動層温度均一化方法を実行するための図7に示されるような各機能部が実現される。
そして、図7に示されるように、制御指令装置7は、温度比較部71と、空気比領域判定部72と、制御指令部73と、を備える。以下、制御指令装置7が備える各機能部について説明する。なお、図7に示される実施形態では、流動層Lの複数の区画Lpは、それぞれを識別するための識別子が設定されるなどによって区別されており、制御指令装置7が備える各機能部(後述する機能部も含めた71〜78)は、各機能部が処理している区画Lp(制御対象区画Lt)がどれかを上記の識別子などを一緒に受け渡すことで認識可能に構成されているものとする。
温度比較部71は、上述した温度計測装置6で計測された区画別温度Tpと目標温度範囲とを比較する。つまり、上述した温度比較ステップ(図4のS2)に対応する処理を実行する。図7に示される実施形態では、温度比較部71は、温度計測装置6から区画別温度Tpの入力を受けると共に、比較結果を空気比領域判定部72に出力している。なお、この比較結果は、制御対象区画Ltのものだけ空気比領域判定部72に出力されても良い。
空気比領域判定部72は、区画別温度Tpが目標温度範囲から外れている前記区画である制御対象区画Ltについて、制御対象区画Ltの空気比λが、理論空気比に対して空気量が不足する低空気比領域Rlと理論空気比に対して空気量が過剰となる高空気比領域Rhとのいずれの領域にあるかを判定する。つまり、上述した空気比領域判定ステップ(図4のS4)に対応する処理を実行する。図7に示される実施形態では、空気比領域判定部72は、温度比較部71からの上記の温度の比較結果の入力を受けると共に、空気比領域Rの判定結果を制御指令部73に出力している。
制御指令部73は、空気比領域判定部72の判定結果に基づいて、制御対象区画Ltに供給される一次空気G1の供給量を、区画別温度Tpが目標温度範囲に入るように増加あるいは減少させる制御指令を複数のダンパ5に与え、空気量制御を実行する。つまり、上述した空気量制御実行ステップ(図4のS5)に対応する処理を実行する。図7に示される実施形態では、制御指令部73は、複数のダンパ5の全てに接続され、各ダンパ5の開度を制御する制御指令を与えることにより、制御対象区画Ltへ供給する空気量を増加あるいは減少させる制御を実行している。
上記の構成によれば、上記で説明した流動層温度均一化方法と同様に、流動層Lの温度が目標温度範囲から外れてしまう部分が流動層Lに部分的に生じても、その部分に対応する区画Lpの一次空気G1の供給量を空気比領域Rの判定結果に基づいて制御することにより、流動層全体にわたって温度を目標温度範囲内に維持することができる。また、リサイクル燃料などの性状(水分量、形状、大きさ、重量など)の変動が大きい燃料Fを使用する場合であっても流動層全体における温度のばらつきを抑制することができ、NOxやCOなどの有害物質の発生を抑制することができる。
また、幾つかの実施形態では、制御指令装置7は、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも高い場合において空気比領域Rを判定するために、空気比領域判定部72は、空気量減少指令部74と、温度変化監視部75と、高温時判定部76とを備えても良い。なお、以下の説明では、いずれの機能部も、複数の区画Lpのうちのどの区画Lpについて処理しているかを、上述したような論理的あるいは物理的な方法により認識しているものとする。
空気量減少指令部74は、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも高い場合には、一次空気G1の供給量を所定量減少させる制御指令をダンパ5に与え、空気量制御を実行する。つまり、上述した空気量減少ステップ(図6のS41)に対応する処理を実行する。図7に示される実施形態では、空気量減少指令部74は温度計測装置6に接続されており、温度計測装置6から区画別温度Tpの入力を受ける。また、空気量減少指令部74は制御対象区画Ltのダンパ5に制御指令を与え、ダンパ5の開度を制御する。また、空気量減少指令部74は温度変化監視部75に接続されており、一次空気G1の供給量を所定量減少させたことを温度変化監視部75に通知する。
温度変化監視部75は、空気量減少指令部74により一次空気G1の供給量が所定量減少された制御対象区画Ltにおける区画別温度Tpの温度変化を監視する。つまり、上述した温度変化監視ステップ(図6のS42)に対応する処理を実行する。図7に示される実施形態では、温度変化監視部75は、空気量減少指令部74から上記の通知の入力を受ける。また、温度変化監視部75は高温時判定部76に接続されており、温度変化の監視結果を高温時判定部76に出力する。
高温時判定部76は、温度変化が上昇を示した制御対象区画Ltの空気比λは高空気比領域Rhにあると判定し、温度変化が下降を示した制御対象区画Ltの空気比λは低空気比領域Rlにあると判定する。つまり、上述した高温時判定ステップ(図6のS43)に対応する処理を実行する。図7に示される実施形態では、高温時判定部76は、温度変化監視部75から温度変化を監視結果の入力を受ける。また、高温時判定部76は、上述した制御指令部73に接続されており、空気比領域Rの判定結果を制御指令部73に出力する。
そして、制御指令部73は、高温時判定部76によって高空気比領域Rhにあると判定された制御対象区画Ltのダンパ5には、一次空気G1の供給量を増加させる制御指令を与え、低空気比領域Rlにあると判定された制御対象区画Ltのダンパ5には、一次空気G1の供給量を減少させる制御指令を与える。図7に示される実施形態では、上述したように、制御指令部73は制御対象区画Ltのダンパ5に制御指令を与え空気量制御を実行している。これによって、制御対象区画Ltが属する空気比領域Rに基づいて一次空気G1の供給量を制御することができ、制御対象区画Ltの温度を目標温度範囲に確実に入れることができる。
上記の構成によれば、流動層温度均一化方法と同様に、空気比領域Rの判定に際して燃焼室2の温度がさらに高温化される状況の発生を低減することができ、この判定による高温化に伴う燃焼室2の損傷発生を防止し、空気比領域Rの判定をより安全に行うことができる。さらに、上記の構成によれば、O2センサなどのセンサを設けることなく、各区画の空気比が属する空気比領域をそれぞれ判定することができ、センサ設置によるコストの上昇を抑制することもできる。
また、他の幾つかの実施形態では、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも低い場合において空気比領域を判定するために、空気比領域判定部72は、空気量増加指令部77と、温度変化監視部75と、低温時判定部78とを備えても良い。なお、以下の説明では、いずれの機能部も、複数の区画Lpのうちのどの区画Lpについて処理しているかを、上述したような論理的あるいは物理的な方法により認識しているものとする。
空気量増加指令部77は、区画別温度Tpが目標温度範囲よりも低い場合には、一次空気G1の供給量を所定量増加させる制御指令をダンパ5に与え、空気量制御を実行する。つまり、上述した空気量増加ステップ(図6のS44)に対応する処理を実行する。図7に示される実施形態では、空気量増加指令部77は温度計測装置6に接続されており、温度計測装置6から区画別温度Tpの入力を受ける。また、空気量増加指令部77は制御対象区画Ltのダンパ5に制御指令を与え、ダンパ5の開度を制御する。また、空気量増加指令部77は温度変化監視部75に接続されており、一次空気G1の供給量を所定量増加させたことを温度変化監視部75に通知する。
温度変化監視部75は、空気量増加指令部77により一次空気G1の供給量が所定量増加された制御対象区画Ltにおける区画別温度Tpの温度変化を監視する。つまり、上述した温度変化監視ステップ(図6のS45)に対応する処理を実行する。図7に示される実施形態では、温度変化監視部75は、空気量増加指令部77から上記の通知の入力を受ける。また、温度変化監視部75は低温時判定部78に接続されており、温度変化の監視結果を低温時判定部78に出力する。
低温時判定部78は、温度変化が上昇を示した制御対象区画Ltの空気比λは低空気比領域Rlにあると判定し、温度変化が下降を示した制御対象区画Ltの空気比λは高空気比領域Rhにあると判定する。つまり、上述した低温時判定ステップ(図6のS46)に対応する処理を実行する。図7に示される実施形態では、低温時判定部78は、温度変化監視部75から温度変化を監視結果の入力を受ける。また、低温時判定部78は、上述した制御指令部73に接続されており、空気比領域Rの判定結果を制御指令部73に出力する。
そして、制御指令部73は、低温時判定部78によって低空気比領域Rlにあると判定された制御対象区画Ltのダンパ5には、一次空気G1の供給量を増加させる制御指令を、高空気比領域Rhにあると判定された制御対象区画Ltのダンパ5には、一次空気G1の供給量を減少させる制御指令を与える。図7に示される実施形態では、上述したように、制御指令部73は、制御対象区画Ltのダンパ5に制御指令を与え、空気量制御を実行している。これによって、制御対象区画Ltが属する空気比領域Rに基づいて一次空気G1の供給量を制御することができ、制御対象区画Ltの温度を目標温度範囲に確実に入れることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、流動床ボイラ1として気泡型流動床ボイラを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば循環型流動床ボイラにも適用することができる。
また、図1〜図2に示される実施形態では、流動床ボイラ1への燃料供給方式は燃料シュート方式であったが、この実施形態には限定されず、スプレッダ方式などの他の燃料供給方式であっても良い。
また、同様に、流量制御装置としてダンパ5を用いて説明したが、この実施形態には限定されず、流量調整弁などのバルブやオリフィスなどの他の流量コントロール手段であっても良い。
1 流動床ボイラ
11 燃料シュート
12 伝熱管群
2 燃焼室
21 壁面
21o 燃料供給口
22 燃焼室の底部
23 空気供給口
3 流動層温度均一化装置
4 セル(風室)
42 セルの側壁
4s 側壁の仮想的な延長面
5 ダンパ
6 温度計測装置
62 温度計
7 制御指令装置
71 温度比較部
72 空気比領域判定部
73 制御指令部
74 空気量減少指令部
75 温度変化監視部
76 高温時判定部
77 空気量増加指令部
78 低温時判定部
G1 一次空気
G2 二次空気
n1 一次空気ノズル
n1 二次空気ノズル
p1 一次空気供給管
p1 二次空気供給管
L 流動層
Lp 区画
Lt 制御対象区画
C 温度特性
Tp 区画別温度
R 空気比領域
Rh 高空気比領域
Rl 低空気比領域
F 燃料
V 垂直方向
H 水平方向

Claims (11)

  1. 燃焼室の内部に流動層を形成するための一次空気を供給する複数の空気供給口の各々に対応して定められた前記流動層の複数の区画において、前記複数の区画の区画別温度が目標温度範囲に入るように、前記複数の空気供給口から前記複数の区画に供給される前記一次空気の供給量を制御する流動層温度均一化方法であって、
    前記区画別温度を計測する温度計測ステップと、
    前記温度計測ステップで計測された前記区画別温度と前記目標温度範囲とを比較する温度比較ステップと、
    前記区画別温度が前記目標温度範囲から外れている前記区画である制御対象区画について、前記制御対象区画の空気比が、理論空気比に対して空気量が不足する低空気比領域と前記理論空気比に対して空気量が過剰となる高空気比領域とのいずれの領域にあるかを判定する空気比領域判定ステップと、
    前記空気比領域判定ステップの判定結果に基づいて、前記制御対象区画に供給される前記一次空気の供給量を、前記区画別温度が前記目標温度範囲に入るように増加あるいは減少させる空気量制御を実行する空気量制御実行ステップと、を備え、
    前記空気比領域判定ステップは、
    前記区画別温度が前記目標温度範囲よりも高い場合には、前記一次空気の供給量を所定量減少させる空気量減少ステップと、
    前記空気量減少ステップが実行された前記制御対象区画における前記区画別温度の温度変化を監視する温度変化監視ステップと、
    前記温度変化が上昇を示した前記制御対象区画の空気比は前記高空気比領域にあると判定し、前記温度変化が下降を示した前記制御対象区画の空気比は前記低空気比領域にあると判定する高温時判定ステップと、を含むことを特徴とする流動層温度均一化方法。
  2. 前記空気量制御実行ステップは、前記高温時判定ステップによって前記高空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を増加させ、前記低空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を減少させることを特徴とする請求項に記載の流動層温度均一化方法。
  3. 前記空気比領域判定ステップは、
    前記区画別温度が前記目標温度範囲よりも低い場合には、前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を所定量増加させる空気量増加ステップと、
    前記空気量増加ステップが実行された前記制御対象区画における前記区画別温度の温度変化を監視する温度変化監視ステップと、
    前記温度変化が上昇を示した前記制御対象区画の空気比は前記低空気比領域にあると判定し、前記温度変化が下降を示した前記制御対象区画の空気比は前記高空気比領域にあると判定する低温時判定ステップと、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の流動層温度均一化方法。
  4. 前記空気量制御実行ステップは、前記低温時判定ステップによって前記低空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を増加させ、前記高空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を減少させることを特徴とする請求項に記載の流動層温度均一化方法。
  5. 燃焼室の内部に流動層を形成するための一次空気を供給する複数の空気供給口の各々に対応して定められた前記流動層の複数の区画において、前記複数の区画の区画別温度が目標温度範囲に入るように、前記複数の空気供給口から前記複数の区画に供給される前記一次空気の供給量を制御する流動層温度均一化方法であって、
    前記区画別温度を計測する温度計測ステップと、
    前記温度計測ステップで計測された前記区画別温度と前記目標温度範囲とを比較する温度比較ステップと、
    前記区画別温度が前記目標温度範囲から外れている前記区画である制御対象区画について、前記制御対象区画の空気比が、理論空気比に対して空気量が不足する低空気比領域と前記理論空気比に対して空気量が過剰となる高空気比領域とのいずれの領域にあるかを判定する空気比領域判定ステップと、
    前記空気比領域判定ステップの判定結果に基づいて、前記制御対象区画に供給される前記一次空気の供給量を、前記区画別温度が前記目標温度範囲に入るように増加あるいは減少させる空気量制御を実行する空気量制御実行ステップと、を備え、
    前記空気比領域判定ステップは、
    前記区画別温度が前記目標温度範囲よりも低い場合には、前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を所定量増加させる空気量増加ステップと、
    前記空気量増加ステップが実行された前記制御対象区画における前記区画別温度の温度変化を監視する温度変化監視ステップと、
    前記温度変化が上昇を示した前記制御対象区画の空気比は前記低空気比領域にあると判定し、前記温度変化が下降を示した前記制御対象区画の空気比は前記高空気比領域にあると判定する低温時判定ステップと、を含むことを特徴とする流動層温度均一化方法。
  6. 燃焼室の内部に流動層を形成するための一次空気を供給する複数の空気供給口と、
    前記複数の空気供給口の各々に対応して定められた前記流動層の複数の区画の各々に、前記複数の空気供給口の各々から供給される前記一次空気の供給量を制御する複数の流量制御装置と、
    前記複数の区画の区画別温度を計測する温度計測装置と、
    前記区画別温度が目標温度範囲に入るように、前記複数の流量制御装置に制御指令を与える制御指令装置と、を備え、
    前記制御指令装置は、
    前記温度計測装置で計測された前記区画別温度と前記目標温度範囲とを比較する温度比較部と、
    前記区画別温度が前記目標温度範囲から外れている前記区画である制御対象区画について、前記制御対象区画の空気比が、理論空気比に対して空気が不足する低空気比領域と前記理論空気比に対して空気が過剰となる高空気比領域とのいずれの領域にあるかを判定する空気比領域判定部と、
    前記空気比領域判定部の判定結果に基づいて、前記制御対象区画に供給される前記一次空気の供給量を増加あるいは減少させるように前記流量制御装置に前記制御指令を与える制御指令部と、を含み、
    前記空気比領域判定部は、
    前記区画別温度が前記目標温度範囲よりも高い場合には、前記流量制御装置に前記一次空気の供給量を所定量減少させる制御指令を与える空気量減少指令部と、
    前記流量制御装置により前記一次空気の供給量が所定量減少された前記制御対象区画における前記区画別温度の温度変化を監視する温度変化監視部と、
    前記温度変化が上昇を示した前記制御対象区画の空気比は前記高空気比領域にあると判定し、前記温度変化が下降を示した前記制御対象区画の空気比は前記低空気比領域にあると判定する高温時判定部と、を有することを特徴とする流動層温度均一化装置。
  7. 前記制御指令部は、前記高温時判定部によって前記高空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記流量制御装置には前記一次空気の供給量を増加させる制御指令を、前記低空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記流量制御装置には前記一次空気の供給量を減少させる制御指令を与えることを特徴とする請求項に記載の流動層温度均一化装置。
  8. 前記空気比領域判定部は、
    前記区画別温度が前記目標温度範囲よりも低い場合には、前記流量制御装置に、前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を所定量増加させる制御指令を与える空気量増加指令部と、
    前記空気量増加指令部により前記一次空気の供給量が所定量増加された前記制御対象区画における前記区画別温度の温度変化を監視する温度変化監視部と、
    前記温度変化が上昇を示した前記制御対象区画の空気比は前記低空気比領域にあると判定し、前記温度変化が下降を示した前記制御対象区画の空気比は前記高空気比領域にあると判定する低温時判定部と、を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の流動層温度均一化装置。
  9. 前記制御指令部は、前記低温時判定部によって前記低空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記流量制御装置には前記一次空気の供給量を増加させる制御指令を、前記高空気比領域にあると判定された前記制御対象区画の前記流量制御装置には前記一次空気の供給量を減少させる制御指令を与えることを特徴とする請求項に記載の流動層温度均一化装置。
  10. 燃焼室の内部に流動層を形成するための一次空気を供給する複数の空気供給口と、
    前記複数の空気供給口の各々に対応して定められた前記流動層の複数の区画の各々に、前記複数の空気供給口の各々から供給される前記一次空気の供給量を制御する複数の流量制御装置と、
    前記複数の区画の区画別温度を計測する温度計測装置と、
    前記区画別温度が目標温度範囲に入るように、前記複数の流量制御装置に制御指令を与える制御指令装置と、を備え、
    前記制御指令装置は、
    前記温度計測装置で計測された前記区画別温度と前記目標温度範囲とを比較する温度比較部と、
    前記区画別温度が前記目標温度範囲から外れている前記区画である制御対象区画について、前記制御対象区画の空気比が、理論空気比に対して空気が不足する低空気比領域と前記理論空気比に対して空気が過剰となる高空気比領域とのいずれの領域にあるかを判定する空気比領域判定部と、
    前記空気比領域判定部の判定結果に基づいて、前記制御対象区画に供給される前記一次空気の供給量を増加あるいは減少させるように前記流量制御装置に前記制御指令を与える制御指令部と、を含み、
    前記空気比領域判定部は、
    前記区画別温度が前記目標温度範囲よりも低い場合には、前記流量制御装置に、前記制御対象区画の前記一次空気の供給量を所定量増加させる制御指令を与える空気量増加指令部と、
    前記空気量増加指令部により前記一次空気の供給量が所定量増加された前記制御対象区画における前記区画別温度の温度変化を監視する温度変化監視部と、
    前記温度変化が上昇を示した前記制御対象区画の空気比は前記低空気比領域にあると判定し、前記温度変化が下降を示した前記制御対象区画の空気比は前記高空気比領域にあると判定する低温時判定部と、を含むことを特徴とする流動層温度均一化装置。
  11. 請求項6〜請求項10のいずれか1項に記載の流動層温度均一化装置と、
    一次空気が供給されることで内部に流動層を形成する燃焼室と、を備えることを特徴とする流動床ボイラ。
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